説明

プラズマディスプレイパネル用部材及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル

【課題】 画面の大型化、高精細化に伴う誤放電や不灯を抑制し、大型であっても表示品位の高いPDPを提供できるプラズマディスプレイ用部材を提供する。
【解決手段】 基板上に複数本のアドレス電極が実質的に平行に配設されたプラズマディスプレイ用部材において、表示域内側部のアドレス電極の幅よりも表示域端部のアドレス電極の幅を大きくする、あるいは、表示域中央部における幅よりも表示域周縁部における幅を大きく構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造に用いられる部材に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称することがある)は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、事務機器および広報表示装置などの分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの分野などでの進展が非常に期待されている。
【0003】
このような用途の拡大にともなって、繊細で多数の表示画素を有するカラーPDPが注目されている。PDPは、前面部材とアドレス電極を有した背面部材との間に設けられた放電空間内で対向する電極間にプラズマ放電を生じせしめ、上記放電空間内に封入されたガスから発生した紫外線が蛍光体に照射されて生じる発光を利用して表示を行うものが代表的である。代表的なPDPにおいては、前面部材は基板上に走査電極、維持電極、誘電体層を有し、背面部材は基板上にアドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体を有している。PDPの駆動は走査電極に走査パルスが順次印加され、このタイミングに合わせて、アドレス電極に走査電極が対応する表示セルに、表示データに応じた走査パルスとは逆極性のデータパルスを印加して発光させ、維持電極に印加される維持パルスにより放電を維持する。このようなPDPにおいては、走査電極、維持電極と直交方向に配置されたアドレス電極に電圧を印加することによって放電を発生させる。
【0004】
近年特に家庭用において大型化の要請が強まっている。先述のとおりPDPは前面部材および背面部材を貼り合わせて放電空間をその内部に形成する必要があるが、これら部材に反りやねじれなどがある場合や貼り合わせ精度が悪いと、各表示セルの性状(空間の密閉度や電極間隙など)は不均一となって、とりわけ周縁部や角部において特性が低下する問題が発生する。そして大型のPDPであるほど顕著にその影響が表れる。また、高精細化の進展は電極間隙を狭く形成することを要求するが、走査電極と維持電極の配列間隔が狭まるにつれて、空間電荷が列方向に隣接する他のセルまで移動することによって誤放電や不灯が発生するという問題があった。
【0005】
かかるパネル特性低下の原因としては、隔壁を越えて電荷が移動することによる誤放電及び駆動電圧マージンが狭くなる点が指摘される。
【0006】
而して、このような誤放電や駆動電圧マージンの低下を防ぐには、特に大型のPDPにおいては、基材の平面性などの精度としても厳しい要求が存在し、また、貼り合わせ精度としても非常に高い水準が要求されていた。
【0007】
しかしながら、こうした非常に高い精度の材料を用いたり、あるいは各工程として高い水準での管理を要求することは、生産性に大きな影響を及ぼしていた。このため、少しでも自由度の高い、大型のPDPであっても表示品位が損われることがない技術が渇望されていた。
【0008】
こうした問題について、電荷移動に対しては隔壁を格子化する他に前面板に形成された走査電極、維持電極に対して背面板にアドレス電極および隔壁を傾斜した方向に沿って形成することにより電荷の移動を防ぐことが提案されている(特許文献1)。
【0009】
一方、アドレス電極の設計技術としては、書き込み放電時の各表示セルにおける放電バラツキによる表示品位の劣化を抑制するため一側面を入り口側として放電空間内部に入り込んだ複数のアドレス電極を箇所によって互いに異なる電極幅とすることが、知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−48727号公報
【特許文献2】特開2003−308783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来のPDPにおける画面の大型化、高精細化に伴う誤放電や不灯を抑制し、大型であっても表示品位の高いPDPを提供できるプラズマディスプレイ用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するため、本発明は、
(1)基板上に複数本のアドレス電極が実質的に平行に配設されたプラズマディスプレイ用部材であって、前記のアドレス電極は、表示域内側部のアドレス電極の幅よりも表示域端部のアドレス電極の幅の方が大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材、
(2)基板上に複数本のアドレス電極が実質的に平行に配設されたプラズマディスプレイ用部材であって、前記のアドレス電極は、表示域中央部における幅よりも表示域周縁部における幅の方が大きく構成されているプラズマディスプレイパネル用部材、であることを本旨とし、また、種々の好ましい態様を提案するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電荷の移動を抑えて不要の放電を防止し、また、不灯を防止し、大型化や高精細化に対応した、表示品位の高いプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のPDP用部材について以下具体的に説明する。本発明にかかるPDP用部材は基材の上に複数本のアドレス電極が設けられている。一般的なPDP用部材においては、このアドレス電極は誘電体層、隔壁層、蛍光体層と共に基材上に形成されて背面部材として構成されることが多い。従って、以下の説明においても背面部材として製造する場合を例にして説明する。
【0014】
