説明

プレキャストコンクリート構造物及びその施工方法

【課題】 単位構造物の製作に必要な時間と費用を大幅に減らすことができるプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法を提供する。
【解決手段】 本発明のプレキャストコンクリート構造物100は、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を有する下部単位構造物110と、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を有する中間単位構造物130と、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を有する上部単位構造物150と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート構造物及びその施工方法に関するもので、より具体的には、単位構造物間の結合が容易であり、且つ保障されうるプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレキャスト工法は、大きな構造物を工場で製作、保管及び運搬が容易なサイズの単位構造物に製作した後、現場で該単位構造物を組み立てて、所望の大きな構造物や建築物を製作する工法であって、現在、土木や建設現場で多く使用されている。
【0003】
斯かるプレキャストコンクリート構造物の代表的な例が、韓国登録特許第10−0733837号の「複層1節プレキャストコンクリート柱及びこれを用いた施工方法」に開示されており、その代表構成が図1及び図2に示されている。
【0004】
図1及び図2に示されたように、複層1節PC柱10は、左右対称に形成された第1、第2のPC組立柱10a,10bから構成されており、第1、第2のPC組立柱10a,10bのそれぞれは、3個の層が1節に構成されている。
【0005】
また、各層の柱11,12,13間の離隔空間には、多数の垂直鉄筋20と傾斜鉄筋30が露出するように形成され、この離隔空間には追ってPC梁40が結合されるようになる。
【0006】
左右対称に形成された第1、第2のPC組立柱10a,10bは、横方向に形成された多数のボルト孔15を貫通する多数の連結ボルト14によって堅固に結合される。
【0007】
上述した構成を有する従来のプレキャストコンクリート構造物は、工場で各層の柱11,12,13を多数の垂直鉄筋20と傾斜鉄筋30で連結することで、左右対称に形成される第1のPC組立柱10aと第2のPC組立柱10bとを製作しなければならなかったので、各層の柱11,12,13を製作するのに多くの時間と費用がかかるだけでなく、これらを保管して現場へ運搬するのに難しさがあった。
【0008】
また、左右対称である第1のPC組立柱10aと第2のPC組立柱10bとを現場で組み立てるためには、多数の連結ボルト14が良好に締結されるように、多数のボルト孔15を正確に合わせなければならないが、熟練者であっても斯かる作業を毎回正確に実行するには難しさがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0733837号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の解決しようとする課題は、工場で構造物の最低層、中間層、最高層など各層の単位構造物を別途に製作し、これらをサイズと順序に合わせて現場で積層さえすれば完成できるようにすることで、単位構造物の製作に必要な時間と費用を大幅に減らすことができるプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の解決しようとする他の課題は、斯かる単位構造物を使用することにより、所望の構造物を施工するのに必要な時間と費用も大幅に減らすことができ、組立(施工)された構造物の安定性を保障できるプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した本発明の課題を解決するために、本発明は、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を有する下部単位構造物110と、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を有する中間単位構造物130と、順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を有する上部単位構造物150と、を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート構造物100を提供する。
【0013】
本発明のプレキャストコンクリート構造物100は、下部単位構造物110、中間単位構造物130、上部単位構造物150を構成するすべての単位構造物は、多数の太い鉄筋2の挿入を案内する鉄筋案内体115がそれぞれ設けられることを特徴とし、鉄筋案内体115は、多数の太い鉄筋2が嵌挿される多数の嵌合部116と、多数の嵌合部116を連結する継ぎ手117とから構成されることを他の特徴とする。
【0014】
また、下部単位構造物110、中間単位構造物130、上部単位構造物150は、それぞれ内部を貫通する引張線束1によって堅固に結合されることを特徴とし、最低層単位構造物111は、引張線束1を結束する下端部結束体11が楔結合される楔状結合体114を中央に位置するように下端部の中に設けられることと、中間層単位構造物112は、引張線束1が貫通する貫通孔の周辺に位置するように、下端部に多数の太い鉄筋2が楔結束する多数の鉄筋結束体116が設けられることを他の特徴とする。多数の鉄筋結束体116は、上部が立設した形状を有し、下部が逆に立設した形状を有するように、それぞれ1対に構成されることを更に他の特徴とする。
