説明

プラズマディスプレイ装置

【課題】アドレス電極にデータパルスを供給する時に消費する無効電力を低減することができるプラズマディスプレイ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】アドレス電極駆動回路は、アドレス電極に印加するデータパルスの電位として、選択のための第1の電位と、非選択のための第2の電位と、第1の電位及び第2の電位の間の第3の電位を有し、表示データが変化するときには、表示データに対応するアドレス電極上のデータパルスが、第1の電位及び第2の電位の間を遷移する際に第3の電位を一定時間維持する経由期間を有し、表示データが変化しないときには、表示データに対応するアドレス電極が、第1の電位又は第2の電位を維持し、隣接するアドレス電極のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が相互にずれるようにデータパルスを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置は、大型化に適したフラットパネルディスプレイ装置であり、家庭用の大型薄型テレビとして普及が始まっている。さらなる普及を図るために、低消費電力化・高画質化・低価格化が要求されている。
【0003】
図9は、プラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。制御回路902は、アドレス電極駆動回路905、スキャン電極駆動回路904及び表示電極駆動回路903を制御する。アドレス電極駆動回路905は、複数のアドレス電極A1,A2,…,Amに所定の電圧パルスを供給する。スキャン電極駆動回路904は、複数のスキャン電極Y1,Y2,…,Ynに所定の電圧パルスを供給する。表示電極駆動回路903は、複数の表示電極X1,X2,…,Xnに所定の電圧パルスを供給する。
【0004】
プラズマディスプレイパネル901では、複数のスキャン電極Y1〜Yn及び複数の表示電極X1〜Xnが水平方向に並列に延びる行を形成し、複数のアドレス電極A1〜Amが垂直方向に延びる列を形成する。1本のスキャン電極Yiと1本の表示電極Xiとは対を成し、1組のスキャン電極Yiと表示電極Xiがこれらと直交する方向に延びた1本のアドレス電極Ajとの交点がi行j列の表示セル(サブピクセル)になる。
【0005】
図10は、プラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形図である。アドレス期間は、表示セルの選択・非選択を行う期間である。図には、j列を形成するアドレス電極Ajに印加するデータパルスの波形及びスキャン電極Y1〜Ynに印加するスキャンパルスの波形を代表して記載した。スキャン電極Y1〜Ynには、順次に負のスキャンパルスが印加される。1本のアドレス電極Ajには、全スキャン電極Y1〜Ynの数と同数のデータD1〜Dnが乗っている。アドレス電極Ajにあるj列上のデータD1〜Dnがスキャン電極Y1〜Ynのスキャンパルスによって上から下へ対応する各行のデータとして選択される。アドレス電極AjのデータDiがハイレベルであれば、アドレス電極Aj及びスキャン電極Yi間で放電が生じ、i行j列の表示セルが選択される。これに対し、アドレス電極AjのデータDiがローレベルであれば、アドレス電極Aj及びスキャン電極Yi間で放電が生じず、i行j列の表示セルが非選択状態になる。以上のように、アドレス電極AjのデータD1〜Dnをハイレベル又はローレベルにすることにより、j列の表示セルの選択又は非選択を行うことができる。他の列のアドレス電極についても同様である。
【0006】
プラズマディスプレイ装置の1フレームは、複数のサブフレームを有する。各サブフレームは、リセット期間、アドレス期間及びサステイン放電期間により構成される。
【0007】
リセット期間では、表示電極X1〜Xn及びスキャン電極Y1〜Ynに所定の電圧を印加して、表示セルの初期化を行う。
【0008】
図10のアドレス期間では、スキャン電極駆動回路904は、サステイン放電期間でサステイン放電を行う表示セルを選択するために複数のスキャン電極Y1〜Ynに順次、負のスキャンパルスを出力する。具体的には、スキャン電極Y1〜Ynに対してスキャンパルスを順次スキャンして印加し、そのスキャンパルスに対応してアドレスパルスをアドレス電極A1〜Amに印加することにより表示する表示セルを選択する。スキャン電極Yiのスキャンパルスに対応してアドレス電極Ajのアドレスパルスが生成されれば、そのスキャン電極Yi及び表示電極Xiの表示セルが選択される。スキャン電極Yiのスキャンパルスに対応してアドレス電極Ajのアドレスパルスが生成されなければ、そのスキャン電極Yi及び表示電極Xiの表示セルが選択されない。スキャンパルスに対応してアドレスパルスが生成されると、アドレス電極Aj及びスキャン電極Yi間のアドレス放電が起こり、それを種火として表示電極Xi及びスキャン電極Yi間で放電が起こり、表示電極Xiに負電荷が蓄積され、スキャン電極Yiに正電荷が蓄積される。
【0009】
サステイン放電期間では、表示電極Xi及びスキャン電極Yi間に互いに逆相のサステインパルスが印加され、アドレス期間で選択された表示セルの表示電極Xi及びスキャン電極Yi間でサステイン放電を行い、発光を行う。表示電極駆動回路903は、サステイン放電を行うために複数の表示電極X1〜Xnにサステインパルスを出力する。スキャン電極駆動回路904は、サステイン放電を行うために複数のスキャン電極Y1〜Ynにサステインパルスを出力する。各サブフレームでは、表示電極X1〜Xn及びスキャン電極Y1〜Ynのサステインパルスによる発光回数(サステイン放電期間の長さ)が異なる。これにより、階調値を決めることができる。
【0010】
以上のように、複数のスキャン電極Y1〜Ynは、スキャンパルスを順次スキャンして印加するための電極である。複数のアドレス電極A1〜Amは、複数のスキャン電極Y1〜Ynと交差するように設けられ、上記のスキャンパルスに対応してデータパルスを印加することにより、表示セルを選択するための電極である。複数の表示電極X1〜Xnは、複数のスキャン電極Y1〜Ynに並行して設けられ、上記の選択された表示セルのスキャン電極Y1〜Ynとの間で表示放電を行う電極である。アドレス電極駆動回路905は、表示データに応じてデータパルスを生成して複数のアドレス電極A1〜Amに出力する。スキャン電極駆動回路904は、リセットパルス、スキャンパルス及びサステインパルスを生成して複数のスキャン電極Y1〜Ynに出力する。表示電極駆動回路903は、リセットパルス及びサステインパルスを生成して複数の表示電極X1〜Xnに出力する。
