説明

プリント基板用コネクタ

【課題】コネクタハウジングとこれに挿入する接続端子との挿入方向に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板に対する必要な接圧を確保すること。
【解決手段】プリント基板40と電気的に接続される接続端子21を収容する端子側コネクタハウジング11に、プリント基板40が装着された基板側コネクタハウジング41を嵌合して接続端子21とプリント基板40とを電気的に接続するプリント基板用コネクタ1、100であって、接続端子21は、片持ち支持された弾性接触片24と、プリント基板40に対して弾接状態で当接可能な当接部26とを有する。端子側コネクタハウジング11と基板側コネクタハウジング41とは、両者が嵌合した状態で互いに係合して当接部26がプリント基板40に弾接状態で当接するように接続端子21をプリント基板40に対して位置決めする第1及び第2嵌合係合部14、42をそれぞれ有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタハウジングに収容した接続端子とプリント基板とを電気的に接続する基板用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コネクタハウジングに収容した端子とプリント基板とを電気的に接続するコネクタとして、例えば、実開平5−62972号公報(特許文献1)に記載されたコネクタが提案されている。
【0003】
このコネクタは、プリント基板と電気的に接続する電線が圧着接続された端子と、この端子を内部に挿入することにより、端子とプリント基板とを電気的に接続するコネクタハウジングとから略構成されている。
【0004】
端子は、一端側が片持ち支持されたばね片と、このばね片を内部に収容する囲み壁とを有している。ばね片の他端側には、ばね片の延在方向と交わる方向からコネクタハウジングと当接可能な摺接部が形成されている。
【0005】
また、ばね片の一端側と他端側の中間部には、屈曲してプリント基板と接触可能な接触部が形成されている。囲み壁は、このばね片を内部に収容した状態で接触部が突出可能な開口を有している。
【0006】
コネクタハウジングは、ばね片の摺接部と当接可能なテーパガイド面を有している。このテーパガイド面は、コネクタハウジングの底面に対して傾斜しており、端子をコネクタハウジング内に挿入することによりばね片の摺接部を囲み壁の内側に押し上げる。
【0007】
そして、端子をコネクタハウジング内に挿入すると、コネクタハウジングのテーパガイド面がばね片の摺接部を押し上げることにより、ばね片の接触部が囲み壁の開口から外部へ突出し、突出した接触部がプリント基板に接触して電気的接続を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平5−62972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述したコネクタでは、コネクタハウジングのテーパガイド面が、ばね片の摺接部を押し上げることによりばね片の接触部がプリント基板に接触する。このような構造のコネクタでは、テーパガイド面による摺接部の押し上げ量が、接触部のプリント基板に対する接触圧に大きく影響する。したがって、コネクタハウジングに対する端子の挿入方向と直交する面内で、端子とコネクタハウジングとの間にガタ付きが存在しないようにすることが重要となる。
【0010】
そこで、本発明は、コネクタハウジングとこれに挿入する接続端子との挿入方向に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板に対する必要な接圧を確保することができるプリント基板用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した本発明のプリント基板用コネクタは、プリント基板と電気的に接続される接続端子と、この接続端子を収容する端子側コネクタハウジングと、前記プリント基板が装着された基板側コネクタハウジングとを備え、前記端子側コネクタハウジングに前記基板側コネクタハウジングを嵌合して前記接続端子と前記プリント基板とを電気的に接続するプリント基板用コネクタであって、前記接続端子は、前記端子側コネクタハウジングへの挿入方向に沿って延在する一面の前記挿入方向における一方の端部が片持ち支持された弾性接触片と、前記弾性接触片の前記挿入方向における他方の端部に設けられ前記プリント基板に対して弾接状態で当接可能な当接部とを有し、前記端子側コネクタハウジングと前記基板側コネクタハウジングとは、両者が嵌合した状態で互いに係合して前記当接部が前記プリント基板に弾接状態で当接するように前記接続端子を前記プリント基板に対して位置決めする嵌合係合部をそれぞれ有することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した本発明のプリント基板用コネクタは、請求項1に記載のプリント基板用コネクタにおいて、前記基板側コネクタハウジングが前記端子側コネクタハウジングに嵌合することにより、前記基板側コネクタハウジングから押圧されて、前記端子側コネクタハウジングと仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ移動するフロントホルダを更に有し、前記端子側コネクタハウジングと前記フロントホルダとは、両者が仮係合状態となる位置で互いに係合する仮係合用係合部をそれぞれ有し、前記基板側コネクタハウジングから押圧された前記フロントホルダが前記端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態に位置することで、前記当接部が前記プリント基板に接触するように前記基板側コネクタハウジングが前記プリント基板に対して位置決めされることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した本発明のプリント基板用コネクタは、請求項2に記載のプリント基板用コネクタにおいて、前記基板側コネクタハウジングと前記フロントホルダとのうちいずれか一方は、前記基板側コネクタハウジングが前記端子側コネクタハウジングに嵌合すると前記基板側コネクタハウジングと前記フロントホルダとのうちいずれか他方に当接して、前記フロントホルダを前記端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ相対的に移動させるフロントホルダ移動部を更に有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した本発明のプリント基板用コネクタは、請求項2又は請求項3に記載のプリント基板用コネクタにおいて、前記フロントホルダは、前記仮係合状態となる位置から前記本係合状態となる位置への移動により前記弾性接触片を押圧し、前記プリント基板に弾接状態で当接した当接部を前記プリント基板に対して摺動させる押圧部を有していることを特徴とする。
【0015】
なお、変形例として、請求項4に記載のプリント基板用コネクタにおいて、前記端子側コネクタハウジングは、該端子側コネクタハウジングに対する挿入中の前記接続端子と係合して、前記端子側コネクタハウジングに対する前記フロントホルダの前記仮係合状態となる位置から前記本係合状態となる位置への移動を阻止すると共に、前記端子側コネクタハウジングに対する挿入完了により前記接続端子との係合が解除されて、前記端子側コネクタハウジングに対する前記フロントホルダの前記仮係合状態となる位置から前記本係合状態となる位置への移動を許容する接続端子係合部を更に有することを特徴とするプリント基板用コネクタを構成してもよい。
【0016】
請求項1に記載した本発明のプリント基板用コネクタによれば、端子側コネクタハウジングを基板側コネクタハウジングに嵌合させると、両者の嵌合係合部どうしが互いに係合して当接部がプリント基板に対して弾接状態で当接する。このため、基板側コネクタハウジングに端子側コネクタハウジングを嵌合させることにより、当接部をプリント基板に対して所定の接触圧で弾接させることができる。
【0017】
また、基板側コネクタハウジングに端子側コネクタハウジングを近づけて嵌合し、両者の嵌合係合部を互いに係合させれば、当接部がプリント基板に対して弾接状態で当接するように接続端子が端子側コネクタハウジングにより位置決めされる。このため、端子側コネクタハウジングと接続端子との挿入方向に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板に対する当接部の必要な接圧を確保することができる。
【0018】
請求項2に記載した本発明のプリント基板用コネクタによれば、フロントホルダは、端子側コネクタハウジングを基板側コネクタハウジングに嵌合する過程で基板側コネクタハウジングから押圧されて、端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態に位置し、当接部がプリント基板に対して当接可能に基板側コネクタハウジングに対して位置決めされる。このため、フロントホルダを仮係合状態に保持して、確実にプリント基板に当接部を当接させた後に、端子側コネクタハウジングを基板側コネクタハウジングにさらに嵌合して当接部をプリント基板に対して弾接状態で当接させることができる。
