プリント基板設計指示支援方法およびその装置
プリント基板設計作業効率の向上ならびにプリント基板設計品質の向上に資する回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供するものであり、設計ルールが適用される回路部品を選択すれば、回路設計システムとプリント基板設計システムとの連携により、回路図とプリント基板上のチェック対象部分とを同時に表示して、チェック時間の短縮と手間を低減するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、さらに詳細には、プリント基板設計作業効率の向上ならびにプリント基板設計品質の向上を図るようにした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路設計段階においてプリント基板を設計するための設計指示を作成するにあたっては、回路設計者が手書きで設計指示書を記載するようになされており、このようにして完成した設計指示書をプリント基板設計者に渡すことによって、回路設計者からプリント基板設計者に設計に必要な指示を伝達するようになされていた。
ここで、設計指示には回路図のどの部分がその指示に該当するかを記述することになるが、その際に、部品や配線の名称(部品位置「リファレンス」、部品品番、ネット名など)などのアイテムを回路設計者が手書きにより設計指示書に書き加えるようになされていた。
しかしながら、こうした設計指示書での伝達運用においては、指示伝達が十分に行われず、また、回路図が変更された場合においては、回路図の変更に合わせて設計指示書に記述した部品や配線の名称を変更する必要があった。
このため、上記した従来の手法においては、設計指示書への書き込みや変更の作業が繁雑となり、また、部品や配線の名称などを書き間違えるなどの恐れもあり、さらには、書面による指示での伝達不備に起因して不具合や品質が劣化するというなどの第1の問題点があった。
【0003】
また、設計されたプリント基板の設計品質については、設計指示自体が設計者に依存しているため、設計者のスキルによる品質のばらつきが存在し、人依存の状況に起因してプリント基板設計品質が劣るという、指示内容が指示設計者に影響されてしまう第2の問題点があった。
【0004】
また、プリント基板の高密度高速回路設計における設計指示書の指示に対するプリント基板設計システムにより設計されたプリント基板に対する確認は、回路設計システムおよびプリント基板設計システムにおけるそれぞれの検索機能を用いて、関連する指示のアイテムを確認、検査し、該当する部分に関して人手で行っていた。
即ち、デジタル化による設計難易度の急激な向上や、製品優位性の短期化あるいは多機能化によるシステム全体の整合性保持の難しさなどという理由や、設計者に依存するという設計品質などの理由から、検図や修正指示に関わる手間は極めて大きく、これを如何に短縮するかが設計のリードタイム短縮の鍵となっていた。
このため、設計されたプリント基板に関する検査、確認ならびに検図、また、その修正指示作成は、作業効率が劣って非常に手間とコストがかかるものになっていたという第3の問題点があった。
【0005】
また、回路図上のアイテム(回路部品、配線など)をその種類や機能毎に1つのグループとして抽出し、基板設計の際における設計指示書への反映や回路図のチェックリストを作成するためにグループ分けをすることは、指示、チェック上必要となっていた。
従来、このグループの抽出を行うにあたっては、各アイテム(部品、配線情報など)ごとに検索処理を行っており、アイテムの項目数や部品数などに比例して抽出作業に多大な時間を要し、また、抽出されたデータはその回路図固有のものであるので他の回路図では再度同じ抽出作業が必要であるという、アイテムに比例した作業量と多くの時間を要するという第4の問題点があった。
【0006】
ところで、電子機器メーカーは、これまでの製品開発によって培ってきたノイズ対策や熱対策などの設計条件、指示を多数持っており、新しい製品を開発する過程においては、プリント基板設計前にこうした設計条件をプリント基板設計者に指示し、プリント基板設計者はこの指示に従ってプリント基板の設計を行っていた。
そして、プリント基板の設計が完了すればプリント基板の試作を行うことになるが、その前に、設計指示がきちんと守られているかの検証作業を行っていた。
ここで、設計指示の中には数値などでは表すことのできないルールもあるため、CADシステムを使った自動チェックを行えない場合もあり、このような部分は目視によってチェックする必要があった。
こうした目視によるチェックは、設計指示書から回路図とプリント基板とのそれぞれの該当箇所を探し出すことからはじめることになるが、この該当箇所の探し出しにはCADシステムの検索機能などが用いられる。そのためには回路設計システムとプリント基板設計システムとをそれぞれ操作する必要があり、また、このようにしてチェックしなければならない項目が製品によっては数百箇所以上ある場合もあるため、チェックに多大な手間と時間を要するという第5の問題点があった。
【0007】
また、従来、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする際に、チェックすべき内容を明確に表示するために、チェック内容を正確に把握した上で手作業にて関連するアイテムの相関関係など考慮して表示させる設定を行っていた。
即ち、チェックすべき内容が明確に表示されていないとチェック内容を誤認識して正確なチェックを行うことができない可能性がある。
これまでは誤認識しないための表示制御を毎回毎回行っている作業は作業者のスキルに依存し、かつ、多大な時間的損失を生むという第6の問題点があった。
【0008】
ところで、ダンピング抵抗と称する反射波の雑音除去目的で信号線に直列に挿入される数十Ω程度の抵抗が知られているが、こうしたダンピング抵抗はバッファ回路の出力やメモリの駆動用ICの出力などによく使用される。
従来、回路図からダンピング抵抗を抽出するに際しては、回路図上から抵抗の属性、接続先情報や接続状況などを目視にて確認して行っていた。即ち、回路図からダンピング抵抗を抽出するためには目視に頼らざるを得ない部分が多く、設計した本人でないと判断するのは困難であった。
そして、プリント基板設計ではダンピング抵抗の配置、配線方法を基板設計指示としてどの抵抗がダンピング抵抗なのかを指示する必要があるが、ダンピング抵抗を抽出する条件が存在しなかったためにダンピング抵抗の抽出には多大な時間を要していた。
つまり、プリント基板設計時やプリント基板チェック時においては、ダンピング抵抗に対する設計指示が必要であるが、ダンピング抵抗自体の抽出のために多大な時間を要していたという第7の問題点があった。
【0009】
また、一般に、回路規模が大きくなればなるほど搭載されるLSIの数は増え、こうしたLSIの増加は、同時にバイパスコンデンサの数の増加に直結することになっていた。
こうしたバイパスコンデンサの数の増加により、例えば、数百にもなるバイパスコンデンサを、CADシステムの画面やレイアウトを紙に作画したものを用いて一つ一つ認識するのは、非常に手間と時間的なコストがかかるという第8の問題点があった。
【0010】
また、バイパスコンデンサとはコンデンサの使用方法(接続先相手)によってもたらされる機能によって分類されるもので、そのコンデンサ単体ではバイパスコンデンサの判断はできない。
回路図からバイパスコンデンサを抽出するためには、回路図上のコンデンサ接続先の情報や接続状況などを目視にて確認していた。即ち、最終的な判断は設計した本人に直接確認するほか方法がなかった。
なお、回路設計時にバイパスコンデンサに属性を入れる方法もあるが、設計時の負担が重くなり実現は困難であった。
即ち、プリント基板設計時やプリント基板チェック時には、バイパスコンデンサに対する設計指示が必要であり、バイパスコンデンサの抽出のため多大な時間を要していたという第9の問題点があった。
【0011】
また、プリント基板の設計をする上で指示を受けても、その指示には、経験や理論などの知識が伴った設計ができないと品質維持できない内容も含まれている。
従来は、必要に応じてプリント基板設計者が指示を理解するために該当する技術情報の書籍、資料を検索、閲覧する必要があり、プリント基板設計者はこの技術情報の検索、閲覧するのに多大な時間を要するという第10の問題点があった。
【0012】
なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記したような従来の技術が有する第1、第2の問題点に鑑みてなされたものであり、その第1、第2の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する設計指示書を作成もしくは自動的に作成することを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0014】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第3の問題点に鑑みてなされたものであり、その第3の目的とするところは、検図を効率的に実施することができるようにしてプリント基板設計作業効率の向上を図り、また、設計品質の平準化を図ることができるようにしてプリント基板設計品質の向上を図り、設計期間の短縮ならびに試作回数の削減など基板製造コストの低減化を図ることを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0015】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第4の問題点に鑑みてなされたものであり、その第4の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、各基板単位で設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する部品と配線との情報を設計指示書として作成する場合に利用することができ、また、設計が完成したプリント基板に対し指示通りに設計されているか否かをチェックするチェックリストの作成に利用することができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0016】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第5の問題点に鑑みてなされたものであり、その第5の目的とするところは電子機器のプリント基板設計において設計指示に基づいて正しく設計されているか否かを検証する際に利用することができプリント基板の設計検証では回路設計システムおよびプリント基板設計システムとの連携により設計ルールが適用される回路部品毎に回路図とプリント基板レイアウト図との両方でチェックすべき箇所を同時に表示させることを可能としチェック時間の短縮と手間の軽減とを図った回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0017】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第6の問題点に鑑みてなされたものであり、その第6の目的とするところは、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、それらアイテムの相関関係などを自動的に表示するようにして、作業者によるチェックすべき内容の誤認識の発生を排除するとともに、作業者のスキルによるバラつきや時間的損失の軽減を図ることを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0018】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第7の問題点に鑑みてなされたものであり、その第7の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、ダンピング抵抗を配置する際に設計ルールに基づいて正しく配置することを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0019】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第8、第9の問題点に鑑みてなされたものであり、その第8、第9の目的とするところは、プリント基板のEMC対策としての回路パターンを含めたバイパスコンデンサの検出を可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0020】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第10の問題点に鑑みてなされたものであり、その第10の目的とするところは、指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化が可能となる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、設計ルールが適用される回路部品を選択すれば、回路設計システムとプリント基板設計システムとの連携により、回路図とプリント基板上のチェック対象部分とを同時に表示して、チェック時間の短縮と手間を低減するようにしたものである。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、回路設計者が回路図設計中に与えた設計指示内容を「指示内容」と「対象となる回路部品もしくは配線のキーワード」とに分割したリストから選択する行為のみで、「対象となる回路部品もしくは配線のキーワード」を使用し回路図から対象となるオブジェクトを自動リストアップするようにして、手作業にて設計指示書を作成していた手間および時間を大幅に低減するようにしたものである。
また、上記第3の目的を達成するために、本発明は、プリント基板設計システムを用いて自動的にチェックできない定性的な指示、例えば、できるだけ近くとかできるだけ短くとかというような指示が適用される箇所を自動的に検出して、設計者にその判断を求めることを可能にし、また、これらのルールの背景にある論理情報をそれぞれ記憶し指示に連携表示することにより設計者の経験の差による設計品質のばらつきの平準化を達成するようにしたものである。