【0011】
図11は、アドレス電極Aj−1〜Aj+1に印加するデータDの電圧波形図である。通常、データDは、0Vから電位VAの電圧振幅を持つパルスで構成されている。電位VAとして、例えば60Vから80Vの値が採用されている。
【0012】
図12は、アドレス電極駆動回路905内のアドレスドライバの回路図である。アドレス電極駆動回路905は、複数のアドレスドライバを有する。1個のアドレスドライバは、n本のアドレス電極A1〜Anに電圧を供給するため、アドレス電極A1〜Anに電源電位VAを供給する複数の電界効果トランジスタ(FET)スイッチ11と、グランド電位GNDを供給する複数のFETスイッチ12を有する。各FETスイッチ11は、ソースが各アドレス電極A1〜Anに接続され、ドレインがダイオード21のカソードに接続される。ダイオード21のアノードは、電源電位VAのノードに接続される。各FETスイッチ12は、ドレインが各アドレス電極A1〜Anに接続され、ソースがダイオード22のアノードに接続される。ダイオード22のカソードは、グランド電位GNDのノードに接続される。各アドレス電極A1〜Anには、FETスイッチ11をオンにしてFETスイッチ12をオフにすると電源電位VAが供給され、FETスイッチ11をオフにしてFETスイッチ12をオンにするとグランド電位GNDが供給される。
【0013】
プラズマディスプレイパネル901は、アドレス電極A1〜Am、スキャン電極Y1〜Yn、表示電極X1〜Xnの複数の電極群からなるので、それぞれの電極間の静電容量が存在する。ここでは、アドレス期間に生じる電力消費について議論するので、隣接するアドレス電極A1〜Am間の容量に着目して説明する。
【0014】
図11において、アドレス電極駆動回路905は、制御回路902から「1」の表示データを入力するとハイレベル(電源電位VA)のデータDをアドレス電極A1等に出力し、制御回路902から「0」の表示データを入力するとローレベル(グランド電位GND)のデータDをアドレス電極A1等に出力する。
【0015】
遷移期間10にて、相互に隣接するアドレス電極Aj−1及びAjにおいて、アドレス電極Aj−1の表示データDが1→0、アドレス電極Ajの表示データDが1→0のように変化する場合、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化はゼロになり電力は消費されない。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×V2で表わされるので、0[W]になる。ここで、容量Cは隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の容量であり、電圧Vは隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化である。
【0016】
一方、アドレス電極Aj−1の表示データDが1→1のように同じデータが連続して現れ、アドレス電極Ajの表示データが1→0に変化した場合には、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化はVAとなる。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×VA2になる。
【0017】
また、アドレス電極Aj−1の表示データDが0→1と変化し、アドレス電極Ajの表示データDが1→0に変化した場合には、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化は2×VAになる。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×(2×VA)2=(1/2)×C×4×VA2になる。
【0018】
実際の表示データDは、このパターンの複雑な組み合わせになり、多様な瞬時電力を消費するが、たとえば、固定表示において、偶数番目のアドレス電極A2,A4,…の表示データが0→1→0→1→0…、奇数番目のアドレス電極A1,A3,…の表示データが1→0→1→0→1…になるような表示を行うと、消費電力が最大値になり、全システム電力の許容値を超えてしまうという問題が発生する。消費電力が許容値を超えると、アドレス電極駆動回路905が高熱になり、正常な動作が行えなくなったり、回路が破壊されてしまう問題が生じる。
【0019】
この改善策として、特開2006−171330号公報には、アドレス電源電圧をアドレスパルスの変化タイミングに合わせて毎回中間電圧に設定する方法が開示されている。しかしながら、一旦中間電位VA/2を経るような方法では、本来消費電力がゼロであったパターンである偶数番目のアドレス電極A2,A4,…の表示データが1→1、奇数番目のアドレス電極A1,A3,…の表示データが0→0のようになる場合、偶数番目のアドレス電極A2,A4,…の電位がVA→(VA/2)→VA、奇数番目のアドレス電極A1,A3,…電位が0→(VA/2)→0と変化し、隣接するアドレス電極間の差電圧の変化VAを2回伴う動作を行う。この場合、消費電力Pは、(1/2)×C×VA2+(1/2)×C×VA2になり、本来消費電力がゼロであった表示パターンにおいて、消費電力を却って増大させるという問題がある。
【0020】
また、特開2004−325705号公報、特開平10−123998号公報及び特開2000−206929号公報には、プラズマディスプレイ装置のアドレス電極の駆動方法が開示されている。
【0021】
【特許文献1】特開2006−171330号公報
【特許文献2】特開2004−325705号公報
【特許文献3】特開平10−123998号公報
