説明

プラテンローラ、並びにそれを具備する記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタ

【課題】 シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施す際に見られる、熱活性糊化層の粘着力の低下、及びプラテンローラの劣化の少なくとも1つを抑制可能なプラテンローラ、並びにそれを具備する記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタを提供すること。
【解決手段】 シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラとして、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有することを特徴とするプラテンローラを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラ、並びにそれを具備する記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、食品のPOSラベル、物流・配送ラベル、医療用ラベル、バゲッジタグ、ビン・缶類の表示ラベルといった貼着用ラベルは、記録面(印字面)の裏側に感圧粘着剤層を有し、その上に剥離紙(セパレータ)を貼付けて仮接着した状態で供給されることが多い。そして、記録面に所定のバーコードや価格等を印字した後、剥離紙から貼着用ラベルを剥がして貼り付けて使用する。しかし、このタイプの貼着用ラベルを使用した後には剥離紙が残ることになり、廃棄物が発生するという問題があった。
【0003】
そこで、使用後に廃棄物が発生しない貼着用ラベルとして、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを利用することが検討されている。熱活性糊化層は、室温程度では粘着性はないが、例えば50〜150℃程度に加熱されることにより熱活性化され粘着性を発現する性質を有する材料で形成されている。熱活性糊化層を形成する材料は、例えば特許文献1〜5で開示されているような熱可塑性樹脂及び固体可塑剤等を主成分とする感熱性粘着材料で構成され、加熱により固体可塑剤が溶融することで熱可塑性樹脂に粘着性が付与される。溶融した固体可塑剤は過冷却状態を経て徐々に結晶化するため粘着性は所定時間持続され、この粘着性を有している間に貼着用ラベルをガラス瓶等の対象物に貼着することができる。
【0004】
このような熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段としては、例えば、加熱ロールを用いる方式、熱風吹き付け式、赤外線放射式、電熱ヒータや誘電コイルを用いる方式等、種々の加熱方式を適用したものが考えられる。また、特許文献6には、サーマルプリンタの記録用サーマルヘッドとして広く利用されている、セラミック基板上に設けられた複数の抵抗体(発熱素子)を熱源として有するサーマルヘッドを熱活性化手段として用い、熱活性糊化シートの熱活性糊化層に接触させて加熱する技術が開示されている。
【0005】
ここで、記録面に記録するための記録手段及び熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段としてサーマルヘッドを用いた貼着用ラベルプリンタの概略構成を示す模式図を図1に示す。この貼着用ラベルプリンタは、記録装置1、熱活性化装置2、及びカッタユニット3を具備する。そして、ロール状に巻回された熱活性糊化シート4がこの貼着用ラベルプリンタに導入されると、記録装置1の記録用サーマルヘッド11で熱活性糊化シート4の記録面に所定の記録がされ、カッタユニット3で熱活性糊化シート4が適切な大きさに切断され、熱活性化装置2の熱活性化用サーマルヘッド21で熱活性糊化シート4の熱活性糊化層が熱活性化されて、目的とする貼着用ラベルが排出される。この一連の処理は、適宜配置されたプラテンローラ等のローラにより熱活性糊化シート4が搬送されつつ行われる。プラテンローラのローラ部分を形成する材料としては、低圧縮永久歪性を有するジメチルシリコーンゴムが一般的に用いられている。
【特許文献1】特開平10−140117号公報
【特許文献2】特開2002−105414号公報
【特許文献3】特開2002−114953号公報
【特許文献4】特開2002−114954号公報
【特許文献5】特開2002−114955号公報
【特許文献6】特開平11−79152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような貼着用ラベルプリンタで熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施している際に、排出された熱活性糊化シートの熱活性糊化層の粘着力が、場所によって弱くなる又は消失することがあった。また、上記のような貼着用ラベルプリンタに用いるプラテンローラは劣化が速く、頻度高く交換する必要があった。
【0007】
本発明は、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施す際に見られる、熱活性糊化層の粘着力の低下、及びプラテンローラの劣化の少なくとも1つを抑制可能なプラテンローラ、並びにそれを具備する記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラであって、
ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有することを特徴とするプラテンローラである。
