説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】リアルなゲーム画像を提供すること。
【解決手段】選手キャラクタにより汚れ付着動作が行われたか否かが判定され、判定された汚れ付着動作に設定された付着部位に汚れが付着される。また、付着部位に設定された汚れ現在値が大きいほど、汚れの模様が密で色の濃い汚れテクスチャがマッピングされる。汚れ現在値は、汚れ付着動作が1回行われる毎に、試合が行われるスタジアム及び試合当日の天候に基づいて設定された汚れ付着単位ずつ加算・更新されていく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、ゲーム空間を移動するキャラクタの動作を制御させてゲームを進行制御させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
リアルなゲーム画像を生成するための技術として、例えば特許文献1には、下地テクスチャマッピング用のオブジェクトOB1と、汚れテクスチャがマッピングされた汚れ表現用のオブジェクトOB2とを用意しておき、汚れ表現用のオブジェクトOB2の透明度を変化させながら、これら2つのオブジェクトを重ねて描画する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−167291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、汚れテクスチャが予めマッピングされた汚れ表現用のオブジェクトOB2を用いた描画を行うため、オブジェクトの部位毎に汚れを制御することが困難であった。具体的には、オブジェクトの動作に従って、汚れを付着させる部位や、汚れの種類を可変するといったことができない。
【0004】
このため、上記の技術を例えばスポーツゲームに適用した場合、キャラクタに付着される汚れが一様で変化に乏しく、提供されるゲーム画像が今一つリアルさに欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、リアルなゲーム画像を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、第1の発明は、
コンピュータに、ゲーム空間を移動するキャラクタ(例えば、実施形態の選手キャラクタ)の動作を制御させてゲームを進行制御させるためのプログラム(例えば、図7のゲームプログラム610)であって、
キャラクタに汚れ着色処理を施す対象箇所(例えば、図2のFR1〜BL2)が予め定められた(例えば、図10の付着部位判定用テーブル660)キャラクタの動作である着色起因動作(例えば、図9の動作種別651)の発生を検知する起因動作検知手段(例えば、図14のステップA15)、
前記起因動作検知手段の検知に応じて、当該検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理を施す着色処理施行手段(例えば、図14のステップA21)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、別の発明として、
ゲーム空間を移動するキャラクタの動作を制御してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
キャラクタに汚れ着色処理を施す対象箇所が予め定められたキャラクタの動作である着色起因動作の発生を検知する起因動作検知手段と、
前記起因動作検知手段の検知に応じて、当該検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理を施す着色処理施行手段と、
を備えたゲーム装置を構成してもよい。
【0008】
この第1の発明等によれば、キャラクタによる着色起因動作の発生が検知され、検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理が施される。従って、キャラクタの対象箇所毎に汚れの着色が制御されると共に、キャラクタの動作に応じて汚れが着色される対象箇所が変化するため、リアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0009】
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記着色処理施行手段が、前記対象箇所それぞれに前記汚れ着色処理を施した回数に基づいて着色させる色の濃度を可変に制御する濃度可変制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0010】
この第2の発明によれば、対象箇所それぞれに汚れ着色処理を施した回数に基づいて、着色させる色の濃度が可変される。従って、汚れ着色処理を施した回数が多いほど、即ちキャラクタにより着色起因動作が行われた回数が多いほど、着色させる汚れの濃度を濃くするといったことが可能になるため、リアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0011】
また、第3の発明として、第2の発明のプログラムであって、
前記濃度可変制御手段が、半透明の色情報で汚れ色が定義された汚れテクスチャをマッピングする枚数を可変することで着色させる色の濃度を可変に制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0012】
この第3の発明によれば、半透明の色情報で汚れ色が定義された汚れテクスチャをマッピングする枚数を可変することで、着色させる色の濃度が可変される。従って、複数種類の汚れテクスチャを用意せずとも、一枚の汚れテクスチャを用意するだけで、着色させる色の濃度を簡便に変化させることができるようになる。
【0013】
また、第4の発明として、第1〜第3の何れか一の発明のプログラムであって、
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色された対象箇所の色を、前記ゲームの進行経過に従って前記汚れ着色処理前の色に漸次近づける色復元処理手段(例えば、図6、図14のステップA27、A29)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0014】
