説明

プリフォーム搬送プラグ、ブロー成形機及びプリフォーム搬送プラグの交換方法

【課題】 ブロー成形機への着脱を、工具等を要せずにワンタッチで行うことができるプリフォーム搬送プラグ、それを用いたブロー成形機、及びブロー成形機でのプリフォーム搬送プラグの交換方法を提供すること。
【解決手段】 搬送部材360に取り付けられて、プリフォーム10を搬送するプリフォーム搬送プラグ100は、搬送部材360に支持される基部110と、基部に対して着脱される着脱部210を含み、プリフォーム10のネック部12を保持するプリフォーム保持部200とを有する。着脱部210は、基部110に係止される被係止部211を含む。基部110は、被係止部211を係止する係止部111と、被係止部211が係止部111により係止される係止状態を維持する第1位置P1と、その係止状態を解除する第2位置P2とに移動される移動部材120と、移動部材120を第1位置P1に維持するように移動付勢する付勢部材130とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリフォーム搬送プラグ、ブロー成形機及びプリフォーム搬送プラグの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリフォーム搬送プラグとして、特許文献1に開示されたものが知られている。このプリフォーム搬送プラグは、プリフォームを支持して、加工工程にプリフォームを搬送し、加工サイクルの最後でプリフォームから取り外される(特許文献1の0004参照)。
【0003】
また、このプリフォーム搬送プラグは、ブロー成形装置にて用いられ、一台のブロー成形装置に用いられるプリフォーム搬送プラグの数は通常極めて多くなる(特許文献1の0005参照)。
【特許文献1】特開2004−512990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブロー成形機は、様々な容器をブロー成形する汎用性があり、そのブロー成形容器のサイズ等によってプリフォームのサイズも異なる。プリフォームのネック部の長さや口径が異なると、そのプリフォームに合ったプラグに交換しなければならない。
【0005】
本発明者等は、一台のブロー成形装置に例えば150−160個もの多数個が用いられるプリフォーム搬送プラグを、ブロー成形機から取り外し、新たなプラグに交換する際の作業の煩雑性に着目した。従来、多数のプリフォーム搬送プラグを交換する度に、ブロー成形機には駆動停止時間(ダウンタイム)が発生し、生産スループットが低下してしまうことがあった。
【0006】
本発明の幾つかの態様の目的は、ブロー成形機への着脱を、工具等を要せずにワンタッチで行うことができるプリフォーム搬送プラグ、それを用いたブロー成形機、及びブロー成形機でのプリフォーム搬送プラグの交換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、搬送部材に取り付けられて、プリフォームを搬送するプリフォーム搬送プラグにおいて、前記搬送部材に支持される基部と、前記基部に対して着脱される着脱部を含み、前記プリフォームのネック部を保持するプリフォーム保持部とを有し、前記着脱部は、前記基部に係止される被係止部を含み、前記基部は、前記被係止部を係止する係止部と、前記被係止部が前記係止部により係止される係止状態を維持する第1位置と前記係止状態を解除する第2位置とに移動される移動部材と、前記移動部材を前記第1位置に維持するように移動付勢する付勢部材と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様によれば、プリフォーム保持部を基部から取り外すには、外力によって、付勢部材の付勢力に抗して移動部材を第2位置に向けて移動させる。これにより、着脱部の被係止部は、基部の係止部による係止状態が解除され、着脱部を含むプリフォーム保持部を基部から取り外すことができる。一方、プリフォーム保持部を基部に取り付けるには、外力を解除して、付勢部材の付勢力により移動部材を第1位置に向けて移動させる。第1位置では、移動部材が係止部を半径方向外側に移動しないように規制している。この結果、基部の係止部が着脱部の被係止部を係止することになるので、着脱部を含むプリフォーム保持部が基部に取り付けられる。このように、基部は搬送部材に固定したまま、基部に対して、工具等を要せずにワンタッチでプリフォーム保持部を着脱することができる。
【0009】
本発明の一態様では、前記着脱部は軸部を含み、前記被係止部は、前記軸部の周面にて円周方向で異なる位置に配置された複数の凹部であり、前記基部は、前記軸部が挿通される第1筒部を含み、前記係止部は、前記第1筒部の内壁面より突出して、前記複数の凹部に突入する複数の球体とすることができる。
【0010】
係止部を球体とすることで、被係止部である凹部への出入りが円滑となり、係止部及び被係止部をそれぞれ複数設けることで、着脱部を基部に対して安定して保持できる。
【0011】
本発明の一態様では、前記第1筒部は、前記内壁面から外壁面に貫通して、前記複数の球体がそれぞれ配置される複数の貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記内壁面にて開口し、前記球体の第1直径よりも小さい第2直径を有する第1孔と、前記外壁面に開口し、前記第1直径よりも大きい第3直径を有する第2孔と、を含み、かつ、前記第2孔から前記第1孔に向かうに従い直径が小さくなるテーパ孔であり、前記移動部材は、前記第1筒部の前記外壁面に沿って移動案内される第2筒部とすることができる。
