説明

プログラム、情報記憶媒体及び携帯型ゲーム機

【課題】インターネットを介することなく、無線通信を用いてボトルメール機能を実現することが可能な携帯型ゲーム機を提供すること。
【解決手段】通信可能範囲内に存在する他機と無線通信が可能な通信部を有する携帯型のゲーム機であって、転送回数を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールであって、転送されるごとに前記転送パラメータが変更される送信メールを生成するメール生成手段140と、前記通信部196を制御し、他機との間のメール交換の制御を行うメール交換制御手段150と、を含む。前記メール交換制御手段150は、他機から送信されるメールを受信する処理を行う受信制御部156と、受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理部154と、他機への転送を指示すると判定された受信メールを、所与の転送条件に基づき他機に転送する送信制御部152と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を用いてメールを伝達するためのプログラム、情報記憶媒体及び携帯型ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるボトルメール機能を用いて不特定の人にメールを届けるメールシステムがインターネットにおいて実現されている。また、このようなボトルメール機能をゲームの演出として用いることも考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のゲームシステムでは、通信ケーブル等で通信接続された2台のゲーム機が同一のゲーム空間でゲームを行っている場合に、一方のゲーム機からゲームアイテムを入れた瓶をボトルメールとして海に流し、海からゲームアイテムが入った瓶が漂着するゲーム画像を表示する演出がなされている。そして、他方のゲーム機では、プレーヤがこの瓶が漂着するゲーム画面を見ながら、前記ゲームアイテムを取得する。これにより相互に接続されたゲーム機間でゲームアイテムを交換することができる。
【0004】
また、特許文献2には、無線通信によって携帯型端末装置が条件に応じて他の携帯型端末装置に情報を伝達するシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2001−293256号公報
【特許文献2】特開2003−78465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2及び周知技術を組み合わせることにより、複数の無線通信可能な携帯型端末装置を用いてゲームにおいてボトルメール機能を実装するゲームシステムを実現することが考えられる。
【0006】
しかし、一般的に、無線通信可能な範囲は近距離に限られているため、ボトルメール機能によってメールが届く範囲は近距離の範囲に限られてしまい、インターネットにおけるボトルメール機能と同様の機能を実現することは困難である。
【0007】
また、特許文献2のように、メールの中継時にメールの内容が読めてしまうとボトルメールとしての機能が損なわれてしまう。
【0008】
しかし、これら従来の手法では、送信メールを生成し発信する者が、発信時にボトルメールの転送回数を指定できるものは無く、ましてはその指定転送回数の転送回数変更条件を設定し、ボトルメールとしての機能を高めて楽しむという発想はなかった。
【0009】
本発明の目的は、従来には無いボトルメール機能を有するプログラム、情報記憶媒体及び携帯型ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、
通信可能範囲内に存在する他機と無線通信が可能な通信部を有する携帯型ゲーム機であって、
転送回数及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールであって、転送に関連付けて前記転送回数変更条件に基づき指定転送回数が変更される送信メールを生成するメール生成手段と、
前記通信部を制御し、他機との間のメール交換の制御を行うメール交換制御手段と、
してコンピュータを機能させ、
前記メール交換制御手段は、
他機から送信されるメールを受信する処理を行う受信制御部と、
受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理部と、
他機への転送を指示すると判定された受信メールを、所与の転送条件に基づき他機に転送する送信制御部と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0012】
本発明によれば、通信機能付きゲーム機として機能する携帯型のコンピュータは、他のゲーム機と所定の通信可能範囲内において通信を行うことができる。
【0013】
ここで、ゲーム機のメール生成手段は、転送回数及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールを生成する。転送パラメータは、転送回数を直接指定するように構成してもよく、何らかの関数として転送回数を指定するように構成してもよい。そして、この転送パラメータは、送信メールの転送に関連付けて前記転送回数変更条件に基づき指定転送回数nが変更される。通常は、前記転送回数変更条件を満足すると、1回転送される毎に、指定転送回数が1つディクリメントされるが、状況に応じて、転送回数を増やしたり、また2つ以上減らしたりするという設定も可能である。
【0014】
ここで、転送回数変更条件とは、受信メールを受信したゲーム機が、受信メールの指定転送回数を変更するために必要とされる条件であり、例えばゲーム機又はゲームプログラムに設定されたユーザの性別、年齢、住所等の属性を変更条件として指定してもよく、また、ゲームの状況、例えば特定のアイテムを取得していることを変更条件として指定してもよく、またボトルメールを送るゲームの内容に応じても適宜設定することができる。
【0015】
なお、メール生成手段に、メール送信時に転送回数変更条件設定用のメニュー画面を表示させ、プレーヤが予め用意された複数の転送回数変更条件の中から任意の条件を選択できるように形成してもよい。
【0016】
そして、本発明によれば、ゲーム機として機能する携帯型コンピュータで生成された送信メールは、通信部を介して他機との間でメール交換する。
【0017】
また、本発明に係るゲーム機から送信されたメールを受信する、本発明に係る他のゲーム機では、受信制御部が当該メールを受信する処理を行う。そして、パラメータ判定処理部は、受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封状況を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理を行う。
【0018】
例えば、メール生成手段で最初に生成されたメールの転送パラメータが、転送回数0回を指定している場合には、当該メールを最初に受信したゲーム機は当該受信メールが開封状況を満たすと判断し、プレーヤはその受信メールの内容を見ることができる。また、例えばメール生成手段で最初に生成された送信メールの転送パラメータが、n回(nは2以上の整数)を指定している場合には、当該送信メールを受信したゲーム機はその受信メールに含まれる転送パラメータが転送回数n=0回を指示するようになるまでは、当該メールを開封することはできない。そのため、パラメータ判定処理部は、受信メールに含まれる転送パラメータが、他機への転送を指示すると判断し、送信制御部は、当該受信メールを、所与の転送状況に基づき他機に転送する処理を行う。
【0019】