また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、種類や機能が同じ項目に対してキーワードを設定し、そのキーワードに対してアイテムを抽出するための抽出条件や別プログラム起動指示を共通マスターとして所定の記憶領域に保持するようにして、回路図で設計指示書やチェックリストを作成する際には、各項目にキーワードのみを割り当てたデータを作成するようにして、個別のアイテムの検索を行う場合には、キーワードに該当する抽出条件を共通マスターから取得して回路図からアイテムを検索するようにしたものであり、これにより再検索を行うとアイテムが最新の状態に更新され、他の回路図にデータをコピーして再検索を行うと設計指示書やチェックリストがその回路での最新のアイテムに更新され流用が可能になるとともに、設計指示書の作成にかかる時間が大幅に削減され、また、回路図で流用されたものなどは項目がほぼ変わらないため更新処理のみで指示書やチェックリストを作成することが可能になる。
また、上記第5、第6の目的を達成するために、本発明は、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、チェックシートからのクロスプローブ時に自動的にチェックすべき内容を明確に表示して、チェック内容を誤認識する可能性を非常に低くするとともに、チェックを行う作業者のスキルに依存しない成果を生むことや同じチェックシートを使用したチェックでは同様の表示状態を作成することができるようにし、さらに時間的な損失を軽減するようにしたものである。
また、上記第7の目的を達成するために、本発明は、回路図からダンピング抵抗を自動抽出するようにして、抽出時間の大幅な短縮を実現するようにしたものである。
また、上記第8、第9の目的を達成するために、本発明は、回路設計者がバイパスコンデンサの適正を判断する必要のない明らかに問題のないものを自動的に判断対象から省くようにして、検図自体の時間短縮、延いては設計期間の短縮を達成するようにしたものである。
また、上記第10の目的を達成するために本発明は、設計指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化を実現するようにしたものである。
【0022】
即ち、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うために、支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路設計者が基板設計者へ渡す設計指示書を電子データで簡便に作成支援するための手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、設計指示情報を自然言語で入力する手段と、前記入力する手段によって入力された設計指示情報を一覧表形式で表示する手段と、前記表示する手段により表示された設計指示情報を選択する手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図を構成する回路部品や配線などのアイテム群の中から、クロックラインなどのキーワードに割り付けられている条件で対象となるアイテムを自動抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、登録した設計指示情報が実際の回路図上の回路部品や配線などのどのアイテムであるのかを通知するために、予め設計指示情報に割り付けているキーワードを介し、自動的に回路図のアイテムに設計指示情報を割り付ける手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図を構成する回路部品や配線などのアイテムを選択する手段と、前記アイテムを選択する手段がアイテムを選択すると、回路設計システムとプリント基板設計システムとを連携し、回路図上とプリント基板図上の両方の画面上に対象アイテムを強調表示する手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、前記アイテムを選択する手段によるアイテムの選択と同時に表示状態を制御する為のプリスクリプトとポストスクリプトとを実行することにより、該当箇所のズームアップなどでチェックすべき箇所をより明確に分かり易く表示する表示制御手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、プリント基板設計者が設計後の結果などを入力することで設計指示どおりに対応したか否かなどを管理する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、プリント基板設計者により入力された設計後の結果に対し、回路設計者が合否などを入力することにより指示に対する承認有無などを管理する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計の修正が必要となった場合に、前記管理する手段における入力するための空の項目を別途追加することで合否判定などの履歴管理をする手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図の中からダンピング抵抗とその対象となるICをダンピング抵抗の部品属性および配線接続情報により抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、前記抽出する手段は、回路図からダンピング抵抗とその対象となるICを自動抽出するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図の中からバイパスコンデンサとその対象となるICをバイパスコンデンサの配置位置情報および配線接続情報により抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、前記抽出する手段は、バイパスコンデンサとその対象となるICおよび両部品を接続する配線の情報を自動抽出するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバー内に蓄積している情報を提供する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内で計算を行い、その結果を提供する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内の情報を蓄積する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、本発明による回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明による回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明によるWebシステムとしてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明によるプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、設計ルールに基づいて正しく設計されているか否かを検証する際に利用することができ、プリント基板の設計検証では、回路設計システムおよびプリント基板設計システムとの連携により設計ルールが適用される回路部品毎に回路図とプリント基板レイアウト図との両方でチェックすべき箇所を同時に表示させることが可能になりチェック時間の短縮と手間の軽減とを図ることができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計の際に設計ルールに基づいて正しく基板設計するために参照する設計指示書を自動的に作成することが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、検図を効率的に実施することができるようになってプリント基板設計作業効率の向上を図ることができ、また、設計品質の平準化を図ることができるようになってプリント基板設計品質の向上を図ることができ、設計期間の短縮ならびに試作回数の削減など基板製造コストの低減化を図ることが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、各基板単位で設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する部品と配線との情報を設計指示書として作成する場合に利用することができ、また、設計が完成したプリント基板に対し指示通りに設計されているか否かをチェックするチェック表の作成に利用することができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、それらアイテムの相関関係などを自動的に表示するようにして、作業者によるチェックすべき内容の誤認識を避けるとともに、作業者のスキルによるバラつきや時間的損失の軽減を図ることが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、ダンピング抵抗を配置する際に設計ルールに基づいて正しく配置することが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0029】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、プリント基板のEMC対策として回路パターンを含めたバイパスコンデンサの自動チェック機能を備えた回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0030】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、設計指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化が可能となる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明によるプリント基板設計指示支援装置、回路設計システムおよびプリント基板設計システムの関連を示す説明図である。
【図2】図2は、プリント基板設計指示支援装置において、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報の各項目を入力するためのセルを示す表示画面である。
【図3】図3(a)は日付入力する際の表示画面であり、図3(b)は氏名入力する際の表示画面であり、図3(c)はリスト選択する際の表示画面である。
【図4】図4(a)は日付と担当者の自動入力の際の表示画面であり、図4(b)はチェック結果の入力の際の表示画面である。
【図5】図5(a)はチェック結果の集計情報を示す際の表示画面であり、図5(b)はキーワード行でのチェック結果の入力の際の表示画面である。
【図6】図6は、電子設計指示書作成支援システムの概念説明図である。
【図7】図7は、アイテム自動抽出システムの概念説明図である。
【図8】図8は、アイテム自動抽出システムにおいて自動抽出処理する際の設計指示書および抽出条件の一例を示す表示画面である。
【図9】図9は、設計ルールチェック支援システムの概念説明図である。
【図10】図10は、アイテム強調表示システムの概念説明図である。
【図11】図11(a)はクロスプローブの実行の際の表示画面であり、図11(b)はクロスプローブのモードを示す表示画面であり、図11(c)はマクロ実行許可を示す表示画面である。
【図12】図12は、ダンピング抵抗自動抽出システムの処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、バイパスコンデンサ自動抽出システムの処理の概要を示すフローチャートである。
【図14】図14は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に蓄積している情報を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図15】図15は、図14に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内で計算を行いその結果を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図17】図17は、図16に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に情報を蓄積するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図19】図19は、図18に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
10 プリント基板設計指示支援装置
12 回路設計システム
14 プリント基板設計システム
100 設計指示共通データベース
101 設計指示専用データベース
104 基板設計指示支援装置の画面
106 回路設計システムの画面
108 プリント基板設計CADの画面
110 回路図CADデータベース
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0034】
1.全体の構成
本発明による回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置(以下、単に「プリント基板設計指示支援装置」と適宜に称する。)10は、後述する各システムの統合システムであるが、図1に示すように、プリント基板設計指示支援装置10により回路設計システム12とプリント基板設計システム14とを連携させ、回路設計システム12とプリント基板設計システム14との間で回路設計に関するルールの共用化を図るようにしたものである。
本発明におけるプリント基板設計指示支援装置10を構築する具体的なシステム、即ち、回路設計システム12とプリント基板設計システム14とを連携させる具体的な手段としては、例えば、回路設計での電子設計指示書作成支援システム、回路図からのアイテム自動抽出システム、プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム、クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム、回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム、回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システムがある。
【0035】
ここで、プリント基板設計指示支援装置10は、以下のような各種の機能を備えているものである。
(1)Excel(登録商標)のような表形式
Excel(登録商標)のような表形式とすることで、設計指示とチェック状態を容易に把握することができる。また、設計指示やアイテムなどはスクロール対象外の固定行となっているので、チェック時に設計指示などが隠れてしまうことがない。また、各項目のセル幅は、自由に変更することができる。
(2)実施情報の入力
設計実施情報とプリント基板設計指示支援実施情報を、プリント基板設計指示支援実施毎に入力することができる。実施情報にはそれぞれ、実施日、担当者、結果などを入力することができる。