【0019】
請求項3に記載した本発明のプリント基板用コネクタによれば、基板側コネクタハウジングとフロントホルダとのうちいずれか一方のフロントホルダ移動部が、端子側コネクタハウジングを基板側コネクタハウジングに嵌合する際に、基板側コネクタハウジングとフロントホルダとのうちいずれか他方に当接する。このため、基板側コネクタハウジングとフロントホルダとの隙間(遊び)をなくすことができ、端子側コネクタハウジングの基板側コネクタハウジングに対する嵌合に連動して、容易にフロントホルダを本係合状態となる位置へ移動させることができる。
【0020】
請求項4に記載した本発明のプリント基板用コネクタによれば、フロントホルダの押圧部は、フロントホルダが端子側コネクタハウジングに対して仮嵌合状態となる位置から本嵌合状態となる位置に移動することで弾性接触片を押圧し、プリント基板に弾接状態で当接した当接部をプリント基板に対して摺動させる。このため、端子側コネクタハウジングを基板側コネクタハウジングに嵌合することにより、当接部を弾接状態のままプリント基板に対して摺動させて、当接部に付着した酸化皮膜を除去させ、当接部の接触抵抗を低下させることができ、プリント基板との電気的接触性を向上することができる。
【0021】
また、変形例のプリント基板用コネクタによれば、端子側コネクタハウジングの接続端子係合部は、内部に接続端子が収容されるまでの挿入中には、接続端子と係合してフロントホルダの仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動を阻止し、内部に接続端子が収容されて挿入が完了すると、接続端子との係合が解除されてフロントホルダの仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動を許容する。このため、接続端子が端子収容部に収容されて、端子側コネクタハウジングの基板側コネクタハウジングに対する嵌合の開始により当接部がプリント基板に接触する前に、フロントホルダが端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置に移動して、フロントホルダの押圧部が弾性接触片を押圧し、当接部がプリント基板上で摺動できなくなるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コネクタハウジングとこれに挿入する接続端子との挿入方向に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板に対する必要な接圧を確保することができるプリント基板用コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングを示す斜視図、(b)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子を示す斜視図、(c)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングを示す斜視図である。
【図3】(a)本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングの平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の外部及び内部を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダの内部を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングの内部を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングに接続端子を挿入した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の端子側コネクタハウジングの接続端子係合部と接続端子のコネクタハウジング係合部の係合状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングにフロントホルダを挿入した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングがフロントホルダを押圧する状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタとフロントホルダの仮係合状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングの第1仮係合用係合部とフロントホルダの第2仮係合用係合部との係合状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタの嵌合状態を示す断面図である。
【図14】(a)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子のスリットにフロントホルダの押圧部が位置した状態を示す断面図、(b)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の当接部がプリント基板と当接した状態を示す断面図、(c)は本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の当接部がプリント基板に対して摺動した状態を示す断面図である。
【図15】(a)は本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダを示す斜視図、(b)は本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングを示す斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングにフロントホルダを挿入した状態を示す断面図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングがフロントホルダを押圧する状態を示す断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタとフロントホルダの仮係合状態を示す断面図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタの嵌合状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタについて図面を参照して説明する。はじめに、図1又は図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る基板用コネクタの構成について説明する。
【0025】
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングを示す斜視図、図1(b)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子を示す斜視図、図1(c)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダを示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングを示す斜視図である。
【0026】
本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタは、プリント基板と電気的に接続される接続端子を収容する端子側コネクタハウジングにプリント基板が装着された基板側コネクタハウジングを嵌合して接続端子とプリント基板とを電気的に接続するコネクタである。
【0027】
本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタ1(後述する図9参照)は、図1(b)の接続端子を収容する図1(a)の端子側コネクタハウジング11と、プリント基板40(後述する図6参照)と電気的に接続される図1(b)の接続端子21と、端子側コネクタハウジング11に係合する図1(c)のフロントホルダ31と、プリント基板40が装着された図2の基板側コネクタハウジング41とから略構成されている。
【0028】
このように構成されたプリント基板用コネクタ1(後述する図9参照)は、端子側コネクタハウジング11に基板側コネクタハウジング41を嵌合して接続端子21とプリント基板40(後述する図6参照)とを電気的に接続する。
【0029】
次に、図3から図6を参照して、上記のように構成されたプリント基板用コネクタ1(後述する図9参照)の各構成の詳細について説明する。
【0030】
図3(a)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングの平面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の内部を示す斜視図である。
【0031】
また、図5は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダの内部を示す斜視図である。図6は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングの内部を示す斜視図である。
