プロセス材料を混合する方法及び装置
【課題】プロセス材料を混合し且つ供給する方法の提供。
【解決手段】複数のプロセス材料を複数の材料供給管18を通じて供給すること、複数の材料供給管の下流のスタティックミキサー22内でプロセス材料を混合すること、コントローラと、プロセス材料混合体を表わす入力信号を提供すべくコントローラに接続された入力装置と、複数の材料供給管及びコントローラに接続された第一の弁20と、を備えるプロセス制御システムにより、複数のプロセス材料の供給を調節すること、入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料を保持すること、保持容器の入口及び出口に接続された再循環管14内で複数のプロセス材料を再循環させること、再循環管及び複数の材料供給管に接続された第二の弁により複数のプロセス材料の一部分を複数の材料供給管の1つに向けること、とを備えた混合したプロセス材料を供給する方法。
【解決手段】複数のプロセス材料を複数の材料供給管18を通じて供給すること、複数の材料供給管の下流のスタティックミキサー22内でプロセス材料を混合すること、コントローラと、プロセス材料混合体を表わす入力信号を提供すべくコントローラに接続された入力装置と、複数の材料供給管及びコントローラに接続された第一の弁20と、を備えるプロセス制御システムにより、複数のプロセス材料の供給を調節すること、入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料を保持すること、保持容器の入口及び出口に接続された再循環管14内で複数のプロセス材料を再循環させること、再循環管及び複数の材料供給管に接続された第二の弁により複数のプロセス材料の一部分を複数の材料供給管の1つに向けること、とを備えた混合したプロセス材料を供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロセス材料を混合する方法及び装置、特に、超高純度の化学物質、摩耗性スラリー等を混合する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製薬、化粧品及び半導体業界にて混合したプロセス材料が必要とされる。半導体業界において、混合したプロセス材料は、典型的に、分配サブシステム及び混合サブシステムを含むバッチ製造システムを使用して製造される。分配サブシステムは材料を供給源から混合サブシステムまで搬送する。供給源は、典型的に、化学物質又はスラリーのようなプロセス材料を安全に貯蔵し得る設計とされた容器である。その他の供給源は、脱イオン(DI)水製造装置又は過酸化水素若しくは水酸化アンモニウムのようなその他の大量消費のプロセス材料を供給する装置のような、ファシリティ(facility;機能)発生設備を含む。該ファシリティ発生設備は、分配サブシステムに直に接続することができる。単一の分配サブシステムを多岐に亙る供給源に接続してその各々からプロセス材料を混合サブシステムまで搬送することができる。
【0003】
混合サブシステムにおいて、分配サブシステムにより搬送されたプロセス材料は混合容器又はタンクに加えられる。典型的に、材料は、特定のプロセスに必要とされるように所定の順序で追加される。例えば、プロセスは所望の混合体を形成するため個別のプロセス材料の所定の比率を必要とする。プロセスの順序は反応性又は安全性に基づくものとすることができ、例えば、典型的に酸性又は塩基性溶液が水の後に追加される。これと代替的に、プロセスの順序は、過度に濃縮したウエハの研磨スラリーをDI水にて稀釈すると言ったような、プロセス変数を減少させ又は修正する必要性に基づくものとすることができる。幾つかの場合、第二のプロセス材料を加えるために第一のプロセス材料の追加を中断し、その後、第一のプロセス材料の追加を再開することが必要なことがある。
【0004】
混合容器へのプロセス材料の追加は、典型的に、重量又は体積の差を測定することにより監視し且つ調節する。重量の差により調節される典型的な追加は、保持容器又はタンクに目盛りを使用することを含むことができる。この型式のシステムにおいて、保持容器の重量を測定する自動化した制御システムは、同時に追加された2つのプロセス材料の相対量を識別することができないから、プロセス材料の各々は個別に追加される。重量の差により調節された典型的な追加は、流量計を使用することを含むことができる。
【0005】
混合容器内に導入されると、プロセス材料は、典型的には、インペラによって混合されて均質な溶液とされて混合されたプロセス材料のバッチを形成する。次に、混合したプロセス材料のバッチは、典型的にその所期の目的のために使用される。
【0006】
多くの従来のプロセスは、その所期の目的にとって許容可能な混合プロセス材料のバッチを製造すべくプロセス材料を精密に追加することを必要とする。従って、混合容器への供給量を監視する計測器は、典型的に、バッチ間の均一さを保証し得るように極めて精密である。多くの用途において、僅かなプロセスの変化でも混合したプロセス材料のバッチに重大な差を将来し、その所期の目的のためそのバッチを使用できなくする可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
一つの実施形態においては、本発明は、第一の材料供給管と、第二の供給管と、第一及び第二の材料供給管の下流において流体接続されたスタティックミキサーとを備える、混合システムについてのものとされている。混合システムは、第一及び第二の材料供給管の少なくとも一方に配置された第一の流れ制御装置と、スタティックミキサーの下流に配置された第一のセンサと、第一のセンサにより提供されるセンサ信号に基づいて第一の流れ制御装置に対し制御信号を提供する論理コードを有するコントローラとを含む、プロセス制御システムを更に備えている。
【0008】
別の実施の形態においては、本発明は、複数の材料供給管と、該複数の材料供給管の下流に配置され且つ複数の材料供給管に流体接続されたスタティックミキサーとを有する混合システムについてのものとされている。該混合システムはまた、コントローラと、該コントローラと連通してプロセス材料の所望の混合を表わす入力信号を提供する入力装置と、複数の材料供給管のうちの1つ及びコントローラに接続された第一の弁とを含むプロセス制御システムを備えている。該混合システムは、入口及び出口を有する保持容器と、入口及び出口に流体接続された再循環管と、再循環管及び複数の材料供給管のうちの1つに流体接続され、再循環管から材料が選択的に材料供給管に導かれるようにする第二の弁とを有する分配サブシステムを更に備えている。
【0009】
別の実施の形態においては、本発明は、混合したプロセス材料を供給する方法についてのものとされている。該方法は、第一のプロセス材料を第一の供給管を通して供給することと、第二のプロセス材料を第二の供給管を通して供給することと、第一及び第二の材料供給管の下流に流体接続されたスタティックミキサー内で第一及び第二のプロセス材料を混合することとを含んでいる。該方法はまた、スタティックミキサーの下流に配置されたセンサにより提供されるセンサ信号に基づいて、第一及び第二の材料供給管の一方に配置された第一の弁により第一及び第二のプロセス材料の一方の供給量を調節することを更に含んでいる。
【0010】
別の実施の形態においては、本発明は、混合したプロセス材料を供給する方法についてのものとされている。該方法は、複数のプロセス材料を複数の材料供給管を通して供給することと、複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサー内で複数のプロセス材料を混合することとを含んでいる。該方法はまた、コントローラと、入力装置と、複数の材料管のうちの1つに及びコントローラに接続された第一の弁とを含むプロセス制御システムによって、複数のプロセス材料の供給量を調節することも含んでいる。該入力装置は、プロセス材料の所望の混合状態を表わす入力信号を提供し得るようにコントローラに接続されている。該方法は、入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料の1つ以上を保持することと、保持容器の入口及び出口に接続された再循環管内で複数のプロセス材料のうちの1つ以上を再循環させることと、複数のプロセス材料の1つ以上の一部分を再循環管に及び複数の材料供給管のうちの1つ以上に接続された第二の弁により複数の材料供給管の1つの内部に導くこととを更に含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の好ましい非限定的な実施の形態に関して添付図面を参照しつつ、一例として説明する。
【図1】本発明の装置の1つの実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図4】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図5】本発明のスタティックミキサーの1つの実施の形態の断面図である。
【図6】チャンバを通る図示した流路を有する、図5に図示した本発明のスタティックミキサーの実施の形態の断面図である。
【図7】チャンバを通る図示した流路を有する、図5に図示した本発明のスタティックミキサーの実施の形態の断面斜視図である。
【図8】チャンバを通る図示した流路を有する、本発明の第二のスタティックミキサーの1つの実施の形態の断面図である。
【図9】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図10】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図11】固体率%と実験値とのグラフである。
【図12】密度対実験値のグラフである。
【発明の実施の形態】
【0012】
本発明は、プロセス材料を混合するシステムに関するものである。該混合システムは、需要によってプロセス材料を混合し且つ使用箇所まで供給し、又は後で使用するためにプロセス材料の混合体を提供するのに適している。プロセス材料とは、導管を通して輸送することができる任意の流体材料を意味するものとする。例えば、プロセス材料は、水、各種の化学物質、溶液、固体の懸濁物、スラリー又はその他の材料の任意のものを含むことができる。本発明の混合システムは混合したプロセス材料を必要とする任意のプロセスにおいて使用されるが、この混合システムは、超高純度の化学物質及び研磨スラリーの混合及び正確さ及び精度が望まれるその他の混合目的のため特に適用可能である。例えば、本発明は、半導体、化粧品及び製薬業界にて特に有用である。
【0013】
本発明の混合システムの一つの実施の形態は、複数の材料供給管と、複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサーと、プロセス制御システムとを備えている。本明細書で使用するように「スタティックミキサー」という用語は、プロセス材料の混合を促進し得る構造とされた任意の装置を意味するものとする。複数の材料供給管はプロセス材料を運ぶ任意の導管とすることができる。例えば、材料供給管は、パイプ、通路、又は流体の流れを導くその他の装置とすることができる。複数の材料供給管は、多数の異なるプロセス材料を多岐に亙る供給源から供給することができる。例えば、材料供給管は、プロセス材料を貯蔵容器又はファシリティ発生設備から供給することができる。幾つかの場合、材料供給管は、プロセス材料を分配サブシステムから供給することができる。
【0014】
分配サブシステムを備える幾つかの実施の形態においては、分配サブシステムは、保持容器と、再循環管と、弁とからなるものとすることができる。再循環管は、保持容器の入口及び出口に流体的に接続し、再循環管を通じてプロセス材料を連続的に循環させることができる。この流れは、ポンプのような流体の流れを誘発する装置によって提供することができる。分配サブシステム内の弁は、再循環管及び材料供給管に接続し、プロセス材料が再循環管から材料供給管に向けられるようにすることができる。
【0015】
本発明の混合システムのスタティックミキサーは、複数の材料供給管と流体連通させることができる。例えば、スタティックミキサーは、その各々が複数の材料供給管のうちの1つに接続された複数の入口を備えている。スタティックミキサーはまた、混合領域及び出口をも備えている。プロセス材料は、スタティックミキサーの入口において材料供給管から受け取り且つ混合領域に流される。混合領域は、該領域を通って流れるプロセス材料を攪拌し且つ混合させる形状とされている。混合した後、プロセス材料は、使用箇所又は貯蔵容器に接続される出口を介して流れる。使用箇所は、混合したプロセス材料の供給が要求される任意の箇所とされる。例えば、使用箇所としては、プロセス機械又は加工ステーションがある。
【0016】
幾つかの実施の形態においては、本発明の混合システムのプロセス制御システムは、コントローラと、入力装置と、弁とを備えている。その他の実施の形態においては、プロセス制御システムは、コントローラと、センサと、弁とを備えている。弁は、本明細書においては、単に一例としての流れを制御するものとして説明するが、本発明において任意の弁に代えて任意の流れ制御装置を使用することが可能であることを理解されるはずである。流れ制御装置とは、各種型式の弁、ポンプ、及びその他の圧力調整装置のような所望の程度の流れを提供する任意の装置を意味するものとする。
【0017】
コントローラは、論理コードのような、一連の処理手順に基づいて情報を受け取り且つ情報に作用することのできる任意の装置でよい。例えば、コントローラはコンピュータのようなマイクロプロセッサ利用の装置とすることができる。プロセス制御システムがコンピュータを備えている場合、入力装置をコントローラに接続し、プロセス材料の所望の混合を表わす入力信号を提供することができる。入力装置は、情報を受け取り且つその情報をコントローラに伝達することが可能な任意の装置とすることができる。例えば、入力装置は、電位差計、キーパッド又は監視制御及びデータ獲得(SCADA)ノードとすることができる。
【0018】
プロセス制御システムの1つ又は2つ以上の弁を1つ又は2つ以上の材料供給管及びコントローラに接続することができる。例えば、弁は、材料供給管を通るか又は材料供給管へと流れる流れを制御するために材料供給ライン内に配置され、コントローラによって制御される。従って、コントローラは、入力装置によって供給されるプロセス材料の所望の混合状態に従って、弁によって、材料供給管を通り又は材料供給管へ流れる流れを制御することができる。これと代替的に又はこれに追加して、コントローラは、センサにより提供される信号に基づいて材料供給管を通り又は材料供給管内へ流れる流れを制御することができる。
【0019】
