説明

プランター

【課題】屋外に設置しても、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられるプランターを提供する。
【解決手段】上方に開口し内部に培地が収納される培地容器1で主体が構成されるプランターである。培地容器1は、金属板21からなる芯材2に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材3が被覆される。また、金属板21からなる芯材2に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材3が被覆され、上方に開口し内部に培地容器1が収納され且つ底部に液体が貯留可能な液肥容器4が設けられてもよく、この場合には培地容器1の底部に挿通開口が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用のプランターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、植物栽培用のプランターが用いられている(例えば特許文献1参照)。プランターとしては、古くから用いられている鉢が代表的であるが、図13に示すように合成樹脂製の上方に開口する略箱状をしたものも従来よりよく用いられている。
【0003】
近年、野菜等の植物を大掛かりな畑で栽培するのではなく、上記のようなプランターにより栽培する要望が高まっている。すなわち、まとまった土地がなくても、プランターが設置できれば植物の栽培が可能となるため、例えば都市部においても狭小な土地で植物の栽培が可能となり、デッドスペースの活用や、食料自給率の増加や、地産地消が図られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3032652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のプランターによりある程度の量の植物を栽培する場合、多数のプランターを並設すると共に、各プランター毎に肥料や水を供給する必要があり、手間が掛かるものであった。また、多数のプランターを並設するにも、乱雑に並べてしまうと見苦しくなるため整然と並べる必要があるが、整然と並べるには手間がかかり、また整然と並べても一体感がないものであった。
【0006】
そこで、長尺のプランターを製造して用いることが考えられるが、この場合、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮の発生が懸念されるものであった。すなわち、短尺のプランターを並設するのであれば、各プランターは膨張・収縮するものの、プランター間に生じる隙間が膨張・収縮を吸収することができ、プランター列全体の長さは殆ど変化しない。しかしながら、一体の長尺のプランターが膨張・収縮するとプランター全体の長さが大きく変化してしまうものであった。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、屋外に設置しても、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられるプランターを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、以下の構成を具備している。
【0009】
上方に開口し内部に培地9が収納される培地容器1で主体が構成されるプランターである。培地容器1は、金属板21からなる芯材2に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材3が被覆されて成ることを特徴とする。
【0010】
芯材2により、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられ、また表面材3により耐錆等の耐候性が高いものである。
【0011】
また、培地容器1は、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状に形成され、複数の培地容器1を長手方向に連結する連結手段が設けられ、長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバーが着脱自在に装着されるのが好ましい。これにより、所望の長さで上方に開口する培地容器1が形成可能となる。
【0012】
また、金属板21からなる芯材2に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材3が被覆され、上方に開口し内部に培地容器1が収納され且つ底部に液体が貯留可能な液肥容器4が設けられ、培地容器1の底部に挿通開口が形成されるのが好ましい。これにより、培地容器1に液体が供給可能となる。また液肥容器4は、芯材2により、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられ、また表面材3により耐錆等の耐候性が高くなる。
【0013】
