説明

プリント基板の製造方法

【課題】ベース基板を積層した状態で追加の工程を進めることで、製造過程中の破損問題を防止する薄型のプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)一面に第1パターン部140が形成された第1キャリア部を製造する段階、(B)一面に第1ソルダレジスト層230及び第2パターン部240,260が順次形成された第2キャリア部を製造する段階、(C)絶縁層の一面に第1パターン部140が埋め込まれ、絶縁層300の他面に第2パターン部240,260が埋め込まれるように、第1キャリア部と第2キャリア部を絶縁層300に加圧した後、第1キャリア部と第2キャリア部を除去してベース基板を製造する段階、(D)接着層400を使って、第1ソルダレジスト層230が対面するように、二つのベース基板を付着する段階、及び(E)絶縁層300に、第1パターン部と第2パターン部を連結するビアを形成し、第1パターン部140が形成された絶縁層300に第2ソルダレジスト層を形成した後、接着層400を除去する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板は、各種熱硬化性合成樹脂でなったボードの片面または両面に銅線で配線した後、ボード上にICまたは電子部品を配置固定し、これらの間の電気的配線を具現し、絶縁体でコートしたものである。
【0003】
最近、電子産業の発達につれて電子部品の高機能化、軽薄短小化に対する要求が急増しており、このような電子部品を搭載するプリント基板も高密度配線化及び薄板化が要求されている。
【0004】
このような要求を満たすための一方法として回路転写方式が提案されている。図1〜図7は従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図を示している。以下、これら図を参照し、従来技術によるプリント基板の製造方法について説明する。
【0005】
まず、図1に示すように、テープ12の一面に第1銅箔層14aを付着し、その上に第1メタルバリア層16aを形成し、他面に第2銅箔層14bを付着し、その上に第2メタルバリア層16bを形成することでキャリア10を準備する。
【0006】
ついで、図2に示すように、アディティブ工法(additive process)を利用して第1メタルバリア層16aに第1パターン部18aを形成し、第2メタルバリア層16bに第2パターン部18bを形成する。以下では、説明の便宜上、第1銅箔層14a、第1メタルバリア層16a、及び第1パターン部18aを第1キャリア部と指称し、第2銅箔層14b、第2メタルバリア層16b、及び第2パターン部18bを第2キャリア部という。
【0007】
ついで、図3に示すように、テープ12から第1キャリア部と第2キャリア部を分離する。
【0008】
ついで、図4に示すように、絶縁層20の両面にそれぞれ第1キャリア部と第2キャリア部を加圧することで第1パターン部18aと第2パターン部18bを絶縁層20に埋め込む。
【0009】
ついで、図5に示すように、第1銅箔層14aと第2銅箔層14bを除去し、絶縁層20に層間連結のためのビアホール22を加工する。
【0010】
ついで、図6に示すように、ビアホール22の内部にメッキ工程を施し、絶縁層20の上部に形成されるメッキ層と第1及び第2バリア層16a、16bを除去する。
【0011】
最後に、図7に示すように、第1及び第2メタルバリア層16a、16bを除去し、絶縁層20の両面に第1及び第2ソルダレジスト層26a、26bを形成し、パッド領域を露出させる第1及び第2オープン部28a、28bを加工することで、2層構造のプリント基板を製造した。
【0012】
しかし、薄型のプリント基板を従来技術のような方法で製造する場合、製造過程で破損(破れ、巻かれ)され、これにより工程駆動の遅延される問題点があった。例えば、2層構造を持つ薄型のプリント基板は、約80μm以下の薄厚を持ち、ビアホール22を加工する工程(図5参照)やソルダレジスト層26a、26bを積層する工程(図7参照)でプリント基板が破損される問題点があった。プリント基板が薄型化していくにつれて、従来技術のような製造方法を全面的に適用するのには限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、製造過程中に破損問題を防止することができる薄型プリント基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明の一面によれば、(A)一面に第1パターン部が形成された第1キャリア部を製造する段階;(B)一面に第1ソルダレジスト層及び第2パターン部が順次形成された第2キャリア部を製造する段階;(C)絶縁層の一面に前記第1パターン部が埋め込まれ、前記絶縁層の他面に前記第2パターン部が埋め込まれるように、前記第1キャリア部と前記第2キャリア部を前記絶縁層に加圧した後、前記第1キャリア部と前記第2キャリア部を除去してベース基板を製造する段階;(D)接着層を使って、前記第1ソルダレジスト層が対面するように、二つの前記ベース基板を付着する段階;及び(E)前記絶縁層に、前記第1パターン部と前記第2パターン部を連結するビアを形成し、前記第1パターン部が形成された前記絶縁層に第2ソルダレジスト層を形成した後、前記接着層を除去する段階;を含む、プリント基板の製造方法が提供される。
【0015】
前記(A)段階は、(A1)テープの片面または両面に銅箔層及びメタルバリア層を順次形成する段階;(A2)前記メタルバリア層に第1パターン部を形成する段階;及び(A3)前記テープを除去して、前記第1パターン部が一面に形成された、前記メタルバリア層及び前記銅箔層でなった第1キャリア部を製造する段階を含むことが好ましい。
【0016】
前記(B)段階は、(B1)テープの片面または両面に銅箔層及び第1ソルダレジスト層を順次形成する段階;(B2)前記第1ソルダレジスト層にシード層を形成する段階;(B3)前記シード層にメッキ層を形成し、前記シード層及び前記メッキ層をパターニングして第2パターン部を形成する段階;及び(B4)前記テープを除去して、前記第1ソルダレジスト層と前記第2パターン部が一面に形成された銅箔層でなった第2キャリア部を製造する段階を含むことが好ましい。
