説明

プリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法

【課題】効率的に印刷を実行することができるプリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法の提供。
【解決手段】PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部とラスタデータに基づいて印刷を実行するプリンタ部とを備える画像形成装置と、に通信ネットワークで接続されるプリントサーバであって、前記クライアントから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、を比較し、出力までの時間が早い方のデータを前記画像形成装置に送信する制御部と、を少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法に関し、特に、RIP(Raster Image Processor)機能を備えたプリントサーバ及び当該プリントサーバとRIP機能を備えた画像形成装置とを含む印刷制御システム並びに当該印刷制御システムにおける印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)が普及している。この画像形成装置を利用して印刷する場合、まず、ネットワークに接続されているクライアントからページ記述言語(PDL:Page Description Language)形式のデータ(PDLデータと呼ぶ。)を受信し、PDLデータをラスタライズ(ビットマップ展開)してラスタデータを生成し、このラスタデータに基づいて印刷を実行する。
【0003】
ここで、複数の画像形成装置が通信ネットワークで接続されているシステムの場合、PDLデータからラスタデータを生成する処理(以下、RIP処理と呼ぶ。)を各々の画像形成装置で実行すると、各々の画像形成装置に上記処理を実行する機能(以下、RIP機能と呼ぶ。)を持たせなければならず、画像形成装置の構成が複雑になる。そこで、このようなシステムでは、上記RIP機能を備えたプリントサーバを通信ネットワークに接続し、プリントサーバでRIP処理を代表して行う構成が採用されている。
【0004】
このようなシステムに関して、例えば、下記特許文献1には、ネットワークに対して、ページ記述言語(PDL)をラスタイメージデータに変換するRIPサーバと、PDLをラスタイメージデータに変換するRIP部を有しないネットワークプリンタとして、出力エンジンを接続し、ホストコンピュータは、出力エンジンに印刷を行わせるとき、印刷内容に対応するPDLをRIPサーバに出力し、RIPサーバは、PDLをラスタイメージデータに展開し、ネットワークを介して出力エンジンに転送し、印刷させる印刷システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−40039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のサーバは、印刷を実行する画像形成装置の性能にかかわらず、自装置でRIP処理を実施し、画像形成装置にラスタデータを送信するため、効率的に印刷を実行できない場合が生じる。
【0007】
例えば、プリントサーバと画像形成装置の双方にRIP機能を備えており、画像形成装置のRIP機能の方が処理能力が高い場合は、画像形成装置側でRIP処理を実施した方が効率的である。しかしながら、従来は、このような場合であっても、プリントサーバ側でRIP処理を実施して画像形成装置にラスタデータを送信するため、出力までの時間が長くなってしまう。
【0008】
また、通信ネットワークのデータ転送速度が遅い場合、データサイズの小さいPDLデータを送信した方が効率的である。しかしながら、従来は、このような場合であっても、プリントサーバ側でRIP処理を実施してデータサイズの大きいラスタデータを送信するため、データ送信に時間がかかり、出力までの時間が長くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、効率的に印刷を実行することができるプリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部とラスタデータに基づいて印刷を実行するプリンタ部とを備える画像形成装置と、に通信ネットワークで接続されるプリントサーバであって、前記クライアントから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、を比較し、出力までの時間が早い方のデータを前記画像形成装置に送信する制御部と、を少なくとも備えるものである。
【0011】
また、本発明は、PDLデータを送信するクライアントと、前記PDLデータを受信するプリントサーバと、画像形成装置と、が通信ネットワークで接続される印刷制御システムにおいて、前記プリントサーバは、前記クライアントから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、を比較し、出力までの時間が早い方のデータを前記画像形成装置に送信する制御部と、を少なくとも備え、前記画像形成装置は、前記プリントサーバから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を実行するプリンタ部と、を備えるものである。
【0012】
