説明

プラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法

【課題】清涼飲料用などのいわゆるPETボトル(ペットボトル)その他の任意の形状のプラスチック空容器Pを高速度かつ連続して電子線殺菌を行い、かつ殺菌処理の速度を適正に制御して、清潔なプラスチック空容器Pを供給可能なプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供すること。
【解決手段】それぞれのプラスチック空容器Pを相対的に固定した状態で移動させ、移動の途中で電子線を照射することに着目したもので、プラスチック空容器Pを真空吸引しプラスチック空容器Pを周回させる移動機構6と、移動機構6の途中でプラスチック空容器Pに電子線を照射する電子線照射機構7と、移動機構6を冷却する冷却機構8と、電子線照射済みのプラスチック空容器Pを排出する排出機構9と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法にかかるもので、とくに清涼飲料水用などのいわゆるPETボトル(ペットボトル)その他のプラスチック空容器に電子線を照射してこれを殺菌するプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラスチック空容器の洗浄殺菌には、薬品洗浄工程および水洗浄工程を用いることもあったが、排水処理施設が大型化することから環境汚染への配慮が求められている。
こうした配慮による電子線による殺菌処理は、排水処理施設が不要であり、連続的なシート状の被殺菌物について多く行われている。
一方、プラスチック空容器のような小さなサイズの被殺菌物については、その単独あるいは複数を梱包および包装した状態で、電子線の照射を行って殺菌することが一般的であるが、照射量管理を高速度で行うことが困難である。ただし単なる材料改質など、清潔環境を要求しない被照射物についてはこれを梱包あるいは包装せずに照射する場合がある。
【0003】
細菌および塵埃の混入を防止した雰囲気で、かつ梱包および包装をしない状態で、プラスチック空容器を電子線照射して殺菌する例として、たとえば特許文献1(特開昭60−58666号公報)においては、重力を利用して円筒状容器をらせん軌道上に転がすか、あるいはすべらせて電子線照射部分に供給している。
しかしながら、この装置においては、容器が照射部分を通過する姿勢や時間などの諸条件を管理することが困難で、照射不足あるいは過多により容器の殺菌不十分あるいは容器材料の損傷を生じるおそれがあるという問題がある。
【0004】
他の例として、特許文献2(特開平8−169422号公報)においては、円筒状容器を回転させながら電子線照射部分を通過させ、容器の断面形状に沿って至近距離から低エネルギーの電子線を照射することにより殺菌している。
しかしながら、この装置においては、電子線線量の過不足からおこる容器の殺菌不十分あるいは容器材料の損傷のおそれはないと思われるが、容器の形状が円筒状に制限されることにより汎用性に欠けるという問題がある。さらに、照射部分において容器を転倒および回転させながら通過させる必要があるため、構造が複雑になり、殺菌処理速度の向上には限界がある。
【0005】
また、近年の清涼飲料水の製造工程においては、その生産速度として300〜600ボトル/分程度が標準となってきている。搬送手段としてたとえば、テーブルトップチェーンコンベアによる搬送では、プラスチック空容器の転倒防止のために各プラスチック空容器を密接させて搬送する。この搬送の際に、プラスチック空容器とテーブルトップチェーンコンベアとの間の摩擦を極力小さくなるようにして搬送している。通常の搬送状況では、後工程の運転状況によりテーブルトップチェーンコンベアは動いているがプラスチック空容器が静止する場合や、静止しないまでも互いに相対速度を持つ場合がある。こうした場合においてテーブルトップチェーンコンベアとプラスチック空容器との間の摩擦を低減するため、潤滑剤(たとえば石鹸水、その他の液体)を散布することがよく行われている。潤滑剤を使わない場合には、テーブルトップチェーンコンベアの材質を自己潤滑性のあるプラスチック製としている例もある。したがって、プラスチック空容器の搬送速度を確実に管理することが困難である。
【0006】
そのほか、プラスチック空容器の高速度の搬送例としては、プラスチック空容器の上部を空気流で押すニューマティックネックハンギングコンベアがある。このニューマティックネックハンギングコンベアは、容器搬送の駆動源が空気流となっているため、基本的に搬送速度の制御を行うことができないという問題がある。
【0007】
したがって、従来のテーブルトップチェーンコンベアあるいはニューマティックネックハンギングコンベアなどを用いる搬送手段では、被搬送物の速度を厳密には制御することができず、前述した特許文献1(特開昭60−58666号公報)と同じ理由から精密な照射線量の管理を行うことができないため、電子線照射下のプラスチック空容器の搬送手段としては適当ではない。
【0008】