また、液肥容器4は、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状に形成され、複数の液肥容器4を長手方向に連結する連結手段が設けられ、長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバー6が着脱自在に装着されるのが好ましい。これにより、所望の長さで上方に開口する液肥容器4が形成可能となる。
【0014】
また、複数の液肥容器4を長手方向に連結する連結手段が継手5からなり、液肥容器4の設置面からの高さを調整する高さ調整手段7が継手5に設けられるのが好ましい。これにより、液肥容器4が水平でない面に設置される場合でも水平に設置可能となる。
【0015】
また、液肥容器4の長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバー6に、液肥容器4の設置面からの高さを調整する高さ調整手段7が設けられるのが好ましい。これにより、液肥容器4が水平でない面に設置される場合でも水平に設置可能となる。
【0016】
また、継手5は、液肥容器4の外面に略沿う形状に形成される外継手51と、外継手51と協同して液肥容器4を内外から挟持する内継手55とで構成され、外継手51の内面の液肥容器4が当接する部分に弾性を有しリブ54aが突設されるシール部54が設けられるのが好ましい。これにより、液肥容器4と外継手51とのシールがなされ、液肥容器4に貯留される液体が漏れるのが防止される。
【0017】
また、内継手55と培地容器1の長手方向の端部に、該内継手55と培地容器1とを連結する係止部が設けられるのが好ましい。これにより、内継手55に培地容器1の荷重をかけて、外継手51と内継手55とで液肥容器4を内外から挟持することが可能となる。
【0018】
また、内継手55に、培地容器1内の栽培空間を長手方向に仕切る仕切り59が設けられるのが好ましい。これにより、栽培空間を仕切ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、表面材により耐錆等の耐候性が高く維持されながら、芯材により、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態のプランター(培地容器、液肥容器)を長手方向に垂直に切断した状態(但し各芯材及び表面材の切断箇所は異なる)の斜視図である。
【図2】同上の実施形態のプランター(培地容器、液肥容器、継手)を長手方向に垂直に切断した状態の斜視図である。
【図3】同上の実施形態の継手の分解斜視図である。
【図4】同上の実施形態において液肥容器の長さを培地容器の長さの数倍にした場合の説明図である。
【図5】同上の実施形態において液肥容器又は培地容器をスタックした状態の断面図である。
【図6】他の実施形態を示し、(a)は継手の分解斜視図であり、(b)は液肥容器を継手で連結した状態の要部断面図である。
【図7】同上の実施形態におけるエンドカバー及びアジャスタボルトの分解斜視図である。
【図8】同上の実施形態におけるプランターの側面図である。
【図9】更に他の実施形態のプランター(培地容器、液肥容器、継手)を長手方向に垂直に切断した状態の斜視図である。
【図10】同上の実施形態の継手の分解斜視図である。
【図11】更に他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は分解斜視図である。
【図12】更に他の実施形態におけるプランター(液肥容器、培地容器)の断面図である。
【図13】従来のプランターの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0022】
プランターは、内部に培地9(図11参照)が収納されて植物が栽培されるもので、図2に示すように底片11と該底片11の幅方向(短手方向)の両端から上方に若干広がるように連設される側片12とからなる、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状をした培地容器1で主体が構成される。なお、培地容器1の詳細な形状は特に限定されず、例えば、側片12が底片11から上方に垂直に連設されていたり、底片11や側片12が平板状でなく曲がっていたり、底片11と側片12との境界が明確でなくてもよい。
【0023】
培地容器1は、図1に示すように収縮率の低い芯材2に、耐候性の高い表面材3が被覆されて形成される。本実施形態では、芯材2の材質として、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮(すなわち熱膨張・熱収縮)の度合いが合成樹脂よりも低く、強度及び剛性が合成樹脂よりも高い金属が用いられる。また表面材3の材質として、寒さや暑さ・風雨・日照等に対する耐性(すなわち耐候性)の高い合成樹脂が用いられる。更に本実施形態では図示しないが、表面材3が、芯材2に直接被覆される内側材と、内側材の外側に被覆されて外部に露出する外側材とからなる二層構造となっている。
【0024】
この培地容器1は、本実施形態では、図1に示すように一枚の金属板21(例えば亜鉛処理スチール、ステンレス等)を屈曲して底片11及び両側の側片12の芯材2が一体に構成される。そして、芯材2の表面に、内側材となる例えば硬質塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン等からなる合成樹脂層(図示せず)が被覆されると共に、外側材となる例えば高耐候性樹脂からなる合成樹脂層(図示せず)が被覆されて表面材3が形成される。
