プロジェクターシステム
【課題】プロジェクターを移動させることなく、解像度の低下を抑制して投写画像を移動するプロジェクターシステムを提供する。
【解決手段】プロジェクターシステム10は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、画像光を投写するプロジェクター1と、画像光を反射する反射装置2と、を備え、反射装置2は、互いに対向して配置され、プロジェクター1から射出された画像光を順次反射する第1反射ミラー21および第2反射ミラー22と、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22のそれぞれの反射面に沿う面に交差し、それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸J1を中心に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を一体的に回転させる第1駆動部24と、第1回転軸J1に直交する第2回転軸J2を中心に、第2反射ミラー22を回転させる第2駆動部25と、を備える。
【解決手段】プロジェクターシステム10は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、画像光を投写するプロジェクター1と、画像光を反射する反射装置2と、を備え、反射装置2は、互いに対向して配置され、プロジェクター1から射出された画像光を順次反射する第1反射ミラー21および第2反射ミラー22と、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22のそれぞれの反射面に沿う面に交差し、それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸J1を中心に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を一体的に回転させる第1駆動部24と、第1回転軸J1に直交する第2回転軸J2を中心に、第2反射ミラー22を回転させる第2駆動部25と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像光を投写するプロジェクター、およびプロジェクターから射出された画像光を反射する装置を備えたプロジェクターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズにて投写するプロジェクターが知られている。そして、このプロジェクターに加えて光束を反射する反射装置を備え、プロジェクターから投写された画像光(以下「投写光」という)の方向を変更可能に構成されたプロジェクターシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のプロジェクターシステム(ムービングプロジェクターシステム)は、プロジェクター、および可動の反射ミラー(反射鏡)を備え、プロジェクターから射出された画像光を反射ミラーが回転されることによってスクリーン等に投写された投写画像を移動できるように構成されている。
【0004】
その1つの実施例として、反射ミラーを回転させる駆動装置、および映像回転回路を有する制御装置を備えたプロジェクターシステムが開示されている。このプロジェクターシステムは、反射ミラーがパン方向およびチルトの方向に回転されることによって投写画像が移動するように構成されている。そして、反射ミラーがパン方向に回転される際には、投写画像が回転するので、映像回転回路によって補正するようになっている。
【0005】
他の実施例として、反射ミラーをチルトの方向に回転させる駆動装置、およびプロジェクターを回転させるターンテーブルを備えたプロジェクターシステムが開示されている。このプロジェクターシステムは、反射ミラーを回転させることによって投写画像をチルト方向に移動させ、ターンテーブルを回転させることによって投写画像をパン方向に移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−149296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターシステムは、以下の課題がある。すなわち、一方の実施例におけるプロジェクターシステムは、ミラーがパン方向に回転される際に投写画像が台形状に歪むことに加えて回転するため、映像回転回路によって補正しており、歪のない矩形状の画像に補正するために無効となる画素が多くなる。つまり、解像度が低下するという課題がある。
【0008】
また、他方の実施例では、プロジェクターを回転させるため、慣性が大きく、投写画像を滑らかに移動する動作に適さないことや、プロジェクターが様々な姿勢となるため内部の冷却効率が悪く、光学部品の劣化の恐れがある。また、映像信号や電源供給のためのケーブルの接続信頼性を確保するために、構造が複雑になったり特殊な接続部品の使用が考えられ、装置が大きくなったり高価になったりするという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターシステムは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターと、前記画像光を反射する反射装置と、を備え、前記反射装置は、互いに対向して配置され、前記プロジェクターから射出された前記画像光を順次反射する第1反射ミラーおよび第2反射ミラーと、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのそれぞれの反射面に沿う面に交差し、前記それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーを一体的に回転させる第1駆動部と、前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方を回転させる第2駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、反射装置がプロジェクターから射出された画像光(投写光)を第1反射ミラーおよび第2反射ミラーで順次反射し、スクリーン等の投写面に投写画像として表示させることができる。そして、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、第1回転軸を中心に回転可能に構成され、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方は、第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に回転可能に構成されている。つまり、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、互いになす角度が維持された状態で第1方向に回転されること、および互いになす角度が変更可能に少なくともいずれか一方が第1方向と直交する第2方向に回転されることができるように構成されている。
【0012】
これによって、反射装置は、プロジェクターが固定された状態において、投写光を反射する方向を2方向において変更し、投写面に投写された投写画像を移動することができる。例えば、垂直方向に沿って配置される投写面に対して、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーを第1方向に回転させて投写画像を水平方向に移動させたり、第2反射ミラーを第2方向に回転させて投写画像を垂直方向に移動させたりすることができる。
【0013】
また、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1方向に回転された際に、反射方向が変更された投写光は、投写面の法線に対して光軸が傾くので、投写面には、台形状や菱形状等に歪む画像となって表示されるが、画像の回転が抑制される。すなわち、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、投写光を順次反射することで、第2方向において、回転に伴う入射角の変化の影響を受けずに投写光を反射することが可能となるので、画像の回転が抑制される。よって、プロジェクターシステムは、投写画像を移動させた際の画像歪を補正する補正量の低減が可能となり、プロジェクターに備えられた画像光を形成するための画像形成部の画素領域を有効に利用することができる。したがって、プロジェクターシステムは、プロジェクターを移動させることなく、投写面に投写された投写画像を解像度の低下を抑制して移動することが可能となる。
【0014】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記プロジェクターおよび前記反射装置は、前記プロジェクターから射出される前記画像光の光軸が、前記仮想平面上に位置するように配置されていることが好ましい。
【0015】
投写画像は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1回転軸を中心に回転される量が大きい程、つまり投写面の法線に対する第2反射ミラーによって反射される投写光の光軸(以下、「反射光軸」という)の角度が大きくなる程歪む量が大きくなる。この構成によれば、投写光の光軸、および第1回転軸は、仮想平面上に位置するので、反射光軸もこの仮想平面上に位置することとなる。これによって、移動される投写画像は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1回転軸を中心に回転される一方の方向と他方の方向とで歪む形状が対称となる。よって、投写光の光軸が仮想平面上に位置しない構成に比べ、投写面のサイズを有効に利用して画像歪の補正量の少ない投写画像、つまりより高解像度の投写画像の移動が可能となる。
【0016】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記第1反射ミラーの光路前段側に前記画像光を反射する第3反射ミラーをさらに備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、第3反射ミラーを備えているので、投写光の方向を第3反射ミラーで変更した後、反射装置によって移動することができる。例えば、プロジェクターシステムを天井に設置した状態で机上や床上等に配置された投写面に投写画像を表示させて移動したり、プロジェクターシステムを床や机上に設置した状態で天井に投写画像を表示させて移動したりすることができる。よって、より用途の広がるプロジェクターシステムの提供が可能となる。
【0018】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーの位置に対応する画像の補正を行う画像補正部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、画像補正部を備え、この画像補正部は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの位置に対応して画像の補正を行う。これによって、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの回転によって移動する投写画像の歪を特定の操作をすることなく補正できる。よって、プロジェクターシステムの利便性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態のプロジェクターシステムを模式的に示す斜視図。
【図2】第1実施形態のプロジェクターシステムの概略構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態の反射装置を模式的に示す斜視図。
【図4】第1実施形態の反射装置における反射面を右方から見た模式図。
【図5】第1実施形態の反射装置における第2反射ミラーを上方から見た模式図。
【図6】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図7】従来のプロジェクターシステムにおける反射装置に備えられた可動ミラーを示す模式図。
【図8】従来の可動ミラーの反射面を模式的に示す図。
【図9】従来のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図10】第1実施形態の反射装置における反射面の模式図。
【図11】第1実施形態の反射装置における第1反射ミラーおよび第2反射ミラーを右方から見た模式図。
【図12】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図13】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図14】第2実施形態のプロジェクターシステムを模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターシステムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のプロジェクターシステム10を模式的に示す斜視図である。
プロジェクターシステム10は、図1に示すように、プロジェクター1および反射装置2を備え、プロジェクター1から射出された画像光(投写光PL)を反射装置2にて反射し、スクリーン等の投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、プロジェクターシステム10は、反射装置2が駆動されることによって、投写画像7を移動する。
【0022】
〔プロジェクターの主な構成〕
先ず、プロジェクター1について説明する。プロジェクター1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、その画像光を投写する。
図2は、プロジェクターシステム10の概略構成を示すブロック図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、光源部11、画像形成部としての液晶ライトバルブ12、投写光学部13、画像入力部14、画像処理部15、画像補正部16、操作部17、ミラー位置入力部18、および制御部19を備えている。
【0023】
光源部11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源を有している。そして、光源部11から射出された光束は、図示しない光分離光学系によって、光の3原色である赤(R)、緑(G)、B(青)の3つの色光に分離された後、各色光用に備えられた液晶ライトバルブ12(R光用の液晶ライトバルブを12R、G光用の液晶ライトバルブを12G、B光用の液晶ライトバルブを12Bとする)に入射する。
【0024】
画像入力部14は、PC(Personal Computer)やDVD(Digital Versatile Disc)再生装置等、外部の画像供給装置ISとケーブルを介した接続を行うための各種接続端子を備え、画像供給装置ISから入力された画像信号を画像処理部15に出力する。
【0025】
画像処理部15は、コントラスト、シャープネスなどの画像の表示状態が所望の状態になるように、画像入力部14からの画像信号を処理して表示画像信号を生成し、画像補正部16に出力する。
【0026】
操作部17は、プロジェクター1の各種設定を行うためのメニュー画像の表示/非表示を切り換えるメニューキー、入力ソースを切り換えるソース切換えキー等、各種指示を行うための複数のキー等を備えている。
【0027】
ミラー位置入力部18は、反射装置2とケーブルを介した接続を行うための接続端子を備え、反射装置2から入力された後述する第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する位置信号を制御部19に出力する。
【0028】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリー等からなるROM(Read Only Memory)、各種データの一時記憶等に用いられるRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示しない)を備え、コンピューターとして機能するものである。制御部19は、CPUがROMに記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、プロジェクター1の動作を統括制御する。
【0029】
画像補正部16は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する画像の補正を行う。具体的に、画像補正部16は、制御部19からの指示を受け、画像処理部15から出力された表示画像信号に対して、反射装置2からの位置信号に対応した画像の補正を行い、補正後の表示画像信号を液晶ライトバルブ12に出力する。また、画像補正部16は、操作部17からの指示に基づいて画像の補正も可能になっている。