また、容器が互いに密接している部分や容器と転倒防止ガイドとが密接している部分は電子線の影になりやすく、照射線量の分布が不均一になるおそれがある。照射線量の分布を適正とするためには、より高いエネルギーの電子線を必要とし、電子線発生装置および放射線遮蔽構造体のための費用が増大するという問題がある。
さらに、潤滑剤や自己潤滑性のプラスチック部品などを電子線照射下で常時使用すると、放射線によるそれら材料の劣化や分解生成物の発生などが起こるため、清潔かつ清浄であることが求められる用途では採用することができない。
【0009】
なお、プラスチック空容器を1本づつ単独で搬送することは、容器の転倒の問題があることから採用が困難で、ほとんど行われていない。通常、制御可能なプラスチック空容器単独の搬送速度(15メートル/分)では、200〜300ボトル/分の高速充填を行うためには複数の電子線照射ラインが必要となる。この場合には、後工程で複数ラインのプラスチック空容器の合流部が生じ、搬送トラブルの多い不安定な製造ラインとなってしまう。
【0010】
さらに、従来の電子線照射殺菌装置においては、何らかの理由で電子線照射殺菌処理に異常が発生した場合に、照射部近傍の被照射物を不合格品とすることにより対応している。しかしながら、未殺菌のプラスチック空容器が後工程に流れていくことを確実に防止することが困難で、製品に付着している細菌類の流出および後工程設備の汚染については何の考慮もなされていない。清潔度の要求が高度である場合には、後工程の排出装置、搬出装置、後工程装置その他各種の装置の殺菌処理がその都度必要となり工程稼働率の低下を招くという問題がある。
【0011】
【特許文献1】特開昭60−58666号公報
【特許文献2】特開平8−169422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、清涼飲料用などのいわゆるPETボトル(ペットボトル)その他のプラスチック空容器を高速度かつ連続して電子線殺菌を行い、次工程に供給することができるプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0013】
また本発明は、電子線照射によるプラスチック空容器の殺菌処理の速度を適正に制御可能なプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、電子線に関する精密な照射線量の管理を行うことが可能で、適正な線量の照射を行うとともに、容器が互いに密接している部分や容器と転倒防止ガイドなどとが密接している部分における電子線の影になりやすい部位にも適切な照射を可能としたプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0015】
また本発明は、電子線照射線量を均一に制御することが可能なプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0016】
また本発明は、任意の形状のプラスチック空容器に電子線を照射してこれを殺菌することができるプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0017】
また本発明は、後工程の製造ラインを複雑化することなく、清潔なプラスチック空容器を供給可能なプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【0018】
また本発明は、殺菌処理中に万が一異常が発生しても、その対応処理が容易なプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
すなわち本発明は、ターンテーブルやベルトコンベアなどにそれぞれのプラスチック空容器を相対的に固定すること、このターンテーブルやベルトコンベアによるプラスチック空容器の移動の途中で電子線を照射するようにすることに着目したもので、第一の発明は、プラスチック空容器に電子線を照射して殺菌を行うプラスチック空容器の電子線殺菌装置であって、上記プラスチック空容器を供給する供給機構と、供給されたこのプラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させる移動機構と、この移動機構の途中において上記プラスチック空容器に上記電子線を照射する電子線照射機構と、上記移動機構を冷却する冷却機構と、電子線照射済みの上記プラスチック空容器を排出する排出機構と、を有することを特徴とするプラスチック空容器の電子線殺菌装置である。
【0020】
上記移動機構は、上記プラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させるベルトコンベア機構であることができる。
【0021】
上記移動機構は、その途中に、電子線の照射不良の上記プラスチック空容器を除去可能な除去部を設けることができる。
【0022】
上記プラスチック空容器を所定の間隔をあけて上記移動機構に供給することができる。
【0023】
