説明

プラスティックフィルム内にドライアイスを包装するための装置および方法

本発明は、プラスティックフィルムでドライアイスを包装するための方法および装置に関する。この装置は、その外壁に沿ってプラスティックフィルム22を繰り出す形成スリーブ20を有するプラスティックフィルムの分配および形成手段と、液体二酸化炭素の供給源3に接続され、上記形成スリーブ20との間にギャップを残すよう形成スリーブ20の内側に配置され、形成されたプラスティックフィルム22をドライアイスで満たすドライアイス発生装置16と、形作られたプラスティックフィルムを密封するための手段23、28と、を有する。特に、上記形成スリーブは、断熱手段および/或いは加熱手段28、30、31を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素の固体を雪状にしたドライアイスをプラスティックフィルムで包装するための装置に関する。また、本発明は、上記装置を用いて連続的および自動的に雪状の二酸化炭素の固体をプラスティック製の袋内に包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却、冷凍、或いは急速冷凍してから使用するまでの低温流通体系を中断することなく、6℃から−20℃或いはそれ未満の制御された温度に維持されなければならない冷凍、急速冷凍などした生鮮物、特に生鮮食品には、現時点において一般的とされる電気的な冷凍装置を備えた問屋、輸送手段、および小売店が必要であることが分かっている。しかし、例えば電動化していない輸送の場合などの多くの状況下において、特に気候などの環境状態が好ましくないと、温度上昇の危険性が極めて高いことから、冷凍装置に収納されている製品を取り出すことなく輸送することは不可能である。製品の輸送中におけるこのような温度上昇を避けるため、生、冷凍、あるいは急速冷凍した製品を恒温容器内で制御された温度に維持された環境に置くことが一般的な手法とされている。例えば、穴を開けたプラスティックフィルムの袋の中に詰めた雪状の固体二酸化炭素のゆっくりとした昇華により温度が調整される。雪状の固体二酸化炭素は、比較的安価で冷却能力を有するものであり、その約−80℃の温度は、比較的長い時間、製品を保冷する。
【0003】
欧州出願1186842は、プラスティックフィルムで雪状の固体二酸化炭素を包装するための装置について記述している。この装置は、プラスティックフィルムの分配および形成手段、および、液体二酸化炭素の供給源に接続された管状を成し、形作られたプラスティックフィルムを満たすように置かれた雪状二酸化炭素の発生装置を有する。プラスティックフィルムの分配および形成手段は、雪状二酸化炭素発生装置との間に自由空間を残して雪状二酸化炭素発生装置を同軸に取り巻くよう置かれたプラスティックフィルム形成スリーブを有する。雪状二酸化炭素発生装置の上方部分で加圧された液体二酸化炭素が放出されたとき、液体二酸化炭素が大気圧に拡張して雪状二酸化炭素発生装置の壁に衝突する。これにより、−80℃程度の0℃を大きく下回る温度で、雪状二酸化炭素の名前で知られる粉状の固体が形成され、同様に、−80℃程度の0℃を大きく下回る温度で、気体状態の二酸化炭素が形成される。そして、雪状二酸化炭素が得られて、形作られたプラスティックフィルム内に重力によって落下され、一方で、気体状態の二酸化炭素が上記形成スリーブと雪状二酸化炭素発生装置との間に形成された空間を通して逃げる。
【0004】
しかし、この装置は、産業用として連続して使用できないといった主たる不利益を有する。これはつまり、雪状二酸化炭素発生装置と形成スリーブとの間から空間に逃げる二酸化炭素の気体が形成スリーブの壁を無視できないほどに冷却し、周辺の大気中にある水蒸気を急激に冷やし、特に、形成スリーブの外壁に氷の結晶が形成される。このような氷の結晶は、形成スリーブに沿ったプラスティックフィルムの前進を妨げる。周辺にある大気中の水蒸気のレベルが増大すると、この現象は、より明白となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、従来の装置の不利益の全て或いは一部を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、雪状の固体二酸化炭素をプラスティックフィルムで包装するための装置に関する。