説明

プログラム、情報記憶媒体、電子装置及びコード製造方法

【課題】制御コード等のハードウェアに関する専門知識が少ない者でも簡単に遊技機の演出制御プロセスの編集ができるようにする。
【解決手段】制御プロセス編集画面W2のタイミングチャートウィンドウ2では、電飾用の点灯部を個別に登録するチャンネル20と、各チャンネルの横向き時間軸に沿って配列されたフレーム22がマトリクス状に配置されたタイミングチャートを表示させる。オペレータは、チャンネル20の1つに遊技機正面画像を登録できるとともに(図中「BG」名で表示)、他のチャンネルには点灯部が点灯した状態を表現する点灯様画像データ516を登録することができる。そして、タイミングチャート中の任意のフレーム22を選択範囲指定して点灯タイミングを設定・編集できる。シミュレーションウィンドウ8では、遊技機正面画像上にタイミングチャートでの設定にしたがった点灯タイミングで各点灯様画像が合成表示されてアニメーション表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、遊技機の点灯部の点滅(点灯及び消灯)をシミュレーションさせるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のパチンコ装置(パチンコ遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技装置)などの遊技機には、主制御基板の他に、演出要素としての画像表示部や電飾用点灯部、スピーカを主制御基板から制御信号を受信して制御する演出制御基板が設けられている。画像表示部、電飾用点灯部、スピーカの演出用出力デバイスと演出制御基板は、パッケージ化されて1つの演出装置を構成する場合もある。
そして、パチンコ装置であれば、リーチや確変などのタイミングに合わせて演出動画を画像表示部に表示させつつ、電飾用点灯部を明滅させたり、スピーカからBGMを放音させるなどして遊技を盛り上げるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−7148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電飾用点灯部(以下、単に「点灯部」とも言う。)の点灯タイミングは、演出制御基板に搭載されたプロセッサ(CPUやDSP等)により、同基板に搭載された不揮発性ICメモリ等の情報記憶媒体から演出内容に応じて用意された所定の制御コードに従って制御される。
【0005】
演出内容の編集作業をする場合には、通常制御コードを理解している専属のプログラマが制御コードを作成し、不揮発性ICメモリ等に書き込み、それを実機に接続された演出制御基板に搭載して実機上で動作確認することを繰り返す。そのため、遊技機の開発或いは演出装置の開発に当っては、制御コードを理解しているプログラマの確保や、動作確認用の実機の早期手配など開発に要する人員やスケジュール等多大な制約が生まれていた。
【0006】
本発明はこうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、制御コード等のハードウェアに関する専門知識が少ない者でも簡単に遊技機の演出制御プロセスの編集ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の形態は、コンピュータに、遊技機の点灯部の点滅をシミュレーションさせるためのプログラムであって、
前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、遊技機画像登録部214、記憶部500、遊技機正面画像データ514、図23のステップS10〜S12)、
前記遊技機の各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、点灯様画像登録部216、記憶部500、点灯様画像データ516、図23のステップS20〜S22)、
時間軸に沿って所定の単位時間単位(例えば、図9のフレーム22)で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャート(例えば、図3のタイミングチャートウィンドウ2を参照)を表示制御する制御タイミングチャート表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、制御プロセス設定部218、図21のチャンネル設定データ518、フレーム別出力値設定データ518f、図24のステップS44)、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、制御プロセス設定部218、図21のチャンネル設定データ518、フレーム別出力値設定データ518f、図24のステップS40〜S42)、
前記遊技機の画像を表示制御するとともに、前記各点灯部それぞれの前記点灯様画像を、前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に従って前記遊技機の画像上の前記登録された配置位置に表示制御することで、前記各点灯部による一連の点滅をシミュレーションするシミュレーション手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、シミュレーション部222、図24のステップS70〜S72)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、別形態として、遊技機の点灯部の点滅をシミュレーションする電子装置であって、前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、遊技機画像登録部214、記憶部500、遊技機正面画像データ514、図23のステップS10〜S12)と、
前記遊技機の各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、点灯様画像登録部216、記憶部500、点灯様画像データ516、図23のステップS20〜S22)と、
時間軸に沿って所定の単位時間単位で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御する制御タイミングチャート表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、制御プロセス設定部218、図21のチャンネル設定データ518、フレーム別出力値設定データ518f、図24のステップS44)と、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、制御プロセス設定部218、図21のチャンネル設定データ518、フレーム別出力値設定データ518f、図24のステップS40〜S42)と、
前記遊技機の画像を表示制御するとともに、前記各点灯部それぞれの前記点灯様画像を、前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に従って前記遊技機の画像上の前記登録された配置位置に表示制御することで、前記各点灯部による一連の点滅をシミュレーション表示するシミュレーション手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、シミュレーション部222、図24のステップS70〜S72)と、を備える電子装置を構成することができる。
【0009】
第1の形態によれば、遊技機の画像と、遊技機の電飾用点灯部の点灯様画像とを登録可能にするとともに、タイミングチャート上で為された各点灯部制御単位時間毎の点灯や消灯の設定に従い、遊技機の画像上に点灯様画像を登録された配置位置に合成することで、点灯部による一連の点滅の様子をアニメーション表示することができる。よって、演出制御基板に搭載されるプロセッサ向けの制御コードを知らなくとも、また動作確認様の実機が用意されなくとも、タイミングチャート上で点灯部の点灯パターンを容易に編集して、編集結果をシミュレーション確認できるようになる。
【0010】
第2の形態は、前記遊技機の表示部で再生表示される所与の動画データを前記制御タイミングチャートの時間軸に沿って登録する動画登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、編集制御部210、演出動画登録部212、記憶部500、演出動画データ512、図23のステップS4〜S6)として前記コンピュータを機能させるとともに、前記シミュレーション手段が、前記遊技機の画像中の前記表示部位置に前記動画登録手段により登録された動画データを再生制御するように前記コンピュータを機能させるための第1の形態のプログラムである。
【0011】
第2の形態によれば、第1の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、遊技機の表示部で再生表示される動画に合わせて点灯部の点滅パターンを設定することができるようになる。
【0012】
第3の形態は、前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に基づいて、前記遊技機に搭載されるメモリに記憶されて前記遊技機のプロセッサにより駆動制御される前記各点灯部の駆動制御用コードを生成する駆動制御用コード生成手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図16の駆動制御用コード524、図17の処理部200、編集制御部210、駆動制御用コード生成部224、図24のステップS82)として前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の形態のプログラムである。