第二の発明は、プラスチック空容器に電子線を照射して殺菌を行うプラスチック空容器の電子線殺菌方法であって、上記プラスチック空容器を供給する供給工程と、供給されたこのプラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させる移動工程と、この移動の途中において上記プラスチック空容器に上記電子線を照射する電子線照射工程と、上記移動工程を行う移動機構を冷却する冷却工程と、電子線照射済みの上記プラスチック空容器を排出する排出工程と、を有することを特徴とするプラスチック空容器の電子線殺菌方法である。
【0024】
上記移動工程は、上記プラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させるコンベア工程であることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法においては、たとえばターンテーブルやベルトコンベアなどの移動機構にそれぞれのプラスチック空容器を互いの相対間隔を維持するように固定するとともに、このターンテーブルの回転あるいはベルトコンベアによる移動の途中でプラスチック空容器に電子線を照射するようにしたので、複数本のプラスチック空容器を連続的に、かつ一列に供給することが可能であるとともに、それぞれのプラスチック空容器が移動機構により互いの相対間隔を維持するように相対的に固定されているので、移動機構による移動にともなうプラスチック空容器の供給量を確実に把握してその搬送量ないし搬送速度を管理することが容易であり、単位時間あたりの電子線照射量を確実に制御し、電子線照射によるプラスチック空容器の殺菌処理を所定の効率で実行することができる。
【0026】
したがって、従来のような速度管理ないし照射線量の管理が不安定かつ不確実ということを回避し、安定して次の工程に連続して清潔なプラスチック空容器を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、プラスチック空容器をたとえばターンテーブルやベルトコンベアなどの移動機構に相対的に固定した状態で移動させるとともに単一のプラスチック空容器ごとに電子線を照射することとしたので、プラスチック空容器の形状にかかわらず、照射領域、照射線量および照射速度を確実に管理した上でプラスチック空容器を移送することができ、高速度で照射線量の管理が可能で、後工程機構への細菌類の持ち込みを防止することができるプラスチック空容器の電子線殺菌装置および殺菌方法を実現した。
【実施例】
【0028】
つぎに本発明の第1の実施例によるプラスチック空容器の電子線殺菌装置1をその殺菌方法とともに図1ないし図4にもとづき説明する。
図1は、プラスチック空容器の電子線照射装置1の概略垂直断面図、図2は、同、概略水平断面図であって、プラスチック空容器の電子線照射装置1は、プラスチック空容器Pの解梱機構2と、搬入機構3と、遮蔽構造体4と、供給機構5と、ターンテーブル機構6(移動機構)と、電子線照射機構7と、冷却機構8と(図4)、排出機構9と、搬出機構10と、を有し、搬出機構10から後工程機構11に至る。
【0029】
プラスチック空容器Pは、清涼飲料水用などのいわゆるPETボトル(ペットボトル)その他、電子線が透過可能な任意の形状のプラスチック空容器である。
【0030】
解梱機構2は、放射線管理区域外にこれを設け、パレット積みのプラスチック空容器Pを解梱し、搬入機構3にプラスチック空容器Pを一列に並べて供給する。
【0031】
搬入機構3は、プラスチック空容器Pをエアーリンスして内部の比較的大きなゴミを除去するとともに、解梱機構2から遮蔽構造体4内の供給機構5まで供給する。この搬入機構3は、強い放射線環境下にはないので、従来使用されているテーブルトップチェーンコンベアやニューマティックネックハンギングコンベアなどをそのままもしくは若干の改造を行った上で使用することができる。
【0032】
遮蔽構造体4は、鉄筋コンクリートなどからこれを構成し、電子線照射機構7からの電子線および制動X線を放射線管理区域外で許容線量以下とする。
【0033】
図3は、ターンテーブル機構6および電子線照射機構7さらにその周辺の各機構の平面図、図4は、同、側面図である。
供給機構5は、ターンテーブル機構6にプラスチック空容器Pを供給および停止するもので、供給用コンベア12と、スクリューフィーダー13と、供給側スターホィール14と、を有する。なお、この供給機構5は電子線照射の近傍部分にあって強い放射線雰囲気にあるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮する必要がある。
【0034】
供給用コンベア12は、搬入機構3からのプラスチック空容器Pを受けてターンテーブル機構6に供給するとともに、供給停止時にプラスチック空容器Pをこの上で滞留させるアキュームコンベアの機能も有する。
【0035】
スクリューフィーダー13は、供給用コンベア12により供給されてきたプラスチック空容器Pを互いの間に所定間隔(一定ピッチ)をあけた状態で供給側スターホィール14に供給し、供給側スターホィール14はこの間隔を詰まらせないように、つまり互いに接触させないようにしてひとつづつ一列かつ均一にターンテーブル機構6に供給する。
