説明

プロテアソーム阻害剤としてのサリノスポラミド誘導体

本明細書には、プロテアソーム阻害剤としての、4位の置換基にスルホン酸エステル、エステル又はエーテル基を含む、式(I)の6−オキサ−2−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−3,7−ジオン又は複素二環式γ−ラクタム−β−ラクトン誘導体を開示する。これらの式(I)のサリノスポラミド誘導体は、医薬組成物中に含まれてもよく、癌、微生物病又は炎症等の疾病又は状態の処置又は回復に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、図面を含めて、その全体が参照により本明細書に組み入れられる「プロテアソーム阻害剤(PROTEASOME INHIBITORS)」と題された2008年5月12日出願の米国仮特許出願第61/052,576号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、化学及び医学の分野で使用し得る特定の化合物、及び該特定の化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
癌は、米国内で主要な死因となっている。癌を治療する新しい手法を見出すかなりの努力にも拘わらず、処置の主な選択肢は、依然として外科手術、化学療法及び放射線療法の単独又は組み合わせである。しかしながら、外科手術及び放射線療法は一般に、明確に定義された癌の種類のみに有用であり、播種性の疾病を有する患者の処置における使用に限定されている。化学療法は一般に、白血病等の転移性癌又はびまん性癌を有する患者の処置に有用な方法である。化学療法は治療的利益を提供できるが、患者の癌細胞が化学療法薬に耐性となることにより、度々、疾病を治癒し損なう結果となる。一部には癌細胞が化学療法薬に耐性となる可能性により、それらの薬剤は通常、組み合わせて使用されて患者が処置される。
【0004】
同様に、例えば細菌、真菌及び原生動物を原因とする感染症は、処置及び治癒が益々困難になっている。例えば、より多数の細菌、真菌及び原生動物が、現在の抗生物質及び化学療法薬に対する耐性を発達させている。そのような微生物の例には、バチルス、リーシュマニア、マラリア原虫及びトリパノソーマが含まれる。
【0005】
更に、益々多くの疾病及び医学的状態が炎症性疾病として分類されている。それらの疾病には、例えば喘息から心血管系疾病までの状態が含まれる。これらの疾病は、新しい治療及び医学的進歩にも関わらず、世界中で益々多数の人々を冒し続けている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Okami,Y. 1993 J Mar Biotechnol 1:59
【非特許文献2】Bull,A. T. et al. 2000 Microbiol Mol Biol Rev 64:573
【非特許文献3】Cragg,G.M. & D.J. Newman 2002 Trends Pharmacol Sci 23:404
【非特許文献4】Kerr,R.G. & S. S. Kerr 1999 Exp Opin Ther Patents 9: 1207
【非特許文献5】Moore,B. S 1999 Nat Prod Rep 16:653
【非特許文献6】Faulkner,D.J. 2001 Nat Prod Rep 18: 1
【非特許文献7】Mayer,A. M. & V. K. Lehmann 2001 Anticancer Res 21:2489
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、癌、炎症性疾病及び感染症を処置する更なる化学療法薬、抗菌薬、及び抗炎症薬が必要とされている。新しい潜在的に有用な化学療法薬及び抗菌薬を同定するために、個々の研究者、学術研究機関及び会社の努力が継続している。
【0008】
海洋由来の天然産物は、潜在的な新しい抗癌剤及び抗菌薬の豊富な供給源である。海は大規模かつ複雑であり、圧力、塩分及び温度が極めて様々な環境内で生じる多様な微生物
の集団を住まわせている。従って、海洋微生物は、極度かつ多様な生息地内での生存を確実にするのみでなく、陸上微生物には見られない代謝産物を生成する可能性を提供する、独特の代謝能力及び生理学的能力を発達させてきた(非特許文献1)。そのような代謝産物の代表的な構造的クラスには、テルペン、ペプチド、ポリケチド、及び雑多な生合成起源を有する化合物が含まれる。これらの分子の多数は、明かな抗腫瘍、抗菌、抗真菌、抗炎症又は免疫抑制活性を有し(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;
非特許文献6;非特許文献7)、この供給源の、測り知れぬほど貴重な治療薬の単離における有用性を実証している。更に、現在市場に出ているものを代替する機構的クラスを示す新規な抗癌剤及び抗菌剤の単離は、バイオテロリズム目的で病原体に操作される可能性のある、メカニズム−ベースのあらゆる耐性を含む耐性の問題を対処する助けとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示する実施形態は、一般に、スルホン酸エステル、カルボン酸エステル又はエーテル基を含む複素環式化合物、及びその類似体を含む化合物に関する。いくつかの実施形態は、化学的化合物、及び一種以上の化学的化合物を含有する医薬組成物に関する。別の実施形態は、化学的化合物の合成方法に関する。尚別の実施形態は、一種以上の化学的化合物、又は一種以上の化学的化合物を含有する医薬組成物により、疾病又は状態を処置し及び/又は回復させる方法に関する。
【0010】
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、式(I):
【化1】

(式中、R1、R2、R3、E1、E2、E3、E4、E5及びnは、本明細書に記載されている)の化合物、又はそれらの、薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグに関する。
【0011】
本明細書に記載する別の実施形態は、式(I)の化合物の合成方法に関し、該方法は、式(A)の化合物をAgF又はAgF−CaF2等の銀試薬と反応させて、式(B)の化合物を形成した後、式(B)の化合物を、
【化2】

【化3】

又はXB−RCと反応させて式(I)の化合物を形成することを含む。変数R1、R2、R3、E1、E2、E3、E4、E5、RA、RB、RD、EA、EB、ED、EE.EE、XA、XB、RC
、n及びm。
【化4】

(a)=
【化5】

【化6】

又は、XB−RC
【0012】
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、本明細書に記載する一種以上の化合物、例えば式(I)の化合物等、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグと、希釈剤、賦形剤及び担体から選択される一つ以上とを含有してもよい医薬組成物に関する。
【0013】
本明細書に記載する別の実施形態は、新生物疾病を処置、緩和又は診断する方法に関し、該方法は、対象に治療的有効量の本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、又はそれらの、薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は本明細書に記載する医薬組成物、例えば式(I)の化合物の一種以上を含有する医薬組成物等を投与することを含んでもよい。
【0014】
本明細書に記載する別の実施形態は、癌細胞の増殖を阻害する方法に関し、該方法は、癌細胞を有効量の本明細書に記載する一種以上の化合物、例えば式(I)の化合物等、又はそれらの薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は式(I)の化合物の一種以上を含有する医薬組成物と接触させることを含んでもよい。
【0015】
本明細書に記載する一実施形態は、プロテアソーム活性を阻害する方法に関し、該方法は、細胞を有効量の本明細書に記載する一種以上の化合物、例えば式(I)の化合物等、又はそれらの薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は式(I)の化合物の一種以上を含有する医薬組成物と接触させることを含んでもよい。
【0016】
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、NF−κB活性を阻害する方法に関し、該方法は、細胞を、本明細書に記載する一種以上の有効量の化合物(例えば、式(I)の化合物)、又はそれらの薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は式(I)の化合物の一種以上を含有する医薬組成物と接触させることを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】20Sプロテアソームにおける透析実験の、数種の式(I)の化合物による結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
多数の参考文献が本明細書に引用されている。本明細書に引用される米国特許を含む本明細書に引用される参考文献は各々、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられるものと考慮される。
【0019】
サリノスポラミドA及びその類似体は、様々な生物学的活性を有する。サリノスポラミドAの構造を下記に示す。
【化7】

