説明

プライベートIPv4/グローバルIPv6間の移行のための端末移動性

通信システム(SYS)では、IPv4インターネットである第1ネットワーク(IN)と、IPv6ネットワークである第2ネットワーク(GV6−1)と、IPv6ネットワークである第3ネットワーク(GV6−2)と、プライベートIPv4ネットワークである第4ネットワーク(PV4)とが、ゲートウェイ(GW1、GW2、GW3)を介して相互に接続されている。本発明によれば、第2ネットワーク(GV6−1)をホームネットワークとし、第4ネットワーク(PV4)へ移動した移動ホスト(MH)と、第3ネットワーク(GV6−2)において登録される通信相手ホスト(CH)との間の通信が可能になる。本発明には、通信システム(SYS)における登録および通信方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトコルおよび/またはアドレス空間の異なる複数のネットワークからなる通信システムにおける登録方法、通信方法、ゲートウェイおよび移動通信端末に関する。本発明は、特に、第1ネットワークにおいて登録されている移動通信端末が他のネットワークに移動するような、IPベースの移動ネットワーク間をローミングする状況に関し、より具体的には、前記他のネットワークにおいて実装されるプロトコルが前記第1ネットワークにおいて実装されるプロトコルと異なるローミング状況に関する。
【0002】
また本発明は、特に、前記移動通信端末が、移動したネットワークにおいてどのように登録されうるかという問題と、この移動通信端末が、前記通信システムのさらに別のネットワークに属する他の移動通信端末とどのように通信を行いうるかという問題に関する。ここで、各ネットワークは、以下に詳述するような、IPv4、IPv6のようなバージョンの異なるインターネットプロトコルが共存し、インターネットプロトコル(IP)が実装される移動ネットワークである。
【0003】
しかし、本発明は、プロトコルまたはアドレスベースの異なる複数のネットワーク一般に関するものであり、ここで説明する内容は、インターネットプロトコルが実装されるネットワークにのみ適用されるうるものではない。
【背景技術】
【0004】
図1は、従来技術に係る通信システムSYSを示している。同図に示されるように、通信システムSYSは、インターネットプロトコルIPv4等の第1プロトコルが実装される第1ネットワークIN(第1ネットワークはグローバルインターネットである)と、インターネットプロトコルIPv6等の第2プロトコルが実装される3つの第2ネットワークGV6‐1、GV6‐2、GV6と、IPv4等の前記第1プロトコルが実装される第3および第4ネットワークPV4、PV4**とにより構成されている。また、同図に示されるように、第1ネットワークIN(IPv4インターネット)は、各ゲートウェイGWを介して他のネットワークと接続されている。このゲートウェイGWの機能は、いわゆる当業者にとって周知のとおりであり、主としてIPv4、IPv6ネットワーク間のプロトコル変換やアドレス変換を行う。図1に示される構成は、IPv4プライベートネットワークと、1または複数のIPv6ネットワークが共存することになるIPv4からIPv6への移行期の典型例である。通常、第1および第2プロトコルは互いに異なり相互運用することができないため、既存のIPv4ネットワークとこれから登場するIPv6ネットワークの間の通信を可能とするためには何らかの移行方法が必要である。
【0005】
しかし、図1の構成において相互運用が阻害されるのは、各ネットワークにおいてIPv4、IPv6という異なるプロトコルが使用されていることだけが原因なのではなく、各ネットワークにおけるアドレスの使用方法もまたその原因となっている。例えば、第3および第4ネットワークPV4、PV4**では、第1ネットワークINと同じ第1プロトコルIPv4が原則使用されるため、相互運用が原則可能である。しかし、例えば第1および第4ネットワークIN、PV4では、アドレッシングに同じ第1プロトコルIPv4が使用されるが、第1および第4アドレスは、それぞれ第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスである。すなわち、第1、第3および第4ネットワークIN、PV4、PV**は同じタイプのアドレスを使用するが(同じプロトコルIPv4が各ネットワークのアドレッシングに使用されるため)、第1ネットワークのユーザまたは通信端末は、第3および第4ネットワークPV4、PV**のために確保されるアドレス範囲についての一般的な知識を有していない。第1および第4アドレスが異なるアドレス範囲から選択されることは、第3および第4ネットワークPV、PV**の「プライベート」という言葉によって示されている。
【0006】
一方、アドレスの使用方法という点では、第2ネットワークGV6‐1、GV6‐2、GV6は、いずれもアドレッシングに第2プロトコルIPv6を使用し、同じアドレス空間をグローバルに共有している。すなわち、「プライベート」アドレスが確保されていない。
従って、図1の通信システムSYSでは、プロトコルの使用やアドレスの使用の相互運用性を実現するにあたっていくつか不適合な点が存在する。この結果、第1ネットワークINに接続されるいずれかのネットワークにおいて登録された移動通信端末が、他のネットワークに移動する際に問題が生じる。具体的には、そのような移動通信端末は、新たな(移動先の)ネットワークにおいて自身の登録を行うことができず、他の移動通信端末から通信不可能となる可能性があり、また他の移動通信端末に対して情報を送信することができなくなる可能性がある。図1からも分かるように、例えばIPv4プライベートネットワークPV4**からIPv6ネットワークGV6‐1に移動する移動通信端末は、それぞれ異なるプロトコルが使用される当該2つのネットワークにおいて動作可能なように、当然ながらデュアルスタックな移動通信端末である必要がある。しかし、デュアルスタック(デュアルプロトコル対応)な移動通信端末を使用することに加えて、例えばIPv4プロトコルネットワークを介したIPv6情報の経路制御を可能にしたり、例えばネットワークGV6、GV6‐2の2つの移動通信端末がインターネットINを介した情報の経路制御を行って通信する際には、そのための手続きが確立される必要がある。このローミング手続きおよび通信態様は、移動通信端末が図1のネットワークを移動する場合において、いくつかのケースに分類することができる。そのため、ローミングや移動を行う端末により異なるIPプロトコル間の通信を可能とする専用の移行メカニズムが求められる。
【0007】
図2aは、第1プロトコルネットワークPV4、PV4、PV4**が、ゲートウェイGW1.GW2、GW3を介してそれぞれ第1プロトコルネットワークIN(IPv4インターネット)に接続される通信システムSYSを示している。上述したように、このケースでは、全てのネットワークにおいてプロトコルが同じである一方、アドレス範囲は、各「プライベート」IPv4ネットワークPV4、PV4、PV4**において異なっている。図2では、(ホームネットワークPV4に属する)移動通信端末T1が、他のIPv4ネットワークPV4に移動し、そこで移動通信端末T1として登録される。その目的は、移動通信端末T1が、ホームネットワークPV4**において登録されている通信相手の移動通信端末T2と通信を行うためである。この図2aの登録/通信態様はMobile IPプロトコル使用することで従来より解決可能であり、Mobile IPプロトコルを使用することにより、IPベースの移動端末はIPv4インターネットINに接続されるIPv4領域を移動することができる。Mobile IPプロトコルを使用することで、端末T1およびT2の間の通信は可能となるため、移動端末T1、T2はデュアルプロトコル対応の端末である必要はない。これは、図2の通信システムSYSが、IPv4ネットワーク、すなわち第1プロトコルネットワークのみで構成されているからである。
【0008】
図2bは、別の通信態様を示しており、この態様では、IPv6グローバルネットワークGV6‐1、GV6、GV6‐2等の第2プロトコルネットワークが、ゲートウェイGW1、GW2、GW3を介してそれぞれ第1プロトコルネットワークIN、すなわちIPv4インターネットに接続されている。この態様では、上述したように、IPv6グローバルネットワークGV6‐1、GV6、GV6‐2において、アドレッシングに第2プロトコルが使用され、同じ「グローバル」アドレス領域から選択されるアドレスが使用される。第1プロトコル(IPv4)インターネットINでは、第1プロトコルIPv4が使用され、自身に特有のアドレス仕様およびアドレス範囲が採用されている。図2bの構成においても、図2aと同様に、自身のホームネットワークGV6‐1から移動した移動端末T1は、外部(ビジタ)ネットワークGVGにおいて登録され、例えば第2プロトコルネットワークGV6‐2において登録されている移動通信端末T2と通信可能となることが要求される。図2bから分かるように、2つの端末T1およびT2の間の通信および登録は、第1ゲートウェイGW1と第2ゲートウェイGW2の間の第1プロトコルトンネルV6V4TUNを確立することにより原則可能となる。図2b(「IPv6 in IPv4」)に示されるように、トンネルV6V4TUNは、第2プロトコル(IPv6)情報を第1プロトコル(IPv4)でカプセル化するために用いられる。IPv6領域がIPv4インターネットに接続される図2bのケースでは、6‐4移行メカニズムとMobile IPv6(MIPv6)プロトコルとが組み合わされて、当該IPv6領域を移動するIPベースの端末に対して用いられる。図2bの構成は、移動端末T1が第2プロトコル(IPv6)ホームネットワークGV6‐1から第2プロトコル外部ネットワークGV6に移動するものであり、極端に複雑なケースではない。唯一の問題は、IPv4インターネット上においてどのように情報を経路制御するかであるが、この問題は、トンネルV6V4TUNにより容易に解決される。
【0009】
図2aにおける通信は、Mobile IPプロトコルを使用することにより従来より実現可能であり、図2bにおける通信も、Mobile IPv6プロトコルを使用することにより従来より実現可能であるが、図3に示されるようなより複雑な通信態様のための解決方法はこれまでに提案されていない。図2aおよび図2bの態様との相違点は、移動端末(すなわち、移動ホストMH)が、第2プロトコルホームネットワークGV6‐1から、第1プロトコルIPv4が実装されるネットワークIPv4に移動する点である。すなわち、図3では、移動ホストMHが、IPv6ホームネットワークHNからプライベートIPv4外部ネットワークFNに移動するのである。この図3の通信システムSYSでは、第1ネットワークINと第4ネットワークPV4において第1プロトコルが実装されるが、第1および第4ネットワークIN、PV4で使用される第1および第4アドレスは、第1プロトコルのそれぞれ異なるアドレス範囲から選択される。すなわち、第4ネットワークPV4のアドレスは、第4ネットワークにおいて「プライベート」なアドレスであり、第1ネットワークINで使用されるようなグローバルなアドレスではない。一方、第2および第3ネットワークGV6‐1、GV6‐2では、アドレッシングに同じ第2プロトコルが使用され、第2および第3ネットワークGV6‐1、GV6‐2の第2および第3アドレスは、グローバルアドレスである。すなわち、第2および第3アドレスは、第2プロトコルIPv6の共通のアドレス範囲から選択される。この図3の通信態様に対する解決方法はこれまでのところ報告されていない。
【0010】
第1端末MHがプロトコルの異なるネットワークIPv4に移動し、第2プロトコルネットワークGV6‐2において登録されている通信相手の移動端末CHと通信を行う際に問題が生じるのは、移動ホストMHが、アドレスのミスマッチの問題により通信相手のホストCHにとって原則通信不可能な、プロトコルの異なる領域に移動することが原因である。
【0011】
第一に、移動ホストMHは、自身のホームネットワーク(HN、GV6‐1)において第2プロトコルIPv6を使用して登録を行うことができ、且つ、第1プロトコルIPv4を使用して第1プロトコル外部ネットワークPV4における登録を行うことができるデュアルプロトコル対応の移動通信端末である必要がある。しかし、たとえ移動ホストMHが第1プロトコルプライベートネットワークPV4において登録可能であったとしても、第2ネットワークGV6‐1のホームエージェント(ホームレジスタ)は、移動ホストMHの識別子として第2プロトコル(IPv6)ホームアドレスを依然として記憶することになる。従って、MHとCHの間で通信が確立される際には、通信相手のホストCHは、ホームエージェントHAに登録されている第2プロトコルIPv6アドレスに基づいて移動ホストMHとの通信を試みることになる。しかし、図3の態様では、移動ホストMHは、すでにプライベートネットワークPV4に移動しており、この外部プライベートネットワークPV4において登録されているため、そのアドレスではもはや通信を行うことはできない。従って、移動ホストMHは、新しいグローバルで一意のIPv6アドレスに基づいて通信を行うことができず、通信は確立され得ない。
【0012】
第二に、MHとCHの通信の間、移動ホストMHは、ネットワークPV4、INおよびGV6‐2を介して通信相手のホストCHに第2プロトコル情報を送信するが、送信される情報は、第2プロトコルIPv6ベースであるため、第4ネットワークPV4および第1ネットワークINが容易に経路制御することができない(これは、例えば、プライベート第1プロトコルIPv4ポートならびにアドレスの仕様、および第2ならびに第3ネットワークGV6‐1、GV6‐2の第2プロトコルIPv6グローバルアドレスの仕様が原因である)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上、図3を参照して説明したように、図3の通信システムでは、第2プロトコルIPv6ホームネットワークGV6‐1において登録されている通信端末MHが、第1プロトコルIPv4プライベートネットワークPV4に移動し、第2プロトコルIPv6ネットワークGV6‐2において登録されている通信相手のホストCHと第1プロトコルIPv4ネットワークINを介して通信を試みると、登録および通信上の問題が生じる。
そこで、本発明は、上記の不都合を解決することを目的としている。具体的には、第2プロトコルホームネットワークから第1プロトコル第4ネットワークに移動した第1端末MHと、第1プロトコル第1ネットワークを介して第1端末の前記外部ネットワークに接続される別の第2プロトコルネットワークにおいて登録されている第2端末との間の通信を可能とする登録ならびに通信方法、移動通信端末、ゲートウェイおよび通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークに、それぞれ第1、第2ゲートウェイを介して接続される前記第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含む通信システムにおいて、前記第4ネットワークに移動した前記第2ネットワークの第1端末を前記第2ネットワークにおいて登録する方法であって、前記第1、第2プロトコルは互いに異なり、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第4アドレスを有し、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、前記第1端末において、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスから第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを生成するステップと、前記第1端末と第2ゲートウェイの間に第1プロトコル第1トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第1トンネルを経由して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを送信するステップと、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを前記第2ゲートウェイが受信するステップと、前記第2ゲートウェイと前記第1ゲートウェイの間に第1プロトコル第2トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第2トンネルを経由して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを送信するステップと、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを前記第1ゲートウェイが受信するステップと、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスを、前記第2ネットワークを介して前記第2ネットワーク上のホームエージェントへ送信するステップとを備えることを特徴とする登録方法により解決される。
【0015】
上記課題はまた、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークと、前記第2プロトコルが実装される第3ネットワークに、第1、第2、第3ゲートウェイを介して接続される前記第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含む通信システムにおいて、前記第4ネットワークに移動した前記第2ネットワークの第1端末から前記第3ネットワークの第2端末に対して通信情報を提供する通信方法であって、前記第1、第2プロトコルは互いに異なり、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2および第3ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第3、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、第1端末と第2ゲートウェイの間に第1プロトコル第1トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第1トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第2ゲートウェイが受信するステップと、前記第2ゲートウェイと前記第1ゲートウェイの間に第1プロトコル第2トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第2トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第1ゲートウェイが受信するステップと、前記第1ゲートウェイと前記第3ゲートウェイの間に第1プロトコル第3トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第3トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第3ゲートウェイが受信するステップと、前記通信情報を前記第3ネットワークを介して前記第2端末へ送信するステップとを備えることを特徴とする通信方法により解決される。
【0016】
上記課題はまた、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークと、前記第2プロトコルが実装される第3ネットワークに、第1、第2、第3ゲートウェイを介して接続される前記第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含む通信システムにおいて、前記第3ネットワークの第2端末から、前記第4ネットワークに移動した前記第2ネットワークの第1端末に対して通信情報を提供する通信方法であって、前記第1、第2プロトコルは互いに異なり、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2および第3ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第3、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、前記通信情報を、前記第2端末から前記第3ネットワークを介して前記第3ゲートウェイへ送信するステップと、前記第3ゲートウェイと前記第1ゲートウェイの間に第1プロトコル第1トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第1トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第1ゲートウェイが受信するステップと、前記第1ゲートウェイと前記第2ゲートウェイの間に第1プロトコル第2トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第2トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第2ゲートウェイが受信するステップと、前記第2ゲートウェイと前記第1端末の間に第1プロトコル第3トンネルを確立するステップと、前記第1プロトコル第3トンネルを経由して前記通信情報を送信するステップと、前記通信情報を前記第1端末が受信するステップとを含むことを特徴とする通信方法により解決される。
【0017】
上記課題はまた、他の端末との通信を行う移動通信端末であって、前記移動通信端末は第2プロトコルが実装される第2ネットワークに属す一方、前記他の端末は前記第2プロトコルが実装される第3ネットワークに属し、前記通信は、前記第2プロトコルとは異なる第1プロトコルが実装される第4および第1ネットワークを介して行われ、前記第2、第4、第3ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3ゲートウェイを介して前記第1ネットワークに接続され、前記移動通信端末は、前記第4ネットワークに移動しており、前記第2ネットワークは、ホームエージェントを含み、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2および第3ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第3、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、前記移動通信端末は、前記第1プロトコルと前記第2プロトコルを使用して通信を行うことが可能であり、前記移動通信端末は、自身と前記第2ゲートウェイの間に第1プロトコルトンネルを確立するトンネル確立部を備えることを特徴とする移動通信端末により解決される。