スクリューフィーダー13の表面材質は、潤滑性および耐放射線性を考慮し、PEEK樹脂などの耐放射線性プラスチックあるいは研磨ステンレススチールなどを採用する。
スクリューフィーダー13と供給側スターホィール14とは、互いに同期して動作し、プラスチック空容器Pのかみ込みがないようにこれを調整する。
【0036】
ターンテーブル機構6は、ターンテーブル駆動部15と、ターンテーブル駆動軸16と、円環状のターンテーブル17と、ターンテーブル17に設けたプラスチック空容器固定部18と、除去部19と、を有する。
ターンテーブル機構6と供給機構5とは、同期して動作するようにこれを運転し、ターンテーブル17の適切な位置(後述する真空吸引口22)にプラスチック空容器Pが載せられるようにする。なお、このターンテーブル機構6は電子線が直接照射される部分であるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮し、主構造材は、ステンレススチールからこれを構成する必要がある。
【0037】
ターンテーブル駆動部15は、ターンテーブル駆動軸16のまわりにターンテーブル17を、一定照射条件のもとで所定周速度(たとえば30メートル/分)で回転させる。この周速度は、電子線照射機構7の電流値と同期させて電子線の照射量を常時一定とするようにしている。
【0038】
プラスチック空容器固定部18は、真空排気ユニット20と、真空配管21(図4)と、ターンテーブル17の円周部に所定均一間隔で開口形成した真空吸引口22と、を有する。
供給側スターホィール14によってターンテーブル17に至ったプラスチック空容器Pは、その底部を真空吸引口22の部分で真空吸引されて固定され、互いの相対間隔を一定に維持した状態でターンテーブル17の回転にともなって円周上を所定周速度で周回可能となる。この相対間隔は、各プラスチック空容器Pを均一な間隔で周回させるためのもので、各プラスチック空容器Pが互いに接触している場合(つまり相対間隔がゼロの場合)も含むものとする。
なお、プラスチック空容器Pの形状に応じてその正立状態でその側面部分を真空吸引する構成としてもよい。さらに、プラスチック空容器Pを横倒し状態でその底部を真空吸引する構成とすることもできる。いずれの構成の場合にも、プラスチック空容器Pの姿勢に応じて電子線照射機構7を適宜配置することにより所定の方向から電子線を照射可能とすればよい。
【0039】
また、ターンテーブル機構6によるプラスチック空容器Pの周回とともに、各プラスチック空容器Pを自転させながら電子線照射を行って、より均一な電子線照射を実現することもできる。たとえば、図示は省略するが、回転可能な台状部材に真空吸引口22を形成して、この台状部材にプラスチック空容器Pを固定し、ターンテーブル17の所定の部位に台状部材が至ったときにこの台状部材を回転可能とする機構を採用することができる。
【0040】
除去部19は、ターンテーブル機構6から排出機構9への接続部分のわずかに上流側にこれを配置し、回動軸23と、回動アーム24と、を有し、回動アーム24が外方(図中反時計方向)に回動することにより、電子線が照射不良であるプラスチック空容器Pをプラスチック空容器の電子線照射装置1における流れの外部に除去可能としてある。
【0041】
電子線照射機構7は、電子線発生部25と、電子線照射エリア26と、クリーンブース27(図4)と、このクリーンブース27の天井部分に張ったチタン箔28と、を有し、正立した状態のプラスチック空容器Pを上部から0.5〜5MeVのエネルギーの電子線を照射し、その裏側まで十分に透過、照射することにより殺菌する。
なおクリーンブース27は、ターンテーブル17の外周に沿ってあるいは全体を覆うようにこれを設置するとともに、このクリーンブース27に外部からクリーンエアを供給することにより、ターンテーブル17上を清潔な環境に保持して、プラスチック空容器Pへの塵埃などの異物の付着を防止する。
【0042】
冷却機構8は、とくに図4に示すように、とくに電子線照射エリア26におけるターンテーブル17の底部に設けた水冷ジャケット29と、供給側配管30と、戻り側配管31と、を有し、電子線照射にともなうターンテーブル機構6(とくにターンテーブル17)の温度上昇を防止する。
【0043】
なお、前記プラスチック空容器固定部18の真空配管21、ならびに冷却機構8の供給側配管30および戻り側配管31は、ターンテーブル駆動軸16のロータリージョイント32にこれを接続し、このロータリージョイント32によりターンテーブル機構6内外の流体の取り合いを行っている。
【0044】
排出機構9は、ターンテーブル機構6から搬出機構10側にプラスチック空容器Pを排出するもので、排出側スターホィール33と、排出側コンベア34と、を有する。なお、この排出機構9も電子線照射の近傍部分にあって、強い放射線雰囲気にあるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮する必要がある。
【0045】
搬出機構10は、プラスチック空容器Pを排出機構9から後工程機構11に搬送する。この搬出機構10も搬入機構3と同様に、強い放射線環境下にはないので、従来使用されているテーブルトップチェーンコンベアやニューマティックネックハンギングコンベアなどをそのままもしくは若干の改造を行った上で使用することができる。