本発明のPDP用部材に用いる基板としては、一般的に耐熱硝子が使用され、例えば、ソーダガラスの他に旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”などが挙げられる。なお、材質は必ずしもガラスであることが必要である訳ではなく、基板としての要求特性(平坦性、熱特性や耐熱性など)を満たすことができれば、金属やセラミックスなど、材質としてはガラスに限定されるものではない。
【0015】
アドレス電極は、基板上に、必要により他の層を設けた後、銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によって所望のパターンに配設することで形成する。アドレス電極のパターンを形成する方法としては、上記の金属の粉末と感光性有機成分を含んだ感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることが好ましい。また、他の方法としては金属粉末を含んだ金属ペーストをスクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷法によってパターンを形成する方法や、例えばフィルム上に形成した電極のパターンを基板に転写する方法などが挙げられる。アドレス電極は、通常はストライプ状に形成され、各電極は実質的に平行に形成される。アドレス電極の幅は好ましくは20〜230μmであり、より好ましくは30〜200μmである。アドレス電極の幅が細すぎると抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎると隣合う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥が生じやすい傾向にある。アドレス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精細PDPにおいては100〜400μmのピッチで形成するのが好ましい。
【0016】
本発明においては、アドレス電極は、表示域内側部のアドレス電極の幅よりも表示域端部のアドレス電極の幅の方が大きく構成されている。ここで、表示域とは画面として利用する領域のことをいい、通常は放電が生じる領域である。表示域端部とは前記表示域内におけるストライプ状に形成されたアドレス電極の両外側の数本ないし数十本が存在する領域を指す(図1における1A、1Bの領域)。この領域としては、広く確保されている方が誤点灯や不灯を抑制する効果が大きいので、かかる幅の大きいアドレス電極は、少なくとも表示域の両端から0.5cm以上の幅の領域に設けられ、該両端から3cmまでの範囲に設けられていることが好ましく、さらには該両端から5cmまでの範囲に設けられていることが好ましい。特には該両端から10cmまでの範囲に設けられることが好ましい。すなわち、最も好ましい場合においては本発明にかかるPDP用部材は表示域端部を表示域の両端から10cmとしたときに下記に説明するような関係が充足されるよう構成されている。表示域内側部とは前記の表示域端部以外の領域である(図1における1C、1Dの領域)。本発明のこの態様においては、該表示域端部のアドレス電極の幅が表示域内側部のアドレス電極の幅よりも大きく構成されているが、これは各領域に存在する各々の電極の幅が上記の関係を有している(典型的には、表示域端部における最小のアドレス電極幅が表示域内側部の最大のアドレス電極幅よりも大きい)ことが好ましいが、これら領域における電極の幅の平均として、上記の関係を有していることを意味する。すなわち、表示域内側部のアドレス電極の幅の平均をWa、表示域端部のアドレス電極の幅をWbとしたとき、Wb>Waの関係にあり、好ましくは、Wb>1.02×Wa、より好ましくは、Wb>1.05×Wa、更に好ましくは、Wb>1.08×Waの関係を満たせばよい。上限としては特に制限はないが、余りに幅が広いと精細度に影響し、また、短絡の問題も生じるので、好ましくWb<1.4×Wa、更に好ましくWb<1.3×Wa程度である。また、好ましい態様においては、表示域端部を両端からxcmとしたときの表示域端部のアドレス電極の幅の平均をWb(x)、その時の表示域内側部のアドレス電極の幅の平均をWa(x)としたとき、Wb(10)/Wa(10)>0.8×Wb(3)/Wa(3)であり、より好ましく、Wb(10)/Wa(10)>0.9×Wb(3)/Wa(3)である。なおここで、各アドレス電極において長手方向に幅の変化があるときは、電極面積を長さで除してその電極の幅は求められる。前面部材および背面部材の貼り合わせは両端部において歪みを残し易く、また、歪みも両端において最も影響が大きいので、該領域のアドレス電極の幅を大きくすることで、電荷の移動は抑制され、また、隔壁との重複を避けることができ、両端部における電荷の移動による誤放電や不灯の発生が抑制される。また、アドレス電極幅の大きい領域を幅5〜10cmとることにより消費電力を抑制することができる。
【0017】
本発明の別な態様においては、アドレス電極は、表示域中央部における幅よりも表示域周縁部における幅が大きい。表示域周縁部とは表示域内の外周部の領域を指し(図1における1A、1B、1Cの領域)、表示域中央部とは表示域の表示域周縁部以外の領域を指す(図1における1Dの領域)。すなわち、前記の態様では、表示域の両側端部と内側部における電極幅の関係であるが、この態様においては更に上下端部、すなわち、アドレス電極の長手方向の両端の領域、との関係も含めて規定するものである。この態様において、表示域周縁部の電極の幅は表示域中央部の電極の幅よりも大きく構成されている。このようにすることで上下端部において生じる電荷の移動による誤放電や不灯の発生をも抑制することができる。また、表示域周縁部のアドレス電極幅の大きい領域を表示域の端から5〜10cmとることにより、より一層消費電力を抑制することができる。表示域周縁部の上下端部(図1の1Cに相当する部分)のアドレス電極幅が広い領域は広く確保されている方が誤点灯や不灯を抑制する効果が大きいので、少なくとも上下端から0.5cm以上の幅の領域に設けられ、表示域の上下端から3cmまでの以内の範囲に設けられていることが好ましく、上下端から5cmまでの範囲に設けられていることが好ましく、上下端から10cmまでの範囲に設けられていることが最も好ましい。ここで、該表示域周縁部のアドレス電極の幅が表示域中央部のアドレス電極の幅よりも大きいという意味は、表示域中央部のアドレス電極の幅よりも表示域端部のアドレス電極の幅の方が大きいと共に、表示域中央部のアドレス電極の幅よりも表示域の周縁部の上下端のアドレス電極の幅が大きいことを意味する。