【0015】
また、最高層単位構造物113は、前記中間層単位構造物112と同様な構成を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、最低層単位構造物131は、引張線束1を結束する下端部結束体31が楔結合される楔状結合体134を中央に位置するように下端部の中に設けられ、楔状結合体134は、上部が立設した形状を有し、下部が逆に立設した形状を有するように、それぞれ1対に構成されることを特徴とし、楔状結合体134の上部には、最低層単位構造物131に嵌合される下端部結束体31が楔結束され、楔状結合体134の下部には、最高層単位構造物113の上に突出する他の引張線束1を結束する上端部結束体12が楔結束されることを他の特徴とする。
【0017】
本発明によれば、最高層単位構造物153は、引張線束1を結束する上端部結束体52が楔結合される楔状結合体155を中央に位置するように、上端部の中に逆に立設するように設けられることを特徴とする。
【0018】
また、本発明によれば、(A)最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を順序どおり垂直に積層して下部単位構造物110を製作する工程と、(B)最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を順序どおり垂直に積層して中間単位構造物130を製作する工程と、(C)最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を順序どおり垂直に積層して上部単位構造物150を製作する工程と、(D)下部単位構造物110の直ぐ上に中間単位構造物130を垂直に積層し、中間単位構造物130の直ぐ上に更に上部単位構造物150を積層する工程と、を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート構造物の施工方法を提供する。
【0019】
本発明の施工方法は、中間単位構造物130の個数が施工しようとする構造物の高さに応じて異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法によれば、工場で構造物の最低層、中間層、最高層など各層の単位構造物を別途に製作し、これらをサイズと順序に合わせて現場で積層さえすれば良いので、単位構造物の製作に必要な時間と費用を大幅に減らすことができる。
【0021】
また、現場で上記のような単位構造物を使用することにより、所望の構造物を施工するのに必要な時間と費用も大幅に減らすことができ、組立(施工)された構造物の安定性を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による複層1節PC柱を示した縦断面図である。
【図2】従来技術による複層1節PC柱のPC梁−柱の結合構造を示した縦断面図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるプレキャストコンクリート構造物の概略的な分解図である。
【図4】図3の下部単位構造物の概略的な縦断面図である。
【図5】図3の中間単位構造物の概略的な縦断面図である。
【図6】図3の上部単位構造物の概略的な縦断面図である。
【図7】図4〜図6のA−A線に沿って得られる何れか一層の単位構造物の概略的な横断面図である。
【図8】構造物の変更例で得られる何れか一層の単位構造物の概略的な横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施例によるプレキャストコンクリート構造物およびその施工方法について詳細に説明する。
【0024】
図3は、本発明の好ましい実施例によるプレキャストコンクリート構造物の概略的な分解斜視図である。図3に示されたように、本発明の実施例によるプレキャストコンクリート構造物100は、3個ずつ一束に積層した各単位構造物が、さらに他の3個ずつ一束に積層した各単位構造物の上に積層される。説明を良く理解させるために、下部の3個ずつ一束に積層された各単位構造物は「下部単位構造物」、中間の3個ずつ一束に積層された各単位構造物は「中間単位構造物」、他の3個ずつ一束に積層された各単位構造物は「上部単位構造物」という。従って、下部単位構造物110、中間単位構造物130、上部単位構造物150は、最低層、中間層、最高層の単位構造物を有するようになるが、図面においてはこれを1層、2層、3層の単位構造物と理解しても良い。
【0025】
図3は、代表的な施工方法を説明するために示したものであり、具体的な施工方法は図4〜図7に基づき各単位構造物について説明した後、追って再び説明することとする。
【0026】
まず、図4を参照して下部単位構造物について説明する。図4は、図3の下部単位構造物の概略的な縦断面図である。
【0027】
図4に示されたように、下部単位構造物110は、順序どおり垂直に積層される最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を有する。
【0028】
最低層単位構造物111は、一番下側に位置し、引張線束1を結束する下端部結束体11が楔結合される楔状結合体114を中央に位置するように下端部の中に設けられる。楔状結合体114は、円筒状に構成される下端部結束体11と対応するように円筒状に構成され、下端部結束体11の外周面全体が楔結合されるように下端部結束体11より多少長く形成される。