【0018】
上記課題はまた、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークと、前記第2プロトコルが実装される第3ネットワークに、第1ゲートウェイを構成するゲートウェイ、第2、第3ゲートウェイを介して接続される前記第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含む通信システムにおいて、前記第3ネットワークの第2端末から前記第4ネットワークに移動した前記第2ネットワークの第1端末に対して、または前記第1端末から前記第2端末に対して通信情報を提供する前記ゲートウェイあって、前記第1、第2プロトコルは互いに異なり、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2および第3ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第3、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報の組との間で変換を行う変換部を備えることを特徴とするゲートウェイにより解決される。
【0019】
上記課題はまた、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、前記第2プロトコルが実装される第3ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークに、第1、第2、第3ゲートウェイを介して接続される前記第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含み、前記第4ネットワークに移動した前記第2ネットワークの第1端末と前記第3ネットワークの第2端末の間の通信を可能にする通信システムであって、前記第1、第2プロトコルは互いに異なり、前記第1および第4ネットワークは、アドレッシングに前記第1プロトコルを使用し、前記第2および第3ネットワークはアドレッシングに第2プロトコルを使用し、前記第1、第2、第3、第4ネットワークは、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、前記第2、第3アドレスは、それぞれ前記第2プロトコルの共通のアドレス範囲から選択された第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、前記第2ネットワークは、前記第2ネットワークにより生成され当該第2ネットワーク上の第1端末に対して割り当てられる第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスと、前記第4ネットワークに移動した前記第1端末により生成される第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスとを記憶するホームエージェントを含み、前記第1端末は、前記第1プロトコルと前記第2プロトコルを使用して通信を行うことが可能であり、前記第1端末は、自身と前記第2ゲートウェイとの間に第1プロトコル第1トンネルを確立する第1トンネル確立部を備え、前記第4、第1ネットワーク間の前記第2ゲートウェイは、自身と前記第1ゲートウェイとの間に第1プロトコル第2トンネルを確立する第2トンネル確立部と、自身と前記第1端末との間に第1プロトコル第6トンネルを確立する第6トンネル確立部とを備え、前記第2、第1ネットワーク間の前記第1ゲートウェイは、自身と前記第3ゲートウェイとの間に第1プロトコル第3トンネルを確立する第3トンネル確立部と、自身と前記第2ゲートウェイとの間に第1プロトコル第5トンネルを確立する第5トンネル確立部とを備え、前記第3、第1ネットワーク間の前記第3ゲートウェイは、自身と前記第1ゲートウェイとの間に第1プロトコル第4トンネルを確立する第4トンネル確立部を備えることを特徴とする通信システムにより解決される。
【0020】
本発明によれば、第1端末の新しい第2プロトコルIPv6アドレスがそのホームエージェントに通知される登録方法において、デュアルプロトコル対応の移動端末が使用され、当該新しいアドレスは、グローバルで一意であり前記ホームエージェントにより利用可能である。この第2ネットワーク第1端末外部アドレスは、登録の際に、第4ネットワークおよび第1ネットワーク上の各トンネルを経由して第1端末のホームエージェントに通知される。
【0021】
また、通信が行われる際には、第1端末と(第4ネットワークと第1ネットワークを相互に接続する)外部ゲートウェイの間のトンネルと、外部ゲートウェイと(第1ネットワークと第2ネットワークを相互に接続する)ホームゲートウェイの間のトンネルと、ホームゲートウェイと(第1ネットワークと第3ネットワークを相互に接続する)通信相手ノード側のゲートウェイの間のトンネルが使用される。この結果、第4外部ネットワークへ移動した第1端末からの通信や、あるいは当該第1端末への通信が可能となる。
【0022】
そのようなトンネルの確立を可能とするために、本発明に係る移動通信端末は、第1端末と外部ゲートウェイとの間に第1プロトコルトンネルを確立するトンネル確立部を備え、ホームゲートウェイは、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報の組との間で変換を行う変換部を備えている。登録の際には、確立されたトンネルを経由して対応関係情報がホームゲートウェイに提供され、変換部は、第1および第2端末の通信の際にこの情報を利用する。
【0023】
好ましい態様において、前記登録方法では、前記ステップa)の前に、第1プロトコルアドレス送信部から前記第1端末に対して前記第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスが送信される。
【0024】
好ましい態様において、前記登録方法は、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで、少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスをカプセル化するステップを含む。
【0025】
好ましい態様において、前記登録方法は、前記トランスポートタイプ識別第1ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワークヘッダに変換するステップを含む。
【0026】
好ましい態様において、前記登録方法は、前記カプセル化された第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスのカプセルを解き、前記トランスポートタイプ識別第2ヘッダと前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するステップを含む。
【0027】
好ましい態様において、前記登録方法は、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと、前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスとを記憶するステップを含む。
【0028】
好ましい態様において、前記登録方法は、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスと、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報の組との間の変換関係を変換テーブルに記憶するステップを含む。
【0029】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記ステップa)の前に、第2プロトコルアドレス送信部から前記第1端末(MH)に対して前記第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスが送信される。
【0030】
好ましい態様において、前記通信方法は、少なくとも第2プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスと第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスを含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで少なくとも前記通信情報をカプセル化するステップを含む。
【0031】
好ましい態様において、前記通信方法は、前記トランスポートタイプ識別第2ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第3ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダに変換するステップを含む。
【0032】
好ましい態様において、前記通信方法は、前記通信情報のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダを除去するステップと、前記カプセル解放された通信情報を、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第3ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダでカプセル化するステップとを含む。
【0033】
好ましい態様において、前記通信方法は、前記通信情報のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダを除去するステップを含む。
【0034】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記ステップa)の前に、第2プロトコルアドレス送信部から前記第2端末に対して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスが送信される。
【0035】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記ステップa)の前に、少なくとも前記通信情報が、少なくとも第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスと前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスを含む第2プロトコル第3ネットワークヘッダでカプセル化される。
【0036】
好ましい態様において、前記通信方法は、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダで少なくとも前記通信情報をカプセル化するステップを含む。
【0037】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記ステップd)と前記ステップe)の間に、前記通信情報のカプセルが解かれ、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダが除去されるステップと、前記カプセル解放された通信情報が前記第2ネットワークを介して当該第2ネットワークのホームエージェントへ送信されるステップとが含まれる。
【0038】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記カプセル解放された通信情報は、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスでカプセル化される。
【0039】
好ましい態様において、前記通信方法では、前記カプセル化された通信情報は、前記第2ネットワークを介して前記第1ゲートウェイへ送信される。
【0040】
好ましい態様において、前記通信方法は、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダとで少なくとも前記通信情報をカプセル化するステップを含む。
【0041】
好ましい態様において、前記通信方法は、前記トランスポートタイプ識別第1ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダに変換するステップを含む。
【0042】
好ましい態様において、前記通信方法は、前記通信情報のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するステップを含む。
【0043】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスを生成する生成部をさらに備える。
【0044】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスを前記第1プロトコルトンネルを経由して前記ホームエージェントへ送信する送信部をさらに備える。
【0045】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、第1プロトコルアドレス送信部から第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスを受信する受信部をさらに備える。
【0046】
好ましい態様において、前記移動通信端末では、前記生成部において前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスは、前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスを生成するために使用される。
【0047】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスと、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスと、第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスとを記憶する記憶部をさらに備える。
【0048】
好ましい態様において、前記移動通信端末では、前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスと、前記第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスと、前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスは、前記記憶部に恒久的に記憶される。
【0049】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで、少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスをカプセル化するカプセル化部をさらに備える。
【0050】
好ましい態様において、前記移動通信端末では、前記カプセル化部は、少なくとも第2プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスと第2プロトコル第3ネットワーク他端末アドレスを含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで少なくとも通信情報をカプセル化する。
【0051】
好ましい態様において、前記移動通信端末は、前記他の端末から受信された通信情報のカプセルを解き、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するカプセル解放部をさらに備える。
【0052】
好ましい態様において、前記ゲートウェイは、自身と前記第2ゲートウェイの間に第1プロトコルトンネルを確立する第1トンネル確立部と、自身と前記第3ゲートウェイの間に別の第1プロトコルトンネルを確立する第2トンネル確立部とを備える。
【0053】
好ましい態様において、前記ゲートウェイは、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報と、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスとを記憶する記憶部をさらに備える。
【0054】
好ましい態様において、前記ゲートウェイでは、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと、前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスは、変換テーブルに記憶される。
【0055】
好ましい態様において、前記ゲートウェイでは、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスと、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報の組との間の変換関係が記憶される。
【0056】
好ましい態様において、前記通信システムは、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスと、前記ホームエージェントの第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスと、前記第1ゲートウェイの第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスとを記憶する記憶部をさらに備える。
【0057】
好ましい態様において、前記通信システムは、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスとを記憶する記憶部をさらに備える。
【0058】
好ましい態様において、前記通信システムは、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスと、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報と、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報とを記憶する記憶部をさらに備える。
【0059】
本発明にはその他の態様として、方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現する指示を含むプログラムと、方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現するコード手段を含み、コンピュータが読み取り可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラムプロダクトと、方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現する手段を含む、コンピュータが読み取り可能なコードが含まれるデータ記憶媒体と、方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴をデータ処理手段により実現させるプログラムを含むコンピュータが読み取り可能な媒体とが含まれる。
【0060】
本発明のその他の有用な実施形態および本発明の改良は、従属請求項に従って実現されてもよい。また、本発明には、明細書および特許請求の範囲において別々に記載されているステップ、特徴の組み合わせにより構成される実施形態および実施例も含まれる。
【0061】
尚、以下に記載されている内容は、現時点で発明者により考えられるベストモードと見なされるべきものであり、本発明には、ここに記載されている思想に基づいていわゆる当業者により導出されうる他の実施形態も含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下では、本発明の具体例および実施形態について、図4aに示されるようなインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークを例に説明する。しかし、本発明の適用範囲が、第1(IPv4)および第2(IPv6)インターネットプロトコルに限定されるわけではない。通信システムSYSでは、別の種類で互いに異なる第1および第2プロトコルが使用されてもよい。第4ネットワークPV4および第1ネットワークINではアドレッシングに同じ第1プロトコルIPv4が使用されるが、各ネットワークの第4および第1アドレスは、それぞれ第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される。このことは、第4ネットワークPV4の「プライベート」という言葉によって示されている。第2および第3ネットワークGV6‐1、GV6‐2は、第2プロトコルの「グローバル」アドレス範囲を共有する第2プロトコルIPv6ネットワークである。
【0063】
なお、以下の例および実施形態では、次の用語を使用する。第1プロトコルは、IPv4プロトコルである。第2プロトコルは、IPv6プロトコルである。第1ネットワークINは、IPv4(グローバル)インターネットである。第2ネットワークは、IPv6ネットワークGV6‐1である。第3ネットワークは、IPv6ネットワークGV6‐2である。第4ネットワークは、プライベートIPv4ネットワークPV4である。本発明の原理を示す図4aの通信システムSYSは、第1移動端末MHが、自身のホームネットワークGV6‐1からプロトコルの異なる外部ネットワークPV4に移動する場合の通信態様について説明するものであり、第1ネットワークGV6‐1は、ホームネットワークHNともよぶ。同様に、第4ネットワークは、外部ネットワークFNとよぶ。
【0064】
すでに図3を参照して説明したように、各ネットワークは、第1GW、第2GWおよび第3GWを介して相互接続されている。図4aに示されるように、第1ゲートウェイGW1は、以下ではホームネットワークゲートウェイHNGWともよび、第2ゲートウェイGW2は、外部ネットワークゲートウェイFNGWともよぶ。第3ゲートウェイGW3は、以下では通信相手ネットワークゲートウェイCNGWともよぶ。
【0065】