(3)クロスプローブ
回路設計システム、プリント基板設計システム、伝送線路解析システムに対してチェック対象の拡大と表示を行うクロスプローブメッセージを送ることができるので、実施結果のチェックを容易に行うことができる。また、送信する情報はアイテム(リファレンス、ネット、フレーム)、または、キーワード単位で行うことができる。また、キーワードやアイテムにPython言語ベースのマクロを割り付けておくことにより、クロスプローブの前後で伝送線路解析システムに対してマクロを実行させることもできる。
(4)検索機能
文字列による検索機能により、目的の項目を素早く見つけることができる。
(5)ドキュメントの関連付け
個々の設計指示やプリント基板設計指示支援実施情報単位にドキュメントを関連付けすることができる。これにより、より詳細な情報を設計者に伝えることができる。また、関連付けされたドキュメントは、特定のディレクトリにアーカイブ(コピー)することができる。また、これらの関連付けされたドキュメントは、Windows(登録商標)上でそのドキュメントに対して関連付けされているツールがあれば、開くことができる。
(6)CSVファイルの入出力
CSVファイルファイルの入出力を行うことができるので、今までExcel(登録商標)で作成していたプリント基板設計指示支援情報を移行することができる。
(7)データベースの暗号化
データベースを暗号化することにより、データベースに蓄積された情報が外部に洩れるのを防止することができる。データベースに蓄積された情報は、実行時のオプションによって管理者モードで起動した時のみ表示されるようになっている。
【0036】
そして、このプリント基板設計指示支援装置10においては、図2に示すように、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報の各項目を入力するためのセルが追加される。なお、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報とは、以下の通りである。
a.設計実施情報(基板設計側)
設計実施情報は、設計指示通りに基板設計を行ったかどうかの情報を入力する。この情報には、実施日、担当者、プリント基板設計指示支援前(実施結果)、プリント基板設計指示支援前コメントの4項目があり、アイテム毎に入力すことができるようになっている。
b.プリント基板設計指示支援実施情報
プリント基板設計指示支援実施情報は、プリント基板設計指示支援のチェック結果情報を入力する。この情報には、チェックの実施日、担当者、結果情報、コメントおよび関連ファイルの5つの項目があり、アイテム毎に入力することができるようになっている。
【0037】
次に、各セルの編集方法について説明すると、実施情報の各項目は、入力する情報のタイプに応じて入力方法が異なる。以下に、情報のタイプに応じた入力方法を示す。
a.日付入力(図3(a)参照)
実施日、チェック日の入力がこれに当たる。これらのセルにフォーカスがある時、「・・・」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。すると日付入力ダイアログが表示されるので、このダイアログで日付を指定し「OK」ボタンをクリックする。
b.氏名入力(図3(b)参照)
担当者の入力がこれに当たる。担当者のセルをダブルクリックするとセル編集可能な状態になる。この状態で氏名を入力する。
また、一度入力した氏名は入力時にリスト表示されるので、このリストから選択して入力することもできる(保存される氏名は5名分であり、設計実施情報とプリント基板設計指示支援実施情報とで共通である)。
c.リスト選択(図3(c)、図4(a)参照)
設計実施情報のプリント基板設計指示支援前、プリント基板設計指示支援実施情報のチェック結果がこれに当たる。これらのセルにフォーカスがある時、「▼」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。すると図3(c)のように設定可能な項目がリスト表示されるので、適当な項目を選択する。
なお、プリント基板設計指示支援前やチェック結果を入力した時、日付や担当者が未入力であった場合には、日付と担当者は自動的に入力され、この時、担当者にはログイン名が使用される(図4(a)参照)。
d.テキスト入力
設計実施情報のプリント基板設計指示支援前コメントおよびプリント基板設計指示支援実施情報のコメントがこれに当たる。これらのセルをダブルクリックするとセル編集可能な状態になるので、適当な文字列を入力する。
e.ファイル名入力
関連ファイルがこれに当たる。関連ファイルのセルにフォーカスがある時、「...」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。するとファイル選択ダイアログが表示されるので、関連付けるファイルを選択する。ここで選択したファイルはファイル名だけが表示されるが、内部的には関連ファイルの格納ディレクトリをフルパスで保持している。
【0038】
なお、全ての項目でダブルクリック以外に、アシストメニューの「変更」によっても項目の入力開始動作を起こすことが可能になっている。また、複数セルを選択してのコピー&貼り付けによる入力も可能である。ここで、日付を入力するセルに文字列を貼り付けたり、OK/NGしか入らないセルにこれら以外の文字列を貼り付けてもエラーとなり、入力は受け付けられない。
セル内容をクリアするには、クリアしたいセルにカーソルを移動し[DEL]キーを押す。セルが複数選択されている場合には、セルカーソルのある列の選択セルのみクリアされる。
【0039】
次に、チェック結果の入力について説明すると、チェック結果はOK/NG以外に設定することも可能になっており、チェック結果の値の定義はリソースにより行う。
例えば、
CheckStatus{“OK” “やり直し” “要再検討” }
とリソースに定義すると、チェック結果の入力は図4(b)に示すようになる。
図4(b)において、最初の空白はセル内容をクリアするための項目であり、これはリソース定義とは無関係に自動的に付加される。
なお、アイテムを折畳んでいるとチェック状況がわかりにくいため、キーワード行のチェック結果のセルに、そのキーワードに属するアイテムのチェック状態を把握できるように集計情報が表示されるようになっている(図5(a)参照)
この集計情報は、OKの数(リソースで定義された最初の項目)とアイテム総数が表示される。また、そのキーワードのチェック結果がすべて同じ値の場合は、その名称と数/アイテム総数が表示される。
さらに、キーワード行のチェック結果のセルで入力を行うと、そのキーワードの各アイテムに同じ値を設定できるようになっている(図5(b)参照)。
これにより、キーワード単位で一度に結果を入力できるので、作業の効率化を計ることができるようになる。ただし、入力できるのは空のセルのみで、既に結果が入力されているセルには入力されない。
【0040】
以下に、上記したプリント基板設計指示支援装置10を構築する具体的な各手段についてそれぞれ説明する。
【0041】
2.回路設計での電子設計指示書作成支援システム
図6には、回路設計での電子設計指示書作成支援システム(以下、単に「電子設計指示書作成支援システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、この電子設計指示書作成支援システムは、設計指示およびキーワードを分割しリストアップしたデータベースである設計指示共通データベース100を備えている。
この電子設計指示書作成支援システムにおいては、現行設計で必要となる設計指示・キーワードを、設計指示およびキーワードを分割しリストアップした設計指示共通データベース100の中から選択し本システムにロードする。
次にロードされたキーワードを元に回路図検索を実行し、該当アイテム(回路部品、配線)を本システムに自動抽出してリストアップする。
次に、リストアップされた設計指示、キーワード、アイテムを、設計指示、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101へ保存する。
なお、自動抽出方法の詳細については、次の「3.回路図からのアイテム自動抽出システム」において詳細に説明する。
【0042】
3.回路図からのアイテム自動抽出システム
図7には、回路図からのアイテム自動抽出システム(以下、単に「アイテム自動抽出システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、回路図CADデータのデータベースたる回路図CADデータベース110とは独立して、設計条件、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101を備えている。
このアイテム自動抽出システムにおいては、外部抽出プログラムを備えていて、複雑な抽出処理が必要な場合はこの外部抽出プログラムに従ってアイテム抽出処理が行われる。
また、図8には、アイテム自動抽出システムにおいて自動抽出処理する際の設計指示書および抽出条件の一例が示されている。
【0043】
4.プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム
図9には、プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム(以下、単に「設計ルールチェック支援システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、この設計ルールチェック支援システムは、設計指示、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101を備えている。
基板設計指示支援装置の画面104上に表示されたキーワードまたはアイテムを選択すると、当該選択した情報に対応するアイテム(回路部品、配線)が、回路設計システムの画面106上に表示された回路図上において色や輝度を変化させて識別可能に表示されるとともに、プリント基板設計CADの画面108上に表示された基板レイアウト図上において色や輝度を変化させて識別可能に表示される。
【0044】
5.クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム
図10には、クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム(以下、単に「アイテム強調表示システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されている。
即ち、プリント基板設計指示支援を効率よく実行するために、回路設計システムや伝送線路解析システムなどと連携してクロスプローブを行うことができる。この機能は、回路設計システムや伝送線路解析システムを通信可能な状態にしておき、クロスプローブを行いたいアイテム、キーワード,または実施情報内のセルを選択した後、アシストメニューの「見る(回路図&基板)」によって実行することができる(図11(a)参照)。
あるいは、セルカーソルがクロスプローブ可能なセル上にある場合は、ショートカットキーによってクロスプローブを実行することも可能である。この時のショートカットキーは、リソースに定義する。例えば、
XprovKey:”Ctrl+S”
と定義した場合は、コントロールキーと「s」キーが同時に押されるとクロスプローブが実行される。リソースに定義されていない場合は、ショートカットキーによるクロスプローブの実行はできない。
クロスプローブの実行は、キーワードまたはアイテムを複数指定して行うことも可能である。ただし、実施情報内のセルが列をまたいで複数選択されている場合は、セルカーソルのある列の選択されたアイテムのみがクロスプローブの対象となる。
また、伝送線路解析システムに対しては、クロスプローブの前後にPython言語ベースのマクロを実行させることもできる。ただし、実行するPython言語ベースのマクロは、アイテムやキーワードに予めプリント基板設計指示支援装置10によってマクロファイルを割り付けておく必要がある。
マクロ実行のルールは、以下のようになっている。
・マクロはキーワードとアイテムのそれぞれに、クロスプローブ前に実行するプリマクロ、クロスプローブ後に実行するポストマクロを割り付けることができる。
・キーワード選択時はキーワードのマクロを実行する。
・アイテム選択時はアイテムのマクロを実行する。アイテムにマクロが割り付けられていない場合で、そのアイテムの属するキーワードにマクロが割り付けられていれば、キーワードのマクロを実行する。
・複数のアイテムが選択されている場合は、セルカーソルの位置を基準に実行するマクロを決定する。
・マクロが割り当てられていない場合は、クロスプローブのみ行う。
また、割り付けたマクロファイルがファイル名のみであった場合は、以下の順に検索され、最初に見つかったファイルが実行される。
1.[%HOME%¥]%red_macros_local%
2.[%HOME%¥]%red_data_local%¥macros
3.%HOME%¥red_data¥macros
4.[%HOME%¥]%red_data%¥macros
ここで、[] で括られた部分は、残りの部分が絶対パスでなかった場合に使用される。例えば、環境変数%red_macros_local%に ”my_data_dir¥macros”と設定されていた場合は、%HOME%が付加される。一方、%red_macros_local%に”d:¥users¥zuken¥my_data_dir¥macros”と設定されていた場合には、%HOME%は付加されない。
ここで、%HOME%¥red_data¥macros下のaaa.pyを実行したい場合は、他の検索対象ディレクトリにはaaa.pyが存在しないようにしておかなければならない。
また、上記検索対象以外のディレクトリにあるマクロを実行するには、マクロファイルをフルパスで指定して割り付けておく必要がある。
ところで、回路設計システムに対するクロスプローブには、モード(追加選択/個別選択)がある(図11(b)参照)。これは、メニューの「通信」→「モード(回路図)」により切り替える。
追加選択モードは、クロスプローブにより、選択アイテムが次々と追加される。個別選択モードでは、クロスプローブにより、前の選択状態はクリアされ、クロスプローブしたアイテムのみが選択状態になる。なお、伝送線路解析システムに対してはこのモード選択は無効で、追加選択のみとなる。
さらに、伝送線路解析システムとの通信において、割り付けられたマクロを実行しないように設定することもできる。これは、メニューの「通信」→「マクロ実行許可」より、前処理・後処理それそれ別々にON/OFFを切り替える(図11(c)参照)。
