説明

プラズマ光源とプラズマ光発生方法

【課題】EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができるプラズマ光源とプラズマ光発生方法を提供する。
【解決手段】対向配置された1対の同軸状電極11を有しその中間位置11aにプラズマ3を軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対10と、各同軸電極対10にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持する放電環境保持装置20と、各同軸電極対の各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置30とを備える。複数の同軸電極対10は、中間位置11aで互いに交差して配置されており、電圧印加装置30は、各同軸電極対10の同軸状電極11に位相がずれた放電電圧を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EUV放射のためのプラズマ光源とプラズマ光発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
およそ1〜100nmの波長領域の光を極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光と呼び、本願において「EUV光」又は「プラズマ光」と略称する。
【0003】
EUV光(プラズマ光)は、あらゆる物質に対し吸収率が高く、レンズ等の透過型光学系を利用することができない。そのため、EUV光には反射型光学系が用いられるが、この領域の光は、限られた波長にしか反射特性を示さない特性がある。
【0004】
現在、EUV光の波長領域のうち、13.5nmに感度を有するMo/Si多層膜反射鏡が開発されている。従って、この反射鏡と波長13.5nmの光とを組み合わせたリソグラフィ技術により30nm以下の加工寸法を実現することができる。そのためさらなる微細加工技術の実現のために、波長13.5nmのEUV光源の開発が急務であり、高エネルギー密度プラズマからの輻射光が注目されている。
【0005】
光源プラズマ生成はレーザー照射(LPP:Laser Produced Plasma)方式とパルスパワー技術によって駆動されるガス放電(DPP:Discharge Produced Plasma)方式に大別できる。DPPは、投入した電力が直接プラズマエネルギーに変換されるので、LPPに比べて変換効率で優位であるうえに、装置が小型で低コストという利点がある。
【0006】
有効波長領域に放射スペクトルを持つ元素としては、Xe,Sn,Li等が代表的であり、従来はXeを中心に研究が進められてきた。しかし、近年では高出力、高効率を理由にSnが注目を浴び研究が進められている。また、in−band領域にちょうどLyman−α共鳴線を有する水素様Liイオン(Li2+)に対する期待も高まってきている。
【0007】
高温高密度プラズマからの放射スペクトルは、基本的にはターゲット物質の温度と密度によって決まり、プラズマの原子過程を計算した結果によると、EUV放射領域のプラズマにするにはXe,Snの場合で電子温度、電子密度がそれぞれ数10eV、1018cm−3程度,Liの場合で20eV、1018cm−3程度が最適とされている。
【0008】
なお、上述したプラズマ光源は、非特許文献1,2および特許文献1に開示されている。
【0009】
【非特許文献1】佐藤弘人、他、「リソグラフィ用放電プラズマEUV光源」、OQD−08−28
【非特許文献2】Jeroen Jonkers,“High power extreme ultra−violet(EUV) light sources for future lithography”,Plasma Sources Science and Technology, 15(2006) S8−S16
【0010】
【特許文献1】特開2004−226244号公報、「極端紫外光源および半導体露光装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
EUV光源には、高い平均出力、及び微小な光源サイズが要求される。現状では、EUV発光量が要求出力に対して極めて低く、高出力化が大きな課題の一つである。しかし、高出力化のために入力エネルギーを大きくすると熱負荷によるダメージがプラズマ生成装置や光学系の寿命の低下を招いてしまう。従って、高EUV出力と低い熱負荷の双方を満たすためには、高いエネルギー変換効率が必要不可欠である。
【0012】
プラズマ形成初期には加熱や電離に多くのエネルギーを消費するうえに、EUVを放射するような高温高密度状態のプラズマは一般的に急速に膨張してしまうため、放射持続時間τが極端に短い。従って、変換効率を改善するためには、プラズマをEUV放射のために適した高温高密度状態で長時間(μsecオーダーで)維持することが重要になる。
【0013】
現在の一般的なEUVプラズマ光源の放射時間は100nsec程度であり出力が極端に足りない。産業応用のため高変換効率と高平均出力を両立させる為には1ショットで数μsecのEUV放射時間を達成する必要がある。つまり、高い変換効率を持つプラズマ光源を開発するためには、それぞれのターゲットに適した温度密度状態のプラズマを数μsec(少なくとも1μsec以上)拘束し、安定したEUV放射を達成する必要がある。