このような転送は、受信メールに含まれる転送パラメータの指定転送回数nがn=0になるまで繰り返して行われ、その結果、最初のゲーム機から送信されたメールは、少なくともn台のゲーム機を順次転送され、指定転送回数nがn=0となった最後のゲーム機で受信されたときに開封可能な状態となる。
【0020】
ここにおいて、受信メールを転送する場合の「所与の転送条件」として、時または場所を異にする場合に当該転送条件が成立するような条件設定をすることにより、転送指示された受信メールを受信したゲーム機は、当該受信時とは時または場所を異にした状態で、当該受信メールを他のゲーム機へ転送することになり、これにより本発明によれば、不特定の相手にメールを届けることができるとともに、有線ケーブルで1対1で接続されている通信の場合と比べ、より遠くの相手にメールを届けることもできる。
【0021】
また、本発明によれば、受信メールが転送される際に必ず指定転送回数nが変更される事は無く、受信メールに付随データとして含まれる前記転送回数変更条件、すなわち送信メールを生成し最初に送信したものが作成し指示した転送回数変更条件に基づき指定転送回数nが変更される。このようにして、特定のゲーム機で送信メールが中継されたときだけ、指定転送回数nが変更され、しかもその変更条件を最初のメール送信者が指示できるため、かかる観点からも、不特定多数にメールを配信できるというボトルメール機能を高めることができる。
【0022】
このようにして、本発明によれば、通信を用いてボトルメール機能を実現したゲームを行うことが可能となる。
【0023】
特に、本発明によれば、送信メールを生成し発信する者が、発信時にボトルメールの転送回数を指定でき、これに加えてその指定転送回数の転送回数変更条件を設定し、ボトルメールとしての機能を高めて楽しむという、従来にはないボトルメール機能を実現したゲームを行うことが可能となる。
【0024】
ここにおいて、ボトルメール機能とは、送信したメールを、複数のゲーム機を巡って不特定相手に届ける機能をいう。
【0025】
(2)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記メール生成手段は、
自機のIDを前記付随情報として持つメールを生成し、
前記メール交換制御手段は、
受信メールが自機と異なるIDを持つことを条件に、メールを受信する処理を行う受信制御部を含むことができる。
【0026】
本発明によれば、自分のゲーム機で送信したメールを、巡り巡って自分のゲーム機で受信するという事態の発生を防止し、ゲームにおけるボトルメール機能を高めることができる。
【0027】
(3)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記パラメータ判定処理部は、
メールを他機に送信または転送するに先立ち、前記転送回数変更条件に基づき前記転送パラメータの指定転送回数を変更する処理を行うように構成してもよい。
【0028】
(4)また、前記パラメータ判定処理部は、前記パラメータ判定処理部は、
メールを他機から受信後に、前記転送回数変更条件に基づき前記転送パラメータの指定転送回数を変更する処理を行うように構成してもよい。
【0029】
(5)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記メール生成手段が生成した送信メールを記憶する送信用バッファと、
転送指示された受信メールを中継用に記憶する中継用バッファと、
開封許可された受信メールを開封可能な状態で記憶する受信用バッファと、を含むことが好ましい。
【0030】
本発明によれば、メールの種別に応じて異なるバッファを用いることにより、メールの内容の上書き等を防止することができ、ボトルメール機能をより適切に実現することができる。
【0031】
ここにおいて各バッファへの書き込み制御は、パラメータ判定処理部が行うように構成することが好ましい。
【0032】
(6)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記送信制御部は、
前記転送指示された受信メールを受信した後に、所与の時間が経過したこと、ゲームが終了・再開されたことの少なくとも一つの条件が満足されたときに、前記転送条件が成立したと判断し前記受信メールを他機に転送することが好ましい。
【0033】
例えば、当該転送指示された受信メールを受信した後に、所定の時間経過したこと、またはゲームが終了(中断)、再開されたことの少なくとも一方の条件が成立することにより、受信メールの転送条件が成立したと判断することが好ましい。これにより、各ゲーム機に受信された転送メールは、すぐに他のゲーム機から転送されることなく、時間をおいて当該ゲーム機が他の場所で他の仲間とゲームを行っている場所に移動した後に、転送処理されることになるため、時と場所を異にする不特定多数の相手にメールを転送することができる。このようにして、本発明はボトルメール機能を、より効果的に実現し、ゲームの面白さを高めることができる。
【0034】
(7)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記メール生成手段は、
ゲーム空間におけるゲーム情報を前記送信メールの伝達情報の一部として生成することができる。
【0035】
このように、送信メールの伝達情報の一部として、ゲーム空間におけるゲーム情報を送信することにより、当該メールを最終的に受信し開封したプレーヤは、他のプレーヤが同一のゲームを行っているゲーム空間でのゲーム情報を得ることができ、ボトルメールを用いたゲーム演出効果をより高めることができる。
【0036】
ここにおいて、送信メールの転送情報として送信される「ゲーム空間におけるゲーム情報」としては、最初のプレーヤがゲーム空間のとある場所で撮影したゲーム画像や、当該撮影位置などを含ませて、これにメッセージ等を添えたものとして形成してもよく、また送信メールを作成したプレーヤが、所定のイベントに遭遇した状況でのゲーム情報や、所定のゲーム状況をクリアした状況におけるゲーム情報など、ゲームの進展にヒントとなる情報を含むものであってもよい。
【0037】
これにより、ゲームの展開に悩んでいたプレーヤが、当該ボトルメールを開いて、自分が解けなかった謎を解いたり、または次のステージへ進むヒントを得たりし、係る観点からも、ボトルメール付きゲームのゲーム演出機能を高めることができる。
【0038】
また、3次元のゲーム空間を移動するゲーム等にあっては、プレーヤから見える景色を、その位置情報と、仮想カメラの向き等のデータ、さらにはプレーヤの名前、住所、コメントなどを含めて送信メールのゲーム情報の一部として生成し、送信するようにしてもよく、このようにすることにより見も知らない相手とボトルメールを介してデータを分かち合うという、ゲーム演出をすることもできる。
【0039】
(8)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記メール生成手段は、
ゲーム空間における撮像情報を前記伝達情報の一部として生成することができる。
【0040】
(9)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記メール生成手段は、
前記送信メールの伝達情報の少なくとも一部をユーザに編集させる編集処理部を含むことができる。
【0041】
これにより、プレーヤは、送信メールの内容を自由に編集し送信することができる。
【0042】
(10)また本発明の携帯型ゲーム機、プログラム及び情報記憶媒体では、
プレーヤに対して送信メールの前記転送パラメータを決定するためのゲームを提供するパラメータ設定手段としてコンピュータを機能させることができる。
【0043】
このようなゲームとしては、そのゲーム内容に応じて各種のパラメータ設定ゲームを用意することができる。