【0012】
本発明の一態様では、前記移動部材の端部には、前記第1位置に向かうに従い前記係止部を前記係止状態になるように移動案内する案内面を形成することができる。これにより、移動部材が第1位置に設定された時には、係止部により被係止部を確実に係止して、基部に着脱部を取り付けることができる。
【0013】
本発明の一態様では、前記着脱部は、前記プリフォームの前記ネック部内に挿入される挿入部と、前記ネック部の端面と当接する端面当接部とを含み、前記挿入部は、前記ネック部の軸方向に沿って形成された第1エア抜き溝を含み、前記端面当接部は、前記第1エア抜き溝と連通し、前記ネック部の半径方向に沿って形成されて外気と連通する第2エア抜き溝を含むことができる。
【0014】
こうして、着脱部の挿入部がプリフォームのネック部内に挿入される際に、ネック部内のエアを第1,第2エア抜き溝を介して外部に逃がすことができる。
【0015】
本発明の一態様では、前記プリフォーム保持部は、前記ネック部の周方向の複数個所にて前記ネック部の内壁面と弾性的に当接する複数の当接片を含み、前記複数の当接片の間に、前記プリフォーム内のエアを前記第1エア抜き溝に導く間隙を形成することができる。
【0016】
こうして、着脱部のネック保持部がプリフォームのネック部内に挿入される際には、プリフォーム内のエアは複数の当接片間の間隙を介して、着脱部とネック保持部との間の空間に導かれ、このエアをさらに、第1,第2エア抜き溝を介して外部に逃がすことができる。このため、プリフォーム保持部によるプリフォームのネック部の着脱を円滑に行うことができる。
【0017】
本発明の他の態様は、プリフォームから容器にブロー成形するブロー成形機において、
前記プリフォームを保持する請求項1乃至6のいずれかに記載の複数のプリフォーム搬送プラグと、前記複数のプリフォーム搬送プラグの各々の前記基部が取付けられる搬送部材と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の態様によれば、ブロー成形機に設けられた複数のプリフォーム搬送プラグは、プリフォームのネック部の口径及び/又は長さが変更になった場合、基部に対してプリフォーム保持部を着脱させるだけで良い。よって、多品種少量生産などを含め、成形品の種類が変更される度に必要な作業負担が大幅に軽減される
本発明の他の態様では、前記搬送部材は、複数のリンクを中空ピンにて連結した搬送チェーンであり、前記ブロー成形機は、前記中空ピン内を摺動し、前記プリフォーム搬送プラグの前記基部が取付けられる基部支持軸と、前記中空ピン内に配置されて前記基部支持軸を軸方向にて一方向に押圧して、前記プリフォーム保持部により前記プリフォームを保持する保持位置に維持する押圧部材と、前記基部支持軸を前記軸方向にて他方向に駆動して、前記プリフォーム保持部を前記プリフォームより離脱させる駆動部と、をさらに有することができる。
【0019】
こうすると、搬送チェーンのリンクピッチの整数倍ピッチで多数のプリフォームを搬送することができ、しかも、駆動部の駆動により所定位置にてプリフォーム搬送プラグよりプリフォームを離脱することができる。
【0020】
本発明の他の態様では、前記プリフォーム搬送プラグにて搬送された前記プリフォームを受け取る搬送チャック部をさらに有し、前記搬送チャック部は、一対のチャック部材と、前記一対のチャック部材を常時閉鎖方向に移動付勢する閉鎖付勢部材と、前記一対のチャック部材を支持して前記プリフォーム搬送プラグに対して進退駆動する搬送アームと、を含み、前記プリフォーム搬送プラグには、前記プリフォームを保持しない状態で前記一対のチャック部材が前進された時に、前記一対のチャック部材の最小幅部位との干渉を防止する切欠き部を形成することができる。
【0021】
こうすると、プリフォームを搬送しないでブロー成形機を試運転する際にも、プリフォームを保持していないプリフォーム搬送プラグと一対のチャック部材とが干渉することを防止できる。
【0022】
本発明のさらに他の態様は、本発明の他の態様に係るブロー成形機にてプリフォーム搬送プラグを交換する方法であって、前記プリフォームのサイズの変更に対して前記基部は共用され、前記プリフォームのサイズに応じて複数種の前記プリフォーム保持部が用意され、前記複数種のプリフォーム保持部の中から、前記プリフォームの前記ネック部の口径及び/又は前記ネック部の長さに応じた1種のプリフォーム保持部を選択して、前記基部に装着することを特徴とする。
【0023】
上述の通り、本発明に係るブロー成形機では、プリフォームのサイズ変更に対応させて、基部に対してプリフォーム保持部を着脱させるだけで良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態について、比較例を参照して詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0025】
(プリフォーム搬送プラグの概要)
図1は、本発明の一実施形態に係るプリフォーム搬送プラグの一部を切欠した概略説明図である。図2は、比較例であるプリフォーム搬送プラグの概略説明図である。まず、図2の比較例を用いて、プリフォーム搬送プラグの概要について説明する。
【0026】
