説明

プロジェクターシステム、プロジェクターの天吊装置、およびプロジェクターシステムの制御方法

【課題】プロジェクターを天吊投写中にシャッターの開閉動作を行う。
【解決手段】投写光を遮断する開閉式のシャッター5を備えたプロジェクター1を、プロジェクター1のシャッター5を開閉操作するシャッター開閉部31を備えた天吊装置30で天吊支持し、プロジェクター1は、ユーザーの遠隔操作を受け付ける操作部23に所定の操作が入力された場合に、天吊装置30にシャッター開閉部31の開閉動作を指示することを特徴とする、プロジェクターシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターシステム、プロジェクターの天吊装置、およびプロジェクターシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターにおいて使用しないときに投写レンズを保護するため、開閉式のシャッターを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなプロジェクターによれば、使用しないときや運搬中に、レンズシャッターを閉塞することで、投写レンズを保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−157112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、プロジェクターを天吊設置で使用する場合は、レンズシャッターの開閉を手動で行うことができないので、使用していないときもレンズが露出することになり、また、レンズ開口部より埃が侵入するという問題があった。レンズシャッターを電動で開閉する機構を装備する方法もあるが、複雑な機構が必要になるうえ、プロジェクターを机上で使う場合には不要であり、コストアップになってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターシステムは、画像を投写して表示するプロジェクターと、当該プロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置と、を備え、前記プロジェクターは、投写光を遮断する開閉式のシャッターを備え、当該天吊装置は、前記プロジェクターの前記シャッターを開閉操作するシャッター開閉部を備えたことを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、プロジェクターを天吊設置で使用している際に、投写レンズを保護するシャッターの開閉動作を行うことが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記プロジェクターは、ユーザーの遠隔操作を受け付ける操作部をさらに備え、前記制御部は、前記操作部に所定の操作が入力された場合に、当該天吊装置に前記シャッター開閉部の開閉動作を指示することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、プロジェクターの遠隔操作により、天吊装置のシャッター開閉部を操作してシャッターの開閉動作を行う。これにより、使用していないときだけでなく、投写中に画面ミュートをする際にもシャッターを閉塞することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記プロジェクターは、異常発生を報知する報知部をさらに備え、前記天吊装置は、前記シャッター開閉部の開閉動作時に異常が発生したことを検出する異常検出部をさらに備え、前記報知部は、前記シャッター開閉部の開閉動作時に異常が発生した場合に、その旨を報知することを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、シャッター開閉部の開閉動作中に異常が発生した場合に報知するので、なんらかの要因でシャッター開閉部が正常に開閉できない状態になったことをユーザーに知らせることが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記天吊装置は、ユーザーの遠隔操作を受け付ける操作部と、前記操作部に所定の操作が入力された場合に、前記シャッター開閉部の開閉動作を行うシャッター制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、プロジェクターが電源オフしている状態でもシャッターの開閉動作を行うことができる。これにより、なんらかの要因でプロジェクターが故障した場合においても、シャッター開閉部の開閉動作を行い、投写レンズを保護することが可能となる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記天吊装置は、商用電源に接続され、前記プロジェクターの電源部に電力を供給する電源制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、天吊装置からプロジェクターに電源を供給することができる。これにより、プロジェクターを天吊設置する場合の電源配線を簡易にすることが可能となる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターの天吊装置は、画像を投写するプロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置であって、前記プロジェクターの投写光を遮断するシャッターの開閉操作をするシャッター開閉部を備えたことを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、プロジェクター本体に複雑な機構が不要なので、プロジェクター本体をコストアップすることなく、シャッターの開閉動作が可能で、投写レンズを保護することが可能となる。
【0019】
[適用例7]本適用例に係るプロジェクターシステムの制御方法は、画像を投写して表示するプロジェクターと、当該プロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置と、を備えるプロジェクターシステムの制御方法であって、前記プロジェクターは、投写光を遮断する開閉式のシャッターを備え、当該天吊装置は、前記プロジェクターの前記シャッターを開閉操作するシャッター開閉機構部を備え、前記プロジェクターが所定の操作を検出すると、前記シャッター開閉機構部により、前記シャッターの開閉動作を行う、シャッター開閉ステップを備えたことを特徴とする。