【特許文献4】特開2000−206929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、アドレス電極にデータパルスを供給する時に消費する無効電力を低減することができるプラズマディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のプラズマディスプレイ装置は、スキャンパルスを順次スキャンして印加する複数のスキャン電極と、前記複数のスキャン電極と交差するように設けられ、前記スキャンパルスに対応してデータパルスを印加することにより、表示セルを選択する複数のアドレス電極と、前記複数のスキャン電極に並行して設けられ、前記選択された表示セルの前記スキャン電極との間で表示放電を行う複数の表示電極と、表示データに応じて前記データパルスを生成して前記複数のアドレス電極に出力するアドレス電極駆動回路とを有し、前記アドレス電極駆動回路は、前記アドレス電極に印加する前記データパルスの電位として、選択のための第1の電位と、非選択のための第2の電位と、前記第1の電位及び前記第2の電位の間の第3の電位を有し、前記表示データが変化するときには、前記表示データに対応する前記アドレス電極上のデータパルスが、前記第1の電位及び前記第2の電位の間を遷移する際に前記第3の電位を一定時間維持する経由期間を有し、前記表示データが変化しないときには、前記表示データに対応する前記アドレス電極が、前記第1の電位又は前記第2の電位を維持し、隣接するアドレス電極のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が相互にずれるように前記データパルスを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
第3の電位を設けることにより、1回の変化電位が小さくなり、消費電力を小さくすることができる。また、隣接するアドレス電極のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間を相互にずらすことにより、さらに消費電力を小さくすることができる。また、表示データが変化しないときには、アドレス電極の電位を維持することにより、さらに消費電力を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態によるプラズマディスプレイ装置は、図9の構成を有し、その説明は上記と同じである。また、本実施形態のプラズマディスプレイ装置は、上記と同様に、リセット期間、アドレス期間及びサステイン放電期間を有する。アドレス期間では、図10の動作を行い、その説明は上記と同じである。
【0026】
図9及び図10において、複数のスキャン電極Y1〜Ynは、スキャンパルスを順次スキャンして印加するための電極である。複数のアドレス電極A1〜Amは、複数のスキャン電極Y1〜Ynと交差するように設けられ、上記のスキャンパルスに対応してデータパルスを印加することにより、表示セルを選択するための電極である。複数の表示電極X1〜Xnは、複数のスキャン電極Y1〜Ynに並行して設けられ、上記の選択された表示セルのスキャン電極Y1〜Ynとの間で表示放電を行う電極である。アドレス電極駆動回路905は、表示データに応じてデータパルスを生成して複数のアドレス電極A1〜Amに出力する。スキャン電極駆動回路904は、リセットパルス、スキャンパルス及びサステインパルスを生成して複数のスキャン電極Y1〜Ynに出力する。表示電極駆動回路903は、リセットパルス及びサステインパルスを生成して複数の表示電極X1〜Xnに出力する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。アドレス電極駆動回路905は、制御回路902から「1」の表示データを入力するとハイレベル(第1の電位VA)のデータDをアドレス電極A1等に出力し、制御回路902から「0」の表示データを入力するとローレベル(第2の電位GND)のデータDをアドレス電極A1等に出力する。第1の電位VAは、電源電位であり、例えば60V〜80Vである。第2の電位GNDは、グランド電位であり、0Vである。第3の電位VA/2は、第1の電位VA及び第2の電位GNDの中間の電位であり、例えば30V〜40Vである。
【0028】
アドレス電極駆動回路905は、アドレス電極A1〜Amにデータパルスを供給する。データパルスは、表示データDの変化タイミングにおいて、一旦、第3の電位VA/2を経由する。ただし、表示データが0→0のように変化しないときには、アドレス電極A1〜Amの電位は第2の電位GNDを維持する。また、表示データが1→1のように変化しないときには、アドレス電極A1〜Amの電位は第1の電位VAを維持する。すなわち、表示データDが変化しないときには、第3の電位VA/2を経ず、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持させる。データパルスの変化タイミングは、次の期間1〜期間5に分けられ、期間1〜期間5の順に動作する。
【0029】
期間1:VA→VA/2
期間2:0→VA/2
期間3:VA/2維持
期間4:VA/2→0
期間5:VA/2→VA
【0030】
期間1は、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化する期間である。期間2は、第2の電位GND(0V)から第3の電位VA/2に変化する期間である。期間3は、第3の電位VA/2を維持する期間である。期間4は、第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間である。期間5は、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する期間である。
【0031】
アドレス電極A1〜Amの表示データDが1→1になる場合には、期間1〜期間5のすべてにおいて第1の電位VAを維持する。また、アドレス電極A1〜Amの表示データDが0→0になる場合には、期間1〜期間5のすべてにおいて第2の電位GNDを維持する。
【0032】
アドレス電極A1〜Amの表示データDが1→0になる場合には、期間1において第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化し、期間2及び期間3において第3の電位VA/2を維持し、期間4において第3の電位VA2/2から第2の電位GNDに変化し、期間5において第2の電位GNDを維持する。