【0044】
例えば、前記パラメータ設定処理手段は、
プレーヤに対して操作部の操作のタイミングを提示し、提示されたタイミングと、前記プレーヤの操作との適合度に基づき、前記適合度が高い場合は前記適合度が低い場合と比べて前記パラメータの指定する指定転送回数を相対的に増加させるようにしてもよい。
【0045】
このように、プレーヤの操作によって指定転送回数が変化することにより、ボトルメールとして送信される送信メールの届く範囲も変化するため、ゲーム演出を高めながらボトルメール機能をより適切に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本実施の形態について説明する。なお、以下に説明する本実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施の形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0047】
1.ゲームシステムの概要
本実施の形態におけるゲームシステムでは、各携帯型ゲーム機は、無線通信(例えばアドホック通信)によって相互に情報を送受信できるように形成されている。
【0048】
図2(A)は、本実施の形態におけるt1時点における無線通信状態の一例を示す図であり、図2(B)は、その後T時間経過したt2時点における無線通信状態の一例を示す図である。
【0049】
例えば、図2(A)に示す携帯型ゲーム機10−1で、転送回数n及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータをもつ送信メールが生成された場合を想定する。ここでは転送パラメータの指定する転送回数はn=1回であるとする。転送回数変更条件は、メールを転送するときに指定転送回数nを1つディクリメントするという単純条件とする。
【0050】
そして、図2(A)で示すt1時点において、ユーザAの使用する携帯型ゲーム機10−1の無線通信可能範囲にユーザBの使用する携帯型ゲーム機10−2が入ってくることにより、携帯型ゲーム機10−1、10−2が相互にデータを送受信できるようになる。そして、携帯型ゲーム機10−1から携帯型ゲーム機10−2にメールが送信され、携帯型ゲーム機10−2はこの受信メールを一時的に記憶する。
【0051】
ここでゲーム機10−2が受信したメールは、その転送パラメータがn=1であるため、1回は他のゲーム機に転送しなければならない。このため、この受信メールはゲーム機10−2では読むことができない。
【0052】
そして、この携帯型ゲーム機10−2は、所定の転送条件に基づき、受信メールを他のゲーム機に転送する処理を行う。ここでは、ユーザPが移動しt2の時点において、図2(B)に示すように携帯型ゲーム機10−2の無線通信可能範囲にユーザCの使用する携帯型ゲーム機10−3が入ってくることにより、携帯型ゲーム機10−2、10−3は相互にデータを送受信できるようになる場合を想定する。このときに、携帯型ゲーム機10−2からユーザCの使用する携帯型ゲーム機10−3に、前記受信メールが転送され、当該受信メールは携帯型ゲーム機10−3に記憶されることになる。
【0053】
そして、携帯型ゲーム機10−3で受信されたメールは、すでに携帯型ゲーム機10−2を介して1回転送されており、前記転送回数変更条件も満たしているため、その受信メールに含まれる転送パラメータの転送指定回数はn=0となり、当該受信メールの転送指示は終了し、当該受信メールはこの携帯型ゲーム機10−3で開封可能な状態になる。
【0054】
このように、本実施の形態におけるゲームシステムでは、インターネット等を用いることなく、送信メールを他の携帯型ゲーム機10に送信できるように形成されている。本実施の形態において、送信メールは、初期状態は再生できない状態に設定されており、転送メールの指定転送回数分の中継が行われることにより、受信メールは再生可能、すなわち開封可能な状態にデータ処理される。例えば図2に示す例で、転送パラメータの指定転送回数がn=1回である場合には、携帯型ゲーム機10−2は中継のみを行い受信メールの再生はできず、携帯型ゲーム機10−3のみが受信メールを再生することができるようになる。
【0055】
以上のようなボトルメール機能により、本実施の形態のゲームシステムでは、携帯型ゲーム機10−1の無線通信可能範囲に限定されることなく、メールを受信した携帯型ゲーム機10−2がプレーヤとともに移動し不特定多数の他の携帯型ゲーム機と通信可能な状態になったときに、受信メールを他のゲーム機に転送するという処理を行うことで、インターネットを用いることなく、いわゆる不特定多数の相手にメールを送信し、ゲームを楽しむというボトルメール機能付きのゲームシステムを実現できる。
【0056】
次に、このようなボトルメール送信機能をもつ携帯型ゲーム機10の機能ブロック図を説明する。
【0057】
2.構成
図1に本実施の形態の携帯型ゲーム機の機能ブロック図の例を示す。なお本実施の形態のシステムは図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0058】
操作部160は、プレーヤが行った操作をデータとして入力するものであり、例えばプレーヤオブジェクト(プレーヤが操作するプレーヤキャラクタ)の操作データを入力するために用いられ、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。
【0059】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、主記憶部171、フレームバッファ173、送信用バッファ174、中継用バッファ176として機能し、RAM(VRAM)などにより実現できる。
【0060】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施の形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施の形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0061】
なお、情報記憶媒体180に記憶される情報の一部又は全部は、必要に応じて記憶部170に転送される。また、情報記憶媒体180に記憶される情報は、本発明の処理を行うためのプログラムコード、画像データ、音データ、オブジェクトデータ、テクスチャデータ、テーブルデータ、リストデータ、本発明の処理を指示するための情報、その指示に従って処理を行う情報の少なくとも一つを含む。
【0062】
表示部190は、本実施の形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0063】
音出力部192は、本実施の形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0064】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。
【0065】
通信部196は外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で無線及び有線通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0066】
なお本実施の形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0067】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0068】
ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ボトルメールを送受信する処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0069】
この処理部100は、記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。
【0070】
処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0071】
処理部100は、オブジェクト空間設定部111、移動・動作制御部112、仮想カメラ制御部113、画像生成部120、音生成部130、メール生成部140、メール交換制御部150を含む。
【0072】
オブジェクト空間設定部111は、キャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0073】
移動・動作制御部112は、オブジェクト(キャラクタ、車、又は飛行機等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。即ち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、モデルオブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させる処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0074】
仮想カメラ制御部113は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0075】
例えば仮想カメラによりオブジェクト(例えばキャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
【0076】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、例えばオブジェクト空間内において所与の視点(仮想カメラ)から見える画像を生成し、表示部190に出力する。
【0077】
具体的には、処理部100で行われる演算処理の結果に従って、例えば座標変換、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源計算などの種々のジオメトリ処理(3次元演算)やジオメトリ処理後のオブジェクト(モデル)を、フレームバッファ173に描画するための描画処理等の各種の画像処理を行い、オブジェクト空間内で仮想カメラ(視点)から見える画像を生成して、表示部190に出力する。
【0078】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0079】
メール生成部140は、転送回数n及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報としてもつ送信メールを生成し送信用バッファ174に書き込む処理を行い、本実施の形態では、パラメータ設定処理部142、変更条件設定処理部143、編集処理部144を含む。
【0080】
ここで生成される送信メールは、いわゆるボトルメール機能を有するものであり、転送パラメータで指定される転送回数nだけ異なるゲーム機間を転送され、最後に当該メールを受信するゲーム機が、受信メールを開封できるという機能を有する。このとき、受信メールに含まれる転送パラメータは、メールが転送される毎にその値nが変更される。本実施の形態では、1回転送される毎に、転送回数nが1回減るようにパラメータが変更される。
【0081】
パラメータ設定処理部142は、送信メールの転送パラメータを決定するための処理を行う。ここでは、例えば図7に示すように、プレーヤに対して操作部160の操作タイミングを示すゲーム画面を表示し、ここで表示されたタイミングと、プレーヤの実際の操作タイミングとの適合度に基づき、適合度が高い場合には適合度が低い場合に比べ、転送パラメータの指定する指定転送回数nを相対的に増加させるというパラメータ設定処理を行う。
【0082】
変更条件設定処理部143は、指定された転送回数を変更するための転送回数変更条件を設定する処理を行い、本実施の形態では、転送回数変更条件入力用のメニュー画面を表示部190に表示させ、プレーヤが操作部160を用いて所望の変更条件を設定入力可能に形成されている。
【0083】
これにより、プレーヤは、どのような条件を満足したゲーム機に当該送信メールが受信された場合に、指定転送回数nをどのように変更するかを設定することができ、例えば同じゲームを行っている場合に、所定レベル技量のあるプレーヤまたは所定ステージをクリアしたプレーヤが行うゲーム機が当該メールを受信した場合にのみ、指定転送回数を1つディクリメントするという条件設定を行うことができる。
【0084】
また、これ以外にも、ゲーム機に、プレーヤの固有の属性、例えばプレーヤの性別、年齢などの属性が書き込み記憶されているゲーム機を使用している場合を想定すると、プレーヤは、例えば自分の送信メールを受信したゲーム機のプレーヤが女性である場合や、ある年代のプレーヤである場合のみ、指定転送回数をディクリメントするというような転送回数変更条件を設定し、ボトルメール機能を楽しむことができる。
【0085】
編集処理部144は、プレーヤからの入力に基づき送信メールの転送情報の少なくとも一部を編集する処理を行い、本実施の形態では、例えば図8に示すような編集画面を表示し、送信メールに書き込む所定のコメントを操作部160を介してプレーヤに入力させる処理を行う。
【0086】
加えて、前記メール生成部140は、ID情報を付随情報としてもつように前記受信メールを生成する。
【0087】
メール交換制御部150は、通信部196を制御し、他機との間でメール交換の制御を行う。
【0088】
本実施の形態において、メール交換制御部150は、送信制御部152、パラメータ判定処理部154、受信制御部156を含む。
【0089】
前記送信制御部152は、送信用バッファ174に生成記憶された送信メールを、所与の条件のもとで不特定多数の他のゲーム機に向け送信する制御を行う。なお、送信制御部152は、通信可能エリア内に存在する他のゲーム機との間で相互に通信を行い、通信可能なゲーム機が通信可能エリアに入ってきたことを確認して、送信用バッファ174から送信メールを呼び出し当該他のゲーム機へ向け送信する処理を行うように構成してもよい。
【0090】
受信制御部156は、他のゲーム機から送信されてくるメールを通信部196を介して受信する処理を行う。ここでは、受信メールに含まれるIDが、自機のIDと同一でないことを確認して、前記メールを受信する処理を行うように構成されている。
【0091】
パラメータ判定処理部154は、受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封状況を満たすか否かを判定するとともに、当該転送パラメータが受信メールを他のゲーム機へ転送することを指示するものであるか否かを判定する処理を行う。ここで受信メールに含まれる転送パラメータの転送回数nが、n=0であり、他のゲーム機への転送を指示するものでない場合には、受信メールが開封条件を満たすものと判断し、当該受信メールを受信用バッファ176へ開封可能な状態で書き込み記憶する。
【0092】
これと同時に、パラメータ判定処理部154は、ゲーム画面上に、開封可能な受信メールが届いた旨のメッセージ、さらには当該受信メールを開封するか否かの問い合わせメッセージを表示し、プレーヤはこれに応えて開封処理の入力を行うと、当該受信メールは開封され、メールの内容は画面上に表示されることになる。このとき開封される受信メールは、画像データのみならず、音声データを含むように構成してもよい。
【0093】