【0014】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができるプラズマ光源とプラズマ光発生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、対向配置された1対の同軸状電極を有しその中間位置にプラズマを軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対と、
該各同軸電極対にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持する放電環境保持装置と、
前記各同軸電極対の各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
前記複数の同軸電極対は、前記中間位置で互いに交差して配置されており、
前記電圧印加装置は、前記各同軸電極対の同軸状電極に位相がずれた放電電圧を印加する、ことを特徴とするプラズマ光源が提供される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記各同軸状電極は、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、
1対の同軸状電極の各中心電極は、前記同一の軸線上に位置し、かつ互いに一定の間隔を隔てて対称に位置する。
【0017】
また、本発明によれば、対向配置された1対の同軸状電極を有しその中間位置にプラズマを軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対を前記中間位置で互いに交差させて配置し、
前記各同軸電極対にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持し、
前記各同軸電極対の各同軸状電極に位相がずれた放電電圧を極性を反転させて印加し、
前記各同軸電極対の同軸状電極に位相がずれた面状放電を発生させ、該面状放電により前記中間位置に単一のプラズマを形成し、次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを前記中間位置に閉じ込める位相がずれた磁場を形成する、ことを特徴とするプラズマ光発生方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
上記本発明の装置と方法によれば、対向配置された1対の同軸状電極を有しその中間位置にプラズマを軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対を備え、1対の同軸状電極にそれぞれ面状の放電電流(面状放電)を発生させ、該面状放電により各同軸状電極の対向する中間位置に単一のプラズマを形成し、次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを閉じ込める磁場(磁気ビン)を形成するので、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができる。
【0019】
また前記複数の同軸電極対は、前記中間位置で互いに交差して配置されており、前記電圧印加装置は、前記各同軸電極対の同軸状電極に位相がずれた放電電圧を印加するので、中間位置のプラズマに複数の同軸電極対により位相がずれた閉じ込め磁場を形成できる。
従って、閉じ込め磁場が常にプラズマに作用するので、リチウムの様な軽元素でも、放電電流反転時にプラズマ損失が発生せず、EUV出力の高出力化、高変換効率化が実現できる。

【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるプラズマ光源の実施形態図である。
【図2】図1のプラズマ光源の作動説明図である。
【図3】本発明による放電電流の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明によるプラズマ光源の実施形態図である。
この図において、本発明のプラズマ光源は、複数の同軸電極対10、放電環境保持装置20、及び電圧印加装置30を備える。
【0023】
同軸電極対10は、この例では2組であり、それぞれ対向配置された1対の同軸状電極11を有し、その中間位置11aにプラズマ3を軸方向に閉じ込めるようになっている。なお、同軸電極対10は、2組に限定されず、3組以上であってもよい。
【0024】
各同軸電極対10において、1対の同軸状電極11は、中間位置11aを中心として対向配置されている。各同軸状電極11は、棒状の中心電極12、管状のガイド電極14及びリング状の絶縁体16からなる。
【0025】
棒状の中心電極12は、単一の軸線Z−Z上に延びる導電性の電極である。この例において、中心電極12の対称面1に対向する端面に凹穴12aが設けられ、後述する面状放電電流2と管状放電4を安定化させるようになっている。なお、この構成は必須ではなく、中心電極12の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
【0026】
管状のガイド電極14は、中心電極12を一定の間隔を隔てて囲み、その間にプラズマ媒体を保有するようになっている。プラズマ媒体は、Xe,Sn,Li等のガスであることが好ましい。また、ガイド電極14の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
【0027】
リング状の絶縁体16は、中心電極12とガイド電極14の間に位置する中空円筒形状の電気的絶縁体であり、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する。