【0032】
図3(a)又は図3(b)に示すように、端子側コネクタハウジング11は箱状に形成されている。この端子側コネクタハウジング11は、接続端子21(図1(b)、図4参照)を収容する端子収容部12と、フロントホルダ31(図1(c)、図5参照)を収容するフロントホルダ収容部13と、後述する第2嵌合係合部42(図2参照)と係合する第1嵌合係合部14とを有している。
【0033】
端子収容部12は、端子側コネクタハウジング11に対して挿入された接続端子21(図1(b)、図4参照)を収容する。この端子収容部12は、挿入中の接続端子21と係合する接続端子係合部15を有している。
【0034】
接続端子係合部15は、端子側コネクタハウジング11に対する挿入中の接続端子21と係合して、接続端子21の挿入方向(図3(b)の矢印X方向)に直交する方向(図3(b)の矢印Y方向)に撓み変形する。
【0035】
この接続端子係合部15は、挿入中の接続端子21(図1(b)、図4参照)と係合して撓み変形している状態では、端子側コネクタハウジング11に対するフロントホルダ31(図1(c)、図5参照)の係合時にフロントホルダ31の挿入片32(図8参照)が挿入される経路上に延出する。この状態では、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)へのフロントホルダ31の移動が、接続端子係合部15によって阻止される。
【0036】
また、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11に対して挿入完了となると、接続端子係合部15が接続端子21のコネクタハウジング係合部25(図1(b)、図4参照)と係合することにより、撓み変形した接続端子係合部15が弾性復元する。
【0037】
接続端子係合部15が弾性復元すると、接続端子係合部15と接続端子21(図1(b)、図4参照)との係合が解除されて、フロントホルダ31(図1(c)、図5参照)の挿入片32(図8参照)が挿入される経路上に延出していた接続端子係合部15が、経路上から退避する。したがって、挿入片32をその挿入経路に挿入可能となる。したがって、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)へのフロントホルダ31の移動が許容される。
【0038】
フロントホルダ収容部13は、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11と仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)へ移動できるように形成されている。
【0039】
このフロントホルダ収容部13は、フロントホルダ31(図1(c)、図5参照)が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)で、後述するフロントホルダ31の第2仮係合用係合部33(後述する図5参照)と係合する第1仮係合用係合部16を有している。
【0040】
第1仮係合用係合部16は、後述するフロントホルダ31のフロントホルダ側突部33aと係合する端子側鉤部16a(後述する図12参照)と、後述するフロントホルダ31のフロントホルダ側鉤部33bと係合する端子側突部16b(後述する図12参照)とを有している。詳細は後述する。
【0041】
第1嵌合係合部14は、端子側コネクタハウジング11に基板側コネクタハウジング41(図2、図6参照)が嵌合すると、後述する基板側コネクタハウジング41の第2嵌合係合部42(図2参照)と係合する。
【0042】
図4に示すように、接続端子21は、端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に収容される接続箱部22と、電線(図示省略)の導体及び被覆を加締める加締部23とを有している。
【0043】
接続箱部22は、矩形筒状に形成されている。この接続箱部22は、接続箱部22の底面22a、側面22b、22c、上面22dに囲まれた弾性接触片24と、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)と係合するコネクタハウジング係合部25とを有している。
【0044】
弾性接触片24は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)への挿入方向(矢印X方向)における一方の端部24aが底面22a(端子側コネクタハウジング11への挿入方向に沿って延在する一面)に片持ち支持されている。
【0045】
この弾性接触片24は、接続端子21の端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)への挿入方向(矢印X方向)における他方の端部24bがプリント基板40(後述する図6参照)と弾接状態で当接可能な当接部26と、後述するフロントホルダ31の押圧部34(後述する図5参照)が位置するスリット27とを有している。
【0046】
当接部26は、端子側コネクタハウジング11の第1嵌合係合部14(図1(a)、図3参照)と、後述する第2嵌合係合部42(図2参照)とが互いに係合した状態で、プリント基板40(後述する図8参照)に弾接状態で当接する。
【0047】
スリット27は、フロントホルダ31(図1(c)参照)が仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)へ移動すると、後述するフロントホルダ31の押圧部34(後述する図5参照)が位置する。
【0048】
このスリット27は、後述するフロントホルダ31の押圧部34(後述する図5参照)が位置すると、当接部26の間隔Aが接続端子21の端子側コネクタハウジング11への挿入方向(矢印X方向)に直交する幅方向(矢印Z及びZ´方向)に拡張される。
【0049】
コネクタハウジング係合部25は、接続箱部22の底面22aに形成されており、接続端子21が端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して挿入が完了すると、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)と係合する。
【0050】
加締部23は、接続箱部22と一体的に形成されている。この加締部23に導体及び被覆を加締めされた電線(図示省略)は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に基板側コネクタハウジング41(図2参照)を嵌合すると、基板側コネクタハウジング41に装着されたプリント基板40(後述する図6参照)と電気的に接続される。
【0051】
図5に示すように、フロントホルダ31は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)に係合すると、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)の下部(図3(b)の矢印Y方向)に位置する挿入片32と、端子側コネクタハウジング11の第1仮係合用係合部16(図3(a)及び図3(b)参照)と係合する第2仮係合用係合部33とを有している。
【0052】
また、フロントホルダ31は、接続端子21の弾性接触片24(図1(b)、図4参照)を押圧する押圧部34と、押圧部34により押圧された接続端子21の弾性接触片24が挿通される接触片挿通部35とを有している。
【0053】
挿入片32は、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に対して挿入中である状態では、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)と当接する。
【0054】
このため、フロントホルダ31は、挿入片32の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)に対する当接により、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)への移動が阻止される。
【0055】
つまり、上述したように、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)は、挿入中の接続端子21(図1(b)、図4参照)と係合する。そして、端子側コネクタハウジング11に対する接続端子21の挿入方向(図3(b)の矢印X方向)に直交する方向(図3(b)の矢印Y方向)に撓み変形し、挿入片32の挿入経路上に延出する。
【0056】
このため、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に対して挿入中の場合には、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対してフロントホルダ31を挿入すると、挿入片32は、接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)と当接する。
【0057】
