説明

プレフィルドシリンジ製造方法、プレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置

【課題】迅速かつ確実に、シリンジ外筒の内腔部を脱気してその内腔部に栓体を挿入することができるプレフィルドシリンジ製造方法、プレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明のプレフィルドシリンジ製造方法は、シリンジ外筒2と、栓体3と、薬液100とを有するプレフィルドシリンジ1を製造する方法であり、シリンジ外筒2の基端開口26を覆うように、栓体3が収納された収納空間42を有する治具4を装着する第1の工程と、収納空間42を脱気するとともに、収納空間42に連通するシリンジ外筒2の内腔部24を脱気する第2の工程と、アイソレータ内において、治具4により、内腔部24に栓体3を挿入するとともに、収納空間42にアイソレータ内の無菌空気を供給して収納空間42を所定の圧力に復圧する第3の工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレフィルドシリンジ製造方法、プレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリンジ(容器)内に無菌的に液状製剤(薬液)が充填されるプレフィルドシリンジが知られている。
【0003】
このようなプレフィルドシリンジは、例えば、次のようにして製造される。すなわち、まず、シリンジおよびその液体排出部(口部)に装着されるキャップ(封止部材)のそれぞれに高圧蒸気滅菌または過酸化水素などの滅菌ガスによる滅菌処理を施す。次いで、無菌環境下で、シリンジの液体排出部にキャップを装着した後、このシリンジ内に液状製剤を充填する。次いで、シリンジ内を脱気した後、栓体を装着(打栓)して、プレフィルドシリンジを完成させる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
液状製剤が充填されたシリンジ外筒の内腔部に栓体を挿入するプレフィルドシリンジの製造装置は、シリンジ外筒の基端に設置され、栓体が収納された収納空間を有する治具本体と、栓体を押圧してシリンジ外筒の内腔部に挿入する打栓プランジャとを備える治具を有している。この治具は、アイソレータ内に設置されている。
【0005】
治具の治具本体がシリンジ外筒の基端に設置されると、その収納空間とシリンジ外筒の内腔部とが連通し、治具本体の収納空間から空気を吸引し、これら収納空間およびシリンジ外筒の内腔部を脱気する。次いで、打栓プランジャを下方に移動させて栓体を押圧してその栓体をシリンジ外筒の内腔部に挿入する。次いで、打栓プランジャを上方に移動させた後、治具本体をシリンジ外筒の基端から離脱させるが、そのためには、治具本体の収納空間を所定の圧力に復圧する必要があり、このため、製造装置は、収納空間に無菌空気を導入してその収納空間の復圧を行なう無菌空気導入手段を有している。
【0006】
この無菌空気導入手段は、治具本体の収納空間に一端側が連通するチューブと、アイソレータの外部に位置し、チューブの他端側に設けられている空気供給手段と、アイソレータの内部に位置し、チューブの途中に設けられた除菌フィルタとで構成されており、収納空間に供給する空気、すなわち、復圧に使用する空気をアイソレータの外部から除菌フィルタを介して取り込むように構成されている。
【0007】
しかしながら、前記従来の製造装置では、治具本体の収納空間に連通する復圧ラインの途中に除菌フィルタが設けられているので、治具本体の収納空間およびシリンジ外筒の内腔部を脱気する際、その除菌フィルタ(除菌フィルタを含む復圧ライン)が同時に脱気され、これにより、シリンジ外筒の内腔部を目標圧力まで減圧するのに時間がかかり、また、その圧力にもバラツキが生じ易い。
【0008】
また、治具本体の収納空間を所定の圧力に復圧する際、除菌フィルタが同時に復圧され、復圧に時間がかかる。
【0009】
また、無菌空気導入手段(プレフィルドシリンジ製造装置)の構成が前記のように複雑であった。
【0010】
【特許文献1】特開2001−171791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、迅速かつ確実に、シリンジ外筒の内腔部を脱気してその内腔部に栓体を挿入することができるプレフィルドシリンジ製造方法およびプレフィルドシリンジ製造用治具と、迅速かつ確実に、シリンジ外筒の内腔部を脱気してその内腔部に栓体を挿入することができ、簡易な構成のプレフィルドシリンジ製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造方法であって、
前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように、前記栓体が収納された収納空間を有する治具を装着する第1の工程と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する第2の工程と、
