説明

プロジェクター

【課題】接続された入出力装置の盗難および紛失を防止するとともに接続端子に塵埃が溜まることを簡易な構成で防止できる入出力装置の固定構造およびプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、外装ケース2と、外装ケース2から露出して設けられUSBデバイス20が接続されるUSB接続端子5と、外装ケース2の背面2cに固定される固定部および固定部の一端側から延出する抑制部を有する抑制部材10とを備え、抑制部材10は、USBデバイス20がUSB接続端子5に接続された状態では、抑制部12がUSBデバイス20のUSB接続端子5とは反対側の端面に対向するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器にUSB(Universal Serial Bus)デバイス等の入出力装置を接続して、電子機器との間でデータの授受を行ったり、電子機器に無線LAN(Local Area Network)機能を付加したりすることが可能になっている。このような入出力装置を接続する接続端子を備えたプロジェクターが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のプロジェクターでは、外装ケース(筐体)の外周面に段差部と接続端子とが設けられており、入出力装置(USBデバイス)は接続端子に接続された状態で段差部に収納されネジ止め固定される。このような構成により、入出力装置を接続したままの状態でも入出力装置が邪魔にならないようにするとともに、プロジェクターからの脱落防止を図っている。
【0004】
特許文献2に記載のプロジェクターでは、外装ケースに形成された吸気口の周縁部に接続端子が設けられており、入出力装置は接続端子に接続された状態でエアフィルターとともにカバーで覆われる。このような構成により、接続端子に接続された入出力装置が外装ケースから露出しないようにして、入出力装置の保護と見栄えの向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−200109号公報
【特許文献2】特開2010−122281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターの構成では、入出力装置が接続端子に接続されていない状態では接続端子が外装ケースから露出するため、塵埃が多い環境で使用される場合には接続端子部に塵埃が溜まるおそれがある。一方、特許文献2に記載のプロジェクターの構成では、入出力装置をプロジェクターに固定する固定手段を備えていないため、入出力装置が盗難に遭うおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し投写するプロジェクターであって、外装ケースと、前記外装ケースから露出して設けられ、前記プロジェクターとの間で情報を入出力する入出力装置が接続される接続端子と、前記外装ケースの一面に固定される固定部、および前記固定部の一端側から延出する抑制部を有する抑制部材と、を備え、前記抑制部材は、前記入出力装置が前記接続端子に接続された状態で、前記抑制部が前記入出力装置の前記接続端子側とは反対側の面に対向するように配置されることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、入出力装置が接続端子に接続された状態では、抑制部材の固定部がプロジェクターの外装ケースに固定され、抑制部が入出力装置の接続端子とは反対側の面に対向するように配置される。このため、入出力装置を接続端子から離脱させようとすると、接続端子から離脱させる方向先端側の入出力装置の面が抑制部に突き当たるので、入出力装置の離脱が抑制される。この結果、入出力装置の盗難や紛失を簡易な構成で防止できる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターであって、前記抑制部材は、前記固定部から延出し、前記入出力装置が前記接続端子に接続された状態で前記一面との間に前記入出力装置を挟むように配置されるカバー部をさらに有することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、入出力装置が接続端子に接続された状態では、抑制部材のカバー部が外装ケースの一面との間に入出力装置を挟むように配置される。このため、入出力装置を接続端子から離脱させようとすると、接続端子から離脱させる方向先端側の入出力装置の面が抑制部に突き当たるとともに、外装ケースの一面とは反対側の入出力装置の面がカバー部に突き当たる。これにより、入出力装置の盗難や紛失をより効果的に防止できる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターであって、前記抑制部材は、前記入出力装置が前記接続端子に接続されていない状態では、前記抑制部が前記接続端子を覆うように配置可能であることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、入出力装置が接続端子に接続されていない状態では、外装ケースから露出して設けられた接続端子を抑制部材の抑制部で覆うことができる。これにより、プロジェクターの接続端子に塵埃が溜まることが抑えられる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターであって、前記抑制部材は、前記抑制部が、前記入出力装置の前記接続端子側とは反対側の面に対向する位置と前記接続端子を覆う位置とに回転可能に配置されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、抑制部材をプロジェクターから取り外すことなく、入出力装置を着脱するとともに、抑制部材の配置を入出力装置の装着状態と非装着状態とで切り替えることができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターであって、前記入出力装置はUSBデバイスであってもよい。