【0013】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、タイミングチャート上で編集された制御プロセスの設定内容から、演出制御基板のプロセッサにより参照される点灯部の駆動制御用コードを生成することができる。
【0014】
更に第4の形態は、前記駆動制御用コード生成手段が、データ圧縮して前記駆動制御用コードを生成するように前記コンピュータを機能させるための第3の形態のプログラムである。
【0015】
第4の形態によれば、第3の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、更に生成された駆動用制御データのサイズを小さくすることができる。
【0016】
第5の形態は、ユーザの操作入力に従って選択された複数の点灯部についての前記制御タイミングチャートへの設定内容をグループ登録するグループ登録手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12のグループウィンドウ6、図17の処理部200、編集制御部210、グループ登録部220、図24のステップS50〜S52)として前記コンピュータを機能させ、
前記制御プロセス設定手段が、前記グループ登録を適用する旨のユーザの操作入力に従って、前記制御タイミングチャートに、前記グループ登録手段によりグループ登録された複数の点灯部の設定内容を適用するグループ登録適用手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12のグループウィンドウ6、図17の処理部200、編集制御部210、制御プロセス設定部218、図24のステップS60〜S62)を有するように前記コンピュータを機能させるための第3又は第4の形態のプログラムである。
【0017】
第5の形態によれば、第3又は第4の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、例えばタイミングチャートで一度設定した内容をグループとして一括登録し、タイミングチャート上の別の所に適用するといったことができる。よって、制御プロセスの編集作業がより簡単になる。
【0018】
第6の形態は、前記駆動制御用コード生成手段が、前記グループ登録手段によりグループ登録された設定内容を前記駆動制御用コードにおいてサブルーチンとして読み出し利用するコードブロック(例えば、図16の駆動制御用コード524参照)として生成するように前記コンピュータを機能させるための第5の形態のプログラムである。
【0019】
第6の形態によれば、第5の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、グループ登録した設定内容をサブルーチンとして読み出し可能なコードブロックとして駆動制御用コード内で共用化できる。よって、駆動制御用コードのデータ量を削減することができる。
【0020】
第7の形態は、前記制御タイミングチャート中の任意の点灯部に適用可能な汎用設定をユーザの操作入力に従って登録する汎用設定登録手段(例えば、図12のフレーム登録されたグループ64、図17の処理部200、編集制御部210、グループ登録部220、図22のグループ設定データ520、抜粋フレーム別出力値データ520e、図24のステップS50〜S52)として前記コンピュータを機能させ、
前記制御プロセス設定手段が、前記汎用設定を適用する点灯部の選択操作と適用する旨の操作入力とに従って、前記制御タイミングチャートに、前記汎用設定登録手段により登録された汎用設定を適用する汎用設定適用手段(例えば、図14の破線楕円で囲まれた範囲の出力表示28、図17の処理部200、編集制御部210、グループ登録部220、図24のステップS50〜S52)を有するように前記コンピュータを機能させる、ための第3〜第6の何れかの形態のプログラムである。
【0021】
第7の形態によれば、第3〜第6の形態の何れかのプログラムと同様の効果を奏するとともに、例えば、タイミングチャート上の点灯部の点灯パターン部分を汎用設定として登録し、タイミングチャート上の別の所にコピーして利用することができるようになる。よって、制御プロセス編集がより簡単になる。
【0022】
第8の形態は、前記駆動制御用コード生成手段が、前記汎用設定登録手段により登録された汎用設定を前記駆動制御用コードにおいてサブルーチンとして読み出し利用するコードブロックとして生成するように前記コンピュータを機能させるための第7の形態のプログラムである。
【0023】
第8の形態によれば、第7の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、グループ登録した汎用設定内容をサブルーチンとして読み出し可能なコードブロックとして駆動制御用コード内で共用化できる。よって、駆動制御用コードのデータ量を削減することができる。
【0024】
第9の形態は、第1〜第8の何れか形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第9の形態によれば、第1〜第8の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第8の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【0025】
また、第11の形態は、遊技機に搭載されるメモリに記憶されて当該遊技機のプロセッサにより駆動制御される当該遊技機の各点灯部の駆動制御用コードを製造するコード製造方法であって、
前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録ステップ(例えば、図23のステップS10〜S12)と、
前記各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録ステップ(例えば、図24のステップS40〜S44)と、
時間軸に沿って所定の単位時間単位で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御する制御タイミングチャート表示制御ステップ(例えば、図24のステップS44)と、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定ステップ(例えば、図24のステップS40〜S42)と、
前記制御プロセス設定ステップで設定された設定内容に基づいて、前記駆動制御用コードを生成する駆動制御用コード生成ステップ(例えば、図24のステップS82)と、を含むコード製造方法である。
【0026】
第11の形態によれば、遊技機の画像と、遊技機の電飾用点灯部の点灯様画像とを登録可能にするとともに、タイミングチャート上で為された各点灯部制御単位時間毎の点灯や消灯の設定に従い、遊技機の画像上に点灯様画像を登録された配置位置に合成して点灯部による一連の点滅の様子をアニメーション表示することができる。更に、設定された制御プロセスの設定内容から駆動制御用コードを生成できる。よって、演出制御基板に搭載されるプロセッサ向けの制御コードを知らなくとも、また動作確認様の実機が用意されなくとも、タイミングチャート上で点灯部の点灯パターンを容易に編集して、編集結果をシミュレーション確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】電子装置のシステム構成例を示す図。
【図2】制御プロセス編集画面の画面表示例を示す図。
【図3】演出動画データの登録手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図4】演出動画データの表示タイミングの設定手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図5】演出動画データの登録完了時のウィンドウ表示例を示す図。
【図6】遊技機正面画像データの登録手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図7】遊技機正面画像データの表示タイミングの設定手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図8】点灯部の登録手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図9】点灯部の点灯タイミングの設定手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図10】点灯部の点灯タイミングの設定手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図11】制御プロセス編集完了時のタイミングチャート例を示す図。
【図12】グループ登録の手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図13】登録済みグループのタイミングチャートへの適用手順とその時のウィンドウ表示例を示す図。
【図14】登録済みグループのタイミングチャートへの適用後のタイミングチャート例を示す図。
【図15】シミュレーションウィンドウの表示例を示す図。
【図16】駆動制御用コード生成の概念図。
【図17】機能構成例を示す機能ブロック図。
【図18】演出動画の例を示す図。
【図19】遊技機正面画像の例を示す図。
【図20】点灯様画像の例を示す図。
【図21】チャンネル設定データのデータ構成例を示す図。
【図22】グループ設定データのデータ構成例を示す図。
【図23】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】図23より続くフローチャート。
【図25】制御プロセスの制御対象に役物を加えた例を説明するための概念図。
