説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】電源オフ時に排気シャッター4が異物などにより閉鎖できない異常状態をユーザーが見落とすことを防止できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、排気口3を閉塞可能な排気シャッター4と、排気シャッター4の開閉を制御する排気シャッター制御手段15を備え、入力操作手段より投写停止操作を検出した場合、排気シャッター4が閉鎖不可能であることを検出したときに、画像投写手段10により、警告メッセージM1を投写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターには、動作中に光源や電力によって熱せられた筐体内部の空気を、筐体外部に排出するための排気口が設けられ、排気ファンによって排気されている。排気ファンはプロジェクターの動作中は回転しているが、電源オフ(スタンバイ)状態では停止しているため、排気口から異物が侵入する虞があった。
特許文献1には、排気口にシャッターを設けたプロジェクターが開示されている。このようなプロジェクターによれば、電源オフ(スタンバイ)状態ではシャッターによって排気口が閉塞されるため、異物の侵入を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−98481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のプロジェクターでは、電源オフ時に光源を消灯した後、シャッターを閉じている。ユーザーはリモコンなどで電源をオフし、光源が消灯したことを確認すると、直ちにその場を離れてしまうことが多いので、異物などにより、シャッターが正常に閉じることができない場合でも気づかない虞があった。
シャッター閉鎖時に異常を検出した場合にエラー状態を報知する方法もあるが、光源消灯後にユーザーがプロジェクターから離れているとエラー報知に気づくことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、投写レンズを介して被投写面に投写光を投写する画像投写手段を収納する筐体を有するプロジェクターであって、前記筐体に設けられた排気口を開閉する排気シャッターと、前記排気シャッターの開閉を制御する排気シャッター制御手段と、前記筐体の内部の空気を、前記排気口を介して前記筐体の外部へ排気する排気ファンと、前記排気ファンの回転を制御するファン制御手段と、入力操作を受け付ける入力操作手段と、前記排気シャッターの開放、及び閉鎖のいずれの状態であるかを検出する排気シャッター開閉検出手段と、前記入力操作手段より投写停止操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖が可能であることを確認したときに、投写停止処理を行い、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖が不可能であることを確認したときに、前記画像投写手段により前記排気シャッターに異常が発生したことを示す警告メッセージを投写する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、プロジェクターの投写停止操作を検出した場合、投写を停止する前に排気シャッターを閉鎖し、排気シャッターを閉鎖できることが確認できたときに、投写停止処理を行う。または、排気シャッターを閉鎖できないことが確認できたときには異常を知らせるメッセージを投写する。これにより、ユーザーが投写停止操作をしても、排気シャッターが正常に閉鎖できない場合は画像投写状態が継続したままで、異常を知らせるメッセージを投写するので、排気シャッターが閉鎖できない異常状態をユーザーが見落とすことを防止することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記投写停止操作は当該プロジェクターの電源オフ操作であり、前記投写停止処理では前記光源を消灯し、当該プロジェクターの電源をオフする、ことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、プロジェクターの電源オフ操作検出した場合、光源を消灯する前に排気シャッターを閉鎖し、排気シャッターが閉鎖できることが確認できたときに、光源を消灯して電源のオフ処理を行い、または排気シャッターが閉鎖できないときには異常を知らせるメッセージを投写する。これにより、ユーザーが電源オフ操作をしても、排気シャッターが正常に閉鎖できない場合は光源が点灯したまま、異常を知らせるメッセージを投写するので、排気シャッターが閉鎖できない異常状態をユーザーが見落とすことを防止することが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、当該プロジェクターの異常発生を報知する報知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記入力操作手段より電源オン操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖及び開放が可能であることを確認したときに、前記光源を点灯して当該プロジェクターを動作状態にし、前記排気シャッター開閉検出認手段により、前記排気シャッターの閉鎖または開放が不可能であることを確認したときに、前記報知手段により報知する、ことを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、プロジェクターの電源オン操作を検出時、排気シャッターの開閉動作が確認できなかった場合に、報知手段により異常発生を報知する。これにより、プロジェクターを前回使用終了後、何らかの要因で排気シャッターが閉じずに開放されたままになっていた状態でも、電源オン操作時に排気シャッターの閉鎖及び開放ができるかどうかを確認するので、排気シャッターの閉鎖が正常にできない状態でプロジェクターが起動するのを防止し、ユーザーに異常状態の排除を促すことが可能となる。