【0017】
この構成によれば、プロジェクターの接続端子にUSBデバイスを接続して使用する際、USBデバイスの盗難や脱落を簡易な構成で防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す模式図。
【図2】本実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
【図3】本実施形態に係る抑制部材の構成および配置を説明する斜視図。
【図4】変形例に係る抑制部材の概略構成を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の寸法の比率等は適宜異ならせてある。
【0020】
<プロジェクターの構成>
まず、本実施形態に係るプロジェクターの概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す模式図である。本実施形態に係るプロジェクター1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等の投写面に拡大投写する電子機器である。
【0021】
図1に示すように、プロジェクター1は、外装ケース2と、光源装置100と、照明光学装置200と、色分離光学装置300と、リレー光学装置400と、光変調装置500と、投写光学装置600とを備えている。光源装置100、照明光学装置200、色分離光学装置300、リレー光学装置400、光変調装置500、および投写光学装置600は外装ケース2内に収納され固定されている。
【0022】
また、図示を省略するが、プロジェクター1は、外装ケース2内における空間に、プロジェクター1内部を冷却するための冷却装置、プロジェクター1内部の各構成部材に電力を供給する電源装置、プロジェクター1内部の各構成部材を制御する制御装置等をさらに備えている。
【0023】
光源装置100は、光束を射出する発光管110と、リフレクター120とを備えている。発光管110は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる。光源装置100は、発光管110から射出された光束をリフレクター120で反射させて射出方向を揃え、照明光学装置200に向けて射出する。照明光軸OCは、光源装置100から被照明領域側に射出される光束の中心軸である。
【0024】
照明光学装置200は、第1のレンズアレイ210と、第2のレンズアレイ220と、偏光変換素子230と、重畳レンズ240とを備えている。照明光学装置200は、光源装置100から射出された光束を複数の部分光束に分割し、各部分光束を略1種類の偏光光に揃えて、照明対象である3つの液晶装置520R,520G,520Bの光入射面上に重畳させる。
【0025】
色分離光学装置300は、第1のダイクロイックミラー310と、第2のダイクロイックミラー320と、反射ミラー330とを備えている。色分離光学装置300は、照明光学装置200から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する。
【0026】
リレー光学装置400は、入射側レンズ410と、リレーレンズ420と、反射ミラー430,440とを備えている。リレー光学装置400は、色分離光学装置300で分離されたB光をB光用の液晶装置520Bまで導く。なお、本実施形態では、リレー光学装置400がB光を導く構成としているが、これに限定されず、例えば、R光を導く構成としてもよい。
【0027】
光変調装置500は、フィールドレンズ510R,510G,510Bと、入射側偏光板(図示省略)と、液晶装置520R,520G,520Bと、射出側偏光板(図示省略)と、クロスダイクロイックプリズム530とを備えている。入射側偏光板および射出側偏光板は、液晶装置520R,520G,520B毎に設けられている。
【0028】
液晶装置520R,520G,520Bは、色分離光学装置300で分離された各色光を画像情報に応じて変調する。クロスダイクロイックプリズム530は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム530は、液晶装置520R,520G,520Bにて変調された各色光を合成し、投写光学装置600側に射出する。
【0029】
投写光学装置600は、光変調装置500で変調され合成された光束をスクリーン等の投写面上に射出する。これにより、投写面上に画像が拡大投写される。
【0030】
次に、本実施形態に係るプロジェクターの外装ケースの構成と、抑制部材の構成および配置について、図2および図3を参照して説明する。
【0031】
図2は、本実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図である。詳しくは、図2(a)はプロジェクター1を正面上方側から見た斜視図であり、図2(b)はプロジェクター1を背面上方側から見た斜視図である。図3は、本実施形態に係る抑制部材の構成および配置を説明する斜視図である。詳しくは、図3(a)は入出力装置の接続装着方法を示す斜視図であり、図3(b)は入出力装置が接続された状態における抑制部材の配置を示す斜視図であり、図3(c)は入出力装置が接続されていない状態における抑制部材の配置を示す斜視図である。
