プログラムおよびコンピュータシステム
【課題】ネットワークゲーム内の仮想社会で仮想キャラクタとして作成されたアバターの個性・性格等の情報を、すれ違った他人アバターに気楽に伝えることができるプログラムを提供する。
【解決手段】各プレイヤーは、自己の端末装置で操作するアバター110,111等にそのアバターのためにメッセージを登録しておく。このメッセージは、趣味に関するもの、好みの商品の評価等であり、そのアバターの個性や性格を察することができるものである。仮想社会内でアバターが移動し、アバター同士が一定距離以下ですれ違ったとき、自動的に互いにメッセージを交換する。これにより、会話等の積極的なコミュニケーションがなくても、雰囲気のように相手に自己のアバターの個性・性格を知らせることができる。
【解決手段】各プレイヤーは、自己の端末装置で操作するアバター110,111等にそのアバターのためにメッセージを登録しておく。このメッセージは、趣味に関するもの、好みの商品の評価等であり、そのアバターの個性や性格を察することができるものである。仮想社会内でアバターが移動し、アバター同士が一定距離以下ですれ違ったとき、自動的に互いにメッセージを交換する。これにより、会話等の積極的なコミュニケーションがなくても、雰囲気のように相手に自己のアバターの個性・性格を知らせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、仮想社会に複数のアバターを登場させて、交流させるプログラムおよびこのプログラムを実行するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばMMORPG(MMORPG:Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)等のインターネットを介して多人数が参加するネットワークゲームが普及している(たとえば非特許文献1)。
【0003】
この種のネットワークゲームでは、複数のプレイヤーが、それぞれ端末装置を操作して仮想社会に自己のキャラクターであるアバターを登場させ、互いに会話をしたり、一緒にゲームをしたりすることができる。
【0004】
なお、インターネットを用いた報酬(アフィリエイト)提供システムとして、特許文献1、2のようなシステムが提案されている。
【0005】
【非特許文献1】“ハンゲームガイド”、[online]、NHN Japan 株式会社、[平成19年2月9日検索]、インターネット<URL:http://www.hangame.co.jp/guide/index.asp?Content=avatar>
【特許文献1】特開2001−202454号公報
【特許文献2】特開2002−083202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ネットワークゲームでは、プレイヤーは、自己の分身キャラクタであるアバターを、予め用意されている複数の基本形状から選択し、その上に予め用意されている複数のアイテムの中から好みのものを着用させることによって作成する。アバターは2Dまたは3Dの画像データである。このように、アバターは、予め用意されているものを組み合わせた画像データであるため、プレイヤーがいかに好みのアイテムを組み合わせても、完全に自己の好みの個性を有するものではなかった。他のプレイヤーと会話することにより、すなわち、仮想空間内で自己のアバターと他のプレイヤーのアバター(他人アバター)とを会話させることにより、その他人アバターに対して自己のアバターの個性・性格を分からせることができるが、街で出会ったとき、すれ違ったときに、積極的なコミュニケーションを行うことなく、現実の人間が持っている雰囲気のようなものを醸しだして自己のアバターの個性・性格を他人アバターに分かってもらうということはできなかった。
【0007】
また、プレイヤーは、気に入った商品を他人に知らせたい場合があるが、ネットワークゲーム内では、他人アバターと会話する等、積極的なコミュニケーションを行わなければ、他人(他のプレイヤー)にこれを知らせることができなかった。つまり、情報を気楽に誰かに伝えることができなかった。
【0008】
また、プレイヤーによっては、自分の趣味や購入したい商品等の特定の分野について有用な情報を取得したい場合があるが、ネットワークゲーム内では、他人アバターと会話する等、積極的なコミュニケーションを行わなければ、取得することができなかった。コミュニケーションを行うにしても、まず自分の知りたい情報を相手が持っているかを確認しなければならず、プレイヤーにとっては面倒な作業となっていた。つまり、欲しい情報をわざわざ探すことなく、偶然的に気楽に取得することができなかった。
一方、ゲームプレイ中に突然に話かけられた他人アバターのプレイヤーによっては、不快に思う場合もある。
【0009】
このように、情報のやり取りはコミュニケーションが必要であるが、コミュニケーションを行うことを好まない、面倒に思うプレイヤーにとっては負担となってしまい、ゲームの楽しさが半減してしまっていた。
【0010】
また、気に入った商品を他のプレイヤーに知らせたことにより、その他のプレイヤーが同じ商品を入手する場合があるが、自分または自己のアバターには、何の報酬も付与されないという欠点があった。
【0011】
この発明は、仮想社会で仮想キャラクタとして作成されたアバターの個性・性格等の情報を、すれ違った他人アバターに気楽に伝えることができ、また偶然的な情報の授受の楽しさを与えることができるプログラムを提供することを目的とし、また、このプログラムを実行するコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、ネットワークゲーム内で商品の紹介および購入を容易にしたプログラム、紹介したプレイヤーまたはアバターには報酬を付与することのできるプログラム、および、これらのゲームプログラムを実行するコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、複数の端末装置がネットワークで接続されたコンピュータシステムに、複数のプレイヤーにより前記複数の端末装置を操作することにより操縦される複数の仮想のキャラクタ(以下、アバターと呼ぶ)が活動する仮想社会を構築する仮想社会構築手順と、前記仮想社会を、各端末装置の表示部に表示させる表示手順と、前記プレイヤーにより、前記アバターのメッセージとして入力されたメッセージを登録するメッセージ登録手順と、前記アバターを、前記プレイヤーの移動操作に応じて前記仮想社会内で移動させる移動手順と、前記移動手順による移動により、前記仮想社会内において、前記メッセージが登録されているアバターである第1のアバターと、前記第1のアバター以外のアバターである第2のアバターとの位置関係が所定の条件を満たしたとき、前記第2のアバターを操縦するプレイヤーが操作する端末装置(以下、第2の端末装置と呼ぶ)において、前記第2のアバターがメッセージを受け取った態様で、前記第1のアバターのメッセージを出力可能にするメッセージ出力許可手順と、を実行させるプログラムである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記メッセージ出力許可手順が、前記第1、第2のアバター間の距離が所定距離以下であったとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記仮想社会構築手順が、小社会であるステージを複数有する仮想社会を構築し、前記メッセージ出力許可手順が、前記第1、第2のアバターが同一のステージに存在しているとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、前記コンピュータシステムをサーバ装置を含むシステムで構成し、前記メッセージ登録手順を、入力された全てのメッセージを前記サーバ装置に登録するとともに、この全てのメッセージの識別情報を各端末装置に記憶する手順とし、さらに、前記メッセージ出力許可手順を、前記第2の端末装置で記憶している前記全てのメッセージの識別情報のうち、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージの識別情報を前記第2の端末装置に表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む手順としたことを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜3の発明において、前記コンピュータシステムをサーバ装置を含むシステムで構成し、前記前記メッセージ登録手順を、入力されたメッセージを前記サーバ装置に登録する手順とし、さらに、前記メッセージ出力許可手順を、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージのうち識別情報のみを前記第2の端末装置にダウンロードして表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む手順としたことを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜5の発明において、前記コンピュータシステムに、各アバターが受け取るべき前記メッセージの属性を指定する受信属性指定手順を、さらに実行させるとともに、前記メッセージ登録手順を、属性情報が付加されたメッセージを登録する手順とし、前記メッセージ出力許可手順を、前記第1、第2のアバターの位置関係が所定の条件を満たし、且つ、前記第1のアバターのメッセージの属性と前記第2のアバターについて指定されている属性とが一致した場合のみ、前記第1のアバターのメッセージを前記第2の端末装置で出力可能にする手順としたことを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1〜6の発明において、前記メッセージ登録手順を、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順とするとともに、前記コンピュータシステムに、前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーに前記特定の商品を販売する商品販売手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記コンピュータシステムに、前記商品販売手順により、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われたとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜6の発明において、前記メッセージ登録手順を、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順とするとともに、前記コンピュータシステムに、前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記ネットワークに接続され、前記特定の商品を販売する商品販売サーバに、前記第2の端末装置を接続する商品販売仲介手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記コンピュータシステムに、前記商品販売仲介手順で接続された商品販売サーバから、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われた旨の情報を受信したとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明は、請求項8〜10の発明において、前記仮想社会構築手順を、前記アバターに仮想社会内で通用する仮想通貨を所有させる手順を含む手順とし、前記報酬提供手順は、前記第1のアバターが所有する仮想通貨を増加させる手順を含む手順としたことを特徴とする。
【0024】
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のプログラムを実行するコンピュータシステムである。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、複数のアバターの位置関係が特定の条件を満たしたとき、相互間でメッセージの送受が行われるため、アバター同士が積極的にコミュニケーションをとらなくても、たとえばすれ違っただけで、そのすれ違った他人アバターの個性や性格等の情報を気楽に知ることができ、また、自己のアバターの個性や性格等の情報を他人アバターに気楽に知らせることができる。また、プレイヤーに偶然的な情報の授受の楽しさを与えることができる。
【0026】
また、この発明によれば、他人アバターと積極的にコミュニケーションをとらなくても、特定の商品の評価メッセージであるレビューを気楽に入手することができ、その商品を販売しているサーバへ端末装置を接続することができるため、他のプレイヤーのレビューを参考にして商品を入手することが容易になる。
【0027】
また、この発明によれば、レビューが契機となって、他のプレイヤーが商品を購入したとき、第1の端末装置で操作されるアバターに報酬が付与されるため、メッセージによるコミュニケーションをより促すことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<<ゲームの概要説明>>
まず、この発明が適用されたコンピュータシステムで展開されるオンラインゲームについて説明する。
このゲームは、ポータルサーバと、端末装置であるパーソナルコンピュータとをインターネット等のネットワークを介して接続したコンピュータシステムで実行される多人数同時参加型のネットワークゲームであり、ポータルサーバや端末装置の情報処理機能(特に画像処理機能)を用いて仮想的に創り出した仮想社会に、各端末装置の利用者であるプレイヤーが、その端末装置を介して操作する仮想のキャラクタであるアバターを登場させ、このアバターを仮想社会に住まわせたり、種々の活動をさせるゲームである。なお、この実施形態の説明では、プレイヤーの操作を、適宜アバターの活動として表現する場合がある。
【0029】
仮想社会は、複数のステージからなり、アバターは、1つのステージ内で移動可能であるとともに、各ステージ間を移動することもできる。各ステージは、懐かしい街、近代的な街、海岸、野原等それぞれ独自に特徴づけされている。
【0030】
本コンピュータシステムにおいて、ポータルサーバはポータルサイトを運営するとともに、このポータルサイト上で上記ゲームのゲーム画像を表示する。これによって、ポータル機能と連携したゲーム画像を表示することができ、興趣性の高いポータルサイトを提供することができる。例えば、ゲームの仮想社会の店舗やアイテムにリンクが設定されており、プレイヤーがマウスクリック等により店舗やアイテムを選択すると、ポータルサーバは、そのプレイヤーの端末装置をリンク先に接続する。また、プレイヤーが、ポータルサイトで検索を行うと、端末装置には、検索内容に対応する仮想社会の領域が検索結果として表示される。例えば、「ゲーム」で検索を行った場合に、ゲームに関連するサイトの一覧が表示されるとともに、仮想社会におけるゲームセンタ等が表示される。
【0031】
このネットワークゲームにおいて、アバターは、プレイヤーによる端末装置の操作に対応して、仮想社会内を移動する。また、アバターは、服や眼鏡等種々のアイテムを着用する。このアイテムも仮想社会内でアバターが着用する仮想のアイテムである。プレイヤーは、自己のアバターに種々のアイテムを着用させることにより、アバターを自分の気に入った外観で仮想社会で活動させることができる。プレイヤーは、これらのアイテムを、仮想社会内に設置されている店舗で購入したり、他のアバターから貰う・交換する等により、自己のアバターのために入手することができる。アイテムの購入には、この仮想社会内で通用する仮想通貨が使用される。
【0032】
さらに、プレイヤーは、自分が(端末装置を介して)操作するアバターである「自己のアバター」の個性や性格を表現するための方法として、アバターにアイテムを着用させることに加えて、アバターにメッセージを持たせることができる。このメッセージは、画像で作成されたキャラクタであるアバターにそれぞれプレイヤーの分身と言えるような個性を付け加えるためのものであり、プレイヤーが自分の趣味や意見等を書き込んで自己のアバターのために登録する。自己のアバターが仮想社会内で他のプレイヤーが(他の端末装置を介して)操作するアバターである「他人アバター」とすれ違ったとき、自己のメッセージが他人アバターに送信される。そして、他人アバター(他人アバターのプレイヤー)に、そのメッセージを読んでもらうことによって、自己のアバターの個性や性格を知ってもらうことができる。また、逆に、自己のアバターが他人アバターとすれ違ったとき、自己のアバターが他人アバターからメッセージを受け取ることもある。プレイヤーは、そのメッセージを読むことにより、その他人アバター(またはその他人アバターそのプレイヤー)の個性や性格を知ることができる。以下、メッセージの送り側を第1のアバター、第1のプレイヤー、または、第1の端末装置と呼び、メッセージの受け側を第2のアバター、第2のプレイヤー、または、第2の端末装置と呼ぶ場合がある。