本発明の混合システムを全体として検討したとき、混合システムの実施の形態は、ユーザの特定の入力に基づいてプロセス材料の所望の混合体を供給することができることが明らかである。このプロセス材料の混合体は、中断せずに連続的に供給することができる。更に、混合したプロセス材料を必要に応じて供給し、混合したプロセス材料を貯蔵する必要性を解消することができる。また、コントローラは、混合プロセスを補助する追加的な入力を受け取ることも可能であることも認識されよう。例えば、コントローラには、プロセス材料又はプロセスの状態に関してプロセスの適宜なセンサから情報を供給することができる。斯かるセンサは、分配サブシステム内、材料供給管上、又はスタティックミキサーの下流のような、混合システム内の任意の位置に配置することができる。コントローラはまた、混合プロセスのその他の特徴を制御することも可能であることが認識されよう。例えば、コントローラは、プロセス材料の性質を改変する装置又はシステムに接続してプロセス材料の特性を変え、プロセス材料の状態に関するセンサから又はオペレータ或いはその他の外部供給源から受け取った入力に基づいて、これらの装置又はシステムを選択的に作動させることができる。
【0020】
本発明は、多岐に亙る用途に使用できるように適合させることができる。本発明の実施の形態は、目的に応じて変更が可能である。例えば、プロセス材料の監視が望まれる場合には、センサを使用することができ、これらのセンサは、プロセス材料に応じて変えることができる。同様に、配管、管及び計測器並びにポンプの湿った面のような混合システムの構造は、特定のプロセス材料に対応するものとすることができる。例えば、斯かるプロセス材料が半導体業界でしばしば採用される研磨スラリー及び化学物質のような摩耗性又は腐食性のものである場合には、これらの構造は、フルオロポリマーのようなプラスチック材料によって形成することができる。
【0021】
次に、図面、特に図1を参照すると、本発明の一例としての実施の形態が図示されている。図1において、分配サブシステム2は、混合サブシステム1に接続されている。分配サブシステム2は、プロセス材料を保持容器3から混合サブシステム1に連続的に分配するポンプ4又は再循環管14のような装置を備えている。プロセス材料は、保持容器3からポンプ4により再循環管14を通して混合サブシステム1に圧送することができる。混合サブシステム1のブロック図である図4に図示するように、再循環管14は混合サブシステム1内を伸びている。混合サブシステム1において、再循環管14に配置された弁20は再循環管14を材料供給管18に接続することができる。弁20を作動させプロセス材料を再循環管14から材料供給管18に向ける一方、該材料供給管は、プロセス材料をスタティックミキサー22に供給することができる。弁20によって導かれなかったプロセス材料は、再循環管14内に残り且つ保持容器3に戻すことができる。
【0022】
保持容器3は、混合プロセスに供給すべく十分なプロセス材料を保持することが可能な任意の貯蔵容器とすることができる。便宜上、保持容器3はプロセス材料が供給され且つ(又は)その内部に貯蔵される容器であることが好ましい。例えば、保持容器3は、55ガロンドラムのようなタンク又はその他の一般的な貯蔵容器とすることができる。幾つかの実施の形態において、保持容器3は、多孔分散管ヘッド又はインペラのような攪拌器を備えることができる。プロセス材料が沈殿し又は分離する可能性のある場合に攪拌器は特に適している。
【0023】
ポンプ4は、再循環管14内で十分なプロセス材料の流れを提供する任意の構造の任意の装置とすることができる。例えば、ポンプ4は空気圧作動又は電気作動式とし且つベローズ又は隔膜構造を利用する定量形ポンプとすることができる。ポンプ4は、圧送されるプロセス材料と適合可能な材料で出来たものとすることができる。適宜なポンプの例としては、カリフォルニア州、ガーデングローブのセイント・ゴベンイン・パフォーマンス・プラスチックスから入手可能なASTIポンプ及びニュージャージー州、ウッドクリフレークのインガソル・ランドから入手可能なAROポンプがある。
【0024】
プロセス材料が再循環管14から材料供給管18へと向けられる場合、ポンプ4が連続的に作動するにも拘らず再循環管14内において圧力損失が生じる可能性がある。従って、圧力を調節する第二の方法を使用することができる。例えば、背圧弁100を再循環管14内に設置し且つプロセス材料を材料供給管18に搬送するにも拘らず、再循環管14内にて所望の圧力を保ち得るように調節することができる。
【0025】
使用可能なプロセス材料を混合サブシステム1に供給するために、分配サブシステム2は混合サブシステム1内のプロセス材料の性質を監視し且つ(又は)改変するシステム又は装置を備えることができる。例えば、プロセス材料が混合に許容可能であることを証明する性質を監視し且つ(又は)改質することができる。監視又は改質システムは、多岐に亙る計測器を備えることができる。次に、図2も参照すると、分配サブシステム2は、再循環管14内のプロセス材料を監視する計測器5、6、7、8、9のような計測器を備えることができる。これらの計測器は、混合サブシステム1に供給されるプロセス材料及び混合したプロセス材料の所期の用途に対する許容公差に基づいて変更することができる。例えば、密度、pH、微粒子、酸化及び還元電位、導電率、屈折率又はその他のプロセス条件に対する計測器が所定の目的に適している。所望のフィードバックを提供する任意の計測器を使用することができる。例えば、密度を密度計5により監視し又はpHをpHプローブ6により監視することができる。
【0026】
一例として、半導体プロセスにおけるスラリーについて説明する。半導体プロセスにおいて、スラリーは半導体ウエハを製造する時の研磨媒体として使用される。スラリーはまた光学レンズ又はその他のディスク関連物を研磨するためにも使用される。スラリーの研磨作用は、液体中の懸濁した微細、不活性、摩耗性粒子によるものである。半導体業界で使用されるスラリー中の典型的な摩耗材としては、二酸化ケイ素、アルミナ、及び酸化セリウムがある。スラリーの摩耗材は粒子の寸法範囲毎に製造し且つ分類される。典型的なスラリーは、直径0.05ミクロン乃至0.30ミクロンの範囲の粒子を含み且つ1012/cm3以上の粒子を含む。
【0027】
半導体プロセスにおいてスラリーを監視するためには、密度計5のような重量密度(本明細書中、以下において、全ての密度は別段の記載が無い限り重量密度を意味するものとする)を連続的に測定する計測器であることが好ましい。密度の測定は濃度を追跡する1つの方法である。例えば、スラリー中の密度は単位重量当たりの不活性、不揮発性固体の量に関係している。従って、例えば、流量計により単位時間当たりの体積流量及び密度を測定することにより、プロセス材料の混合体に供給される不活性な固体の量を監視することができる。密度を監視することはまた、半導体プロセスにおけるスラリーにとっても好ましく、それは、密度の測定計測器は、スラリー中に同一のせん断応力を発生させない結果、同様のフィードバックを提供するその他の器具よりも凝集体を発生させることが少ないためである。許容し得ない凝集体を生じさせない十分に精密な重量流量計又は固体物含有率センサをこの目的のために使用することができる。
【0028】
スラリープロセスにおいて、pHセンサのようなpHを測定する計測器を使用することもできる。スラリーのpHが許容可能な値以上であるならば、そのスラリーは極めて攻撃的であり、ウエハから予定外の材料を除去することになろう。これとは逆に、pHが過少であるならば、予定の材料を除去することができないであろう。
【0029】
別の例として、半導体プロセスにおいて使用される化学物質について説明する。半導体プロセスにおいて、ウエハを研磨するための反応剤及び酸化剤として、また、洗浄溶液中、後洗浄溶液中及び現像剤溶液中にて各種の化学物質が使用されている。これらの化学物質は、典型的には、未処理の濃縮物の形態で出荷される。研磨のために使用される典型的な化学物質は、過酸化水素、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムを含む。過酸化水素はウエハにおける金属層の酸化剤として使用される。プロセス材料の混合体中の過酸化水素の量を制御することは、ウエハの表面から除去される材料の量を制御することになる。典型的に、過酸化水素は、30重量パーセント(重量%)の溶液から2乃至4重量%の溶液のような数パーセントの溶液まで混合される。水酸化カリウムは、二酸化ケイ素の層の所望の研磨作用を提供し得るようにプロセス材料の混合体のpHを制御すべく内層を誘電研磨するプロセスにおいて使用される。過酸化水素及び水酸化アンモニウムの混合体は、典型的には、清浄及び洗浄溶液において使用される。これらの混合体は、使用されなかったならば、過酸化水素及び水酸化アンモニウムが分解して水及びアンモニアになる。従って、これらの混合体が本発明に従って使用されるときに、これらの混合体を製造することが好ましい。
【0030】
半導体業界において使用すべくバルク化学物質を供給する場合、計測器5、7、8、9が再循環管14内の流れを監視し、許容可能な材料が供給されていることを保証することが好ましい。化学的プロセス材料の許容可能性を監視する好ましい計測器の1つは、密度計5のような、プロセス材料の密度を連続的に測定する計測器である。スラリーの密度を監視する等により化学的プロセス材料の密度を監視することは、該プロセス材料を混合サブシステム1に分配する前に、プロセス材料の濃度を測定することを可能にする。これと代替的に、密度が温度と十分に相関する場合、密度計に代えて熱電対又はその他の温度プローブを使用することができる。
【0031】
化学的プロセス材料の測定及び監視に使用可能であり、又半導体業界にて斯かるプロセスに好ましいその他の計測器は、導電率センサ9、酸化及び還元電位(ORP)センサ8のような濃度及び反応率を測定する計測器である。導電率は、これら2つを相関させることにより化学的濃度を測定するために使用することができる。多数の一般的なプロセス材料の場合、導電率を濃度に関係付ける表が存在する。従って、プロセス材料の導電率を監視することにより、その濃度を監視することが可能である。プロセス材料のORPを監視することは、化学的反応率の急激な変化を検知することを可能にする。ORPセンサ8は、pHプローブ6と同様に機能するが、ORPセンサ8は、典型的なpHプローブを劣化させるフッ化水素酸のような液体の性質を測定することができる。材料の屈折率は濃度に相関させることもできるから、濃度を測定するとき屈折率センサも有用である。
【0032】
半導体業界のような高純度の用途において特に重要であるプロセス材料の別の性質は微粒子の量である。例えば、ウエハを製造するためには、超高純度のプロセス材料が必要とされる。保持容器3からの微粒子又はプロセス材料の製造により発生された微粒子は、プロセス材料及び製品を汚染する可能性がある。半導体プロセスが経済的に実現可能であるようにするためには、粒子の寸法及び特定寸法の粒子数に対する厳格な指針が必要であろう。従って、微粒子に敏感なプロセスの場合、オンライン又はインラインの粒子カウンタ7のような、プロセス材料中の微粒子量を測定する計測器を使用することができる。粒子カウンタ7は、分配サブシステム2の内部及び分配サブシステム2と混合サブシステム1との間の双方にて利用可能であり、この場合、これらのカウンタは、分配サブシステム1からのプロセス材料が許容可能な程に少粒子量であることを証明することができる。スタティックミキサーからのプロセス材料の混合体が許容可能な程に少粒子量であることを証明するために粒子カウンタ7を使用することができる。
【0033】
インラインの粒子カウンタ7は、典型的に、再循環管14のようなプロセス管内に直接取り付けられたフローセルを備えている。インライン粒子カウンタ7は、フローセルを通って流れる粒子を監視する。インライン粒子カウンタ7は、典型的には、重量当たりの粒子を測定し、体積流量が変化するならば、報告される粒子のカウント数も変化するであろう、従って、粒子カウンタ7内を流れる材料の量を調節して正確な粒子カウント数が得られるようにすることができる。例えば、インライン粒子のカウントが正確であるためには、測定セルをプロセス管の接続部に接続することができる。該接続部は、流体の流れを測定セル内へ導き且つカウンタ7内を通る流量を所望の量に調節することを許容する。典型的には、カウンタ7内を通る流量は100ミリリットル/分(ml/min)に調節される。
【0034】
インライン粒子カウンタ7は、一般にプロセス管内に直接取り付けられるため、典型的には、そのプロセス管内の粒子量のみを監視することができる。これと代替的に、インライン粒子カウンタ7は、切り替え機構により多数のプロセスに接続し、これら管の任意のものからのプロセス材料を監視すべく粒子カウンタ7へと方向転換させることができる。しかし、多数のプロセス管からの流量が等しくないならば、プロセス管の各々に対する粒子カウンタ7からの測定値は、同一の重量値とはならない。
【0035】
オンライン粒子カウンタ7の場合には、粒子カウンタ7はプロセス管に設ける必要はない。それに代えて、各種のプロセス管からの試料をマニホルドのような多数の流れを取り扱うシステムを通して且つカウンタ7まで送ることができる。試料を小さい閉ループのような試料採取器内に吸引し、各試料の重量が同一であることを保証することができる。各試料の重量が等しいため、各プロセス管の粒子測定値は同一の重量の尺度となり、このため比較可能である。従って、オンライン粒子カウンタ7は、より多くのプロセス管又は1つのプロセス管の箇所を容易に監視し且つ比較することを可能にする。
【0036】
分配サブシステム2及び(又は)混合サブシステム1を制御するプロセス制御システムは、プロセス及びプロセス材料の性質に基づいて作動することができる。例えば、計測器から集めた情報を弁20に接続されたプロセス制御システムと関係したコントローラに供給し且つ(又は)問題点を摘出し且つ修正することが可能なオペレータに提供することができる。オペレータへの提供は、出力モニタ又は警報のような所望に応じてオペレータの注意を引く任意の形態にて行うことができる。コントローラが弁20に接続されている場合、再循環管14から材料供給管18に向けられるプロセス材料の量は、プロセス材料の所定の混合のためのプロセスに基づいてコントローラにより選ぶことができる。従って、コントローラは、弁20を通る流量を変化させることによりプロセス材料の混合状態を修正し又は再循環管14から向けられるプロセス材料の偏差を修正することができる。例えば、pHセンサ6がプロセス材料の混合体を酸性にするために使用されるプロセス材料のpHが上昇したこと(偏差)を検知したならば、コントローラは、このことを注意する信号を受け取り且つ再循環管14から材料供給管18へと追加的なプロセス材料を導いて混合したプロセス材料のpHが一定のままであるようにすることができる。これと代替的に、流量の変化が検知された偏差を修正しないならば、そのプロセスを中断し、適宜な修正が為される迄、その材料を分配サブシステム2内に保持することができる。
【0037】
再循環管14から材料供給管18へのプロセス材料の流量の調節が偏差を修正するのに不十分である場合、再循環管14はその偏差を修正する1つ又は2つ以上のシステム又は装置を備えることが好ましい。これらのシステム又は装置は処理装置を含むことができる。例えば、再循環管14内で許容し得ない微粒子の量が検知されたならば、1つ又は2つ以上の粒子分離器10、11を再循環管14に沿って配置することが好ましい。粒子分離器10、11は、例えば、粗フィルタ又は研磨フィルタとすることができる。