【0009】
また、本発明は、
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該記録面に記録するための記録手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備することを特徴とする記録装置である。
【0010】
また、本発明は、
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備することを特徴とする熱活性化装置である。
【0011】
また、本発明は、
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該記録面に記録し、かつ該熱活性糊化層を熱活性化して、貼着用ラベルを作製する貼着用ラベルプリンタであって、
前記記録面に記録するための記録手段と、前記熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備することを特徴とする貼着用ラベルプリンタである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施す際に見られる、熱活性糊化層の粘着力の低下、及びプラテンローラの劣化の少なくとも1つを抑制可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[プラテンローラ]
本発明のプラテンローラは、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを搬送するために使用されるものである。特に、熱活性糊化シートの記録面に記録するための記録手段、特に記録用サーマルヘッドと圧接した状態で配置されるプラテンローラ、及び/又は、熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段、特に熱活性化用サーマルヘッドと圧接した状態で配置されるプラテンローラとして好適なものである。搬送する熱活性糊化シートは、記録面に印字等の記録が施されていても良く、印字等の記録を施す前の状態でも良い。
【0014】
プラテンローラは、例えば図2にその構成を示すように、軸芯体101と、その外周に設けられたローラ部分102とで構成される。
【0015】
軸芯体101としては、プラテンローラ100のローラ部分102の支持体として機能し、駆動系の動力により回転可能なものを使用できる。例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル等の金属;ステンレス、ジュラルミン、真鍮、青銅等の合金;テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂;カーボンブラックや炭素繊維と樹脂との複合材料;等の軸芯体を用いることができる。軸芯体101は、円柱状でも良く、中心部分を空洞とした円筒状でも良い。
【0016】
プラテンローラ100は、それを具備する記録装置、熱活性化装置、貼着用ラベルプリンタ等においては、サーマルヘッドや他のローラ等に圧接した状態で配置され、その間に挟まれたシートを搬送する機能を有するものである。これまでプラテンローラ100のローラ部分102を形成する材料としては、低圧縮永久歪性を有するジメチルシリコーンゴムが一般的に用いられている。
【0017】
それに対して本発明のプラテンローラは、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有するものである。フッ素原子含有ゴムとしては、例えば、フロロシリコーンゴム(FVMQなど)、共重合型フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム(FM、FEPM、FFKMなど)等を用いることができる。
【0018】
フロロシリコーンゴムは、フッ素化シリコーンゴムとも呼ばれるものであり、通常のシリコーンゴムの置換基が有する水素原子の全部又は一部をフッ素原子に置き換えたものである。共重合型フロロシリコーンゴムは、上記のフロロシリコーンゴムのモノマーと、通常のシリコーンゴムのモノマーと、を適宜組み合わせて共重合させたものである。フッ素ゴムは、フロロカーボンゴムとも呼ばれるものであり、フッ化ビニリデン系重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル重合体等が知られている。フッ素原子含有ゴムは、単独で用いることも、または2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0019】
本発明のプラテンローラのローラ部分を構成する材料は、上記のフッ素原子含有ゴムを単独でも良く、上記のフッ素原子含有ゴムと他のゴム成分とを併用したものでも良い。他のゴム成分と併用する場合、ローラ部分を構成する材料中に、フッ素原子含有ゴムが90質量%以上含有することが好ましく、95質量%以上含有することがより好ましく、98質量%以上含有することがさらに好ましい。
【0020】
他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EP、EPDM、EPM)、クロロスルホン化ゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。中でも、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の非ジエン系ゴムが好ましい。耐熱性に優れていることから、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、またはシリコーンゴムがより好ましく、シリコーンゴムが特に好ましい。他のゴム成分は、1種を用いることも、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0021】