また、本発明は、PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備えるプリントサーバと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備える画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されるシステムにおける印刷制御方法であって、前記プリントサーバは、前記クライアントからPDLデータを受信するステップと、予め記憶した、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、自装置の前記RIP部の処理能力情報と、を参照して、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、自装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第2所要時間と、を計算する計算ステップと、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するステップと、を実行し、前記画像形成装置は、前記プリントサーバから前記PDLデータを受信した場合は、自装置の前記RIP部を用いてラスタデータを生成するステップと、前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を行うステップと、を実行するものであり、前記計算ステップでは、予め記憶した、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報を参照して、前記第1所要時間に、前記受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算し、前記第2所要時間に、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算する構成とすることができる。
【0013】
また、本発明は、PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備えるプリントサーバと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備える画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されるシステムにおける印刷制御方法であって、前記プリントサーバは、前記クライアントからPDLデータを受信するステップと、自装置の前記RIP部を用い、受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するステップと、前記PDLデータと前記ラスタデータとを記憶するステップと、記憶したデータに基づく印刷が指示された場合、予め記憶した、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と前記通信ネットワークのデータ転送能力情報とを参照して、記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信するための第2所要時間と、を計算する計算ステップと、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信するステップと、を実行し、前記画像形成装置は、前記プリントサーバから前記PDLデータを受信した場合は、自装置の前記RIP部を用いてラスタデータを生成するステップと、前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を行うステップと、を実行するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のプリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法によれば、効率的に印刷を実行することができる。
【0015】
その理由は、RIP部を備えるプリントサーバとRIP部を備える画像形成装置とを含む印刷制御システムにおいて、プリントサーバは、PDLデータを画像形成装置に送信し画像形成装置のRIP部でラスタデータを生成する場合の出力までの時間と、自装置のRIP部で生成したラスタデータを画像形成装置に送信する場合の出力までの時間と、を計算して比較し、出力までの時間が早い方のデータを画像形成装置に送信する制御を行うからである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例に係る印刷制御システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るプリントサーバ、クライアント及び画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るプリントサーバの動作(PDLデータを受信した場合の動作)を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施例に係るプリントサーバの動作(図3のRIP判断1の動作)を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施例に係るプリントサーバの動作(保存ジョブの印刷が指示された場合の動作)を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例に係るプリントサーバの動作(図5のRIP判断2の動作)を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述したように、サーバでRIP処理を実施し、画像形成装置にRIP済みのラスタデータを送信する技術は存在するが、従来のサーバは、印刷を実行する画像形成装置毎にPDLデータを送出するかラスタデータを送出するかを判断する機能を有していない。そのため、画像形成装置側のRIP処理が早いにもかかわらずサーバ側でRIP処理を実施したり、データ転送に時間がかかるにもかかわらず、データサイズの大きいラスタデータを送信したりしてしまい、効率的に印刷を実行することができないという問題があった。
【0018】
そこで、本発明の一実施の形態では、プリントサーバと画像形成装置の双方にRIP部を備える印刷制御システムにおいて、プリントサーバは、PDLデータを画像形成装置に送信し画像形成装置のRIP部でラスタデータを生成する場合の出力までの時間と、自装置のRIP部で生成したラスタデータを画像形成装置に送信する場合の出力までの時間と、を計算して比較し、その比較結果に基づいて、画像形成装置にRIP処理前のPDLデータを送出するか、RIP処理後のラスタデータを送出するかを決定する。
【0019】
例えば、RIP部の処理能力が低い(RIP処理が遅い)画像形成装置で印刷する場合は、プリントサーバ側でRIP処理を実施してラスタデータを送信し、RIP部の処理能力が高い(RIP処理が早い)画像形成装置で印刷する場合は、RIP処理前のPDLデータをそのまま送信し、画像形成装置でRIP処理を実施させるようにする。