【0030】
液晶ライトバルブ12は、画像補正部16から入力された表示画像信号に基づいて入射した各色光を変調する。具体的に、液晶ライトバルブ12は、図示しない微小画素がマトリクス状に形成された矩形状の画素領域を有している。液晶ライトバルブ12は、画像補正部16からの表示画像信号が入力されると、各画素を、表示画像信号に応じた光透過率に設定して、画素領域内に表示画像を形成する。
【0031】
液晶ライトバルブ12は、画像の補正が行われない場合には、画像補正部16から入力される表示画像信号に基づき、表示画像を画素領域全体で形成する。一方、液晶ライトバルブ12は、画像の補正が行われる場合には、画像補正部16から入力される表示画像信号に基づき、画素領域内に表示に寄与しない画素の領域(以下、「非表示領域」という)が形成される。
変調された各色光は、図示しない光合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写光学部13に射出される。
【0032】
投写光学部13は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、光合成光学系から射出された画像光を拡大投写する。そして、投写光学部13から射出された画像光(投写光PL)は、反射装置2に射出される。なお、投写光学部13には、投写画像7のフォーカスを調整する機構、ズーム調整を行う機構(いずれも図示しない)が含まれている。
【0033】
〔反射装置の構成〕
次に、反射装置2について説明する。
反射装置2は、プロジェクター1から射出された画像光(投写光PL)を反射してスクリーン等の投写面SCに投写画像7として表示させる。
図3は、反射装置2を模式的に示す斜視図である。
反射装置2は、図2、図3に示すように、第1反射ミラー21、第2反射ミラー22、ミラー支持機構23、第1駆動部24、第2駆動部25、受信部26、制御部27、およびミラー位置出力部28を備えている。そして、ミラー支持機構23は、図3に示すように、ベース部231、回転台232、およびフレーム233を備えている。
【0034】
反射装置2は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が投写光PLを順次反射し、投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、反射装置2は、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLの光軸(反射光軸LB)が、投写面SCの法線NV(図5参照)に対して略平行となる状態を基準状態として、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転されることによって、法線NVに対する反射光軸LBの角度が変わり投写画像7の位置を移動する。本実施形態のプロジェクターシステム10と投写面SCとは、基準状態で投写画像7が投写面SCの略中央部に表示されるように設定されている。
【0035】
なお、図1、図3に示す反射装置2は、基準状態を示しており、以下では、説明の便宜上、プロジェクター1から射出される画像光(投写光PL)の方向を後方(−Y方向)、投写光PLが第1反射ミラー21にて反射される方向を上方(+Z方向)、Y方向およびZ方向に直交し、図3の図面視における右側を右方(+X方向)として記載する。また、図3に示すように、上方(+Z方向)から見て時計回りの回転方向を1CW方向、反時計回りの回転方向を1CCW方向とし、基準状態において、右方(+X方向)から見て時計回りの回転方向を2CW方向、反時計回りの回転方向を2CCW方向として記載する。
【0036】
第1反射ミラー21は、ガラス製の板材にアルミニウム等の膜が形成され、光束を効率よく反射するように構成された矩形状の反射面21Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第1反射ミラー21は、投写光PLを上方(+Z方向)に向けて反射するように反射面21AがX−Y平面に対して略45°の角度を有してミラー支持機構23の回転台232に固定される。
【0037】
第2反射ミラー22は、第1反射ミラー21と同様に、ガラス製の板材と外周を保持する合成樹脂製の部材とを有し、光束を効率よく反射する矩形状の反射面22Aが形成されている。第2反射ミラー22は、反射面22Aが第1反射ミラー21の反射面21Aと互いに対向するように、第1反射ミラー21の上方(+Z方向)に配置され、フレーム233に回転可能に支持される。
【0038】
具体的に、第2反射ミラー22は、基準状態において、反射面22Aが反射面21Aに対して直交するように配置され、反射面21Aに対する反射面22Aの角度が変更可能に支持される。そして、第2反射ミラー22は、第1反射ミラー21が反射した投写光PLを前方(+Y方向)に向けて反射する。なお、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、ガラス製に限らず、合成樹脂製の部材等に金属膜をメッキ等で形成するように構成してもよい。
【0039】
ミラー支持機構23は、前述したように、ベース部231、回転台232、およびフレーム233を備えている。
ベース部231は、反射装置2全体を支持する部材であり、反射装置2が設置された際に設置面に当接する。
【0040】
回転台232は、ベース部231に対して回転可能に支持される。具体的に、回転台232は、ベース部231の上方(+Z方向)に配置され、Z方向に延出する第1回転軸J1を中心に回転可能に構成されている。つまり、回転台232は、ベース部231に対して1CW方向および1CCW方向に回転可能になっている。また、第1回転軸J1は、反射面21A,22Aに沿う面に交差し、反射面21A,22Aの法線を含む仮想平面VS上に形成される。
【0041】
フレーム233は、回転台232から上方に突出し、第1反射ミラー21を挟んで一対設けられている。フレーム233は、第2反射ミラー22の両側面を支持し、第2反射ミラー22が仮想平面VSに直交する第2回転軸J2を中心に回転可能に構成されている。つまり、第1回転軸J1と第2回転軸J2とは、互いに直交し、第2反射ミラー22は、基準状態において、2CW方向および2CCW方向に回転可能になっている。
【0042】
第1駆動部24は、ベース部231の上方に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備え、制御部27の制御に基づいて、回転台232を回転させる。つまり、第1駆動部24は、第1回転軸J1を中心に、回転台232に固定されている第1反射ミラー21、およびフレーム233に支持されている第2反射ミラー22を一体的に回転させる。
【0043】
第2駆動部25は、フレーム233の側方に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備え、制御部27の制御に基づいて第2回転軸J2を中心に第2反射ミラー22を回転させる。
【0044】
受信部26は、リモコンから送信された操作信号を受信して制御部27に伝達するものであり、受光素子やデコーダー(いずれも図示せず)等で構成されている。受信部26は、光信号を受光素子によって受光して電気信号に変換した後、デコーダーによって復調して制御部27に出力する。
【0045】
制御部27は、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリー等からなるROM(Read Only Memory)、各種データの一時記憶等に用いられるRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示しない)を備える。制御部27は、受信部26からの信号に基づいて、第1駆動部24および第2駆動部25の動作を制御すると共に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
【0046】
ミラー位置出力部28は、接続端子を備え、制御部27から出力された位置信号を、ケーブルを介してプロジェクター1のミラー位置入力部18に出力する。
【0047】
プロジェクター1および反射装置2は、投写光PLの光軸LAが仮想平面VS上に位置するように配置されている。また、反射光軸LBは、光軸LAおよび第1回転軸J1が仮想平面VS上に位置するので、この仮想平面VS上に位置することとなる。そして、プロジェクターシステム10は、投写面SCに投写画像7を表示させ、反射装置2が駆動されることによって、その投写画像7を上下左右方向に移動する。
【0048】
〔反射装置にて反射される投写光の経路〕
反射装置2にて反射される投写光PLの経路について説明する。
図4は、反射装置2における反射面21A,22Aを右方から見た模式図である。具体的に、図4は、第2反射ミラー22が状態A(反射面22Aを2点鎖線で示す)から2CCW方向に角度α回転された状態B(反射面22Aを実線で示す)を示す図である。
【0049】
図4に示すように、状態Aにおいて、反射面21Aに入射する投写光PL(PL10とする)の入射角をθ、反射面22Aに入射する投写光PL(PL20とする)の入射角をφとすると、反射面21A,22Aにおける投写光PL10,PL20の反射角は、それぞれθ,φなので、反射面22Aによって反射される投写光PL(PL30とする)は、投写光PL10に対する角度(「射出角λ」という)がλ=2×θ+2×φとなる。
【0050】
状態Aにおいて、反射面21Aと反射面22Aとが直交となるように配置されている場合、θ+φ=90°なので、λ=180°となる。つまり、第1反射ミラー21に入射する投写光PL10の進行方向と、第2反射ミラー22によって反射された投写光PL30の進行方向との角度の差は、右方から見てゼロとなる。すなわち、第1反射ミラー21に入射する投写光PLは、いわゆる再帰性反射によって、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22に順次反射されて元の方向に戻るように反射される。
【0051】
一方、状態Aから第2反射ミラー22が2CCW方向に角度α回転された状態Bの場合、反射面22Aによって反射される投写光PL(PL40とする)は、射出角がλ=2θ+2×(φ+α)となる。θ+φ=90°なので、射出角は、λ=180°+2×αとなる。つまり、投写光PL40の方向は、投写光PL10,20の入射角θ,φに関わらず、反射面21Aと反射面22Aとがなす角度によって設定されることとなる。
【0052】
反射装置2は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が左右方向に回転された際に、投写光PL10,20の入射角θ,φが変わるが、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、上述したように入射角θ,φの変化の影響を受けずに投写面SCに向けて反射される。つまり、投写面SCに表示される画像は、上下方向において、入射角θ,φの変化による歪が発生しないこととなる。
【0053】
プロジェクターシステム10の動作について詳細に説明する。
〔第1駆動部が駆動された際の動作〕
先ず、第1駆動部24が駆動された際のプロジェクターシステム10の動作について説明する。
図5は、反射装置2における第2反射ミラー22を上方(+Z方向)から見た模式図である。図6は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。
【0054】
反射装置2は、基準状態において、図5に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行となる。そして、この基準状態における投写画像7は、液晶ライトバルブ12の画素領域全体で形成された画像光によって投写された画像であり、図6に示すように、投写面SCの中央部に下辺および上辺がX方向に沿う矩形状に表示される。
【0055】
反射装置2は、制御部27の指示の基、第1駆動部24が駆動されることによって第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が第1回転軸J1を中心に回転する。投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の回転に応じて左右方向(±X方向)に移動する。
【0056】
具体的に、制御部27は、受信部26が投写画像7を左方向に移動させる操作信号を受信すると、その信号に対応した駆動信号を第1駆動部24に出力すると共に、その駆動信号に基づく位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
第1駆動部24は、制御部27からの駆動信号に対応してステッピングモーターが回転して回転台232、つまり第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を基準状態から1CCW方向に回転させる。
【0057】
第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から1CCW方向に回転されると、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転される回転角度の2倍の回転角度を有して射出される。具体的に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22がθL/2回転されると、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、図5に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θLを有して左方に傾斜する。左方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの左側(−X側)には、図6に示すように、台形状の歪を有する画像71が発生することになる。この歪みに対して、補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Lとして表示される。
【0058】
画像歪の補正は、以下の手順にて行われる。
すなわち、制御部27からミラー位置出力部28に出力される位置信号は、基準状態における第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置を初期値とし、ステッピングモーターを回転させるための信号から初期値に対する移動量が算出されて生成される。
【0059】
ミラー位置出力部28からミラー位置入力部18に位置信号が入力されると、プロジェクター1の制御部19は、画像補正部16に画像の補正を行うよう指示を出す。画像補正部16は、ミラー位置入力部18に入力された位置信号に対応した画像の補正を行い、補正後の表示画像信号を液晶ライトバルブ12に出力する。つまり、液晶ライトバルブ12には、画像補正部16によって、非表示領域(図6においてハッチングで示す領域に対応する画素領域)が形成されて画像歪の補正が行われる。
【0060】
また、投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から第1回転軸J1を中心に回転される量が大きい程、つまり法線NVに対する反射光軸LBの角度が大きくなる程歪が大きくなるため、画像歪の補正量が大きくなる。つまり、投写画像7は、投写面SCの中央部から左端、右端に向かって移動される程、液晶ライトバルブ12の非効領域が多くなる。
【0061】
同様に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、基準状態から受信部26が投写画像7を右方向に移動させる操作信号を受信すると、制御部27からの指示に基づいて第1駆動部24が駆動され、図5に示すように、基準状態から1CW方向に回転される。そして、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θRを有して右方に傾斜する。
【0062】
右方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの右側(+X側)には、図6に示すように、台形状の歪を有する画像72が発生することになるが、補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Rとして表示される。