また、挿入片32は、端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に対する接続端子21(図1(b)、図4参照)の挿入が完了すると、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)の撓み変形が解消され、挿入片32の挿入経路上から接続端子係合部15が退避する。よって、挿入片32が接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)の下部(図3(b)の矢印Y方向)へ挿入することが可能となる。
【0058】
このため、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に対して挿入が完了すると、フロントホルダ31は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)への移動が許容される。
【0059】
つまり、上述したように、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)は、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して挿入完了となると、接続端子21のコネクタハウジング係合部25(図1(b)、図4参照)と係合することにより、撓み変形した接続端子係合部15が弾性復元する。
【0060】
このため、接続端子21(図1(b)、図4参照)が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12(図1(a)、図3参照)に対して挿入が完了すると、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)への移動が許容されて、挿入片32は接続端子係合部15(図1(a)、図3参照)の下部(図3(b)の矢印Y方向)に位置する。
【0061】
第2仮係合用係合部33は、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して仮係合状態となる位置(後述する図8に示す位置)へ移動すると端子側コネクタハウジング11の第1仮係合用係合部16(図3(a)及び図3(b)参照)と係合する。
【0062】
この第2仮係合用係合部33は、端子側コネクタハウジング11の端子側鉤部16a(後述する図12参照)と係合するフロントホルダ側突部33a(後述する図12参照)と、端子側突部16b(後述する図12参照)と係合するフロントホルダ側鉤部33b(後述する図12参照)と、端子側突部16bと当接する鉤部当接部33c(後述する図12参照)とを有している。詳細は後述する。
【0063】
押圧部34は、先端側が接続端子21のスリット27(図1(b)よりも細い幅で形成され、基端側がスリット27よりも太い幅で形成されている。フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)では、スリット27に押圧部34の先端側が位置する。フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)に移動すると、押圧部34の基端側がスリット27(図1(b)、図4参照)に位置する。
【0064】
押圧部34の基端側が接続端子21のスリット27(図1(b)、図4参照)に位置すると、押圧部34の基端側によりスリット27が拡開されて、スリット27の両側に位置する各弾性接触片24(図1(b)、図4参照)を押圧する。
【0065】
これにより、接続端子21の当接部26(図1(b)、図4参照)の間隔A(図4参照)が接続端子21(図1(b)、図4参照)の端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)への挿入方向(図4の矢印X方向)に直交する幅方向(図4の矢印Z及びZ´方向)に拡張され、当接部26が幅方向(図4の矢印Z及びZ´方向)へ移動する。この移動によって、プリント基板40(後述する図6参照)に弾接状態で当接した当接部26がプリント基板40に対して摺動する。
【0066】
接触片挿通部35は、押圧部34により押圧されて、接続端子21の当接部26の間隔A(図4参照)が拡張された弾性接触片24の他方の端部24b(図4参照)が挿通される。
【0067】
図6に示すように、基板側コネクタハウジング41は、プリント基板40を装着し、箱状に形成されている。この基板側コネクタハウジング41は、端子側コネクタハウジング11の第1嵌合係合部14(図1(a)、図3参照)と係合する第2嵌合係合部42と、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)を内部に収容して嵌合する嵌合部43と、フロントホルダ31を移動するフロントホルダ移動部44を有している。
【0068】
第2嵌合係合部42は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に基板側コネクタハウジング41が嵌合すると、端子側コネクタハウジング11の第1嵌合係合部14(図1(a)、図3参照)と係合する。
【0069】
嵌合部43は、接続端子21(図1(b)、図4参照)が挿入された端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)と、この端子側コネクタハウジング11に係合したフロントホルダ31(図1(c)、図5参照)を内部に収容する。
【0070】
フロントホルダ移動部44は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に基板側コネクタハウジング41が嵌合すると、フロントホルダ31(図1(c)、図5参照)と当接する。
【0071】
このフロントホルダ移動部44は、フロントホルダ31(図1(c)、図5参照)と当接することにより、フロントホルダ31を端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して仮係合状態となる位置(後述する図11に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図13に示す位置)へ相対的に移動させる。
【0072】
次に、図7から図14を参照して、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングと基板側コネクタハウジングとの嵌合作業について説明する。
【0073】
図7は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングに接続端子を挿入した状態を示す断面図である。図8は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の端子側コネクタハウジングの接続端子係合部と接続端子のコネクタハウジング係合部の係合状態を示す断面図である。
【0074】
また、図9は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングにフロントホルダを挿入した状態を示す断面図である。図10は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングがフロントホルダを押圧する状態を示す断面図である。図11は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタとフロントホルダの仮係合状態を示す断面図である。
【0075】
さらに、図12は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングの第1仮係合用係合部とフロントホルダの第2仮係合用係合部との係合状態を示す断面図である。図13は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタの嵌合状態を示す断面図である。
【0076】
また、図14(a)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子のスリットにフロントホルダの押圧部が位置した状態を示す断面図、(b)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の当接部がプリント基板と当接した状態を示す断面図、(c)は、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する接続端子の当接部がプリント基板に対して摺動した状態を示す断面図である。
【0077】
はじめに、図7に示すように、端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に矢印X方向へ接続端子21を挿入する。
【0078】
端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に接続端子21を挿入すると、図8に示すように、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15と接続端子21のコネクタハウジング係合部25が係合する。
【0079】