図2において、プリフォーム10は、開口したネック部12と、ネック部12に続く肩部14と、肩部14に続く胴部16と、胴部16の端部を閉鎖する底部18とを有する。ネック部12には、肩部14との境界位置にサポートリング20を有する。
【0027】
図2に示す比較例であるプリフォーム搬送プラグ30は、ブロー成形機の搬送部材である例えばチェーンに固定される基部40と、この基部40に対してボルト50により固定され、プリフォーム10のネック部12を保持するプリフォーム保持部60とを有する。
【0028】
比較例であるプリフォーム搬送プラグ30は、プリフォーム10のサイズが変更された場合には、基部40及びプリフォーム保持部60を一体でブロー成形機より取り外していた。しかし、その交換数が150−160個もの膨大な数になると、基部40に設けられたねじ部41を、工具を用いて取り外す作業負担は過大である。その後、新たな、基部40及びプリフォーム保持部60を、工具を用いてチェーンに取付ける必要もある。このため、プリフォーム搬送プラグ30の交換作業だけで1日以上を要していた。基部40をブロー成形機に固定したまま、基部40からプリフォーム保持部60を取り外したとしても、その作業はボルト50を取り外す作業となり、基部40を取り外す作業負担と変わらない。しかも、後述するとおり、比較例では基部40も取り外す必要が生じていた。
【0029】
(実施形態に係るプリフォーム搬送プラグ)
改良されたプリフォーム搬送プラグ100は、図1に示すように、ブロー成形機の搬送部材である例えば搬送チェーンに支持される基部110と、プリフォーム10のネック部12を保持するプリフォーム保持部200と、を有する。プリフォーム保持部200は、基部110に対して着脱自在な着脱部210と、ネック保持部250とを含んでいる。
【0030】
着脱部210は被係止部211を含む。基部110は、被係止部211を係止する係止部111と、移動部材120と、付勢部材130とを含むことができる。
【0031】
移動部材120は、被係止部211が係止部111により係止される係止状態を維持する第1位置P1(図1の右側に示す位置)と、その係止状態を解除する第2位置P2(図1の左側に示す位置)とに移動される。第1位置P1では、係止部111の半径方向の位置が移動部材120により規制されて、被係止部211が係止部111により係止される係止状態が維持される。付勢部材130は、移動部材112を第1位置P1に維持するように移動付勢する。
【0032】
こうして、着脱部210を含むプリフォーム保持部200を、基部110に対して着脱自在となる。プリフォーム保持部200を基部110より取り外すには、外力によって、移動部材120を図1の第2位置P2に向けてF1方向に移動させる。この移動は、付勢部材130による図1のF2方向の移動付勢力に抗して行われる。こうすると、被係止部211は、図1のF4方向に移動する自由度が生ずる。これにより、係止部111を、着脱部210の被係止部211から離脱させることができる。それにより、被係止部211は係止部111による係止状態が解除され、着脱部210を含むプリフォーム保持部200を基部110から、工具等を要せずにワンタッチで取り外すことができる。
【0033】
一方、着脱部210を含むプリフォーム保持部200を基部110に取り付けるには、図1の左側に示す移動部材120をF2方向に押し下げる。この移動は、付勢部材130の移動付勢力を利用して行うことができる。こうすると、移動部材120は、図1の左側に示す第2位置P2から、図1の右側に示す第1位置P1に移動する。第1位置P1では、移動部材120が係止部111を半径方向外側に移動しないように規制している。この結果、係止部111が被係止部211を係止する係止状態を維持することができる。こうして、着脱部210を含むプリフォーム保持部200が、工具等を要せずにワンタッチで基部110に取り付けられる。
【0034】
ここで、着脱部210は軸部212を含むことができる。この場合、被係止部211は、軸部212の周面にて円周方向で異なる位置に配置された複数の凹部とすることができる。一方、基部110は、軸部212が挿通される第1筒部112を含むことができる。この場合、係止部111は、第1筒部112の内壁面112Aより突出して、複数の凹部(被係止部)211に突入する複数の球体とすることができる。係止部111を球体とすることで、被係止部である凹部211への出入りが円滑となり、係止部111及び被係止部211をそれぞれ複数設けることで、着脱部210を基部110に安定して保持できる。
【0035】
基部110の一例を図3(A)に示す。基部110は、図3(A)に示すように、第1フランジ113と、第1フランジ113の一方の面(例えば下面)に設けられた第1筒部112と、第1フランジ113の他方の面(例えば上面)に設けられた軸部114とを一体的に有する。軸部114にはねじ部115が形成されている。第1フランジ113の輪郭形状は、図3(B)に示すように、ねじ部115をレンチ等で回転可能に例えば六角形となっている。なお、基部110は一旦搬送部材に取付けられれば、その後に着脱する必要はない。また、ねじ部115により、ブロー成形機の搬送部材に固定する形態については後述する。
【0036】