【図26】制御プロセスの制御対象に役物を加えた例のタイミングチャートの設定例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、遊技機の演出制御プロセス編集機能を備えた電子装置で、遊技機に搭載された電飾用の点灯部の駆動制御(点灯/消灯制御、或いは明度調整制御)を目的とした制御プロセスを編集し、制御プロセスの編集内容に従った駆動制御用コードを生成する例について説明する。
【0029】
[電子装置の構成]
図1は、遊技機の演出制御プロセス編集機能を備えた電子装置1400のシステム構成例を説明するための図である。電子装置1400は、キーボード1402と、トラックパッド1404と、マウス1406と、ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを備えている。
【0030】
また、電子装置1400は、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418と、不揮発性ICメモリ1494にデータを書き込むためのメモリライタ1496とを備えている。
【0031】
不揮発性ICメモリ1494は、パチンコ装置1490やスロットマシン1492といった遊技機の演出装置の演出制御基板1493に搭載される。
演出装置は、スロットマシン風のリール画像や各種演出画像を表示する液晶ディスプレイ1497や、LEDを内蔵した点灯部1498、スピーカ1495などを含み、演出制御基板1493がパチンコ装置1490の主制御基板(図示省略)からの制御信号を受信して、液晶ディスプレイ1497の画像表示制御や、点灯部1498の点灯制御、スピーカ1495からの音声再生を制御して各種演出を実現する。不揮発性ICメモリ1494は、演出制御基板1493に搭載されるプロセッサ(例えばCPUやDSP)が読み出して液晶ディスプレイ1497や点灯部1498等を統合的に制御するための駆動制御用コードを記憶する。
【0032】
ディスプレイ1408は、制御ユニット1450で生成された画像を表示することのできるデバイスであって、例えば液晶パネルディスプレイや有機ELディスプレイ、電子インクディスプレイなどによって実現される。
【0033】
制御ユニット1450は、制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1452や、ディスプレイ1408のドライバ回路、トラックパッド1404のドライバ回路、キーボード1402及びマウス1406からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0034】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、キーボード1402やトラックパッド1404、マウス1406からの操作入力に応じて装置各部を制御して、遊技機に搭載される演出装置の制御プロセス編集機能を実現する。そして、編集結果に基づいて駆動制御用コードをメモリライタ1496によってICメモリ1494に書き込むことができる。
【0035】
尚、電源等についての図示や説明を省略しているが、公知の電子装置と同様にバッテリーを搭載するか、ACアダプターからの電源コードを接続する端子を備え外部電源から電力の供給を受けることができるものとする。
【0036】
また、本実施形態では、電子装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1452を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
また、ディスプレイ1408の数は2つ以上でも良い。また、ディスプレイ1408上にタッチパネルを搭載し、トラックパッド1404やマウス1406とは別に表示画面に直接タッチ操作することで操作入力可能な構成としても良い。
【0037】
[編集操作の概要]
図2は、本実施形態における制御プロセス編集画面の画面表示例を示す図である。制御プロセス編集画面W2には、タイミングチャートウィンドウ2と、プロパティウィンドウ4と、グループウィンドウ6と、シミュレーションウィンドウ8と、ファンクションバー10とが含まれ、オペレータは適宜所望するウィンドウをアクティブにして制御プロセス編集をする。
【0038】
タイミングチャートウィンドウ2は、遊技機における一の演出の制御プロセスを制御単位時間毎に示すチャート(タイミングチャート)を表示する。ここで言う「一の演出」とは、例えば遊技機がパチンコ装置1490であれば、遊技者待ち状態の所謂アトラクトモード時の演出表示、プレイモード中のリーチ演出や確変演出などが該当する。
【0039】
本実施形態では、画面最上部に帯状に示されたファンクションバー10の「ファイル」を選択するとプルダウンメニュー12が表示され、同メニュー内から「新規チャート」を選択すると、新たなタイミングチャートウィンドウ2が表示され新規の制御プロセスを編集することが可能になる。つまり、本実施形態では、遊技機で使用される各演出の制御プロセスを個別のタイミングチャートで編集することができる。
【0040】
図3は、本実施形態における制御プロセス編集における最初の操作を示す概念図である。制御プロセス編集では主にタイミングチャートウィンドウ2とプロパティウィンドウ4とを操作する。
【0041】
タイミングチャートウィンドウ2では、制御対象を個別に登録するチャンネル20が第1チャンネルから順に縦方向に配列されて表示される。そして、各チャンネル20よりそれぞれ画面右手方向へ当該チャンネルに登録された制御対象の登録名表示部21と、それに続く複数の制御単位時間毎のフレーム22とが横一列に配列表示される。尚、タイミングチャートは1つの演出要素に1つ生成されるので、タイミングチャートウィンドウ2にはタイトル23が表示されて識別される。
【0042】
フレーム22の実時間サイズは、不揮発性ICメモリ1494が搭載される遊技機の演出制御基板1493における一の演出画像生成サイクルに相当する。本実施形態では、1フレームを1/30秒とするが、これに限らず不揮発性ICメモリ1494の搭載先の遊技機の仕様に応じて適宜設定可能である。よって、タイミングチャートウィンドウ2には、チャンネル20を縦軸とした縦横マトリクス状のタイミングチャートが表示されることになる。
【0043】
オペレータは、タイミングチャートのフレーム22毎に制御パラメータ値を設定することができる。つまり、制御対象の制御パラメータ値をどれだけにするかをフレーム単位で設定することができる。制御パラメータ値は実機で想定される制御対象によって適宜設定可能である。例えば、LEDの点灯/消灯を示す値、ピクセルの明度、色値、モータの駆動電圧、モータの回転角度などである。尚、以下では制御パラメータ値を単に「出力値」と呼称する。
【0044】
配列されるフレーム22の総数は、ウィンドウ左上の総フレーム数表示部24にて表示される。配列されるフレーム22の総数は、総フレーム数表示部24への選択・数値入力操作によってオペレータが任意に設定できるほか、登録された演出動画の再生時間に応じて自動的に調整される。
【0045】
本実施形態では、フレーム22を単位にして制御プロセスを編集するので、編集操作においては先ず元になる演出動画データ512を第1チャンネル(CH1)に登録する。尚、演出動画データ512は、遊技機に搭載された制御基板1493で再生処理可能なファイル形式の既存の動画データが使用され、例えばメモリカード1440を介して電子装置1400に提供される。
【0046】
具体的には、第1チャンネルの登録名表示部21を選択操作すると、プロパティウィンドウ4内の当該チャンネルの登録名設定欄40と、表示位置設定欄42と、ファイル設定欄44と、表示サイズ設定欄46とが入力可能に表示されるとともに、同ウィンドウ内に設定適用操作入力のための設定適用ボタン49が追加表示される。
【0047】
オペレータは、登録名設定欄40を選択して、キーボード1420から任意のテキストを入力することで登録名を設定できる。設定された登録名は、対応する登録名表示部21の表示に反映される。
また、表示位置設定欄42を選択状態にして、キーボード1420から任意の座標値を入力するか、シミュレーションウィンドウ8内の任意位置をマウス1406等でポインティングして登録動画の中心位置を入力する。
【0048】
ファイル設定欄44を選択すると、メモリカード1440や制御ユニット1450のICメモリ等に記憶されているデータファイルを階層配置表示する所謂ディレクトリ表示が行われ、所望するデータファイルを指定するとともに当該データファイルまでのパスを設定できる。
表示サイズ設定欄46を選択し、キーボード1402から任意のサイズ値を入力することで、制御対象のデータをシミュレーションウィンドウ8内で表示させるサイズを指定することができる。
【0049】
第1チャンネルに演出動画データ512を登録したならば、登録した動画をタイミングチャートのどのタイミングで再生するかを設定する。タイミングの設定は、例えば図4に示すように、第1チャンネルの横に並ぶフレーム22の中から任意の範囲をマウス1406等で選択する。図中では選択範囲を太線で囲って表示している。第1チャンネルに登録されている演出動画は、選択範囲の先頭から末尾までの間再生されるように第1チャンネルの制御プロセスが設定されることになる。
【0050】
選択範囲が決まると、プロパティウィンドウ4では出力値設定欄48が選択・入力可能に制御される。
出力値設定欄48は、登録されている制御対象の出力値を設定する。本実施形態では、初期状態の各フレーム22には出力値0%がデフォルトで設定されており、選択範囲指定されたフレーム22にはそれに代えて出力値100%が設定される。第1チャンネルには動画が登録されるので、出力値は動画像の不透明度に読み替えて制御されることになる。尚、出力設定欄48をマウス1406で選択し、キーボード1402から任意の数値を設定することも可能である。
【0051】
設定適用ボタン49をマウス1406でポインティングしてクリックし設定適用操作入力すると上述の各欄で設定された各設定が決定される。
