説明

プロジェクタシステムの識別情報を表示するためのシステムおよび方法

プロジェクタシステム用の識別情報を表示するシステムおよび方法が開示されている。かかる方法は、プロジェクタシステムを用いて表示画面を画面上に投影することと、プロジェクタシステムを用いて画面上の表示画面のうちの少なくとも一部に識別画像を投影することと含んでいる。また、識別画像は、見る人に識別情報を伝達するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタシステムの識別に関する情報とともに他の情報を表示するように構成されるプロジェクタシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルプロジェクタの如きプロジェクタ装置が聴衆に対してコンテンツを提示するツールとして人気が高まってきている。通常、これらのプロジェクタシステムは、コンピュータにより生成される提示物を画面上に投影するために用いられ、これにより、さまざまな規模の聴衆に対して高品質のかつ本格的な画像をユーザが容易に提示することが可能となる。このため、今日、これらのプロジェクタシステムを、大会議室および他の小会議室において恒久設備として見かけることが多くなった。
【0003】
通常、プロジェクタシステムは複数の異なるタイプの供給源から画像を投影するために用いられる。可能な画像供給源の例としては、プレゼンテーションスライドファイルの如き静止画像供給源、ケーブルビデオ設置装置または衛星ビデオ設置装置、DVDプレーヤ、ビデオカセットプレーヤなどの如きアナログビデオ信号またはデジタルビデオ信号が挙げられる。
【0004】
さまざまな分野において利用可能でありかつプロジェクタシステムの殆どが小型であるため、これらの装置は泥棒にとって格好の標的となりうる。泥棒からプロジェクタシステムを守るために、その装置の所有者は、所有者に関する情報が付与されたプレートまたはタグの如きなんらかの識別証印をプロジェクタシステムに貼ってもよい。しかしながら、泥棒にとって、このような証印をプロジェクタシステムから剥がすことは容易なことでありうるため、泥棒を思いとどまらせることには役に立ちえない。さらに、このような証印は、所有者またはプロジェクタシステムに関する情報を大勢の聴衆に対して伝達するのには役に立たちえない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロジェクタシステム用の識別情報を表示するシステムおよび方法が提供されている。かかる方法は、プロジェクタシステムを用いて表示画面を画面上に投影することと、プロジェクタシステムを用いて画面上の表示画面のうちの少なくとも一部に識別画像を投影することと含んでいる。また、識別画像は、見る人に対して識別情報を伝達するように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1には、画面上に表示画面12を投影する、本発明にかかるプロジェクタシステムの実施形態の一例が示されている。表示画面12は、参照番号14が付与されたコンテンツ画像と、参照番号16が付与された識別画像とを有している。コンテンツ画像14は、発表者により視聴者用に選択されたコンテンツ情報を伝達するように構成されていう。識別画像16は、以下でさらに詳細に説明するプロジェクタシステム10の同一性(identity)に関する情報を表示するように構成されている。
【0007】
プロジェクタシステム10は、いかなる適切なタイプのプロジェクタシステムの形態を取ってもよいが、通常、デジタル式のプロジェクタシステムである。具体例としては、限定するわけではないが、小会議室における恒久設備として用いられる比較的大型のデジタルプロジェクタシステムおよび比較的小型のポータブルデジタルプロジェクタシステムが挙げられる。同様に、プロジェクタシステム10は、いかなる適切なタイプのコンテンツ画像12を表示するように構成されてもよい。具体例としては、限定するわけではないが、コンピューティング装置により提供されるプレゼンテーションスライドフィルムの形のコンテンツおよびケーブルビデオ設置装置または衛星ビデオ設置装置、DVDプレーヤ、ビデオカセットプレーヤなどの如き供給源からのアナログビデオ信号またはデジタルビデオ信号の形のコンテンツが挙げられる。
【0008】
上述のように、識別画像16は、コンテンツ画像14(または、コンテンツ画像14が無い場合に表示されるスプラッシュスクリーンなどの如き任意のデフォルト画像)の上に、プロジェクタシステムの同一性に関する情報を表示するように構成されている。識別画像16は、いかなる適切なタイプの識別情報の表示に用いられてもよい。たとえば、プロジェクタシステム10が企業体により所有されている場合、識別画像は、図1に示されているように企業ロゴ、企業スローガン、企業トレードマークなどの形を取りうる。