この第4の発明によれば、汚れ着色処理により着色された対象箇所の色が、ゲームの進行経過に従って汚れ着色処理前の色に漸次近づけられる。従って、時間経過に伴って、着色された汚れが徐々に落ちていくといった様子を再現することができるようになる。
【0015】
また、第5の発明として、第4の発明のプログラムであって、
前記色復元処理手段が、前記汚れ着色処理前の色に近づける速度を、前記ゲームの進行経過に従って可変する色復元速度可変手段(例えば、図6、図14のステップA27、A29)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0016】
この第5の発明によれば、汚れ着色処理前の色に近づける速度が、ゲームの進行経過に従って可変される。従って、ゲームの進行経過に従って速度を下げていくことで、時間が経てば経つほど汚れが落ちにくくなるといった様子を再現することができるようになる。
【0017】
また、第6の発明として、第1〜第5の何れか一の発明のプログラムであって、
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色された対象箇所の色を、前記ゲーム進行中の所定のタイミングで、即時に前記汚れ着色処理前の色に近づける即時色復元処理手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0018】
この第6の発明によれば、汚れ着色処理により着色された対象箇所の色が、ゲーム進行中の所定のタイミングで、即時に汚れ着色処理前の色に近づけられる。従って、キャラクタの汚れを払う動作により、着色された汚れが瞬時に落とされるといった様子や、汚れが洗い流されることで、着色された汚れが瞬時に落とされるといった様子を再現することができるようになる。
【0019】
また、第7の発明として、第1〜第6の何れか一の発明のプログラムであって、
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色される色の基準汚れ色(例えば、図12の汚れ色694)を設定する基準色設定手段(例えば、図14のステップA5)として前記コンピュータを機能させ、
前記着色処理施行手段が、前記基準色設定手段により設定された基準汚れ色に基づいて前記汚れ着色処理を施すように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムを構成してもよい。
【0020】
また、第8の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記ゲーム開始前に、予め設定された複数種類のゲーム空間(例えば、図12のスタジアムデータ690)の中から当該ゲームに用いるゲーム空間を選択・設定する空間設定手段(例えば、図14のステップA1)として前記コンピュータを機能させ、
前記基準色設定手段が前記空間設定手段により設定されたゲーム空間の種類に基づいて前記基準汚れ色を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムを構成してもよい。
【0021】
この第7、第8の発明によれば、汚れ着色処理により着色される色の基準汚れ色が、ゲーム開始前に設定されたゲーム空間の種類に基づいて設定され、設定された基準汚れ色に基づいて汚れ着色処理が施される。従って、設定されるゲーム空間の種類に応じて、着色させる汚れの色を変化させることが可能となり、よりリアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0022】
また、第9の発明として、第1〜第8の何れか一の発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、図1のCD−ROM1212、図7の記憶部600)を構成してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、キャラクタによる着色起因動作の発生が検知され、検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理が施される。従って、キャラクタの対象箇所毎に汚れの着色が制御されると共に、キャラクタの動作に応じて汚れが着色される対象箇所が変化するため、リアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための形態として、家庭用ゲーム装置でサッカーゲームを実行する場合について説明する。
【0025】
1.ゲーム装置
図1は、本発明を適用した家庭用ゲーム装置1200の構成を示す図である。家庭用ゲーム装置1200は、ゲームコントローラ1202と、本体装置1210と、スピーカ1222を有するディスプレイ1220とを備えている。ゲームコントローラ1202は本体装置1210に接続され、ディスプレイ1220は画像信号及び音信号等を伝送可能なケーブル1201によって本体装置1210に接続されている。
【0026】
ゲームコントローラ1202は、プレーヤがゲーム操作や画面表示位置を入力するための方向キー1204と、ボタンスイッチ1206とを備え、操作入力信号を本体装置1210に出力する。
【0027】
本体装置1210は、例えばCPUやICメモリ類を搭載した制御ユニット1211や情報記憶媒体の読取装置を備え、CD−ROM1212等から読み出したゲームプログラム及びゲームデータと、ゲームコントローラ1202からの操作信号とに基づいて種々のゲーム処理を演算処理して、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。
【0028】
本体装置1210は、所与の仮想カメラを視点とした仮想三次元空間の画像を生成する。そして、画像信号と音声信号とをディスプレイ1220に出力して、ディスプレイ1220にゲーム画面を表示させると共に、スピーカ1222からゲーム音を出力させる。プレーヤは、ディスプレイ1220に映し出されたゲーム画面を見ながら、ゲームコントローラ1202を操作してゲームを楽しむことができる。
【0029】