【0020】
本適用例によれば、プロジェクターを天吊設置で使用している際に、投写レンズを保護するシャッターの開閉動作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プロジェクターシステムのシャッター開閉状態を示す図。(a)は斜視図、(b)は正面図。
【図2】プロジェクターシステムの概略構成を示すブロック図。
【図3】プロジェクターシステムの動作を示すフローチャート。(a)は電源オン時、(b)は電源オフ時の動作を示す。
【図4】プロジェクターシステムの画面ミュート時の動作を示すフローチャート。(a)は画面ミュート設定時、(b)は画面ミュート解除時の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
(第1実施形態)
図1(a)、(b)は本実施形態のプロジェクターシステムのシャッター開閉状態を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクターシステムは画像を投写して表示するプロジェクター1と、プロジェクター1を、例えば天井などから吊り下げ、支持する天吊装置30とを含み構成される。また、プロジェクター1は後述する構成部材を内部に収容した筐体を天吊装置30に支持され、天吊される。
プロジェクター1の投写側である筐体前面の開口部には、投写レンズ13が露出しており、スライド式のシャッター5により、投写レンズ13を保護することができる。シャッター5はシャッターつまみ5aを保持して移動することで、開閉操作する。
【0024】
天吊装置30には、プロジェクター1のシャッター5を開閉するためのシャッター開閉部31が備えられており、シャッター開閉部31には開閉アーム31aと開閉アーム移動部31bとが収納されている。
開閉アーム31aの先端はフック等(図示せず)でシャッターつまみ5aと接続され、開閉アーム移動部31bが開閉アーム31aを送り出し、または引き込むことでシャッター5を開閉する。開閉アーム移動部31bは駆動モーター、搬送ギヤなどで構成される(いずれも図示せず)。
プロジェクター1と天吊装置30はコネクター34で接続され、通信を行うようになっている。
【0025】
図2は本実施形態のプロジェクターシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、操作部としての入力操作部23、画像信号入力部2、画像信号処理部3、OSD処理部4、シャッター5、報知部15、通信部16等で構成されており、これらは図示しないプロジェクター1の筐体の内部に収容されている。
天吊装置30は、シャッター開閉部31、異常検出部33、シャッター制御部35等で構成されており、異常検出部33、シャッター制御部35等は図示しない天吊装置30の筐体の内部に収容されている。
【0026】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0027】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0028】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。
【0029】
このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0030】
上述した実施形態では、光源としてランプを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上述の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0031】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0032】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。記憶部21には設定データとして、シャッター開閉を行うかどうかを示す、シャッター開閉モード21aが保存される。シャッター開閉モード21aは、プロジェクター1が天吊設定され、天吊装置のシャッター開閉部31によりシャッター5の開閉を行う場合に有効に設定される。
【0033】
入力操作部23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作部23は、プロジェクター1の筐体外面に備えられる本体キー、または遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン)で構成する事ができる。
入力操作部23が備える複数の操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、複数の画像信号入力部2に入力される画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、また、投写を中断する画面ミュートキー等がある。
ユーザーが入力操作部23の各種操作キーを操作すると、入力操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
【0034】
画像信号入力部2は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0035】
画像信号処理部3は、画像信号入力部2から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0036】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0037】
液晶駆動部14は、本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0038】
通信部16は、天吊装置30のシャッター制御部35と通信し、シャッター5を開閉するためのコマンド送信、応答受信を行う。
【0039】
報知部15は、LED、ブザーなどで構成され、制御部20からの指示により、シャッター5の開閉時に異常が発生したことをユーザーに報知する。
