説明

プラント監視装置

【課題】モニタの故障などで、以前と異なる解像度のモニタを接続した場合でも自動的に解像度を検出して最適な画面構成を自動生成する機能を有するプラント監視装置を提供する。
【解決手段】画面出力要求を受けた表示画面作成部212は、その画面IDに対応する基準監視画面を構成する全部品の基準プロパティ情報を記録した「基準プロパティ情報ファイル」を基準監視画面格納部51から取得する。
次に解像度読み出し手段213aによってモニタ解像度を検出し、その解像度と先ほどの画面IDに対応するプロパティ補正ファイルをプロパティ補正ファイル格納部52から取得する。
基準プロパティ情報に対してプロパティ補正ファイルの内容から補正を加えた部品群のプロパティ情報を元に、出力すべき画面のデータを、画面データ補正部214で作成してモニタ3に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラント監視装置に、基準となる解像度と異なる解像度のモニタを接続した場合でも、モニタ全体に鮮明なプラント監視画面を表示することができるプラント監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラントの稼働状況を監視するプラント監視装置に、基準となる解像度と異なる解像度のモニタを接続した場合、従来はモニタの有する機能を使用してプラントを監視する画面(以下監視画面という)を表示していた。 図27はモニタ機能を説明する図である。
図27は、1280×1024(解像度:SXGA)用に作成した監視画面を、1600×1200(解像度:UXGA)のモニタに表示した場合に、監視画面がどのように表示されるかを示している。OFFモードは監視画面をそのまま表示するモードで、このモードで監視画面を表示すると、上下左右に黒幕が表示される。ASPECTモードは監視画面のアスペクト比を維持して、監視画面を最大に拡大して表示するモードである。SXGAの監視画面をUXGAのモニタに表示した場合は左右に黒幕が表示される。FULLモードはオリジナルのアスペクト比を無視して拡大し、監視画面をモニタ全面に表示する。
【0003】
このように、モニタ側の機能を使用して監視画面を表示しようとした場合、OFFモードやASPECTモードでは上下、および左右に黒幕ができてしまいモニタ全面に監視画面を表示することができない。また、FULLモードで表示した場合、監視画面のアスペクト比と異なるモニタに監視画面を表示するために、モニタ側で自動補完処理を行った結果、監視画面が全体的ににじんだような表示となる。つまりどのモードを選んでもモニタ全体に鮮明な監視画面を表示することができなかった。
そこで、監視画面を構成する各部品(以下単に部品という)の配置をモニタ解像度に応じて調整してから表示する発明として、特平7−244568に記載の発明がある。
この装置では、画面を構成する部品に属性を持たせ、その属性には部品間の相対的な優先度を設定できるようにしている。現在のモニタの解像度と異なるモニタに画面を表示する場合は、装置が表示対象となる画面を構成する各部品の相対優先度に従って部品サイズなどを調整して、表示画面全体を再構成して表示しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−244568 (段落0008、0018、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1の装置では監視画面を構成する部品の属性に相対的な優先度を予め割り当てる方法を採用している。優先度を付け得る部品を画面に表示する場合は、その優先度に応じた画面領域をその部品に割り当てることによって、画面の全領域を再配置することができる。しかしながら、この方法は予め決めた優先度に従って部品を画面領域に再配置するだけなので、融通性に欠ける。
プラント監視装置においては、複数種類のモニタに対応し、どの解像度のモニタを接続した場合でも画面構成制作者が意図した監視画面を適切に表示することができるように、相対優先度を予め部品に付けることが困難であり、仮に相対優先度を割り当てたとしても、監視画面上に新たな部品を配置したい場合や、新たにアスペクト比の異なるモニタに表示したいという要望があったときに、画面を構成する部品間の属性の相対的な優先度を再調整する必要が発生する。そうすると、従来表示できていた解像度のモニタに今度は表示できなくなるという問題があった。
【0006】
この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、表示する監視画面の構成が最適となるように、モニタに表示する監視画面を構成する部品の配置を調整する機能を有するプラント監視装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るプラント監視装置は、計算機と、この計算機で作成された監視画面を表示するモニタと、このモニタに表示する基準監視画面を計算機に指示する入力装置と、計算機に接続された補助記憶装置とを備えたプラント監視装置において、