【0020】
また、通信ネットワークのデータ転送能力も考慮して、PDLデータの送信時間及び画像形成装置側のRIP処理時間を合計した時間と、プリントサーバ側のRIP処理時間及びラスタデータの送信時間を合計した時間とを比較し、時間が短い方法を選択する。
【0021】
更に、プリントサーバ側でRIP処理を行ったラスタデータが保存されている場合は、PDLデータの送信時間及び画像形成装置側のRIP処理時間を合計した時間と、ラスタデータの送信時間とを比較し、時間が短い方法を選択する。
【0022】
これにより、印刷完了までの時間を短くすることができ、効率的に印刷を実行することができる。
【実施例】
【0023】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係るプリントサーバ及び印刷制御システム並びに印刷制御方法について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施例の印刷制御システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、クライアント、プリントサーバ及び画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図3及び図4は、PDLデータを受信した時のプリントサーバの動作を示すフローチャート図であり、図5及び図6は、保存ジョブの印刷が指示された時のプリントサーバの動作を示すフローチャート図である。
【0024】
図1に示すように、本実施例の印刷制御システム10は、PDLデータを作成してプリントサーバ30に送信するクライアント20と、PDLデータを受信し、受信したPDLデータ若しくはPDLデータをラスタライズしたラスタデータのいずれかを画像形成装置40に送信するプリントサーバ30と、PDLデータ若しくはラスタデータを受信して印刷を実行する画像形成装置40と、で構成される。これらの装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークを介して接続されている。以下、各装置の構成について、図2のブロック図を参照して詳細に説明する。
【0025】
[クライアント]
クライアント20は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器であり、制御部21、OS(Operating System)22、アプリケーション23、プリンタドライバ24、記憶部25、ネットワークI/F部26、表示部27、操作部28などを備える。
【0026】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリからなり、クライアント20全体の動作を制御する。OS22は、Windows(登録商標)やMacintosh(登録商標)などであり、クライアント20でアプリケーション23を動作可能にする。アプリケーション23は、文書データを作成するためのソフトウェアである。プリンタドライバ24は、アプリケーション23で作成された文書データをプリントサーバ30が読み取り可能なPDLデータに変換する。記憶部25は、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などからなり、文書データやPDLデータなどを記憶する。ネットワークI/F部26は、NIC(Network Interface Card)などからなり、クライアント20を通信ネットワークに接続する。表示部27は、LCD(Liquid Crystal Display)などからなり、アプリケーション23の文書作成画面やプリンタドライバ24の設定画面などを表示する。操作部28は、マウスやキーボードなどからなり、文書作成や印刷指示などの操作を可能にする。
【0027】
[プリントサーバ]
プリントサーバ30は、クライアント20で作成したPDLデータを管理する機器であり、制御部31、RIP部32、記憶部33、ネットワークI/F部34、必要に応じて表示部及び操作部などを備える。
【0028】
制御部31は、CPU及びROMやRAMなどのメモリからなり、プリントサーバ30全体の動作を制御する。RIP部32は、PDLデータをビットマップ展開してラスタデータを生成し、必要に応じてラスタデータに対してスクリーニングや画像処理を行う。記憶部33は、メモリやHDDなどからなり、クライアント20から受信したPDLデータやRIP部32で生成したラスタデータ、自装置の処理能力情報(例えば、RIP処理時間を計測するためのテストデータに対するRIP処理時間)、各画像形成装置40の処理能力情報(例えば、RIP部の有無や上記テストデータに対するRIP処理時間)を記述したテーブル、通信ネットワークのデータ転送能力情報(例えば、データ転送速度)、上記テストデータなどを記憶する。ネットワークI/F部34は、NICなどからなり、プリントサーバ30を通信ネットワークに接続する。
【0029】
また、上記制御部31は、クライアント20からPDLデータを受信した時に、上記テーブルを参照して指定された画像形成装置40にRIP部があるかを判断する。そして、画像形成装置40にRIP部がある場合は、記憶部33に記憶した自装置の処理能力情報、その画像形成装置40の処理能力情報及び通信ネットワークのデータ転送能力情報を参照して、RIP処理前のPDLデータを画像形成装置40に送信する時間とPDLデータを画像形成装置40のRIP部でRIP処理する時間とを加算した所要時間を算出すると共に、PDLデータを自装置のRIP部32でRIP処理する時間とRIP処理後のラスタデータを画像形成装置40に送信する時間とを加算した所要時間を算出し、それらを比較する。比較した結果、前者の所要時間が後者の所要時間を超える場合及び画像形成装置40にRIP部がない場合は、自装置のRIP部32でRIP処理を実施し、RIP処理後のラスタデータを画像形成装置40に送信する制御を行い、前者の所要時間が後者の所要時間以下の場合は、PDLデータをそのまま画像形成装置40に送信し、画像形成装置40のRIP部にRIP処理を実施させる制御を行う。上記処理は、ハードウェアとして実行してもよいし、プリントサーバ30に上記処理を実行させる印刷制御プログラムとして構成し、当該印刷制御プログラムを制御部31上で実行させる構成としてもよい。