第1筒部112は、内壁面112Aから外壁面112Bに貫通して、複数の球体(係止部)111がそれぞれ配置される複数の貫通孔116を有する。この貫通孔116は、図3(B)に示すように、例えば120度間隔で3個設けられている。貫通孔116は、内壁面112Aにて開口し、球体(係止部)111の第1直径よりも小さい第2直径を有する第1孔116Aと、外壁面112Bに開口し、第1直径よりも大きい第3直径を有する第2孔116Bと、を含む。この貫通孔116は、第2孔116Bから第1孔116Aに向かうに従い直径が小さくなるに、図3(B)に示すテーパ角θを有するテーパ孔で形成できる。こうして、球体(係止部)111が貫通孔116に収容可能となり、しかも第1孔116Aから球体(係止部)111の一部が突出可能に保持される。また、第1筒部112の開口端側の外壁には、円周溝117が形成されている。この円周溝117に、図1に示す移動部材120の抜け防止部材として例えばCリング118が装着される。
【0037】
移動部材120は、図1に示すように、第1筒部112の外壁面112Bに沿って移動案内される第2筒部122で構成できる。この第2筒部122は、図4に示すように、一端に第2フランジ124を有する。第2筒部122の内壁面122Aから第2フランジ124にかけて面取り部126が設けられている。この面取り部126は、図1に示すように、移動部材120を図示F2方向に移動させた際に、球体(係止部)111を半径方向内側に向くF3方向に移動案内する案内面として機能する。
【0038】
付勢部材130は、例えば圧縮コイルスプリングにて形成することができる。この圧縮コイルスプリング130は、移動部材120の周囲に装着される。より詳しくは、基部110の第1フランジ113と、移動部材120の第2フランジ124との間に、圧縮コイルスプリング130が収容される。こうして、移動部材120は、圧縮コイルスプリング130の付勢力により、図1の矢印F2方向に移動付勢される。
【0039】
次に、プリフォーム搬送プラグ100のプリフォーム保持部200に設けられたネック保持部250の一例について説明する。着脱部210にはねじ孔213が形成され、ネック保持部250に形成された貫通孔251を挿通されたボルト252がねじ孔213に螺合することで、ネック保持部250が着脱部210に固定される。
【0040】
このネック保持部250は、貫通孔251が形成されたホルダー260(図5も参照)と、このホルダー260に支持されるネック当接片例えば3つの割りリング270(図6(A)(B)も参照)とを有する。
【0041】
ホルダー260は、溝261が形成された下部フランジ262と、この下部フランジ262と離間して配置された上部フランジ263とを有する。上部フランジ263は、図1に示すように、着脱部210の下端より突出してプリフォーム10のネック部12内に挿入される挿入部215との対向面間に、溝264を形成する。
【0042】
3つの割りリング270は、円周方向にて三分割されたリング形状を呈し、外周面にはネック当接面271が形成され、その上下には差込リング部272,273が形成されている。この上下の差込リング部272,273が、図1に示すように2つの溝261,264に嵌り込むことで、3つの割りリング270がホルダー260に支持される。
【0043】
また、図1に示すように、ホルダー260の下部フランジ262と上部フランジ263との間には、複数例えば3つの割りリング(ネック当接片)270を円周方向の外方に向けて移動付勢する部材、例えばOリング280が配置される。このOリング280の弾性力により、3つの割りリング270が、図1に示すようにプリフォーム10のネック部12内に弾性的に嵌入されて、プリフォーム10を保持することができる。
【0044】
ここで、プリフォーム保持部200には、プリフォーム10を保持する際にプリフォーム10内部のエアを外部に導くためのエア抜き構造が設けられている。図7(A)(B)は、着脱部210の下端部を示している。図1をも参照すると、着脱部210は、プリフォーム10のネック部12内に挿入される挿入部215と、ネック部12の端面(天面)と当接する端面当接部217とを含んでいる。挿入部215は、円周方向の複数例えば2箇所において、ネック部12の軸方向に沿って形成された2つの第1エア抜き溝216を含んでいる。端面当接部217は、2つの第1エア抜き溝216とそれぞれ連通し、ネック部12の半径方向に沿って形成されて外気と連通する2つの第2エア抜き溝218を含んでいる。このように、着脱部210の挿入部215がプリフォーム10のネック部12内に挿入される際に、ネック部12内のエアを第1,第2エア抜き溝216,218を介して外部に逃がすことができる。
【0045】
なお、図6(B)に示すように、ネック保持部250の3つの割りリング(ネック当接片)270の間には、プリフォーム10内のエアを第1エア抜き溝216に導く間隙274が形成されている。このため、3つの割りリング270がプリフォーム10のネック部12内に挿入される際には、プリフォーム10内のエアは間隙274に沿って上方に抜けて、着脱部210とネック保持部250との間の空間に導かれる。引き続き、着脱部210のネック保持部250がプリフォーム10のネック部12内に挿入される際には、プリフォーム10内のエアは複数の割りリング(当接片)270間の間隙274を介して、着脱部210とネック保持部250との間の空間に導かれ、このエアをさらに、第1,第2エア抜き溝216,218を介して外部に逃がすことができる。このため、プリフォーム保持部200によるプリフォーム10のネック部12の着脱を円滑に行うことができる。
【0046】
(ブロー成形機)