【0033】
また、プレイヤーは、メッセージとしてある具体的な商品の評価(レビュー)を自己のアバターに持たせることができる。レビューには、その評価している商品をインターネット上で販売する商品販売サーバへのリンクが張られている。このリンクは、ポータルサーバ経由で端末装置を商品販売サーバへ接続するリンクである。第2のプレイヤーは、そのレビューを読んで、その商品に関心を持った場合、端末装置上でそのリンクを操作することにより、端末装置を商品販売サーバに接続し、その商品をインターネットで購入することができる。そして、このようにして商品が購入された場合、第1のアバターまたは第1のプレイヤーに対して、商品販売のきっかけを作ったことに対するアフィリエイト(報酬)が付与される。アフィリエイトは一般的に仮想通貨で付与される。
【0034】
<<ゲームの詳細説明>>
以下、図面を参照してゲームについて詳細に説明する。
前記ポータルサーバと複数の端末装置とで創り出される仮想社会は、複数のステージで構成される。各ステージは、たとえば家や店舗のある街、川が流れている野原、海岸等それぞれ異なる態様にされている。
【0035】
図1は、このうち街のレイアウトを俯瞰的に示す図である。この街には、電車の駅100や各種の商品を販売している店舗101や公園102等がレイアウトされている。この実施形態では、1つのステージは、200セル×200セルの40000セルで構成されている。アバターとアバターとの距離は、セル単位で測定される。なお、1つのセルにはアバターが5人まで入ることができ、同じセルにいる複数のアバターの距離は0である。
【0036】
プレイヤーがこのネットワークゲームにログインすると、そのプレイヤーのアバターが電車の駅100に立っているところからゲームがスタートする。プレイヤーは、自己のアバターをこの街の中で移動させて店舗101や公園102等を訪れさせることができる。また、自己のアバターを電車103に乗せて他のステージに移動させることもできる。
【0037】
図2は、図1に示したステージ「街」のモニタ表示例を示す図である。各端末装置のモニタ26には、図1に示した街の一部の風景がほぼ水平の視線で表示されるため、このような画面となる。この図は、図1の店舗101A(たばこや)付近の風景を示している。ここには、自己のアバター110および複数の他人アバター111が表示されている。プレイヤーは、画面上をマウスクリックすることで、自己のアバター110をそのマウスクリックの方向に移動(歩行)させることができる。また、プレイヤーが店舗101Aをマウスクリックすることにより、自己のアバター110をこの店舗101Aに入店させることができる。さらに、プレイヤーが電車103をクリックすることにより、自己のアバター110を電車103に乗車させて、他のステージに移動させることができる。
【0038】
図3は、アバターが各種のアイテムを着用している例を示す図である。男性のアバターは、図2の自己のアバター110に示したような基本形状をしている。この基本形状を素体といい、図3では120の番号で示す。プレイヤーは、このアバターの素体120に各種のアイテムを着用させることにより、アバターを自己の好みの外観にすることができる。図3では、素体120に、カツラ (髪形)121、眼鏡122、Tシャツ123、ジャケット124、パンツ125、靴126のアイテムを着用させて、図示のような外観に仕上げている。
【0039】
<<システム構成の説明>>
図4は、上記ネットワークゲームを実行するコンピュータシステムの構成を説明する図である。このコンピュータシステムは、ポータルサーバ1、複数の端末装置2および1または複数の商品販売サーバ5がインターネット3を介して接続されて構成されている。さらに、ポータルサーバ1および商品販売サーバ5は、一般的なサーバコンピュータまたはワークステーションで構成すればよく、端末装置2は、一般的なパーソナルコンピュータで構成すればよいため、そのハードウェア構成の詳細説明は省略する。
【0040】
ポータルサーバ1は、仮想社会や複数のアバターのデータを蓄積記憶したサーバデータベース11(図5、図6参照)、このネットワークゲームの全体進行を制御管理するゲーム進行管理部12、店舗においてアバターに対するアイテムの販売およびアフィリエイトの発行を制御管理するアイテム販売管理部13、および、端末装置2等との通信を制御する通信制御部14を備えている。ゲーム進行管理部12は、ゲーム進行管理プログラムによるゲーム進行管理処理が、ポータルサーバ1のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。アイテム販売管理部13は、アイテム販売管理プログラムによるアイテム販売管理処理が、ポータルサーバ1のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。また、通信制御部14は、通信制御プログラムによる通信制御処理が、ポータルサーバ1のCPU、通信関連周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。
【0041】
端末装置2は、自機においてネットワークゲームを進行させるためのデータを記憶するローカルデータベース21、モニタ26にゲーム画面を表示させる表示制御部22、端末装置2の利用者であるプレイヤーの操作を受け付ける操作管理部23、ポータルサーバ1等との通信を制御する通信制御部24、および、自機においてゲームの進行を制御するゲーム進行管理部25を備えている。表示制御部22にはモニタ26が接続される。表示制御部22は、表示制御プログラムによる表示制御処理が、端末装置2のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。操作管理部23は、操作管理プログラムによる操作管理処理が、端末装置2のCPUやマウス・キーボード等の周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。また、通信制御部24は、通信制御プログラムによる通信制御処理が、周辺機器2のCPU、通信関連周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。ゲーム進行管理部25は、ゲーム進行を制御するプログラムによるゲーム進行制御処理が、端末装置2のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。
【0042】
端末装置2において、このネットワークゲームは、インターネットブラウザで表示されるものとしてもよく、独立したアプリケーションプログラムで実行されるものとしてもよい。インターネットブラウザで表示されるものとした場合、ゲームプログラム(表示制御プログラム、操作管理プログラム、通信制御プログラム等)は、インターネットブラウザのプラグインとして提供される。これらのプログラムは、CD−ROM等のメディアを用いて端末装置2に予めインストールされていてもよいが、インターネットブラウザのプラグインとして提供される場合等は、端末装置2が最初にポータルサーバ1にログインしたときにポータルサーバ1から自動的にダウンロードされるようにしてもよい。また、ローカルデータベース21は、上記プログラムと同時に構築されるようにすればよい。ローカルデータベース21や各プログラムは、端末装置2がポータルサーバ1にログインする都度、最新のものがポータルサーバ1からダウンロードされて更新される。
【0043】
操作管理部23は、プレイヤーの操作を監視し、検出した操作内容で、自装置における自己のアバターのデータを更新するとともに、この操作内容を表す操作情報を通信制御部24を介してポータルサーバ1に送信する。ポータルサーバ1(ゲーム進行管理部12)は、各端末装置2から送られてきた操作情報に基づいて各プレイヤーのアバターを活動させるようにゲームの進行を管理する。このゲームの進行の管理は、仮想社会の状態を全て記憶するサーバデータベース11の内容を、そのときの仮想社会の状態に合うように更新することによって行われる。ポータルサーバ1のゲーム進行管理部12は、データベース11の更新情報を定期的に各端末装置2に送信する。各端末装置2(各ゲーム進行管理部25)は、ポータルサーバ1から送られてきた更新情報に基づいてローカルデータベース21を更新するとともに、これに合わせて画面表示を更新することによってゲームを進行させる。
【0044】
ポータルサーバ1のアイテム販売管理部13は、いずれかのプレイヤー(端末装置2)で操作されるアバターが仮想社会に設けられている店舗を訪問したときに機能する。アイテム販売管理部13は、店舗を訪問したアバターを操作する端末装置2に対してその店舗の販売アイテムの詳細情報を送信したり、アバター(プレイヤー)がアイテムを購入したときには、そのアイテムをそのプレイヤーの所有アイテムテーブルに登録し、所有仮想通貨からそのアイテムの価格分を減算したり、また、上記経由訪問による販売であった場合には、アバターBさんにアフィリエイトを発行したりする。
【0045】
商品販売サーバ5は、たとえば販売する商品の種類や店舗ごとに複数がインターネット3に接続されている。この商品販売サーバ5は、従来より一般的なインターネット通信販売のサイトを運用するサーバコンピュータであり、サイトを訪問した閲覧者に対して商品の販売契約処理(およびクレジット支払い処理)をオンラインで行う機能を有している。なお、商品の発送は係員が行うのが一般的である。この商品販売サーバ5が従来より一般的な商品販売サーバと異なる点は、上で説明したネットワークゲームにおいて第1のアバターから受け取ったメッセージ(レビュー)を経由して、インターネット通信販売サイトを運用する商品販売サーバ5を訪問(経由訪問)した顧客(第2のプレイヤー)が商品を購入した場合、顧客がこのサイトを訪問するきっかけとなった第1のアバターまたは第1のプレイヤーに対してアフィリエイトを発行する。このアフィリエイトの発行は、この商品販売サーバ5からポータルサーバ1への申請により、ポータルサーバ1によって行われる。
【0046】
図5、図6は、サーバデータベース11の構成を示す図である。サーバデータベース11は、仮想社会の構成を記憶する仮想社会データ記憶部30、複数のアバターについてのデータを記憶するアバターデータ記憶部40、および、この仮想社会で販売・所有・着用される複数のアイテムについてのデータを記憶するアイテムデータ記憶部50を有している。
【0047】
仮想社会記憶部30は、複数のステージの各々の構成を記憶するステージデータ記憶部31、各ステージに立っている家や駅や公園等の建物のデータを記憶する建物データ記憶部32、店舗で販売されるアイテムを管理する販売アイテムデータ記憶部33を有している。アバターデータ記憶部40は、ポータルサーバ1に登録されている複数のアバターに関する情報や仮想通貨の所有額を記憶するアバター本体データ記憶部41、アバターの素体画像を記憶するアバター素体画像データ記憶部42、各アバターが持っているメッセージ、すなわち、各プレイヤーが自己のアバターのために登録したメッセージ(送信メッセージ)を記憶する送信メッセージデータ記憶部43を有している。
【0048】
ステージデータ記憶部31は、各ステージごとに設定されたステージデータをステージ分記憶している。各ステージデータは、そのステージの名称(たとえば「懐かしい街」等)を示すステージ名称データ、そのステージにおける建物などの配置が書き込まれたマップデータおよびこのマップデータ上に配置される建物を指定する建物指定データ等を含んでいる。
【0049】
建物データ記憶部31は、各建物ごとに設定された建物データを各建物の分だけ記憶している。各建物データは、建物の名称(例えば、「○○デパート」等)を示す建物名称データ、その建物の外観の画像である建物画像データ、建物種類データ(店舗、民家、入室可能か否か等)、入室可能な建物の場合には内部レイアウトデータ、さらに、アイテムを販売する店舗の場合には、販売アイテムを指定するアイテム指定データを含む。なお、建物データは、構造物だけに限らず道端の露店のようなものについても設定されている。
【0050】
販売アイテムデータ記憶部33は、この仮想社会のいずれかの店舗で販売されるアイテムごとに設けられる販売アイテムデータを記憶している。各販売アイテムデータは、そのアイテムをアイテムデータ記憶部50に記憶されているアイテムから指定するアイテム指定データおよびそのアイテムの価格を示す価格データを含んでいる。
【0051】
アイテムデータ記憶部50は、各アイテムごとに設定されたアイテムデータを記憶している。各アイテムデータは、そのアイテムを識別するためのアイテムID、アイテムの名称(「赤い傘」等)を示すアイテム名称データ、アイテムの外観等を表すアイテム画像データ、そのアイテムがアバターのどこに着用されるか等を指示するアイテム種類データ等を含んでいる。
【0052】
また、プレイヤーデータ記憶部41は、ポータルサーバ1に登録されているアバター(プレイヤー)毎に設定されたプレイヤーデータを記憶している。各プレイヤーデータは、そのプレイヤーのアバターの名称を示すアバター名称データ、そのプレイヤーが選択したアバターの素体の画像を指定する素体選択データ、そのアバターがどのステージの何処の座標に存在するかを示す位置データ、このアバターが所有または着用しているアイテムが登録されるアイテムテーブル、仮想社会内で使用される仮想通貨の所持金額を表す所持金額データ等を含み、さらに、他人アバターから受信するメッセージの属性を指定する受信属性指定データ、および、他人アバターから受信したメッセージの書誌データを記憶する受信メッセージリスト45を含んでいる。メッセージの属性とは、メッセージ内容の分野を示すカテゴリーであり、図7を参照して後述する。また、受信メッセージリスト45の詳細は、図6(A)を参照して後述する。
【0053】
アバター素体画像データ42は、アバター本体データ41の素体選択データによって選択される複数のアバター素体画像を記憶している。アバター素体画像は、たとえば、図2に示したアバター110等のような画像である。送信メッセージデータ記憶部43は、各プレイヤーがそれぞれ自己のアバターに対応づけて登録したメッセージデータを記憶するエリアである。
【0054】
図6(A)を参照してメッセージデータの構成について説明する。ここで、メッセージは、特定の商品についての評価であるレビュー、および、レビュー以外の一般のメッセージの2種類ある。このレビュー以外の一般のメッセージ(狭義のメッセージ)を一般メッセージと呼び、レビュー,一般メッセージを含む広義のメッセージを、単にメッセージと呼ぶ。メッセージデータは、このメッセージを識別するためのメッセージID、このメッセージがレビューであるか一般メッセージであるかを識別する種類情報、そのメッセージの分野を示すカテゴリー情報、および、そのカテゴリーのなかの細分化されたジャンルを示すジャンル情報を含んでいる。
【0055】
ここで、図7を参照して、カテゴリーおよびジャンルについて説明する。同図(A)は、一般メッセージのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図である。カテゴリーは、このオンラインゲームに参加するプレイヤーが関心を持ちそうな分野が選択される。この例では、音楽、映画、ゲーム、身の周りのこと、その他のカテゴリーが選択されている。そして、各カテゴリーの中に複数のジャンルが設定されている。カテゴリー「音楽」では、今の流行曲、JPOP、洋楽、ジャズ・クラシック、その他のジャンルが設定されている。カテゴリー「映画」では、洋画、邦画、アクション、恋愛・コメディ、サスペンス・ホラー、SF・ファンタジー等が設定されている。カテゴリー「ゲーム」では、アクションゲーム、RPG、スポーツゲーム、テーブル・パズルゲーム、アドベンチャーゲーム、オンラインゲーム、その他が設定されている。ジャンル「身の周りのこと」では、今週話題のネタ、趣味・マイブーム、恋愛、家族・友人、職場・学校等のジャンルが設定されている。また、ジャンル「その他」では、スポーツ・芸能、政治・経済、テレビ、ファッション等のジャンルが設定されている。