補助記憶装置は、基準監視画面を構成する部品の属性情報である基準プロパティ情報ファイルおよびモニタの解像度に応じて部品の属性情報を補正するための属性情報を記憶したプロパティ補正ファイルを備えており、
計算機は、入力装置から指示された基準監視画面に対応する基準プロパティ情報ファイルおよびモニタの解像度に対応するプロパティ補正ファイルを補助記憶装置から読み出し、前者の属性情報を後者の属性情報で補正することにより、モニタの解像度に応じた監視画面データを作成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るプラント監視装置の補助記憶装置は、基準監視画面を構成する部品の属性情報である基準プロパティ情報ファイルおよびモニタの解像度に応じて部品の属性情報を補正するための属性情報を記憶したプロパティ補正ファイルを備えており、
計算機は、入力装置から指示された基準監視画面に対応する基準プロパティ情報ファイルおよびモニタの解像度に対応するプロパティ補正ファイルを補助記憶装置から読み出し、前者の属性情報を後者の属性情報で補正することにより、モニタの解像度に応じた監視画面データを作成することを特徴とするものなので、表示する監視画面の構成が接続しているモニタの解像度に応じて最適となるように、監視画面を構成する部品の配置を自動調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明のプラント監視装置を被監視装置群に接続した概念図である。
【図2】この発明のプラント監視装置の実施の形態1乃至3におけるプラント監視装置の要部ブロック図である。
【図3】この発明のプラント監視装置の実施の形態1における表示部品のプロパティ情報についての説明図である。
【図4】この発明のプラント監視装置の実施の形態1乃至3における基準監視画面の画面表示部品のプロパティを示す図である。
【図5】この発明のプラント監視装置の実施の形態1における基準プロパティ情報ファイルaの内容を示す図である。
【図6】この発明のプラント監視装置の実施の形態1におけるプロパティ補正ファイルの1レコードの構造を示す図である。
【図7】この発明のプラント監視装置の実施の形態1における表示画面作成処理手順を説明するフロー図である。
【図8】この発明のプラント監視装置の実施の形態1におけるプロパティ補正ファイルの説明図である。
【図9】この発明のプラント監視装置の実施の形態1における部品のプロパティ補正後の画面表示を示す図である。
【図10】この発明のプラント監視装置の実施の形態1における部品のプロパティの補正処理手順を説明するフロー図である。
【図11】この発明のプラント監視装置の実施の形態2におけるプロパティ補正ファイルのレコードの構造を示す図である。
【図12】この発明のプラント監視装置の実施の形態2における部品のプロパティの補正処理手順を説明するフロー図である。
【図13】この発明のプラント監視装置の実施の形態2におけるプロパティ補正ファイルの内容を示す図である。
【図14】この発明のプラント監視装置の実施の形態2における部品のプロパティ補正後の画面表示を示す図である。
【図15】この発明のプラント監視装置の実施の形態3におけるプロパティ補正ファイルのレコードの構造を示す図である。
【図16】この発明のプラント監視装置の実施の形態3におけるプロパティ補正ファイルの説明図である。
【図17】この発明のプラント監視装置の実施の形態3における部品のプロパティの補正処理手順を説明するフロー図である。
【図18】この発明のプラント監視装置の実施の形態3における部品のプロパティ補正後の画面表示を示す図である。
【図19】この発明のプラント監視装置の実施の形態4におけるプラント監視装置の要部ブロック図である。
【図20】この発明のプラント監視装置の実施の形態4における基準プロパティ情報ファイルの内容を示す図である。
【図21】この発明のプラント監視装置の実施の形態4における基準監視画面の画面表示部品のプロパティを示す図である。
【図22】この発明のプラント監視装置の実施の形態4における表示画面作成処理手順を説明するフロー図である。
【図23】この発明のプラント監視装置の実施の形態4におけるプロパティ補正ファイルの説明図である。
【図24】この発明のプラント監視装置の実施の形態4における部品のプロパティ補正後の画面表示を示す図である。
【図25】この発明のプラント監視装置の実施の形態5における要部ブロック図である。
【図26】この発明のプラント監視装置の実施の形態5における表示画面作成処理手順を説明するフロー図である。