【0029】
また、最低層単位構造物111は、上端部の内部と、楔状結合体114の上に位置する下端部の内部とに、多数の太い鉄筋2の挿入を案内する鉄筋案内体115がそれぞれ設けられる。該鉄筋案内体115には、多数の太い鉄筋2が垂直に立設される。この時、多数の太い鉄筋2の上端部は、最低層単位構造物111の上端の外側に突出される。
【0030】
上記のような構造は、最低層単位構造物111を製作するための製作フレーム(図示せず)に楔状結合体114と多数の鉄筋案内体115と多数の太い鉄筋2とを所望の好ましい位置に位置させた後、ここにコンクリートを打設して堅く固定させることによって得られる。図示していないが、多数の太い鉄筋2の間には、多数の細い鉄筋が挿通される。次に説明する中間層単位構造物112および最高層単位構造物113も、最低層単位構造物111と同様な方法によって得られるので、製作方法は省略する。
【0031】
中間層単位構造物112は、引張線束1が貫通する貫通孔の周辺に位置するように、下端部に多数の太い鉄筋2が楔結束する多数の鉄筋結束体116が設けられる。多数の鉄筋結束体116は、上部が立設した形状を有し、下部が逆に立設した形状を有するように、一体または分離可能にそれぞれ1対に構成されている。鉄筋結束体116の上部には、該当単位構造物112に挿通される太い鉄筋2が楔結束されるようになり、鉄筋結束体116の下部には、他の単位構造物、つまり最低層単位構造物111の上に突出した太い鉄筋2が楔結束される。
【0032】
また、中間層単位構造物112は、上端部の内部と、楔状結合体116の上に位置する下端部の内部とに、多数の太い鉄筋2の挿入を案内する鉄筋案内体115がそれぞれ設けられる。該鉄筋案内体115には、多数の太い鉄筋2が垂直に立設される。この時、多数の太い鉄筋2の上端部は、中間層単位構造物112の上端の外側に突出される。
【0033】
最高層単位構造物113は、中間層単位構造物112と同様な構成を有するので、説明を省略する。
【0034】
図4のように垂直に積層された最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113は、引張線束1によって互いに堅固に結合される。引張線束1の下端部に結束された下端部結束体11は、最低層単位構造物111に設けられた楔状結合体114に重い自重によって垂直に楔結合されるようになり、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体は12は、最高層単位構造物113の上端に掛けられる。
【0035】
この時、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体12には、最高層単位構造物113の上端に掛けられる程度のサイズを有する結束板13が設けられていて、上端部結束体12が最高層単位構造物113の外側に位置するようになる。また、引張線束1によって各単位構造物111,112,113を堅固に結合させるために、積層された単位構造物111,112,113の全体長さより、その内部の引張線束1の長さを多少短くし、引張線束1の引張力が各単位構造物111,112,113に垂直に加えられるようにする。
【0036】
次に、図5を参照して中間層単位構造物130について説明する。図5は、図3の中間層単位構造物の概略的な縦断面図である。
【0037】
図5に示されたように、中間単位構造物130は、順序どおり垂直に積層される最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を有する。図5において、最低層単位構造物131は、引張線束1を結束する下端部結束体31が楔結合される楔状結合体134を中央に位置するように下端部の中に設けられる。この時、楔状結合体134は、図4の最低層単位構造物111に適用されたものとは異なって、上部は立設した形状を有し、下部は逆に立設した形状を有するように、それぞれ1対に構成されている。楔状結合体134の上部には、該当単位構造物131に嵌合される引張線束1を結束する下端部結束体31が楔結束されるようになり、楔状結合体134の下部には、図4で一番上に突出した他の引張線束1を結束する上端部結束体12が楔結束されるようになる。
【0038】
最低層単位構造物131の上に積層される中間層単位構造物132および最高層単位構造物133は、図4で説明した中間層単位構造物112および最高層単位構造物113と同様な構成を有するので、説明を省略する。
【0039】
このように垂直に積層された最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133は、引張線束1によって互いに堅固に結合される。引張線束1の下端部に結束された下端部結束体31は、最低層単位構造物131に設けられた楔状結合体134に重い自重によって垂直に楔結合されるようになり、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体は32は、最高層単位構造物133の上端に掛けられるようになる。
【0040】
この時、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体32には、最高層単位構造物133の上端に掛けられる程度のサイズを有する結束板33が設けられていて、上端部結束体32が最高層単位構造物133の外側に位置するようになる。また、引張線束1によって各単位構造物131,132,133を堅固に結合させるために、積層された単位構造物131,132,133の全体長さより、その内部の引張線束1の長さを多少短くし、引張線束1の引張力が各単位構造物131,132,133に垂直に加えられるようにする。