【0056】
また、同図(B)は、レビューのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図である。設定されているジャンル、カテゴリーは、上記一般メッセージとほぼ同様であるが、レビューを書く場合には、具体的に商品となるものが必要であるため、この仮想社会でアイテムとして販売される商品が含まれる音楽、映画、ゲームの3カテゴリーのみが選択可能になっている。
【0057】
この仮想社会で販売されるアイテムには、アバターが着用する衣服等、仮想社会のみで利用されるものが多いが、プレイヤーが利用可能なものも販売される。プレイヤーが利用可能なアイテムとしては、たとえば、ダウンロード可能な音楽データ、オンデマンドのインターネット動画データやオンラインゲームなどがある。これらのアイテムの購入・使用は、ゲームにおいては、仮想社会でアバターが購入して利用する形態で実行されるが、実際にはプレイヤーが音楽データをダウンロードして聴取したり、動画データを再生したり、オンラインゲームをプレイしたりして楽しむことができる。このようなプレイヤーが実社会で利用可能なアイテムのアイテムデータには、そのアイテムをプレイヤーに向けて販売する商品販売サーバのアドレス(URL)のリンクデータが含まれている。
【0058】
なお、プレイヤーは、仮想社会のみでアバターが利用できるアイテムについても利用可能である。また、プレイヤーは、上記音楽データ、動画データ、ゲーム等ソフトウェアに限らず、現実の商品(物)についてもレビューをすることができる。そのためには、サーバデータベースのアイテムデータ記憶エリア50に、上記現実の商品を模した仮想アイテムが登録されていればよい。この場合にも、このアイテムデータには、そのアイテムをプレイヤーに向けて販売する商品販売サーバのアドレス(URL)のリンクデータが含まれている。
【0059】
プレイヤーは自己のアバターのためにメッセージを登録するとき、その登録ウィンドウに表示されるプルダウンメニューからこのカテゴリーおよびジャンルを選択する。また、各プレイヤーが他人アバターから受信するメッセージの属性を指定する場合、1または複数のカテゴリーおよび/またはジャンルを指定する。なお、本実施形態では、一般メッセージ,レビューの種類は指定できないが、指定できるようにしてもよい。
【0060】
図6(A)にもどって、メッセージ本体は、タイトルおよび本文からなる。本文は200文字程度のテキストである。タイトルは、プレイヤーが自由に入力可能にしてもよいが、レビューが入力される場合には、具体的な商品名(CDタイトルや映画の題名等)を入力する必要があるため、カテゴリー,ジャンルと同様に、プレイヤーにプルダウンメニューから選択させるようにしておけばよい。
【0061】
そして、図6(B)に示す受信メッセージリスト45には、受信したメッセージの書誌データとしてメッセージID、送信者(アバター名)、メッセージ種類、カテゴリー、ジャンル、タイトルが記憶される。
【0062】
プレイヤーは、自己のアバターの受信メッセージリスト45を端末装置2のモニタ26に表示し、マウス等で選択することにより、そのメッセージをモニタ26に表示することができる。また、受信メッセージリスト45を表示した状態で、受信メッセージを削除等する操作をすることができる。
【0063】
なお、この実施形態では、メッセージをテキストとしているが、メッセージはテキストに限定されない。たとえば、音声、静止画、動画など端末装置から出力可能なものであれば、どのようなものでもよい。
【0064】
ポータルサーバ1は、サーバデータベース11として、図5,図6に示すデータ群を常時記憶している。端末装置2のローカルデータベース21は、サーバデータベースとほぼ同様の構成・内容を有している。サーバデータベース11とローカルデータベース21とで異なる点は、ローカルデータベース21が、他人アバターのプレイヤーデータを持たない点程度である。ローカルデータベース21のうち、仮想社会データ(30)、アイテムデータ(32)の定番の部分は、プログラムと一緒にインストールされる。そして、新たな部分は、プレイヤーの操作によって端末装置2が、ポータルサーバ1にログインする都度、更新データとしてダウンロードされる。
【0065】
また、自己のアバターがステージを移動すると、移動先のステージに位置する他人アバターのプレイヤーデータ等がダウンロードされる。なお、このときに移動前のステージに位置していた他人アバターのプレイヤーデータは破棄される。
【0066】
また、自己のアバター,他人のアバターは常に移動し、着用するアイテムや所持するアイテムが変更されることもあるため、ポータルサーバ1は、各端末装置2からアバターの位置の変更等のプレイヤーデータの変更を示す情報を受信したときに、サーバデータベース11のプレイヤーデータを更新し、この更新したデータを更新情報として定期的に各端末装置2に送信する。
【0067】
≪動作の説明≫
図8〜図13のフローチャートを参照して、図4に示したコンピュータシステムの動作について説明する。
図8(A)は、ログイン時の動作を示すフローチャートである。プレイヤーが端末装置2を用いて、ID,パスワードを入力する等のログイン操作を行うと(S1)、端末装置2は、このログイン操作情報をポータルサーバ1に送信する(S2)。
【0068】
ポータルサーバ1は、端末装置2からログイン操作情報を受信すると(S3)、(このログイン操作情報が正しいことを前提として)そのプレイヤーをログイン登録し、そのアバターを仮想社会に登場させるべく処理を行う(S4)。そして、このプレイヤーの操作する端末装置2に対して最新のデータを送信する(S5)。
【0069】
端末装置2は、ポータルサーバ1から送られてきたデータを受信し、このデータで自装置のローカルデータベース21を更新する(S6)。そして、このローカルデータベース21に書き込まれているデータに基づいて仮想社会をモニタ26に表示するとともに、この仮想社会にそのとき登場しているアバター(自己のアバターを含む)を表示して、この端末装置2においてゲームをスタートさせる(S7)。
【0070】
ゲームの進行は、複数の端末装置2から送信されてくる操作情報に基づいてポータルサーバ1のゲーム進行管理部12が管理しており、ログインした端末装置2では、ポータルサーバ1から送られてくる更新データに基づき、ゲーム進行管理部25がゲームの進行を管理する。
図8(B)は、端末装置2におけるゲーム進行処理を示すフローチャートである。ポータルサーバ1のゲーム進行管理部12は、各アバターの移動やアイテムの所有・着用等の、ローカルデータベースを更新するための更新データを各端末装置2に対して定期的に送信する(S10)。端末装置2は、ポータルサーバ1から送られてきた更新データを受信して(S11)、ローカルデータベース21を更新するとともに(S12)、この更新データに基づいて、モニタの画面表示を更新する(S13)ことにより、ゲームを進行させる。このゲームの進行において、他人アバターが移動していた場合には(S14)、この他人アバターと自己のアバターとのすれ違いを判定するすれ違い判定処理を実行する(S15)。
【0071】
すれ違い判定処理とは、自己のアバターと他人アバターが所定距離以下に接近したか、すなわち、すれ違ったかを判定し、すれ違った場合にはその他人アバター(第1のアバター)が持っている、すなわち、第1のプレイヤーが第1のアバターのために登録したメッセージを受け取るか否かを判定する処理である。この処理については、図11(B)を参照して後述する。
【0072】
図9は、プレイヤーによるアバター移動操作に対応したコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
同図(A)は、端末装置2の動作を示すフローチャートである。プレイヤーは、自己のアバターを移動させる場合、端末装置2の画面上において、移動させたい方向の適当な位置、または、入店させたい店舗や乗車させたい乗り物等をマウスでクリックする。端末装置2は、これらの移動操作入力を受け付ける(S20)。移動させたい方向の適当な位置や入店させたい店舗等がクリックされた場合、自己のアバターは同一ステージ内で移動するよう制御され、図1における電車103等の乗り物がクリックされた場合、自己のアバターは他のステージに移動するよう制御される。
【0073】
端末装置2は、プレイヤーによる移動操作が、同一ステージ内での移動操作であるかステージ移動の操作であるかを判断する(S21)。同一ステージ内での移動操作の場合には(S21でNO)、アバターをこの移動操作に従って更新した位置に移動させるとともに(S22)、この移動操作情報をポータルサーバ1に送信する(S23)。こののち、すれ違い判定処理を実行する(S24:図11(B)参照)。
【0074】
また、ステップS20の移動操作がステージ移動の操作であった場合には(S21でYES)、端末装置2は、このステージ移動操作情報をポータルサーバ1に送信する(S25)。その後、ポータルサーバ1から移動先の新たなステージのデータ(新たなステージに存在する他のアバターのプレイヤーデータ等)を受信して(S26)、このデータでローカルデータベース21を更新し(S27)、このステージの画像とアバターを表示してこのステージにおいてゲームを再開する(S28)。そして、このステージにおける自己のアバター位置ですれ違い判定処理を実行する(S29:図11 (B)参照)。
【0075】
同図(B)は、端末装置2から、ステージ内での移動操作情報を受信したときのポータルサーバ1の動作を示すフローチャートである。ポータルサーバ1は、端末装置2が、同図(A)のステップS23で送信したステージ内での移動操作情報を受信する(S31)。そして、この端末装置2に対応するアバターデータの位置データをこの移動操作に基づいて更新する(S32)。この更新された位置データは、他の端末装置2に対しては、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に送信される。
【0076】
同図(C)は、端末装置2から、ステージを移動する旨の操作情報を受信したときのポータルサーバ1の動作を示すフローチャートである。ポータルサーバ1は、端末装置2が、同図(A)のステップS25で送信したステージ移動情報を受信して(S34)、この端末装置2に対応するプレイヤーデータの位置データをこのステージ移動情報に基づいて更新する(S35)。位置データは、新しいステージへ登場したときのデフォルトの位置に設定される。そして、この新たなステージのデータを端末装置2に対して送信する(S36)。このアバターの更新された位置データは、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に、他の各端末装置2に送信される。
【0077】
このように、端末装置2では、移動操作情報をポータルサーバ1に送信するとともに、(ポータルサーバからの更新データの受信を待たずに)自己のアバターの位置を更新しているが、自己のアバターについても、ポータルサーバ1からの更新データの受信を待って移動させるようにしてもよい。
【0078】
図10は、メッセージ登録動作を示すフローチャートである。プレイヤーのメッセージ登録の操作により、この処理がスタートする。端末装置2は、プレイヤーのメッセージ登録操作に対応してメッセージ登録ウィンドウを表示する(S40)。このメッセージ登録ウィンドウには、メッセージ種類、カテゴリー、ジャンルおよびタイトルを選択するプルダウンメニューが設けられる。
【0079】
まず、今回登録するメッセージの種類の選択入力を受け付ける(S41)。メッセージの種類とは、上述したように一般メッセージであるかレビューであるかの種類である。メッセージ種類が選択入力されると、それに合わせたカテゴリーを列記したプルダウンメニューを有効にして、カテゴリーの選択入力を受け付ける(S42)。カテゴリーが選択入力されると、それに合わせたジャンルを列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、ジャンルの選択入力を受け付ける(S43)。
【0080】
そして、ジャンルが選択入力されると、一般メッセージの場合には、タイトル入力エリアを表示してタイトルの自由入力を可能にする(S44)。一方、レビューの場合には、そのジャンルの商品名を列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、タイトルの選択入力を受け付ける(S44)。プルダウンメニューに表示される商品名は、アイテムデータ(図5参照)に含まれるアイテム名称データである。端末装置2のゲーム進行管理部25は、アイテムデータに含まれるジャンルデータ(図示せず)に基づいて、選択入力されたジャンルに対応するアイテムを選出し、選出したアイテムの名称データを商品名としてプルダウンメニューに表示する。こののち、プレイヤーによるメッセージ本文の入力を受け付け(S45)、メッセージ本文の入力が終了すると、以上の操作で入力されたメッセージデータをポータルサーバ1に送信して(S46)、動作を終了する。なお、タイトルの入力、メッセージ本文の入力は、たとえばキーボードを用いることができる。
【0081】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきたメッセージデータを受信する(S47)。そして、このメッセージデータを、このデータを送信してきた端末装置2に対応するアバターに対応づけて送信メッセージデータ記憶部43に登録する(S48)。この登録されたメッセージデータの書誌データは、他の端末装置2に対しては、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に、他の各端末装置2に送信される。この書誌データが本発明の(メッセージの)識別情報に対応する。なお、本発明の識別情報は、この書誌データに限定されない。たとえば、書誌データのうちの一部(たとえばメッセージIDのみ)であってもよい。
【0082】
図11(A)は、受信メッセージの属性指定処理を示すフローチャートである。この動作は、プレイヤーが端末装置2に対して受信メッセージ属性指定操作をしたときに実行される。端末装置2は、プレイヤーによる受信メッセージ属性指定操作に対応して、属性指定ウィンドウを表示する。この属性指定ウィンドウには、カテゴリー、ジャンルを選択するプルダウンメニューが設けられる。まず、メッセージの全カテゴリーを列記したプルダウンメニューを有効にして、カテゴリーの選択入力を受け付ける(S101)。カテゴリーが選択入力されると、それに合わせたジャンルを列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、ジャンルの選択入力を受け付ける(S102)。以上の処理によって選択された受信メッセージの属性指定データをローカルデータベース21に登録する(S103)。以上の処理をプレイヤーによって終了操作が行われるまで繰り返す(S104でNO)。これにより、複数の属性指定データを一括して設定することができる。
【0083】
プレイヤーによって終了の操作が行われると(S104でYES)、ローカルデータベース21に登録した受信メッセージの属性指定データをポータルサーバ1に送信して(S105)、端末装置2の処理を終了する。
【0084】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきた属性指定データを受信する(S106)。そして、この属性指定データを対応するアバター本体データの受信属性指定データとして登録する(S107)。
【0085】
なお、このオンラインゲームでは、受信メッセージの属性指定データが設定されていない場合、そのアバターは、全てのメッセージを受信可能であるとしてメッセージ受信処理を実行する。
【0086】
図11(B)は、すれ違い判定(メッセージ受信)処理動作を示すフローチャートである。この動作は、各端末装置2において実行される動作であり、その端末装置2が制御するアバター(自己のアバター)と他のアバター(他人アバター)との距離を算出し、その距離が一定値以下になったとき、すなわち、すれ違ったとき、その他人アバターが登録しているメッセージを自装置で表示可能に設定する処理である。
【0087】
まずそのときの自己のアバターの位置データと判定対象の他人アバターの位置データとから距離を算出する(S51)。ここで、判定対象の他人アバターの選出方法は任意である。たとえば、自己のアバターが移動したことに対応してこの処理を実行する場合(図9(A)のS24、S29)には、同じステージにいる全ての他人アバターを判定対象とし、他人アバターが移動したことに対応してこの処理を実行する(図8(B)のS15)場合には、その移動した他人アバターのみを判定対象としてもよい。また、端末装置2のモニタ26に表示されている領域に含まれる他人アバターのみを判定対象としてもよい。