典型的には、表示域中央部のアドレス電極の最大の幅よりも表示域端部における最小のアドレス電極幅が大きく、かつ、表示域中央部のアドレス電極の最大の幅よりも表示域周縁部の上下端部における最大のアドレス電極幅よりも大きいことが好ましいが、表示域中央部のアドレス電極の幅の平均値をWa’表示域端部のアドレス電極の幅をWb、表示域周縁部の上下端部のアドレス電極の幅をWcとしたとき、Wb>Wa’かつWc>Wa’の関係であることを意味する。好ましくは、Wb>1.02×Wa’かつWc>1.02×Wa’若しくはWc>1.05×Wa’若しくはWc>1.08×Wa’、より好ましくは、Wb>1.05×Wa’かつWc>1.02×Wa’若しくはWc>1.05×Wa’若しくはWc>1.08×Wa’、更に好ましくは、Wb>1.08×WaかつWc>1.02×Wa’若しくはWc>1.05×Wa’若しくはWc>1.08×Wa’である。上限としては特に制限はないが、余りに幅が広いと精細度に影響し、また、短絡の問題も生じるので、好ましくは、Wb<1.4×Wa’、より好ましくは、Wb<1.3×Wa’であり、また一方、好ましくは、Wc<1.4×Wa’、より好ましくは、Wc<1.3×Wa’である。また、好ましい態様においては、表示域端部を表示域の上下端からxcmとしたときの表示域周縁部の上下端部のアドレス電極の幅をWc(x)、その時の表示域中央部のアドレス電極の幅の平均をWa’(x)としたとき、Wc(10)/Wa’(10)>0.8×Wc(3)/Wa’(3)であり、より好ましく、Wc(10)/Wa’(10)>0.9×Wc(3)/Wa’(3)である。また、表示域端部を両端からxcmとしたときの表示域端部のアドレス電極の幅をWb(x)、その時の表示域中央部のアドレス電極の幅の平均をWa’(x)としたとき、Wb(10)/Wa’(10)>0.8×Wb(3)/Wa’(3)であり、より好ましく、Wb(10)/Wa’(10)>0.9×Wb(3)/Wa’(3)である。なお、各アドレス電極について、長手方向において幅が異なるときのアドレス電極幅は、その領域における電極面積をその領域の長さで除してその領域における電極の幅は求められる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様においては、表示域端部のアドレス電極において、表示域の上下端の領域(図1における1Bの領域)におけるアドレス電極の幅が中央部(図1における1A)における幅よりも大きい。すなわち、表示域の角部の領域において最もアドレス電極の幅は大きく構成されることが好ましい。表示域の角部は封着材の厚みの不均一や前面板と背面板の反りの影響を最も受けやすく、このため前面部材と背面部材の隙間が特に発生しやすく電荷の移動が起こりやすい。このため、表示域端部のアドレス電極の上下端の領域における幅をその中央部のアドレス幅よりも大きくすることにより、この影響は効果的に抑制することが可能であり、工程上の自由度は増すと同時に電荷移動による誤点灯や不点灯のない良好な表示品位のPDPを得ることができる。表示域端部のアドレス電極の表示域の上下端の領域とは、該アドレス電極の表示域の上下端から0.5cm以上の幅の領域に設けられ、表示域の上下端から3cmまでの範囲に設けられていることが好ましく、表示域の上下端から5cmまでの範囲に設けられていることが好ましい。特には表示域の上下端から10cmまでの範囲である(なお、前記表示域周縁部の説明における1Bの領域とは必ずしも一致するものではなく、例えば、表示域端部の幅が10cmであるときに、その内該領域にあるアドレス電極の上下端部の幅を大きく構成する部分を表示域の端から5cmとすることはあり得る。)。表示域端部の中央部とは表示域端部における前記の上下端の領域を除いた領域(図1における1Aの領域)である。また、表示域端部のアドレス電極の上下端の領域における幅が中央部のアドレス電極の幅よりも大きいという意味は、すなわち、表示域端部のアドレス電極の上下端におけるアドレス電極の幅の平均値をWd、表示域端部のアドレス電極の中央部におけるアドレス電極の幅の平均値をWeとしたとき、Wd>Weを満足するという意味である。好ましくは、Wd>1.02×We、より好ましくは、Wd>1.05×We、更に好ましくは、Wd>1.08×Weである。上限としては、精細度に影響し、また、短絡の問題も生じることからWd<1.4×Weとすることが好ましく、より好ましくは、Wd<1.3×Weとすることが適当である。
【0019】
本発明において、アドレス電極の幅の調整は上述したアドレス電極の形成方法において、露光時のマスク幅を変えたり、導電ペーストを塗布あるいは印刷するときの塗布・印刷幅を適宜変更したり、エッチング時のマスクを調整したり、転写元のパターンとして所望の形に形成することにより達成することができる。アドレス電極は異なる2種の幅の電極を配列しても良いが、多段階に種々の幅を有するアドレス電極を配列してもよい。また、アドレス電極の長手方向における幅は連続的に変化させても良いが、不連続的、段階的に変化させても良い。アドレス電極の厚みとしては特に制限はないが、1〜10μmとすることが好ましく、2〜7μmとすることがより好ましい。アドレス電極厚みが薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、コストにみあう抵抗値減の効果が得がたい傾向にあるからである。
【0020】
本発明のプラズマディスプレイパネル用部材においては、前記アドレス電極上に誘電体層が好ましく形成される。誘電体層は、例えば、ガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラスペーストを前記アドレス電極層を覆う形で塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を好ましく用いることができる。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。これらのガラス粉末と有機バインダーと混練してペーストを作製できる。用いる有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの比で、1:1〜10:1が好ましい。フィラーの含有量をガラス粉末の10分の1以上とすることで、輝度の向上をはかることができる。また、フィラーの量をガラス粉末の等量以下とすることで、焼結性に優れたものとできる。また、導電性微粒子を添加することにより駆動時の過剰な帯電によるスパークを防止することができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易にすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれる含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%以上とすることで実効を得ることができ、10重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホールが多発する傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、消費電力が大きくなる傾向にある。