【0017】
前記(E)段階で、前記接着層を除去するに先立ち、前記第2ソルダレジスト層にオープン部を形成し、前記オープン部を通じて露出された前記第1パターン部に表面処理層を形成することが好ましい。
【0018】
前記(E)段階の後に、(F1)前記第1ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び(F2)前記オープン部によって露出された前記第2パターン部に表面処理層を形成する段階をさらに含むことが好ましい。
【0019】
前記接着層は、熱処理の際に非接着性を有する熱接着剤でなることが好ましい。
【0020】
本発明の他の面によれば、(A)一面に第1パターン部が形成されたキャリア部を製造する段階;(B)接着層の両面に第1ソルダレジスト層及び第2パターン部を順次形成して媒介基板を製造する段階;(C)前記媒介基板の両側に、絶縁層と前記第1パターン部が対面するように、前記キャリア部を配置した後、熱圧着する段階;(D)前記キャリア部を除去し、前記絶縁層に、前記第1パターン部と前記第2パターン部を連結するビアを形成した後、前記第2パターン部が形成された前記絶縁層に第2ソルダレジスト層を形成する段階;及び(E)前記接着層を除去する段階を含む、プリント基板の製造方法が提供される。
【0021】
前記(A)段階は、(A1)テープの片面または両面に銅箔層及びメタルバリア層を順次形成する段階;(A2)前記メタルバリア層に第1パターン部を形成する段階;及び(A3)前記テープを除去して、前記第1パターン部が一面に形成された、前記メタルバリア層及び前記銅箔層でなったキャリア部を製造する段階を含むことが好ましい。
【0022】
前記(B)段階は、(B1)接着層に第1ソルダレジスト層を形成する段階;(B2)前記第1ソルダレジスト層にシード層を形成する段階;及び(B3)前記シード層にメッキ層を形成し、前記シード層及び前記メッキ層をパターニングして第2パターン部を形成する段階を含むことが好ましい。
【0023】
前記(D)段階の後に、(D1)前記第2ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び(D2)前記オープン部によって露出された前記第1パターン部に表面処理層を形成する段階をさらに含むことが好ましい。
【0024】
前記(E)段階の後に、(F1)前記第1ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び(F2)前記オープン部によって露出された前記第2パターン部に表面処理層を形成する段階をさらに含むことが好ましい。
【0025】
前記接着層は、熱処理の際に非接着性を有する熱接着剤でなることが好ましい。
【0026】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0027】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、2層構造を持つベース基板を接着層で付着したデュアル構造を付着した状態で追加の工程が進むので、製造過程でプリント基板が破損される問題を最小化することができる。具体的に、デュアル構造のベース基板を形成した後に行われるビア加工工程及び第2ソルダレジスト層の形成工程で基板が破損される問題を最小化することができる。これにより、薄板構造を持つプリント基板の製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(1)である。
【図2】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(2)である。
【図3】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(3)である。
【図4】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(4)である。
【図5】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(5)である。
【図6】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(6)である。
【図7】従来技術による回路転写法を用いるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(7)である。
【図8】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(1)である。
【図9】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(2)である。
【図10】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(3)である。
【図11】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(4)である。
【図12】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(5)である。
【図13】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(6)である。
【図14】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(7)である。
【図15】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(8)である。
【図16】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(9)である。