本発明のプラテンローラのローラ部分を構成する材料中には、その他必要に応じて、加硫剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、酸化防止剤、導電性付与剤等を適量配合することができる。
【0022】
本発明のプラテンローラのローラ部分の形成方法については、ローラ部分を形成する材料の種類により適宜選択することができる。例えば、軸芯体を成形型内部に配設しておきローラ部分を形成する材料を注型する方法、ローラ部分を形成する材料をあらかじめローラ部分の形状に成形した後、表面に接着層を設けた軸芯体を挿入して接着する方法などとすることができる。プラテンローラの径及び長手方向の長さについては、プラテンローラを設置する装置等に合わせて適宜設定することができる。
【0023】
なお、本発明のプラテンローラは、上記構成に限らず、例えば、軸芯体とローラ部分の間に接着層等を有する構成、軸芯体がなくローラ部分のみの構成、ローラ部分が多層構造となっている構成、等でも良い。ローラ部分が多層構造となっている場合、少なくとも最表層が後述するようにフッ素原子含有ゴムを含有していれば良く、内層を構成する材料は適宜選択することができる。
【0024】
プラテンローラのローラ部分の特性としては、通常、圧縮永久歪性、ゴム硬度、反発弾性等の特性が重要であり、また、これらの特性について耐寒性(例えば0℃放置での各特性の変化が小さいこと)、耐熱性(例えば200℃放置での各特性の変化が小さいこと)、耐薬品性(例えば油中放置での各特性の変化が小さいこと)が求められる。本発明において、これらの特性は、プラテンローラのローラ部分の形成材料や形成方法等により調整することができる。例えば、ローラ部分の圧縮永久歪(180℃/22h、JIS K6262)を3〜30%程度、ゴム硬度(JIS K6253、デュロメータA硬度)を30〜60度程度、反発弾性(JIS K6255)を20〜80%程度、となるように、プラテンローラのローラ部分の形成材料や形成方法を適宜選択することが好ましい。
【0025】
[記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタ]
本発明の記録装置は、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録を施すための装置であり、熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラとして上記本発明のプラテンローラを具備するものである。記録装置の具体的構成としては、熱活性糊化シートの記録面に記録するための記録手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備する記録装置が挙げられる。上記本発明のプラテンローラが、上記記録手段と圧接した状態で配置されている記録装置の場合に、本発明の効果が大きい。
【0026】
本発明の記録装置は、後述する貼着用ラベルプリンタを構成する記録装置として好適に使用できるものである。
【0027】
本発明の熱活性化装置としては、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して熱活性化を施すための装置であり、熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラとして上記本発明のプラテンローラを具備するものである。熱活性化装置の具体的構成としては、熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備する熱活性化装置が挙げられる。上記本発明のプラテンローラが、上記熱活性化手段と圧接した状態で配置されている熱活性化装置の場合に、本発明の効果が大きい。
【0028】
本発明の熱活性化装置は、後述する貼着用ラベルプリンタを構成する熱活性化装置として好適に使用できるものである。
【0029】
本発明の貼着用ラベルプリンタは、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施し、貼着用ラベルを作製する貼着用ラベルプリンタであり、上記本発明のプラテンローラを具備するものである。貼着用ラベルプリンタの具体的構成としては、熱活性糊化シートの記録面に記録するための記録手段と、熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、上記本発明のプラテンローラと、を具備する貼着用ラベルプリンタが挙げられる。上記本発明のプラテンローラが、上記記録手段と圧接した状態で配置されている場合、又は、上記熱活性化手段と圧接した状態で配置されている場合に、本発明の効果が大きい。さらに、上記本発明のプラテンローラを少なくとも2つ具備し、その1つが記録手段と圧接した状態で配置され、他の1つが熱活性化手段と圧接した状態で配置されている貼着用ラベルプリンタの場合、本発明の効果が特に大きい。
【0030】
以下、本発明の記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタの具体的な構成を例示して説明する。図1は、サーマルヘッドを用いて記録及び熱活性化する方式を利用した貼着用ラベルプリンタの概略構成を示す図である。この貼着用ラベルプリンタは、熱活性糊化シート4の記録面に所定の記録を施す記録装置1、熱活性糊化シート4の熱活性糊化層を加熱して粘着性を発現させる熱活性化装置2、及びこれらの装置間に熱活性糊化シート4を切断するカッタユニット3を具備する。