【0012】
[適用例4]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、投写レンズを介して被投写面に投写光を投写する画像投写手段と、これらを収納する筐体と、前記筐体に設けられた排気口を開閉する排気シャッターと、前記排気シャッターの開閉を制御する排気シャッター制御手段と、前記筐体の内部の空気を、前記排気口を介して前記筐体の外部へ排気する排気ファンと、前記前記排気ファンの回転を制御するファン制御手段と、前記排気シャッターの開放、及び閉鎖のいずれの状態であるかを検出する排気シャッター開閉検出手段と、入力操作を受け付ける入力操作手段と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記排気シャッター制御手段、及び前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの開放、及び閉鎖が可能であるかを確認する排気シャッター開閉確認ステップと、前記入力操作手段より投写停止操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉確認ステップにより、前記排気シャッターの閉鎖が可能であることを確認したときに、投写停止処理を行い、前記排気シャッター開閉確認ステップにより、前記排気シャッターの閉鎖が不可能であることを確認したときに、前記画像投写手段により前記排気シャッターに異常が発生したことを示す警告メッセージを投写する制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、プロジェクターの投写停止操作を検出した場合、投写を停止する前に排気シャッター制御手段により、排気シャッターの開放、及び閉鎖が可能であるかを確認する。排気シャッターを閉鎖できることが確認できたときに、投写停止処理を行い、または、排気シャッターを閉鎖できないことが確認できたときには異常を知らせるメッセージを投写する。これにより、ユーザーが投写停止操作をしても、排気シャッターが正常に閉鎖できない場合は画像投写状態が継続したままで、異常を知らせるメッセージを投写するので、排気シャッターが閉鎖できない異常状態をユーザーが見落とすことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プロジェクターの斜視図であり、(a)は排気シャッターが閉鎖状態、(b)は排気シャッターが開放状態のときを示す。
【図2】排気シャッターの開閉状態を示す部分平面図であり、(a)は排気シャッターが閉鎖状態、(b)は排気シャッターが開放状態のときを示す。
【図3】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図4】プロジェクターが電源オフ操作を検出したときの動作を示すフローチャート。
【図5】プロジェクターが電源オン操作を検出したときの動作を示すフローチャート。
【図6】排気シャッターの閉鎖失敗の警告メッセージM1を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクター1の斜視図であり、図1(a)は排気シャッター4が閉鎖されているとき、図1(b)は排気シャッター4が開放されているときの状態を示す。
図1(a)、(b)に示すように、プロジェクター1は、上面2t、前面2f、右側面2rなどを有する筐体2によって装置本体が覆われた構成となっている。なお、本実施形態においては、プロジェクター1に対して、投写方向である前面2f方向を前方として説明する。
【0017】
筐体2の前面2fには画像を投写する投写レンズ13が備えられている。筐体2の上面2tには、ユーザーにより入力操作が行われる複数の操作キーを備えた入力操作手段23が備えられている。
筐体2の右側面2rには筐体2内の空気を排出するための排気口3が形成されており、排気口3を開閉するルーバー状の排気シャッター4が備えられている。
【0018】
図2は排気シャッター4の開閉状態を示す部分平面図であり、筐体2の一部分を上面2tから透写した状態を示す。図2に示すように、排気シャッター4は排気口3を開閉可能に備えられている。
図2(a)は排気シャッター4が閉鎖されている状態を示す。このとき、ルーバー状の排気シャッター4が閉じられて排気口3を閉塞し、外部から排気口3を介して異物が侵入するのを防止する。
図2(b)は排気シャッター4が開放されている状態を示す。このとき、排気シャッター4はルーバーを右側面2rと直交する方向に並行するようにして排気口3を開放し、排気ファン7からの排気風を通過させる。
【0019】
図3は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター1は、排気シャッター4、ファン制御手段5、排気ファン7、画像投写手段10、排気シャッター制御手段15、OSD処理手段16、画像信号処理手段17、画像信号入力手段18、排気シャッター開閉検出手段19制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、光源制御手段25、電源端子30、電源部31、報知手段40等で構成されており、これらは筐体2(図1)の内部に収容されている。
【0020】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0021】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0022】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0023】
本実施形態では、光源として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、本実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0024】