【図17】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(10)である。
【図18】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(11)である。
【図19】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(12)である。
【図20】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(13)である。
【図21】本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(14)である。
【図22】本発明の好適な第2実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(1)である。
【図23】本発明の好適な第2実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(2)である。
【図24】本発明の好適な第2実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(3)である。
【図25】本発明の好適な第2実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は、添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例から一層明らかに理解可能であろう。各図面の構成要素に参照番号を付け加えるにあたり、同じ構成要素がたとえ他の図面に図示されていても、できるだけ同じ符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要にあいまいにすることができると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
【0031】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0032】
図8〜図21は、本発明の好適な第1実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。以下、これを参照して本実施例によるプリント基板の製造方法について説明する。
【0033】
まず、図8に示すように、テープ110の両面に銅箔層220が付着され、その上にメタルバリア層130が形成されたキャリア100を準備する。ここで、テープ110は、接着性を持って銅箔層120が付着可能な材料を意味する。
【0034】
ついで、図9に示すように、メタルバリア層130に第1パターン部140を形成し、テープ110から分離する。ここで、メタルバリア層130と銅箔層120を第1キャリア部という。
【0035】
この際、第1パターン部140は、例えばメタルバリア層130にドライフィルム(dry film)のような感光性レジストを塗布し、パターン形成領域を露出させるオープン部を加工した後、オープン部にメッキ工程を施し、感光性レジストを除去することで形成される。
【0036】
ついで、図10に示すように、テープ210の両面に銅箔層120が付着されたキャリア200を準備する。
【0037】
ついで、図11に示すように、銅箔層220に第1ソルダレジスト層230を形成する。
【0038】
ついで、図12に示すように、第1ソルダレジスト層230にシード層(seed layer)240を形成する。
【0039】
この際、シード層240は、非伝導性材料の表面に化学還元反応で金属を析出させて導電性を付与する表面処理方法によって形成される。この表面処理方法は、第1ソルダレジスト層230の表面上に電気分解による電解メッキをすぐ施すことができないため、先に導電性を付与するために実施される。例えば、シード層240は、脱脂(cleanet)過程、ソフト腐食(soft etching)過程、予備触媒処理(pre−catalyst)過程、触媒処理過程、活性化(accelerator)過程、無電解銅メッキ過程、及び酸化防止処理過程を含む一般的な触媒析出方式を利用する無電解メッキ工程によって形成される。
【0040】
ついで、図13に示すように、シード層240に感光性レジスト250を塗布し、パターン形成領域にあたる感光性レジスト250を除去して開口部252を形成する。ここで、パターン形成領域は第2パターン部が形成される領域を意味する。
【0041】
具体的に、この段階は、所定のマスクパターン(図示せず)を用いてドライフィルムまたは液状のポジティブフォトレジスト(P−LPR;positive liquid photo resist)のような感光性レジスト250を露光した後、部分的に露光された感光性レジスト250を現像液などで除去することによりなされる。
【0042】
ついで、図14に示すように、開口部252に電解メッキ工程を施してメッキ層260を形成し、残存の感光性レジスト250を水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)などの剥離液で除去する。ここで、シード層240とメッキ層260を第2パターン部という。
【0043】
ついで、図15に示すように、テープ210の両面に形成された第2キャリア部を分離する。ここで、銅箔層220を第2キャリア部という。
【0044】
ついで、図16に示すように、絶縁層300の両面にそれぞれ第1キャリア部と第2キャリア部を加圧して第1パターン部140と第2パターン部240、260を絶縁層300に埋め込む。
【0045】
ついで、図17に示すように、銅箔層120、220をエッチングなどで除去してベース基板を製造する。
【0046】
ついで、図18に示すように、接着層400を用いて、第1ソルダレジスト層230が対面するように、二つのベース基板を付着する。
【0047】