【0033】
アドレス電極A1〜Amの表示データDが0→1になる場合には、期間1において第2の電位GNDを維持し、期間2において第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化し、期間3及び期間4において第3の電位VA/2を維持し、期間5において第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する。
【0034】
期間1〜期間5において、相互に隣接するアドレス電極Aj−1及びAjにおいて、アドレス電極Aj−1の表示データDが1→0、アドレス電極Ajの表示データDが1→0のように変化する場合、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化はゼロになり電力は消費されない。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×V2で表わされるので、0[W]になる。ここで、容量Cは隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の容量であり、電圧Vは隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化である。
【0035】
同様に、アドレス電極Aj−1の表示データDが0→1、アドレス電極Ajの表示データDが0→1のように変化する場合、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化はゼロになり電力は消費されない。
【0036】
同様に、アドレス電極Aj−1の表示データDが0→0、アドレス電極Ajの表示データDが0→0のように変化する場合、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化はゼロになり電力は消費されない。
【0037】
また、アドレス電極Aj−1の表示データDが1→1のように同じデータが連続して現れ、アドレス電極Ajの表示データが1→0に変化した場合には、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化は期間1及び期間4においてそれぞれVA/2となる。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×(VA/2)2+(1/2)×C×(VA/2)2=(1/4)×C×VA2になり、図11の場合の1/2になる。
【0038】
また、アドレス電極Aj−1の表示データDが0→1と変化し、アドレス電極Ajの表示データDが1→0に変化した場合には、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj間の差電圧の変化は期間1、期間2、期間4、期間5においてそれぞれVA/2になる。この時、消費電力Pは、(1/2)×C×(VA/2)2+(1/2)×C×(VA/2)2+(1/2)×C×(VA/2)2+(1/2)×C×(VA/2)2=(1/2)×C×VA2になり、図11の場合の1/4になる。
【0039】
アドレス電極駆動回路905は、アドレス電極A1〜Amに印加するデータパルスの電位として、選択のための第1の電位VAと、非選択のための第2の電位GNDと、第1の電位VA及び第2の電位GNDの間の第3の電位VA/2を有する。また、アドレス電極駆動回路905は、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj等のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が相互にずれるようにデータパルスを生成する。立ち上がり期間は期間2及び期間5であり、立ち下がり期間は期間1及び期間4である。これにより、本実施形態のプラズマディスプレイ装置は、上記のように、図11の場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0040】
また、アドレス電極駆動回路905は、表示データが変化するときには、表示データに対応するアドレス電極A1〜Am上のデータパルスが、第1の電位VA及び第2の電位GNDの間を遷移する際に第3の電位VA/2を一定時間維持する経由期間を有し、表示データが変化しないときには、表示データに対応するアドレス電極A1〜Amが、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持する。このように、表示データが変化しないときには、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持するので、上記のように、消費電力をゼロにすることができる。
【0041】
以上のように、アドレス電極A1〜Amのデータパルスは、タイミングが早い順で、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化する期間1のタイミング、第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間2のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間3のタイミング、第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間4のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する期間5のタイミング、になるように生成される。
【0042】
上記の5つの期間1〜期間5を設けることによって、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj等の相対的な電圧変化は最大VA/2、その回数を2回にまでに制限することができ、アドレス電極駆動回路905の消費電力の増大を抑制することができる。なお、第3の電位VA/2を維持する期間3の長さは、期間1、期間2、期間4、期間5の波形の立ち上がり、立ち下がり時間と同程度またはそれ以上であることが望ましい。