この装置は、その外壁に沿ってプラスティックフィルムが巻かれない形成スリーブを有するプラスティックフィルムの分配および形成手段と、液体二酸化炭素の供給源に接続され、上記形成スリーブとの間に自由空間を介して上記形成スリーブの内側に配置され、上記分配および形成手段で形作られたプラスティックフィルムを雪状二酸化炭素で満たす雪状二酸化炭素発生装置と、上記形作られたプラスティックフィルムを密封する手段と、を有し、上記形成スリーブは、断熱手段および/或いは加熱手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記形成スリーブが断熱手段および/或いは加熱手段を備えることで、雪状二酸化炭素の製造過程で形成される二酸化炭素ガスが形成スリーブの壁を急激に冷やすことを防止できる。これにより、形成スリーブの壁、特に外壁に氷の結晶が形成される事態を避けることができる。その結果、プラスティックフィルムが形成スリーブにくっつくことがなくなり、雪状二酸化炭素の製造過程において形成される二酸化炭素ガスによって形成スリーブの壁が冷却されることでプラスティックフィルムの前進を妨げるいかなる問題もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の他の特徴および効果は、以下の説明を読めば明らかである。なお、この発明の実施形態は、添付した図面によって記載された例に限定されない方法で与えられる。
【0009】
形成スリーブが備えている断熱および/或いは加熱手段は、形成スリーブに沿ってプラスティックフィルムが巻かれていない壁の表面を十分に高い温度に維持することで、この壁に対する水蒸気のいかなる結晶化をも避けるよう機能する。効果的には、この温度は、少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、より好ましくは少なくとも10℃である。
【0010】
1つの特別な実施例において、断熱手段は、コルク、ポリスチレン、ガラス綿などからなるグループから選ばれた断熱材の少なくとも1層で形成できる。この断熱材の層は、形成スリーブの内面、すなわちプラスティックフィルムがスライドする面と反対の形成スリーブの面に付与可能である。この層は、二酸化炭素ガスに接触するため、好ましくは多孔性ではなく、または、同様に好ましくは断熱性を有する多孔性ではない材料で形成された薄い層或いは保護膜で覆うこともできる。
【0011】
上記保護膜は、例えば、金属或いはプラスティックフィルムで形成できる。
【0012】
他の実施例によると、断熱材の層と形成スリーブの内面との間に自由空間或いは何も無い空間が形成される。上記自由空間は、物が全く無く、大気圧の大気で満たされ、或いは真空下で他の物質を配置した空間である。
【0013】
1つの特別な実施例によると、形成スリーブの内面は、断熱材の層の代りに或いは断熱材の層に並べて少なくとも1つの加熱材による層を有する。
【0014】
上記加熱材による層は、例えば、電気抵抗器により形成され、或いは温度調節可能な液体(例えば、共晶)によって満たされた中空部材などにより形成されている。
【0015】
上記自由空間内には、加熱材の層の温度を所望する温度に調節可能にするように、温度センサを配置することができる。
【0016】
1つの特別な効果的な実施例によると、形成スリーブの内壁は、並設或いは少なくとも1つの何も無い領域によって分割可能な加熱および断熱材を重ねて配置した複数の層により形成される。
【0017】
特に適した重ね配置は、保護膜、断熱材の層、加熱材の層、および何も無い空間の連続した配置からなり、何も無い空間には熱センサを配置可能で、上記何も無い空間は、形成スリーブの内壁に最も近くに配置される。
【0018】
当業者は、装置の熱容量および所望する生産率に沿うように、構成要素である各層の数、性質、および厚さを設定することができる。
【0019】
図示のための可能な厚さ範囲は、以下のようになる。
【0020】
保護膜:0.5mmから5mm、好ましくは0.8mmから2mm
断熱材:0.5cmから10cm、好ましくは2cmから5cm