無菌性が維持された空間において、前記治具により、前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入するとともに、少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する第3の工程とを有することを特徴とするプレフィルドシリンジ製造方法。
【0013】
(2) 前記第3の工程において、前記収納空間とともに、該収納空間を介して、前記シリンジ外筒の内腔部に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該シリンジ外筒の内腔部を所定の圧力に復圧する上記(1)に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【0014】
(3) 前記治具は、前記収納空間を有する治具本体と、
前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧し、連通路を有する押圧部材とを備え、
前記第3の工程における前記無菌性が維持された空間の無菌空気の供給は、前記連通路を介して行なう上記(1)または(2)に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【0015】
(4) 前記連通路は、前記押圧部材の外周面に形成された溝である上記(3)に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【0016】
(5) シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジにおける前記シリンジ外筒の内腔部への前記栓体の挿入を、無菌性が維持された空間で行う際に用いるプレフィルドシリンジ製造用治具であって、
前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように装着され、前記栓体を収納可能な収納空間を有する治具本体と、
前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧する押圧部材とを備え、
前記治具本体には、前記収納空間に連通し、該収納空間からの排気を行なうための通気孔が形成されており、
前記栓体が前記収納空間に収納されたとき、前記治具本体の内壁と前記栓体との間に通気可能な隙間が形成され、
前記押圧部材は、連通路を有し、前記収納空間と当該プレフィルドシリンジ製造用治具が置かれた前記無菌性が維持された空間とを連通させない第1の位置と、前記連通路を介して前記収納空間と前記無菌性が維持された空間とを連通させる第2の位置とに移動し得るよう構成されていることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造用治具。
【0017】
(6) 前記連通路は、前記押圧部材の外周面に形成された溝である上記(3)に記載のプレフィルドシリンジ製造用治具。
【0018】
(7) シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造装置であって、
無菌性が維持された空間において用いられ、前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように装着され、前記栓体を収納可能な収納空間を有する治具本体と、前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧する押圧部材とを備える治具と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する脱気手段と、
前記治具により前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入する際、前記押圧部材を駆動する押圧部材駆動手段と、
少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する復圧手段とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造装置。
【0019】
(8) シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造装置であって、
無菌性が維持された空間において用いられ、上記(5)または(6)に記載のプレフィルドシリンジ製造用治具と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する脱気手段と、
前記治具により前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入する際、前記押圧部材を駆動する押圧部材駆動手段と、
少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する復圧手段とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造装置。
【0020】