【0009】
コンテンツ画像14上に識別画像16を表示することにより、発表されているコンテンツ情報に関係なく、識別画像により表現される企業ロゴ、企業スローガン、企業トレードマークなどが、発表の間、観客の目に晒される。このような識別情報を観客の目に晒す従来方法では、その適用が、比較的制限されていた。たとえば、デジタルスライドプレゼンテーションに識別情報を含む従来の方法では、通常、各スライドの作成に、所望の企業ロゴ、企業スローガンまたは企業トレードマークを含む背景を有する特別なスライドテンプレートを用いる必要があった。したがって、発表コンテンツが発表者によりまたは発表者の代理人により準備されないような場合には、識別情報は、発表の間、表示画面12にまったく表示されることがないこともある。
【0010】
その一方、プロジェクタシステム10を用いると、ユーザにより選ばれた所望の識別画像を、その画像の供給源とは関係なく、所望のコンテンツ画像の一部または全部の上に提示することが可能となる。また、識別画像16は、泥棒を思いとどまらせる役に立ちうる。なぜならば、盗難プロジェクタシステムを用いた発表を見た参加者が、企業ロゴ、企業スローガン、企業トレードマークなどを認識し、そのプロジェクタシステムが現ユーザの所有物でない可能性があることに気付きうるからである。
【0011】
識別画像16は、コンテンツ画像14に対して表示画面12上のいかなる適切な位置に表示されてもよい。図1では、識別画像16は、表示画面12の上方左角の付近に位置されている。この位置では、識別画像16がコンテンツ画像14を損ねることがないうえに、見る人により認識可能である。同様に、識別画像16は、コンテンツ画像14に比較していかなる適切な外観およびサイズを有してもよい。図1では、識別画像16は、表示画面12上で透明に浮き出された形態で示され、表示画面の上方左角に入る大きさになっている。したがって、コンテンツ画像14のうちの識別画像16と重なり合っているのがいずれの部分であっても、観客は、識別画像を通して見ることができる。
【0012】
図2には、識別画像16用の他の適切なサイズ、位置および外見の幾つかの例が示されている。まず、識別画像16は、透明な外見および/または浮き出し外見よりも、16’により示されているような不透明な外見または16’’により示されているような半不透明な外見を有しうる。同様に、識別画像16は、16および16’により示されているように表示画面12の上方左角に、16’’により示されているように上方右角に、その他の角に、表示画面の上端、下端もしくは左右の端に沿って、または、表示画面の比較的中央領域に配置されうる。識別画像16が表示画面12上の比較的中央の位置に配置される場合、コンテンツ画像14の発表を妨げないように、識別画像16が少なくとも部分的に透明な外見を有することが望まれうる。
【0013】
実施形態によっては、ユーザが識別画像16の外見のさまざまな特徴を調整する場合もある。たとえば、ユーザは、識別画像16の投影のオンまたはオフを行いうる。同様に、ユーザは、識別画像16のサイズ、位置、透明度、色、位置、彩度またはその他適切な特徴を選択または設定しうる。さらに、以下でさらに詳細に示すように、実施形態によっては、ユーザにより選択可能な特徴へのアクセスが、低位特権レベルを有するユーザを除いて、高位特権レベルを有するユーザに制限される場合もある。
【0014】
識別画像16は、いかなる適切な方法で生成され、表示されてもよい。たとえば、識別画像16は、コンテンツ画像14が生成されるまえにコンテンツ画像14に組み込まれてもよいし、またはコンテンツ画像14の上端に表示されてもよい。識別画像16をコンテンツ画像14上に表示することは、コンテンツ画像14の供給源ファイルの変更を必要としない場合があるため、実施が容易である可能性がある。識別画像16は、コンテンツ画像上のユーザ制御メニューを表示するデジタルプロジェクタシステムの技術分野において公知である類似の技術および/またはソフトウェアを用いて、コンテンツ画像14上に表示されうる。
【0015】
図3および図4には、企業ロゴ、企業スローガン、企業トレードマークなどとは異なる他の適切な識別画像の一例が示されている。まず、図3には、プロジェクタシステム10の使用を可能とした会社を明らかにするメッセージ形式をとる識別画像116が示されている。識別画像116は、プロジェクタシステムの使用を寄贈した者と友好を構築するために、プロジェクタシステムの所有者以外の者により発表が行われる場合に用いられうる。
【0016】