【0021】
本発明のプラズマディスプレイパネル用部材においては、前記誘電体層上にセルを構成する隔壁層が好ましく形成される。
【0022】
隔壁層に設けられる隔壁の高さは、80μm〜200μmが適している。80μm以上とすることで蛍光体と走査電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができる。また、200μm以下とすることで、走査電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得ることができる。また隔壁のピッチ(P)としては、100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、100μm≦P≦250μmである。100μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな映像表示ができる。250μm以下にすることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示することができる。RGBのうち、比較的輝度の低い青色に相当する隔壁の間隙を他の色よりも広くすることも好ましい。
【0023】
隔壁の幅は、頂部幅として、下限について30μm以上とすることが好ましく、更に好ましくは40μm以上、上限について100μm以下とすることが好ましく、さらに好ましく90μm以下である。頂部幅を30μm以上とすることで、後工程に耐える強度を得ることができる。また100μm以下とすることで、均質で強固な焼成を行うことができる。
【0024】
ここで、隔壁の頂部幅とは、隔壁高さの底部から90%水平面で切り取られる部分における幅方向の長さを意味する。模式的には図5で示すところの5Aで示される長さである。また、隔壁頂部が平らであるときは、隔壁高さの略100%水平面で切り取られる部分における幅として後述する関係を満たすことが好ましい。
【0025】
本発明のPDP用部材においては、好ましく、隔壁の頂部幅は前記のアドレス電極の幅の大小関係に対応した幅の大小関係を有していることが好ましい。このようにすることで、隔壁の頂上部を移動する電荷の移動を抑制でき表示品位の向上をはかることができる。ここで、アドレス電極の幅の大小関係に対応した幅の大小関係とは、本発明はアドレス電極の幅を表示域端部あるいは表示域周縁部(以下、便宜的に領域βという)において表示域内側部あるいは表示域中央部(以下、便宜的に領域αという)におけるアドレス電極の幅を大きくするものであるところ、領域βにある隔壁の頂部幅(該領域における隔壁の頂部幅をWβという)が領域αにある隔壁の頂部幅(該領域における平均の隔壁頂部幅をWαという)よりも大きいことを意味する。すなわち、Wβ>Wαとなる関係を好ましく有している。Wβの下限について好ましくはWβ>1.05×Wαであり、更に好ましくはWβ>1.10×Wαであり、上限についてWβ<1.70×Wαであることが好ましく、Wβ<1.40×Wαとすることが更に好ましい。105%以上とすることで幅を広くする効果を十分に得ることができ、電荷移動を効果的に抑制できる。また、170%以下とすることで、輝度を高めることができる。
【0026】
また、本発明のPDP用部材においては、好ましく隔壁の底部の幅は前記アドレス電極幅の大小関係とは逆の大小関係を有している。ここで、アドレス電極の幅の大小関係とは逆の幅の大小関係とは、本発明は領域βにおいて領域αにおけるアドレス電極の幅を大きくするものであるところ、領域βにある隔壁の底部幅(該領域における隔壁の底部幅をWβ’という)が領域αにある隔壁の底部幅(該領域における平均の隔壁底部幅をWα’という)よりも小さいことを意味する。すなわち、Wβ’<Wα’となる関係を好ましく有している。Wα’の下限について好ましくは0.7×Wβ’<Wα’であり、更に好ましくは0.80×Wβ’<Wα’であり、上限について好ましくは0.95×Wβ’>Wα’とすることが好ましい。隔壁底部の幅の比を95%以下とすることで電荷移動による影響を抑制でき、70%以上とすることで隔壁の剥がれを抑制し、工程の安定に悪影響を及ぼさない。なお、隔壁の底部幅とは、隔壁の基板面側に接する面における幅方向の長さであり、模式的には図5で示すところの5Bで示される長さである。
【0027】
本発明においては、前記隔壁と垂直方向に補助隔壁を形成したいわゆる井桁状の隔壁パターンとして好ましく形成することができる。
【0028】
補助隔壁を形成することにより、補助隔壁の壁面にも蛍光体層を形成することができ、発光面積を大きくとることができる他、発光させるべきセル以外の誤発光を補助隔壁によって抑制することができる。従って、紫外線が効率よく蛍光面に作用するため輝度を高めることが可能である。また、補助隔壁が存在することで、隔壁相互が二次元的に結合するので、部材の構造的強度が得られる。その結果、隔壁や補助隔壁の幅を小さくすることができるので、表示セル部における放電容積を大きくすることができ、放電効率をさらによくすることができる。
【0029】
補助隔壁の断面形状も、台形や矩形に形成することができる。
【0030】
補助隔壁の高さは隔壁の高さの1/10〜1/1であることが好ましい。補助隔壁の高さを隔壁の高さの1/10以上とすることで、発光面積を大きくとることによる輝度向上の効果を得ることができる。また、蛍光体層の形成の際の混色や、プラズマディスプレイの表示の際の他色間のクロストークの発生を考慮すると、補助隔壁の高さは隔壁の高さの1/1以下とすることが好ましい。
【0031】
補助隔壁を形成する位置とピッチは、前面板と合わせてプラズマディスプレイとした際に画素を区切る位置に形成することが、ガス放電と蛍光体層の発光の効率の点から好ましい。
【0032】