【0025】
上記構成の培地容器1は、金属板21からなる芯材2により、寒さや暑さ・風雨・日照等による膨張・収縮が抑えられると共に、強度及び剛性が高いものである。また、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材3が被覆されているため、耐錆等の耐候性が高く、金属が剥き出しにならず外観も向上する。これにより、一体の長尺の培地容器1としても膨張・収縮による懸念がなく、所望の長さの培地容器1を形成することが可能となる。
【0026】
培地容器1は、複数が長手方向に連結可能となっており、連結される培地容器1の数が変わることで全体の長さが調節可能となる。また図示しないが、連結手段として、培地容器1の長手方向の端部に係止部が設けられて、二つの培地容器1の連結手段同士が連結されたり、別体の継手により二つの培地容器1の端部が連結されることで、複数の培地容器1が長手方向に連結される。なお、培地容器1が一つのみで用いられても勿論よいものである。
【0027】
培地容器1の長手方向の端部に、該端部の開口を閉塞するエンドカバーが着脱自在となるように形成される。これにより、必要に応じてエンドカバーが装着されて、底片11と側片12とエンドカバーとで上方に開口する区画された栽培空間が適宜構成される。
【0028】
本実施形態では更に、培地容器1が収納自在で底部に液体が貯留可能な液肥容器4が設けられ、培地容器1と液肥容器4とでプランターが構成されるもので、液肥容器4について説明する。
【0029】
液肥容器4は図2に示すように、培地容器1と同様、底片41と該底片41の幅方向の両端から上方に若干広がるように連設される側片42とからなる、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状をしたものである。液肥容器4の詳細な形状は特に限定されず、例えば、側片42が底片41から上方に垂直に連設されていたり、底片41や側片42が平板状でなく曲がっていたり、底片41と側片42との境界が明確でなくてもよい。
【0030】
液肥容器4も、図1に示すように、収縮率の低い芯材2に耐候性の高い表面材3が被覆されて形成される点、更に本実施形態では芯材2の材質として金属が用いられ、表面材3の材質として合成樹脂が用いられる点、更に表面材3が内側材と外側材とからなる二層構造である点、一枚の金属板21にて芯材2が一体に構成され、内側材及び外側材となる合成樹脂層がそれぞれ被覆されて形成される点、これらにより得られる効果、は上述した培地容器1と同様であり、説明が重複するため省略する。
【0031】
液肥容器4は、培地容器1とは主に断面形状が異なるもので、長手方向の長さについては、少なくとも培地容器1の長さ以上にする必要がある。
【0032】
培地容器1と液肥容器4の断面形状は、培地容器1が液肥容器4に収納される形状となるように形成される。本実施形態では、図2に示すように、培地容器1の側片12の外面が液肥容器4の側片42の内面の上端部から中間部にかけて沿い、培地容器1の底片11は液肥容器4の底片41から上方に間隔をあけて位置するように形成される。培地容器1の側片12の上端部には、長手方向全長に亙って係止片13が外方に向けて連設されており、培地容器1が液肥容器4に収納される際に係止片13が液肥容器4の側片42の上端部上に載置される。また、液肥容器4に収納される培地容器1は、底部(底片11)に多数の挿通開口(図示せず)が穿設されている。
【0033】
更に、培地容器1及び液肥容器4の側片12、42の中間部(図示例では側片12、42の上端部から上下長さの1/3程度下がった位置)にそれぞれ、クランク状に屈曲してその中央の略水平となる下係止片14、43が形成されている。便宜上、培地容器1及び液肥容器4の側片12、42の下係止片14、43より上側の部分を上側片12a、42a、下係止片14、43より下側の部分を下側片12b、42bとする。培地容器1が液肥容器4に収納される際、培地容器1の下係止片14が液肥容器4の下係止片43上に載置され、下係止片14と上述した係止片13とで培地容器1が支持される。
【0034】
液肥容器4の長手方向の端部に連結手段が設けられ、二つの液肥容器4の連結手段同士が連結されたり、別体の継手5が用いられて二つの培地容器1の端部が連結されることで、複数の液肥容器4が長手方向に連結される。本実施形態では別体の継手5により連結されるもので、継手5は図3に示すように、培地容器1や液肥容器4の表面材3と同じ合成樹脂製の外継手51と内継手55とで構成される。
【0035】
外継手51は、液肥容器4と同様に、底片52と該底片52の幅方向の両端から上方に若干広がるように連設される側片53とからなる、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状をしたもので、液肥容器4の外面に略沿う形状に形成される。詳述すると、側片53は、長手方向(装着される液肥容器4の長手方向)の両端部の上端部の角部がそれぞれ矩形状に切欠されて係合凹部53aが形成されており、係合凹部53aの底辺にあたる側片53の上端面53bが、液肥容器4の下係止片43の下面が載置される載置面となる。便宜上、側片53の長手方向の両係合凹部53a間の部分を中片53cとする。