【0032】
<外装ケースの構成>
図2(a)および(b)に示すように、プロジェクター1において、光束が射出される側の面を正面2aと呼び、その反対側の面を一面としての背面2cと呼ぶ。そして、据置き姿勢での上方側の面を天面2bと呼び、その反対側の面を底面2dと呼ぶ。正面2aおよび背面2cと、天面2bおよび底面2dとは互いに交差している。
【0033】
外装ケース2は、プロジェクター1の正面2a、天面2b、背面2c、底面2dを構成している。外装ケース2は、例えば合成樹脂製の筐体である。なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限定されず、その他の材料、例えば金属等により構成されていてもよい。
【0034】
図2(a)に示すように、外装ケース2は、正面2aに、投写光学装置600から射出される光束を通過させるための光束通過用開口部を有している。また、図示を省略するが、天面2bには、プロジェクター1の電源オン/オフや投写される画像の画質調整等のための操作部等が設けられている。
【0035】
図2(b)に示すように、背面2cには、背面2cから正面2a側に窪み、背面2cに略平行な面を有するインターフェイス部3が設けられている。インターフェイス部3には、外部機器との間で画像情報等の信号を入力または出力するための様々な接続端子4が露出した状態で配設されている。
【0036】
また、背面2cとインターフェイス部3との段差部3aにおいて、背面2cと交差する面2eには、USB接続端子5が天面2b側に露出した状態で設けられている。USB接続端子5は、入出力装置としてのUSBデバイス20を接続するための接続端子である。さらに、インターフェイス部3には、USBデバイス20を固定するための抑制部材10がネジ6により固定される。
【0037】
<入出力装置の構成>
ここで、入出力装置としてのUSBデバイス20について説明する。USBデバイス20は、電子機器に接続されて使用される電子デバイスである。USBデバイス20は、電子機器に接続されることで、電子機器に所定の機能、例えば、無線通信機能を付加する。本実施形態では、USBデバイス20がプロジェクター1に無線LAN機能を付加する無線LANデバイスである場合を例にとり説明する。
【0038】
図3(a)に示すように、USBデバイス20は、ケース21と、USBプラグ22とを備えている。ケース21のUSBプラグ22とは反対側の面を端面21aと呼ぶ。また、プロジェクター1に装着された状態においてインターフェイス部3に対向する面を裏面21cと呼び、裏面21cとは反対側の面を表面21bと呼び、端面21a、天面2b、および底面2dと交差する面を側面21dと呼ぶ。
【0039】
USBプラグ22は、ケース21から突出するように設けられている。USBプラグ22は、電子機器が備えるUSB接続端子に接続するための接続端子であり、例えばタイプA端子である。
【0040】
USBデバイス20は、図3(a)に矢印で示すように、ケース21を背面2c側からインターフェイス部3に寄せながら、天面2b側からUSBプラグ22をUSB接続端子5の開口部に挿入してUSB接続端子5に接続することで、プロジェクター1に装着される。以下では、USBデバイス20がUSB接続端子5に接続されプロジェクター1に装着された状態を装着状態と呼ぶ。また、USBデバイス20がプロジェクター1に装着されていない状態を非装着状態と呼ぶ。
【0041】
図3(b)に示すように、USBデバイス20は、装着状態では、ケース21が段差部3a内にほぼ収まり、表面21b側がプロジェクター1の背面2cから突出しないように配置される。これにより、装着状態でプロジェクター1を移動する場合等に、USBデバイス20が邪魔になりにくくなり、USBデバイス20が他の機材等に接触して離脱したり破損したりすることが避けられる。また、USBデバイス20がプロジェクター1から突出して装着される場合に比べて外観上の見栄えが向上する。
【0042】
なお、インターフェイス部3の裏面21cに対向する領域3b(図3(c)に2点鎖線で示す)には、リブ部や突起部等が設けられていることが好ましい。このようなリブ部や突起部を設けることで、USBデバイス20が発熱する場合に、裏面21cの領域のうちインターフェイス部3に接触する部分をより小さくしてUSBデバイス20の放熱を妨げないようにしつつ、USBデバイス20を支持することができる。
【0043】
<抑制部材の構成および入出力装置の固定構造>
次に、本実施形態に係る抑制部材10の構成、および抑制部材10を用いた入出力装置の固定構造を説明する。図3(b),(c)に示すように、抑制部材10は、固定部11と、固定部11の一端側から延出する抑制部12とを有している。
【0044】
固定部11は、ネジ6によって抑制部材10をインターフェイス部3に固定するための締結部11aを有している。抑制部12は、固定部11の締結部11aとは反対側に位置しており、固定部11の延在方向と交差する方向に延出している。抑制部材10は、例えば、外装ケース2と同様の合成樹脂材料で構成されている。
【0045】
