説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】有機顔料からなるカラーフィルタを備えた構成を有し、カラーフィルタからの放出ガスが放電空間に入り込むことが抑制されるとともに、低いプロセス温度を用いて作製することが可能なプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】前面側基板2上に走査電極および維持電極からなる複数の表示電極対が設けられた前面板20aと、背面側基板9上に表示電極対と立体交差する複数のアドレス電極10が設けられ、アドレス電極と表示電極対の交差部に各々放電セルを区画する隔壁12が設けられ、隔壁間に蛍光体層が設けられた背面板8と、各放電セルの蛍光体層に対応させて前面板上に配置されたカラーフィルタ22と、カラーフィルタを被覆して形成され、カラーフィルタからの放出ガスの透過を抑制する無機コート層21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとよぶ。)に関し、特に交流駆動面放電型PDPにおける前面板の部分の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
PDPは、Ne、XeやAr等のガスをプラズマ放電させ、発生した紫外線により蛍光体を励起発光させ可視光に変換して、画像表示を行う表示装置である。このPDPには、交流(以下、ACとよぶ。)駆動型と直流(以下、DCとよぶ。)駆動型がある。AC駆動型は、輝度、発光効率および寿命の各性能面でDC駆動型より優れており、PDPでは主流の駆動方式となっている。
【0003】
AC駆動型として代表的な交流面放電型PDPの構成の一例を、図14及び図15に示す。図14は、前面板1と背面板8を分離した状態でPDPの一部を示した斜視図である。図15は、図14の前面板1と背面板8が合体された状態を示し、図14における走査電極3および維持電極4を横切る方向に沿った断面図である。
【0004】
前面板1は、透明で絶縁性を有する前面側基板2の表面上に、面放電を行う走査電極3および維持電極4からなる表示電極対5が平行に配列された構成を有する。走査電極3および維持電極4はそれぞれ、前面側基板2の表面上に形成された透明電極3a、4aと、その上に形成されたバス電極3b、4bとにより構成される。バス電極3b、4bは、例えば、銀(Ag)とその結着材であるガラスフリット材料からなる。そして表示電極対5を覆うように前面側誘電体層6が形成され、その上に保護膜7が形成されている。
【0005】
一方、背面板8は、透明で絶縁性を有する背面側基板9の表面上に、画像データを書き込むためのアドレス電極10が、前面側基板2の表示電極対5に対して直交する方向に配列され、その上が背面側誘電体層11で覆われた構成を有する。背面側誘電体層11上には、隔壁12が形成されている。隔壁12は、アドレス電極10に平行な方向に伸びて形成された縦隔壁12aと、それと直交する方向に形成された横隔壁12bとで形成された井桁形状をしている。縦隔壁12aと横隔壁12bとで囲まれた領域により、各画素が規定される。各画素の領域における、隔壁12の側面と背面側誘電体層11の表面とには、アドレス電極10に対応して赤色(R)蛍光体層13r、緑色(G)蛍光体層13g、青色(B)蛍光体層13b(総称して「蛍光体層13」とも記す)が塗布形成されている。
【0006】
前面板1と背面板8とは、表示電極対5とアドレス電極10とがマトリックスを形成するように対向している。前面板1と背面板8の間で縦隔壁12aと横隔壁12bとで囲まれた空間が、各画素の放電空間14となる。各放電空間14に対応して、表示電極対5とアドレス電極10とが立体交差することにより、放電セル15が形成される。前面板1の表示電極対5の間には、横隔壁12bの頂部に対向するようにブラックストライプ16が形成されている。
【0007】
前面板1と背面板8との外周部はガラスフリットなどの封着材によって封着され(図示せず)、放電空間14に、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスからなる放電ガスが封入されている。放電ガスは、例えば、Xeの割合が10%のものが用いられ、約450Torr(約60kPa)の圧力で封入される。
【0008】
上記構成のPDPにおいて、ガス放電により紫外線を発生させ、発生した紫外線でR、G、Bの各色の蛍光体層13を励起して発光させることによりカラー表示を行う。すなわち、バス電極3b、4bを介して維持電極4と走査電極3間に数十〜数百kHzの交流電圧を印加して放電させると、励起されたXe原子が基底状態に戻る際に発生する紫外線により蛍光体層13を励起することができる。この励起により蛍光体層13は、塗布された材料に応じた色光を発生する。アドレス電極10により発光させる画素および色の選択を行えば、所定の画素部で必要な色を発光させることができ、カラー画像を表示することが可能となる。
【0009】
このような構成のAC駆動型のPDPでは、表示電極対5上に形成された前面側誘電体層6が特有の電流制限機能を発揮するので、DC駆動型のPDPに比べて長寿命である。前面側誘電体層6は、表示電極対5とブラックマトリクス16の形成後で、しかも、これらを確実に覆うことが必要とされ、印刷・焼成方式により形成している。また、保護膜7はプラズマ放電により前面側誘電体層6がスパッタリングされないようにするために設けるもので、耐スパッタリング性に優れた材料であることが要求される。このために、酸化マグネシウム(MgO)が多く用いられている。
【0010】
以上のようなPDPにおいて、表示電極対5と放電空間との間に介在させる前面側誘電体層6を、図16に示すように、マイクロシート等の誘電体用薄板17に置き換えた構成が知られている。
【0011】
この場合、誘電体用薄板17の放電空間14側に、保護膜7が形成される。また、前面側である他方の面に、透明電極3a、4a及びバス電極3b、4bからなる表示電極対5が設けられる。更に、表示電極対5を被覆して、透明な絶縁膜18が形成される。そして、誘電体用薄板17の放電空間14側が、低融点ガラス等のシール材で背面側基板9に封着される。一方、誘電体用薄板17上には一定の間隙19を設けて、透明保護基板としての前面側基板2が接合される。
【0012】
このように、前面側誘電体層6に代えて誘電体用薄板17を使用することにより、誘電体層を形成するための従来の煩雑な製造プロセスを簡略化することができる。また、誘電体用薄板17を低融点ガラス等のシール材で背面側基板9に封着することにより、前面側基板2は、製造工程中に高温に曝されることがなくなる。
【0013】
ここで、マイクロシートとは、例えば二酸化シリコン(SiO2)と三酸化硼素(B23)を主成分とする硼珪酸ガラスなどの薄い誘電体シートである。厚みは、30μm程度、最大でも50μm程度である。このようなマイクロシートは、例えば液晶表示装置のシートとして広く利用されており、耐熱性が高く膨張率が小さい。
【0014】
一方、色純度の改善、画像表示のコントラスト向上等のためにカラーフィルタ層を設けた構成が、例えば、特許文献1、2等に記載されている。特許文献1、2には、誘電体用薄板を用いた構成により、高温に弱い有機材料をカラーフィルタ層に使用可能とすることが記載されている(特許文献1の段落0027、0035、0041、0092、特許文献2の段落0021)。
【0015】
すなわち、誘電体用薄板17を低融点ガラス等のシール材で背面側基板9に封着すれば、製造工程中に前面側基板2が高温に曝されることを回避できる。従って、前面側基板2にカラーフィルタを設けた構成とすれば、カラーフィルタを高温に弱い有機材料で形成することが可能となり、光学特性を向上させることができる。その場合、カラーフィルタは、前面側基板2の内面側に3原色の蛍光体層13r、13g、13bのパターンに整合させて形成され、また、隔壁12の位置に整合させてブラックストライプが形成される。
【0016】
なお、PDPにカラーフィルタを設けると、以下に説明するとおり、明所コントラストが向上する。すなわち、カラーフィルタは、特定波長帯は透過するが、それ以外の波長帯は透過しない。通常、赤色のカラーフィルタは赤の波長帯(例えば、590〜700nm)は透過する。青色のカラーフィルタは青の波長帯(例えば、400〜490nm)は透過する。緑色のカラーフィルタは緑の波長帯(490〜590nm)は透過する。特に、有機顔料を用いたカラーフィルタの場合、光が入射したとき、特定波長帯以外の波長は透過せず、カラーフィルタに吸収される。
【0017】
外光(例えば、白色光)は400〜700nmの波長領域(可視光領域)において、連続的なスペクトルを持つ光である。有機顔料を用いたカラーフィルタに外光が入射すると、赤色のカラーフィルタでは、590〜700nmの波長帯のみ透過して、それ以外の波長帯の光は吸収される。青色のカラーフィルタでは、400〜490nmの波長帯のみ透過して、それ以外の波長帯の光は吸収される。緑色のカラーフィルタでは、490〜590nmの波長帯のみ透過して、それ以外の波長帯の光は吸収される。従って、カラーフィルタのそれぞれの特定波長帯域以外の外光は吸収されるので、カラーフィルタを透過して、背面板等で反射して、パネルから放射される外光は大幅に減少する。
【0018】
例えば、カラーフィルタのそれぞれの特定波長帯域(赤のカラーフィルタ:590〜700nm、青色のカラーフィルタ:400〜490nm、緑色のカラーフィルタ:490〜590nm)の透過率100%、それ以外波長帯域の透過率が0%であり、背面板等の反射率が100%と仮定するなら、カラーフィルタに入射した外光の1/3だけがパネルから放射される。カラーフィルタがない場合は、入射した外光がすべて背面板等で反射してパネルから放射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許3849735号明細書
【特許文献2】特開平10−177845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述のとおり、PDPにカラーフィルタを設けることにより、明所コントラストを向上させるには、特定波長帯域以外の外光を吸収するようなカラーフィルタ材料として有機顔料を用いること望ましい。しかし、有機顔料のカラーフィルタを用いるためには、以下の課題を解決する必要がある。