(9) 前記復圧手段と、前記押圧部材駆動手段とは、共通のアクチュエータを有しており、
前記アクチュエータにより、前記押圧部材が移動して前記栓体を押圧し、該栓体が前記シリンジ外筒の内腔部に挿入され、この際、前記押圧部材が前記第2の位置に到達し、前記連通路を介して前記収納空間と前記無菌性が維持された空間とが連通し、少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気が供給され、該収納空間が所定の圧力に復圧するよう構成されている上記(8)に記載のプレフィルドシリンジ製造装置。
【0021】
(10) 前記復圧手段は、前記収納空間とともに、該収納空間を介して、前記シリンジ外筒の内腔部に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該シリンジ外筒の内腔部を所定の圧力に復圧するよう構成されている上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ製造装置。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、治具の治具本体の収納空間を所定の圧力に復圧する際、その治具が置かれている無菌性が維持された空間の無菌空気を収納空間に供給するようになっているので、除菌フィルタを設ける必要がなく、迅速かつ確実に、シリンジ外筒の内腔部を脱気してその内腔部に栓体を挿入することができる。
【0023】
すなわち、前記背景技術で述べた従来の製造装置に比べ、治具本体の収納空間およびシリンジ外筒の内腔部を脱気する際、シリンジ外筒の内腔部から目標量の空気を排出する(シリンジ外筒の内腔部を目標圧力まで減圧する)までの時間が短く、また、その圧力も均一になる。
【0024】
また、前記背景技術で述べた従来の製造装置に比べ、治具本体の収納空間を所定の圧力に復圧するのに要する時間が短い。
【0025】
また、プレフィルドシリンジ製造装置は、前記背景技術で述べた従来の製造装置に比べ、その構成が簡易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明のプレフィルドシリンジ製造方法、プレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明するが、その前に、まず、プレフィルドシリンジの一例について説明する。
【0027】
図5は、プレフィルドシリンジの構成例を示す部分断面図である。また、以下では、説明の都合上、図5中の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0028】
図5に示すプレフィルドシリンジ(以下単に「シリンジ」と言う)1は、シリンジ1内部(内腔部24)に予め薬液100が収納されてなるものである。このシリンジ1は、シリンジ外筒(外筒)2と、シリンジ外筒2の内腔部24に挿入される栓体3と、シリンジ外筒2の先端部(口部22)に設けられているロックアダプタ(接続部材)23と、ロックアダプタ23に接続される(螺合する)キャップ25と、シリンジ外筒2と栓体3とで形成された空間(内腔部24)に充填される薬液100とで構成されている。
【0029】
シリンジ外筒2は、底部211を有する有底筒状の部材で構成されている。
シリンジ外筒2の底部211の中央部には、シリンジ外筒2の胴部に対し縮径した口部22が一体的に形成されている。
【0030】
この口部22の内部には、薬液100が通過可能な流路221が形成され、この流路221は、シリンジ外筒2の内腔部24と連通している。
【0031】
口部22の外周部には、筒状のロックアダプタ23が設けられ、このロックアダプタ23の内周面には、雌ネジ(図示せず)が形成されている。
【0032】
キャップ25は、有底筒状の部材で構成されており、その外周面には、ロックアダプタ23の雌ネジと螺合する雄ネジ(図示せず)が形成されている。
【0033】
このキャップ25の雄ネジとロックアダプタ23の雌ネジとを螺合することにより、キャップ25とロックアダプタ23とが接続、すなわち、キャップ25がシリンジ外筒2の口部22に装着される。これにより、口部22の先端開口を封止することができ、よって、充填された薬液100が口部22の先端開口から漏れる(吐出する)のを防止することができる。
【0034】
このようなシリンジ外筒2内には、弾性材料で構成された栓体3が収納(挿入)されている。栓体3の外周部には、2つのリング状の突部31、32が軸方向に沿って、所定間隔をおいて形成されている。この突部31、32がシリンジ外筒2の内周面21に対し密着することで、気密性(液密性)を確実に保持することができる。
【0035】
なお、シリンジ外筒2(ロックアダプタ23を含む)およびキャップ25の構成材料としては、それぞれ、例えば、各種の硬質樹脂材料や、各種のガラス材料等を用いることができる。
【0036】
また、シリンジ外筒2の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0037】