サリノスポラミドA及びその類似体がプロテアソーム阻害活性を有し、NF−κB/IκBシグナル伝達経路を生じ、抗炭疽活性を有することを示す研究が行われている。サリノスポラミドA及び数種の類似体、並びにその生物学的活性は、2003年6月20日出願の米国仮特許出願第60/480,270号;2004年4月30日出願の米国仮特許出願第60/566,952号;2004年11月12日出願の米国仮特許出願第60/627,461号;2004年12月3日出願の米国仮特許出願第60/633,379号;2005年1月13日出願の米国仮特許出願第60/643,922号;2005年3月4日出願の米国仮特許出願第60/658,884号;2005年4月29日出願の米国仮特許出願第60/676,533号;2004年4月30日出願の米国仮特許出願第60/567336号;2004年6月18日出願の米国仮特許出願第60/580,838号;2004年7月26日出願の米国仮特許出願第60/591,190号;2004年11月12日出願の米国仮特許出願第60/627,462号;2005年1月13日出願の米国仮特許出願第60/644,132号;2005年3月4日出願の米国仮特許出願第60/659,385号;2008年3月7日出願の米国仮特許出願第61/034,900号及び2008年6月18日出願の米国仮特許出願第61/073,545号;2004年6月18日出願の米国特許出願第10/871,368号;2005年4月29日出願の米国特許出願第11/118,260号;2006年4月27日出願の米国特許出願第11/412,476号;2006年6月15日出願の米国特許出願第11/453,374号;2007年10月1日出願の米国特許出願第11/865,704号;2007年4月6日出願の米国特許出願第11/697,689号;2008年6月10日出願の米国特許出願第12/136,688号及び2009年3月6日出願の米国特許出願第12/399,382号;並びに2004年6月18日出願の国際特許出願第PCT/US2004/019543号;2005年12月2日出願のPCT/US2005/044091号;2005年4月29日出願のPCT/US2005/014846号;2006年4月27日出願のPCT/US2006/016104号;2007年4月6日出願のPCT/US2007/008562号;2009年3月6日出願のPCT/US2009/036376号に記載されており;これらは各々、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0020】
本明細書には、スルホン酸エステル、カルボン酸エステル又はエーテル基を含むサリノ
スポラミドAの類似体を開示する。また本明細書には、スルホン酸エステル、カルボン酸エステル又はエーテル基を有するサリノスポラミドA類似体の一種以上を含有する医薬組成物、スルホン酸エステル、カルボン酸エステル又はエーテル基を有するサリノスポラミドA類似体の製造方法、並びに癌、微生物病及び/又は炎症等の疾病又は状態を処置し及び/又は回復させるためのスルホン酸エステル、カルボン酸エステル又はエーテル基を有するサリノスポラミドA類似体の使用方法も開示する。いくつかの実施形態において、サリノスポラミドAの類似体は、嵩高いスルホン酸エステル、嵩高いカルボン酸エステル又は嵩高いエーテル基を含んでもよい。一実施形態において、嵩高いスルホン酸エステル、嵩高いカルボン酸エステル又は嵩高いエーテル基を含むサリノスポラミドAの類似体は、向上されたカスパーゼ活性の阻害を有する。
【0021】
別に指定されない限り、置換基が「場合により置換された」又は「置換された」と見なされる場合、指示した基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルキルアミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、ハロゲン、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシルアルキル、チオケト、チオール、チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−H、−SO2−OH、−SO2−アルキル、−SO2−アリール及び−SO2−ヘテロアリール、ボロン酸アルキル、ボロン酸、(OH)2B−アルキル、ホスフェート及びリン酸エステル、ホスホノオキシ、ホスホノオキシアルキル、アジド、アジドアルキル、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、シアノ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、並びにグアニジノアルキルから個別にかつ独立して選択される一つ以上の基で置換されていてもよいことを意味する。
【0022】
基が「場合により置換された」と記載される場合は、常に、該基は、非置換であっても、又は本明細書に記載する一つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0023】
本明細書で使用されるように、任意の「R」基(一つ又は複数)、例えば非限定的にR、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Ra、Rb、RA、RB及びRCは、指示する原子に結合されてもよい置換基を表す。R基は、置換されていても又は非置換であってもよい。二つの「R」基が同一の原子又は隣接する原子に共有結合している場合、この二つの「R」基は本明細書に定義するように「一緒になって」、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又は複素環を形成し得る。例えば、非限定的に、NR1a1b基のR1aとR1bとが「一緒になって」と示される場合、それらは互いに共有結合して環:
【化8】