図8は、上述したプリフォーム搬送プラグ100を用いたブロー成形機300の一例を示す概略平面図である。図8に示すように、機台301上には、プリフォーム供給部310、加熱部320、離型部330、ブロー成形部340が設けられ、例えば機台301の側面より突出した位置に容器取り出し部350が配置されている。プリフォーム供給部310、加熱部320及び離型部330の配置領域に亘って、無端状の搬送部材例えば搬送チェーン360が掛け渡されている。また、加熱部320の配置領域には、プリフォームを自転させる自転用チェーン390が掛け渡されている。
【0047】
このブロー成形機300は2ステージ法(コールドパリソン法)に用いられるもので、図示しない射出成形機にて大量生産されたプリフォーム(パリソン)10が一旦室温まで冷却され、その後、このブロー成形機300の供給部310にプリフォーム10が供給される。
【0048】
供給部310は例えばスターホイール等が用いられ、回転するスターホイールにプリフォーム10を受け入れ、回転搬送して搬送チェーン360に取付けられたプリフォーム搬送プラグ100にプリフォーム10が保持される。搬送チェーン360の移動に伴い、図8の矢印D1方向の往路及び矢印D2方向の復路に沿って搬送される過程で、プリフォーム10は加熱部320にて加熱されてブロー適温とされる。加熱部320は、例えば、プリフォーム加熱搬送路の片側に赤外線ヒーター、他の片側に反射板を配置して構成され、少なくともこのプリフォーム加熱搬送路に沿ってプリフォーム10が連続搬送される間に亘って、プリフォーム10は自転用チェーン390に駆動されて自転される。なお、自転用チェーン390は、搬送チェーン360の駆動方向とは逆方向に駆動される。
【0049】
加熱部320にて加熱された複数のプリフォーム10は、離型部330にて、プリフォーム搬送プラグ100より取り外され(離型され)、複数の第1受け渡し部材に受け渡される。複数の第1受け渡し部材は、離型部330とブロー成形部340との間で図8の矢印D3方向に往復駆動され、ブロー成形部340にて、型締めされるブローキャビティ型に複数のプリフォーム10を受け渡す。ブロー成形部340では、型締めされたブローキャビティ型に支持された複数のプリフォーム10のネック部にブローコア型と延伸ロッドとをそれぞれ配置して、延伸ロッドの縦軸駆動とブローエアの導入により、複数のプリフォーム10から複数のブロー成形容器を同時成形する。
【0050】
ブロー成形部340と容器取り出し部350とに亘って、図8の矢印D4方向に往復動される複数の第2受け渡し部材がさらに設けられている。ブロー成形された複数の容器は、ブローキャビティ型より複数の第2受け渡し部材に受け渡され、容器取り出し部350を介してブロー成形機300の外部に取り出される。
【0051】
(搬送部材とプリフォーム搬送プラグの基部との関係)
図9は、搬送部材360とプリフォーム搬送プラグ100の基部110との関係を示す側面図である。搬送部材である搬送チェーン360は、上側にて隣接する2つのリンク361,362と、下側にて隣接する2つのリンク363,364とを、中空ピン365で連結した単位ユニットを複数有する。中空ピン365は、図9の一部である断面図に示すように、リンク361−364の一方例えば上方に突出して延びる延長部分を有する。中空ピン365は、リンク362,363間の領域には、ブッシュ366を介してローラー367が配置される。図8に示す搬送チェーン360の張設領域の端部にはスプロケットが設けられ、隣り合う2つのローラー367間にスプロケットの歯が入り込んで搬送チェーン360が駆動される。
【0052】
図9の一部である断面図に示すように、中空ピン365内には、プリフォーム搬送プラグ100の基部110を支持する基部支持軸370が、ブッシュ368を介して軸方向に摺動自在に配置されている。この基部支持軸370の一端例えば下端には、基部110のねじ部115が螺合されるねじ孔371が形成されている。
【0053】
基部支持軸370には段付フランジ372が設けられ、一方、中空ピン365内にはバネ受け部材369が固定されている。そして、中空ピン365内に配置されて基部支持軸370に挿通された押圧部材例えば圧縮コイルスプリング373が、段付フランジ372とバネ受け部材369との間に配置されている。これにより、基部支持軸370は、圧縮コイルスプリング373の押圧力によって常時下方に押圧付勢されている。つまり、基部支持軸370に圧縮コイルスプリング373以外の外力が作用していない状態では、基部支持軸370及びこれに支持されるプリフォーム搬送プラグ100は、図1に示すプリフォーム10を保持した保持位置に設定される。
【0054】
基部支持軸370の他端部例えば上端部には、プラグ駆動部材380が配置されている。このプラグ駆動部材380を、図10に示す駆動部382により、図9の位置から上方に押し上げる外力を付与することで、基部支持軸370及びこれに支持されるプリフォーム搬送プラグ100は、プリフォーム10のネック部12より引き抜かれる(離型される)。この離型駆動は、図8に示す離型部330にて実施される。なお、図8の供給部310では、離型部330とは逆の動作が実施され、プラグ駆動部材380を上方位置に押し上げる規制部材(例えばカム)による規制が解除され、圧縮コイルスプリング373の押圧付勢力によりプリフォーム搬送プラグ100がプリフォーム10のネック部12内に挿入される。
【0055】