また、パラメータ判定処理部154により、受信メールの転送パラメータが他のゲーム機への転送を指示すると判定された場合には、当該転送パラメータに含まれる転送回数変更条件が満足するか否かを判断する。満足すると判断した場合には、当該受信メールの転送パラメータの転送指定回数nを1つディクリメントし、ディクリメントされた転送パラメータとともに当該受信メールを中継用バッファ175に一時的に記憶する処理を行う。
【0094】
なお、転送パラメータに含まれる転送回数変更条件を満足しないと判断した場合には、この転送を指示された受信メールの転送指定回数nを何ら変更することなく、そのまま当該受信メールを中継用バッファ175に一時的に記憶する処理を行う。
【0095】
そして、送信制御部152は、所与の転送条件に基づき、中継用バッファ175に一時記憶された受信メールを通信部196を介して他のゲーム機に向け転送する処理を行う。
【0096】
ここでは、受信メールを転送バッファ175に書き込み記憶してから所定のゲーム時間経過すると前記転送条件を満たしたと判断し、当該メールを、通信部196を介して他の不特定多数のゲーム機に転送する処理を行う。さらに、ゲームが一時的に終了(中断も含む)し、そのゲームが再開された場合には前記転送条件を満たすと判断し、中継用バッファ175に記憶されたメールを他のゲーム機に送信する処理を行う。
【0097】
なお、本実施の形態のゲームシステムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、このようなシングルプレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて生成してもよい。
【0098】
なお、処理部100の基本は、その全てをハードウェアにより実現してもよいし、その全てをプログラムにより実現してもよい。あるいは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0099】
3.本実施の形態の手法
3−1.送信メールの生成
本実施の形態では、ユーザの操作するキャラクタが所定のゲーム空間、例えば島を探検し、浜辺でボトルメールを出したり、受け取ったりするゲームを想定する。
【0100】
図5には、送信メールのデータ構造の一例が示されており、ここに示す送信メールのメール情報500には、付随情報510と、伝達情報520が含まれている。
【0101】
付随情報510には、メールそのものを識別するメールIDと、当該メールを生成し最初に送信するゲーム機を特定する装置IDと、メールの転送回数n及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータなどの情報が含まれる。
【0102】
付随情報510には、当該メールが複数回ゲーム機を転送される場合、その転送中継履歴を含むように構成してもよい。この転送中継履歴は、転送されるゲーム機を特定する装置IDを順次書き込むように構成してもよく、このようにすることにより後述するように、当該履歴に記憶されたものと同一のIDをもつゲーム機で、同一の受信メールが再度受信されることを防止し、係る観点からボトルメールの演出効果を高めることを可能とする。
【0103】
また、メール情報に含まれる伝達情報520は、当該送信メールを最初に生成するゲーム機を用いプレーヤが入力した文字情報や、ゲーム空間における撮像情報、当該画面を撮影した位置情報、当該画面での音声情報などを含み、当該メールを最終的に受信し開封したプレーヤが、その内容を視覚的及び音声的に確認できるように構成されている。
【0104】
また、送信メールは、ゲーム中に発生する所定のイベントに関連付けて、プログラム的に自動的に生成されることもある。この場合には、例えば伝達情報520を自動的に生成し、プレーヤに対しボトルメールとして送信するか否かの問い合わせを行い、また自動的にボトルメールとして送信処理するようにプログラムを作成してもよい。
【0105】
例えば、ゲーム空間中において所定のステージをクリアするイベントが発生した場合に、当該イベントの前後のゲーム空間における撮像情報、位置情報、音声情報に加え、さらには当該イベントがどのような状況に基づき発生しどのようなステージをクリアできたのかを説明する文字情報を含む伝達情報520を自動的に生成し、かつこの伝達情報520を含む送信メールを生成し、自動的に他のゲーム機に送信するように形成してもよく、またこのように自動的に生成した送信メールを、プレーヤに対し送信するか否かについてゲーム画面上によって問い合わせ、プレーヤがその問い合わせに対し承諾の入力をした場合に、他のゲーム機に当該送信メールを送信するように構成してもよい。
【0106】
また、他のゲーム機のプレーヤに対しゲームの進行に有利となるアイテムを伝達情報520として含むとともに、このアイテムが使用可能か否かについての当たり、はずれなどの付随情報を含む送信メールを自動的に生成し、他のゲーム機に送信するようにしてもよい。
【0107】
この場合には、最終的に当該メールを受信し開封可能なゲーム機において、当該メールを開封したときに当たりという付随情報が存在すれば、当該アイテムを使用することができ、またはずれという付随情報とともにメールが受信された場合には、アイテムを使用することができないというゲーム演出を行うように構成してもよい。
【0108】
また、伝達情報520として、ゲーム空間内をプレーヤキャラクタが移動する途中において、プレーヤが気に入ったシーンやゲーム画面を、その都度、操作部からの指示で撮影しておいてもよい。そして、その撮影情報を、位置情報とともに順次記憶部170に記憶しておき、これをプレーヤが後で編集し文字情報とともに送信メールとして他のゲーム機に送信するようにしてもよい。
【0109】
3−2.送信メールの送受信に使用されるバッファの具体的な構成
図6には、本実施の形態に用いられる送信用バッファ174、中継用バッファ175、受信用バッファ176の具体的な構成が示されている。
【0110】
送信用バッファ174及び受信用バッファ176は、本実施の形態では1つの送信メールを記憶可能な容量に設定されており、中継用バッファ175は、複数の転送メールを記憶可能な容量に設定されている。
【0111】
このように、送信用バッファ174、受信用バッファ176及び中継用バッファ175を形成することにより、これら各バッファを必要最低限の容量で形成し、携帯型ゲーム機10の製造コストを抑制することができる。
【0112】
なお、送受信用バッファ174、176は、プレーヤがアクセス可能な領域であって、中継用バッファ175は、プレーヤがアクセスが不可能な領域として形成してもよく、このようにすることにより、中継用バッファ175に記憶されているメールをユーザが開封することを効果的に防止することができる。
【0113】
3−3.転送パラメータの設定
本実施の形態において、送信メールに付随情報として含まれる転送パラメータは、ボトルメール生成イベントがプログラム的に自動的に設定するように形成してもよい。
【0114】
またボトルメール生成イベントが、プレーヤのボトルメール生成コマンドの入力に基づき発生する場合には、プレーヤに対し、所定の転送パラメータの指定転送回数設定用のゲーム演出を行い、このゲーム演出の結果に基づき転送パラメータ、具体的には指定転送回数nを設定するように形成してもよい。
【0115】
図7には、送信メールの指定転送回数設定用のゲーム演出画面が示されている。プレーヤが送信メールの生成コマンドを入力し、ボトル生成イベントが発生した場合に、本実施の形態では図7に示すパラメータ設定用のゲーム演出画面300が表示される。
【0116】
