説明

プレゼンス通知の複数判断基準管理の方法およびシステム

空ではない連絡先のリストを含み、プレゼンス・サーバに接続された、インスタント・コミュニケーションの手段によって提案されるプレゼンス通知の複数判断基準管理方法であって、
−表示され、プレゼンス・サーバから送信されるプレゼンス通知をフィルタリングするルールの構成のステップと、
−プレゼンス情報の自動的構成のステップと、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上でのプレゼンス情報の自動的ブロードキャストのステップと、
を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔通信の技術的分野に関し、より具体的には、インスタント・コミュニケーション(instant communication)の手段のユーザを対象とするプレゼンス通知に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット開発は、メーリング・リスト、インスタント・メッセージング、ウィキ、ウェブログ、電子メール、フォーラムなど、開発され続ける通信および共同作業の手段を大量にもたらした。
【0003】
具体的に言うと、インスタント・メッセージング(IM)サービスは、爆発的な人気を経験した。インスタント・メッセージング・サービスは、ユーザの間の対話がオンラインであり、リアルタイムであるという特定の特徴を有し、これによって、対話がオフラインで実行され、遅延を伴う通信の他の手段とは異なって、アクティブな対話を可能にする。インスタント・メッセージング・サービスが、時々、用語チャットおよびチャッティングによって表されることに留意されたい。
【0004】
インスタント・メッセージングは、同一ネットワーク、最も一般的にはインターネットに接続された複数のリモート端末(たとえば、コンピュータ、PDA、および携帯電話機)の間でのデータ(テキスト、音声、ビジュアル、エモティコン)の瞬間的交換を可能にするコンピュータ・システムである。
【0005】
進化の際に、インスタント・メッセージングは、音声、ビデオ、およびすべての種類の共同アプリケーション(たとえば、共有ホワイトボード、テキスト編集、およびゲーム)などの特徴をますます統合してきた。これを達成するために、インスタント・メッセージングは、インスタント・メッセージング・サーバに接続するソフトウェア・アプリケーションまたはウェブ・インターフェースの使用を必要とする。したがって、インスタント・メッセージングは、一般に、Windows Live Messenger、Microsoft Office Communicator、またはYahoo! Messenger、ICQTM、My Teamwork(Alcatel−Lucent社によって公表された)、およびMSN Web messengerなどのインスタント・メッセージング・プログラムまたはウェブ・インターフェースに関連するアカウントを有する。
【0006】
ほとんどのインスタント・メッセージング・サービスは、リアル・タイムでのプレゼンス通知およびアベイラビリティ(availability)(メッセージに応ずる暇があること)通知をアナウンスするシステムを提供し、これらの通知は、対話するためにオンラインであるメンバならびに彼らのアベイラビリティ、および時には彼らの気分さえ示す。アナウンスされたプレゼンス状況を、たとえば、アンアベイラビリティ(unavailability)の原因すなわち、「ビジー(レポート執筆中)」、「不在(外食)」、「10分で戻ります」、「就寝中」、「電話中」、「ミーティング中」、「仕事場」を示すために、説明することもできる。
【0007】
たとえば、Windows Live Messengerは、ユーザのリストに含まれる連絡先のそれぞれのアベイラビリティを象徴する複数のプレゼンス状況を提供する。各ユーザは、彼または彼女の状況を表示することができ、これは、彼または彼女の現在の活動すなわち、ログ・アウト済み、ログ・イン済み、アウェイ(away)(離れている)、アンアベイラブル(unavailable)(メッセージに応ずる暇がない)、インビジブル(invisible)(不可視)を意味する。インビジブル状況は、連絡先からビジブル(可視)にならずにログ・インしている人のリストを見るのに使用することができる。
【0008】
プレゼンス管理は、インスタント・メッセージングを介して連絡先と連絡をとることを試みる前にその連絡先の状況を検証できるユーザに特に有用であることがわかっている。それを行う際に、プレゼンス管理は、通信の確立を単純にし、促進することを可能にする。
【0009】
たとえば、彼または彼女のリモート共同作業チームの全メンバを彼または彼女のリスト内に有するユーザは、彼または彼女の共同作業者のアベイラビリティをリアル・タイムで知り、その結果として彼らの対話を同期させることができる。