制御手段20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。制御手段20は、時間を計測するタイマー20aを備える。
【0025】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
【0026】
入力操作手段23は、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
【0027】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。なお、入力操作手段23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信部(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。
この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0028】
画像信号入力手段18は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部機器から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。また、画像信号入力手段18は、図示しない無線信号受信手段を備え、無線信号受信手段を介して外部機器と無線通信(電波通信、光無線通信など)することによって画像情報を入力する構成としてもよい。
【0029】
画像信号処理手段17は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0030】
OSD処理手段16は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
【0031】
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段16は、画像信号処理手段17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0032】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0033】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0034】
ファン制御手段5は、制御手段20の指示に基づいて、筐体2内部の空気を筐体2の外部へ排気するための、排気ファン7の回転動作の開始、停止の制御を行う。
【0035】
排気シャッター制御手段15は、制御手段20からの指示により、排気シャッター4の開閉を行う。排気シャッター4の開閉には、電磁方式やワイヤー巻き取り方式(いずれも図示せず)などが使われる。
【0036】
排気シャッター開閉検出手段19は、排気口3の近傍に、図示しないセンサーなどを有した構成で配置され、排気シャッター4が開放しているか、または閉鎖しているかの検出結果を制御手段20に通知する。
【0037】
報知手段40は、LEDやブザーなどで構成され、プロジェクター1の異常発生を報知する。
【0038】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、入力した電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。
また、電源部31は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0039】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図4、および図5のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
〔電源オフ操作を検出したときの動作〕
図4はプロジェクター1が動作中に投写停止操作としての電源オフ操作を検出したときの動作を示すフローチャートである。図4に示すように、プロジェクター1が動作中に入力操作手段23より電源オフ操作を検出すると(ステップS101)、制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7の動作を停止し(ステップS102)、ステップS103に遷移する。
【0041】
ステップS103において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により、排気シャッター4を閉鎖し、ステップS104に遷移する。
【0042】
ステップS104において制御手段20は、排気シャッター開閉検出手段19により、排気シャッターが開放、及び閉鎖のいずれの状態であるかを検出することにより、排気シャッター4の閉鎖に成功したか否かを調べる。排気シャッター4の閉鎖に成功した場合(ステップS104:Y)、ステップS105に遷移する。排気シャッター4の閉鎖に失敗した場合(ステップS104:N)、ステップS111に遷移する。なお、ステップS103、及びステップS104が排気シャッター開閉確認ステップに相当する。なお、排気シャッター4の閉鎖に失敗した場合、数回リトライし、それでも排気シャッター4が閉鎖しない場合に失敗とみなしてもよい。
【0043】
ステップS105において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により排気シャッター4を開放し、ステップS106に遷移する。
【0044】
ステップS106において制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7による排気動作を開始し、ステップS107に遷移する。
【0045】
ステップS107において制御手段20は、タイマー20aによる計時を開始し、ステップS108に遷移する。
【0046】
ステップS108において制御手段20は、タイマー20aが時間T1(例:20秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが時間T1を経過した場合(ステップS108:Y)、ステップS109に遷移する。タイマー20aが時間T1を経過していない場合(ステップS108:N)、ステップS108を繰り返す。