を形成することを意味する。
【0024】
本明細書で使用されるように、「m」及び「n」が整数である「Cm〜Cn」は、アルキル、アルケニル若しくはアルキニル基の炭素原子の数、又はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl)基の環内の炭素原子の数を指す。即ち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、シクロアルキニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環又はヘテロアリシクリルの環は、「m」〜「n」個(m及びnを含む)の炭素原子を有し得る。従って、例えば、「C1〜C4アルキル」基は、1〜4個の炭素を有する全アルキル基、即ちCH3−、CH3CH2−、CH3CH2CH2−、(CH32CH−、CH3CH2CH2CH2−、CH3CH2CH(CH3)−及び(CH33C−を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルシクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロアリシクリル基に関して、「m」及び「n」が指定されていない場合、これらの定義に記載された最も広い範囲を想定するべきである。本明細書に出現する場合は常に、「1〜20」等の数の範囲は、所定の範囲内の各整数を指す。例えば、「1〜20個の炭素原子」は、指示する基が1個、2個、3個等の、20個まで(20個を含む)の炭素原子からなり得ることを意味する。
【0025】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、非分岐状又は分岐状の置換又は非置換の、好ましくはC1〜C24の任意の飽和炭化水素を意味し、C1〜C6炭化水素が好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル及びtert−ブチル、並びにペンチルが最も好ましい。
【0026】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、一つ以上の二重結合を含む非分岐状又は分岐状の、置換又は非置換の任意の不飽和炭化水素を意味する。アルケニル基のいくつかの例には、アリル、ホモアリル、ビニル、クロチル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル及びオクテニルが含まれる。
【0027】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、一つ以上の三重結合を有する非分岐状又は分岐状の、置換又は非置換の任意の不飽和炭化水素を意味する。
【0028】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキル」は、完全に飽和された(二重又は三重結合を全く有さない)単環式又は多環式の炭化水素環系を指す。二つ以上の環から構成される場合、環は、縮合により一緒に連結されてもよい。シクロアルキル基は、環(一つ又は複数)内に3〜10個の原子、又は環(一つ又は複数)内に3〜8個の原子を含んでもよい。シクロアルキル基は、非置換であっても又は置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を含むが、決してこれらに限定されるわけではない。
【0029】
本明細書で使用されるように、「シクロアルケニル」は、少なくとも一つの環内に一つ以上の二重結合を含む、単環式又は多環式の炭化水素環系を指すが;二つ以上の二重結合が存在する場合、二重結合は、全部の環に亘って完全に非局在化したπ電子系を形成することができない(さもなければ、この基は本明細書に定義する「アリール」であろう)。二つ以上の環から構成される場合、環は、縮合により一緒に接続されてもよい。シクロアルケニル基は、非置換であっても又は置換されていてもよい。
【0030】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキニル」は、少なくとも一つの環内に一つ以上の三重結合を含む、単環式又は多環式の炭化水素環系を指す。二つ以上の三重結合が存在する場合、三重結合は、全部の環に亘って完全に非局在化したπ電子系を形成することができない。二つ以上の環から構成される場合、環は、縮合により一緒に連結されてもよい。シクロアルキニル基は、非置換であっても又は置換されていてもよい。
【0031】
用語「アシル」は、置換基として、カルボニル基を介して接続された水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルを指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル及びアクリルが挙げられる。アシルは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0032】
用語「カルボキシ」基は、「−C(=O)OR」基を指し、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであってもよい。カルボキシは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0033】
本明細書で使用されるように、「アリール」は、全部の環に亘って完全に非局在化したπ電子系を有する炭化水素の単環式又は多環式の芳香族環系を指す。アリール基の炭素原子の数は、様々であってもよい。例えば、アリール基はC6〜C14アリール基、C6〜C10アリール基、又はC6アリール基であってもよい。また、用語「アリール」は、二つの炭素環が少なくとも1つの化学結合を共有する縮合環系を含む。「アリール」環のいくつかの例には、場合により置換されたフェニル、ナフタレニル、フェナントレニル及びアントラセニルが含まれる。アリール基は、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0034】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄を含むが、これらに限定されない一種以上のヘテロ原子、即ち炭素以外の元素を含む単環式又は多環式の芳香族環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環(一つ又は複数)内の原子の数は、様々であってもよい。例えば、ヘテロアリール基は環(一つ又は複数)内に4〜14個の原子、環(一つ又は複数)内に5〜10個の原子、又は環(一つ又は複数)内に5〜6個の原子を含んでもよい。更に、用語「ヘテロアリール」は、二つの環、例えば少なくとも一つのアリール環と少なくとも一つのヘテロアリール環、又は少なくとも二つのヘテロアリール環が少なくとも一つの化学結合を共有する縮合環系を含む。ヘテロアリールは、置換されていても又は非置換であってもよい。ヘテロアリールの例の非限定的なリストは、フラン、チオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン(benzothiopene)及びキノリンを含む。
【0035】
用語「複素環」及び「ヘテロシクリル」は、3、4、5、6、7、8、9、10、18員までの単環、二環、及び三環系であって、炭素原子が1〜5個のヘテロ原子と共に前記環系を構成する、環系を意味することが意図される。複素環は、場合により一つ以上の不飽和結合を含んでもよいが、該不飽和結合は、完全に非局在化したπ電子系が全部の環に亘って生じないように配置されている。ヘテロ原子は酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される。複素環は更に一つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を含んで、その定義がラクタム類、ラクトン類、環状イミド類、環状チオイミド類、環状カルバメート類等のオキソ系及びチオ系を含むようにしてもよい。二つ以上の環から構成される場合、環は、縮合により一緒に連結されてもよい。ベンゾ縮合ヘテロシクリル基の例としては、ベンゾイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン及びメチレンジオキシベンゼン環構造が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ヘテロシクリルのいくつかの例としては、テトラヒドロチオピラン、4H−ピラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、1,3−ジオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキシン、1,4−ジオキサン、ピペラジン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシ
ル、モルホリン、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ピリジニウム、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジノン(pyrrolidione)、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、及び1,3−オキサチオランが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。複素環基は、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0036】
用語「アルコキシ」は、非分岐状又は分岐状の、置換又は非置換の任意の飽和又は不飽和エーテルを指す。いくつかの実施形態において、アルコキシは、酸素原子を介して指示した基に接続された非分岐状又は分岐状アルキル基である。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
【0037】
用語「(シクロアルキル)アルキルは、置換基として、低級アルキレンを介して接続されたシクロアルキル基として理解される。(シクロアルキル)アルキル基と、(シクロアルキル)アルキル基の低級アルキレンは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0038】
用語「(複素環)アルキル」及び「(ヘテロシクリル)アルキル」は、置換基として、低級アルキレンを介して接続された複素環基として理解される。(複素環)アルキル基の複素環基及び低級アルキレンは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0039】
用語「アリールアルキル」は、置換基として、低級アルキレンを介して接続されたアリール基を意味することが意図され、各低級アルキレンは本明細書に定義されている。アリールアルキルのアリール基及び低級アルキレンは、置換されていても又は非置換であってもよい。例としては、ベンジル、置換ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、及びナフチルアルキルが挙げられる。
【0040】