【0040】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0041】
シャッター制御部35は、通信部16からのコマンド要求により、シャッター5の開動作または閉動作をシャッター開閉部31に指示する。また、シャッター開閉部31の動作が正常に終了したか、異常が発生したかの応答を返す。
【0042】
シャッター開閉部31は、上述したように、シャッター制御部35からの指示により、開閉アーム31aを所定量、引き込み、または送り出すことでシャッター5を開閉させる。
【0043】
次に、本実施形態のプロジェクターシステムの動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
(電源オン時の動作)
図3(a)に示すように、プロジェクター1が入力操作部23への電源オン操作を検出すると(ステップS101)、制御部20はシャッター開閉モード21aが有効(設定)になっているか否かを調べる(ステップS102)。シャッター開閉モード21aが有効になっている場合は(ステップS102:Y)、ステップS103に移行する。一方、シャッター開閉モード21aが有効になっていない場合(ステップS102:N)、ステップS105に移行する。
【0045】
そして、制御部20は、通信部16を介し、シャッター制御部35にシャッターの開動作コマンドを送信する。シャッター制御部35はシャッター開閉部31に指示して開閉アーム31aを所定量引き込み、シャッター開動作を行う(ステップS103)。
シャッター制御部35はシャッター開閉部31の動作後、異常検出部33が異常を検出した場合は異常発生を、検出していない場合は正常終了を応答として制御部20に返す。
【0046】
ステップS104において制御部20は、シャッター5の開動作要求に対するシャッター制御部35からの応答を調べる。正常に終了した場合(ステップS104:Y)は、ステップS105に移行する。一方、正常に終了しなかった場合(ステップS104:N)は、報知部15により、異常発生を報知し(ステップS106)、その後電源をオフし、スタンバイ状態に移行する(ステップS107)。
【0047】
ステップS105において制御部20は、ランプONして入力画像の投写を開始し、本フローを終了する。
【0048】
(電源オフ時の動作)
図3(b)に示すように、プロジェクター1が入力操作部23への電源オフ操作を検出すると(ステップS201)、制御部20は光源11(ランプ)を消灯し(ステップS202)、その後シャッター開閉モード21aが有効(設定)になっているか否かを調べる(ステップS203)。シャッター開閉モード21aが有効になっている場合は(ステップS203:Y)、ステップS204に移行する。一方、シャッター開閉モード21aが有効になっていない場合(ステップS203:N)、ステップS207に移行する。
【0049】
そして制御部20は、通信部16を介し、シャッター制御部35にシャッター閉動作コマンドを送信する。シャッター制御部35はシャッター開閉部31に指示して開閉アーム31aを所定量送り出し、シャッター閉動作を行う(ステップS204)。
シャッター制御部31はシャッター開閉部31の動作後、異常検出部33が異常を検出した場合は異常発生を、検出していない場合は正常終了を応答として制御部20に返す。
【0050】
ステップS205において制御部20は、シャッター5の閉動作要求に対するシャッター制御部35からの応答を調べる。正常に終了した場合(ステップS205:Y)は、ステップS207に移行する。一方、正常に終了しなかった場合(ステップS205:N)は、報知部15により、所定時間、異常発生を報知し(ステップS206)、ステップS207に移行する。
【0051】
ステップS207において制御部20は、プロジェクター1の電源をオフし、スタンバイ状態に移行し、本動作フローを終了する。
【0052】
次に、本実施形態のプロジェクターシステムの画面ミュート時の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
(画面ミュート設定時の動作)
図4(a)に示すように、プロジェクター1が入力操作部23への画面ミュート操作を検出すると(ステップS301)、制御部20は画像投写部10に黒画面を投写するなどミュート状態にし(ステップS302)、その後シャッター開閉モード21aが有効(設定)になっているか否かを調べる(ステップS303)。シャッター開閉モード21aが有効になっている場合は(ステップS303:Y)、ステップS304に移行する。一方、シャッター開閉モード21aが有効になっていない場合(ステップS303:N)、ステップS307に移行する。
【0054】
そして制御部20は、通信部16を介し、シャッター制御部35にシャッター閉動作コマンドを送信する。シャッター制御部35はシャッター開閉部31に指示して開閉アーム31aを所定量送り出し、シャッター閉動作を行う(ステップS304)。
シャッター制御部31はシャッター開閉部31の動作後、異常検出部33が異常を検出した場合は異常発生を、検出していない場合は正常終了を応答として制御部20に返す。
【0055】
ステップS305において制御部20は、シャッター5の閉動作要求に対するシャッター制御部35からの応答を調べる。正常に終了した場合(ステップS305:Y)は、ステップS307に移行する。一方、正常に終了しなかった場合(ステップS305:N)は、報知部15により、異常発生を報知し(ステップS306)、ステップS307に移行する。
【0056】
ステップS307において制御部20は、元の処理に戻り、本動作フローを終了する。
【0057】
(画面ミュート解除時の動作)
図4(b)に示すように、プロジェクター1が入力操作部23への画面ミュート解除操作を検出すると(ステップS401)、制御部20はシャッター開閉モード21aが有効(設定)になっているか否かを調べる(ステップS402)。シャッター開閉モード21aが有効になっている場合は(ステップS402:Y)、ステップS403に移行する。一方、シャッター開閉モード21aが有効になっていない場合(ステップS402:N)、ステップS406に移行する。
【0058】
そして制御部20は、通信部16を介し、シャッター制御部35にシャッターの開動作コマンドを送信する。シャッター制御部35はシャッター開閉部31に指示して開閉アーム31aを所定量引き込み、シャッター開動作を行う(ステップS403)。