図4aには、本発明の原理の1つである、第1端末MHと外部ネットワークゲートウェイFNGWの間のトンネルTUN’、外部ネットワークゲートウェイFNGWとホームネットワークゲートウェイHNGWの間のトンネルTUN’’およびホームネットワークゲートウェイHNGWと通信相手ネットワークゲートウェイCNGWの間のトンネルTUN’’’の確立が示されている。いわゆる当業者にとっては周知のことであるが、トンネルは、あるプロトコルの情報を別のプロトコルでカプセル化するために確立されるのである。例えば、上述した図2bでは、IPv6情報がIPv4トンネルにおいてカプセル化される。このカプセル化は、送信方向に応じて送信側ユニットにより行われる。
【0066】
一方、受信側は、情報のカプセル開放(decapsulation)を行い、トンネルを経由して送信された情報の取り出しを行う。なお、以下の実施形態および例では、登録、確認応答(acknowledgement)、MHからCHへの通信およびCHからMHへの通信というプロセスの中で登場する順番に従ってトンネルの番号付けを行う。トンネルおよびプロトコルの記号表示は、図4hの説明図からも明らかである。まず、登録プロセスの間、第1トンネルTUN1が、第1端末MHと外部ネットワークゲートウェイFNGWの間に確立される。第2トンネルTUN2は、外部ネットワークゲートウェイFNGWとホームネットワークゲートウェイHNGWの間に確立される。また、MHからCHに対する通信が発生すると、第3トンネルTUN3が、ホームネットワークゲートウェイHNGWと通信相手ノードゲートウェイCNGWの間に確立される。一方、通信相手端末CHにより通信が開始されると、この通信における第1のトンネルとして、CNGWとHNGWの間にトンネルが確立される。しかし、説明上の理由から、このトンネルは第4トンネルTUN4と示す。また、CHからMHへの通信においては、図4hにおいて第5トンネルと示されているトンネルTUN5がHNGWとFNGWの間に確立される。さらに、CHからMHへの通信においては、3番目のトンネルとしてトンネルTUN6がFNGWとMHの間に確立される。このトンネルTUN6は、登場順序に従い第6トンネルと示す。
<本発明の原理>
【0067】
以下では、図4a‐図4hを参照して本発明の原理について説明する。
本発明の一態様では、IPv6パケットにトランスポート(transportation)およびIPv4ヘッダが付加された上でトンネル経由で転送され、ホームネットワークゲートウェイHNGWをアンカーポイントとして、MHまたはCHより送信された全てのパケットがリダイレクトされる。本発明は、IPv6ネットワークからプライベートIPv4ネットワークへ移動するMHが、発呼側または被発呼側としてコネクションを確立するための新しいメカニズムを提供する。このメカニズムは、ホームエージェントHAに対して現在位置を登録するためにも使用可能である。図4aの通信システムSYSには3つのトンネルTUN’、TUN’’、TUN’’’が含まれているが、これらのトンネルは登録および通信の際にそれぞれ別々に使用される。登録の際にはトンネルTUN’およびTUN’’が使用され、通信の際には3つのトンネルTUN’、TUN’’およびTUN’’’の全てが使用される。また、図4aに示されるように、トンネルTUN’、TUN’’およびTUN’’’は、それぞれ第2プロトコルIPv6情報をカプセル化するための第1プロトコルIPv4トンネルである。
【0068】
すでに図3を参照して説明したように、通信システムSYSは、第1プロトコルが実装される第1ネットワークを含み、この第1ネットワークは、第1、第2および第3ゲートウェイを介して、第2プロトコルが実装される第2ネットワークと、第2プロトコルが実装される第3ネットワークと、第1プロトコルが実装される第4ネットワークと接続されている。また、通信システムSYSは、第2ネットワークから第4ネットワークに移動した第1端末と第3ネットワークの第2端末の間の通信を可能にする。第1プロトコルと第2プロトコルはそれぞれ異なり、第1および第4ネットワークでは、第1プロトコルがアドレッシングに使用され、第2および第3ネットワークでは、第2プロトコルがアドレッシングに使用される。第1乃至第4ネットワークでは、それぞれ第1〜第4アドレスが使用される。第2および第3アドレスは、それぞれ、第2プロトコルの共通のアドレス範囲から選択される第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスである。一方、第1および第4アドレスは、それぞれ、第1プロトコルの別々のアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスである。
【0069】
第1端末MHが、図4aおよび4hに示されるように第2ネットワークGV6‐1から第4ネットワークPV4に移動した際に、本発明の登録方法、MHからCHへの通信方法、およびCHからMHへの通信方法を実行するために、ホームネットワークゲートウェイHNGW、第1端末MH、および外部ネットワークゲートウェイFNGWは、図4b、4cおよび4dに示されるように構成される。
【0070】
具体的には、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、図11に示されるような第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA‐G4‐1と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1の組との変換を行う変換部CU2を備えている。このような情報は、例えば変換関係(mapping correlation)HNGW−MCとしてホームネットワークゲートウェイHNGWの記憶部SU2に記憶される。記憶部SU2の変換テーブルHNGW‐MCには、自身のホームネットワークGV6−1からプライベートネットワークPV4へ移動した第1端末ごとに、図11に示されるようにエントリが格納される。尚、説明の理解を容易にするために、図11では第1端末MHに対して1エントリのみが示されている。
【0071】
図11の変換テーブルまたは変換関係HNGW‐MCに対するエントリは、図4eに示される登録処理の際に設定される。図11に示されるようなエントリがなされた変換テーブルHNGW−MCの使用および設定は、MHとCHとの間で通信を実行するために必要不可欠である。従って、エントリの意義についてより詳細に説明する。
【0072】
パラメータFNGWA−G4−1は、第1ネットワークにおける第1プロトコルの第2ゲートウェイアドレスである。第1ネットワークではIPv4が使用されているので、このパラメータFNGWA−G4−1は、FNGW_IPv4_GLO_ADDR、すなわち第2ゲートウェイFNGWのIPv4(第1プロトコル)グローバルアドレスGLO_ADDRと表現される。このパラメータFNGWA−G4−1は、“第1IPv4ネットワーク”で使用される外部ネットワークゲートウェイのグローバルアドレスであるので、第1プロトコル“第1ネットワーク”第2ゲートウェイアドレスと呼ばれる。同様に、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAは、第2ネットワークで使用される第1端末MHの第2プロトコルIPv6気付アドレスである。このように図11に示されるアドレスに関するパラメータは、すべて次のフォーマットに従っている。
プロトコルバージョン‐使用されるネットワーク‐被参照ユニット‐アドレス
【0073】
上述のように、図11では、変換テーブルHNGW−MCに、パラメータMHT−G4−1中の宛先“ポート”のような“トランスポートタイプ”特定情報が格納されている。従って、変換テーブルHNGW−MCでは、アドレス仕様に加えてトランスポートタイプ特定情報が用いられる。図4aの通信システムSYSでは、トンネルTUN’、TUN’’を確立するために、トランスポートタイプ特定情報とアドレスを使用する必要がある。IPv4やIPv6ネットワークを使用する場合、このトランスポートタイプ特定情報はポート番号である。アドレスは、各ネットワーク上をルーティングされる各送信情報(パケット)の送信元または受信先アドレスとして、各ネットワークにおけるルーティングのために必要である。しかし一方で、各ネットワークにおいて情報を送信するためには、一意識別子としての役割を果たすアドレスだけでなく、図11の“ポート”のようなトランスポートタイプ特定情報が必要である。この“ポート”は、例えば7階層からなるOSIモデルのトランスポート層における転送のタイプを指定する。例えば、1つのユニット(端末)上で実行されている複数のアプリケーションは、それぞれ異なるタイプの転送方法を指定するポート番号を使用する可能性がある。そのような送信方法のタイプには、例えばUDP(User Datagram Protocol)転送やTCP(Transfer Control Protocol)転送がある。その他のタイプの転送方法には、シリアル転送やパラレル転送等がある。ここで、アドレスとトランスポートタイプ特定情報の両方を使用するのは、第1ネットワークINと第4ネットワークPV4が、同じ第1プロトコルIPv4を実装しているにもかかわらず、お互いに共通のアドレス範囲を共有していないためである。本実施形態では、図11に示されるように、トランスポートタイプ特定情報は次のフォーマットに従う。
‐プロトコルバージョン‐使用されるネットワーク‐情報‐
【0074】
上述のように、図11に示される情報/パラメータを格納するホームネットワークゲートウェイHNGWの変換テーブルHNGW−MCは、図4f(MH→CH)および図4g(MH←CH)を参照して後述するMHとCHとの間の通信を実現するために必要不可欠である。
具体的には、後段でも説明するように、変換テーブルHNGW−MCは、トンネルTUN’’およびTUN’’’を確立するために使用される。このため、ゲートウェイHNGWは、自身と第2ゲートウェイFNGWの間の第1プロトコルトンネルを確立する第1トンネル確立部TS2−1を備えている。ゲートウェイHNGWはまた、自身と第3ゲートウェイCNGWの間の別の第1プロトコルトンネルを確立する第2トンネル確立部TS2−2を備えている。通信の際のこれらのトンネルの使用方法については後述する。
【0075】
図4cは、自身のホームネットワークHNから外部ネットワークFNへ移動した移動通信端末MHを示すブロック図である。この移動通信端末MHは、デュアルプロトコル対応の端末(デュアルスタックな端末)であり、IPv4等の第1のプロトコルとIPv6等の第2のプロトコルの両方を使用して通信を行うことが可能である。図4cに示される移動通信端末は、情報(パケット)を送信する送信部TU1と情報(パケット)を受信する受信部RU1に加えて、例えば図4hのTUN1のような自身と第2ゲートウェイFNGWの間の第1プロトコルトンネルを確立するトンネル確立部TS1を備えている。この第1プロトコルトンネルTUN1は、登録処理やCHからMHへの通信処理の際に使用される。
【0076】
移動通信端末MHの送信部TU1は、具体的には、図11に示されるように、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAを、第1プロトコルトンネルTUN1を経由してホームエージェントHAへ送信する。一方、受信部RU1は、図4hに示されるように、第1プロトコルアドレス送信部DHCPから第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスMHA−P4−4を受信する。尚、第1プロトコルアドレス送信部により使用されるプロトコルはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)に限られず、その他のプロトコルを使用してアドレスの割り当てを行ってもよい。上記のアドレスMHA−6−2−CoAとMHA−P4−4については、登録方法に関する説明において詳述する。
【0077】
移動通信端末MHはまた、第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAを生成する生成部GU1を備えている。この生成部GU1は、一実施態様において、第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスMHA−P4−4を使用して第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAを生成する。
【0078】
移動通信端末MHはまた、記憶部SU1を備え、この記憶部SU1には、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGと、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスHAA−6−2と、第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGWA−G4−1が記憶される。
より具体的には、この記憶部SU1には、第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGと、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスHAA−6−2と、第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGWA−G4−1が恒久的に記憶される。
【0079】
カプセル化(encapsulation)部EU1は、主に、IPv4ヘッダによる第2プロトコル(IPv6)送信情報のカプセル化を行う。“カプセル化”は、第1トンネルTUN1の確立の一部であるため、カプセル化部EU1は、移動通信端末MHのトンネル確立部TS1の一部と見ることもできる。
最後に、移動端末MHは、通信相手端末CHから受信した通信情報PAYのカプセルを解き、少なくとも第1プロトコルIPv4第4ネットワークヘッダの除去を行うカプセル解放部DU1を備えている。すなわち、カプセル解放部DU1は、ペイロード通信情報PAYを取り出すために通信情報PAYからヘッダを除去する。
カプセル化部EU1によりヘッダでカプセル化される特殊な情報については、図4eの登録方法と図4fのMHからCHへの通信方法を参照して後述する。
【0080】
登録や通信を可能とする移動通信端末MHの新規な特徴には、移動通信端末MHが第1プロトコルIPv4と第2プロトコルIPv6の両方を使用して通信を行うことができる点と、移動通信端末MHがトンネル確立部TS1により第1プロトコルトンネルTUN1を確立することができる点がある。登録や通信の際のトンネルTUN1の確立は、記憶部SU1に記憶される情報(パラメータ)を使用することにより可能となり、好ましい実施態様では、図4cに示されるように、第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGと、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスHAA−6−2と、第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGWA−G4−1が使用される。
【0081】
好ましい態様において、記憶部SU1は上記アドレスを恒久的に記憶する。MIPv6の基本的なコンセプトからすると、上述のアドレスのうち2つのアドレスが、例えば図5aの登録パケットREG1中にに示されるように、自身のIPv6ホームエージェントのアドレスHA_IPv6_ADDRと、自身のIPv6アドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDRとしてMHに恒久的に記憶される必要がある。さらに、MHのホームネットワークに対応するゲートウェイHNGWのIPv4グローバルアドレスもまた第1端末MHに恒久的に記憶される必要がある。この第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGW_IPv4_GLO_ADDRもまた図5aの登録パケットREG1中に示されている。
【0082】
登録および通信処理を可能とするためには、IPv6の島とIPv4インターネットを介して相互接続される各ゲートウェイの間でIPv6可到達性情報(IPv6 reachability information)をやり取り可能なルーティングプロトコルが必要である。本発明に適用可能なルーティングプロトコルの一例としてBGP(Border Gateway Protocol)の拡張がある。
【0083】
後述する登録および通信処理では、外部ゲートウェイFNGWに記憶される情報もまた、当該ゲートウェイへの第1トンネルTUN1や当該ゲートウェイからの第2トンネルTUN2を確立するために使用される。例えば、第2ゲートウェイFNGW(外部ネットワークゲートウェイ)は、記憶部を備えており、この記憶部には、外部ネットワークゲートウェイからのトンネルや当該ゲートウェイへのトンネルを確立するために、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA−P4−4と、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4と、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGW−G4−1と、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1とが記憶されている。
【0084】
より具体的には、第2ゲートウェイFNGWは、図4dに示されるように、自身と第1ゲートウェイHNGWとの間に第1プロトコル第2トンネルTUN2を確立する第2トンネル確立部TS3−2と、自身と第1端末MHとの間に第1プロトコル第6トンネルTUN6を確立する第6トンネル確立部TS3−6を備えている。これらの各トンネルは図4hに示されており、外部ネットワークゲートウェイFNGWのブロック図は図4dに示されている。外部ネットワークゲートウェイFNGWの記憶部SU3に記憶されている情報は、図11の変換関係FNGW−MCに示されている。尚、図11に示されるような変換関係FNGW−MCに記憶される情報は、従来技術では、通常、ゲートウェイFNGWのいわゆるNAT(Network Address Translator)に記憶される。しかし、これらの情報は、本発明では登録および通信処理の際に使用される。
【0085】
<移動ホストMHの登録>
図4eは、本発明に係る登録方法の一実施形態を示している。登録が実行されると、移動端末MHにおいて生成される第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAが、図11の変換関係HA−MCに示されるように、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGと関連づけられるように第2ネットワークGV6−1(第1端末MHのホームネットワークHN)のホームエージェントHAに記憶される。第1端末MHは、自身のホームネットワークHNから外部ネットワークFNへ移動しているため、MHとCHの間で通信を行うためには第2プロトコルIPv6の現在地位アドレスが利用可能である必要があり、そのため、上記のようなホームエージェントHAにおける固有アドレスと現在位置アドレスとの関連づけが必要となるのである。
【0086】
図4eの登録方法は、ステップS4e.1〜S4e.8から構成されている。登録処理に際して図6に示される変換テーブルFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCにどのように情報が記憶されるかついては、図12aの最初の部分に示されている。
ステップS4e.1では、第1端末MHが、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA‐PA‐4から第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAを生成する。このMHA‐6‐2‐CoAは、第4ネットワークPV4における第1端末MHの第2プロトコルIPv6気付アドレスの一種である。つまり、第2ネットワークから場合の第1端末の外部アドレスである。この生成ステップS4e.1は、図4cに示される移動ホストMHの生成部GU1により実行されてもよい。
【0087】
ステップS4e.2では、トンネル確立部TU1が、第1端末MHと第2ゲートウェイFNGWの間に第1プロトコル第1トンネルTUN1(図4h参照)を確立する。ステップS4e.3では、送信部TU1が、第1プロトコル第1トンネルTUN1を経由して外部ネットワークゲートウェイFNGWに対し第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAを送信する。ステップS4e.4では、外部ネットワークFNGWの受信部(図4dには図示なし)が、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAを受信し、ステップS4e.5では、外部ネットワークゲートウェイFNGWのトンネル確立部TS3−1が、第2ゲートウェイFNGWと第1ホームゲートウェイHNGWの間に第1プロトコル第2トンネルTUN2を確立する。ステップS4e.6では、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAが第1プロトコル第2トンネルTUN2を経由して送信され、ステップS4e.7では、このアドレスが第1ゲートウェイHNGWにより受信される。
【0088】
ホームネットワークゲートウェイHNGWは、送信部(図4bに図示なし)も備えており、ステップS4e.8では、第2ネットワークGV6‐1を介して第2ネットワークGV6‐1上のホームエージェントHAへ第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAを送信する。以上のように、結合更新(binding update)拡張手続きでは、第1端末MHに割り当てられたアドレスが検出され、現在位置としてホームエージェントHAに登録される。ホームエージェントHAへの第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAの格納は、MHとFNGW、そしてFNGWとHNGWを結ぶ第1プロトコルIPv4トンネルTUN1、TUN2の確立を通じて可能になる。なぜなら、これらのトンネルが確立されなければ、第1プロトコルIPv4が実装される第4および第1ネットワークPV4、INを介して第2プロトコルIPv6情報を送信することができないからである。