なお、排出機構9および搬出機構10には、ターンテーブル機構6のクリーンブース27と同様のクリーンブース(図示せず)を設置してプラスチック空容器Pへの塵埃などの異物の付着を防止する。
【0046】
後工程機構11は、殺菌済みのプラスチック空容器Pを無菌的に搬送し、充填装置などにより内容物の充填などを行う。
【0047】
こうした構成のプラスチック空容器の電子線照射装置1において、プラスチック空容器Pを解梱機構2において解梱などを行い、一列として搬入機構3に搬送する。
プラスチック空容器Pは、さらに供給機構5によってターンテーブル機構6に供給される(供給工程)。
【0048】
ターンテーブル機構6においては、電子線照射機構7および後工程機構11の稼働状況に応じてプラスチック空容器Pの供給あるいは停止を行う。
すなわち供給時には、各プラスチック空容器Pはスクリューフィーダー13により一定ピッチに整えられて供給側スターホィール14を経由して1本づつ独立にターンテーブル機構6のターンテーブル17に供給される。
【0049】
供給側スターホィール14からターンテーブル機構6のターンテーブル17に載り渡ったプラスチック空容器Pは、ターンテーブル17の上面の真空吸引口22の位置に一定間隔で相対的に固定された状態で、周回するように搬送され(周回工程すなわち移動工程)、電子線照射エリア26を通過するときに電子線を照射される(電子線照射工程)。
【0050】
電子線の照射を完了したプラスチック空容器Pは、排出機構9の排出側スターホィール33により排出側コンベア34に乗り移り(排出工程)、さらに搬出機構10を介して、放射線管理区域外の後工程機構11に輸送される。
【0051】
後工程機構11が停止した場合には、搬入機構3および供給機構5を停止してプラスチック空容器Pの供給を停止するとともに、ターンテーブル機構6、電子線照射機構7および排出機構9の運転を継続し、電子線照射済みのプラスチック空容器Pを速やかに電子線照射エリア26から排出されるようにする。
【0052】
電子線照射そのものの異常が発生した場合には、ターンテーブル機構6へのプラスチック空容器Pの供給を停止し、さらに真空吸引口22のバルブ(図示せず)を操作して照射不良のプラスチック空容器Pの固定状態を解除するとともに除去部19を作動させ、ターンテーブル17上のプラスチック空容器Pが後工程機構11に流出して照射不良品が混入することを防止する。
【0053】
何らかの理由で電子線照射工程に異常が発生した場合には、ターンテーブル機構6へのプラスチック空容器Pの供給を停止し、ターンテーブル17上にあるプラスチック空容器Pを上述と同様にして除去部19により除去し、後工程機構11への照射不良品の混入を防止する。
【0054】
プラスチック空容器の電子線照射装置1の再立ち上げ時には、ターンテーブル機構6だけを運転した状態で電子線照射機構7により電子線を照射してターンテーブル17を殺菌し、そののちプラスチック空容器Pの供給を開始することにより、照射部(電子線照射エリア26)以降への細菌類の持ち込みがなくなり、後工程機構11の清潔度管理を容易にすることができる。
【0055】
具体的な実施例として、エネルギー2MeVの電子線加速器(電子線発生部25)を用い、電流値60mAの条件において予定線量25kGyでPETボトル(プラスチック空容器P)の上部から電子線を照射した場合、プラスチック空容器Pの内外面に塗布した指標菌を十分に殺菌することができる。
なお、線量25kGy程度であれば樹脂様臭などの品質低下は認められないが、より高線量を照射する場合にも、電子線照射前にプラスチック空容器P内に窒素ガスを充填することにより、樹脂様臭などの発生を抑えることができる。プラスチック空容器Pについて物理的強度の低下や、キャップ適合性の変化も見られないことを実験的に確認した。
【0056】
エネルギー0.5〜5MeVの電子線をPETボトルに照射した場合、60kGyまでの照射量であれば、強度などの材質的ダメージは抑制することが可能であることを実験的に確認した。
なお、図示の形状のPETボトルの上部から電子線を照射した場合には、均一な照射線量分布を得るために、電子線のエネルギーは1.0MeV以上は必要であることを実験的に確認した。
さらに、より高線量を照射する場合に、照射前にPETボトルに窒素ガスを充填することにより、照射による樹脂様臭の発生を抑制することができ、PETボトルの品質的ダメージも抑制することが可能であることを実験的に確認した。
【0057】
上述の実施例においては断面矩形状のPETボトルを用いたが、断面円形状のプラスチック空容器Pなどの場合には、スクリューフィーダー13、供給側スターホィール14および排出側スターホィール33の部品を交換するだけで対応可能である。
【0058】