【0041】
このようにして得られた中間単位構造物130は、図4に示した下部単位構造物110の上に垂直に積層されるようになる。この時、図5の中間単位構造物130の最低層単位構造物131に設けられた楔状結合体134の空いている一部は、該当構造物の重い自重によって、図4の下部単位構造物110の最高層単位構造物113の上端の上に突出した上端部結束体12に強く楔結合される。
【0042】
最後に、図6を参照して上部単位構造物150について説明する。図6は、図3の上部単位構造物の概略的な縦断面図である。
【0043】
図6に示されたように、上部単位構造物150は、順序どおり垂直に積層される最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を有する。
【0044】
最低層単位構造物151および中間層単位構造物152は、図5で説明した最低層単位構造物131および中間層単位構造物132と同様な構成を有するので、説明を省略する。
【0045】
最高層単位構造物153は、引張線束1を結束する上端部結束体52が楔結合される楔状結合体155を中央に位置するように上端部の中に設けられる。この時、楔状結合体155は、図4の最低層単位構造物に適用されたものと同一構成を有するものの、逆に立設されたことだけが異なる。
【0046】
このように垂直に積層された最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153は、引張線束1によって互いに堅固に結合される。引張線束1の下端部に結束された下端部結束体51は、最低層単位構造物151に設けられた楔状結合体154に重い自重によって垂直に楔結合されるようになり、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体は52は、最高層単位構造物153の上端に掛けられるようになる。
【0047】
この時、引張線束1の上端部に結束された上端部結束体52には、最高層単位構造物153の上端に掛けられる程度のサイズを有する結束板53が設けられており、下端部結束体51は、最高層単位構造物153の中に配置されている。また、引張線束1によって各単位構造物151,152,153を堅固に結合させるために、積層された単位構造物151,152,153の全体長さより、その内部の引張線束1の長さを多少短くし、引張線束1の引張力が各単位構造物151,152,153に垂直に加えられるようにする。
【0048】
図7は、図4〜図6のA−A線に沿って得られる何れか一層の単位構造物の概略的な横断面図である。図7に示されたように、四角形の単位構造物の4つの角側付近に4つの太い鉄筋2が位置するように、鉄筋案内体115が設置されている。鉄筋案内体115は、太い鉄筋2が嵌合される円形の嵌合部116と、各嵌合部116を連結する継ぎ部117とから構成される。太い鉄筋2の周囲に細い鉄筋3が挿通される形態が見える。
【0049】
図7は、四角形の断面を有する単位構造物を示しているが、これとは異なり、単位構造物は図8のように円形の断面を有することもある。
【0050】
図8に示されたように、円形の単位構造物に4つの太い鉄筋2が位置するように、鉄筋案内体115が設置されている。鉄筋案内体115は太い鉄筋2が嵌合される円形の嵌合部116と、各嵌合部116を連結する継ぎ部117とから構成される。太い鉄筋2の周囲に細い鉄筋3が挿通される形態が見える。
【0051】
本発明のプレキャストコンクリート構造物を施工する方法について、さらに図1を参照して簡単に説明する。
【0052】
まず、図4のように、現場で最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を順序どおり垂直に積層することで、下部単位構造物110を製作する。
【0053】
次に、図5のように、最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を順序どおり垂直に積層することで、中間単位構造物130を製作する。
【0054】
次に、図6のように、最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を順序どおり垂直に積層することで、上部単位構造物150を製作する。
【0055】
最後に、下部単位構造物110の直ぐ上に中間単位構造物130を垂直に積層し、中間単位構造物130の直ぐ上にさらに上部単位構造物150を積層する。
【0056】
ここでは、中間単位構造物130が一つだけ適用されたが、施工しようとする構造物の高さに応じて中間単位構造物130の個数を異ならせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上、本発明の好ましい実施例を参考し、本発明のプレキャストコンクリート構造物及びその施工方法について説明したが、本発明の思想を外さない範囲内で多様な変更、変形または修正が可能であることは、当業者に明白である。
【符号の説明】
【0058】
100 プレキャストコンクリート構造物
110 下部単位構造物
111、131、151 最低層単位構造物
112、132、152 中間層単位構造物
113、133、153 最高層単位構造物
114、134、154 楔状結合体
115 鉄筋案内体
116 鉄筋結束体