【0010】
インスタント・メッセージング・サービスによって使用されるプレゼンス管理システムの引用できる例は、DynamicSoft、Indigo Software、およびHotsipを含む。
【0011】
プレゼンス・サービスを提供する通信の他の手段が、インスタント・メッセージング・サービスと同程度に成功してきた。これは、移動体通信の手段ならびにソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール(Twitter、Jaiku、Co−op、Yammer、およびSocialCast)の最新世代に特にあてはまる。
【0012】
ほとんどのソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマククロブロギング・ツールは、ユーザが彼または彼女のネットワークに彼または彼女のプレゼンスのインジケータを表示することを可能にする。たとえば、あるユーザが、ショート・メッセージを使用して、「彼/彼女が今行っていること」について彼または彼女のネットワークに知らせることができる。これらのメッセージは、そのユーザによって手作業で更新され、インスタント・メッセージング・サービスから取り出され、あるいはRSSフィードを使用して他のソースから取り出される。
【0013】
下では、用語「通信の瞬間的手段」は、インスタント・メッセージング・サービス、移動体通信の手段、ならびにソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツールなど、リアルタイム通信のすべての手段を表す。
【0014】
プレゼンス管理は、透過的な形でインスタント・コミュニケーションの手段を介して展開され、その結果、状況が、各変更に応答して連絡先のリストに表示されるようになる。言い換えると、ユーザのプレゼンス状況が、たとえばログ・アウト済みからログ・イン済みに、ビジーからアベイラブルに、またはインビジブルからアブセント(不在)に変化する場合には、新しい状況を示す通知が、リスト内の連絡先のすべてまたは一部(選択的配布)に配布される。したがって、ユーザは、
−彼または彼女のプレゼンス状況に対する変更があった回数と同数の彼または彼女の連絡先に送信されるプレゼンス通知の発信元になり、
−彼または彼女の連絡先のプレゼンス状況に対して行われたプレゼンス状況変更と同数のプレゼンス通知を示される。
【0015】
その結果、プレゼンス通知管理は、
−表示される通知を発したユーザ(下では、彼または彼女のプレゼンス状況を変更することによって彼または彼女が通知を生成するので、ジェネレータと表す)、
および
−これらの通知を受信するユーザ(下では、彼または彼女が受信された通知を観察するので、オブザーバと表す)、
に関する。
【0016】
実際には、プレゼンス管理は、ジェネレータとオブザーバとの両方に関する複数の問題を伴う。これは、彼または彼女のリスト内に複数の連絡先を有するユーザが、
−要求されない通知を受信する(具体的に言うと、オブザーバは、彼または彼女のリスト内の各連絡先に関係するプレゼンス状況のすべての変化に応答して通知を受信する。これは、オブザーバを悩まし(非常に頻繁な通知)、インスタント・コミュニケーションの手段(コンピューティング・リソース)および進行中のイベント(たとえば、進行中であるシミュレーション、ミーティング、または話される通信)の正しい作業順序に影響する危険を冒す)
−1つまたは別の特定の連絡先の現在の状況について知らされるために、すべての受信された通知を注意深く再検討するか、彼または彼女の連絡先の状況を定期的に問い合わせる義務を負い、
−たとえばすべてのイベント(ミーティング、会議、アプリケーションから離れること)の前またはインスタント・コミュニケーションの手段がスタート・アップするたびに、彼または彼女のアクティブ・プレゼンス情報を頻繁に問い合わせるように制約され、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上で彼または彼女のプレゼンス情報(彼または彼女のプレゼンス状況および/または「彼/彼女が今行っていること」)を手作業で更新するように制約される、
可能性があるからである。
【0017】
さらに、一般に、ソーシャル・ネットワーキング・ツールまたはマイクロブロギング・ツールでのユーザのプレゼンス情報は、そのユーザがその情報を手作業で編集しない限り、変更されない。したがって、インスタント・コミュニケーションの複数の手段に登録したユーザは、彼または彼女が登録した通信の手段の数と同じ回数だけ、彼または彼女のプレゼンス情報を示すように制約される。
【0018】