【0021】
特許文献1、2に記載されているように、カラーフィルタが前面側基板の内面に形成され、誘電体用薄板のカラーフィルタ側の面上に、透明電極及びバス電極からなる表示電極対や、表示電極対を覆う絶縁層が形成された構造の場合、以下のような問題がある。すなわち、カラーフィルタが前面側基板に配置されているため、光源(蛍光体面)とカラーフィルタの距離が長く、画像表示の視野角依存性が強くなる。特に、開口率アップのため、バス電極の幅を細く、厚くすると、カラーフィルタと光源との距離がより長くなり、視野角依存性はより強くなる。
【0022】
つまり、カラーフィルタを前面側基板に配置すると、光源(蛍光体面)から発生した光がカラーフィルタに達するまでに、光源〜誘電体用薄板〜絶縁層〜カラーフィルタと経由する。従って、カラーフィルタは、誘電体用薄板及び電極の厚さ分程度、光源から離れることになる。なお、絶縁層は、バス電極が誘電体用薄板に付設されている場合、そのバス電極と誘電体用薄板との間を埋める層である。また、蛍光体層は隔壁の底辺にも形成されているので、隔壁の底辺からの光の場合は、隔壁の高さ分だけ、さらにカラーフィルタが離れることになる。
【0023】
例えば、前面側基板にカラーフィルタを放電セルごとに色を塗り分けて形成した場合を考える。誘電体用薄板上に形成した保護膜の表面で発光が起こったと仮定する。(正しくは、蛍光体が発光するので、隔壁の高さ分、100〜150um程度保護膜より低い位置で発光も存在する)。1点だけ赤色が発光した時を考えると、正常な場合、画面の1点だけが赤色と識別されるはずである。発光した光は、誘電体用薄板、絶縁層を通って、カラーフィルタに達する。
【0024】
屈折・反射を考えない場合、発光した光は誘電体用薄板、絶縁層内を等方的に広がる。ここで、カラーフィルタが光源から離れている場合について考えると、正面から見た場合、発光した場所とカラーフィルタの位置は同じなので、発光した赤色はカラーフィルタを透過して外部に放射される。
【0025】
一方、視点を少し斜めにすると、青色、緑色のカラーフィルタを通して赤色の光をみる位置が存在する。このとき、赤の波長帯はカットされるので、発光していないように見える。見る場所によって一点赤色が光っている画面にもなるし、真っ暗に見えることもある。これは、透過すべきでないカラーフィルタを通して、発光を見る場合に起こる問題である。発光箇所とカラーフィルタの位置が近い場合には、発光した光が近くの透過すべきカラーフィルタを通り、少し遠い透過すべきでないカラーフィルタを通らないので、視野角依存性は存在しない。
【0026】
この視野角依存性が、発光箇所とカラーフィルタの間の隔たりが大きいために起こる現象であることを考慮すると、カラーフィルタは、誘電体用薄板と保護膜の間に配置するのが理想的である。しかし、有機顔料を用いるためには、パネル封着時の高温プロセスに耐えることができないことを考慮する必要がある。無機顔料であれば、理想的な位置に配置することは可能であるが、光学特性がよくないので、有機顔料を用いることが望ましい。
【0027】
視野角依存性が特に問題となるのは、バス電極による発光の遮蔽をできるだけ減らして光の取り出し効率を上げるために、バス電極の幅を細くして、厚くする必要がある場合である。バス電極は各セルに放電電流を供給する働きがあるので、バス電極が細くなると、バス電極の抵抗値が上昇する。そのため、電圧降下(=放電電流×バス電極の抵抗値)が生じて、各セルに所定の電圧が印加できなくなる。従って、バス電極の幅を細くする場合でも、バス電極の抵抗値を同等以下にする必要がある。バス電極を細くしつつ、バス電極の抵抗値を同等以下にするには、バス電極を厚くする(高アスペクト比の形状)必要がある。この結果、バス電極の凹凸が大きくなるため、絶縁層を厚くせざるを得ない。従って、光源(蛍光体面)からカラーフィルタまでの距離が長くなり、視野角依存性が強調される。
【0028】
また、PDPにカラーフィルタを設ける場合は、上述のとおり、有機顔料からなるカラーフィルタを用いることが望ましい。しかし、有機顔料からなるカラーフィルタを用いると、カラーフィルタの構成材料である有機物から放出ガス(例えば炭化水素、炭酸ガス等)が放電空間に入り込み、放出ガスが保護膜に付着することで、保護膜が汚染され、放電開始電圧が上昇する等、放電動作に不都合な影響が及ぼされる。
【0029】
以上のことを考慮して、本発明は、有機顔料からなるカラーフィルタを備えた構成を有し、カラーフィルタからの放出ガスが放電空間に入り込むことを抑制可能なプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【0030】
また、有機顔料からなるカラーフィルタを備えた構成を有し、バス電極の幅を細くして開口率を向上させた場合でも、バス電極の厚みを厚くすることによる視野角依存性への影響を抑制することが可能なプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記課題を解決するために、本発明の第1構成のプラズマディスプレイパネルは、前面側基板上に走査電極および維持電極からなる複数の表示電極対が設けられた前面板と、背面側基板上に前記表示電極対と立体交差する複数のアドレス電極が設けられ、前記アドレス電極と前記表示電極対の交差部に各々放電セルを区画する隔壁が設けられ、前記隔壁間に蛍光体層が設けられた背面板と、前記各放電セルの前記蛍光体層に対応させて前記前面板上に配置されたカラーフィルタと、前記カラーフィルタを被覆して形成され、前記カラーフィルタからの放出ガスの透過を抑制する無機コート層とを備える。
【0032】
また、本発明の第2構成のプラズマディスプレイパネルは、前面側基板上に走査電極および維持電極からなる複数の表示電極対を構成するためのバス電極が設けられた前面板と、背面側基板上に前記表示電極対と立体交差する複数のアドレス電極が設けられ、前記アドレス電極と前記表示電極対の交差部に各々放電セルを区画する隔壁が設けられ、前記隔壁間に蛍光体層が設けられた背面板と、前記前面板と前記背面板の間に配置された誘電体用薄板と、前記複数の表示電極対を構成するように前記バス電極に対応させて前記前面板と前記誘電体用薄板との間に配置された透明電極と、前記各放電セルの前記蛍光体層に対応させて前記前面板と前記誘電体用薄板との間に配置されたカラーフィルタとを備える。
【発明の効果】
【0033】
第1構成によれば、カラーフィルタを被覆する無機コート層を設けることにより、カラーフィルタからの放出ガスの透過を効果的に抑制して、放出ガスが放電空間に入り込むことを回避することができる。また、カラーフィルタを無機コート層に近接した位置に配置することが可能となり、それにより、視野角依存性が低減される。従って、視野角依存性を良好な範囲に維持して、バス電極を細く、厚くし開口率を向上させて、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
【0034】
また上記第2構成によれば、誘電体用薄板により、カラーフィルタからの放出ガスの透過を効果的に抑制することができる。さらに、バス電極を前面側基板上に設けることにより、カラーフィルタを誘電体用薄板に近接した位置に配置することが可能となり、それにより、視野角依存性が低減される。従って、視野角依存性を良好な範囲に維持して、バス電極を細く、厚くし開口率を向上させて、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】本発明の実施の形態1における第1態様のPDPの一部を示す断面図
【図1B】同第2態様のPDPの一部を示す断面図
【図1C】同PDPの要部を示す断面図
【図2A】本発明の実施の形態におけるカラーフィルタの平面形状を示す平面図
【図2B】同カラーフィルタの平面形状の他の例を示す平面図
【図3A】本発明の実施の形態2における第1態様のPDPの一部を示す断面図
【図3B】同第2態様のPDPの一部を示す断面図図
【図4A】本発明の実施の形態3における第1態様のPDPの一部を示す断面図
【図4B】同第2態様のPDPの一部を示す断面図
【図5A】本発明の実施の形態4における第1態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図5B】同第1態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図5C】同第1態様の第3構成例のPDPの一部を示す断面図
【図6A】同第2態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図6B】同第2態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図6C】同第2態様の第3構成例のPDPの一部を示す断面図
【図7A】同第3態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図7B】同第3態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図8A】本発明の実施の形態5における第1態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図8B】同第1態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図8C】同第1態様の第3構成例のPDPの一部を示す断面図
【図9A】同第2態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図9B】同第2態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図9C】同第2態様の第3構成例のPDPの一部を示す断面図
【図10A】同第3態様の第1構成例のPDPの一部を示す断面図
【図10B】同第3態様の第2構成例のPDPの一部を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態6における第1態様のPDPの一部を示す断面図
【図12】同第2態様のPDPの一部を示す断面図
【図13】同第3態様のPDPの一部を示す断面図
【図14】従来例のPDPの一部を前面板1と背面板8を分離した状態で示した斜視図
【図15】図14の前面板1と背面板8が合体された状態を示す断面図
