説明

プリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法

【課題】キャリアの構造を簡単にし、金属層の側面だけでなく上面にも接合手段を結合してキャリアの外周部の接合信頼性を向上させることができるプリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)第1接合手段102に第1開口部105を形成し、第1開口部105に第1金属層101を位置させることで第1キャリア100aを準備する段階;(B)第2接合手段104に第2開口部106を形成し、第2開口部106に第2金属層103を位置させることで第2キャリア100bを準備する段階;及び(C)第1金属層101と第2金属層103が結合された面の延長面において、第1金属層101が、第2接合手段104と結合され、第2金属層103が、第1接合手段102と結合され、第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように第1キャリア100aと第2キャリア100bを結合する段階;を含むプリント基板製造用キャリアの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、プリント基板は、種々の熱硬化性合成樹脂でなるボードの片面または両面に銅箔で配線を形成し、ボード上にIC(integrated circuit)または電子部品を配置、固定し、これらの間の電気的配線を具現した後、絶縁体でコートしてなるものである。
【0003】
近年、電子産業の発達につれて、電子部品の高機能化、軽薄短小化に対する要求が急増している。これに応じて、このような電子部品が搭載されるプリント基板も高密度配線化及び薄板化が要求されている。
【0004】
特に、プリント基板の薄板化に対応するために、コア基板を除去して全体的な厚さを減らし、信号処理時間を縮めることができるコアレス基板が注目されている。ところが、コアレス基板の場合、コア基板を使用しないため、製造工程中に支持体の役目をすることができるキャリア部材が必要である。以下、図面に基づいて従来技術によるコアレス基板の製造工程を詳細に説明する。
【0005】
図1〜図5には、従来技術によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法が示されている。以下、図1〜図5を参照して従来技術によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明する。
【0006】
まず、図1に示すように、キャリア10を準備する。具体的に、絶縁層の両面に銅箔層が形成された銅張積層板(CCL)11の両面に接着層12、第1金属層13及び第2金属層14を順に形成する。この際、高温/高圧プレスで熱と圧力を加えることにより、接着層12の両端は銅張積層板11と第2金属層14に接着される。一方、第1金属層13は第2金属層14に接触しているだけで、接着されてはいない。
【0007】
ついで、図2に示すように、キャリア10の両面にビルドアップ層15を形成し、最外側絶縁層上に第3金属層16を形成する。ビルドアップ層15は、一般的に公知の方法で形成され、それぞれのビルドアップ回路層を連結するビアがさらに形成できる。また、第3金属層16は、ビルドアップ層15の反り現象を防止するために形成される。
【0008】
ついで、図3に示すように、ビルドアップ層15をキャリア10から分離する。この際、銅張積層板11と第2金属層14に接着した接着層12の両端をルーティング工程で除去することにより、ビルドアップ層15をキャリア10から分離する。第1金属層13は、離型層の役目をするもので、第2金属層14に接着されていないため、接着層12が除去されれば第2金属層14から易しく分離される。
【0009】
ついで、図4に示すように、ビルドアップ層15に形成された第2金属層14と第3金属層16をエッチングで除去する。
【0010】
ついで、図5に示すように、ビルドアップ層15の最外側絶縁層にビルドアップ層15の最外側回路層のパッド部19を露出させる開放部17を加工し、ソルダボール18を形成する。
【0011】
しかし、従来のようなプリント基板の場合、キャリア10の結合を堅固にするために真空方式を利用するか、キャリア10の分離を易しくするために別途の離型層を形成するため、工程費用及び工程時間が増加する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、キャリアとプリント基板間の真空方式や離型層挿入方式を利用せずに、キャリアの構造を簡単にし、工程費用及び工程時間を節減するプリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の面によれば、本発明は、(A)第1接合手段に第1開口部を形成し、前記第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備する段階;(B)第2接合手段に第2開口部を形成し、前記第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備する段階;及び(C)前記第1金属層と前記第2金属層が結合された面の延長面において、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合され、前記第2金属層が、前記第1接合手段と結合され、前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合する段階;を含むプリント基板製造用キャリアの製造方法を提供する。
【0014】
前記方法は、(D)熱と圧力を加えることにより結合された前記第1接合手段及び前記第2接合手段を硬化させる段階;をさらに含むことが好ましい。
【0015】
前記第1接合手段及び前記第2接合手段は、プリプレグでなるフレームであってもよい。
【0016】
前記第1金属層及び前記第2金属層は、軽金属でなることが好ましい。
【0017】
前記第1開口部及び前記第2開口部は、ルーティング工法によって形成されることが好ましい。