文書WO 2008/041830に、オブザーバが、彼または彼女のリスト内の連絡先のセットに関係するプレゼンス通知の受信の形(グループ化された通知)および回数(その数が少なくとも/多くとも/正確に所定の数と等しい)を扱うルールを定義することを可能にする1つの方法が記載されている。オブザーバは、ルールが満足された後に、構成された通知を受信する。
【0019】
最近Wind Mobile社によって導入されたプレゼンス通知管理解決策は、携帯電話機専用である。これは、携帯電話機のユーザが、彼/彼女自身にある持続時間の間にプレゼンス状況を割り当てることと、その時間期間をセットすることとを可能にする。状況「ビジー」を有する被呼当事者に到達することを不成功に試みる発呼者は、被呼当事者の状況が「アベイラブル」に変更された後に通知を受信する。
【0020】
Microsoft Office Communicator 2007は、オブザーバが、彼または彼女のリストからの連絡先のアベイラビリティについて自動的に通知を受けるために、その人にラベルを付けることを可能にする。
【0021】
FriendFeed Inc,によって公表されたFriendFeedというアグリゲータ(aggregator)は、たとえばGoogle TalkおよびTwitter内のユーザの最も最新のプレゼンス情報を別々に表示するために、複数のソーシャル・ネットワーク・ツールおよびマイクロブロギング・ツール(Twitterなど)からおよび複数のインスタント・メッセージング・サービス(Google Talkなど)からの更新を一緒にグループ化することを可能にする。しかし、この解決策は、
−FriendFeedによってカバーされるインスタント・コミュニケーション・ツールに既に登録しているユーザ、
−そのユーザによって手作業で編集されたプレゼンス情報、
のみに関係する。
【0022】
したがって、少数の方法およびシステムが、インスタント・コミュニケーションの手段によってサポートされるプレゼンス通知の複数判断基準管理を保証することが知られている。さらに、これらのシステムは、非常に特定である。これらのシステムは、主に、
−単一のインスタント・コミュニケーション・ツールのためのプレゼンス通知の管理(たとえば、Wind Mobile社の解決策)、
−非常に制限された通知管理(たとえば、プレゼンス通知の個数を扱う、WO 2008/041830によって提案される解決策)、
−オブザーバの端での通知の管理のみ(たとえば、WO 2008/041830によって提案される解決策)またはジェネレータの瑞での通知の管理のみ(たとえば、Wind Mobile社の解決策)、
に関する。
【0023】
その結果、既知のシステムおよび方法は、特に
−プレゼンス・サービスを組み込まれたインスタント・コミュニケーションの、すべてではないとしても多数の手段(たとえば、インスタント・メッセージング・サービスおよび移動体通信手段)をカバーし、
−ユーザに注意を払うことによって、彼または彼女がプレゼンス通知のジェネレータまたはオブザーバのどちらであれ、統一されており、
−プレゼンス通知の複数の判断基準を与え、
−自動的でありカスタマイズ可能であり(ユーザによってプログラム可能)、
−ユーザのアカウントのうちの1つから別のアカウントへエクスポート/インポートでき、
−インスタント・メッセージング・サービスでのユーザのプレゼンス情報に対するすべての変更に従って、ソーシャル・ネットワーキング・ツールまたはマイクロブロギング・ツールでの彼または彼女のプレゼンス情報に対する変更をリアル・タイムで自動的に処理する、
サービスを使用可能にするいずれかの管理の不在に起因して、不完全である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】WO 2008/041830
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の1つの目的は、前述の欠点を改善することである。具体的に言うと、本発明は、プレゼンス・サービスを提案するインスタント・コミュニケーションの手段によってサポートされるプレゼンス通知の統一された複数判断基準管理を可能にする方法、システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提案することを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
そのために、第1の態様によれば、本発明は、連絡先の空ではないリストを含み、プレゼンス・サーバに接続された、インスタント・コミュニケーションの手段によって提案されるプレゼンス通知を管理する複数判断基準方法であって、
−表示され、プレゼンス・サーバから送信されるプレゼンス通知をフィルタリングするルールの構成のステップと、
−プレゼンス情報の自動的構成のステップと、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上でのプレゼンス情報の自動的ブロードキャストのステップと、
