プリント配線板
【課題】 放熱性に優れたプリント配線板を提供すること。
【解決手段】 接続端子6を接合するためのパッド5と,表面に該パッド5を設けた絶縁基板7とを有するプリント配線板8において,上記絶縁基板7の表面は,上記パッド5の外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層2により被覆されていること,或いは上記絶縁基板7の表面は,上記パッド5の外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していること。上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることが好ましい。
【解決手段】 接続端子6を接合するためのパッド5と,表面に該パッド5を設けた絶縁基板7とを有するプリント配線板8において,上記絶縁基板7の表面は,上記パッド5の外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層2により被覆されていること,或いは上記絶縁基板7の表面は,上記パッド5の外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していること。上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,半田ボール等を設置するバンプまたはボールパッド等を設けたプリント配線板に関する。
【0002】
【従来技術】従来,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有するプリント配線板が知られている。
【0003】そして,上記プリント配線板の表面にバンプまたはボールパッドを設け,該バンプまたはボールパッドに配置した半田ボールを介して電子部品,他のプリント配線板等を接続することが一般的に行われている。なお,このバンプまたはボールパッドは上記表面絶縁層を部分的に除去し,該表面絶縁層の下部に存在する導体回路を露出させることにより作製する。
【0004】
【解決しようとする課題】ところで,プリント配線板は,近年,電子部品の発熱量が多くなる傾向に対応して,空冷,放熱用の半田ボールの接合,サーマルビアホールの形成などの放熱手段が施されている。しかしながら,上記従来のプリント配線板では,依然として放熱性の改良が不十分であった。
【0005】本発明は,かかる問題点に鑑み,放熱性に優れたプリント配線板を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】第1の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板である。
【0007】第1の発明の作用及び効果について説明する。第1の発明において,ソルダーレジスト層は,黒色であるため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,表面から大気中に放散する。それ故,ソルダーレジスト層から大気中への熱の移動速度が加速する。従って,黒色のソルダーレジスト層によれば,電子部品から発する熱を,大気中に速やかに放出することができる。
【0008】また,ソルダーレジスト層は,接続端子を接合するためのパッドの外周縁を被覆している。接続端子は,プリント配線板と他の部材との電気の授受を行うための端子である。そのため,ソルダーレジスト層に吸収された熱は,上記接続端子に効率よく伝達されて,接続端子と接続している他の部材を介して,効率よく放熱することができる。
【0009】上記パッドは,その外周縁がソルダーレジスト層により被覆されており,該外周縁よりも中心部分はソルダーレジスト層により被覆されていない。ここに,上記パッドの外周縁とは,パッドの形状を表す輪郭線から中心方向に向けて一定の幅を有する部分である。上記のパッドの外周縁の幅は,0.02〜0.2mmであることが好ましい。0.02mm未満の場合には,ソルダーレジスト層に吸収された熱が接続端子に効率良く伝達されないおそれがある。また,0.2mmを超える場合には,ソルダーレジスト層が,パッドに接続端子を接続する際に障害になるおそれがある。
【0010】ソルダーレジスト層は,例えば,上記パッドにおける中心部分に開口穴を有する。開口穴は,例えば,絶縁基板の全面にソルダーレジスト層を形成し,その後開口穴形成部分を炭酸ガスレーザー,YAGレーザー,又はエキシマレーザー等を照射してソルダーレジスト層を焼失させることにより,形成することができる。
【0011】上記ソルダーレジスト層の開口穴から露出したパッドの中心部分には,他の部材との電気の授受を行うための接続端子が接続されている。上記接続端子は,例えば,半田ボール,半田バンプ等を用いることができる。接続端子が接続する他の部材は,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード等である。上記パッドは,例えば,導体回路,スルーホール等の導電部材と接続することができるが,これらと非接続状態とすることもできる。
【0012】上記絶縁基板は,例えば,合成樹脂単体,合成樹脂及び無機フィラー又は無機クロスからなる複合樹脂材等を用いることができる。絶縁基板は,その表面又は内部に導体回路,スルーホール等を設けることができる。また,絶縁基板には,電子部品を搭載するための搭載部を設けることができる。
【0013】上記ソルダーレジスト層は,黒鉛,酸化鉄,又は二酸化マンガンからなる無機フィラーを含有していることが好ましい。これにより,熱移動速度の速いソルダーレジスト層を形成することができる。特に,酸化鉄は,熱伝導性が高く,黒色になりやすい。
【0014】上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層を黒色にするための無機フィラーの添加量を少なくすることができる。無機フィラーの形状は,粒子のほか,針状,ウィスカーでもよい。
【0015】上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10容積%以上含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の色を確実に黒色にすることができる。無機フィラーが導電性である場合は,ソルダーレジスト層の絶縁性を確保するため,無機フィラーは,ソルダーレジスト層の中に70容積%以下含有していることが好ましい。
【0016】上記ソルダーレジスト層の光吸収率は,60%以上であることが好ましい。これにより,熱の吸収効率が更に向上し,ソルダーレジスト層の放熱性が更に高くなる。
【0017】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。
【0018】上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面はソルダーレジスト層により被覆されていることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層は,搭載部に搭載した電子部品から発する熱を直接吸収することができ,ソルダーレジスト層の熱吸収効率を更に高めることができる。
【0019】次に,第2の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板である。
【0020】第2の発明の作用及び効果について説明する。第2の発明において,ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有しているため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,遠赤外線を発生し,熱を大気中に速やかに放出する。遠赤外線の発生量は,電子部品の発熱量が大きいほど多くなり,効率よく熱が放出される。
【0021】また,ソルダーレジスト層は酸化チタニウムを含むことによって白色となる。白色のソルダーレジスト層は吸収した熱をその表面から迅速に放出するため,放熱性に優れている。以上のようなソルダーレジスト層の放熱作用は,結果的に電子部品の表面温度を下げ,電子部品を正常に作動させる。
【0022】また,上記ソルダーレジスト層は,接続端子を接合するためのパッドの外周縁を被覆している。接続端子は,プリント配線板と他の部材との電気の授受を行うための端子である。そのため,上記ソルダーレジスト層に吸収された熱は,上記接続端子に効率よく伝達されて,接続端子と接続している他の部材を介して,効率よく放出される。従って,第2の発明のプリント配線板は,優れた放熱性を発揮することができる。
【0023】上記パッドは,その外周縁が上記ソルダーレジスト層により被覆されており,該外周縁よりも内部の中心部分は上記ソルダーレジスト層により被覆されていない。ここに,上記パッドの外周縁とは,パッドの形状を表す輪郭線から中心方向に向けて一定の幅を有する部分である。上記ソルダーレジスト層により被覆されているパッドの外周縁の幅は,0.010〜0.15mmであることが好ましい。0.010mm未満の場合には,ソルダーレジスト層に吸収された熱が接続端子に効率良く伝達されないおそれがある。また,0.15mmを超える場合には,ソルダーレジスト層が,パッドに接続端子を接続する際に障害になるおそれがある。
【0024】白色のソルダーレジスト層は,例えば,上記パッドにおける中心部分に開口穴を有する。開口穴は,例えば,絶縁基板の全面に上記ソルダーレジスト層を形成し,その後開口穴形成部分に炭酸ガスレーザー,YAGレーザー,又はエキシマレーザー等を照射して上記ソルダーレジスト層を焼失させることにより,形成することができる。また,スクリーン印刷により,開口穴を有するソルダーレジスト層を形成することもできる。
【0025】上記ソルダーレジスト層の開口穴から露出したパッドの中心部分には,他の部材との電気の授受を行うための接続端子が接続されている。上記接続端子は,例えば,半田ボール,半田バンプ,導電性樹脂等を用いることができる。接続端子が接続する他の部材は,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード等である。上記パッドは,例えば,導体回路,スルーホール等の導電部材と接続することができるが,これらと非接続状態とすることもできる。
【0026】上記絶縁基板は,例えば,合成樹脂単体,合成樹脂及び無機フィラー又は無機クロスからなる複合樹脂材等を用いることができる。絶縁基板は,その表面又は内部に導体回路,スルーホール等を設けることができる。また,絶縁基板には,電子部品を搭載するための搭載部を設けることができる。