本体装置1210がゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等は、例えば、本体装置1210に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1212、ICメモリ1214、メモリカード1216等に格納されている。或いは、本体装置1210に具備された通信装置1218を介して通信回線2に接続し、外部装置(例えば、ゲームサーバ)からダウンロードして取得する。尚、ここで言う「通信回線」とは、データ授受が可能な通信路を意味する。即ち、通信回線2とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また通信方法については有線/無線を問わない意味である。
【0030】
2.原理
本実施形態のサッカーゲームでは、プレーヤチーム、COMチームを問わず、試合を行っている各選手キャラクタに設定された「付着部位」に汚れを付着させていく。汚れを付着させる方法としては様々なものが知られているが、本実施形態では、汚れを表すテクスチャである「汚れテクスチャ」を付着部位にマッピングする。
【0031】
図2は、付着部位を説明するための図である。
本実施形態では、各選手キャラクタのパンツ及びソックスの計8箇所に汚れを付着させる。パンツの付着部位は、前面右部FR1、前面左部FL1、背面右部BR1及び背面左部BL1の4箇所であり、ソックスの付着部位は、右ソックスの前面部FR2、背面部BR2及び左ソックスの前面部FL2、背面部BL2の4箇所である。本実施形態では、これら8箇所の付着部位に対し、汚れの付着を独立に制御する。
【0032】
何れの付着部位に汚れを付着させるかは、試合中の選手キャラクタの動作に従って決定する。但し、動作の中には、何れの付着部位にも汚れを付着させない動作(パスなど)が含まれている。以下、少なくとも一箇所の付着部位に汚れを付着させる選手キャラクタの動作を、「汚れ付着動作」と呼ぶ。
【0033】
図3〜図5は、汚れ付着動作の一例を示す図である。
図3には、左足を折り畳み、右足を伸ばした姿勢でスライディングを行う汚れ付着動作が示されている。この汚れ付着動作では、選手キャラクタに設定された8箇所の付着部位のうち、地面に接しているパンツの背面右部BR1及び背面左部BL1と、右ソックスの背面部BR2と、左ソックスの前面部FL2とに汚れを付着させる。
【0034】
図4には、膝をついた状態でうつ伏せに転倒する汚れ付着動作が示されている。この汚れ付着動作では、パンツの前面右部FR1及び前面左部FL1に汚れを付着させる。尚、ソックスは地面に接しないため、汚れは付着させない。
【0035】
同様に、図5には、ゴールキーパーが横っ飛びをして倒れ込んだ汚れ付着動作が示されている。この汚れ付着動作では、パンツの背面左部BL1及び左ソックスの背面部BL2に汚れを付着させる。
【0036】
付着させる汚れは、現在の汚れの程度を示すパラメータである「汚れ現在値」に応じて10段階に分けられている。具体的には、汚れ現在値が「3.0〜5.9」の場合は「1段階目」、「6.0〜8.9」の場合は「2段階目」、・・・、「27.0〜29.9」の場合は「9段階目」、「30〜」の場合は「10段階目」の汚れである。但し、汚れ現在値が「0〜2.9」の場合は、汚れは付着させない。
【0037】
具体的には、汚れの模様が異なる汚れテクスチャを10種類用意しておき、付着部位の汚れ現在値に応じて、マッピングされる汚れテクスチャを差替えていく。汚れテクスチャは、段階の低いうちは汚れの模様が小さく疎らであり、段階が上がるにつれて、模様が大きく密になっていくものを用意する。また、汚れの模様の色の濃度は、段階が上がるにつれて濃くしていく。
【0038】
汚れ現在値は、各付着部位について算出され、汚れ付着動作が1回行われる毎に、単位当たりの汚れの増分である「汚れ付着単位」ずつ加算・更新されていく。ここで、汚れ付着単位は、以下の式(1)により算出される。
汚れ付着単位=スタジアム係数×天候係数 ・・・(1)
【0039】
スタジアム係数は、試合が行われるスタジアム毎に異なる係数であり、汚れが付着し易いピッチ(例えば、土のピッチ)を有するスタジアムほど大きい値が設定されている。天候係数は、試合当日の天候毎に異なる係数であり、汚れが付着し易い天候(例えば、雨)ほど大きい値が設定されている。従って、天候の悪い日に、汚れが付着し易いピッチを有するスタジアムで試合が行われると、汚れ付着単位が大きくなるため、1回の汚れ付着動作当たりの汚れ現在値の加算値が大きくなる。
【0040】
また、本実施形態では、付着させる汚れの色を、試合が行われるスタジアムに応じて変化させる。例えば、「天然芝」のピッチを有するスタジアムでは「緑色」の汚れを付着させ、「土」のピッチを有するスタジアムでは「茶色」の汚れを付着させる。具体的には、汚れテクスチャの汚れの模様の位置・形状はそのままで、模様の色を変化させる。これにより、スタジアムのピッチの色と同色の汚れが選手キャラクタに付着されるため、よりリアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0041】
ここまで汚れを付着させる原理について説明してきたが、実際のサッカーの試合では、時間経過に伴って、付着した汚れが落ちていく場合がある。そこで、本実施形態では、各付着部位について、当該付着部位に汚れが付着された最新の時刻(以下、「最新付着時刻」と呼ぶ。)を記憶しておき、この最新付着時刻から所定時間(例えば、ゲーム時間で5分)が経過する毎に、当該付着部位の汚れ現在値を減少・更新させていく。
【0042】
具体的には、更新時刻となる毎に、試合開始から当該更新時刻までの経過時間に基づいて減算係数を決定し、汚れ現在値から、減算係数と汚れ現在値との積を減算する。実際のゲーム画像では、付着部位に付着された汚れが時間経過に伴って薄くなっていき、パンツやソックスの下地が徐々に現れてくることになる。これにより、時間経過に伴って、着色された汚れが徐々に落ちていくといった様子が再現されるようになる。
【0043】
図6は、経過時間と減算係数との関係を示すグラフである。同図において、横軸は経過時間、縦軸は減算係数を示している。
経過時間が短いうちは、減算係数が大きいため汚れ現在値の減算値は大きくなるが、ハーフタイムに向かって減算係数が小さくなり、汚れ現在値の減算値が小さくなる。これは、試合開始当初は、選手がほとんど汗をかいていないため、汚れが付着したとしても簡単に落ちてしまうが、時間が経過するにつれて選手が汗をかいていき、付着した汚れが落ちにくくなることを表している。これにより、時間が経てば経つほど汚れが落ちにくくなるといった様子が再現されるようになる。