【0043】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図であり、図1に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様に、一旦、第3の電位VA/2を経由して変化し、0→0又は1→1のような同じ表示データが続く場合は、第3の電位VA/2を経ず、第1の電位VA又は第2の電位を維持させる。データパルスの変化タイミングは、第1の実施形態と同じく、期間1〜期間5に分けられる。期間1〜期間5のそれぞれは第1の実施形態のものと同じである。第1の実施形態では期間1、期間2、期間3、期間4、期間5の順番でデータパルスのタイミング制御が行われるが、第2の実施形態では、期間2、期間1、期間3、期間5、期間4の順番でアドレス電極A1〜Amのデータパルスのタイミング制御が行われる。
【0044】
すなわち、アドレス電極A1〜Amのデータパルスは、タイミングが早い順で、第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間2のタイミング、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化する期間1のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間3のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する期間5のタイミング、第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間4のタイミング、になるように生成される。本実施形態も第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図であり、図1に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様に、一旦、第3の電位VA/2を経由して変化し、0→0又は1→1のような同じ表示データが続く場合は、第3の電位VA/2を経ず、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持させる。データパルスの変化タイミングは、第1の実施形態と同じく、期間1〜期間5に分けられる。期間1〜期間5のそれぞれは第1の実施形態のものと同じである。第1の実施形態では期間1、期間2、期間3、期間4、期間5の順番でデータパルスのタイミング制御が行われるが、第3の実施形態では、期間1、期間2、期間3、期間5、期間4の順番でアドレス電極A1〜Amのデータパルスのタイミング制御が行われる。
【0046】
すなわち、アドレス電極A1〜Amのデータパルスは、タイミングが早い順で、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化する期間1のタイミング、第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間2のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間3のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する期間5のタイミング、第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間4のタイミング、になるように生成される。本実施形態も第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図であり、図1に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様に、一旦、第3の電位VA/2を経由して変化し、0→0又は1→1のような同じ表示データが続く場合は、第3の電位VA/2を経ず、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持させる。データパルスの変化タイミングは、第1の実施形態と同じく、期間1〜期間5に分けられる。期間1〜期間5のそれぞれは第1の実施形態のものと同じである。第1の実施形態では期間1、期間2、期間3、期間4、期間5の順番でデータパルスのタイミング制御が行われるが、第4の実施形態では、期間2、期間1、期間3、期間4、期間5の順番でアドレス電極A1〜Amのデータパルスのタイミング制御が行われる。
【0048】
すなわち、アドレス電極A〜Amのデータパルスは、タイミングが早い順で、第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間2のタイミング、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化する期間1のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間3のタイミング、第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間4のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化する期間5のタイミング、になるように生成される。本実施形態も第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図であり、図1に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様に、一旦、第3の電位VA/2を経由して変化し、0→0又は1→1のような同じ表示データが続く場合は、第3の電位VA/2を経ず、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持させる。第1〜第4の実施形態では、すべてのアドレス電極A1〜Ajが同じ期間1〜期間5のタイミング制御を行っていたが、本実施形態は、偶数番目のアドレス電極A2,A4,…,Aj−1,Aj+1,…と奇数番目のアドレス電極A1,A3,…,Aj,…とに分けて次の制御を行う。
【0050】