また、栓体3の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
また、薬液100としては、例えば、塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、ワクチン、抗生物質注射液、ステロイド剤、蛋白質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、各種蛋白製剤、抗癌剤、麻酔薬、覚せい剤、麻薬のような各種薬液、各種診断薬等が挙げられる。
【0039】
本発明のプレフィルドシリンジ製造方法は、以上のようなプレフィルドシリンジ1を製造する方法である。また、本発明のプレフィルドシリンジ製造方法は、本発明のプレフィルドシリンジ製造用治具4を備えたプレフィルドシリンジ製造装置10を用いて実施される。
【0040】
次に、本発明のプレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0041】
まず、本発明のプレフィルドシリンジ製造装置について説明する。
図1は、本発明のプレフィルドシリンジ製造装置の実施形態を示す概要図(主に断面図)、図2は、図1に示すプレフィルドシリンジ製造装置の主要部を示すブロック図、図3および図4は、それぞれ、図1に示すプレフィルドシリンジ製造装置によりプレフィルドシリンジを製造する際の工程を順を追って説明するための図(断面図)である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図3および図4の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0042】
図1および図2に示すように、プレフィルドシリンジ製造装置(以下、単に「製造装置」と言う)10は、プレフィルドシリンジ製造用治具(以下、単に「治具」と言う)4と、シリンジ外筒2の内腔部24を脱気(排気)するポンプ(脱気手段)51と、シリンジ外筒2の内腔部24に栓体3を挿入する際、治具4の後述する押圧部材(打栓プランジャ)43を移動させる(駆動する)アクチュエータ71と、バルブ(流路開閉手段)9と、治具4を移動させる治具移動機構20と、各部の作動(駆動)を制御する制御手段8とを備えている。
【0043】
図1に示すように、この製造装置10の治具4を含む主要部は、無菌性が維持された空間(無菌空間)、本実施形態では、アイソレータ(無菌アイソレータ)30内(アイソレータ30の内部空間)で用いられるようになっており、そのアイソレータ30内に設置(収納)されている。そして、シリンジ外筒2の内腔部24への栓体3の挿入等のプレフィルドシリンジ1の製造は、アイソレータ30内で行われる。なお、ポンプ51およびバルブ9は、それぞれ、アイソレータ30の外部に設置されている。
【0044】
アイソレータ30には、1対のグローブ301と、HEPA(High Efficiency Paticulate Air)フィルター内蔵の給気ブロア302とが、それぞれ取り付けられている。
【0045】
グローブ301は、アイソレータ30の壁部や底部等に設けられており、操作者は、このグローブ301を装着することにより、アイソレータ30内に立ち入ることなく、アイソレータ30の外部より、治具4等のアイソレータ30内に設置(収納)された設備を操作することができる。
【0046】
給気ブロア302は、バルブ(流路開閉手段)303を介して導入された過酸化水素等の滅菌ガスをアイソレータ30内に噴出するものである。アイソレータ30内は、この給気ブロア302から噴出される滅菌ガスにより、定期的に滅菌されるとともに、必要時に(必要に応じて)滅菌されるようになっている。定期的な滅菌作業の頻度は特に限定さないが、その滅菌作業は、例えば1週間に1回程度の頻度で行われる。このように、アイソレータ30内が滅菌されることにより、アイソレータ30内に無菌空気が収納される(存在する)。従って、アイソレータ30の内部空間は、無菌性が維持された空間を構成する。
【0047】
なお、アイソレータ30内の滅菌に用いるガスは、前記過酸化水素ガスに限定されず、また、滅菌方法としても、他の方法を用いてもよいことは言うまでもない。
【0048】
製造装置10は、一端側が治具4の後述する治具本体41の通気孔44に連通するように治具本体41に接続されたチューブ(管)91を有している。チューブ91は、アイソレータ30の壁部を貫通しており、そのチューブ91の他端側には、チューブ91内の流路(内腔)を開閉するバルブ9とポンプ51とがこの順序で設けられている。すなわち、ポンプ51は、チューブ91を介して、治具4の通気孔44に接続されている。
【0049】
なお、ポンプ51としては、気体を吸引し得るものであれば、特に限定されず、例えば、シリンジポンプ、歯車ポンプ、真空ポンプ等を用いることができる。
【0050】
また、バルブ9としては、特に限定されず、例えば、ソレノイドバルブ(電磁式バルブ)等を用いることができる。
【0051】
アクチュエータ71は、治具4の後述する押圧部材43の基端側に設置され、押圧部材43の基端431に連結(接続)されている。
【0052】