この段階で、二つのベース基板が付着されたデュアル(dual)構造を持つから支持機能が増大するので、追加工程が進むとしても、プリント基板が破損される問題を防止することができる。また、第2パターン部240、260が形成された絶縁層300には、予め第1ソルダレジスト層230が形成された状態で接着層400によって付着されるため、後に接着層400を除去してからさらにソルダレジスト層を形成する必要がなくなり、薄板のプリント基板が破損される問題を最小化することができる。
【0048】
ここで、接着層400は、例えば、熱処理の際に非接着性を有する熱接着剤でなるもので、常温では接着されたままで接着性を維持しているが、熱処理によって接着性を失って被接着物から剥離可能なものであれば特に限定されず、当業界で知られたいずれの熱接着剤も使うことができる。例えば、およそ100〜150℃の温度での熱処理の際に非接着性を有するアクリルと発泡材でなった熱接着剤などが使用可能であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0049】
ついで、図19に示すように、絶縁層300に層間連結のためのビア500を形成し、メタルバリア層130を除去する。
【0050】
この段階は、CNCドリル(Computer Numerial Control drill)、COまたはYagレーザードリルのようなドリリング作業によって絶縁層300にビアホールを加工した後、ドリリング作業によって発生する銅箔のバー(burr)及びスミア(smear)を除去するためにデバリング(deburring)及びデスミア(desmear)を先に実行する。ついで、ビアホールの内部を含むようにメッキ工程を実施した後、絶縁層300の上部に形成されたメッキ層を除去した後、メタルバリア層130を除去する。
【0051】
ついで、図20に示すように、第1パターン部140が埋め込まれた絶縁層300に第2ソルダレジスト層600を形成し、第1パターン部140にパッド領域を露出させるオープン部を加工した後、露出された第1パターン部140を外部環境から保護するための表面処理層610を形成する。
【0052】
最後に、図21に示すように、接着層400を除去して2層構造のプリント基板を製造する。この際、熱接着剤が使用された場合、一定の熱を加えることにより、二つのプリント基板が分離される。その後、第1ソルダレジスト層230に第2パターン部240、260中のパッド領域を露出させるオープン部を加工した後、露出された第2パターン部240、260を外部環境から保護するための表面処理層232を形成する。
【0053】
図22〜図25は、本発明の好適な第2実施例によるプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。本実施例の説明において、以前の実施例と同一または対応の構成要素に対しては同一の参照番号を付与し、重複した部分についての説明は省略する。以下、これら図に基づいて本実施例によるプリント基板の製造方法を説明する。
【0054】
まず、図22に示すように、一面に第1パターン部140が形成されたキャリア部を製造し、接着層400の両面に第1ソルダレジスト層230及び第2パターン部240、260を順次形成して媒介基板を製造した後、媒介基板の両側に、絶縁層300と第1パターン部140が対面するように、キャリア部を配置する。
【0055】
この際、一面に第1パターン部140が形成されたキャリア部は、図8及び図9に示すような製造方法によって製造され、同一の構造を持つのでその詳細な説明は省略する。
【0056】
また、媒介基板は、接着層400に第1ソルダレジスト層230とシード層240を順次形成し、シード層240にメッキ層260を形成した後、シード層240及びメッキ層260をパターニングすることで形成される。ここで、第2パターン部240、260は、シード層240とメッキ層260をいう。
【0057】
ついで、図23に示すように、熱圧着工程を行うことで、媒介基板の両側にそれぞれ絶縁層300とキャリア部を積層する。一回の熱圧着工程によってデュアル構造のベース基板が製造される。
【0058】
ついで、図24に示すように、キャリア部である銅箔層120を除去し、絶縁層300に第1パターン部140と第2パターン部240、260を連結するビア500を形成した後、第2パターン部240、260が形成された絶縁層300に第2ソルダレジスト層600を形成する。
【0059】
ここで、ビア500を形成する過程でキャリア部のメタルバリア層130は、除去される。
【0060】
この際、第1パターン部140中のパッド領域を露出させるオープン部を加工した後、露出された第1パターン部140を外部環境から保護するための表面処理層610を形成する。
【0061】
最後に、図25に示すように、接着層400を除去することで2層構造のプリント基板を製造する。その後、第1ソルダレジスト層230に第2パターン部240、260中のパッド領域を露出させるオープン部を加工した後、露出された第2パターン部240、260を外部環境から保護するための表面処理層232を形成する。
【0062】
前述したような第1実施例及び第2実施例によって製造されたプリント基板は、図21及び25に示すような構造を持つ。すなわち、プリント基板絶縁層300の一面に電解メッキ工程によって形成されたメッキ層でなった第1パターン部140が埋め込まれ、他面にシード層240と電解メッキ工程によって形成されたメッキ層260でなった第2パターン部240、260が埋め込まれた構造を持つ。この際、絶縁層300の一面には、第2ソルダレジスト層600が形成され、他面には、第1ソルダレジスト層230が形成される。
【0063】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明によるプリント基板の製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、製造過程中に破損問題を防止する薄型プリント基板の製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
110、210 テープ
120、220 銅箔層