【0052】
設定が決定されると設定適用ボタン49は消去され、例えば図5に示すように、出力が有るフレーム22には出力表示28が表示され、出力値0%のフレーム22には出力表示28には表示されない。図5の例では、タイミングチャートの冒頭から演出動画データ512の再生が開始されるように設定されたことを示している。
【0053】
また、シミュレーションウィンドウ8における表示は、現在のタイミングチャートの設定内容に基づく第1フレームにおけるシミュレーション画像に更新される。つまり、タイミングチャートウィンドウ2での編集中、適宜シミュレーションウィンドウ8における表示で演出内容を確認できる。
【0054】
次に、第1チャンネルへの動画データの登録が終了したならば、第2チャンネルへ遊技機正面画像を登録する。
具体的には、図6に示すように、第2チャンネルの右隣の登録名表示部21を選択すると当該部が強調表示されるとともに、プロパティウィンドウ4の登録名設定欄40、表示位置設定欄42、ファイル設定欄44、表示サイズ設定欄46が選択・入力可能になり、設定適用ボタン49が表示される。
【0055】
そして、ファイル設定欄44で遊技機正面画像データ514を登録する。遊技機正面画像データ514は、遊技機の液晶ディスプレイ1497が非表示で点灯部1498が消灯している状態の遊技機の正面像である。特に液晶ディスプレイ1497が見える部分のαチャンネルにマスク用の設定があり、シミュレーションウィンドウ8での表示制御の際には当該部分が透過処理され、下部レイヤーに相当する第1チャンネルの表示内容が見えるように制御される。
【0056】
第2チャンネルの制御対象として遊技機正面画像データ514を登録したならば、登録した画像をどのタイミングで表示するかを設定する。表示タイミングの設定は、例えば図7に示すように、第2チャンネルの横に並ぶフレーム22の中から任意の範囲をマウス1406等で選択する。図中では選択範囲を太線で囲って表示している。第2チャンネルに登録されている画像は、選択範囲の先頭から末尾までの間表示されるように第2チャンネルの制御プロセスが設定されることになる。
【0057】
選択範囲が決まると、プロパティウィンドウ4では出力値設定欄48が選択・入力可能に表示される。出力値設定欄48にはキーボード1402から任意の数値を入力することもできるが、本実施形態ではデフォルトとして出力値100%が設定される。
【0058】
そして、設定適用ボタン49が操作されたのを検知したらならば、先の第1チャンネルにおける制御プロセス編集と同様に、選択範囲指定されたフレーム22に出力値100%が自動的に設定される。更に、例えば図8に示すように、タイミングチャート上では選択範囲指定されていたフレーム22に出力表示28が表示される。第2チャンネルに登録されている画像は、出力値を不透明度に読み替えて制御されることになる。図8の例では、演出動画の再生開始とともにずっと遊技機正面画像が表示されつづけるように設定されていることになる。
【0059】
次に、第3チャンネルへ点灯部1498の1つを登録する。具体的には、第3チャンネルの右隣の登録名表示部21を選択して、プロパティウィンドウ4の登録名称設定欄40で点灯部1498の名称を登録する。本実施形態では、想定される遊技機では発光体としてLEDを使用するので、名称には「LED」を筆頭に点灯部の識別名が登録されている。
【0060】
更に、ファイル設定欄44にて、当該点灯部1498が点灯している状態の雰囲気を示す点灯様画像データ34を登録する。点灯様画像データ34は、点灯部1498が発光している様子をイメージさせるための画像であって、例えば発光ドット集合をイメージさせるドットパターンや、放射状に描かれた集中線パターンなどを発光色で描いた画像を用意すると好適である。
【0061】
更に点灯様画像データ34を登録したならば、表示サイズ設定欄46と表示位置設定欄42とでシミュレーションウィンドウ8における表示サイズと表示位置を調整する。
前述のように、設定適用ボタン49を操作するとプロパティウィンドウ4における設定内容がシミュレーションウィンドウ8における表示に反映されるので、時々設定適用ボタン49を操作して設定を反映されたシミュレーションウィンドウ8における表示を確認しながら表示サイズと表示位置を調整・設定すると好適である。
【0062】
次に、第3チャンネルに登録した点灯部1498をどのタイミングで点灯しどのタイミングで消灯するかを設定する。点灯タイミングの設定は、第3チャンネルの右に横配列されたフレーム22の中から任意の選択範囲を順次指定することで行われる。例えば、図9の例では第13フレーム〜第17フレームまで選択範囲に指定されている状態を示している。
【0063】
そして、設定適用ボタン49を操作することで、選択範囲のフレーム22には出力値100%が設定される。更にタイミングチャート上では、図10に示すように、選択範囲指定されたフレーム22に出力表示28が追加表示され、第13フレーム〜第17フレームまでのタイミングで点灯状態になることを簡潔に示す。もし、消灯状態を設定したくないフレームについては選択範囲指定しなければ良い。図10の例では、第18フレーム〜第25フレームを選択範囲せずに第26フレーム目から2フレーム分だけ選択範囲指定して再び点灯するように設定されたことになる。
【0064】
以下、同様の操作をタイミングチャートの第1フレーム〜最終フレームの範囲で適宜繰り返すことで、第3チャンネルに登録した点灯部1498を第1チャンネルに登録された動画の再生に合わせて点滅させるタイミングを設定することができる。もし、一旦点灯状態に設定したフレームを消灯状態に戻したければ、該当フレームを選択範囲指定し、出力値設定欄48で出力値0%を再設定すると良い。
【0065】
第3チャンネルへの点灯部1498の登録を完了したら、同様にして第4チャンネル以降に遊技機に設けられた各点灯部1498を1チャンネルに1点灯部の対応づけで次々に登録し点灯タイミングを設定する。
R、G、B三色のLEDを見かけ上1箇所の点灯部1498内に設置する場合には、R、G、Bの各LEDをそれぞれ1チャンネルに登録すると良い。そして、全ての点灯部1498について登録と点灯タイミングを設定すると、タイミングチャートは、例えば図11のようになり、第1チャンネルに登録した演出動画の再生をベースとした点灯部1498の制御プロセスの設定が完了したことになる。
【0066】
こうして設定された点灯制御プロセスの一部を、本実施形態では更にグループ登録して一括管理し再利用可能にできる。
具体的には、先ず第1の方法として、例えば図12に示すように複数のチャンネル20を選択して、グループウィンドウ6にドラッグアンドドロップ操作して登録する。これを「チャンネル登録」と呼ぶ。チャンネル登録では、選択されていた複数のチャンネルについて現在のタイミングチャートの総フレーム数の分の設定情報が新規のグループとして登録され、新規登録されたチャンネル登録のアイコン62がグループウィンドウ6内に追加表示される。登録されたグループのファイル名は自動付与されるが公知のオペレーティングシステムと同様に任意に変更可能である。
【0067】
第2の方法として、任意範囲のフレーム22を選択範囲指定してグループウィンドウ6にドラッグアンドドロップ操作して登録する。これを「フレーム登録」と呼ぶ。フレーム登録では、選択範囲に含まれるフレーム22の設定内容が登録され、新規登録されたチャンネル登録のアイコン64がグループウィンドウ6内に追加表示される。
【0068】
そして、登録済みのグループを、タイミングチャートウィンドウ2にドラッグアンドドロップ操作すると、登録内容をそのままタイミングチャートウィンドウ2にコピーし、利用可能になる。
【0069】
例えば、図13のタイミングチャートウィンドウ2には、演出動画データ「move03」の再生に合わせた点灯部1498の点灯タイミングを設定するタイミングチャートが表示されている。総フレーム数は、図12の例より多い300フレームである。この状態から、オペレータが、グループウィンドウ6内のチャンネル登録のアイコン62をタイミングチャートの任意のフレーム22へドラッグアンドドロップ操作すると、当該アイコン62に対応するチャンネル登録されていた情報が、ドラッグアンドドロップ操作されたフレーム22からスタートするように登録される。その結果、図14に示すように、第6チャンネルには、図12で言うところの「LED_h01r」「LED_h01g」「LED_h01b」合計3チャンネル分の150フレーム分の点灯パターンがコピーされる。登録名称表示部21には、ドラッグアンドドロップ操作されたチャンネル登録のアイコン62のファイル名が適用される。また、チャート上には登録範囲に出力表示29が表示される。
【0070】
同様に、図13のように、オペレータが、グループウィンドウ6内のフレーム登録のアイコン64をタイミングチャートの任意のフレーム22へドラッグアンドドロップ操作すると、当該アイコン64に対応するフレーム登録されていた各フレーム22の点灯/消灯のパターンが、ドラッグアンドドロップ操作されたフレーム22からスタートするように登録される。つまり、第3〜第5チャンネルの16〜27フレームには、図12で言うところの「LED_h01r」「LED_h01g」「LED_h01b」合計3チャンネル分の5〜17フレーム分の点灯パターン(図14中、点線楕円で囲った部分が相当)がコピーされる。この場合、フレーム毎の点灯パターンがコピーされるのでは、第3〜第5チャンネルの登録名称表示部21はそのまま維持される。つまり、フレーム登録されたグループはタイミングチャートの他のチャンネルで汎用に利用可能である。従って、例えば、大当たりやリーチの際の演出開始/終了に合わせた点灯制御として登録しておけば、大当たりやリーチ時の演出として共用・流用することができ、至便である。
【0071】
さて、オペレータは所定のシミュレーション開始操作を入力することで、適宜現在の制御プロセス編集結果をシミュレーションウィンドウ8で確認することができる。