シャッター制御部31はシャッター開閉部31の動作後、異常検出部33が異常を検出した場合は異常発生を、検出していない場合は正常終了を応答として制御部20に返す。
【0059】
ステップS404において制御部20は、シャッター5の開動作要求に対するシャッター制御部35からの応答を調べる。正常に終了した場合(ステップS404:Y)は、ステップS406に移行する。一方、正常に終了しなかった場合(ステップS404:N)は、報知部15により、異常発生を報知し(ステップS405)、ステップS407に移行する。
【0060】
ステップS406において制御部20は、入力画像の投写を開始(画面ミュートの解除)し、ステップS407に移行する。
ステップS407において、本フローを終了する。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態のプロジェクターシステムによれば、天吊設置30で支持したプロジェクター1を使用している際に、投写レンズ13を保護するシャッター5の開閉動作を行うことが可能となる。また、シャッター5の開閉動作中に異常が発生した場合には報知するので、ユーザーに対し、なんらかの要因でシャッター5の開閉動作ができなかったことを知らせることが可能となる。
【0062】
(変形例1)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0063】
上述した実施形態においては、プロジェクター1への操作により、シャッター5の開閉動作を行うが、天吊装置30側に入力操作部23を備え、ユーザーの天吊装置30への操作または、遠隔操作により、シャッターの開閉動作を行うようにしてもよい。
本変形例によれば、プロジェクター1が電源オフの状態であってもシャッター5の開閉動作を行うことができる。これにより、なんらかの要因でプロジェクター1が故障した場合においても、シャッター5の開閉動作を行い、投写レンズ13を保護することが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
1…プロジェクター、2…画像信号入力部、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…シャッター、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、15…報知部、16…通信部、20…制御部、21…記憶部、22…光源制御部、23…入力操作部、30…天吊装置、31…シャッター開閉部、31a…開閉アーム、31b…開閉アーム移動部、33…異常検出部、34…コネクター、35…シャッター制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投写して表示するプロジェクターと、
当該プロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置と、を備え、
前記プロジェクターは、
投写光を遮断する開閉式のシャッターを備え、
当該天吊装置は、
前記プロジェクターの前記シャッターを開閉操作するシャッター開閉部を備えたことを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターシステムであって、
前記プロジェクターは、
ユーザーの遠隔操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部に所定の操作が入力された場合に、当該天吊装置に前記シャッター開閉部の開閉動作を指示することを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターシステムであって、
前記プロジェクターは、異常発生を報知する報知部をさらに備え、
前記天吊装置は、前記シャッター開閉部の開閉動作時に異常が発生したことを検出する異常検出部をさらに備え、
前記報知部は、前記シャッター開閉部の開閉動作時に異常が発生した場合に、その旨を報知することを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のプロジェクターシステムであって、
前記天吊装置は、
ユーザーの遠隔操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に所定の操作が入力された場合に、前記シャッター開閉部の開閉動作を行うシャッター制御部と、をさらに備えたことを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項5】
請求項1からの4のいずれかに記載のプロジェクターシステムであって、
前記天吊装置は、
商用電源に接続され、前記プロジェクターの電源部に電力を供給する電源制御部をさらに備えたことを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項6】
画像を投写するプロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置であって、
前記プロジェクターの投写光を遮断するシャッターの開閉操作をするシャッター開閉部を備えたことを特徴とする、プロジェクターの天吊装置。
【請求項7】
画像を投写して表示するプロジェクターと、
当該プロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置と、を備えるプロジェクターシステムの制御方法であって、
前記プロジェクターは、
投写光を遮断する開閉式のシャッターを備え、
当該天吊装置は、
前記プロジェクターの前記シャッターを開閉操作するシャッター開閉機構部を備え、
前記プロジェクターが所定の操作を検出すると、前記シャッター開閉機構部により、前記シャッターの開閉動作を行う、シャッター開閉ステップを備えたことを特徴とする、プロジェクターシステムの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−155120(P2012−155120A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13763(P2011−13763)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】