アクチュエータ71の作動(駆動)により、押圧部材43は、その長手方向(図1中の上下方向)に沿って、先端方向または基端方向に移動(駆動)する。すなわち、アクチュエータ71が先端方向に向って駆動(伸張)すると、押圧部材43は、先端方向に押圧されて先端方向に移動し、また、アクチュエータ71が基端方向に向って駆動(収縮)すると、押圧部材43は、基端方向に引っ張られて基端方向に移動する。
【0053】
図2に示すように、制御手段8は、CPU(Central Processing Unit)81と、記憶部(記憶手段)82とを有している。記憶部82は、CPU81に読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)を有しており、この記憶媒体は、例えば、磁気的記録媒体、光学的記録媒体、光学および磁気的記録媒体、もしくは半導体メモリ等で構成されている。この制御手段8は、移動機構20、ポンプ51、バルブ9およびアクチュエータ71等の作動(駆動)を制御する。
【0054】
なお、前記アクチュエータ71により、シリンジ外筒2の内腔部24に栓体3を挿入する際、押圧部材43を移動させる(駆動する)押圧部材駆動手段の主要部と、少なくとも収納空間42にアイソレータ30内(無菌性が維持された空間)の無菌空気を供給して収納空間42を所定の圧力に復圧する復圧手段の主要部とが構成される。すなわち、アクチュエータ71は、押圧部材駆動手段と復圧手段の共通のアクチュエータである。
【0055】
次に、本発明のプレフィルドシリンジ製造用治具について説明する。
図1に示すように、治具4は、シリンジ外筒2の基端開口26を覆うように装着される治具本体41と、栓体3を押圧する押圧部材43とを有している。
【0056】
治具本体41には、栓体3を収納可能な収納空間42と、この収納空間42と連通する通気孔44とが形成されている。
【0057】
この収納空間42は、その横断面形状がほぼ円形状であり、直径(内径)が栓体3(突部31、32)の直径とほぼ同等またはそれより若干小さくなるよう構成されている。
【0058】
また、栓体3が収納空間42に収納されているとき、治具本体41の内壁411と栓体3との間には、通気可能な隙間45が形成されている。すなわち、栓体3が収納空間42に収納されており、かつ治具4がシリンジ外筒2に装着されているとき、この隙間45を介して、収納空間42とシリンジ外筒2の内腔部24とが連通する。
【0059】
隙間45は、治具本体41の内壁411に形成された複数の通気溝451により構成されている。なお、通気溝451の個数としては、特に限定されないが、2〜8個であるのが好ましく、4〜6個であるのがより好ましい。
この通気溝451は、栓体3の移動方向(図1中の上下方向)に沿って延在している。
【0060】
このような構成の隙間45(通気溝451)により、栓体3の先端側の気体と栓体3の基端側の気体とが互いに往来(一方から他方および他方から一方へ移動)することができる。
【0061】
通気孔44は、治具本体41の側方に形成され、図1中の左右方向に沿って延在し、治具本体41の壁部(側壁)を貫通している。この通気孔44には、前述したように、チューブ91の一端側が接続されている。
【0062】
これにより、通気孔44を介して、収納空間42からの排気、すなわち、収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24からの排気を行なうことができる。換言すれば、通気孔44を介して、収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24を脱気することができる(所定の圧力まで減圧することができる)。
【0063】
図1に示すように、押圧部材43は、アクチュエータ71の作動により、栓体3をシリンジ外筒2の内腔部24に挿入するよう押圧するもの(部材)であり、本実施形態では、ほぼ円柱状(棒状)をなしている。
【0064】
押圧部材43の外周面(外面)には、収納空間42とアイソレータ30の内部空間(無菌性が維持された空間)とを連通し得る連通路として、溝432が形成されている。この溝432は、押圧部材43の長手方向、すなわち、押圧部材43の移動方向(図1中の上下方向)に沿って延在している。なお、溝432は、押圧部材43の先端および基端には形成されておらず、押圧部材43の途中の部分に形成されている。
【0065】
この押圧部材43は、治具本体41の中心軸上に設置され、この中心軸(長手方向)に沿って移動可能に設置されている。
【0066】
すなわち、押圧部材43は、収納空間42とアイソレータ30の内部空間とを連通させない第1の位置と、溝432を介して収納空間42とアイソレータ30の内部空間とを連通させる第2の位置とに移動し得るようになっている。
【0067】
これにより、押圧部材43の位置が前記第1の位置のときは、前述したように、通気孔44を介して、収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24を脱気することができる。また、押圧部材43の位置が前記第2の位置のときは、溝432を介して、収納空間42にアイソレータ30内の無菌空気が供給(導入)され、収納空間42が所定の圧力(例えば、大気圧)に復圧する。