次に、図9に示すように、端子側コネクタハウジング11のフロントホルダ収容部13(図7参照)にフロントホルダ31を矢印X´方向に挿入する。
【0080】
端子側コネクタハウジング11のフロントホルダ収容部13(図7参照)にフロントホルダ31を挿入すると、図14(a)に示すように、接続端子21のスリット27には、フロントホルダ31の押圧部34が位置する。
【0081】
次に、図10に示すように、端子側コネクタハウジング11の外周に基板側コネクタハウジング41を当接して基板側コネクタハウジング41を矢印X´方向へ移動させる。これにより、基板側コネクタハウジング41のフロントホルダ移動部44がフロントホルダ31と当接してフロントホルダ31を矢印X´方向から押圧する。
【0082】
そして、基板側コネクタハウジング41のフロントホルダ移動部44によりフロントホルダ31を押圧すると、図11に示すように、基板側コネクタハウジング41に押圧されたフロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となる。
【0083】
フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となると、接続端子21の当接部26がプリント基板に接触するように端子側コネクタハウジング11がプリント基板40に対して位置決めされる。
【0084】
そして、端子側コネクタハウジング11がプリント基板40に対して位置決めされると、図14(b)に示すように、フロントホルダ31の押圧部34が矢印X´方向に移動するため、押圧部34がプリント基板40に当接する。
【0085】
このように、フロントホルダ31は、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合する過程で基板側コネクタハウジング41から押圧されて、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態に位置し、当接部26がプリント基板40に対して接触する位置に、接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされる。
【0086】
このため、フロントホルダ31を仮係合状態(図11に示す位置)に保持して、確実にプリント基板40に当接部26を当接させた後に、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41にさらに嵌合して当接部26をプリント基板40に対して弾接状態で当接させることができる。
【0087】
また、図12に示すように、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となると、端子側コネクタハウジング11の第1仮係合用係合部16とフロントホルダ31の第2仮係合用係合部33が係合する。
【0088】
つまり、第1仮係合用係合部16の端子側鉤部16aと第2仮係合用係合部のフロントホルダ側突部33aとが係合する。また、第1仮係合用係合部16の端子側突部16bと第2仮係合用係合部33のフロントホルダ側鉤部33bとが係合する。
【0089】
さらに、第2仮係合用係合部33の鉤部当接部33cは、端子側突部16bに当接する。これにより、端子側コネクタハウジング11とフロントホルダ31とは、両者が仮係合状態となる位置で互いに係合する。すると、フロントホルダ31の接触片挿通部35から接続端子21の当接部26が挿通されて当接部26の先端側がフロントホルダ31の外部に突出する。
【0090】
そして、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11の位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)へ移動する際に、鉤部当接部33cが矢印X´方向に移動することにより端子側突部16bを乗り越えて、フロントホルダ31は本係合状態となる位置へ移動する。
【0091】
次に、図13に示すように、基板側コネクタハウジング41のフロントホルダ移動部44がフロントホルダ31と当接することにより、フロントホルダ31を端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11に示す位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)へ移動し、基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合する。
【0092】
このように、基板側コネクタハウジング41のフロントホルダ移動部44が、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合する際に、フロントホルダ31に当接する。このため、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31との隙間(遊び)をなくすことができ、端子側コネクタハウジング11の基板側コネクタハウジング41に対する嵌合に連動して、容易にフロントホルダ31を本係合状態となる位置(図13に示す位置)へ移動させることができる。
【0093】
基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合すると、端子側コネクタハウジング11の第1嵌合係合部14が基板側コネクタハウジング41の第2嵌合係合部42を乗り越えて(図10及び図11参照)、第1嵌合係合部14と第2嵌合係合部42が係合する。
【0094】
第1嵌合係合部14と第2嵌合係合部42が、端子側コネクタハウジング11と基板側コネクタハウジング41とが嵌合した状態で互いに係合すると、当接部26がプリント基板40に弾接状態で当接するように接続端子21をプリント基板40に対して位置決めされる。
【0095】
接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされると、フロントホルダ31の接触片挿通部35から接続端子21の当接部26が挿通されてプリント基板40に対して弾接状態で当接する。
【0096】
このように、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合させると、両者の嵌合係合部(第1嵌合係合部14、第2嵌合係合部42)どうしが互いに係合して当接部26がプリント基板40に対して弾接状態で当接する。このため、基板側コネクタハウジング41に端子側コネクタハウジング11を嵌合させることにより、当接部26をプリント基板40に対して所定の接触圧で弾接させることができる。
【0097】
また、基板側コネクタハウジング41に端子側コネクタハウジング11を近づけて嵌合し、両者の嵌合係合部(第1嵌合係合部14、第2嵌合係合部42)を互いに係合させれば、当接部26がプリント基板40に対して弾接状態で当接するように接続端子21が端子側コネクタハウジング11により位置決めされる。このため、端子側コネクタハウジング11と接続端子21との挿入方向(矢印X方向)に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板40に対する当接部26の必要な接圧を確保することができる。
【0098】
そして、図14(c)に示すように、フロントホルダ31が仮係合状態となる位置(図11に示す位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)への移動により、接続端子21の弾性接触片24を押圧し、プリント基板40に弾接状態で当接した接続端子21の当接部26をプリント基板40に対して矢印Z方向及びZ´方向に摺動させる。
【0099】
このように、フロントホルダ31の押圧部34は、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となる位置(図11に示す位置)から本嵌合状態となる位置(図13に示す位置)に移動することで弾性接触片24を押圧し、プリント基板40に弾接状態で当接した当接部26をプリント基板40に対して摺動させる。
【0100】
このため、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合することにより、当接部26を弾接状態のままプリント基板40に対して摺動させて、当接部26に付着した酸化皮膜を除去させ、当接部26の接触抵抗を低下させることができ、プリント基板40との電気的接触性を向上することができる。
【0101】
また、上述したように、接続端子21が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に対して挿入中の場合、接続端子係合部15が挿入中の接続端子21と係合する。このため、フロントホルダ31は、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11の位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)への移動が阻止される。
【0102】