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によれば、本発明は、(A)第1接合手段に形成された第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備し、第2接合手段に形成された第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備し、前記第1金属層と前記第2金属層が結合される面の延長面において、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合され、前記第2金属層が、前記第1接合手段と結合され、前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合してキャリアを準備する段階;(B)前記キャリアにビルドアップ層を形成する段階;及び(C)前記第1金属層と前記第2金属層が重なった領域の内側を垂直に切断して、前記第1金属層と前記第2金属層を分離し、前記第1金属層と前記第2金属層を除去する段階;を含み、前記(A)段階で、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合されることを特徴とするキャリアを利用したプリント基板の製造方法を提供する。
【0019】
前記(A)段階は、(A1)第1接合手段に形成された第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備する段階;(A2)第2接合手段に形成された第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備する段階;(A3)前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合する段階;及び(A4)熱と圧力を加えることにより結合された前記第1接合手段及び前記第2接合手段を硬化させる段階;を含むことが好ましい。
【0020】
前記(A)段階で、前記第1接合手段及び前記第2接合手段は、プリプレグでなるフレームであってもよい。
【0021】
前記第1金属層及び前記第2金属層は、軽金属でなることが好ましい。
【0022】
前記(A)段階で、前記第1開口部及び前記第2開口部は、ルーティング工法によって形成されることが好ましい。
【0023】
前記(C)段階は、(C1)前記第1金属層と前記第2金属層が重なった領域の内側をルーティング工法で垂直に切断して前記第1金属層と前記第2金属層を分離する段階;及び(C2)前記第1金属層と前記第2金属層をエッチングで除去する段階;を含むことが好ましい。
【0024】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0025】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるプリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法は、二枚の金属層と接合手段を利用してキャリアを簡単な構造に形成することにより、工程費用及び工程時間を節減する利点がある。
【0027】
また、本発明によれば、第1金属層及び第2金属層として軽金属を利用することにより、プリント基板の重さと第1金属層及び第2金属層の自重によるキャリアの反り現象を防止することができる利点がある。
【0028】
更に、本発明によれば、第1金属層と第2金属層が部分的に重なるように第1キャリアと第2キャリアを結合してキャリアを製造することにより、金属層の側面だけでなく上面にも接合手段が結合されるので、キャリアの外周部の信頼性が向上する利点がある。
【0029】
そして、本発明によれば、接合手段が金属層の側面に形成されることにより、異物がキャリアの内部に浸透することを防止する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来技術によるプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(1)である。
【図2】従来技術によるプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(2)である。
【図3】従来技術によるプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(3)である。
【図4】従来技術によるプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(4)である。
【図5】従来技術によるプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(5)である。
【図6A】本発明の好適な実施例によるプリント基板製造用キャリアの断面図である。
【図6B】図6Aに示すプリント基板製造用キャリアの平面図である。
【図7A】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程断面図(1)である。
【図7B】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程平面図(1)である。
【図8A】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程断面図(2)である。
【図8B】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程平面図(2)である。
【図9A】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程断面図(3)である。
【図9B】図6に示すプリント基板製造用キャリアの製造方法を説明するための工程平面図(3)である。
【図10】本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(1)である。
【図11】本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(2)である。
【図12】本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(3)である。