【0031】
図1の貼着用ラベルプリンタの記録装置1は、熱活性糊化シート4の記録面に記録するための記録手段としての記録用サーマルヘッド11と、プラテンローラ12と、を備えている。プラテンローラ12は加圧手段(不図示)により記録用サーマルヘッド11に圧接した状態で配置されており、その間に熱活性糊化シート4が押圧されて保持される。また、駆動系(不図示)によりプラテンローラ12を回転(図1において反時計回り)させることで、熱活性糊化シート4がロールから引き出され搬送される。このとき、記録制御装置(不図示)からの記録用信号に基づいてプラテンローラ12の回転速度は制御され、さらに記録用サーマルヘッド11が稼働することにより、熱活性糊化シート4の記録面に所望の記録を施すことができる。
【0032】
なお、上記記録装置1での記録方式は感熱方式であるが、熱活性糊化シートの記録面に所望の記録を行うことが可能なものであれば、上記感熱方式以外の他の方式とすることもできる。例えば、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式等とすることもできる。その際の記録装置1の構成については、その方式により記録するのに必要な記録手段と、上記本発明のプラテンローラとを具備する構成とすることができる。感熱方式または熱転写方式の記録手段を有する記録装置の場合に本発明の効果が大きく、感熱方式の記録手段を有する記録装置の場合に本発明の効果がより大きい。
【0033】
図1の貼着用ラベルプリンタの記録装置で所望の記録が施された熱活性糊化シート4は、カッタユニット3に搬送される。この貼着用ラベルプリンタのカッタユニット3は、切断手段としての可動刃31及び固定刃32を備えている。可動刃31は切断制御装置及び駆動源(いずれも不図示)によって所定のタイミングで動作可能となっており、熱活性糊化シート4を適切な長さに切断することができる。
【0034】
なお、カッタユニット3は、熱活性糊化シート4を適切長さに切断できるものであれば上記以外の他の構成とすることもできる。例えば、2つの可動刃を有する構成等とすることもできる。また、カッタユニット3の設置箇所は、上記のように記録装置1と熱活性化装置2の間でも良く、記録装置1より前、又は熱活性化装置2の後、に熱活性糊化シート4が通過する箇所に設置することもできる。
【0035】
図1の貼着用ラベルプリンタのカッタユニットで適切な長さに切断された熱活性糊化シート4は、次に熱活性化装置2の挿入ローラ23によって熱活性化装置2内に搬送される。熱活性化装置2は、熱活性糊化シート4の熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段としての熱活性化用サーマルヘッド21と、加圧手段(不図示)により熱活性化用サーマルヘッド21に圧接した状態で配置されたプラテンローラ22と、を備えている。そして、熱活性化用サーマルヘッド21が熱活性制御装置(不図示)によって所定のタイミングで稼働して、熱活性糊化シート4の熱活性糊化層を加熱することで熱活性化することができる。また、駆動系(不図示)によりプラテンローラ22を回転(図1において時計回り)させることで、熱活性糊化シート4が搬送され、排出ローラ24により貼着用ラベルが外に排出される。貼着用ラベルが排出されたことは排出検出センサ25により検知され、次の貼着用ラベルが所定のタイミングで排出されるように、記録、切断、熱活性化の処理が行われる。
【0036】
なお、熱活性化装置2での熱活性化の方式は、熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化可能なものであれば、上記のように熱活性化用サーマルヘッドを熱活性糊化シートの熱活性糊化層に接触させて加熱する方式以外の他の方式とすることもできる。例えば、加熱ロールを用いる方式、熱風吹き付け式、赤外線放射式、電熱ヒータや誘電コイルを用いる方式等とすることもできる。その際の熱活性化装置2の構成については、その方式により熱活性化するのに必要な熱活性化手段と、上記本発明のプラテンローラとを具備する構成とすることができる。熱活性化用サーマルヘッドまたは加熱ロールを用いる方式の熱活性化手段を有する熱活性化装置のときに本発明の効果が大きく、熱活性化用サーマルヘッドを用いる方式の熱活性化手段を有する熱活性化装置のときに本発明の効果がより大きい。
【0037】
図1の貼着用ラベルプリンタのような感熱方式で記録面に記録し、熱活性化用サーマルヘッドにより熱活性糊化層を加熱する方式の貼着用ラベルプリンタに使用可能な熱活性糊化シート4は、例えば、図3(a)にその層構成を示すように、シート状基材51の記録面に感熱層52が設けられ、その裏面側に熱活性糊化層53が設けられてなる熱活性糊化シートを用いることができる。図3(b)に示すように、シート状基材51と感熱層52の間に断熱層55を有する熱活性糊化シートを用いることもできる。
【0038】
熱活性糊化層53は、室温程度では粘着性はないが、例えば50〜150℃程度に加熱されることにより熱活性化され粘着性を発現する性質を有する材料で形成される。通常は、特許文献1〜5で開示されているような熱可塑性樹脂及び固体可塑剤等を主成分とする感熱性粘着材料で構成され、加熱により固体可塑剤が溶融することで熱可塑性樹脂に粘着性が付与される。溶融した固体可塑剤は過冷却状態を経て徐々に結晶化するため粘着性は所定時間持続され、この粘着性を有している間に貼着用ラベルをガラス瓶等の対象物に貼着することができる。