つまり、接続端子係合部15は、端子側コネクタハウジング11に対する接続端子21の挿入方向(図7の矢印X方向)に直交する方向(図7の矢印Y方向)に撓み変形して挿入中の接続端子21と係合する。このため、撓み変形した接続端子係合部15とフロントホルダの挿入片32が当接することによりフロントホルダ31の移動が阻止される。
【0103】
一方、図7から図11に示すように、接続端子21が端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に対して挿入が完了すると、接続端子係合部15と接続端子21との係合が解除され、接続端子係合部15はコネクタハウジング係合部25と係合する。このため、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11の位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)への移動が許容される。
【0104】
つまり、接続端子係合部15がコネクタハウジング係合部25と係合することにより、撓み変形した接続端子係合部15が弾性復元するため、撓み変形した接続端子係合部15とフロントホルダの挿入片32が当接することなく、接続端子係合部15によりフロントホルダ31の移動が阻止されずに許容される。
【0105】
このように、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15は、内部に接続端子21が収容されるまでの挿入中には、接続端子21と係合してフロントホルダ31の仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動を阻止し、内部に接続端子21が収容されて挿入が完了すると、接続端子21との係合が解除されてフロントホルダ31の仮係合状態となる位置(図11に示す位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)への移動を許容する。
【0106】
このため、接続端子21が端子収容部12に収容されて、端子側コネクタハウジング11の基板側コネクタハウジング41に対する嵌合の開始により当接部26がプリント基板40に接触する前に、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11に示す位置)から本係合状態となる位置(図13に示す位置)に移動して、フロントホルダ31の押圧部34が弾性接触片24を押圧し、当接部26がプリント基板40上で摺動できなくなるのを防止することができる。
【0107】
そして、上述したように基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合すると、図13に示すように、基板側コネクタハウジング41の嵌合部43には、接続端子21が挿入された端子側コネクタハウジング11と、この端子側コネクタハウジング11に係合したフロントホルダ31が収容される。
【0108】
次に、図15から図19を参照して、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタについて詳細に説明する。
【0109】
本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタは、フロントホルダは、基板側コネクタハウジングが端子側コネクタハウジングに嵌合すると基板側コネクタハウジングに当接して、フロントホルダを端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ相対的に移動させるフロントホルダ移動部を有する。
【0110】
なお、第2実施形態に係るプリント基板用コネクタは、本発明の第1実施形態に係るプリント基板用コネクタと略同様の構成等を有するため、同様の構成に関しては、説明を省略するものとする。また、第1実施形態に係るプリント基板用コネクタと同様の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0111】
はじめに、図15(a)及び図15(b)を参照して、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダと基板側コネクタハウジングの構成について説明する。
【0112】
図15(a)は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成するフロントホルダを示す斜視図、(b)は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングを示す斜視図である。
【0113】
図15(a)に示すように、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタ100(図16から図19参照)を構成するフロントホルダ31は、フロントホルダ31を移動するフロントホルダ移動部144を有している。
【0114】
このフロントホルダ移動部144は、基板側コネクタハウジング41(図15(b)参照)と当接することにより、フロントホルダ31を端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)に対して仮係合状態となる位置(後述する図14に示す位置)から本係合状態となる位置(後述する図15に示す位置)へ相対的に移動させる。
【0115】
基板側コネクタハウジング41は、プリント基板40を装着し、箱状に形成されている。この基板側コネクタハウジング41は、端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)を内部に収容して嵌合する嵌合部43を有している。
【0116】
この嵌合部43は、接続端子21(図1(b)、図4参照)が挿入された端子側コネクタハウジング11(図1(a)、図3参照)と、この端子側コネクタハウジング11に係合したフロントホルダ31(図15(a)参照)を内部に収容する。
【0117】
次に、図16から図19を参照して、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングと基板側コネクタハウジングとの嵌合作業について説明する。
【0118】
図16は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタハウジングにフロントホルダを挿入した状態を示す断面図である。図17は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する基板側コネクタハウジングがフロントホルダを押圧する状態を示す断面図である。
【0119】
また、図18は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタを構成する端子側コネクタとフロントホルダの仮係合状態を示す断面図である。図19は、本発明の第2実施形態に係るプリント基板用コネクタの嵌合状態を示す断面図である。
【0120】
図16に示すように、端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に矢印X方向へ接続端子21を挿入する。端子側コネクタハウジング11の端子収容部12に接続端子21を挿入すると、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15と接続端子21のコネクタハウジング係合部25が係合する。
【0121】
次に、端子側コネクタハウジング11のフロントホルダ収容部13(図7参照)にフロントホルダ31を矢印X´方向に挿入する。そして、端子側コネクタハウジング11の外周に基板側コネクタハウジング41を当接して基板側コネクタハウジング41を矢印X´方向へ移動させる。
【0122】
基板側コネクタハウジング41を矢印X´方向へ移動させると、図17に示すように、フロントホルダ31のフロントホルダ移動部144が基板側コネクタハウジング41と当接して、基板側コネクタハウジング41の移動によってフロントホルダ31が矢印X´方向から押圧される。
【0123】
そして、フロントホルダ31のフロントホルダ移動部144が基板側コネクタハウジング41により押圧されると、図18に示すように、押圧されたフロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となる。
【0124】
フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となると、フロントホルダ31の接触片挿通部35から接続端子21の当接部26が挿通されて当接部26の先端側がフロントホルダ31の外部に突出する。フロントホルダ31から突出した当接部26はプリント基板40に接触する。このように、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となると、プリント基板40に当接部26が当接する位置に、接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされる。
【0125】
そして、接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされると、フロントホルダ31の押圧部34が矢印X´方向に移動し、押圧部34の先端部が接続端子21のスリット27に位置する(図14(b)参照)。
