説明

プロジェクタ

【課題】光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタは、環状の流路Cに沿って冷却液体を循環させ、冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置6を備える。液冷装置6は、内部に冷却液体を流通可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に光学素子を保持する光学素子保持部61と、冷却液体を吸入および圧送する液体圧送部62と、光学素子保持部61および液体圧送部62を接続し、環状の流路Cを形成する複数の液体循環部材66とを備える。プロジェクタは、吸熱面721および放熱面722を有し、液冷装置6に対して吸熱面721が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続するペルチェ素子72を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置と、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調素子と、画像光を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
そして、このようなプロジェクタにおいて、光変調素子等の光学素子を冷却液体により冷却する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクタは、内部に冷却液体を流通可能とし光学素子を保持する光学素子保持体と、冷却液体を強制的に循環させる液体圧送部と、ラジエータとを備える。これら各部材は、複数の液体循環部材により接続され、冷却液体を循環させる環状の流路が形成される。そして、光学素子に生じた熱は、光学素子保持体を介して冷却液体に伝達される。冷却液体に伝達された熱は、冷却液体がラジエータを流通する際に放熱される。
【0003】
【特許文献1】特開2007−41412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクタでは、冷却液体の熱を放熱する手段としてラジエータを採用しているため、冷却液体の温度を効果的に低減させることが難しい。すなわち、比較的に温度の高い冷却液体により光学素子を冷却することとなるため、光学素子を効果的に冷却することが難しい。
【0005】
本発明の目的は、光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクタは、冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクタであって、前記液冷装置は、内部に冷却液体を流通可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に前記光学素子を保持する光学素子保持部と、冷却液体を吸入および圧送する液体圧送部と、前記光学素子保持部および前記液体圧送部を接続し、前記冷却液体の流路を形成する複数の液体循環部材とを備え、吸熱面および放熱面を有し、前記液冷装置に対して前記吸熱面が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続する熱電変換素子を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、プロジェクタは、液冷装置に対して吸熱面が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続するペルチェ素子等の熱電変換素子を備えるので、冷却液体の流路に沿って循環する冷却液体の熱を吸熱面から効果的に吸熱でき、冷却液体の温度を効果的に低減させることができる。このため、十分に温度の低い冷却液体により光学素子を冷却することができ、光学素子を効果的に冷却できる。したがって、光学素子の熱劣化を回避し、プロジェクタの長寿命化が図れる。
また、従来の構成では、例えば、液体圧送部のポンプ性能を上げ、循環する冷却液体の流速を大きくすることで光学素子の冷却効率を向上させることが考えられるが、本発明では、上述したように熱電変換素子を用いて光学素子の冷却効率を向上できるため、液体圧送部のポンプ性能を上げる必要がなく、液体圧送部の選択の自由度を向上できる。
さらに、従来の構成では、例えば、ラジエータのサイズを大きくして放熱効率を高めることで、冷却液体の温度を低減させることが考えられるが、本発明では、上述したように熱電変換素子を用いて冷却液体の温度を効果的に低減させることができるため、ラジエータのサイズを大きくする必要がなく、さらには、ラジエータを省略しても同様の効果を享受でき、プロジェクタの小型化が図れる。
【0008】
本発明のプロジェクタでは、前記液冷装置は、前記流路中に配設され、内部に冷却液体が流通する複数の微細流路を有する受熱ジャケットを備え、前記熱電変換素子は、前記吸熱面が前記受熱ジャケットに熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明では、熱電変換素子は、内部に複数の微細流路を有し冷却液体と接触する表面積の大きい、いわゆるマイクロチャンネル等の受熱ジャケットに吸熱面が熱伝達可能に接続する。このことにより、受熱ジャケットを介して冷却液体の熱を熱電変換素子の吸熱面からより効果的に吸熱でき、冷却液体の温度をより効果的に低減させることができる。
【0009】