このように、投写画像7は、第1駆動部24が駆動されることによって、左右方向に移動し、移動に伴う画像の歪は、画像補正部16によって補正される。
【0063】
〔従来のプロジェクターシステムとの比較〕
ここで、投写画像7を左右方向(±X方向)に移動した際の画像の歪について、従来のプロジェクターシステムと比較して説明する。
図7〜図9は、従来のプロジェクターシステムを説明するための図である。具体的に、図7は、従来のプロジェクターシステムにおける反射装置101に備えられた可動ミラー102を示す模式図である。図8は、反射装置101における可動ミラー102の反射面103を模式的に示す図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、右方から見た図である。図9は、従来のプロジェクターシステムによって投写された投写画像8を示す模式図である。なお、図7〜図9において記載する方向は、本実施形態の投写面SCに対する方向と同様の方向として記載する。
【0064】
可動ミラー102は、図7に示すように、上下方向(±Z方向)に延出する回転軸J3および左右方向(±X方向)に延出する回転軸J4を中心にそれぞれ回転可能に構成され、反射装置101は、この可動ミラー102が下方(−Z方向)から入射する投写光PLを前方(+Y方向)に配置された投写面SCに向けて反射するようになっている。
【0065】
そして、可動ミラー102は、回転軸J3を中心に回転されると、投写画像8を左右方向に移動し、回転軸J4を中心に回転されると投写画像8を上下方向に移動する。なお、図7は、反射装置101によって反射される投写光PLの反射光軸LBが、投写面SCの法線NVに対して略平行となる基準状態を示す図である。
【0066】
反射面103は、矩形状に形成されており、基準状態において、図8(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺103R)および左側の辺(左辺103L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面103は、図8(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺103Rと左辺103Lとが重なるように配置される。
【0067】
ところで、投写光PLは、プロジェクター1から離間するに従って四角錐状に広がり、図7に示すように、後側(−Y側)の縁部となる投写光PL1、および前側(+Y側)の縁部となる投写光PL2を有している。ここでは、投写光PL1に注目して従来のプロジェクターシステムの画像の歪について説明する。
【0068】
投写光PL1は、反射面103に対し、略直線状の照射光縁辺E1を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E11は、図8(a)に示すように、反射面103上に左右方向に沿う直線状に形成され、図8(b)に示すように、左端Aと右端Bとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面103に照射される投写光PL2も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。そして、可動ミラー102によって反射された投写光PLは、図9に示すように、下辺および上辺が左右方向に沿う矩形状の投写画像8として投写面SCの中央部に表示される。
【0069】
可動ミラー102は、基準状態から回転軸J3を中心に1CCW方向に回転されると、図8(a)に示すように、後方から見て、右辺103Rおよび左辺103Lが上下方向に対して傾斜するように回転し、図8(b)に示すように、右辺103Rが前方に移動し、左辺103Lが後方に移動する。
【0070】
そして、回転された反射面103には、投写光PL1が基準状態における反射面103と異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面103に形成される照射光縁辺E12は、基準状態に対して、左端Cが照射光縁辺E11の左端Aより上方に移動し、右端Dが照射光縁辺E11の右端Bより下方に移動し、図8(a)に示すように、X方向に対して傾斜する。この傾斜角度は、可動ミラー102が回転される量が大きくなる程大きくなる。つまり、可動ミラー102に照射される投写光PLは、可動ミラー102が回転されるに従って反射面103において回転されることとなる。そして、可動ミラー102によって反射されて表示される画像は、可動ミラー102の回転に対応して回転することとなる。
【0071】
また、可動ミラー102によって反射されて表示される画像は、回転に加え、反射光軸LBの法線NVに対する傾斜に伴う歪、および入射角の変化に伴う歪を含んだ画像となる。すなわち、可動ミラー102によって反射される投写光PLは、可動ミラー102が1CCW方向に回転されることによって、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から左方に傾斜すると共に、上下方向においても反射面103に入射する入射角が基準状態に対して変わるので、反射面103で反射される反射角も変わる。
【0072】
これらによって、投写面SCの左側には、図9に示すように、図面視において時計回りに回転し、斜めに歪んだ画像81が形成されることとなる。この歪みに対して、歪が補正されて矩形状の投写画像8Lとして表示される。具体的に、画像81は、図9に示すように、下辺81Dの左側端部が右側端部より上方に位置するように傾斜しており、この下辺81Dは、照射光縁辺E12から反射された投写光PLによって表示される。そして、歪んだ画像81を下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の画像とするために、液晶ライトバルブ12には、非表示領域(図9においてハッチングで示す領域に対応する画素領域)が形成されて画像歪の補正が行われる。
【0073】
同様に、可動ミラー102が基準状態から回転軸J3を中心にして1CW方向に回転されると、投写面SCの右側には、図9に示すように、図面視において反時計回りに回転し、台形状となるように歪んだ画像82が形成されることとなるが、歪が補正されて矩形状の投写画像8Rとして表示される。
【0074】
一方、本実施形態のプロジェクターシステム10によって基準状態から左右方向に移動された投写画像7は、台形状に歪むが回転が抑制される。具体的に、図6に加え、図10を用いて本実施形態の画像歪について説明する。
図10は、反射装置2における反射面21A,22Aの模式図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、右方から見た図である。
【0075】
矩形状の反射面21Aは、基準状態において、図10(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺21R)および左側の辺(左辺21L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面21Aは、図10(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺21Rと左辺21Lとが重なるように配置される。
【0076】
同様に、矩形状の反射面22Aは、基準状態において、図10(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺22R)および左側の辺(左辺22L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面22Aは、図10(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺22Rと左辺22Lとが重なるように配置される。
【0077】
プロジェクター1から投写され、四角錐状に広がる投写光PLは、図10(b)に示すように、下側(−Z側)の縁部となる投写光PL3、および上側(+Z側)の縁部となる投写光PL4を有している。ここでは、投写光PL3に注目して本実施形態のプロジェクターシステム10の画像の歪について説明する。
【0078】
投写光PL3は、反射面21Aに対し、略直線状の照射光縁辺E2を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E21は、図10(a)に示すように、左右方向に沿う直線状に形成され、図10(b)に示すように、左端Eと右端Fとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面21Aに照射される投写光PL4も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。
【0079】
同様に、反射面21Aによって反射された投写光PL3は、反射面22Aに対し、略直線状の照射光縁辺E3を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E31は、図10(a)に示すように、左右方向に沿う直線状に形成され、図10(b)に示すように、左端Jと右端Kとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面22Aに照射される投写光PL4も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。そして、反射面22Aによって反射された投写光PLは、図6に示すように、下辺および上辺が左右方向に沿う矩形状の投写画像7として投写面SCの中央部に表示される。
【0080】
第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、基準状態から第1回転軸J1を中心に1CCW方向に回転されると、図10(a)に示すように、後方から見て、右辺21R,22Rおよび左辺21L,22Lが上下方向に対して傾斜するように回転し、図10(b)に示すように、右辺21R,22Rが前方に移動し、左辺21L,22Lが後方に移動する。
【0081】
そして、回転された反射面21Aには、投写光PL3が基準状態における反射面21Aとは異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面21Aに形成される照射光縁辺E22は、基準状態に対して、図10(b)に示すように、左端Gが照射光縁辺E21の左端Eより後方、右端Hが照射光縁辺E21の右端Fより前方にそれぞれ移動するが、上下方向において殆ど変化せず、X方向に対する傾斜は僅かとなる。
【0082】
同様に、回転された反射面22Aには、投写光PL3が基準状態における反射面22Aとは異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面22Aに形成される照射光縁辺E32は、基準状態に対して、図10(b)に示すように、左端Lが照射光縁辺E31の左端Jより後方、右端Mが照射光縁辺E31の右端Kより前方にそれぞれ移動するが、上下方向において殆ど変化せず、X方向に対する傾斜は僅かとなる。つまり、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22に照射される投写光PLは、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転された際にも、反射面21A,22Aにおいて殆ど回転されることなく照射される。
【0083】
そして、第2反射ミラー22によって反射された投写光PLは、図6に示すように、投写面SCの左側に、台形状の歪を有する画像71が形成されることになるが、前述したように、画像歪の補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Lとして表示される。この画像71は、上辺71Uが照射光縁辺E32から反射された投写光PLによって表示されており、基準状態における投写画像7に対して殆ど回転することなく形成される。
【0084】
同様に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から第1回転軸J1を中心にして1CW方向に回転されると、投写画像7は、図6に示すように、投写面SCの右側に、台形状の歪を有する画像72が形成されることになるが、画像歪の補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Rとして表示される。
【0085】
このように、本実施形態のプロジェクターシステム10は、反射装置2が投写光PLの回転を抑制して反射方向を変える。そして、本実施形態のプロジェクターシステム10で反射された画像71,72は、従来の実施例のプロジェクターシステムで反射された画像81,82に比べて、回転が小さく形成される。
【0086】
〔第2駆動部が駆動された際の動作〕
次に、本実施形態の第2駆動部25が駆動された際の反射装置2の動作について説明する。
図11は、反射装置2における第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を右方(+X方向)から見た模式図。図12は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。
【0087】
反射装置2は、前述したように、基準状態において、図11に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行となり、投写画像7は、図12に示すように、投写面SCの中央部に略矩形状に表示される。
【0088】
反射装置2は、第1駆動部24が駆動された場合と同様に、制御部27の指示の基、第2駆動部25が駆動されることによって第2反射ミラー22が第2回転軸J2を中心に回転する。投写画像7は、第2反射ミラー22の回転に応じて上下方向(±Z方向)に移動する。
【0089】
具体的に、制御部27は、受信部26が投写画像7を上方向に移動させる操作信号を受信すると、その信号に対応した駆動信号を第2駆動部25に出力すると共に、その駆動信号に基づく位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
第2駆動部25は、制御部27からの駆動信号に対応してステッピングモーターが駆動されて第2反射ミラー22を基準状態から2CCW方向に回転させる。
【0090】
第2反射ミラー22が基準状態から2CCW方向に回転されると、図11に示すように、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θUを有して上方に傾斜する。上方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの上側(+Z側)には、図12に示すように、台形状の歪を有する画像73が発生することになるが、第1駆動部24が駆動された場合と同様に、第2反射ミラー22が回転された量に応じた画像歪の補正が行われ、下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Uとして表示される。
【0091】
同様に、第2反射ミラー22は、基準状態から受信部26が投写画像7を下方に移動させる操作信号を受信すると、制御部27からの指示に基づいて第2駆動部25が駆動され、図11に示すように、基準状態から2CW方向に回転される。そして、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θDを有して下方に傾斜する。
【0092】
下方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの下側(−Z側)には、図12に示すように、台形状の歪を有する画像74が発生することになるが、第2反射ミラー22が回転された量に応じた画像歪の補正が行われ、下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Dとして表示される。
このように、投写画像7は、第2駆動部25が駆動されることによって、上下方向に移動する。
【0093】
また、説明の便宜上、第1駆動部24が駆動される場合と、第2駆動部25が駆動される場合とで分けて説明したが、第1駆動部24および第2駆動部25のいずれか一方を駆動した後、他方を駆動させたり、同時に駆動させたりすることが可能である。