【0027】上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果を更に向上させることができる。また,粉末状の無機フィラーの平均粒径は0.05μm以上であることが好ましい。微細粒子であればある程遠赤外等の放熱の効率が良好であるからである。
【0028】無機フィラーの形状は,粒子のほか,針状若しくはウィスカー,又はそれらの混合物でもよい。また,無機フィラーの材質としては,酸化チタニウムのほかに,例えばZrO2(酸化ジルコニウム),Fe2O3(酸化鉄),Y2O3(酸化イットリウム)などを含むことがある。
【0029】上記ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを10〜80重量%含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果が更に向上する。一方,10重量%未満の場合には,ソルダーレジスト層の放熱効果が低下するおそれがある。また,80重量%を超える場合には,絶縁被覆としての密着強度が低下するおそれがある。
【0030】上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果を更に高めることができる。なお,その上限はソルダーレジスト膜の密着性の点より,80重量%であることが好ましい。
【0031】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。
【0032】上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面は白色のソルダーレジスト層により被覆されていることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層は,搭載部に搭載した電子部品から発する熱を直接吸収することができ,ソルダーレジスト層の熱吸収効率を更に高めることができる。
【0033】次に,第3の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,緑色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板である。
【0034】第3の発明において,緑色のソルダーレジスト層は,熱放散性が高い。そのため,絶縁基板が緑色のソルダーレジスト層により被覆されることにより,絶縁基板に蓄積された熱を効率よく外部に放散させることができる。また,外部との電気の授受を行う接続端子を接合するためのパッドは,比較的熱が蓄積されやすい部分である。そのため,パッドの外周縁をも緑色のソルダーレジスト層により被覆することにより,パッドの外周縁の熱を効率よく放散させることができる。
【0035】緑色のソルダーレジスト層は,放熱性の点から,特にアルミナ,シリカゲル等の無機フィラーを含むことが好ましい。また,その材料は,ソルダーレジスト層の中に10〜80重量%含まれていることが好ましい。ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。また,第3の発明においても,第1,第2の発明と同様に,緑色のソルダーレジスト層は搭載部表面を被覆していることが好ましい。
【0036】なお,参考発明として,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有してなり,かつ上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有しており,また上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面よりも同じ高さかまたは低く,かつ上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,また該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触しているプリント配線板がある。
【0037】上記凹部及び上記露出導体部は,いわゆるバンプまたはボールパッド等として使用することができる。即ち,上記露出導体部には半田ボール等を配置し,この半田ボールを介して他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を上記導体回路に対する導通を確保しつつ接続することができる。
【0038】なお,上記実装部品としては,フリップチップ,BGA(ボールグリッドアレイ),チップスケールパッケージ,チップサイズパッケージ,あるいはTCP(テープキャリアパッケージ),リードレスチップキャリア等の電子部品のパッドあるいはそれらを実装するプリント配線板が挙げられる。
【0039】上記参考発明の作用につき,以下に説明する。参考発明にかかるプリント配線板においては,上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有している。また,上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面と同じ高さまたは低く,上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,かつ該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触している。
【0040】これにより,上記導体回路の側面は上記表面絶縁層が覆うこととなり,該側面の露出量を減らすことができる。よって,上記導体回路と上記絶縁基板との接着強度を高めることができる。更に,両者の接着強度が高いことから上記導体回路の絶縁基板からの剥がれを防止することができる。
【0041】また,上記露出導体部に半田ボールを配置した場合,該半田ボールは上記表面絶縁層によって弾かれ,つぶれ難くなる。即ち,上記導体回路の側面に対し半田ボールはよく密着する。よって,半田ボールを構成する半田はこの側面を覆うように容易に移動し,この移動分だけ露出導体部の表面に残る半田の量は減少してしまう。しかし,第1の発明のプリント配線板は導体回路の側面の露出量が少ないことから,多くの半田が露出導体部の上に留まることができる。
【0042】このため,半田ボールを用いて他の電子部品,プリント配線板等の実装部品を接合する際にこれらの実装部品と露出導体部との距離を維持することができる。このため,上記実装部品と露出導体部(導体回路)との接続信頼性を高めることができる。
【0043】以上のように,参考発明によれば,導体回路と絶縁基板との接着強度が高く,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を接続する場合,両者の間に高い接続信頼性を得ることができるプリント配線板を提供することができる。
【0044】なお,参考発明において得られたプリント配線板は,接続信頼性を高く要求される,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード,プラスチックパッケージ等に使用することができる。
【0045】上記表面絶縁層はガラスクロス樹脂層よりなることが好ましい。これにより,チップあるいはパッケージと基板との間に発生する熱膨張差による応力に耐える構造となるものである。また,熱膨張差も少なくなり,さらに良い結果をもたらすことができる。
【0046】上記表面絶縁層はソルダーレジスト層と更にその表面に設けたガラスクロス樹脂層とよりなる二層構造であることが好ましい。ソルダーレジストは,半田をより効果的にはじくため,これにより,半田の横への広がりを抑え,チップあるいはパッケージがプリント配線板との距離を遠ざける効果があり熱応力をより回避できる効果がある。
【0047】上記凹部の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面よりも0〜15μm低い位置に存在することが好ましい。これにより,高い半田ボール強度と優れた位置精度を実現することができ,また,狭ピッチでの半田ボールを用いた実装部品の接続においてショート不良が発生し難くなる。
【0048】なお,上記表面絶縁層の表面が上記露出導体部よりも高くなる場合には,半田ボールの位置精度は高く,該半田ボールのネック部分にある樹脂によって温度の変化などで生じる熱膨張差で半田ボールに応力を受け,長期の使用によって該半田ボールが疲労し,強度が低下するおそれがある。
【0049】一方,上記値が15μmを越えた場合には,半田ボールがバンプまたはボールパッド側面を濡らすように移動してしまい,半田ボールが横方向に拡大するおそれがある。このため,狭ピッチでの半田ボールを配置する場合,隣の半田ボールと接触(ショート)してしまうおそれがある。また,実装部品と基板との間隔が近づく傾向を帯びるため,熱膨張率の異なる部品同士の接続では接続部に応力が集中し,隣の半田ボールと接触(ショート)してしまうおそれがある。
【0050】また,上記露出導体部は,その表面から側面上端部を囲むように金属めっき膜により被覆されており,かつ,上記露出導体部に半田ボールが接合されているとともに該半田ボールは上記金属めっき膜の周縁部と露出導体部の側面との間に形成される窪みの中に食い込んでいることが好ましい。これにより,半田ボールが,上記窪み内へ食い込み,そのアンカー効果によって,優れた接合効果を発揮する。
【0051】上記プリント配線板を製造する方法としては,例えば,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有してなり,かつ上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有しており,また上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面と同じ高さかまたは低く,かつ上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,また該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触しているプリント配線板を製造するに当たり,上記絶縁基板の上に導体回路を形成し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に上記表面絶縁層を形成し,かつ上記表面絶縁層にレーザー光を照射して,上記導体回路の一部を露出させた露出導体部を形成すると共に,上記導体回路の周囲の表面絶縁層を上記露出導体部の表面よりも低くして凹部を形成するプリント配線板の製造方法がある。