【図16】従来例のPDPの他の構成例の一部示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明のプラズマディスプレイパネルは、上記構成を基本として以下のような態様をとることができる。
【0037】
すなわち、第1構成のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記カラーフィルタは前記前面側基板の面上に設けられ、前記表示電極対は前記カラーフィルタ上に設けられ、前記無機コート層は、前記表示電極対を含む前記カラーフィルタ上に設けられた構成とすることができる。
【0038】
また、前記表示電極対は前記前面側基板の面上に設けられ、前記カラーフィルタは前記表示電極対を覆って前記前面側基板上に設けられ、前記無機コート層は前記カラーフィルタ上に設けられた構成とすることができる。
【0039】
また、前記カラーフィルタの上面及び前記表示電極対の上面の少なくとも一方にオーバーコート層が設けられた構成とすることができる。
【0040】
また、前記無機コート層の前記前面側基板側に有機誘電体層を備えた構成とすることができる。
【0041】
また、第2構成のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記誘電体用薄板上に形成された構成とすることができる。
【0042】
また、前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記カラーフィルタが前記誘電体用薄板の前記バス電極と対向する面上に形成され、前記透明電極が前記カラーフィルタ上または前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成された構成とすることができる。
【0043】
また、前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記カラーフィルタが前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上または前記カラーフィルタ上に形成された構成とすることができる。
【0044】
また、前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記前面側基板上に形成された構成とすることができる。
【0045】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記カラーフィルタが、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に形成され、前記透明電極が、前記バス電極面を含む前記カラーフィルタ上または前記誘電体用薄板の面上に形成された構成とすることができる。
【0046】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記誘電体用薄板上に形成された構成とすることができる。
【0047】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記カラーフィルタが前記誘電体用薄板の前記バス電極と対向する面上に形成され、前記透明電極が前記カラーフィルタ上または前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成された構成とすることができる。
【0048】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記カラーフィルタが前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上または前記カラーフィルタ上に形成された構成とすることができる。
【0049】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記低反射層上に形成された構成とすることができる。
【0050】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に、低反射層及び前記カラーフィルタが順次形成され、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記カラーフィルタ上または前記誘電体用薄板の面上に形成された構成とすることができる。
【0051】
また、前記誘電体用薄板の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された構成とすることができる。
【0052】
また、前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記バス電極面を含む前記前面側基板の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された構成とすることができる。
【0053】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記バス電極面を含む前記低反射層の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された構成とすることができる。
【0054】
また、前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に、前記カラーフィルタ及びオーバーコート層が順次形成され、前記透明電極が、前記バス電極面を含む前記オーバーコート層の面上に形成された構成とすることができる。
【0055】
また、前記前面側基板の屈折率が、前記カラーフィルタの屈折率の1.15倍未満である構成とすることができる。
【0056】
また、前記前面側基板と前記カラーフィルタの間に透明絶縁層が介在し、前記前面側基板及び前記透明絶縁層の屈折率が各々、前記カラーフィルタの屈折率の1.15倍未満である構成とすることができる。
【0057】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態のPDPの基本的な構成は、図14、15、16に示した従来例のPDPと同様である。従って、図16に示した要素と同一の要素については、同一の参照符号を付して説明し、重複した説明を簡略にする。
【0058】
(実施の形態1)
実施の形態1におけるPDPについて、図1A〜図1Cを参照して説明する。図1A及び図1Bはそれぞれ、実施の形態1におけるPDPの2つの構成例の一部を示す断面図である。図1Cは、図1Bにおける要部を示す断面図である。
【0059】
本実施の形態の基本的な構成について、図1Aを参照して説明する。このPDPでは、前面板20aに、前面側基板2、透明電極3a、4a、バス電極3b、4b、有機顔料からなるカラーフィルタ22、及び無機コート層21が含まれる。無機コート層21は、カラーフィルタ22を被覆して形成され、カラーフィルタ22からの放出ガスの透過を抑制して、放電空間14に入り込むのを阻止する機能を持つ。また、放電時に発生する紫外線によりカラーフィルタが変色するのを阻止する機能も持たせることが望ましい。有機顔料からなるカラーフィルタを用いると、放電時に発生する紫外線の影響でカラーフィルタが変色する場合があるからである。
【0060】
透明電極3a、4aとバス電極3b、4bは、従来例と同様、走査電極3および維持電極4からなる複数の表示電極対5を構成する。背面板8は、図14〜図16に示した従来例と同様の構造である。背面板8では、背面側基板9上に表示電極対5と立体交差する複数のアドレス電極10が設けられ、アドレス電極10と表示電極対5の交差部には、各々放電セルを形成するための放電空間14を区画する隔壁12が設けられ、隔壁12間に蛍光体層(図示せず。図14〜図16参照)が設けられている。
【0061】
図1Aに示す第1態様の構成では、カラーフィルタ22は前面側基板2の面上に設けられ、透明電極3a、4aがカラーフィルタ22上に設けられ、バス電極3b、4bは透明電極3a、4a上に設けられる。従って無機コート層21は、透明電極3a、4a及びバス電極3b、4bを含むカラーフィルタ22上に設けられている。
【0062】
一方、図1Bに示す第2態様の構成では、透明電極3a、4aが前面側基板2の面上に設けられ、バス電極3b、4bが透明電極3a、4a上に設けられ、カラーフィルタ22が透明電極3a、4a及びバス電極3b、4bを覆って前面側基板2上に設けられる。従って無機コート層21は、カラーフィルタ22上に設けられている。
【0063】
以上のように無機コート層21を設けた構成を採用するためには、図1C(a)に示すように、カラーフィルタ22の端部(一点鎖線Aで囲った領域)では、なだらかな傾きを持つように形成することが望ましい。この傾きが、図1C(b)のように急峻、あるいは垂直であったり、図1C(c)のように逆の傾きであると、無機コート層21を付設すると応力が発生し割れが発生する場合がある。
【0064】
本実施の形態において、カラーフィルタ22は有機顔料と樹脂を主成分とするが、250℃または300℃までの耐熱性を有する材質を用いることが望ましい。すなわち、無機コート層21(及び後述する保護膜)を、物理気相蒸着、化学気相蒸着またはスパッタリングで成膜できる程度の耐熱性が必要である。
【0065】
無機コート層21には、透明な無機物(例えば、SiO2、Al23、Y23、MgO、CaO、SrO等)を用い、厚さを数μm程度とする。カラーフィルタ22等の有機物から放出するガスが放電空間14に入り込むのを抑制する機能を持たせる。また、放電空間14で放電時に放射される紫外線がカラーフィルタ22等の有機物に当たらないように紫外線をカットする機能も有することが望ましい。例えば、無機コート層がSiO2の場合、PDPの放電時に発生する紫外線のうち短い波長(147nm)は、無機コート層で遮断することができる。ただし、PDPの放電時に発生する紫外線のうち長い波長(173nm)は,無機コート層(SiO2)で遮断することは難しい。そこで、SiO2層を形成した後、さらに紫外線が透過しない層を薄く積層してもよい。すなわち、SiO2の場合は、放電による紫外線(173nm)を、保護膜(MgO、CaO、SrO等)を設けることにより遮断することができる。
【0066】
例えば,無機コート層がY23の場合、PDPの放電時に発生する紫外線のうち短い波長、長い波長ともに、無機コート層で遮断することができる.