【0030】
なお、本実施例では、双方の所要時間が等しい場合に、画像形成装置40のRIP部でRIP処理を実施する構成としているが、プリントサーバ30のRIP部32でRIP処理を実施する構成としてもよい。また、本実施例では、RIP処理の時間とデータ送信の時間とを合わせた時間を比較する構成とするが、RIP処理の時間のみを比較してもよいし、プリントサーバ30で他のPDLデータのRIP処理を実施している場合や画像形成装置40で他のジョブの処理を行っている場合は、それらの処理が終了するまでの待ち時間を考慮してもよい。また、予めRIP部32でラスタデータを生成している場合は、RIP処理前のPDLデータを画像形成装置40に送信する時間と画像形成装置40のRIP部でRIP処理する時間とを加算した所要時間と、RIP処理後のラスタデータを画像形成装置40に送信する時間とを比較してもよい。
【0031】
[画像処理装置]
画像処理装置40は、プリントサーバ30から受信したPDLデータ若しくはラスタデータに基づいて印刷を実行する装置であり、制御部41、RIP部42、プリンタ部43、記憶部44、パネル操作部45、ネットワークI/F部46などを備える。
【0032】
制御部41は、CPU及びROMやRAMなどのメモリからなり、画像処理装置40全体の動作を制御する。RIP部42は、プリントサーバ30からPDLデータを受信した場合、PDLデータをビットマップ展開してラスタデータを生成し、必要に応じてラスタデータに対してスクリーニングや画像処理を行う。プリンタ部43は、感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、印刷指示に従って印刷を実行する。記憶部44は、メモリやHDDなどからなり、PDLデータやラスタデータ、自装置の処理能力情報(例えば、テストデータに対するRIP処理時間)などを記憶する。パネル操作部45は、表示部上に透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチパネル)を設けたものであり、画像処理装置40の操作や処理能力情報の登録などを可能にする。ネットワークI/F部46は、NICなどからなり、画像処理装置40を通信ネットワークに接続する。
【0033】
なお、図1及び図2は、本実施例の印刷制御システム10の一例であり、上記機能を備えたプリントサーバ30と、RIP部42を備えた少なくとも1台の画像形成装置40とを含む限りにおいて、その構成は適宜変更可能である。
【0034】
次に、上記構成のプリントサーバ30の動作について説明する。なお、以下の説明において、プリントサーバ30は、SNMP(Simple Network Management Protocol)−MIB(Management Information Base)等により、各画像形成装置40から処理能力情報(上記テストデータに対するRIP処理時間)を取得し、予めテーブルとして記憶部33に記憶しているものとする。
【0035】
まず、クライアント20からPDLデータを受信した場合のプリントサーバ30の動作について、図3及び図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0036】
プリントサーバ30は、クライアント20からPDLデータを受信すると、制御部31は、PDLデータのヘッダ等に記述された情報に基づいて、PDLデータに基づくジョブが通常ジョブであるか保存ジョブであるかを判断する(S100)。
【0037】
上記通常ジョブとは、クライアント20のプリンタドライバ24で画像形成装置40を指定し、指定された画像形成装置40ですぐに印刷を実行させるジョブである。また、保存ジョブとは、クライアント20のプリンタドライバ24で画像形成装置40を指定せず、ジョブのデータをプリントサーバ30に保存し、ユーザが画像形成装置40から印刷を指示した際に、プリントサーバ30からその画像形成装置40にデータ(PDLデータ又はラスタデータ)を送信して印刷を実行させるジョブである。なお、通常ジョブか保存ジョブかは、クライアント20のプリンタドライバ24のジョブ設定において指定することができる。
【0038】
保存ジョブの場合(S100のY)は、RIP部32は、PDLデータに対してRIP処理を実施し(S160)、制御部31は、RIP後のラスタデータをPDLでラッピングするラップ処理を実施する(S170)。このラップ処理は、RIP後のラスタデータと印刷指示情報とを一連のデータとして関連付ける処理である。その後、制御部31は、PDLデータとラスタデータの両方を記憶部33に保存し(S180)、処理を終了する。
【0039】
一方、通常ジョブの場合(S100のN)は、制御部31は、RIP部32にRIP処理を実施させるか否かを判断する(S110)。このステップ(RIP判断1)について、図4のフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【0040】
まず、記憶部33から、出力先として指定された画像形成装置40のテストデータに対するRIP処理時間を取得する(S111)。
【0041】
次に、通信ネットワークのデータ転送速度とPDLデータのデータサイズに基づいて、PDLデータの送信時間(例えば、データ転送速度×PDLデータのデータサイズ)を求めると共に、上記テストデータに対する画像形成装置40のRIP処理時間とPDLデータのデータサイズに基づいて、指定された画像形成装置40のRIP処理時間(例えば、テストデータに対するRIP処理時間×PDLデータのデータサイズ/テストデータのデータサイズ)を求め、これらを加算して所要時間(1)を推定する(S112)。
【0042】
次に、テストデータに対する自装置のRIP処理時間とPDLデータのデータサイズに基づいて、自装置のRIP処理時間(例えば、テストデータに対するRIP処理時間×PDLデータのデータサイズ/テストデータのデータサイズ)を求めると共に、通信ネットワークのデータ転送速度とRIP処理後のラスタデータのデータサイズに基づいて、ラスタデータの送信時間(例えば、データ転送速度×ラスタデータのデータサイズ)を求め、これらを加算して所要時間(2)を推定する(S113)。
【0043】