【0068】
また、治具本体41の先端には、治具本体41の先端開口412を囲むように封止部材(ガスケット)46が設置されている。これにより、治具本体41(治具4)がシリンジ外筒2に装着されたとき、シリンジ外筒2の内腔部24を気密的(液密的)に封止することができる。
【0069】
次に、製造装置10の作用、すなわち、製造装置10によりプレフィルドシリンジ1を製造する際の工程(本発明のプレフィルドシリンジ製造方法)について、図3および図4を参照して説明する。また、以下の工程は、前述したように、制御手段8の制御により行なわれるが、これに限らず、例えば、その一部が、操作者の手作業によって行われるようにしてもよい。
【0070】
[1] 治具装着工程(第1の工程)
まず、アイソレータ30内に無菌空気が収納されている状態において、治具移動機構20により、薬液100が入って(充填されて)いるシリンジ外筒2の基端の上方に、押圧部材43が収納空間42とアイソレータ30の内部空間とを連通させない第1の位置に位置し、かつ栓体3が収納空間42に収納されている治具4を移動する。
【0071】
この後、治具移動機構20により、図3(a)に示すように、治具4を下降させ、治具本体41がシリンジ外筒2の基端開口26を覆うように、治具4(治具本体41)を装着する。これにより、シリンジ外筒2の内腔部24(治具4の収納空間42を含む)がシリンジ外筒2の外側(アイソレータ30の内部空間)に対し遮断される。また、隙間45を介して、収納空間42とシリンジ外筒2の内腔部24とが連通する。
【0072】
[2] 脱気工程(第2の工程)
次に、バルブ9を開いてチューブ91内の流路を開放し(開き)、前記治具4が装着された状態で、図3(b)に示すように、ポンプ51を作動させて、治具4を介して、シリンジ外筒2の内腔部24を脱気(減圧)する。すなわち、ポンプ51を作動させ、収納空間42から排気を行なって、収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24を脱気する。これにより、収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24は、所定の圧力まで減圧される。
【0073】
[3] 打栓・復圧工程(第3の工程)
次に、脱気終了後、バルブ9を閉じてチューブ91内の流路を閉塞し(閉じ)、図3(c)に示すように、アクチュエータ71を作動させて、押圧部材43を先端方向(下降)へ移動させる。これにより、栓体3は、押圧部材43によって先端方向に押圧され、先端方向へ移動する。
【0074】
この押圧部材43の移動中、すなわち、栓体3の突部31がシリンジ外筒2の内腔部24に挿入され、栓体3の先端側の内腔部24が密閉され、かつ、突部32が内腔部24の上方に位置し、内腔部24に挿入されていないとき、溝432の先端側が収納空間42に連通し、これにより、溝432を介して収納空間42とアイソレータ30の内部空間とが連通する。これによって、溝432を介して、収納空間42にアイソレータ30内の無菌空気が供給(導入)され、収納空間42および栓体3の突部31と突部32との間の空間が所定の圧力(例えば、大気圧)に復圧する。
【0075】
そして、図3(d)に示すように、栓体3は、さらに、押圧部材43によって先端方向に押圧されて先端方向へ移動し、治具4の収納空間42から離脱し、その栓体3の全体が、シリンジ外筒2の内腔部24に挿入される(栓体3がシリンジ外筒2に装着される)。
【0076】
次に、前記収納空間42が所定の圧力に復圧した状態で、図3(e)に示すように、アクチュエータ71を作動させて、押圧部材43を基端方向へ移動(上昇)させる。この後、治具移動機構20により、治具4を上昇させてシリンジ外筒2から離脱させる。
【0077】
以上のような工程を経ることにより、プレフィルドシリンジ1が製造される。
以上説明したように、この製造装置10によれば、背景技術で述べた従来の製造装置のような除菌フィルタ等を有する無菌空気導入手段を設ける必要がなく、このため、前記従来の製造装置に比べ、治具本体41の収納空間42およびシリンジ外筒2の内腔部24を脱気する際、シリンジ外筒2の内腔部24から目標量の空気を排出する(シリンジ外筒2の内腔部24を目標圧力まで減圧する)までの時間を短くし、また、その圧力を均一にすることができる。さらに、前記従来の製造装置に比べ、治具本体41の収納空間42を所定の圧力に復圧するのに要する時間を短くすることができる。すなわち、迅速かつ確実に、シリンジ外筒2の内腔部24を脱気してその内腔部24に栓体3を挿入することができる。
【0078】
また、製造装置10には、前記従来の製造装置のような除菌フィルタ等を有する無菌空気導入手段が設けられていないので、その構成は、簡易である。
【0079】