このゲーム画面では、背景映像の下の領域が砂浜画像330となっており、上の領域が海画像320となっている。背景画像には、ゲージ状の移動可能領域310、入力標識312、指示標識314が重ねて表示されている。入力標識312は、移動可能領域310の中央に表示されており、指示標識314が移動可能領域310内を左右に素早く移動するように表示されている。
【0117】
この転送パラメータ設定用のゲーム演出画面300が表示された状態で、プレーヤは、ボトルメールを投げるための操作入力を操作部160を用いて行う。指示標識314が入力標識312に重なったタイミングでプレーヤが操作入力をタイミングよく行うほど、本ゲーム機10は、ボトルメールをより遠くまで投げる演出を行う。すなわち、メール生成部140のパラメータ設定処理部142は、プレーヤの操作入力のタイミングの適合度に応じた転送パラメータ(指定転送回数n)の設定処理を行う。例えば、適合度が高ければ指定転送回数をn=5にし、適合度が低ければ指定中継をn=2にするように転送パラメータの設定処理を行う。
【0118】
また、転送パラメータに含まれる転送回数変更条件の設定は、ボトルメール生成イベントがプログラム的に自動的に行われる場合には、これに関連してプログラムが自動的に行うように形成してもよい。
【0119】
また、プレーヤのボトルメール生成イベントが、プレーヤのボトルメール生成コマンドの入力に基づき発生する場合には、プレーヤに対し、前述したように所定の転送回数変更条件設定用のメニュー画面を表示し、プレーヤがこのメニュー画面をみながら、自分の好みの転送回数変更条件の設定入力を行うように形成してもよい。
【0120】
4.本実施の形態の処理
次に、本実施の形態の詳細な処理例について、図9及び図10に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0121】
図9には、本実施の形態における携帯型ゲーム機の送信メール生成処理のためのフローチャートの一例が示されている。
【0122】
まず、例えば図2に示す携帯型ゲーム機を用いてプレーヤAがゲームを行っている場合を想定する。
【0123】
図9には、ボトルメール生成処理のフローチャートが示されている。
【0124】
ここでは、ボトルメール生成イベントとして、プレーヤからボトルメール生成用のコマンド入力があった場合を例に取り説明する。
【0125】
まず、プレーヤが画面上に標示されている図示しないボトルメール生成コマンドの入力を操作部160を用いて行うと、ボトルメール生成イベントが発生する(ステップS10)。
【0126】
これ以外に、所定のゲームイベントに関連付けて、ボトルメール生成イベントがプログラム的に自動的に生成する場合もある。
【0127】
このようなボトルメール生成イベントが発生すると、例えば図5に示すような送信メール情報500の編集処理が行われる(ステップS12)。
【0128】
例えば、ゲーム画面として編集画面が表示され、この編集画面を見ながらプレーヤが操作部160から編集情報を入力すると、この入力情報を受けて編集処理部144が送信用メールの編集処理を行う。
【0129】
図8には、このようにして編集された送信メールの一例が示されており、送信メールの内容を表す画面400は、伝達情報520の「撮像情報」に基づく画像領域410と、伝達情報520の「文字情報」に基づく文字領域420を含む。
【0130】
画像領域410は、例えば、ゲーム空間内の椰子の木の画像が表示され、また文字領域420には、例えば「椰子の木発見。2人で協力すれば椰子の実を採れそうだ。一緒に椰子の実を採ろう。Z100、Y150地点で8月30日まで待っているよ。」といったプレーヤが入力した文字列が表示される。
【0131】
X100、Y150の地点は、ゲーム空間内の地点である。また、「8月30日」などは、実時間であってもよいし、ゲーム空間内であってもよい。
【0132】
そして、このような送信メールの伝達情報520の編集が終了した旨のコマンドをプレーヤが入力すると、次に転送パラメータ設定用のゲーム画面が表示される(ステップS14)。
【0133】
図7が、転送パラメータ設定用のゲーム画面であり、プレーヤはこのゲーム画面で表示された操作部160の操作タイミングと、ゲーム画面で指示されたタイミングとの適合度に基づき、転送パラメータにより指示される指定転送回数nを設定する処理を行う(ステップS14、S16、S18)。
【0134】
次に、転送パラメータに含まれる転送回数変更条件の設定処理を行う(ステップS19)る。この転送回数変更条件の設定処理は、例えばボトルメール生成イベントがプログラム的に自動的に発生した場合には、当該変更条件をプログラム的に自動的に設定するようにしてもよい。
【0135】
また、ボトルメール生成イベントがユーザからの指示に基づき発生した場合には、前述したように転送回数変更条件設定用のメニュー画面を表示し、プレーヤからの設定条件の入力を受け付け、当該条件の設定処理を行う。
【0136】
このようにして転送パラメータが設定されると、図5に示す付随情報510、伝達情報520を含む送信メールの生成処理が終了する。そして、この送信メールの情報は送信用バッファ174に記憶される。
【0137】
プレーヤは、携帯型ゲーム機10を携帯して移動する。メール交換制御部150は、送信用バッファ174に送信メールが記憶されている場合に、送信条件が満たされるか否かを常時判定する(ステップS20)。
【0138】
送信条件としては、例えば自機の携帯型ゲーム機10の電源がオンで、かつ無線通信可能範囲内に他の携帯型ゲーム機が通信可能な状態となっており、当該他の携帯型ゲーム機と相互に通信を行った結果、当該他の携帯型ゲーム機が同一のゲームを実行していると確認されるという条件を満たした場合などがある。
【0139】
このようなメール送信条件を満たすと判断されると(ステップS20)、次に送信用バッファ174に記憶されている送信メールを他のゲーム機に送信するという処理を行う(ステップS22)。
【0140】
なお、ステップS20の判断を行うことなく、当該携帯型ゲーム機10の電源がオンされている場合には、無線通信可能範囲内に存在する他のゲーム機に向けランダムに送信用バッファ174に記憶された送信を送信するように形成してもよい。
【0141】
このようにして、送信メールを生成した携帯型ゲーム機10から、無線通信可能範囲内に存在する他のゲーム機に向け送信メールが送信されることになる。
【0142】
図3には、送信メールを生成した携帯型ゲーム機10−1から、その無線送信可能領域1000内に存在する他のゲーム機10−2、10−3に対し生成したメールを送信している状態が示されている。ここでは無線通信可能領域1000内に存在する他のゲーム機10−2、10−3のみがメールを受信可能であり、その領域外に存在する他のゲーム機10−4は当該メールを受信することができない。
【0143】
図10には、他のゲーム機からの前記送信メールを受信した場合における、データ処理のフローチャートが示されている。
【0144】
本実施の形態の携帯型ゲーム機10では、他のゲーム機からのメールを受信すると、当該メールがメール受信条件を満たすか否かの判断が行われる(ステップS40)。ここで、受信メールに含まれる付随情報510の中に、自機と同一の装置IDが含まれないことを条件に、メール受信条件を満たすと判断し(ステップS40)、当該メールを受信する処理を行う(ステップS42)。
【0145】
次に、受信したメールに含まれる付随情報510の転送パラメータの値が、n=0か否か、すなわち受信メールが開封可能か、他のゲーム機に転送するものであるか否かの判断を行う(ステップS44)。
【0146】
そして、転送パラメータの指定転送回数がn=0の場合には、開封可能な受信メールであると判断し、受信メールを受信用バッファ176に開封可能なデータとして書き込み(ステップS46)、プレーヤにメールを受信したことを伝達する(ステップS48)。