例えば、図15はシミュレーションウィンドウ8における表示例を示す図である。シミュレーションウィンドウ8では、第1チャンネル〜第nチャンネル(nは自然数)の順に重なる透明レイヤーとして各チャンネルに登録されている動画や画像を合成表示した画像が、現在のタイミングチャートの設定に従ってフレーム単位で生成され連続的にアニメーション表示される。
【0072】
つまり、背景として登録された遊技機正面画像80のうち、液晶ディスプレイ1497が見える部分のαチャンネル設定部分が透過処理され、下部レイヤーに相当する第1チャンネルの演出動画82が見えるように制御される。そして、遊技機正面画像80上に配置されている点灯部1498に表示位置が設定された点灯様画像84が、点灯タイミングで遊技機正面画像80上に合成されるので、あたかも演出動画82の再生に合わせて点灯しているように表示される。オペレータは、そうしたシミュレーションウィンドウ8の表示を見て所望する演出となっているかを確認し、必要に応じてタイミングチャートウィンドウ2にてタイミングチャートを調整することができる。
【0073】
そして、所望する演出が完成したならば、オペレータが所定のデータ生成操作及び書込操作をすると、電子装置1400はタイミングチャートで示された制御プロセスに基づいて遊技機に搭載される不揮発性ICメモリ1494(図1参照)に書き込むための駆動制御用コードを生成する。そして、メモリライタ1496に装着された不揮発性ICメモリ1494に、生成した駆動制御用コードを書き込む処理をする。
【0074】
図16は、駆動制御用コードのデータ構成例を説明するための図である。同図に示すように、電子装置1400は、ICメモリ等の情報記憶媒体に、制御プロセスの編集セーブデータ510として演出動画データ512と、遊技機正面画像データ514と、点灯様画像データ516と、チャンネル設定データ518と、グループ設定データ520と、チャンネル対応データ522とを記憶する。
【0075】
チャンネル設定データ518は、タイミングチャートのチャンネル毎に設けられ、各々プロパティウィンドウ4で設定した情報とタイチャートで示された各フレーム22毎の出力値の情報とを格納する。
グループ設定データ520は、チャンネル登録に該当する場合には、グループとして一括管理されるチャンネルのチャンネル設定データの複製を格納し、フレーム登録に該当する場合には、選択範囲分の出力値の連続データを格納する。
チャンネル対応データ522は、本実施形態の制御プロセス編集により駆動制御される点灯部1498の識別情報522bと、各チャンネル522aとの対応付け情報を格納する。
【0076】
電子装置1400は、こうした編集セーブデータ510から、遊技機の演出装置1493のプロセッサで読み出し可能な所定のデータフォーマットに従って駆動制御用コード524を生成する。駆動制御用コード524では、ヘッダーとフッター(内容は適宜設定可能)の間に、各点灯部1498毎の駆動制御用の制御コード、アドレス、サブルーチンとして読み出し可能なコードブロックとを配置して成る。尚、図中では駆動制御される点灯部の個別の識別情報を「LED_h01r」「LED_m02」などで示している。
【0077】
制御コードは、演出動画に合わせて設定された全フレーム22の出力値を示すデータの集まりである。
コードブロックは、チャンネル登録やフレーム登録によって登録された部分に相当する制御コードの集まりである。各コードブロックは先頭アドレス(アドレスα、アドレスγ、・・・)が定められており、制御コードの一部に先頭アドレスを含めたジャンプコードを含めることで任意のコードブロックを読み出し可能に構成されている。
【0078】
例えば、識別情報「LED_h01r」の点灯部1498向けの制御コードではメモリ容量M1が必要となるが、識別情報「LED_h02r」の点灯部1498向けの制御コードでは制御コード群の一部に「コードブロックFrgr01」の先頭アドレスを設定することによって必要となるメモリ容量M2(<M1)が小さくて済んでいる。この「コードブロックFrgr01」の例は、制御プロセス編集時にチャンネル登録やフレーム登録されたグループを内包する形で使用した例に相当する。総フレーム数がチャンネル登録されたグループと同じ場合には、識別情報「LED_m01」の点灯部1498向けには制御コードとして参照すべきコードブロックの先頭アドレスだけが指定されることとなり、必要となるメモリ容量M3(<M2)が更に削減されている。
結果として、駆動制御用コード524では、各点灯部1498毎に制御コードを単に格納するケースよりも小さなサイズにすることが可能となり、使用可能なメモリ容量が制限されている遊技機の演出装置での使用に適したデータ構成となっている。
【0079】
尚、汎用される制御コードをコードブロックとして格納し、サブルーチンとして利用可能にすることで駆動制御用コード524のサイズ縮小を図る他、適宜公知のデータ圧縮技術を適用することで駆動制御用コード524の更なるサイズ縮小を図ることもできる。
【0080】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のような遊技機の演出制御プロセスの編集機能を実行するための機能構成例について説明する。
図17は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、メモリライタ部380と、記憶部500とを備える。
【0081】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、キーボードや、マウス、ボタンスイッチ、レバー、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールなどによって実現できる。図1のキーボード1402やトラックパッド1404、マウス1406はこれに該当する。
【0082】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現される。そして、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行うとともに、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、電子装置1400の動作を統合的に制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
本実施形態における処理部200は、編集制御部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270と、ICメモリ書込制御部280とを備える。
【0083】
編集制御部210は、制御プロセス編集に係る各種処理を実行する。具体的には、演出動画登録部212と、遊技機画像登録部214と、点灯様画像登録部216と、制御プロセス設定部218と、グループ登録部220と、シミュレーション部222と、駆動制御用コード生成部224とを含む。
【0084】
演出動画登録部212は、演出制御の元になる演出動画データをタイミングチャートの1つのチャンネルに登録・管理するのに係る処理を実行する。具体的には、例えば、タイミングチャートウィンドウ2で第1チャンネルの登録名表示部21が選択状態にある場合に、プロパティウィンドウ4をアクティブにして登録名設定欄40、表示位置設定欄42、ファイル設定欄44、表示サイズ設定欄46の選択・設定を可能にする(図3参照)。そして、設定内容を第1チャンネルのチャンネル設定データ518として記憶部500に記憶させ、ファイル設定欄44で選択・指定されたデータファイルを外部から取得した場合には、記憶部500に演出動画データ512として複製・記憶させる。
【0085】
遊技機画像登録部214は、シミュレーション画面の背景に相当する遊技機の正面を表す画像の登録に関する処理を実行する。具体的には、例えば、タイミングチャートウィンドウ2で第2チャンネルの登録名表示部21が選択状態にある場合に、プロパティウィンドウ4をアクティブにして登録名設定欄40、表示位置設定欄42、ファイル設定欄44、表示サイズ設定欄46の選択・設定を可能にする(図6参照)。そして、設定内容を第2チャンネルのチャンネル設定データ518として記憶部500に記憶させ、ファイル設定欄44で選択・指定されたデータファイルを外部から取得した場合には、記憶部500に遊技機正面画像データ514として複製・記憶させる。
【0086】
点灯様画像登録部216は、遊技機の各点灯部について遊技機画像上の配置位置と、発光時の当該点灯部の点灯状態の雰囲気を示す点灯様画像との登録に関する処理を実行する。具体的には、タイミングチャートウィンドウ2で第3以降のチャンネルの登録名表示部21が選択状態にある場合に、プロパティウィンドウ4をアクティブにして登録名設定欄40、表示位置設定欄42、ファイル設定欄44、表示サイズ設定欄46の選択・設定を可能にする(図8参照)。そして、設定内容を該当チャンネルのチャンネル設定データ518として記憶部500に記憶させ、ファイル設定欄44で選択・指定されたデータファイルを外部から取得した場合には、記憶部500に点灯様画像データ516として複製・記憶させる。
【0087】
制御プロセス設定部218は、時間軸に沿って所定の単位時間(フレーム22)単位で各点灯部1498の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御し、所定の設定操作に応じて点滅制御を設定登録するための処理を実行する。