を含む方法を提案する。
【0027】
第2の態様によれば、本発明は、連絡先の空ではないリストを含み、プレゼンス・サーバに接続された、インスタント・コミュニケーションの手段によって提案されるプレゼンス通知を管理する複数判断基準システムであって、
−表示され、プレゼンス・サーバから送信されるプレゼンス通知をフィルタリングするルールを構成する手段と、
−プレゼンス情報を自動的に構成する手段と、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上でプレゼンス情報を自動的にブロードキャストする手段と、
を含むシステムを提案する。
【0028】
第3の態様によれば、本発明は、コンピュータ処理ユニット内で実施することができ、上で要約された方法を実施する命令を含む、記憶媒体上で実施されるコンピュータ・プログラム製品に関する。
【0029】
本発明は、インスタント・コミュニケーションの手段自体とは独立のプレゼンス・サーバを組み込んだインスタント・コミュニケーションの手段によって送信されまたは受信されるプレゼンス通知の複数判断基準管理を可能にする。
【0030】
本発明は、特に、インスタント・コミュニケーションの手段のユーザによって定義されたルールの助けを得て、ブロードキャストされまたは受信されるプレゼンス通知をフィルタ・アウトすることを可能にする。
【0031】
非限定的な例として、ルールは、時間、新しい状況、状況の変化、以前の状況、および1つまたは複数の連絡先から来る通知の個数を扱うことができる。これらのルールは、同時に1つまたは複数の連絡先に関係するものとすることができる。
【0032】
本発明は、特に、ユーザがインスタント・コミュニケーションの手段内の彼または彼女の連絡先リストに複数の連絡先を有し、その手段を介して激しく要求される場合に適用可能である。
【0033】
本発明の他の特性および利益は、添付図面を参照して行われる、好ましい実施形態の下の説明を読む時により明瞭かつ完全に明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のアプリケーション・コンテキストを概略的に示す図である。
【図2】発明的デバイスの2つの変形形態を概略的に示す図である。
【図3】発明的デバイスの2つの変形形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
インスタント・コミュニケーションの手段によってサポートされるプレゼンス通知の複数判断基準管理の方法およびシステムのこの説明では、ユーザが、インスタント・コミュニケーションの手段1内のアカウントを有し、空ではない連絡先リストを有するという仮定を設ける。
【0036】
図1を参照すると、ユーザは、インスタント・コミュニケーションの手段1によって、それに関連するユーザ・インターフェースを介して接続する。非限定的な例として、このユーザ・インターフェースは、
−一般にMSN Messenger、Yahoo! Messenger、およびMy Teamworkなどのインスタント・メッセージングによって提供される、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、
−ウェブ・インターフェース(たとえば、ウェブ・メッセンジャ、Twitter、Jaiku、Co−op、Yammer、およびSocialCastなどのソーシャル・ネットワーキング・ツール)、
−モバイル端末(PDA(携帯情報端末)、携帯電話機)に適合されたユーザ・インターフェース、
である。
【0037】
図1に、相互運用可能であってもなくてもよいインスタント・コミュニケーションの異なる手段1〜6を示す。
【0038】
インスタント・コミュニケーションの手段1は、通信ネットワーク20を介する2人のユーザの間の通信を確立することを可能にする。通信ネットワーク20は、インターネットおよびPLMN(public land mobile network)などの複数の相互接続された通信ネットワークを動作させる異種通信ネットワーキングとすることができる。一般的に言って、インスタント・コミュニケーションの手段1への接続には、ユーザ名およびパスワード、またはより一般的に言って識別子の助けを得る認証のステップが先行する。
【0039】
インスタント・コミュニケーションの手段1によって提供されるプレゼンス情報は、一般に、プレゼンス・サーバ10から取り出される/送信される。プレゼンス・サーバ10は、
−複数の共同プレゼンス・サーバから構成され、
−インスタント・コミュニケーションの手段1のプラットフォームとは独立であるか、これに統合される、
ものとすることができる。
【0040】