用語「ヘテロアリールアルキル」は、置換基として、低級アルキレンを介して接続されたヘテロアリール基として理解され、各低級アルキレンは本明細書に定義されている。ヘテロアリールアルキル基のヘテロアリール及び低級アルキレンは、置換されていても又は非置換であってもよい。例としては、2−チエニルメチル、3−チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、イミダゾリルアルキル、並びにそれらの置換類似体及びベンゾ縮合類似体が挙げられる。
【0041】
用語「ハロゲン原子」は、本明細書で使用されるように、元素周期律表の第7列の任意の放射安定性原子、即ちフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、臭素及び塩素が好ましい。
【0042】
本明細書で使用されるように、用語「一置換アミン」は「−NHR」基を指し、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであってもよい。一置換アミンは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「二置換アミン」は「−NR’R’」基を指し、各R’は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであってもよい。二置換アミンは、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0044】
本明細書で使用されるように、以下の用語は、化学文献にて受け入れられるそれらの意味を有する。
ACN アセトニトリル
C−L カスパーゼ様
CT−L キモトリプシン様
DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDTA エチレンジアミンテトラ酢酸
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRESIMS 高分解能質量分析法
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
T−L トリプシン様
【0045】
本明細書で使用されるように用語「保護基部分」(一つ及び複数)は、分子に加えられて分子内の現存する基が望ましくない化学反応を受けることを防止する、任意の原子又は原子の基を指す。保護基部分の例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis,3. Ed. John Wiley & Sons,1999、及びJ. F. W. McOmie,Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press,1973に記載されており、これらの両方は参照により本明細書に組み入れられる。保護基部分は、適用される反応条件に安定であり、かつ当技術分野で公知の方法論を用いて都合のよい段階で容易に除去されるよう選択されてもよい。保護基の非限定的なリストは、ベンジル;置換ベンジル;アルキルカルボニル類(例えば、t−ブトキシカルボニル(BOC));アリールアルキルカルボニル類(例えば、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル);置換メチルエーテル(例えば、メトキシメチルエーテル);置換エチルエーテル;置換ベンジルエーテル;テトラヒドロピラニルエーテル;シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、又はt−ブチルジフェニルシリル);エステル類(例えば、安息香酸エステル);炭酸エステル類(例えば、炭酸メトキシメチル);スルホン酸エステル類(例えば、トシル酸エステル、メシル酸エステル);非環状ケタール(例えば、ジメチルアセタール);環状ケタール類(例えば、1,3−ジオキサン又は1,3−ジオキソラン);非環状アセタール;環状アセタール;非環状ヘミアセタール;環状ヘミアセタール;及び環状ジチオケタール(例えば、1,3−ジチアン又は1,3−ジチオラン)を含む。本明細書で使用されるように、非限定的にPG1、PG2及びPG3等の任意の「PG」基(一つ又は複数)は、保護基部分を表す。
【0046】
本明細書で使用されるように「脱離基」は、化学反応において他の原子又は部分で置換可能な任意の原子又は部分を指す。より詳細には、いくつかの実施形態において「脱離基」は、求核置換反応において置換される原子又は部分を指す。いくつかの実施形態において「脱離基」は、強酸の共役塩基である任意の原子又は部分である。好適な脱離基の例には、トシレート及びハロゲンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。脱離基の非限定的な特徴及び例は、例えばOrganic Chemistry,2d ed., Francis Carey (1992),pages 328-331 ; Introduction to Organic Chemistry,2d ed.,Andrew Streitwieser and Clayton Heathcock (1981), pages 169-171;及びOrganic Chemistry, 5th ed., John McMurry (2000), pages 398 and 408;に見出すことができ、これらの全ては、脱離基の特徴及び例を開示する限定された目的のために、参照により本明細書に組み入れられる。
【0047】
本明細書で使用されるように用語「純粋な」「精製された」「実質的に精製された」及
び「単離された」は、化合物が、天然の状態に見出された場合、その天然の状態で関連し得る他の異種化合物が存在しない、実施形態の化合物を指す。本明細書で「純粋な」「精製された」「実質的に精製された」又は「単離された」と記載される所定の実施形態において、化合物は、与えられたサンプルの質量の少なくとも0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%又は20重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%又は75重量%含まれてもよい。
【0048】
用語「誘導体」「変形」又は他の同様の用語は、他の化合物の類似体である化合物を指す。
【0049】
本明細書で使用されるように、任意の保護基、アミノ酸、及び他の化合物に関する略語は、別に示されない限り、それらの通常の用法、認められている略語、又はIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature (Biochem. 11 :942-944 (1972)参照)に従う。
【0050】
本明細書に記載する一つ以上のキラル中心を有する任意の化合物において、絶対立体化学が明白に示されない場合、各中心は独立してR−配置若しくはS−配置であり又はその混合物であり得ることが理解される。従って、本明細書に提供する化合物は、エナンチオマー的に純粋であり又は立体異性混合物であり得る。加えて、本明細書に記載する、E又はZと定義し得る幾何異性体を生成する一つ以上の二重結合を有する任意の化合物において、各二重結合は、独立してE又はZ、それらの混合物であり得ることが理解される。同様に、全ての互変異性形態も含まれることが意図される。
【0051】
「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、多くの場合、ある状況においては親薬物よりも容易に投与できるため有用である。プロドラッグは、例えば経口投与により生物学的に利用可能であり得るが、親薬物はそうではない。プロドラッグはまた、医薬組成物に対する溶解度が、親薬物と比較して改善されている場合がある。プロドラッグの一例は、非限定的に、エステル(「プロドラッグ」)として投与されて、水溶性が移動性に有害である細胞膜を横切った透過が容易にされるが、次いで水溶性が有益である細胞内に入った後に、活性実体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される化合物であろう。プロドラッグの更なる例は、酸基に結合した短ペプチド(ポリアミノ酸)であってもよく、該ペプチドは代謝されて活性部分が出現する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来の手順は、例えば、Design of Prodrugs (ed. H. Bundgaard,Elsevier,1985)に記載されており、該文献は、好適なプロドラッグ誘導体の手順及び調製を記載する限定された目的のために、参照により本明細書に組み入れられる。
【0052】
用語「プロドラッグエステル」は、数種のエステル形成基のいずれかを加えることにより形成された、生理学的条件下で加水分解される、本明細書に開示する化合物の誘導体を指す。プロドラッグエステル基の例には、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、インダニル及びメトキシメチル、並びに(5−R−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基を含む、当技術分野にて公知のそのような他の基が挙げられる。プロドラッグエステル基の他の例は、例えば、T. Higuchi 及びV. Stellaの「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」,Vol. 14、A. C. S. Symposium Series,American
Chemical Society (1975);及び「Bioreversible Carriers in Drug Design: Theory and
Application」,E. B. Rocheにより編集、Pergamon Press: New York,14-21 (1987)に見出すことができる(カルボキシル基を含有する化合物のプロドラッグとして有用なエステルの例を提供する)。上述した各参考文献は、プロドラッグエステルを形成し得るエステル形成基を開示する目的のために、参照により本明細書に組み入れられる。
【0053】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、それが投与される生物体に有意な刺激を起こさず、また化合物の生物学的活性と性質とを無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態において、塩は化合物の酸付加塩である。医薬塩は、化合物をハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)等の無機酸、硫酸、硝酸、リン酸等と反応させることにより得ることができる。医薬塩は、化合物を脂肪族又は芳香族のカルボン酸又はスルホン酸等の有機酸、例えば酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸又はナフタレンスルホン酸と反応させることによっても得ることができる。医薬塩は、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、ナトリウム又はカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1〜C7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等の有機塩基の塩、及びアルギニン、リシン等のアミノ酸との塩等の塩を形成することによっても得ることができる。
【0054】
化合物
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、式(I):
【化9】