【0088】
次に、この算出した距離が所定の基準距離以下であるかを判定する(S52)。基準距離以下であれば、その他人アバターとすれ違っているとして、その送信メッセージデータ記憶エリアを検索して、その他人アバターに送信メッセージがあるかを判定する(S53)。送信メッセージがある場合には(S53でYES)、その属性(カテゴリーまたはジャンル)が自己のアバターについて設定している受信属性指定データに該当するものかを判定する(S54)。該当する場合には(S54でYES)、そのメッセージの書誌データを、自己のプレイヤーデータの受信メッセージリストに登録して(S55)、閲覧可能にする。
【0089】
ゲームの進行においては、自己のアバターが他人アバターとすれ違ったとき、他人アバターからメッセージが飛んでくる(受信する)という設定であるが、コンピュータシステムが内部で実行しているゲーム進行においては、予め端末装置2にメッセージの書誌データがダウンロードされており、端末装置2ですれ違いを判定して、そのメッセージの書誌データを受信メッセージリストに転記して、プレイヤーの閲覧操作があったときに公開するという処理が実行されている。
【0090】
図12は、受信メッセージ閲覧処理を示すフローチャートである。プレイヤーが端末装置2に対して受信メッセージの閲覧操作を行うと、端末装置2は、図6(B)の受信メッセージリストをモニタ26にウィンドウ表示する(S60)。そして、プレイヤーによるメッセージ選択操作を受け付ける(S61)。プレイヤーによって受信メッセージリストのなかからメッセージが選択されると、そのメッセージIDをポータルサーバ1に送信する(S62)。
【0091】
ポータルサーバ1は、このメッセージIDを受信して(S57)、このメッセージIDで識別されるメッセージデータのメッセージの本文を読み出し(S58)、このメッセージの本文を端末装置2に対して送信する(S59)。
【0092】
端末装置2は、ポータルサーバ1から送信されてきたメッセージの本文を受信し(S63)、この本文をタイトルとともにモニタ26に表示する(S64)。消去操作が行われるまで、この表示を継続する(S65でNO)。消去操作が行われれば(S65でYES)、このメッセージのタイトルおよび本文を消去して(S66)動作を終了する。
【0093】
一方、表示されているメッセージがレビューの場合(S67でYES)、表示されているタイトル部分がプレイヤーによってクリックされると(S68でYES)、端末装置2は、商品販売サーバと通信して商品の購入処理に進む。この商品購入処理は、図13を参照して説明する。
【0094】
図13は、端末装置2の商品購入処理、商品販売サーバ5の商品販売処理、および、ポータルサーバ1の中継処理を示すフローチャートである。
端末装置2は、プレイヤーによってレビューのタイトルがクリックされた(図12のS68でYES)ことに対応して、その商品が選択された旨の情報(商品選択情報)をポータルサーバ1に対して送信する(S71)。
【0095】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきた商品選択情報を受信し(S81)、この商品選択情報に含まれる上記タイトル即ちアイテム名(商品名)にリンクしているURLをアイテムデータ記憶エリア50から読み出して、この端末装置2を、上記指定された商品を販売している商品販売サーバ5に接続する(S82)。この接続により、商品販売サーバ5は、レビュー商品の詳細情報(在庫情報等)を端末装置に送信し(S91)、端末装置2は、この詳細情報を受信して、モニタ26にこれを表示する(S72)。
【0096】
その間に、ポータルサーバ1は、今回のレビューの送信側である第1のアバター(紹介者)と受信側である第2のアバター(訪問者)の情報を商品販売サーバ5に送信する(S83)。商品販売サーバ5は、この紹介者・訪問者の情報を受信して経由訪問テーブルに登録する(S92)。
【0097】
この詳細情報を見たプレイヤーは、端末装置2を操作してこの商品を購入するか(カートに入れる)、購入を辞めるか(ウィンドウを消去する)の操作を行う(S73)。この操作は、商品販売サーバ5にも送信される。
【0098】
プレイヤーが商品を購入する旨の操作を行った場合(S73でYES)、この操作情報は商品販売サーバ5にも受信され(S93)、端末装置2と商品販売サーバ5との間で、商品の販売・購入手続が実行される(S74,S94)。すなわち、端末装置2が、プレイヤーの操作に従って商品の購入手続を商品販売サーバ5に対して行うと(S74)、商品販売サーバ5は、代金の決済や発送の手配等の商品販売処理を行う(S94)。これにより、インターネットを介した通信販売は完了する。
【0099】
こののち、商品販売サーバ5は、経由訪問テーブルを参照して、紹介者すなわちレビューを書いた第1のプレイヤー(第1のアバター)に対するアフィリエイトの発行を、ポータルサーバ1に対して申請する(S95)。この申請に応じて、ポータルサーバ1は、アフィリエイトとして紹介者のアバター本体データの所持通貨の値を所定値増加させる(S84)。なお、所持通貨額の増加値が所定値ではなく、被紹介者であるプレイヤーの商品の購入金額に応じた額であってもよい。この場合には、アフィリエイト発行の申請の中に商品の購入金額を示す情報が含まれ、これに基づいて増加値が算出される。
【0100】
こののち、端末装置2では、メッセージおよび商品の詳細情報を消去し(S75)、商品販売サーバ5では、経由訪問テーブルから今回の紹介者・訪問者の情報を消去して(S96)、処理を終了する。
なお、ステップS73でプレイヤーが商品を購入しない旨の操作をした場合(S73でNO)には、端末装置2はS74の購入手続処理を行わずに、S75でメッセージおよび商品の詳細情報を消去し、商品販売サーバ5は、S94の販売処理、S95のアフィリエイト申請処理を行わずに、S96で経由訪問テーブルからの今回の紹介者・訪問者の情報の消去を実行して、処理を終了する。
【0101】
本実施形態において、コンピュータシステムを構成するサーバは、ポータル機能を実行するものであり、ゲーム内容はこのポータル機能と関連づけられたものであるが、この構成に限定されない。本実施形態にかかるゲームは、ロールプレイングゲームや、アクションゲーム等の他の種類のゲームであってもよく、仮想社会内においてアイテムを表示可能に所有させたアバターを活動させることができるゲームであればよい。
【0102】
なお、コンピュータシステムのシステム構成はこれに限定されず、ポータルサーバを複数の装置で構成してもよい、また商品販売サーバとしての機能も備え、現実の商品をポータルサーバで販売することができてもよい。
【0103】
また、この実施形態では、アバターのすれ違い判定を端末装置2で行っているが、ポータルサーバ1で行うようにしてもよい。また、各アバター(プレイヤー)の送信メッセージデータは、書誌データのみ各端末装置に定期的に配信しているが、本文を含めて全てのデータを配信するようにしてもよい。
【0104】
なお、ポータルサーバ1ですれ違い判定を行う場合には、すれ違いによって実際にアバターが受信したメッセージのみを端末装置2に送信するようにしてもよい。また、この場合において、すれ違ったときにメッセージの識別情報のみを端末装置2に送信し、プレイヤーがメッセージの閲覧操作をしたとき、その識別情報(メッセージID)が端末装置2からポータルサーバ1に送信され、これに応じてポータルサーバ1が端末装置2にメッセージ本文を含むメッセージデータを送信するようにしてもよい。なお、予め端末装置2に送信する識別情報は、書誌データあればよいが、これに限定されるものではない。たとえば、書誌データのうちの一部(たとえばメッセージIDのみ)であってもよい。
【0105】
また、すれ違い判定において、アバター間の距離が所定値以下であれば、メッセージ交換可能と判定しているが、この判定の基準はこれに限定しない。たとえば、同じステージに居る全てのアバター間でメッセージ交換可能としてもよく、また、たとえば、距離にかかわらず互いに見通せる位置関係(第1,第2の端末装置の双方又は一方の表示画面に表示される関係等)であればメッセージ交換可能としてもよい。
【0106】
この実施形態では、すれ違ったときにメッセージを交換するか否かを判定するとき(図11(B)のS54)の条件としてプレイヤーが予め設定した属性指定データを用いているが、属性指定データ以外に年齢、性別等のアバターの属性そのものを条件として用いてもよい。
【0107】
すれ違いによってメッセージを受信したとき、メッセージを受信した旨をプレイヤーに知らせる出力を行うようにしてもよい。例えば、メッセージ受信側の第2の端末装置において、自己のアバター(第2のアバター)がメッセージを受信したとき、自己のアバターを光らせたり、自己のアバターの頭上に「!」等のマークを表示するようにしてもよい。また、メッセージ送信側の第1の端末装置において、自己のアバター(第1のアバター)がメッセージを送信したとき、自己のアバターを光らせたり、自己のアバターの頭上に「!」等のマークを表示するようにしてもよい。さらに、このメッセージの受信・送信を知らせる出力を、第1、第2の端末装置に限らず、ゲームにログインしている全ての端末装置で行うようにしてもよい。
【0108】
なお、「アバター」とは、一般的にゲームキャラクタを含まないが、本発明においてはプレイヤーの操作によって動作するゲームキャラクタを含む。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】この発明が適用されるコンピュータシステムで実行されるネットワークゲームのステージとなる仮想社会の一例を示す図
【図2】前記仮想社会の画面表示例を示す図
【図3】アバターが各種のアイテムを着用している例を示す図
【図4】前記ネットワークゲームを実行するコンピュータシステムの構成を示す図
【図5】ポータルサーバに設けられるサーバデータベースを示す図
【図6】ポータルサーバに設けられるサーバデータベースを示す図
【図7】メッセージのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図
【図8】ログイン時およびデータの定期更新時の動作を示すフローチャート
【図9】アバター移動時の動作を示すフローチャート
【図10】メッセージ登録時の動作を示すフローチャート
【図11】受信属性指定処理およびすれ違い判定動作を示すフローチャート
【図12】受信メッセージの閲覧動作を示すフローチャート
【図13】現実の商品の販売・購入の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0110】
43…送信メッセージデータ記憶部
45…受信メッセージリスト
100…電車の駅
101(101A,101B,101C)…店舗
102…公園
103…電車
110…自己のアバター
111…他人アバター
【技術分野】
【0001】
この発明は、仮想社会に複数のアバターを登場させて、交流させるプログラムおよびこのプログラムを実行するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばMMORPG(MMORPG:Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)等のインターネットを介して多人数が参加するネットワークゲームが普及している(たとえば非特許文献1)。
【0003】
この種のネットワークゲームでは、複数のプレイヤーが、それぞれ端末装置を操作して仮想社会に自己のキャラクターであるアバターを登場させ、互いに会話をしたり、一緒にゲームをしたりすることができる。
【0004】
なお、インターネットを用いた報酬(アフィリエイト)提供システムとして、特許文献1、2のようなシステムが提案されている。
【0005】
【非特許文献1】“ハンゲームガイド”、[online]、NHN Japan 株式会社、[平成19年2月9日検索]、インターネット<URL:http://www.hangame.co.jp/guide/index.asp?Content=avatar>
【特許文献1】特開2001−202454号公報
【特許文献2】特開2002−083202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ネットワークゲームでは、プレイヤーは、自己の分身キャラクタであるアバターを、予め用意されている複数の基本形状から選択し、その上に予め用意されている複数のアイテムの中から好みのものを着用させることによって作成する。アバターは2Dまたは3Dの画像データである。このように、アバターは、予め用意されているものを組み合わせた画像データであるため、プレイヤーがいかに好みのアイテムを組み合わせても、完全に自己の好みの個性を有するものではなかった。他のプレイヤーと会話することにより、すなわち、仮想空間内で自己のアバターと他のプレイヤーのアバター(他人アバター)とを会話させることにより、その他人アバターに対して自己のアバターの個性・性格を分からせることができるが、街で出会ったとき、すれ違ったときに、積極的なコミュニケーションを行うことなく、現実の人間が持っている雰囲気のようなものを醸しだして自己のアバターの個性・性格を他人アバターに分かってもらうということはできなかった。
【0007】
また、プレイヤーは、気に入った商品を他人に知らせたい場合があるが、ネットワークゲーム内では、他人アバターと会話する等、積極的なコミュニケーションを行わなければ、他人(他のプレイヤー)にこれを知らせることができなかった。つまり、情報を気楽に誰かに伝えることができなかった。
【0008】
また、プレイヤーによっては、自分の趣味や購入したい商品等の特定の分野について有用な情報を取得したい場合があるが、ネットワークゲーム内では、他人アバターと会話する等、積極的なコミュニケーションを行わなければ、取得することができなかった。コミュニケーションを行うにしても、まず自分の知りたい情報を相手が持っているかを確認しなければならず、プレイヤーにとっては面倒な作業となっていた。つまり、欲しい情報をわざわざ探すことなく、偶然的に気楽に取得することができなかった。
一方、ゲームプレイ中に突然に話かけられた他人アバターのプレイヤーによっては、不快に思う場合もある。
【0009】
このように、情報のやり取りはコミュニケーションが必要であるが、コミュニケーションを行うことを好まない、面倒に思うプレイヤーにとっては負担となってしまい、ゲームの楽しさが半減してしまっていた。
【0010】
また、気に入った商品を他のプレイヤーに知らせたことにより、その他のプレイヤーが同じ商品を入手する場合があるが、自分または自己のアバターには、何の報酬も付与されないという欠点があった。
【0011】