【0038】
図2に図示した実施の形態においては、オンライン又はインラインの粒子カウンタ7からの連続的なフィードバックによって、再循環管14内の粒子の量を監視する情報をコントローラに供給することができる。始動時又は粒子の量が予め設定した限界値を超えることが検知されたとき、コントローラ又はオペレータが弁12を作動させ、再循環管14をバイパスさせ且つプロセス材料をバイパス管13を介して方向変更させることができる。プロセス材料がバイパス管13内で循環するとき、粗フィルタ10のようなフィルタがプロセス材料中の粒子量を減少させることができる。粒子量が予め設定した限界値の範囲まで減少したとき、コントローラは、弁12を作動させるか又はオペレータに警告を発し、オペレータは、弁を作動させてバイパスを終了させ且つプロセス材料が再循環管14内を流れるのを許容し、この再循環管においてプロセス材料を材料供給管18に導くことができる。微粒子の量が極めて少ないことを必要とする用途においては、再循環管14に沿って研磨フィルタ11を配置することも好ましい。上述した半導体業界にて使用されるバルク化学物質を分配するために、再循環管14に粗フィルタ10及び研磨フィルタ11を備えるバイパス管13を使用することが好ましい。図1に図示するように、フィルタ10、11は、バイパス管13無しで使用し、再循環管14からの粒子の除去量を一定にすることを可能にすることもできる。更に、微粒子量以外の性質を改変する設計とされたバイパス管をシステム内で使用することもできる。
【0039】
次に、図3を参照すると、半導体加工施設にて多数のスラリー及び化学物質のような多数のプロセス材料を使用する大規模な製造施設において多数の分配サブシステム2をラインのネットワーク16に接続することができる。ラインのネットワーク16においては、プロセス材料の各々を再循環管14内に保持することができる。幾つかの実施の形態においては、再循環管14の各々は二次的管構造体内に保持し、漏洩を防止し且つプロセス材料が危険なものである場合、安全性を向上させることができる。
【0040】
半導体業界のような高純度を必要とする業界においては、分配サブシステム2は、半クリーンルーム、サブファブ又は特別なクラスのクリーンルーム内に収容されることが好ましい。再循環管14は、分配サブシステム2から混合サブシステム1及びプロセス装置60が配置されたクリーンルームの環境まで配管することが好ましい。プロセス装置60は排出管17により混合サブシステム1に接続することができる。
【0041】
次に、図4を参照すると、上述したように、再循環管14の各々が混合サブシステム1内を通るように配管されるようにすることができる。再循環管14の各々を、弁20を介して材料供給管18に接続することができる。同様に上述したように、弁20は、混合体が再循環管14から材料供給管18まで流れ且つその後に材料の供給管18内の全てのプロセス材料を導くことなくスタティックミキサー22まで流れるのを許容することができる。単一の材料供給管18への多数接続を許容すべく多数の弁20を使用することができ、その結果、材料供給管18内でのプロセス材料の混合を制限することができる。弁20はスリップ流れ弁であり、また、空気供給源からの空気圧により又は電子作動装置による電磁力の如き任意の方法にて作動させることが好ましい。プロセス材料が可燃性である半導体プロセスのようなプロセスにおいては、弁20は、安全上及び火災の危険性を防止する目的のため、空気圧供給源により作動させることが好ましい。
【0042】
混合サブシステム1においては、材料供給管18はプロセス材料をファシリティ発生設備70から直接運ぶことができる。ファシリティ発生設備70から混合サブシステム1へのプロセス材料の流れを弁19によって制御することができる。その他の弁20を材料供給管18に沿って配置し且つ再循環管14に接続し、第二のプロセス材料をファシリティ発生設備70からのプロセス材料に追加することができる。次に、結合したプロセス材料をスタティックミキサー22に供給することができる。例えば、材料供給管18内で水をファシリティ発生設備70から供給することができる。次に、再循環管14からのプロセス材料を弁20により材料供給管18に追加し、その結果、材料供給管18に稀釈されたプロセス材料が存在するようにすることができる。稀釈されたプロセス材料は、スタティックミキサー22まで進むことができる。幾つかの実施の形態においては、材料供給管18は、固体及び細菌のような汚染物質の蓄積を阻止し得るように一定の流れ状態下に保つことが好ましい。斯かる実施の形態においては、高価な又は危険なプロセス材料を、材料供給管18を通して連続的に流動させることに代えて、現にプロセス材料を供給していない管を通じてDI水又は比較的不活性な別の材料を流すこともできる。DI水の供給源に材料供給管18を接続することは、また材料供給管18を浄化し且つメンテナンスする上で役立つ。
【0043】
材料供給管18からスタティックミキサー22へのプロセス材料の流れを弁21により調節することができる。プロセス材料が別の材料を保持する材料供給管18に追加される場合、プロセス材料の流量が所望の量であり且つ所望の方向にあることを保証すべく色々な供給管内の流量及び関連する圧力を制御することが好ましい。
【0044】
分配サブシステム2及び混合サブシステム1は手動で又は電子的に制御することが可能である。好ましくは、分配サブシステム2及び混合サブシステム1は、コントローラ(最も一般的には、プログラム化可能な論理コントローラ(PLC)のような記憶装置を備える中央処理装置(CPU)である)を含むプロセス制御システムに接続される。入力装置は、ユーザがプロセス材料の所望の混合状態を特定することを可能にする。例えば、コントローラに対しプロセス材料の所定の混合状態を指定するため、キーパッド又はコンピュータ端末を使用することができる。コントローラは、プロセス装置から信号を受け取り、例えば、供給されるプロセス材料、プロセス条件、及び人間の安全性、を連続的に監視することができる。コントローラは、入力装置からの入力及びプロセス装置からの信号を解釈して分配サブシステム2及び混合サブシステム1を制御し、プロセス材料の指定された混合体を形成することができる。例えば、分配サブシステム2及び混合サブシステム1を制御すべく監視制御及びデータ獲得(SCADA)システムを使用することができる。斯かるコントローラは、品質管理データ、システムの使用に関する情報、警報情報、又はその他のプロセス情報、を保存することができる。更に、コントローラは、工程の傾向及び局所的な問題点を判断するために、プロセスの出力と相関させることができる経歴的データを保持することにより統計学的なプロセス制御を容易にすることができる。プロセス制御システムは、特に、プロセス又はプロセス材料が危険なものである場合、オペレータをプロセス装置から物理的に隔離することが可能な設計とすることができる。
【0045】
典型的なプロセス制御システムは、複数のポンプ、弁、計測器及び監視スイッチを備えている。これらの構成要素は、システムの作動において多数の役割を果たすことができる。例えば、フィルタにおける流体の圧力降下を監視して、フィルタの洗浄又は交換が必要であるかどうかを判定することができる。また、フィルタにおける圧力降下を監視するものと同一の圧力測定装置がプロセス管内の絶対圧力に関するデータを提供するようにしてもよい。
【0046】
プロセス制御システムは、モニタ上にプロセスを図形的に表示し、プロセスの重要な特徴を観察することを許容する。この図形的表示は、オペレータが全てのサブシステム及びプロセスの線図を概観スクリーンにおいて見ることを可能にする。一般に、プロセス装置の各部品は、全ての接続部、終端、サブシステム、を表示する全体的な概略図で図形的に表わすことができる。概観スクリーンから、サブシステムの各々を選び且つ別個のスクリーンを開いてそのサブシステムの特徴を表示することができる。
【0047】
プロセス制御システムはまた、警報のようなフィードバックをメンテナンス又は安全のためにオペレータに提供することもできる。フィルタにおける圧力差を監視する上述した例において、圧力差が特定の設定値を上廻るならば、警報装置が、例えば図形ディスプレイによってオペレータに通報し、そのフィルタが浄化され又は交換されるようにする。警報を作動させる状態が所定の時間内に起動されないならば、非常警報が発動され、その結果、警報状態、すなわちプロセスの稼働停止のようなプロセス制御システムの一部の自動動作を更に通報することができる。
【0048】
再循環管14内のプロセス材料の流量、圧力、及び濃度又は密度、の如きその他の性質は、弁20を通って材料供給管18内に流れるプロセス材料の流れ及び必要とされるプロセス材料の量の双方に影響を与えるので、このデータはコントローラに供給される。コントローラは、ポンプ4及び分配サブシステム2内のその他の装置の速度を調節し、適正な量のプロセス材料が材料供給管18内に流れることを保証することができる。これと代替的に、このデータに基づいて弁20を調節し材料供給管18内へのプロセス材料の流れを制御してもよい。
【0049】
更に、材料供給管18内へのプロセス材料の流量は、既に材料供給管18内に存在する水のような任意のプロセス材料の流量及び圧力に依存するものとしてもよい。従って、このデータはコントローラに供給されることも好ましい。コントローラは、弁19、20及び(又は)21を調節し、また、ポンプ4により再循環管14内の流量を調節し、材料供給管18内で所望の流量及び組成を得ることができる。コントローラに供給可能であるデータの量及びこのデータに基づいて制御可能である可変値の数により、コントローラは、このデータを解釈し且つ所定の処理手順に基づいてそのデータに作用して、プロセス材料の所望の混合体を製造する1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサを備えることが好ましい。しかし、この機能はオペレータ又はアナログ制御装置が行うこともできる。
【0050】
混合サブシステム1は、関係する材料に依存して、重量流量又は体積流量又はその組み合わせに従って制御することができる。典型的には、より精密である点で、重量流量とすることが好ましい。プロセス弁12、19、20、21の流れ制御は、比例積分差動(PID)システム又は同様の制御フィードバックループによって作動される流量計に接続された流れ制御弁又は可変面積オリフィス弁を利用することができる。
【0051】
半導体業界においては、例えば、発生施設70からのスラリー、化学物質及び(又は)DI水を含む分配サブシステム2からの幾つかの組成物が、プロセス材料の所定の混合体に導かれる。混合体の成分は、SCADAノードとすることができるユーザインターフェースを通じて特定することができる。典型的なプロセスは、内部層の誘電研磨プロセスのため、磨耗性スラリーをDI水にて稀釈することを必要とする。更なる典型的なプロセスは、金属層を研磨するため研磨スラリー、酸化剤、及びDI水、を必要とする。これらのプロセスは、多岐に亙る磨耗材、酸化化学物質、稀釈剤を必要とし、その量はプロセスに応じて頻繁に変更される可能性がある。
【0052】
斯かる半導体プロセスシステムにおいては、材料供給管18は、プロセス材料を稀釈し且つ必要であるとき材料供給管18及びスタティックミキサー22を洗浄するため、発生施設70からDI水を運ぶことができる。材料供給管18の各々が、DI水を、弁19、21を通してスタティックミキサー22に送ることができる。上述したように、DI水の供給は、材料供給管18の各々を一定の流れ状態下に保ち、微粒子及び細菌の形成を防止することが好ましい。1つのプロセスがスラリープロセス材料を含む場合、弁20を作動させ材料供給管18内の水を再循環管14からスラリープロセス材料に露呈させることができる。弁19は、DI水の流量を調節し、弁20を備える再循環管14からの流れが弁21まで流れることを保証することが好ましい。弁21はスタティックミキサー22へのスラリーの流量を調節する。この流量は必要とされるスラリーの量及びスラリーの密度に依存する。同様に、1つのプロセスが再循環管14から化学的プロセス材料を必要とする場合、弁20を作動させ、材料供給管18内の水を化学的プロセス材料に露呈させることができる。この流量は、必要とされる化学的プロセス材料の量及び化学的プロセス材料の密度、濃度、又はその他の性質に依存するものとする。
【0053】
材料供給管18からのプロセス材料は、混合のためスタティックミキサー22内に連続的に進めることができる。プロセス材料は、1つのプロセスに必要とされる全てのプロセス材料を同時に供給することを許容する任意の装置を介してスタティックミキサー22に入ることができる。図5、図6及び図7を参照すると、スタティックミキサー22は、材料供給管18に接続された多数の入口30を含んでいる。入口30は、発生施設70から直接つながっている材料供給管18、再循環管14からつながっている材料供給管18、又はその双方の発生源から供給分を受け取る材料供給管18、に接続されている。半導体業界においては、材料供給管18は、典型的には、スラリープロセス材料、化学的プロセス材料、及びDI水を、スタティックミキサー22に運ぶ。
【0054】
スタティックミキサー22は、プロセス材料の十分な混合をもたらす任意の方法によって構成することができる。この混合は、プロセス材料が乱流状態を受けるようなスタティックミキサー22の構造とすることにより実現されるようにするのが好ましい。例えば、スタティックミキサー22は、1つ以上の反らせ板又はその他の乱流要素を含むことができる。スラリー又はその他のせん断の影響を受け易い材料を使用するプロセスの場合、スタティックミキサー22は、混合される材料に害を与えない程十分に穏やかであるが、完全に混合させるほど十分に強力な混合であるような構造とすることができる。例えば、半導体業界にて研磨するために使用されるスラリーにおいて、大きいせん断力を導入すれば、粒子が成長し、また顕著な微細な引っ掻きを生じる可能性がある。従って、これらのスラリーの場合、スタティックミキサー22は、相対的に穏やかな混合となるような構造とすることが好ましい。螺旋状の乱流要素を含むスタティックミキサーのような典型的なスタティックミキサーは、幾つかの実施の形態において許容可能である。
【0055】
図5、図6、及び図7に図示した実施の形態においては、スタティックミキサー22は、単一の出口39を有しており、入口30はスタティックミキサーの全長の周りで軸線方向に沿って対称である。この実施の形態においては、プロセス材料は、入口30を通って混合領域32へと進む。流体が加圧された状態で混ざり合い且つ移動するとき、これら流体は円環状形状の反らせ板33の中を進む。反らせ板33は、圧力差を生じさせて乱流による渦流を形成する。これらの渦流は、プロセス材料を均一な溶液に混合するために必要とされる極めて大きいレイノルズ数と関係している。反らせ板33を通った後、プロセス材料は、乱流要素34の周りを流れることが好ましい。乱流要素34は、円筒状とし且つスタティックミキサー22の中心線に沿って配置することができる。乱流要素34は第二の攪拌手段を提供する。流れ妨害要素34はカルマン渦を発生させ、この渦は渦流を発生させることにより乱流を増す。乱流要素34に続いて、流れ絞り領域35が設けられていることが好ましい。流れ絞り領域35は、プロセス材料が出口39まで進むときにプロセス材料を圧縮する。流れ絞り領域35は、テーパー付きの円錐形状面であることが好ましく、それは、この形状の面は、直径が縮小した領域が段付きの形態であるならば生ずる背圧を降下させることになるからである。