【0089】
図12aの登録方法を参照して具体的に後述するように、MHの気付アドレスMH_IPv6_CoAはP4G6アドレスとして生成することも可能である。このことについては、特に図12aのステップS12a.2と図12bを参照して詳述する。以下では、図12aに示される登録方法について説明する。この登録方法では、図4eの一般的な登録方法と異なり、ステップS12a.10〜S12a.17として確認応答プロセスが含まれている。
【0090】
図12aの登録プロセスが開始される前に、移動ホスト端末MHが、自身のホームネットワークNH内に位置し、ホームネットワークHNにおいて登録されていたとすると、IPv6固有アドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDRは、図6に示されるホームエージェントの変換関係HA−MCに登録されていることになる。図6は、図12aの登録プロセスが開始される前の変換関係FNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCのエントリを示している。次に、移動ホストMHが、自身のホームネットワークHNからIPv4が使用される外部ネットワークFNへ移動したとする(図4a参照)。外部ネットワークFNは、プライベートIPv4ネットワークである。このネットワークでは、外部ネットワークのNAT(図4aおよび図4dに図示なし)により、インターネットプライベートネットワークからの複数のコネクションが多重化される一方、複数のコネクションが、IPv4グローバルアドレスを1つだけ有する単一のコンピュータによるものであるかのようにインターネットに提供される。このNATは、例えば第2ゲートウェイGW2(外部ネットワークゲートウェイFNGW)内等のIPv4プライベートネットワークとIPv4インターネットの境界に配置される。従って、図12aの登録方法は、MHがFNへ移動した後に、MHの現在位置がホームエージェントHAに通知するためのメカニズムとして使用される。ステップS12a.1では、第1プロトコルアドレス送信部DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が、第1端末MHに対して第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA−P4−4を送信する。すなわち、ステップS12a.1では、MHが外部ネットワークFNに移動した後に、新しく割り当てられたIPv4アドレスを受信するのである。ステップS12a.2では、生成部GU1が、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA−P4−4に基づいて第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAを生成する。図12bは、図12aのステップS12a.2の詳細について示している。
【0091】
ステップS12a.2では、移動ホストMHは、別のネットワークへ移動した後に自動的に生成可能なグローバルIPv6アドレスが割り当てられる必要がある。IPv4アドレスを使用してIPv6アドレスを生成する場合、基本的には図12cに示されるようにIPv4アドレスとMAC(Media Access Control)アドレスを組み合わせる。このように自動的に生成されるIPv6アドレスは、6to4アドレスとして様々なものが提案されている。本実施形態では、P4G6アドレスが移動ホストMHの気付アドレスMH_IPv6_CoAとして使用され、このP4G6アドレス(第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoA)の構成については図12dに示されている。同図に示されるように、P4G6フォーマットプレフィックス(FP)には、特定の値が割り当てられる必要がある。P4G6のコンセプトは6to4アドレスとほぼ同じであるが、その構成については、プレフィックスが異なる点と、P4G6ではIPv4プライベートアドレスが使用される点において異なっている。
【0092】
ステップS12b.1では、移動を行った移動ホストMHが、割り当てられたIPv4アドレス、すなわちDHCPにより生成されたIPv4アドレスの受信を待つ。ステップS12b.2では、割り当てられたアドレスがIPv4アドレスであるか否かが判定される。ステップS12b.2の判定が肯定的である場合は、ステップS12b.3においてP4G6アドレスが生成され、移動ホストMHの気付アドレスとして使用される。ステップS12b.3では、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAが生成される。仮に第1端末MHが、IPv4プライベートネットワークにおいてDHCPから192.168.100.1というIPv4アドレスを受信したとすると、この移動ホストMHのIPv6気付アドレスMH_IPv6_CoAはFP:C08A:6401:0000:MAC_MHのようになる。
これは、図5aに示されるような第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAの一例である。従って、ステップS12a.1と、ステップ12a.2のうちのステップS12b.1〜ステップS12b.3との組み合わせは、図4eのステップS4e.1に対応する。結果として、ホームエージェントHAへ送信される第2プロトコルIPv6気付アドレスが生成される。
【0093】
ステップS12b.4およびS12b.7では、BUオプションを含むHA宛てのIPv6パケットが生成され、このIPv6パケットはトランスポートヘッダとHNGWのIPv4グローバルアドレス宛てのIPv4ヘッダでカプセル化される。すなわち、ステップS12b.4およびS12b.7では、図5aに示されるような登録パケットREG1が生成される。この登録パケットREG1は、通信情報PAYと、送信元および受信先ポートMHT−6−2およびHAT−6−2を含むトランスポートヘッダTH6と、BUオプションフィールドBUOを含んでいる。ステップS12b.4ではまた、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスHAA−6−2と、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAがIPv6パケットに追加される。
【0094】
情報SA6、DA6、BUO、TH6、PAYにより構成されるIPv6パケットは、ステップS12b.5において、第1プロトコルIPv4トランスポートヘッダTH4と、IPv4受信先アドレスDA4とIPv4送信元アドレスSA4を含むIPv4アドレスヘッダとでカプセル化される。すなわち、第1端末MHのカプセル化部EU1は、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAを、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダTH4と、少なくとも第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスMHA−P4−4を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとでカプセル化する。
【0095】
好ましい態様では、第1端末MHから他の端末CHへ通信情報を送信するにあたり、カプセル化部EU1は、少なくとも通信情報を、第2プロトコルトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレスと第2プロトコル第3ネットワーク他端末アドレスを含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとでカプセル化する。
【0096】
図12bのステップS12b.2の判定の結果、割り当てられたアドレスがIPv4アドレスでない場合には(ステップS12b.2;NO)、割り当てられたIPv6アドレスは、ステップS12b.6において移動ホストMHの気付アドレスとして使用される。そして、S12b.7において、BUオプションを含むHA宛てのIPv6パケットが生成される。ステップS12b.5が完了すると、少なくともカプセル化された第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレスMHA−6−2−CoAと、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4と、第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレスMHA−P4−4を含む登録パケットREG1が生成される。さらに、登録パケットREG1のBUオプションフィールドBUOには、移動通信端末MHのホームネットワークGV6−1におけるIPv6固有アドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDR(=MHA−6−2−ORIG)が格納される。これは、このアドレスが、MHの気付アドレスMHA−6−2−CoAを変換関係HA−MCに格納するた際に、ホームエージェントの変換関係HA−MCで使用されるためである。しかし、当該アドレスは、変換関係FNGW−MCおよびHNGW−MCの設定には使用されない。
【0097】
好ましい実施態様では、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4が第1端末MHにより生成される。この第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4は、第4および第1IPv4ネットワークにおいてトンネル経由で情報を転送するためのポートとして第1端末に割り当てられるトランスポートポート(以下、“トンネルポート”という)である。好ましい実施態様では、このトンネルポートは、情報を第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4でカプセル化して、第4および第1IPv4ネットワークにおいてトンネル経由で転送するトンネリングプロセスにのみ使用される。より好ましい実施態様では、登録プロセスの開始時から第1端末MHに対して固定的にトンネルポートが割り当てられる。このトンネルポートの割り当ては、登録プロセス全体のみならず後続の他端末CHとの通信プロセスにおいても維持される。このトンネルポートの割り当ては、第1端末の電源が切断され(移動先の)第4ネットワークにおいて再び電源が投入された場合でも維持される。この結果、(移動した)第1端末MHから送信される全てのIPv6通信情報(パケット)が第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4によりカプセル化されることになる。すなわち、すべてのIPv6パケットに対して同じトンネルポートが使用されることになる。
【0098】
図12bのプロセスがすべて終了すると(図4eのステップS4e.1とS4e.2が終了すると)、登録パケットREG1は、(カプセル化により)確立されたトンネルTUN1を経由して外部ネットワークゲートウェイFNGWへ送信される。登録パケットREG1はMHからHA宛てに送信され、結合更新(BU)オプションメッセージによりHAにMHの現在位置が通知される。登録パケットREG1のIPv6パケットには、図5aに示されるように、送信元アドレス、受信先アドレスとしてMH_IPv6_CoAとHA_IPv6_ADDRが含まれる。また、BUオプションメッセージとして、MH_ORIGIN_IPv6_ADDRが含まれる。MHは、プライベートIPv4ネットワークプロトコルが実装される第4ネットワークに位置しているため、IPv6パケットをIPv4ヘッダとIPv4トランスポートヘッダでカプセル化する。このIPv4トランスポートヘッダは、UDPヘッダかTCPヘッダのいずれかである。IPv4ヘッダとIPv4トランスポートヘッダは、いずれもステップS12a.4におけるNATによる変換テーブルの設定の際に使用される。図7は、図12aのステップS12a.4の段階のエントリを示している。パケットREG1を受信すると、外部ネットワークゲートウェイFNGWは、図7に示されるように、自身の記憶部に、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA−P4−4と、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4を記憶する。ステップS12a.4ではまた、変換関係FNGW−MCが設定される。すなわち、外部ネットワークゲートウェイFNGWは、プライベートIPv4ネットワーク情報の組と、ブローバルIPv4ネットワーク情報の組とを関連づける。より具体的には、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA−G4−1と、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1が記憶される。すなわち、IPv4プライベートネットワークの外部ゲートウェイFNGWはNAT機能を有しているため、図8に示されるように、(MH_IPv4_PRI_DDR、MH_IPv4_PRI_PORT)の組と、(FNGW_IPv4_GLO_ADDR、MH_IPv4_GLO_PORT)の組との変換関係FNGW−MCが設定される。外部ネットワークゲートウェイFNGWは、この変換関係FNGW−MCに基づいて、図5bに示される新たな登録パケットREG2を生成する。すなわち、MHA−4−4は、FNGWA−G4−1に変更され、MH_IPv4_PRI_PORTは、MH_IPv4_GLO_PORTに変更される。フィールドDA4の受信先アドレスとトランスポートヘッダTH4の受信先ポートは、登録パケットREG2が送信される次の宛先HNGWに関連したものになる。一方、トランスポートヘッダTH4の送信元ポートは第1端末MHのグローバルIPv4ポートに関連したものになる。フィールドSA6とBUオプションフィールドに格納されるのは、それぞれMHの気付アドレスMH_IPv6_CoAと、固有アドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDRのままである。
【0099】
ステップS12a.5においてカプセル化された登録パケットREG2が外部ネットワークゲートウェイFNGWからホームネットワークゲートウェイHNGWへ転送されると、図9に示される変換関係HNGW−MCが設定される。HNGWは、(FNGW_IPv4_GLO_ADDR、MH_IPv4_GLO_PORT)の組に対応する変換関係のエントリの格納または更新を行う。すなわち、変換関係HNGW−MCの一方に、登録パケットREG2のパラメータFNGWA−G4−1とMHT−G4−1が、IPv4グローバルアドレスとIPv4グローバルトランスポートポートとして図9に示されるように記憶される。さらにステップS12a.6では、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、第2プロトコルIPv6第2ネットワークGV6−1第1端末MH外部アドレスMHA−6−2−CoAを図10に示されるように変換テーブルHNGW−MCに記憶する。またステップS12a.6では、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA−G4−1(FNGW_IPv4_GLO_ADDR)と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1(MH_IPv4_GLO_PORT)の組との変換関係が記憶される。
【0100】
変換テーブルHNGW−MCを使用することにより、MHとCHの間の通信が可能になる。図12aと図4eを比較すると、ステップS4e.3はステップS12a.3に対応し、ステップS4e.4およびステップS4e.5はステップS12a.4に対応し、ステップS12a.5はステップS4e.4、ステップS4e.5およびステップS4e.6に対応し、ステップS12a.6はステップS4e.7に対応する。
【0101】
ステップS12a.7では、ホームネットワークゲートウェイHNGWのカプセル解放部は、登録パケットREG2からIPv4部分SA4、DA4、TH4を取り除く。ステップS12a.8では、SA6、DA6、BUO、TH6およびPAYのみから構成されるIPv6パケットがホームエージェントHAへ転送される。ステップS12a.8はステップS4e.8に対応する。ステップS12a.9においてIPv6パケットがホームエージェントHAにより受信されると、ホームエージェントHA(図10に示されるように、第1端末の現在位置アドレスを記憶していない)の変換関係HA−MCが第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAを用いて更新される。ホームエージェントHAは、ホームネットワークゲートウェイHNGWより送信されたIPv6パケットのBUオプションフィールドBUOに含まれるMH_ORIGIN_IPv6_ADDRを参照することにより、変換テーブルHA−MCから対応するエントリを発見することができる。ステップS12a.9が終了すると、外部ネットワークゲートウェイFNGW、ホームネットワークゲートウェイおよびホームエージェントHAのすべての変換関係FNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCの設定が完了する。この情報は、MHとCHの間で通信が行われる際に主に使用される。
【0102】
登録方法の好ましい実施態様では、図12aのステップS12a.10〜ステップS12a.17において、変換関係MCが正しく設定されたことを移動ホストMHに対して確認応答(acknowledging)してもよい。ホームエージェントHAは、MHのアドレスの変更を確認するために、結合応答(binding acknowledgement、BA)オプションメッセージを含むIPv6パケットをMHへ返信する。このIPv6パケットには、図5に示されるようにSA6、DA6、BAO、TH6およびPAYが含まれる。同図に示されるように、このIPv6パケットの送信元アドレスはHA_IPv6_ADDRであり、受信先アドレスはMH_IPv6_CoAである。ステップS12a.11では、ホームネットワークゲートウェイの変換テーブルHNGW−MCが参照され、ステップS12a.12では、受信されたIPv6パケットがIPヘッダとトランスポートヘッダでカプセル化され、図5cに示されるようなカプセル化されたパケットACKが生成される。ホームゲートウェイの変換関係HNGW−MCによれば、IPv6受信先アドレスMH_IPv6_CoAから、新しいグローバルIPv4受信先アドレスと新しいグローバル受信先ポートがそれぞれFNGW_IPv4_GLO_ADDR、MH_IPv4_GLO_PORTであることが分かるため、カプセル化されたパケットACKは、ステップS12a.13において外部ネットワークゲートウェイFNGWへ送信される。
【0103】
ステップS12a.14では、外部ネットワークゲートウェイFNGWは、変換関係FNGW−MCを参照してIPアドレスとトランスポートポートの変換を行う。この結果、図5cに示される確認応答パケットACKのFNGWA−G4−1とMHT−G4−1は、MHA−P4−4とMHT−P4−4で置換される。このようにカプセル化されたパケットは、ステップS12a.15において、移動ホストMHへ転送される。移動ホストMHは、ステップS12a.16においてIPv4ヘッダを除去し、ステップS12a.17において確認応答(BA)オプションメッセージを取り出す。このように確認応答パケットACKは、ステップS12a.11〜S12a.15において、登録パケットREG1、REG2と逆の変換が行われ、また逆のルートをたどることになる。
【0104】
ステップS12a.16においてカプセルの解放が行われる際には、図13dに示されるステップS13d.1〜S13d.6が実行される。
図13dのカプセル解放プロセスは、MHとCHの間で通信が行われている際に、確認応答パケットや送信パケット等の何らかのパケットを受信した場合にも同様に実行される。
【0105】
ステップS13d.1では、移動ホストMHは、カプセル化されたIPv4ヘッダが存在するか否かを判定する。カプセル化されたIPv4ヘッダが存在しない場合には、移動ホストMHはIPv6パケットが受信されたものとみなし、当該プロセスはステップS13d.4に進む。一方、ステップS13d.1においてIPv4ヘッダが存在すると判定された場合には、第1端末はステップS13d.2において当該パケットがトランスポート受信先ポートとしてMH_IPv4_PRI_PORTを含んでいるか否かを判定する。そのようなポートが含まれていない場合には、当該パケットはステップS13d.6において無視される。
【0106】
一方、そのようなポートが含まれていた場合には(ステップS13d.2;YES)、ステップS13d.3においてIPv4ヘッダとトランスポートヘッダが取り除かれる。次に、ステップS13d.4において、当該パケットにトランスポート受信先ポートとしてMH_IPv6_PORTが含まれているか否かが判定される。そのようなポートが含まれていない場合には、当該パケットはステップS13d.6において無視される。一方、そのようなポートが含まれていた場合には、当該パケットはステップS13d.5において処理され、ステップS12a.17において例えばBAオプションメッセージが抽出される。
【0107】
このように、図12aの登録(確認応答)プロセスにより、特にホームネットワークゲートウェイHNGWの変換関係HNGW−MCの設定が行われ、当該ゲートウェイの変換部CU2による、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA−G4−1と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1の組との間の変換が可能になる。
変換関係HNGW−MC、ホームネットワーク変換関係HA−MCおよび外部ネットワークゲートウェイの変換関係FNGW−MC(従来より周知)により、図4aおよび図4hに示されるような通信システムSYSにおける移動した第1端末MHと通信相手端末CHとの間の通信が可能になる。
【0108】
<MHからCHへの通信>