なお、絶縁体16の形状はこの例に限定されず、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する限りで、その他の形状であってもよい。
【0028】
上述した1対の同軸状電極11は、各中心電極12が同一の軸線Z−Z上に位置し、かつ互いに一定の間隔を隔てて対称に位置する。
【0029】
図1において、上述した2組の同軸電極対10は、中間位置11aで互いに交差して配置されている。この交差は、この例では、2組の同軸電極対10の軸線が同一平面(紙面に平行な平面)内で直交する配置である。
なお、本発明はこの交差に限定されず、3組の同軸電極対10を3次元的に直交配置してもよい。また、本発明は直交配置に限定されず、2組以上の同軸電極対10を中間位置11aにおいて、任意の角度で2次元的又は3次元的に交差させてもよい。
【0030】
放電環境保持装置20は、各同軸電極対10にプラズマ媒体を供給し、かつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対10の内部を保持する。
放電環境保持装置20は、例えば、真空チャンバー、温度調節器、真空装置、及びプラズマ媒体供給装置により構成することができる。なおこの構成は必須ではなく、その他の構成であってもよい。
【0031】
電圧印加装置30は、各同軸電極対10の各同軸状電極11に極性を反転させた放電電圧を印加する。電圧印加装置30は、この例では、正電圧源32、負電圧源34及びトリガスイッチ36からなる。
【0032】
正電圧源32は、一方(この例では左側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より高い正の放電電圧を印加する。
負電圧源34は、他方(この例では右側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より低い負の放電電圧を印加する。
なお、正電圧源32及び負電圧源34は、それぞれ内部にコンデンサを有しており、放電時の放電電流を蓄電し再利用するようになっている。
【0033】
トリガスイッチ36は、正電圧源32と負電圧源34を同時に作動させて、それぞれの同軸状電極12に同時に正負の放電電圧を印加する。
この構成により、本発明のプラズマ光源は、1対の同軸状電極11間に管状放電(後述する)を形成してプラズマを軸方向に閉じ込めるようになっている。
【0034】
図2は、図1のプラズマ光源の作動説明図である。なおこの図は、図1の2組の同軸電極対10のそれぞれの作動を示している。
この図において、(A)は面状放電の発生時、(B)は面状放電の移動中、(C)はプラズマの形成時、(D)はプラズマ閉じ込め磁場の形成時を示している。
以下、この図を参照して、本発明のプラズマ光発生方法を説明する。
【0035】
本発明のプラズマ光発生方法では、上述した同軸電極対10を構成する1対の同軸状電極11を対向配置し、放電環境保持装置20により同軸状電極11内にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、電圧印加装置30により各同軸状電極11に極性を反転させた放電電圧を印加する。
【0036】
図2(A)に示すように、この電圧印加により、1対の同軸状電極11に絶縁体16の表面でそれぞれ面状の放電電流(以下、面状放電2と呼ぶ)が発生する。面状放電2は、2次元的に広がる面状の放電電流であり、後述する実施例では「電流シート」と呼ぶ。
なおこの際、左側の同軸状電極11の中心電極12は正電圧(+)、ガイド電極14は負電圧(−)に印加され、右側の同軸状電極11の中心電極12は負電圧(−)、そのガイド電極14は正電圧(+)に印加されている。
なお、両方のガイド電極14を接地させて0Vに保持し、一方の中心電極12を正電圧(+)に印加し、他方の中心電極12を負電圧(−)に印加してもよい。
【0037】
図2(B)に示すように、面状放電2は、自己磁場によって電極から排出される方向(図で中心に向かう方向)に移動する。
【0038】
図2(C)に示すように、面状放電2が1対の同軸状電極11の先端に達すると、1対の面状放電2の間に挟まれたプラズマ媒体6が高密度、高温となり、各同軸状電極11の対向する中間位置(中心電極12の対称面1)に単一のプラズマ3が形成される。
【0039】
さらに、この状態において、対向する1対の中心電極12は、正電圧(+)と負電圧(−)であり、同様に対向する1対のガイド電極14も、正電圧(+)と負電圧(−)であるので、図2(D)に示すように、面状放電2は対向する1対の中心電極12同士、及び対向する1対のガイド電極14の間で放電する管状放電4に繋ぎ換えられる。ここで、管状放電4とは、軸線Z−Zを囲む中空円筒状の放電電流を意味する。
【0040】
この管状放電4が形成されると、図に符号5で示すプラズマ閉じ込め磁場(磁気ビン)が形成され、プラズマ3を半径方向及び軸方向に封じ込むことができる。
すなわち、磁気ビン5はプラズマ3の圧力により中央部は大きくその両側が小さくなり、プラズマ3に向かう軸方向の磁気圧勾配が形成され、この磁気圧勾配によりプラズマ3は中間位置に拘束される。さらにプラズマ電流の自己磁場によって中心方向にプラズマ3は圧縮(Zピンチ)され、半径方向にも自己磁場による拘束が働く。
【0041】
この状態において、プラズマ3の発光エネルギーに相当するエネルギーを電圧印加装置30から供給し続ければ、高いエネルギー変換効率で、プラズマ光8(EUV)を長時間安定して発生させることができる。
【0042】