ここで、本発明では、前記打栓・復圧工程(第3の工程)において、復圧手段により、収納空間42とともに、収納空間42および隙間45を介して、シリンジ外筒2の内腔部24にアイソレータ30内の無菌空気(無菌性が維持された空間の無菌空気)を供給してシリンジ外筒2の内腔部24を所定の圧力に復圧するようにしてもよい。
【0080】
以上、本発明のプレフィルドシリンジ製造方法、プレフィルドシリンジ製造用治具およびプレフィルドシリンジ製造装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【0081】
なお、本発明では、溝(連通路)の数は、1つに限定されず、押圧部材に複数の溝(連通路)が形成されていてもよい。
【0082】
また、本発明では、連通路は、溝に限らず、例えば、貫通孔等であってもよい。
また、本発明では、収納空間からの排気(収納空間およびシリンジ外筒の内腔部の脱気)を行なうための通気孔の数は、1つに限定されず、治具本体に複数の通気孔が形成されていてもよい。
【0083】
また、本発明における復圧手段は、前記実施形態の構成のものに限定されず、例えば、下記の構成のものであってもよい。
【0084】
すなわち、プレフィルドシリンジ製造用治具(治具)の治具本体に、収納空間に無菌空気を供給(導入)するための通気孔を設け、この通気孔に、チューブ(管)の一端側を接続し、そのチューブの他端側をアイソレータの内部空間(無菌性が維持された空間)に開放する。そして、そのチューブ内の流路を開閉するバルブ(流路開閉手段)を設ける。バルブを開き、チューブ内の流路が開放する(開く)と、アイソレータ内(無菌性が維持された空間)の無菌空気が収納空間に供給され、収納空間が所定の圧力に復圧する。この場合、アイソレータ内の無菌空気が収納空間およびシリンジ外筒の内腔部に供給され、収納空間およびシリンジ外筒の内腔部が所定の圧力に復圧するようにしてもよい。
【0085】
この復圧手段によれば、バルブの開閉操作により、任意のときに、容易かつ確実に、無菌空気を収納空間に供給することができる。このため、押圧部材の移動距離や位置、溝の長さや位置等の諸条件(関係)を設定する作業が不要になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明のプレフィルドシリンジ製造装置の実施形態を示す概要図(主に断面図)である。
【図2】図1に示すプレフィルドシリンジ製造装置の主要部を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプレフィルドシリンジ製造装置によりプレフィルドシリンジを製造する際の工程を順を追って説明するための図(断面図)である。
【図4】図1に示すプレフィルドシリンジ製造装置によりプレフィルドシリンジを製造する際の工程を順を追って説明するための図(断面図)である。
【図5】プレフィルドシリンジの構成例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1 プレフィルドシリンジ
2 シリンジ外筒
21 内周面
211 底部
22 口部
221 流路
23 ロックアダプタ
24 内腔部
25 キャップ
26 基端開口
3 栓体
31、32 突部
4 プレフィルドシリンジ製造用治具(治具)
41 治具本体
411 内壁
412 先端開口
42 収納空間
43 押圧部材
431 基端
432 溝
44 通気孔
45 隙間
451 通気溝
46 封止部材
51 ポンプ
71 アクチュエータ
8 制御手段
81 CPU
82 記憶部
9 バルブ
91 チューブ
10 プレフィルドシリンジ製造装置(製造装置)
20 治具移動機構
30 アイソレータ
301 グローブ
302 給気ブロア
303 バルブ
100 薬液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造方法であって、
前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように、前記栓体が収納された収納空間を有する治具を装着する第1の工程と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する第2の工程と、
無菌性が維持された空間において、前記治具により、前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入するとともに、少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する第3の工程とを有することを特徴とするプレフィルドシリンジ製造方法。
【請求項2】
前記第3の工程において、前記収納空間とともに、該収納空間を介して、前記シリンジ外筒の内腔部に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該シリンジ外筒の内腔部を所定の圧力に復圧する請求項1に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【請求項3】
前記治具は、前記収納空間を有する治具本体と、
前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧し、連通路を有する押圧部材とを備え、