本発明は、ユーザが、1つまたは複数の連絡先に関するプレゼンス通知ルールを定義することを可能にする。ルールが満足される時には必ず、通知ウィンドウが、そのユーザに示される。通知の表示の管理は、一般に、インスタント・コミュニケーションの手段1のユーザ・インターフェースによって処理される。この表示は、たとえば、
−スクリーンの右下に表示される小さいウィンドウ(たとえば、インスタント・メッセージングで)、
−受信トレイ内に表示されるテキストベースのメッセージ(たとえば、モバイル端末で)、
−通知のテキスト内容を話す音声ベースのメッセージ、
の形をとることができる。
【0041】
ユーザがプレゼンス通知をフィルタリングするルールを定義することを可能にするために、少なくともインスタント・コミュニケーションの手段1は、図2に示されているように、ルールを構成するグラフィカル・インターフェースに関連付けられる。このインターフェースは、
−連絡先は、現在「ログ・イン済み」である、
−連絡先は、現在「ビジー」である、
−連絡先の状況は、「アベイラブル」であったが、現在は「電話中」である、
−連絡先は、もはや「ミーティング中」ではない、
−連絡先は、現在「就寝中」である、
−連絡先は、もはや「電話中」ではない、
−連絡先は、n時間にわたって「ビジー」であった、
−連絡先は、n分にわたって「電話中」であった、
などのデフォルト・ルールを表示する。
【0042】
言い換えると、構成されるべきルールは、
−連絡先の現在の状況、
−ある状況から別の状況への連絡先の状況の変化、
−連絡先の以前の状況、
−時間と対にされた現在の状況、
を扱うルールを含む。
【0043】
いくつかのルールが、当該の連絡先(1つまたは複数)が既に接続されていることを仮定することは明白である。
【0044】
もう1つのルール構成モードによれば、ルールを、プレゼンス通知を表示するある頻度と対にすることも可能である。たとえば、
−ある数のプレゼンス通知があった後に、単一の構成された通知を表示する、
−時間単位ごとに(たとえば、1時間ごとにまたは1日ごとに)単純または構成的のいずれかの単一の通知を表示する、
−時間単位あたりn個を超える通知は表示しない、
ことができる。
【0045】
ユーザは、
−連絡先の状況のすべてが「アベイラブル」である、
−N個の連絡先のうちの少なくともn個の状況が「アベイラブル」である(ただし、nは、ユーザによって指定される、N以下の整数または同等)、
−連絡先の状況のすべてが「外食」である、
−N個の連絡先のN個の状況の中からの正確にn個の状況が「接続済み」である、
−N個の連絡先に関連するブロッキング/アンブロッキング通知、
など、1つのルールを複数の連絡先に関連付けることもできる。
【0046】
このタイプのルールは、特に、複数の連絡先の存在(プレゼンス)を必要とするリモート共同作業のコンテキストであてはまる可能性がある。
【0047】
1つの変形形態では、ルールを時間と対にすることが可能である。たとえば、あるルールを、
−この期間を繰り返すまたは繰り返さないというオプション(毎日、毎週、毎月、月曜、火曜、および土曜のみ、第2週のみ、9月から6月までのみ(チェックリストまたは他の選択方法による))を伴って、午後12時から午後2時まで、月曜午後8時から金曜午後6時まで、または午前8時から午前10時まで、
−ルールが定義される時または所与の日付(たとえば、分/日/月/年の時間フォーマットで)から始まるある長さの時間の間(たとえば、1時間、2時間、または1日)、
に限って適用しなければならない。
【0048】
フィルタリング・ルールを構成するもう1つのモードによれば、ユーザは、彼または彼女自身の役割を定義することができ、これによって、より選択的でより複雑なルールを定義することが可能になる。たとえば、
−ある連絡先の状況の特定のシーケンス(たとえば、「ログ・イン済み」−「ビジー」−「外食」−「就寝中」)、
−状況の特定の組合せ、たとえば、{「状況A」または「状況B」または「状況C」}から{「状況D」または「状況E」}へ、あるいは{「状況A」または「状況W」}から{「状況A」および「状況W」以外の状況}へ、({「ビジー」または「就寝中」}から{「アベイラブル」または「仕事場」}へ)、
−ある時間間隔内の連絡先の状況の不変性持続時間(たとえば、午前8時〜午後12時の間の3時間にわたる「外食」)、
−ある通知シーケンスの頻度(たとえば、1日あたり2回の「アベイラブル−アウェイ−アベイラブル(available−away−available))、
−先行する要因の組合せ、
を扱うルールを定義する。
【0049】
通知は、ルールが満足された後にオブザーバに表示される。
【0050】
もう1つの変形形態によれば、通知は、連絡先との通信の確立で失敗がある時に必ず、ユーザに表示される。言い換えると、あるユーザが、連絡先がアベイラブルではない時にその連絡先との対話を試みる(たとえば、ウェブカムの電源を入れる、電話に出る、またはデータの受信に合意することを要求する)時には必ず、通知が表示され、1つまたは複数の適切な規定されたルールを提供する(連絡先の現在の状況およびユーザの要求に従って)。