【図27】この発明のプラント監視装置の実施の形態6におけるプラント監視装置の要部ブロック図である。
【図28】この発明のプラント監視装置の実施の形態6における表示画面作成処理手順を説明するフロー図である。
【図29】この発明のプラント監視装置の実施の形態6における出力したプロパティ情報ファイルのの内容を示す図である。
【図30】モニタ機能を使って複数解像度のモニタに監視画面を表示する従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
この実施の形態1では、故障などによって使用するモニタを交換し、そのモニタの解像度が以前のモニタの解像度と異なるような場合でも、新しいモニタの解像度に合わせた最適な監視画面を、基準解像度の画面構成情報に調整を加えることにより作成して表示できるプラント監視装置について説明する。
図1は本発明のプラント監視装置1の実施の形態1におけるシステム構成図である。
プラント監視装置1(以下装置1という)は、計算装置2,出力装置としてのモニタ3、入力装置4、データを記録する補助記憶装置5を互いに接続して構成し、ネットワークを介して、被制御装置群6と接続されている。
計算装置2には、モニタ3の画面に表示する対象を作成する表示画面作成部21を内蔵している。また、補助記憶装置5には、基準となる基準画面のデータを格納する基準監視画面格納部51と、後述するプロパティ補正ファイル格納部52を設けている。
【0011】
図2は、装置1の要部ブロック図である。計算装置2の表示画面作成部21は、入力装置4を介してユーザが入力した画面表示要求を受け付けるコマンド受付部211、そのコマンド要求を受けて、基準監視画面を、基準監視画面格納部51から読み出す基準監視画面読み出し部212、読み出した基準監視画面のデータに対して置換を加えるべき情報の集合であるプロパティ補正ファイルをプロパティ補正ファイル格納部52から獲得するためのプロパティ補正ファイル獲得部213、そして、読み出した基準監視画面のデータにプロパティ補正ファイルの内容を反映させて表示画面を作成してモニタ3に出力する画面データ補正部214で構成される。
【0012】
基準監視画面格納部51に保存されている基準監視画面のデータには2種類有る。まず、全ての画面を構成するために使用している部品種別、例えば、ボタン類や、各種の装置を表すアイコンなどが含まれる部品種別データベース512である。
もう一種は、この装置1が基準解像度のモニタを使用して運用されている場合に、個々の監視画面で使用する部品類の配置関係等の属性情報(プロパティ情報)を記載した基準プロパティ情報ファイル511である。
部品種別データベースファイルは全体で1個であり、基準プロパティ情報ファイル511a〜511zは表示画面単位で複数保存されている。
この2種類のデータを用いることにより、装置1に基準解像度のモニタを接続して画面表示を適正におこなえる。
【0013】
次に、「プロパティ情報」について図3を用いて説明する。プロパティ情報とは、画面を構成する要素である部品に設定される各種属性をいう。画面を構成する部品の一つ一つにプロパティ情報が与えられている。 図3(a)(b)は、部品名:button1のプロパティ情報を示す図である。各部品に与えられるプロパティ情報は設定を変更できる。classはその部品が属するクラス(グループ)を表し、x、yは画面表示エリアの左上端からの位置をドット数で表す。width、heightは、部品の大きさをそれぞれ縦横のドット数で表し、marginheight、marginwidthは文字列の開始位置を余白のドット数で表す。textは部品に付ける文字列の内容を表し、fontはその文字列に使用するフォントサイズを表す。
図4は画面ID=aの表示画面とその画面に使用する構成部品のプロパティ情報を示している。この画面を構成する各部品のプロパティ情報を記載した基準プロパティ情報ファイル511aの内容は図5のようになる。
使用する部品名、プロパティ名、設定値を1レコードとして全ての使用部品のプロパティ情報を記録している。
【0014】
プロパティ補正ファイル格納部52(以下格納部52という)に保存されているプロパティ補正ファイルについて説明する。
図6はプロパティ補正ファイルのファイル構造を示す図である。プロパティ情報を置換したい部品名、プロパティ名、置換後の値を1レコードとして必要分のレコードが記録されている。
上述の基準監視画面格納部51(以下格納部51)には基準解像度のモニタで使用するすべての表示画面についての基準プロパティ情報ファイルを画面単位で保存しているが、この格納部52には、装置1を基準解像度以外の解像度で運用する場合に、基準プロパティ情報から設定を置換して表示したい部品についてのプロパティ情報のみを差分ファイルとして保存している。