本発明のプロジェクタでは、前記熱電変換素子は、前記吸熱面が前記液体圧送部に熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明では、熱電変換素子の吸熱面が液体圧送部に熱伝達可能に接続するので、液体圧送部を介して熱電変換素子の吸熱面から吸熱された冷却液体は、液体圧送部内部において、攪拌されることとなる。このため、液体圧送部内部の冷却液体の温度を均一に低減させ、循環する冷却液体の温度を均一化できる。
【0010】
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子は、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する赤色光変調素子、緑色光変調素子、および青色光変調素子で構成され、前記光学素子保持部は、前記赤色光変調素子、前記緑色光変調素子、および前記青色光変調素子に対応して赤色光変調素子保持部、緑色光変調素子保持部、および青色光変調素子保持部で構成され、前記液体循環部材は、前記流路において、前記赤色光変調素子保持部、前記緑色光変調素子保持部、および前記青色光変調素子保持部を直列に接続することが好ましい。
ここで、液体循環部材にて各光変調素子保持部を直列に接続する際、各光変調素子保持部の接続順序としては、いずれの接続順序でも構わない。
【0011】
本発明では、液体循環部材は、冷却液体の流路において、各光変調素子保持部を直列に接続する。
このことにより、例えば、液体循環部材にて各光変調素子保持部を並列に接続した構成と比較して、液体循環部材における冷却液体の流入側または流出側を各光変調素子保持部に応じて分岐させた構造とする必要がなく、液体循環部材の構造の簡素化が図れ、ひいては、液冷装置の簡素化が図れる。
また、各光変調素子保持部を直列に接続する際、他の光変調素子と比較して温度上昇の大きい光変調素子を保持する光変調素子保持部を流路前段側に配設し、温度上昇の小さい光変調素子を保持する光変調素子保持部を流路後段側に配設すれば、温度上昇の大きい光変調素子から順に冷却されるので、液冷装置の簡素化を図りつつ、各光変調素子を効率的に冷却できる。
【0012】
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子に冷却空気を送風する冷却ファンを有する空冷装置を備えることが好ましい。
本発明では、液冷装置および熱電変換素子を用いた冷却構造に加えて、空冷装置を用いることで、光学素子をより一層効果的に冷却できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの概略構成〕
図1は、第1実施形態におけるプロジェクタ1の内部構造を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1を前面上方側から見た斜視図である。
なお、以下で記載する「上」、「下」、「左」、「右」は、図1における図面視において、上下左右に相当するものである。また、以下で記載する「前面」、「背面」も、図1における図面視において、前面および背面に相当するものである。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2と、外装筐体2内部に配設される装置本体3とを備える。
【0014】
外装筐体2は、図1に示すように、天面部(図1では図示を省略)、底面部21、前面部22、背面部23、左側面部24、および右側面部25を有し、直方体形状を有する。
この外装筐体2において、右側面部25の前面側には、平面視矩形状の吸気口251が形成されている。また、吸気口251の背面側には、平面視矩形状の排気口252が形成されている。
【0015】
図2および図3は、装置本体3を示す図である。具体的に、図2は、装置本体3を前面上方側から見た斜視図である。図3は、装置本体3を前面下方側から見た斜視図である。
装置本体3は、図2または図3に示すように、光学ユニット4と、空冷装置5と、液冷装置6と、熱電変換ユニット7とを備える。
なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内において、各部材4〜7以外の空間には、プロジェクタ1の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、プロジェクタ1の各構成部材の動作を制御する制御装置等が配置されるものとする。
【0016】
〔光学ユニットの構成〕
図4は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、前記制御装置による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成するものであり、外装筐体2の背面に沿って左側から右側に延出し、延出方向先端部分が前面側に屈曲して延出する平面視略L字形状を有している。
この光学ユニット4は、図4に示すように、光源ランプ411およびリフレクタ412を有する光源装置41と、レンズアレイ421,422、反射ミラー423、偏光変換素子424、および重畳レンズ425を有する照明光学装置42と、ダイクロイックミラー431,432、および反射ミラー433を有する色分離光学装置43と、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を有するリレー光学装置44と、光変調素子(光学素子)としての3つの液晶パネル451(赤色光変調素子としての赤色光側の液晶パネルを451R、緑色光変調素子としての緑色光側の液晶パネルを451G、青色光変調素子としての青色光側の液晶パネルを451Bとする)、3つの入射側偏光板452、3つの射出側偏光板453、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム454を有する光学装置45と、光学部品用筐体46と、投射光学装置としての投射レンズ47とを備える。