【図13】本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(4)である。
【図14】本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板の製造方法を説明するための工程断面図(5)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は、添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例から一層明らかに理解可能であろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるにあたり、同じ構成要素がたとえ他の図面に図示されていても、できるだけ同じ符号を付けることにする。また、“第1”、“第2”などの用語はある構成要素を他の構成要素と区別するための目的だけで使用する。本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要にあいまいにすることができると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
【0032】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0033】
(プリント基板製造用キャリア)
図6Aは、本発明の好適な実施例によるプリント基板製造用キャリア100の断面図、図6Bは、図6Aに示すプリント基板製造用キャリア100の平面図である。以下、これらの図を参照して本実施例によるプリント基板製造用キャリア100について説明する。
【0034】
図6A及び図6Bに示すように、本実施例によるプリント基板製造用キャリア100は、第1接合手段102及び第1金属層101を含む第1キャリア100a、及び第2接合手段104及び第2金属層103を含む第2キャリア100bから構成され、第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように結合されたことを特徴とする。
【0035】
第1キャリア100aは、第1接合手段102及び第1金属層101でなる部材で、第2キャリア100bと結合されてキャリア100を構成する。
【0036】
ここで、第1接合手段102は、内部に第1開口部105が形成され、この第1開口部105に第1金属層101が位置する。第1接合手段102は、後述する第2接合手段104と結合されて第1金属層101を固定することができる。一方、第1接合手段102は、例えばプリプレグからなるフレーム形態を持つことができる。
【0037】
第1金属層101は、第1接合手段102の第1開口部105に位置し、第1接合手段102と第2接合手段104によって固定される。この際、第1金属層101は、例えばアルミニウム、マグネシウム、ジュラルミンなどのような軽金属でなることが好ましい。軽金属でない場合、プリント基板製造工程の際、ビルドアップ層110の重さと第1金属層101の自重によってキャリア100が垂れることができるからである。
【0038】
第2キャリア100bは、第2接合手段104及び第2金属層103でなる部材で、第1キャリア100aと結合されてキャリア100を構成する。ここで、第2接合手段104及び第2金属層103の特徴は、第1接合手段102及び第1金属層101の特徴と同様であるので省略する。
【0039】
第1キャリア100aと第2キャリア100bは、第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように結合される。
【0040】
具体的に、第1金属層101と第2金属層103が結合される平面の延長面において、第1金属層101は、第2接合手段104と結合され、第2金属層103は、第1接合手段102に連結される。すなわち、金属層101、103の両側接合手段102、104は、‘┌’と‘┘’の形状に形成される。
【0041】
第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように結合されることにより、各金属層101、103の側面だけでなく上面にも接合手段102、104が連結され、金属層101、103の固定力が高くなり、キャリア100の外周部に対する信頼性が向上する。また、各接合手段102、104が金属層101、103の側面を取り囲む構造に形成されるので、エッチング液などの外部の異物がキャリア100の内部に浸透することを防止することができる。
【0042】
一方、第1金属層101と第2金属層103の重なった部分は、互いに接触しているだけ、互いに接着されていないこともできる。
【0043】
(プリント基板製造用キャリアの製造方法)
図7A〜図9Bは、本発明の好適な実施例によるプリント基板製造用キャリア100の製造方法を説明するための図である。以下、図7A〜図9Bを参照して本実施例によるプリント基板製造用キャリア100の製造方法を説明する。
【0044】
まず、図7A及び図7Bに示すように、第1接合手段102に第1開口部105を形成し、第1開口部105に第1金属層101を位置させることで、第1キャリア100aを準備する。
【0045】
この際、第1接合手段102は、フレーム形態を持つほどの半硬化状態であることが好ましい。第1接合手段102が非硬化状態の場合、流動性が高いため、第1開口部105を形成しにくく、完全硬化状態の場合、後に第2キャリア100bと結合するとき、接合力が劣ることができるからである。
【0046】
一方、第1接合手段102の第1開口部105は、例えばルーティング工法によって形成することができる。この際、第1開口部105の大きさは、第1金属層101の大きさと同一であるか、やや大きいことが好ましい。第1開口部105が第1金属層101よりやや大きいとしても、後に第1接合手段102及び第2接合手段104を硬化するとき、第1金属層101が固定されることができる。
【0047】
ついで、図8A及び図8Bに示すように、第2接合手段104に第2開口部106を形成し、第2開口部106に第2金属層103を位置させることで第2キャリア100bを準備する。
【0048】
この際、第2接合手段104は、フレーム形態を持つ半硬化状態であることができ、第2開口部106はルーティング工法によって形成することができる。