【0044】
そして、ハーフタイム直後は、選手の汗が引いているため減算係数が大きくなるが、試合終了に向かって減算係数が再び小さくなっていく。この減算係数の変化によって、いわば汚れが落ちる速度が変わるともいえる。
【0045】
また、ハーフタイムには、選手がパンツやソックスの汚れを払ったり、汚れを洗い流す場合がある。そこで、本実施形態では、ハーフタイムにおいて、各付着部位の汚れ現在値を強制的に1/2にする。
【0046】
3.機能構成
次に、家庭用ゲーム装置1200の機能構成について説明する。
図7は、家庭用ゲーム装置1200の機能構成を示すブロック図である。家庭用ゲー
ム装置1200は、操作入力部100と、処理部200と、表示部300と、音出力部4
00と、通信部500と、記憶部600とを備えて構成される。
【0047】
操作入力部100は、例えばボタンスイッチやレバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現され、プレーヤによる操作入力に応じた操作入力信号を処理部200に出力する。図1では、ゲームコントローラ1202がこれに対応する。
【0048】
処理部200は、家庭用ゲーム装置1200全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。図1では、本体装置1210に具備される制御ユニット1211がこれに対応する。
【0049】
また、処理部200は、主にゲームに係る演算処理を行うゲーム演算部210と、ゲーム演算部210の処理によって求められた各種のデータに基づき、仮想カメラ等の所与の視点から見たゲーム空間の画像の生成及びゲーム画面を表示させるための画像信号の生成を行う画像生成部230と、効果音やBGM等のゲーム音の生成及びゲーム音を出力させるための音信号の生成を行う音生成部250とを含んでいる。
【0050】
ゲーム演算部210は、操作入力部100からの操作入力信号や、記憶部600から読
み出したゲームプログラム610や各種データに基づいてゲーム処理を実行する。本実施
形態では、ゲーム演算部210は、ゲーム空間設定部212と、ゲーム進行制御部214
と、選手キャラクタ制御部216と、汚れ制御部218とを含んでいる。
【0051】
ゲーム空間設定部212は、仮想三次元空間に選手キャラクタ等のオブジェクトを配置
することでゲーム空間を設定する。ゲーム進行制御部214は、ゲーム開始や経過時間の
計測を行ってゲームの進行を制御する。選手キャラクタ制御部216は、ゲーム中の選手
キャラクタの移動や動作の制御を行う。汚れ制御部218は、選手キャラクタの各付着部
位の汚れの付着を制御する。
【0052】
画像生成部230は、例えばCPUやDSP等の演算装置やその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部230は、ゲーム演算部210による演算結果に基づき、幾何変換処理やシェーディング処理等を実行してゲーム画面を表示するためのゲーム画像(3DCG画像)を生成し、生成した画像の画像信号を表示部300に出力する。本実施形態では、画像生成部230は、汚れ制御部218の制御に従って、選手キャラクタの付着部位に汚れテクスチャをマッピングする。
【0053】
表示部300は、画像生成部230からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では、ディスプレイ1220がこれに対応する。
【0054】
音生成部250は、例えばCPUやDSP等の演算装置及びその制御プログラムによって実現され、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。
【0055】
音出力部400は、音生成部250からの音信号に基づいて、BGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図1では、スピーカ1222がこれに対応する。
【0056】
通信部500は、処理部200からの制御信号に従って、通信回線2に接続して外部装置とのデータ通信を行う。例えば、無線通信モジュール、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路などによって実現される。図1では、通信装置1218がこれに対応する。
【0057】
記憶部600は、処理部200に家庭用ゲーム装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現させるシステムプログラム(図示せず)や、ゲームを実行させるために必要なプログラム及びデータを記憶している。また、処理部200が演算処理に必要な各種のプログラムやデータを一時的に記憶する。その機能は、例えば各種ICメモリ、メモリカード、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD等の情報記憶媒体によって実現される。図1では、制御ユニット1211に搭載された各種ICメモリ、CD−ROM1212、ICメモリ1214、メモリカード1216等がこれに対応する。
【0058】
本実施形態では、記憶部600は、ゲームプログラム610と、選手キャラクタデータ630と、選手キャラクタモデルデータ640と、動作制御データ650と、付着部位判定用テーブル660と、付着テクスチャ判定用データ670と、汚れテクスチャデータ680と、スタジアムデータ690と、天候データ700と、汚れ付着単位データ710とを含んでいる。また、ゲームプログラム610は、ゲーム演算部210を汚れ制御部218として機能させるための汚れ制御プログラム620をサブルーチンとして含んでいる。
【0059】
選手キャラクタデータ630は、選手キャラクタについてのデータであり、そのデータ構成例を図8に示す。選手キャラクタデータ630は、選手キャラクタ毎に用意されており、選手名631と、チーム632と、ポジション633と、位置634と、姿勢635と、移動速度636と、汚れ付着情報637とが対応付けて記憶されている。
【0060】