カラーフィルタ22は、各放電空間14の蛍光体層に対応させて配置されている。カラーフィルタ22の平面形状を図2Aに示す。赤色フィルタ層22r、青色フィルタ層22b、緑色フィルタ層22g、及びブラックストライプ22kからなる。ブラックストライプ22kは、隔壁12に対応させて配置される。また、カラーフィルタ22の平面形状の他の例を図2Bに示す。赤色フィルタ層22r、青色フィルタ層22b、緑色フィルタ層22g、及びブラックストライプ22kからなる。ブラックストライプ22kは、縦隔壁12のみに対応させて配置される。
【0067】
図1Aの構成における前面板20aを作製するためには、次のような製造方法を用いることができる。まず、前面側基板2に、カラーフィルタ22をフォトリソグラフィ法、あるいはインクジェット法で形成する。例えばカラーフィルタの耐熱温度が250℃であるとする。次に、透明電極3a、4aを形成する領域に、スパッタ等によってITO膜を形成後(250℃未満の温度)、エッチングにより透明電極3a、4aの電極パターンを形成する。次に、バス電極3b、4bを形成する領域に、スパッタ等によって金属膜(Cr/Cu/Cr等)を形成後(250℃未満の温度)、エッチングによりバス電極3b、4bの電極パターンを形成する。無機コート層21を形成するためには、カラーフィルタ22が形成された領域を十分覆う範囲に、化学気相蒸着またはスパッタで、SiO2等の膜を形成する(250℃未満の温度)。
【0068】
図1Bの構成における前面板20bを作製するためには、次のような製造方法を用いることができる。まず、バス電極3b、4bの作成までは従来と同様のプロセスでよいため、説明を省略する。次に、カラーフィルタ22をフォトリソグラフィ法、あるいはインクジェット法で形成する。更に、上述の図1Aの構成の場合と同様にして、無機コート層21を形成する。
【0069】
以上のように前面板20aあるいは20dを作製した後の、PDP作製のプロセスは、以下のようにすることができる。まず、作成した前面板20aあるいは20dに保護膜を蒸着(250℃未満の温度)した後、大気に暴露することなく、雰囲気を制御した空間で、前面板20aあるいは20dと背面板8とを位置あわせする。
【0070】
次に、雰囲気を制御した空間で背面板8に形成したシールペーストを例えば、レーザー等で局部加熱して、前面板と背面板を封着する。その際、カラーフィルタ22が形成された領域の温度は250℃未満の温度(基本は常温)に維持する。次に、排気後、ガスを入れて排気管をチップオフする。排気管はあらかじめ背面基板9に接続しておくとよい。
【0071】
雰囲気を制御した空間ではない場所、例えば、大気中でパネルの組み立て、封着工程を行うと、保護膜が水酸化する。一般的には排気しながら加熱して、保護膜の水酸化を戻す工程が入る。例えばMgOの場合、300℃以上の温度にする必要がある。
【0072】
本実施の形態では、保護膜蒸着後は、雰囲気を制御した空間でパネル化を行うことにより、保護膜の水酸化を戻す工程が必要なく、250℃未満の温度で工程を行なうことができる。このように、すべての工程で250℃未満の温度で作成することで、カラーフィルタ22のプロセス劣化なしにPDPを作製することができる。なお、カラーフィルタは赤外線を透過しないようにしてもよい。それにより、前面側基板2に赤外線カットフィルタを設けることが不要になる。
【0073】
(実施の形態2)
実施の形態2におけるPDPについて、図3A及び図3Bを参照して説明する。図3A及び図3Bはそれぞれ、実施の形態2におけるPDPの2つの構成例の一部を示す断面図である。
【0074】
本実施の形態は、実施の形態1の構成に対して、オーバーコート層23a、23bを追加した点が特徴である。オーバーコート層23a、23bは、カラーフィルタ22の表面を平坦化するために形成される。カラーフィルタ22の平坦性が悪い(凹凸が大きい)と、カラーフィルタ22上に透明電極3a、4aを形成し難くなるからである。
【0075】
図3Aに示す第1態様の構成は、実施の形態1の図1Aに示した構成に対応する。すなわち、前面板20cでは、カラーフィルタ22が前面側基板2の面上に設けられ、その上にオーバーコート層23aが形成される。オーバーコート層23aの上に、透明電極3a、4a、及びバス電極3b、4bが順次形成され、その上に、オーバーコート層23bが形成される。従って無機コート層21は、オーバーコート層23b上に設けられている。
【0076】
一方、図3Bに示す第2態様の構成は、実施の形態1の図1Bに示した構成に対応する。すなわち、前面板20dでは、透明電極3a、4a及びバス電極3b、4bが前面側基板2の面上に順次形成され、その上にオーバーコート層23cが形成される。オーバーコート層23cの上にカラーフィルタ22が形成され、その上に、オーバーコート層23dが形成される。従って無機コート層21は、オーバーコート層23d上に設けられている。
【0077】
以上のように、オーバーコート層23a〜23dを形成することにより、凹凸を緩和することができる。次のプロセスで完全に凹凸に沿って要素を形成できればよいが、形成できない場合、空間ができることになる。その状態でパネル駆動時に強電界が印加されると、絶縁破壊が発生する。オーバーコート層23a〜23dを設ければ、そのような事態の発生を抑制できる。
【0078】
オーバーコート層23a〜23dは、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂で形成され、透明である。厚さは2μm程度とする。250℃あるいは300℃の耐熱性を有する。
【0079】
カラーフィルタ22前段のオーバーコート層23a、23dの場合、カラーフィルタ22と同程度の屈折率にすることで、オーバーコート層23a、23dとカラーフィルタ22の界面において外光が全反射することを抑制することができる。
【0080】
オーバーコート層23a〜23dは、スリットコータ等の印刷装置を用いて形成することができる(250℃未満の温度)。また、本実施の形態の構成によれば、オーバーコート層23a〜23d、カラーフィルタ22などの有機系の物質を覆う無機コート層21の形成を、それぞれの工程で行わず、一括して行うことで工程の短縮化を図ることができる。
【0081】
実施の形態1と同様、カラーフィルタ22、オーバーコート層23a〜23dの端部はなだらかな傾きをもつようにする。
【0082】
(実施の形態3)
実施の形態3におけるPDPについて、図4A及び図4Bを参照して説明する。図4A及び図4Bはそれぞれ、実施の形態3におけるPDPの2つの構成例の一部を示す断面図である。
【0083】
本実施の形態は、実施の形態2の構成に対して、有機誘電体層24を追加した点が特徴である。有機誘電体層24は、電極上の誘電体層の厚みを補償して、絶縁耐圧を確保するために形成される。詳細については後述する。
【0084】
図4Aに示す第1態様の構成は、実施の形態2の図3Aに示した構成に対応する。すなわち、前面板20eでは、カラーフィルタ22が前面側基板2の面上に設けられ、その上にオーバーコート層23aが形成される。オーバーコート層23aの上に、透明電極3a、4a、及びバス電極3b、4bが順次形成され、その上に、オーバーコート層23bが形成される。更に、オーバーコート層23b上に有機誘電体層24が形成され、その上に無機コート層21が設けられている。
【0085】
一方、図4Bに示す第2態様の構成は、実施の形態2の図3Bに示した構成に対応する。すなわち、前面板20fでは、透明電極3a、4a及びバス電極3b、4bが前面側基板2の面上に順次形成され、その上にオーバーコート層23cが形成される。オーバーコート層23cの上にカラーフィルタ22が形成され、その上に、オーバーコート層23dが形成される。更に、オーバーコート層23d上に有機誘電体層24が形成され、その上に無機コート層21が設けられている。
【0086】
なお、図4A、Bでは,有機誘電体層は無機コート層の直下に配置されているが、有機誘電体層とカラーフィルタの位置関係を反対にしてもよい。それにより、カラーフィルタと発光源を近づけることができる。
【0087】
有機誘電体層24は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはポリイミド系樹脂で形成され、透明である。厚さは10〜20μm程度とする。250℃または300℃程度の耐熱性を有することが望ましい。
【0088】
以下に、有機誘電体層24を設けることによって得られる機能としての、絶縁耐圧の確保について説明する。例えば、実施の形態2における図3Aの第1態様の構造の場合、無機コート層21、オーバーコート層23bが放電空間側の誘電体層の代替要素として機能する。また、図3Bの第2態様の構造の場合は、オーバーコート層23c、23d、カラーフィルタ22及び無機コート層21が放電空間側の誘電体層の代替要素として機能する。それにより、パネル駆動時に印加される強電界に耐えることができる。
【0089】
絶縁破壊を起こさないためには、ある一定以上の誘電体層の厚さが必要である。ところが、無機コート層21をスパッタや化学気相蒸着等で形成する場合は、成膜に時間がかかる。一方、カラーフィルタ22は、色ごとにパターニング形成する必要があり、特に厚いものをフォトレジスト法で形成するのは難しい。また、カラーフィルタ22を厚くすると、透過率が低下する。従って、カラーフィルタ22の光学特性を犠牲にすることなく、絶縁破壊が起こらないような厚さの誘電体層を形成することは難しい。むしろ、カラーフィルタ22は、光学特性を重視して、厚さは色ごとに特性を引き出すのに最適な値にすべきである。
【0090】
また、オーバーコート層23b、23c、23dは、電極、カラーフィルタ22の凹凸を抑制する働きをするので、凹凸に隙間なく入ることが求められる。つまり、オーバーコート層23b、23c、23dの粘度は低いことが望ましい。しかし、粘土の低いものを厚く形成することは難しい。