【0039】
熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等が使用できる。使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は−70〜20℃であることが好ましく、−67〜0℃であることがより好ましい。また、使用する熱可塑性樹脂の重量平均分子量は10万〜30万であることが好ましい。
【0040】
固体可塑剤としては、所望の温度(例えば50〜150℃程度)で溶融することで熱可塑性樹脂に粘着性が付与できる化合物を適宜選択すれば良く、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、芳香族スルホンアミド化合物、フタル酸化合物等が挙げられる。特に、固体可塑剤としてベンゾトリアゾール系化合物を含有する熱活性糊化シートの場合に本発明の効果が大きい。
【0041】
ベンゾトリアゾール系化合物は、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール誘導体を指す。ベンゾトリアゾールとは、下記式(I)で表される化合物である。
【0042】
【化1】

ベンゾトリアゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾールの水素原子の少なくとも1つを他の置換基に置換した化合物であり、例えば、水素原子を、メチル基に置換したメチルベンゾトリアゾール、カルボキシ基に置換したカルボキシベンゾトリアゾール、ニトロ基に置換したニトロベンゾトリアゾール、ヒドロキシ基に置換したヒドロキシベンゾトリアゾール、アミノ基に置換したアミノベンゾトリアゾール、塩素原子に置換したクロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。また、ベンゾトリアゾールの2位の窒素原子に置換基Rを結合させた、以下の構造単位を有する下記式(II)で表される化合物、さらにはその水素原子の少なくとも1つを上記のような他の置換基(メチル基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、塩素原子等)に置換した化合物が挙げられる。
【0043】
【化2】

例えば、上記式(II)で表される化合物の水素原子の1つを塩素原子に置換した化合物としては、下記(IIa)が例示される。
【0044】
【化3】

上記式(II)において、Rは任意であるが、例えば、下記式(III)または(IV)で表される置換基とすることが、融点や取り扱い性の観点から好ましい。
【0045】
【化4】

上記R1及びR2並びにR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルケニル基、及びそれらの基を含むアルコキシ基のいずれかから選ばれる置換基である。上記R1及びR2並びにR3は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。上記アルキル基、アルケニル基、及びそれらの基を含むアルコキシ基は直鎖状でも良く、分岐鎖状でも良く、環状構造を有していても良い。
【0046】
熱活性糊化層における固体可塑剤の含有量は、目的とする熱活性化の性質を発現するように適宜設定することができるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して50〜500質量部が好ましく、100〜400質量部がより好ましい。
【0047】
熱活性糊化層には、上記の熱可塑性樹脂及び固体可塑剤以外の成分が含まれていても良い。
【0048】
本発明の記録装置は、上述のようにオンデマンドで記録及び熱活性化を施す貼着用ラベルプリンタを構成する記録装置として好適に使用できるものであるが、熱活性化装置を持たない記録装置単独の構成とすることもできる。例えば、熱活性糊化シートの記録面に印字等の記録があらかじめ施された記録済み熱活性糊化シートを供給するための装置とすることができる。また、本発明の記録装置と、熱活性糊化シートを所望の大きさに切断可能な切断手段と、を有する装置とすることもできる。例えば、熱活性糊化シートの記録面に印字等の記録があらかじめ施され、所望の大きさに切断された記録済み貼着用ラベルを供給するための装置とすることができる。
【0049】
本発明の熱活性化装置は、上述のようにオンデマンドで記録及び熱活性化を施す貼着用ラベルプリンタを構成する熱活性化装置として好適に使用できるものであるが、記録装置を持たない熱活性化装置単独の構成とすることもできる。例えば、熱活性糊化シートの記録面に印字等の記録があらかじめ施され、所望の大きさに切断された記録済み貼着用ラベルに対して、熱活性化を施すための装置とすることができる。また、本発明の熱活性化装置と、熱活性糊化シートを所望の大きさに切断可能な切断手段と、を有する装置とすることもできる。例えば、熱活性糊化シートの記録面に印字等の記録があらかじめ施された記録済み熱活性糊化シートを所望の大きさに切断し、熱活性化するための装置とすることができる。
【0050】
なお、本発明のプラテンローラを用いた記録装置、熱活性化装置、及び貼着用ラベルプリンタとすることにより、シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施す際に見られる、熱活性糊化層の粘着力の低下、及びプラテンローラの劣化の少なくとも1つを抑制できるメカニズムについては、それぞれ以下のように推定している。
【0051】