【0052】上記レーザー光による露出導体部の形成は,導体回路を露出すべき部分にかかる表面絶縁層に対してレーザー光を照射することにより行う。このレーザー光としては,エネルギーの大きい炭酸ガスレーザー,熱影響のないエキシマレーザを用いることが好ましい。
【0053】また,上記レーザー光の照射による露出導体部の形成は,上記表面絶縁層を該レーザー光の有する高いエネルギーによって,気化除去させていくことにより行う。この時,上記レーザー光の照射される部分は絶縁基板の上に導体回路,表面絶縁層とが積層された部分と,絶縁基板の上に表面絶縁層が直接積層された部分とよりなる。
【0054】導体回路が存在する部分に対して当てられたレーザー光は導体回路を露出させ,露出導体部を形成する。しかし,導体回路の無い部分に当てられたレーザー光は露出導体部の表面よりも更に低い位置にある表面絶縁層を気化蒸発させることができる。これは,上記レーザー光は導体回路のような金属部分では反射されてしまうので,金属部分(及びこれの下方に存在する物質)を除去し難い。
【0055】このため,上記レーザー光の出力を上記導体回路の上に設けられた表面絶縁層を除去可能な出力と同じまたは若干高くすることにより,上記導体回路が存在する部分には露出導体部が形成され,これの周囲の導体回路のない部分に広がる表面絶縁層の表面を上記露出導体部の表面と同じ高さまたは低くして,凹部を形成することができる。なお,レーザー光を当てなかった部分は,そのまま表面絶縁層が残留する。以上により後述の参考例に示すごとき,その中央に露出導体部を有する凹部を形成することができる。
【0056】以上に示すごとく,上記の製造方法によれば,参考発明に示すごときプリント配線板にかかる露出導体部及び凹部を容易に製造することができる。そして,このプリント配線板は上述したごとき優れた性質を有する。
【0057】上記製造方法によれば,導体回路と絶縁基板との接着強度が高く,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板を接続する場合,両者の間に高い接続信頼性を得ることができるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0058】上記表面絶縁層はガラスクロス樹脂層よりなることが好ましい。これにより上記したように,チップあるいはパッケージと基板との間に発生する熱膨張差による応力に耐える構造となるものである。また,熱膨張差も少なくなり,さらに良い結果をもたらすことができる。
【0059】上記表面絶縁層はソルダーレジスト層と更にその表面に設けたガラスクロス樹脂層とよりなる二層構造であることが好ましい。これにより上記したように,ソルダーレジストは,半田をより効果的にはじくため,これにより,半田の横への広がりを抑え,チップあるいはパッケージがプリント配線板との距離を遠ざける効果があり熱応力をより回避できる効果がある。
【0060】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。また,その他は,黒,白,緑のいずれでもよい。
【0061】
【発明の実施の形態】実施形態例1第1の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について,図1〜図5を用いて説明する。本例のプリント配線板8は,図1に示すごとく,接続端子6を接合するためのパッド5を有する。パッド5は,絶縁基板7の表面に設けられている。絶縁基板7の表面は,パッド5の外周縁502を含めて,黒色のソルダーレジスト層2が形成されている。
【0062】ソルダーレジスト層2は,熱硬化型ソルダーレジストを用いる。熱硬化型ソルダーレジストは,エポキシ系樹脂70容積%と,酸化鉄からなる無機フィラー30容積%とからなる。無機フィラーは,平均粒径が2.3μmの粉末である。ソルダーレジスト層の光吸収率は,78%である。
【0063】絶縁基板7の表面には,図2,図3に示すごとく,電子部品3を搭載するための搭載部55,ボンディングパッド54,導体回路53,スルーホール52のランド521が設けられている。一方,絶縁基板7の裏面には,図2,図4に示すごとく,スルーホール52のランド520,導体回路51及び,接続端子6を接合するためのパッド5が設けられている。
【0064】また,図3,図4に示すごとく,搭載部54の下方には,電子部品3から発する熱を放熱するためのサーマルビアホール50が設けられている。図2に示すごとく,スルーホール52及びサーマルビアホール50の内壁は,Cu,Ni,Au等の金属めっき膜500により被覆されており,その内部は半田59により充填されている。
【0065】接続端子6は,図1に示すごとく,半田ボールである。パッド5の外周縁502の幅Aは,0.075mmであり,その表面はソルダーレジスト層2により被覆されている。パッド5の中心部分501は,ソルダーレジスト層2の開口穴10から露出している。
【0066】また,図2,図5に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,ボンディングパッド54,スルーホール52及びサーマルビアホール50の開口部周辺を除いて,絶縁基板7の表面及び裏面の全体を被覆している。ソルダーレジスト層2は30μmの厚みを有する。開口穴10は,ソルダーレジスト層2にエキシマレーザーを照射して形成する。
【0067】図2に示すごとく,搭載部55には,半田ペーストにより電子部品3が接合されている。電子部品3は,ボンディングパッド54とボンディングワイヤー540により電気的に接続されている。電子部品3は,エポキシ系樹脂等の封止用樹脂4により封止されている。絶縁基板7は,ガラスエポキシ樹脂基板である。搭載部55,ボンディングパッド54,導体回路53,51,パッド5は,銅箔をエッチングし,その表面をNi−Auめっき等の金属めっき膜により被覆して形成する。
【0068】本例のプリント配線板8は,電子部品3とほぼ同じ大きさのチップサイズプラスチックパッケージである。プリント配線板8は,接続端子6を介して,マザーボード81に接合されている。
【0069】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層2は,黒色であるため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層2は,電子部品3が発する熱を積極的に吸収した後に,表面から大気中に放散する。それ故,ソルダーレジスト層2から大気中への熱の移動速度が加速する。従って,黒色のソルダーレジスト層2によれば,電子部品3から発する熱を,大気中に速やかに放出することができ,放熱性に優れている。
【0070】また,図1に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,接続端子6を接合するためのパッド5の外周縁502を被覆している。そのため,ソルダーレジスト層2に吸収された熱は,接続端子6に効率よく伝達されて,接続端子6と接続しているマザーボード81を介して,効率よく放熱することができる。
【0071】また,図2,図5に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,搭載部55の下方に設けられている。そのため,電子部品3からの熱を効率良く吸収することができる。また,ソルダーレジスト層2は,絶縁基板7の表面及び裏面のほぼ全体に,広い面積に設けられている。そのため,熱の授受を迅速に行うことができる。
【0072】実施形態例2第2の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について説明する。本例のプリント配線板は,白色のソルダーレジスト層を用いている。ソルダーレジスト層は,エポキシ系樹脂60重量%と,酸化チタニウムを主成分とする無機フィラー40重量%とからなる。無機フィラーは,平均粒径が3μmの粉末である。無機フィラーの成分は,58重量%の酸化チタニウムと,1.5重量%のAl2O3と,0.3重量%のK2Oとからなる。
【0073】なお,ソルダーレジスト層の厚みは40μmである。また,接続端子接合用のパッドは,その外周縁の幅Aが0.100mmである(図1参照)。その他は,実施形態例1と同様である。
【0074】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有しているため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,遠赤外線を発生し,熱を大気中に速やかに放出する。遠赤外線の発生量は,電子部品の発熱量が大きいほど多くなり,効率よく放熱される。
【0075】また,ソルダーレジスト層は酸化チタニウムを含むことによって白色となる。白色のソルダーレジスト層は吸収した熱をその表面全体から放出するため,放熱速度が速い。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0076】実施形態例3第3の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について説明する。本例においては,緑色のソルダーレジスト層を用いている。ソルダーレジスト層は,エポキシ系樹脂50重量%と,アルミナを主成分とする無機フィラー50重量%とからなる。その他は,実施形態例1と同様である。
【0077】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層は,アルミナを含む無機フィラーを含有しているため,熱伝導性に優れ,電子部品が発する熱を大気中に速やかに放出することができる。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0078】参考例本発明の実施形態例にかかるプリント配線板及びその製造方法につき,図6〜図12を用いて説明する。本例のプリント配線板1は,図6,図7に示すごとく,絶縁基板10の上に導体回路12を有し,上記絶縁基板10及び上記導体回路12の表面にはソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層14を有する。
【0079】上記導体回路12の一部は,その表面が露出した露出導体部120を有しており,また上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140は,上記露出導体部120の表面よりも低く,上記絶縁基板10の表面より高い凹部を形成している。かつ上記凹部の表面絶縁層は上記露出導体部120の側面に接触している。