他の者の発表のために金銭または装置を提供する者を公表する従来の方法は、通常、最初のスクリーンまたは最後のスクリーンを通じて寄付された会社に対して謝辞を表明することを必要とする。しかしながら、この方法では、識別情報は、発表の最初から最後までの長さに比べると比較的短時間しか視聴者に晒さらされない。一方、識別画像116を用いると、この識別画像は、発表の最初から最後までの間観客の目に晒されるので、発表の最初および/または最後においてのみ会社名を表示するよりも友好またはブランド認知を構築するうえでより効果的でありうる。
【0017】
次ぎに、図4には、参照番号216が付与された適切な識別画像の一例が示されている。識別画像216は、プロジェクタシステム10の所有者とこのプロジェクタシステムの無許可の使用を報告するための電話番号とが記載されたメッセージを含んでいる。したがって、識別画像216がプロジェクタシステムの所有者を特定するものの、主な目的は、名前またはブランド名を露出するということよりも泥棒を思いとどまらせるということにある。学校、離職率の高い大規模な企業などのごとき盗難に遭う恐れのあるプロジェクタシステムに識別画像216を用いることが望ましい。
【0018】
識別画像216は、発表の最初から最後まで連続して投影されるように構成されてもよいし、または、スプラッシュスクリーンの如き導入スクリーンにおいてのみ提示されるように構成されてもよい。識別画像216が発表の最初から最後まで表示される場合、発表の妨げにならないように、表示画面の中央ではなく表示画面の角かまたは端に沿った位置に設けられうる。
【0019】
また、識別画像216は、コンテンツの提示にプロジェクタシステム10を用いるために、パスワードを入力するようにユーザに要求するパスワードプロンプト(図示せず)を有しうる。このようなパスワードは、いかなる適切な方法で入力されてもよい。たとえば、プロジェクタシステム10が外部のコンピュータ装置により制御される場合、パスワードはコンピュータ装置を通じて入力されうる。あるいは、プロジェクタシステム10は、キーパッド(図示せず)の如きそれ自体の入力装置を備えている場合、パスワードは、プロジェクタシステムの入力装置を用いて入力されてもよい。
【0020】
プロジェクタシステム10は、限られたクラスのユーザのみが識別画像16を変更する資格を有するように、異なるユーザに対して異なる権限レベルを備えるように構成されうる。たとえば、プロジェクタシステム10が企業または学校の如き多重ユーザ環境で用いられる場合、識別画像16として表示されているメッセージ、シンボル、ロゴなどの変更または識別画像の表示のオンもしくはオフをシステムアドミニストレータの如き比較的高位権限レベルを有するユーザのみに可能とすることが望ましい。ここで、プロジェクタシステム10(または、プロジェクタシステムの制御に用いられる外部のコンピュータ)は、ユーザ名および/またはパスワードのリストまたはデータベース(または、単一パスワード)を格納し、識別画像16に関する制御にアクセスするためにユーザ名およびパスワードまたはパスワードのみを入力するようにユーザに要求してもよい。
【0021】
その一方、使用環境によっては、通常使用権限レベル(すなわち、コンテンツ発表のためのプロジェクタシステム10の使用に十分な権限)を有するユーザならばどのユーザであっても、識別画像16の外見および/または位置をカスタマイズして、選ばれたプレゼンテーションのための識別画像を最良の位置に持ってくることができるようにすることが望ましい場合がある。この場合、プロジェクタシステム10は、ユーザが新しい識別画像をプロジェクタシステムに搭載しようとするときのみパスワードの入力を要求するように構成されうる。
【0022】
同様に、識別画像216に関連して先で述べられたように、プロジェクタシステム10を用いてコンテンツを表示するまえにパスワードを入力するようにユーザに要求することが望ましい使用環境が存在しうる。このような場合、プロジェクタシステム10(または、プロジェクタシステムの制御に用いられる外部のコンピュータ)は、認定ユーザのリストと各ユーザに関連する権限レベルとを格納するユーザ情報リストまたはユーザ情報データベースを有しうる。ここで、プロジェクタシステム10は、プロジェクタシステムを使用する各ユーザに関連する特権レベルを判別し、それに応じて、識別画像16のさまざまな制御に対するアクセスを許可しうる。
【0023】
図5には、参照番号300が付与された、プロジェクタシステム10の適切な電気システム機構を示す簡略ブロック図が例示されている。電気システム300は、コンテンツおよび制御信号の入力を受信するための入力部302と、この入力の処理に関連するコントローラ304と、音響および/または映像形式のプレゼンテーションを出力するための出力部306とを備えている。
【0024】