【0036】
側片53の下部の内面と底片52の上面には、シール部54が設けられる。シール部54は、ゴム等の弾性を有する材質からなるもので、液肥容器4を包み込むように外継手51が装着された際、液肥容器4の外面が当接してシールがなされる。シール部54に、長手方向に略直交する方向に一条又は複数条のリブ54aが突設してあることで、リブ54aで液肥容器4の外面に圧接することとなってより確実なシールがなされる。このシール部54の上端部の位置は、液肥容器4に貯留される液体の上面よりも上側となるように設定される。すなわち図2に示すように、培地容器1が液肥容器4に収納された際、液肥容器4の底片41よりも上で培地容器1の底片11よりも下に形成される空間が液体の貯留空間40となるが、この貯留空間40の上端部(すなわち培地容器1の底片11の位置)よりも上にシール部54の上端部が位置するようにする。なお、貯留空間40に貯留される液体は液肥に限定されず、水分や、防虫剤をはじめとする薬剤等、いかなる液体であってもよい。
【0037】
内継手55は、外継手51と同様に、底片56と該底片56の幅方向の両端から上方に若干広がるように連設される側片57とからなる、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状をしたもので、液肥容器4の内面に略沿う形状に形成される。内継手55が液肥容器4に装着された際、側片57の下端部は液肥容器4の底片41に達しており、底片56は液肥容器4の底片41の上面に沿う状態となっている。側片57の上端部には、培地容器1の係止片13と同様の係止片57aが外方に向けて連設されており、液肥容器4の側片42の上端部上に載置される。また、培地容器1の下係止片14に対応する位置において、両側片57同士を連結する連結片58が形成されていて、底片56や側片57が撓んで両側片57間の距離が変わるのが防止される。内継手55の長手方向の長さは、外継手51の中片53cの長手方向の長さと同じに形成される。
【0038】
液肥容器4は、上記外継手51及び内継手55で連結されるため、長手方向の両端部において、下側片42b及び底片41が、上側片42a及び下係止片43の端部から長手方向に中片53cの長さの半分が突出するように形成している。すなわち、上側片42a及び下係止片43がない部分に内継手55の側片57が位置する(図2参照)。
【0039】
液肥容器4の連結には、まず外継手51が両液肥容器4に装着される。これにあたっては、各液肥容器4の長手方向の端部に外継手51がそれぞれ被嵌され、液肥容器4の下係止片43の下面が外継手51の係合凹部53aの上端面53bに載置され、液肥容器4の上側片42a及び下係止片43の側端面が外継手51の中片53cの側端面に当接する。そして、内継手55が液肥容器4の内面側から嵌め込まれる。これにあたっては、内継手55が外継手51の中片53cの位置に沿わせて嵌め込まれることで、液肥容器4の下側片42b及び底片41を外継手51と内継手55とが協同して内外から挟持するものである。
【0040】
外継手51と内継手55とで液肥容器4が挟持されるためには、外継手51と内継手55とが連結されるか、あるいは内継手55に下方への荷重がかかって液肥容器4が外継手51に押さえ付けられればよい。
【0041】
外継手51と内継手55とが連結されるには、外継手51の中片53cの上端部と内継手55の側片57の上端部とに連結手段(図示せず)が設けられ、両連結手段により連結されればよい。連結手段としては、互いに係止する係止部が好適に挙げられるが、特に限定されない。
【0042】
また、内継手55に下方への荷重がかかるようにして押さえ付けるには、内継手55におもりが付けられたり内継手55自身がおもりとして機能するか、あるいは培地容器1に連結されて培地容器1の荷重が利用できればよい。この場合、培地容器1の長手方向の端部と内継手55とに連結手段(図示せず)が設けられ、両連結手段により連結されればよい。連結手段として互いに係止する係止部が好適に挙げられるが、特に限定されない。
【0043】
また、液肥容器4の長手方向の端部に、該端部の開口を閉塞するエンドカバー6(図7参照)が着脱自在となるように形成することで、必要に応じてエンドカバー6を装着して、底片41と側片42とエンドカバー6とで上方に開口する区画された貯留空間40を適宜構成することができる。
【0044】
上述したプランターは、植物が保持される培地9が培地容器1に収納され、この培地容器1が液肥容器4に収納される。液肥容器4の貯留空間40に液体(主に液肥)が貯留され、培地9に保持される植物が培地容器1の挿通開口を介して貯留空間40に根を下ろし、液体を吸い上げて成長する。培地9としてはスポンジ、土等、特に限定されない。
【0045】