そして、光学ユニット4では、上述した構成により、光源装置41から射出され照明光学装置42を介した光束は、色分離光学装置43にてR,G,Bの3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、各液晶パネル451にて画像情報に応じてそれぞれ変調され、色光毎の画像光が形成される。色光毎の画像光は、クロスダイクロイックプリズム454にて合成され、投射レンズ47にてスクリーン(図示略)に拡大投射される。
なお、上述した各光学部品41〜45,47については、種々の一般的なプロジェクタの光学系として利用されているため、具体的な説明を省略し、以下では、光学部品用筐体46の構成を説明する。
【0017】
光学部品用筐体46は、図2または図3に示すように、平面視略L字形状を有し、内部に所定の照明光軸A(図4)が設定され、上述した各光学部品41〜45を照明光軸Aに対する所定位置に配置する。この光学部品用筐体46は、部品収納部材461と、蓋状部材462とを備える。
部品収納部材461は、光源装置収納部4611と、部品収納部本体4612とで構成される。
光源装置収納部4611は、光学部品用筐体46のL字形状一端側に位置し、左側に開口部を有する容器状に形成されている。そして、光源装置収納部4611には、開口部を介して、光源装置41が収納される。
【0018】
部品収納部本体4612は、上方側に開口部(図示略)を有する容器状に形成されている。そして、部品収納部本体4612には、開口部を介して、光源装置収納部4611と接続する一端側から順に、各光学部品42〜44が収納され、前記一端側とは反対側の他端側に光学装置45が収納される。また、部品収納部本体4612には、光学装置45に対向する側面に投射レンズ47が取り付けられる。
この部品収納部本体4612において、下方側端面には、光学装置45を構成する各液晶パネル451R,451G,451Bの配置位置に対応した位置にそれぞれ開口部4612R,4612G,4612B(図3)が形成されている。
【0019】
蓋状部材462は、部品収納部本体4612の上方側の開口部を閉塞する部材であり、部品収納部本体4612の平面形状と略同一の平面形状を有する。
この蓋状部材462には、光学装置45の配置位置に対応して、光学装置45を平面的に囲うようにU字状の切り欠き4621(図2)が形成されている。
【0020】
〔空冷装置の構成〕
図5および図6は、空冷装置5の構成を説明するための図である。具体的に、図5は、空冷装置5、液冷装置6、および熱電変換ユニット7を前面上方側から見た斜視図である。図6は、空冷装置5、液冷装置6、および熱電変換ユニット7を前面下方側から見た斜視図である。
空冷装置5は、光学装置45や液冷装置6を構成する後述するラジエータ63に空気を送風し、光学装置45やラジエータ63を強制空冷する。この空冷装置5は、図5または図6に示すように、吸気ダクト51と、冷却ファンとしての一対のシロッコファン52,53(図6)と、送風ダクト54と、軸流ファン55とを備える。
【0021】
吸気ダクト51は、右側面に開口部511を有する直方体状に形成され、外装筐体2内部において、開口部511が吸気口251に接続するように配設される(図1)。また、吸気ダクト51の下方側端面には、具体的な図示は省略したが、前面側および背面側にそれぞれ、内部の空気を外部に流出させる一対の開口部が形成されている。そして、吸気ダクト51は、吸気口251を介して外装筐体2外部から内部に導入された空気を、開口部511を介して内部に導入し、下方側端面に形成された一対の開口部を介して下方側に流出させる。
【0022】
一対のシロッコファン52,53は、各吐出口521,531(図6)が左側に向き、各吸入口(図示略)が上方側に向いた状態で吸気ダクト51の下方側端面に取り付けられる。この状態では、一対のシロッコファン52,53は、各吸入口(図示略)が吸気ダクト51における下方側端面に形成された一対の開口部にそれぞれ接続する。そして、一対のシロッコファン52,53は、外装筐体2外部の空気を吸気口251および吸気ダクト51を介して吸入し、各吐出口521,531から左側に吐出する。
【0023】
送風ダクト54は、光学装置45の配設位置の下方側から各吐出口521,531に向けて2つに分岐して延出し、各先端部分が各吐出口521,531に接続する。
また、送風ダクト54の上方側端面には、光学部品用筐体46の3つの開口部4612R,4612G,4612Bに対応して、上方側に向けて突出し、内部の空気を流出させる3つの流出部541が形成されている。
そして、送風ダクト54は、一対のシロッコファン52,53から吐出された空気を、各流出部541を介して下方側から上方側に向けて流出する。送風ダクト54を介した空気は、光学部品用筐体46の3つの開口部4612R,4612G,4612Bを介して光学部品用筐体46内部に導入され、光学装置45における各色光側の部材451〜453間を下方から上方に向けて流通し、各部材451〜453を冷却する。各部材451〜453を冷却した後の空気は、蓋状部材462の切り欠き4621を介して光学部品用筐体46外部に排出される。
【0024】