通常、入力部302は、一または複数のタイプの供給源から画像データの入力を受信するように構成される一または複数の画像入力部308を備えている。適切な画像入力部の一例としては、限定されるわけではないが、SVGA、CVBS、SVHSおよびCONT、M1−Aポートポート、M1−Dポート、USBポートおよびIEEE1394ポートの如きコンピュータ装置入力部、BLUETOOTHレシーバの如き無線入力部ならびにETHERNET(登録商標)ポートおよび/またはRS−232ポートの如きネットワーク入力部が挙げられる。また、入力部302は、音響信号の入力を受信するための音響入力部310を有しうる。
【0025】
また、入力部302は、通常、プロジェクタシステム10を制御するための命令入力を受信するように構成される制御入力部312を有している。制御入力部312への入力を通じて制御されうる典型的なプロジェクタシステムの機能の一例としては、限定されるわけではないが、電源のオンオフ、ランプのオンオフ、送風機のオンオフおよび天井取付け設定/テーブル取付け設定が挙げられる。制御入力部312は、いかなる適切な入力装置から入力を受信してもよい。たとえば、制御入力部312は、赤外線遠隔制御装置からの制御信号を受信するように構成される一または複数の赤外線受信機を備えうる。また、制御入力部312は、プロジェクタシステム10に設けられるキーパッド(図示せず)の如きオンボード入力装置を備えうる。
【0026】
また、制御入力部312は、識別画像16(または116または216)に関する制御命令入力を受信するように構成されうる。たとえば、制御入力部312は、識別画像16の外見を表す画像ファイルまたはテキストファイルの形をとる識別情報入力を受信するように構成されうる。さらに、制御入力部312は、ユーザに、識別画像16の外見の変更を許可するユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報を受信するように構成されうる。これに代えて、ユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報が、上述のように、プロジェクタシステム10の制御に用いられる外部のコンピュータ装置(図示せず)により格納、処理されてもよい。
【0027】
いうまでもなく、画像入力部308、音響入力部310および制御入力部312は、入力信号を複合化、復調化または他の方法で処理して下流のコンポーネント用形式に変更するためのいかなる適切な回路を備えてもよい。
【0028】
次ぎに、コントローラ308は、画像プロセッサ320および表示コントローラ322のようなコンポーネントを備えうる。画像プロセッサ320は、画像入力部308で受信される入力を処理して対応する画像出力信号を表示コントローラ322へ出力するように構成されている。表示コントローラ322は、(通常画像出力部338の一部である)デジタルマイクロミラー装置(DMD)、液晶表示装置(LCD)、反射型液晶(LCOS)表示装置または他の適切な表示装置を駆動して(ランプおよび他の適切な光学部品と相まって)表示画面12を生成するように構成されている。また、コントローラ308は、(通常音響出力部330の一部である)適切なトランスデューサにより音声に変換されうる適切な音響信号を生成するようになっている音響プロセッサを備えうる。
【0029】
画像プロセッサ320および表示コントローラ322は、画像プロセッサおよび表示コントローラの動作を制御するために制御入力部312からの入力を受信するように構成されうる。さらに、画像プロセッサ322は、当業者にとって明らかなように、プロジェクタシステムの設定を変更することを選択した場合表示画面12のうちのコンテンツ画像の一部分上にメニュー(または、他のユーザインターフェイス)を生成するように構成されうる。
【0030】
次ぎに、コントローラ308は、揮発性メモリ324と非揮発性メモリ326とをさらに備えている。通常、揮発性メモリ324は、入力部302からの音響信号および/または画像信号の格納および処理に用いられる。その一方、非揮発性メモリは、ユーザにより変更されない限り保存されるように構成されるデータを格納するように構成されている。たとえば、非揮発性メモリ326は、識別画像16を表す識別情報を格納するように構成されうる。また、非揮発性メモリ326は、適切ならばユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報を格納するように構成されうる。また、非揮発性メモリ326は、ユーザにより促された場合にコンテンツ画像14上に表示されうるユーザインターフェイスメニューツリーの外見および機能を表す情報を格納するように構成されうる。
【0031】
コントローラ322は、識別画像16の外見および表示を制御するように構成されている。上述のように、コントローラ322はいかなる適切な方法でこれを達成してもよい。たとえば、コントローラ322は、コンテンツ画像14上に表示されるグラフィカルユーザインターフェイスメニューの生成に用いられるのと同一の方法で識別画像16を生成してもよいし、または、識別画像16をコンテンツ画像14の中に組み入れるために選択画素を変更してもよい。