【0051】
たとえば、ユーザAが、彼または彼女の連絡先のリストに現れるユーザBとの音声通信を、そのユーザが既に電話をかけており、彼または彼女の現在の状況が「電話中」である間に要求する時には必ず、通知が、
−ユーザBの現在の状況の結果として通信の確立が失敗したことを示し(たとえば、「ユーザBの現在の状況が「電話中」なので、呼を確立できませんでした」)
−ユーザBの状況がもはや「電話中」ではなくなった後、またはユーザBの状況が「アベイラブル」になった後に、知らせてもらうようにユーザAに提案する。
【0052】
具体的に言うと、この通知は、要求の時のユーザBの状況が必ずしもその要求の満足を伴わない場合であっても、ユーザAの要求が満足される時には表示されない。これは、たとえば、
−ユーザAが、同時に2つの対話をサポートできるインスタント・コミュニケーションの手段(たとえば、同時に2つの呼を受信できる携帯電話機、同時に音声ベースの通信およびテキストベースの通信を確立できるインスタント・メッセージング・アプリケーション)を有する、
−ユーザBが、偶然にまたは意図的に、受信された要求と非互換と思われる状況を選択している、
時に発生する可能性がある。
【0053】
図3に示されたもう1つの変形形態に基づいて、通知は、ユーザAおよび連絡先が使用可能なインスタント・コミュニケーションの手段の能力および現在の構成の制限内で、ユーザAによってアクティブ化される異なるアクションを表示することができる。この通知は、連絡先の新しいプレゼンス状況ならびに「この連絡先に電話をかける」、「私の状況を変更する」、および「この連絡先にメッセージを送信する」などの他のアクションを表示する。
【0054】
テキストベースの通信および音声ベースの通信だけを許可するインスタント・メッセージング・アプリケーションにログ・インしたユーザは、ログ・インしたばかりの連絡先とのビジュアル通信オプションを、ユーザAのインスタント・コミュニケーションの手段と互換の彼または彼女のインスタント・コミュニケーションの手段がビジュアル通信をサポートする場合であっても、表示しない。
【0055】
アクションをルールに関連付けるもう1つのモードによれば、アクションは、このルールが満足された後に自動的にトリガされる。たとえば、現在は状況「電話中」を有する連絡先が彼のまたは状況を変更した後にその連絡先との音声ベースの通信を開始するというアクション、あるいはある連絡先の状況が「ログ・イン済み」になった後に私の状況を「インビジブル」に自動的に変更するというアクションである。
【0056】
さらに、通知ジェネレータ(オブザーバによって再検討される通知の発信元であった)は、プレゼンス・サーバ10に送信され、その後に彼または彼女の連絡先のリストまたはソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツールにブロードキャストされるように通知を管理することができる。
【0057】
もう一度図2を参照すると、インスタント・コミュニケーションの手段1のユーザは、ジェネレータとして、個人プレゼンス・メッセージを構成することができ、この個人プレゼンス・メッセージは、たとえば、
−日付1から日付2までのメッセージ「XXXX」を選択すること(「XXXX」は、事前定義の個人メッセージのリストから選択される個人メッセージまたはユーザによって定義される新しい個人メッセージである。日付1および日付2は、ユーザによって定義される2つの日付であり、日付1は日付2の前である)など、時間、
−インスタント・コミュニケーションの手段1によってサポートされる通信ツール(たとえば、電話機、ウェブカム)の状態、
−ある状況から(「ビジー」からまたは「電話中」から)の、特定のプレゼンス状況からのまたは特定のプレゼンス状況への変化(たとえば、「電話中」から、「アベイラブル」へ)、
−私のプレゼンス状況が午前9時の前に「非ログ・イン済み」から「ログ・イン済み」に変化する場合には「仕事場に着いたばかりです」をブロードキャストせよなど、先行する判断基準の組合せ、
に基づいてブロードキャストされる。
【0058】
ユーザのプレゼンス情報(個人メッセージおよび/またはプレゼンス状況)は、Twitterによって提供されるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)などのAPIによってソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール(TwitterまたはYammerなど)にブロードキャスト(情報プッシュ)される。これは、インスタント・コミュニケーションの手段が、ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツールがプレゼンス情報を検索する必要なしに、対応するアプリケーション・プログラミング・インターフェースを介してプレゼンス情報をソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツールに自動的に転送するからである。この動作を、一般に「情報プッシュ」と表す。この動作は、プレゼンス情報の自動構成を可能にする。