130 中間単位構造物
150 上部単位構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を有する下部単位構造物110と、
順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を有する中間単位構造物130と、
順序どおり互いに楔結合されるように垂直に積層される最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を有する上部単位構造物150と、
を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート構造物。
【請求項2】
前記下部単位構造物110、前記中間単位構造物130、前記上部単位構造物150を構成するすべての単位構造物には、多数の太い鉄筋2の挿入を案内する鉄筋案内体115がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項3】
前記鉄筋案内体115は、前記多数の太い鉄筋2が嵌合される多数の嵌合部116と、多数の嵌合部116を連結する継ぎ手117とから構成されることを特徴とする請求項2に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項4】
前記下部単位構造物110、前記中間単位構造物130、前記上部単位構造物150は、それぞれ内部を貫通する引張線束1によって堅固に結合されることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項5】
前記最低層単位構造物111は、前記引張線束1を結束する下端部結束体11が楔結合される楔状結合体114を中央に位置するように、下端部の中に設けられることを特徴とする請求項4に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項6】
前記中間層単位構造物112は、前記引張線束1が貫通する貫通孔の周辺に位置するように、下端部に多数の太い鉄筋2が楔結束する多数の鉄筋結束体116が設けられることを特徴とする請求項4に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項7】
前記多数の鉄筋結束体116は、上部が立設した形状を有し、下部が逆に立設した形状を有するように、それぞれ1対に構成されることを特徴とする請求項6に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項8】
前記最高層単位構造物113は、前記中間層単位構造物112と同様な構成を有することを特徴とする請求項4に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項9】
前記最低層単位構造物131は、引張線束1を結束する下端部結束体31が楔結合される楔状結合体134を中央に位置するように下端部の中に設けられ、前記楔状結合体134は、上部が立設した形状を有し、下部が逆に立設した形状を有するように、それぞれ1対に構成されることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項10】
前記楔状結合体134の上部には、前記最低層単位構造物131に嵌合される前記下端部結束体31が楔結束され、前記楔状結合体134の下部には、前記最高層単位構造物113の上に突出する他の引張線束1を結束する上端部結束体12が楔結束されることを特徴とする請求項9に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項11】
前記最高層単位構造物153は、引張線束1を結束する上端部結束体52が楔結合される楔状結合体155を中央に位置するように、上端部の中に逆に立設するように設けられることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート構造物。
【請求項12】
(A)最低層単位構造物111、中間層単位構造物112、最高層単位構造物113を順序どおり垂直に積層して下部単位構造物110を製作する工程と、
(B)最低層単位構造物131、中間層単位構造物132、最高層単位構造物133を順序どおり垂直に積層して中間単位構造物130を製作する工程と、
(C)最低層単位構造物151、中間層単位構造物152、最高層単位構造物153を順序どおり垂直に積層して上部単位構造物150を製作する工程と、
(D)下部単位構造物110の直ぐ上に中間単位構造物130を垂直に積層し、中間単位構造物130の直ぐ上に更に上部単位構造物150を積層する工程と、
を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート構造物の施工方法。
【請求項13】
前記中間単位構造物130の個数は、施工しようとする構造物の高さに応じて異なることを特徴とする請求項12に記載のプレキャストコンクリート構造物の施工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−231608(P2011−231608A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177419(P2010−177419)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(510215743)
【出願人】(510215754)
【出願人】(510215765)
【Fターム(参考)】