汚れ付着情報637は、当該選手キャラクタの汚れの付着についての情報であり、付着部位6371と、汚れ現在値6372と、最新付着時刻6373とが対応付けて記憶されている。付着部位6371は、図2に示した8箇所の付着部位FR1〜BL2に対応している。例えば、パンツの背面右部BR1の汚れ現在値として「12.4」、その最新付着時刻として「17′08″」が記憶されている。
【0061】
選手キャラクタモデルデータ640は、ゲーム空間に選手キャラクタをモデリングするためのモデリングデータや、テクスチャデータを含んでいる。この中には、選手キャラクタのパンツやソックスのテクスチャデータも含まれている。
【0062】
動作制御データ650は、キャラクタの動作を制御するためのデータであり、そのデータ構成例を図9に示す。動作制御データ650には、動作の種類である動作種別651と、当該動作の具体的な制御内容である動作制御内容652とが対応付けて設定されている。例えば、「スライディング01」の動作の制御内容は、「左足を折り畳み、右足を伸ばした姿勢でスライディング」である。
【0063】
付着部位判定用テーブル660は、付着部位を判定するためのテーブルであり、そのテーブル構成例を図10に示す。付着部位判定用テーブル660には、動作制御データ650に記憶されている各動作について、汚れを付着させる付着部位には「○」、汚れを付着させない付着部位には「×」が設定されている。例えば、選手キャラクタにより「スライディング01」の動作が行われた場合には、BR1、BL1、FL2及びBR2の付着部位に汚れを付着させる。
【0064】
ゲーム処理において、ゲーム演算部210は、動作制御データ650に基づいて選手キャラクタの動作を制御する。そして、汚れ付着動作が行われたと判定した場合に、付着部位判定用テーブル660に基づいて、当該汚れ付着動作により汚れを付着させる付着部位を判定する。そして、選手キャラクタデータ630の対応する付着部位6371の汚れ現在値6372を更新すると共に、現在のゲーム時刻で最新付着時刻6373を更新する。
【0065】
付着テクスチャ判定用データ670は、付着部位にマッピングするテクスチャを判定するためのデータであり、そのデータ構成例を図11に示す。付着テクスチャデータ670には、汚れ現在値671と、テクスチャの種類であるテクスチャ種別672とが対応付けて記憶されている。例えば、汚れ現在値が「15.0〜17.9」である場合は、「汚れテクスチャ05」を付着部位にマッピングする。
【0066】
ゲーム処理において、汚れ制御部218は、選手キャラクタデータ630に記憶されている付着部位6371の汚れ現在値6372が更新された場合に、更新後の汚れ現在値に対応するテクスチャ種別672を特定し、特定したテクスチャ種別672の汚れテクスチャを画像生成部230にマッピングさせる汚れ制御処理を行う。
【0067】
汚れテクスチャデータ680は、汚れテクスチャが記憶されたデータであり、最も汚れの程度が低い「汚れテクスチャ01」から、最も汚れの程度が高い「汚れテクスチャ10」までの10種類が記憶されている。
【0068】
スタジアムデータ690は、試合が行われるスタジアムについてのデータであり、そのデータ構成例を図12に示す。スタジアムデータ690には、スタジアム名691と、ピッチの種類であるピッチ種別692と、スタジアム係数693と、汚れテクスチャの色である汚れ色694とが対応付けて記憶されている。例えば、「河川敷」のスタジアムのピッチは「土」であり、そのスタジアム係数は「2.0」である。また、この場合の汚れテクスチャの色は「茶色」である。
【0069】
天候データ700は、天候についてのデータであり、そのデータ構成例を図13に示す。天候データ700には、天候701と、天候係数702とが対応付けて記憶されている。例えば、「曇り」の天候の天候係数は「1.2」である。
【0070】
汚れ付着単位データ710には、スタジアム係数693及び天候係数702から求められる汚れ付着単位と、スタジアムに基づいて設定される汚れ色694とが記憶される。
【0071】
ゲーム処理において、ゲーム演算部210は、プレーヤの操作入力に従って決定したスタジアムと、ランダムに設定した天候とに基づいてスタジアム係数693及び天候係数702を特定し、式(1)に従って汚れ付着単位を算出する。また、決定したスタジアムに対応する汚れ色694を特定し、汚れ付着単位及び汚れ色694を、汚れ付着単位データ710に記憶させる。そして、記憶させた汚れ付着単位に基づいて汚れ現在値6372を更新すると共に、汚れ色694で色付けした汚れテクスチャを付着部位にマッピングするように制御する。
【0072】
4.処理の流れ
次に処理の流れについて説明する。
図14は、ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、ゲーム演算部210によりゲームプログラム610が実行されることで実現される処理である。
【0073】
先ず、ゲーム演算部210は、プレーヤの操作入力に従って、試合を行うスタジアムを決定する(ステップA1)。また、ゲーム演算部210は、試合当日の天候をランダムに設定する(ステップA3)。
【0074】
次いで、ゲーム演算部210は、ステップA1で決定したスタジアムと、ステップA3で設定した天候とに基づいてスタジアム係数693及び天候係数702を特定し、式(1)に従って汚れ付着単位を算出する。また、ゲーム演算部210は、ステップA1で決定したスタジアムに対応する汚れ色694を特定し、汚れ付着単位及び汚れ色694を汚れ付着単位データ710に記憶させることで、汚れ付着単位を設定する(ステップA5)。
【0075】
その後、ゲーム空間設定部212が、仮想三次元空間に選手キャラクタ等のオブジェクトを配置することで、ゲーム空間を設定する(ステップA7)。そして、ゲーム進行制御部214が、ゲームを開始すると共に、ゲーム時間の計時を開始する(ステップA9)。
【0076】
次いで、ゲーム演算部210は、各選手キャラクタについて、ループAの処理を繰り返し実行する(ステップA11〜A33)。
ループAでは、選手キャラクタ制御部216が、当該キャラクタの移動及び動作を制御する(ステップA13)。具体的には、当該選手キャラクタがプレーヤキャラクタである場合は、プレーヤの操作入力に従った制御を行い、COMキャラクタである場合は、所定の制御ルーチンに従ったAI制御を行う。
【0077】