【0091】
誘電体層は更に、放電開始電圧、壁電荷の蓄積量を決める重要な構成要素である。すなわち、放電開始電圧を低くするには、誘電体層の厚さをできるだけ薄くする必要がある。壁電荷の蓄積量は、誘電体層の容量に比例し、誘電体層の容量は、誘電体層の厚さと誘電率で決まる。壁電荷の蓄積量を適切にすることにより、発光効率、輝度、駆動マージンを確保することができる。以上のように、絶縁耐圧を確保するためには誘電体層に最低限の厚さが必要であり、しかも、壁電荷の蓄積量を適切な値にして放電開始電圧ができるだけ低くなるように、誘電体層の厚さを設定する必要がある。
【0092】
上述のとおり、無機コート層21、オーバーコート層23b、23c、23d、カラーフィルタ22については、それぞれの固有の特性を引き出すための材料が決まる。このとき、さらに、厚さ、壁電荷量も考慮して設計する場合、材料の選定幅が狭まるため、それぞれ固有の特性を得難くなる。そこで、有機誘電体層24を導入することで、有機誘電体層によりパネルの壁電荷量および厚さをコントロールすることを可能とする。
【0093】
具体的には、無機コート層21、オーバーコート層23b〜23d、カラーフィルタ22の厚さを薄くし、有機誘電体層24を厚くする。それにより、誘電体の代わりとなる部分の厚さを支配するのは有機誘電体層となる。また、無機コート層21、オーバーコート層23b〜23d、カラーフィルタ22の厚さを薄くすることにより、それぞれの容量は大きな値になる。有機誘電体層24は、無機コート層21、オーバーコート層23b〜23d、カラーフィルタ22の厚さよりも厚いので、容量が小さくなる。さらに誘電率も低くすることで、無機コート層21、オーバーコート層23b〜23d、カラーフィルタ22のそれぞれの容量より小さくすることができる。
【0094】
壁電荷量を決めるのは、誘電体の代わりとなる層すべての合成容量である。無機コート層21、オーバーコート層23b〜23d、カラーフィルタ22、有機誘電体層24の容量はそれぞれ直列に構成されるので、一番容量の小さいものに支配される。つまり、有機誘電体層24に支配される。従って、有機誘電体層24で壁電荷量をコントロールすることができる。特にカラーフィルタの場合、色ごとに材料が異なるので、容量(厚さ、誘電率)が色ごとに異なると、色ごと(放電セルごと)の放電電圧のバラツキが生じやすい。これに対して本実施の形態のように、有機誘電体層により厚さ、壁電荷量をコントロールすることにより、色ごとのバラツキは抑制される。
【0095】
実施の形態3では、実施の形態1、2と違い、有機誘電体層24がある程度の厚さを有することで、絶縁破壊を抑制する。厚さと誘電率を制御することで、壁電荷量をコントロールすることができるので、壁電荷量、絶縁破壊を気にすることなく、カラーフィルタ22、無機コート層21、オーバーコート層23a〜23dには、それぞれの特性が最も発揮できるような材料を選べばよく、材料選定幅が広がる。
【0096】
有機誘電体層24は、スリットコータ等の印刷装置を用いて形成することができる。また、本実施の形態の構成によれば、有機誘電体層24、オーバーコート層23a〜23d、カラーフィルタ層22などの有機系の物質を覆う無機コート層21の形成をそれぞれの工程で行わず、一括して行うことで工程の短縮化をすることができる。
【0097】
また、実施の形態1と同様、カラーフィルタ、オーバーコート層、有機誘電体層の端部は、なだらかな傾きをもつようにする。
【0098】
(実施の形態4)
実施の形態4におけるPDPについて、図5A〜図7Bを参照して説明する。図5A〜図5Cは、実施の形態4における第1態様の3つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。図6A〜図6Cは、第2態様の3つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。図7A〜図7Bは、第3態様の2つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。
【0099】
本実施の形態は、実施の形態1〜3の場合の無機コート層21を設けた構造に代えて、誘電体用薄板を用いた構造により、カラーフィルタからの放出ガスの透過を抑制と、放電時に発生する紫外線によるカラーフィルタの変色を抑制することを特徴とする。無機コート層21を設けた構造では、低温プロセスを適応せざるを得ないのに対して、誘電体用薄板を用いた構造によれば、プロセス温度を考慮する必要を解消して、カラーフィルタの材料の選定範囲を広げる効果が得られる。
【0100】
また、誘電体用薄板を用いた構造によれば、前面側基板に有機物を用いることが出来るので、カラーフィルタとの屈折率を近づけやすい効果も得られる。すなわち、無機コート層を用いた構造では、封着時に温度が上がるため前面側基板を有機物で作り難いのに対して、誘電体用薄板を用いた構造の場合は、背面板と誘電体用薄板を封着するときは高温となるが,前面側基板と誘電体用薄板を含む背面板との接着時には低温で処理可能だからである。
【0101】
<実施の形態4における基本構成>
実施の形態4のPDPに共通の基本構成について、図5Aを参照して説明する。まず、前面板20gは、基本構成として、透明で絶縁性を有する前面側基板25と、その内面側に設けられたバス電極3b、4bとを含む。
【0102】
背面板8は、図14〜図16に示した従来例と同様の構造である。更に、前面板20gと背面板8の間に、誘電体用薄板17が配置されている。すなわち、背面板8の上部が誘電体用薄板17により封止された「背面側構造体」が形成される。そして、前面板20aと誘電体用薄板17との間に、様々な態様で、透明電極3a、4aと、カラーフィルタ22が配置される。
【0103】
要するに、実施の形態4の基本構成は、前面板(前面側基板+バス電極)と、背面側構造体(背面板+誘電体用薄板)の間に、透明電極及びカラーフィルタが配置された構成である。但し、透明電極とカラーフィルタを組合わせた構造体が形成される意味ではなく、透明電極及びカラーフィルタがそれぞれ、前面板の内面側、あるいは背面側構造体のいずれかの位置に配置されることを意味する。
【0104】
透明電極3a、4aとバス電極3b、4bは、従来例と同様、走査電極3および維持電極4からなる複数の表示電極対5を構成する。背面板8では、背面側基板9上に表示電極対5と立体交差する複数のアドレス電極10が設けられ、アドレス電極10と表示電極対5の交差部には、各々放電セルを形成するための放電空間14を区画する隔壁12が設けられ、隔壁12間に蛍光体層(図示せず。図14〜図16参照)が設けられている。
【0105】
上記構成のPDPを作製するためには、従来周知の製造工程を一部変更して適用することができる。先ず、背面板8を作製するために、背面側基板9にアドレス電極10、隔壁12、及び蛍光体層を、それぞれスクリーン印刷法、サンドブラスト法により形成する。また、誘電体用薄板17の上にMgO保護膜(図示せず)を形成する。MgO保護膜は、誘電体用薄板の保護膜を付けるべき範囲に電子線蒸着法により形成する。さらに、前面板20gを作製するために、前面側基板25の内部側の面にバス電極3b、4b(構成例によっては透明電極3a、4aも)を形成する。この工程については後述する。
【0106】
その後、MgO保護膜が形成された誘電体用薄板17を、背面板8の隔壁12と密着させて低融点ガラス(図示せず)により封着し、放電ガスを満たしてチップオフする。その後、誘電体用薄板17上に、カラーフィルタ22(構成例によっては透明電極3a、4aも)を形成する。次に、背面板8上に封着された誘電体用薄板17と前面板20gとを、例えば、常温下で接着剤により貼り合わせてパネル化する。
【0107】
以上のように、カラーフィルタ22は、チップオフした後に、誘電体用薄板17にインクジェット等で直描して形成することができる。従って、封着後にカラーフィルタ22を形成できるので、有機顔料を用いることができる。また、封着後に、カラーフィルタ22を形成することにより、封着によるアライメントずれを回避することができる。すなわち、封着前に固体のシールフリットがある状態で位置をあわせても、封着時にシールフリットが溶けて形が変わり、その時に位置ずれを起こす可能性があるが、上記のようにカラーフィルタ22を形成すれば、封着時にアライメントずれが発生することはない。なお、カラーフィルタ22には上述のとおりブラックストライプを含み、縦隔壁と横隔壁の頂部の位置、すなわち画素の境目に形成される。またはブラックストライプを含み、縦隔壁の頂部の位置にのみ形成されてもよい。
【0108】
<実施の形態4の第1態様>
次に、図5A〜図5Cを参照して、実施の形態4の第1態様の3つの構成例について説明する。第1態様のPDPでは、バス電極3b、4bが表面のみを露出させて前面側基板25中に埋め込まれており、カラーフィルタ22がバス電極3b、4bと対向する誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0109】
図5Aに示す第1態様の第1構成例では、透明電極3a、4aは、誘電体用薄板17の面上に形成され、カラーフィルタ22は、透明電極3a、4aを覆って誘電体用薄板17上に形成されている。
【0110】
図5Bに示す第1態様の第2構成例では、カラーフィルタ22は、誘電体用薄板17の面上に形成され、透明電極3a、4aは、カラーフィルタ22上に形成されている。
【0111】
図5Cに示す第1態様の第3構成例では、カラーフィルタ22は、誘電体用薄板17の面上に形成され、透明電極3a、4aは、バス電極3b、4b面を含む前面側基板25上に形成されている。
【0112】