次に、S112で求めた所要時間(1)とS113で求めた所要時間(2)を比較し(S114)、所要時間(1)が所要時間(2)を超える場合(すなわち、プリントサーバ30でRIP処理を行う方が早い場合)は、RIP要フラグに”1”をセットし(S115)、所要時間(1)が所要時間(2)以下の場合(すなわち、画像形成装置40でRIP処理を行う方が早いか若しくは同じ場合)は、RIP要フラグに”0”をセットする(S116)。
【0044】
図3に戻って、制御部31は、RIP要フラグに”1”がセットされているかを判断し(S120)、RIP要フラグが”1”でない場合は、画像形成装置40でRIP処理を行う方が早く処理できる(若しくは同じ)と推定されることから、プリントサーバ30でRIP処理を行うことなく、PDLデータをそのまま画像形成装置40に送信する(S150)。
【0045】
一方、RIP要フラグが”1”の場合は、プリントサーバ30でRIP処理を行う方が早く処理できると推定されることから、RIP部32は、PDLデータに対してRIP処理を実施し(S130)、制御部31は、RIP後のラスタデータをPDLでラッピングする(S140)。その後、制御部31は、RIP処理後のラスタデータを画像形成装置40に送信する(S150)。
【0046】
このように、PDLデータの送信時間と画像形成装置40のRIP処理時間とを加算した所要時間と、プリントサーバ30のRIP処理時間とRIP後のラスタデータの送信時間とを加算した所要時間とを比較し、その比較結果に応じて、画像形成装置40にPDLデータを送信するか、ラスタデータを送信するかを決定するため、効率的に印刷を実行することができる。
【0047】
次に、保存ジョブの印刷が指示された場合のプリントサーバ30の動作について、図5及び図6のフローチャート図を参照して説明する。
【0048】
まず、ユーザが画像形成装置40からプリントサーバ30にアクセスして、印刷する保存ジョブを選択すると、画像形成装置40からプリントサーバ30に印刷要求が送信される。すると、プリントサーバ30の制御部31は、記憶部33から指定された保存ジョブを読み出し(S200)、画像形成装置40にPDLデータ若しくはラスタデータのどちらを送信するかを判断する(S210)。このステップ(RIP判断2)について、図6のフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【0049】
まず、記憶部33から、出力先として指定された画像形成装置40のテストデータに対するRIP処理時間を取得する(S211)。
【0050】
次に、通信ネットワークのデータ転送速度とPDLデータのデータサイズに基づいて、PDLデータの送信時間(例えば、データ転送速度×PDLデータのデータサイズ)を求めると共に、上記テストデータに対するRIP処理時間とPDLデータのデータサイズに基づいて、指定された画像形成装置40のRIP処理時間(例えば、テストデータに対するRIP処理時間×PDLデータのデータサイズ/テストデータのデータサイズ)を求め、これらを加算して所要時間(1)を推定する(S212)。
【0051】
次に、通信ネットワークのデータ転送速度とRIP処理後のラスタデータのデータサイズに基づいて、ラスタデータの送信時間(例えば、データ転送速度×ラスタデータのデータサイズ)を求め、所要時間(2)を推定する(S213)。
【0052】
次に、S212で求めた所要時間(1)とS213で求めた所要時間(2)を比較し(S214)、所要時間(1)が所要時間(2)を超える場合(すなわち、ラスタデータを転送した方が早く処理できる場合)は、RIP要フラグに”1”をセットし(S215)、所要時間(1)が所要時間(2)以下の場合(すなわち、画像形成装置40にPDLデータを転送して画像形成装置40でRIP処理を実施させる方が早く処理できるか若しくは同じ場合)は、RIP要フラグに”0”をセットする(S216)。
【0053】
図5に戻って、制御部31は、RIP要フラグに”1”がセットされているかを判断し(S220)、RIP要フラグが”1”の場合は、ラスタデータを転送した方が早く処理できると推定されることから、RIP処理後のラスタデータをPDLでラッピングして画像形成装置40に送信し(S230)、画像形成装置40は、受信したラスタデータを用いて印刷を実行する。
【0054】
一方、RIP要フラグが”1”でない場合は、画像形成装置40でRIP処理を行う方が早く処理できる(若しくは同じ)と推定されることから、制御部31は、PDLデータを画像形成装置40に送信し(S240)、画像形成装置40は、受信したPDLデータに対してRIP処理を行ってラスタデータを生成し、そのラスタデータを用いて印刷を実行する。
【0055】
このように、PDLデータの送信時間と画像形成装置40のRIP処理時間とを加算した所要時間と、RIP後のラスタデータの送信時間とを比較し、その比較結果に応じて、画像形成装置40にPDLデータを送信するか、ラスタデータを送信するかを決定するため、効率的に印刷を実行することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0057】
例えば、上記実施例では、RIP処理時間とデータ送信時間とを用いて、画像形成装置40にPDLデータを送信するか、ラスタデータを送信するかを判断したが、他の要素(例えば、どちらでRIP処理を行った方が画質がよいかなど)も考慮して判断する構成としてもよい。
【0058】
また、上記実施例では、通信ネットワークのデータ転送速度に基づいてPDLデータ及びラスタデータの送信時間を算出したが、プリントサーバ30のネットワークI/F部34の能力(データ送信速度)や画像形成装置40のネットワークI/F部46の能力(データ受信速度)を考慮してもよい。
【0059】
また、プリントサーバ30のRIP部32に、画像形成装置40でサポートされていないカラーマッチング等の機能が付加されており、画像形成装置40毎のカラーマッチング情報を記憶部33に保存している場合は、プリントサーバ30でRIP処理を実施して高精度の印刷処理を実現することができる。その場合は、高精度の印刷処理が求められていない場合に、本実施例の制御を実行することになる。
【0060】