【0126】
このように、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合する際に、基板側コネクタハウジング41のフロントホルダ移動部144がフロントホルダ31に当接する。このため、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31との隙間(遊び)をなくすことができ、端子側コネクタハウジング11の基板側コネクタハウジング41に対する嵌合に連動して、容易にフロントホルダ31を本係合状態となる位置(図19に示す位置)へ移動させることができる。
【0127】
次に、図19に示すように、フロントホルダ31のフロントホルダ移動部144が基板側コネクタハウジング41と当接することにより、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図18に示す位置)から本係合状態となる位置(図19に示す位置)へ移動し、基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合する。
【0128】
基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合すると、端子側コネクタハウジング11の第1嵌合係合部14が基板側コネクタハウジング41の第2嵌合係合部42を乗り越えて(図17及び図18参照)、第1嵌合係合部14と第2嵌合係合部42が係合する。
【0129】
第1嵌合係合部14と第2嵌合係合部42が、端子側コネクタハウジング11と基板側コネクタハウジング41とが嵌合した状態で互いに係合すると、当接部26がプリント基板40に弾接状態で当接するように接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされる。
【0130】
接続端子21がプリント基板40に対して位置決めされると、フロントホルダ31の接触片挿通部35から接続端子21の当接部26が挿通されてプリント基板40に対して弾接状態で当接する。
【0131】
また、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図18に示す位置)から本係合状態となる位置(図19に示す位置)にフロントホルダ31が移動することにより、フロントホルダ31の押圧部34の基端側が接続端子21のスリット21に位置して両側の各弾性接触片24を押圧する。これにより、プリント基板40に弾接状態で当接した接続端子21の当接部26をプリント基板40に対して矢印Z方向及びZ´方向に摺動させる(図14(c)参照)。
【0132】
そして、上述したように基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合すると、基板側コネクタハウジング41の嵌合部43には、接続端子21が挿入された端子側コネクタハウジング11と、この端子側コネクタハウジング11に係合したフロントホルダ31が収容される。
【0133】
このようにして、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100は、プリント基板40と電気的に接続される接続端子21と、この接続端子21を収容する端子側コネクタハウジング11と、プリント基板40が装着された基板側コネクタハウジング41とを備え、端子側コネクタハウジング11に基板側コネクタハウジング41を嵌合して接続端子21とプリント基板40とを電気的に接続するプリント基板用コネクタ1、100であって、接続端子21は、端子側コネクタハウジング11への挿入方向に沿って延在する一面の挿入方向における一方の端部24aが片持ち支持された弾性接触片24と、弾性接触片24の挿入方向における他方の端部24bに設けられプリント基板40に対して弾接状態で当接可能な当接部26とを有し、端子側コネクタハウジング11と基板側コネクタハウジング41とは、両者が嵌合した状態で互いに係合して当接部26がプリント基板40に弾接状態で当接するように接続端子21をプリント基板40に対して位置決めする第1及び第2嵌合係合部14、42をそれぞれ有する。
【0134】
また、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100は、基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合することにより、基板側コネクタハウジング41から押圧されて、端子側コネクタハウジング11と仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ移動するフロントホルダ31を更に有し、端子側コネクタハウジング11とフロントホルダ31とは、両者が仮係合状態となる位置で互いに係合する第1及び第2仮係合用係合部16、33をそれぞれ有し、基板側コネクタハウジング41から押圧されたフロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態に位置することで、当接部26がプリント基板40に接触するように基板側コネクタハウジング41がプリント基板40に対して位置決めされる。
【0135】
さらに、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100は、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31とのうちいずれか一方は、基板側コネクタハウジング41が端子側コネクタハウジング11に嵌合すると基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31とのうちいずれか他方に当接して、フロントホルダ31を端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ相対的に移動させるフロントホルダ移動部44、144を更に有する。
【0136】
また、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100は、フロントホルダ31は、仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動により弾性接触片24を押圧し、プリント基板40に弾接状態で当接した当接部26をプリント基板40に対して摺動させる押圧部34を有している。
【0137】
さらに、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1は、端子側コネクタハウジング11は、端子側コネクタハウジング11に対する挿入中の接続端子21と係合して、端子側コネクタハウジング11に対するフロントホルダ31の仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動を阻止すると共に、端子側コネクタハウジング11に対する挿入完了により接続端子21との係合が解除されて、端子側コネクタハウジング11に対するフロントホルダ31の仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置への移動を許容する接続端子係合部15を更に有する。
【0138】
そして、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100によれば、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合させると、両者の嵌合係合部(第1嵌合係合部14、第2嵌合係合部42)どうしが互いに係合して当接部26がプリント基板40に対して弾接状態で当接する。このため、基板側コネクタハウジング41に端子側コネクタハウジング11を嵌合させることにより、当接部26をプリント基板40に対して所定の接触圧で弾接させることができる。
【0139】
また、基板側コネクタハウジング41に端子側コネクタハウジング11を近づけて嵌合し、両者の嵌合係合部(第1嵌合係合部14、第2嵌合係合部42)を互いに係合させれば、当接部26がプリント基板40に対して弾接状態で当接するように接続端子21が端子側コネクタハウジング11により位置決めされる。このため、端子側コネクタハウジング11と接続端子21との挿入方向(矢印X方向)に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、プリント基板40に対する当接部26の必要な接圧を確保することができる。
【0140】
また、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100によれば、フロントホルダ31は、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合する過程で基板側コネクタハウジング41から押圧されて、端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態に位置し、当接部26がプリント基板40に対して当接可能に基板側コネクタハウジング41に対して位置決めされる。
【0141】