図13は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。プロジェクターシステム10は、反射装置2が駆動されることによって、図13に示すように、基準状態において、投写面SCの中央部に投写画像7を表示させた状態から、投写面SCの上下左右の角部までの間を利用して任意の位置に投写画像7を移動することができる。そして、移動された投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応して画像歪の補正が行われる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターシステム10によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクターシステム10は、反射装置2が投写光PLの回転を抑制して反射方向を変えるので、投写画像7を移動させた際に画像の回転が抑制され、画像歪を補正する補正量の低減が可能となる。よって、プロジェクターシステム10は、液晶ライトバルブ12の画素領域を有効に利用し、解像度の低下を抑制して投写画像7を移動することが可能となる。
【0095】
(2)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1を移動させることなく、投写画像7を移動できるので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、低トルクで投写画像7を効率よく移動することが可能となる。
【0096】
(3)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1が固定されているので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、光源部11等の高温となる部材を効率よく冷却できる。よって、光学部品の劣化を抑制することが可能となり、プロジェクターシステム10の長寿命化が図れる。
【0097】
(4)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1が固定されているので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、特殊な接続部品や複雑な構造を採用することなく画像供給装置ISや外部の電源との接続が可能となり、装置の小型化や構造の簡素化が図れると共に、低コスト化が可能となる。
【0098】
(5)光軸LAは、仮想平面VS上に位置するので、基準状態から左右方向に移動される投写画像7は、左右方向において歪む形状が対称になるため、画像歪の補正量も左右方向において同様となる。よって、光軸LAが仮想平面VS上に位置しない構成に比べ、投写面SCのサイズを有効に利用して画像補正量の少ない投写画像7、つまりより高解像度の投写画像7の移動が可能となる。
【0099】
(6)プロジェクターシステム10は、画像補正部16を備え、この画像補正部16は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応して画像の補正を行う。これによって、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の回転によって移動する投写画像7の歪を、特定の操作をすることなく補正できる。よって、プロジェクターシステム10の利便性の向上が図れる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るプロジェクターシステム20について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態のプロジェクターシステム10と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクターシステム20は、光路上において、第1反射ミラー41と投写光学部13との間に配置された第3反射ミラーをさらに備えている。そして、プロジェクターシステム20は、天井に設置され、床や机上等に配置された投写面SCに投写画像7を表示させ、表示させた投写画像7を移動可能に構成されている。
【0101】
図14は、第2実施形態のプロジェクターシステム20を模式的に示す斜視図である。
プロジェクターシステム20は、図14に示すように、第3反射ミラー31を有するプロジェクター3、および第1反射ミラー41と第2反射ミラー42とを有する反射装置4を備えている。そして、プロジェクターシステム20は、投写光学部13から射出され、第3反射ミラー31にて反射された投写光PLを、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が順次反射して投写面SCに投写画像7を表示させる(図14において、投写面SCおよび投写画像7は、図示省略)。そして、プロジェクターシステム20は、反射装置4が駆動されることによって、投写画像7を移動する。
【0102】
なお、図14に示す反射装置4は、基準状態を示しており、以下では、説明の便宜上、投写光学部13から投写光PLが射出される方向を前方(+Y方向)、投写光PLが第3反射ミラー31にて反射される方向を上方(+Z方向)、Y方向およびZ方向に直交し、図14の図面視における右側を右方(+X方向)として記載する。また、後方(−Y方向)から見て時計回りの回転方向を3CW方向、反時計回りの回転方向を3CCW方向とし、基準状態において、右方(+X方向)から見て時計回りの回転方向を4CW方向、反時計回りの回転方向を4CCW方向として記載する。
【0103】
プロジェクター3は、図14に示すように、第3反射ミラー31が投写光学部13の前方に配置され、天吊り治具5を介して図示しない天井に設置される。
第3反射ミラー31は、光束を効率よく反射するように形成された反射面31Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第3反射ミラー31は、反射面31Aの反対側に配置された保持部材32を介してプロジェクター3の外装筐体に取り付けられている。具体的に、第3反射ミラー31は、投写光PLを第1反射ミラー41に向けて反射するように、第1反射ミラー41の光路前段側に配置され、反射面31AがX−Y平面に対して略45°の角度を有して取り付けられる。
【0104】
また、第3反射ミラー31は、保持部材32と共にプロジェクター3の外装筐体に対して移動可能に構成され、投写光学部13から射出された投写光PLが第3反射ミラー31に照射される場合と、照射されない場合が可能になっている。つまり、プロジェクターシステム20は、反射装置4を介して投写光PLを投写すること、および反射装置4を介さずプロジェクター3から射出された投写光PLを直接投写することが可能になっている。なお、第3反射ミラー31をプロジェクター3の外装筐体に対して着脱可能となるように構成してもよい。
【0105】
反射装置4は、図14に示すように、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42に加え、第1実施形態の反射装置2に対して構成や形状が異なるミラー支持機構43、第1駆動部44、および第2駆動部45を備えている。そして、ミラー支持機構43は、ベース部431および回転部材432を備えている。
【0106】
反射装置4は、前述したように、第3反射ミラー31が反射した投写光PLを第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が順次反射し、プロジェクターシステム20の下方に配置された投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、反射装置4は、第1実施形態の反射装置2と同様に、第1駆動部44、および第2駆動部45が駆動されることによって、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が回転され、投写面SCに投写された投写画像7の位置を移動する。
【0107】
第1反射ミラー41は、第1実施形態の第1反射ミラー21と同様に、光束を効率よく反射するように構成された反射面41Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第1反射ミラー41は、反射面41Aが第3反射ミラー31の反射面31Aに対向するように、第3反射ミラー31の上方(+Z方向)に配置される。そして、第1反射ミラー41は、第3反射ミラー31によって反射された投写光PLを前方(+Y方向)に向けて反射するようにX−Z平面に対して略45°の角度を有して回転部材432に固定される。
【0108】
第2反射ミラー42は、第1反射ミラー41と同様に、光束を効率よく反射する反射面42Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第2反射ミラー42は、反射面42Aが第1反射ミラー41の反射面41Aに対向するように、第1反射ミラー41の前方(+Y方向)に配置され、回転部材432に回転可能に支持される。具体的に、第2反射ミラー42は、基準状態において、反射面42Aが反射面41Aに対して直交するように配置され、反射面41Aに対する反射面42Aの角度が変更可能に支持される。そして、第2反射ミラー42は、第1反射ミラー41が反射した投写光PLを下方(−Z方向)に向けて反射する。
【0109】
ミラー支持機構43は、前述したように、ベース部431および回転部材432を備えている。
ベース部431は、反射装置4全体を支持する部材であり、天井に取り付けられる。なお、ベース部431と天吊り治具5とを一体的に構成してもよい。
【0110】
回転部材432は、第1反射ミラー41が固定され、第2反射ミラー42を回転可能に支持すると共に、ベース部431に対して回転可能に支持される。具体的に、回転部材432は、断面U字状に形成されており、このU字状の開口部の底側に第1反射ミラー41が固定され、開口部の先端側に第2反射ミラー42が支持されている。そして、回転部材432は、ベース部431の前方(+Y方向)に配置され、Y方向に延出する第1回転軸J5を中心に回転可能に支持される。また、第1回転軸J5は、反射面41A,42Aに沿う面に交差し、反射面41A,42Aの法線を含む仮想平面VS上に形成される。
【0111】
回転部材432の開口部の先端側には、仮想平面VSに直交する第2回転軸J6が設けられており、第2反射ミラー42は、両側面が回転部材432に支持され、第2回転軸J6を中心に回転可能になっている。つまり、第1回転軸J5と第2回転軸J6とは、互いに直交しており、回転部材432は、ベース部431に対して3CW方向および3CCW方向に回転可能になっており、第2反射ミラー42は、基準状態において、4CW方向および4CCW方向に回転可能になっている。
【0112】
第1駆動部44は、ベース部431の後方(−Y方向)に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備えている。第1駆動部44は、第1実施形態と同様に、制御部27の制御に基づいて、回転部材432を回転させる。そして、回転部材432が回転されることによって、回転部材432に固定されている第1反射ミラー41、および回転部材432に支持されている第2反射ミラー42は、一体的に回転する。
【0113】
第2駆動部45は、図14に示すように、第1反射ミラー41の反射面41Aと反対側に配置され、移動部451および図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備えている。
移動部451は、第1反射ミラー41の上方端部から第2反射ミラー42に向かって突出しており、制御部27の制御に基づいて輪列部が駆動されることによって、第1反射ミラー41の端部から突出する突出量が変更される。そして、移動部451は、先端が第2反射ミラー42の上端近傍に当接するように構成され、第2反射ミラー42は、移動部451が当接することで回転が規制されて位置決めされる。
【0114】
第2反射ミラー42は、移動部451の突出量の変化に応じて第2回転軸J6を中心に回転する。具体的に、移動部451は、基準状態において、反射面41Aに対して反射面42Aが直交となる基準突出量が設定されている。そして、第2反射ミラー42は、基準状態から移動部451の突出量が基準突出量より大きく駆動されると、4CW方向に回転し、突出量が基準突出量より小さく駆動されると、4CCW方向に回転する。
【0115】
プロジェクターシステム20は、第1実施形態のプロジェクターシステム10と同様に、受信部26からの信号に基づいて第1駆動部44および第2駆動部45が駆動されて投写画像7を移動させ、移動された位置に対応した投写画像7の補正を施す。
【0116】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターシステム20によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクターシステム20は、第3反射ミラー31を備えているので、投写光PLの方向を第3反射ミラー31で変更した後、反射装置4によって移動することができる。よって、プロジェクターシステム20を天井に設置した状態で机上や床上等に配置された投写面SCに投写画像7を表示させて移動したりすることができ、より用途の広がるプロジェクターシステム20の提供が可能となる。
【0117】
(2)プロジェクターシステム20は、第3反射ミラー31が移動可能に構成され、反射装置4を介して投写光PLを投写すること、および反射装置4を介さずプロジェクター3から射出された投写光PLを直接投写することが可能なので、さらに用途が広がる。
【0118】
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、第2反射ミラー22,42が第2回転軸J2,J6を中心に回転可能に構成されているが、第1反射ミラー21,41が第1回転軸J1,J5に直交する第2回転軸を中心に回転されるように構成してもよい。また、第1反射ミラー21,41および第2反射ミラー22,42の双方が回転されるように構成してもよい。
【0119】
前記実施形態の受信部26および制御部27は、反射装置2,4に備えられているが、プロジェクター1,3に備えるように構成してもよい。
【0120】
前記実施形態の第1駆動部24,44および第2駆動部25,45は、電動式で構成されているが、ダイヤル等を手動によって回転させることによって第1反射ミラー21,41および第2反射ミラー22,42が回転する手動式で構成してもよい。
【0121】
前記実施形態のプロジェクターシステム10,20は、1つのプロジェクター1,3と1つの反射装置2,4とでそれぞれ構成されているが、1つの反射装置と複数のプロジェクターとを備えるように構成してもよい。例えば、一方のプロジェクターによる大画面の投写画像に、他方のプロジェクターによる小画面の投写画像を重ねて表示させたり、投写中のプロジェクターの光源が切れた際に、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの回転を回転させ、他のプロジェクターに切替えるように構成してもよい。
【0122】
前記第2実施形態の第3反射ミラー31は、プロジェクター3に備えられているが、反射装置4に搭載するように構成してもよい。
【0123】
前記第2実施形態のプロジェクターシステム20は、天井に設置されるように構成されているが、天井に限らず机の上方等に設置してもよい。また、プロジェクターシステム20を床や机上に設置し、天井に投写画像7を表示させて移動できるように構成してもよい。
【0124】
前記実施形態のプロジェクターは、画像形成部として透過型の液晶ライトバルブ12を用いているが、反射型の液晶ライトバルブを利用したものであってもよい。また、画像形成部としてマイクロミラーアレイを用いたデバイス等を使用したものであってもよい。
【0125】
前記実施形態の光源は、放電型の光源に限らずレーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1,3…プロジェクター、2,4…反射装置、7,7D,7L,7R,7U,8,8L,8R…投写画像、10,20…プロジェクターシステム、11…光源部、12…液晶ライトバルブ、16…画像補正部、21,41…第1反射ミラー、21A,22A,41A,42A…反射面、22,42…第2反射ミラー、24,44…第1駆動部、25,45…第2駆動部、31…第3反射ミラー、J1,J5…第1回転軸、J2,J6…第2回転軸、LA…光軸、LB…反射光軸、VS…仮想平面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像光を投写するプロジェクター、およびプロジェクターから射出された画像光を反射する装置を備えたプロジェクターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズにて投写するプロジェクターが知られている。そして、このプロジェクターに加えて光束を反射する反射装置を備え、プロジェクターから投写された画像光(以下「投写光」という)の方向を変更可能に構成されたプロジェクターシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のプロジェクターシステム(ムービングプロジェクターシステム)は、プロジェクター、および可動の反射ミラー(反射鏡)を備え、プロジェクターから射出された画像光を反射ミラーが回転されることによってスクリーン等に投写された投写画像を移動できるように構成されている。