また、画像形成装置40でサポートされていない形式のPDLデータを受信した場合、プリントサーバ30は、画像形成装置40でサポートされている形式のPDLデータに変換した後、本実施例の制御を実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、RIP機能を備えるプリントサーバと、RIP機能を備える少なくとも1台の画像形成装置と、を含むシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 印刷制御システム
20 クライアント
21 制御部
22 OS
23 アプリケーション
24 プリンタドライバ
25 記憶部
26 ネットワークI/F部
27 表示部
28 操作部
30 プリントサーバ
31 制御部
32 RIP部
33 記憶部
34 ネットワークI/F部
40 画像処理装置
41 制御部
42 RIP部
43 プリンタ部
44 記憶部
45 パネル操作部
46 ネットワークI/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部とラスタデータに基づいて印刷を実行するプリンタ部とを備える画像形成装置と、に通信ネットワークで接続されるプリントサーバであって、
前記クライアントから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、
前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、を比較し、出力までの時間が早い方のデータを前記画像形成装置に送信する制御部と、を少なくとも備える、
ことを特徴とするプリントサーバ。
【請求項2】
前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、自装置の前記RIP部の処理能力情報と、を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記クライアントからPDLデータを受信した場合に、前記処理能力情報を参照して、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、自装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第2所要時間と、を計算し、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントサーバ。
【請求項3】
前記記憶部は、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記データ転送能力情報を参照して、前記第1所要時間に、前記受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算し、前記第2所要時間に、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算する、
ことを特徴とする請求項2に記載のプリントサーバ。
【請求項4】
前記クライアントから受信した前記PDLデータと、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータと、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報と、を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶したデータに基づく印刷が指示された場合に、前記処理能力情報と前記データ転送能力情報とを参照して、前記記憶部に記憶したPDLデータを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、前記記憶部に記憶したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための第2所要時間と、を計算し、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、前記記憶部に記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記記憶部に記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントサーバ。
【請求項5】
PDLデータを送信するクライアントと、前記PDLデータを受信するプリントサーバと、画像形成装置と、が通信ネットワークで接続される印刷制御システムにおいて、
前記プリントサーバは、
前記クライアントから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、
前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信した場合の出力までの時間と、を比較し、出力までの時間が早い方のデータを前記画像形成装置に送信する制御部と、を少なくとも備え、
前記画像形成装置は、
前記プリントサーバから受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部と、
前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を実行するプリンタ部と、を備える、
ことを特徴とする印刷制御システム。
【請求項6】
前記プリントサーバは、
前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、自装置の前記RIP部の処理能力情報と、を記憶する記憶部を備え、
前記プリントサーバの前記制御部は、前記クライアントからPDLデータを受信した場合に、前記処理能力情報を参照して、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、自装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第2所要時間と、を計算し、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷制御システム。
【請求項7】
前記プリントサーバの前記記憶部は、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報を更に記憶し、