まず、本発明者らの検討によって、熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施し必要数の貼着用ラベルを作製した後、まだ熱活性糊化シートを使い切っていない状態のまま放置し(例えば数時間程度)、貼着用ラベルを作製するため熱活性糊化シートの記録及び熱活性化を再開した際に、熱活性糊化層の粘着力の低下が起こりやすいことが判明した。すなわち、この原因としては、この熱活性糊化シートを使い切っていない状態で記録装置内のプラテンローラと熱活性糊化層が押圧した状態で保持されることで、熱活性糊化シートの熱活性糊化層とプラテンローラとが相互作用をして、熱活性糊化層の粘着力が低下していると考えられた。この相互作用としては熱活性糊化層に含まれる固体可塑剤がプラテンローラ側に移動することが考えられる。そして、本発明のように、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有するプラテンローラを用いると、フッ素原子の存在によって固体可塑剤との親和性が異なるためプラテンローラ側に移動しにくくなり、熱活性糊化層の粘着力の低下を抑制できたものと考えられる。
【0052】
また、本発明者らの検討によれば、プラテンローラの劣化は、特に熱活性化手段と圧接した状態で配置されるプラテンローラにおいて顕著であることが判明した。すなわち、この原因としては、熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施す工程を中断している間や、適切な大きさに切断された熱活性糊化シートが通過し次の熱活性糊化シートが通過するまでの間において、熱活性化手段とプラテンローラが直接接触することとなるため、熱活性化手段の熱によりプラテンローラの劣化が速く進行していると考えられた。他の原因としては、熱活性糊化シートの熱活性化層に含まれる固体可塑剤等の成分が一旦熱活性化手段に付着し、その成分がプラテンローラに移動することで、プラテンローラのローラ部分の耐熱性が低下していることが考えられた。そして、本発明のように、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有するプラテンローラを用いると、フッ素原子の存在によりローラ部分の耐熱性が高まるため熱劣化の進行が遅くなり、プラテンローラの劣化が抑制できたものと考えられる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明についての実験例を挙げて、具体的に説明する。
【0054】
[熱活性糊化シートの作製]
固体可塑剤として下記式(i)で表される2−[5’−(1’’,1’’,3’’,3’’−テトラメチルブチル)−2’−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103℃、長瀬産業社製、以下化合物(i)と表す)100質量部と、分散剤としてポリアクリル酸のナトリウム塩(東亞合成株式会社製、商品名:アロンT−40)を5質量部とを配合し、化合物(i)の固形分濃度が50質量%になるように水を添加した。この混合物をボールミルタイプの粉砕機を用い、平均粒径が2μmになるまで湿式粉砕処理を施し、固体可塑剤分散液を得た。
【0055】
【化5】

この固体可塑剤分散液180質量部に、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン−アクリル系共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス910)100質量部と、粘着付与剤としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株式会社製、商品名:スーパーエステルE−730)100質量部とを混合して、固形分濃度50質量%の熱活性糊化層形成用分散液を得た。
【0056】
そして、片面に断熱層及び感熱層が形成された感熱紙(シート状基材の質量:100g/m2、断熱層の質量:5g/m2、断熱層の質量:5g/m2)の裏面に、上記で得られた熱活性糊化層形成用分散液を乾燥質量が25g/m2となるように塗布乾燥して熱活性糊化層を形成し、熱活性糊化シートを得た。
【0057】
[プラテンローラの作製]
プラテンローラ用成形型にステンレス製の軸芯体をセットし、その外周に、各種ゴムに所定量の加硫剤を混ぜて混練した材料を加圧成形することでローラ部分を形成した。成形条件(一次加硫)は、165℃/10分とした。
【0058】
その後型から成形品を取出し、ベーク炉中で200℃/4時間の条件で二次加硫を行い、プラテンローラを作製した。
【0059】
[実験例1:粘着強度消失耐性試験]
まず、熱活性糊化シートに対して次のような前処理を施した。図4に前処理時の状態を示すように、熱活性糊化シート120の熱活性糊化層上に、2本のプラテンローラ100を配置し、さらにその上におもり110を載せて1.2kgf(11.8N)の荷重をかけ、その状態で一日(又は2週間)放置した。
【0060】
そして、上記前処理後の熱活性糊化層表面を顕微鏡にて観察した。
【0061】
また、熱活性糊化シート120を、図5にその上面図を示すようにプラテンローラのローラ部分との接触部121と垂直な方向が長さ方向になるようにして、長さ150mm×幅40mmに切断した。その後、熱活性糊化シートの熱活性化層を熱活性化処理をした。熱活性化処理は熱活性化用サーマルヘッドで行い、詳細な条件は以下の通りに設定した。
【0062】
・全ドット通電
・熱履歴補正(蓄熱による発熱退部表面温度上昇をキャンセルする制御)あり
・活性エネルギー:0.28mJ/dot(発熱体抵抗値:800Ω)
・1ドットサイズ:0.125mm×0.125mm