基部支持軸370の他端部例えば上端部には、プリフォーム10を自転させるスプロケット381が固定されている。このスプロケット381は、図8に示す自転用チェーン390と噛合することで回転され、基部支持軸370を介してプリフォーム搬送プラグ100に保持されたプリフォーム10を自転させる。
【0056】
(プリフォーム受け渡し部材)
図11及び図12は、プリフォーム搬送プラグ100よりプリフォーム10を受け取ってブロー成形部340に搬送し、あるいはブロー成形部340より容器取出し部350に容器を搬送する、上述した第1または第2受け渡し部材である搬送チャック部400を示している。この搬送チャック部400は、支点軸401を支点として鋏のように開閉される一対のアーム部材402,403を有する。一対のアーム部材402,403のうち支点軸401の一方の端部では、一対のアーム部材402,403間に、この一対のアーム部材402,403を常時閉鎖方向に付勢する閉鎖付勢部材例えば圧縮コイルスプリング404が配置されている。一対のアーム部材402,403のうち支点軸401の他方の端部には、図2に示すプリフォーム10のサポートリング20の直上の位置でプリフォーム10をチャックするチャック部材405,406が固定されている。支点軸401は搬送アーム407に取付けられ、搬送チャック部400は搬送アーム407と共に、図8の矢印D3方向、あるいは矢印D4方向に往復動される他、プリフォーム10に対する前進駆動と後退駆動とが実施される。プリフォーム10に対して搬送チャック部400が前進駆動されると、一対のアーム部材405,406は、圧縮コイルスプリング404の付勢力に抗してプリフォーム10によって押し広げられて、プリフォーム10をチャックすることができる。なお、チャック部材405,406は金型部品とされ、プリフォーム10のサイズに応じた設計寸法を有することができる。
【0057】
(プリフォーム搬送プラグの交換方法)
図13及び図14は、それぞれサイズが異なるプリフォーム10A,10Bに対応させた2種類のプリフォーム保持部200A,200Bを示している。図13及び図14において、図9の基部支持軸370に固定される基部110は共通である。図13及び図14において、ブロー成形機300にとって必要なことは、サイズが異なるプリフォーム10A,10Bに拘わらず、ブロー成形機300側の基準高さBHに対して、プリフォーム10A,10B側の基準高さPHが一定であることである。そうでないと、図9及び図11に示す搬送チャック部400にてプリフォーム10のネック部10の直上を保持できず、さらには、加熱部320にてプリフォーム10のサポートリング20より一端側の肩部14から胴部16に亘る二軸延伸領域を加熱できないからである。
【0058】
本実施形態では、基部110の第1フランジ113の上面をブロー成形機300側の基準高さBHとすると、図13及び図14のいずれの場合でも、基準高さBHに対して、プリフォーム10A,10B側の基準高さ(サポートリング20A,20Bの下面高さ)PHまでの距離Lが一定である。換言すれば、プリフォーム10A,10B側の基準高さPHが一定となるように、プリフォーム保持部200A,200Bを使い分けている。なお、ブロー成形機300側の基準高さBHは、図8に示す機台301の上面高さとしても良く、要はブロー成形機300にてプリフォーム10を搬送するための基準高さとなるものであれば良い。
【0059】
図13及び図14の比較から明らかなように、図13のネック部12Aの軸方向長さは図14のネック部12Bの軸方向長さより長い。このために、基準高さBHから図13に示す着脱部210Aの下面までの長さL1は、基準高さBHから図14に示す着脱部210Bの下面までの長さL2よりも短い(L1<L2)。つまり、プリフォーム10のネック部12の長さが異なる場合には、着脱部210の形状を変更する必要がある。これにより、図13及び図14のいずれの場合でも、基準高さBHに対して、プリフォーム10A,10B側の基準高さPHを一定とすることができる。
【0060】
また、図13及び図14の比較から明らかなように、図13のネック部12Aの口径は図14のネック部12Bの口径より狭い。このため、図13及び図14では、各ネック部12A,12Bに嵌入されるネック保持部250A,250Bの形状も異なっている。
【0061】
つまり、プリフォーム10のネック部12の長さや口径が変更になった場合には、ネック保持部250だけに限らず、着脱部210も変更する必要があることが分かる。もちろん、ネック部12の長さが一定で口径のみが異なる場合には、着脱部210を兼用することができるが、そのようなことは稀であるので、基部110に対して、プリフォーム10に固有の着脱部210及びネック保持部250を有するプリフォーム保持部200を用意しておく必要がある。
【0062】
ここで、図11及び図12に示す搬送チャック部400は、プリフォーム10の基準高さPHが一定であることから、チャック部材405,406のみをプリフォーム10のネック部12のサイズに合わせて変更すれば良い。図13には、ネック部12Aに適合した形状のチャック部材405A,406Aが示され、図14には、ネック部12Bに適合した形状のチャック部材405B,406Bが示されている。
【0063】