(偶数番目のアドレス電極Aj−1,Aj+1等)
期間6:VA→VA/2、又は0→VA/2
期間7:VA/2維持
期間8:VA/2→0、又はVA/2→VA
期間9:VA又は0維持
【0051】
(奇数番目のアドレス電極Aj等)
期間6:VA又は0維持
期間7:VA→VA/2、又は0→VA/2
期間8:VA/2維持
期間9:VA/2→0、又はVA/2→VA
【0052】
偶数番目のアドレス電極Aj−1,Aj+1等のデータパルスは、タイミングが早い順で、第1の電位VAから第3の電位VA/2又は第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間6のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間7のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VA又は第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間8のタイミング、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持する期間9のタイミング、になるように生成される。
【0053】
奇数番目のアドレス電極Aj等のデータパルスは、タイミングが早い順で、第1の電位VA又は第2の電位GNDを維持する期間6のタイミング、第1の電位VAから第3の電位VA/2又は第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化する期間7のタイミング、第3の電位VA/2を維持する期間8のタイミング、第3の電位VA/2から第1の電位VA又は第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化する期間9のタイミング、になるように生成される。
【0054】
同一のアドレス電極のデータパルスは、第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化するタイミングと第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化するタイミングとが同じであり、第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化するタイミングと第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化するタイミングとが同じである。隣接するアドレス電極Aj−1及びAj等のデータパルスは、相互に立ち上がり期間及び立ち下がり期間がずれている。
【0055】
アドレス電極駆動回路905は、第1〜第4の実施形態と同様に、隣接するアドレス電極Aj−1及びAj等のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が相互にずれるようにデータパルスを生成する。これにより、本実施形態は、第1〜第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。アドレス電極駆動回路905は、複数のアドレスドライバ601を有し、第1〜第5の実施形態の電圧をアドレス電極A1〜Amに供給することができる。1個のアドレスドライバ601は、n本のアドレス電極A1〜Anに電圧を供給する。nは、例えば128、256又は512である。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0057】
電界効果トランジスタ(FET)スイッチ11〜14は、その出力がアドレス電極A1,A2,…,Anに接続される。FETスイッチ11は第1の電位VAを、FETスイッチ12は第2の電位GNDを、FETスイッチ13及び14は第3の電位VA/2をアドレス電極A1〜Anに供給する。FETスイッチ13及び14は、それぞれ第3の電位VA/2の電源から電流を供給する役割と電流を引き抜く役割を果たす。
【0058】
FETスイッチ11は、アドレス電極A1及びダイオード21のカソード間に接続される。ダイオード21のアノードは、第1の電位VAのノードに接続される。FETスイッチ12は、アドレス電極A1及びダイオード22のアノード間に接続される。ダイオード22のカソードは、第2の電位GNDのノードに接続される。FETスイッチ13は、ダイオード23のカソード及びダイオード24のアノード間に接続される。ダイオード23のアノードは、第3の電位VA/2のノードに接続される。ダイオード24のカソードは、アドレス電極A1に接続される。FETスイッチ14は、ダイオード25のアノード及びダイオード26のカソード間に接続される。ダイオード25のカソードは、第3の電位VA/2のノードに接続される。ダイオード26のアノードは、アドレス電極A1に接続される。アドレス電極A2〜Anにも、それぞれ、アドレス電極A1と同様に、FETスイッチ11〜14及びダイオード21〜26が接続される。
【0059】
FETスイッチ11をオンし、FETスイッチ12〜14をオフすることにより、アドレス電極A1等を第3の電位VA/2から第1の電位VAに変化させたり、第1の電位VAを維持することができる。
【0060】
また、FETスイッチ12をオンし、FETスイッチ11,13,14をオフすることにより、アドレス電極A1等を第3の電位VA/2から第2の電位GNDに変化させたり、第2の電位GNDを維持することができる。
【0061】
また、FETスイッチ13をオンし、FETスイッチ11,12,14をオフすることにより、アドレス電極A1等を第2の電位GNDから第3の電位VA/2に変化させたり、第3の電位VA/2を維持することができる。
【0062】
また、FETスイッチ14をオンし、FETスイッチ11〜13をオフすることにより、アドレス電極A1等を第1の電位VAから第3の電位VA/2に変化させたり、第3の電位VA/2を維持することができる。
【0063】
アドレス電極駆動回路905は、第3の電位VA/2のノードからアドレス電極A1等へ電流を供給するためのFETスイッチ(第1のスイッチ)13と、アドレス電極A1等から第3の電位VA/2のノードへ電流を引き抜くためのFETスイッチ(第2のスイッチ)14とを有する。