加熱材:2cmから15cm、好ましくは3cmから10cm
何も無い空間:1cmから5cm、好ましくは2cmから4cm
形成スリーブの壁は、0.5cmから3cmの間の厚さ、好ましくは1cm程度の厚さを有する。
【0021】
効果的には、雪状の固体二酸化炭素を包装するための装置は、上記二酸化炭素発生装置の上記何も無い領域内に不活性ガスを吹き込むための手段を有する。これにより、雪状二酸化炭素発生装置を連続的に稼働させることができる。つまり、液体二酸化炭素の供給が阻止されたとき、雪状二酸化炭素発生装置内へ雪状二酸化炭素を同伴した空気や二酸化炭素が吸引されて戻されることを防止し、形作られたプラスティックフィルム内への雪状二酸化炭素の改良された落下を許容する。
【0022】
不活性ガスを吹き込むための手段は、例えば、二酸化炭素発生装置の入口に配置されたガス供給ノズルを有する。
【0023】
不活性ガスとして、雪状二酸化炭素と反応しないあらゆるガスを用いることができる。もし、雪状二酸化炭素を食品保存のために用いるつもりなら、このようなガスは、このような使用に適している。好ましいガスは、二酸化炭素である。しかし、上記全てのガスに選択が与えられるなら、雪状二酸化炭素の温度が与えられて氷を作るいかなる水の凍結をも防止するため、実質的に無水の不活性ガス(約−40℃の露点)を使用する。
【0024】
1つの特別な実施例によると、雪状二酸化炭素を包装するための装置は、プラスティックフィルム容器の内側で接触する空気の露点を下回る温度を有する流体の吹き込み手段を有する。例えば、このような手段は、雪状二酸化炭素発生装置と形成スリーブとの間に形成された空間内に配置され、その自由端が形成スリーブによって放出されたプラスティックフィルムに向けて指向する吹き込みロッドから成る。
【0025】
この目的のため、あらゆる食物品質流体が適している。しかし、液体二酸化炭素が好ましい。
【0026】
1つの特別な実施例によると、雪状二酸化炭素の発生に使用する液体二酸化炭素を吹き込むための手段が液体二酸化炭素の供給源に接続される。液体二酸化炭素の供給を開始および停止するため、バルブとして一般にソレノイドバルブが、吹き込みロッドと液体二酸化炭素の供給源との間に挿入される。また、雪状二酸化炭素の供給を開始および停止するため、バルブ、一般にソレノイドバルブが雪状二酸化炭素発生装置と液体二酸化炭素の供給源との間に挿入される。この発明によるところの装置が電源投入されたとき、毛状の吹き込みロッドのソレノイドバルブが開かれ、そして、雪状二酸化炭素発生装置のソレノイドバルブが開かれる前に閉じられる。このバルブは、開状態を続ける時間を決めるタイマーによって制御され、包装されるであろう雪状二酸化炭素の量が制御される。タイマーは、自動販売システムを含むいかなる手段によってもスタートできる。
【0027】
1つの効果的な実施例によると、雪状二酸化炭素を包装するための装置は、ガス状の二酸化炭素を除去するための少なくとも1つの手段を有する。この手段は、雪状二酸化炭素発生装置の外壁と形成スリーブの内壁との間に形成された空間から成る。この除去手段は、その頂部において封じ込めボックスに接続されている。封じ込めボックスは、一方で、−80℃程度の温度のこの二酸化炭素ガスを加熱するための調節可能な“熱い”空気入口に接続され、他方で、自身がこの有害な混合物内を吸引すべく用いられる吸引システムに接続されたラインに接続されている。
【0028】
プラスティックフィルムの分配、形成、および移動手段は、公知の包装装置において月並みに使用されたものである。一般に、これらの手段は、細長いプラスティックフィルム片を連続的に分配すること、フィルム片を前形成スリーブの周りに巻き付けて管状に形作ること、管状のフィルム片の向かい合う2つのエッジをシールすること、および得られた管状フィルムを前形成スリーブの下流側へスライドさせることにある。プラスティックフィルムをシールするための手段は、一度前記フィルムが形作られた後、熱溶着によって管状フィルムを閉じることができ、そして、バッグを得るため、溶着されたフィルム段階で切断することができる。この場合、形成された袋内へ製造された雪状二酸化炭素が向かわされる方法で、雪状二酸化炭素発生装置が、形成スリーブの内側に配置される。好ましくは、プラスティックフィルムを分配および形成する手段は、頂部側に開口がある縦型バッグを形成し、雪状二酸化炭素発生装置が形成した雪状二酸化炭素が重力によって形成したプラスティックバッグ内へ落下するように雪状二酸化炭素発生装置が垂直方向に指向され、後者が一度シールされて切断された後、雪状二酸化炭素を収容したバッグが重力で落下するように、配置される。