の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグに関する
(式中:R1は、
【化10】

【化11】

及び
【化12】

から選択される構造を有してもよく、R4は、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく、ここでR4は、場合により
【化13】

で置換されてもよく、Aは以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1はO(酸素)、S(硫黄)、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換の、ベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択されてもよく;R2は、水素、ハロゲン、シアノ、以下の残基:C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C3〜C12シクロアルキニル、C3〜C12ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキル、アシル、アシルアルキル、アルキルオキシカルボニルオキシ、カルボニルアシル、アミノカルボニル、アジド、アジドアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;R3は、水素、ハロゲン、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;nは1、2又は3であってもよく;E1、E3、E4及びE5は、各々独立して置換又は非置換のヘテロ原子であってもよく;E2は、置換又は非置換のヘテロ原子(NH等)又は−CH2−基であってもよく;但しR1
【化14】

の場合、R4は92g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有し;R1
【化15】

又は
【化16】

の場合、R4は77g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有することを条件とする)。
【0055】
いくつかの実施形態において、R1
【化17】

の場合、R4は107g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する。別の実施形態において、R1
【化18】

又は
【化19】

の場合、R4は92g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する。一実施形態において、R1
【化20】

の場合、R4は122g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する。別の実施形態において、R1
【化21】

又は
【化22】

の場合、R4は107g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、R1は:
【化23−1】

【化23−2】

から選択される構造を有してもよい。
(式中:R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R9a、R9b、R9c、R9d、R9e、R13a、R13b、R13c、R13d及びR13eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホ
ニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;R6a、R6b、R6c、R10a、R10b、R10c、R14a、R14b及びR14cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;R7a、R7b、R7c、R11a、R11b、R11c、R15a、R15b及びR15cは、各々独立して:水素、ハロ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、ニトロ、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、シアノ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;R8a、R8b、R8c、R8d、R12a、R12b、R12c、R12d、R16a、R16b、R16c及びR16dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキル、並びに−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;B、D及びFは、各々独立して:以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;C、E及びGは、各々独立して:以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換
又は非置換の変形から選択されてもよく;Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択される。)
【0057】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化24】

を有してもよい。
(式中、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0058】
いくつかの実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、及びカルボキシの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。別の実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、一置換、多置換又は非置換のC1-24アルキル、アリール、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、一置換アミン、一置換、多置換又は非置換のアルコキシ、及び一置換、多置換又は非置換のカルボキシから選択される。
【0059】
いくつかの実施形態において、R1が構造:
【化25】

を有する場合、R1のフェニル環は、非置換のフェニル環、オルト置換フェニル環、メタ置換フェニル環又はパラ置換フェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも一つは水素ではない。別の実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも二つは水素ではない。尚別の実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも三つは水素ではない。また尚別の実施形態において、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも四つは水素ではない。一実施形態において、R5cは水素ではない。例えば、R5cが水素ではない場合、R5cは、ハロゲン、ニトロ、トリハロアルキル(例えば、CF3)、トリハロアルコキシ(例えば、OCF3)、アシル(例えば、C(=O)OH)及びC1-6アルキルから選択されてもよい。いくつかの実施形態において、R5b又はR5dの少なくとも一つは水素ではない。例として、R5b又はR5dの少なくとも一つは、C(=O)OH等のアシル基であってもよい。別の実施形態において、R5cは水素ではなく、かつR5b又はR5dの少なくとも一つは水素ではない。従って、フェニル環はパラ及びメタ置換フェニル環である。一実施形態において、R5b又はR5dはニトロ基であってもよく、かつR5cは一置換アミンであってもよい。別の実施形態において、R5cは水素ではなく、かつR5a又はR5eの少なくとも一つは水素ではない。従って、フェニル環はパラ及びオルト置換フェニル環である。例として、R5cはC1-6アルキル基であってもよく、R5a及びR5eの一方又は両方もC1-6アルキル基であってもよい。
【0060】
1の非限定的なリストは、以下を含む:


【化26−1】

【化26−2】

【0061】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化27】

を有してもよい。(式中:R6a、R6b及びR6cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Bは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0062】
一実施形態において、Bは、一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。例えば、Bは、一置換、多置換又は非置換のフェニルであってもよい。いくつかの実施形態において、Bは、一置換フェニルであってもよい。別の実施形態において、Bは、非置換のフェニルであってもよい。別の実施形態において、Bは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Bは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Bは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Bは一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R6a、R6b及びR6cは、各々水素であってもよい。一実施形態において、R6a、R6b及びR6cは、各々水素であってもよく、かつBは、一置換、多置換又は非置換のフェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Bは、アミノ、一置換アミノ、又は二置換アミノで置換された置換フェニル環であってもよい。
【0063】
1の例には、以下が含まれる:
【化28】

【0064】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化29】

を有してもよく、R7a、R7b及びR7cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジンの塩及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Cは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、Cは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。一実施形態において、Cは、多置換ヘテロシクリル環であってもよい。この段落のものを含むいくつかの実施形態において、R7a、R7b及びR7cは、各々C1-24アルキル(例えば、メチル等のC1-6アルキル)であってもよい。この段落のものを含む別の実施形態において、R7a、R7b及びR7cは、各々水素であってもよい。
【0066】
構造
【化30】

を有するR1の一例は、
【化31】

である。
【0067】
別の実施形態において、Cは、例えば一置換、多置換又は非置換のフェニル等の一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。一実施形態において、Cは、非置換のフェニルであってもよい。尚別の実施形態において、Cは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。また尚別の実施形態において、Cは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Cは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。この段落のものを含むいくつかの実施形態において、R7a、R7b及びR7cは、各々水素であってもよい。一例として、Cが一置換、多置換又は非置換のアリール環の場合、R7a、R7b及びR7cは、各々水素であってもよい。
【0068】
構造
【化32】

を有するR1の一例は、
【化33】

である。
【0069】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化34】

を有してもよい。(式中、R8a、R8b、R8c及びR8dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モ
ノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択される。)一実施形態において、R17、R17a及びR17bは、独立してH又はC1-4アルキルであってもよい。
【0070】
1
【化35】

の場合、いくつかの実施形態において、Aは一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。例えば、Aは、一置換、多置換又は非置換のフェニルであってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のフェニル環であってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換フェニル環であってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のヘテロアリール環であってもよい。別の実施形態において、Aは、多置換ヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、Z1は、O(酸素)であってもよい。別の実施形態において、Z1は、N=Nであってもよい。
【0072】
1の例は、構造:
【化36】

を有してもよく、以下を含むが、これらに限定されるわけではない:
【化37】

【0073】
構造:
【化38】

を有するR1に関連して記載される任意の実施形態において、R8a、R8b、R8c及びR8dは、各々水素であってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化39】

を有してもよい。(式中、R9a、R9b、R9c、R9d及びR9eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハ
ロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0075】
いくつかの実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、及びヒドロキシの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。別の実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eは、各々独立して:水素、ハロ、シアノ、一置換、多置換又は非置換のC1-24アルキル、一置換、多置換又は非置換のアリール、アミノ、トリハロアルキル、一置換、多置換又は非置換のアルコキシ、及びヒドロキシから選択されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、R1が構造:
【化40】