【0059】
ある種の通信フォーマット(たとえば、音声またはビジュアル)をサポートし、そのフォーマットに適切なツール(ヘッドセット/マイクロホン/電話機、またはウェブカム/カメラ)を有するインスタント・コミュニケーションの手段は、そのツールの状態(アベイラブル(使用可能)/ビジー)を検出でき、それに従ってユーザの状況を変更することができる。たとえば、ユーザが、インスタント・コミュニケーションの少なくとも1つの手段に関連する電話に出た後に、そのユーザの状況は、「電話中」になる。ユーザがその電話を切った後に、彼または彼女の状況は、「電話終了」になるか、またはその呼に先行するプレゼンス情報に戻る。
【0060】
ユーザは、プレゼンス通知を管理するためにさまざまなプロファイルを定義することができる。プロファイルは、受信される通知または送信される通知の少なくとも1つの構成ルールを含む。このプロファイルは、インスタント・コミュニケーションの手段1から別のインスタント・コミュニケーションの手段2〜6へならびにプレゼンス・サービスを提供するインスタント・コミュニケーションの単一の手段1内のあるアカウントから別のアカウントへインポート/エクスポートできるようにするために、保存される。
【0061】
好ましくは、通知をフィルタリングするルールおよび/またはプロファイルに関するプレゼンス状況の構成は、インスタント・コミュニケーションの手段1〜6のほとんどと互換のフォーマットでファイルに格納される。
【0062】
プレゼンス通知のこの複数判断基準管理によって提供される機能にアクセスする能力を単純化するために、このサービスの適当なメニューに「私に通知」機能を、たとえば連絡先を右クリックすることを介してアクセス可能な機能の中からまたは構成メニュー内でこの機能を得ることによって、追加することが好ましい。
【0063】
図2に、本発明によって提供される特徴の例を表示するインターフェースを概略的に示す。このインターフェースは、ユーザがルールを構成し、カスタマイズし、追加することを可能にする。このインターフェースは、ユーザによって構成されたルールの一貫性を検証する手段を備える。
【0064】
ユーザによって構成されたメニューは、次の形で働く。
−通知のオブザーバに関するルール(図2の例の左側部分に配置されている)は、プレゼンス・サーバ10から送信された通知に作用する。そのために、プレゼンス・サーバから送信されたプレゼンス通知のすべてが、ユーザによって構成されたルールに従ってその後にフィルタリングされるために、データベース内に記録される。
−プレゼンス情報の構成またはブロードキャスティングに関するルール(図2の例の右側部分に配置されている)は、ユーザの状況を自動的に構成することならびに彼または彼女のプレゼンス情報をソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツールを介してブロードキャストすることを可能にする。
【0065】
プレゼンス通知は、それに関係する詳細が付随するが、少なくともしばらくは、データベース内に記録される。詳細は、受信の日付および連絡先を含む。
【0066】
本発明が、図2によって説明される構成に限定されないことに留意されたい。本発明によって提案される特徴の実施態様は、インスタント・コミュニケーションの手段1(モバイル端末、ウェブ・インターフェース、インスタント・メッセージング・アプリケーション)の能力に適合されなければならない。
【0067】
説明したばかりのプレゼンス通知の管理は、ある個数の利益を示す。具体的に言うと、このプレゼンス通知の管理は、
−インスタント・コミュニケーションの他の手段内で示されるプレゼンス情報に従ってソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール内のユーザのプレゼンス情報を自動的に変更し、
−ユーザのプレゼンス情報を自動的に構成し、
−表示され、プレゼンス・サーバ10から送信される通知の複数判断基準フィルタリング(たとえば、時間、現在の状況、状況の変化)を使用可能にする、
ことを可能にする。
【0068】
プレゼンス情報が、プレゼンス状況および/または個人メッセージを含むことに留意されたい。個人メッセージは、たとえば、アンアベイラビリティの説明、ユーザの気分、またはより一般的に言ってコメントを含むことができる。