補助隔壁の幅は、頂部幅として、30μm〜100μm、さらには40〜90μmが好ましい。補助隔壁の頂部幅を30μm以上とすることで、補助隔壁の形成工程や後工程に耐える強度を得ることができる。また100μm以下とすることで、均質で強固な焼成を行うことができる。
【0033】
また、補助隔壁の底部幅はその頂部幅の110〜150%とすることが、焼成収縮により補助隔壁の跳ね上がりを防止する点で好ましい。
【0034】
隔壁層を形成する方法としては、サンドブラスト法やスクリーン印刷法等があるが、本発明においては絶縁性無機成分と感光性有機成分からなる感光性ペーストを用いたフォトリソグラフィー法が好ましく適用される。
【0035】
感光性ペーストの無機微粒子としては、ガラス、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミックスが好ましい。
【0036】
無機微粒子の粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。D50を10μm以下とすることで、表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。また、1μm以上とすることで、ペーストの粘度調整を容易にすることができる。さらに、比表面積0.2〜3m/gのガラス微粒子を用いることが、パターン形成において、特に好ましい。
【0037】
隔壁および補助隔壁は、好ましくは熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60重量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。また、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、40重量%以下が好ましい。
【0038】
用いるガラス粉末としては、焼成時にガラス基板に反りを生じさせないためには線膨脹係数が50×10−7/℃〜90×10−7/℃、更には、60×10−7/℃〜90×10−7/℃のガラス微粒子を用いることが好ましい。
【0039】
隔壁を形成する素材としては、ケイ素またはホウ素の酸化物を含有したガラス材料が好ましく用いられる。
【0040】
酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましい。3重量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
【0041】
酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%以下とすることでガラスの安定性を保つことができる。
【0042】
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
【0043】
酸化ビスマス :10〜40重量部
酸化ケイ素 : 3〜50重量部
酸化ホウ素 :10〜40重量部
酸化バリウム : 8〜20重量部
酸化アルミニウム:10〜30重量部。
【0044】
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
【0045】
この場合の具体的なガラス微粒子としては、次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
【0046】
酸化リチウム : 2〜15重量部
酸化ケイ素 :15〜50重量部
酸化ホウ素 :15〜40重量部
酸化バリウム : 2〜15重量部
酸化アルミニウム: 6〜25重量部。
【0047】
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
【0048】
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。
【0049】
感光性有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加する。
【0050】
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
【0051】
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
【0052】
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
【0053】
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
【0054】
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
【0055】
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0056】
感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。
【0057】
次いで上記のような感光性ペーストを塗布、乾燥し、露光後、現像、焼成を行って隔壁のパターンを形成することができる。
【0058】
これらの一連の隔壁の形成工程において、感光性ペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0059】
また前記塗布後の乾燥は、通風オーブン、ホットプレート、赤外線炉などを用いることができる。
【0060】
次に上記塗布、乾燥後の塗布膜を、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。
【0061】
本発明で露光動作時に使用されるエネルギー線は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
【0062】
ここで、フォトマスクと感光性ペーストの塗布膜表面との距離、すなわちギャップは50〜500μm、さらには70〜400μmに調整することが好ましい。ギャップを50μm以上さらには70μm以上とすることにより、基板またはフォトマスク移動時の感光性ペースト塗布膜とフォトマスクの接触を防ぎ、双方の破壊や汚染を防ぐことができる。また500μm以下さらに好ましくは400μm以下とすることにより、適度にシャープなパターニングが可能となる。
【0063】
本発明において、隔壁の頂部の幅また底部の幅の調整は上述した隔壁の形成方法において露光時のマスク幅を調整することにより達成することができる。