を有する場合、R1のフェニル環は、非置換のフェニル環、オルト置換フェニル環、メタ置換フェニル環又はパラ置換フェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも一つは水素ではない。別の実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも二つは水素ではない。尚別の実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも三つは水素ではない。また尚別の実施形態において、R9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも四つは水素ではない。一実施形態において、R9cは水素ではない。例えば、R9cが水素ではない場合、R9cはハロゲン、アルコキシ、トリハロアルキル(trihalolalkyl)(例えば、CF3)、シアノ、C1-8アルキル、アミノ、ヒドロキシ、及びアリールから選択されてもよい。一実施形態において、R9cがアリール環の場合、アリール環は、場合により置換されたフェニル環であってもよい。別の実施形態において、R9cがアリール環の場合、アリール環は非置換のフェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R9b又はR9dの少なくとも一つは水素ではない。例として、R9b又はR9dの少なくとも一つは、ハロゲンであってもよい。別の実施形態において、R9cは水素ではなく、かつR9b又はR9dの少なくとも一つは水素ではない。従って、フェニル環はパラ及びメタ置換フェニル環である。いくつかの実施形態において、R9cは水素ではなく、かつR9a又はR9eの少なくとも一つは水素ではない。従って、フェニル環はパラ及びオルト置換フェニル環である。例として、
9cはC1-8アルキル基であってもよく、かつR9a及びR9eの一方又は両方も、C1-8アルキル基であってもよい。
【0077】
構造
【化41】

を有するR1の例は、以下を含むが、これらに限定されるわけではない:
【化42】

【0078】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化43】

を有してもよい。(式中、R10a、R10b及びR10cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Dは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0079】
いくつかの実施形態において、Dは、一置換、多置換又は非置換のフェニル等の一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。一実施形態において、Dは、一置換フェニルであってもよい。別の実施形態において、Dは、非置換のフェニルであってもよい。別の実施形態において、Dは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Dは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Dは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Dは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。この段落のものを含むいくつかの実施形態において、R10a、R10b及びR10cは、各々水素であってもよい。
【0080】
1の一例は:
【化44】

である。
【0081】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化45】

を有してもよい。(式中:R11a、R11b及びR11cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Eは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0082】
いくつかの実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。一実施形態において、Eは、多置換ヘテロアリール環であってもよい。いくつかの実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。一実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のフェニル環であってもよい。尚別の実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Eは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。本段落に記載するものを含むいくつかの実施形態において、R11a、R11b及びR11cは、各々水素であってもよい。別の実施形態において、R11a、R11b及びR11cは、各々C1-4アルキルであってもよい。
【0083】
1
【化46】

である、例の非限定的なリストは:
【化47】


【化48】

又は
【化49】

である。
【0084】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化50】

を有してもよい。(式中、R12a、R12b、R12c及びR12dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N
(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択される。)いくつかの実施形態において、R17、R17a及びR17bは、独立してH又はC1-4アルキルであってもよい。
【0085】
1
【化51】

の場合、いくつかの実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のアリール環、例えば、一置換、多置換又は非置換のフェニルであってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のフェニルであってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換フェニルであってもよい。いくつかの実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のヘテロアリール環であってもよい。別の実施形態において、Aは、多置換ヘテロアリール環であってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。
【0086】
同様に、R1
【化52】

の場合、一実施形態において、Z1は、O(酸素)であってもよい。別の実施形態において、Z1は、O(CH21-6であってもよい。尚別の実施形態において、Z1は、N=Nであってもよい。
【0087】
構造:
【化53】

を有するR1に関連して記載される任意の実施形態において、R12a、R12b、R12c及びR12dは、各々水素であってもよい。
【0088】
【化54】

の例は、以下を含むが、これらに限定されるわけではない:
【化55】

【0089】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化56】

を有してもよい。(式中、R13a、R13b、R13c、R13d及びR13eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホ
オキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0090】
いくつかの実施形態において、R13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、カルボキシ及びヒドロキシの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、R1が、構造:
【化57】

を有する場合、R1のフェニル環は、非置換のフェニル環、オルト置換フェニル環、メタ置換フェニル環又はパラ置換フェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも一つは、水素ではない。別の実施形態において、R13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも二つは、水素ではない。尚別の実施形態において、R13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも三つは、水素ではない。また尚別の実施形態において、R13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも四つは、水素ではない。一実施形態において、R13cは水素ではない。一実施形態において、R13cがアリール環の場合、アリール環は、場合により置換されたフェニル環であってもよい。別の実施形態において、R13cがアリール環の場合、アリール環は非置換のフェニル環であってもよい。いくつかの実施形態において、R13b又はR13dの少なくとも一つは水素ではない。別の実施形態において、R13cは水素ではなく、かつR13b又はR13dの少なくとも一つは水素ではない。従って、フェニル環はパラ及びメタ置換フェニル環である。いくつかの実施形態において、R13cは水素ではなく、かつR13a又はR13eの少なくとも一つは水素ではない。一実施形態において、フェニル環はパラ及びオルト置換フェニル環である。
【0092】
1が構造:
【化58】

を有する場合、R1の例の非限定的なリストは、以下を含む:
【化59−1】

【化59−2】

【0093】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化60】

を有してもよい。(式中、R14a、R14b及びR14cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノ
ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキルの塩、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルの塩、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、カルボキシ、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルコキシスルフィニルアルキル、チオシアノアルキル、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、グアニジノアルキル、グアニジノアルキルの塩、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルの塩の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Fは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又非置換の変形から選択されてもよい。)
【0094】
いくつかの実施形態において、Fは、一置換、多置換又は非置換のフェニル環等の一置換、多置換又は非置換のアリール環であってもよい。一実施形態において、Fは、一置換フェニルであってもよい。別の実施形態において、Fは、非置換のフェニルであってもよい。別の実施形態において、Fは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Fは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Fは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Fは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。この段落のものを含むいくつかの実施形態において、R14a、R14b及びR14cは、各々水素であってもよい。
【0095】
【化61】

の一例は、
【化62】

である。
【0096】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化63】

を有してもよい。(式中:R15a、R15b及びR15cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Gは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。)
【0097】
いくつかの実施形態において、Gは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。別の実施形態において、Gは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Gは、一置換、多置換又は非置換のアリール環(例えば、フェニル環)であってもよい。一実施形態において、Gは、非置換のフェニル環であってもよい。別の実施形態において、Gは、一置換フェニル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Gは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Gは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。任意の実施形態において、R1
【化64】

の場合、R15a、R15b及びR15cは、各々水素又はC1-24アルキルであってもよい。
【0098】
【化65】

の一例は、
【化66】

である。
【0099】
いくつかの実施形態において、R1は、構造:
【化67】

を有してもよい。(式中:R16a、R16b、R16c及びR16dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1
-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択される。)一実施形態において、R17、R17a及びR17bは、独立してH又はC1-4アルキルであってもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、R1
【化68】