なお、このクロスプローブ機能を実行するためには、回路設計システム、伝送線路解析システム、プリント基板設計指示支援装置がすべて同じマシン上の同じユーザIDで実行されている必要がある。
【0045】
6.回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム
図12には、回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム(以下、単に「ダンピング抵抗自動抽出システム」と適宜に称する。)の処理を示すフローチャートが示されている。
このダンピング抵抗自動抽出システムにおいては、まず、全回路図データから順番に部品情報を抽出し(ステップS1202、ステップS1214)、それから、回路図上で抵抗部品に該当するものを全て抽出する(ステップS1204)。
次に、抽出された抵抗部品からIBISモデルの属性に直列接続の属性が入っているものを抽出する(ステップS1206)。
さらに、抽出された抵抗部品の全てのピンを検索し、接続されている配線がある場合は、その接続先の部品を検索する(ステップS1208)。
さらに、接続先部品がダンピング抵抗の対象部品であるかを部品の種別から(ICなど)判断する(ステップS1210)。
次に、それぞれの検索対象部品ごとに「ダンピング抵抗名」と「接続先部品名」とを結果として返す(ステップS1212)。この結果は、(1:n)の組み合わせが複数存在することとなる。
【0046】
7.回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システム
図13には、回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システム(以下、単に「バイパスコンデンサ自動抽出システム」と適宜に称する。)の処理の概要を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このバイパスコンデンサ自動抽出システムにおいては、まず、バイパスコンデンサを回路図上に配置する場合は、対象となるICの接続ピンの近くに配置する作図規則により回路図を作成する。
次に、回路図上から部品の種類によりコンデンサを抽出し、この抽出したコンデンサから接続されている配線を検索する。
それから、コンデンサの両端の接続先がそれぞれ電源とグランドに接続されているコンデンサを抽出し、この抽出したコンデンサから電源側に配線がさらにICに繋がっているコンデンサを抽出する。
こうして抽出したICに繋がっているコンデンサが複数のICと接続されている場合は、配線で接続されているそれぞれのピンの距離が最も近いICを抽出する。
上記において抽出されたICに繋がっているコンデンサをバイパスコンデンサとして、ペアになるICとその間を接続する配線名と共にリストに出力する。
【0047】
8.プリント基板設計システム連携型Webシステム
図14にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に蓄積している情報を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図15には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の起動時に装置の画面で表示を行うために、設計システムとして有効なURLや文字情報を、Webサーバから情報を取得するためのIDまたはプリント基板に関する情報(基板スペック、基板種類、製造工程・設計過程で蓄えてきたシミュレーション情報など)からのキーワードや用語、部品名称をもとにWebサーバに問い合わせる。同時に、上記条件に該当する項目を、意図した質の高い適切な内容でWebサーバから返信するために、優先順位/条件設定を設定する。優先順位対象項目としては、「データ日付(最新度)」、「アクセス頻度」、「特定人物のアクセス頻度」、「投稿者名」などであり、条件式は複合条件で絞り込むことが可能である。
次に、Webサーバ内では要求されたIDまたはキーワードを持つコンテツのURLを探し、探したURLをプリント基板設計指示支援装置に、優先順位や条件設定が定義されている場合にはそれに対応して返信する。
次に、プリント基板設計指示支援装置内では返信されたURLや文字情報を受け取り、問い合わせた内容に対応するURLが返された場合は、プリント基板設計指示支援装置のメニューにボタンを表示しURLを保管する。
一方、URLが返されない場合はプリント基板設計指示支援装置のメニューにはボタンを表示せず、URLの保管も行わない。
設計者がこのボタンを押すことにより、Webブラウザの起動と同時にWebブラウザへURLを引き渡す。これによりWebブラウザには必要なコンテンツが表示される。Webサーバから返信された文字情報はプリント基板設計指示支援装置内に保持し、適切な設計場面でメニューまたは設計画面上に表示する。
【0048】
また、図16にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内で計算を行いその結果を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図17には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の中で表示される配線、部品などのアイテムに応じた計算のメニューを表示し、その計算に必要な入力パラメータの入力指示を待つ。
必要なパラメータが入力されることにより、プリント基板設計指示支援装置には用意されていないような一般的・補助的な計算機の入力パラメータをWebサーバに渡して計算を要求する。
次に、Webサーバ内ではプリント基板設計指示支援装置からの計算の種類とパラメータを受け取り、必要な計算をおこなった後、数値または文字列の計算結果をプリント基板設計指示支援装置に返信する。
プリント基板設計指示支援装置内では計算結果を受け取り、計算結果を画面上に表示する。
【0049】
また、図18にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に情報を蓄積するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図19には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の中で投稿用のボタンが用意され、設計者が設計中に他の設計者にも設計に役立つと考えられる情報を発見または気がついたときに、事例や経験の明文化・画面解説・解析情報のためにこの投稿用のボタンを押す。
すると投稿の記事を入力するためのメニューが表示され、設計者が記事を入力すると、入力記事とともに設計中の図番やレイヤーなどの表示中の状態などをWebサーバに送信する。
次に、Webサーバ内では返信された情報を受け取り、この情報を元にコンテンツの分類を決めWebで公開表示するためのコンテンツに変換してWebサーバ内に格納する。公開することで広く一般から回答を得たり、情報交換の「場」を設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、プリント基板の設計作業に用いるものであり、プリント基板設計作業効率の向上ならびにプリント基板設計品質の向上に資することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、さらに詳細には、プリント基板設計作業効率の向上ならびにプリント基板設計品質の向上を図るようにした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路設計段階においてプリント基板を設計するための設計指示を作成するにあたっては、回路設計者が手書きで設計指示書を記載するようになされており、このようにして完成した設計指示書をプリント基板設計者に渡すことによって、回路設計者からプリント基板設計者に設計に必要な指示を伝達するようになされていた。
ここで、設計指示には回路図のどの部分がその指示に該当するかを記述することになるが、その際に、部品や配線の名称(部品位置「リファレンス」、部品品番、ネット名など)などのアイテムを回路設計者が手書きにより設計指示書に書き加えるようになされていた。
しかしながら、こうした設計指示書での伝達運用においては、指示伝達が十分に行われず、また、回路図が変更された場合においては、回路図の変更に合わせて設計指示書に記述した部品や配線の名称を変更する必要があった。
このため、上記した従来の手法においては、設計指示書への書き込みや変更の作業が繁雑となり、また、部品や配線の名称などを書き間違えるなどの恐れもあり、さらには、書面による指示での伝達不備に起因して不具合や品質が劣化するというなどの第1の問題点があった。
【0003】
また、設計されたプリント基板の設計品質については、設計指示自体が設計者に依存しているため、設計者のスキルによる品質のばらつきが存在し、人依存の状況に起因してプリント基板設計品質が劣るという、指示内容が指示設計者に影響されてしまう第2の問題点があった。
【0004】
また、プリント基板の高密度高速回路設計における設計指示書の指示に対するプリント基板設計システムにより設計されたプリント基板に対する確認は、回路設計システムおよびプリント基板設計システムにおけるそれぞれの検索機能を用いて、関連する指示のアイテムを確認、検査し、該当する部分に関して人手で行っていた。
即ち、デジタル化による設計難易度の急激な向上や、製品優位性の短期化あるいは多機能化によるシステム全体の整合性保持の難しさなどという理由や、設計者に依存するという設計品質などの理由から、検図や修正指示に関わる手間は極めて大きく、これを如何に短縮するかが設計のリードタイム短縮の鍵となっていた。
このため、設計されたプリント基板に関する検査、確認ならびに検図、また、その修正指示作成は、作業効率が劣って非常に手間とコストがかかるものになっていたという第3の問題点があった。
【0005】
また、回路図上のアイテム(回路部品、配線など)をその種類や機能毎に1つのグループとして抽出し、基板設計の際における設計指示書への反映や回路図のチェックリストを作成するためにグループ分けをすることは、指示、チェック上必要となっていた。
従来、このグループの抽出を行うにあたっては、各アイテム(部品、配線情報など)ごとに検索処理を行っており、アイテムの項目数や部品数などに比例して抽出作業に多大な時間を要し、また、抽出されたデータはその回路図固有のものであるので他の回路図では再度同じ抽出作業が必要であるという、アイテムに比例した作業量と多くの時間を要するという第4の問題点があった。
【0006】
ところで、電子機器メーカーは、これまでの製品開発によって培ってきたノイズ対策や熱対策などの設計条件、指示を多数持っており、新しい製品を開発する過程においては、プリント基板設計前にこうした設計条件をプリント基板設計者に指示し、プリント基板設計者はこの指示に従ってプリント基板の設計を行っていた。
そして、プリント基板の設計が完了すればプリント基板の試作を行うことになるが、その前に、設計指示がきちんと守られているかの検証作業を行っていた。
ここで、設計指示の中には数値などでは表すことのできないルールもあるため、CADシステムを使った自動チェックを行えない場合もあり、このような部分は目視によってチェックする必要があった。
こうした目視によるチェックは、設計指示書から回路図とプリント基板とのそれぞれの該当箇所を探し出すことからはじめることになるが、この該当箇所の探し出しにはCADシステムの検索機能などが用いられる。そのためには回路設計システムとプリント基板設計システムとをそれぞれ操作する必要があり、また、このようにしてチェックしなければならない項目が製品によっては数百箇所以上ある場合もあるため、チェックに多大な手間と時間を要するという第5の問題点があった。
【0007】
また、従来、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする際に、チェックすべき内容を明確に表示するために、チェック内容を正確に把握した上で手作業にて関連するアイテムの相関関係など考慮して表示させる設定を行っていた。
即ち、チェックすべき内容が明確に表示されていないとチェック内容を誤認識して正確なチェックを行うことができない可能性がある。
これまでは誤認識しないための表示制御を毎回毎回行っている作業は作業者のスキルに依存し、かつ、多大な時間的損失を生むという第6の問題点があった。
【0008】
ところで、ダンピング抵抗と称する反射波の雑音除去目的で信号線に直列に挿入される数十Ω程度の抵抗が知られているが、こうしたダンピング抵抗はバッファ回路の出力やメモリの駆動用ICの出力などによく使用される。
従来、回路図からダンピング抵抗を抽出するに際しては、回路図上から抵抗の属性、接続先情報や接続状況などを目視にて確認して行っていた。即ち、回路図からダンピング抵抗を抽出するためには目視に頼らざるを得ない部分が多く、設計した本人でないと判断するのは困難であった。
そして、プリント基板設計ではダンピング抵抗の配置、配線方法を基板設計指示としてどの抵抗がダンピング抵抗なのかを指示する必要があるが、ダンピング抵抗を抽出する条件が存在しなかったためにダンピング抵抗の抽出には多大な時間を要していた。
つまり、プリント基板設計時やプリント基板チェック時においては、ダンピング抵抗に対する設計指示が必要であるが、ダンピング抵抗自体の抽出のために多大な時間を要していたという第7の問題点があった。
【0009】
また、一般に、回路規模が大きくなればなるほど搭載されるLSIの数は増え、こうしたLSIの増加は、同時にバイパスコンデンサの数の増加に直結することになっていた。
こうしたバイパスコンデンサの数の増加により、例えば、数百にもなるバイパスコンデンサを、CADシステムの画面やレイアウトを紙に作画したものを用いて一つ一つ認識するのは、非常に手間と時間的なコストがかかるという第8の問題点があった。
【0010】
また、バイパスコンデンサとはコンデンサの使用方法(接続先相手)によってもたらされる機能によって分類されるもので、そのコンデンサ単体ではバイパスコンデンサの判断はできない。
回路図からバイパスコンデンサを抽出するためには、回路図上のコンデンサ接続先の情報や接続状況などを目視にて確認していた。即ち、最終的な判断は設計した本人に直接確認するほか方法がなかった。
なお、回路設計時にバイパスコンデンサに属性を入れる方法もあるが、設計時の負担が重くなり実現は困難であった。
即ち、プリント基板設計時やプリント基板チェック時には、バイパスコンデンサに対する設計指示が必要であり、バイパスコンデンサの抽出のため多大な時間を要していたという第9の問題点があった。
【0011】
また、プリント基板の設計をする上で指示を受けても、その指示には、経験や理論などの知識が伴った設計ができないと品質維持できない内容も含まれている。