【0069】
この点で、本発明が、これらの特徴を実施するのに使用されるプログラミング言語から独立であることに留意することが重要である。
【0070】
表現「インスタント・コミュニケーションの手段」が、本明細書で、通信の形すなわちテキストベース、音声ベース、ビジュアル、またはその任意の組合せに関わりなく、通信ネットワークを介するインスタント・リモート通信を可能にする通信のすべての手段を表すことに留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空ではない連絡先のリストを含み、プレゼンス・サーバ(10)に接続された、インスタント・コミュニケーションの手段(1)によって提案されるプレゼンス通知を管理する複数判断基準方法であって、
−表示され、前記プレゼンス・サーバ(10)から送信される前記プレゼンス通知をフィルタリングするルールを構成するステップと、
−プレゼンス情報を自動的に構成するステップと、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上でプレゼンス情報を自動的にブロードキャストするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フィルタリングするルールによって扱われる判断基準は、
−時間期間ごとの連絡先の前記リストからの連絡先の状況のある種のシーケンスの繰り返しの回数と、
−連絡先の前記リストからのある種の連絡先の状況の不変性持続時間と、
−前記プレゼンス・サーバ(10)から送信されたプレゼンス通知の個数と、
−連絡先の前記リストからのある種の連絡先の特定の状況と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プレゼンス情報を自動的に構成する判断基準は、時間と、インスタント・コミュニケーションの前記手段(1)によってサポートされる通信ツールの状態と、特定のプレゼンス状況からのまたは特定のプレゼンス状況への変化とを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プレゼンス通知は、データベース内に保存されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記プレゼンス通知をフィルタリングする前記ルールは、1つまたは複数の連絡先に関することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
アクションは、フィルタリング・ルールに関連することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
空ではない連絡先のリストを含み、プレゼンス・サーバ(10)に接続された、インスタント・コミュニケーションの手段(1)によって提案されるプレゼンス通知を管理する複数判断基準システムであって、
−表示され、前記プレゼンス・サーバ(10)から送信される前記プレゼンス通知をフィルタリングするルールを構成する手段と、
−プレゼンス情報を自動的に構成する手段と、
−ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上で前記プレゼンス情報を自動的にブロードキャストする手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
表示される前記プレゼンス通知を保存するデータベースを含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ソーシャル・ネットワーキング・ツールおよびマイクロブロギング・ツール上でのプレゼンス情報の前記自動的ブロードキャストは、これらのツールに適合されたアプリケーション・プログラミング・インターフェースの手段によって実行されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
コンピュータ処理ユニット内で実施することができ、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法を実施する命令を含む、記憶媒体上で実施されるコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519890(P2012−519890A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552483(P2011−552483)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050228
【国際公開番号】WO2010/100354
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】