この発明は、仮想社会で仮想キャラクタとして作成されたアバターの個性・性格等の情報を、すれ違った他人アバターに気楽に伝えることができ、また偶然的な情報の授受の楽しさを与えることができるプログラムを提供することを目的とし、また、このプログラムを実行するコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、ネットワークゲーム内で商品の紹介および購入を容易にしたプログラム、紹介したプレイヤーまたはアバターには報酬を付与することのできるプログラム、および、これらのゲームプログラムを実行するコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、複数の端末装置がネットワークで接続されたコンピュータシステムに、複数のプレイヤーにより前記複数の端末装置を操作することにより操縦される複数の仮想のキャラクタ(以下、アバターと呼ぶ)が活動する仮想社会を構築する仮想社会構築手順と、前記仮想社会を、各端末装置の表示部に表示させる表示手順と、前記プレイヤーにより、前記アバターのメッセージとして入力されたメッセージを登録するメッセージ登録手順と、前記アバターを、前記プレイヤーの移動操作に応じて前記仮想社会内で移動させる移動手順と、前記移動手順による移動により、前記仮想社会内において、前記メッセージが登録されているアバターである第1のアバターと、前記第1のアバター以外のアバターである第2のアバターとの位置関係が所定の条件を満たしたとき、前記第2のアバターを操縦するプレイヤーが操作する端末装置(以下、第2の端末装置と呼ぶ)において、前記第2のアバターがメッセージを受け取った態様で、前記第1のアバターのメッセージを出力可能にするメッセージ出力許可手順と、を実行させるプログラムである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記メッセージ出力許可手順が、前記第1、第2のアバター間の距離が所定距離以下であったとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記仮想社会構築手順が、小社会であるステージを複数有する仮想社会を構築し、前記メッセージ出力許可手順が、前記第1、第2のアバターが同一のステージに存在しているとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、前記コンピュータシステムをサーバ装置を含むシステムで構成し、前記メッセージ登録手順を、入力された全てのメッセージを前記サーバ装置に登録するとともに、この全てのメッセージの識別情報を各端末装置に記憶する手順とし、さらに、前記メッセージ出力許可手順を、前記第2の端末装置で記憶している前記全てのメッセージの識別情報のうち、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージの識別情報を前記第2の端末装置に表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む手順としたことを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜3の発明において、前記コンピュータシステムをサーバ装置を含むシステムで構成し、前記前記メッセージ登録手順を、入力されたメッセージを前記サーバ装置に登録する手順とし、さらに、前記メッセージ出力許可手順を、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージのうち識別情報のみを前記第2の端末装置にダウンロードして表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む手順としたことを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜5の発明において、前記コンピュータシステムに、各アバターが受け取るべき前記メッセージの属性を指定する受信属性指定手順を、さらに実行させるとともに、前記メッセージ登録手順を、属性情報が付加されたメッセージを登録する手順とし、前記メッセージ出力許可手順を、前記第1、第2のアバターの位置関係が所定の条件を満たし、且つ、前記第1のアバターのメッセージの属性と前記第2のアバターについて指定されている属性とが一致した場合のみ、前記第1のアバターのメッセージを前記第2の端末装置で出力可能にする手順としたことを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1〜6の発明において、前記メッセージ登録手順を、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順とするとともに、前記コンピュータシステムに、前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーに前記特定の商品を販売する商品販売手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記コンピュータシステムに、前記商品販売手順により、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われたとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜6の発明において、前記メッセージ登録手順を、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順とするとともに、前記コンピュータシステムに、前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記ネットワークに接続され、前記特定の商品を販売する商品販売サーバに、前記第2の端末装置を接続する商品販売仲介手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記コンピュータシステムに、前記商品販売仲介手順で接続された商品販売サーバから、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われた旨の情報を受信したとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順をさらに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明は、請求項8〜10の発明において、前記仮想社会構築手順を、前記アバターに仮想社会内で通用する仮想通貨を所有させる手順を含む手順とし、前記報酬提供手順は、前記第1のアバターが所有する仮想通貨を増加させる手順を含む手順としたことを特徴とする。
【0024】
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のプログラムを実行するコンピュータシステムである。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、複数のアバターの位置関係が特定の条件を満たしたとき、相互間でメッセージの送受が行われるため、アバター同士が積極的にコミュニケーションをとらなくても、たとえばすれ違っただけで、そのすれ違った他人アバターの個性や性格等の情報を気楽に知ることができ、また、自己のアバターの個性や性格等の情報を他人アバターに気楽に知らせることができる。また、プレイヤーに偶然的な情報の授受の楽しさを与えることができる。
【0026】
また、この発明によれば、他人アバターと積極的にコミュニケーションをとらなくても、特定の商品の評価メッセージであるレビューを気楽に入手することができ、その商品を販売しているサーバへ端末装置を接続することができるため、他のプレイヤーのレビューを参考にして商品を入手することが容易になる。
【0027】
また、この発明によれば、レビューが契機となって、他のプレイヤーが商品を購入したとき、第1の端末装置で操作されるアバターに報酬が付与されるため、メッセージによるコミュニケーションをより促すことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<<ゲームの概要説明>>
まず、この発明が適用されたコンピュータシステムで展開されるオンラインゲームについて説明する。
このゲームは、ポータルサーバと、端末装置であるパーソナルコンピュータとをインターネット等のネットワークを介して接続したコンピュータシステムで実行される多人数同時参加型のネットワークゲームであり、ポータルサーバや端末装置の情報処理機能(特に画像処理機能)を用いて仮想的に創り出した仮想社会に、各端末装置の利用者であるプレイヤーが、その端末装置を介して操作する仮想のキャラクタであるアバターを登場させ、このアバターを仮想社会に住まわせたり、種々の活動をさせるゲームである。なお、この実施形態の説明では、プレイヤーの操作を、適宜アバターの活動として表現する場合がある。
【0029】
仮想社会は、複数のステージからなり、アバターは、1つのステージ内で移動可能であるとともに、各ステージ間を移動することもできる。各ステージは、懐かしい街、近代的な街、海岸、野原等それぞれ独自に特徴づけされている。
【0030】
本コンピュータシステムにおいて、ポータルサーバはポータルサイトを運営するとともに、このポータルサイト上で上記ゲームのゲーム画像を表示する。これによって、ポータル機能と連携したゲーム画像を表示することができ、興趣性の高いポータルサイトを提供することができる。例えば、ゲームの仮想社会の店舗やアイテムにリンクが設定されており、プレイヤーがマウスクリック等により店舗やアイテムを選択すると、ポータルサーバは、そのプレイヤーの端末装置をリンク先に接続する。また、プレイヤーが、ポータルサイトで検索を行うと、端末装置には、検索内容に対応する仮想社会の領域が検索結果として表示される。例えば、「ゲーム」で検索を行った場合に、ゲームに関連するサイトの一覧が表示されるとともに、仮想社会におけるゲームセンタ等が表示される。
【0031】
このネットワークゲームにおいて、アバターは、プレイヤーによる端末装置の操作に対応して、仮想社会内を移動する。また、アバターは、服や眼鏡等種々のアイテムを着用する。このアイテムも仮想社会内でアバターが着用する仮想のアイテムである。プレイヤーは、自己のアバターに種々のアイテムを着用させることにより、アバターを自分の気に入った外観で仮想社会で活動させることができる。プレイヤーは、これらのアイテムを、仮想社会内に設置されている店舗で購入したり、他のアバターから貰う・交換する等により、自己のアバターのために入手することができる。アイテムの購入には、この仮想社会内で通用する仮想通貨が使用される。
【0032】
さらに、プレイヤーは、自分が(端末装置を介して)操作するアバターである「自己のアバター」の個性や性格を表現するための方法として、アバターにアイテムを着用させることに加えて、アバターにメッセージを持たせることができる。このメッセージは、画像で作成されたキャラクタであるアバターにそれぞれプレイヤーの分身と言えるような個性を付け加えるためのものであり、プレイヤーが自分の趣味や意見等を書き込んで自己のアバターのために登録する。自己のアバターが仮想社会内で他のプレイヤーが(他の端末装置を介して)操作するアバターである「他人アバター」とすれ違ったとき、自己のメッセージが他人アバターに送信される。そして、他人アバター(他人アバターのプレイヤー)に、そのメッセージを読んでもらうことによって、自己のアバターの個性や性格を知ってもらうことができる。また、逆に、自己のアバターが他人アバターとすれ違ったとき、自己のアバターが他人アバターからメッセージを受け取ることもある。プレイヤーは、そのメッセージを読むことにより、その他人アバター(またはその他人アバターそのプレイヤー)の個性や性格を知ることができる。以下、メッセージの送り側を第1のアバター、第1のプレイヤー、または、第1の端末装置と呼び、メッセージの受け側を第2のアバター、第2のプレイヤー、または、第2の端末装置と呼ぶ場合がある。
【0033】
また、プレイヤーは、メッセージとしてある具体的な商品の評価(レビュー)を自己のアバターに持たせることができる。レビューには、その評価している商品をインターネット上で販売する商品販売サーバへのリンクが張られている。このリンクは、ポータルサーバ経由で端末装置を商品販売サーバへ接続するリンクである。第2のプレイヤーは、そのレビューを読んで、その商品に関心を持った場合、端末装置上でそのリンクを操作することにより、端末装置を商品販売サーバに接続し、その商品をインターネットで購入することができる。そして、このようにして商品が購入された場合、第1のアバターまたは第1のプレイヤーに対して、商品販売のきっかけを作ったことに対するアフィリエイト(報酬)が付与される。アフィリエイトは一般的に仮想通貨で付与される。
【0034】
<<ゲームの詳細説明>>
以下、図面を参照してゲームについて詳細に説明する。
前記ポータルサーバと複数の端末装置とで創り出される仮想社会は、複数のステージで構成される。各ステージは、たとえば家や店舗のある街、川が流れている野原、海岸等それぞれ異なる態様にされている。
【0035】
図1は、このうち街のレイアウトを俯瞰的に示す図である。この街には、電車の駅100や各種の商品を販売している店舗101や公園102等がレイアウトされている。この実施形態では、1つのステージは、200セル×200セルの40000セルで構成されている。アバターとアバターとの距離は、セル単位で測定される。なお、1つのセルにはアバターが5人まで入ることができ、同じセルにいる複数のアバターの距離は0である。
【0036】
プレイヤーがこのネットワークゲームにログインすると、そのプレイヤーのアバターが電車の駅100に立っているところからゲームがスタートする。プレイヤーは、自己のアバターをこの街の中で移動させて店舗101や公園102等を訪れさせることができる。また、自己のアバターを電車103に乗せて他のステージに移動させることもできる。
【0037】
図2は、図1に示したステージ「街」のモニタ表示例を示す図である。各端末装置のモニタ26には、図1に示した街の一部の風景がほぼ水平の視線で表示されるため、このような画面となる。この図は、図1の店舗101A(たばこや)付近の風景を示している。ここには、自己のアバター110および複数の他人アバター111が表示されている。プレイヤーは、画面上をマウスクリックすることで、自己のアバター110をそのマウスクリックの方向に移動(歩行)させることができる。また、プレイヤーが店舗101Aをマウスクリックすることにより、自己のアバター110をこの店舗101Aに入店させることができる。さらに、プレイヤーが電車103をクリックすることにより、自己のアバター110を電車103に乗車させて、他のステージに移動させることができる。
【0038】
図3は、アバターが各種のアイテムを着用している例を示す図である。男性のアバターは、図2の自己のアバター110に示したような基本形状をしている。この基本形状を素体といい、図3では120の番号で示す。プレイヤーは、このアバターの素体120に各種のアイテムを着用させることにより、アバターを自己の好みの外観にすることができる。図3では、素体120に、カツラ (髪形)121、眼鏡122、Tシャツ123、ジャケット124、パンツ125、靴126のアイテムを着用させて、図示のような外観に仕上げている。
【0039】
<<システム構成の説明>>
図4は、上記ネットワークゲームを実行するコンピュータシステムの構成を説明する図である。このコンピュータシステムは、ポータルサーバ1、複数の端末装置2および1または複数の商品販売サーバ5がインターネット3を介して接続されて構成されている。さらに、ポータルサーバ1および商品販売サーバ5は、一般的なサーバコンピュータまたはワークステーションで構成すればよく、端末装置2は、一般的なパーソナルコンピュータで構成すればよいため、そのハードウェア構成の詳細説明は省略する。
【0040】
ポータルサーバ1は、仮想社会や複数のアバターのデータを蓄積記憶したサーバデータベース11(図5、図6参照)、このネットワークゲームの全体進行を制御管理するゲーム進行管理部12、店舗においてアバターに対するアイテムの販売およびアフィリエイトの発行を制御管理するアイテム販売管理部13、および、端末装置2等との通信を制御する通信制御部14を備えている。ゲーム進行管理部12は、ゲーム進行管理プログラムによるゲーム進行管理処理が、ポータルサーバ1のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。アイテム販売管理部13は、アイテム販売管理プログラムによるアイテム販売管理処理が、ポータルサーバ1のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。また、通信制御部14は、通信制御プログラムによる通信制御処理が、ポータルサーバ1のCPU、通信関連周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。
【0041】
端末装置2は、自機においてネットワークゲームを進行させるためのデータを記憶するローカルデータベース21、モニタ26にゲーム画面を表示させる表示制御部22、端末装置2の利用者であるプレイヤーの操作を受け付ける操作管理部23、ポータルサーバ1等との通信を制御する通信制御部24、および、自機においてゲームの進行を制御するゲーム進行管理部25を備えている。表示制御部22にはモニタ26が接続される。表示制御部22は、表示制御プログラムによる表示制御処理が、端末装置2のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。操作管理部23は、操作管理プログラムによる操作管理処理が、端末装置2のCPUやマウス・キーボード等の周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。また、通信制御部24は、通信制御プログラムによる通信制御処理が、周辺機器2のCPU、通信関連周辺機器等のハードウェア資源によって実現された機能部である。ゲーム進行管理部25は、ゲーム進行を制御するプログラムによるゲーム進行制御処理が、端末装置2のCPU等のハードウェア資源によって実現された機能部である。