図4に示すように、液肥容器4の長手方向の長さが培地容器1の長手方向の長さの数倍となることで、複数の培地容器1が液肥容器4に収納され、任意の培地容器1が液肥容器4に着脱自在となる。培地容器1の長手方向の長さは、人が両手で持ち上げられる程度の長さに設定されるのが好ましいが、特に限定されない。
【0046】
また、培地容器1と液肥容器4は、側片12、42が底片11、41の幅方向の両端から上方に若干広がるように連設されるようにすることで、図5に示すようにスタックすることが可能となり、輸送時に嵩が減るものである。
【0047】
次に、他の実施形態について図6乃至図8に基づいて説明する。以下の説明において上述した実施形態と同じ構成については同符号を付して説明は省略し、主に異なる構成について説明する。
【0048】
本実施形態のプランターは、水平でない面に設置する場合でも水平に設置することができるように、設置面からの高さ調整手段7が設けられることに特徴を有するもので、高さ調整手段7は、図8に示すように継手5とエンドカバー6に設けられる。
【0049】
図6(a)に示すように、外継手51の底片52には、中片53cの幅内に対応する位置から上方に向けて中空の筒部71が突設してある。筒部71は円筒状をしたもので、上端は開口されていなくてもよいが、下端は下方に開口されていると共に、底片52にも開口が形成してあって、筒部71内の空間は底片52の下方に連通している。図示例では筒部71は短手方向に二つ設けてあるが、幅方向の中央部に一つのみ設けたり三つ以上設けてあってもよい。筒部71の内面にはアジャスタボルト72が螺合する雌螺子部が螺設してある。また、内継手55の底片56の前記筒部71に対応する位置には、筒部71が挿通可能な挿通口73が形成してあると共に、液肥容器4の底片41の前記筒部71に対応する位置にも、筒部71が挿通可能な挿通口74が形成してある。
【0050】
そして、上述したように外継手51と内継手55とで液肥容器4が挟持されるのであるが、外継手51が両液肥容器4に装着される時には、図6(b)に示すように、液肥容器4の挿通口74に筒部71が挿通される。また、内継手55が液肥容器4の内面側から嵌め込まれる時にも、内継手55の挿通口73に筒部71が挿通され、筒部71は内継手55の内方に突出する状態となって液肥容器4が連結される。この状態で筒部71の下方よりアジャスタボルト72が螺合され、任意の高さに調整される。
【0051】
エンドカバー6は、図7に示すように、底片61と、該底片61の幅方向の両端から上方に若干広がるように連設される側片62と、該側片62の上端部間に架設される天片63と、底片61と側片62と天片63の一端部に形成される閉塞片64とからなる、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略ロ字状をしたもので、液肥容器4の外面に略沿う形状に形成される。底片61には、上方に向けて中空の筒部71が突設してある。筒部71は外継手51に形成された筒部71と同様であるため説明を省略する。
【0052】
そして、液肥容器4の長手方向の端部に、底片61が底片41の外面に沿うと共に側片62が側片42の外面に沿うように装着され、液肥容器4の長手方向の端部の開口が閉塞片64により閉塞される。この状態で筒部71の下方よりアジャスタボルト72が螺合され、任意の高さに調整される。
【0053】
これにより、図8に示すように、プランター(液肥容器4)が水平でない面に設置される場合でも水平に設置可能となる。
【0054】
次に、更に他の実施形態について図9及び図10に基づいて説明する。以下の説明において上述した実施形態と同じ構成については同符号を付して説明は省略し、主に異なる構成について説明する。
【0055】
本実施形態のプランターは、隣接する液肥容器4の貯留空間40を区画し、異なる液体が貯留可能となる仕切り59が設けられることに特徴を有する。
【0056】
図10に示すように、内継手55は、図3に示す内継手55と比較して、長手方向に直交する仕切り59が底片56及び側片57の長手方向の両端部に形成されている。また、連結片58が形成されていないが、仕切り59が側片57間に連結されていて該仕切り59が連結片58を兼ねている。なお、本実施形態では仕切り59が上記のように内継手55の長手方向の両端部に形成されて、内継手55が上方に開口する箱状をしているが、仕切り59が一つのみ形成されて内継手55が箱状をしていなくてもよい。外継手51は、図3に示す外継手51と同じである。
【0057】
これにより、図9に示すように、液肥容器4の連結部分に仕切り59が設けられ、隣接する液肥容器4においてそれぞれ異なる組成の液体を使い分けて貯留することが可能となり、異なる種類の植物や、同じ種類であっても成長の仕方が異なる植物の栽培が可能となる。
【0058】
次に、更に他の実施形態について図11に基づいて説明する。以下の説明において上述した実施形態と同じ構成については同符号を付して説明は省略し、主に異なる構成について説明する。
【0059】
本実施形態のプランターは、上述したいずれかの実施形態のプランターに加え、培地容器1の栽培空間を覆うカバー8が設けられることに特徴を有する。
【0060】