【0056】
図8を参照すると、スタティックミキサー22の出口39を通って進むプロセス材料は、第二のスタティックミキサー23に入る。第二のスタティックミキサー23は、インラインのスタティックミキサーであることが好ましい。第二のスタティックミキサー23は、螺旋形状の構造38を保持することができる。螺旋形状の構造38は、例えば、撚ったブラスチックシートによって作ることができる。第二のスタティックミキサー23は、プロセス材料を一定状態で攪拌することが好ましい。半導体業界におけるスラリーのプロセス材料の場合、第二のスタティックミキサー23の螺旋状の経路が粒子を成長させ且つ顕著な微細な引っ掻きを生じさせる可能性のある有害なせん断速度を生じさせない十分に少ない流量で第二のスタティックミキサー23を作動させることが好ましい。このことは、プロセス材料、第二のスタティックミキサー23の寸法、及び幾何学的形態に極めて依存するが、幾つかの状態の場合、約100乃至250ml/分の流量とすることが適当である。第二のスタティックミキサー23として上述したミキサーは、スタティックミキサー22として機能し、また、任意の第二のスタティックミキサー23を必要としないことがわかるはずである。
【0057】
基本的な流体の流れ原因に基づいて形成された図6、図7、図8に図示した流体の流れ線図は、流れライン37により、スタティックミキサー22及び第二のスタティックミキサー23の全体に亙って十分な攪拌が行われ、プロセス材料が完全に混ざり合うことが確保される。
【0058】
1つの好ましい実施の形態においては、混合したプロセス材料は、スタティックミキサー22又は第二のスタティックミキサー23から出口管17を通ってプロセス装置60のような使用箇所まで流れる。使用箇所は、任意の機械、装置、ステーションとし、又は混合したプロセス材料の流れが望まれるその他の位置とすることができる。出口管17は、オペレータが使用し得るようにプロセス装置60又は出口に直接供給することができる。寿命が制限されるか又はさもなければ出口管17を通って輸送する間価値を失うかもしれないプロセス材料の場合には、スタティックミキサー22又は第二のスタティックミキサー23は、この損失を最小にするように使用箇所に近い位置に配置される。
【0059】
例えば、図9及び図10に図示したような1つの代替的な実施の形態においては、出口管17は、保持容器3内に供給し、混合したプロセス材料を保持容器3から必要に応じて使用箇所まで供給することができる。混合したプロセス材料を保持容器3内に貯蔵することは、混合したプロセス材料が使用箇所まで送られる前に、その混合したプロセス材料を試験すべく受け入れることを許容する。化学的プロセス材料及びスラリープロセス材料を分析する上述したものと同様の計測器を使用して、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することもできる。混合体中の個々のプロセス材料の濃度はまた、適宜な装置によって独立的に試験することもできる。例えば、色々な組成物の濃度は、ガスクロマトグラフィのようなクロマトグラフィによって測定することができる。混合したプロセス材料を保持容器3内に貯蔵することは、以下に説明するように、混合システムを簡略化することをも可能にする。
【0060】
図9には、本発明の混合システムの比較的簡単な実施の形態が図示されており、この場合、スラリー及びDI水のような2つの材料を混合させることができる。この実施の形態においては、混合すべきプロセス材料は最初に保持容器3内に貯蔵される。所望であるならば、保持容器3は分配サブシステムによって置換し、このことは、再循環管を含む分配サブシステムが特定の実施の形態においては不要であることを示す。プロセス材料は、ポンプ90によって保持タンク3から材料供給管18を通してスタティックミキサー22に圧送することができる。弁21を使用してプロセス材料の各々の流れを調節することができる。混合システムを簡略化するために、プロセス材料の1つを一定の体積流量で供給することができる。例えば、1つの弁21を単一の位置に残し又は一定の幾何学的形態のオリフィスを使用してプロセス材料の1つの一定の体積流量を提供することができる。次に、その他のプロセス材料の流量を調節してプロセス材料の所望の混合体を提供することができる。
【0061】
プロセス材料の1つが一定の体積流量に保たれる場合、体積流量を重量流量に変換することを可能にするデータを提供するセンサ92を材料供給管18に含めることができる。センサ92は、密度を測定したり、又は、温度のような密度と相関させることができる性質を測定したりすることができる。例えば、コントローラ91は、プロセス材料の密度を表わす信号をセンサ92から受け取り且つこの信号及び既知の体積流量に基づいてプロセス材料の重量流量を計算することができる。
【0062】
コントローラ91は、そこを通る体積流量が変化する材料供給管と関係したセンサ93から信号を受け取ることもできる。センサ92の場合と同様に、センサ93は、体積流量に基づいて材料供給管中の重量流量を計算することを可能にする性質を表わす信号を提供することができる。プロセス材料の体積流量が変化するとき、コントローラ91は、体積流量計94から信号を受け取り、重量流量を計算することを可能にする。材料供給管内の重量流量に基づいて、コントローラ91は、弁21を制御し、その他の材料供給管内のプロセス材料の重量流量と共に、プロセス材料の所望の混合体を提供する重量流量を提供することができる。
【0063】
例えば、図10に図示した1つの代替的な実施の形態においては、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することができるセンサ96をスタティックミキサー22の下流に提供することにより、センサ93及び体積流量計94を省略することができる。例えば、スラリー及びDI水が混合される場合、密度計、固体含有率センサ等を使用して、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することができる。センサ96は、混合したプロセス材料の状態を表わす信号をコントローラ91に提供することができる。必要であるならば、調節値を表わす信号がセンサ96から得られるまで、コントローラ91は、弁21によってプロセス材料の1つの流量を調節することが可能である。例えば、プロセス材料がスラリー及びDI水である場合、所望のスラリー/DI水の混合体の密度を調節値としてよい。この密度が過少であることが検出されたならば、より多くのスラリーを追加し、また過多であることが検出されたならば、追加するスラリーの量を少なくすることができる。幾つかの実施の形態においては、異なる又は同様の型式の幾つかのセンサ96が、混合したプロセス材料の状態を表わす信号をコントローラに提供することができる。
【0064】
プロセス材料の1つが一定の流量で供給され、他方のプロセス材料の流量が所望の混合体を形成し得るように調節される任意の実施の形態においては、全体流量を全体として選択することができない。従って、斯かる実施の形態は、混合したプロセス材料を保持容器3に提供することが可能である。保持容器3は、攪拌機のような混合したプロセス材料の沈殿又は分離を防止する装置又はシステムを保持することができる。別の実施の形態においては、余剰な混合したプロセス材料を形成し且つ必要なものを需要に応じて供給し、残りを廃棄することができる。これと代替的に、その他のプロセス材料の流量を同様に調節し、混合したプロセス材料の全体的な流量を上述したように需要に適合させることができる。
【0065】
始動時又はプロセス材料の混合体が許容できず又は必要でない任意のその他の時点において、混合体は、使用箇所又は保持タンクから出て行く方向に導くことができる。例えば、許容できないか又は不必要なプロセス材料の混合体は、ドレーン装置95に送り又はその他の方法で処分することができる。プロセス材料の混合体が幾つかの環境下で許容できないか又は不必要な場合には、本発明の任意の実施の形態においてドレーン装置又はその他の処分システムを使用することができる。
【0066】
本発明を、単に一例であり且つ本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない次の実施例によって更に説明する。
【実施例】
【0067】
実施例1
1つの典型的な混合プロセスは、DI水によって高固形物、濃縮した二酸化ケイ素スラリーを稀釈することを含む。市販によって入手可能な斯かるスラリーの1つとしては、キャボット(CABOT)(登録商標名)セミ−スパース(SEMI−SPRSE)(商標名)25スラリーがあり、このスラリーは、25重量%の固体と、1.162乃至1.170g/ml(1.166±0.004g/ml)の範囲の密度とを有するコロイド状懸濁液である。このスラリーは、二酸化ケイ素層又は酸化物プロセス研磨中に使用されるウエハ製造中の典型的な研磨スラリーである。この実施例の目的のためには、混合したプロセス材料が200ミリリットル/分(ml/分)必要であると仮定されている。
【0068】
典型的な研磨プロセスは、重量比で1:1又は体積比で約1:1.17のスラリー対DI水の比率を有する混合体を必要とし、その結果、最終密度は約1.074グラム/ミリリットル(g/ml)となる。スラリーの変化は基本材料の製造の変動に起因する。更に、未処理スラリーの製造時に使用される水は、圧縮不能な流体であるが、その粘度は、スラリーと混合させたDI水の密度と同様に変化する。DI水の密度値は、既知であり且つ技術的参考出版物から容易に知ることができる。斯かる出版物の1つである、CRCプレスインコーポレーテッドからの化学・物理ハンドブックには、50゜乃至86゜F(10゜乃至30゜C)の温度範囲に亙って水の密度範囲が0.99970乃至0.99565g/mlであることが記述されている。発生施設からのDI水の供給温度は、典型的には、約65゜乃至75゜F(18゜乃至24゜C)の範囲にある。従って、この実施例の目的のためには、DI水の密度は0.99821g/ml(68゜F(20゜C)における表記密度)であると想定されるが、実際には、この温度は正確な密度を提供し得るよう監視することもできる。
【0069】
2つの成分の密度が変化するために、体積混合は、重量混合の場合よりも混合体中に誤差を生ずる危険性がより大きい。従って、重量比で1:1の処方の場合、等しい重量の各成分を追加し、その結果、スラリーの濃縮物は約1.00mlとなり、DI水は約1.168mlとなる。
【0070】
混合処方の動的状況においては、材料はその合計値が200ml/分又は3.33ml/秒となる率で変位させなければならない。上述した値を使用すると、公称密度が1.074g/mlであり及び所望の混合体の流量が200ml/分又は3.3ml/秒である場合には、所望の最終製品の質量流量は約1.789g/秒となる。
【0071】
この簡単な適用例は、重量が等しい2つの成分を使用しているので、スラリー及び水の双方の供給流の流量を個別に調節すれば、最終的に計画された流体流れを制御することができる。理想的には、濃縮したスラリー及び脱イオン水の双方の質量は互いに等しく、材料の各々に対するそれぞれの密度と各重量との比が所望の体積流量を与えることになる。このことは、濃縮した25%の固体スラリーの約92.064ml/分(1.534ml/秒)、及びイオン水の約107.928ml/分(1.799ml/秒)の体積流量を発生させることになる。この適用例は、上述した1.166g/mlにて一定密度のスラリーに対してのみ妥当であることが認識される。材料の実際の密度は変動するので、この値を分配サブシステムからコントローラに連絡すれば、これに応じて流れコントローラを調節することが可能である。例えば、密度値が、1.180g/mlまで増大したならば、コントローラは弁を適当な程度まで閉じることにより流量を調節することができる。このことは、絶対出力流量を減少させる一方、該出力流量は、脱イオン水の流量を増すことにより調節することができる。これらの調節を行う間、特定の最終流量及び密度はほぼ一定である。
【0072】
実施例2
本発明の混合システムは、許容可能なプロセス材料の混合体を製造することができることを実証するために、図9に図示した混合システムを使用して実施例1に記載したスラリー及びDI水の仮想的混合を行った。DI水は一定の既知の体積流量で保持容器から供給し、その温度を監視し、コントローラに供給し、コントローラによってDI水の重量流量が計算された。実施例1に記載したスラリーは第二の保持容器から供給した。このスラリーを試験し、このスラリーは25.8重量%の固体含有率及び1.151g/mlの密度であることが分かった。スラリーの密度及びその体積流量を監視し且つコントローラに提供してスラリーの重量流量を計算した。スラリーの重量流量は、コントローラにより弁を使用して調節してDI水対スラリーの重量比が約1:1であるようにした。
【0073】
半導体業界における典型的な許容誤差範囲に基づいて、図11及び図12に上限値及び下限値で示すようにある範囲の許容可能な固体含有率及び密度を規定した。これらの図面にはまた、5回の試験の各々に対する固体含有率及び密度がそれぞれ示してある。全ての場合、固体含有率は許容可能範囲内であり、密度は1回を除く全ての場合に許容可能範囲内であった。このことは、本発明の混合システムが許容可能なプロセス材料の混合体を繰り返して製造することが可能であることを実証するものである。
【0074】
本明細書に記載した要素の各々又はその2つ以上は、互いに改変し又は上述したもの以外の用途に適用可能であることも理解されよう。以上、本発明の特定の実施の形態を図示し且つ説明したが、特許請求の範囲によって規定されている本発明の精神から逸脱することなく、色々な改造及び置換を為すことも可能であり、本発明は、図示した細部に限定されることは意図されていない。
【技術分野】
【0001】
本発明はプロセス材料を混合する方法及び装置、特に、超高純度の化学物質、摩耗性スラリー等を混合する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製薬、化粧品及び半導体業界にて混合したプロセス材料が必要とされる。半導体業界において、混合したプロセス材料は、典型的に、分配サブシステム及び混合サブシステムを含むバッチ製造システムを使用して製造される。分配サブシステムは材料を供給源から混合サブシステムまで搬送する。供給源は、典型的に、化学物質又はスラリーのようなプロセス材料を安全に貯蔵し得る設計とされた容器である。その他の供給源は、脱イオン(DI)水製造装置又は過酸化水素若しくは水酸化アンモニウムのようなその他の大量消費のプロセス材料を供給する装置のような、ファシリティ(facility;機能)発生設備を含む。該ファシリティ発生設備は、分配サブシステムに直に接続することができる。単一の分配サブシステムを多岐に亙る供給源に接続してその各々からプロセス材料を混合サブシステムまで搬送することができる。