そして、ゲーム演算部210は、当該選手キャラクタにより汚れ付着動作が行われたか否かを判定し(ステップA15)、行われなかったと判定した場合は(ステップA15;No)、ステップA23へと処理を移行する。一方、汚れ付着動作が行われたと判定した場合は(ステップA15;Yes)、ゲーム演算部210は、付着部位判定用テーブル660に基づいて、汚れを付着させる付着部位を判定する(ステップA17)。
【0078】
その後、ゲーム演算部210は、ステップA17で判定した付着部位について、選手キャラクタデータ630に記憶されている汚れ現在値6372に汚れ付着単位を加算することで、汚れ現在値6372を更新する(ステップA19)。
【0079】
そして、汚れ制御部210は、汚れ制御プログラム620を実行することで、汚れ制御処理を行う(ステップA21)。具体的には、更新後の汚れ現在値6372に対応するテクスチャ種別672を特定し、特定したテクスチャ種別672の汚れテクスチャを画像生成部230にマッピングさせる。また、マッピングさせる汚れテクスチャの色が、汚れ付着単位データ710に記憶されている汚れ色694で色付けされる。
【0080】
次いで、ゲーム演算部210は、各付着部位について、ループBの処理を繰り返し実行する(ステップA23〜A31)。
ループBでは、ゲーム演算部210が、当該付着部位の汚れ現在値を更新する更新時刻となったか否かを判定する(ステップA25)。更新時刻は、当該付着部位の最新付着時刻6373から5分ずつ経過した時刻及びハーフタイムである。
【0081】
次いで、ゲーム演算部210は、ゲーム開始から当該更新時刻までの経過時間に基づいて、図6のグラフから減算係数を決定し、汚れ現在値から、減算係数と汚れ現在値との積を減算することで、汚れ現在値を更新する。(ステップA27)。尚、更新時刻がハーフタイムである場合は、各付着部位の汚れ現在値を強制的に1/2にする。
【0082】
そして、汚れ制御部218は、汚れ制御プログラム620を実行することで、汚れ制御処理を行う(ステップA29)。ループA及びループBの処理は、このように実行される。
【0083】
次いで、ゲーム演算部210は、ゲーム終了の時刻となったか否かを判定し(ステップA35)、なっていないと判定した場合は(ステップA35;No)、ステップA11に戻る。一方、ゲーム終了の時刻となったと判定した場合は(ステップA35;Yes)、ゲーム演算部210は、勝者の判定を行い(ステップA37)、勝者を演出する勝者演出処理行って(ステップA39)、ゲーム処理を終了する。
【0084】
5.ハードウェア構成
次に、家庭用ゲーム装置1200を実現できるハードウェアの構成について説明する。
図15は、本実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図である。家庭用ゲーム装置1200は、CPU1000と、ROM1002と、RAM1004と、情報記憶媒体1006と、音生成IC1008と、画像生成IC1010と、I/Oポート1012,1014とを有し、システムバス1016により相互にデータの入出力が可能に接続されている。
【0085】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されているプログラムやROM1002に格納されているシステムプログラム及びコントロール装置1022によって入力される操作入力信号等に従って、装置全体の制御や各種のデータ処理を行う。CPU1000は、図1の本体装置1210の制御ユニット1211に搭載され、図7の処理部200に対応する。
【0086】
ROM1002やRAM1004及び情報記憶媒体1006は、図7における記憶部600に対応する。具体的には、ROM1002は図1の本体装置1210の制御ユニット1211に搭載されているICメモリに該当し、システムプログラム等の本体装置1210の制御にかかわるプログラムやデータを記憶する。
【0087】
RAM1004は、CPU1000の作業領域などとして用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、或いはCPU1000の演算結果が格納される。
【0088】
情報記憶媒体1006は、ICメモリや着脱自在なハードディスクユニット、MO、DVD−ROMなどによって実現される。情報記憶媒体1006は、図1のCD−ROM1212、ICメモリ1214、メモリカード1216に対応する。
【0089】
音生成IC1008は、ROM1002や情報記憶媒体1006に記憶されている情報に基づいて効果音やBGM等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成された音はスピーカ1020によって出力される。なお、スピーカ1020は、図7における音出力部400、図1におけるスピーカ1222に対応する。
【0090】
画像生成IC1010は、表示装置1018に画像を出力するための画素情報を生成する集積回路である。図7における画像生成部230がこれに対応する。表示装置1018は、図7の表示部300、図1におけるディスプレイ1220に対応する。
【0091】
I/Oポート1012には、コントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1024がそれぞれ接続されている。
【0092】
コントロール装置1022は、図7の操作入力部100及び図1のゲームコントローラ1202に対応し、プレーヤが種々のゲーム操作を入力するための装置である。通信装置1024は、ゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやり取りするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受信し、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受信することなどに利用される。図7の通信部500及び図1の通信装置1218が、これに対応する。
【0093】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理はCPU1000、或いは汎用のDSP等によってソフトウェア的に実行する構成としても良い。
【0094】