【0147】
これを見たプレーヤは、ゲーム画面上に表示される再生指示アイコンを操作部160を用いて選択操作することにより、受信メールの再生指示を行う(ステップS50)。これにより受信メールは、例えば図8に示す画面400として再生表示される(ステップS52)。
【0148】
また、ステップS44で、受信メールの転送パラメータで指示される指定転送回数がn=0でない場合、すなわち他のゲーム機への転送が指示された受信メールであると判断された場合には、パラメータ判定処理部154は、転送パラメータに含まれる転送回数変更条件が満足されているか否かの判定を行う(ステップS58)。満足していると判定した場合には、パラメータ判定処理部154が転送パラメータの指定転送回数nを1つ減らす処理を行い(ステップS60)、このように処理された受信メールが中継バッファ175に格納される(ステップS62)。
【0149】
ステップS58で、転送回数変更条件を満足しないと判断した場合には、指定転送回数nを何ら変更することなく、当該受信メールをそのまま中継バッファに格納する処理を行う(ステップS64)。
【0150】
中継バッファ175に格納されたメールは、すぐには他のゲーム機に転送されることがなく、ステップS64において、メール転送条件を満たすと判断された場合に、他のゲーム機へ向け転送される(ステップS66)。
【0151】
ここで、メール転送条件を満たす場合とは、例えば前述したようにメールを受信してから所定時間経過した場合や、ゲームを一旦中断し、再開した場合などがこれに該当する。
【0152】
このようにすることにより、受信メールを、時と場所を変えて他のゲーム機に転送することができ、メールを不特定多数の相手に送信するというボトルメール機能をより一層高めることができる。
【0153】
なお、ステップS60におけるメール転送条件としては、前述した条件に加えて、当該ゲーム機10の無線通信可能領域内に同じゲームを行っている他のゲーム機が存在するか否かを、当該ゲーム機との間でデータの送受信を行い確認した場合に、ステップS64のメール転送条件を満たすと判断するような構成を採用してもよい。
【0154】
図4には、図3においてメールを受信した携帯型ゲーム機10−2が、時と場所を変えて、その無線通信可能領域1000内に存在する他のゲーム機10−100、10−101に対し当該メールを転送する場合の一例が示されている。ゲーム機10−2は受信メールを他の不特定のゲーム機10−100、10−101に転送する。
【0155】
これにより、携帯型ゲーム機10は、不特定多数の相手にメールをボトルメールとして届けることができるとともに、有線ケーブルでは1対1で接続されている通信相手と比べ、より遠くの相手にメールを届けることができる。従って、本実施の形態によれば、携帯型ゲーム機10は、インターネットを介することなく、無線通信を用いてボトルメール機能を有するゲームを実現することができる。
【0156】
なお、本実施の形態では、単にメールを送信元のゲーム機から、相手先のゲーム機に送信する場合を例に取り説明したが、メールを受信したゲーム機から、送信元のゲーム機に、受信確認のメールを返信するように形成してもよく、このようにすることにより、携帯型ゲーム機は、他のプレーヤにメールが届いたことを確認することができる。
【0157】
なお、前記実施の形態では、送信メールが他のゲーム機により転送される場合には、転送パラメータで指定される指定転送回数nが1つずつディクリメントされる場合を例に取り説明したが、本実施の形態ではこれに限らず、転送を行うゲーム機でのゲーム状態、その他の条件に基づき、転送パラメータの指定転送回数nを2つ以上ディクリメントするように形成してもよく、またこれとは逆に指定転送回数nを所定の条件に基づき増加するような処理を行うように形成してもよい。
【0158】
また、本実施の形態では、メールの受信側が、受信メールの転送パラメータの指定転送回数nをインクリメントまたはディクリメントする変更処理を行う場合を例に取り説明したが、本発明はこれに限らず、メールの送信側が転送パラメータの変更処理を行うように形成してもよい。
【0159】
5.ハードウェア構成
図11に本実施の形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、DVD982(情報記憶媒体。CDでもよい。)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0160】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセラレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0161】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データ(頂点データや他のパラメータ)を描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエイリアシング、シェーディング処理なども行う。
【0162】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
【0163】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。DVDドライブ980(CDドライブでもよい。)は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるDVD982(CDでもよい。)にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0164】
なお本実施の形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0165】
そして本実施の形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施の形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0166】
なお、本発明は、上記実施の形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0167】
例えば、前記実施の形態では、無線通信用方式は、アドホック通信形式であったが、例えば無線LANステーション装置を介して複数の携帯型ゲーム機が接続される通信方式であってもよい。
【0168】
また、上記実施の形態では、ゲームのイベントとしてメールの送信を行っているが、一般的な電子メール、電子掲示板などの代替としてメールの伝達を行ってもよい。すなわち、本発明は、ゲーム専用の携帯型ゲーム機に限定されることなく、ゲームを実施可能な携帯電話、PDA等の携帯型端末装置に対しても適用可能であることはいうまでもない。
【0169】
また、上記実施の形態では、通信可能範囲内に存在する他機と無線通信が可能な通信部を有する携帯型のコンピュータを例にとり説明したが、これ以外にも有線通信が可能な通信部を有する携帯型のコンピュータを用いた場合にも適用可能である。
【0170】
以上のように、本実施の形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。
【0171】
また本発明は種々のゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】本実施の形態の機能ブロック図である。
【図2】図2(A)は、本実施の形態におけるt1時点における無線通信状態の一例を示す図であり、図2(B)は、本実施の形態におけるt2時点における無線通信状態に一例を示す図である。