このため、フロントホルダ31を仮係合状態(図11、図18に示す位置)に保持して、確実にプリント基板40に当接部26を当接させた後に、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41にさらに嵌合して当接部26をプリント基板40に対して弾接状態で当接させることができる。
【0142】
さらに、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100によれば、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31とのうちいずれか一方のフロントホルダ移動部44、144が、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合する際に、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31とのうちいずれか他方に当接する。
【0143】
このため、基板側コネクタハウジング41とフロントホルダ31との隙間(遊び)をなくすことができ、端子側コネクタハウジング11の基板側コネクタハウジング41に対する嵌合に連動して、容易にフロントホルダ31を本係合状態となる位置(図13、図19に示す位置)へ移動させることができる。
【0144】
また、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100によれば、フロントホルダ31の押圧部34は、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮嵌合状態となる位置(図11、図18に示す位置)から本嵌合状態となる位置(図13、図19に示す位置)に移動することで弾性接触片24を押圧し、プリント基板40に弾接状態で当接した当接部26をプリント基板40に対して摺動させる。
【0145】
このため、端子側コネクタハウジング11を基板側コネクタハウジング41に嵌合することにより、当接部26を弾接状態のままプリント基板40に対して摺動させて、当接部26に付着した酸化皮膜を除去させ、当接部26の接触抵抗を低下させることができ、プリント基板40との電気的接触性を向上することができる。
【0146】
さらに、本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100によれば、端子側コネクタハウジング11の接続端子係合部15は、内部に接続端子21が収容されるまでの挿入中には、接続端子21と係合してフロントホルダ31の仮係合状態となる位置(図11、図18に示す位置)から本係合状態となる位置(図13、図19に示す位置)への移動を阻止し、内部に接続端子21が収容されて挿入が完了すると、接続端子21との係合が解除されてフロントホルダ31の仮係合状態となる位置(図11、図18に示す位置)から本係合状態となる位置(図13、図19に示す位置)への移動を許容する。
【0147】
このため、接続端子21が端子収容部12に収容されて、端子側コネクタハウジング11の基板側コネクタハウジング41に対する嵌合の開始により当接部26がプリント基板40に接触する前に、フロントホルダ31が端子側コネクタハウジング11に対して仮係合状態となる位置(図11、図18に示す位置)から本係合状態となる位置(図13、図19に示す位置)に移動して、フロントホルダ31の押圧部34が弾性接触片24を押圧し、当接部26がプリント基板40上で摺動できなくなるのを防止することができる。
【0148】
本発明によれば、端子側コネクタハウジング11とこれに挿入する接続端子21との挿入方向に直交する面内におけるガタ付きの有無に関わらず、接続端子21の当接部26のプリント基板40に対する必要な接圧を確保することができるプリント基板用コネクタ1、100を提供することができる。
【0149】
以上、本発明のプリント基板用コネクタを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0150】
例えば、本発明の実施形態では、プリント基板用コネクタ1、100を構成する接続端子21が1つのスリット27を有している場合について説明したが、ス接続端子21に形成するスリット27の数は複数であってもよい。
【0151】
この場合、スリット27の数に対応する数の押圧部34をフロントホルダ31に設けることになる。より、上述した本発明の実施形態に係るプリント基板用コネクタ1、100と同様の作用効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、コネクタハウジングに収容した接続端子とプリント基板とを電気的に接続する際に極めて有用である。
【符号の説明】
【0153】
1 プリント基板用コネクタ
11 端子側コネクタハウジング
12 端子収容部
13 フロントホルダ収容部
14 第1嵌合係合部
15 接続端子係合部
16 第1仮係合用係合部
16a 端子側鉤部
16b 端子側突部
21 接続端子
22 接続箱部
22a 底面
22b 側面
22c 側面
22d 上面
23 加締部
24 弾性接触片
24a 一方の端部
24b 他方の端部
25 コネクタハウジング係合部
26 当接部
27 スリット
31 フロントホルダ
32 挿入片
33 第2仮係合用係合部
33a フロントホルダ側突部
33b フロントホルダ側鉤部
33c 鉤部当接部
34 押圧部
35 接触片挿通部
40 プリント基板
41 基板側コネクタハウジング
42 第2嵌合係合部
43 嵌合部
44 フロントホルダ移動部
100 プリント基板用コネクタ
144 フロントホルダ移動部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板と電気的に接続される接続端子と、この接続端子を収容する端子側コネクタハウジングと、前記プリント基板が装着された基板側コネクタハウジングとを備え、前記端子側コネクタハウジングに前記基板側コネクタハウジングを嵌合して前記接続端子と前記プリント基板とを電気的に接続するプリント基板用コネクタであって、
前記接続端子は、前記端子側コネクタハウジングへの挿入方向に沿って延在する一面の前記挿入方向における一方の端部が片持ち支持された弾性接触片と、
前記弾性接触片の前記挿入方向における他方の端部に設けられ前記プリント基板に対して弾接状態で当接可能な当接部とを有し、
前記端子側コネクタハウジングと前記基板側コネクタハウジングとは、両者が嵌合した状態で互いに係合して前記当接部が前記プリント基板に弾接状態で当接するように前記接続端子を前記プリント基板に対して位置決めする嵌合係合部をそれぞれ有する
ことを特徴とするプリント基板用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント基板用コネクタにおいて、
前記基板側コネクタハウジングが前記端子側コネクタハウジングに嵌合することにより、前記基板側コネクタハウジングから押圧されて、前記端子側コネクタハウジングと仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ移動するフロントホルダを更に有し、
前記端子側コネクタハウジングと前記フロントホルダとは、両者が仮係合状態となる位置で互いに係合する仮係合用係合部をそれぞれ有し、
前記基板側コネクタハウジングから押圧された前記フロントホルダが前記端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態に位置することで、前記当接部が前記プリント基板に接触するように前記基板側コネクタハウジングが前記プリント基板に対して位置決めされる
ことを特徴とするプリント基板用コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント基板用コネクタにおいて、
前記基板側コネクタハウジングと前記フロントホルダとのうちいずれか一方は、前記基板側コネクタハウジングが前記端子側コネクタハウジングに嵌合すると前記基板側コネクタハウジングと前記フロントホルダとのうちいずれか他方に当接して、前記フロントホルダを前記端子側コネクタハウジングに対して仮係合状態となる位置から本係合状態となる位置へ相対的に移動させるフロントホルダ移動部を更に有する
ことを特徴とするプリント基板用コネクタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のプリント基板用コネクタにおいて、
前記フロントホルダは、前記仮係合状態となる位置から前記本係合状態となる位置への移動により前記弾性接触片を押圧し、前記プリント基板に弾接状態で当接した当接部を前記プリント基板に対して摺動させる押圧部を有している
ことを特徴とするプリント基板用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−26147(P2013−26147A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162295(P2011−162295)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】