【0080】ここに図7にかかるa部は露出導体部120,b部は露出導体部120の周囲に広がる表面絶縁層140,c部は後述するレーザー光の当てられなかった表面絶縁層14である。なお,上記a部とb部とにより後述する半田ボール13のバンプ130が形成されることとなる。このバンプ130が上述した凹部である。
【0081】また,図8,図9に示すごとく,上記露出導体部120の表面と,上記表面絶縁層140の表面との間の距離d1は5μmである。また,上記露出導体部120の表面と上記絶縁基板10の表面との間の距離d3は35μm,上記表面絶縁層140と上記絶縁基板10の表面との間の距離d2は20μmである。
【0082】図6に示すごとく,上記プリント配線板1は内層導体回路191を設けた内層板19と,上記内層導体回路191の表面に設けた絶縁層18と,該絶縁層18の表面に設けた導体回路12とよりなる。そして上記導体回路12の表面には表面絶縁層14が設けてある。
【0083】図7に示すごとく,上記プリント配線板1には半田ボール13を配置するための円形のバンプ130が設けてある。上記半田ボール13は上記導体回路12に対する電気的な導通を確保しつつ電子部品15を接続する。
【0084】上記バンプ130は導体回路12の一部が露出した露出導体部120及びその周囲に存在し,該露出導体部120の表面よりも低い位置にある表面絶縁層140,また上記露出導体部120の表面よりも高い位置にある表面絶縁層14により形成されている。なお,図6,図8,図9に示すごとく,上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140の角部141は曲面状に形成されている。
【0085】次に,上記プリント配線板1の製造方法について説明する。まず,上記絶縁基板10の上に導体回路12を形成する。次いで,上記絶縁基板10及び上記導体回路12の表面にソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層を設け,表面絶縁層14とする。その後,上記表面絶縁層14にレーザー光を照射して,上記導体回路12の一部を露出させた露出導体部120を形成すると共に上記導体回路12の周囲の上記表面絶縁層140は上記露出導体部120の表面よりも低くなるよう形成する。これが上記バンプ130となる凹部である。
【0086】上記製造方法について更に詳細に説明する。銅張積層板を準備し,この表面の銅箔をパターニングして内層導体回路191の形成された内層板19を準備する。これらの表面にプリプレグ及び銅箔を積層し,該銅箔を適宜エッチングする。これにより,上記内層板19の表面には上記絶縁層18及び導体回路12が形成され,これが絶縁基板10となる。次に,上記絶縁基板10の表面に対し(上記導体回路12の表面も含めて),熱硬化型又は光硬化型のソルダーレジストを用いてソルダーレジスト層を形成する。あるいは,上記ソルダーレジスト層の代わりにガラスクロス樹脂層を形成する。以上により表面絶縁層14を得る。
【0087】次に,上記表面絶縁層14の所定の部分(円形)にレーザー光を照射する。この時,上記レーザー光を照射する部分は絶縁基板10の上に導体回路12,表面絶縁層14とが積層された部分と,絶縁基板10の上に表面絶縁層14が直接積層された部分とよりなる。また,上記レーザー光は上記導体回路12の上に設けられた表面絶縁層14を除去可能な出力よりも若干高い,エキシマレーザー,波長248nm,出力50Wを用いた。
【0088】これにより,上記導体回路12が存在する部分に露出導体部120が形成される。一方,導体回路12の無い部分は露出導体部120の表面よりも更に低い位置まで表面絶縁層14を気化除去することができる。以上により,半田ボール13を配置するためのバンプ130が形成され,本例にかかるプリント配線板1を得た。なお,その後,上記バンプ130に配置した半田ボール13に電子部品15を配置する。
【0089】次に,本例における作用効果につき説明する。本例にかかるプリント配線板1においては,露出導体部120(a部)の周囲の上記表面絶縁層140(b部)は上記露出導体部120の表面よりも低く,かつ上記絶縁基板10の表面より高く,更に上記露出導体部120の側面121においてこれに接触している。
【0090】これにより,上記導体回路12の側面121は上記表面絶縁層140が覆うこととなり,該側面121の露出面積を減ずることができる。よって,上記導体回路12と上記絶縁基板10との接着強度を高めることができ,上記導体回路12の剥がれを防止することができる。
【0091】また,上記露出導体部120,上記表面絶縁層140により形成されるバンプ130には半田ボール13が配置され,この半田ボール13によって電子部品15が接合されている。そして,上記露出導体部120の側面121の露出量が少ないことから,上記半田ボール13はつぶれることなく,露出導体部120の上に留まることができる。このため,上記電子部品15と上記露出導体部120との距離を維持することができる。よって,両者の接続信頼性を高めることができる。
【0092】なお,本例にかかる他の形状のバンプ130を有するプリント配線板1としては,図10〜図12に示すごとき,楕円状のバンプ130を有し,導体回路12の一部が長方形状となっているプリント配線板1を挙げることができる。上記プリント配線板1においても,図10〜図12に示すごとく,導体回路12の一部は,その表面が露出した露出導体部120(a部)を有しており,また上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140(b部)は上記露出導体部120の表面よりも低く,かつ上記絶縁基板10の表面より高く,更に上記露出導体部120に接触している。
【0093】また,図13に示すごとく,露出導体部120は,その表面122から側面上端部121aを囲むように金属めっき膜17により被覆されており,かつ,露出導体部120には半田ボール13が接合されているとともに,半田ボール13は金属めっき膜17の周縁部と露出導体部120の側面121との間に形成される窪み19の中に食い込んでいることが好ましい。これにより,半田ボール13が,窪み19内へ食い込み,そのアンカー効果によって,優れた接合性を発揮する。
【0094】なお,金属めっき膜17は,例えば,厚み3μmのニッケルめっき層と厚み0.1μmの金めっき層とからなり,露出導体部120は厚み18μmの銅箔から形成される。半田ボール13は直径0.2mmの大きさである。その他,金属めっき膜としては,半田めっき,Snめっき,Pbめっき等を用いることができる。また,露出導体部を含む導体回路は,いわゆるサブトラクティブ法,アディティブ法等のパターン形成法等により形成することができる。露出導体部表面には例えば電気めっき法により上記金属めっき膜を形成することができ,その表面には加熱溶融により半田ボールを接合することができる。
【0095】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を接続する場合において,放熱性に優れたプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1のプリント配線板の接続端子の接合状態を示す,プリント配線板の要部拡大断面図。
【図2】図3,図4のB−B線矢視断面を示す,実施形態例1のプリント配線板の断面図。
【図3】実施形態例1のプリント配線板の平面図。
【図4】実施形態例1のプリント配線板の裏面図。
【図5】実施形態例1における,ソルダーレジスト層の被覆状態を説明するための,プリント配線板の裏面図。
【図6】参考例にかかる,半田ボールと電子部品を設けたプリント配線板の断面説明図。
【図7】参考例にかかる,プリント配線板の要部平面説明図。
【図8】参考例にかかる,図7のA−A線矢視断面図。
【図9】参考例にかかる,図7のB−B線矢視断面図。
【図10】参考例にかかる,楕円形のバンプを有するプリント配線板の要部平面説明図。
【図11】参考例にかかる,図10のC−C線矢視断面図。
【図12】参考例にかかる,図10のD−D線矢視断面図。
【図13】参考例にかかる,半田ボールを接合したプリント配線板の断面図。
【符号の説明】
1...プリント配線板,10...絶縁基板,12...導体回路,120...露出導体部,14,140...表面絶縁層,17...金属めっき膜,18...絶縁層,19...窪み,2...ソルダーレジスト層,3...電子部品,4...封止用樹脂,5...パッド,50...サーマルビアホール,501...中心部分,502...外周縁,6...接続端子,7...絶縁基板,8...プリント配線板,81...マザーボード,
【0001】
【技術分野】本発明は,半田ボール等を設置するバンプまたはボールパッド等を設けたプリント配線板に関する。
【0002】
【従来技術】従来,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有するプリント配線板が知られている。
【0003】そして,上記プリント配線板の表面にバンプまたはボールパッドを設け,該バンプまたはボールパッドに配置した半田ボールを介して電子部品,他のプリント配線板等を接続することが一般的に行われている。なお,このバンプまたはボールパッドは上記表面絶縁層を部分的に除去し,該表面絶縁層の下部に存在する導体回路を露出させることにより作製する。
【0004】
【解決しようとする課題】ところで,プリント配線板は,近年,電子部品の発熱量が多くなる傾向に対応して,空冷,放熱用の半田ボールの接合,サーマルビアホールの形成などの放熱手段が施されている。しかしながら,上記従来のプリント配線板では,依然として放熱性の改良が不十分であった。
【0005】本発明は,かかる問題点に鑑み,放熱性に優れたプリント配線板を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】第1の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板である。
【0007】第1の発明の作用及び効果について説明する。第1の発明において,ソルダーレジスト層は,黒色であるため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,表面から大気中に放散する。それ故,ソルダーレジスト層から大気中への熱の移動速度が加速する。従って,黒色のソルダーレジスト層によれば,電子部品から発する熱を,大気中に速やかに放出することができる。