【0029】
プラスティックフィルムは、一般に、雪状二酸化炭素の昇華により発生するガス状の二酸化炭素の排気を許容する材料から選択される。この特性は、プラスティックフィルムの有孔性によって達成可能である。そして、使用されるプラスティックフィルムは、微孔性であり、或いは微穿孔を有する。従って、穿孔が多量の拡散ガスを逃がすことができ且つ穿孔が雪状二酸化炭素を形作るきめ細かい結晶を保持および収容できるようなプラスティックフィルムが選択可能である。微穿孔は、プラスティックフィルムを製造するときに作ることができ、或いはこの発明によるところの方法の過程、例えば、プラスティックフィルムの用意の前段階において、プラスティックフィルムを穿孔釘を通過させることによって作ることができる。プラスティックフィルムは、熱により溶融可能であることが望ましい。また、プラスティックフィルムは、一方で、雪状二酸化炭素を充填するときおよび取り扱うときにおける雪状二酸化炭素の圧力に耐えるに十分な強度を有することが望ましく、他方で、取り扱い時における低温火傷のいかなる危険性をも避けるため十分な断熱性を有することが望ましく、これら2つの特性は、十分な厚さの材料を選択することによって得られる。さらに、容器が食品産業に使用される場合、この材料は、この使い方に適したものが選択されなければならない。最終的に、プラスティックフィルムにとって、自然環境に敬意を払うよう、生物分解性の材料であることが一般に望ましい。この発明の望ましい実施例によると、プラスティックフィルムは、25から80ミクロン、望ましくは35から70ミクロンの厚さを有する微穿孔を有するポリプロピレンである。
【0030】
もちろん、プラスティックフィルムの厚さは、バッグに収容される雪状二酸化炭素の量に合せて仕立てられる。同様に、穿孔の数および径は、収容される雪状二酸化炭素の量および所望する昇華の値に合せて仕立てられる。
【0031】
また、この装置は、プラスティックフィルム容器内に雪状二酸化炭素をぎっしり詰めるための少なくとも1つの手段を有する。このような手段は、プラスティックフィルム容器の下部に配置された突き固め具とすることができる。この突き固め具は、電磁システム或いは電空システムによって作動可能である。
【0032】
また、この発明は、プラスティックフィルム容器内に雪状二酸化炭素を包装するための方法に関し、
液体二酸化炭素を吹き込むことによって雪状二酸化炭素発生装置内で雪状二酸化炭素が発生され、
形成された雪状二酸化炭素がプラスティックフィルム容器内へ導かれ、そして、
プラスティックフィルム容器が閉じられ、
不活性ガスが雪状二酸化炭素発生装置内へ連続的に吹き込まれることを特徴とする。
【0033】
上述したように、この発明によるところの雪状二酸化炭素を包装するための装置に関し、不活性ガスを雪状二酸化炭素発生装置内へ吹き込むことで、雪状二酸化炭素発生装置の連続的な稼働が可能となる。つまり、不活性ガスを吹き込むことで、気化が停止されたとき、空気或いは二酸化炭素が雪状二酸化炭素発生装置内へ吸引されて戻されることを防止でき、形作られたプラスティックフィルム内への雪状二酸化炭素の改良された落下が許容される。
【0034】
雪状二酸化炭素に反応しないあらゆるガスがこの目的に適している。もちろん、もし雪状二酸化炭素を食品に使用するつもりなら、使用されるガスは、食物品質のガスであろう。望ましくは、二酸化炭素が用いられる。
【0035】
雪状二酸化炭素発生装置内へのこのような二酸化炭素の吹き込みは、パルス状の方法で実施される。換言すれば、十分な量の液体二酸化炭素が放出されて所望する量の雪状二酸化炭素が与えられるやいなや気化が停止される。
【0036】