軸流ファン55は、ラジエータ63を挟んで、排気口252に対向配置され、吸入した空気をラジエータ63に向けて吐出し、ラジエータ63を冷却する。そして、ラジエータ63を介した空気は、排気口252から外装筐体2外部に排出される。
【0025】
〔液冷装置の構成〕
図7および図8は、液冷装置6および熱電変換ユニット7の構成を説明するための図である。具体的に、図7は、液冷装置6および熱電変換ユニット7を前面上方側から見た斜視図である。図8は、液冷装置6および熱電変換ユニット7を前面下方側から見た斜視図である。
液冷装置6は、環状の流路に沿って水やエチレングリコール等の冷却液体を循環させ、該冷却液体により光学素子としての液晶パネル451を冷却する。この液冷装置6は、図7または図8に示すように、3つの光学素子保持部61と、液体圧送部62と、ラジエータ63と、第1受熱ジャケット64および第2受熱ジャケット65と、複数の液体循環部材66とを備える。
【0026】
複数の液体循環部材66は、内部に冷却液体を流通可能とする管状部材で構成され、各部材61〜65を接続し、環状の流路を形成する。
なお、液体循環部材66による各部材61〜65の接続構造については、後述する。
【0027】
〔光学素子保持部の構成〕
図9および図10は、光学素子保持部61の構造を示す図である。具体的に、図9は、光学素子保持部61を光束入射側から見た斜視図である。図10は、光学素子保持部61を光束射出側から見た斜視図である。
3つの光学素子保持部61は、3つの液晶パネル451をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却液体が流入出し、該冷却液体により3つの液晶パネル451をそれぞれ冷却する。なお、各光学素子保持部61は、同様の構成であり、以下では1つの光学素子保持部61のみを説明する。この光学素子保持部61は、図9または図10に示すように、液体流通部611と、光学素子支持枠612と、枠部材613(図10)とを備える。
【0028】
図11は、液体流通部611の構造を示す図である。具体的に、図11は、液体流通部611を光束射出側から見た斜視図である。
液体流通部611は、光学素子保持部61における光束入射側に位置し、内部に冷却液体を流通させる。この液体流通部611は、図11に示すように、液体流通管6111と、取付部材6112とを備える。
液体流通管6111は、液晶パネル451の画像形成領域(光透過領域)を囲む平面視矩形枠状に形成され、冷却液体を流入出させる各端部が上方側に平行して延出するように形成されている。
取付部材6112は、液晶パネル451の画像形成領域に応じた矩形状の開口部6112Aを有する平面視矩形状の板体で構成されている。
この取付部材6112において、光束射出側端面には、液体流通管6111の形状に対応した凹部6112Bが形成されている。そして、液体流通管6111は、凹部6112Bに嵌め込まれ、取付部材6112と熱伝達可能に接続する。
【0029】
光学素子支持枠612は、具体的な図示は省略したが、液晶パネル451の画像形成領域に応じた矩形状の開口部を有し、光束射出側にて液晶パネル451を支持する。
この光学素子支持枠612において、光束入射側端面には、液体流通管6111の形状に対応した凹部6121(図9)が形成されている。そして、液体流通管6111は、取付部材6112を光学素子支持枠612の光束入射側端面に熱伝達可能に接続した状態で、凹部6121に嵌め込まれ、光学素子支持枠612と熱伝達可能に接続する。
また、光学素子支持枠612において、光束射出側には、具体的な図示は省略したが、開口部の周縁部分に、液晶パネル451における外形形状(段付状)に対応し液晶パネル451を収納保持する凹部が形成され、該凹部にて液晶パネル451と熱伝達可能に接続する。
【0030】
枠部材613は、折り曲げ可能なシート状部材であり、液晶パネル451の画像形成領域に応じた矩形状の開口部6131(図10)を有する。そして、枠部材613は、図10に示すように、光学素子支持枠612および液晶パネル451を跨ぐように取り付けられる。光学素子支持枠612および液晶パネル451の光束入射側の面は熱伝達可能に接続されているが、枠部材613を介して光学素子支持枠612と液晶パネル451の光束射出側の面も熱伝達可能に接続する。
この枠部材613としては、熱伝導性材料で形成され、折り曲げ可能なシート状部材であればよく、例えば、金属部材やグラファイトシートを採用できる。
【0031】
〔液体圧送部の構成〕
液体圧送部62は、冷却液体を吸入および圧送するポンプであり、環状の流路に沿って冷却液体を循環させる。
この液体圧送部62は、例えば、中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、前記羽根車が回転することで、冷却液体を吸入および圧送する。
なお、液体圧送部62の構成としては、上述した羽根車を有する連続送出型の構成に限らず、ダイヤフラムを利用した間欠送出型等の他の構成を採用してもよい。
【0032】
〔ラジエータの構成〕
ラジエータ63は、外装筐体2内部において排気口252に対向するように配設され(図1)、環状の流路に沿って循環する冷却液体の熱を放熱する。このラジエータ63は、図7または図8に示すように、一対の液体蓄積部631,632と、ラジエータ本体633とを備える。
一対の液体蓄積部631,632は、略直方体状の中空部材で構成されている。
ラジエータ本体633は、一対の液体蓄積部631,632間に介装されている。そして、ラジエータ本体633は、具体的な図示は省略したが、各液体蓄積部631,632間を、冷却液体を流通可能とする複数の流路で連通した構造を有し、各流路の間を空気が流通可能に構成されている。