カバー8は、透光性を有する合成樹脂で形成されるか、あるいはメッシュで形成される。合成樹脂で形成される場合、耐候性の高い合成樹脂で形成されるのが好ましく、また、形状は特に限定されないが、図11に示すように下方に開口する略コ字状や略U字状や略円弧状のように、上に凸となり栽培空間が広く確保される形状が好ましい。またカバー8の長手方向の端部には、カバー8の断面形状と略同形状をした閉塞片82を有するエンドカバー81が設けられる。エンドカバー81は、耐候性の高い合成樹脂で形成されるのが好ましいが、透光性を有する必要はない。
【0061】
カバー8により、害虫が栽培空間に侵入するのが抑制される。また、カバー8が合成樹脂で形成される場合には、液体の蒸発が抑制される。
【0062】
次に、更に他の実施形態について図12に基づいて説明する。以下の説明において上述した実施形態と同じ構成については同符号を付して説明は省略し、主に異なる構成について説明する。
【0063】
本実施形態のプランターは、上述したいずれかの実施形態のプランターに加え、培地容器1に液肥容器4の液体を吸い上げる吸い上げリブ15が設けられることに特徴を有する。
【0064】
吸い上げリブ15は、培地容器1の底片11の挿通開口が形成される部分から下方に向けて、複数のリブが狭い間隔をあけて並設されたものである。各リブの間隔は、液体が毛細管現象により上方に吸い上げられるように設定される。
【0065】
これにより、根の長さが比較的短い植物の場合や、液肥容器4の貯留空間40に貯留されている液体の液面が下がり、植物の根が直接液体に浸漬されていなくても、吸い上げリブ15によって液体が吸い上げられて植物に吸収されることが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 培地容器
11 底片
12 側片
15 吸い上げリブ
2 芯材
21 金属板
3 表面材
4 液肥容器
40 貯留空間
41 底片
42 側片
5 継手
51 外継手
52 底片
53 側片
54 シール部
55 内継手
56 底片
57 側片
58 連結片
59 仕切り
6 エンドカバー
7 高さ調整手段
71 筒部
72 アジャスタボルト
8 カバー
81 エンドカバー
82 閉塞片
83 カバー継手
9 培地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口し内部に培地が収納される培地容器で主体が構成されるプランターであって、培地容器は、金属板からなる芯材に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材が被覆されて成ることを特徴とするプランター。
【請求項2】
培地容器は、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状に形成され、複数の培地容器を長手方向に連結する連結手段が設けられ、長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバーが着脱自在に装着されて成ることを特徴とする請求項1記載のプランター。
【請求項3】
金属板からなる芯材に、耐候性を有する合成樹脂からなる表面材が被覆され、上方に開口し内部に培地容器が収納され且つ底部に液体が貯留可能な液肥容器が設けられ、培地容器の底部に挿通開口が形成されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のプランター。
【請求項4】
液肥容器は、長手方向に直交する断面形状が上方に開口する略コ字状に形成され、複数の液肥容器を長手方向に連結する連結手段が設けられ、長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバーが着脱自在に装着されて成ることを特徴とする請求項3記載のプランター。
【請求項5】
複数の液肥容器を長手方向に連結する連結手段が継手からなり、液肥容器の設置面からの高さを調整する高さ調整手段が継手に設けられて成ることを特徴とする請求項4記載のプランター。
【請求項6】
液肥容器の長手方向の端部の開口を閉塞するエンドカバーに、液肥容器の設置面からの高さを調整する高さ調整手段が設けられて成ることを特徴とする請求項5記載のプランター。
【請求項7】
継手は、液肥容器の外面に略沿う形状に形成される外継手と、外継手と協同して液肥容器を内外から挟持する内継手とで構成され、外継手の内面の液肥容器が当接する部分に弾性を有しリブが突設されるシール部が設けられて成ることを特徴とする請求項5又は6記載のプランター。
【請求項8】
内継手と培地容器の長手方向の端部に、該内継手と培地容器とを連結する係止部が設けられて成ることを特徴とする請求項7記載のプランター。
【請求項9】
内継手に、培地容器内の栽培空間を長手方向に仕切る仕切りが設けられて成ることを特徴とする請求項7又は8記載のプランター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−147380(P2011−147380A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10460(P2010−10460)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】