この方法は、プラスティックフィルム容器の形成工程をさらに有する。この工程は、開口したプラスティックフィルム容器の連続した形成を許容する。そして、形成された雪状二酸化炭素が、上記開口を介して上記容器内へ導かれ、例えば熱シールによって開口が閉じられる。
【0037】
効果的には、プラスティックフィルム容器は、包装装置を用いて形成される。この包装装置は、垂直に配置され、装置に接続されて上述したように動作される、望ましくは円筒形のスリーブを有する。形成された雪状二酸化炭素が重力によって容器を満たし、そして、所望する量の雪状二酸化炭素が導かれた後、容器の上部がシールされる。
【0038】
この発明の方法の特に効果的な実施例によると、形成スリーブの温度を維持する連続した更なる工程が追加される。この工程では、形成スリーブの温度が、少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、より好ましくは少なくとも10℃に維持される。
【0039】
この発明によるところの方法は、雪状二酸化炭素の形成工程の間に形成された二酸化炭素ガスを連続的に除去する工程をも含むことができる。雪状二酸化炭素発生装置から除去されたガス状の二酸化炭素は、安全の理由のため、一般に、雪状二酸化炭素が包装される空間から離れた位置に排出される。
【0040】
この発明によるところの方法の他の任意の工程は、液体二酸化炭素を吹き込む前に、プラスティックフィルム容器内に接触して空気の露点温度より下の温度を有する流体を吹き込む工程を有する。
【0041】
この発明の好ましい実施例によると、空気の露点温度より低い温度を有する流体は、液体二酸化炭素である。従って、雪状二酸化炭素の形成工程の間中、或いはその工程の前に、プラスティックフィルム容器の内壁を空気の露点温度より低い温度まで冷却するため、少量の液体二酸化炭素を吹き込むことで十分である。一般に、−80℃で2、3グラムの液体二酸化炭素を細孔から噴出することで十分である。この工程は、雪状二酸化炭素を形成する新たな工程ごとに実施可能であり、或いは長い停止状態の後の装置の起動時にのみ実施可能である。
【0042】
充填工程の終わりで、この発明の方法は、容器の上部のシールを楽にするため、容器内に雪状二酸化炭素を詰め込むことができる詰め込み工程を有することができる。
【0043】
この発明の1つの好ましい実施例によると、この方法は、連続的な雪状二酸化炭素の包装方法である。
【0044】
一般に、プラスティックフィルム容器の内側に接触して吹き込まれ、および雪状二酸化炭素発生装置内へ吹き込まれる液体二酸化炭素は、液体二酸化炭素の同じ供給源から供給される。二酸化炭素の供給源は、加圧された液状二酸化炭素のシリンダーとすることができるが、冷却された低圧の液体二酸化炭素であることがより望ましい。つまり、このタイプの供給源は、雪状二酸化炭素の発生に関し、より良い効率を引き起こす。この2番目のケースにおいて、液体二酸化炭素の供給源が貯蔵される条件は、例えば、−20℃の温度、約20バールの圧力、或いはそれ未満とすることができる。
【0045】
図1から図5は、この発明によるところの装置および方法を図示している。システム1の全体は、図1に示されている。この発明の装置2には、液体二酸化炭素の冷却された貯蔵庫3内の液体二酸化炭素が、遅延パイプ4および遅延ホース5を介して、供給される。フィルター6a、6bおよび遮断バルブ7、8は、二酸化炭素供給源3と発生装置2との間に配置可能である。特に、これらバルブのうち一方のバルブ8は、パイプとホースの間に配置可能である。遅延パイプは、脱気ポット11へ導く遮断ソレノイドバルブ10へ接続されたオリフィス9を備えることができる。脱気ポットの下部は、気体と液体を分割する断面増大システム12によって遅延パイプ4に接続されている。バルブ13は、ストップバルブ8と製品バルブ14との間にある。この製品バルブ14の下流に吹き込みノズル15が取り付けられている。雪状二酸化炭素発生装置16は、ソレノイドバルブ19によって制御可能な調節器18によって維持された低圧(2、3ミリバール)で乾燥空気や二酸化炭素ガスを流すためのシステム17によって、近接される。
【0046】
雪状二酸化炭素発生装置16は、図2に示された縦型の袋入れ機21の形成スリーブ20の内側に置かれる。
【0047】