図3(b)に示す装着状態では、抑制部材10は、USBデバイス20に対して固定部11が側面21dに対向するとともに抑制部12が端面21aに対向するように配置されて、インターフェイス部3に固定される。したがって、抑制部12は、USBプラグ22をUSB接続端子5から引き抜いてUSBデバイス20をプロジェクター1から離脱させる方向の先端側に配置されている。なお、抑制部材10の固定部11および抑制部12は、USBデバイス20のケース21に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0046】
装着状態のUSBデバイス20をプロジェクター1から離脱させる際は、まず、ネジ6を外して抑制部材10をインターフェイス部3から取り外す。そして、図3(b)に矢印で示すように、USBデバイス20をインターフェイス部3(背面2c)に沿って天面2b側に持ち上げてUSBプラグ22をUSB接続端子5から引き抜くとともに、ケース21をインターフェイス部3から背面2c側へ離すようにして離脱させる。
【0047】
抑制部材10がインターフェイス部3に固定された状態でUSBデバイス20をプロジェクター1から離脱させようとすると、端面21aが抑制部12に突き当たるので、USBプラグ22をUSB接続端子5から引き抜くことが困難になる。また、プロジェクター1の移動時等の振動や衝撃によりUSBデバイス20をプロジェクター1から離脱する方向に力が働いても、端面21aが抑制部12に突き当たるので、USBプラグ22がUSB接続端子5から抜けることが抑えられる。この結果、装着状態におけるUSBデバイス20の盗難や紛失を簡易な構成で防止できる。
【0048】
次に、図3(c)に示す非装着状態では、抑制部材10を、装着状態に対して上下を反転させた状態にして、抑制部12がUSB接続端子5を覆うように配置して、ネジ6により抑制部材10を固定する。上述したように、USB接続端子5は、天面2b側を向いているため、他の接続端子4(図2(b)参照)に比べて、USB接続端子5の開口部に塵埃が溜まり易い配置となっている。また、USB接続端子5と外装ケース2との隙間から外装ケース2内に塵埃が入り込むこともあり得る。
【0049】
本実施形態では、このUSB接続端子5を抑制部12で覆うことができるので、非装着状態において、USB接続端子5に塵埃が溜まることやUSB接続端子5と外装ケース2との隙間から外装ケース2内に塵埃が入り込むことが抑えられる。したがって、プロジェクター1が塵埃が多い環境で使用される場合でも、USB接続端子5に塵埃が溜まることによるUSBプラグ22との導通不良等を防止できる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る抑制部材10を備えたプロジェクター1の構成および入出力装置の固定構造によれば、簡易な構成でありながら、装着状態のUSBデバイス20の盗難および紛失を防止する効果が得られることに加えて、非装着状態においてUSB接続端子5に塵埃が溜まることを防止する効果を得ることができる。
【0051】
以上、本発明のプロジェクターを上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。図4は、変形例に係る抑制部材の構成を説明する斜視図である。詳しくは、図4(a)は変形例1を、図4(b)は変形例2を、図4(c)は変形例3を、それぞれ示す斜視図である。
【0052】
(変形例1)
上記実施形態では、抑制部材10が固定部11と抑制部12とを有する構成であったが、抑制部材の構成はこれに限定されず、カバー部13をさらに有する構成であってもよい。図4(a)に示すように、変形例1に係る抑制部材10Aは、抑制部材10に対して、固定部11および抑制部12の他に、固定部11から延出するカバー部13をさらに有している点が異なっている。
【0053】
カバー部13は、固定部11における抑制部12が延出する位置とは異なる位置から、固定部11の延在方向と交差する方向に延出している。抑制部材10Aは、装着状態では、固定部11が側面21dに対向し抑制部12が端面21aに対向するとともに、カバー部13が表面21bに対向するように配置されてインターフェイス部3に固定される。したがって、抑制部材10Aのカバー部13がインターフェイス部3との間にUSBデバイス20のケース21を挟むように配置される。
【0054】
変形例1の構成によれば、USBデバイス20をプロジェクター1から離脱させようとすると、端面21aが抑制部12に突き当たるのでUSBプラグ22をUSB接続端子5から引き抜くことが困難になるのに加えて、表面21bがカバー部13に突き当たるのでケース21をインターフェイス部3から背面2c側へ離すことが困難になる。また、カバー部13が表面21bの一部を覆うことにより、USBデバイス20が引抜きできないことを視覚的に認識させる効果もある。これにより、USBデバイス20の盗難や紛失をより効果的に防止できる。
【0055】
なお、カバー部13が固定部11から延出する位置は、特に限定されないが、USBデバイス20が発熱する場合、発熱する箇所と重ならない位置に配置されることが好ましい。
【0056】
(変形例2)
上記実施形態では、装着状態と非装着状態とで抑制部材10を一旦プロジェクター1から取り外して固定し直す構成であったが、抑制部材をプロジェクター1から取り外すことなく固定し直すことができる構成であってもよい。図4(b)に示すように、変形例2に係る抑制部材10Bは、抑制部材10に対して、回転部14をさらに有している点が異なっている。
【0057】