【0003】
混合サブシステムにおいて、分配サブシステムにより搬送されたプロセス材料は混合容器又はタンクに加えられる。典型的に、材料は、特定のプロセスに必要とされるように所定の順序で追加される。例えば、プロセスは所望の混合体を形成するため個別のプロセス材料の所定の比率を必要とする。プロセスの順序は反応性又は安全性に基づくものとすることができ、例えば、典型的に酸性又は塩基性溶液が水の後に追加される。これと代替的に、プロセスの順序は、過度に濃縮したウエハの研磨スラリーをDI水にて稀釈すると言ったような、プロセス変数を減少させ又は修正する必要性に基づくものとすることができる。幾つかの場合、第二のプロセス材料を加えるために第一のプロセス材料の追加を中断し、その後、第一のプロセス材料の追加を再開することが必要なことがある。
【0004】
混合容器へのプロセス材料の追加は、典型的に、重量又は体積の差を測定することにより監視し且つ調節する。重量の差により調節される典型的な追加は、保持容器又はタンクに目盛りを使用することを含むことができる。この型式のシステムにおいて、保持容器の重量を測定する自動化した制御システムは、同時に追加された2つのプロセス材料の相対量を識別することができないから、プロセス材料の各々は個別に追加される。重量の差により調節された典型的な追加は、流量計を使用することを含むことができる。
【0005】
混合容器内に導入されると、プロセス材料は、典型的には、インペラによって混合されて均質な溶液とされて混合されたプロセス材料のバッチを形成する。次に、混合したプロセス材料のバッチは、典型的にその所期の目的のために使用される。
【0006】
多くの従来のプロセスは、その所期の目的にとって許容可能な混合プロセス材料のバッチを製造すべくプロセス材料を精密に追加することを必要とする。従って、混合容器への供給量を監視する計測器は、典型的に、バッチ間の均一さを保証し得るように極めて精密である。多くの用途において、僅かなプロセスの変化でも混合したプロセス材料のバッチに重大な差を将来し、その所期の目的のためそのバッチを使用できなくする可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
一つの実施形態においては、本発明は、第一の材料供給管と、第二の供給管と、第一及び第二の材料供給管の下流において流体接続されたスタティックミキサーとを備える、混合システムについてのものとされている。混合システムは、第一及び第二の材料供給管の少なくとも一方に配置された第一の流れ制御装置と、スタティックミキサーの下流に配置された第一のセンサと、第一のセンサにより提供されるセンサ信号に基づいて第一の流れ制御装置に対し制御信号を提供する論理コードを有するコントローラとを含む、プロセス制御システムを更に備えている。
【0008】
別の実施の形態においては、本発明は、複数の材料供給管と、該複数の材料供給管の下流に配置され且つ複数の材料供給管に流体接続されたスタティックミキサーとを有する混合システムについてのものとされている。該混合システムはまた、コントローラと、該コントローラと連通してプロセス材料の所望の混合を表わす入力信号を提供する入力装置と、複数の材料供給管のうちの1つ及びコントローラに接続された第一の弁とを含むプロセス制御システムを備えている。該混合システムは、入口及び出口を有する保持容器と、入口及び出口に流体接続された再循環管と、再循環管及び複数の材料供給管のうちの1つに流体接続され、再循環管から材料が選択的に材料供給管に導かれるようにする第二の弁とを有する分配サブシステムを更に備えている。
【0009】
別の実施の形態においては、本発明は、混合したプロセス材料を供給する方法についてのものとされている。該方法は、第一のプロセス材料を第一の供給管を通して供給することと、第二のプロセス材料を第二の供給管を通して供給することと、第一及び第二の材料供給管の下流に流体接続されたスタティックミキサー内で第一及び第二のプロセス材料を混合することとを含んでいる。該方法はまた、スタティックミキサーの下流に配置されたセンサにより提供されるセンサ信号に基づいて、第一及び第二の材料供給管の一方に配置された第一の弁により第一及び第二のプロセス材料の一方の供給量を調節することを更に含んでいる。
【0010】
別の実施の形態においては、本発明は、混合したプロセス材料を供給する方法についてのものとされている。該方法は、複数のプロセス材料を複数の材料供給管を通して供給することと、複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサー内で複数のプロセス材料を混合することとを含んでいる。該方法はまた、コントローラと、入力装置と、複数の材料管のうちの1つに及びコントローラに接続された第一の弁とを含むプロセス制御システムによって、複数のプロセス材料の供給量を調節することも含んでいる。該入力装置は、プロセス材料の所望の混合状態を表わす入力信号を提供し得るようにコントローラに接続されている。該方法は、入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料の1つ以上を保持することと、保持容器の入口及び出口に接続された再循環管内で複数のプロセス材料のうちの1つ以上を再循環させることと、複数のプロセス材料の1つ以上の一部分を再循環管に及び複数の材料供給管のうちの1つ以上に接続された第二の弁により複数の材料供給管の1つの内部に導くこととを更に含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の好ましい非限定的な実施の形態に関して添付図面を参照しつつ、一例として説明する。
【図1】本発明の装置の1つの実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図4】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図5】本発明のスタティックミキサーの1つの実施の形態の断面図である。
【図6】チャンバを通る図示した流路を有する、図5に図示した本発明のスタティックミキサーの実施の形態の断面図である。
【図7】チャンバを通る図示した流路を有する、図5に図示した本発明のスタティックミキサーの実施の形態の断面斜視図である。
【図8】チャンバを通る図示した流路を有する、本発明の第二のスタティックミキサーの1つの実施の形態の断面図である。
【図9】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図10】本発明の装置の別の実施の形態のブロック図である。
【図11】固体率%と実験値とのグラフである。
【図12】密度対実験値のグラフである。
【発明の実施の形態】
【0012】
本発明は、プロセス材料を混合するシステムに関するものである。該混合システムは、需要によってプロセス材料を混合し且つ使用箇所まで供給し、又は後で使用するためにプロセス材料の混合体を提供するのに適している。プロセス材料とは、導管を通して輸送することができる任意の流体材料を意味するものとする。例えば、プロセス材料は、水、各種の化学物質、溶液、固体の懸濁物、スラリー又はその他の材料の任意のものを含むことができる。本発明の混合システムは混合したプロセス材料を必要とする任意のプロセスにおいて使用されるが、この混合システムは、超高純度の化学物質及び研磨スラリーの混合及び正確さ及び精度が望まれるその他の混合目的のため特に適用可能である。例えば、本発明は、半導体、化粧品及び製薬業界にて特に有用である。
【0013】
本発明の混合システムの一つの実施の形態は、複数の材料供給管と、複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサーと、プロセス制御システムとを備えている。本明細書で使用するように「スタティックミキサー」という用語は、プロセス材料の混合を促進し得る構造とされた任意の装置を意味するものとする。複数の材料供給管はプロセス材料を運ぶ任意の導管とすることができる。例えば、材料供給管は、パイプ、通路、又は流体の流れを導くその他の装置とすることができる。複数の材料供給管は、多数の異なるプロセス材料を多岐に亙る供給源から供給することができる。例えば、材料供給管は、プロセス材料を貯蔵容器又はファシリティ発生設備から供給することができる。幾つかの場合、材料供給管は、プロセス材料を分配サブシステムから供給することができる。
【0014】
分配サブシステムを備える幾つかの実施の形態においては、分配サブシステムは、保持容器と、再循環管と、弁とからなるものとすることができる。再循環管は、保持容器の入口及び出口に流体的に接続し、再循環管を通じてプロセス材料を連続的に循環させることができる。この流れは、ポンプのような流体の流れを誘発する装置によって提供することができる。分配サブシステム内の弁は、再循環管及び材料供給管に接続し、プロセス材料が再循環管から材料供給管に向けられるようにすることができる。
【0015】
本発明の混合システムのスタティックミキサーは、複数の材料供給管と流体連通させることができる。例えば、スタティックミキサーは、その各々が複数の材料供給管のうちの1つに接続された複数の入口を備えている。スタティックミキサーはまた、混合領域及び出口をも備えている。プロセス材料は、スタティックミキサーの入口において材料供給管から受け取り且つ混合領域に流される。混合領域は、該領域を通って流れるプロセス材料を攪拌し且つ混合させる形状とされている。混合した後、プロセス材料は、使用箇所又は貯蔵容器に接続される出口を介して流れる。使用箇所は、混合したプロセス材料の供給が要求される任意の箇所とされる。例えば、使用箇所としては、プロセス機械又は加工ステーションがある。
【0016】
幾つかの実施の形態においては、本発明の混合システムのプロセス制御システムは、コントローラと、入力装置と、弁とを備えている。その他の実施の形態においては、プロセス制御システムは、コントローラと、センサと、弁とを備えている。弁は、本明細書においては、単に一例としての流れを制御するものとして説明するが、本発明において任意の弁に代えて任意の流れ制御装置を使用することが可能であることを理解されるはずである。流れ制御装置とは、各種型式の弁、ポンプ、及びその他の圧力調整装置のような所望の程度の流れを提供する任意の装置を意味するものとする。
【0017】
コントローラは、論理コードのような、一連の処理手順に基づいて情報を受け取り且つ情報に作用することのできる任意の装置でよい。例えば、コントローラはコンピュータのようなマイクロプロセッサ利用の装置とすることができる。プロセス制御システムがコンピュータを備えている場合、入力装置をコントローラに接続し、プロセス材料の所望の混合を表わす入力信号を提供することができる。入力装置は、情報を受け取り且つその情報をコントローラに伝達することが可能な任意の装置とすることができる。例えば、入力装置は、電位差計、キーパッド又は監視制御及びデータ獲得(SCADA)ノードとすることができる。
【0018】
プロセス制御システムの1つ又は2つ以上の弁を1つ又は2つ以上の材料供給管及びコントローラに接続することができる。例えば、弁は、材料供給管を通るか又は材料供給管へと流れる流れを制御するために材料供給ライン内に配置され、コントローラによって制御される。従って、コントローラは、入力装置によって供給されるプロセス材料の所望の混合状態に従って、弁によって、材料供給管を通り又は材料供給管へ流れる流れを制御することができる。これと代替的に又はこれに追加して、コントローラは、センサにより提供される信号に基づいて材料供給管を通り又は材料供給管内へ流れる流れを制御することができる。
【0019】
本発明の混合システムを全体として検討したとき、混合システムの実施の形態は、ユーザの特定の入力に基づいてプロセス材料の所望の混合体を供給することができることが明らかである。このプロセス材料の混合体は、中断せずに連続的に供給することができる。更に、混合したプロセス材料を必要に応じて供給し、混合したプロセス材料を貯蔵する必要性を解消することができる。また、コントローラは、混合プロセスを補助する追加的な入力を受け取ることも可能であることも認識されよう。例えば、コントローラには、プロセス材料又はプロセスの状態に関してプロセスの適宜なセンサから情報を供給することができる。斯かるセンサは、分配サブシステム内、材料供給管上、又はスタティックミキサーの下流のような、混合システム内の任意の位置に配置することができる。コントローラはまた、混合プロセスのその他の特徴を制御することも可能であることが認識されよう。例えば、コントローラは、プロセス材料の性質を改変する装置又はシステムに接続してプロセス材料の特性を変え、プロセス材料の状態に関するセンサから又はオペレータ或いはその他の外部供給源から受け取った入力に基づいて、これらの装置又はシステムを選択的に作動させることができる。
【0020】
本発明は、多岐に亙る用途に使用できるように適合させることができる。本発明の実施の形態は、目的に応じて変更が可能である。例えば、プロセス材料の監視が望まれる場合には、センサを使用することができ、これらのセンサは、プロセス材料に応じて変えることができる。同様に、配管、管及び計測器並びにポンプの湿った面のような混合システムの構造は、特定のプロセス材料に対応するものとすることができる。例えば、斯かるプロセス材料が半導体業界でしばしば採用される研磨スラリー及び化学物質のような摩耗性又は腐食性のものである場合には、これらの構造は、フルオロポリマーのようなプラスチック材料によって形成することができる。
【0021】
次に、図面、特に図1を参照すると、本発明の一例としての実施の形態が図示されている。図1において、分配サブシステム2は、混合サブシステム1に接続されている。分配サブシステム2は、プロセス材料を保持容器3から混合サブシステム1に連続的に分配するポンプ4又は再循環管14のような装置を備えている。プロセス材料は、保持容器3からポンプ4により再循環管14を通して混合サブシステム1に圧送することができる。混合サブシステム1のブロック図である図4に図示するように、再循環管14は混合サブシステム1内を伸びている。混合サブシステム1において、再循環管14に配置された弁20は再循環管14を材料供給管18に接続することができる。弁20を作動させプロセス材料を再循環管14から材料供給管18に向ける一方、該材料供給管は、プロセス材料をスタティックミキサー22に供給することができる。弁20によって導かれなかったプロセス材料は、再循環管14内に残り且つ保持容器3に戻すことができる。
【0022】
保持容器3は、混合プロセスに供給すべく十分なプロセス材料を保持することが可能な任意の貯蔵容器とすることができる。便宜上、保持容器3はプロセス材料が供給され且つ(又は)その内部に貯蔵される容器であることが好ましい。例えば、保持容器3は、55ガロンドラムのようなタンク又はその他の一般的な貯蔵容器とすることができる。幾つかの実施の形態において、保持容器3は、多孔分散管ヘッド又はインペラのような攪拌器を備えることができる。プロセス材料が沈殿し又は分離する可能性のある場合に攪拌器は特に適している。