この発明の方法が実施されるとき、プラスティックフィルム22は、形成スリーブ20によって巻き取られたチューブを形成するよう自身で巻きつく。このフィルムは、2つの垂直端部が互いに近付くように巻かれる。これら端部は、重ねられ、そして、その全長にわたって垂直シール手段23による熱溶着によって互いに溶着される。このように形成されたチューブは、ガイドプーリー24によって下方へ移動され、雪状二酸化炭素を収容可能なプラスティックバッグ或いは容器25を形成する。図2において、形成およびシール手段の移動方向を矢印で示している。バッグが形作られると、ソレノイドバルブ14が数十秒開となり、液体二酸化炭素が流出して発生装置16が雪状二酸化炭素26を製造し、この製造された雪状二酸化炭素が重力によってプラスティックバッグ25内へ落下する。ソレノイドバルブ14は、閉じられる。このような全ての動作中、二酸化炭素ガスがプラスティックバッグ25から除去される。ソレノイドバルブ14が閉じられる。二酸化炭素ガスは、プラスティックフィルム形成スリーブ20と雪状二酸化炭素発生装置16との間の空間を介して除去される。最後に、上記袋入れ機のシール具28が、熱溶着によってプラスティックを閉じ、閉塞されたバッグ29を形成するため溶着されたプラスティックを切断する。
【0048】
この発明によるところの装置2は、図3乃至図5を用いてより詳細に説明される。これによると、雪状二酸化炭素発生装置16は、形成スリーブ20の内側に配置され、その外壁に沿って、駆動ローラ24によって駆動されるプラスティックフィルム22が巻かれない。発生装置16と断熱手段28によって覆われた形成スリーブの内壁との間に形成された空間27は、形成された二酸化炭素を除去することができる。重力によってプラスティックフィルム内へ落下する雪状二酸化炭素26は、発生装置16の上端部の中へノズル15を介して液体二酸化炭素を吹き込むことにより形成される。吹き込むガスは、ノズル17を介して吹き込まれる。
【0049】
形成スリーブを断熱および加熱するための手段の好ましい実施例は、図4および図5に示されている。この実施例によると、断熱および加熱手段28は、以下に説明する方法で、異なる材料の複数の層の重ね配置により成り立っている。形成スリーブ20の内壁20aから始まって、何も無い空間29、加熱材の層30、断熱材の層31、および保護膜32の順に配置されている。何も無い空間内には、熱センサ33が配置されている。これらの図には、空気の露点温度より低い温度の流体を吹き込むためのロッド34も示されている。
【0050】
上述した装置を用いることにより、雪状二酸化炭素を2kg収容するバッグに対し1分/1バッグの割合で雪状二酸化炭素をバッグに連続して充填することができる。
【0051】
熱溶着によってプラスティックバッグを閉じるとき、或いは継続的にプラスティックフィルムを巻かないことに関して、装置の長い停止の後であっても、問題に出くわすことはない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、この発明による装置の概略図である。
【図2】図2は、袋詰め装置の概略図である。
【図3】図3は、図1に示す装置の詳細図である。
【図4】図4は、この発明の1つの特別な実施例の詳細図である。
【図5】図5は、図4のA−A’で切断した断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスティックフィルムで雪状二酸化炭素を包装するための装置であって、
プラスティックフィルムが外壁に沿って巻かれる形成スリーブを有する、プラスティックフィルムの分配および形成手段と、
液体二酸化炭素の供給源に接続され、上記形成スリーブとの間に自由空間を介して該形成スリーブの内側に配置され、形成されたプラスティックフィルム内を雪状二酸化炭素で満たす、雪状二酸化炭素発生装置と、
形作られたプラスティックフィルムをシールするための手段と、を有し、
上記形成スリーブは、断熱手段および/或いは加熱手段を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記断熱および/或いは加熱手段は、上記形成スリーブに沿って上記プラスティックフィルムが巻かれない壁面の温度を少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、より好ましくは10℃に維持することを特徴とする請求項1に記載の雪状二酸化炭素を包装するための装置。