【0032】
また、コントローラ322は、(十分な権限レベルを有する)ユーザに、適切な方法で識別画像16の外見を変更することを許可するように構成されうる。変更されうる識別画像16の適切な外見の特性の一例としては、限定されるわけではないが、色、彩度、サイズ、位置および透明度が挙げられる。
【0033】
非揮発性メモリ326がユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報を格納するように構成されている場合は、コントローラ322は、コンテンツ情報のプレゼンテーションのためにプロジェクタシステム10の使用をユーザに許可するまえに、このユーザにより入力されるユーザ名およびパスワードを非揮発性メモリ326内に格納されているユーザ名および関連パスワードのリストまたはデータベースと比較するようにさらに構成されうる。同様に、コントローラ322は、新しい識別画像16を非揮発性メモリ326に読み込むことまたは識別画像の外見特性を変更することをユーザに許可するまえに、ユーザの権限レベルを確認するように構成されうる。
【0034】
図6には、参照番号400を付与された、識別画像16の表示を実行する第一の方法の一例が示されている。まず、方法400は、識別画像16を表す識別情報を非揮発性メモリ326内に読み込むことを含んでいる。上述のように、新しい識別画像を非揮発性メモリ326内に読み込む資格を有するユーザの数を制限して高位の管理セキュリティレベルを有するユーザに限定することが望まれうる。したがって、プロジェクタシステム10(または、このプロジェクタシステムの制御に用いられる外部のコンピュータ装置)は、まず402において、管理セキュリティ情報の入力を受信する。この管理セキュリティ情報にはユーザ名およびパスワードまたはパスワードのみが含まれうる。
【0035】
次ぎに404において、プロジェクタシステム10(または、外部のコンピュータ装置)は、受信した管理セキュリティ情報を非揮発性メモリ326内に格納されている前もって選ばれたユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報と比較し、入力された管理セキュリティ情報が格納されているユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報と一致するか否かを決定する。受信された管理セキュリティ情報が上記の前もって選ばれた情報と一致しなかった場合、ユーザは、新しい識別画像を非揮発性メモリ326内に読み込むことを拒否され、プロジェクタシステム10は、新しい管理セキュリティ情報を受信するまで待機する。しかしながら、受信された管理セキュリティ情報が上記の前もって選ばれた情報と一致した場合、プロジェクタシステム10は、406において、新しい識別情報の入力を受諾する。
【0036】
識別情報が非揮発性メモリ326内に読み込まれたあと、プロジェクタは、コンテンツ画像14としてコンテンツ情報を提示する準備が整う。まず、プロジェクタシステム10は、408において、コンテンツ情報の入力を受信する。次いで、このコンテンツ情報は、処理され、コンテンツ画像14として表示画面12上に表示される。同時に、406において入力された識別情報は、識別画像408としてコンテンツ画像14上に表示される。いうまでもなく、識別画像16は、コンテンツ画像14以外のその他の画像上に表示されてもよい。その他の画像には、限定されるわけではないが、プロジェクタシステム10の電源を入れたときに表示されるスプラッシュスクリーンおよびコンテンツ画像が無いときに表示されるデフォルトスクリーンが含まれる。
【0037】
図7には、参照番号500が付与された、識別画像16を表示する他の方法が示されている。方法500では、ユーザは、プロジェクタシステム10を用いてコンテンツを提示するまえにセキュリティ情報を入力することが必要となるので、図4の識別画像216と同等の識別画像に用いられるのに適しうる。
【0038】
まず、方法500は、502において、管理セキュリティ情報を受信することを含む。次いで、504において、プロジェクタシステム10(または、外部のコンピュータ装置)は、受信した管理セキュリティ情報を非揮発性メモリ326内に格納されている前もって選ばれたユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報と比較して、入力された管理セキュリティ情報が格納されているユーザ識別情報および/またはユーザパスワード情報と一致するか否かを決定する。受信された管理セキュリティ情報が上記の前もって選ばれた情報と一致しなかった場合、ユーザは、新しい識別画像を非揮発性メモリ326内に読み込むことを拒否され、プロジェクタシステム10は、新しい管理セキュリティ情報を受信するまで待機する。しかしながら、受信された管理セキュリティ情報が上記の前もって選ばれた情報と一致した場合、プロジェクタシステム10は、506において、新しい識別情報の入力を受諾し、508において(識別画像216に類似する)セキュリティスクリーンとして識別情報を表示する。