【0049】
ついで、図9A及び図9Bに示すように、第1キャリア100aと第2キャリア100bを結合する。
【0050】
この際、第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように第1キャリア100aと第2キャリア100bを結合し、第1金属層101は、第2接合手段104に、第2金属層103は、第1接合手段102に連結されることができる。
【0051】
一方、第1キャリア100aと第2キャリア100bを結合した後、熱と圧力を加えて第1接合手段102と第2接合手段104を硬化させることができる。これにより、第1キャリア100aと第2キャリア100b間の結合力が向上することができる。
【0052】
このような製造工程により、図9A及び図9Bに示すような本発明の好適な実施例によるプリント基板製造用キャリア100が製造される。
【0053】
(キャリアを利用したプリント基板の製造方法)
図10〜図14は、本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板200の製造方法を説明するための工程断面図である。以下、図10〜図14を参照して本実施例によるキャリアを利用したプリント基板200の製造方法を説明する。
【0054】
本実施例においては、キャリア100の両面にプリント基板200を製造することを説明するが、本発明はこれに限定されなく、キャリア100の一面にだけプリント基板200を製造することも可能である。
【0055】
まず、図10に示すように、第1接合手段102に形成された第1開口部105に第1金属層101を位置させることで第1キャリア100aを準備し、第2接合手段104に形成された第2開口部106に第2金属層103を位置させることで第2キャリア100bを準備し、第1金属層101と第2金属層103が部分的に重なるように第1キャリア100aと第2キャリア100bを結合してキャリア100を製造する。
【0056】
ついで、図11に示すように、キャリア100にビルドアップ層110を形成する。
【0057】
この際、ビルドアップ層110は、多数のビルドアップ絶縁層及びビルドアップ回路層でなることができ、通常の方法で形成できる。例えば、ビルドアップ回路層は、サブトラクティブ(Subtractive)工法、アディティブ(Additive)工法、セミアディティブ(Semi−additive)工法、及び変形セミアディティブ工法(Modified semi−additive)工法などを利用して形成することができる。
【0058】
また、ビルドアップ回路層は、互いにビアを介して連結できる。一方、図11は、ビルドアップ層110が3層でなるものを示したが、これは例示のためのもので、単層または多層で構成することができる。
【0059】
更に、ビルドアップ層110の最外側絶縁層112は、一方の最外側回路層111aを保護するように、例えばドライフィルムタイプソルダレジストでなることができる。
【0060】
ついで、図12に示すように、第1金属層101と第2金属層103が重なった領域115の内側を垂に直切断して、第1金属層101と第2金属層103を互いに分離する。
【0061】
この際、第1金属層101と第2金属層103が重なった領域115の内側を垂直に切断することで、互いに接着されない第1金属層101と第2金属層103を分離することができる。切断の際、第1金属層101と第2金属層103を固定している第1接合手段102及び第2接合手段104が除去されるので、第1金属層101と第2金属層103は易しく分離できる。
【0062】
一方、重なった領域115の内側を垂直に切断するとき、例えばルーティング工法を利用することができる。
【0063】
ついで、図13に示すように、ビルドアップ層110に結合された第1金属層101及び第2金属層103を除去する。
【0064】
この際、例えば、エッチング工法によって第1金属層101及び第2金属層103を除去することができる。また、第1金属層101及び第2金属層103を除去することにより、ビルドアップ層110の他方の最外側回路層111bは、外部に露出されることができ、他方の最外側回路層111bは、ビルドアップ絶縁層に埋め込まれた形状であり、付加のソルダレジスト層が不要になることもできる。
【0065】
一方、第1金属層101及び第2金属層103が軽金属でなる場合、ビルドアップ層110の他方の最外側回路層111bは一般的に銅などでなるので、第1金属層101及び第2金属層103をエッチングしてもビルドアップ層110の他方の最外側回路層111bはエッチング液に反応しないこともある。
【0066】
ついで、図14に示すように、ビルドアップ層110の最外側絶縁層112に開放部114を形成する。
【0067】
この際、ビルドアップ層110の最外側絶縁層112に一側最外側回路層111aのパッド部113を露出させる開放部114を加工することができる。また、パッド部113には、別のソルダボール(図示せず)が形成されて外部素子と連結されることができる。また、開放部114は、例えばレーザー工法、加工ドリル工法などによって形成することができる。
【0068】
一方、ビルドアップ層110の他方の最外側回路層111bを保護するソルダレジスト層をさらに形成し、他方の最外側回路層111bのパッド部を露出させる開放部をさらに形成することもできる。
【0069】
このような製造工程によって、図14に示す本発明の好適な実施例によるキャリアを利用したプリント基板200が製造される。
【0070】
本実施例では、キャリア100にビルドアップ層110の回路層を先に形成したものを説明したが、これに限定されなく、絶縁層を先に形成することも可能である。
【0071】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明によるプリント基板製造用キャリアの製造方法、及びプリント基板の製造方法は、これに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更は、いずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、キャリアとプリント基板間の真空方式や離型層挿入方式を利用せずに、キャリアの構造を簡単にし、工程費用及び工程時間を節減するプリント基板製造用キャリア及びその製造方法、並びにこれを用いたプリント基板の製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 キャリア