【0047】
ステップS109において制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7の動作を停止し、ステップS110に遷移する。
【0048】
ステップS110において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により、排気シャッター4を閉鎖し、ステップS116に遷移する。
【0049】
ステップS111において制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7による排気動作を開始し、ステップS112に遷移する。
【0050】
ステップS112において制御手段20は、排気シャッター4の閉鎖に失敗したことを示す警告メッセージM1を画像投写手段10により投写し、ステップS113に遷移する。このときの警告メッセージM1を図6に示す。
【0051】
ステップS113において制御手段20は、タイマー20aによる計時を開始し、ステップS114に遷移する。
【0052】
ステップS114において制御手段20は、タイマー20aが時間T2(例:10秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが時間T2を経過した場合(ステップS114:Y)、ステップS115に遷移する。タイマー20aが時間T2を経過していない場合(ステップS114:N)、ステップS114を繰り返す。
【0053】
ステップS115において制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7の動作を停止し、ステップS116に遷移する。
【0054】
ステップS116において制御手段20は、光源制御手段25により光源11を消灯し、ステップS120に遷移する。ステップS104からステップS116が制御ステップに相当する。
なお、ステップS104において、排気シャッター4の閉鎖に成功した場合、ステップS105からステップS110までを省略し、直ちにステップS116に遷移するフローとしてもよい。
【0055】
ステップS120において制御手段20はプロジェクター1の電源をオフしてスタンバイ状態に移行し、本動作フローを終了する。
【0056】
〔電源オン操作を検出したときの動作〕
図5はプロジェクター1がスタンバイ(電源オフ)中に電源オン操作を検出したときの動作を示すフローチャートである。図5に示すように、プロジェクター1がスタンバイ(電源オフ)中に入力操作手段23より電源オン操作を検出すると(ステップS201)、ステップS202に遷移する。
【0057】
ステップS202において制御手段20は、排気シャッター開閉検出手段19により、排気シャッター4が閉鎖しているか否かを調べる。排気シャッター4が閉鎖している場合(ステップS202:Y)、ステップS206に遷移する。排気シャッター4が閉鎖していない場合(ステップS202:N)、ステップS203に遷移する。
【0058】
ステップS203において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により、排気シャッター4を閉鎖する。次にステップS204に遷移する。
【0059】
ステップS204において制御手段20は、排気シャッター開閉検出手段19により、排気シャッター4の閉鎖に成功したか否かを調べる。排気シャッター4の閉鎖に成功した場合(ステップS204:Y)、ステップS205に遷移する。排気シャッター4の閉鎖に失敗した場合(ステップS204:N)、ステップS208に遷移する。なお、排気シャッター4の閉鎖に失敗した場合、数回リトライし、それでも排気シャッター4が閉鎖しない場合に失敗とみなしてもよい。
【0060】
ステップS205において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により、排気シャッター4を開放する。次にステップS210に遷移する。
【0061】
ステップS206において制御手段20は、排気シャッター制御手段15により、排気シャッター4を開放する。次にステップS207に遷移する。
【0062】
ステップS207において制御手段20は、排気シャッター開閉検出手段19により、排気シャッター4の開放に成功したか否かを調べる。排気シャッター4の開放に成功した場合(ステップS207:Y)、ステップS210に遷移する。排気シャッター4の開放に失敗した場合(ステップS207:N)、ステップS208に遷移する。なお、排気シャッター4の開放に失敗した場合、数回リトライし、それでも排気シャッター4が開放しない場合に失敗とみなしてもよい。
【0063】
ステップS208において制御手段20は、報知手段40により、異常発生を報知し、ステップS209に遷移する。
【0064】
ステップS209において制御手段20は、プロジェクター1の電源をオフし、スタンバイ状態に移行させる。
【0065】
ステップS210において制御手段20は、光源制御手段25により、光源11を点灯させ、ステップS211に遷移する。
【0066】
ステップS211において制御手段20は、ファン制御手段5により、排気ファン7の動作を開始し、ステップS220に遷移する。
【0067】
ステップS220において制御手段20は、画像信号入力手段18からの画像信号を画像投写手段10により、投写開始する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、電源オフ時、光源11を消灯する前に排気シャッター4を閉鎖し、排気シャッター4が閉鎖できることが確認できたときに、再度排気シャッター4を開放し、光源11を消灯して電源オフ処理を行う。または、排気シャッター4を閉鎖できないことが確認できたときは警告メッセージM1を画像投写手段10により投写する。これにより、ユーザーが電源オフ操作しても、排気シャッター4が正常に閉鎖できない場合は光源11が点灯したまま、警告メッセージM1が投写されるので、排気シャッター4が閉鎖できない異常状態をユーザーが見落とすことを防止することが可能となる。