【0008】また,ソルダーレジスト層は,接続端子を接合するためのパッドの外周縁を被覆している。接続端子は,プリント配線板と他の部材との電気の授受を行うための端子である。そのため,ソルダーレジスト層に吸収された熱は,上記接続端子に効率よく伝達されて,接続端子と接続している他の部材を介して,効率よく放熱することができる。
【0009】上記パッドは,その外周縁がソルダーレジスト層により被覆されており,該外周縁よりも中心部分はソルダーレジスト層により被覆されていない。ここに,上記パッドの外周縁とは,パッドの形状を表す輪郭線から中心方向に向けて一定の幅を有する部分である。上記のパッドの外周縁の幅は,0.02〜0.2mmであることが好ましい。0.02mm未満の場合には,ソルダーレジスト層に吸収された熱が接続端子に効率良く伝達されないおそれがある。また,0.2mmを超える場合には,ソルダーレジスト層が,パッドに接続端子を接続する際に障害になるおそれがある。
【0010】ソルダーレジスト層は,例えば,上記パッドにおける中心部分に開口穴を有する。開口穴は,例えば,絶縁基板の全面にソルダーレジスト層を形成し,その後開口穴形成部分を炭酸ガスレーザー,YAGレーザー,又はエキシマレーザー等を照射してソルダーレジスト層を焼失させることにより,形成することができる。
【0011】上記ソルダーレジスト層の開口穴から露出したパッドの中心部分には,他の部材との電気の授受を行うための接続端子が接続されている。上記接続端子は,例えば,半田ボール,半田バンプ等を用いることができる。接続端子が接続する他の部材は,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード等である。上記パッドは,例えば,導体回路,スルーホール等の導電部材と接続することができるが,これらと非接続状態とすることもできる。
【0012】上記絶縁基板は,例えば,合成樹脂単体,合成樹脂及び無機フィラー又は無機クロスからなる複合樹脂材等を用いることができる。絶縁基板は,その表面又は内部に導体回路,スルーホール等を設けることができる。また,絶縁基板には,電子部品を搭載するための搭載部を設けることができる。
【0013】上記ソルダーレジスト層は,黒鉛,酸化鉄,又は二酸化マンガンからなる無機フィラーを含有していることが好ましい。これにより,熱移動速度の速いソルダーレジスト層を形成することができる。特に,酸化鉄は,熱伝導性が高く,黒色になりやすい。
【0014】上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層を黒色にするための無機フィラーの添加量を少なくすることができる。無機フィラーの形状は,粒子のほか,針状,ウィスカーでもよい。
【0015】上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10容積%以上含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の色を確実に黒色にすることができる。無機フィラーが導電性である場合は,ソルダーレジスト層の絶縁性を確保するため,無機フィラーは,ソルダーレジスト層の中に70容積%以下含有していることが好ましい。
【0016】上記ソルダーレジスト層の光吸収率は,60%以上であることが好ましい。これにより,熱の吸収効率が更に向上し,ソルダーレジスト層の放熱性が更に高くなる。
【0017】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。
【0018】上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面はソルダーレジスト層により被覆されていることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層は,搭載部に搭載した電子部品から発する熱を直接吸収することができ,ソルダーレジスト層の熱吸収効率を更に高めることができる。
【0019】次に,第2の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板である。
【0020】第2の発明の作用及び効果について説明する。第2の発明において,ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有しているため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,遠赤外線を発生し,熱を大気中に速やかに放出する。遠赤外線の発生量は,電子部品の発熱量が大きいほど多くなり,効率よく熱が放出される。
【0021】また,ソルダーレジスト層は酸化チタニウムを含むことによって白色となる。白色のソルダーレジスト層は吸収した熱をその表面から迅速に放出するため,放熱性に優れている。以上のようなソルダーレジスト層の放熱作用は,結果的に電子部品の表面温度を下げ,電子部品を正常に作動させる。
【0022】また,上記ソルダーレジスト層は,接続端子を接合するためのパッドの外周縁を被覆している。接続端子は,プリント配線板と他の部材との電気の授受を行うための端子である。そのため,上記ソルダーレジスト層に吸収された熱は,上記接続端子に効率よく伝達されて,接続端子と接続している他の部材を介して,効率よく放出される。従って,第2の発明のプリント配線板は,優れた放熱性を発揮することができる。
【0023】上記パッドは,その外周縁が上記ソルダーレジスト層により被覆されており,該外周縁よりも内部の中心部分は上記ソルダーレジスト層により被覆されていない。ここに,上記パッドの外周縁とは,パッドの形状を表す輪郭線から中心方向に向けて一定の幅を有する部分である。上記ソルダーレジスト層により被覆されているパッドの外周縁の幅は,0.010〜0.15mmであることが好ましい。0.010mm未満の場合には,ソルダーレジスト層に吸収された熱が接続端子に効率良く伝達されないおそれがある。また,0.15mmを超える場合には,ソルダーレジスト層が,パッドに接続端子を接続する際に障害になるおそれがある。
【0024】白色のソルダーレジスト層は,例えば,上記パッドにおける中心部分に開口穴を有する。開口穴は,例えば,絶縁基板の全面に上記ソルダーレジスト層を形成し,その後開口穴形成部分に炭酸ガスレーザー,YAGレーザー,又はエキシマレーザー等を照射して上記ソルダーレジスト層を焼失させることにより,形成することができる。また,スクリーン印刷により,開口穴を有するソルダーレジスト層を形成することもできる。
【0025】上記ソルダーレジスト層の開口穴から露出したパッドの中心部分には,他の部材との電気の授受を行うための接続端子が接続されている。上記接続端子は,例えば,半田ボール,半田バンプ,導電性樹脂等を用いることができる。接続端子が接続する他の部材は,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード等である。上記パッドは,例えば,導体回路,スルーホール等の導電部材と接続することができるが,これらと非接続状態とすることもできる。
【0026】上記絶縁基板は,例えば,合成樹脂単体,合成樹脂及び無機フィラー又は無機クロスからなる複合樹脂材等を用いることができる。絶縁基板は,その表面又は内部に導体回路,スルーホール等を設けることができる。また,絶縁基板には,電子部品を搭載するための搭載部を設けることができる。
【0027】上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果を更に向上させることができる。また,粉末状の無機フィラーの平均粒径は0.05μm以上であることが好ましい。微細粒子であればある程遠赤外等の放熱の効率が良好であるからである。
【0028】無機フィラーの形状は,粒子のほか,針状若しくはウィスカー,又はそれらの混合物でもよい。また,無機フィラーの材質としては,酸化チタニウムのほかに,例えばZrO2(酸化ジルコニウム),Fe2O3(酸化鉄),Y2O3(酸化イットリウム)などを含むことがある。
【0029】上記ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを10〜80重量%含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果が更に向上する。一方,10重量%未満の場合には,ソルダーレジスト層の放熱効果が低下するおそれがある。また,80重量%を超える場合には,絶縁被覆としての密着強度が低下するおそれがある。
【0030】上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層の放熱効果を更に高めることができる。なお,その上限はソルダーレジスト膜の密着性の点より,80重量%であることが好ましい。
【0031】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。
【0032】上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面は白色のソルダーレジスト層により被覆されていることが好ましい。これにより,ソルダーレジスト層は,搭載部に搭載した電子部品から発する熱を直接吸収することができ,ソルダーレジスト層の熱吸収効率を更に高めることができる。
【0033】次に,第3の発明は,接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,緑色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板である。
【0034】第3の発明において,緑色のソルダーレジスト層は,熱放散性が高い。そのため,絶縁基板が緑色のソルダーレジスト層により被覆されることにより,絶縁基板に蓄積された熱を効率よく外部に放散させることができる。また,外部との電気の授受を行う接続端子を接合するためのパッドは,比較的熱が蓄積されやすい部分である。そのため,パッドの外周縁をも緑色のソルダーレジスト層により被覆することにより,パッドの外周縁の熱を効率よく放散させることができる。
【0035】緑色のソルダーレジスト層は,放熱性の点から,特にアルミナ,シリカゲル等の無機フィラーを含むことが好ましい。また,その材料は,ソルダーレジスト層の中に10〜80重量%含まれていることが好ましい。ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。また,第3の発明においても,第1,第2の発明と同様に,緑色のソルダーレジスト層は搭載部表面を被覆していることが好ましい。