具体的には、タイミングチャートウィンドウ2にてタイミングチャートを表示する。そして、総フレーム数表示部24への選択・入力操作に応じて全チャンネル設定データ518のフレーム数の変更処理を行う。また、タイミングチャート上でのフレーム22の選択範囲指定操作を検出した場合、プロパティウィンドウ4をアクティブにして出力表示欄48にデフォルト値100%を設定し、当該チャンネルのチャンネル設定データ518の当該選択フレームへの出力値を100%とするように点灯パターンを変更する。そして、当該選択フレームへ出力表示28を表示させる(図9参照)。勿論、出力表示欄48へ具体的な数値の入力操作があった場合には当該選択フレームへの出力値を入力値に変更する。
【0088】
また、制御プロセス設定部218は、グループ登録を指定した単位時間に適用する旨の操作入力に従って、タイミングチャートにグループ登録された複数の点灯部の設定内容を適用する。具体的には、グループウィンドウ6からチャンネル登録されたグループやフレーム登録されたグループのアイコンをフレーム22に対してドラッグアンドドロップ操作された場合には、ドロップされたグループのグループ設定データ520を参照して当該設定データの内容をタイミングチャートに複製する。そして、該当フレームに出力表示29を表示させる(図14参照)。尚、チャンネル登録されたグループの場合には、当該グループに複数チャンネルが登録されていたとしても、タイミングチャート上は1つのチャンネルとして表示する。
【0089】
グループ登録部220は、所定の登録操作入力に従って選択された複数の点灯部についてタイミングチャートへの設定内容を一括管理できるようにグループ登録する「チャンネル登録」に関する処理と、タイミングチャート中の任意の選択範囲指定されたフレームを他フレームでも適用可能な汎用な点滅パターンとして登録する「フレーム登録」に関する処理を実行する。
【0090】
具体的には、「チャンネル登録」については、タイミングチャート上のチャンネル20を選択した状態で、グループウィンドウ6へのドラッグアンドドロップ操作を検出したら、ドロップされたチャンネル20のチャンネル設定データ518を複製し、1つのグループ設定データ520として登録する。
「フレーム登録」については、タイミングチャート上のフレーム22を選択した状態で、グループウィンドウ6へのドラッグアンドドロップ操作を検出したら、ドロップされたフレーム22の点灯パターンをチャンネルとフレームのマトリクスとして複製し、1つのグループ設定データ520として登録する。
【0091】
シミュレーション部222は、登録されている演出動画の再生処理とともに遊技機の正面画像を表示制御する。そして、点灯部1498それぞれの点灯様画像を、制御プロセス編集操作により設定されたタイミングチャートに従って遊技機画像上の登録された配置位置に表示制御する。これにより、演出動画と各点灯部1498による一連の点滅が所望する演出効果を果たしているか確認するためのシミュレーションを実現することができる。
【0092】
駆動制御用コード生成部224は、制御プロセス編集操作により設定されたタイミングチャートに従って駆動制御用コード524を生成して記憶部500に記憶させる。より具体的には、グループ登録された設定内容を、サブルーチンとして呼び出し可能にコードブロック化する。その一方で、それらコードブロックが配置されるメモリ空間のアドレスを指定したジャンプ命令コードを各点灯部1498の制御コードに挿入することで、同じパターンの制御プロセスのコードを流用可能にできる。これにより、駆動制御用コード524全体のコード数の低減を図ることができる。
【0093】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、編集制御部210による処理結果に基づいてシミュレーションに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0094】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0095】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、編集制御部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/30秒)で1枚の画面に係る画像データを生成し、生成した画像データを画像表示部360に出力する。
【0096】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像データに基づいて各種の画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図1のディスプレイ1408が該当する。
【0097】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0098】
通信部370は、通信回線と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1452がこれに該当する。
【0099】
ICメモリ書込制御部280は、メモリライタ部380を制御して、遊技機に搭載される演出装置のプロセッサにより読み出し可能な情報記憶媒体に駆動制御用コード524を書き込ませる。情報記憶媒体としては、例えば図1の不揮発性ICメモリ1494が該当し、より具体的にはフラッシュメモリにデータを書き込むための所謂フラッシュメモリライターや、ROMライターなどで実現される。
【0100】
記憶部500は、処理部200に電子装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、編集制御を実行させるために必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440及びその読取り装置(メモリカード読取装置1418)がこれに該当する。
【0101】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、編集プログラム502と、ICメモリ書込プログラム504と、を記憶している。システムプログラム501は、電子装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。編集プログラム502は、処理部200が読み出して実行することによって編集制御部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトである。また、ICメモリ書込プログラム504は、処理部200が読み出して実行することによってICメモリ書込制御部280としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトやミドルウェアに当る。尚、編集プログラム502やICメモリ書込プログラム504は、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0102】
また、記憶部500には、編集セーブデータ510と、駆動制御用コード524と、その他、図示省略の各種ウィンドウ表示やシミュレーション表示に必要な情報が適宜記憶される。
【0103】
編集セーブデータ510は、タイミングチャートウィンドウ2毎に1つ用意されるデータセットである。編集セーブデータ510は、タイトル511と、演出動画データ512と、遊技機正面画像データ514と、点灯様画像データ516と、チャンネル設定データ518と、グループ設定データ520と、チャンネル対応データ522とを含む。
【0104】
演出動画データ512は、処理部200で再生処理可能な動画クリップのデータである。例えば図18の例では、遊技機にて実施される抽選処理において3連スロット風の図柄3枚が表示されるので、それら図柄3枚の上に動画像を合成する際図柄が表示される部分512aが透過処理できるように画面構成が工夫されている。そして、その周りにキャラクタ等が様々な動作をして盛り上げるように構成されている。また、本実施形態では、演出動画データ512を1つだけ図示しているが、複数の演出動画データ512を複数用意して、1つの制御プロセス編集に複数の動画クリップが含まれる構成としても良いのは勿論である。
【0105】
遊技機正面画像データ514は、処理部200で再生処理可能な静止画データであり、例えば図19に示すように、パチンコ機であれば盤面を遊技者の視点から見た状態を再現する画面構成となっている。尚、当該画像に写っている点灯部1498は全て消灯状態の様子である。また、前述のように液晶ディスプレイ1497が見える部分514a(中央の斜線クロスハッチング部分)のαチャンネルにマスク情報が設定されており、シミュレーションウィンドウ8での表示制御の際には、当該部分が透過処理され、下部レイヤーに相当する第1チャンネルの表示内容が見えるように制御される。
【0106】
点灯様画像データ516は、遊技機に搭載される点灯部1498の形状毎に用意され、例えば図20の(1)〜(4)のように、電飾用の点灯部1498それぞれの発光領域の形状を有し、発光時の色を有するテクスチャが設定される。シミュレーションウィンドウ8での表示制御の際には、遊技機正面画像の登録配置位置に上書き合成されることによって、あたかもそこが発光しているかのような雰囲気を表現する。
【0107】
チャンネル設定データ518は、タイミングチャートを構成するチャンネル毎に1つのデータセットとして設定される。1つのデータセットは、例えば図21に示すように、チャンネル番号518aと、チャンネルの登録名518bと、シミュレーションウィンドウ8に表示制御される際の配置位置座標518cと、当該チャンネルに登録される制御対象のファイル名518dと、シミュレーションウィンドウ8に表示制御される際の表示サイズ518eと、フレーム別の出力値を格納するフレーム別出力値設定データ518fとを含む。
【0108】
グループ設定データ520は、グループ登録されたタイミングチャートの情報を格納するデータセットであり1つのグループに1つ生成される。