図4fは、図4aに示される通信システムSYSにおいて第1端末MHが第2端末CHに対して通信を開始した場合の通信方法を示している。この通信方法を利用した場合に確立されるトンネルについては図4hに示されている。この通信システムSYSで使用されるアドレスの例については図15に示されている。ステップS4f.1〜S4f.10の詳細については図13a〜図13dに示されている(図13bは図13aの続きである)。
図4gは、第2端末CHが第1端末MHに対して通信を開始した場合の通信方法を示している。ステップS4g.1〜S4g.10の詳細については図14aおよび図14bに示されている(図14bは図14aの続きである)。
【0109】
ステップS4f.1では、第1端末MHと第2ゲートウェイFNGWの間に第1プロトコル第1トンネルTUN1が確立される。ステップS4f.2では、第1プロトコル第1トンネルTUN1を経由して通信情報PAYが送信され、ステップS4f.3において第2ゲートウェイFNGWにより受信される。ステップS4f.4では、外部ネットワークゲートウェイFNGWにより、自身と第1ゲートウェイHNGWの間に第1プロトコル第2トンネルTUN2が確立される。ステップS4f.5では、第1プロトコル第2トンネルTUN2を経由して通信情報PAYが送信され、ステップS4f.6においてホームネットワークゲートウェイHNGWにより受信される。
【0110】
ステップS4f.7では、ホームネットワークゲートウェイHNGWにより、自身と第3ゲートウェイCNGW(通信相手側のネットワークゲートウェイ)の間に第1プロトコル第3トンネルTUN3が確立される。ステップS4f.8では、第1プロトコル第3トンネルTUN3を経由して通信情報PAYが送信され、ステップS4f.9においてゲートウェイCNGWにより受信される。最後に、通信相手側ネットワークゲートウェイCNGWは、ステップS4f.10において通信情報PAYを第3ネットワークGV6‐2を介して第2端末CHへ送信する。以上に関しては、図15が通信システムSYSにおけるアドレスの使用方法について示しており、図16が通信システムSYSの各段階におけるヘッダを示している。
【0111】
以上説明したように、第1、第2および第3トンネルTUN1、TUN2およびTUN3は、それぞれ第1端末MH、外部ネットワークゲートウェイFNGWおよびホームネットワークゲートウェイHNGWのトンネル確立部により確立される。重要なポイントは、第1端末MHはペイロードPAYを含むIPv6パケットを生成し、このIPv6パケットは各トンネルを経由して転送可能なようにIPv4ヘッダでカプセル化されることである。
【0112】
好ましい態様では、ステップS4f.1において、少なくとも通信情報PAYが、少なくとも第2プロトコルトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスと第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスを含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとでカプセル化される。
【0113】
また、好ましい態様では、ステップS4f.4において、トランスポートタイプ識別第2ヘッダが、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報を含むトランスポートタイプ識別第3ヘッダに変換され、第1プロトコル第4ネットワークヘッダが、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスと第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダに変換される。
【0114】
また、好ましい態様では、ステップS4f.7において、通信情報のカプセルが解かれて、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダが除去され、カプセル解放された通信情報が、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第3ゲートウェイアドレスを含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダでカプセル化される。
また、好ましい態様では、ステップS4f.9において、通信情報のカプセルが解かれて、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダが除去される。
【0115】
以上のように、ペイロードPAYはIPv6パケットに格納され、図4hに示されるように各トンネルを経由して送信される際には、IPv4ヘッダによるカプセル化やカプセル解放が行われる。
【0116】
次に、図11の変換関係FNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCに示されるIPv4およびIPv6仕様が使用され、MHにより通信が開始される実施形態について図13a〜13dを参照して説明する。
図13aに示されるように、第4ネットワークPV4には、第3ネットワークGV6−2の通信相手端末CHについてそのアドレスを提供する外部ネットワークドメインネームサーバFNDNSが接続されている。ステップS13a.2では、第1端末MHは、外部ネットワークのドメインネームサーバFNDNSに対してCHのアドレスを要求するDNS要求を送信する。ステップS13a.3では、この要求に対してFNDNSがCH_ORIGIN_IPv6_ADDRを返信する。ステップS13a.4では、第1端末MHが、MH_ORIGIN_IPv6_ADDRとCH_ORIGIN_IPv6_ADDRをそれぞれ送信元アドレス、受信先アドレスとするIPv6パケットをCHに対して送信する。
【0117】
好ましい態様においては、図13aのステップS13a.4において、図13cのステップS13c.1〜S13c.5が実行される。すなわち、ステップS13c.1では、FNDNSより受信したアドレスが確認され、ステップS13c.2では、当該アドレスがIPv4アドレスであるか否かが判定される。この判定が肯定的である場合には(ステップS13c.2:YES)、ステップS13c.3において、MH_ORIGIN_IPv6_ADDRと被発呼側のアドレスをそれぞれ送信元アドレス、受信先アドレスとするIPv6パケットが生成される。所望のペイロードPAYを付加されたこのIPv6パケットは、CHに対して送信される前に、ステップ13c.5においてHNGWのIPv4グローバルアドレス宛てのIPv4ヘッダでカプセル化される必要がある。
一方、FNDNSより受信したアドレスがIPv4アドレスでない場合には、ステップS13c.2においてIPv6アドレスであると判定され(ステップS13c.3;NO)、ステップS13c.4において、割り当てられたIPv6アドレスと被初呼側のアドレスをそれぞれ送信元アドレス、受信先アドレスとするIPv6パケットが生成される。
【0118】
ステップS13a.5では、第1トンネルTUN1を経由して送信するために、IPv6パケットが、HNGWのIPv4グローバルアドレス宛てのIPv4ヘッダでカプセル化され、送信されたIPv6パケットは外部ネットワークゲートウェイFNGWにより受信される。外部ネットワークゲートウェイFNGWでは、当該ゲートウェイの(NATの)変換関係FNGW−MCに従って、IPアドレスとトランスポートポートの変換が行われる。この変換は、図5aに示される登録パケットREG1に行われたものと全く同様の方法で行われる。これは、送信と登録の相違が、ペイロードPAYが実際に通信相手ホストCHに対して送信される否かの違いにすぎないからである。すなわち、ステップS13a.6では、図5aに示されるパケット(ペイロードPAYを含む)のMHA−P4−4とMHT−P4−4が、図11に示される変換関係FNGW−MCのFNGWA−G4−1とMHT−G4−1にそれぞれ変換される。
【0119】
ステップS13a.7では、新たにカプセル化されたパケットが第2トンネルTUN2を経由してホームネットワークゲートウェイHNGWへ送信される。ステップS13a.8では、IPv4ヘッダが取り除かれる(カプセル解放)。ステップS13a.9では、HNGWの送受信プロセスが実行される。このステップS13a.5では、IPv6の島とIPv4インターネットを介して相互接続される各ゲートウェイの間でIPv6可到達性情報をやり取り可能なルーティングプロトコルが使用され、CHGWのIPv4アドレスに関する情報が取得される。そのようなルーティングプロトコルの周知の例としては拡張BGP(Border Gateway Protocol)がある。ステップS13a.10では、取得されたCNGWのIPv4アドレスに関する情報に基づいて、CNGW宛てのIPv4ヘッダでパケットがカプセル化される。ステップS13a.11では、カプセル化されたパケットが通信相手側のネットワークゲートウェイCHGWへ転送され、ステップS13a.12においてそのカプセル解放が行われる。カプセル解放されたIPv6パケットは、ステップS13a.13において通信相手ホストCHへ転送され、ステップS13a.14では、ペイロードPAY等を取得するための処理が行われる。尚、ステップS13a.2〜S13a.14はMHからCHへ最初にパケットが送信される際に実行されるプロセスであるが、これ以降のパケットについても同様のプロセスが実行される。
【0120】
もちろんMHとCHの間の通信方法には、CHがMHに対してIPv6パケットを返信するステップS13a.15が含まれる。ステップS13b.1では、ステップS13a.9と同様に拡張BGP等を使用され、FNGWのIPv4アドレスに関する情報が通信相手側のネットワークゲートウェイCNGWにおいて取得される。ステップS13b.2では、ホームネットワークゲートウェイHNGW宛てのIPv4ヘッダでIPv6パケットがカプセル化され、HNGWへ転送される。ステップS13b.3では、カプセル化されたIPv6パケットのカプセル解放が行われる。
【0121】
ステップS13b.4では、IPv6パケットがHAへ転送され、HAは自身のテーブルHA−MCの検索を行う。ステップS13b.4において転送されたIPv6パケットには、IPv6パケットの受信先アドレスとして、MH_ORIGIN_IPv6_ADDR(ホームネットワークにおける移動ホストMHのIPv6固有アドレス)が含まれている。これは、通信相手端末CHがMHの現在位置アドレスを知らないためである。従って、ステップS13b.5では、MHの現在位置アドレスを取得するために変換関係HA−MCの検索が行われる。ステップS13b.6では、受信先アドレスとしてMH_IPv6_CoA、すなわち第4ネットワークPV4へ移動した第1端末MHの気付アドレスを含む別のIPv6ヘッダでIPv6パケットがカプセル化される。
【0122】
続いてステップS13b.7では、IPv6パケットがホームネットワークHNGWへ転送される。HNGWにより受信されたパケットには第1端末MHの気付アドレスが含まれているため、ステップS13b.8では、HNGWは、自身の変換関係HNGW−MCを検索し、MHA−6−2−CoAをFNGWA−G4−1とMHT−G4−1に変換する。すなわち、IPv4アドレスから、IPv4グローバルアドレスとIPv4トランスポートポートへのアドレス/ポート変換が行われる。ステップS13b.8において情報が取得されると、FNGWA−G4−1とMHT−G4−1がそれぞれIPv4受信先アドレス、IPv4トランスポート受信先ポートとして用いられ、IPv4アドレスヘッダとIPv4トランスポートヘッダでIPv6パケットがカプセル化される。続いてステップS13b.10では、パケットが外部ネットワークゲートウェイFNGWへ転送される。ステップS13b.11では、変換テーブルFNGW−MCが参照され、外部ネットワークゲートウェイFNGWによりIPv4アドレスとIPv4トランスポートポートの変換が行われる。
【0123】
すなわち、ステップS13b.1では、IPv4パケットとIPv4トランスポートヘッダに含まれるFNGWA−G4−1とMHT−G4−1が、MHA−P4−4とMHT−P4−4に変換される。この情報は、ステップS13b.12においてカプセル化されたパケットを移動端末MHへ転送するために使用される。ステップS13b.13では、図13dに示される受信プロセスが移動端末MHにより開始される。この図13dについては、図5cの確認応答パケットACKの受信に関連してすでに説明している。ペイロードを含むパケットを受信するプロセスは、確認応答パケットを受信する際のプロセスと何ら変わるところがないため、ステップS13b.12においてMHへ転送されたカプセル化されたパケットが受信された際にもステップ13d.1〜S13d.6のプロセスが実行される。
【0124】
尚、ステップS13b.13の後に、ステップS13b.14において確認応答パケットを通信相手ホストCHへ返信しペイロードが無事に受信されたことを通知してもよい。確認応答パケットの送信は、ペイロードを含むパケットの転送と変わるところがないため、ステップS13b.14における確認応答の送信は、図13aのステップS13a.4から始まるパケットの送信と同様に実行される。
【0125】
図13aおよび図13bから分かるように、MHからCHへの通信方法の好ましい実施形態の基本的な特徴として、ステップS13a.6、S13a.9、S13b.5、S13b.8およびS13b.11においてアドレスとポートの変換テーブルが使用されるという点がある。従って、当然のことながら、登録プロセスの際に変換関係FNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCの情報が図11に示されるように設定されていなければ、MHからCHへの通信方法は実行することができない。
【0126】
<CHからMHへの通信>
以下では、CHにより開始される通信について図4gを参照して説明する。尚、トンネルについては図4aおよび図4hに示されており、アドレスフォーマットの例については図15に示されており、CHにより開始される通信が行われる場合の通信システムSYSの各段階におけるパケットの構成について図16に示されている。説明の理解を容易にするために、図16には図4gの各ステップの参照符号が付されている。
【0127】
まずステップS4g.1では、通信情報PAYが、第2端末CHから第3ネットワークGV6‐2を介して第3ゲートウェイCNGWへ送信される。ステップS4g.2では、第3ゲートウェイCNGWと第1ゲートウェイHNGWの間に、図4hにおいて第4トンネルTUN4と示される第1プロトコル第1トンネルが確立される。ステップS4g.3では、この第1プロトコル第1トンネルTUN4を経由して通信情報PAYがホームネットワークゲートウェイHNGWへ送信される。ステップS4g.4では、通信情報PAYが第1ゲートウェイHNGWにより受信される。ステップS4g.5では、第1ゲートウェイHNGWと第2ゲートウェイFNGWの間に、図4hにおいて第5トンネルと示される第1プロトコル第2トンネルTUN5が確立される。当然のことながら、ステップS4g.5では、HNGWとHAの変換テーブルが利用される。これについては図14aおよび14bを参照して詳述する。
【0128】
ステップS4g.7では、通信情報PAYが第2ゲートウェイFNGWにより受信され、ステップS4g.8では、第2ゲートウェイFNGWと第1端末MHの間に、図4hにおいて第6トンネルTUN6と示される第1プロトコル第3トンネルTUN6が確立される。
ステップS4g.9では、この第1プロトコル第3トンネルTUN6を経由して通信情報PAYが送信され、ステップS4g.10において第1端末MHにより受信される。
上述のように、トンネルを確立するとは、本質的には、図16に示されるようにIPv6パケットをIPv4ヘッダでカプセル化することを意味する。このようなカプセル化は、図11に示されるような変換テーブルFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCを使用することにより可能になる。
【0129】
好ましい態様では、ステップS4g.1の前に、第2プロトコルアドレス送信部から第2端末に対して第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスが送信される。
また、好ましい態様では、ステップS4g.1の前に、少なくとも通信情報PAYが、少なくとも第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスCHA−6−3と第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGを含む第2プロトコル第3ネットワークヘッダでカプセル化される。
また、ステップS4g.2では、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGWA−G4−1を含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダで少なくとも通信情報PAYがカプセル化される。
また、ステップS4g.4とステップS4g.5間では、通信情報PAYのカプセルが解かれ、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダが除去され、カプセル解放された通信情報PAYが第2ネットワークGV6‐1を介して当該第2ネットワークGV6‐1のホームエージェントHAへ送信される。
また、好ましい態様では、カプセル解放された通信情報PAYが、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAでカプセル化される。
また、好ましい態様では、カプセル化された通信情報PAYが、第2ネットワークGV6‐1を介して第1ゲートウェイHNGWへ送信される。
【0130】
また、好ましい態様では、ステップS4g.5において、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−G4−1を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレスHNGWA−G4−1と第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA−G4−1を含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダとで少なくとも通信情報PAYがカプセル化される。
また、好ましい態様では、ステップS4g.8において、トランスポートタイプ識別第1ヘッダが、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT−P4−4を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダに変換され、第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダが、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA−G4−1と第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレスMHA−P4−4を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダに変換される。
また、好ましい態様では、ステップS4g.10において、通信情報PAYのカプセルが解かれ、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークヘッダが除去される。
【0131】
図16等に示されるように、ステップS4g.4において受信されたカプセル化された通信情報は、ホームネットワークゲートウェイHNGWにおいてカプセルを解かれ、IPv4ヘッダが除去される。次にIPv6パケットはHNGWからホームエージェントHAへ転送される。HAは、自身のテーブルHA−MCの検索を行う。
ステップS4g.3において送信され、ステップS4g.4においてHNGWにより受信された、通信情報PAYと、IPv6ヘッダと、IPv4ヘッダにより構成される当該パケットには、IPv6ヘッダの受信先アドレスとしてMH_ORIGIN_IPv6_ADDR(ホームネットワークにおける移動ホストMHのIPv6固有アドレス)が含まれている。これは、通信相手ホストCHがMHの現在位置アドレスを知らないためである。従って、MHの現在位置アドレスを取得するために、ホームネットワークにおける移動ホストMHのIPv6固有アドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDRと、訪問先の外部ネットワークにおける移動ホストMHのIPv6外部アドレスMH_IPv6_CoAとからなる変換関係HA−MCが検索される。次にホームエージェントHAは、受信先アドレスとしてMH_IPv6_CoA、すなわち第4ネットワークへ移動した第1端末MHの気付アドレスを含むIPv6ヘッダでIPv6パケットをカプセル化する。この結果、IPv6パケットの受信先が第1端末MHの現在位置に変更されることになる。そしてHAは、パケットをHNGWへ返信する。ステップS4g.5では、IPv6パケットがIPv4ヘッダでカプセル化されることにより、HNGWが外部ネットワークゲートウェイFNGWへのIPv4トンネルを確立する。好ましい態様では、このIPv4ヘッダに、IPv4アドレスヘッダの受信先アドレスとして、変換テーブルHNGW−MCのエントリに応じて、外部ネットワークゲートウェイFNGWのグローバルIPv4アドレスが含まれる。さらに好ましい態様では、このIPv4ヘッダに、IPv4トランスポートヘッダの受信先ポートとして、変換テーブルHNGW−MCのエントリに応じて、第1端末MHのIPv4トランスポートポートがさらに含まれる。
【0132】
図16や図4gの各ステップに示されるように、図11に示される情報は必要不可欠である。特に変換関係HNGW−MCは、CHとMHの通信の際に使用される。そうしなけらば、変換関係HNGW−MCHNGWにより送信されるパケットをカプセル化して、第1および第4ネットワークINおよびPV4をトンネル経由で転送する(トンネリング)ことができない。
【0133】
図14aおよび14bは、CHからMHへの通信方法の好ましい実施形態を示している(図14bは図14aの続きである)。