図3は、本発明による放電電流の説明図である。この図において、(A)は単一の電圧印加装置30による放電電流の変化、(B)は2組の同軸電極対10における放電電流の位相のずれを示す図、(C)は3組の同軸電極対10における放電電流の位相のずれを示す図である。
【0043】
電圧印加装置30による放電は、コンデンサに蓄積した電気をトリガスイッチ36により瞬時に放電し、かつ余分な電気をコンデンサに再充電する。従って、図3(A)に示すように、単一の電圧印加装置30による放電電流の変化は一定の周期(2π)で正負を繰り返しながら減衰する。
【0044】
本発明の電圧印加装置30は、各同軸電極対10の同軸状電極11に位相がずれた放電電圧を印加する。この位相のずれは、2組の同軸電極対10の場合、好ましくは周期の半分(π)であり、3組の同軸電極対10の場合、好ましくは周期の1/3(2π/3)である。
【0045】
その結果、位相がずれた放電電流が各同軸電極対10の同軸状電極11に流れる。すなわち、位相がずれた放電電圧を印加することにより、図3(B)(C)に示すように、位相がずれた放電電流が同軸状電極11に流れる。
従って、各同軸電極対10の同軸状電極11に位相がずれた面状放電2を発生させ、この面状放電2により中間位置11aに単一のプラズマ3を形成し、次いで面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電4に繋ぎ換えてプラズマ3を前記中間位置11aに閉じ込める位相がずれた磁場を形成することができる。
【0046】
上述した本発明の装置と方法によれば、対向配置された1対の同軸状電極11を備え、1対の同軸状電極11にそれぞれ面状の放電電流(面状放電2)を発生させ、面状放電2により各同軸状電極11の対向する中間位置に単一のプラズマ3を形成し、次いで面状放電2を1対の同軸状電極間の管状放電4に繋ぎ換えてプラズマ3を閉じ込めるプラズマ閉じ込め磁場5(磁気ビン5)を形成するので、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができる。
【0047】
また複数の同軸電極対10は、中間位置11aで互いに交差して配置されており、電圧印加装置30は、各同軸電極対10の同軸状電極11に位相がずれた放電電圧を印加するので、中間位置11aのプラズマ3に複数の同軸電極対10により位相がずれた閉じ込め磁場5を形成できる。
従って、放電電流が低下しゼロになる時間帯を無くし、閉じ込め磁場5が常にプラズマ3に作用するので、リチウムの様な軽元素でも、放電電流反転時にプラズマ損失が発生せず、EUV出力の高出力化、高変換効率化が実現できる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1 対称面、2 面状放電(電流シート)、3 プラズマ、
4 管状放電、5 プラズマ閉じ込め磁場、6 プラズマ媒体、
8 プラズマ光(EUV)、
10 同軸電極対、11 同軸状電極、11a 中間位置、
12 中心電極、12a 凹穴、
14 ガイド電極、16 絶縁体、
20 放電環境保持装置、30 電圧印加装置、
32 正電圧源、34 負電圧源、36 トリガスイッチ、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された1対の同軸状電極を有しその中間位置にプラズマを軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対と、
該各同軸電極対にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持する放電環境保持装置と、
前記各同軸電極対の各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
前記複数の同軸電極対は、前記中間位置で互いに交差して配置されており、
前記電圧印加装置は、前記各同軸電極対の同軸状電極に位相がずれた放電電圧を印加する、ことを特徴とするプラズマ光源。
【請求項2】
前記各同軸状電極は、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、
1対の同軸状電極の各中心電極は、前記同一の軸線上に位置し、かつ互いに一定の間隔を隔てて対称に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
【請求項3】
対向配置された1対の同軸状電極を有しその中間位置にプラズマを軸方向に閉じ込める複数の同軸電極対を前記中間位置で互いに交差させて配置し、
前記各同軸電極対にプラズマ媒体を供給しかつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持し、
前記各同軸電極対の各同軸状電極に位相がずれた放電電圧を極性を反転させて印加し、
前記各同軸電極対の同軸状電極に位相がずれた面状放電を発生させ、該面状放電により前記中間位置に単一のプラズマを形成し、次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを前記中間位置に閉じ込める位相がずれた磁場を形成する、ことを特徴とするプラズマ光発生方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−119207(P2012−119207A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269087(P2010−269087)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】