すなわち、ラジエータ本体633における複数の流路を冷却液体が流通する際に、冷却液体の熱がラジエータ本体633に伝達される。また、軸流ファン55から吐出された空気が前記各流路の間を流通し、ラジエータ本体633が冷却される。
【0033】
〔受熱ジャケットの構成〕
図12は、第1受熱ジャケット64の内部構造を模式的に示す断面図である。具体的に、図12は、図7のXII-XII線の断面図である。
各受熱ジャケット64,65は、同様の構成を有しているため、以下では、第1受熱ジャケット64のみを説明する。
第1受熱ジャケット64は、略直方体状の中空部材で構成され、内部を流通する冷却液体から熱を受熱する。
この第1受熱ジャケット64内部には、図12に示すように、冷却液体の流通方向に沿って延出する複数の板体641が該流通方向に直交する方向に並設されている。具体的に、これら板体641は、例えば、数10μm〜数100μm程度の厚み寸法を有し、互いに数10μm〜数100μm程度の間隔を空けて配設される。
以上の構成により、第1受熱ジャケット64内部には、各板体641間に冷却液体が流通する複数の微細流路Cmが形成される。すなわち、第1受熱ジャケット64は、所謂、マイクロチャンネル等の熱交換器で構成されている。
【0034】
〔熱電変換ユニットの構成〕
図13は、熱電変換ユニット7の構成を説明するための図である。具体的に、図13は、熱電変換ユニット7の一部を分解し、下方側から見た分解斜視図である。
熱電変換ユニット7は、吸気ダクト51の上方側に配設され、各受熱ジャケット64,65内部を流通する冷却液体から熱を吸収する。この熱電変換ユニット7は、図7、図8、または図13に示すように、支持部材71と、熱電変換素子としての4つのペルチェ素子72(図13)と、2つの放熱側伝熱部材73(図13)と、導風部材74(図7、図8)と、シロッコファン75(図7、図8)とを備える。
【0035】
支持部材71は、平面視矩形状の板体で構成され、2つの受熱ジャケット64,65、4つのペルチェ素子72、2つの放熱側伝熱部材73、および導風部材74を一体化する。この支持部材71は、熱伝導率が低い(例えば、0.9W/(m・K)以下)材料で構成されている。
この支持部材71において、前面側および背面側には、図13に示すように、各受熱ジャケット64,65の平面形状よりも小さい矩形形状を有し、2つのペルチェ素子72を嵌合可能とする開口部711がそれぞれ形成されている。
そして、各受熱ジャケット64,65は、支持部材71の上方側端面において、各開口部711周縁部分にそれぞれ固定される。
【0036】
ペルチェ素子72は、具体的な図示は省略したが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直接に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子72において、電力が供給されると、図13に示すように、ペルチェ素子72の一方の端面(上方側の端面)が熱を吸収する吸熱面721となり、他方の端面(下方側の端面)が熱を放熱する放熱面722となる。
そして、ペルチェ素子72は、支持部材71の開口部711に嵌合され、吸熱面721が各受熱ジャケット64,65の下方側端面に熱伝達可能に接続する。
【0037】
2つの放熱側伝熱部材73は、図13に示すように、同様の構成を有し、矩形状の板体731と、板体731における下方側の端面から突出し前後方向に延出する複数のフィン部材732とを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。そして、各放熱側伝熱部材73は、支持部材71の下方側端面において、各開口部711周縁部分にそれぞれ固定される。この状態では、各放熱側伝熱部材73は、各ペルチェ素子72の放熱面722に熱伝達可能に接続する。
すなわち、支持部材71にて各受熱ジャケット64,65、各ペルチェ素子72、および各放熱側伝熱部材73を一体化した状態では、各受熱ジャケット64,65〜各ペルチェ素子72〜各放熱側伝熱部材73の熱伝達経路が形成される。
【0038】
導風部材74は、前後方向に延出する断面略U字状に形成され、U字状内側部分に各放熱側伝熱部材73が位置するように支持部材71の下方側端面に固定される。すなわち、導風部材74は、支持部材71との間に、空気を前後方向に流通させる筒状の空間を形成する。
シロッコファン75は、導風部材74の前面側に配設され、吸入した空気を支持部材71および導風部材74で形成される筒状の空間に向けて吐出する。
【0039】
〔液体循環部材による接続構造〕
図14は、液冷装置6および熱電変換ユニット7の構成を模式的に示した図である。
次に、液体循環部材66による各部材61〜65の接続構造について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、3つの光学素子保持部61のうち、赤色光側の液晶パネル451Rを保持する光学素子保持部を赤色光変調素子保持部61R、緑色光側の液晶パネル451Gを保持する光学素子保持部を緑色光変調素子保持部61G、青色光側の液晶パネル451Gを保持する光学素子保持部を青色光変調素子保持部61Bとする。
液体循環部材66は、図7、図8、または図14に示すように、第1〜第7液体循環部材66A〜66Gの7本で構成されている。
具体的に、第1液体循環部材66Aは、流入側および流出側が緑色光変調素子保持部61Gおよび青色光変調素子保持部61Bにおける各液体流通管6111の一方の端部にそれぞれ接続される。