例えば、図22に示すように、グループ設定データ520は、識別情報に相当するグループ番号520aと、グループ名520bと、チャンネル登録かフレーム登録かの属性を示す登録属性520cと、当該グループがチャンネル登録である場合に当該グループに含まれるチャンネル設定データ518の複製チャンネル設定データ520dと、当該グループがフレーム登録である場合に登録範囲として選択されたフレーム部分のフレーム別出力値設定データ518fの抜粋フレーム別出力値設定データ520eとを含む。
【0109】
チャンネル対応データ522は、本実施形態の制御プロセス編集により駆動制御される点灯部1498の識別情報522bと、各チャンネル522aとの対応付け情報を格納する(図16参照)。
【0110】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理の流れは、処理部200が編集プログラム502及びICメモリ書込プログラム504を読み出して実行することによって実現される。
【0111】
図23〜図24は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず操作画面W2を表示させる(ステップS2;図2参照)。この段階では、タイミングチャートウィンドウ2のタイミングチャートには何も登録されておらず、プロパティウィンドウ4の各設定欄には何も表示されていない。また、グループウィンドウ6にも何も登録されていない。シミュレーションウィンドウ8も何も表示されていない。編集セーブデータ510は、生成されるが登録情報は所定のデフォルト値が設定されるものとする。
【0112】
次に、処理部200は、タイミングチャートウィンドウ2における所定の演出動画の登録操作を検出したならば(ステップS4のYES)、同操作入力に応じて演出動画データ512を第1チャンネルに登録する処理を実行し、該当するチャンネル設定データ518を更新する(ステップS6;図3参照)。そして、登録された演出動画の総フレーム数に、全チャンネル設定データ518の総フレーム数を自動整合させるように変更し(ステップS8)、タイミングチャートウィンドウ2とプロパティウィンドウ4の表示を登録内容に応じて変更する(ステップS9)。
【0113】
次いで、処理部200は、タイミングチャートウィンドウ2における所定の遊技機正面画像の登録操作を検出したならば(ステップS10のYES)、遊技機正面画像データ514を第2チャンネルに登録する処理を実行し、該当するチャンネル設定データ518を更新する(ステップS12;図6参照)。そして、処理部200はタイミングチャートウィンドウ2の表示とシミュレーションウィンドウ8の表示を現在のタイミングチャートにおける登録設定に合わせて更新する(ステップS12)。この時のシミュレーションウィンドウ8の更新では、アニメーション再生するのではないので、第1フレームの状態を示す画像が静止画表示される。
【0114】
次に、処理部200は、タイミングチャートウィンドウ2における所定の点灯部1498の登録操作を検出したならば(ステップS20のYES)、操作されたチャンネルへの点灯部1498の登録処理を実行し、該当するチャンネル設定データ518を更新する(ステップS22;図8参照)。そして、チャンネル対応データ522を更新し(ステップS24)、タイミングチャートウィンドウ2及びプロパティウィンドウ4の表示を更新する(ステップS26)。
【0115】
次に、処理部200は、タイミングチャート2の総フレーム数表示部24への選択操作を検出したならば(ステップS30のYES)、総フレーム数の入力操作に応じて全チャンネル設定データ518のフレーム別出力値データ518fのフレーム数を調整する(ステップS32)。これによって、オペレータは登録した演出動画の総フレーム数以外の長さのタイミングチャートを作成することができる。
【0116】
次に、タイミングチャートウィンドウ2のフレーム22の選択範囲指定操作を検出したならば(ステップS40のYES)、処理部200は選択されたフレーム22の出力設定処理を実行し、対応するチャンネル設定データ518を更新する(ステップS42;図4、図7、図9〜図10参照)。そして、チャンネル対応データ522を更新し(ステップS42)、タイミングチャートウィンドウ2の表示を更新する(ステップS44)。本実施形態では、選択範囲指定されたフレーム22には、自動的に出力値100%が設定されるが出力値設定欄48への数値入力により任意値を設定することもできる。
【0117】
次に、タイミングチャートウィンドウ2で選択範囲指定されたチャンネル20又はフレーム22をグループウィンドウ6へドラッグアンドドロップ操作したのを検出した場合、処理部200はグループ登録操作を検出したと判断し(ステップS50のYES;図12参照)、選択範囲指定されたのがチャンネル20ならばチャンネル登録、選択範囲指定されたのがフレーム22ならばフレーム登録として新たなグループを登録処理する(ステップS52)。そして、記憶部500の編集セーブデータ510に新たなグループ設定データ522を生成するとともに、グループウィンドウ6に新規登録されたグループのアイコンを表示させる(ステップS54)。
【0118】
もし、グループウィンドウ6に表示されているアイコンをタイミングチャートウィンドウ2のフレーム22にドラッグアンドドロップ操作したのを検出した場合、処理部200は登録済みグループのタイミングチャートへの適用操作を検出したと判断する(ステップS60のYES;図13参照)。そして、当該グループの設定情報をドロップ先のフレーム22を基点としてタイミングチャート上にコピーして適用する処理を行い(ステップS62)、タイミングチャートウィンドウ2の表示を更新する(ステップS64)。
【0119】
具体的には、適用操作されたのがチャンネル登録されたグループならば、ドロップ先のフレーム22のチャンネルから当該グループに含まれるチャンネルの分だけチャンネル設定データを用意し、当該グループの複製チャンネル設置データ520dをコピーする。この際、フレーム別出力値設定データ518fについては、ドロップ先フレームから当該グループの総フレーム分の点灯パターンが始まるように設定フレームを自動調整するものとする。タイミングチャートウィンドウ2上の表示としては、ドロップ先のフレーム22のチャンネルに当該グループのグループ名520dを表示させ、タイミングチャート上にはドロップ先フレームから当該グループの総フレーム数だけ出力表示29を表示させる(図14参照)。
【0120】
また、適用操作されたのが登録済みのフレーム登録されたグループならば、ドロップ先のフレーム22のチャンネルから順に、当該グループの抜粋フレーム別出力値設定データ520eの数だけ、当該チャンネルのチャンネル設定データ518のフレーム別出力値設定データ518fに、ドロップ先のフレーム22を先頭にしてグループ設定データ520の抜粋フレーム別出力値データ520eを参照して、登録されている点灯パターンをコピーする。
【0121】
次に、所定のシミュレーション開始操作を検出した場合(ステップS70のYES)、処理部200はシミュレーションウィンドウ8にて現在のタイミングチャートの設定に従ったアニメーション表示処理をして、演出制御プロセスのシミュレーション表示をする(ステップS72;図15参照)。
【0122】
オペレータが所定の編集終了操作をしなければ(ステップS80のNO)、ステップ4に自動的に移行し、処理部200は再び各種操作入力の入力待ちとなるので、オペレータは望む内容となるまで演出の制御プロセスを編集作業することができる。そして、出来具合を十分に確認したならば、編集終了操作を入力する。
【0123】
処理部200は、所定の編集終了操作を検出したならば(ステップS80のYES)、現在の編集セーブデータ518を元にして駆動制御用コード524を1次生成し(ステップS82;図16参照)、生成された駆動制御用コード524にデータ圧縮処理を施す(ステップS84)。
ここで言う「データ圧縮処理」は、遊技機の制御基板1493で解凍処理してもとのコードデータに戻す必要があるため、公知の可逆圧縮技術を適宜利用することができる。また、1次生成された駆動制御用コード524のうち、重複するコードパターンを検索して、検索された重複コードパターンを新規のコードブロックとして登録し、当該重複コードパターンの記憶部分を新規登録したコードブロックの先頭アドレスに置き換えるといった処理を行うことで更にデータを圧縮するとしても良い。
【0124】
そして、処理部200は圧縮処理された駆動制御用データ524をメモリライタ1496に装着された不揮発性ICメモリ1494に書込処理して(ステップS86)、一連の処理を終了する。
【0125】
以上、本実施形態の電子装置1400によれば、遊技機に搭載される演出装置向け制御コードを理解していない者でも制御プロセスの編集を簡単に行うことができる。そして、編集結果をその都度シミュレーションによって確認できるので、制御プロセスの編集作業に実機を要しないため、実機開発と平行して制御プロセス編集作業を進めることが可能になり、製作工程の短縮を図ることもできる。
【0126】
また、電子装置1400により編集セーブデータ510から駆動制御用コード524を生成し、更に不揮発性ICメモリ1494へ書き込むこともできるので、制御プロセスの編集から試作完成まで一貫して作業できる。しかも、駆動制御用コード524のデータ容量の圧縮処理を行うこともできるので、メモリスペース(格納メモリ容量)が限られる遊技機の演出装置向け制御プロセスの編集には好適である。
【0127】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な実施形態が上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜、構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0128】