従来は、必要に応じてプリント基板設計者が指示を理解するために該当する技術情報の書籍、資料を検索、閲覧する必要があり、プリント基板設計者はこの技術情報の検索、閲覧するのに多大な時間を要するという第10の問題点があった。
【0012】
なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記したような従来の技術が有する第1、第2の問題点に鑑みてなされたものであり、その第1、第2の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する設計指示書を作成もしくは自動的に作成することを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0014】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第3の問題点に鑑みてなされたものであり、その第3の目的とするところは、検図を効率的に実施することができるようにしてプリント基板設計作業効率の向上を図り、また、設計品質の平準化を図ることができるようにしてプリント基板設計品質の向上を図り、設計期間の短縮ならびに試作回数の削減など基板製造コストの低減化を図ることを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0015】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第4の問題点に鑑みてなされたものであり、その第4の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、各基板単位で設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する部品と配線との情報を設計指示書として作成する場合に利用することができ、また、設計が完成したプリント基板に対し指示通りに設計されているか否かをチェックするチェックリストの作成に利用することができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0016】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第5の問題点に鑑みてなされたものであり、その第5の目的とするところは電子機器のプリント基板設計において設計指示に基づいて正しく設計されているか否かを検証する際に利用することができプリント基板の設計検証では回路設計システムおよびプリント基板設計システムとの連携により設計ルールが適用される回路部品毎に回路図とプリント基板レイアウト図との両方でチェックすべき箇所を同時に表示させることを可能としチェック時間の短縮と手間の軽減とを図った回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0017】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第6の問題点に鑑みてなされたものであり、その第6の目的とするところは、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、それらアイテムの相関関係などを自動的に表示するようにして、作業者によるチェックすべき内容の誤認識の発生を排除するとともに、作業者のスキルによるバラつきや時間的損失の軽減を図ることを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0018】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第7の問題点に鑑みてなされたものであり、その第7の目的とするところは、電子機器のプリント基板設計において、ダンピング抵抗を配置する際に設計ルールに基づいて正しく配置することを可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0019】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第8、第9の問題点に鑑みてなされたものであり、その第8、第9の目的とするところは、プリント基板のEMC対策としての回路パターンを含めたバイパスコンデンサの検出を可能にした回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【0020】
また、本発明は、上記したような従来の技術が有する第10の問題点に鑑みてなされたものであり、その第10の目的とするところは、指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化が可能となる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、設計ルールが適用される回路部品を選択すれば、回路設計システムとプリント基板設計システムとの連携により、回路図とプリント基板上のチェック対象部分とを同時に表示して、チェック時間の短縮と手間を低減するようにしたものである。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、回路設計者が回路図設計中に与えた設計指示内容を「指示内容」と「対象となる回路部品もしくは配線のキーワード」とに分割したリストから選択する行為のみで、「対象となる回路部品もしくは配線のキーワード」を使用し回路図から対象となるオブジェクトを自動リストアップするようにして、手作業にて設計指示書を作成していた手間および時間を大幅に低減するようにしたものである。
また、上記第3の目的を達成するために、本発明は、プリント基板設計システムを用いて自動的にチェックできない定性的な指示、例えば、できるだけ近くとかできるだけ短くとかというような指示が適用される箇所を自動的に検出して、設計者にその判断を求めることを可能にし、また、これらのルールの背景にある論理情報をそれぞれ記憶し指示に連携表示することにより設計者の経験の差による設計品質のばらつきの平準化を達成するようにしたものである。
また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、種類や機能が同じ項目に対してキーワードを設定し、そのキーワードに対してアイテムを抽出するための抽出条件や別プログラム起動指示を共通マスターとして所定の記憶領域に保持するようにして、回路図で設計指示書やチェックリストを作成する際には、各項目にキーワードのみを割り当てたデータを作成するようにして、個別のアイテムの検索を行う場合には、キーワードに該当する抽出条件を共通マスターから取得して回路図からアイテムを検索するようにしたものであり、これにより再検索を行うとアイテムが最新の状態に更新され、他の回路図にデータをコピーして再検索を行うと設計指示書やチェックリストがその回路での最新のアイテムに更新され流用が可能になるとともに、設計指示書の作成にかかる時間が大幅に削減され、また、回路図で流用されたものなどは項目がほぼ変わらないため更新処理のみで指示書やチェックリストを作成することが可能になる。
また、上記第5、第6の目的を達成するために、本発明は、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、チェックシートからのクロスプローブ時に自動的にチェックすべき内容を明確に表示して、チェック内容を誤認識する可能性を非常に低くするとともに、チェックを行う作業者のスキルに依存しない成果を生むことや同じチェックシートを使用したチェックでは同様の表示状態を作成することができるようにし、さらに時間的な損失を軽減するようにしたものである。
また、上記第7の目的を達成するために、本発明は、回路図からダンピング抵抗を自動抽出するようにして、抽出時間の大幅な短縮を実現するようにしたものである。
また、上記第8、第9の目的を達成するために、本発明は、回路設計者がバイパスコンデンサの適正を判断する必要のない明らかに問題のないものを自動的に判断対象から省くようにして、検図自体の時間短縮、延いては設計期間の短縮を達成するようにしたものである。
また、上記第10の目的を達成するために本発明は、設計指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化を実現するようにしたものである。
【0022】
即ち、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うために、支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路設計者が基板設計者へ渡す設計指示書を電子データで簡便に作成支援するための手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、設計指示情報を自然言語で入力する手段と、前記入力する手段によって入力された設計指示情報を一覧表形式で表示する手段と、前記表示する手段により表示された設計指示情報を選択する手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図を構成する回路部品や配線などのアイテム群の中から、クロックラインなどのキーワードに割り付けられている条件で対象となるアイテムを自動抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、登録した設計指示情報が実際の回路図上の回路部品や配線などのどのアイテムであるのかを通知するために、予め設計指示情報に割り付けているキーワードを介し、自動的に回路図のアイテムに設計指示情報を割り付ける手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図を構成する回路部品や配線などのアイテムを選択する手段と、前記アイテムを選択する手段がアイテムを選択すると、回路設計システムとプリント基板設計システムとを連携し、回路図上とプリント基板図上の両方の画面上に対象アイテムを強調表示する手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、前記アイテムを選択する手段によるアイテムの選択と同時に表示状態を制御する為のプリスクリプトとポストスクリプトとを実行することにより、該当箇所のズームアップなどでチェックすべき箇所をより明確に分かり易く表示する表示制御手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、プリント基板設計者が設計後の結果などを入力することで設計指示どおりに対応したか否かなどを管理する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、プリント基板設計者により入力された設計後の結果に対し、回路設計者が合否などを入力することにより指示に対する承認有無などを管理する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計の修正が必要となった場合に、前記管理する手段における入力するための空の項目を別途追加することで合否判定などの履歴管理をする手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図の中からダンピング抵抗とその対象となるICをダンピング抵抗の部品属性および配線接続情報により抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、前記抽出する手段は、回路図からダンピング抵抗とその対象となるICを自動抽出するようにしたものである。
また、本発明は、回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、回路図の中からバイパスコンデンサとその対象となるICをバイパスコンデンサの配置位置情報および配線接続情報により抽出する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、前記抽出する手段は、バイパスコンデンサとその対象となるICおよび両部品を接続する配線の情報を自動抽出するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバー内に蓄積している情報を提供する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内で計算を行い、その結果を提供する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内の情報を蓄積する手段を有するようにしたものである。
また、本発明は、本発明による回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明による回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明によるWebシステムとしてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
また、本発明は、本発明によるプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、設計ルールに基づいて正しく設計されているか否かを検証する際に利用することができ、プリント基板の設計検証では、回路設計システムおよびプリント基板設計システムとの連携により設計ルールが適用される回路部品毎に回路図とプリント基板レイアウト図との両方でチェックすべき箇所を同時に表示させることが可能になりチェック時間の短縮と手間の軽減とを図ることができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計の際に設計ルールに基づいて正しく基板設計するために参照する設計指示書を自動的に作成することが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、検図を効率的に実施することができるようになってプリント基板設計作業効率の向上を図ることができ、また、設計品質の平準化を図ることができるようになってプリント基板設計品質の向上を図ることができ、設計期間の短縮ならびに試作回数の削減など基板製造コストの低減化を図ることが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、各基板単位で設計ルールに基づいて正しく基板設計する際に参照する部品と配線との情報を設計指示書として作成する場合に利用することができ、また、設計が完成したプリント基板に対し指示通りに設計されているか否かをチェックするチェック表の作成に利用することができる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、高密度多層のプリント基板上のアイテムを目視でチェックする場合に、それらアイテムの相関関係などを自動的に表示するようにして、作業者によるチェックすべき内容の誤認識を避けるとともに、作業者のスキルによるバラつきや時間的損失の軽減を図ることが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、電子機器のプリント基板設計において、ダンピング抵抗を配置する際に設計ルールに基づいて正しく配置することが可能な回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0029】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、プリント基板のEMC対策として回路パターンを含めたバイパスコンデンサの自動チェック機能を備えた回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0030】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、設計指示の内容と技術情報を電子的に関連付けすることにより、プリント基板設計時に適切な技術情報を早く参照、考慮し、経験が無くても理論に基づいた設計をすることができ、設計の短縮化と設計品質の向上、均一化が可能となる回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明によるプリント基板設計指示支援装置、回路設計システムおよびプリント基板設計システムの関連を示す説明図である。