第2液体循環部材66Bは、流入側が青色光変調素子保持部61Bにおける液体流通管6111の他方の端部に接続され、流出側が赤色光変調素子保持部61Rにおける液体流通管6111の一方の端部に接続される。
【0040】
第3液体循環部材66Cは、流入側が赤色光変調素子保持部61Rにおける液体流通管6111の他方の端部に接続され、流出側が液体圧送部62に接続される。
第4液体循環部材66Dは、流入側および流出側が液体圧送部62およびラジエータ63(液体蓄積部631)に接続される。
第5液体循環部材66Eは、流入側および流出側がラジエータ63(液体蓄積部632)および第1受熱ジャケット64にそれぞれ接続される。
第6液体循環部材66Fは、流入側および流出側が各受熱ジャケット64,65に接続される。
第7液体循環部材66Gは、流入側が第2受熱ジャケット65に接続され、流出側が緑色光変調素子保持部61Gにおける液体流通管6111の他方の端部に接続される。
【0041】
以上のような液体循環部材66による接続構造により、緑色光変調素子保持部61G〜青色光変調素子保持部61B〜赤色光変調素子保持部61R〜液体圧送部62〜ラジエータ63〜第1受熱ジャケット64〜第2受熱ジャケット65を辿り、再度、緑色光変調素子保持部61Gに戻る環状の流路Cが形成される。
【0042】
そして、上述した液冷装置6および熱電変換ユニット7により、以下に示すように液晶パネル451が冷却される。
すなわち、液晶パネル451にて生じた熱は、光学素子保持部61を介して冷却液体に伝達される。
冷却液体に伝達された熱は、冷却液体が環状の流路Cに沿って循環しラジエータ63(ラジエータ本体633)における複数の流路を流通する際、ラジエータ本体633に伝達される。ラジエータ本体633に伝達された熱は、軸流ファン55から吐出され前記複数の流路の間を流通する空気により放熱される。
また、冷却液体に伝達された熱は、冷却液体が環状の流路Cに沿って循環し各受熱ジャケット64,65の複数の微細流路Cmを流通する際、各受熱ジャケット64,65に伝達される。各受熱ジャケット64,65に伝達された熱は、各受熱ジャケット64,65〜各ペルチェ素子72〜各放熱側伝熱部材73の熱伝達経路を辿り、各フィン部材732を介して、シロッコファン75から吐出され支持部材71および導風部材74で形成される筒状の空間を流通する空気により放熱される。
冷却液体は、ラジエータ63および各受熱ジャケット64,65により熱が段階的に放熱されることで、環境温度よりも低い温度にまで冷却される。
【0043】
上述した第1実施形態においては、以下の効果がある。
本実施形態では、プロジェクタ1は、液冷装置6に対して吸熱面721が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続するペルチェ素子72を備えるので、環状の流路Cに沿って循環する冷却液体の熱を吸熱面721から効果的に吸熱でき、冷却液体の温度を効果的に低減させることができる。このため、十分に温度の低い(環境温度以下)冷却液体により液晶パネル451を冷却することができ、液晶パネル451を効果的に冷却できる。したがって、液晶パネル451の熱劣化を回避し、プロジェクタ1の長寿命化が図れる。
【0044】
また、ペルチェ素子72を用いて液晶パネル451の冷却効率を向上できるため、ポンプ性能の高い液体圧送部62を採用する必要がなく、必要最低限の流速で冷却液体を循環させる液体圧送部62を採用でき、液体圧送部62の選択の自由度を向上できる。
さらに、ラジエータ63で冷却した冷却液体をペルチェ素子72で冷却するため、ペルチェ素子72の消費電力も大きくすることなく効率的に冷却できる。
また、ペルチェ素子72を用いて冷却液体の温度を効果的に低減させることができるため、ラジエータ63のサイズを大きくする必要がなく、必要最低限のサイズのラジエータ63を採用でき、プロジェクタ1の小型化が図れる。
【0045】
さらに、ペルチェ素子72は、内部に複数の微細流路Cmを有し冷却液体と接触する表面積の大きい、いわゆるマイクロチャンネル等の熱交換器で構成された受熱ジャケット64,65に吸熱面721が熱伝達可能に接続する。このことにより、受熱ジャケット64,65を介して冷却液体の熱をペルチェ素子72の吸熱面721からより効果的に吸熱でき、冷却液体の温度をより効果的に低減させることができる。
【0046】
また、液体循環部材66は、環状の流路Cにおいて、冷却液体の流通方向に沿って、緑色光変調素子保持部61G、青色光変調素子保持部61B、および赤色光変調素子保持部61Rの順に、直列に接続する。
このことにより、例えば、液体循環部材66にて各光学素子保持部61を並列に接続した構成と比較して、液体循環部材66における流入側または流出側を各光学素子保持部61に応じて分岐させた構造とする必要がなく、液体循環部材66の構造の簡素化が図れ、ひいては、液冷装置6の簡素化が図れる。
また、他の液晶パネル451R,451Bと比較して温度上昇の大きい液晶パネル451Gを保持する緑色光変調素子保持部61Gを流路前段側に配設し、温度上昇の小さい液晶パネル451Rを保持する赤色光変調素子保持部61Rを流路後段側に配設することで、温度上昇の大きい液晶パネル451Gから順に冷却されるので、液冷装置6の簡素化を図りつつ、各液晶パネル451を効率的に冷却できる。
【0047】
さらに、プロジェクタ1は、空冷装置5を備える。このことにより、液冷装置6および熱電変換ユニット7を用いた冷却構造に加えて、空冷装置5を用いることで、液晶パネル451をより一層効果的に冷却できる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図15は、第2実施形態における液冷装置6および熱電変換ユニット7の構成を模式的に示した図である。