つぎに本発明の第2の実施例によるプラスチック空容器の電子線殺菌装置40を図5ないし図8にもとづき説明する。ただし、図1ないし図4と同様の部分には同一の符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図5は、プラスチック空容器の電子線照射装置40の概略垂直断面図、図6は、同、概略水平断面図であり、プラスチック空容器の電子線照射装置40は、プラスチック空容器Pの前記解梱機構2(図1、図2)と、前記搬入機構3(図1、図2)と、前記遮蔽構造体4(図1、図2)と、前記供給機構5(図3、図4)に相当する供給機構41と、ベルトコンベア機構42(移動機構)と、前記電子線照射機構7(図1、図4)に相当する電子線照射機構43と、前記冷却機構8(図4)に相当する冷却機構44と(図7、図8)、前記排出機構9(図3)に相当する排出機構45と、前記搬出機構10(図1、図2)と、を有し、搬出機構10から前記後工程機構11(図1、図2)に至る。
【0059】
図7は、ベルトコンベア機構42および電子線照射機構43さらにその周辺の各機構の平面図、図8は、同、側面図である。
供給機構41は、ベルトコンベア機構42にプラスチック空容器Pを供給および停止するもので、前記供給用コンベア12(図3、図4)と、左右一対の前記スクリューフィーダー13(図3、図4)と、を有する。なお、この供給機構41は電子線照射の近傍部分にあって強い放射線雰囲気にあるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮する必要がある。
【0060】
ベルトコンベア機構42は図7に示すように、供給機構41から直線上に延びており、コンベア駆動部46と、ベルトコンベア47と、ベルトコンベア47に設けたプラスチック空容器固定部48と、除去部49と、を有する。
ベルトコンベア機構42と供給機構41とは、同期して動作するようにこれを運転し、ベルトコンベア47に連続してプラスチック空容器Pが載せられるようにする。なお、このベルトコンベア機構42は電子線が直接照射される部分であるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮し、ベルトコンベア47およびサポートコンベア50(後述)などは、ステンレススチールからこれを構成する必要がある。
【0061】
コンベア駆動部46は、一定照射条件のもとで所定移動速度(たとえば30メートル/分)でベルトコンベア47を駆動する。この移動速度は、電子線照射機構43の電流値と同期させて電子線の照射量を常時一定とするようにしている。
【0062】
プラスチック空容器固定部48は、プラスチック空容器Pの移送方向左右一対のサポートコンベア50を有する。このサポートコンベア50は、ベルトコンベア47の速度に連動させ、プラスチック空容器Pの転倒を防止する。
スクリューフィーダー13によってベルトコンベア47に至ったプラスチック空容器Pは、その両側面部をサポートコンベア50の部分で押圧されて転倒を防止した正立状態に固定され、ベルトコンベア47の回転にともなってベルトコンベア47上を所定移動速度で移送可能となる。
【0063】
除去部49は、ベルトコンベア機構42から排出機構45への接続部分のわずかに上流側にこれを配置し、回動軸51と、回動アーム52と、を有し、回動アーム52が外方(図中反時計方向)に回動することにより、電子線が照射不良であるプラスチック空容器Pをプラスチック空容器の電子線照射装置40における流れの外部に除去可能としてある。
なお、一対のサポートコンベア50の一方(図7中下側)は、他方(図7中上側)よりわずかに短くこれを構成して、除去部49における回動アーム52の部分でプラスチック空容器Pをこの一方のサポートコンベア50側に除去しやすいようにしている。
【0064】
電子線照射機構43は、電子線発生部53と、電子線照射エリア54と、クリーンブース55(図8)と、このクリーンブース55に張ったチタン箔56と、を有し、正立した状態のプラスチック空容器Pを上部から0.5〜5MeVのエネルギーの電子線を照射し、その裏側まで十分に透過、照射することにより殺菌する。
なおクリーンブース55は、ベルトコンベア47に沿ってあるいは全体を覆うようにこれを設置するとともに、このクリーンブース55に外部からクリーンエアを供給することにより、ベルトコンベア47上を清潔な環境に保持して、プラスチック空容器Pへの塵埃などの異物の付着を防止する。
【0065】
冷却機構44は、とくに電子線照射エリア54におけるベルトコンベア47およびサポートコンベア50の側面部にそれぞれ設けた第1の空気吹出し部57と、第2の空気吹出し部58と、送風機59と、を有しており、電子線照射にともなうベルトコンベア機構42(とくにベルトコンベア47およびサポートコンベア50)の温度上昇を防止する。
なお、これらベルトコンベア47およびサポートコンベア50を固定駆動するプーリーを水冷することにより、間接的に冷却する構成としても十分な冷却作用は可能である。
【0066】
排出機構45は、図7に示すように、ベルトコンベア機構42の除去部49からわずかに折れ曲がって直線的に延びており、搬出機構10側にプラスチック空容器Pを排出するもので、排出側コンベア60を有する。なお、この排出機構45も電子線照射の近傍部分にあって、強い放射線雰囲気にあるため、耐放射線性および耐オゾン性を考慮する必要がある。