【0064】
(第7の実施形態)
図7は、本発明の第7の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。本実施形態(図7)のアドレスドライバ601は、第6の実施形態(図6)のアドレスドライバ601に対して、第3の電位VA/2の2個のノードVAM1及びVAM2を有する点が異なる。以下、本実施形態が第6の実施形態と異なる点を説明する。ノードVAM1及びVAM2は、第3の電位VA/2のノードである。ノードVA1は、第1の電位VAのノードである。第1の電位VAのノードVA1は、ダイオード21のアノードに接続される。第3の電位VA/2のノードVAM1は、ダイオード23のアノードに接続される。第3の電位VA/2のノードVAM2は、ダイオード25のカソードに接続される。
【0065】
アドレス電極駆動回路905は、FETスイッチ(第1のスイッチ)13を介して電流を供給するための第3の電位VA/2である第1のノードVAM1と、FETスイッチ(第2のスイッチ)14を介して電流を引き抜くための第3の電位VA/2である第2のノードVAM2とを有する。本実施形態では、第3の電位VA/2の2系統のノードVAM1及びVAM2を有する。
【0066】
(第8の実施形態)
図8は、本発明の第8の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。本実施形態(図8)のアドレスドライバ601は、第7の実施形態(図7)のアドレスドライバ601に対して、電力回収回路を追加したものである。以下、本実施形態が第7の実施形態と異なる点を説明する。
【0067】
電力回収回路は、インダクタ801,802、ダイオード803,804及び容量805を有する。インダクタ801は、ノードVAM2及びダイオード803のアノード間に接続される。インダクタ802は、ノードVAM1及びダイオード804のカソード間に接続される。容量805は、ダイオード803のカソード及びダイオード804のアノードの相互接続点と第2の電位GNDとの間に接続される。
【0068】
FETスイッチ14をオンにすると、アドレス電極A1等は第1の電位VAから第3の電位VA/2へ変化する。その際、インダクタ801及び容量805のLC共振により、アドレス電極A1等から容量805に電流が流れ、容量805が充電され、電力が回収される。その後、FETスイッチ13をオンにすると、アドレス電極A1等は第2の電位GNDから第3の電位VA/2へ変化する。その際、インダクタ802及び容量805のLC共振により、容量805からアドレス電極A1等に電流が流れ、回収された容量805の電荷が放電する。この動作を繰り返すことにより、容量805は、第2の電位VA/2の電源と同じ機能を果たすことができる。また、この電力回収回路の動作により、電力をさらに低減することができる。
【0069】
アドレス電極駆動回路905は、第1のノードVAM1に接続される第1のインダクタ802と、第2のノードVAM2に接続される第2のインダクタ801と、第1のインダクタ802及び第2のインダクタ801に接続される容量805とを有する。第1のインダクタ802、第2のインダクタ801及び容量805は電力回収回路を構成する。
【0070】
以上のように、本実施形態は、第3の電位VA/2の2系統のノードVAM1及びVAM2を持つアドレスドライバ601とその外部にインダクタ801及び802を接続し、電力の回収動作を行う。
【0071】
上記の第1〜第8の実施形態のプラズマディスプレイ装置は、次の3つの手段(1)〜(3)で課題を解決する。(1)第1の電位(アドレス電源電位)VAと第2の電位(グランド電位)GNDの間に第3の電位(中間電位)VA/2を設ける。(2)アドレス電極A1〜Am上の表示データが0→1又は1→0に変化するときにのみ、第3の電位VA/2を経由して変化させる。(3)データパルスの変化タイミングの位相をずらすことにより、隣接するアドレス電極の電圧波形が同時に逆相で変化させない。
【0072】
上記手段(1)及び(3)により、隣接するアドレス電極間の差電圧の変化は、1回のデータの遷移期間において、VA/2の変化を2回に制限することができる。すなわち、遷移期間に発生する消費電力は、(1/2)×C×(VA/2)2が2回になる。一方、手段(1)だけしか用いない場合は、遷移期間における差電圧の変化は、VAの変化が2回になり、消費電力は、(1/2)×C×VA2が2回にしかならない。
【0073】
また、上記手段(2)によって、表示データの変化しない場合にも第3の電位を経由する場合の無駄な消費電力を防止し、表示データが変化しない場合には消費電力をゼロにすることができる。
【0074】
上記手段(1)、(2)、(3)によって、アドレス期間に消費する電力を大幅に低減することができる。
【0075】
上記の第1〜第8の実施形態は、プラズマディスプレイ装置に限らず、マトリックス状に構成された複数の電極群を持ち、パルス波形で駆動する装置一般に適用可能であり、パルスの回数、隣接する電極間の静電容量が大きい装置に対して特に効果が大きい。
【0076】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形例を示す図である。
【図6】本発明の第6の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。
【図7】本発明の第7の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。
【図8】本発明の第8の実施形態によるプラズマディスプレイ装置のアドレスドライバの構成例を示す回路図である。
【図9】プラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図10】プラズマディスプレイ装置のアドレス期間の電圧波形図である。
【図11】アドレス電極に印加するデータの電圧波形図である。
【図12】アドレス電極駆動回路内のアドレスドライバの回路図である。
【符号の説明】
【0078】
11〜14 FETスイッチ
21〜26 ダイオード
601 アドレスドライバ
801,802 インダクタ
803,804 ダイオード
805 容量