【0004】
その1つの実施例として、反射ミラーを回転させる駆動装置、および映像回転回路を有する制御装置を備えたプロジェクターシステムが開示されている。このプロジェクターシステムは、反射ミラーがパン方向およびチルトの方向に回転されることによって投写画像が移動するように構成されている。そして、反射ミラーがパン方向に回転される際には、投写画像が回転するので、映像回転回路によって補正するようになっている。
【0005】
他の実施例として、反射ミラーをチルトの方向に回転させる駆動装置、およびプロジェクターを回転させるターンテーブルを備えたプロジェクターシステムが開示されている。このプロジェクターシステムは、反射ミラーを回転させることによって投写画像をチルト方向に移動させ、ターンテーブルを回転させることによって投写画像をパン方向に移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−149296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターシステムは、以下の課題がある。すなわち、一方の実施例におけるプロジェクターシステムは、ミラーがパン方向に回転される際に投写画像が台形状に歪むことに加えて回転するため、映像回転回路によって補正しており、歪のない矩形状の画像に補正するために無効となる画素が多くなる。つまり、解像度が低下するという課題がある。
【0008】
また、他方の実施例では、プロジェクターを回転させるため、慣性が大きく、投写画像を滑らかに移動する動作に適さないことや、プロジェクターが様々な姿勢となるため内部の冷却効率が悪く、光学部品の劣化の恐れがある。また、映像信号や電源供給のためのケーブルの接続信頼性を確保するために、構造が複雑になったり特殊な接続部品の使用が考えられ、装置が大きくなったり高価になったりするという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターシステムは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターと、前記画像光を反射する反射装置と、を備え、前記反射装置は、互いに対向して配置され、前記プロジェクターから射出された前記画像光を順次反射する第1反射ミラーおよび第2反射ミラーと、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのそれぞれの反射面に沿う面に交差し、前記それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーを一体的に回転させる第1駆動部と、前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方を回転させる第2駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、反射装置がプロジェクターから射出された画像光(投写光)を第1反射ミラーおよび第2反射ミラーで順次反射し、スクリーン等の投写面に投写画像として表示させることができる。そして、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、第1回転軸を中心に回転可能に構成され、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方は、第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に回転可能に構成されている。つまり、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、互いになす角度が維持された状態で第1方向に回転されること、および互いになす角度が変更可能に少なくともいずれか一方が第1方向と直交する第2方向に回転されることができるように構成されている。
【0012】
これによって、反射装置は、プロジェクターが固定された状態において、投写光を反射する方向を2方向において変更し、投写面に投写された投写画像を移動することができる。例えば、垂直方向に沿って配置される投写面に対して、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーを第1方向に回転させて投写画像を水平方向に移動させたり、第2反射ミラーを第2方向に回転させて投写画像を垂直方向に移動させたりすることができる。
【0013】
また、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1方向に回転された際に、反射方向が変更された投写光は、投写面の法線に対して光軸が傾くので、投写面には、台形状や菱形状等に歪む画像となって表示されるが、画像の回転が抑制される。すなわち、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーは、投写光を順次反射することで、第2方向において、回転に伴う入射角の変化の影響を受けずに投写光を反射することが可能となるので、画像の回転が抑制される。よって、プロジェクターシステムは、投写画像を移動させた際の画像歪を補正する補正量の低減が可能となり、プロジェクターに備えられた画像光を形成するための画像形成部の画素領域を有効に利用することができる。したがって、プロジェクターシステムは、プロジェクターを移動させることなく、投写面に投写された投写画像を解像度の低下を抑制して移動することが可能となる。
【0014】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記プロジェクターおよび前記反射装置は、前記プロジェクターから射出される前記画像光の光軸が、前記仮想平面上に位置するように配置されていることが好ましい。
【0015】
投写画像は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1回転軸を中心に回転される量が大きい程、つまり投写面の法線に対する第2反射ミラーによって反射される投写光の光軸(以下、「反射光軸」という)の角度が大きくなる程歪む量が大きくなる。この構成によれば、投写光の光軸、および第1回転軸は、仮想平面上に位置するので、反射光軸もこの仮想平面上に位置することとなる。これによって、移動される投写画像は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーが第1回転軸を中心に回転される一方の方向と他方の方向とで歪む形状が対称となる。よって、投写光の光軸が仮想平面上に位置しない構成に比べ、投写面のサイズを有効に利用して画像歪の補正量の少ない投写画像、つまりより高解像度の投写画像の移動が可能となる。
【0016】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記第1反射ミラーの光路前段側に前記画像光を反射する第3反射ミラーをさらに備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、第3反射ミラーを備えているので、投写光の方向を第3反射ミラーで変更した後、反射装置によって移動することができる。例えば、プロジェクターシステムを天井に設置した状態で机上や床上等に配置された投写面に投写画像を表示させて移動したり、プロジェクターシステムを床や机上に設置した状態で天井に投写画像を表示させて移動したりすることができる。よって、より用途の広がるプロジェクターシステムの提供が可能となる。
【0018】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターシステムにおいて、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーの位置に対応する画像の補正を行う画像補正部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、プロジェクターシステムは、画像補正部を備え、この画像補正部は、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの位置に対応して画像の補正を行う。これによって、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの回転によって移動する投写画像の歪を特定の操作をすることなく補正できる。よって、プロジェクターシステムの利便性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態のプロジェクターシステムを模式的に示す斜視図。
【図2】第1実施形態のプロジェクターシステムの概略構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態の反射装置を模式的に示す斜視図。
【図4】第1実施形態の反射装置における反射面を右方から見た模式図。
【図5】第1実施形態の反射装置における第2反射ミラーを上方から見た模式図。
【図6】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図7】従来のプロジェクターシステムにおける反射装置に備えられた可動ミラーを示す模式図。
【図8】従来の可動ミラーの反射面を模式的に示す図。
【図9】従来のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図10】第1実施形態の反射装置における反射面の模式図。
【図11】第1実施形態の反射装置における第1反射ミラーおよび第2反射ミラーを右方から見た模式図。
【図12】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図13】第1実施形態のプロジェクターシステムによって投写された投写画像を示す模式図。
【図14】第2実施形態のプロジェクターシステムを模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターシステムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のプロジェクターシステム10を模式的に示す斜視図である。
プロジェクターシステム10は、図1に示すように、プロジェクター1および反射装置2を備え、プロジェクター1から射出された画像光(投写光PL)を反射装置2にて反射し、スクリーン等の投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、プロジェクターシステム10は、反射装置2が駆動されることによって、投写画像7を移動する。
【0022】
〔プロジェクターの主な構成〕
先ず、プロジェクター1について説明する。プロジェクター1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、その画像光を投写する。
図2は、プロジェクターシステム10の概略構成を示すブロック図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、光源部11、画像形成部としての液晶ライトバルブ12、投写光学部13、画像入力部14、画像処理部15、画像補正部16、操作部17、ミラー位置入力部18、および制御部19を備えている。
【0023】
光源部11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源を有している。そして、光源部11から射出された光束は、図示しない光分離光学系によって、光の3原色である赤(R)、緑(G)、B(青)の3つの色光に分離された後、各色光用に備えられた液晶ライトバルブ12(R光用の液晶ライトバルブを12R、G光用の液晶ライトバルブを12G、B光用の液晶ライトバルブを12Bとする)に入射する。
【0024】
画像入力部14は、PC(Personal Computer)やDVD(Digital Versatile Disc)再生装置等、外部の画像供給装置ISとケーブルを介した接続を行うための各種接続端子を備え、画像供給装置ISから入力された画像信号を画像処理部15に出力する。
【0025】
画像処理部15は、コントラスト、シャープネスなどの画像の表示状態が所望の状態になるように、画像入力部14からの画像信号を処理して表示画像信号を生成し、画像補正部16に出力する。
【0026】
操作部17は、プロジェクター1の各種設定を行うためのメニュー画像の表示/非表示を切り換えるメニューキー、入力ソースを切り換えるソース切換えキー等、各種指示を行うための複数のキー等を備えている。
【0027】
ミラー位置入力部18は、反射装置2とケーブルを介した接続を行うための接続端子を備え、反射装置2から入力された後述する第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する位置信号を制御部19に出力する。
【0028】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリー等からなるROM(Read Only Memory)、各種データの一時記憶等に用いられるRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示しない)を備え、コンピューターとして機能するものである。制御部19は、CPUがROMに記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、プロジェクター1の動作を統括制御する。
【0029】
画像補正部16は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する画像の補正を行う。具体的に、画像補正部16は、制御部19からの指示を受け、画像処理部15から出力された表示画像信号に対して、反射装置2からの位置信号に対応した画像の補正を行い、補正後の表示画像信号を液晶ライトバルブ12に出力する。また、画像補正部16は、操作部17からの指示に基づいて画像の補正も可能になっている。
【0030】
液晶ライトバルブ12は、画像補正部16から入力された表示画像信号に基づいて入射した各色光を変調する。具体的に、液晶ライトバルブ12は、図示しない微小画素がマトリクス状に形成された矩形状の画素領域を有している。液晶ライトバルブ12は、画像補正部16からの表示画像信号が入力されると、各画素を、表示画像信号に応じた光透過率に設定して、画素領域内に表示画像を形成する。
【0031】
液晶ライトバルブ12は、画像の補正が行われない場合には、画像補正部16から入力される表示画像信号に基づき、表示画像を画素領域全体で形成する。一方、液晶ライトバルブ12は、画像の補正が行われる場合には、画像補正部16から入力される表示画像信号に基づき、画素領域内に表示に寄与しない画素の領域(以下、「非表示領域」という)が形成される。
変調された各色光は、図示しない光合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写光学部13に射出される。
【0032】
投写光学部13は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、光合成光学系から射出された画像光を拡大投写する。そして、投写光学部13から射出された画像光(投写光PL)は、反射装置2に射出される。なお、投写光学部13には、投写画像7のフォーカスを調整する機構、ズーム調整を行う機構(いずれも図示しない)が含まれている。
【0033】
〔反射装置の構成〕
次に、反射装置2について説明する。
反射装置2は、プロジェクター1から射出された画像光(投写光PL)を反射してスクリーン等の投写面SCに投写画像7として表示させる。
図3は、反射装置2を模式的に示す斜視図である。
反射装置2は、図2、図3に示すように、第1反射ミラー21、第2反射ミラー22、ミラー支持機構23、第1駆動部24、第2駆動部25、受信部26、制御部27、およびミラー位置出力部28を備えている。そして、ミラー支持機構23は、図3に示すように、ベース部231、回転台232、およびフレーム233を備えている。
【0034】