【0067】
搬出機構10は、プラスチック空容器Pを排出機構45から後工程機構11に搬送する。この搬出機構10も搬入機構3と同様に、強い放射線環境下にはないので、従来使用されているテーブルトップチェーンコンベアやニューマティックネックハンギングコンベアなどをそのままもしくは若干の改造を行った上で使用することができる。
なお、排出機構45および搬出機構10には、ベルトコンベア機構42のクリーンブース55と同様のクリーンブース(図示せず)を設置してプラスチック空容器Pへの塵埃などの異物の付着を防止する。
【0068】
こうした構成のプラスチック空容器の電子線照射装置40において、プラスチック空容器Pを解梱機構2において解梱などを行い、一列として搬入機構3に搬送する。
プラスチック空容器Pは、さらに供給機構41によってベルトコンベア機構42に供給される。
【0069】
ベルトコンベア機構42においては、電子線照射機構43および後工程機構11の稼働状況に応じてプラスチック空容器Pの供給あるいは停止を行う。
すなわち供給時には、各プラスチック空容器Pはスクリューフィーダー13により一定ピッチに整えられて1本づつ独立に、すなわち、互いの相対間隔を一定に維持した状態で、かつ正立状態でベルトコンベア機構42のベルトコンベア47に供給される(供給工程)。
【0070】
ベルトコンベア機構42のベルトコンベア47に載り渡ったプラスチック空容器Pは、ベルトコンベア47の両側面のサポートコンベア50により一定間隔に相対的に固定された状態でガイドかつ搬送され(移動工程)、電子線照射エリア54を通過するときに電子線を照射される(電子線照射工程)。
なお、プラスチック空容器Pへの電子線照射に対し、サポートコンベア50により影ができる可能性も十分考えられるが、このサポートコンベア50の厚さが0.2mm以下の場合にはその影響を考慮する必要がないことを試験的に確認している。
【0071】
電子線の照射を完了したプラスチック空容器Pは、排出機構45における排出側コンベア60に乗り移り(排出工程)、搬出機構10を介して、放射線管理区域外の後工程機構11に輸送される。
【0072】
後工程機構11が停止した場合には、搬入機構3および供給機構41を停止してプラスチック空容器Pの供給を停止するとともに、ベルトコンベア機構42、電子線照射機構43および排出機構45の運転を継続し、電子線照射済みのプラスチック空容器Pを速やかに電子線照射エリア54から排出されるようにする。
【0073】
電子線照射そのものの異常が発生した場合には、ベルトコンベア機構42へのプラスチック空容器Pの供給を停止し、さらに除去部49を作動させ、ベルトコンベア47上のプラスチック空容器Pが後工程機構11に流出して照射不良品が混入することを防止する。
【0074】
何らかの理由で電子線照射工程に異常が発生した場合には、ベルトコンベア機構42へのプラスチック空容器Pの供給を停止し、ベルトコンベア47上にあるプラスチック空容器Pを上述と同様にして除去部49により除去し、後工程機構11への照射不良品の混入を防止する。
【0075】
プラスチック空容器の電子線照射装置40の再立ち上げ時には、ベルトコンベア機構42だけを運転した状態で電子線照射機構43により電子線を照射してベルトコンベア47を殺菌し、そののちプラスチック空容器Pの供給を開始することにより、照射部(電子線照射エリア54)以降への細菌類の持ち込みがなくなり、後工程機構11の清潔度管理を容易にすることができる。
【0076】
具体的な実施例として、エネルギー2MeVの電子線加速器(電子線発生部53)を用い、電流値60mAの条件において予定線量25kGyでPETボトル(プラスチック空容器P)の上部から電子線を照射した場合、プラスチック空容器Pの内外面に塗布した指標菌を十分に殺菌することができる。
なお、より高線量を照射する場合に、電子線照射前にプラスチック空容器P内に窒素ガスを充填することにより、樹脂様臭などの発生を抑えることができる。プラスチック空容器Pについて物理的強度の低下や、キャップ適合性の変化も見られないことを実験的に確認した。
【0077】
エネルギー0.5〜5MeVの電子線をPETボトルに照射した場合、60kGyまでの照射量であれば、強度などの材質的ダメージは抑制することが可能であることを実験的に確認した。
なお、図示の形状のPETボトルの上部から電子線を照射した場合には、均一な照射線量分布を得るために、電子線のエネルギーは1.0MeV以上は必要であることを実験的に確認した。
さらに、より高線量を照射する場合に、照射前にPETボトルに窒素ガスを充填することにより、照射による樹脂様臭の発生を抑制することができ、PETボトルの品質的ダメージも抑制することが可能であることを実験的に確認した。
【0078】
上述の実施例においては断面矩形状のPETボトルを用いたが、断面円形状のプラスチック空容器Pなどの場合には、スクリューフィーダー13の部品を交換するだけで対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施例によるプラスチック空容器の電子線殺菌装置1の概略垂直断面図である。