本実施形態では、図15に示すように、前記第1実施形態に対して、第2受熱ジャケット65を省略し、第2受熱ジャケット65の配設位置に液体圧送部62を配置した点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
【0049】
具体的に、本実施形態における液体圧送部62は、アルミニウム等の熱伝導性材料から構成される中空部材内に羽根車が配置された構成を有する連続送出型のポンプで構成されている。
そして、本実施形態では、図15に示すように、熱電変換ユニット7の各ペルチェ素子72は、吸熱面721が第1受熱ジャケット64の下方側端面の他、液体圧送部62の下方側端面に熱伝達可能に接続する。
【0050】
上述した第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、ペルチェ素子72の吸熱面721が液体圧送部62に熱伝達可能に接続するので、液体圧送部62を介してペルチェ素子72の吸熱面721から吸熱された冷却液体は、液体圧送部62内部において、撹拌されることとなる。このため、液体圧送部62内部の冷却液体の温度を均一に低減させ、循環する冷却液体の温度を均一化できる。
【0051】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図16は、第3実施形態における液冷装置6および熱電変換ユニット7の構成を模式的に示した図である。
本実施形態では、熱電変換ユニット7は、各放熱側伝熱部材73、導風部材74、およびシロッコファン75が省略され、図16に示すように、第2の液冷装置76を備える。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
【0052】
第2の液冷装置76は、液体圧送部761と、ラジエータ762とが複数の液体循環部材66により接続され、環状の流路C´を形成する。
ここで、液体圧送部761は、前記第2実施形態で説明した液体圧送部62と同様のものであり、各ペルチェ素子72における放熱面722に熱伝達可能に接続する。
また、ラジエータ762は、液冷装置6を構成するラジエータ63と同様のものである。
すなわち、本実施形態では、各受熱ジャケット64,65〜各ペルチェ素子72の熱伝達経路を辿った熱が液体圧送部761に伝達される。そして、液体圧送部761に伝達された熱は、環状の流路C´に沿って循環する水やエチレングリコール等の冷却液体に伝達され、ラジエータ762を流通する際に放熱される。
【0053】
上述した第3実施形態によれば、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、熱電変換ユニット7は、第2の液冷装置76を備える。このことにより、前記第1実施形態で説明した構成と比較して、ペルチェ素子72の放熱面722から効果的に熱を放熱させることができ、ペルチェ素子72の消費電力に対する冷却対象(各受熱ジャケット64,65)から吸熱する吸熱量の比率(吸熱比率)を向上させることができる。このため、循環する冷却液体の温度をより一層低減させることができる。
【0054】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、液冷装置6は、ラジエータ63を備えていたが、これに限らず、ラジエータ63を省略した構成としても、本発明の目的を十分に達成することができる。
前記各実施形態では、ペルチェ素子72の吸熱面721を受熱ジャケット64,65や液体圧送部62に熱伝達可能に接続していたが、吸熱面721が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続すれば、その他の部材、例えば、61,63,66等に熱伝達可能に接続しても構わない。
【0055】
前記各実施形態では、ペルチェ素子72は、4つ設けられていたが、その数は特に限定されず、例えば1つでも構わない。受熱ジャケット64,65や放熱側伝熱部材73も同様である。
前記各実施形態において、冷却対象である光学素子として、液晶パネル451を採用していたが、これに限らず、光源装置41、偏光変換素子424、入射側偏光板452、射出側偏光板453等の他の光学素子を冷却対象としても構わない。
前記各実施形態において、空冷装置5の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らない。例えば、前記各実施形態では、一対のシロッコファン52,53を採用していたが、軸流ファンを採用しても構わない。
【0056】
前記各実施形態では、各光学素子保持部61は、冷却液体の流通方向に沿って、緑色光変調素子保持部61G、青色光変調素子保持部61B、および赤色光変調素子保持部61Rの順に、第1〜第3液体循環部材66A〜66Cにて直列に接続されていたが、この接続順序は、これに限らない。
例えば、冷却液体の流通方向に沿って、青色光変調素子保持部61B、緑色光変調素子保持部61G、および赤色光変調素子保持部61Rの順に、直列に接続しても構わない。
また、本発明は、各光変調素子保持部61R,61G,61Bを直列に接続する構成の他、各光変調素子保持部61R,61G,61Bを並列に接続する構成も含むものである。したがって、例えば、冷却液体の流通方向に沿って青色光変調素子保持部61Bおよび赤色光変調素子保持部61Rを直列に接続するとともに、青色光変調素子保持部61Bおよび赤色光変調素子保持部61Rと緑色光変調素子保持部61Gとを並列に接続しても構わない。