【0064】
露光後実施される現像は、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して行う方法が一般的である。現像は、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行うことができる。
【0065】
現像液は、感光性ペースト中の露光部分、未露光部分の何れかの有機成分の溶解速度が速い溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低過ぎれば可溶部が除去されない傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎれば、パターン部を剥離したり、また、非可溶部を腐食させる傾向にある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0066】
次に、現像により得られた隔壁(いうまでもないが補助隔壁も含む)のパターンは焼成炉にて焼成される。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔壁を形成する場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うと良い。
【0067】
隔壁と補助隔壁の幅が極端に違う場合、具体的には補助隔壁の幅が隔壁幅より極端に太い場合、隔壁と補助隔壁の焼成収縮挙動の違いにより、両者の界面で隔壁が断線したり、補助隔壁に亀裂が生じたりする。
【0068】
このような場合は、補助隔壁頂部にストライプ状の溝を形成することにより、補助隔壁の焼成時の収縮を緩和することができ、補助隔壁と隔壁界面での隔壁断線を抑制することができる。
【0069】
次いで隔壁の間に、R(赤)G(緑)B(青)各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、一般的には、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することにより形成することができる。
【0070】
蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させる方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、蛍光体ペーストの有機バインダーとして前述の感光性を有する有機成分を用いた感光性ペースト法等の方法により各色の蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させることができ、本発明においては何れの方法が採用されて構わないが、経済性に優れるスクリーン印刷法、ディスペンサー法が本発明では好ましく適用される。
【0071】
本発明のプラズマディスプレイパネル用部材においては、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、上記の誘電体層や隔壁層や蛍光体層以外の構成を設けることを妨げるものではない。
【0072】
本発明のプラズマディスプレイパネル用部材は、別に調製された他の部材と共に用いられ、不活性ガスが封入されて、パネルモジュールとして作製される。
【実施例】
【0073】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない
ノボラック系樹脂A:m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドを、モル比60/40/80で、シュウ酸触媒の存在下に還流下で常法に従って反応させ、次いで分別して得られた、ポリスチレン換算重量平均分子量が約8000のノボラック樹脂であって、GPCパターンにおいて、未反応クレゾールのパターン面積を除いた全パターン面積に対するポリスチレン換算分子量6000以下の面積比が34%、そしてポリスチレン換算分子量1000以下の面積比が15%であるもの。
【0074】
ノボラック系樹脂B:m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドを、モル比40/60/80で、シュウ酸触媒の存在下に還流下で常法に従って反応させ、次いで分別して得られた、ポリスチレン換算重量平均分子量が約8000のノボラック樹脂であって、GPCパターンにおいて、未反応クレゾールのパターン面積を除いた全パターン面積に対するポリスチレン換算分子量6000以下の面積比が34%、そしてポリスチレン換算分子量1000以下の面積比が15%であるもの。
【0075】
アクリル樹脂A:メタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体(重量平均分子量25,000、酸価105)。
【0076】
アクリル樹脂B:トリシクロデカニルメタクリレート/t−ブチルメタクリレート/メタクリル酸(仕込みモル比で50/20/30)の共重合体(重量平均分子量37,000)。
【0077】
光酸発生剤A:テトラヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトキノン−5−スルホン酸とのエステル。
【0078】
光酸発生剤B:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン。
【0079】
光塩基発生剤A:[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]プロピルアミン。
【0080】
重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン。
【0081】
架橋剤:テトラプロピレングリコールジメタクリレート。
【0082】
紫外線吸収剤:ベーシックブルー26(吸収極大波長:592nm)。
【0083】
ガラス粉末A:酸化ホウ素42%、酸化ケイ素10%、酸化アルミニウム3%、酸化バリウム20%、酸化亜鉛5%、酸化カルシウム2%、酸化ジルコニウム10%とからなり、ガラス転移点が462℃、軟化点が493℃、屈折率が1.70。
【0084】
ガラス粉末B:酸化ケイ素25%、酸化ホウ素28%、酸化ビスマス28%、酸化バリウム15%、酸化アルミニウム4%からなり、ガラス転移点が488℃、軟化点が527℃、屈折率が1.73。
【0085】