図14aに示されるように、ステップS14a.1では、通信相手側ホストCHに対してホームネットワーク(GV6−1)における第1端末MHの位置アドレスを提供する通信相手側ネットワークドメインネームサーバCNDNSが設けられている。通信相手側ホストCHは自身が発呼したいMH等の端末の現在位置を知ることができないため、とりあえず、第1端末のホームネットワークHN(GV6−1)のホームエージェントHAに登録されている位置アドレスをCNDNSに提供してもらう必要がある。従って、ステップS14a.2においてCHは、CNDNSに対してMHのアドレスを要求するDNS要求を送信する。ステップS14a.3では、この要求に対してCNDNSが、固有アドレスとしてホームエージェントHAに記憶されている第1端末MHのアドレスMH_ORIGIN_IPv6_ADDR(図11参照)を返信する。ステップS14a.4では、通信相手ホストCHは、ペイロードPAYを含むIPv6パケットを通信相手ノード側のゲートウェイCNGWへ送信する。このパケットはIPv6パケットであり、受信先アドレスとしてMH_ORIGIN_IPv6_ADDRが設定されている。ステップS14a.5では、CNとIPv4インターネットの境界においてゲートウェイCNGWが例えば拡張BGPプロトコルを使用し、HNGWのIPv4グローバルアドレスを取得する。ステップS14a.6では、CNGWは、HNGW宛てのIPv4ヘッダでIPv6パケットをカプセル化する。続いてステップS14a.7では、カプセル化されたパケットがホームネットワークゲートウェイHNGWへ転送され、ステップS14a.8では、このパケットのカプセル解放が行われる。当該パケット(この時点ではIPv6パケット、図16参照)は、ステップS14a.9においてホームエージェントHAへ転送される。ステップS14a.10では、ホームエージェントは、自身の変換テーブルHA−MCから、登録プロセスの際に第1端末に割り当てられた現在位置アドレスMH_IPv6_CoAを取得する。
【0134】
ステップS14a.11では、ホームエージェントHAは、受信先アドレスとしてMH_IPv6_CoAを含むIPv6ヘッダでIPv6パケットをカプセル化する。ステップS14a.12では、このIPv6パケットがHNGWへ転送される(このステップは、図16のステップ“I)”と同じである)。
ステップS14a.13では、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、自身の変換関係HNGW−MCを検索してFNGWのアドレスとポートを取得する。そして、受信されたIPv6パケットに含まれるMHA−6−2−CoAは、FNGWA−G4−1とMHT−G4−1に変換される。この変換は、ステップS14a.14においてIPv4ヘッダとIPv4トランスポートヘッダ(図11に示されるHNGW−MCの左側の情報)でIPv6パケットをカプセル化するために必要である。このように受信先アドレスはFNGWとなり、ステップS14a.15では、カプセル化されたパケットがFNGWへ転送される(トンネルTUN5を経由;図4h)。
【0135】
ステップS14b.1(図14bは図14aの続きである)では、FNGWは、NATの変換テーブル、すなわち図11に示される変換関係FNGW−MCに従って、IPアドレスとトランスポートアドレスの変換を行う。従って、FNGWは、FNGWA−G4−1とMHT−G4−4を図11に示されるMHA−P4−4とMHT−P4−4に変換する。すなわち、グローバルIPv4ネットワーク情報がプライベートIPv4ネットワーク情報に変換される。ステップS14b.2では、図11に示されるFNGW−MCの左側の情報でパケットがカプセル化され、移動ホストMHへ送信される。
【0136】
ステップS14b.3では、移動ホストMHは、図13dを参照してすでに説明しているパケット受信プロセスを開始する。図13dについては、確認応答パケットの受信に関連して説明している。ステップS14b.3の処理は通常の“通信”パケットが受信される際と同様であるため、ここでは図13dについて再度説明することはしない。
ステップS14b.4では、第1端末MHは、CHに対してIPv6パケットを返信する。このIPv6パケットの送信元アドレスは、MH_IPv6_CoAではなく、MH_ORIGIN_IPv6_ADDRである。これは、MH_IPv6_CoAについての情報が他のゲートウェイに通知されていないためである。ここで、図13aのステップ13a.4のパケット送信に関連して説明した図13cの各ステップが実行される。これは、ステップS14b.4において、オリジナルパケット(ステップ13a.4)が送信されるか、あるいは応答パケット(ステップS14b.4)が送信されるかに違いはないからである。ステップS14b.4の説明のために、図13cについて再度説明することはしない。ただ、ステップS14b.4では、オリジナルパケットではなく、応答パケットが送信される。
【0137】
ステップS13a.4〜S13a.14とステップS14b.4〜S14b.14を比較すると明らかなように、FNGWとHNGWの変換テーブルの使用方法はいずれも同様である。また、MHからCHに対してオリジナルパケット(図13a)が送信されるか、あるいは応答パケット(図14b)が送信されるかにかかわらずカプセル化およびカプセル解放の方法は両者において同様である。このようにステップS14b.4〜S14b.10はステップS13a.4〜S13a.14に対応しているため、説明を省略する。唯一の相違は、ステップS14b.14において通信相手ホストCHが、IPv6パケットを処理するのではなく、確認応答を開始する点である。
【0138】
<他の実施形態>
(移動した)移動ホストMHの登録/確認応答プロセスの実施形態に関連して図12aを参照しつつ説明したように、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、ステップS12a.6において、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAと、FNGWA−4−1とMHT−G4−1の組からなる変換関係HNGW−MCを記憶する。そしてステップS12a.7では、ホームネットワークゲートウェイHNGWのカプセル解放部が、登録パケットREG2からIPv4部分SA4、DA4、TH4を除去する。
しかしながら、別の実施形態においては、移動ホストMHの登録/確認応答プロセスを図17aに示されるように実行するこも可能である。図17aのステップS12a.1〜S12a.5は、図12aのステップS12a.1〜S12a.5と同じである。従って、図17aのこれらのステップには同じ参照符号が付されており、またこれらのステップに関する説明は省略する。図17aのステップS12a.6’では、ステップS12a.1〜S12a.5において外部ネットワークゲートウェイFNGWからホームネットワークゲートウェイHNGWへ転送されたカプセル化されたパケットのカプセル解放が行われる。すなわち、ステップS12a.6’では、ホームネットワークゲートウェイHNGWのカプセル解放部が、登録パケットREG2からIPv4部分SA4、DA4、TH4を除去する。ステップS12a.7’では、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、図17bに示されるように送受信プロセスを開始する。この送受信プロセスについては以下に説明する。
【0139】
ステップS17b.1では、受信したIPv6パケットのIPv6受信先アドレスが、ホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属するIPv6アドレスであるか否かが判定される。この判定結果が肯定的である場合には(ステップS17b.1;“YES”)、ステップS17b.2において、当該IPv6に結合更新オプションBUOが含まれているか否かが判定される。この判定結果が否定的である場合には(ステップS17b.2;NO)、当該IPv6パケットは、ステップS17b.6においてIPv6受信先アドレスに示されるアドレスへ転送される。一方、この判定結果が肯定的である場合には(ステップS17b.2;“YES”)、ステップS17b.3において当該IPv6パケットのIPv6送信元アドレスのエントリが変換テーブルHNGW−MCに存在するか否かが判定される。すなわち、第4ネットワークFNに移動した移動ホストMHのMHA−6−2−CoA(第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMH_IPv6_CoA)のエントリが存在するか否かが判定される。この判定結果が否定的である場合には(ステップS17b.3;“NO”)、IPv4グローバル送信元アドレスとIPv4グローバルトランスポート送信元ポートの組と、IPv6送信元アドレスとを関連づける新しいエントリが変換関係HNGW−MCに追加される。すなわち、ステップS17b.5では、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA‐G4‐1と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT‐G4‐1の組との間の変換関係が新たに変換テーブルHNGW−MCに記憶される。一方、ステップS17b.3の判定結果が肯定的である場合には(ステップS17b.3;“YES”)、ステップS17b.4において、IPv4グローバル送信元アドレスとIPv4グローバルトランスポート送信元ポートの組と、IPv6送信元アドレスとの関連づけが更新される。すなわち、MHA‐6‐2‐CoA、FNGWA‐G4‐1およびMHT‐G4‐1の値が更新される。また、更新の際に上記の3つのパラメータのいずれかに変更があった場合にも、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA‐6‐2‐CoAと、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレスFNGWA‐G4‐1と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報MHT‐G4‐1の組との間の変換関係が更新される。ステップS17b.4またはステップS17b.5が終了すると、ステップS17b.6において、IPv6パケットがIPv6受信先アドレスに示されるアドレスへ転送される。図17bに示されるHNGWによる送受信プロセスのうちこれまでに説明した部分は、移動ホストMHの登録/確認応答プロセスに特に関連する部分である。
【0140】
一方、例えばステップS12a.5やその他の登録/通信プロセスにおける各ステップにおいてHNGWへ転送され、さらに例えばステップS12b.6’においてIPv4アドレスヘッダとIPv4トランスポートヘッダが取り除かれる場合、そのカプセル化されたパケットのIPv6受信先アドレスは、ホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属しない可能性がある(ステップS17b.1;“NO”)。このような場合には、ステップS17b.7において、当該IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが変換テーブルHNGW−MCに記憶されているか否かが判定される。この判定結果が否定的であった場合には(ステップS17b.7;“NO”)、ステップS17b.8において、例えば拡張BGPが使用され、当該IPv6受信先アドレスに対応するIPv4アドレスが検索される。そしてステップS17b.9では、当該IPv6パケットがカプセル化され、拡張BGPにより発見されたアドレスへ転送される。
一方、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが変換テーブルHNGW−MCに記憶されているIPv6アドレスであると判定された場合には(ステップS17b.7;“YES”)、ステップS17b.10において、当該IPv6パケットと一致する変換テーブル中の値が参照され、当該IPv6パケットがIPv4ヘッダとIPv4トランスポートヘッダでカプセル化される。ステップS17b.11では、このカプセル化されたパケットが、ステップS17b.10において発見されたIPv4アドレスへ転送される。
【0141】
図17a、図18aおよび18b、図19aおよび19bに示される、登録/確認応答プロセス、移動ホストMHにより開始される通信プロセス、そして通信相手ホストCHにより開始される通信プロセスの各ステップのさまざまな状況に応じて、HNGWによる図17bの送受信プロセスは以下の3つの枝に分類することができる。
‐ステップS17b.1〜S17b.6により構成される左枝
‐ステップS17b.1およびS17b.7〜S17b.9により構成される中枝
‐ステップS17b.1、S17b.7、S17b.10およびS17b.11により構成される右枝
【0142】
再び、図17aの移動ホストMHの登録/確認応答プロセスについての説明にもどる。ステップS12a.7’では、上述したように、ホームネットワークゲートウェイHNGWによる送受信プロセスが開始される。好ましい態様では、このステップS12a.7’のHNGWの送受信プロセスは、ステップS17b.2の判定が肯定的となる場合の図17bの左枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレスHAA−6−2であるためである。このIPv6パケットアドレスはホームネットワークHNのアドレス空間に属し、結合更新オプションフィールドBUOに結合更新オプションを含む。後続するステップS12a.8〜S12a.10は、図12aの登録/確認応答プロセスと同様であるため、これらのステップに関する説明は省略する。ステップS12a.10においてホームエージェントHAからホームネットワークゲートウェイHNGWへ結合応答メッセージが送信されると、ステップS12a.11’において再びHNGWによる送受信プロセスが開始される。好ましい態様では、このステップS12a.11’の送受信プロセスは、図17bの右枝の経路をたどることになる。これは、この段階のIPv6パケットのIPv6受信先アドレスがホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属さないMHA‐6−2−CoAであり、また、このIPv6受信先アドレスMHA‐6−2−CoAが変換テーブルHNGW−MCに記憶されているためである。後続するステップS12a.13〜S12a.17は、図12aに示される移動ホストMHの登録/確認応答プロセスと同様であるため、これらのステップに関する説明は省略する。
【0143】
第1端末MHから第2端末CHに対して開始される通信方法についてはすでに図13aおよび13bを参照して説明した。以下では、このような通信方法の別の実施形態について図18aおよび18bを参照して説明する。図18aに示されるように、ステップS13a.1〜S13a.8は図13aに示される通信プロセスと同様である。ステップS13a.8においてIPv6パケットのカプセルが解かれ、IPv4ヘッダが除去されると、ホームネットワークゲートウェイHNGWは、ステップS13a.9’において図17bの送受信プロセスを開始する。好ましい態様では、この段階の送受信プロセスは図17bの中枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスCHA−6−3であるためである。このIPv6アドレスはホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属さず、また、変換テーブルHNGW−MCに記憶されていない。ステップS13a.9’のHNGWによる送受信プロセスの後には、ステップS13a.11〜S13a.15およびS13b.1〜S13b.3が続く。これらのステップは、同じ参照符号が付された図13aおよび13b中の対応するステップと同様である。従って、これらのステップに関する説明については、図13aおよび13b中の対応するステップの説明を参照されたい。ステップS13b.3においてIPv6パケットのカプセルが解かれ、IPv4ヘッダが除去されると、S13b.3’において再び図17bの送受信プロセスがHNGWにより開始される。好ましい態様では、この段階の送受信プロセスは、ステップS17b.2の判定が否定的になる場合の図17bの左枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGであり、また、このIPv6アドレスがホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属しているためである。
【0144】
ステップS13b.3’のHNGWによる送受信プロセスの後には、図13bを参照してすでに説明したステップS13b.4〜S13b.7が続く。ステップS13b.7においてホームエージェントHAからホームネットワークゲートウェイHNGWに対してIPv6パケットが転送されると、S13b.8’において再び図17bの送受信プロセスがHNGWにより開始される。好ましい態様では、このステップS13b.8’の送受信プロセスは図17bの右枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAであるためである。このIPv6アドレスはホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属していないが、変換テーブルHNGW−MCには記憶されている。ステップS13b.8’のHNGWによる送受信プロセスの後には、図13bを参照してすでに説明したステップS13b.10〜S13b.14が続く。
【0145】
第2端末CHから第1端末MHに対して開始される通信方法についてはすでに図14aおよび14bを参照して説明した。以下では、このような通信方法の別の実施形態について図19aおよび19bを参照して説明する。ステップS14a.1〜S14a.8は、図14aに示される通信プロセスと同様である。ステップS14a.8においてIPv6パケットのカプセルが解かれ、IPv4ヘッダが除去されると、ステップS14a.8’において図17bの送受信プロセスがHNGWにより開始される。好ましい態様では、このステップS14a.8’の送受信プロセスは、ステップS17b.2の判定が否定的になる場合の図17bの左枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレスMHA−6−2−ORIGであり、また、このIPv6アドレスがホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属しているためである。ステップS114a.8’のHNGWによる送受信プロセスの後には、図14aを参照してすでに説明したステップS14a.9〜S14a.12が続く。ステップS14a.12においてホームエージェントHAからホームネットワークゲートウェイHNGWに対してIPv6パケットが転送されると、S14a.13’において再び図17bの送受信プロセスがHNGWにより開始される。好ましい態様では、このステップS14a.13’の送受信プロセスは図17bの右枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレスMHA−6−2−CoAであるためである。このIPv6アドレスはホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属していないが、変換テーブルHNGW−MCには記憶されている。
【0146】
ステップS14a.13’のHNGWによる送受信プロセスの後には、図14aおよび14bを参照してすでに説明したステップS14a.15およびS14b.1〜S14b.8が続く。ステップS14b.8においてIPv6パケットのカプセルが解かれ、IPv4ヘッダが除去されると、ステップS13a.9’において図17bの送受信プロセスがHNGWにより開始される。好ましい態様では、このステップS13a.9’の送受信プロセスは図17bの中枝の経路をたどることになる。これは、IPv6パケットのIPv6受信先アドレスが第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレスCHA−6−3であるためである。このIPv6アドレスはホームネットワークHNのIPv6アドレス空間に属しておらず、また、変換テーブルHNGW−MCに記憶されていない。ステップS14b.9’のHNGWによる送受信プロセスの後には、図14bを参照してすでに説明したステップS14b.11〜S14b.14が続く。
【0147】
以上説明したMHおよびCH間の登録、確認応答および通信プロセスから明らかなように、移動端末と、IPv6ホームネットワークとIPv4インターネットの間に配置されるゲートウェイには、特定の機能と変更がいくつか必要となる。しかしながら、IPv4外部ネットワークとIPv4ネットワークには変更の必要がない。従って、図14aに示されるような4つのネットワークにより構成される通信システムSYSにおけるMHおよびCH間の通信を容易に実現することができる。また、IPv6ネットワークについても、当該ネットワークのゲートウェイがBGP拡張プロトコル等の可到達性情報をやり取り可能なルーティングプロトコルを必要とする点以外は変更の必要がない。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、図4aに示されるような4つのネットワークにより構成される通信システムにおいて第1端末と第2端末の間で通信を行う方法を提供する。変更が必要とされるのは、移動端末MHと、ホームネットワークゲートウェイHNGWと、ホームエージェントHAだけである。上記の具体例では第1、第2プロトコルとしてIPv4、IPv6プロトコルを使用したが、本発明の適用対象はこれらのプロトコルに限られるわけではない。また、本発明は、第1および第4ネットワークにおいてアドレッシングに第1プロトコルが使用され、第2および第3ネットワークにおいてアドレッシングに第2プロトコルが使用され、第2および第3ネットワークの第2および第3アドレスが同じアドレス範囲から選択され、第1および第4アドレスが、それぞれ第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される通信システムSYSに適用可能である。また、本発明の適用対象は、移動ホストがプライベートIPv4ネットワークへ移動するローミング状況に限られず、例えば本発明の移動通信端末MHは、グローバルIPv4ネットワークやグローバルIPv6ネットワーク等のその他のプロトコルタイプのネットワークにローミングすることが可能である。