反射装置2は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が投写光PLを順次反射し、投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、反射装置2は、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLの光軸(反射光軸LB)が、投写面SCの法線NV(図5参照)に対して略平行となる状態を基準状態として、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転されることによって、法線NVに対する反射光軸LBの角度が変わり投写画像7の位置を移動する。本実施形態のプロジェクターシステム10と投写面SCとは、基準状態で投写画像7が投写面SCの略中央部に表示されるように設定されている。
【0035】
なお、図1、図3に示す反射装置2は、基準状態を示しており、以下では、説明の便宜上、プロジェクター1から射出される画像光(投写光PL)の方向を後方(−Y方向)、投写光PLが第1反射ミラー21にて反射される方向を上方(+Z方向)、Y方向およびZ方向に直交し、図3の図面視における右側を右方(+X方向)として記載する。また、図3に示すように、上方(+Z方向)から見て時計回りの回転方向を1CW方向、反時計回りの回転方向を1CCW方向とし、基準状態において、右方(+X方向)から見て時計回りの回転方向を2CW方向、反時計回りの回転方向を2CCW方向として記載する。
【0036】
第1反射ミラー21は、ガラス製の板材にアルミニウム等の膜が形成され、光束を効率よく反射するように構成された矩形状の反射面21Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第1反射ミラー21は、投写光PLを上方(+Z方向)に向けて反射するように反射面21AがX−Y平面に対して略45°の角度を有してミラー支持機構23の回転台232に固定される。
【0037】
第2反射ミラー22は、第1反射ミラー21と同様に、ガラス製の板材と外周を保持する合成樹脂製の部材とを有し、光束を効率よく反射する矩形状の反射面22Aが形成されている。第2反射ミラー22は、反射面22Aが第1反射ミラー21の反射面21Aと互いに対向するように、第1反射ミラー21の上方(+Z方向)に配置され、フレーム233に回転可能に支持される。
【0038】
具体的に、第2反射ミラー22は、基準状態において、反射面22Aが反射面21Aに対して直交するように配置され、反射面21Aに対する反射面22Aの角度が変更可能に支持される。そして、第2反射ミラー22は、第1反射ミラー21が反射した投写光PLを前方(+Y方向)に向けて反射する。なお、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、ガラス製に限らず、合成樹脂製の部材等に金属膜をメッキ等で形成するように構成してもよい。
【0039】
ミラー支持機構23は、前述したように、ベース部231、回転台232、およびフレーム233を備えている。
ベース部231は、反射装置2全体を支持する部材であり、反射装置2が設置された際に設置面に当接する。
【0040】
回転台232は、ベース部231に対して回転可能に支持される。具体的に、回転台232は、ベース部231の上方(+Z方向)に配置され、Z方向に延出する第1回転軸J1を中心に回転可能に構成されている。つまり、回転台232は、ベース部231に対して1CW方向および1CCW方向に回転可能になっている。また、第1回転軸J1は、反射面21A,22Aに沿う面に交差し、反射面21A,22Aの法線を含む仮想平面VS上に形成される。
【0041】
フレーム233は、回転台232から上方に突出し、第1反射ミラー21を挟んで一対設けられている。フレーム233は、第2反射ミラー22の両側面を支持し、第2反射ミラー22が仮想平面VSに直交する第2回転軸J2を中心に回転可能に構成されている。つまり、第1回転軸J1と第2回転軸J2とは、互いに直交し、第2反射ミラー22は、基準状態において、2CW方向および2CCW方向に回転可能になっている。
【0042】
第1駆動部24は、ベース部231の上方に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備え、制御部27の制御に基づいて、回転台232を回転させる。つまり、第1駆動部24は、第1回転軸J1を中心に、回転台232に固定されている第1反射ミラー21、およびフレーム233に支持されている第2反射ミラー22を一体的に回転させる。
【0043】
第2駆動部25は、フレーム233の側方に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備え、制御部27の制御に基づいて第2回転軸J2を中心に第2反射ミラー22を回転させる。
【0044】
受信部26は、リモコンから送信された操作信号を受信して制御部27に伝達するものであり、受光素子やデコーダー(いずれも図示せず)等で構成されている。受信部26は、光信号を受光素子によって受光して電気信号に変換した後、デコーダーによって復調して制御部27に出力する。
【0045】
制御部27は、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリー等からなるROM(Read Only Memory)、各種データの一時記憶等に用いられるRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示しない)を備える。制御部27は、受信部26からの信号に基づいて、第1駆動部24および第2駆動部25の動作を制御すると共に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応する位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
【0046】
ミラー位置出力部28は、接続端子を備え、制御部27から出力された位置信号を、ケーブルを介してプロジェクター1のミラー位置入力部18に出力する。
【0047】
プロジェクター1および反射装置2は、投写光PLの光軸LAが仮想平面VS上に位置するように配置されている。また、反射光軸LBは、光軸LAおよび第1回転軸J1が仮想平面VS上に位置するので、この仮想平面VS上に位置することとなる。そして、プロジェクターシステム10は、投写面SCに投写画像7を表示させ、反射装置2が駆動されることによって、その投写画像7を上下左右方向に移動する。
【0048】
〔反射装置にて反射される投写光の経路〕
反射装置2にて反射される投写光PLの経路について説明する。
図4は、反射装置2における反射面21A,22Aを右方から見た模式図である。具体的に、図4は、第2反射ミラー22が状態A(反射面22Aを2点鎖線で示す)から2CCW方向に角度α回転された状態B(反射面22Aを実線で示す)を示す図である。
【0049】
図4に示すように、状態Aにおいて、反射面21Aに入射する投写光PL(PL10とする)の入射角をθ、反射面22Aに入射する投写光PL(PL20とする)の入射角をφとすると、反射面21A,22Aにおける投写光PL10,PL20の反射角は、それぞれθ,φなので、反射面22Aによって反射される投写光PL(PL30とする)は、投写光PL10に対する角度(「射出角λ」という)がλ=2×θ+2×φとなる。
【0050】
状態Aにおいて、反射面21Aと反射面22Aとが直交となるように配置されている場合、θ+φ=90°なので、λ=180°となる。つまり、第1反射ミラー21に入射する投写光PL10の進行方向と、第2反射ミラー22によって反射された投写光PL30の進行方向との角度の差は、右方から見てゼロとなる。すなわち、第1反射ミラー21に入射する投写光PLは、いわゆる再帰性反射によって、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22に順次反射されて元の方向に戻るように反射される。
【0051】
一方、状態Aから第2反射ミラー22が2CCW方向に角度α回転された状態Bの場合、反射面22Aによって反射される投写光PL(PL40とする)は、射出角がλ=2θ+2×(φ+α)となる。θ+φ=90°なので、射出角は、λ=180°+2×αとなる。つまり、投写光PL40の方向は、投写光PL10,20の入射角θ,φに関わらず、反射面21Aと反射面22Aとがなす角度によって設定されることとなる。
【0052】
反射装置2は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が左右方向に回転された際に、投写光PL10,20の入射角θ,φが変わるが、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、上述したように入射角θ,φの変化の影響を受けずに投写面SCに向けて反射される。つまり、投写面SCに表示される画像は、上下方向において、入射角θ,φの変化による歪が発生しないこととなる。
【0053】
プロジェクターシステム10の動作について詳細に説明する。
〔第1駆動部が駆動された際の動作〕
先ず、第1駆動部24が駆動された際のプロジェクターシステム10の動作について説明する。
図5は、反射装置2における第2反射ミラー22を上方(+Z方向)から見た模式図である。図6は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。
【0054】
反射装置2は、基準状態において、図5に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行となる。そして、この基準状態における投写画像7は、液晶ライトバルブ12の画素領域全体で形成された画像光によって投写された画像であり、図6に示すように、投写面SCの中央部に下辺および上辺がX方向に沿う矩形状に表示される。
【0055】
反射装置2は、制御部27の指示の基、第1駆動部24が駆動されることによって第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が第1回転軸J1を中心に回転する。投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の回転に応じて左右方向(±X方向)に移動する。
【0056】
具体的に、制御部27は、受信部26が投写画像7を左方向に移動させる操作信号を受信すると、その信号に対応した駆動信号を第1駆動部24に出力すると共に、その駆動信号に基づく位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
第1駆動部24は、制御部27からの駆動信号に対応してステッピングモーターが回転して回転台232、つまり第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を基準状態から1CCW方向に回転させる。
【0057】
第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から1CCW方向に回転されると、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転される回転角度の2倍の回転角度を有して射出される。具体的に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22がθL/2回転されると、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、図5に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θLを有して左方に傾斜する。左方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの左側(−X側)には、図6に示すように、台形状の歪を有する画像71が発生することになる。この歪みに対して、補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Lとして表示される。
【0058】
画像歪の補正は、以下の手順にて行われる。
すなわち、制御部27からミラー位置出力部28に出力される位置信号は、基準状態における第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置を初期値とし、ステッピングモーターを回転させるための信号から初期値に対する移動量が算出されて生成される。
【0059】
ミラー位置出力部28からミラー位置入力部18に位置信号が入力されると、プロジェクター1の制御部19は、画像補正部16に画像の補正を行うよう指示を出す。画像補正部16は、ミラー位置入力部18に入力された位置信号に対応した画像の補正を行い、補正後の表示画像信号を液晶ライトバルブ12に出力する。つまり、液晶ライトバルブ12には、画像補正部16によって、非表示領域(図6においてハッチングで示す領域に対応する画素領域)が形成されて画像歪の補正が行われる。
【0060】
また、投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から第1回転軸J1を中心に回転される量が大きい程、つまり法線NVに対する反射光軸LBの角度が大きくなる程歪が大きくなるため、画像歪の補正量が大きくなる。つまり、投写画像7は、投写面SCの中央部から左端、右端に向かって移動される程、液晶ライトバルブ12の非効領域が多くなる。
【0061】
同様に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、基準状態から受信部26が投写画像7を右方向に移動させる操作信号を受信すると、制御部27からの指示に基づいて第1駆動部24が駆動され、図5に示すように、基準状態から1CW方向に回転される。そして、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θRを有して右方に傾斜する。
【0062】
右方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの右側(+X側)には、図6に示すように、台形状の歪を有する画像72が発生することになるが、補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Rとして表示される。
このように、投写画像7は、第1駆動部24が駆動されることによって、左右方向に移動し、移動に伴う画像の歪は、画像補正部16によって補正される。
【0063】
〔従来のプロジェクターシステムとの比較〕
ここで、投写画像7を左右方向(±X方向)に移動した際の画像の歪について、従来のプロジェクターシステムと比較して説明する。
図7〜図9は、従来のプロジェクターシステムを説明するための図である。具体的に、図7は、従来のプロジェクターシステムにおける反射装置101に備えられた可動ミラー102を示す模式図である。図8は、反射装置101における可動ミラー102の反射面103を模式的に示す図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、右方から見た図である。図9は、従来のプロジェクターシステムによって投写された投写画像8を示す模式図である。なお、図7〜図9において記載する方向は、本実施形態の投写面SCに対する方向と同様の方向として記載する。
【0064】
可動ミラー102は、図7に示すように、上下方向(±Z方向)に延出する回転軸J3および左右方向(±X方向)に延出する回転軸J4を中心にそれぞれ回転可能に構成され、反射装置101は、この可動ミラー102が下方(−Z方向)から入射する投写光PLを前方(+Y方向)に配置された投写面SCに向けて反射するようになっている。
【0065】
そして、可動ミラー102は、回転軸J3を中心に回転されると、投写画像8を左右方向に移動し、回転軸J4を中心に回転されると投写画像8を上下方向に移動する。なお、図7は、反射装置101によって反射される投写光PLの反射光軸LBが、投写面SCの法線NVに対して略平行となる基準状態を示す図である。
【0066】
反射面103は、矩形状に形成されており、基準状態において、図8(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺103R)および左側の辺(左辺103L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面103は、図8(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺103Rと左辺103Lとが重なるように配置される。
【0067】