【0042】
端末装置2において、このネットワークゲームは、インターネットブラウザで表示されるものとしてもよく、独立したアプリケーションプログラムで実行されるものとしてもよい。インターネットブラウザで表示されるものとした場合、ゲームプログラム(表示制御プログラム、操作管理プログラム、通信制御プログラム等)は、インターネットブラウザのプラグインとして提供される。これらのプログラムは、CD−ROM等のメディアを用いて端末装置2に予めインストールされていてもよいが、インターネットブラウザのプラグインとして提供される場合等は、端末装置2が最初にポータルサーバ1にログインしたときにポータルサーバ1から自動的にダウンロードされるようにしてもよい。また、ローカルデータベース21は、上記プログラムと同時に構築されるようにすればよい。ローカルデータベース21や各プログラムは、端末装置2がポータルサーバ1にログインする都度、最新のものがポータルサーバ1からダウンロードされて更新される。
【0043】
操作管理部23は、プレイヤーの操作を監視し、検出した操作内容で、自装置における自己のアバターのデータを更新するとともに、この操作内容を表す操作情報を通信制御部24を介してポータルサーバ1に送信する。ポータルサーバ1(ゲーム進行管理部12)は、各端末装置2から送られてきた操作情報に基づいて各プレイヤーのアバターを活動させるようにゲームの進行を管理する。このゲームの進行の管理は、仮想社会の状態を全て記憶するサーバデータベース11の内容を、そのときの仮想社会の状態に合うように更新することによって行われる。ポータルサーバ1のゲーム進行管理部12は、データベース11の更新情報を定期的に各端末装置2に送信する。各端末装置2(各ゲーム進行管理部25)は、ポータルサーバ1から送られてきた更新情報に基づいてローカルデータベース21を更新するとともに、これに合わせて画面表示を更新することによってゲームを進行させる。
【0044】
ポータルサーバ1のアイテム販売管理部13は、いずれかのプレイヤー(端末装置2)で操作されるアバターが仮想社会に設けられている店舗を訪問したときに機能する。アイテム販売管理部13は、店舗を訪問したアバターを操作する端末装置2に対してその店舗の販売アイテムの詳細情報を送信したり、アバター(プレイヤー)がアイテムを購入したときには、そのアイテムをそのプレイヤーの所有アイテムテーブルに登録し、所有仮想通貨からそのアイテムの価格分を減算したり、また、上記経由訪問による販売であった場合には、アバターBさんにアフィリエイトを発行したりする。
【0045】
商品販売サーバ5は、たとえば販売する商品の種類や店舗ごとに複数がインターネット3に接続されている。この商品販売サーバ5は、従来より一般的なインターネット通信販売のサイトを運用するサーバコンピュータであり、サイトを訪問した閲覧者に対して商品の販売契約処理(およびクレジット支払い処理)をオンラインで行う機能を有している。なお、商品の発送は係員が行うのが一般的である。この商品販売サーバ5が従来より一般的な商品販売サーバと異なる点は、上で説明したネットワークゲームにおいて第1のアバターから受け取ったメッセージ(レビュー)を経由して、インターネット通信販売サイトを運用する商品販売サーバ5を訪問(経由訪問)した顧客(第2のプレイヤー)が商品を購入した場合、顧客がこのサイトを訪問するきっかけとなった第1のアバターまたは第1のプレイヤーに対してアフィリエイトを発行する。このアフィリエイトの発行は、この商品販売サーバ5からポータルサーバ1への申請により、ポータルサーバ1によって行われる。
【0046】
図5、図6は、サーバデータベース11の構成を示す図である。サーバデータベース11は、仮想社会の構成を記憶する仮想社会データ記憶部30、複数のアバターについてのデータを記憶するアバターデータ記憶部40、および、この仮想社会で販売・所有・着用される複数のアイテムについてのデータを記憶するアイテムデータ記憶部50を有している。
【0047】
仮想社会記憶部30は、複数のステージの各々の構成を記憶するステージデータ記憶部31、各ステージに立っている家や駅や公園等の建物のデータを記憶する建物データ記憶部32、店舗で販売されるアイテムを管理する販売アイテムデータ記憶部33を有している。アバターデータ記憶部40は、ポータルサーバ1に登録されている複数のアバターに関する情報や仮想通貨の所有額を記憶するアバター本体データ記憶部41、アバターの素体画像を記憶するアバター素体画像データ記憶部42、各アバターが持っているメッセージ、すなわち、各プレイヤーが自己のアバターのために登録したメッセージ(送信メッセージ)を記憶する送信メッセージデータ記憶部43を有している。
【0048】
ステージデータ記憶部31は、各ステージごとに設定されたステージデータをステージ分記憶している。各ステージデータは、そのステージの名称(たとえば「懐かしい街」等)を示すステージ名称データ、そのステージにおける建物などの配置が書き込まれたマップデータおよびこのマップデータ上に配置される建物を指定する建物指定データ等を含んでいる。
【0049】
建物データ記憶部31は、各建物ごとに設定された建物データを各建物の分だけ記憶している。各建物データは、建物の名称(例えば、「○○デパート」等)を示す建物名称データ、その建物の外観の画像である建物画像データ、建物種類データ(店舗、民家、入室可能か否か等)、入室可能な建物の場合には内部レイアウトデータ、さらに、アイテムを販売する店舗の場合には、販売アイテムを指定するアイテム指定データを含む。なお、建物データは、構造物だけに限らず道端の露店のようなものについても設定されている。
【0050】
販売アイテムデータ記憶部33は、この仮想社会のいずれかの店舗で販売されるアイテムごとに設けられる販売アイテムデータを記憶している。各販売アイテムデータは、そのアイテムをアイテムデータ記憶部50に記憶されているアイテムから指定するアイテム指定データおよびそのアイテムの価格を示す価格データを含んでいる。
【0051】
アイテムデータ記憶部50は、各アイテムごとに設定されたアイテムデータを記憶している。各アイテムデータは、そのアイテムを識別するためのアイテムID、アイテムの名称(「赤い傘」等)を示すアイテム名称データ、アイテムの外観等を表すアイテム画像データ、そのアイテムがアバターのどこに着用されるか等を指示するアイテム種類データ等を含んでいる。
【0052】
また、プレイヤーデータ記憶部41は、ポータルサーバ1に登録されているアバター(プレイヤー)毎に設定されたプレイヤーデータを記憶している。各プレイヤーデータは、そのプレイヤーのアバターの名称を示すアバター名称データ、そのプレイヤーが選択したアバターの素体の画像を指定する素体選択データ、そのアバターがどのステージの何処の座標に存在するかを示す位置データ、このアバターが所有または着用しているアイテムが登録されるアイテムテーブル、仮想社会内で使用される仮想通貨の所持金額を表す所持金額データ等を含み、さらに、他人アバターから受信するメッセージの属性を指定する受信属性指定データ、および、他人アバターから受信したメッセージの書誌データを記憶する受信メッセージリスト45を含んでいる。メッセージの属性とは、メッセージ内容の分野を示すカテゴリーであり、図7を参照して後述する。また、受信メッセージリスト45の詳細は、図6(A)を参照して後述する。
【0053】
アバター素体画像データ42は、アバター本体データ41の素体選択データによって選択される複数のアバター素体画像を記憶している。アバター素体画像は、たとえば、図2に示したアバター110等のような画像である。送信メッセージデータ記憶部43は、各プレイヤーがそれぞれ自己のアバターに対応づけて登録したメッセージデータを記憶するエリアである。
【0054】
図6(A)を参照してメッセージデータの構成について説明する。ここで、メッセージは、特定の商品についての評価であるレビュー、および、レビュー以外の一般のメッセージの2種類ある。このレビュー以外の一般のメッセージ(狭義のメッセージ)を一般メッセージと呼び、レビュー,一般メッセージを含む広義のメッセージを、単にメッセージと呼ぶ。メッセージデータは、このメッセージを識別するためのメッセージID、このメッセージがレビューであるか一般メッセージであるかを識別する種類情報、そのメッセージの分野を示すカテゴリー情報、および、そのカテゴリーのなかの細分化されたジャンルを示すジャンル情報を含んでいる。
【0055】
ここで、図7を参照して、カテゴリーおよびジャンルについて説明する。同図(A)は、一般メッセージのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図である。カテゴリーは、このオンラインゲームに参加するプレイヤーが関心を持ちそうな分野が選択される。この例では、音楽、映画、ゲーム、身の周りのこと、その他のカテゴリーが選択されている。そして、各カテゴリーの中に複数のジャンルが設定されている。カテゴリー「音楽」では、今の流行曲、JPOP、洋楽、ジャズ・クラシック、その他のジャンルが設定されている。カテゴリー「映画」では、洋画、邦画、アクション、恋愛・コメディ、サスペンス・ホラー、SF・ファンタジー等が設定されている。カテゴリー「ゲーム」では、アクションゲーム、RPG、スポーツゲーム、テーブル・パズルゲーム、アドベンチャーゲーム、オンラインゲーム、その他が設定されている。ジャンル「身の周りのこと」では、今週話題のネタ、趣味・マイブーム、恋愛、家族・友人、職場・学校等のジャンルが設定されている。また、ジャンル「その他」では、スポーツ・芸能、政治・経済、テレビ、ファッション等のジャンルが設定されている。
【0056】
また、同図(B)は、レビューのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図である。設定されているジャンル、カテゴリーは、上記一般メッセージとほぼ同様であるが、レビューを書く場合には、具体的に商品となるものが必要であるため、この仮想社会でアイテムとして販売される商品が含まれる音楽、映画、ゲームの3カテゴリーのみが選択可能になっている。
【0057】
この仮想社会で販売されるアイテムには、アバターが着用する衣服等、仮想社会のみで利用されるものが多いが、プレイヤーが利用可能なものも販売される。プレイヤーが利用可能なアイテムとしては、たとえば、ダウンロード可能な音楽データ、オンデマンドのインターネット動画データやオンラインゲームなどがある。これらのアイテムの購入・使用は、ゲームにおいては、仮想社会でアバターが購入して利用する形態で実行されるが、実際にはプレイヤーが音楽データをダウンロードして聴取したり、動画データを再生したり、オンラインゲームをプレイしたりして楽しむことができる。このようなプレイヤーが実社会で利用可能なアイテムのアイテムデータには、そのアイテムをプレイヤーに向けて販売する商品販売サーバのアドレス(URL)のリンクデータが含まれている。
【0058】
なお、プレイヤーは、仮想社会のみでアバターが利用できるアイテムについても利用可能である。また、プレイヤーは、上記音楽データ、動画データ、ゲーム等ソフトウェアに限らず、現実の商品(物)についてもレビューをすることができる。そのためには、サーバデータベースのアイテムデータ記憶エリア50に、上記現実の商品を模した仮想アイテムが登録されていればよい。この場合にも、このアイテムデータには、そのアイテムをプレイヤーに向けて販売する商品販売サーバのアドレス(URL)のリンクデータが含まれている。
【0059】
プレイヤーは自己のアバターのためにメッセージを登録するとき、その登録ウィンドウに表示されるプルダウンメニューからこのカテゴリーおよびジャンルを選択する。また、各プレイヤーが他人アバターから受信するメッセージの属性を指定する場合、1または複数のカテゴリーおよび/またはジャンルを指定する。なお、本実施形態では、一般メッセージ,レビューの種類は指定できないが、指定できるようにしてもよい。
【0060】
図6(A)にもどって、メッセージ本体は、タイトルおよび本文からなる。本文は200文字程度のテキストである。タイトルは、プレイヤーが自由に入力可能にしてもよいが、レビューが入力される場合には、具体的な商品名(CDタイトルや映画の題名等)を入力する必要があるため、カテゴリー,ジャンルと同様に、プレイヤーにプルダウンメニューから選択させるようにしておけばよい。
【0061】
そして、図6(B)に示す受信メッセージリスト45には、受信したメッセージの書誌データとしてメッセージID、送信者(アバター名)、メッセージ種類、カテゴリー、ジャンル、タイトルが記憶される。
【0062】
プレイヤーは、自己のアバターの受信メッセージリスト45を端末装置2のモニタ26に表示し、マウス等で選択することにより、そのメッセージをモニタ26に表示することができる。また、受信メッセージリスト45を表示した状態で、受信メッセージを削除等する操作をすることができる。
【0063】
なお、この実施形態では、メッセージをテキストとしているが、メッセージはテキストに限定されない。たとえば、音声、静止画、動画など端末装置から出力可能なものであれば、どのようなものでもよい。
【0064】
ポータルサーバ1は、サーバデータベース11として、図5,図6に示すデータ群を常時記憶している。端末装置2のローカルデータベース21は、サーバデータベースとほぼ同様の構成・内容を有している。サーバデータベース11とローカルデータベース21とで異なる点は、ローカルデータベース21が、他人アバターのプレイヤーデータを持たない点程度である。ローカルデータベース21のうち、仮想社会データ(30)、アイテムデータ(32)の定番の部分は、プログラムと一緒にインストールされる。そして、新たな部分は、プレイヤーの操作によって端末装置2が、ポータルサーバ1にログインする都度、更新データとしてダウンロードされる。
【0065】
また、自己のアバターがステージを移動すると、移動先のステージに位置する他人アバターのプレイヤーデータ等がダウンロードされる。なお、このときに移動前のステージに位置していた他人アバターのプレイヤーデータは破棄される。
【0066】
また、自己のアバター,他人のアバターは常に移動し、着用するアイテムや所持するアイテムが変更されることもあるため、ポータルサーバ1は、各端末装置2からアバターの位置の変更等のプレイヤーデータの変更を示す情報を受信したときに、サーバデータベース11のプレイヤーデータを更新し、この更新したデータを更新情報として定期的に各端末装置2に送信する。
【0067】
≪動作の説明≫
図8〜図13のフローチャートを参照して、図4に示したコンピュータシステムの動作について説明する。
図8(A)は、ログイン時の動作を示すフローチャートである。プレイヤーが端末装置2を用いて、ID,パスワードを入力する等のログイン操作を行うと(S1)、端末装置2は、このログイン操作情報をポータルサーバ1に送信する(S2)。
【0068】
ポータルサーバ1は、端末装置2からログイン操作情報を受信すると(S3)、(このログイン操作情報が正しいことを前提として)そのプレイヤーをログイン登録し、そのアバターを仮想社会に登場させるべく処理を行う(S4)。そして、このプレイヤーの操作する端末装置2に対して最新のデータを送信する(S5)。
【0069】
端末装置2は、ポータルサーバ1から送られてきたデータを受信し、このデータで自装置のローカルデータベース21を更新する(S6)。そして、このローカルデータベース21に書き込まれているデータに基づいて仮想社会をモニタ26に表示するとともに、この仮想社会にそのとき登場しているアバター(自己のアバターを含む)を表示して、この端末装置2においてゲームをスタートさせる(S7)。
【0070】
ゲームの進行は、複数の端末装置2から送信されてくる操作情報に基づいてポータルサーバ1のゲーム進行管理部12が管理しており、ログインした端末装置2では、ポータルサーバ1から送られてくる更新データに基づき、ゲーム進行管理部25がゲームの進行を管理する。
図8(B)は、端末装置2におけるゲーム進行処理を示すフローチャートである。ポータルサーバ1のゲーム進行管理部12は、各アバターの移動やアイテムの所有・着用等の、ローカルデータベースを更新するための更新データを各端末装置2に対して定期的に送信する(S10)。端末装置2は、ポータルサーバ1から送られてきた更新データを受信して(S11)、ローカルデータベース21を更新するとともに(S12)、この更新データに基づいて、モニタの画面表示を更新する(S13)ことにより、ゲームを進行させる。このゲームの進行において、他人アバターが移動していた場合には(S14)、この他人アバターと自己のアバターとのすれ違いを判定するすれ違い判定処理を実行する(S15)。