【0023】
ポンプ4は、再循環管14内で十分なプロセス材料の流れを提供する任意の構造の任意の装置とすることができる。例えば、ポンプ4は空気圧作動又は電気作動式とし且つベローズ又は隔膜構造を利用する定量形ポンプとすることができる。ポンプ4は、圧送されるプロセス材料と適合可能な材料で出来たものとすることができる。適宜なポンプの例としては、カリフォルニア州、ガーデングローブのセイント・ゴベンイン・パフォーマンス・プラスチックスから入手可能なASTIポンプ及びニュージャージー州、ウッドクリフレークのインガソル・ランドから入手可能なAROポンプがある。
【0024】
プロセス材料が再循環管14から材料供給管18へと向けられる場合、ポンプ4が連続的に作動するにも拘らず再循環管14内において圧力損失が生じる可能性がある。従って、圧力を調節する第二の方法を使用することができる。例えば、背圧弁100を再循環管14内に設置し且つプロセス材料を材料供給管18に搬送するにも拘らず、再循環管14内にて所望の圧力を保ち得るように調節することができる。
【0025】
使用可能なプロセス材料を混合サブシステム1に供給するために、分配サブシステム2は混合サブシステム1内のプロセス材料の性質を監視し且つ(又は)改変するシステム又は装置を備えることができる。例えば、プロセス材料が混合に許容可能であることを証明する性質を監視し且つ(又は)改質することができる。監視又は改質システムは、多岐に亙る計測器を備えることができる。次に、図2も参照すると、分配サブシステム2は、再循環管14内のプロセス材料を監視する計測器5、6、7、8、9のような計測器を備えることができる。これらの計測器は、混合サブシステム1に供給されるプロセス材料及び混合したプロセス材料の所期の用途に対する許容公差に基づいて変更することができる。例えば、密度、pH、微粒子、酸化及び還元電位、導電率、屈折率又はその他のプロセス条件に対する計測器が所定の目的に適している。所望のフィードバックを提供する任意の計測器を使用することができる。例えば、密度を密度計5により監視し又はpHをpHプローブ6により監視することができる。
【0026】
一例として、半導体プロセスにおけるスラリーについて説明する。半導体プロセスにおいて、スラリーは半導体ウエハを製造する時の研磨媒体として使用される。スラリーはまた光学レンズ又はその他のディスク関連物を研磨するためにも使用される。スラリーの研磨作用は、液体中の懸濁した微細、不活性、摩耗性粒子によるものである。半導体業界で使用されるスラリー中の典型的な摩耗材としては、二酸化ケイ素、アルミナ、及び酸化セリウムがある。スラリーの摩耗材は粒子の寸法範囲毎に製造し且つ分類される。典型的なスラリーは、直径0.05ミクロン乃至0.30ミクロンの範囲の粒子を含み且つ1012/cm3以上の粒子を含む。
【0027】
半導体プロセスにおいてスラリーを監視するためには、密度計5のような重量密度(本明細書中、以下において、全ての密度は別段の記載が無い限り重量密度を意味するものとする)を連続的に測定する計測器であることが好ましい。密度の測定は濃度を追跡する1つの方法である。例えば、スラリー中の密度は単位重量当たりの不活性、不揮発性固体の量に関係している。従って、例えば、流量計により単位時間当たりの体積流量及び密度を測定することにより、プロセス材料の混合体に供給される不活性な固体の量を監視することができる。密度を監視することはまた、半導体プロセスにおけるスラリーにとっても好ましく、それは、密度の測定計測器は、スラリー中に同一のせん断応力を発生させない結果、同様のフィードバックを提供するその他の器具よりも凝集体を発生させることが少ないためである。許容し得ない凝集体を生じさせない十分に精密な重量流量計又は固体物含有率センサをこの目的のために使用することができる。
【0028】
スラリープロセスにおいて、pHセンサのようなpHを測定する計測器を使用することもできる。スラリーのpHが許容可能な値以上であるならば、そのスラリーは極めて攻撃的であり、ウエハから予定外の材料を除去することになろう。これとは逆に、pHが過少であるならば、予定の材料を除去することができないであろう。
【0029】
別の例として、半導体プロセスにおいて使用される化学物質について説明する。半導体プロセスにおいて、ウエハを研磨するための反応剤及び酸化剤として、また、洗浄溶液中、後洗浄溶液中及び現像剤溶液中にて各種の化学物質が使用されている。これらの化学物質は、典型的には、未処理の濃縮物の形態で出荷される。研磨のために使用される典型的な化学物質は、過酸化水素、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムを含む。過酸化水素はウエハにおける金属層の酸化剤として使用される。プロセス材料の混合体中の過酸化水素の量を制御することは、ウエハの表面から除去される材料の量を制御することになる。典型的に、過酸化水素は、30重量パーセント(重量%)の溶液から2乃至4重量%の溶液のような数パーセントの溶液まで混合される。水酸化カリウムは、二酸化ケイ素の層の所望の研磨作用を提供し得るようにプロセス材料の混合体のpHを制御すべく内層を誘電研磨するプロセスにおいて使用される。過酸化水素及び水酸化アンモニウムの混合体は、典型的には、清浄及び洗浄溶液において使用される。これらの混合体は、使用されなかったならば、過酸化水素及び水酸化アンモニウムが分解して水及びアンモニアになる。従って、これらの混合体が本発明に従って使用されるときに、これらの混合体を製造することが好ましい。
【0030】
半導体業界において使用すべくバルク化学物質を供給する場合、計測器5、7、8、9が再循環管14内の流れを監視し、許容可能な材料が供給されていることを保証することが好ましい。化学的プロセス材料の許容可能性を監視する好ましい計測器の1つは、密度計5のような、プロセス材料の密度を連続的に測定する計測器である。スラリーの密度を監視する等により化学的プロセス材料の密度を監視することは、該プロセス材料を混合サブシステム1に分配する前に、プロセス材料の濃度を測定することを可能にする。これと代替的に、密度が温度と十分に相関する場合、密度計に代えて熱電対又はその他の温度プローブを使用することができる。
【0031】
化学的プロセス材料の測定及び監視に使用可能であり、又半導体業界にて斯かるプロセスに好ましいその他の計測器は、導電率センサ9、酸化及び還元電位(ORP)センサ8のような濃度及び反応率を測定する計測器である。導電率は、これら2つを相関させることにより化学的濃度を測定するために使用することができる。多数の一般的なプロセス材料の場合、導電率を濃度に関係付ける表が存在する。従って、プロセス材料の導電率を監視することにより、その濃度を監視することが可能である。プロセス材料のORPを監視することは、化学的反応率の急激な変化を検知することを可能にする。ORPセンサ8は、pHプローブ6と同様に機能するが、ORPセンサ8は、典型的なpHプローブを劣化させるフッ化水素酸のような液体の性質を測定することができる。材料の屈折率は濃度に相関させることもできるから、濃度を測定するとき屈折率センサも有用である。
【0032】
半導体業界のような高純度の用途において特に重要であるプロセス材料の別の性質は微粒子の量である。例えば、ウエハを製造するためには、超高純度のプロセス材料が必要とされる。保持容器3からの微粒子又はプロセス材料の製造により発生された微粒子は、プロセス材料及び製品を汚染する可能性がある。半導体プロセスが経済的に実現可能であるようにするためには、粒子の寸法及び特定寸法の粒子数に対する厳格な指針が必要であろう。従って、微粒子に敏感なプロセスの場合、オンライン又はインラインの粒子カウンタ7のような、プロセス材料中の微粒子量を測定する計測器を使用することができる。粒子カウンタ7は、分配サブシステム2の内部及び分配サブシステム2と混合サブシステム1との間の双方にて利用可能であり、この場合、これらのカウンタは、分配サブシステム1からのプロセス材料が許容可能な程に少粒子量であることを証明することができる。スタティックミキサーからのプロセス材料の混合体が許容可能な程に少粒子量であることを証明するために粒子カウンタ7を使用することができる。
【0033】
インラインの粒子カウンタ7は、典型的に、再循環管14のようなプロセス管内に直接取り付けられたフローセルを備えている。インライン粒子カウンタ7は、フローセルを通って流れる粒子を監視する。インライン粒子カウンタ7は、典型的には、重量当たりの粒子を測定し、体積流量が変化するならば、報告される粒子のカウント数も変化するであろう、従って、粒子カウンタ7内を流れる材料の量を調節して正確な粒子カウント数が得られるようにすることができる。例えば、インライン粒子のカウントが正確であるためには、測定セルをプロセス管の接続部に接続することができる。該接続部は、流体の流れを測定セル内へ導き且つカウンタ7内を通る流量を所望の量に調節することを許容する。典型的には、カウンタ7内を通る流量は100ミリリットル/分(ml/min)に調節される。
【0034】
インライン粒子カウンタ7は、一般にプロセス管内に直接取り付けられるため、典型的には、そのプロセス管内の粒子量のみを監視することができる。これと代替的に、インライン粒子カウンタ7は、切り替え機構により多数のプロセスに接続し、これら管の任意のものからのプロセス材料を監視すべく粒子カウンタ7へと方向転換させることができる。しかし、多数のプロセス管からの流量が等しくないならば、プロセス管の各々に対する粒子カウンタ7からの測定値は、同一の重量値とはならない。
【0035】
オンライン粒子カウンタ7の場合には、粒子カウンタ7はプロセス管に設ける必要はない。それに代えて、各種のプロセス管からの試料をマニホルドのような多数の流れを取り扱うシステムを通して且つカウンタ7まで送ることができる。試料を小さい閉ループのような試料採取器内に吸引し、各試料の重量が同一であることを保証することができる。各試料の重量が等しいため、各プロセス管の粒子測定値は同一の重量の尺度となり、このため比較可能である。従って、オンライン粒子カウンタ7は、より多くのプロセス管又は1つのプロセス管の箇所を容易に監視し且つ比較することを可能にする。
【0036】
分配サブシステム2及び(又は)混合サブシステム1を制御するプロセス制御システムは、プロセス及びプロセス材料の性質に基づいて作動することができる。例えば、計測器から集めた情報を弁20に接続されたプロセス制御システムと関係したコントローラに供給し且つ(又は)問題点を摘出し且つ修正することが可能なオペレータに提供することができる。オペレータへの提供は、出力モニタ又は警報のような所望に応じてオペレータの注意を引く任意の形態にて行うことができる。コントローラが弁20に接続されている場合、再循環管14から材料供給管18に向けられるプロセス材料の量は、プロセス材料の所定の混合のためのプロセスに基づいてコントローラにより選ぶことができる。従って、コントローラは、弁20を通る流量を変化させることによりプロセス材料の混合状態を修正し又は再循環管14から向けられるプロセス材料の偏差を修正することができる。例えば、pHセンサ6がプロセス材料の混合体を酸性にするために使用されるプロセス材料のpHが上昇したこと(偏差)を検知したならば、コントローラは、このことを注意する信号を受け取り且つ再循環管14から材料供給管18へと追加的なプロセス材料を導いて混合したプロセス材料のpHが一定のままであるようにすることができる。これと代替的に、流量の変化が検知された偏差を修正しないならば、そのプロセスを中断し、適宜な修正が為される迄、その材料を分配サブシステム2内に保持することができる。
【0037】
再循環管14から材料供給管18へのプロセス材料の流量の調節が偏差を修正するのに不十分である場合、再循環管14はその偏差を修正する1つ又は2つ以上のシステム又は装置を備えることが好ましい。これらのシステム又は装置は処理装置を含むことができる。例えば、再循環管14内で許容し得ない微粒子の量が検知されたならば、1つ又は2つ以上の粒子分離器10、11を再循環管14に沿って配置することが好ましい。粒子分離器10、11は、例えば、粗フィルタ又は研磨フィルタとすることができる。
【0038】
図2に図示した実施の形態においては、オンライン又はインラインの粒子カウンタ7からの連続的なフィードバックによって、再循環管14内の粒子の量を監視する情報をコントローラに供給することができる。始動時又は粒子の量が予め設定した限界値を超えることが検知されたとき、コントローラ又はオペレータが弁12を作動させ、再循環管14をバイパスさせ且つプロセス材料をバイパス管13を介して方向変更させることができる。プロセス材料がバイパス管13内で循環するとき、粗フィルタ10のようなフィルタがプロセス材料中の粒子量を減少させることができる。粒子量が予め設定した限界値の範囲まで減少したとき、コントローラは、弁12を作動させるか又はオペレータに警告を発し、オペレータは、弁を作動させてバイパスを終了させ且つプロセス材料が再循環管14内を流れるのを許容し、この再循環管においてプロセス材料を材料供給管18に導くことができる。微粒子の量が極めて少ないことを必要とする用途においては、再循環管14に沿って研磨フィルタ11を配置することも好ましい。上述した半導体業界にて使用されるバルク化学物質を分配するために、再循環管14に粗フィルタ10及び研磨フィルタ11を備えるバイパス管13を使用することが好ましい。図1に図示するように、フィルタ10、11は、バイパス管13無しで使用し、再循環管14からの粒子の除去量を一定にすることを可能にすることもできる。更に、微粒子量以外の性質を改変する設計とされたバイパス管をシステム内で使用することもできる。
【0039】
次に、図3を参照すると、半導体加工施設にて多数のスラリー及び化学物質のような多数のプロセス材料を使用する大規模な製造施設において多数の分配サブシステム2をラインのネットワーク16に接続することができる。ラインのネットワーク16においては、プロセス材料の各々を再循環管14内に保持することができる。幾つかの実施の形態においては、再循環管14の各々は二次的管構造体内に保持し、漏洩を防止し且つプロセス材料が危険なものである場合、安全性を向上させることができる。
【0040】
半導体業界のような高純度を必要とする業界においては、分配サブシステム2は、半クリーンルーム、サブファブ又は特別なクラスのクリーンルーム内に収容されることが好ましい。再循環管14は、分配サブシステム2から混合サブシステム1及びプロセス装置60が配置されたクリーンルームの環境まで配管することが好ましい。プロセス装置60は排出管17により混合サブシステム1に接続することができる。
【0041】