の場合、Aは、一置換、多置換又は非置換のアリール環、例えば、一置換、多置換又は非置換のフェニルであってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のフェニルであってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換フェニルであってもよい。別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環であってもよい。一実施形態において、Aは、非置換のヘテロアリール環であってもよい。別の実施形態において、Aは、多置換ヘテロアリール環であってもよい。尚別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環であってもよい。また尚別の実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルキル環であってもよい。いくつかの実施形態において、Aは、一置換、多置換又は非置換のシクロアルケニル環であってもよい。
【0101】
1
【化69】

の場合、いくつかの実施形態において、Z1はOであってもよい。別の実施形態において、Z1はN=Nであってもよい。構造:
【化70】

を有するR1に関連して記載される任意の実施形態において、R16a、R16b、R16c及びRl6dは、各々水素であってもよい。
【0102】
本明細書に記載する任意の実施形態において、E1及びE3は、O(酸素)及びS(硫黄)から選択される置換又は非置換のヘテロ原子であってもよく;E2は、置換又は非置換のN(窒素)又は−CH2−であってもよく;E4は、O、S及びNから選択される置換又は非置換のヘテロ原子であってもよく;E5は、NH2、SH又はOHであってもよい。一実施形態において、E5は、OHであってもよい。以前の段落に記載されたものを含むい
くつかの実施形態において、R3は、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよい。本段落及び以前の段落に記載された任意の実施形態において、R2は、一置換、多置換又は非置換のC1〜C12アルキル、一置換、多置換又は非置換のC3〜C12シクロアルキル、一置換、多置換又は非置換のC3〜C12シクロアルケニル及び一置換、多置換又は非置換のアリールから選択されてもよく;R3は、一置換、多置換又は非置換のC1-6アルキルであってもよい。一実施形態において、R2は、非置換のイソプロピル又はシクロアルケニルであってもよく;R3は、メチルであってもよい。本段落及び以前の段落に記載された任意の実施形態において、nは2であってもよい。
【0103】
【化71】

の例は、以下を含むが、これらに限定されるわけではない:
【化72】

【0104】
式(I)の化合物の非限定的なリストを表1に示す。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

【表1−26】

【表1−27】

【表1−28】

【表1−29】

【0105】
合成
式(I)の化合物、及び本明細書に記載する化合物は、様々な方法で調製することができる。式(I)の化合物に至る一般的な合成経路と、式(I)の化合物の合成に使用し得る出発物質の例とを、スキーム2、3及び4に示す。図示した経路は、例示のみを目的とし、特許請求の範囲を如何様にも制限することを意図するものではなく、また制限すると解釈されるべきではない。当業者は開示した合成の変更を認識し、また本明細書の開示に基づき代替的な経路を考え出すことができるであろう;それらの修飾及び代替的経路の全ては、特許請求の範囲内に含まれる。
【化73】

【0106】
Aで示される式(A)の化合物のハロゲンを、米国特許第7,276,430号;米国特許公開第2005−0049294号、米国特許公開第2007−0249693号、米国特許公開第2005−0228186号及び米国特許公開第2006−0287520号;並びにPCT公開国際公開第2006/060809号、国際公開第2007/117591号及び国際公開第2005/099687号に開示されている経路等の一つ以上の合成経路を用いてヒドロキシ基で置き換えて、式(B)の化合物を形成し得る。式(A)の化合物は、米国特許第7,276,430号;米国特許公開第2005−0049294号、米国特許公開第2007−0249693号、米国特許公開第2005−0228186号及び米国特許公開第2006−0287520号;並びにPCT公開国際公開第2006/060809号、国際公開第2007/117591号及び国際公開第
2005/099687号に記載されている方法を用いて形成して得ることができる。代替的に、式(B)の化合物は、式(A)の化合物を銀試薬で処理して式(B)の化合物を形成することにより合成されてもよい。一実施形態において、XAはヨードであってもよい。使用し得る好適な銀試薬には、フッ化銀(Ag−F)及びAgF−CaF2が含まれるが、これらに限定されるわけではない。式(A)の化合物の銀試薬による処理は、式(B)の化合物を良好な収率で得る方法を提供する。
【0107】
式(A)及び式(B)の化合物に関するいくつかの実施形態において、RAは、水素、ハロゲン、シアノ、以下の残基:C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C3〜C12シクロアルキニル、C3〜C12ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキル、アシル、アシルアルキル、アルキルオキシカルボニルオキシ、カルボニルアシル、アミノカルボニル、アジド、アジドアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;RBは、水素、ハロゲン、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;mは、1、2又は3であってもよく;EA、EC、ED及びEEは、各々独立して置換又は非置換のヘテロ原子であってもよく;EBは、置換又は非置換のヘテロ原子(NH等)又は−CH2−基であってもよく;XAは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態において、EEは、NH2、OH又はSHであってもよい。一実施形態において、EEは、OHであってもよい。
【化74】

【0108】
次に、式(B)の化合物を、スルホニル部分、例えば
【化75】

を含む化合物と反応させて、式(I)(式中、R1は、
【化76】

である)の化合物を形成してもよい。同様に、式(B)の化合物を、例えば
【化77】

等のカルボン酸又は酸塩化物部分を含む化合物と反応させて、式(I)(式中、R1は、
【化78】

である)の化合物を形成してもよい。構造:
【化79】

又は
【化80】

を有する化合物に関しては、RCは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく、ここでRCは、場合により
【化81】

で置換されてもよく、式中、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O(酸素)、S(硫黄)、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6
C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択されてもよく;XBは、脱離基又はヒドロキシであってもよい。一実施形態において、XBはハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態において、塩基を使用して反応を促進してもよい。好適な塩基は当業者に公知であり、ジエチルアミド及びピリジン等のアミンベースの塩基、又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)等のピリジンベースの塩基を含むが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態において、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の脱水剤を前述の塩基の一種以上と共に使用して、カルボン酸からのカルボン酸エステルの形成を促進してもよい。
【0109】
【化82】

1が構造
【化83】

を有する式(I)の化合物は、スルホン酸エステル又はハロゲン等の脱離基を、式(I)の化合物のR1と等価な位置に有する式(C)の化合物から出発して得ることができる。スキーム4に示すように、式(C)の化合物を、塩基及び構造XB−RCを有する化合物と反応させて(式中、Rcは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく、RCは、場合により
【化84】

で置換されてもよく、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O(酸素)、S(硫黄)、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C
(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択されてもよく;XBは、脱離基又はヒドロキシであってもよい)、R1
【化85】

部分を有する式(I)の化合物を形成してもよい。好適な塩基の例には、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、カリウムtert−ブトキシドリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、ブチルリチウム及び水素化カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態において、式(I)(式中、R1
【化86】

である)の化合物は、式(A)の化合物から出発して、本明細書に記載したように式(B)の化合物を合成し、本明細書に記載した手順の一つを用いて、式(I)(式中、R1
【化87】