【0036】なお,参考発明として,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有してなり,かつ上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有しており,また上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面よりも同じ高さかまたは低く,かつ上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,また該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触しているプリント配線板がある。
【0037】上記凹部及び上記露出導体部は,いわゆるバンプまたはボールパッド等として使用することができる。即ち,上記露出導体部には半田ボール等を配置し,この半田ボールを介して他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を上記導体回路に対する導通を確保しつつ接続することができる。
【0038】なお,上記実装部品としては,フリップチップ,BGA(ボールグリッドアレイ),チップスケールパッケージ,チップサイズパッケージ,あるいはTCP(テープキャリアパッケージ),リードレスチップキャリア等の電子部品のパッドあるいはそれらを実装するプリント配線板が挙げられる。
【0039】上記参考発明の作用につき,以下に説明する。参考発明にかかるプリント配線板においては,上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有している。また,上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面と同じ高さまたは低く,上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,かつ該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触している。
【0040】これにより,上記導体回路の側面は上記表面絶縁層が覆うこととなり,該側面の露出量を減らすことができる。よって,上記導体回路と上記絶縁基板との接着強度を高めることができる。更に,両者の接着強度が高いことから上記導体回路の絶縁基板からの剥がれを防止することができる。
【0041】また,上記露出導体部に半田ボールを配置した場合,該半田ボールは上記表面絶縁層によって弾かれ,つぶれ難くなる。即ち,上記導体回路の側面に対し半田ボールはよく密着する。よって,半田ボールを構成する半田はこの側面を覆うように容易に移動し,この移動分だけ露出導体部の表面に残る半田の量は減少してしまう。しかし,第1の発明のプリント配線板は導体回路の側面の露出量が少ないことから,多くの半田が露出導体部の上に留まることができる。
【0042】このため,半田ボールを用いて他の電子部品,プリント配線板等の実装部品を接合する際にこれらの実装部品と露出導体部との距離を維持することができる。このため,上記実装部品と露出導体部(導体回路)との接続信頼性を高めることができる。
【0043】以上のように,参考発明によれば,導体回路と絶縁基板との接着強度が高く,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を接続する場合,両者の間に高い接続信頼性を得ることができるプリント配線板を提供することができる。
【0044】なお,参考発明において得られたプリント配線板は,接続信頼性を高く要求される,例えば,メモリーモジュール,マルチチップモジュール,マザーボード,ドーターボード,プラスチックパッケージ等に使用することができる。
【0045】上記表面絶縁層はガラスクロス樹脂層よりなることが好ましい。これにより,チップあるいはパッケージと基板との間に発生する熱膨張差による応力に耐える構造となるものである。また,熱膨張差も少なくなり,さらに良い結果をもたらすことができる。
【0046】上記表面絶縁層はソルダーレジスト層と更にその表面に設けたガラスクロス樹脂層とよりなる二層構造であることが好ましい。ソルダーレジストは,半田をより効果的にはじくため,これにより,半田の横への広がりを抑え,チップあるいはパッケージがプリント配線板との距離を遠ざける効果があり熱応力をより回避できる効果がある。
【0047】上記凹部の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面よりも0〜15μm低い位置に存在することが好ましい。これにより,高い半田ボール強度と優れた位置精度を実現することができ,また,狭ピッチでの半田ボールを用いた実装部品の接続においてショート不良が発生し難くなる。
【0048】なお,上記表面絶縁層の表面が上記露出導体部よりも高くなる場合には,半田ボールの位置精度は高く,該半田ボールのネック部分にある樹脂によって温度の変化などで生じる熱膨張差で半田ボールに応力を受け,長期の使用によって該半田ボールが疲労し,強度が低下するおそれがある。
【0049】一方,上記値が15μmを越えた場合には,半田ボールがバンプまたはボールパッド側面を濡らすように移動してしまい,半田ボールが横方向に拡大するおそれがある。このため,狭ピッチでの半田ボールを配置する場合,隣の半田ボールと接触(ショート)してしまうおそれがある。また,実装部品と基板との間隔が近づく傾向を帯びるため,熱膨張率の異なる部品同士の接続では接続部に応力が集中し,隣の半田ボールと接触(ショート)してしまうおそれがある。
【0050】また,上記露出導体部は,その表面から側面上端部を囲むように金属めっき膜により被覆されており,かつ,上記露出導体部に半田ボールが接合されているとともに該半田ボールは上記金属めっき膜の周縁部と露出導体部の側面との間に形成される窪みの中に食い込んでいることが好ましい。これにより,半田ボールが,上記窪み内へ食い込み,そのアンカー効果によって,優れた接合効果を発揮する。
【0051】上記プリント配線板を製造する方法としては,例えば,絶縁基板の上に導体回路を有し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に設けたソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層を有してなり,かつ上記導体回路の一部は,その表面が露出した露出導体部を有しており,また上記露出導体部の周囲の表面絶縁層は,上記露出導体部の表面と同じ高さかまたは低く,かつ上記絶縁基板の表面より高い凹部を形成しており,また該凹部の表面絶縁層は上記露出導体部の側面に接触しているプリント配線板を製造するに当たり,上記絶縁基板の上に導体回路を形成し,上記絶縁基板及び上記導体回路の表面に上記表面絶縁層を形成し,かつ上記表面絶縁層にレーザー光を照射して,上記導体回路の一部を露出させた露出導体部を形成すると共に,上記導体回路の周囲の表面絶縁層を上記露出導体部の表面よりも低くして凹部を形成するプリント配線板の製造方法がある。
【0052】上記レーザー光による露出導体部の形成は,導体回路を露出すべき部分にかかる表面絶縁層に対してレーザー光を照射することにより行う。このレーザー光としては,エネルギーの大きい炭酸ガスレーザー,熱影響のないエキシマレーザを用いることが好ましい。
【0053】また,上記レーザー光の照射による露出導体部の形成は,上記表面絶縁層を該レーザー光の有する高いエネルギーによって,気化除去させていくことにより行う。この時,上記レーザー光の照射される部分は絶縁基板の上に導体回路,表面絶縁層とが積層された部分と,絶縁基板の上に表面絶縁層が直接積層された部分とよりなる。
【0054】導体回路が存在する部分に対して当てられたレーザー光は導体回路を露出させ,露出導体部を形成する。しかし,導体回路の無い部分に当てられたレーザー光は露出導体部の表面よりも更に低い位置にある表面絶縁層を気化蒸発させることができる。これは,上記レーザー光は導体回路のような金属部分では反射されてしまうので,金属部分(及びこれの下方に存在する物質)を除去し難い。
【0055】このため,上記レーザー光の出力を上記導体回路の上に設けられた表面絶縁層を除去可能な出力と同じまたは若干高くすることにより,上記導体回路が存在する部分には露出導体部が形成され,これの周囲の導体回路のない部分に広がる表面絶縁層の表面を上記露出導体部の表面と同じ高さまたは低くして,凹部を形成することができる。なお,レーザー光を当てなかった部分は,そのまま表面絶縁層が残留する。以上により後述の参考例に示すごとき,その中央に露出導体部を有する凹部を形成することができる。
【0056】以上に示すごとく,上記の製造方法によれば,参考発明に示すごときプリント配線板にかかる露出導体部及び凹部を容易に製造することができる。そして,このプリント配線板は上述したごとき優れた性質を有する。
【0057】上記製造方法によれば,導体回路と絶縁基板との接着強度が高く,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板を接続する場合,両者の間に高い接続信頼性を得ることができるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0058】上記表面絶縁層はガラスクロス樹脂層よりなることが好ましい。これにより上記したように,チップあるいはパッケージと基板との間に発生する熱膨張差による応力に耐える構造となるものである。また,熱膨張差も少なくなり,さらに良い結果をもたらすことができる。
【0059】上記表面絶縁層はソルダーレジスト層と更にその表面に設けたガラスクロス樹脂層とよりなる二層構造であることが好ましい。これにより上記したように,ソルダーレジストは,半田をより効果的にはじくため,これにより,半田の横への広がりを抑え,チップあるいはパッケージがプリント配線板との距離を遠ざける効果があり熱応力をより回避できる効果がある。
【0060】ソルダーレジストは,例えば,熱硬化型ソルダーレジスト,光硬化型ソルダーレジスト等を用いて形成することができる。また,その他は,黒,白,緑のいずれでもよい。
【0061】
【発明の実施の形態】実施形態例1第1の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について,図1〜図5を用いて説明する。本例のプリント配線板8は,図1に示すごとく,接続端子6を接合するためのパッド5を有する。パッド5は,絶縁基板7の表面に設けられている。絶縁基板7の表面は,パッド5の外周縁502を含めて,黒色のソルダーレジスト層2が形成されている。