【図2】同、概略水平断面図である。
【図3】同、ターンテーブル機構6および電子線照射機構7さらにその周辺の各機構の平面図である。
【図4】同、側面図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるプラスチック空容器の電子線殺菌装置40の概略垂直断面図である。
【図6】同、概略水平断面図である。
【図7】同、ベルトコンベア機構42および電子線照射機構43さらにその周辺の各機構の平面図である。
【図8】同、側面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 プラスチック空容器の電子線照射装置(第1の実施例、図1、図2)
2 解梱機構
3 搬入機構
4 遮蔽構造体
5 供給機構
6 ターンテーブル機構(移動機構、図3)
7 電子線照射機構
8 冷却機構(図4)
9 排出機構
10 搬出機構
11 後工程機構
12 供給用コンベア
13 スクリューフィーダー
14 供給側スターホィール
15 ターンテーブル駆動部
16 ターンテーブル駆動軸
17 ターンテーブル
18 プラスチック空容器固定部
19 除去部
20 真空排気ユニット
21 真空配管
22 真空吸引口
23 回動軸
24 回動アーム
25 電子線発生部
26 電子線照射エリア
27 クリーンブース
28 チタン箔
29 水冷ジャケット
30 供給側配管
31 戻り側配管
32 ロータリージョイント
33 排出側スターホィール
34 排出側コンベア
40 プラスチック空容器の電子線殺菌装置(第2の実施例、図5、図6)
41 供給機構
42 ベルトコンベア機構(移動機構、図7)
43 電子線照射機構
44 冷却機構
45 排出機構
46 コンベア駆動部
47 ベルトコンベア
48 プラスチック空容器固定部
49 除去部
50 左右一対のサポートコンベア
51 回動軸
52 回動アーム
53 電子線発生部
54 電子線照射エリア
55 クリーンブース
56 チタン箔
57 第1の空気吹出し部
58 第2の空気吹出し部
59 送風機
60 排出側コンベア
P プラスチック空容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック空容器に電子線を照射して殺菌を行うプラスチック空容器の電子線殺菌装置であって、
前記プラスチック空容器を供給する供給機構と、
供給されたこのプラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させる移動機構と、
この移動機構の途中において前記プラスチック空容器に前記電子線を照射する電子線照射機構と、
前記移動機構を冷却する冷却機構と、
電子線照射済みの前記プラスチック空容器を排出する排出機構と、
を有することを特徴とするプラスチック空容器の電子線殺菌装置。
【請求項2】
前記移動機構は、前記プラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させるベルトコンベア機構であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック空容器の電子線殺菌装置。
【請求項3】
前記移動機構は、
その途中に、電子線の照射不良の前記プラスチック空容器を除去可能な除去部を設けたことを特徴とする請求項1記載のプラスチック空容器の電子線殺菌装置。
【請求項4】
前記プラスチック空容器を所定の間隔をあけて前記移動機構に供給することを特徴とする請求項1記載のプラスチック空容器の電子線殺菌装置。
【請求項5】
プラスチック空容器に電子線を照射して殺菌を行うプラスチック空容器の電子線殺菌方法であって、
前記プラスチック空容器を供給する供給工程と、
供給されたこのプラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させる移動工程と、
この移動の途中において前記プラスチック空容器に前記電子線を照射する電子線照射工程と、
前記移動工程を行う移動機構を冷却する冷却工程と、
電子線照射済みの前記プラスチック空容器を排出する排出工程と、
を有することを特徴とするプラスチック空容器の電子線殺菌方法。
【請求項6】
前記移動工程は、前記プラスチック空容器の互いの相対間隔を維持するとともに、この相対間隔を維持した状態の当該プラスチック空容器を移動させるコンベア工程であることを特徴とする請求項5記載のプラスチック空容器の電子線殺菌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−199377(P2006−199377A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104440(P2006−104440)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【分割の表示】特願平9−290517の分割
【原出願日】平成9年10月8日(1997.10.8)
【出願人】(596126465)アサヒ飲料株式会社 (84)
【Fターム(参考)】