一般にブロー成形機300の出荷前後の調整工程または試運転では、プリフォーム10を供給して動作させる通常動作状態の前に、プリフォーム10を供給しないで各部の動作状態を確認することが行われる。ところで、図11及び図12に示す搬送チャック部400は、プリフォーム10がない状態では、圧縮コイルスプリング404により最も閉じた状態に維持されている。プリフォーム10が存在しないと、搬送チャック部400は閉じた状態でプリフォーム搬送プラグ100に向けて前進される。このときのチャック部材405A,406Aの最も幅が小さい部位(最小幅部位)を図13に符号410A,410Aで示し、同様にチャック部材405B,406Bの最も幅が小さい部位(最小幅部位)を図13に符号410B,410Bで示す。図13では、チャック部材405A,406Aの最小幅部位410A,410Aとの干渉を防止するために、ネック保持部250Aの最下端部の角部を面取りした切欠き部262Aが形成されている。一方、図14では、チャック部材405B,406Bの最小幅部位410B,410Bとの干渉を防止するために、ネック保持部250Bの割りリング(ネック当接片)270Bには溝状の切欠き部275が形成されている。こうして、プリフォーム10が供給されない動作確認工程でも、チャック部材405,406がプリフォーム搬送プラグ100と干渉することを防止できる。
【0064】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0065】
例えば、本発明はプリフォーム10のネック部12を上方にした正立状態でプリフォーム10を搬送するプラグに好適であるが、プリフォーム10のネック部12を下方にした倒立状態でプリフォーム10を搬送するものにも採用することができる。また、上述した実施形態ではプリフォーム10を加熱部320に搬送するものに適用したが、ブロー成形機300内の搬送プラグとして他の箇所に使用しても良い。ブロー成形機300としては、上述した2ステージ法(コールドパリソン法)に用いられるものに限らず、射出成形時の熱を保有したプリフォーム(パリソン)から容器をブロー成形する1ステージ法(ホットパリソン法)を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリフォーム搬送プラグの一部を切欠した概略説明図である。
【図2】比較例であるプリフォーム搬送プラグの概略説明図である。
【図3】図3(A)は基部の正面図、図3(B)は基部の底面図である。
【図4】移動部材の一部を切欠した正面図である。
【図5】ネック保持部の一要素であるホルダーの概略説明図である。
【図6】図6(A)(B)はネック保持部の一要素である3つの割りリングの正面図、平面図である。
【図7】図7(A)(B)は着脱部に形成された第1,第2エア抜き溝を説明するための概略説明図である。
【図8】ブロー成形機の概略平面図である。
【図9】搬送部材とプリフォーム搬送プラグの基部との関係を示す側面図である。
【図10】プリフォーム搬送プラグの軸方向に駆動する駆動部の概略説明図である。
【図11】プリフォーム受け渡し部材の平面図である。
【図12】プリフォーム受け渡し部材の正面図である。
【図13】サイズが異なる複数種のプリフォームの一つに対応させたプリフォーム保持部を示す概略説明図である。
【図14】サイズが異なる複数種のプリフォームの他の一つに対応させたプリフォーム保持部を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0067】
10 プリフォーム、12 ネック部、20 サポートリング、100 プリフォーム搬送プラグ、110 基部、111 係止部(球体)、112 第1筒部、112A 内壁面、112B 外壁面、113 第1フランジ、115 ねじ部、116 貫通孔、116A 第1孔、116B 第2孔、117 円周溝、118 抜け止め部材(Cリング)、120 移動部材、122 第2筒部、124 第2フランジ、130 付勢部材(圧縮コイルスプリング)、200,200A,200B プリフォーム保持部、210 着脱部、211 被係止部(凹部)、212 軸部、213 ねじ孔、215 挿入部、216 第1エア抜き溝、217 端面当接部、218 第2エア抜き溝、250 ネック保持部、251 貫通孔、252 ボルト、260 ホルダー、261 溝、262 下部フランジ、262A 切欠き部、263 上部フランジ、264 溝、270 割りリング(ネック当接片)、271 ネック当接面、272,273 差込リング部、274 間隙、275 切欠き部、300 ブロー成形機、301 機台、310 供給部、320 加熱部、330 離型部、340 ブロー成形部、350 容器取り出し部、360 搬送チェーン(搬送部材)、361−364 リンク、365 中空ピン、366、ブッシュ、367 ローラー、368 ブッシュ、369 バネ受け部材、370 基部支持軸、371 ねじ孔、372 段付フランジ、373 圧縮コイルスプリング(押圧部材)、380 プラグ駆動部材、381 スプロケット、382 駆動部、390 自転用チェーン、400 搬送チャック部、401 支点軸、402,403 一対のアーム部材、404 閉鎖付勢部材(圧縮コイルスプリング)、405,406 チャック部材、407 搬送アーム、410A,410B 最小幅部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送部材に取り付けられて、プリフォームを搬送するプリフォーム搬送プラグにおいて、
前記搬送部材に支持される基部と、
前記基部に対して着脱される着脱部を含み、前記プリフォームのネック部を保持するプリフォーム保持部と、
を有し、
前記着脱部は、前記基部に係止される被係止部を含み、