【0062】ソルダーレジスト層2は,熱硬化型ソルダーレジストを用いる。熱硬化型ソルダーレジストは,エポキシ系樹脂70容積%と,酸化鉄からなる無機フィラー30容積%とからなる。無機フィラーは,平均粒径が2.3μmの粉末である。ソルダーレジスト層の光吸収率は,78%である。
【0063】絶縁基板7の表面には,図2,図3に示すごとく,電子部品3を搭載するための搭載部55,ボンディングパッド54,導体回路53,スルーホール52のランド521が設けられている。一方,絶縁基板7の裏面には,図2,図4に示すごとく,スルーホール52のランド520,導体回路51及び,接続端子6を接合するためのパッド5が設けられている。
【0064】また,図3,図4に示すごとく,搭載部54の下方には,電子部品3から発する熱を放熱するためのサーマルビアホール50が設けられている。図2に示すごとく,スルーホール52及びサーマルビアホール50の内壁は,Cu,Ni,Au等の金属めっき膜500により被覆されており,その内部は半田59により充填されている。
【0065】接続端子6は,図1に示すごとく,半田ボールである。パッド5の外周縁502の幅Aは,0.075mmであり,その表面はソルダーレジスト層2により被覆されている。パッド5の中心部分501は,ソルダーレジスト層2の開口穴10から露出している。
【0066】また,図2,図5に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,ボンディングパッド54,スルーホール52及びサーマルビアホール50の開口部周辺を除いて,絶縁基板7の表面及び裏面の全体を被覆している。ソルダーレジスト層2は30μmの厚みを有する。開口穴10は,ソルダーレジスト層2にエキシマレーザーを照射して形成する。
【0067】図2に示すごとく,搭載部55には,半田ペーストにより電子部品3が接合されている。電子部品3は,ボンディングパッド54とボンディングワイヤー540により電気的に接続されている。電子部品3は,エポキシ系樹脂等の封止用樹脂4により封止されている。絶縁基板7は,ガラスエポキシ樹脂基板である。搭載部55,ボンディングパッド54,導体回路53,51,パッド5は,銅箔をエッチングし,その表面をNi−Auめっき等の金属めっき膜により被覆して形成する。
【0068】本例のプリント配線板8は,電子部品3とほぼ同じ大きさのチップサイズプラスチックパッケージである。プリント配線板8は,接続端子6を介して,マザーボード81に接合されている。
【0069】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層2は,黒色であるため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層2は,電子部品3が発する熱を積極的に吸収した後に,表面から大気中に放散する。それ故,ソルダーレジスト層2から大気中への熱の移動速度が加速する。従って,黒色のソルダーレジスト層2によれば,電子部品3から発する熱を,大気中に速やかに放出することができ,放熱性に優れている。
【0070】また,図1に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,接続端子6を接合するためのパッド5の外周縁502を被覆している。そのため,ソルダーレジスト層2に吸収された熱は,接続端子6に効率よく伝達されて,接続端子6と接続しているマザーボード81を介して,効率よく放熱することができる。
【0071】また,図2,図5に示すごとく,ソルダーレジスト層2は,搭載部55の下方に設けられている。そのため,電子部品3からの熱を効率良く吸収することができる。また,ソルダーレジスト層2は,絶縁基板7の表面及び裏面のほぼ全体に,広い面積に設けられている。そのため,熱の授受を迅速に行うことができる。
【0072】実施形態例2第2の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について説明する。本例のプリント配線板は,白色のソルダーレジスト層を用いている。ソルダーレジスト層は,エポキシ系樹脂60重量%と,酸化チタニウムを主成分とする無機フィラー40重量%とからなる。無機フィラーは,平均粒径が3μmの粉末である。無機フィラーの成分は,58重量%の酸化チタニウムと,1.5重量%のAl2O3と,0.3重量%のK2Oとからなる。
【0073】なお,ソルダーレジスト層の厚みは40μmである。また,接続端子接合用のパッドは,その外周縁の幅Aが0.100mmである(図1参照)。その他は,実施形態例1と同様である。
【0074】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有しているため,熱を吸収しやすい。そのため,ソルダーレジスト層は,電子部品が発する熱を積極的に吸収した後に,遠赤外線を発生し,熱を大気中に速やかに放出する。遠赤外線の発生量は,電子部品の発熱量が大きいほど多くなり,効率よく放熱される。
【0075】また,ソルダーレジスト層は酸化チタニウムを含むことによって白色となる。白色のソルダーレジスト層は吸収した熱をその表面全体から放出するため,放熱速度が速い。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0076】実施形態例3第3の発明の実施形態例にかかるプリント配線板について説明する。本例においては,緑色のソルダーレジスト層を用いている。ソルダーレジスト層は,エポキシ系樹脂50重量%と,アルミナを主成分とする無機フィラー50重量%とからなる。その他は,実施形態例1と同様である。
【0077】次に,本例の作用及び効果について説明する。ソルダーレジスト層は,アルミナを含む無機フィラーを含有しているため,熱伝導性に優れ,電子部品が発する熱を大気中に速やかに放出することができる。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0078】参考例本発明の実施形態例にかかるプリント配線板及びその製造方法につき,図6〜図12を用いて説明する。本例のプリント配線板1は,図6,図7に示すごとく,絶縁基板10の上に導体回路12を有し,上記絶縁基板10及び上記導体回路12の表面にはソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層よりなる表面絶縁層14を有する。
【0079】上記導体回路12の一部は,その表面が露出した露出導体部120を有しており,また上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140は,上記露出導体部120の表面よりも低く,上記絶縁基板10の表面より高い凹部を形成している。かつ上記凹部の表面絶縁層は上記露出導体部120の側面に接触している。
【0080】ここに図7にかかるa部は露出導体部120,b部は露出導体部120の周囲に広がる表面絶縁層140,c部は後述するレーザー光の当てられなかった表面絶縁層14である。なお,上記a部とb部とにより後述する半田ボール13のバンプ130が形成されることとなる。このバンプ130が上述した凹部である。
【0081】また,図8,図9に示すごとく,上記露出導体部120の表面と,上記表面絶縁層140の表面との間の距離d1は5μmである。また,上記露出導体部120の表面と上記絶縁基板10の表面との間の距離d3は35μm,上記表面絶縁層140と上記絶縁基板10の表面との間の距離d2は20μmである。
【0082】図6に示すごとく,上記プリント配線板1は内層導体回路191を設けた内層板19と,上記内層導体回路191の表面に設けた絶縁層18と,該絶縁層18の表面に設けた導体回路12とよりなる。そして上記導体回路12の表面には表面絶縁層14が設けてある。
【0083】図7に示すごとく,上記プリント配線板1には半田ボール13を配置するための円形のバンプ130が設けてある。上記半田ボール13は上記導体回路12に対する電気的な導通を確保しつつ電子部品15を接続する。
【0084】上記バンプ130は導体回路12の一部が露出した露出導体部120及びその周囲に存在し,該露出導体部120の表面よりも低い位置にある表面絶縁層140,また上記露出導体部120の表面よりも高い位置にある表面絶縁層14により形成されている。なお,図6,図8,図9に示すごとく,上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140の角部141は曲面状に形成されている。
【0085】次に,上記プリント配線板1の製造方法について説明する。まず,上記絶縁基板10の上に導体回路12を形成する。次いで,上記絶縁基板10及び上記導体回路12の表面にソルダーレジスト層あるいはガラスクロス樹脂層を設け,表面絶縁層14とする。その後,上記表面絶縁層14にレーザー光を照射して,上記導体回路12の一部を露出させた露出導体部120を形成すると共に上記導体回路12の周囲の上記表面絶縁層140は上記露出導体部120の表面よりも低くなるよう形成する。これが上記バンプ130となる凹部である。
【0086】上記製造方法について更に詳細に説明する。銅張積層板を準備し,この表面の銅箔をパターニングして内層導体回路191の形成された内層板19を準備する。これらの表面にプリプレグ及び銅箔を積層し,該銅箔を適宜エッチングする。これにより,上記内層板19の表面には上記絶縁層18及び導体回路12が形成され,これが絶縁基板10となる。次に,上記絶縁基板10の表面に対し(上記導体回路12の表面も含めて),熱硬化型又は光硬化型のソルダーレジストを用いてソルダーレジスト層を形成する。あるいは,上記ソルダーレジスト層の代わりにガラスクロス樹脂層を形成する。以上により表面絶縁層14を得る。
【0087】次に,上記表面絶縁層14の所定の部分(円形)にレーザー光を照射する。この時,上記レーザー光を照射する部分は絶縁基板10の上に導体回路12,表面絶縁層14とが積層された部分と,絶縁基板10の上に表面絶縁層14が直接積層された部分とよりなる。また,上記レーザー光は上記導体回路12の上に設けられた表面絶縁層14を除去可能な出力よりも若干高い,エキシマレーザー,波長248nm,出力50Wを用いた。
【0088】これにより,上記導体回路12が存在する部分に露出導体部120が形成される。一方,導体回路12の無い部分は露出導体部120の表面よりも更に低い位置まで表面絶縁層14を気化除去することができる。以上により,半田ボール13を配置するためのバンプ130が形成され,本例にかかるプリント配線板1を得た。なお,その後,上記バンプ130に配置した半田ボール13に電子部品15を配置する。