【請求項3】
上記断熱手段は、コルク、ポリスチレン、およびガラス綿からなるグループから選択された少なくとも1層の断熱材によって形成可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
自由或いは何も無い空間が、上記断熱材の層と上記形成スリーブの内壁との間に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
上記形成スリーブの内面は、上記断熱材の層の代りに或いは上記断熱材の層に並べて、少なくとも1つの加熱材の層を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の装置。
【請求項6】
上記断熱および/或いは加熱手段は、保護膜、断熱材の層、加熱材の層、および何も無い空間の重ね配置からなり、上記何も無い空間には、熱センサが配置可能であり、上記何も無い空間は、上記形成スリーブの内壁に最も近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
上記雪状二酸化炭素発生装置内へ不活性ガスを吹き込むための手段、および/或いは空気の露点温度より低い温度を有する流体を上記プラスティックフィルム容器の内側に接触して吹き込むための手段、および/或いはガス状の二酸化炭素を除去するための少なくとも1つの手段、上記プラスティックフィルム容器内に雪状二酸化炭素を突き固めるための少なくとも1つの手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
プラスティックフィルム容器内に雪状二酸化炭素を包装するための方法であって、
液体二酸化炭素を吹き込むことによって雪状二酸化炭素発生装置1内で雪状二酸化炭素が発生され、
上記雪状二酸化炭素が、上記プラスティックフィルム容器1内へ導かれ、
上記プラスティックフィルム容器14が閉じられ、
ガス、好ましくはガス状二酸化炭素が、上記雪状二酸化炭素発生装置1内へ連続的に吹き込まれることを特徴とする方法。
【請求項9】
形成スリーブを有する包装装置を用いてプラスティックフィルム容器を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の雪状二酸化炭素を包装する方法。
【請求項10】
好ましくは、少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、より好ましくは10℃の温度に、上記形成スリーブの温度を維持する工程を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記雪状二酸化炭素の形成工程の間中に形成されるガス状二酸化炭素を連続的に除去する工程をさらに含む請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
液体二酸化炭素を吹き込む前に、プラスティックフィルム容器の内側に接触して、空気の露点温度より低い温度を有する流体を吹き込む工程をさらに含む請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
形成された雪状二酸化炭素を突き固める工程をさらに含む請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
連続して実施される請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−532290(P2009−532290A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503621(P2009−503621)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050913
【国際公開番号】WO2007/113411
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】