【図2】図2は、プリント基板設計指示支援装置において、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報の各項目を入力するためのセルを示す表示画面である。
【図3】図3(a)は日付入力する際の表示画面であり、図3(b)は氏名入力する際の表示画面であり、図3(c)はリスト選択する際の表示画面である。
【図4】図4(a)は日付と担当者の自動入力の際の表示画面であり、図4(b)はチェック結果の入力の際の表示画面である。
【図5】図5(a)はチェック結果の集計情報を示す際の表示画面であり、図5(b)はキーワード行でのチェック結果の入力の際の表示画面である。
【図6】図6は、電子設計指示書作成支援システムの概念説明図である。
【図7】図7は、アイテム自動抽出システムの概念説明図である。
【図8】図8は、アイテム自動抽出システムにおいて自動抽出処理する際の設計指示書および抽出条件の一例を示す表示画面である。
【図9】図9は、設計ルールチェック支援システムの概念説明図である。
【図10】図10は、アイテム強調表示システムの概念説明図である。
【図11】図11(a)はクロスプローブの実行の際の表示画面であり、図11(b)はクロスプローブのモードを示す表示画面であり、図11(c)はマクロ実行許可を示す表示画面である。
【図12】図12は、ダンピング抵抗自動抽出システムの処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、バイパスコンデンサ自動抽出システムの処理の概要を示すフローチャートである。
【図14】図14は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に蓄積している情報を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図15】図15は、図14に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内で計算を行いその結果を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図17】図17は、図16に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、プリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に情報を蓄積するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図である。
【図19】図19は、図18に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
10 プリント基板設計指示支援装置
12 回路設計システム
14 プリント基板設計システム
100 設計指示共通データベース
101 設計指示専用データベース
104 基板設計指示支援装置の画面
106 回路設計システムの画面
108 プリント基板設計CADの画面
110 回路図CADデータベース
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法、回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置、Webシステム、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0034】
1.全体の構成
本発明による回路設計とプリント基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置(以下、単に「プリント基板設計指示支援装置」と適宜に称する。)10は、後述する各システムの統合システムであるが、図1に示すように、プリント基板設計指示支援装置10により回路設計システム12とプリント基板設計システム14とを連携させ、回路設計システム12とプリント基板設計システム14との間で回路設計に関するルールの共用化を図るようにしたものである。
本発明におけるプリント基板設計指示支援装置10を構築する具体的なシステム、即ち、回路設計システム12とプリント基板設計システム14とを連携させる具体的な手段としては、例えば、回路設計での電子設計指示書作成支援システム、回路図からのアイテム自動抽出システム、プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム、クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム、回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム、回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システムがある。
【0035】
ここで、プリント基板設計指示支援装置10は、以下のような各種の機能を備えているものである。
(1)Excel(登録商標)のような表形式
Excel(登録商標)のような表形式とすることで、設計指示とチェック状態を容易に把握することができる。また、設計指示やアイテムなどはスクロール対象外の固定行となっているので、チェック時に設計指示などが隠れてしまうことがない。また、各項目のセル幅は、自由に変更することができる。
(2)実施情報の入力
設計実施情報とプリント基板設計指示支援実施情報を、プリント基板設計指示支援実施毎に入力することができる。実施情報にはそれぞれ、実施日、担当者、結果などを入力することができる。
(3)クロスプローブ
回路設計システム、プリント基板設計システム、伝送線路解析システムに対してチェック対象の拡大と表示を行うクロスプローブメッセージを送ることができるので、実施結果のチェックを容易に行うことができる。また、送信する情報はアイテム(リファレンス、ネット、フレーム)、または、キーワード単位で行うことができる。また、キーワードやアイテムにPython言語ベースのマクロを割り付けておくことにより、クロスプローブの前後で伝送線路解析システムに対してマクロを実行させることもできる。
(4)検索機能
文字列による検索機能により、目的の項目を素早く見つけることができる。
(5)ドキュメントの関連付け
個々の設計指示やプリント基板設計指示支援実施情報単位にドキュメントを関連付けすることができる。これにより、より詳細な情報を設計者に伝えることができる。また、関連付けされたドキュメントは、特定のディレクトリにアーカイブ(コピー)することができる。また、これらの関連付けされたドキュメントは、Windows(登録商標)上でそのドキュメントに対して関連付けされているツールがあれば、開くことができる。
(6)CSVファイルの入出力
CSVファイルファイルの入出力を行うことができるので、今までExcel(登録商標)で作成していたプリント基板設計指示支援情報を移行することができる。
(7)データベースの暗号化
データベースを暗号化することにより、データベースに蓄積された情報が外部に洩れるのを防止することができる。データベースに蓄積された情報は、実行時のオプションによって管理者モードで起動した時のみ表示されるようになっている。
【0036】
そして、このプリント基板設計指示支援装置10においては、図2に示すように、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報の各項目を入力するためのセルが追加される。なお、設計実施情報(基板設計側)とプリント基板設計指示支援実施情報とは、以下の通りである。
a.設計実施情報(基板設計側)
設計実施情報は、設計指示通りに基板設計を行ったかどうかの情報を入力する。この情報には、実施日、担当者、プリント基板設計指示支援前(実施結果)、プリント基板設計指示支援前コメントの4項目があり、アイテム毎に入力すことができるようになっている。
b.プリント基板設計指示支援実施情報
プリント基板設計指示支援実施情報は、プリント基板設計指示支援のチェック結果情報を入力する。この情報には、チェックの実施日、担当者、結果情報、コメントおよび関連ファイルの5つの項目があり、アイテム毎に入力することができるようになっている。
【0037】
次に、各セルの編集方法について説明すると、実施情報の各項目は、入力する情報のタイプに応じて入力方法が異なる。以下に、情報のタイプに応じた入力方法を示す。
a.日付入力(図3(a)参照)
実施日、チェック日の入力がこれに当たる。これらのセルにフォーカスがある時、「・・・」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。すると日付入力ダイアログが表示されるので、このダイアログで日付を指定し「OK」ボタンをクリックする。
b.氏名入力(図3(b)参照)
担当者の入力がこれに当たる。担当者のセルをダブルクリックするとセル編集可能な状態になる。この状態で氏名を入力する。
また、一度入力した氏名は入力時にリスト表示されるので、このリストから選択して入力することもできる(保存される氏名は5名分であり、設計実施情報とプリント基板設計指示支援実施情報とで共通である)。
c.リスト選択(図3(c)、図4(a)参照)
設計実施情報のプリント基板設計指示支援前、プリント基板設計指示支援実施情報のチェック結果がこれに当たる。これらのセルにフォーカスがある時、「▼」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。すると図3(c)のように設定可能な項目がリスト表示されるので、適当な項目を選択する。
なお、プリント基板設計指示支援前やチェック結果を入力した時、日付や担当者が未入力であった場合には、日付と担当者は自動的に入力され、この時、担当者にはログイン名が使用される(図4(a)参照)。
d.テキスト入力
設計実施情報のプリント基板設計指示支援前コメントおよびプリント基板設計指示支援実施情報のコメントがこれに当たる。これらのセルをダブルクリックするとセル編集可能な状態になるので、適当な文字列を入力する。
e.ファイル名入力
関連ファイルがこれに当たる。関連ファイルのセルにフォーカスがある時、「...」ボタンが表示されるのでこれをクリックする。するとファイル選択ダイアログが表示されるので、関連付けるファイルを選択する。ここで選択したファイルはファイル名だけが表示されるが、内部的には関連ファイルの格納ディレクトリをフルパスで保持している。
【0038】
なお、全ての項目でダブルクリック以外に、アシストメニューの「変更」によっても項目の入力開始動作を起こすことが可能になっている。また、複数セルを選択してのコピー&貼り付けによる入力も可能である。ここで、日付を入力するセルに文字列を貼り付けたり、OK/NGしか入らないセルにこれら以外の文字列を貼り付けてもエラーとなり、入力は受け付けられない。
セル内容をクリアするには、クリアしたいセルにカーソルを移動し[DEL]キーを押す。セルが複数選択されている場合には、セルカーソルのある列の選択セルのみクリアされる。
【0039】
次に、チェック結果の入力について説明すると、チェック結果はOK/NG以外に設定することも可能になっており、チェック結果の値の定義はリソースにより行う。
例えば、
CheckStatus{“OK” “やり直し” “要再検討” }
とリソースに定義すると、チェック結果の入力は図4(b)に示すようになる。
図4(b)において、最初の空白はセル内容をクリアするための項目であり、これはリソース定義とは無関係に自動的に付加される。
なお、アイテムを折畳んでいるとチェック状況がわかりにくいため、キーワード行のチェック結果のセルに、そのキーワードに属するアイテムのチェック状態を把握できるように集計情報が表示されるようになっている(図5(a)参照)
この集計情報は、OKの数(リソースで定義された最初の項目)とアイテム総数が表示される。また、そのキーワードのチェック結果がすべて同じ値の場合は、その名称と数/アイテム総数が表示される。
さらに、キーワード行のチェック結果のセルで入力を行うと、そのキーワードの各アイテムに同じ値を設定できるようになっている(図5(b)参照)。
これにより、キーワード単位で一度に結果を入力できるので、作業の効率化を計ることができるようになる。ただし、入力できるのは空のセルのみで、既に結果が入力されているセルには入力されない。
【0040】
以下に、上記したプリント基板設計指示支援装置10を構築する具体的な各手段についてそれぞれ説明する。
【0041】
2.回路設計での電子設計指示書作成支援システム
図6には、回路設計での電子設計指示書作成支援システム(以下、単に「電子設計指示書作成支援システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、この電子設計指示書作成支援システムは、設計指示およびキーワードを分割しリストアップしたデータベースである設計指示共通データベース100を備えている。
この電子設計指示書作成支援システムにおいては、現行設計で必要となる設計指示・キーワードを、設計指示およびキーワードを分割しリストアップした設計指示共通データベース100の中から選択し本システムにロードする。