ガラス粉末C:酸化リチウム7%、酸化ケイ素22%、酸化ホウ素33%、酸化亜鉛3%、酸化アルミニウム19%、酸化マグネシウム6%、酸化バリウム5%、酸化カルシウム5%からなり、ガラス転移点が491℃、軟化点が528℃、屈折率が1.59。
【0086】
ガラス粉末D:酸化ケイ素40%、酸化アルミニウム36%、酸化ホウ素9%、酸化バリウム5%、酸化マグネシウム5%、酸化カルシウム5%からなり、ガラス転移点が652℃、軟化点が754℃、屈折率が1.73。
【0087】
銀粉末:平均粒子径1.5μm、比表面積0.80m/g。
【0088】
溶媒:ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
【0089】
ノボラック樹脂Aを9重量部、ノボラック樹脂Bを1重量部、光酸発生剤Aを2重量部、溶媒を10重量部混合し、50℃に加熱しながら溶解し、次いで、銀粉末を78重量部、ガラス粉末Aを2重量部を添加し、混練機を用いて混練した。
【0090】
こうして得られた感光性ペーストを対角42インチサイズのガラス基板上に、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥厚み6μmの膜を得た。
【0091】
次に、プラズマディスプレイ用の電極パターン形成を目的とした所定のポジ型フォトマスク(線幅50μm、パターンピッチ230μm)を介して露光を行った。この時、マスクが汚染されるのを防ぐため、マスクと塗布膜間に100μmのギャップを設けた。その後、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.8重量%水溶液をシャワーで60秒間処理して現像を行い、ガラス基板上にストライプ状の電極パターンを形成し、シャワースプレーを用いて水洗浄を行った。なお、100〜800mJ/cmの露光量の紫外線を照射したときに良好な電極パターンを得ることが可能であった。
【0092】
ついで電極パターンの加工を終了したガラス基板を80℃で15分乾燥した後、600℃で15分焼成し、電極を形成した。焼成後、パターン両端が基板から剥離するエッジカールはなく、良好な電極が得られた。
【0093】
電極を製造したガラス基板上に、酸化ビスマスを75重量%含有する低融点ガラスの粉末を60重量%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15重量%、テルピネオール15重量%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のアドレス電極が覆われるように5μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って誘電体層を形成した。
【0094】
誘電体層上に、1層目の感光性ペーストを塗布した。感光性ペーストはガラス粉末と感光性成分を含む有機成分から構成され、ガラス粉末としては、酸化リチウム10重量%、酸化珪素25重量%、酸化硼素30重量%、酸化亜鉛15重量%、酸化アルミニウム5重量%、酸化カルシウム15重量%からなる組成のガラスを粉砕した平均粒子径2μmのガラス粉末を用いた。感光性成分を含む有機成分としては、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー30重量%、トリメチロールプロパントリアクリレート30重量%、光重合開始剤である“イルガキュア369”(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)10重量%、γ−ブチロラクトン30重量%からなるものを用いた。
【0095】
感光性ペーストは、これらのガラス粉末と感光性成分を含む有機成分をそれぞれ70:30の重量比率で混合した後に、ロールミルで混練して作製した。 次にこの感光性ペーストをダイコーターを用いて乾燥後厚み90μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)で行った。
【0096】
乾燥後、ピッチ230μmのストライプパターンを有するフォトマスクを用いて、アドレス電極と垂直方向に露光した。
【0097】
露光後、上記感光性ペーストをさらに塗布、乾燥し、90μmの塗布膜を得た。
【0098】
次に、パターンを有するフォトマスクを用いて、アドレス電極と平行方向に露光した。
【0099】
露光後、0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、560℃で15分間焼成することにより、ピッチ230μm、高さ130μmの隔壁とピッチ230μm、、高さ65μmの補助隔壁を形成した。
【0100】
さらに、赤、緑、青3色の蛍光体層を形成した。蛍光体層は蛍光体粉末90重量%とエチルセルロースとテルピネオールからなる溶液(固形分10%)とから蛍光体ペーストを作製し、口金から蛍光体を吐出することにより乾燥後の蛍光体厚みが30μmとなるように塗布した。このようにして作製したプラズマディスプレイ背面板を前面板と合わせて封着ガラスを用いて封着し、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。さらに駆動回路を実装してPDPを作製した。
【0101】
パネル内の領域間で電荷移動が生じ指定以外のセルが発光する誤放電および不灯の発生は放電維持電圧(Vsus)を170Vと規定し、この電圧において誤放電が発生するかどうか目視で検査した。下記実施例、比較例において100枚PDPを作製し、電荷移動による誤放電および不灯が発生するパネルの枚数で評価した。
【0102】
実施例1
上記の方法を用い、マスクに設けたパターン形状を調整することにより、図2に示すように表示域端部を表示域の両端から10cmの領域とし、該領域(左右各43本ずつ)のアドレス電極の幅を60μmとし、また、表示域内側部においては、その上下端から各10cmの領域、つまり表示域周縁部の上下端の領域、においてアドレス電極の幅を60μmとし、該表示域内側部の前記表示域周縁部の上下端以外の領域、つまり表示域中央部、のアドレス電極幅を50μmとなるようにストライプ状のアドレス電極を形成した。次いで、マスクに設けたパターン形状を調整することにより、頂部幅が40μm、底部幅が60μmの隔壁を形成してプラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。実施例1では1パネルにおける誤放電および不灯の発生数も少なく100枚中3枚のパネルについて誤放電および不灯を確認した。