また、本発明は、図1に示した家庭用ゲーム装置1200だけでなく、業務用ゲーム装置や携帯型ゲーム装置、パソコン等の汎用コンピュータ、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置等の種々の装置にも同様に適用できる。
【0095】
例えば、図16は、本発明を業務用ゲーム装置1300に適用した場合の外観の一例を示す図である。業務用ゲーム装置1300は、ゲーム画面を画像表示するディスプレイ1302と、ゲームの効果音やBGMを出力するスピーカ1304と、前後左右方向を入力するジョイスティック1306と、プッシュボタン1308と、演算処理によって業務用ゲーム装置1300を統合的に制御して所与のゲームを実行する制御ユニット1320とを備えて構成される。
【0096】
制御ユニット1320は、CPU1324等の演算処理装置と、業務用ゲーム装置1300の制御及びゲームの実行に必要なプログラムやデータが格納されたROM1322とを搭載する。制御ユニット1320に搭載されるCPUは、ROM1322よりプログラムやデータを適宜読み出して演算処理することによって種々の処理を実行する。そして、プレーヤは、ディスプレイ1302に表示されたゲーム画面を見ながら、ジョイスティック1306及びプッシュボタン1308からゲーム操作の入力をしてゲームを楽しむ。
【0097】
また、本発明は、スタンドアローンの装置によって実行されるゲームに限らず、ネットワークゲームと呼ばれているゲームに適用しても構わない。ネットワークゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲームシステム等をゲーム端末とし、インターネット網や専用線網等の有線/無線の通信回線を通じてサーバと接続する構成、(2)サーバを用いることなく複数のゲーム端末同士が通信回線で接続される構成、(3)複数のゲーム端末同士が通信回線で接続されるが、その内の一台がサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム端末が物理的に結合し、全体として一台のシステム(例えば業務用のゲームシステム)となっている構成などがある。
【0098】
6.作用効果
本実施形態によれば、選手キャラクタにより汚れ付着動作が行われたか否かが判定され、判定された汚れ付着動作に設定された付着部位に汚れが付着される。また、付着部位に設定された汚れ現在値が大きいほど、汚れの模様が密で色の濃い汚れテクスチャがマッピングされる。従って、選手キャラクタの付着部位毎に汚れの付着が制御されると共に、選手キャラクタの動作に応じて汚れが付着される付着部位が変化するため、リアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0099】
また、汚れ現在値は、試合が行われるスタジアム及び試合当日の天候に基づいて設定された汚れ付着単位に従って更新される。これにより、スタジアムのピッチの種類や、天候によるピッチの状態に基づいて汚れを付着させる程度を変化させることができるため、よりリアルなゲーム画像が提供されるようになる。
【0100】
更に、各付着部位の汚れ現在値を、当該付着部位の最新付着時刻からの経過時間に基づいて減少させていくと共に、ハーフタイムには、各付着部位の汚れ現在値を強制的に1/2にしている。従って、時間経過に伴って付着した汚れが徐々に落ちてくる様子や、ハーフタイム中に選手キャラクタによって汚れが落とされた様子が、忠実に再現されることになる。
【0101】
7.変形例
7−1.汚れテクスチャの枚数
本実施形態では、付着部位の汚れ現在値に応じて、マッピングする汚れテクスチャの種類を変化させるものとして説明したが、汚れ現在値に応じて、マッピングする汚れテクスチャの枚数を変化させることにしても良い。具体的には、半透明の汚れの模様が描かれた汚れテクスチャを一枚用意しておき、汚れ現在値が大きくなるほど、マッピングする汚れテクスチャの枚数を多くしていく。この場合は、付着テクスチャ判定用データ670のテクスチャ種別672の代わりにテクスチャ枚数673を記憶させておき(図17参照)、付着部位の汚れ現在値671に対応するテクスチャ枚数673の汚れテクスチャをマッピングするようにすれば良い。
【0102】
7−2.汚れテクスチャの濃度
本実施形態では、試合が行われるスタジアムに応じて、マッピングする汚れテクスチャの色を変化させるものとして説明したが、更に試合当日の天候に応じて、マッピングする汚れテクスチャの濃度を変化させることにしても良い。例えば、天候が悪いほど、濃度の高い汚れテクスチャをマッピングするようにする。この場合は、天候データ700に色濃度係数703を更に記憶させておき(図18参照)、試合当日の天候701に対応する色濃度係数703に従って汚れテクスチャをマッピングするようにすれば良い。
【0103】
7―3.汚れの付着部位
本実施形態では、選手キャラクタのパンツ及びソックスの計8箇所に汚れを付着させるものとして説明したが、汚れの付着部位は適宜変更可能である。例えば、選手キャラクタのユニフォームに汚れを付着させても良いし、素肌に付着させても良い。
【0104】
7−4.時間経過に伴う汚れの付着
選手キャラクタの動作に従って汚れを付着させるばかりでなく、時間経過に伴って汚れを付着させることにしても良い。例えば、経過時間が長くなるにつれて、選手キャラクタのユニフォームに徐々に汗が付着していくような汚れを付着する。また、選手キャラクタ以外のオブジェクトに汚れを付着させることにしても良い。例えば、経過時間が長くなるにつれて、サッカーボールに徐々に汚れを付着していくようにする。
【0105】
7−5.汚れ現在値の加算値
本実施形態では、動作1回当たりの汚れ現在値の加算値は、全ての動作について一定であるものとして説明したが、動作の種類に応じて加算値を変化させても良い。例えば、「スライディング01」が行われた場合には加算値を「汚れ付着単位×2」とし、「スライディング03」が行われた場合には加算値を「汚れ付着単位×3」とする。また、選手キャラクタのポジションに応じて加算値を変化させても良い。
【0106】
7−6.汚れの除去