【図3】送信メールを生成した携帯型ゲーム機から無線通信可能条件に存在する他のゲーム機にボトルメールを送信する状態の説明図である。
【図4】ボトルメールを受信したゲーム機から、他のゲーム機へ当該メールを転送する場合の説明図である。
【図5】メールのデータ構造の説明図である。
【図6】送信用バッファ、中継用バッファ、受信用バッファの説明図である。
【図7】転送パラメータ設定用のゲーム演出画面の説明図である。
【図8】送信メールの編集画面等の説明図である。
【図9】送信メールを生成した携帯型ゲーム機のメール生成部及び送信処理のフローチャート図である。
【図10】メールを受信したゲーム機のフローチャート図である。
【図11】ハードウェア構成の説明図である。
【符号の説明】
【0173】
100 処理部
110 ゲーム演算部
111 オブジェクト空間設定部
113 仮想カメラ制御部
120 画像生成部
130 音生成部
140 メール生成部
142 パラメータ設定処理部
143 変更条件設定処理部
144 編集処理部
150 メール交換制御部
152 送信制御部
154 パラメータ判定処理部
156 受信制御部
174 送信用バッファ
175 中継用バッファ
176 受信用バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能範囲内に存在する他機と無線通信が可能な通信部を有する携帯型のコンピュータを、通信機能付きのゲーム機として機能させるためのプログラムであって、
転送回数及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールであって、転送に関連付けて前記転送回数変更条件に基づき指定転送回数が変更される送信メールを生成するメール生成手段と、
前記通信部を制御し、他機との間のメール交換の制御を行うメール交換制御手段と、
してコンピュータを機能させ、
前記メール交換制御手段は、
他機から送信されるメールを受信する処理を行う受信制御部と、
受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理部と、
他機への転送を指示すると判定された受信メールを、所与の転送条件に基づき他機に転送する送信制御部と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記メール生成手段は、
自機のIDを前記付随情報として持つメールを生成し、
前記メール交換制御手段は、
受信メールが自機と異なるIDを持つことを条件に、メールを受信する処理を行う受信制御部を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかにおいて、
前記パラメータ判定処理部は、
メールを他機に送信または転送するに先立ち、前記転送回数変更条件に基づき前記転送パラメータの指定転送回数を変更する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1、2のいずれかにおいて、
前記パラメータ判定処理部は、
メールを他機から受信後に、前記転送回数変更条件に基づき前記転送パラメータの指定転送回数を変更する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記メール生成手段が生成した送信メールを記憶する送信用バッファと、
転送指示された受信メールを中継用に記憶する中継用バッファと、
開封許可された受信メールを開封可能な状態で記憶する受信用バッファと、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記送信制御部は、
前記転送指示された受信メールを受信した後に、所与の時間が経過したこと、ゲームが終了・再開されたことの少なくとも一つの条件が満足されたときに、前記転送条件が成立したと判断し前記受信メールを他機に転送することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記メール生成手段は、
ゲーム空間におけるゲーム情報を前記送信メールの伝達情報の一部として生成することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7において、
前記メール生成手段は、
ゲーム空間における撮像情報を前記伝達情報の一部として生成することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記メール生成手段は、
前記送信メールの伝達情報の少なくとも一部をユーザに編集させる編集処理部を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、
プレーヤに対して送信メールの前記転送パラメータを決定するためのゲームを提供するパラメータ設定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10において、
前記パラメータ設定処理手段は、
プレーヤに対して操作部の操作のタイミングを提示し、提示されたタイミングと、前記プレーヤの操作との適合度に基づき、前記適合度が高い場合は前記適合度が低い場合と比べて前記パラメータの指定する指定転送回数を相対的に増加させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
通信可能範囲内に存在する他機と通信が可能な通信部を有する携帯型のコンピュータを、通信機能付きのゲーム機として機能させるためのプログラムであって、
転送回数及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールであって、転送に関連付けて前記転送回数変更条件に基づき指定転送回数が変更される送信メールを生成するメール生成手段と、
前記通信部を制御し、他機との間のメール交換の制御を行うメール交換制御手段と、
してコンピュータを機能させ、
前記メール交換制御手段は、
他機から送信されるメールを受信する処理を行う受信制御部と、
受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理部と、
他機への転送を指示すると判定された受信メールを、所与の転送条件に基づき他機に転送する送信制御部と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項14】
通信可能範囲内に存在する他機と無線通信が可能な通信部を有するを有する携帯型ゲーム機であって、
転送回数及び転送回数変更条件を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールであって、転送に関連付けて前記転送回数変更条件に基づき指定転送回数が変更される送信メールを生成するメール生成手段と、
前記通信部を制御し、他機との間のメール交換の制御を行うメール交換制御手段と、
してコンピュータを機能させ、
前記メール交換制御手段は、
他機から送信されるメールを受信する処理を行う受信制御部と、
受信メールに含まれる転送パラメータが、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定するパラメータ判定処理部と、
他機への転送を指示すると判定された受信メールを、所与の転送条件に基づき他機に転送する送信制御部と、
を含むことを特徴とする携帯型ゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−164699(P2007−164699A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363426(P2005−363426)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】