ところで、投写光PLは、プロジェクター1から離間するに従って四角錐状に広がり、図7に示すように、後側(−Y側)の縁部となる投写光PL1、および前側(+Y側)の縁部となる投写光PL2を有している。ここでは、投写光PL1に注目して従来のプロジェクターシステムの画像の歪について説明する。
【0068】
投写光PL1は、反射面103に対し、略直線状の照射光縁辺E1を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E11は、図8(a)に示すように、反射面103上に左右方向に沿う直線状に形成され、図8(b)に示すように、左端Aと右端Bとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面103に照射される投写光PL2も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。そして、可動ミラー102によって反射された投写光PLは、図9に示すように、下辺および上辺が左右方向に沿う矩形状の投写画像8として投写面SCの中央部に表示される。
【0069】
可動ミラー102は、基準状態から回転軸J3を中心に1CCW方向に回転されると、図8(a)に示すように、後方から見て、右辺103Rおよび左辺103Lが上下方向に対して傾斜するように回転し、図8(b)に示すように、右辺103Rが前方に移動し、左辺103Lが後方に移動する。
【0070】
そして、回転された反射面103には、投写光PL1が基準状態における反射面103と異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面103に形成される照射光縁辺E12は、基準状態に対して、左端Cが照射光縁辺E11の左端Aより上方に移動し、右端Dが照射光縁辺E11の右端Bより下方に移動し、図8(a)に示すように、X方向に対して傾斜する。この傾斜角度は、可動ミラー102が回転される量が大きくなる程大きくなる。つまり、可動ミラー102に照射される投写光PLは、可動ミラー102が回転されるに従って反射面103において回転されることとなる。そして、可動ミラー102によって反射されて表示される画像は、可動ミラー102の回転に対応して回転することとなる。
【0071】
また、可動ミラー102によって反射されて表示される画像は、回転に加え、反射光軸LBの法線NVに対する傾斜に伴う歪、および入射角の変化に伴う歪を含んだ画像となる。すなわち、可動ミラー102によって反射される投写光PLは、可動ミラー102が1CCW方向に回転されることによって、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から左方に傾斜すると共に、上下方向においても反射面103に入射する入射角が基準状態に対して変わるので、反射面103で反射される反射角も変わる。
【0072】
これらによって、投写面SCの左側には、図9に示すように、図面視において時計回りに回転し、斜めに歪んだ画像81が形成されることとなる。この歪みに対して、歪が補正されて矩形状の投写画像8Lとして表示される。具体的に、画像81は、図9に示すように、下辺81Dの左側端部が右側端部より上方に位置するように傾斜しており、この下辺81Dは、照射光縁辺E12から反射された投写光PLによって表示される。そして、歪んだ画像81を下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の画像とするために、液晶ライトバルブ12には、非表示領域(図9においてハッチングで示す領域に対応する画素領域)が形成されて画像歪の補正が行われる。
【0073】
同様に、可動ミラー102が基準状態から回転軸J3を中心にして1CW方向に回転されると、投写面SCの右側には、図9に示すように、図面視において反時計回りに回転し、台形状となるように歪んだ画像82が形成されることとなるが、歪が補正されて矩形状の投写画像8Rとして表示される。
【0074】
一方、本実施形態のプロジェクターシステム10によって基準状態から左右方向に移動された投写画像7は、台形状に歪むが回転が抑制される。具体的に、図6に加え、図10を用いて本実施形態の画像歪について説明する。
図10は、反射装置2における反射面21A,22Aの模式図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、右方から見た図である。
【0075】
矩形状の反射面21Aは、基準状態において、図10(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺21R)および左側の辺(左辺21L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面21Aは、図10(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺21Rと左辺21Lとが重なるように配置される。
【0076】
同様に、矩形状の反射面22Aは、基準状態において、図10(a)に示すように、後方から見て、上下の辺が左右方向に沿い、右側の辺(右辺22R)および左側の辺(左辺22L)が上下方向に沿うように配置される。そして、反射面22Aは、図10(b)に示すように、基準状態において、右方から見て右辺22Rと左辺22Lとが重なるように配置される。
【0077】
プロジェクター1から投写され、四角錐状に広がる投写光PLは、図10(b)に示すように、下側(−Z側)の縁部となる投写光PL3、および上側(+Z側)の縁部となる投写光PL4を有している。ここでは、投写光PL3に注目して本実施形態のプロジェクターシステム10の画像の歪について説明する。
【0078】
投写光PL3は、反射面21Aに対し、略直線状の照射光縁辺E2を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E21は、図10(a)に示すように、左右方向に沿う直線状に形成され、図10(b)に示すように、左端Eと右端Fとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面21Aに照射される投写光PL4も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。
【0079】
同様に、反射面21Aによって反射された投写光PL3は、反射面22Aに対し、略直線状の照射光縁辺E3を形成するように照射される。基準状態における照射光縁辺E31は、図10(a)に示すように、左右方向に沿う直線状に形成され、図10(b)に示すように、左端Jと右端Kとが右方から見て重なった位置となる。図示は省略するが、反射面22Aに照射される投写光PL4も基準状態において、左右方向に沿った略直線状となるように照射される。そして、反射面22Aによって反射された投写光PLは、図6に示すように、下辺および上辺が左右方向に沿う矩形状の投写画像7として投写面SCの中央部に表示される。
【0080】
第1反射ミラー21および第2反射ミラー22は、基準状態から第1回転軸J1を中心に1CCW方向に回転されると、図10(a)に示すように、後方から見て、右辺21R,22Rおよび左辺21L,22Lが上下方向に対して傾斜するように回転し、図10(b)に示すように、右辺21R,22Rが前方に移動し、左辺21L,22Lが後方に移動する。
【0081】
そして、回転された反射面21Aには、投写光PL3が基準状態における反射面21Aとは異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面21Aに形成される照射光縁辺E22は、基準状態に対して、図10(b)に示すように、左端Gが照射光縁辺E21の左端Eより後方、右端Hが照射光縁辺E21の右端Fより前方にそれぞれ移動するが、上下方向において殆ど変化せず、X方向に対する傾斜は僅かとなる。
【0082】
同様に、回転された反射面22Aには、投写光PL3が基準状態における反射面22Aとは異なる位置に照射される。具体的に、回転された反射面22Aに形成される照射光縁辺E32は、基準状態に対して、図10(b)に示すように、左端Lが照射光縁辺E31の左端Jより後方、右端Mが照射光縁辺E31の右端Kより前方にそれぞれ移動するが、上下方向において殆ど変化せず、X方向に対する傾斜は僅かとなる。つまり、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22に照射される投写光PLは、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が回転された際にも、反射面21A,22Aにおいて殆ど回転されることなく照射される。
【0083】
そして、第2反射ミラー22によって反射された投写光PLは、図6に示すように、投写面SCの左側に、台形状の歪を有する画像71が形成されることになるが、前述したように、画像歪の補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Lとして表示される。この画像71は、上辺71Uが照射光縁辺E32から反射された投写光PLによって表示されており、基準状態における投写画像7に対して殆ど回転することなく形成される。
【0084】
同様に、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22が基準状態から第1回転軸J1を中心にして1CW方向に回転されると、投写画像7は、図6に示すように、投写面SCの右側に、台形状の歪を有する画像72が形成されることになるが、画像歪の補正が行われて下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Rとして表示される。
【0085】
このように、本実施形態のプロジェクターシステム10は、反射装置2が投写光PLの回転を抑制して反射方向を変える。そして、本実施形態のプロジェクターシステム10で反射された画像71,72は、従来の実施例のプロジェクターシステムで反射された画像81,82に比べて、回転が小さく形成される。
【0086】
〔第2駆動部が駆動された際の動作〕
次に、本実施形態の第2駆動部25が駆動された際の反射装置2の動作について説明する。
図11は、反射装置2における第1反射ミラー21および第2反射ミラー22を右方(+X方向)から見た模式図。図12は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。
【0087】
反射装置2は、前述したように、基準状態において、図11に示すように、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行となり、投写画像7は、図12に示すように、投写面SCの中央部に略矩形状に表示される。
【0088】
反射装置2は、第1駆動部24が駆動された場合と同様に、制御部27の指示の基、第2駆動部25が駆動されることによって第2反射ミラー22が第2回転軸J2を中心に回転する。投写画像7は、第2反射ミラー22の回転に応じて上下方向(±Z方向)に移動する。
【0089】
具体的に、制御部27は、受信部26が投写画像7を上方向に移動させる操作信号を受信すると、その信号に対応した駆動信号を第2駆動部25に出力すると共に、その駆動信号に基づく位置信号をミラー位置出力部28に出力する。
第2駆動部25は、制御部27からの駆動信号に対応してステッピングモーターが駆動されて第2反射ミラー22を基準状態から2CCW方向に回転させる。
【0090】
第2反射ミラー22が基準状態から2CCW方向に回転されると、図11に示すように、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θUを有して上方に傾斜する。上方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの上側(+Z側)には、図12に示すように、台形状の歪を有する画像73が発生することになるが、第1駆動部24が駆動された場合と同様に、第2反射ミラー22が回転された量に応じた画像歪の補正が行われ、下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Uとして表示される。
【0091】
同様に、第2反射ミラー22は、基準状態から受信部26が投写画像7を下方に移動させる操作信号を受信すると、制御部27からの指示に基づいて第2駆動部25が駆動され、図11に示すように、基準状態から2CW方向に回転される。そして、第2反射ミラー22によって反射される投写光PLは、反射光軸LBが投写面SCの法線NVに対して略平行な状態から角度θDを有して下方に傾斜する。
【0092】
下方に傾斜する投写光PLによって、投写面SCの下側(−Z側)には、図12に示すように、台形状の歪を有する画像74が発生することになるが、第2反射ミラー22が回転された量に応じた画像歪の補正が行われ、下辺および上辺がX方向に沿う矩形状の投写画像7Dとして表示される。
このように、投写画像7は、第2駆動部25が駆動されることによって、上下方向に移動する。
【0093】
また、説明の便宜上、第1駆動部24が駆動される場合と、第2駆動部25が駆動される場合とで分けて説明したが、第1駆動部24および第2駆動部25のいずれか一方を駆動した後、他方を駆動させたり、同時に駆動させたりすることが可能である。
図13は、プロジェクターシステム10によって投写された投写画像7を示す模式図である。プロジェクターシステム10は、反射装置2が駆動されることによって、図13に示すように、基準状態において、投写面SCの中央部に投写画像7を表示させた状態から、投写面SCの上下左右の角部までの間を利用して任意の位置に投写画像7を移動することができる。そして、移動された投写画像7は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応して画像歪の補正が行われる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターシステム10によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクターシステム10は、反射装置2が投写光PLの回転を抑制して反射方向を変えるので、投写画像7を移動させた際に画像の回転が抑制され、画像歪を補正する補正量の低減が可能となる。よって、プロジェクターシステム10は、液晶ライトバルブ12の画素領域を有効に利用し、解像度の低下を抑制して投写画像7を移動することが可能となる。
【0095】
(2)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1を移動させることなく、投写画像7を移動できるので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、低トルクで投写画像7を効率よく移動することが可能となる。
【0096】
(3)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1が固定されているので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、光源部11等の高温となる部材を効率よく冷却できる。よって、光学部品の劣化を抑制することが可能となり、プロジェクターシステム10の長寿命化が図れる。
【0097】
(4)プロジェクターシステム10は、プロジェクター1が固定されているので、プロジェクターを回転させる構成に比べ、特殊な接続部品や複雑な構造を採用することなく画像供給装置ISや外部の電源との接続が可能となり、装置の小型化や構造の簡素化が図れると共に、低コスト化が可能となる。
【0098】
(5)光軸LAは、仮想平面VS上に位置するので、基準状態から左右方向に移動される投写画像7は、左右方向において歪む形状が対称になるため、画像歪の補正量も左右方向において同様となる。よって、光軸LAが仮想平面VS上に位置しない構成に比べ、投写面SCのサイズを有効に利用して画像補正量の少ない投写画像7、つまりより高解像度の投写画像7の移動が可能となる。
【0099】
(6)プロジェクターシステム10は、画像補正部16を備え、この画像補正部16は、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の位置に対応して画像の補正を行う。これによって、第1反射ミラー21および第2反射ミラー22の回転によって移動する投写画像7の歪を、特定の操作をすることなく補正できる。よって、プロジェクターシステム10の利便性の向上が図れる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るプロジェクターシステム20について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態のプロジェクターシステム10と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクターシステム20は、光路上において、第1反射ミラー41と投写光学部13との間に配置された第3反射ミラーをさらに備えている。そして、プロジェクターシステム20は、天井に設置され、床や机上等に配置された投写面SCに投写画像7を表示させ、表示させた投写画像7を移動可能に構成されている。