【0071】
すれ違い判定処理とは、自己のアバターと他人アバターが所定距離以下に接近したか、すなわち、すれ違ったかを判定し、すれ違った場合にはその他人アバター(第1のアバター)が持っている、すなわち、第1のプレイヤーが第1のアバターのために登録したメッセージを受け取るか否かを判定する処理である。この処理については、図11(B)を参照して後述する。
【0072】
図9は、プレイヤーによるアバター移動操作に対応したコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
同図(A)は、端末装置2の動作を示すフローチャートである。プレイヤーは、自己のアバターを移動させる場合、端末装置2の画面上において、移動させたい方向の適当な位置、または、入店させたい店舗や乗車させたい乗り物等をマウスでクリックする。端末装置2は、これらの移動操作入力を受け付ける(S20)。移動させたい方向の適当な位置や入店させたい店舗等がクリックされた場合、自己のアバターは同一ステージ内で移動するよう制御され、図1における電車103等の乗り物がクリックされた場合、自己のアバターは他のステージに移動するよう制御される。
【0073】
端末装置2は、プレイヤーによる移動操作が、同一ステージ内での移動操作であるかステージ移動の操作であるかを判断する(S21)。同一ステージ内での移動操作の場合には(S21でNO)、アバターをこの移動操作に従って更新した位置に移動させるとともに(S22)、この移動操作情報をポータルサーバ1に送信する(S23)。こののち、すれ違い判定処理を実行する(S24:図11(B)参照)。
【0074】
また、ステップS20の移動操作がステージ移動の操作であった場合には(S21でYES)、端末装置2は、このステージ移動操作情報をポータルサーバ1に送信する(S25)。その後、ポータルサーバ1から移動先の新たなステージのデータ(新たなステージに存在する他のアバターのプレイヤーデータ等)を受信して(S26)、このデータでローカルデータベース21を更新し(S27)、このステージの画像とアバターを表示してこのステージにおいてゲームを再開する(S28)。そして、このステージにおける自己のアバター位置ですれ違い判定処理を実行する(S29:図11 (B)参照)。
【0075】
同図(B)は、端末装置2から、ステージ内での移動操作情報を受信したときのポータルサーバ1の動作を示すフローチャートである。ポータルサーバ1は、端末装置2が、同図(A)のステップS23で送信したステージ内での移動操作情報を受信する(S31)。そして、この端末装置2に対応するアバターデータの位置データをこの移動操作に基づいて更新する(S32)。この更新された位置データは、他の端末装置2に対しては、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に送信される。
【0076】
同図(C)は、端末装置2から、ステージを移動する旨の操作情報を受信したときのポータルサーバ1の動作を示すフローチャートである。ポータルサーバ1は、端末装置2が、同図(A)のステップS25で送信したステージ移動情報を受信して(S34)、この端末装置2に対応するプレイヤーデータの位置データをこのステージ移動情報に基づいて更新する(S35)。位置データは、新しいステージへ登場したときのデフォルトの位置に設定される。そして、この新たなステージのデータを端末装置2に対して送信する(S36)。このアバターの更新された位置データは、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に、他の各端末装置2に送信される。
【0077】
このように、端末装置2では、移動操作情報をポータルサーバ1に送信するとともに、(ポータルサーバからの更新データの受信を待たずに)自己のアバターの位置を更新しているが、自己のアバターについても、ポータルサーバ1からの更新データの受信を待って移動させるようにしてもよい。
【0078】
図10は、メッセージ登録動作を示すフローチャートである。プレイヤーのメッセージ登録の操作により、この処理がスタートする。端末装置2は、プレイヤーのメッセージ登録操作に対応してメッセージ登録ウィンドウを表示する(S40)。このメッセージ登録ウィンドウには、メッセージ種類、カテゴリー、ジャンルおよびタイトルを選択するプルダウンメニューが設けられる。
【0079】
まず、今回登録するメッセージの種類の選択入力を受け付ける(S41)。メッセージの種類とは、上述したように一般メッセージであるかレビューであるかの種類である。メッセージ種類が選択入力されると、それに合わせたカテゴリーを列記したプルダウンメニューを有効にして、カテゴリーの選択入力を受け付ける(S42)。カテゴリーが選択入力されると、それに合わせたジャンルを列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、ジャンルの選択入力を受け付ける(S43)。
【0080】
そして、ジャンルが選択入力されると、一般メッセージの場合には、タイトル入力エリアを表示してタイトルの自由入力を可能にする(S44)。一方、レビューの場合には、そのジャンルの商品名を列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、タイトルの選択入力を受け付ける(S44)。プルダウンメニューに表示される商品名は、アイテムデータ(図5参照)に含まれるアイテム名称データである。端末装置2のゲーム進行管理部25は、アイテムデータに含まれるジャンルデータ(図示せず)に基づいて、選択入力されたジャンルに対応するアイテムを選出し、選出したアイテムの名称データを商品名としてプルダウンメニューに表示する。こののち、プレイヤーによるメッセージ本文の入力を受け付け(S45)、メッセージ本文の入力が終了すると、以上の操作で入力されたメッセージデータをポータルサーバ1に送信して(S46)、動作を終了する。なお、タイトルの入力、メッセージ本文の入力は、たとえばキーボードを用いることができる。
【0081】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきたメッセージデータを受信する(S47)。そして、このメッセージデータを、このデータを送信してきた端末装置2に対応するアバターに対応づけて送信メッセージデータ記憶部43に登録する(S48)。この登録されたメッセージデータの書誌データは、他の端末装置2に対しては、図8(B)に示した定期的なデータ更新時に、他の各端末装置2に送信される。この書誌データが本発明の(メッセージの)識別情報に対応する。なお、本発明の識別情報は、この書誌データに限定されない。たとえば、書誌データのうちの一部(たとえばメッセージIDのみ)であってもよい。
【0082】
図11(A)は、受信メッセージの属性指定処理を示すフローチャートである。この動作は、プレイヤーが端末装置2に対して受信メッセージ属性指定操作をしたときに実行される。端末装置2は、プレイヤーによる受信メッセージ属性指定操作に対応して、属性指定ウィンドウを表示する。この属性指定ウィンドウには、カテゴリー、ジャンルを選択するプルダウンメニューが設けられる。まず、メッセージの全カテゴリーを列記したプルダウンメニューを有効にして、カテゴリーの選択入力を受け付ける(S101)。カテゴリーが選択入力されると、それに合わせたジャンルを列記したプルダウンメニューの選択入力を有効にして、ジャンルの選択入力を受け付ける(S102)。以上の処理によって選択された受信メッセージの属性指定データをローカルデータベース21に登録する(S103)。以上の処理をプレイヤーによって終了操作が行われるまで繰り返す(S104でNO)。これにより、複数の属性指定データを一括して設定することができる。
【0083】
プレイヤーによって終了の操作が行われると(S104でYES)、ローカルデータベース21に登録した受信メッセージの属性指定データをポータルサーバ1に送信して(S105)、端末装置2の処理を終了する。
【0084】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきた属性指定データを受信する(S106)。そして、この属性指定データを対応するアバター本体データの受信属性指定データとして登録する(S107)。
【0085】
なお、このオンラインゲームでは、受信メッセージの属性指定データが設定されていない場合、そのアバターは、全てのメッセージを受信可能であるとしてメッセージ受信処理を実行する。
【0086】
図11(B)は、すれ違い判定(メッセージ受信)処理動作を示すフローチャートである。この動作は、各端末装置2において実行される動作であり、その端末装置2が制御するアバター(自己のアバター)と他のアバター(他人アバター)との距離を算出し、その距離が一定値以下になったとき、すなわち、すれ違ったとき、その他人アバターが登録しているメッセージを自装置で表示可能に設定する処理である。
【0087】
まずそのときの自己のアバターの位置データと判定対象の他人アバターの位置データとから距離を算出する(S51)。ここで、判定対象の他人アバターの選出方法は任意である。たとえば、自己のアバターが移動したことに対応してこの処理を実行する場合(図9(A)のS24、S29)には、同じステージにいる全ての他人アバターを判定対象とし、他人アバターが移動したことに対応してこの処理を実行する(図8(B)のS15)場合には、その移動した他人アバターのみを判定対象としてもよい。また、端末装置2のモニタ26に表示されている領域に含まれる他人アバターのみを判定対象としてもよい。
【0088】
次に、この算出した距離が所定の基準距離以下であるかを判定する(S52)。基準距離以下であれば、その他人アバターとすれ違っているとして、その送信メッセージデータ記憶エリアを検索して、その他人アバターに送信メッセージがあるかを判定する(S53)。送信メッセージがある場合には(S53でYES)、その属性(カテゴリーまたはジャンル)が自己のアバターについて設定している受信属性指定データに該当するものかを判定する(S54)。該当する場合には(S54でYES)、そのメッセージの書誌データを、自己のプレイヤーデータの受信メッセージリストに登録して(S55)、閲覧可能にする。
【0089】
ゲームの進行においては、自己のアバターが他人アバターとすれ違ったとき、他人アバターからメッセージが飛んでくる(受信する)という設定であるが、コンピュータシステムが内部で実行しているゲーム進行においては、予め端末装置2にメッセージの書誌データがダウンロードされており、端末装置2ですれ違いを判定して、そのメッセージの書誌データを受信メッセージリストに転記して、プレイヤーの閲覧操作があったときに公開するという処理が実行されている。
【0090】
図12は、受信メッセージ閲覧処理を示すフローチャートである。プレイヤーが端末装置2に対して受信メッセージの閲覧操作を行うと、端末装置2は、図6(B)の受信メッセージリストをモニタ26にウィンドウ表示する(S60)。そして、プレイヤーによるメッセージ選択操作を受け付ける(S61)。プレイヤーによって受信メッセージリストのなかからメッセージが選択されると、そのメッセージIDをポータルサーバ1に送信する(S62)。
【0091】
ポータルサーバ1は、このメッセージIDを受信して(S57)、このメッセージIDで識別されるメッセージデータのメッセージの本文を読み出し(S58)、このメッセージの本文を端末装置2に対して送信する(S59)。
【0092】
端末装置2は、ポータルサーバ1から送信されてきたメッセージの本文を受信し(S63)、この本文をタイトルとともにモニタ26に表示する(S64)。消去操作が行われるまで、この表示を継続する(S65でNO)。消去操作が行われれば(S65でYES)、このメッセージのタイトルおよび本文を消去して(S66)動作を終了する。
【0093】
一方、表示されているメッセージがレビューの場合(S67でYES)、表示されているタイトル部分がプレイヤーによってクリックされると(S68でYES)、端末装置2は、商品販売サーバと通信して商品の購入処理に進む。この商品購入処理は、図13を参照して説明する。
【0094】
図13は、端末装置2の商品購入処理、商品販売サーバ5の商品販売処理、および、ポータルサーバ1の中継処理を示すフローチャートである。
端末装置2は、プレイヤーによってレビューのタイトルがクリックされた(図12のS68でYES)ことに対応して、その商品が選択された旨の情報(商品選択情報)をポータルサーバ1に対して送信する(S71)。
【0095】
ポータルサーバ1は、端末装置2から送信されてきた商品選択情報を受信し(S81)、この商品選択情報に含まれる上記タイトル即ちアイテム名(商品名)にリンクしているURLをアイテムデータ記憶エリア50から読み出して、この端末装置2を、上記指定された商品を販売している商品販売サーバ5に接続する(S82)。この接続により、商品販売サーバ5は、レビュー商品の詳細情報(在庫情報等)を端末装置に送信し(S91)、端末装置2は、この詳細情報を受信して、モニタ26にこれを表示する(S72)。
【0096】
その間に、ポータルサーバ1は、今回のレビューの送信側である第1のアバター(紹介者)と受信側である第2のアバター(訪問者)の情報を商品販売サーバ5に送信する(S83)。商品販売サーバ5は、この紹介者・訪問者の情報を受信して経由訪問テーブルに登録する(S92)。
【0097】
この詳細情報を見たプレイヤーは、端末装置2を操作してこの商品を購入するか(カートに入れる)、購入を辞めるか(ウィンドウを消去する)の操作を行う(S73)。この操作は、商品販売サーバ5にも送信される。
【0098】
プレイヤーが商品を購入する旨の操作を行った場合(S73でYES)、この操作情報は商品販売サーバ5にも受信され(S93)、端末装置2と商品販売サーバ5との間で、商品の販売・購入手続が実行される(S74,S94)。すなわち、端末装置2が、プレイヤーの操作に従って商品の購入手続を商品販売サーバ5に対して行うと(S74)、商品販売サーバ5は、代金の決済や発送の手配等の商品販売処理を行う(S94)。これにより、インターネットを介した通信販売は完了する。
【0099】
こののち、商品販売サーバ5は、経由訪問テーブルを参照して、紹介者すなわちレビューを書いた第1のプレイヤー(第1のアバター)に対するアフィリエイトの発行を、ポータルサーバ1に対して申請する(S95)。この申請に応じて、ポータルサーバ1は、アフィリエイトとして紹介者のアバター本体データの所持通貨の値を所定値増加させる(S84)。なお、所持通貨額の増加値が所定値ではなく、被紹介者であるプレイヤーの商品の購入金額に応じた額であってもよい。この場合には、アフィリエイト発行の申請の中に商品の購入金額を示す情報が含まれ、これに基づいて増加値が算出される。
【0100】
こののち、端末装置2では、メッセージおよび商品の詳細情報を消去し(S75)、商品販売サーバ5では、経由訪問テーブルから今回の紹介者・訪問者の情報を消去して(S96)、処理を終了する。
なお、ステップS73でプレイヤーが商品を購入しない旨の操作をした場合(S73でNO)には、端末装置2はS74の購入手続処理を行わずに、S75でメッセージおよび商品の詳細情報を消去し、商品販売サーバ5は、S94の販売処理、S95のアフィリエイト申請処理を行わずに、S96で経由訪問テーブルからの今回の紹介者・訪問者の情報の消去を実行して、処理を終了する。
【0101】
本実施形態において、コンピュータシステムを構成するサーバは、ポータル機能を実行するものであり、ゲーム内容はこのポータル機能と関連づけられたものであるが、この構成に限定されない。本実施形態にかかるゲームは、ロールプレイングゲームや、アクションゲーム等の他の種類のゲームであってもよく、仮想社会内においてアイテムを表示可能に所有させたアバターを活動させることができるゲームであればよい。
【0102】
なお、コンピュータシステムのシステム構成はこれに限定されず、ポータルサーバを複数の装置で構成してもよい、また商品販売サーバとしての機能も備え、現実の商品をポータルサーバで販売することができてもよい。
【0103】
また、この実施形態では、アバターのすれ違い判定を端末装置2で行っているが、ポータルサーバ1で行うようにしてもよい。また、各アバター(プレイヤー)の送信メッセージデータは、書誌データのみ各端末装置に定期的に配信しているが、本文を含めて全てのデータを配信するようにしてもよい。
【0104】