・サーマルヘッドへの押圧力:20gf/mm(1.96N/m)
・シート送り速度:100mm/sec
・2分割駆動
(発熱体列全部を一度に発熱するのではなく、2つの領域に分けて順次発熱させ、電源容量の増大を抑える駆動方法)
・26℃、60%RH
一方、被着体としてSUS製の測定台上にポリオレフィンラップ(三菱樹脂社製、商品名:ダイアラップスーパー)を両面テープ(大日本インキ化学工業社製、商品名:#8103D)で貼り付けたものを準備した。
【0063】
そして、被着体上に、熱活性化処理された熱活性糊化シートの熱活性糊化層が被着体側に向くようにのせ、2kgf(19.6N)の加圧ローラで手前から奥へむかって2回加圧した。その後、熱活性糊化シートの端部を粘着強度測定器(デジタルフォースゲージ、イマダ社製、商品名:DPX−5TR)にクリップで固定し、180度の方向に300mm/分の速度で引っ張った時の荷重を0.5秒間隔で測定した(図6参照)。
【0064】
図7にその測定結果の一例を示すように、プラテンローラのローラ部分との接触部に相当する箇所において荷重が小さくなる傾向が見られ、プラテンローラのローラ部分との接触によって熱活性糊化シートの粘着強度が低下していることが分かった。そこで、その粘着強度の低下率を見積もった。なお、粘着強度の低下率は、粘着強度の低下がないとしてときの荷重をその前後における荷重変化から推定し、その荷重と実際に測定された荷重とから算出した。
【0065】
種々の材料を用いてローラ部分を形成したプラテンローラに対して、以上の検討を実施し、得られた熱活性糊化層表面の状態及び粘着強度の低下率に基づいて、粘着性消失耐性を以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
「◎」:放置時間が一日及び2週間のいずれの場合でも、粘着強度の低下率が50%未満であり、熱活性糊化層の状態に変化がなかった。
「○」:放置時間が一日の場合、粘着強度の低下率が50%未満であり、熱活性糊化層の状態に変化がなかった(上記「◎」評価のものを除く)。
「△」:放置時間が一日の場合、粘着強度の低下率が50%未満であったが、熱活性糊化層の表面に凹凸が見られた。
「×」:放置時間が一日の場合、粘着強度の低下率が50%以上であった。
【0066】
【表1】

1)信越化学工業社製商品名
2)GE東芝シリコーン社製商品名
3)東レ・ダウコーニング・シリコーン社製商品名
4)デュポンエラストマー社製商品名
5)旭化成ワッカー社製商品名
以上のように、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有する場合、粘着強度消失耐性が高かった。すなわち、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有するプラテンローラを用いることで、熱活性糊化層の粘着力の低下を抑制できることが分かる。
【0067】
[実験例2:劣化耐性試験]
図1に示す構成を有する貼着用ラベルプリンタ試作機により、実際に熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施した。なお、熱活性糊化シートとしては、幅100mmのロール状のものを用い、カッタユニットにより長さ150mmに切断された貼着用ラベルを作製した。なお、記録周期は1.25msecとし、熱活性化条件は上記実験例1と同様とした。
【0068】
種々の材料を用いてローラ部分を形成したプラテンローラを、熱活性化用サーマルヘッドに圧接した状態で配置されたプラテンローラとして使用し、上記の条件の試験を熱活性糊化シートが20km走行するまで行い、プラテンローラの径変化(膨潤の有無)及び顕微鏡による表面観察の結果に基づき、劣化耐性を以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。
「◎」:膨潤なく、表面状態に変化がなかった。
「○」:膨潤はなかったが、表面にわずかな膨れが見られた(実用上問題なし)。
「△」:表面にわずかな膨れが見られ(実用上問題なし)、膨潤が見られた。
「×」:膨潤が見られ、表面にイボイボ状の変形が見られた。
【0069】
【表2】

1)信越化学工業社製商品名
2)GE東芝シリコーン社製商品名
4)デュポンエラストマー社製商品名
5)旭化成ワッカー社製商品名
以上のように、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有する場合、劣化耐性が高かった。すなわち、ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有するプラテンローラを用いることで、その劣化を抑制できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】熱活性糊化シートに対して記録及び熱活性化を施して、貼着用ラベルを作製する貼着用ラベルプリンタの概略構成を示す模式図である。
【図2】プラテンローラの構成を示す斜視図である。
【図3】感熱方式で記録する貼着用ラベルプリンタに使用する熱活性糊化シートの層構成を示す断面図である。
【図4】粘着強度消失試験で行う熱活性糊化シートの前処理時の状態を示す図である。
【図5】前処理した後に試験を行う熱活性糊化シートの上面図である。
【図6】熱活性糊化シートの粘着強度測定時の状態を示す図である。
【図7】熱活性糊化シートの粘着強度測定結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 記録装置
2 熱活性化装置
3 カッタユニット
4 熱活性糊化シート
11 記録用サーマルヘッド
12 プラテンローラ