130 メタルバリア層
140 第1パターン部
230 第1ソルダレジスト層
240 シード層(第2パターン部)
260 メッキ層(第2パターン部)
300 絶縁層
400 接着層
500 ビア
600 第2ソルダレジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一面に第1パターン部が形成された第1キャリア部を製造する段階;
(B)一面に第1ソルダレジスト層及び第2パターン部が順次形成された第2キャリア部を製造する段階;
(C)絶縁層の一面に前記第1パターン部が埋め込まれ、前記絶縁層の他面に前記第2パターン部が埋め込まれるように、前記第1キャリア部と前記第2キャリア部を前記絶縁層に加圧した後、前記第1キャリア部と前記第2キャリア部を除去してベース基板を製造する段階;
(D)接着層を使って、前記第1ソルダレジスト層が対面するように、二つの前記ベース基板を付着する段階;及び
(E)前記絶縁層に、前記第1パターン部と前記第2パターン部を連結するビアを形成し、前記第1パターン部が形成された前記絶縁層に第2ソルダレジスト層を形成した後、前記接着層を除去する段階;
を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項2】
前記(A)段階が、
(A1)テープの片面または両面に銅箔層及びメタルバリア層を順次形成する段階;
(A2)前記メタルバリア層に第1パターン部を形成する段階;及び
(A3)前記テープを除去して、前記第1パターン部が一面に形成された、前記メタルバリア層及び前記銅箔層でなった第1キャリア部を製造する段階;
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項3】
前記(B)段階が、
(B1)テープの片面または両面に銅箔層及び第1ソルダレジスト層を順次形成する段階;
(B2)前記第1ソルダレジスト層にシード層を形成する段階;
(B3)前記シード層にメッキ層を形成し、前記シード層及び前記メッキ層をパターニングして第2パターン部を形成する段階;及び
(B4)前記テープを除去して、前記第1ソルダレジスト層と前記第2パターン部が一面に形成された銅箔層でなった第2キャリア部を製造する段階;
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項4】
前記(E)段階で、
前記接着層を除去するに先立ち、前記第2ソルダレジスト層にオープン部を形成し、前記オープン部を通じて露出された前記第1パターン部に表面処理層を形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項5】
前記(E)段階の後に、
(F1)前記第1ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び
(F2)前記オープン部によって露出された前記第2パターン部に表面処理層を形成する段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項6】
前記接着層が、熱処理の際に非接着性を有する熱接着剤でなることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項7】
(A)一面に第1パターン部が形成されたキャリア部を製造する段階;
(B)接着層の両面に第1ソルダレジスト層及び第2パターン部を順次形成して媒介基板を製造する段階;
(C)前記媒介基板の両側に、絶縁層と前記第1パターン部が対面するように、前記キャリア部を配置した後、熱圧着する段階;
(D)前記キャリア部を除去し、前記絶縁層に、前記第1パターン部と前記第2パターン部を連結するビアを形成した後、前記第2パターン部が形成された前記絶縁層に第2ソルダレジスト層を形成する段階;及び
(E)前記接着層を除去する段階;
を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階が、
(A1)テープの片面または両面に銅箔層及びメタルバリア層を順次形成する段階;
(A2)前記メタルバリア層に第1パターン部を形成する段階;及び
(A3)前記テープを除去して、前記第1パターン部が一面に形成された、前記メタルバリア層及び前記銅箔層でなったキャリア部を製造する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(B)段階が、
(B1)接着層に第1ソルダレジスト層を形成する段階;
(B2)前記第1ソルダレジスト層にシード層を形成する段階;及び
(B3)前記シード層にメッキ層を形成し、前記シード層及び前記メッキ層をパターニングして第2パターン部を形成する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記(D)段階の後に、
(D1)前記第2ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び
(D2)前記オープン部によって露出された前記第1パターン部に表面処理層を形成する段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記(E)段階の後に、
(F1)前記第1ソルダレジスト層にオープン部を形成する段階;及び
(F2)前記オープン部によって露出された前記第2パターン部に表面処理層を形成する段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項12】
前記接着層が、熱処理の際に非接着性を有する熱接着剤でなることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−61176(P2011−61176A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274579(P2009−274579)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】