前記基部は、
前記被係止部を係止する係止部と、
前記被係止部が前記係止部により係止される係止状態を維持する第1位置と、前記係止状態を解除する第2位置とに、移動される移動部材と、
前記移動部材を、前記第1位置に維持するように移動付勢する付勢部材と、
を含むことを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項2】
請求項1において、
前記着脱部は軸部を含み、
前記被係止部は、前記軸部の周面にて円周方向で異なる位置に配置された複数の凹部であり、
前記基部は、前記軸部が挿通される第1筒部を含み、
前記係止部は、前記第1筒部の内壁面より突出して、前記複数の凹部に突入する複数の球体であることを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1筒部は、
前記内壁面から外壁面に貫通して、前記複数の球体がそれぞれ配置される複数の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記内壁面にて開口し、前記球体の第1直径よりも小さい第2直径を有する第1孔と、前記外壁面に開口し、前記第1直径よりも大きい第3直径を有する第2孔と、を含み、かつ、前記第2孔から前記第1孔に向かうに従い直径が小さくなるテーパ孔であり、
前記移動部材は、前記第1筒部の前記外壁面に沿って移動案内される第2筒部であることを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項4】
請求項3において、
前記移動部材の端部には、前記係止部が前記係止状態になるように移動案内する案内面を有することを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記着脱部は、前記プリフォームの前記ネック部内に挿入される挿入部と、前記ネック部の端面と当接する端面当接部とを含み、
前記挿入部は、前記ネック部の軸方向に沿って形成された第1エア抜き溝を含み、
前記端面当接部は、前記第1エア抜き溝と連通し、前記ネック部の半径方向に沿って形成されて外気と連通する第2エア抜き溝を含むことを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項6】
請求項5において、
前記プリフォーム保持部は、前記ネック部の周方向の複数個所にて前記ネック部の内壁面と弾性的に当接する複数の当接片を含み、
前記複数の当接片の間に、前記プリフォーム内のエアを前記第1エア抜き溝に導く間隙が形成されていることを特徴とするプリフォーム搬送プラグ。
【請求項7】
プリフォームから容器にブロー成形するブロー成形機において、
前記プリフォームを保持する請求項1乃至6のいずれかに記載の複数のプリフォーム搬送プラグと、
前記複数のプリフォーム搬送プラグの各々の前記基部が取付けられる搬送部材と、
を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項8】
請求項7において、
前記搬送部材は、複数のリンクを中空ピンにて連結した搬送チェーンであり、
前記ブロー成形機は、
前記中空ピン内を摺動し、前記プリフォーム搬送プラグの前記基部が取付けられる基部支持軸と、
前記中空ピン内に配置されて前記基部支持軸を軸方向にて一方向に押圧して、前記プリフォーム保持部により前記プリフォームを保持する保持位置に維持する押圧部材と、
前記基部支持軸を前記軸方向にて他方向に駆動して、前記プリフォーム保持部を前記プリフォームより離脱させる駆動部と、
をさらに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項9】
請求項8において、
前記プリフォーム搬送プラグにて搬送された前記プリフォームを受け取る搬送チャック部をさらに有し、
前記搬送チャック部は、一対のチャック部材と、前記一対のチャック部材を常時閉鎖方向に移動付勢する閉鎖付勢部材と、前記一対のチャック部材を支持して前記プリフォーム搬送プラグに対して進退駆動する搬送アームと、を含み、
前記プリフォーム搬送プラグには、前記プリフォームを保持しない状態で前記一対のチャック部材が前進された時に、前記一対のチャック部材の最小幅部位との干渉を防止する切欠き部が形成されていることを特徴とするブロー成形機。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか記載のブロー成形機にてプリフォーム搬送プラグを交換する方法であって、
前記プリフォームのサイズの変更に対して前記基部は共用され、前記プリフォームのサイズに応じて複数種の前記プリフォーム保持部が用意され、
前記複数種のプリフォーム保持部の中から、前記プリフォームの前記ネック部の口径及び/又は前記ネック部の長さに応じた1種のプリフォーム保持部を選択して、前記基部に装着することを特徴とするプリフォーム搬送プラグの交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−149460(P2010−149460A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332302(P2008−332302)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000227032)日精エー・エス・ビー機械株式会社 (35)
【Fターム(参考)】