【0039】
この時点において、プロジェクタシステム10は、コンテンツを提示する用意が整っている。しかしながら、図7の実施形態では、プロジェクタシステム10は、ユーザが、有効なユーザ名および/またはユーザパスワードの形で受理可能なユーザセキュリティ情報を入力するまでは、プレゼンテーションに用いられえない。したがって、次ぎにプロジェクタシステム10は、510においてユーザセキュリティ情報を受信し、受信したユーザセキュリティ情報が、通常認可ユーザのリストまたはデータベースの形でプロジェクタシステム10(または、外部のコンピュータ装置)内に格納されている前もって選ばれたセキュリティ情報と一致することを確認する。受信されたセキュリティ情報がどの認可ユーザ名および/またはユーザパスワードとも一致しなかった場合、プロジェクタシステム10は、アクセスを拒否し、引き続いて、ユーザセキュリティ情報を受信するために待機する。
【0040】
その一方、510において受信されたセキュリティ情報が512において前もって選ばれたセキュリティ情報と一致した場合、上記のプロジェクタ装置は、514において、コンテンツ情報の入力を受諾し、516において、そのコンテンツ情報を表すコンテンツ画像を表示する。さらに、所望ならば、プロジェクタ装置10は、518においてコンテンツ画像上に識別画像を表示してもよい。
【0041】
いうまでもなく、図1〜図4に示されている識別画像は、一例でしかなく、いかなる適切な識別情報を伝送するその他の適切な識別画像を用いてもよい。
【0042】
さらに、本発明には特定の実施形態が含まれているが、これらの特定の実施形態は限定を意図したものではなく、さまざまな変更が可能である。本発明の保護対象には、本明細書に記載のさまざまなエレメント、特徴、機能、および/または物性の新規なかつ非自明なコンビネーションおよびサブコンビネーションがすべて含まれる。先のクレームは、新規または非自明なものとして幾つかのコンビネーションおよびサブコンビネーションを詳細に記載している。これらのクレームでは、「ある」エレメント、「第一の」エレメントまたはそれらと均等な表現が用いられている場合がある。いうまでもなく、このようなクレームでは、一または複数のエレメントの組み合わせが含まれるものの、このようなエレメントを二以上必要とすることもなければ不必要とすることもない。特徴、機能、エレメントおよび/または物性の他のコンビネーションおよびサブコンビネーションが、本出願のクレームの補正によりまたは本出願もしくは関連する出願に新規のクレームを提示することにより主張されうる。このようなクレームもまた、元のクレームの範囲に比べ広い、狭い、等しいまたは異なるか否かに関係なく、本発明の技術主題に含まれるものとして解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】コンテンツ画像上に識別画像の一例を投影する、本発明の実施形態にかかるプロジェクタシステムを示す概略図である。
【図2】識別画像の適切な位置、サイズおよび外見の一例を示す、図1の識別画像の図である。
【図3】コンテンツ画像上に投影される識別画像の他の一例を示す図である。
【図4】コンテンツ画像上に投影される識別画像の他の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態にかかるプロジェクタシステムを示すブロック図である。
【図6】本発明の一つの実施形態にかかる識別情報表示方法を示すフローダイアグラムである。
【図7】本発明の他の実施形態にかかる識別情報表示方法を示すフローダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタシステム用の識別情報を表示する方法であって、
前記プロジェクタシステムを用いて表示画面を画面上に投影することと、