【0089】次に,本例における作用効果につき説明する。本例にかかるプリント配線板1においては,露出導体部120(a部)の周囲の上記表面絶縁層140(b部)は上記露出導体部120の表面よりも低く,かつ上記絶縁基板10の表面より高く,更に上記露出導体部120の側面121においてこれに接触している。
【0090】これにより,上記導体回路12の側面121は上記表面絶縁層140が覆うこととなり,該側面121の露出面積を減ずることができる。よって,上記導体回路12と上記絶縁基板10との接着強度を高めることができ,上記導体回路12の剥がれを防止することができる。
【0091】また,上記露出導体部120,上記表面絶縁層140により形成されるバンプ130には半田ボール13が配置され,この半田ボール13によって電子部品15が接合されている。そして,上記露出導体部120の側面121の露出量が少ないことから,上記半田ボール13はつぶれることなく,露出導体部120の上に留まることができる。このため,上記電子部品15と上記露出導体部120との距離を維持することができる。よって,両者の接続信頼性を高めることができる。
【0092】なお,本例にかかる他の形状のバンプ130を有するプリント配線板1としては,図10〜図12に示すごとき,楕円状のバンプ130を有し,導体回路12の一部が長方形状となっているプリント配線板1を挙げることができる。上記プリント配線板1においても,図10〜図12に示すごとく,導体回路12の一部は,その表面が露出した露出導体部120(a部)を有しており,また上記露出導体部120の周囲の表面絶縁層140(b部)は上記露出導体部120の表面よりも低く,かつ上記絶縁基板10の表面より高く,更に上記露出導体部120に接触している。
【0093】また,図13に示すごとく,露出導体部120は,その表面122から側面上端部121aを囲むように金属めっき膜17により被覆されており,かつ,露出導体部120には半田ボール13が接合されているとともに,半田ボール13は金属めっき膜17の周縁部と露出導体部120の側面121との間に形成される窪み19の中に食い込んでいることが好ましい。これにより,半田ボール13が,窪み19内へ食い込み,そのアンカー効果によって,優れた接合性を発揮する。
【0094】なお,金属めっき膜17は,例えば,厚み3μmのニッケルめっき層と厚み0.1μmの金めっき層とからなり,露出導体部120は厚み18μmの銅箔から形成される。半田ボール13は直径0.2mmの大きさである。その他,金属めっき膜としては,半田めっき,Snめっき,Pbめっき等を用いることができる。また,露出導体部を含む導体回路は,いわゆるサブトラクティブ法,アディティブ法等のパターン形成法等により形成することができる。露出導体部表面には例えば電気めっき法により上記金属めっき膜を形成することができ,その表面には加熱溶融により半田ボールを接合することができる。
【0095】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,導体回路及び絶縁基板上に設けたバンプまたはボールパッド等に半田ボールを設けて他の電子部品,他のプリント配線板等の実装部品を接続する場合において,放熱性に優れたプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1のプリント配線板の接続端子の接合状態を示す,プリント配線板の要部拡大断面図。
【図2】図3,図4のB−B線矢視断面を示す,実施形態例1のプリント配線板の断面図。
【図3】実施形態例1のプリント配線板の平面図。
【図4】実施形態例1のプリント配線板の裏面図。
【図5】実施形態例1における,ソルダーレジスト層の被覆状態を説明するための,プリント配線板の裏面図。
【図6】参考例にかかる,半田ボールと電子部品を設けたプリント配線板の断面説明図。
【図7】参考例にかかる,プリント配線板の要部平面説明図。
【図8】参考例にかかる,図7のA−A線矢視断面図。
【図9】参考例にかかる,図7のB−B線矢視断面図。
【図10】参考例にかかる,楕円形のバンプを有するプリント配線板の要部平面説明図。
【図11】参考例にかかる,図10のC−C線矢視断面図。
【図12】参考例にかかる,図10のD−D線矢視断面図。
【図13】参考例にかかる,半田ボールを接合したプリント配線板の断面図。
【符号の説明】
1...プリント配線板,10...絶縁基板,12...導体回路,120...露出導体部,14,140...表面絶縁層,17...金属めっき膜,18...絶縁層,19...窪み,2...ソルダーレジスト層,3...電子部品,4...封止用樹脂,5...パッド,50...サーマルビアホール,501...中心部分,502...外周縁,6...接続端子,7...絶縁基板,8...プリント配線板,81...マザーボード,
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】 請求項1において,上記ソルダーレジスト層は,黒鉛,酸化鉄,又は二酸化マンガンからなる無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項3】 請求項2において,上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項4】 請求項2又は3において,上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10容積%以上含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,上記ソルダーレジスト層の光吸収率は,60%以上であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項6】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項7】 請求項6において,上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】 請求項6又は7において,上記ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを10〜80重量%含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項において,上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項10】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,緑色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項において,上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面は上記ソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項1】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,黒色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】 請求項1において,上記ソルダーレジスト層は,黒鉛,酸化鉄,又は二酸化マンガンからなる無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項3】 請求項2において,上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項4】 請求項2又は3において,上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10容積%以上含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,上記ソルダーレジスト層の光吸収率は,60%以上であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項6】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,白色のソルダーレジスト層により被覆されており,かつ該ソルダーレジスト層は,少なくとも酸化チタニウムを含む無機フィラーを含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項7】 請求項6において,上記無機フィラーは,平均粒径が5μm以下の粉末であることを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】 請求項6又は7において,上記ソルダーレジスト層は,酸化チタニウムを10〜80重量%含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項において,上記無機フィラーは,上記ソルダーレジスト層の中に10重量%以上含有していることを特徴とするプリント配線板。
【請求項10】 接続端子を接合するためのパッドと,表面に該パッドを設けた絶縁基板とを有するプリント配線板において,上記絶縁基板の表面は,上記パッドの外周縁を含めて,緑色のソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項において,上記プリント配線板は絶縁基板の表面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに,該搭載部の表面は上記ソルダーレジスト層により被覆されていることを特徴とするプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2002−171050(P2002−171050A)
【公開日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−356218(P2001−356218)
【分割の表示】特願平10−41241の分割
【出願日】平成10年2月6日(1998.2.6)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平10−41241の分割
【出願日】平成10年2月6日(1998.2.6)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
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