次に、図4を参照すると、上述したように、再循環管14の各々が混合サブシステム1内を通るように配管されるようにすることができる。再循環管14の各々を、弁20を介して材料供給管18に接続することができる。同様に上述したように、弁20は、混合体が再循環管14から材料供給管18まで流れ且つその後に材料の供給管18内の全てのプロセス材料を導くことなくスタティックミキサー22まで流れるのを許容することができる。単一の材料供給管18への多数接続を許容すべく多数の弁20を使用することができ、その結果、材料供給管18内でのプロセス材料の混合を制限することができる。弁20はスリップ流れ弁であり、また、空気供給源からの空気圧により又は電子作動装置による電磁力の如き任意の方法にて作動させることが好ましい。プロセス材料が可燃性である半導体プロセスのようなプロセスにおいては、弁20は、安全上及び火災の危険性を防止する目的のため、空気圧供給源により作動させることが好ましい。
【0042】
混合サブシステム1においては、材料供給管18はプロセス材料をファシリティ発生設備70から直接運ぶことができる。ファシリティ発生設備70から混合サブシステム1へのプロセス材料の流れを弁19によって制御することができる。その他の弁20を材料供給管18に沿って配置し且つ再循環管14に接続し、第二のプロセス材料をファシリティ発生設備70からのプロセス材料に追加することができる。次に、結合したプロセス材料をスタティックミキサー22に供給することができる。例えば、材料供給管18内で水をファシリティ発生設備70から供給することができる。次に、再循環管14からのプロセス材料を弁20により材料供給管18に追加し、その結果、材料供給管18に稀釈されたプロセス材料が存在するようにすることができる。稀釈されたプロセス材料は、スタティックミキサー22まで進むことができる。幾つかの実施の形態においては、材料供給管18は、固体及び細菌のような汚染物質の蓄積を阻止し得るように一定の流れ状態下に保つことが好ましい。斯かる実施の形態においては、高価な又は危険なプロセス材料を、材料供給管18を通して連続的に流動させることに代えて、現にプロセス材料を供給していない管を通じてDI水又は比較的不活性な別の材料を流すこともできる。DI水の供給源に材料供給管18を接続することは、また材料供給管18を浄化し且つメンテナンスする上で役立つ。
【0043】
材料供給管18からスタティックミキサー22へのプロセス材料の流れを弁21により調節することができる。プロセス材料が別の材料を保持する材料供給管18に追加される場合、プロセス材料の流量が所望の量であり且つ所望の方向にあることを保証すべく色々な供給管内の流量及び関連する圧力を制御することが好ましい。
【0044】
分配サブシステム2及び混合サブシステム1は手動で又は電子的に制御することが可能である。好ましくは、分配サブシステム2及び混合サブシステム1は、コントローラ(最も一般的には、プログラム化可能な論理コントローラ(PLC)のような記憶装置を備える中央処理装置(CPU)である)を含むプロセス制御システムに接続される。入力装置は、ユーザがプロセス材料の所望の混合状態を特定することを可能にする。例えば、コントローラに対しプロセス材料の所定の混合状態を指定するため、キーパッド又はコンピュータ端末を使用することができる。コントローラは、プロセス装置から信号を受け取り、例えば、供給されるプロセス材料、プロセス条件、及び人間の安全性、を連続的に監視することができる。コントローラは、入力装置からの入力及びプロセス装置からの信号を解釈して分配サブシステム2及び混合サブシステム1を制御し、プロセス材料の指定された混合体を形成することができる。例えば、分配サブシステム2及び混合サブシステム1を制御すべく監視制御及びデータ獲得(SCADA)システムを使用することができる。斯かるコントローラは、品質管理データ、システムの使用に関する情報、警報情報、又はその他のプロセス情報、を保存することができる。更に、コントローラは、工程の傾向及び局所的な問題点を判断するために、プロセスの出力と相関させることができる経歴的データを保持することにより統計学的なプロセス制御を容易にすることができる。プロセス制御システムは、特に、プロセス又はプロセス材料が危険なものである場合、オペレータをプロセス装置から物理的に隔離することが可能な設計とすることができる。
【0045】
典型的なプロセス制御システムは、複数のポンプ、弁、計測器及び監視スイッチを備えている。これらの構成要素は、システムの作動において多数の役割を果たすことができる。例えば、フィルタにおける流体の圧力降下を監視して、フィルタの洗浄又は交換が必要であるかどうかを判定することができる。また、フィルタにおける圧力降下を監視するものと同一の圧力測定装置がプロセス管内の絶対圧力に関するデータを提供するようにしてもよい。
【0046】
プロセス制御システムは、モニタ上にプロセスを図形的に表示し、プロセスの重要な特徴を観察することを許容する。この図形的表示は、オペレータが全てのサブシステム及びプロセスの線図を概観スクリーンにおいて見ることを可能にする。一般に、プロセス装置の各部品は、全ての接続部、終端、サブシステム、を表示する全体的な概略図で図形的に表わすことができる。概観スクリーンから、サブシステムの各々を選び且つ別個のスクリーンを開いてそのサブシステムの特徴を表示することができる。
【0047】
プロセス制御システムはまた、警報のようなフィードバックをメンテナンス又は安全のためにオペレータに提供することもできる。フィルタにおける圧力差を監視する上述した例において、圧力差が特定の設定値を上廻るならば、警報装置が、例えば図形ディスプレイによってオペレータに通報し、そのフィルタが浄化され又は交換されるようにする。警報を作動させる状態が所定の時間内に起動されないならば、非常警報が発動され、その結果、警報状態、すなわちプロセスの稼働停止のようなプロセス制御システムの一部の自動動作を更に通報することができる。
【0048】
再循環管14内のプロセス材料の流量、圧力、及び濃度又は密度、の如きその他の性質は、弁20を通って材料供給管18内に流れるプロセス材料の流れ及び必要とされるプロセス材料の量の双方に影響を与えるので、このデータはコントローラに供給される。コントローラは、ポンプ4及び分配サブシステム2内のその他の装置の速度を調節し、適正な量のプロセス材料が材料供給管18内に流れることを保証することができる。これと代替的に、このデータに基づいて弁20を調節し材料供給管18内へのプロセス材料の流れを制御してもよい。
【0049】
更に、材料供給管18内へのプロセス材料の流量は、既に材料供給管18内に存在する水のような任意のプロセス材料の流量及び圧力に依存するものとしてもよい。従って、このデータはコントローラに供給されることも好ましい。コントローラは、弁19、20及び(又は)21を調節し、また、ポンプ4により再循環管14内の流量を調節し、材料供給管18内で所望の流量及び組成を得ることができる。コントローラに供給可能であるデータの量及びこのデータに基づいて制御可能である可変値の数により、コントローラは、このデータを解釈し且つ所定の処理手順に基づいてそのデータに作用して、プロセス材料の所望の混合体を製造する1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサを備えることが好ましい。しかし、この機能はオペレータ又はアナログ制御装置が行うこともできる。
【0050】
混合サブシステム1は、関係する材料に依存して、重量流量又は体積流量又はその組み合わせに従って制御することができる。典型的には、より精密である点で、重量流量とすることが好ましい。プロセス弁12、19、20、21の流れ制御は、比例積分差動(PID)システム又は同様の制御フィードバックループによって作動される流量計に接続された流れ制御弁又は可変面積オリフィス弁を利用することができる。
【0051】
半導体業界においては、例えば、発生施設70からのスラリー、化学物質及び(又は)DI水を含む分配サブシステム2からの幾つかの組成物が、プロセス材料の所定の混合体に導かれる。混合体の成分は、SCADAノードとすることができるユーザインターフェースを通じて特定することができる。典型的なプロセスは、内部層の誘電研磨プロセスのため、磨耗性スラリーをDI水にて稀釈することを必要とする。更なる典型的なプロセスは、金属層を研磨するため研磨スラリー、酸化剤、及びDI水、を必要とする。これらのプロセスは、多岐に亙る磨耗材、酸化化学物質、稀釈剤を必要とし、その量はプロセスに応じて頻繁に変更される可能性がある。
【0052】
斯かる半導体プロセスシステムにおいては、材料供給管18は、プロセス材料を稀釈し且つ必要であるとき材料供給管18及びスタティックミキサー22を洗浄するため、発生施設70からDI水を運ぶことができる。材料供給管18の各々が、DI水を、弁19、21を通してスタティックミキサー22に送ることができる。上述したように、DI水の供給は、材料供給管18の各々を一定の流れ状態下に保ち、微粒子及び細菌の形成を防止することが好ましい。1つのプロセスがスラリープロセス材料を含む場合、弁20を作動させ材料供給管18内の水を再循環管14からスラリープロセス材料に露呈させることができる。弁19は、DI水の流量を調節し、弁20を備える再循環管14からの流れが弁21まで流れることを保証することが好ましい。弁21はスタティックミキサー22へのスラリーの流量を調節する。この流量は必要とされるスラリーの量及びスラリーの密度に依存する。同様に、1つのプロセスが再循環管14から化学的プロセス材料を必要とする場合、弁20を作動させ、材料供給管18内の水を化学的プロセス材料に露呈させることができる。この流量は、必要とされる化学的プロセス材料の量及び化学的プロセス材料の密度、濃度、又はその他の性質に依存するものとする。
【0053】
材料供給管18からのプロセス材料は、混合のためスタティックミキサー22内に連続的に進めることができる。プロセス材料は、1つのプロセスに必要とされる全てのプロセス材料を同時に供給することを許容する任意の装置を介してスタティックミキサー22に入ることができる。図5、図6及び図7を参照すると、スタティックミキサー22は、材料供給管18に接続された多数の入口30を含んでいる。入口30は、発生施設70から直接つながっている材料供給管18、再循環管14からつながっている材料供給管18、又はその双方の発生源から供給分を受け取る材料供給管18、に接続されている。半導体業界においては、材料供給管18は、典型的には、スラリープロセス材料、化学的プロセス材料、及びDI水を、スタティックミキサー22に運ぶ。
【0054】
スタティックミキサー22は、プロセス材料の十分な混合をもたらす任意の方法によって構成することができる。この混合は、プロセス材料が乱流状態を受けるようなスタティックミキサー22の構造とすることにより実現されるようにするのが好ましい。例えば、スタティックミキサー22は、1つ以上の反らせ板又はその他の乱流要素を含むことができる。スラリー又はその他のせん断の影響を受け易い材料を使用するプロセスの場合、スタティックミキサー22は、混合される材料に害を与えない程十分に穏やかであるが、完全に混合させるほど十分に強力な混合であるような構造とすることができる。例えば、半導体業界にて研磨するために使用されるスラリーにおいて、大きいせん断力を導入すれば、粒子が成長し、また顕著な微細な引っ掻きを生じる可能性がある。従って、これらのスラリーの場合、スタティックミキサー22は、相対的に穏やかな混合となるような構造とすることが好ましい。螺旋状の乱流要素を含むスタティックミキサーのような典型的なスタティックミキサーは、幾つかの実施の形態において許容可能である。
【0055】
図5、図6、及び図7に図示した実施の形態においては、スタティックミキサー22は、単一の出口39を有しており、入口30はスタティックミキサーの全長の周りで軸線方向に沿って対称である。この実施の形態においては、プロセス材料は、入口30を通って混合領域32へと進む。流体が加圧された状態で混ざり合い且つ移動するとき、これら流体は円環状形状の反らせ板33の中を進む。反らせ板33は、圧力差を生じさせて乱流による渦流を形成する。これらの渦流は、プロセス材料を均一な溶液に混合するために必要とされる極めて大きいレイノルズ数と関係している。反らせ板33を通った後、プロセス材料は、乱流要素34の周りを流れることが好ましい。乱流要素34は、円筒状とし且つスタティックミキサー22の中心線に沿って配置することができる。乱流要素34は第二の攪拌手段を提供する。流れ妨害要素34はカルマン渦を発生させ、この渦は渦流を発生させることにより乱流を増す。乱流要素34に続いて、流れ絞り領域35が設けられていることが好ましい。流れ絞り領域35は、プロセス材料が出口39まで進むときにプロセス材料を圧縮する。流れ絞り領域35は、テーパー付きの円錐形状面であることが好ましく、それは、この形状の面は、直径が縮小した領域が段付きの形態であるならば生ずる背圧を降下させることになるからである。
【0056】
図8を参照すると、スタティックミキサー22の出口39を通って進むプロセス材料は、第二のスタティックミキサー23に入る。第二のスタティックミキサー23は、インラインのスタティックミキサーであることが好ましい。第二のスタティックミキサー23は、螺旋形状の構造38を保持することができる。螺旋形状の構造38は、例えば、撚ったブラスチックシートによって作ることができる。第二のスタティックミキサー23は、プロセス材料を一定状態で攪拌することが好ましい。半導体業界におけるスラリーのプロセス材料の場合、第二のスタティックミキサー23の螺旋状の経路が粒子を成長させ且つ顕著な微細な引っ掻きを生じさせる可能性のある有害なせん断速度を生じさせない十分に少ない流量で第二のスタティックミキサー23を作動させることが好ましい。このことは、プロセス材料、第二のスタティックミキサー23の寸法、及び幾何学的形態に極めて依存するが、幾つかの状態の場合、約100乃至250ml/分の流量とすることが適当である。第二のスタティックミキサー23として上述したミキサーは、スタティックミキサー22として機能し、また、任意の第二のスタティックミキサー23を必要としないことがわかるはずである。
【0057】
基本的な流体の流れ原因に基づいて形成された図6、図7、図8に図示した流体の流れ線図は、流れライン37により、スタティックミキサー22及び第二のスタティックミキサー23の全体に亙って十分な攪拌が行われ、プロセス材料が完全に混ざり合うことが確保される。
【0058】
1つの好ましい実施の形態においては、混合したプロセス材料は、スタティックミキサー22又は第二のスタティックミキサー23から出口管17を通ってプロセス装置60のような使用箇所まで流れる。使用箇所は、任意の機械、装置、ステーションとし、又は混合したプロセス材料の流れが望まれるその他の位置とすることができる。出口管17は、オペレータが使用し得るようにプロセス装置60又は出口に直接供給することができる。寿命が制限されるか又はさもなければ出口管17を通って輸送する間価値を失うかもしれないプロセス材料の場合には、スタティックミキサー22又は第二のスタティックミキサー23は、この損失を最小にするように使用箇所に近い位置に配置される。
【0059】