前記第3の工程における前記無菌性が維持された空間の無菌空気の供給は、前記連通路を介して行なう請求項1または2に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【請求項4】
前記連通路は、前記押圧部材の外周面に形成された溝である請求項3に記載のプレフィルドシリンジ製造方法。
【請求項5】
シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジにおける前記シリンジ外筒の内腔部への前記栓体の挿入を、無菌性が維持された空間で行う際に用いるプレフィルドシリンジ製造用治具であって、
前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように装着され、前記栓体を収納可能な収納空間を有する治具本体と、
前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧する押圧部材とを備え、
前記治具本体には、前記収納空間に連通し、該収納空間からの排気を行なうための通気孔が形成されており、
前記栓体が前記収納空間に収納されたとき、前記治具本体の内壁と前記栓体との間に通気可能な隙間が形成され、
前記押圧部材は、連通路を有し、前記収納空間と当該プレフィルドシリンジ製造用治具が置かれた前記無菌性が維持された空間とを連通させない第1の位置と、前記連通路を介して前記収納空間と前記無菌性が維持された空間とを連通させる第2の位置とに移動し得るよう構成されていることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造用治具。
【請求項6】
前記連通路は、前記押圧部材の外周面に形成された溝である請求項3に記載のプレフィルドシリンジ製造用治具。
【請求項7】
シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造装置であって、
無菌性が維持された空間において用いられ、前記シリンジ外筒の基端開口を覆うように装着され、前記栓体を収納可能な収納空間を有する治具本体と、前記治具本体に設置され、前記栓体を前記シリンジ外筒の内腔部に挿入するよう押圧する押圧部材とを備える治具と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する脱気手段と、
前記治具により前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入する際、前記押圧部材を駆動する押圧部材駆動手段と、
少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する復圧手段とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造装置。
【請求項8】
シリンジ外筒と、該シリンジ外筒の内腔部に挿入される栓体と、前記シリンジ外筒と前記栓体とで形成された空間に充填される薬液とを有するプレフィルドシリンジを製造するプレフィルドシリンジ製造装置であって、
無菌性が維持された空間において用いられ、請求項5または6に記載のプレフィルドシリンジ製造用治具と、
前記収納空間を脱気するとともに、該収納空間に連通する前記シリンジ外筒の内腔部を脱気する脱気手段と、
前記治具により前記シリンジ外筒の内腔部に前記栓体を挿入する際、前記押圧部材を駆動する押圧部材駆動手段と、
少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該収納空間を所定の圧力に復圧する復圧手段とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジ製造装置。
【請求項9】
前記復圧手段と、前記押圧部材駆動手段とは、共通のアクチュエータを有しており、
前記アクチュエータにより、前記押圧部材が移動して前記栓体を押圧し、該栓体が前記シリンジ外筒の内腔部に挿入され、この際、前記押圧部材が前記第2の位置に到達し、前記連通路を介して前記収納空間と前記無菌性が維持された空間とが連通し、少なくとも前記収納空間に前記無菌性が維持された空間の無菌空気が供給され、該収納空間が所定の圧力に復圧するよう構成されている請求項8に記載のプレフィルドシリンジ製造装置。
【請求項10】
前記復圧手段は、前記収納空間とともに、該収納空間を介して、前記シリンジ外筒の内腔部に前記無菌性が維持された空間の無菌空気を供給して該シリンジ外筒の内腔部を所定の圧力に復圧するよう構成されている請求項7ないし9のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−202649(P2007−202649A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22327(P2006−22327)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】