回転部14は、固定部11における抑制部12が延出する一端側とは反対の他端側に配置され、回転軸8axを回転中心として回転可能に軸支されている。また、インターフェイス部3Aには、回転部14を軸支する支持部7が設けられている。回転部14と支持部7とには、固定部11の延在方向と略直交する方向に延在するピン8が挿通されている。回転部14は、ピン8の中心軸である回転軸8axを回転中心として、図4(b)に矢印で示す方向に回転可能である。
【0058】
抑制部材10Bは、回転部14が回転することで、装着状態における配置から上下が反転する位置まで移動する。これにより、抑制部材10Bをプロジェクター1から取り外すことなく、USBデバイス20を着脱することができ、抑制部材10Bの配置を装着状態と非装着状態とで切り替えることができる。締結部11aは、抑制部12が延出する一端側寄りに配置されており、装着状態における配置と非装着状態における配置とのそれぞれにおいて、ネジ6によりインターフェイス部3Aに固定される。
【0059】
(変形例3)
図4(c)に示すように、変形例3に係る抑制部材10Cは、抑制部材10に対して、抑制部15が固定部11の一端側から固定部11と交差する方向両側に延出している点が異なっている。すなわち、抑制部材10Cは、背面2c側からの平面視で、略T字型の形状を有している。
【0060】
締結部11aは、固定部11における抑制部15が延出する一端側とは反対の他端側に配置されている。抑制部材10Cは、ネジ6を緩めることで、照明光軸OC(図1参照)に沿ったネジ6の中心軸6axを回転中心として、図4(c)に矢印で示す方向に回転可能である。
【0061】
抑制部材10Cは、装着状態における配置から、背面2c側からの平面視で時計回りに略90度回転することで、固定部11および抑制部15がケース21から離れた位置に移動する。また、抑制部材10Cは、装着状態における配置から略180度回転することで上下が反転し、抑制部15がUSB接続端子5を覆う位置となる。これにより、抑制部材10Cをプロジェクター1から取り外すことなく、USBデバイス20を着脱することができ、抑制部材10Cの配置を装着状態と非装着状態とで切り替えることができる。抑制部材10Cは、ネジ6を締め直すことによりプロジェクター1(インターフェイス部3)に再固定される。
【0062】
(変形例4)
上記実施形態では、USBデバイス20のUSBプラグ22がUSB接続端子5から引き抜かれる方向がインターフェイス部3(背面2c)に沿った方向であったが、USBプラグ22がUSB接続端子5から引き抜かれる方向が、インターフェイス部3(背面2c)と交差する方向等、他の方向となる構成であってもよい(図示は省略)。このような構成であっても、抑制部材10の抑制部12がUSBデバイス20のUSB接続端子5とは反対側の端面21aに対向するように配置されることにより、USBデバイス20の盗難や紛失を防止できる。
【0063】
(変形例5)
上記実施形態では、入出力装置が無線LAN機能を付加するUSBデバイス20である場合を例にとって説明したが、入出力装置は、USBデバイス以外の入出力デバイスであってもよい。また、入出力装置は、無線LANデバイスに限定されず、ストレージデバイス等の他のデバイスであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…プロジェクター、2…外装ケース、2c…一面としての背面、5…接続端子としてのUSB接続端子、10,10A,10B,10C…抑制部材、11…固定部、12,15…抑制部、13…カバー部、20…入出力装置としてのUSBデバイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し投写するプロジェクターであって、
外装ケースと、
前記外装ケースから露出して設けられ、前記プロジェクターとの間で情報を入出力する入出力装置が接続される接続端子と、
前記外装ケースの一面に固定される固定部、および前記固定部の一端側から延出する抑制部を有する抑制部材と、を備え、
前記抑制部材は、前記入出力装置が前記接続端子に接続された状態で、前記抑制部が前記入出力装置の前記接続端子側とは反対側の面に対向するように配置されることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記抑制部材は、前記固定部から延出し、前記入出力装置が前記接続端子に接続された状態で前記一面との間に前記入出力装置を挟むように配置されるカバー部をさらに有することを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記抑制部材は、前記入出力装置が前記接続端子に接続されていない状態では、前記抑制部が前記接続端子を覆うように配置可能であることを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターであって、
前記抑制部材は、前記抑制部が、前記入出力装置の前記接続端子側とは反対側の面に対向する位置と前記接続端子を覆う位置とに回転可能に配置されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクターであって、
前記入出力装置はUSBデバイスであることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−118366(P2012−118366A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269068(P2010−269068)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】