例えば、上記実施形態では制御プロセス編集を演出動画の再生に合わせた点灯部1498の点灯制御として説明したが、演出動画の再生を省略して点灯部1498の点滅制御のプロセス編集のみに特化することもできる。
【0129】
また、制御プロセスにおける制御対象とされる要素は、演出動画の再生や点灯部1498の点滅に限らず、演出装置に装備されるフィギアモデルの駆動制御や遊技媒体の通路の切換や扉の開閉といった機械的構造(ギミック)の駆動制御を含めることができる。
【0130】
具体的には、例えば図25に示すように、パチンコ装置1490は、演出装置として機械的構造の役物80を有しているとする。役物80はフィギア82の腕84が揺動可能に取り付けられており、左右のモータ86を個別駆動制御することでカム87に枢支されたロッド88が上下動し、ロッド88に連結された腕84が揺動する構成である。この場合、フィギア82の作動状態をパラパラアニメのコマ風に描き分けた作動状態図90a〜90eを用意する。
【0131】
そして、図26に示すように、タイミングチャートのチャンネル20に各作動状態図90a〜90eを登録し、登録した作動状態図の状態となるタイミングのフレーム22に出力値100%を設定する。つまり、作動状態図90a〜90eをセルアニメの1コマと見なしてタイミングチャートを編集する。すると、シミュレーションウィンドウ8でのシミュレーション表示時には、パラパラアニメ風にしてフィギア82が演出動画のリズムに合わせて旗振り動作をするのを確認することができるようになる。
【0132】
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ装置1490やスロットマシン1492を例に挙げて説明したが本発明の適用可能な形態はそれらに限らない。例えば、クレーンゲーム装置や、メダルプッシャー型のゲーム装置、ビンボール装置など、演出用の点灯部1498が装備されていればその他の種類の遊技機の制御プロセスの編集にも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0133】
2 タイミングチャートウィンドウ
20 チャンネル
21 登録名表示部
22 フレーム
23 タイトル
24 総フレーム数表示部
4 プロパティウィンドウ
40 登録名設定欄
42 表示位置設定欄
44 ファイル設定欄
46 表示サイズ設定欄
48 出力値設定欄
6 グループウィンドウ
8 シミュレーションウィンドウ
100 操作入力部
200 処理部
210 編集制御部
212 演出動画登録部
214 遊技機画像登録部
216 点灯様画像登録部
218 制御プロセス設定部
220 グループ登録部
222 シミュレーション部
224 駆動制御用コード生成部
500 記憶部
502 編集プログラム
504 ICメモリ書込プログラム
510 編集セーブデータ
512 演出動画データ
514 遊技機正面画像データ
516 点灯様画像データ
518 チャンネル設定データ
518f フレーム別出力値設定データ
520 グループ設定データ
522 チャンネル対応データ
524 駆動制御用コード
1400 電子装置
1402 キーボード
1406 マウス
1408 ディスプレイ
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、遊技機の点灯部の点滅をシミュレーションさせるためのプログラムであって、
前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録手段、
前記遊技機の各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録手段、
時間軸に沿って所定の単位時間単位で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御する制御タイミングチャート表示制御手段、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定手段、
前記遊技機の画像を表示制御するとともに、前記各点灯部それぞれの前記点灯様画像を、前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に従って前記遊技機の画像上の前記登録された配置位置に表示制御することで、前記各点灯部による一連の点滅をシミュレーションするシミュレーション手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記遊技機の表示部で再生表示される所与の動画データを前記制御タイミングチャートの時間軸に沿って登録する動画登録手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記シミュレーション手段が、前記遊技機の画像中の前記表示部位置に前記動画登録手段により登録された動画データを再生制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に基づいて、前記遊技機に搭載されるメモリに記憶されて前記遊技機のプロセッサにより駆動制御される前記各点灯部の駆動制御用コードを生成する駆動制御用コード生成手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記駆動制御用コード生成手段が、データ圧縮して前記駆動制御用コードを生成するように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
ユーザの操作入力に従って選択された複数の点灯部についての前記制御タイミングチャートへの設定内容をグループ登録するグループ登録手段として前記コンピュータを機能させ、
前記制御プロセス設定手段が、前記グループ登録を適用する旨のユーザの操作入力に従って、前記制御タイミングチャートに、前記グループ登録手段によりグループ登録された複数の点灯部の設定内容を適用するグループ登録適用手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項3又は4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記駆動制御用コード生成手段が、前記グループ登録手段によりグループ登録された設定内容を前記駆動制御用コードにおいてサブルーチンとして読み出し利用するコードブロックとして生成するように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御タイミングチャート中の任意の点灯部に適用可能な汎用設定をユーザの操作入力に従って登録する汎用設定登録手段として前記コンピュータを機能させ、
前記制御プロセス設定手段が、前記汎用設定を適用する点灯部の選択操作と適用する旨の操作入力とに従って、前記制御タイミングチャートに、前記汎用設定登録手段により登録された汎用設定を適用する汎用設定適用手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項3〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記駆動制御用コード生成手段が、前記汎用設定登録手段により登録された汎用設定を前記駆動制御用コードにおいてサブルーチンとして読み出し利用するコードブロックとして生成するように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な情報記憶媒体。
【請求項10】
遊技機の点灯部の点滅をシミュレーションする電子装置であって、
前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録手段と、
前記遊技機の各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録手段と、
時間軸に沿って所定の単位時間単位で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御する制御タイミングチャート表示制御手段、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定手段、
前記遊技機の画像を表示制御するとともに、前記各点灯部それぞれの前記点灯様画像を、前記制御プロセス設定手段により設定された設定内容に従って前記遊技機の画像上の前記登録された配置位置に表示制御することで、前記各点灯部による一連の点滅をシミュレーション表示するシミュレーション手段と、
を備える電子装置。
【請求項11】
遊技機に搭載されるメモリに記憶されて当該遊技機のプロセッサにより駆動制御される当該遊技機の各点灯部の駆動制御用コードを製造するコード製造方法であって、
前記遊技機の画像を登録する遊技機画像登録ステップと、
前記各点灯部について、当該点灯部の配置位置と、発光時の当該点灯部の状態を示す点灯様画像とを登録する点灯部登録ステップと、
時間軸に沿って所定の単位時間単位で前記各点灯部の点滅制御を設定可能な制御タイミングチャートを表示制御する制御タイミングチャート表示制御ステップと、
前記制御タイミングチャートに対するユーザの操作入力に応じて任意の点灯部の任意のタイミングでの点灯及び消灯を設定する制御プロセス設定ステップと、
前記制御プロセス設定ステップで設定された設定内容に基づいて、前記駆動制御用コードを生成する駆動制御用コード生成ステップと、
を含むコード製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図15】
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【図19】
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【図25】
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