【0057】
前記各実施形態において、光源装置41は、前記各実施形態で説明した構成に限らず、レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子で構成しても構わない。
前記各実施形態では、プロジェクタ1は、液晶パネル451を3つ備える三板式のプロジェクタで構成していたが、これに限らず、液晶パネルを1つ備える単板式のプロジェクタで構成しても構わない。また、液晶パネルを2つ備えるプロジェクタや、液晶パネルを4つ以上備えるプロジェクタとして構成しても構わない。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いても構わない。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイス等、液晶以外の光変調装置を用いても構わない。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、光学素子を効果的に冷却できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す斜視図。
【図2】前記実施形態における装置本体を示す図。
【図3】前記実施形態における装置本体を示す図。
【図4】前記実施形態における光学ユニットの光学系を模式的に示す平面図。
【図5】前記実施形態における空冷装置の構成を説明するための図。
【図6】前記実施形態における空冷装置の構成を説明するための図。
【図7】前記実施形態における液冷装置および熱電変換ユニットの構成を説明するための図。
【図8】前記実施形態における液冷装置および熱電変換ユニットの構成を説明するための図。
【図9】前記実施形態における光学素子保持部の構造を示す図。
【図10】前記実施形態における光学素子保持部の構造を示す図。
【図11】前記実施形態における液体流通部の構造を示す図。
【図12】前記実施形態における第1受熱ジャケットの内部構造を模式的に示す断面図。
【図13】前記実施形態における熱電変換ユニットの構成を説明するための図。
【図14】前記実施形態における液冷装置および熱電変換ユニットの構成を模式的に示した図。
【図15】第2実施形態における液冷装置および熱電変換ユニットの構成を模式的に示した図。
【図16】第3実施形態における液冷装置および熱電変換ユニットの構成を模式的に示した図。
【符号の説明】
【0060】
1・・・プロジェクタ、5・・・空冷装置、6・・・液冷装置、52,53・・・シロッコファン(冷却ファン)、61,61R,61G,61B・・・光学素子保持部、62・・・液体圧送部、64,65・・・受熱ジャケット、66・・・液体循環部材、72・・・ペルチェ素子(熱電変換素子)、451,451R,451G,451B・・・液晶パネル(光学素子)、721・・・吸熱面、722・・・放熱面、C・・・流路、Cm・・・微細流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクタであって、
前記液冷装置は、
内部に冷却液体を流通可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に前記光学素子を保持する光学素子保持部と、
冷却液体を吸入および圧送する液体圧送部と、
前記光学素子保持部および前記液体圧送部を接続し、前記冷却液体の流路を形成する複数の液体循環部材とを備え、
吸熱面および放熱面を有し、前記液冷装置に対して前記吸熱面が冷却液体に熱伝達可能な状態で接続する熱電変換素子を備える
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記液冷装置は、
前記流路中に配設され、内部に冷却液体が流通する複数の微細流路を有する受熱ジャケットを備え、
前記熱電変換素子は、前記吸熱面が前記受熱ジャケットに熱伝達可能に接続する
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記熱電変換素子は、前記吸熱面が前記液体圧送部に熱伝達可能に接続する
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光学素子は、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する赤色光変調素子、緑色光変調素子、および青色光変調素子で構成され、
前記光学素子保持部は、前記赤色光変調素子、前記緑色光変調素子、および前記青色光変調素子に対応して赤色光変調素子保持部、緑色光変調素子保持部、および青色光変調素子保持部で構成され、
前記液体循環部材は、前記流路において、前記赤色光変調素子保持部、前記緑色光変調素子保持部、および前記青色光変調素子保持部を直列に接続する
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光学素子に冷却空気を送風する冷却ファンを有する空冷装置を備える
ことを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−258622(P2009−258622A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286777(P2008−286777)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】