試合中の選手キャラクタの動作に従って汚れを落とすようにしても良い。例えば、試合中に選手キャラクタがパンツの汚れを払う動作を行った場合には、パンツに付着した汚れを落とすようにする。この場合は、図9の動作制御データ650に「汚れ除去動作」を更に記憶させておき、汚れ付着単位とは別に「汚れ除去単位」を設定する。そして、選手キャラクタにより汚れ除去動作が1回行われる毎に、汚れ除去単位ずつ汚れ現在値を減算・更新していくようにする。
【0107】
7−7.汚れの付着方法
汚れテクスチャをマッピングすることで汚れを付着させるのではなく、シェーディング処理により汚れを付着させても良い。この場合は、汚れの付着部位に対応する画素の色情報を、汚れ現在値に応じて変化させていけば良い。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】家庭用ゲーム装置の外観図。
【図2】付着部位の説明図。
【図3】汚れ付着動作の一例を示す図。
【図4】汚れ付着動作の一例を示す図。
【図5】汚れ付着動作の一例を示す図。
【図6】経過時間と減算係数との関係を示すグラフ。
【図7】家庭用ゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【図8】選手キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図9】動作制御データのデータ構成例を示す図。
【図10】付着部位判定用テーブルのテーブル構成例を示す図。
【図11】付着テクスチャ判定用データのデータ構成例を示す図。
【図12】スタジアムデータのデータ構成例を示す図。
【図13】天候データのデータ構成例を示す図。
【図14】ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図15】家庭用ゲーム装置のハードウェア構成例を示す図。
【図16】業務用ゲーム装置の外観図。
【図17】変形例における付着テクスチャ判定用データのデータ構成例を示す図。
【図18】変形例における天候データのデータ構成例を示す図。
【符号の説明】
【0109】
1200 家庭用ゲーム装置
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 ゲーム空間設定部
214 ゲーム進行制御部
216 選手キャラクタ制御部
218 汚れ制御部
230 画像生成部
250 音生成部
300 表示部
400 音出力部
500 通信部
600 記憶部
610 ゲームプログラム
620 汚れ制御プログラム
630 選手キャラクタデータ
640 選手キャラクタモデルデータ
650 動作制御データ
660 付着部位判定用テーブル
670 付着テクスチャ判定用データ
680 汚れテクスチャデータ
690 スタジアムデータ
700 天候データ
710 汚れ付着単位データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、ゲーム空間を移動するキャラクタの動作を制御させてゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
キャラクタに汚れ着色処理を施す対象箇所が予め定められたキャラクタの動作である着色起因動作の発生を検知する起因動作検知手段、
前記起因動作検知手段の検知に応じて、当該検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理を施す着色処理施行手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記着色処理施行手段が、前記対象箇所それぞれに前記汚れ着色処理を施した回数に基づいて着色させる色の濃度を可変に制御する濃度可変制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記濃度可変制御手段が、半透明の色情報で汚れ色が定義された汚れテクスチャをマッピングする枚数を可変することで着色させる色の濃度を可変に制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色された対象箇所の色を、前記ゲームの進行経過に従って前記汚れ着色処理前の色に漸次近づける色復元処理手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記色復元処理手段が、前記汚れ着色処理前の色に近づける速度を、前記ゲームの進行経過に従って可変する色復元速度可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色された対象箇所の色を、前記ゲーム進行中の所定のタイミングで、即時に前記汚れ着色処理前の色に近づける即時色復元処理手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記着色処理施行手段の汚れ着色処理により着色される色の基準汚れ色を設定する基準色設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記着色処理施行手段が、前記基準色設定手段により設定された基準汚れ色に基づいて前記汚れ着色処理を施すように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ゲーム開始前に、予め設定された複数種類のゲーム空間の中から当該ゲームに用いるゲーム空間を選択・設定する空間設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記基準色設定手段が前記空間設定手段により設定されたゲーム空間の種類に基づいて前記基準汚れ色を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項10】
ゲーム空間を移動するキャラクタの動作を制御してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
キャラクタに汚れ着色処理を施す対象箇所が予め定められたキャラクタの動作である着色起因動作の発生を検知する起因動作検知手段と、
前記起因動作検知手段の検知に応じて、当該検知された着色起因動作に定められているキャラクタの対象箇所に汚れ着色処理を施す着色処理施行手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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