また、本発明には、明細書および特許請求の範囲において別々に記載されているその他の実施形態も含まれる。また、ここに記載されている思想を参照することで、いわゆる当業者は、さらに別の変形例を実施することができる。
【0149】
本発明には、上述の1以上の方法ステップおよび/または上述の装置もしくはシステムユニットの1以上の構成要素の機能的特徴を実現する指示を含むプログラムが含まれる。
また、本発明には、上述の1以上の方法ステップおよび/または装置もしくはシステムの1以上の構成要素の機能的特徴を実現するコード手段を含み、コンピュータが読み取り可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラムプロダクトが含まれる。
また、本発明には、上述の1以上の方法ステップおよび/または装置もしくはシステムの1以上の構成要素の機能的特徴を実現する手段を含む、コンピュータが読み取り可能なコードが含まれるデータ記憶媒体が含まれる。
また、本発明には、上述の1以上の方法ステップおよび/または装置もしくはシステムの1以上の構成要素の機能的特徴をデータ処理手段により実現させるプログラムを含むコンピュータが読み取り可能な媒体が含まれる。
尚、特許請求の範囲における参照符号は、理解の促進のみを目的とするものであり、当該特許請求の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】IPv4やIPv6等のバージョンの異なるプロトコルが実装される複数のネットワークにより構成される通信システムSYSの概観を示す。
【図2a】第1端末T1が外部第4ネットワークPV4に移動して第3ネットワークPV4**上の第2端末T2と通信を行う通信システムSYSであって、第4および第3ネットワークでは第2ネットワークPV4と同様に第1プロトコルIPv4が実装される通信システムSYSを示す。
【図2b】第2、第3および第4ネットワークGV6‐1、GV6‐2、GV6において第2プロトコルIPv6が実装され、前記ネットワークがそれぞれ、ゲートウェイGW1、GW2、GW3を介して第1プロトコルIPv4が実装される第1ネットワークINと相互に接続される図2aと類似の通信システムSYSを示す。
【図3】第1端末MHが第2プロトコルIPv6ホームネットワークから第1プロトコルIPv4外部ネットワークへ移動して、第1プロトコルIPv4ネットワークINとゲートウェイGW3を介して相互に接続される第2プロトコルIPv6ネットワークGV6‐2において登録されている第2端末CHと通信を行う本発明の原理に係る通信システムSYSを示す。
【図4a】トンネルTUN’、TUN’’およびTUN’’’を介した第1端末MHと通信相手の第2端末CHの間の通信を可能にする通信システムSYS、移動通信端末MH、ホームネットワークゲートウェイHNGW、外部ネットワークゲートウェイFNGWを示す。
【図4b】本発明の原理に係るホームネットワークゲートウェイHNGWのブロック図を示す。
【図4c】本発明の原理に係る移動通信端末MHのブロック図を示す。
【図4d】本発明の原理に係る外部ネットワークゲートウェイFNGWのブロック図を示す。
【図4e】本発明に係る登録方法の一実施形態を示す。
【図4f】第1端末MHにより通信が開始された場合の本発明に係る通信方法を示す。
【図4g】第2端末CHにより通信が開始された場合の本発明の一実施形態に係る通信方法を示す。
【図4h】図4e、4f、4gに示される登録および通信処理を行うために確立されるトンネルについて説明する図である。
【図5a】図4eに係る登録処理の際に、第1端末MHから外部ネットワークゲートウェイFNGWへ送信される登録情報(例えば、パケット)REG1を示す。
【図5b】図4eの登録処理の際に、外部ネットワークゲートウェイFNGWからホームネットワークゲートウェイHNGWへ送信される登録情報(例えば、パケット)REG2を示す。
【図5c】主に図12aに示される確認応答処理の際に、ホームネットワークゲートウェイHNGWから第1端末MHへ送信される確認応答情報(例えば、パケット)ACKを示す。
【図6】図12aに示される登録処理の開始時における、外部ネットワークゲートウェイFNGWに記憶された変換関係FNGW−MCと、ホームネットワークゲートウェイHNGWに記憶された変換関係HNGW−MCと、ホームエージェントHAに記憶された変換関係HA−MCを示す。
【図7】それぞれ図4eに示される登録処理の各段階におけるFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCのエントリを示す。
【図8】それぞれ図4eに示される登録処理の各段階におけるFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCのエントリを示す。
【図9】それぞれ図4eに示される登録処理の各段階におけるFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCのエントリを示す。
【図10】それぞれ図4eに示される登録処理の各段階におけるFNGW−MC、HNGW−MCおよびHA−MCのエントリを示す。
【図11】当該登録処理の終了時における変換関係MCの内容を、通信処理の際にトンネルの確立のために使用される形式で示す。
【図12a】ステップS12a.1〜S12a.9において図6〜11に示される変換関係の各情報が設定される第1端末MHの登録/確認応答方法を構成する各ステップを示す。
【図12b】図12baのステップS12a.2を構成する各ステップを示す。
【図12c】IPv6アドレスを生成するためにIPv4アドレスを使用するというコンセプトを示す。
【図12d】本発明に係る図12cのコンセプトの一実施形態を示す。
【図13a】第2端末CHに対する通信が第1端末MHから開始される場合の通信方法を構成する各ステップを示す。
【図13b】図13aのMHからCHへの通信方法の続きを示す。
【図13c】図13aのステップS13a.4を構成する各ステップを示す。
【図13d】図13bのステップS13.13を構成する各ステップを示す。
【図14a】第2端末CHにより通信が開始される場合の通信方法を構成する各ステップを示す。
【図14b】図14aのCHからMHへの通信方法の続きを示す。
【図15】通信システムSYSにおけるIPv4およびIPv6アドレスの使用例を示す。
【図16】端末CHから移動通信端末MHへの通信の際にシステム内で送信される各種パケットの例を示す。
【図17a】ステップS12a.1〜S12a.5、S12a.6’、S12a.7’およびS12a.8〜S12a.9において図6〜11に示される変換関係の各情報が設定される、第1端末MHの登録/確認応答方法の別の実施形態を構成する各ステップを示す。
【図17b】図17aのS12a.7’およびS12a.11’、図18aのS13a.9’、図18bのS13b.3’およびS13b.8’、図19aのS14a.8’およびS14a.13’、および図19bのS14b.9’を構成する各ステップを示す。
【図18a】第2端末CHに対する通信が第1端末MHから開始される場合の通信方法の別の実施形態を構成する各ステップを示す。
【図18b】図18aのMHからCHへの通信方法の続きを示す。
【図19a】第2端末CHにより通信が開始される場合の通信方法の別の実施形態を構成する各ステップを示す。
【図19b】図19aのCHからMHへの通信方法の続きを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)と、第1プロトコル(IPv4)が実装される第4ネットワーク(PV4)に、第1、第2ゲートウェイ(HNGW、FNGW)を介して接続される前記第1プロトコル(IPv4)が実装される第1ネットワーク(IN)を含む通信システム(SYS)において、前記第4ネットワーク(PV4)に移動した前記第2ネットワーク(GV6‐1)の第1端末(MH)を前記第2ネットワーク(GV6‐1)において登録する方法であって、
前記第1、第2プロトコル(IPv4、IPv6)は互いに異なり、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2ネットワーク(GV6‐1)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、PV4)は、それぞれ第1、第2、第4アドレスを有し、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
a)前記第1端末(MH)において、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA‐PA‐4)から第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を生成するステップ(S4e.1)と、
b)前記第1端末(MH)と第2ゲートウェイ(FNGW)の間に第1プロトコル第1トンネル(TUN1)を確立するステップ(S4e.2)と、
c)前記第1プロトコル第1トンネル(TUN1)を経由して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を送信するステップ(S4e.3)と、
d)前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を前記第2ゲートウェイ(FNGW)が受信するステップ(S4e.4)と、
e)前記第2ゲートウェイ(FNGW)と前記第1ゲートウェイ(HNGW)の間に第1プロトコル第2トンネル(TUN2)を確立するステップ(S4e.5)と、
f)前記第1プロトコル第2トンネル(TUN2)を経由して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を送信するステップ(S4e.6)と、
g)前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を前記第1ゲートウェイ(HNGW)が受信するステップ(S4e.7)と、
h)前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を前記第2ネットワーク(GV6‐1)を経由して前記第2ネットワーク(GV6‐1)上のホームエージェント(HA)へ送信するステップ(S4e.8)と
を備えることを特徴とする登録方法。
【請求項2】
前記ステップa)(S4e.1)の前に、第1プロトコルアドレス送信部から前記第1端末(MH)に対して前記第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA‐PA‐4)が送信されることを特徴とする請求項1に記載の登録方法。
【請求項3】
前記ステップb)(S4e.2)は、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐P4‐4)を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA‐PA‐4)を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで、少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)をカプセル化するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の登録方法。
【請求項4】
前記ステップe)(S4e.5)は、前記トランスポートタイプ識別第1ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)を含む第1プロトコル第1ネットワークヘッダに変換するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の登録方法。
【請求項5】
前記ステップg)(S4e.7)は、前記カプセル化された第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)のカプセルを解き、前記トランスポートタイプ識別第2ヘッダと前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の登録方法。
【請求項6】
前記ステップg)(S4e.7)は、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と、前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)とを記憶するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の登録方法。
【請求項7】
前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)と、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)の組との間の変換関係が変換テーブルに記憶されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の登録方法。
【請求項8】
第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)と、第1プロトコル(IPv4)が実装される第4ネットワーク(PV4)と、前記第2プロトコル(IPv6)が実装される第3ネットワーク(GV6‐2)に、第1、第2、第3ゲートウェイ(HNGW、FNGW、CNGW)を介して接続される前記第1プロトコル(IPv4)が実装される第1ネットワーク(IN)を含む通信システム(SYS)において、前記第4ネットワーク(PV4)に移動した前記第2ネットワーク(GV6‐1)の第1端末(MH)から前記第3ネットワーク(GV6‐2)の第2端末(CH)に対して通信情報(PAY)を提供する通信方法であって、
前記第1、第2プロトコル(IPv4、IPv6)は互いに異なり、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2および第3ネットワーク(GV6‐1、GV6‐2)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第3、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、GV6‐2、PV4)は、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、
前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
a)第1端末(MH)と第2ゲートウェイ(FNGW)の間に第1プロトコル第1トンネル(TUN1)を確立するステップ(S4f.1)と、
b)前記第1プロトコル第1トンネル(TUN1)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4f.2)と、
c)前記通信情報(PAY)を前記第2ゲートウェイ(FNGW)が受信するステップ(S4f.3)と、
d)前記第2ゲートウェイ(FNGW)と前記第1ゲートウェイ(HNGW)の間に第1プロトコル第2トンネル(TUN2)を確立するステップ(S4f.4)と、
e)前記第1プロトコル第2トンネル(TUN2)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4f.5)と、
f)前記通信情報(PAY)を前記第1ゲートウェイ(HNGW)が受信するステップ(S4f.6)と、
g)前記第1ゲートウェイ(HNGW)と前記第3ゲートウェイ(CNGW)の間に第1プロトコル第3トンネル(TUN3)を確立するステップ(S4f.7)と、
h)前記第1プロトコル第3トンネル(TUN3)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4f.8)と、
i)前記通信情報(PAY)を前記第3ゲートウェイ(CNGW)が受信するステップ(S4f.9)と、
j)前記通信情報(PAY)を前記第3ネットワーク(GV6‐2)を介して前記第2端末(CH)へ送信するステップ(S4f.10)と
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項9】
前記ステップa)(S4f.1)の前に、第2プロトコルアドレス送信部から前記第1端末(MH)に対して前記第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレス(CHA‐6‐3)が送信されることを特徴とする請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記ステップa)(S4f.1)は、少なくとも第2プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(T−6)を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレス(MHA‐6‐2‐ORIG)と第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレス(CHA‐6‐3)を含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−P4−4)を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA−P4−4)と第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで少なくとも前記通信情報(PAY)をカプセル化するステップを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記ステップd)(S4f.4)は、前記トランスポートタイプ識別第2ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−G4−1)を含むトランスポートタイプ識別第3ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA−G4−1)と前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダに変換するステップを含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の通信方法。
【請求項12】
前記ステップg)(S4f.7)は、
a)前記通信情報(PAY)のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダを除去するステップと、
b)前記カプセル解放された通信情報(PAY)を、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第3ゲートウェイアドレス(CNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダでカプセル化するステップと
を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の通信方法。
【請求項13】
前記ステップi)(S4f.9)は、前記通信情報(PAY)のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダを除去するステップを含むことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の通信方法。
【請求項14】
第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)と、第1プロトコル(IPv4)が実装される第4ネットワーク(PV4)と、前記第2プロトコル(IPv6)が実装される第3ネットワーク(GV6‐2)に、第1、第2、第3ゲートウェイ(HNGW、FNGW、CNGW)を介して接続される前記第1プロトコル(IPv4)が実装される第1ネットワーク(IN)を含む通信システム(SYS)において、前記第3ネットワーク(GV6‐2)の第2端末(CH)から、前記第4ネットワーク(PV4)に移動した前記第2ネットワーク(GV6‐1)の第1端末(MH)に対して通信情報(PAY)を提供する通信方法であって、
前記第1、第2プロトコル(IPv4、IPv6)は互いに異なり、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2および第3ネットワーク(GV6‐1、GV6‐2)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第3、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、GV6‐2、PV4)は、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、
前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
a)前記通信情報(PAY)を、前記第2端末(CH)から前記第3ネットワーク(GV6‐2)を介して前記第3ゲートウェイ(CNGW)へ送信するステップ(S4g.1)と、
b)前記第3ゲートウェイ(CNGW)と前記第1ゲートウェイ(HNGW)の間に第1プロトコル第1トンネル(TUN4)を確立するステップ(S4g.2)と、
c)前記第1プロトコル第1トンネル(TUN4)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4g.3)と、
d)前記通信情報(PAY)を前記第1ゲートウェイ(HNGW)が受信するステップ(S4g.4)と、
e)前記第1ゲートウェイ(HNGW)と前記第2ゲートウェイ(FNGW)の間に第1プロトコル第2トンネル(TUN5)を確立するステップ(S4g.5)と、
f)前記第1プロトコル第2トンネル(TUN5)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4g.6)と、
g)前記通信情報(PAY)を前記第2ゲートウェイ(FNGW)が受信するステップ(S4g.7)と、
h)前記第2ゲートウェイ(FNGW)と前記第1端末(MH)の間に第1プロトコル第3トンネル(TUN6)を確立するステップ(S4g.8)と、
i)前記第1プロトコル第3トンネル(TUN6)を経由して前記通信情報(PAY)を送信するステップ(S4f.9)と、