次にロードされたキーワードを元に回路図検索を実行し、該当アイテム(回路部品、配線)を本システムに自動抽出してリストアップする。
次に、リストアップされた設計指示、キーワード、アイテムを、設計指示、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101へ保存する。
なお、自動抽出方法の詳細については、次の「3.回路図からのアイテム自動抽出システム」において詳細に説明する。
【0042】
3.回路図からのアイテム自動抽出システム
図7には、回路図からのアイテム自動抽出システム(以下、単に「アイテム自動抽出システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、回路図CADデータのデータベースたる回路図CADデータベース110とは独立して、設計条件、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101を備えている。
このアイテム自動抽出システムにおいては、外部抽出プログラムを備えていて、複雑な抽出処理が必要な場合はこの外部抽出プログラムに従ってアイテム抽出処理が行われる。
また、図8には、アイテム自動抽出システムにおいて自動抽出処理する際の設計指示書および抽出条件の一例が示されている。
【0043】
4.プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム
図9には、プリント基板設計における設計ルールチェック支援システム(以下、単に「設計ルールチェック支援システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されており、この設計ルールチェック支援システムは、設計指示、キーワード、アイテム(回路部品、配線)を分割しリストアップしたデータベースである設計指示専用データベース101を備えている。
基板設計指示支援装置の画面104上に表示されたキーワードまたはアイテムを選択すると、当該選択した情報に対応するアイテム(回路部品、配線)が、回路設計システムの画面106上に表示された回路図上において色や輝度を変化させて識別可能に表示されるとともに、プリント基板設計CADの画面108上に表示された基板レイアウト図上において色や輝度を変化させて識別可能に表示される。
【0044】
5.クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム
図10には、クロスプローブ時におけるアイテム強調表示システム(以下、単に「アイテム強調表示システム」と適宜に称する。)の概念説明図が示されている。
即ち、プリント基板設計指示支援を効率よく実行するために、回路設計システムや伝送線路解析システムなどと連携してクロスプローブを行うことができる。この機能は、回路設計システムや伝送線路解析システムを通信可能な状態にしておき、クロスプローブを行いたいアイテム、キーワード,または実施情報内のセルを選択した後、アシストメニューの「見る(回路図&基板)」によって実行することができる(図11(a)参照)。
あるいは、セルカーソルがクロスプローブ可能なセル上にある場合は、ショートカットキーによってクロスプローブを実行することも可能である。この時のショートカットキーは、リソースに定義する。例えば、
XprovKey:”Ctrl+S”
と定義した場合は、コントロールキーと「s」キーが同時に押されるとクロスプローブが実行される。リソースに定義されていない場合は、ショートカットキーによるクロスプローブの実行はできない。
クロスプローブの実行は、キーワードまたはアイテムを複数指定して行うことも可能である。ただし、実施情報内のセルが列をまたいで複数選択されている場合は、セルカーソルのある列の選択されたアイテムのみがクロスプローブの対象となる。
また、伝送線路解析システムに対しては、クロスプローブの前後にPython言語ベースのマクロを実行させることもできる。ただし、実行するPython言語ベースのマクロは、アイテムやキーワードに予めプリント基板設計指示支援装置10によってマクロファイルを割り付けておく必要がある。
マクロ実行のルールは、以下のようになっている。
・マクロはキーワードとアイテムのそれぞれに、クロスプローブ前に実行するプリマクロ、クロスプローブ後に実行するポストマクロを割り付けることができる。
・キーワード選択時はキーワードのマクロを実行する。
・アイテム選択時はアイテムのマクロを実行する。アイテムにマクロが割り付けられていない場合で、そのアイテムの属するキーワードにマクロが割り付けられていれば、キーワードのマクロを実行する。
・複数のアイテムが選択されている場合は、セルカーソルの位置を基準に実行するマクロを決定する。
・マクロが割り当てられていない場合は、クロスプローブのみ行う。
また、割り付けたマクロファイルがファイル名のみであった場合は、以下の順に検索され、最初に見つかったファイルが実行される。
1.[%HOME%¥]%red_macros_local%
2.[%HOME%¥]%red_data_local%¥macros
3.%HOME%¥red_data¥macros
4.[%HOME%¥]%red_data%¥macros
ここで、[] で括られた部分は、残りの部分が絶対パスでなかった場合に使用される。例えば、環境変数%red_macros_local%に ”my_data_dir¥macros”と設定されていた場合は、%HOME%が付加される。一方、%red_macros_local%に”d:¥users¥zuken¥my_data_dir¥macros”と設定されていた場合には、%HOME%は付加されない。
ここで、%HOME%¥red_data¥macros下のaaa.pyを実行したい場合は、他の検索対象ディレクトリにはaaa.pyが存在しないようにしておかなければならない。
また、上記検索対象以外のディレクトリにあるマクロを実行するには、マクロファイルをフルパスで指定して割り付けておく必要がある。
ところで、回路設計システムに対するクロスプローブには、モード(追加選択/個別選択)がある(図11(b)参照)。これは、メニューの「通信」→「モード(回路図)」により切り替える。
追加選択モードは、クロスプローブにより、選択アイテムが次々と追加される。個別選択モードでは、クロスプローブにより、前の選択状態はクリアされ、クロスプローブしたアイテムのみが選択状態になる。なお、伝送線路解析システムに対してはこのモード選択は無効で、追加選択のみとなる。
さらに、伝送線路解析システムとの通信において、割り付けられたマクロを実行しないように設定することもできる。これは、メニューの「通信」→「マクロ実行許可」より、前処理・後処理それそれ別々にON/OFFを切り替える(図11(c)参照)。
なお、このクロスプローブ機能を実行するためには、回路設計システム、伝送線路解析システム、プリント基板設計指示支援装置がすべて同じマシン上の同じユーザIDで実行されている必要がある。
【0045】
6.回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム
図12には、回路図からのダンピング抵抗自動抽出システム(以下、単に「ダンピング抵抗自動抽出システム」と適宜に称する。)の処理を示すフローチャートが示されている。
このダンピング抵抗自動抽出システムにおいては、まず、全回路図データから順番に部品情報を抽出し(ステップS1202、ステップS1214)、それから、回路図上で抵抗部品に該当するものを全て抽出する(ステップS1204)。
次に、抽出された抵抗部品からIBISモデルの属性に直列接続の属性が入っているものを抽出する(ステップS1206)。
さらに、抽出された抵抗部品の全てのピンを検索し、接続されている配線がある場合は、その接続先の部品を検索する(ステップS1208)。
さらに、接続先部品がダンピング抵抗の対象部品であるかを部品の種別から(ICなど)判断する(ステップS1210)。
次に、それぞれの検索対象部品ごとに「ダンピング抵抗名」と「接続先部品名」とを結果として返す(ステップS1212)。この結果は、(1:n)の組み合わせが複数存在することとなる。
【0046】
7.回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システム
図13には、回路図からのバイパスコンデンサ自動抽出システム(以下、単に「バイパスコンデンサ自動抽出システム」と適宜に称する。)の処理の概要を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このバイパスコンデンサ自動抽出システムにおいては、まず、バイパスコンデンサを回路図上に配置する場合は、対象となるICの接続ピンの近くに配置する作図規則により回路図を作成する。
次に、回路図上から部品の種類によりコンデンサを抽出し、この抽出したコンデンサから接続されている配線を検索する。
それから、コンデンサの両端の接続先がそれぞれ電源とグランドに接続されているコンデンサを抽出し、この抽出したコンデンサから電源側に配線がさらにICに繋がっているコンデンサを抽出する。
こうして抽出したICに繋がっているコンデンサが複数のICと接続されている場合は、配線で接続されているそれぞれのピンの距離が最も近いICを抽出する。
上記において抽出されたICに繋がっているコンデンサをバイパスコンデンサとして、ペアになるICとその間を接続する配線名と共にリストに出力する。
【0047】
8.プリント基板設計システム連携型Webシステム
図14にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に蓄積している情報を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図15には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の起動時に装置の画面で表示を行うために、設計システムとして有効なURLや文字情報を、Webサーバから情報を取得するためのIDまたはプリント基板に関する情報(基板スペック、基板種類、製造工程・設計過程で蓄えてきたシミュレーション情報など)からのキーワードや用語、部品名称をもとにWebサーバに問い合わせる。同時に、上記条件に該当する項目を、意図した質の高い適切な内容でWebサーバから返信するために、優先順位/条件設定を設定する。優先順位対象項目としては、「データ日付(最新度)」、「アクセス頻度」、「特定人物のアクセス頻度」、「投稿者名」などであり、条件式は複合条件で絞り込むことが可能である。
次に、Webサーバ内では要求されたIDまたはキーワードを持つコンテツのURLを探し、探したURLをプリント基板設計指示支援装置に、優先順位や条件設定が定義されている場合にはそれに対応して返信する。
次に、プリント基板設計指示支援装置内では返信されたURLや文字情報を受け取り、問い合わせた内容に対応するURLが返された場合は、プリント基板設計指示支援装置のメニューにボタンを表示しURLを保管する。
一方、URLが返されない場合はプリント基板設計指示支援装置のメニューにはボタンを表示せず、URLの保管も行わない。
設計者がこのボタンを押すことにより、Webブラウザの起動と同時にWebブラウザへURLを引き渡す。これによりWebブラウザには必要なコンテンツが表示される。Webサーバから返信された文字情報はプリント基板設計指示支援装置内に保持し、適切な設計場面でメニューまたは設計画面上に表示する。
【0048】
また、図16にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内で計算を行いその結果を提供するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図17には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の中で表示される配線、部品などのアイテムに応じた計算のメニューを表示し、その計算に必要な入力パラメータの入力指示を待つ。
必要なパラメータが入力されることにより、プリント基板設計指示支援装置には用意されていないような一般的・補助的な計算機の入力パラメータをWebサーバに渡して計算を要求する。
次に、Webサーバ内ではプリント基板設計指示支援装置からの計算の種類とパラメータを受け取り、必要な計算をおこなった後、数値または文字列の計算結果をプリント基板設計指示支援装置に返信する。
プリント基板設計指示支援装置内では計算結果を受け取り、計算結果を画面上に表示する。
【0049】
また、図18にはプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバ内に情報を蓄積するプリント基板設計システム連携型Webシステムの概念図が示されており、また、図19には上記概念図に示すプリント基板設計システム連携型Webシステムの処理を示すフローチャートが示されている。
このフローチャートを参照しながら説明すると、このプリント基板設計システム連携型Webシステムにおいては、まず、プリント基板設計指示支援装置の中で投稿用のボタンが用意され、設計者が設計中に他の設計者にも設計に役立つと考えられる情報を発見または気がついたときに、事例や経験の明文化・画面解説・解析情報のためにこの投稿用のボタンを押す。
すると投稿の記事を入力するためのメニューが表示され、設計者が記事を入力すると、入力記事とともに設計中の図番やレイヤーなどの表示中の状態などをWebサーバに送信する。
次に、Webサーバ内では返信された情報を受け取り、この情報を元にコンテンツの分類を決めWebで公開表示するためのコンテンツに変換してWebサーバ内に格納する。公開することで広く一般から回答を得たり、情報交換の「場」を設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、プリント基板の設計作業に用いるものであり、プリント基板設計作業効率の向上ならびにプリント基板設計品質の向上に資することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うために、
支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法。
【請求項2】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項3】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路設計者が基板設計者へ渡す設計指示書を電子データで簡便に作成支援するための手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項4】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