なお、前面板20gと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20gと誘電体用薄板17上のカラーフィルタ22の間、第2構成例では前面板20gと誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間、第3構成例では前面板20g上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17上のカラーフィルタ22の間が接合箇所になり、パネルの周辺を接着剤で接合する。接着剤とカラーフィルタの間で全反射が起こらないような接着剤、つまり屈折率がカラーフィルタと近い接着剤の場合は、パネル全体を接着剤で接合してもよい。これにより、カラーフィルタに外光が入射するので、外光反射を抑制することができ、カラーフィルタを設けることによる明所コントラストの低下を抑制することができる。
【0113】
すなわち、明所コントラストは、明るい空間における最も暗い輝度に対する最も明るい輝度の比率である。最も暗い輝度は、通常、黒表示したときのパネルの輝度であり、パネルから発せられる輝度は微々たるものであり、明るい空間での外光による反射が支配的になる。従って、外光の反射を抑えることができれば、最も暗い輝度が低くなるので、結果的に明所コントラストが上昇する。以上より、明所コントラストを上昇させるためにカラーフィルタを用いるときには、特定波長帯域以外の透過率を減少させることが重要である。
【0114】
なお、実施の形態4の第1態様において(図5A)、透明電極3a、4aとバス電極3b、4bはカラーフィルタ22を介して配置されており、直接接続されていない状態となっているが、駆動回路によってバス電極3b、4bに印加された電圧は、カラーフィルタ22を介した容量結合によって透明電極3a、4aにも印加される。以下の各種の構成例において、透明電極3a、4aとバス電極3b、4bが、カラーフィルタ22を介して配置されている場合も同様である。
【0115】
<実施の形態4の第2態様>
次に、図6A〜図6Cを参照して、実施の形態4の第2態様の3つの構成例について説明する。第2態様のPDPにおいても、バス電極3b、4bが表面のみを露出させて前面側基板25中に埋め込まれている。第1態様と相違する点は、カラーフィルタ22がバス電極3b、4b面を含む前面側基板25上に形成されていることである。
【0116】
図6Aに示す第1態様の第1構成例では、透明電極3a、4aが、誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0117】
図6Bに示す第1態様の第2構成例では、透明電極3a、4aが、前面側基板25上のカラーフィルタ22上に形成されている。
【0118】
図6Cに示す第1態様の第3構成例では、透明電極3a、4aは、バス電極3b、4b面を含む前面側基板25上に形成され、カラーフィルタ22が透明電極3a、4aを覆って前面側基板25上に形成されている。
【0119】
なお、前面板20gと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20g上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間、第2構成例では前面板20g上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間、第3構成例では前面板20g上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17の間が接合箇所になる。前面側基板25と背面板8は、パネルの周辺部またはパネル全体を、接着剤を使って接合する。接着層は、カラーフィルタ22の透過後の位置に形成されるので、パネル全体に接着層が形成されて、カラーフィルタと接着層の界面で全反射が起こったとしても、カラーフィルタによって、外光は十分減衰しているので、明所コントラストの低下は起こらない。
【0120】
<実施の形態4の第3態様>
次に、図7A〜図7Bを参照して、実施の形態4の第3態様の2つの構成例について説明する。第3態様のPDPにおいては、前面板20hを構成するバス電極3b、4bは埋め込みではなく、前面側基板2の内側面上に形成され、カラーフィルタ22が、前面側基板面2上のバス電極3b、4bの間に形成されている。カラーフィルタ22とバス電極3b、4bの高さは揃えられている。
【0121】
図7Aに示す第1構成例では、透明電極3a、4aが、バス電極3b、4b面を含むカラーフィルタ22上に形成されている。
【0122】
図7Bに示す第2構成例では、透明電極3a、4aは、誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0123】
なお、前面板20hと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間、第2構成例では前面板20h上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間が接合箇所になる。前面側基板25と背面板8は、パネルの周辺部またはパネル全体を、接着剤を使って接合する。
【0124】
<実施の形態4における要素部材の説明>
以上のようなPDPを構成するための要素部材の例について、以下に説明する。
【0125】
前面板20gを形成するための前面側基板25は、透明な基板であって、カラーフィルタ22と同程度の屈折率を有する材質を用いることが望ましい。バス電極3b、4bを埋め込んだ構造の前面板20gの場合は、前面側基板25上にバス電極3b、4bを形成し、バス電極とバス電極の間を前面側基板25と同じ材質で埋める。
【0126】
バス電極3b、4bとしては、抵抗の低い銀、アルミニウム、銅等の単層構成膜、あるいはクロムと銅の2層構成、あるいはクロムと銅とクロムの3層構成等の積層構成膜を、印刷・焼成やスパッタリング法等の薄膜形成技術を用いて形成することができる。
【0127】
誘電体用薄板17としては、例えば、二酸化シリコン(SiO2)と三酸化硼素(B23)を主成分とする硼珪酸ガラス、BaOとAl23を多く含んだ硼珪酸系無アルカリガラスなどの薄い誘電体シートを用いる。厚みは、10〜40μm程度で最大でも50μm程度である。あるいは、厚い誘電体シートを使用して、封着し、その後、研磨して薄く(10〜40um)して誘電体用薄板17としてもよい。
【0128】
接着層は透明で絶縁性を有するものである。例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などである。
【0129】
カラーフィルタ22は、厚さは数μmとする。液晶ディスプレイで使われている有機顔料を用いたカラーフィルタを用いることができる。赤・青・緑で、色と色の間は黒色にする。赤外線を透過しないようにしてもよい。それにより、前面側基板25に赤外線カットフィルタを設けることが不要になる。
【0130】
透明電極3a、4aとしては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。数百nm程度の厚さなので、段差の影響はない。
【0131】
また、前面側基板25に機能を持たせてもよい。例えば、外部の衝撃から保護するための保護基板、バス電極の上に配置するブラックストライプ、反射防止フィルム、電磁波シールド、紫外線防止フィルム(カラーフィルタ等の有機物の劣化防止)等である。
【0132】
(実施の形態5)
実施の形態5におけるPDPについて、図8A〜図10Bを参照して説明する。図8A〜図8Cは、実施の形態5における第1態様の3つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。図9A〜図9Cは、第2態様の3つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。図10A〜図10Bは、第3態様の2つの構成例のPDPの一部を示す断面図である。
【0133】
<実施の形態5における基本構成>
実施の形態5のPDPに共通の基本構成について、図8Aを参照して説明する。まず、前面板20hは、前面側基板2と、その内面側に設けられたバス電極3b、4bと、バス電極3b、4bの間に形成された低反射層26からなる。
【0134】
背面板8の上部が誘電体用薄板17により封止された背面側構造体の構成は、実施の形態4と同様である。そして、前面板20hと誘電体用薄板17との間に、様々な態様で、透明電極3a、4aと、カラーフィルタ22が配置されている。
【0135】
要するに、実施の形態5の基本構成は、前面板(前面側基板+バス電極+低反射層)と、背面側構造体(背面板+誘電体用薄板)の間に、透明電極及びカラーフィルタが配置された構成である。
【0136】
バス電極3b、4bが細く、厚くなると、実施の形態4の第3態様の場合、カラーフィルタ22の厚さが必然的に厚くなる。カラーフィルタ22が厚くなると、透過率が低下するので、蛍光体による発光の透過量が低減し、輝度が低下する。バス電極3b、4bの間に低反射層を形成することにより、カラーフィルタ22を厚くする必要がないので、この問題を抑制する。また、バス電極3b、4bを埋め込むような特殊な処理が不要になる。
【0137】
上記構成のPDPを作製するためには、実施の形態4について説明した製造工程と同様の工程を採用することができる。
【0138】
<実施の形態5の第1態様>
次に、図8A〜図8Cを参照して、実施の形態5の第1態様の3つの構成例について説明する。第1態様のPDPでは、カラーフィルタ22がバス電極3b、4bと対向する誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0139】
図8Aに示す第1態様の第1構成例では、透明電極3a、4aは、誘電体用薄板17の面上に形成され、カラーフィルタ22は、透明電極3a、4aを覆って誘電体用薄板17上に形成されている。
【0140】
図8Bに示す第2構成例では、カラーフィルタ22は、誘電体用薄板17の面上に形成され、透明電極3a、4aは、カラーフィルタ22上に形成されている。