すなわち、図2の例では、格納部51には、画面ID=a〜zの各基準画面の基準プロパティ情報ファイルを保存しているのに対して、格納部52には、画面ID=a〜zの表示画面を解像度A及び解像度Bで表示する場合の、基準プロパティ情報ファイルとの差分ファイルを保存している。
aという基準監視画面を解像度Aで表示する場合の差分ファイルがaA、解像度Bで表示する場合の差分ファイルがaBとなる。
【0015】
装置1が表示画面を作成する具体的な処理の流れを図に基づいて説明する。
図7は、表示画面作成処理手順を説明するフロー図である。
図2に示すコマンド受付部211が入力装置4からユーザの画面表示要求としての画面IDを受け取る。ここでは、ID=aが与えられたものとする(ステップST1001)。
基準監視画面読み出し部212が基準監視画面格納部51の部品種別データベース512から使用する部品種別の基礎データと、画面ID=aの基準プロパティ情報ファイルaからなる基準監視画面データを読み出す(ST1002)。
【0016】
プロパティ補正ファイル獲得部213では、解像度読み出し手段213aによって、現在装置1が使用しているモニタの解像度を検出する。ここで今、解像度がAであったとする。プロパティ補正ファイル読み出し手段213bは、コマンド受付部211から通知された画面IDがaかつ、対応したい解像度A用であるプロパティ補正ファイルaAをプロパティ補正ファイル格納部52から読み出す(ステップST1003)。
そして、画面データ補正部214では、ステップST1002で得た基準プロパティ情報ファイルaに記載された部品のプロパティのうち、ステップST1003で得たプロパティ補正ファイルaAにも記載されたものを、後者のデータで置き換えたプロパティ情報を元に画面に表示する部品の再配置を図10に示すフローで繰り返し行う。
具体的な例としては、図5に示す基準プロパティ情報ファイルa及び図8に示すプロパティ補正ファイルaAの双方に記載されている部品名“button1”のプロパティ情報のうち“width”,“height”,“font”の内容と、“button3”のプロパティ情報のうち“y”,“width”,“height”,“font”の内容を置換する。ここでは“ボタン2”のプロパティ情報は含まれていないのでbutton2については何も変更されない(ステップST1004)。
この結果、図4に示す基準監視画面(ID=a)は、図9に示すような形となってモニタ3上に表示されることとなる(ST1005,ST1006)。
【0017】
以上のように、あらかじめ監視画面、解像度ごとに基準監視画面から置換すべき点を記述したプロパティ補正ファイルを準備し、その記述内容に従って画面表示部品を再配置することで、表示する監視画面の構成が最適となるように、モニタに表示する監視画面を構成する部品の配置を自動的に調整することができる。
また、監視画面全体を一つの画像として拡大する必要がなくなるので、モニタ全体に鮮明な監視画面を表示することができる。
また解像度ごとに画面表示部品の再配置情報を差分ファイルとすることで、新たな解像度をサポートする必要が生じたとしても他の解像度の監視画面に影響を与えないようにできる。
【0018】
実施の形態2.
この実施の形態2と実施の形態1との違いは、実施の形態1では既存の部品のプロパティ情報を置換したのに対して、この実施の形態2では、それに加えて新規の部品を追加できるところにある。
実施の形態1と異なるところを図を用いて説明する。
図11はこの実施の形態で使用する、プロパティ補正ファイルのレコードの構造を示す図である。図のようにプロパティ情報を置換したい部品名に加えて、新規部品名を追加できる。実際には、その部品が新規であるか否かは、基準プロパティ情報ファイルにその部品名が存在するかどうかで判断される。
【0019】
図12は、この実施の形態での部品のプロパティ情報の置換、追加処理のフローを示したものである。実施の形態1に比べてST1102が追加され、新規の部品であるか否かを判断している。
この実施の形態でも図4に示す基準監視画面(ID=a)をベースとして説明する。実施の形態1と同様に、図5に示す基準監視画面aの基準プロパティ情報ファイルaに対して、この実施の形態2でのプロパティ補正ファイルaA(図13)を適用して出力した画面が図14である。
この実施の形態では、button3のプロパティ情報は置換され、button4の部品が追加されていることが分かる。部品の種別はbutton1〜3もbutton4も同じなので、プロパティ情報を追加するだけで画面に新規ボタン4を追加することができる。
【0020】
以上のように、基準監視画面に存在しない画面表示部品の追加を可能とすることで、高解像度モニタになったときに、監視画面上に配置する監視部品を増やすことができるため、画面表示エリアを有効活用できる。
【0021】
実施の形態3.