例えば、図9及び図10に図示したような1つの代替的な実施の形態においては、出口管17は、保持容器3内に供給し、混合したプロセス材料を保持容器3から必要に応じて使用箇所まで供給することができる。混合したプロセス材料を保持容器3内に貯蔵することは、混合したプロセス材料が使用箇所まで送られる前に、その混合したプロセス材料を試験すべく受け入れることを許容する。化学的プロセス材料及びスラリープロセス材料を分析する上述したものと同様の計測器を使用して、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することもできる。混合体中の個々のプロセス材料の濃度はまた、適宜な装置によって独立的に試験することもできる。例えば、色々な組成物の濃度は、ガスクロマトグラフィのようなクロマトグラフィによって測定することができる。混合したプロセス材料を保持容器3内に貯蔵することは、以下に説明するように、混合システムを簡略化することをも可能にする。
【0060】
図9には、本発明の混合システムの比較的簡単な実施の形態が図示されており、この場合、スラリー及びDI水のような2つの材料を混合させることができる。この実施の形態においては、混合すべきプロセス材料は最初に保持容器3内に貯蔵される。所望であるならば、保持容器3は分配サブシステムによって置換し、このことは、再循環管を含む分配サブシステムが特定の実施の形態においては不要であることを示す。プロセス材料は、ポンプ90によって保持タンク3から材料供給管18を通してスタティックミキサー22に圧送することができる。弁21を使用してプロセス材料の各々の流れを調節することができる。混合システムを簡略化するために、プロセス材料の1つを一定の体積流量で供給することができる。例えば、1つの弁21を単一の位置に残し又は一定の幾何学的形態のオリフィスを使用してプロセス材料の1つの一定の体積流量を提供することができる。次に、その他のプロセス材料の流量を調節してプロセス材料の所望の混合体を提供することができる。
【0061】
プロセス材料の1つが一定の体積流量に保たれる場合、体積流量を重量流量に変換することを可能にするデータを提供するセンサ92を材料供給管18に含めることができる。センサ92は、密度を測定したり、又は、温度のような密度と相関させることができる性質を測定したりすることができる。例えば、コントローラ91は、プロセス材料の密度を表わす信号をセンサ92から受け取り且つこの信号及び既知の体積流量に基づいてプロセス材料の重量流量を計算することができる。
【0062】
コントローラ91は、そこを通る体積流量が変化する材料供給管と関係したセンサ93から信号を受け取ることもできる。センサ92の場合と同様に、センサ93は、体積流量に基づいて材料供給管中の重量流量を計算することを可能にする性質を表わす信号を提供することができる。プロセス材料の体積流量が変化するとき、コントローラ91は、体積流量計94から信号を受け取り、重量流量を計算することを可能にする。材料供給管内の重量流量に基づいて、コントローラ91は、弁21を制御し、その他の材料供給管内のプロセス材料の重量流量と共に、プロセス材料の所望の混合体を提供する重量流量を提供することができる。
【0063】
例えば、図10に図示した1つの代替的な実施の形態においては、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することができるセンサ96をスタティックミキサー22の下流に提供することにより、センサ93及び体積流量計94を省略することができる。例えば、スラリー及びDI水が混合される場合、密度計、固体含有率センサ等を使用して、混合したプロセス材料が許容可能であることを証明することができる。センサ96は、混合したプロセス材料の状態を表わす信号をコントローラ91に提供することができる。必要であるならば、調節値を表わす信号がセンサ96から得られるまで、コントローラ91は、弁21によってプロセス材料の1つの流量を調節することが可能である。例えば、プロセス材料がスラリー及びDI水である場合、所望のスラリー/DI水の混合体の密度を調節値としてよい。この密度が過少であることが検出されたならば、より多くのスラリーを追加し、また過多であることが検出されたならば、追加するスラリーの量を少なくすることができる。幾つかの実施の形態においては、異なる又は同様の型式の幾つかのセンサ96が、混合したプロセス材料の状態を表わす信号をコントローラに提供することができる。
【0064】
プロセス材料の1つが一定の流量で供給され、他方のプロセス材料の流量が所望の混合体を形成し得るように調節される任意の実施の形態においては、全体流量を全体として選択することができない。従って、斯かる実施の形態は、混合したプロセス材料を保持容器3に提供することが可能である。保持容器3は、攪拌機のような混合したプロセス材料の沈殿又は分離を防止する装置又はシステムを保持することができる。別の実施の形態においては、余剰な混合したプロセス材料を形成し且つ必要なものを需要に応じて供給し、残りを廃棄することができる。これと代替的に、その他のプロセス材料の流量を同様に調節し、混合したプロセス材料の全体的な流量を上述したように需要に適合させることができる。
【0065】
始動時又はプロセス材料の混合体が許容できず又は必要でない任意のその他の時点において、混合体は、使用箇所又は保持タンクから出て行く方向に導くことができる。例えば、許容できないか又は不必要なプロセス材料の混合体は、ドレーン装置95に送り又はその他の方法で処分することができる。プロセス材料の混合体が幾つかの環境下で許容できないか又は不必要な場合には、本発明の任意の実施の形態においてドレーン装置又はその他の処分システムを使用することができる。
【0066】
本発明を、単に一例であり且つ本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない次の実施例によって更に説明する。
【実施例】
【0067】
実施例1
1つの典型的な混合プロセスは、DI水によって高固形物、濃縮した二酸化ケイ素スラリーを稀釈することを含む。市販によって入手可能な斯かるスラリーの1つとしては、キャボット(CABOT)(登録商標名)セミ−スパース(SEMI−SPRSE)(商標名)25スラリーがあり、このスラリーは、25重量%の固体と、1.162乃至1.170g/ml(1.166±0.004g/ml)の範囲の密度とを有するコロイド状懸濁液である。このスラリーは、二酸化ケイ素層又は酸化物プロセス研磨中に使用されるウエハ製造中の典型的な研磨スラリーである。この実施例の目的のためには、混合したプロセス材料が200ミリリットル/分(ml/分)必要であると仮定されている。
【0068】
典型的な研磨プロセスは、重量比で1:1又は体積比で約1:1.17のスラリー対DI水の比率を有する混合体を必要とし、その結果、最終密度は約1.074グラム/ミリリットル(g/ml)となる。スラリーの変化は基本材料の製造の変動に起因する。更に、未処理スラリーの製造時に使用される水は、圧縮不能な流体であるが、その粘度は、スラリーと混合させたDI水の密度と同様に変化する。DI水の密度値は、既知であり且つ技術的参考出版物から容易に知ることができる。斯かる出版物の1つである、CRCプレスインコーポレーテッドからの化学・物理ハンドブックには、50゜乃至86゜F(10゜乃至30゜C)の温度範囲に亙って水の密度範囲が0.99970乃至0.99565g/mlであることが記述されている。発生施設からのDI水の供給温度は、典型的には、約65゜乃至75゜F(18゜乃至24゜C)の範囲にある。従って、この実施例の目的のためには、DI水の密度は0.99821g/ml(68゜F(20゜C)における表記密度)であると想定されるが、実際には、この温度は正確な密度を提供し得るよう監視することもできる。
【0069】
2つの成分の密度が変化するために、体積混合は、重量混合の場合よりも混合体中に誤差を生ずる危険性がより大きい。従って、重量比で1:1の処方の場合、等しい重量の各成分を追加し、その結果、スラリーの濃縮物は約1.00mlとなり、DI水は約1.168mlとなる。
【0070】
混合処方の動的状況においては、材料はその合計値が200ml/分又は3.33ml/秒となる率で変位させなければならない。上述した値を使用すると、公称密度が1.074g/mlであり及び所望の混合体の流量が200ml/分又は3.3ml/秒である場合には、所望の最終製品の質量流量は約1.789g/秒となる。
【0071】
この簡単な適用例は、重量が等しい2つの成分を使用しているので、スラリー及び水の双方の供給流の流量を個別に調節すれば、最終的に計画された流体流れを制御することができる。理想的には、濃縮したスラリー及び脱イオン水の双方の質量は互いに等しく、材料の各々に対するそれぞれの密度と各重量との比が所望の体積流量を与えることになる。このことは、濃縮した25%の固体スラリーの約92.064ml/分(1.534ml/秒)、及びイオン水の約107.928ml/分(1.799ml/秒)の体積流量を発生させることになる。この適用例は、上述した1.166g/mlにて一定密度のスラリーに対してのみ妥当であることが認識される。材料の実際の密度は変動するので、この値を分配サブシステムからコントローラに連絡すれば、これに応じて流れコントローラを調節することが可能である。例えば、密度値が、1.180g/mlまで増大したならば、コントローラは弁を適当な程度まで閉じることにより流量を調節することができる。このことは、絶対出力流量を減少させる一方、該出力流量は、脱イオン水の流量を増すことにより調節することができる。これらの調節を行う間、特定の最終流量及び密度はほぼ一定である。
【0072】
実施例2
本発明の混合システムは、許容可能なプロセス材料の混合体を製造することができることを実証するために、図9に図示した混合システムを使用して実施例1に記載したスラリー及びDI水の仮想的混合を行った。DI水は一定の既知の体積流量で保持容器から供給し、その温度を監視し、コントローラに供給し、コントローラによってDI水の重量流量が計算された。実施例1に記載したスラリーは第二の保持容器から供給した。このスラリーを試験し、このスラリーは25.8重量%の固体含有率及び1.151g/mlの密度であることが分かった。スラリーの密度及びその体積流量を監視し且つコントローラに提供してスラリーの重量流量を計算した。スラリーの重量流量は、コントローラにより弁を使用して調節してDI水対スラリーの重量比が約1:1であるようにした。
【0073】
半導体業界における典型的な許容誤差範囲に基づいて、図11及び図12に上限値及び下限値で示すようにある範囲の許容可能な固体含有率及び密度を規定した。これらの図面にはまた、5回の試験の各々に対する固体含有率及び密度がそれぞれ示してある。全ての場合、固体含有率は許容可能範囲内であり、密度は1回を除く全ての場合に許容可能範囲内であった。このことは、本発明の混合システムが許容可能なプロセス材料の混合体を繰り返して製造することが可能であることを実証するものである。
【0074】
本明細書に記載した要素の各々又はその2つ以上は、互いに改変し又は上述したもの以外の用途に適用可能であることも理解されよう。以上、本発明の特定の実施の形態を図示し且つ説明したが、特許請求の範囲によって規定されている本発明の精神から逸脱することなく、色々な改造及び置換を為すことも可能であり、本発明は、図示した細部に限定されることは意図されていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合したプロセス材料を供給する方法において、
複数のプロセス材料を複数の材料供給管を通じて供給することと、
複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサー内で複数のプロセス材料を混合することと、
プロセス制御システムであって、
コントローラと、
プロセス材料の所望の混合体を表わす入力信号を提供すべくコントローラに接続された入力装置と、
複数の材料供給管の一方に及びコントローラに接続された第一の弁と、を備えるプロセス制御システムにより、複数のプロセス材料の供給を調節することと、
入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上を保持することと、
保持容器の入口及び出口に接続された再循環管内で複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上を再循環させることと、
再循環管に及び複数の材料供給管の1つ又は2つ以上に接続された第二の弁により複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上の一部分を複数の材料供給管の1つに向けることと、を備えた混合したプロセス材料を供給する方法。
【請求項1】
混合したプロセス材料を供給する方法において、
複数のプロセス材料を複数の材料供給管を通じて供給することと、
複数の材料供給管の下流に配置されたスタティックミキサー内で複数のプロセス材料を混合することと、
プロセス制御システムであって、
コントローラと、
プロセス材料の所望の混合体を表わす入力信号を提供すべくコントローラに接続された入力装置と、
複数の材料供給管の一方に及びコントローラに接続された第一の弁と、を備えるプロセス制御システムにより、複数のプロセス材料の供給を調節することと、
入口及び出口を有する保持容器内で複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上を保持することと、
保持容器の入口及び出口に接続された再循環管内で複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上を再循環させることと、
再循環管に及び複数の材料供給管の1つ又は2つ以上に接続された第二の弁により複数のプロセス材料の1つ又は2つ以上の一部分を複数の材料供給管の1つに向けることと、を備えた混合したプロセス材料を供給する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−71304(P2012−71304A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−236276(P2011−236276)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2002−515403(P2002−515403)の分割
【原出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(507145075)セレリティ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236276(P2011−236276)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2002−515403(P2002−515403)の分割
【原出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(507145075)セレリティ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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