なお、ポータルサーバ1ですれ違い判定を行う場合には、すれ違いによって実際にアバターが受信したメッセージのみを端末装置2に送信するようにしてもよい。また、この場合において、すれ違ったときにメッセージの識別情報のみを端末装置2に送信し、プレイヤーがメッセージの閲覧操作をしたとき、その識別情報(メッセージID)が端末装置2からポータルサーバ1に送信され、これに応じてポータルサーバ1が端末装置2にメッセージ本文を含むメッセージデータを送信するようにしてもよい。なお、予め端末装置2に送信する識別情報は、書誌データあればよいが、これに限定されるものではない。たとえば、書誌データのうちの一部(たとえばメッセージIDのみ)であってもよい。
【0105】
また、すれ違い判定において、アバター間の距離が所定値以下であれば、メッセージ交換可能と判定しているが、この判定の基準はこれに限定しない。たとえば、同じステージに居る全てのアバター間でメッセージ交換可能としてもよく、また、たとえば、距離にかかわらず互いに見通せる位置関係(第1,第2の端末装置の双方又は一方の表示画面に表示される関係等)であればメッセージ交換可能としてもよい。
【0106】
この実施形態では、すれ違ったときにメッセージを交換するか否かを判定するとき(図11(B)のS54)の条件としてプレイヤーが予め設定した属性指定データを用いているが、属性指定データ以外に年齢、性別等のアバターの属性そのものを条件として用いてもよい。
【0107】
すれ違いによってメッセージを受信したとき、メッセージを受信した旨をプレイヤーに知らせる出力を行うようにしてもよい。例えば、メッセージ受信側の第2の端末装置において、自己のアバター(第2のアバター)がメッセージを受信したとき、自己のアバターを光らせたり、自己のアバターの頭上に「!」等のマークを表示するようにしてもよい。また、メッセージ送信側の第1の端末装置において、自己のアバター(第1のアバター)がメッセージを送信したとき、自己のアバターを光らせたり、自己のアバターの頭上に「!」等のマークを表示するようにしてもよい。さらに、このメッセージの受信・送信を知らせる出力を、第1、第2の端末装置に限らず、ゲームにログインしている全ての端末装置で行うようにしてもよい。
【0108】
なお、「アバター」とは、一般的にゲームキャラクタを含まないが、本発明においてはプレイヤーの操作によって動作するゲームキャラクタを含む。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】この発明が適用されるコンピュータシステムで実行されるネットワークゲームのステージとなる仮想社会の一例を示す図
【図2】前記仮想社会の画面表示例を示す図
【図3】アバターが各種のアイテムを着用している例を示す図
【図4】前記ネットワークゲームを実行するコンピュータシステムの構成を示す図
【図5】ポータルサーバに設けられるサーバデータベースを示す図
【図6】ポータルサーバに設けられるサーバデータベースを示す図
【図7】メッセージのカテゴリーおよびジャンルの例を示す図
【図8】ログイン時およびデータの定期更新時の動作を示すフローチャート
【図9】アバター移動時の動作を示すフローチャート
【図10】メッセージ登録時の動作を示すフローチャート
【図11】受信属性指定処理およびすれ違い判定動作を示すフローチャート
【図12】受信メッセージの閲覧動作を示すフローチャート
【図13】現実の商品の販売・購入の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0110】
43…送信メッセージデータ記憶部
45…受信メッセージリスト
100…電車の駅
101(101A,101B,101C)…店舗
102…公園
103…電車
110…自己のアバター
111…他人アバター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置がネットワークで接続されたコンピュータシステムに、
複数のプレイヤーにより前記複数の端末装置を操作することにより操縦される複数の仮想のキャラクタ(以下、アバターと呼ぶ)が活動する仮想社会を構築する仮想社会構築手順と、
前記仮想社会を、各端末装置の表示部に表示させる表示手順と、
前記プレイヤーにより、前記アバターのメッセージとして入力されたメッセージを登録するメッセージ登録手順と、
前記アバターを、前記プレイヤーの移動操作に応じて前記仮想社会内で移動させる移動手順と、
前記移動手順による移動により、前記仮想社会内において、前記メッセージが登録されているアバターである第1のアバターと、前記第1のアバター以外のアバターである第2のアバターとの位置関係が所定の条件を満たしたとき、前記第2のアバターを操縦するプレイヤーが操作する端末装置(以下、第2の端末装置と呼ぶ)において、前記第2のアバターがメッセージを受け取った態様で、前記第1のアバターのメッセージを出力可能にするメッセージ出力許可手順と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバター間の距離が所定距離以下であったとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記仮想社会構築手順は、小社会であるステージを複数有する仮想社会を構築し、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバターが同一のステージに存在しているとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータシステムは、サーバ装置を含み、
前記メッセージ登録手順は、入力された全てのメッセージを前記サーバ装置に登録するとともに、この全てのメッセージの識別情報を各端末装置に記憶する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第2の端末装置で記憶している前記全てのメッセージの識別情報のうち、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージの識別情報を前記第2の端末装置に表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは、サーバ装置を含み、
前記メッセージ登録手順は、入力されたメッセージを前記サーバ装置に登録する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージのうち識別情報のみを前記第2の端末装置にダウンロードして表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムに、各アバターが受け取るべき前記メッセージの属性を指定する受信属性指定手順を、さらに実行させるとともに、
前記メッセージ登録手順は、属性情報が付加されたメッセージを登録する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバターの位置関係が所定の条件を満たし、且つ、前記第1のアバターのメッセージの属性と前記第2のアバターについて指定されている属性とが一致した場合のみ、前記第1のアバターのメッセージを前記第2の端末装置で出力可能にする手順である
請求項1乃至5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記メッセージ登録手順は、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順であり、
前記コンピュータシステムに、
前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーに前記特定の商品を販売する商品販売手順を、
さらに実行させる請求項1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムに、
前記商品販売手順により、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われたとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順を、
さらに実行させる請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記メッセージ登録手順は、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順であり、
前記コンピュータシステムに、
前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記ネットワークに接続され、前記特定の商品を販売する商品販売サーバに、前記第2の端末装置を接続する商品販売仲介手順を、
さらに実行させる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータシステムに、
前記商品販売仲介手順で接続された商品販売サーバから、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われた旨の情報を受信したとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順を、
さらに実行させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記仮想社会構築手順は、前記アバターに仮想社会内で通用する仮想通貨を所有させる手順を含み、
前記報酬提供手順は、前記第1のアバターが所有する仮想通貨を増加させる手順を含む、
請求項8または請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のプログラムを実行するコンピュータシステム。
【請求項1】
複数の端末装置がネットワークで接続されたコンピュータシステムに、
複数のプレイヤーにより前記複数の端末装置を操作することにより操縦される複数の仮想のキャラクタ(以下、アバターと呼ぶ)が活動する仮想社会を構築する仮想社会構築手順と、
前記仮想社会を、各端末装置の表示部に表示させる表示手順と、
前記プレイヤーにより、前記アバターのメッセージとして入力されたメッセージを登録するメッセージ登録手順と、
前記アバターを、前記プレイヤーの移動操作に応じて前記仮想社会内で移動させる移動手順と、
前記移動手順による移動により、前記仮想社会内において、前記メッセージが登録されているアバターである第1のアバターと、前記第1のアバター以外のアバターである第2のアバターとの位置関係が所定の条件を満たしたとき、前記第2のアバターを操縦するプレイヤーが操作する端末装置(以下、第2の端末装置と呼ぶ)において、前記第2のアバターがメッセージを受け取った態様で、前記第1のアバターのメッセージを出力可能にするメッセージ出力許可手順と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバター間の距離が所定距離以下であったとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記仮想社会構築手順は、小社会であるステージを複数有する仮想社会を構築し、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバターが同一のステージに存在しているとき、前記位置関係が所定の条件を満たしたと判断する手順を含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータシステムは、サーバ装置を含み、
前記メッセージ登録手順は、入力された全てのメッセージを前記サーバ装置に登録するとともに、この全てのメッセージの識別情報を各端末装置に記憶する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第2の端末装置で記憶している前記全てのメッセージの識別情報のうち、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージの識別情報を前記第2の端末装置に表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは、サーバ装置を含み、
前記メッセージ登録手順は、入力されたメッセージを前記サーバ装置に登録する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記所定の条件を満たす前記第1のアバターのメッセージのうち識別情報のみを前記第2の端末装置にダウンロードして表示可能にする手順と、前記第2の端末装置に表示された識別情報が前記プレイヤーにより選択されとき、その識別情報で識別されるメッセージを前記サーバ装置から前記第2の端末装置にダウンロードする手順と、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムに、各アバターが受け取るべき前記メッセージの属性を指定する受信属性指定手順を、さらに実行させるとともに、
前記メッセージ登録手順は、属性情報が付加されたメッセージを登録する手順であり、
前記メッセージ出力許可手順は、前記第1、第2のアバターの位置関係が所定の条件を満たし、且つ、前記第1のアバターのメッセージの属性と前記第2のアバターについて指定されている属性とが一致した場合のみ、前記第1のアバターのメッセージを前記第2の端末装置で出力可能にする手順である
請求項1乃至5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記メッセージ登録手順は、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順であり、
前記コンピュータシステムに、
前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーに前記特定の商品を販売する商品販売手順を、
さらに実行させる請求項1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムに、
前記商品販売手順により、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われたとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順を、
さらに実行させる請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記メッセージ登録手順は、特定の商品に関連づけられたメッセージを登録する手順であり、
前記コンピュータシステムに、
前記第2の端末装置で前記メッセージが出力されたことを契機として、前記ネットワークに接続され、前記特定の商品を販売する商品販売サーバに、前記第2の端末装置を接続する商品販売仲介手順を、
さらに実行させる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータシステムに、
前記商品販売仲介手順で接続された商品販売サーバから、前記第2の端末装置を操作するプレイヤーによって前記特定の商品またはそれに関連する商品の購入処理が行われた旨の情報を受信したとき、前記第1のアバターに対して報酬を提供する報酬提供手順を、
さらに実行させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記仮想社会構築手順は、前記アバターに仮想社会内で通用する仮想通貨を所有させる手順を含み、
前記報酬提供手順は、前記第1のアバターが所有する仮想通貨を増加させる手順を含む、
請求項8または請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のプログラムを実行するコンピュータシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−242707(P2008−242707A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80889(P2007−80889)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【出願人】(507066839)株式会社ダレット (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【出願人】(507066839)株式会社ダレット (6)
【Fターム(参考)】
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