前記プロジェクションシステムを用いて前記画面上の前記表示画面のうちの少なくとも一部の上に前記識別情報を見る人に伝達するように構成される識別画像を投影することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記識別画像が、プロジェクタシステムの所有者の同一性に関する情報を表示する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記表示画面がコンテンツ画像を含んでおり、前記識別画像が前記コンテンツ画像上に投影される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記プロジェクションシステムが、前記プロジェクタシステムにコンテンツが提供されていない場合、デフォルト画像を表示するように構成されており、前記識別画像は該デフォルト画像上に表示される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記デフォルト画像が、前記プロジェクタシステムの起動時に表示される導入画像であって、前記識別画像が前記導入画像上に表示される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記識別画像が警告メッセージを含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記識別画像がパスワード要求を含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記識別画像の表示のあと、ユーザによるセキュリティ情報の入力を待つことと、該ユーザによるセキュリティ情報の入力を受信することと、該ユーザによるセキュリティ情報の入力を前記プロジェクタシステム内のメモリに格納されている予め選ばれたセキュリティ情報とマッチングさせ、該ユーザによるセキュリティ情報の入力が該予め選ばれたセキュリティ情報と一致した場合、コンテンツの提示に前記プロジェクタシステムが用いられることを許可することをさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項9】
前記プロジェクタシステムが、前記表示画面上にデフォルト画像およびコンテンツ画像を表示するように構成されており、前記識別画像が前記デフォルト画像または前記コンテンツ画像に選択的に表示可能である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記識別画像の位置がユーザにより調整可能である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記識別画像のサイズがユーザにより調整可能である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記識別画像が部分的に透明である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記識別画像の透明性がユーザにより調整可能である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記識別画像の彩度がユーザにより調整可能である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記識別画像がユーザにより変更可能である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記識別画像が、低位特権レベルのユーザを除く高位特権レベルのユーザにより変更可能である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
プロジェクタシステムの同一性に関する識別情報を表示する方法であって、
低位特権レベルのユーザを除く高位特権レベルのユーザにより取り込み可能かつ変更可能である前記識別情報を、前記プロジェクタシステム内の第一のメモリ位置に取り込むことと、
低位特権レベルのユーザにより取り込み可能かつ変更可能であるコンテンツ情報を、前記プロジェクタシステム内の第二のメモリ位置に取り込むことと、
前記コンテンツ情報をコンテンツ画像形式で画面上に投影することと、
前記画面上の前記コンテンツ情報の上に前記識別情報を識別画像形式で投影することと
を含む、方法。
【請求項18】
画面上に表示画面を投影するように構成されるプロジェクタシステムであって、
コンテンツ画像として表示可能なコンテンツ情報を格納するように構成される第一のメモリ位置と、
識別画像として表示可能な識別情報を格納するように構成される第二のメモリ位置と、
前記第一のメモリ位置と前記第二のメモリ位置と電気的に通信するコントローラとを備えており、
前記コントローラが、前記プロジェクションシステムに、前記コンテンツ画像および前記コンテンツ画像が存在しない場合に表示されるデフォルト画像のうちの少なくとも一つの上に前記識別画像を表示させるように構成される、プロジェクタシステム。
【請求項19】
前記識別情報が、低位特権レベルのユーザを除く高位特権レベルのユーザにより前記第二のメモリ位置に取り込まれるように構成される、請求項18記載のプロジェクタシステム。
【請求項20】
前記コンテンツ情報が、前記低位特権レベルのユーザにより前記第一のメモリ位置に取り込み可能となるように構成される、請求項19記載のプロジェクタシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、ユーザが前記識別画像の外見特徴を変更できるように構成される、請求項18記載のプロジェクタシステム。