前記プリントサーバの前記制御部は、前記データ転送能力情報を参照して、前記第1所要時間に、前記受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算し、前記第2所要時間に、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算する、
ことを特徴とする請求項6に記載の印刷制御システム。
【請求項8】
前記プリントサーバは、
前記クライアントから受信した前記PDLデータと、自装置の前記RIP部で生成した前記ラスタデータと、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報と、を記憶する記憶部を備え、
前記プリントサーバの前記制御部は、前記記憶部に記憶したデータに基づく印刷が指示された場合に、前記処理能力情報と前記データ転送能力情報とを参照して、前記記憶部に記憶したPDLデータを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、前記記憶部に記憶したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための第2所要時間と、を計算し、前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、前記記憶部に記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記記憶部に記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷制御システム。
【請求項9】
PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備えるプリントサーバと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備える画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されるシステムにおける印刷制御方法であって、
前記プリントサーバは、
前記クライアントからPDLデータを受信するステップと、
予め記憶した、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と、自装置の前記RIP部の処理能力情報と、を参照して、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、自装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第2所要時間と、を計算する計算ステップと、
前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、前記クライアントから受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するステップと、を実行し、
前記画像形成装置は、
前記プリントサーバから前記PDLデータを受信した場合は、自装置の前記RIP部を用いてラスタデータを生成するステップと、
前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を行うステップと、を実行する、
ことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項10】
前記計算ステップでは、予め記憶した、前記通信ネットワークのデータ転送能力情報を参照して、前記第1所要時間に、前記受信したPDLデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算し、前記第2所要時間に、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータを前記画像形成装置に送信するための所要時間を加算する、
ことを特徴とする請求項9に記載の印刷制御方法。
【請求項11】
PDLデータを送信するクライアントと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備えるプリントサーバと、PDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するRIP部を備える画像形成装置と、が通信ネットワークで接続されるシステムにおける印刷制御方法であって、
前記プリントサーバは、
前記クライアントからPDLデータを受信するステップと、
自装置の前記RIP部を用い、受信したPDLデータをラスタライズしてラスタデータを生成するステップと、
前記PDLデータと前記ラスタデータとを記憶するステップと、
記憶したデータに基づく印刷が指示された場合、予め記憶した、前記画像形成装置の前記RIP部の処理能力情報と前記通信ネットワークのデータ転送能力情報とを参照して、記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置の前記RIP部でラスタデータを生成するための第1所要時間と、記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信するための第2所要時間と、を計算する計算ステップと、
前記第1所要時間が前記第2所要時間を超える場合は、記憶した前記ラスタデータを前記画像形成装置に送信し、前記第1所要時間が前記第2所要時間以下の場合は、記憶した前記PDLデータを前記画像形成装置に送信するステップと、を実行し、
前記画像形成装置は、
前記プリントサーバから前記PDLデータを受信した場合は、自装置の前記RIP部を用いてラスタデータを生成するステップと、
前記プリントサーバから受信したラスタデータ、又は、自装置の前記RIP部で生成したラスタデータに基づいて印刷を行うステップと、を実行する、
ことを特徴とする印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−257799(P2011−257799A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129291(P2010−129291)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】