j)前記通信情報(PAY)を前記第1端末(MH)が受信するステップ(S4g.10)と
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
前記ステップa)(S4g.1)の前に、第2プロトコルアドレス送信部から前記第2端末(CH)に対して前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレス(MHA−6−2−ORIG)が送信されることを特徴とする請求項14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記ステップa)(S4g.1)の前に、少なくとも前記通信情報(PAY)が、少なくとも第2プロトコル第3ネットワーク第2端末アドレス(CHA−6−3)と前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレス(MHA−6−2−ORIG)を含む第2プロトコル第3ネットワークヘッダでカプセル化されることを特徴とする請求項14または15に記載の通信方法。
【請求項17】
前記ステップb)(S4g.2)は、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダで少なくとも前記通信情報(PAY)をカプセル化するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の通信方法。
【請求項18】
前記ステップd)(S4g.4)と前記ステップe)(S4g.5)の間に、
a)前記通信情報(PAY)のカプセルが解かれ、少なくとも前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ヘッダが除去されるステップと、
b)前記カプセル解放された通信情報(PAY)が前記第2ネットワーク(GV6‐1)を介して当該第2ネットワーク(GV6‐1)のホームエージェント(HA)へ送信されるステップと
が含まれることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の通信方法。
【請求項19】
前記カプセル解放された通信情報(PAY)は、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA−6−2−CoA)でカプセル化されることを特徴とする請求項18に記載の通信方法。
【請求項20】
前記カプセル化された通信情報(PAY)は、前記第2ネットワーク(GV6‐1)を介して前記第1ゲートウェイ(HNGW)へ送信されることを特徴とする請求項19に記載の通信方法。
【請求項21】
前記ステップe)(S4g.5)は、少なくとも第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−G4−1)を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)と第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダとで少なくとも前記通信情報(PAY)をカプセル化するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至20のいずれかに記載の通信方法。
【請求項22】
前記ステップh)(S4g.8)は、前記トランスポートタイプ識別第1ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−P4−4)を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダに変換し、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ヘッダを、少なくとも第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA−G4−1)と第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA−P4−4)を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダに変換するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至21のいずれかに記載の通信方法。
【請求項23】
前記ステップj)(S4g.10)は、前記通信情報(PAY)のカプセルを解き、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至22のいずれかに記載の通信方法。
【請求項24】
他の端末(CH)との通信を行う移動通信端末(MH)であって、
前記移動通信端末(MH)は第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)に属す一方、前記他の端末(CH)は前記第2プロトコル(IPv6)が実装される第3ネットワーク(GV6‐2)に属し、
前記通信は、前記第2プロトコル(IPv6)とは異なる第1プロトコル(IPv4)が実装される第4および第1ネットワーク(PV4、IN)を介して行われ、
前記第2、第4、第3ネットワーク(GV6−1、PV4、GV6−2)は、それぞれ第1、第2、第3ゲートウェイ(HNGW、FNGW、CNGW)を介して前記第1ネットワーク(IN)に接続され、
前記移動通信端末(MH)は、前記第4ネットワーク(PV4)に移動しており、
前記第2ネットワーク(GV6‐1)は、ホームエージェント(HA)を含み、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2および第3ネットワーク(GV6‐1、GV6‐2)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第3、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、GV6‐2、PV4)は、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、
前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
a)前記移動通信端末(MH)は、前記第1プロトコル(IPv4)と前記第2プロトコル(IPv6)を使用して通信を行うことが可能であり、
b)前記移動通信端末(MH)は、自身と前記第2ゲートウェイ(FNGW)の間に第1プロトコルトンネル(TUN1)を確立するトンネル確立部(TS1)を備える
ことを特徴とする移動通信端末。
【請求項25】
第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を生成する生成部(GU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24に記載の移動通信端末(MH)。
【請求項26】
少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を前記第1プロトコルトンネル(TUN1)を経由して前記ホームエージェント(HA)へ送信する送信部(TU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24または25に記載の移動通信端末(MH)。
【請求項27】
第1プロトコルアドレス送信部から第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレス(MHA‐PA‐4)を受信する受信部(RU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24乃至26のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項28】
前記生成部(GU1)において前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレス(MHA‐PA‐4)は、前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)を生成するために使用されることを特徴とする請求項24乃至27のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項29】
少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレス(MHA−6−2−ORIG)と、第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレス(HAA−6−2)と、第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)とを記憶する記憶部(SU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24乃至28のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項30】
前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレス(MHA−6−2−ORIG)と、前記第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレス(HAA−6−2)と、前記第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)は、前記記憶部(SU1)に恒久的に記憶されることを特徴とする請求項24乃至29のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項31】
少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐P4‐4)を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレス(MHA‐PA‐4)を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで、少なくとも前記第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)をカプセル化するカプセル化部(EU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24乃至30のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項32】
前記カプセル化部(EU1)は、少なくとも第2プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(T−6)を含むトランスポートタイプ識別第1ヘッダと、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク移動通信端末固有アドレス(MHA‐6‐2‐ORIG)と第2プロトコル第3ネットワーク他端末アドレス(CHA‐6‐3)を含む第2プロトコルヘッダと、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−P4−4)を含むトランスポートタイプ識別第2ヘッダと、少なくとも前記第1プロトコル第4ネットワーク移動通信端末アドレス(MHA−P4−4)と第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)を含む第1プロトコル第4ネットワークヘッダとで少なくとも通信情報(PAY)をカプセル化することを特徴とする請求項31に記載の移動通信端末(MH)。
【請求項33】
前記他の端末(CH)から受信された通信情報(PAY)のカプセルを解き、少なくとも第1プロトコル第4ネットワークヘッダを除去するカプセル解放部(DU1)をさらに備えることを特徴とする請求項24乃至32のいずれかに記載の移動通信端末(MH)。
【請求項34】
第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)と、第1プロトコル(IPv4)が実装される第4ネットワーク(PV4)と、前記第2プロトコル(IPv6)が実装される第3ネットワーク(GV6‐2)に、第1ゲートウェイ(HNGW)を構成するゲートウェイ(HNGW)、第2、第3ゲートウェイ(FNGW、CNGW)を介して接続される前記第1プロトコル(IPv4)が実装される第1ネットワーク(IN)を含む通信システム(SYS)において、前記第3ネットワーク(GV6‐2)の第2端末(CH)から前記第4ネットワーク(PV4)に移動した前記第2ネットワーク(GV6‐1)の第1端末(MH)に対して、または前記第1端末(MH)から前記第2端末(CH)に対して通信情報(PAY)を提供する前記ゲートウェイ(HNGW)あって、
前記第1、第2プロトコル(IPv4、IPv6)は互いに異なり、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2および第3ネットワーク(GV6‐1、GV6‐2)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第3、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、GV6‐2、PV4)は、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、
前記第2、第3アドレスは、それぞれ第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)と、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)の組との間で変換を行う変換部(CU2)を備える
ことを特徴とするゲートウェイ(HNGW)。
【請求項35】
自身と前記第2ゲートウェイ(FNGW)の間に第1プロトコルトンネルを確立する第1トンネル確立部(TS2−1)と、
自身と前記第3ゲートウェイ(CNGW)の間に別の第1プロトコルトンネルを確立する第2トンネル確立部(TS2−2)と
を備えることを特徴とする請求項34に記載のゲートウェイ(HNGW)。
【請求項36】
第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)と、第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)とを記憶する記憶部(SU2)をさらに備えることを特徴とする請求項34または35に記載のゲートウェイ(HNGW)。
【請求項37】
前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と、前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)は、変換テーブルに記憶されることを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載のゲートウェイ(HNGW)。
【請求項38】
前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)と、前記第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と前記第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)の組との間の変換関係が記憶されることを特徴とする請求項34乃至37のいずれかに記載のゲートウェイ(HNGW)。
【請求項39】
第2プロトコル(IPv6)が実装される第2ネットワーク(GV6‐1)と、前記第2プロトコル(IPv6)が実装される第3ネットワーク(GV6‐2)と、第1プロトコル(IPv4)が実装される第4ネットワーク(PV4)に、第1、第2、第3ゲートウェイ(HNGW、FNGW、CNGW)を介して接続される前記第1プロトコル(IPv4)が実装される第1ネットワーク(IN)を含み、前記第4ネットワーク(PV4)に移動した前記第2ネットワーク(GV6‐1)の第1端末(MH)と前記第3ネットワーク(GV6‐2)の第2端末(CH)の間の通信を可能にする通信システム(SYS)であって、
前記第1、第2プロトコル(IPv4、IPv6)は互いに異なり、
前記第1および第4ネットワーク(IN、PV4)は、アドレッシングに前記第1プロトコル(IPv4)を使用し、
前記第2および第3ネットワーク(GV6‐1、GV6‐2)はアドレッシングに第2プロトコル(IPv6)を使用し、
前記第1、第2、第3、第4ネットワーク(IN、GV6‐1、GV6‐2、PV4)は、それぞれ第1、第2、第3、第4アドレスを有し、
前記第2、第3アドレスは、それぞれ前記第2プロトコルの共通のアドレス範囲から選択された第2プロトコル第2ネットワークアドレス、第2プロトコル第3ネットワークアドレスであり、
前記第1、第4アドレスは、それぞれ前記第1プロトコルの異なるアドレス範囲から選択される第1プロトコル第1ネットワークアドレス、第1プロトコル第4ネットワークアドレスであり、
a)前記第2ネットワーク(GV6−1)は、前記第2ネットワーク(GV6−1)により生成され当該第2ネットワーク(GV6−1)上の第1端末(MH)に対して割り当てられる第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレス(MHA‐6‐2‐ORIG)と、前記第4ネットワークに移動した前記第1端末(MH)により生成される第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)とを記憶するホームエージェント(HA)を含み、
b)前記第1端末(MH)は、前記第1プロトコル(IPv4)と前記第2プロトコル(IPv6)を使用して通信を行うことが可能であり、
c)前記第1端末(MH)は、自身と前記第2ゲートウェイ(FNGW)との間に第1プロトコル第1トンネル(TUN1)を確立する第1トンネル確立部(TS3−1)を備え、
d)前記第4、第1ネットワーク(PV4、IN)間の前記第2ゲートウェイ(FNGW)は、自身と前記第1ゲートウェイ(HNGW)との間に第1プロトコル第2トンネル(TUN2)を確立する第2トンネル確立部(TS3−2)と、自身と前記第1端末(MH)との間に第1プロトコル第6トンネル(TUN6)を確立する第6トンネル確立部(TS3−6)とを備え、
e)前記第2、第1ネットワーク(GV6−1、IN)間の前記第1ゲートウェイ(HNGW)は、自身と前記第3ゲートウェイ(CNGW)との間に第1プロトコル第3トンネル(TUN3)を確立する第3トンネル確立部(TS3−3)と、自身と前記第2ゲートウェイ(FNGW)との間に第1プロトコル第5トンネル(TUN5)を確立する第5トンネル確立部(TS3−5)とを備え、
f)前記第3、第1ネットワーク(GV6−2、IN)間の前記第3ゲートウェイ(CNGW)は、自身と前記第1ゲートウェイ(HNGW)との間に第1プロトコル第4トンネル(TUN4)を確立する第4トンネル確立部(TS3−4)を備える
ことを特徴とする通信システム(SYS)。
【請求項40】
前記第1端末(MH)は、少なくとも第2プロトコル第2ネットワーク第1端末固有アドレス(MHA−6−2−ORIG)と、前記ホームエージェント(HA)の第2プロトコル第2ネットワークホームエージェントアドレス(HAA−6−2)と、前記第1ゲートウェイ(HNGW)の第1プロトコル第1ネットワーク第1ゲートウェイアドレス(HNGWA−G4−1)とを記憶する記憶部(SU1)をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の通信システム(SYS)。
【請求項41】
前記第1ゲートウェイ(HNGW)は、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)と、前記第2プロトコル第2ネットワーク第1端末外部アドレス(MHA‐6‐2‐CoA)とを記憶する記憶部(SU2)をさらに備えることを特徴とする請求項39または40に記載の通信システム(SYS)。
【請求項42】
前記第2ゲートウェイ(FNGW)は、第1プロトコル第4ネットワーク第1端末アドレス(MHA−P4−4)と、第1プロトコル第4ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT−P4−4)と、第1プロトコル第1ネットワーク第2ゲートウェイアドレス(FNGWA‐G4‐1)と、第1プロトコル第1ネットワークトランスポートタイプ特定情報(MHT‐G4‐1)とを記憶する記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項39乃至41のいずれかに記載の通信システム(SYS)。
【請求項43】
方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現する指示を含むプログラム。
【請求項44】
方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現するコード手段を含み、コンピュータが読み取り可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項45】
方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴を実現する手段を含む、コンピュータが読み取り可能なコードが含まれるデータ記憶媒体。
【請求項46】
方法の請求項1乃至23のうち1以上の請求項に記載の1以上の方法ステップ、または装置の請求項24乃至38若しくはシステムの請求項39乃至42のうち1以上の請求項に記載の構成要素の機能的特徴をデータ処理手段により実現させるプログラムを含むコンピュータが読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−515822(P2007−515822A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508679(P2005−508679)
【出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009873
【国際公開番号】WO2005/025169
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】