実施の形態2は既存の種別の新規部品のプロパティ情報を追加することにより、新規部品を画面に追加できる仕様であった。この実施の形態3では、それに加えてプロパティ情報を置換したい部品のクラス(グループ)を一括して指定できるようにしている。
実施の形態2と異なるところを図を用いて説明する。
図15はこの実施の形態で使用する、プロパティ補正ファイルのレコードの構造を示す図である。図のようにプロパティ情報を置換したい部品名、新規部品名に加えて一括して置換したいクラスを追加できる。プロパティ補正ファイルでクラスを指定した場合、基準プロパティ情報ファイルに含まれるそのクラスに属する全ての部品のプロパティ情報を置換する。
図16はこの実施の形態で使用するプロパティ補正ファイルの内容を示している。<button>との記載がクラスとしてbuttonの全部品が対象として指定されていることを示している。
【0022】
この実施の形態での処理のフローを示したものが図17である。実施の形態1に比べてST3101、ST3102が追加され、クラスに対する修正であるかどうかを判断している。
この実施の形態でも図4に示す基準監視画面(ID=a)をベースとして説明する。
実施の形態1と同様に、図5に示す基準プロパティ情報ファイルaに対して、この実施の形態3でのプロパティ補正ファイルaA(図16)を適用して出力した画面が図18である。
クラス指定によって、まず全てのbuttonの部品の縦、横の大きさを200、100とした後で更にbutton3だけのプロパティ情報が個別に置換されていることを示している。
以上のように、プロパティ補正ファイルの指定方法としてクラス指定を可能とすることで、同種の部品に同じ置換を加えたい場合は、一度に指定できるようになりシステムの改修が簡単になるという効果がある。
【0023】
実施の形態4.
次に、本発明に係るプラント監視装置の実施の形態4を説明する。この実施の形態と、実施の形態1との違いは、画像を扱える点である。
図19はこの実施の形態で使用するプラント監視装置101(以下装置101という)の要部ブロック図である。図20は、この装置101の基準監視画面格納部53に保存されている画面ID=bの基準プロパティ情報ファイルbの内容を示す図である。
最後の2行は、画像1をx=500、y=300の位置に表示することを示している。
この基準プロパティ情報ファイルbを使用して画面に表示すると図21のような画面となる。
図22は表示画面作成部22の処理のフローを示す図である。
ST1001で画面ID=bが与えられたものとして説明する。
基準監視画面格納部53の部品種別データベース532から使用する部品種別の基礎データ(画像を含む)と、画面ID=bの基準プロパティ情報ファイルbからなる基準監視画面データを読み出し(ST1002)、続いてモニタの解像度Aに対応するプロパティ補正ファイルbA読み出す(ST1003)。図23はこのファイル内容を示している。基準プロパティ情報ファイルb及びプロパティ補正ファイルbAのいずれにも画像に関するレコードが含まれているので画像が含まれているものと判断できる。
プロパティ補正ファイルのgazo1A.gazo1は画像1を画像1Aに置換することを示している(ST4001)。
そこで画像ファイル獲得部225でプロパティ補正ファイルbAに記載されているgazo1Aのファイルを読み出して基準プロパティ情報ファイルbに記載されていた画像と入れ替えて(ST4002)画面表示部品を再配置する(ST1004)。これを画面に表示すると、図24に示す画面がモニタ3に表示される(ST1005−ST1006)。
【0024】
以上のように、監視画面に画像ファイルが含まれている場合でも、解像度別にあらかじめ準備した画像ファイルに置き換えて表示することで、画像ファイルを含む監視画面に対しても、鮮明な監視画面を得ることができるという効果がある。
【0025】
実施の形態5.
実施の形態5と実施の形態4との違いを異なる部分を中心に説明する。
この実施の形態では、一旦画面に監視画面が表示された後でも、定期的に画面の解像度を検出するためのタイマと、解像度の変更を検出した場合の割り込み機能を備えている。
図25はこの実施の形態で使用するプラント監視装置201の要部ブロック図である。
図26は表示画面作成部22の処理のフローを示す図である。実施の形態4で説明した処理のフローに、ST5001の工程が追加されている。
タイマ7は所定の間隔で、プロパティ補正ファイル獲得部223の割り込み対応解像度読み出し手段223cに対する割り込みチェックを指示する。
ここで、解像度の変更を検出すると(ST5001)、新たな解像度に対応するプロパティ補正ファイルを読み出して、画面の再配置を行う。
【0026】
以上のように、モニタの解像度変更を自動検出する機能と、プロパティ補正ファイルを再読み込みする手段を設けたことで、モニタの解像度変更後、監視画面の再表示要求をしなくても自動的に新たな解像度に応じた監視画面を表示できるという効果がある。
【0027】
実施の形態6.