設計指示情報を自然言語で入力する手段と、
前記入力する手段によって入力された設計指示情報を一覧表形式で表示する手段と、
前記表示する手段により表示された設計指示情報を選択する手段と
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項5】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図を構成する回路部品や配線などのアイテム群の中から、クロックラインなどのキーワードに割り付けられている条件で対象となるアイテムを自動抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項6】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
登録した設計指示情報が実際の回路図上の回路部品や配線などのどのアイテムであるのかを通知するために、予め設計指示情報に割り付けているキーワードを介し、自動的に回路図のアイテムに設計指示情報を割り付ける手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項7】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図を構成する回路部品や配線などのアイテムを選択する手段と、
前記アイテムを選択する手段がアイテムを選択すると、回路設計システムとプリント基板設計システムとを連携し、回路図上とプリント基板図上の両方の画面上に対象アイテムを強調表示する手段と
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項8】
請求項6に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記アイテムを選択する手段によるアイテムの選択と同時に表示状態を制御する為のプリスクリプトとポストスクリプトとを実行することにより、該当箇所のズームアップなどでチェックすべき箇所をより明確に分かり易く表示する表示制御手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項9】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
プリント基板設計者が設計後の結果などを入力することで設計指示どおりに対応したか否かなどを管理する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項10】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
プリント基板設計者により入力された設計後の結果に対し、回路設計者が合否などを入力することにより指示に対する承認有無などを管理する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10のいずれか1項に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
プリント基板設計の修正が必要となった場合に、前記管理する手段における入力するための空の項目を別途追加することで合否判定などの履歴管理をする手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項12】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図の中からダンピング抵抗とその対象となるICをダンピング抵抗の部品属性および配線接続情報により抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項13】
請求項12に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記抽出する手段は、回路図からダンピング抵抗とその対象となるICを自動抽出する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項14】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図の中からバイパスコンデンサとその対象となるICをバイパスコンデンサの配置位置情報および配線接続情報により抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項15】
請求項14に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記抽出する手段は、バイパスコンデンサとその対象となるICおよび両部品を接続する配線の情報を自動抽出する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項16】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバー内に蓄積している情報を提供する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項17】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内で計算を行い、その結果を提供する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項18】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内の情報を蓄積する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
請求項2乃至15のいずれか1項に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項16乃至18のいずれか1項に記載のWebシステムとしてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うために、
支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法。
【請求項2】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
支援、指示の内容を理解するための技術情報の提供を支援する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項3】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路設計者が基板設計者へ渡す設計指示書を電子データで簡便に作成支援するための手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項4】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
設計指示情報を自然言語で入力する手段と、
前記入力する手段によって入力された設計指示情報を一覧表形式で表示する手段と、
前記表示する手段により表示された設計指示情報を選択する手段と
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項5】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図を構成する回路部品や配線などのアイテム群の中から、クロックラインなどのキーワードに割り付けられている条件で対象となるアイテムを自動抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項6】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
登録した設計指示情報が実際の回路図上の回路部品や配線などのどのアイテムであるのかを通知するために、予め設計指示情報に割り付けているキーワードを介し、自動的に回路図のアイテムに設計指示情報を割り付ける手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項7】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図を構成する回路部品や配線などのアイテムを選択する手段と、
前記アイテムを選択する手段がアイテムを選択すると、回路設計システムとプリント基板設計システムとを連携し、回路図上とプリント基板図上の両方の画面上に対象アイテムを強調表示する手段と
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項8】
請求項6に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記アイテムを選択する手段によるアイテムの選択と同時に表示状態を制御する為のプリスクリプトとポストスクリプトとを実行することにより、該当箇所のズームアップなどでチェックすべき箇所をより明確に分かり易く表示する表示制御手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項9】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
プリント基板設計者が設計後の結果などを入力することで設計指示どおりに対応したか否かなどを管理する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項10】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
プリント基板設計者により入力された設計後の結果に対し、回路設計者が合否などを入力することにより指示に対する承認有無などを管理する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10のいずれか1項に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
プリント基板設計の修正が必要となった場合に、前記管理する手段における入力するための空の項目を別途追加することで合否判定などの履歴管理をする手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項12】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図の中からダンピング抵抗とその対象となるICをダンピング抵抗の部品属性および配線接続情報により抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項13】
請求項12に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記抽出する手段は、回路図からダンピング抵抗とその対象となるICを自動抽出する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項14】
回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置であって、
回路図の中からバイパスコンデンサとその対象となるICをバイパスコンデンサの配置位置情報および配線接続情報により抽出する手段
を有することを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項15】
請求項14に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置において、
前記抽出する手段は、バイパスコンデンサとその対象となるICおよび両部品を接続する配線の情報を自動抽出する
ことを特徴とする回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置。
【請求項16】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じてWebサーバー内に蓄積している情報を提供する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項17】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内で計算を行い、その結果を提供する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項18】
プリント基板設計システムまたは回路設計者と基板設計者間で行われる設計指示の作成支援、伝達、指示の確認を確実に行うための回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置からの要求に応じて、Webサーバー内の情報を蓄積する手段
を有することを特徴とするWebシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
請求項2乃至15のいずれか1項に記載の回路設計と基板設計間におけるプリント基板設計指示支援装置としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項16乃至18のいずれか1項に記載のWebシステムとしてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際公開番号】WO2005/038675
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【発行日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514754(P2005−514754)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015045
【国際出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(390015587)株式会社図研 (17)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【発行日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/015045
【国際出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(390015587)株式会社図研 (17)
【Fターム(参考)】
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