【0103】
なお、図2は本実施例にかかる態様の把握の用に用意したもので、基板とアドレス電極の大きさは大きく異なることもあって、各構成相互の大きさの関係は一定の縮小率によるものではなく、また、各領域にあるアドレス電極の一部は省略されている。
【0104】
実施例2
上記の方法を用い、マスクに設けたパターン形状を調整することにより、図3に示すように表示域端部を表示域両端から10cmの領域とし、該領域(左右43本ずつ)におけるアドレス電極において、表示域の両側端から5cm、表示域の上下端から5cmの領域におけるアドレス電極の幅を65μm、それ以外の表示域端部のアドレス電極の幅を60μmとし、また、表示域内側部においては、その上下端から各10cmにおいてアドレス電極の幅を60μmとし、該表示域内側部の前記表示域周縁部の上下端以外の領域のアドレス電極の幅を50μmとなるようにストライプ状のアドレス電極を形成した。次いで、マスクに設けたパターン形状を調整することにより、頂部の幅が40μm、底部の幅が60μmの隔壁を形成して、プラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。その結果、100枚中1枚も誤放電および不灯が確認されることがなく、電荷移動による誤放電および不灯を抑制することができた。
【0105】
なお、図3は本実施例にかかる態様の把握の用に用意したもので、基板とアドレス電極の大きさは大きく異なっていることもあって、各構成相互の大きさの関係は一定の縮小率によるものではなく、また、各領域にあるアドレス電極の一部は省略されている。
【0106】
実施例3
実施例1と同様にしてアドレス電極の形成を行い、隔壁の形成はアドレス電極の幅を60μmとした領域においてはその頂部幅を50μmとし、アドレス電極の幅を50μmとした領域はその頂部幅を40μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。その結果得られたパネルは100枚中誤放電および不灯を確認することができず、電荷移動による誤放電および不灯を抑制することができた。
【0107】
実施例4
実施例1と同様にしてアドレス電極の形成を行い、隔壁の形成はアドレス電極の幅を60μmとした領域においてはその頂部幅が50μm、底部幅を55μmとし、アドレス電極の幅を50μmとした領域においてはその頂部幅を45μm、底部幅を60μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。その結果得られたパネルは100枚中1枚も誤放電および不灯を確認することが出来ず、電荷移動による誤放電および不灯を抑制することができた。
【0108】
比較例1
アドレス電極の幅を一様に50μmとした以外は実施例1と同様の方法でプラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。その結果、作製したパネル100枚中21枚においてパネル四隅に多数の誤放電および不灯を確認した。
【0109】
比較例2
表示域の両端から10cmの領域の該領域(左右各43本ずつ)におけるアドレス電極の幅を40μmとし、また、その内側部においては、その上下端から各10cmの領域、つまり表示域周縁部の上下端の領域、においてアドレス電極の幅を40μmとし、該表示域内側部の前記表示域周縁部の上下端以外の領域、つまり表示域中央部、におけるアドレス電極の幅を50μmとした以外は、実施例1と同様の方法でプラズマディスプレイ背面板を作製し、これを用いてパネルを作製した。得られたパネル100枚中38枚に電荷移動による誤放電および不灯等を確認した。特にパネル上下および四角において顕著に誤放電や不灯の発生を確認した。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】表示域、表示域内側部、表示域端部、表示域周縁部、表示域中央部を説明するための図である。なお、アドレス電極は便宜的に1本のみ示している。
【図2】実施例1の態様を説明するための図である。
【図3】実施例2の態様を説明するための図である。
【図4】一般的なPDPのセルの断面図である。
【図5】隔壁の頂部の幅、底部の幅を説明するための図である。
【符号の説明】
【0111】
1:表示域
1A:表示域端部の中央部
1B:表示域端部の上端領域または下端領域
1C:表示域周縁部の上端領域または下端領域
1D:表示域中央部
2:アドレス電極
21:電極引き出し部
3:ガラス基板
4:誘電体層
5:隔壁、5A:隔壁の頂部幅、5B:隔壁の底部幅
6:蛍光体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数本のアドレス電極が実質的に平行に配設されたプラズマディスプレイ用部材であって、前記のアドレス電極は、表示域内側部のアドレス電極の幅よりも表示域端部のアドレス電極の幅の方が大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材。
【請求項2】
基板上に複数本のアドレス電極が実質的に平行に配設されたプラズマディスプレイ用部材であって、前記のアドレス電極は、表示域中央部における幅よりも表示域周縁部における幅の方が大きく構成されているプラズマディスプレイパネル用部材。
【請求項3】
表示域端部のアドレス電極おいては、その表示域の上端および下端の領域における幅の方が中央部における幅よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
【請求項4】
前記複数本のアドレス電極がセル溝となるように隔壁層が設けられており、該層に設けられた隔壁の頂部の幅は、前記アドレス電極の幅の大小関係に対応した幅の大小関係を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
【請求項5】
前記隔壁の底部の幅は、前記アドレス電極の幅の大小関係とは逆の幅の大小関係を有していることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−216254(P2006−216254A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25058(P2005−25058)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】