【0141】
図8Cに示す第3構成例では、カラーフィルタ22は、誘電体用薄板17の面上に形成され、透明電極3a、4aは、バス電極3b、4b面を含む低反射層26上に形成されている。
【0142】
なお、前面板20hと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20hと誘電体用薄板17上のカラーフィルタ22の間、第2構成例では前面板20hと誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間、第3構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17上のカラーフィルタ22の間が接合箇所になり、パネルの周辺を接着剤で接合する。接着剤とカラーフィルタの間で全反射が起こらないような接着剤、つまり屈折率がカラーフィルタと近い接着剤の場合は、パネル全体を接着剤で接合してもよい。低反射層26が接着剤の役目を果たす場合は、パネル全体で接合することもできる。
【0143】
<実施の形態5の第2態様>
次に、図9A〜図9Cを参照して、実施の形態5の第2態様の3つの構成例について説明する。第2態様のPDPにおいては、カラーフィルタ22がバス電極3b、4b面を含む低反射層26上に形成されている。バス電極3b、4bと低反射層26が同一の高さになるように設定する。
【0144】
図9Aに示す第2態様の第1構成例では、透明電極3a、4aが、誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0145】
図9Bに示す第2構成例では、透明電極3a、4aが、カラーフィルタ22上に形成されている。
【0146】
図9Cに示す第3構成例では、透明電極3a、4aは、バス電極3b、4b面を含む低反射層26上に形成され、カラーフィルタ22が透明電極3a、4aを覆って低反射層26上に形成されている。
【0147】
なお、前面板20hと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20h上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間、第2構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間、第3構成例では前面板20h上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17の間が接合箇所になる。前面側基板25と背面板8は、パネルの周辺部またはパネル全体を、接着剤を使って接合する。
【0148】
<実施の形態5の第3態様>
次に、図10A〜図10Bを参照して、実施の形態5の第3態様の2つの構成例について説明する。第3態様のPDPにおいては、前面側基板面2上のバス電極3b、4bの間に、低反射層26及びカラーフィルタ22が順次形成されている。カラーフィルタ22とバス電極3b、4bの高さは揃えられている。バス電極3b、4bの隙間の途中の高さまで低反射層26を形成し、残りはカラーフィルタ22を形成する。カラーフィルタとバス電極の高さは揃える。カラーフィルタの厚さをより厚くしなくてもよいので、輝度低下を抑制できる。
【0149】
図10Aに示す第1構成例では、透明電極3a、4aが、バス電極3b、4b面を含むカラーフィルタ22上に形成されている。
【0150】
図10Bに示す第2構成例では、透明電極3a、4aは、誘電体用薄板17の面上に形成されている。
【0151】
なお、前面板20hと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間、第2構成例では前面板20h上のカラーフィルタ22と誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間が接合箇所になる。前面側基板25と背面板8は、パネルの周辺部またはパネル全体を、接着剤を使って接合する。
【0152】
<実施の形態5の要素部材の説明>
低反射層26は、透明な絶縁物、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等をベースとした材質により形成することができる。前面側基板25と同じ材質である必要はない。接着剤の機能を持っていてもよく、その場合、別途接着剤を用いることが不要になる。
【0153】
低反射層26の機能のためには、屈折率がカラーフィルタ22に近い材質を用いる。また、低反射層26内の屈折率を均一化せず、部分的に変化させることが望ましい。例えば、前面側基板25の屈折率Aとカラーフィルタ22の屈折率Bに対して、AからBに屈折率が変化するようにする。そのために、例えば低反射層26を、屈折率が異なる複数の層の積層構造として順々に屈折率が変化するようにする。
【0154】
(実施の形態6)
実施の形態6におけるPDPについて、図11〜図13を参照して説明する。図11〜図13は、実施の形態6における第1〜第3態様のPDPの一部を示す断面図である。
【0155】
<実施の形態6における基本構成>
実施の形態6のPDPに共通の基本構成について、図11を参照して説明する。本実施の形態におけるPDPの基本構成は、実施の形態4または5と同様である。本実施の形態の特徴は、カラーフィルタ22の表面を覆ってオーバーコート層23eが形成されていることである。
【0156】
従って、実施の形態6の基本構成は、前面板(前面側基板+バス電極(+低反射層))と、背面側構造体(背面板+誘電体用薄板)の間に、透明電極及び(カラーフィルタ+オーバーコート層)が配置された構成である。
【0157】
オーバーコート層23eは、実施の形態2の場合と同様、カラーフィルタ22の表面を平坦化するために形成される。
【0158】
上記構成のPDPを作製するためには、実施の形態4について説明した製造工程と同様の工程を採用することができる。
【0159】
<実施の形態6の第1〜第3態様>
図11〜図12を参照して、実施の形態6の3つの態様について説明する。
【0160】
図11に示す第1態様では、誘電体用薄板17の面上にカラーフィルタ22が形成され、カラーフィルタ22を覆ってオーバーコート23e層が形成され、オーバーコート層23eの面上に透明電極3a、4aが形成されている。カラーフィルタ22は、インクジェット等で直描して形成することができる。
【0161】
図12に示す第2態様では、バス電極3b、4b面を含む低反射層26の面上にカラーフィルタ22が形成され、カラーフィルタ22を覆ってオーバーコート層23fが形成され、オーバーコート層23fの面上に透明電極3b、4bが形成されている。
【0162】
図13に示す第3態様では、前面側基板面2上のバス電極3b、4bの間に、低反射層26、カラーフィルタ22及びオーバーコート層23gが順次形成されている。オーバーコート層23gとバス電極3b、4bの高さは揃えられている。バス電極3b、4bを含むオーバーコート層23gの面上に透明電極3b、4bが形成されている。
【0163】
なお、前面板20hと背面板8の接合は以下のように行う。すなわち、第1構成例では前面板20hと誘電体用薄板17上の透明電極3a、4aの間が接合箇所になり、パネルの周辺を接着剤で接合する。接着剤とカラーフィルタの間で全反射が起こらないような接着剤、つまり屈折率がカラーフィルタと近い接着剤の場合は、パネル全体を接着剤で接合してもよい。低反射層26が接着剤の役目を果たす場合は、パネル全体で接合することもできる。第2構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間、第3構成例では前面板20h上の透明電極3a、4aと誘電体用薄板17の間が接合箇所になり、パネルの周辺部またはパネル全体を、接着剤を使って接合する。
【0164】
なお、実施の形態6の第2態様において(図12)、透明電極3a、4aとバス電極3b、4bは、カラーフィルタ22及びオーバーコート層23fを介して配置されており、直接接続されていない状態となっているが、駆動回路によってバス電極3b、4bに印加された電圧は、カラーフィルタ22及びオーバーコート層23fを介した容量結合によって透明電極3a、4aにも印加される。
【0165】
<実施の形態6の要素部材の説明>
オーバーコート層23e〜23gは、透明な絶縁物を材質とする。第1形態の場合は、屈折率がカラーフィルタ22に近いことが望ましい。一般的な材料として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂をベースとした熱硬化性タイプのものを用いることができる。
【0166】
(実施の形態7)
実施の形態7におけるPDPについては、上述の実施の形態1〜6と同様の構造を用いることができる。従って、それらの実施の形態を示す図面を参照して、本実施の形態について説明する。本実施の形態の特徴は、大きな入射角の外光がカラーフィルタの界面で全反射することに起因する明所コントラストの低下を抑制するために、カラーフィルタ22の屈折率と前面側でカラーフィルタ22に隣接する要素部材の屈折率の関係を規定したことである。
【0167】
外光の反射による明所コントラストの低下を抑制するには、外光がパネルに入射するとき、前面側基板を透過した後、更にカラーフィルタを透過することが望ましい。しかし、臨界角以上で外光が入射すると、前面側基板とカラーフィルタの界面で全反射が起こるため、カラーフィルタによる外光の減衰効果なしに、すべての光が反射されてしまい、明所コントラストが低下する。臨界角が小さい場合は、いろいろな角度で入射する外光のほとんど全てについて全反射が発生することになり、明所コントラストを低下させる影響が大きい。
【0168】