【0101】
図14は、第2実施形態のプロジェクターシステム20を模式的に示す斜視図である。
プロジェクターシステム20は、図14に示すように、第3反射ミラー31を有するプロジェクター3、および第1反射ミラー41と第2反射ミラー42とを有する反射装置4を備えている。そして、プロジェクターシステム20は、投写光学部13から射出され、第3反射ミラー31にて反射された投写光PLを、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が順次反射して投写面SCに投写画像7を表示させる(図14において、投写面SCおよび投写画像7は、図示省略)。そして、プロジェクターシステム20は、反射装置4が駆動されることによって、投写画像7を移動する。
【0102】
なお、図14に示す反射装置4は、基準状態を示しており、以下では、説明の便宜上、投写光学部13から投写光PLが射出される方向を前方(+Y方向)、投写光PLが第3反射ミラー31にて反射される方向を上方(+Z方向)、Y方向およびZ方向に直交し、図14の図面視における右側を右方(+X方向)として記載する。また、後方(−Y方向)から見て時計回りの回転方向を3CW方向、反時計回りの回転方向を3CCW方向とし、基準状態において、右方(+X方向)から見て時計回りの回転方向を4CW方向、反時計回りの回転方向を4CCW方向として記載する。
【0103】
プロジェクター3は、図14に示すように、第3反射ミラー31が投写光学部13の前方に配置され、天吊り治具5を介して図示しない天井に設置される。
第3反射ミラー31は、光束を効率よく反射するように形成された反射面31Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第3反射ミラー31は、反射面31Aの反対側に配置された保持部材32を介してプロジェクター3の外装筐体に取り付けられている。具体的に、第3反射ミラー31は、投写光PLを第1反射ミラー41に向けて反射するように、第1反射ミラー41の光路前段側に配置され、反射面31AがX−Y平面に対して略45°の角度を有して取り付けられる。
【0104】
また、第3反射ミラー31は、保持部材32と共にプロジェクター3の外装筐体に対して移動可能に構成され、投写光学部13から射出された投写光PLが第3反射ミラー31に照射される場合と、照射されない場合が可能になっている。つまり、プロジェクターシステム20は、反射装置4を介して投写光PLを投写すること、および反射装置4を介さずプロジェクター3から射出された投写光PLを直接投写することが可能になっている。なお、第3反射ミラー31をプロジェクター3の外装筐体に対して着脱可能となるように構成してもよい。
【0105】
反射装置4は、図14に示すように、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42に加え、第1実施形態の反射装置2に対して構成や形状が異なるミラー支持機構43、第1駆動部44、および第2駆動部45を備えている。そして、ミラー支持機構43は、ベース部431および回転部材432を備えている。
【0106】
反射装置4は、前述したように、第3反射ミラー31が反射した投写光PLを第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が順次反射し、プロジェクターシステム20の下方に配置された投写面SCに投写画像7を表示させる。そして、反射装置4は、第1実施形態の反射装置2と同様に、第1駆動部44、および第2駆動部45が駆動されることによって、第1反射ミラー41および第2反射ミラー42が回転され、投写面SCに投写された投写画像7の位置を移動する。
【0107】
第1反射ミラー41は、第1実施形態の第1反射ミラー21と同様に、光束を効率よく反射するように構成された反射面41Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第1反射ミラー41は、反射面41Aが第3反射ミラー31の反射面31Aに対向するように、第3反射ミラー31の上方(+Z方向)に配置される。そして、第1反射ミラー41は、第3反射ミラー31によって反射された投写光PLを前方(+Y方向)に向けて反射するようにX−Z平面に対して略45°の角度を有して回転部材432に固定される。
【0108】
第2反射ミラー42は、第1反射ミラー41と同様に、光束を効率よく反射する反射面42Aを有し、外周が合成樹脂製の部材で保持されている。第2反射ミラー42は、反射面42Aが第1反射ミラー41の反射面41Aに対向するように、第1反射ミラー41の前方(+Y方向)に配置され、回転部材432に回転可能に支持される。具体的に、第2反射ミラー42は、基準状態において、反射面42Aが反射面41Aに対して直交するように配置され、反射面41Aに対する反射面42Aの角度が変更可能に支持される。そして、第2反射ミラー42は、第1反射ミラー41が反射した投写光PLを下方(−Z方向)に向けて反射する。
【0109】
ミラー支持機構43は、前述したように、ベース部431および回転部材432を備えている。
ベース部431は、反射装置4全体を支持する部材であり、天井に取り付けられる。なお、ベース部431と天吊り治具5とを一体的に構成してもよい。
【0110】
回転部材432は、第1反射ミラー41が固定され、第2反射ミラー42を回転可能に支持すると共に、ベース部431に対して回転可能に支持される。具体的に、回転部材432は、断面U字状に形成されており、このU字状の開口部の底側に第1反射ミラー41が固定され、開口部の先端側に第2反射ミラー42が支持されている。そして、回転部材432は、ベース部431の前方(+Y方向)に配置され、Y方向に延出する第1回転軸J5を中心に回転可能に支持される。また、第1回転軸J5は、反射面41A,42Aに沿う面に交差し、反射面41A,42Aの法線を含む仮想平面VS上に形成される。
【0111】
回転部材432の開口部の先端側には、仮想平面VSに直交する第2回転軸J6が設けられており、第2反射ミラー42は、両側面が回転部材432に支持され、第2回転軸J6を中心に回転可能になっている。つまり、第1回転軸J5と第2回転軸J6とは、互いに直交しており、回転部材432は、ベース部431に対して3CW方向および3CCW方向に回転可能になっており、第2反射ミラー42は、基準状態において、4CW方向および4CCW方向に回転可能になっている。
【0112】
第1駆動部44は、ベース部431の後方(−Y方向)に配置され、図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備えている。第1駆動部44は、第1実施形態と同様に、制御部27の制御に基づいて、回転部材432を回転させる。そして、回転部材432が回転されることによって、回転部材432に固定されている第1反射ミラー41、および回転部材432に支持されている第2反射ミラー42は、一体的に回転する。
【0113】
第2駆動部45は、図14に示すように、第1反射ミラー41の反射面41Aと反対側に配置され、移動部451および図示しないステッピングモーターや歯車等を有する輪列部を備えている。
移動部451は、第1反射ミラー41の上方端部から第2反射ミラー42に向かって突出しており、制御部27の制御に基づいて輪列部が駆動されることによって、第1反射ミラー41の端部から突出する突出量が変更される。そして、移動部451は、先端が第2反射ミラー42の上端近傍に当接するように構成され、第2反射ミラー42は、移動部451が当接することで回転が規制されて位置決めされる。
【0114】
第2反射ミラー42は、移動部451の突出量の変化に応じて第2回転軸J6を中心に回転する。具体的に、移動部451は、基準状態において、反射面41Aに対して反射面42Aが直交となる基準突出量が設定されている。そして、第2反射ミラー42は、基準状態から移動部451の突出量が基準突出量より大きく駆動されると、4CW方向に回転し、突出量が基準突出量より小さく駆動されると、4CCW方向に回転する。
【0115】
プロジェクターシステム20は、第1実施形態のプロジェクターシステム10と同様に、受信部26からの信号に基づいて第1駆動部44および第2駆動部45が駆動されて投写画像7を移動させ、移動された位置に対応した投写画像7の補正を施す。
【0116】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターシステム20によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクターシステム20は、第3反射ミラー31を備えているので、投写光PLの方向を第3反射ミラー31で変更した後、反射装置4によって移動することができる。よって、プロジェクターシステム20を天井に設置した状態で机上や床上等に配置された投写面SCに投写画像7を表示させて移動したりすることができ、より用途の広がるプロジェクターシステム20の提供が可能となる。
【0117】
(2)プロジェクターシステム20は、第3反射ミラー31が移動可能に構成され、反射装置4を介して投写光PLを投写すること、および反射装置4を介さずプロジェクター3から射出された投写光PLを直接投写することが可能なので、さらに用途が広がる。
【0118】
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、第2反射ミラー22,42が第2回転軸J2,J6を中心に回転可能に構成されているが、第1反射ミラー21,41が第1回転軸J1,J5に直交する第2回転軸を中心に回転されるように構成してもよい。また、第1反射ミラー21,41および第2反射ミラー22,42の双方が回転されるように構成してもよい。
【0119】
前記実施形態の受信部26および制御部27は、反射装置2,4に備えられているが、プロジェクター1,3に備えるように構成してもよい。
【0120】
前記実施形態の第1駆動部24,44および第2駆動部25,45は、電動式で構成されているが、ダイヤル等を手動によって回転させることによって第1反射ミラー21,41および第2反射ミラー22,42が回転する手動式で構成してもよい。
【0121】
前記実施形態のプロジェクターシステム10,20は、1つのプロジェクター1,3と1つの反射装置2,4とでそれぞれ構成されているが、1つの反射装置と複数のプロジェクターとを備えるように構成してもよい。例えば、一方のプロジェクターによる大画面の投写画像に、他方のプロジェクターによる小画面の投写画像を重ねて表示させたり、投写中のプロジェクターの光源が切れた際に、第1反射ミラーおよび第2反射ミラーの回転を回転させ、他のプロジェクターに切替えるように構成してもよい。
【0122】
前記第2実施形態の第3反射ミラー31は、プロジェクター3に備えられているが、反射装置4に搭載するように構成してもよい。
【0123】
前記第2実施形態のプロジェクターシステム20は、天井に設置されるように構成されているが、天井に限らず机の上方等に設置してもよい。また、プロジェクターシステム20を床や机上に設置し、天井に投写画像7を表示させて移動できるように構成してもよい。
【0124】
前記実施形態のプロジェクターは、画像形成部として透過型の液晶ライトバルブ12を用いているが、反射型の液晶ライトバルブを利用したものであってもよい。また、画像形成部としてマイクロミラーアレイを用いたデバイス等を使用したものであってもよい。
【0125】
前記実施形態の光源は、放電型の光源に限らずレーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1,3…プロジェクター、2,4…反射装置、7,7D,7L,7R,7U,8,8L,8R…投写画像、10,20…プロジェクターシステム、11…光源部、12…液晶ライトバルブ、16…画像補正部、21,41…第1反射ミラー、21A,22A,41A,42A…反射面、22,42…第2反射ミラー、24,44…第1駆動部、25,45…第2駆動部、31…第3反射ミラー、J1,J5…第1回転軸、J2,J6…第2回転軸、LA…光軸、LB…反射光軸、VS…仮想平面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターと、
前記画像光を反射する反射装置と、
を備え、
前記反射装置は、
互いに対向して配置され、前記プロジェクターから射出された前記画像光を順次反射する第1反射ミラーおよび第2反射ミラーと、
前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのそれぞれの反射面に沿う面に交差し、前記それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーを一体的に回転させる第1駆動部と、
前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方を回転させる第2駆動部と、
を備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターシステムであって、
前記プロジェクターおよび前記反射装置は、前記プロジェクターから射出される前記画像光の光軸が、前記仮想平面上に位置するように配置されていることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプロジェクターシステムであって、
前記第1反射ミラーの光路前段側に前記画像光を反射する第3反射ミラーをさらに備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーの位置に対応する画像の補正を行う画像補正部をさらに備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項1】
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターと、
前記画像光を反射する反射装置と、
を備え、
前記反射装置は、
互いに対向して配置され、前記プロジェクターから射出された前記画像光を順次反射する第1反射ミラーおよび第2反射ミラーと、
前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのそれぞれの反射面に沿う面に交差し、前記それぞれの反射面の法線を含む仮想平面上に形成される第1回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーを一体的に回転させる第1駆動部と、
前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に、前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーのうち少なくともいずれか一方を回転させる第2駆動部と、
を備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターシステムであって、
前記プロジェクターおよび前記反射装置は、前記プロジェクターから射出される前記画像光の光軸が、前記仮想平面上に位置するように配置されていることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプロジェクターシステムであって、
前記第1反射ミラーの光路前段側に前記画像光を反射する第3反射ミラーをさらに備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記第1反射ミラーおよび前記第2反射ミラーの位置に対応する画像の補正を行う画像補正部をさらに備えることを特徴とするプロジェクターシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−150160(P2011−150160A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11769(P2010−11769)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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