21 熱活性化用サーマルヘッド
22 プラテンローラ
23 挿入ローラ
24 排出ローラ
25 排出センサ
31 可動刃
32 固定刃
51 シート状基材
52 感熱層
53 熱活性糊化層
55 断熱層
100 プラテンローラ
101 軸芯体
102 ローラ部分
110 おもり
120 熱活性糊化シート
121 プラテンローラのローラ部分との接触部
130 測定台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートを搬送するためのプラテンローラであって、
ローラ部分がフッ素原子含有ゴムを含有することを特徴とするプラテンローラ。
【請求項2】
前記フッ素原子含有ゴムとして、フロロシリコーンゴムを含有する請求項1に記載のプラテンローラ。
【請求項3】
前記フッ素原子含有ゴムとして、共重合フロロシリコーンゴムを含有する請求項1または2に記載のプラテンローラ。
【請求項4】
前記フッ素原子含有ゴムとして、フッ素ゴムを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のプラテンローラ。
【請求項5】
前記ローラ部分を構成する材料中に、前記フッ素原子含有ゴムが90質量%以上含有する請求項1〜4のいずれかに記載のプラテンローラ。
【請求項6】
前記ローラ部分を構成する材料が、さらにシリコーンゴムを含有する請求項1〜5のいずれかに記載のプラテンローラ。
【請求項7】
前記熱活性糊化シートの記録面に記録するための記録手段と圧接した状態で配置されるものである請求項1〜6のいずれかに記載のプラテンローラ。
【請求項8】
前記記録手段が記録用サーマルヘッドである請求項7に記載のプラテンローラ。
【請求項9】
前記熱活性糊化シートの熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と圧接した状態で配置されるものである請求項1〜6のいずれかに記載のプラテンローラ。
【請求項10】
前記熱活性化手段が熱活性化用サーマルヘッドである請求項9に記載のプラテンローラ。
【請求項11】
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該記録面に記録するための記録手段と、請求項1〜6のいずれかに記載のプラテンローラと、を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項12】
前記プラテンローラが、前記記録手段と圧接した状態で配置されている請求項11に記載の記録装置。
【請求項13】
前記記録手段が、記録用サーマルヘッドである請求項12に記載の記録装置。
【請求項14】
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、請求項1〜6のいずれかに記載のプラテンローラと、を具備することを特徴とする熱活性化装置。
【請求項15】
前記プラテンローラが、前記熱活性化手段と圧接した状態で配置されている請求項14に記載の熱活性化装置。
【請求項16】
前記熱活性化手段が、熱活性化用サーマルヘッドである請求項15に記載の熱活性化装置。
【請求項17】
シート状基材の記録面の裏面側に熱活性糊化層を有する熱活性糊化シートの、該記録面に記録し、かつ該熱活性糊化層を熱活性化して、貼着用ラベルを作製する貼着用ラベルプリンタであって、
前記記録面に記録するための記録手段と、前記熱活性糊化層を熱活性化するための熱活性化手段と、請求項1〜6のいずれかに記載のプラテンローラと、を具備することを特徴とする貼着用ラベルプリンタ。
【請求項18】
前記プラテンローラが、前記記録手段と圧接した状態で配置されている請求項17に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項19】
前記記録手段が、記録用サーマルヘッドである請求項18に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項20】
前記プラテンローラが、前記熱活性化手段と圧接した状態で配置されている請求項17に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項21】
前記熱活性化手段が、熱活性化用サーマルヘッドである請求項20に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項22】
前記プラテンローラを少なくとも2つ具備し、その1つが前記記録手段と圧接した状態で配置され、他の1つが前記熱活性化手段と圧接した状態で配置されている請求項17に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項23】
前記記録手段が、記録用サーマルヘッドである請求項22に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項24】
前記熱活性化手段が、熱活性化用サーマルヘッドである請求項22または23に記載の貼着用ラベルプリンタ。
【請求項25】
前記熱活性糊化シートを所望の大きさに切断可能な切断手段をさらに有する請求項17〜24のいずれかに記載の貼着用ラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−205379(P2006−205379A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16749(P2005−16749)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】