100a 第1キャリア
100b 第2キャリア
101 第1金属層
102 第1接合手段
103 第2金属層
104 第2接合手段
105 第1開口部
106 第2開口部
110 ビルドアップ層
111a 一方の最外側回路層
111b 他方の最外側回路層
112 最外側絶縁層
113 パッド部
114 開放部
115 重なった領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)第1接合手段に第1開口部を形成し、前記第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備する段階;
(B)第2接合手段に第2開口部を形成し、前記第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備する段階;及び
(C)前記第1金属層と前記第2金属層が結合された面の延長面において、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合され、前記第2金属層が、前記第1接合手段と結合され、前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合する段階;
を含むことを特徴とするプリント基板製造用キャリアの製造方法。
【請求項2】
(D)熱と圧力を加えることにより結合された前記第1接合手段及び前記第2接合手段を硬化させる段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板製造用キャリアの製造方法。
【請求項3】
前記第1接合手段及び前記第2接合手段が、プリプレグでなるフレームであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板製造用キャリアの製造方法。
【請求項4】
前記第1金属層及び前記第2金属層が、軽金属でなることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板製造用キャリアの製造方法。
【請求項5】
前記第1開口部及び前記第2開口部が、ルーティング工法によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板製造用キャリアの製造方法。
【請求項6】
(A)第1接合手段に形成された第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備し、第2接合手段に形成された第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備し、前記第1金属層と前記第2金属層が結合される面の延長面において、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合され、前記第2金属層が、前記第1接合手段と結合され、前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合してキャリアを準備する段階;
(B)前記キャリアにビルドアップ層を形成する段階;及び
(C)前記第1金属層と前記第2金属層が重なった領域の内側を垂直に切断して、前記第1金属層と前記第2金属層を分離し、前記第1金属層と前記第2金属層を除去する段階;
を含み、
前記(A)段階で、前記第1金属層が、前記第2接合手段と結合されることを特徴とするキャリアを利用したプリント基板の製造方法。
【請求項7】
前記(A)段階が、
(A1)第1接合手段に形成された第1開口部に第1金属層を位置させることで第1キャリアを準備する段階;
(A2)第2接合手段に形成された第2開口部に第2金属層を位置させることで第2キャリアを準備する段階;
(A3)前記第1金属層と前記第2金属層が部分的に重なるように前記第1キャリアと前記第2キャリアを結合する段階;及び
(A4)熱と圧力を加えることにより結合された前記第1接合手段及び前記第2接合手段を硬化させる段階;
を含むことを特徴とする請求項6に記載のキャリアを利用したプリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階で、前記第1接合手段及び前記第2接合手段が、プリプレグでなるフレームであることを特徴とする請求項6に記載のキャリアを利用したプリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記第1金属層及び前記第2金属層が、軽金属でなることを特徴とする請求項6に記載のキャリアを利用したプリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記(A)段階で、前記第1開口部及び前記第2開口部が、ルーティング工法によって形成されることを特徴とする請求項6に記載のキャリアを利用したプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記(C)段階が、
(C1)前記第1金属層と前記第2金属層が重なった領域の内側をルーティング工法で垂直に切断して前記第1金属層と前記第2金属層を分離する段階;及び
(C2)前記第1金属層と前記第2金属層をエッチングで除去する段階;
を含むことを特徴とする請求項6に記載のキャリアを利用したプリント基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−216879(P2012−216879A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180048(P2012−180048)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【分割の表示】特願2010−48554(P2010−48554)の分割
【原出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】