【0069】
また、電源オン操作を検出時、排気シャッター4の開閉動作が確認できなかった場合に、報知手段40により異常状態を報知する。これにより、プロジェクター1を前回使用終了後、何らかの要因で排気シャッター4が閉じずに開放されたままになっていた状態でも、電源オン操作時に排気シャッター4の閉鎖及び開放ができるかどうかを確認するので、排気シャッター4の閉鎖が正常にできない状態でプロジェクター1が起動するのを防止し、ユーザーに異常状態の排除を促すことが可能となる。
【0070】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、プロジェクター1の電源オフ時、及び電源オン時に、排気シャッター4が閉鎖及び開放できるかを確認し、開放または閉鎖ができないときに異常状態を報知するようにしているが、ユーザーによる投写の一時停止、即ち画像ミュート状態に入るときに、排気シャッター4が正常に閉鎖できるかを確認し、閉鎖できない場合に報知するようにしてもよい。
これにより、通常使用状態でも画像ミュート操作により、画像の投写に影響を与えずに、排気シャッター4が閉鎖できないことを検出し、ユーザーに報知することが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
1…プロジェクター、2…筐体、3…排気口、4…排気シャッター、5…ファン制御手段、7…排気ファン、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、15…排気シャッター制御手段、16…OSD処理手段、17…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、19…排気シャッター開閉検出手段、20…制御手段、21…記憶手段、23…入力操作手段、25…光源制御手段、30…電源端子、31…電源部、40…報知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、投写レンズを介して被投写面に投写光を投写する画像投写手段を収納する筐体を有するプロジェクターであって、
前記筐体に設けられた排気口を開閉する排気シャッターと、
前記排気シャッターの開閉を制御する排気シャッター制御手段と、
前記筐体の内部の空気を、前記排気口を介して前記筐体の外部へ排気する排気ファンと、
前記排気ファンの回転を制御するファン制御手段と、
入力操作を受け付ける入力操作手段と、
前記排気シャッターの開放、及び閉鎖のいずれの状態であるかを検出する排気シャッター開閉検出手段と、
前記入力操作手段より投写停止操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖が可能であることを確認したときに、投写停止処理を行い、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖が不可能であることを確認したときに、前記画像投写手段により前記排気シャッターに異常が発生したことを示す警告メッセージを投写する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記投写停止操作は当該プロジェクターの電源オフ操作であり、
前記投写停止処理では前記光源を消灯し、当該プロジェクターの電源をオフする、
ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
当該プロジェクターの異常発生を報知する報知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記入力操作手段より電源オン操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの閉鎖及び開放が可能であることを確認したときに、前記光源を点灯して当該プロジェクターを動作状態にし、前記排気シャッター開閉検出認手段により、前記排気シャッターの閉鎖または開放が不可能であることを確認したときに、前記報知手段により報知する、
ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、投写レンズを介して被投写面に投写光を投写する画像投写手段と、これらを収納する筐体と、
前記筐体に設けられた排気口を開閉する排気シャッターと、
前記排気シャッターの開閉を制御する排気シャッター制御手段と、
前記筐体の内部の空気を、前記排気口を介して前記筐体の外部へ排気する排気ファンと、
前記前記排気ファンの回転を制御するファン制御手段と、
前記排気シャッターの開放、及び閉鎖のいずれの状態であるかを検出する排気シャッター開閉検出手段と、
入力操作を受け付ける入力操作手段と、
を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記排気シャッター制御手段、及び前記排気シャッター開閉検出手段により、前記排気シャッターの開放、及び閉鎖が可能であるかを確認する排気シャッター開閉確認ステップと、
前記入力操作手段より投写停止操作を検出した場合、前記排気シャッター開閉確認ステップにより、前記排気シャッターの閉鎖が可能であることを確認したときに、投写停止処理を行い、前記排気シャッター開閉確認ステップにより、前記排気シャッターの閉鎖が不可能であることを確認したときに、前記画像投写手段により前記排気シャッターに異常が発生したことを示す警告メッセージを投写する制御ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109054(P2013−109054A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252358(P2011−252358)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】