そこで、本実施の形態では、カラーフィルタを備えたことに起因するカラーフィルタ透過前の外光反射を抑制して、明所コントラストを向上させるために、カラーフィルタ22の前面側の要素部材とカラーフィルタ22の界面における臨界角を大きく設定する。すなわち、前面側基板2、25とカラーフィルタ22の屈折率を同程度にする。前面側基板2、25とカラーフィルタ22の間に透明絶縁層が介在する場合は、前面側基板2、25と透明絶縁層とカラーフィルタ22の屈折率を同程度にする。
【0169】
具体的には、前面側基板2、25の屈折率を、カラーフィルタ22の屈折率の1.15倍未満とする。あるいは、前面側基板2、25とカラーフィルタ22の間に透明絶縁層(低反射層、接着層、オーバーコート層、有機誘電体層等)が介在する場合は、前面側基板2、21及び透明絶縁層の屈折率を各々、カラーフィルタ22の屈折率の1.15倍未満とする。これにより、従来のガラス基板とカラーフィルタの材質から決まる臨界角である58°より十分に大なき臨界角θが得られ、明所コントラストの低下が、実用上十分に抑制されたPDPを得ることができる。特に、有機顔料を用いたカラーフィルタを用いているため、カラーフィルタと前面側基板との屈折率を近づけるには、前面側基板を有機物系の透明基板の方が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明のPDPは、有機顔料からなるカラーフィルタを備えた構成を有し、カラーフィルタからの放出ガスが放電空間に入り込むことが抑制されるとともに、低いプロセス温度を用いて作製することが可能であって、壁掛けテレビや大型モニターとして有用である。
【符号の説明】
【0171】
1、20a〜20h 前面板
2、25 前面側基板
3 走査電極
3a、4a 透明電極
3b、4b バス電極
4 維持電極
5 表示電極対
6 前面側誘電体層
7 保護膜
8 背面板
9 背面側基板
10 アドレス電極
11 背面側誘電体層
12 隔壁
12a 縦隔壁
12b 横隔壁
13 蛍光体層
13r 赤色(R)蛍光体層
13g 緑色(G)蛍光体層
13b 青色(B)蛍光体層
14 放電空間
15 放電セル
16 ブラックストライプ
17 誘電体用薄板
18 絶縁被覆膜
19 間隙
21 無機コート層
22 カラーフィルタ
23、23a、23b、23c、23d オーバーコート層
24 有機誘電体層
26 低反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側基板上に走査電極および維持電極からなる複数の表示電極対が設けられた前面板と、
背面側基板上に前記表示電極対と立体交差する複数のアドレス電極が設けられ、前記アドレス電極と前記表示電極対の交差部に各々放電セルを区画する隔壁が設けられ、前記隔壁間に蛍光体層が設けられた背面板と、
前記各放電セルの前記蛍光体層に対応させて前記前面板上に配置されたカラーフィルタと、
前記カラーフィルタを被覆して形成され、前記カラーフィルタからの放出ガスの透過を抑制する無機コート層とを備えたプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記カラーフィルタは前記前面側基板の面上に設けられ、
前記表示電極対は前記カラーフィルタ上に設けられ、
前記無機コート層は、前記表示電極対を含む前記カラーフィルタ上に設けられた請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記表示電極対は前記前面側基板の面上に設けられ、
前記カラーフィルタは前記表示電極対を覆って前記前面側基板上に設けられ、
前記無機コート層は前記カラーフィルタ上に設けられた請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記カラーフィルタの上面及び前記表示電極対の上面の少なくとも一方にオーバーコート層が設けられた請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記無機コート層の前記前面側基板側に有機誘電体層を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前面側基板上に走査電極および維持電極からなる複数の表示電極対を構成するためのバス電極が設けられた前面板と、
背面側基板上に前記表示電極対と立体交差する複数のアドレス電極が設けられ、前記アドレス電極と前記表示電極対の交差部に各々放電セルを区画する隔壁が設けられ、前記隔壁間に蛍光体層が設けられた背面板と、
前記前面板と前記背面板の間に配置された誘電体用薄板と、
前記複数の表示電極対を構成するように前記バス電極に対応させて前記前面板と前記誘電体用薄板との間に配置された透明電極と、
前記各放電セルの前記蛍光体層に対応させて前記前面板と前記誘電体用薄板との間に配置されたカラーフィルタとを備えたプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記誘電体用薄板上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記カラーフィルタが前記誘電体用薄板の前記バス電極と対向する面上に形成され、前記透明電極が前記カラーフィルタ上または前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記カラーフィルタが前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上または前記カラーフィルタ上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記前面側基板上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記前面側基板上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記カラーフィルタが、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に形成され、前記透明電極が、前記バス電極面を含む前記カラーフィルタ上または前記誘電体用薄板の面上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記誘電体用薄板上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記バス電極が前記前面側基板板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記カラーフィルタが前記誘電体用薄板の前記バス電極と対向する面上に形成され、前記透明電極が前記カラーフィルタ上または前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記カラーフィルタが前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成され、前記透明電極が前記誘電体用薄板の面上または前記カラーフィルタ上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記低反射層上に形成され、前記カラーフィルタが前記透明電極を覆って前記低反射層上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に、低反射層及び前記カラーフィルタが順次形成され、前記透明電極が前記バス電極面を含む前記カラーフィルタ上または前記誘電体用薄板の面上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記誘電体用薄板の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記バス電極が表面のみを露出させて前記前面側基板中に埋め込まれ、前記バス電極面を含む前記前面側基板の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項19】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に低反射層が形成され、前記バス電極面を含む前記低反射層の面上に前記カラーフィルタが形成され、前記カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成され、前記オーバーコート層の面上に前記透明電極が形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項20】
前記バス電極が前記前面側基板上に配置され、前記前面側基板面上の前記バス電極の間に、前記カラーフィルタ及びオーバーコート層が順次形成され、前記透明電極が、前記バス電極面を含む前記オーバーコート層の面上に形成された請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項21】
前記前面側基板の屈折率が、前記カラーフィルタの屈折率の1.15倍未満である請求項1〜20のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項22】
前記前面側基板と前記カラーフィルタの間に透明絶縁層が介在し、前記前面側基板及び前記透明絶縁層の屈折率が各々、前記カラーフィルタの屈折率の1.15倍未満である請求項6〜20のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−44355(P2011−44355A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192307(P2009−192307)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(503411576)株式会社次世代PDP開発センター (65)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】