実施の形態6と実施の形態5との違いを異なる部分を中心に説明する。
この実施の形態では、現在表示中の画面を構成する部品のプロパティ情報を出力する機能を備えている。
図27はこの実施の形態で使用するプラント監視装置301の要部ブロック図である。
図28は表示画面作成部22の処理のフローを示す図である。
コマンド受付部221がプロパティ情報出力要求を受け付けると(ST6001)、画面データ変換部224は、現在表示中の監視画面を構成する全ての部品のプロパティ情報ファイル8を、図29に示すように、基準プロパティ情報ファイルと同様のファイル構造で出力する(ST6002)。
【0028】
以上のように表示中の監視画面を構成する各部品のプロパティ情報を出力する手段を設けたことにより、プロパティ補正ファイルの新規作成、保守が容易になるという効果がある。
【符号の説明】
【0029】
1,101,201 プラント監視装置、2 計算装置、3、モニタ、4 入力装置、5 補助記憶装置、6 被監視装置群、7 タイマ、8 プロパティ情報ファイル、
21,22 表示画面作成部、211 コマンド受付部、
212 基準監視画面読み出し部、213 プロパティ補正ファイル獲得部、
213a 解像度読み出し手段、213b プロパティ補正ファイル読み出し手段、
214 画面データ補正部、214a プロパティ補正ファイル解析手段、
223c 割り込み対応解像度読み出し手段、51,53 基準監視画面格納部、
511a,531a 基準プロパティ情報ファイル、
512,532 部品種別データベース、52 プロパティ補正ファイル格納部、
54 画像ファイル格納部、225 画像ファイル獲得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機と、この計算機で作成された監視画面を表示するモニタと、このモニタに表示する基準監視画面を前記計算機に指示する入力装置と、前記計算機に接続された補助記憶装置とを備えたプラント監視装置において、
前記補助記憶装置は、前記基準監視画面を構成する部品の属性情報である基準プロパティ情報ファイルおよび前記モニタの解像度に応じて前記部品の属性情報を補正するための属性情報を記憶したプロパティ補正ファイルを備えており、
前記計算機は、前記入力装置から指示された基準監視画面に対応する基準プロパティ情報ファイルおよび前記モニタの解像度に対応するプロパティ補正ファイルを前記補助記憶装置から読み出し、前者の属性情報を後者の属性情報で補正することにより、前記モニタの解像度に応じた監視画面データを作成することを特徴とするプラント監視装置。
【請求項2】
前記プロパティ補正ファイルは、前記モニタの解像度に応じて前記部品の属性情報を置換するための属性情報を記憶するものであり、
前記計算機は、前記入力装置から指示された基準監視画面に対応する基準プロパティ情報ファイルおよび前記モニタの解像度に対応するプロパティ補正ファイルを前記補助記憶装置から読み出し、前者の属性情報を後者の属性情報で置換することにより、前記モニタの解像度に応じた監視画面データを作成することを特徴とする請求項1記載のプラント監視装置。
【請求項3】
前記プロパティ補正ファイルは、前記モニタの解像度に応じて前記部品の属性情報を置換するための属性情報および前記基準監視画面に追加する追加部品の属性情報を記憶するものであり、
前記計算機は、前記入力装置から指示された基準監視画面に対応する基準プロパティ情報ファイルおよび前記モニタの解像度に対応するプロパティ補正ファイルを前記補助記憶装置から読み出し、前者の属性情報を後者の属性情報で置換すると共に後者の追加部品の属性情報を追加することにより、前記モニタの解像度に応じた監視画面データを作成することを特徴とする請求項1記載のプラントプラント監視装置。
【請求項4】
部品はグループ化されており、前記プロパティ補正ファイルには前記グループに属する全ての部品に対して適用すべき属性情報を記載できることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラント監視装置。
【請求項5】
前記部品には画像を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプラント監視装置。
【請求項6】
前記解像度読み出し手段はモニタの解像度の変更を監視し、前記解像度の変更を検出した時は、変更された解像度に対応するプロパティ補正ファイルを使用して、再度画面データを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプラント監視装置。
【請求項7】
現在表示している画面を構成する全ての部品の属性情報の内容を出力するプロパティ情報出力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプラント監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−244267(P2010−244267A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91643(P2009−91643)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】