【請求項22】
前記コントローラは、ユーザが前記識別画像のサイズ、位置および彩度のうちの少なくとも一つを変更できるように構成される、請求項21記載のプロジェクタシステム。
【請求項23】
前記コントローラは、ユーザが前記識別画像を前記デフォルト画像および前記コンテンツ画像の一方または両方の上に表示するかを選択できるように構成される、請求項22記載のプロジェクタシステム。
【請求項24】
前記コントローラが、前もって決められているセキュリティ情報の入力を受信するまで前記識別画像を表示するように構成される、請求項18記載のプロジェクタシステム。
【請求項25】
内部に一組のインストラクションが格納されているコンピュータ読み取り可能格納媒体を有するプロジェクタシステムであって、
前記インストラクションが、
前記プロジェクタシステムに関する情報を含む識別情報を、前記プロジェクタシステム内の第一のメモリ位置に取り込むことを可能とするコードセグメントと、
コンテンツ情報を、前記プロジェクタシステム内の第二のメモリ位置に取り込むことを可能とするコードセグメントと、
前記コンテンツ情報をコンテンツ画像形式で画面上に投影することを可能とするコードセグメントと、
前記識別情報を識別画像形式で前記画面上の前記コンテンツ情報の上に投影することを可能とするコードセグメントと
を備えてなる、プロジェクタシステム。
【請求項26】
前記識別情報が、低位特権レベルのユーザを除く高位特権レベルのユーザにより取り込み可能となるように構成される、請求項25記載のプロジェクタシステム。
【請求項27】
ユーザによるセキュリティ情報の入力を受信するためのコードセグメントと、前記セキュリティ情報を前記プロジェクタシステム内のメモリに格納されている前もって決められているセキュリティ情報とマッチングさせるためのコードセグメントと、前記ユーザにより入力された前記セキュリティ情報が前記前もって決められているセキュリティ情報と一致した場合、前記プロジェクタシステムをコンテンツの提示のために用いることを可能とするためのコードセグメントとをさらに備えてなる、請求項25記載のプロジェクタシステム。
【請求項28】
ユーザによる前記識別画像の外見の調整を可能するためのコードセグメントをさらに備えてなる、請求項25記載のプロジェクタシステム。
【請求項29】
前記ユーザによる前記識別画像の外見の調整を可能とするためのコードセグメントが、ユーザによる前記識別画像の色、サイズ、位置および透明性のうちの少なくとも一つの調整を可能とするためのコードセグメントを含んでなる、請求項28記載のプロジェクタシステム。
【請求項30】
画面上に表示画面を投影するように構成されているとともに該表示画面上に表示可能な予め選ばれたセキュリティ画像を表す情報を有するメモリを有しているプロジェクタシステムを無許可で使用することを防止する方法であって、
前記予め選ばれたセキュリティ画像を表示することと、
ユーザからのセキュリティ情報の入力を受信することと、
前記ユーザからの入力を、前記プロジェクタシステム内の前記メモリに格納されている予め選ばれたセキュリティ情報とマッチングさせることと、
前記ユーザからのセキュリティ情報の入力が、メモリに格納されている前記セキュリティ情報と一致した場合、プレゼンテーションを表示するために前記プロジェクタシステムが用いられることを許可することと
を含む、方法。
【請求項31】
電源の入力イベント、スリープモードの終了イベント、前もって決定された無活動期間の終了イベントからなる群から選択される少なくとも一つのイベントが発生した場合、前記予め選ばれたセキュリティ画像が表示されるように構成される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記予め選ばれたセキュリティ画像を表す情報が、低位特権レベルのユーザを除く高位特権レベルのユーザにより変更可能となるように構成される、請求項30記載の方法。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−521502(P2007−521502A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507101(P2006−507101)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/007507
【国際公開番号】WO2004/095125
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(502300392)インフォーカス コーポレイション (25)
【Fターム(参考)】