901 プラズマディスプレイパネル
902 制御回路
903 表示電極駆動回路
904 スキャン電極駆動回路
905 アドレス電極駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンパルスを順次スキャンして印加する複数のスキャン電極と、
前記複数のスキャン電極と交差するように設けられ、前記スキャンパルスに対応してデータパルスを印加することにより、表示セルを選択する複数のアドレス電極と、
前記複数のスキャン電極に並行して設けられ、前記選択された表示セルの前記スキャン電極との間で表示放電を行う複数の表示電極と、
表示データに応じて前記データパルスを生成して前記複数のアドレス電極に出力するアドレス電極駆動回路とを有し、
前記アドレス電極駆動回路は、
前記アドレス電極に印加する前記データパルスの電位として、選択のための第1の電位と、非選択のための第2の電位と、前記第1の電位及び前記第2の電位の間の第3の電位を有し、
前記表示データが変化するときには、前記表示データに対応する前記アドレス電極上のデータパルスが、前記第1の電位及び前記第2の電位の間を遷移する際に前記第3の電位を一定時間維持する経由期間を有し、
前記表示データが変化しないときには、前記表示データに対応する前記アドレス電極が、前記第1の電位又は前記第2の電位を維持し、
隣接するアドレス電極のデータパルスの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が相互にずれるように前記データパルスを生成することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記アドレス電極駆動回路は、前記第3の電位のノードから前記アドレス電極へ電流を供給するための第1のスイッチと、前記アドレス電極から前記第3の電位のノードへ電流を引き抜くための第2のスイッチとを有することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記アドレス電極駆動回路は、前記第1のスイッチを介して電流を供給するための前記第3の電位である第1のノードと、前記第2のスイッチを介して電流を引き抜くための前記第3の電位である第2のノードとを有することを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記アドレス電極駆動回路は、前記第1のノードに接続される第1のインダクタと、前記第2のノードに接続される第2のインダクタと、前記第1のインダクタ及び前記第2のインダクタに接続される容量とを有し、前記第1のインダクタ、前記第2のインダクタ及び前記容量は電力回収回路を構成することを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記データパルスは、タイミングが早い順で、前記第1の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第2の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第3の電位を維持するタイミング、前記第3の電位から前記第2の電位に変化するタイミング、前記第3の電位から前記第1の電位に変化するタイミング、になるように生成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記データパルスは、タイミングが早い順で、前記第2の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第1の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第3の電位を維持するタイミング、前記第3の電位から前記第1の電位に変化するタイミング、前記第3の電位から前記第2の電位に変化するタイミング、になるように生成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
前記データパルスは、タイミングが早い順で、前記第1の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第2の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第3の電位を維持するタイミング、前記第3の電位から前記第1の電位に変化するタイミング、前記第3の電位から前記第2の電位に変化するタイミング、になるように生成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記データパルスは、タイミングが早い順で、前記第2の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第1の電位から前記第3の電位に変化するタイミング、前記第3の電位を維持するタイミング、前記第3の電位から前記第2の電位に変化するタイミング、前記第3の電位から前記第1の電位に変化するタイミング、になるように生成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
同一のアドレス電極のデータパルスは、前記第1の電位から前記第3の電位に変化するタイミングと前記第2の電位から前記第3の電位に変化するタイミングとが同じであり、前記第3の電位から前記第1の電位に変化するタイミングと前記第3の電位から前記第2の電位に変化するタイミングとが同じであり、
隣接するアドレス電極のデータパルスは、相互に立ち上がり期間及び立ち下がり期間がずれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第3の電位は、前記第1の電位及び前記第2の電位の中間の電位であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−139988(P2010−139988A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318815(P2008−318815)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】