である)の化合物を得た後、式(I)(式中、R1
【化88】

である)の化合物を構造XB−RC(式中、RCは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく、RCは、場合により
【化89】

で置換されてもよく、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形から選択されてもよく;Z1は、O(酸素)、S(硫黄)、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択されてもよく、R17、R17a及びR17bは、独
立して:H、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)から選択されてもよく;XBは脱離基又はヒドロキシであってもよい)を有する化合物と反応させて得ることができる。式(I)の化合物(式中、R1は、
【化90】

である)は、式(A)の化合物をXB−RCと反応させることによっても得ることができる。
【0110】
医薬組成物
本明細書に記載する一実施形態は、治療的有効量の本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)と、薬学的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤又はそれらの組み合わせとを含有し得る医薬組成物に関する。
【0111】
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示する化合物と、希釈剤又は担体等の他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、化合物の生物体への投与を促進する。当技術分野にて化合物を投与する多数の技術が存在し、該技術には経口、筋内、眼内、鼻腔内、静脈内、注入、エアゾル、非経口、及び局所投与が含まれるが、これらに限定されるわけではない。医薬組成物は、化合物を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等の無機酸又は有機酸と反応させることによっても得ることができる。医薬組成物は一般に、意図する特定の投与経路に対して調整されるであろう。
【0112】
用語「生理学的に許容され得る」は、化合物の生物学的活性及び性質を無効にしない担体、希釈剤又は賦形剤を定義する。
【0113】
本明細書で使用されるように、「担体」は、化合物の細胞又は組織内への組み込みを促進する化合物を指す。例えば、非限定的にジメチルスルホキシド(DMSO)は、多数の有機化合物の対象の細胞又は組織への取り込みを促進する、通常使用されている担体である。
【0114】
本明細書で使用されるように、「希釈剤」は、薬理活性を有さないが、薬学的に必要又は所望され得る医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、その質量が製造又は投与には小さすぎる強力な薬物の嵩を増大させるよう使用され得る。希釈剤はまた、注入、消化又は吸入されるべき薬物を溶解するための液体であってもよい。当技術分野において希釈剤の通常の形態は、非限定的に、ヒト血液の組成を模倣するリン酸緩衝生理食塩水等の緩衝水性溶液である。
【0115】
本明細書で使用されるように、「賦形剤」は、医薬組成物に加えられて、組成物に非限定的に嵩、稠度、安定性、結合能力、潤滑、錠剤崩壊能力等を提供する不活性物質を指す。「希釈剤」は賦形剤の一種である。
【0116】
本明細書に記載する医薬組成物は、それ自体でヒト患者に投与されてもよく、又は組み合わせ治療におけるように他の活性成分と混合され、又は担体、希釈剤、賦形剤若しくはそれらの組み合わせと混合された医薬組成物にて投与されてもよい。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載する化合物の製剤及び投与に関する技術は、当業者に公知である。
【0117】
本明細書に開示する医薬組成物は、それ自体公知の、例えば従来の混合、溶解、顆粒化(granulating)、糖衣錠形成(dragee-making)、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、封入又は錠剤化工程により製造されてもよい。加えて、活性成分はその意図する目的を達成するのに有効な量で含まれる。本明細書に開示する医薬の組み合わせに使用される多数の化合物は、薬学的に適合性を有する対イオンを伴う塩として提供されてもよい。
【0118】
好適な投与経路には、例えば、経口、直腸、局所経粘膜、又は腸管投与;筋内、皮下、静脈内、髄内注入、及びくも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、眼内注入を含む非経口送達、又はエアゾル吸入薬としての投与が含まれ得る。
【0119】
化合物は、多くの場合デポー又は徐放性製剤として、全身ではなく局所的に、例えば、化合物を感染領域内に直接注入することにより、投与されてもよい。更に、化合物は、標的薬物送達システムで、例えば組織特異的な抗体で被覆されたリポソームで投与されてもよい。リポソームは器官を標的とし、該器官に選択的に取り込まれるであろう。
【0120】
所望であれば、組成物は、活性成分を含有する一つ以上の単位剤形を収容し得るパック又は分配装置で提供されてもよい。パックは、例えばブリスターパック等の金属又はプラスチックホイルを含んでもよい。パック又は分配装置には、投与のための説明書が付属してもよい。パック又は分配装置にはまた、容器に関連した、医薬品の製造、使用又は販売を規制する行政機関により規定された形の通知(notice)が付属してもよく、該通知は、行政機関によるヒト又は動物投与用の薬物の形態の認可を反映する。そのような通知は、例えば米国食品医薬品局により処方薬に認可されたラベル、又は認可された製品挿入物であってもよい。適合性を有する医薬担体中に製剤された、本明細書に開示する化合物を含有する組成物は、調製され、適当な容器内に配置され、指示される状態の処置のためのラベルが付けられてもよい。
【0121】
使用方法
本明細書に開示する一実施形態は、疾病又は状態を処置し及び/又は回復させる方法に関し、該方法は、対象に治療的有効量の、例えば式(I)の化合物のような本明細書に記載する一種以上の化合物、又は本明細書に記載する化合物(例えば、式(I)の化合物)を含有する医薬組成物を投与することを含んでもよい。
【0122】
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、新生物疾病を回復させ又は処置する方法に関し、該方法は、新生物疾病に苦しむ対象に、治療的有効量の本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は本明細書に記載する化合物の一種以上を含有する医薬組成物を投与することを含んでもよい。一実施形態において、新生物疾病は癌であってもよい。治療的有効量の、例えば式(I)の化合物のような本明細書に記載する一種以上の化合物により処置し及び/又は回復させ得る癌のいくつかの種類の例としては、乳癌、肉腫、白血病、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、肺癌、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫等)、多発性骨髄腫、膵臓癌、腎臓癌、内分泌癌、黒色腫、皮膚癌、血管肉腫、副鼻腔癌、食道癌、尿管癌(uretal cancer)、肝癌、血管腫、中枢神経系(CNS)癌(脳癌を含む)、マントル細胞リンパ腫、低IgM分泌リンパ腫(low IgM secreting lymphoma)、バーキットリンパ腫、B−NHL及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態において、癌は、多発性骨髄腫、結腸直腸癌腫、前立腺癌腫、乳腺癌、非小細胞肺癌腫、卵巣癌腫、及び黒色腫から選択されてもよい。一実施形態において、癌は多発性骨髄腫であってもよい。
【0123】
癌は、薬物耐性癌でもあり得る。ある場合に、薬物耐性癌は、以下の少なくとも一つを示し得る:P−糖タンパク質流出ポンプのレベルの上昇、MRP1によりコードされる多剤耐性関連タンパク質1の発現の増大、薬物取り込みの低下、薬物の標的の変更又は薬物誘導DNA損傷の修復の増大、アポトーシス経路の変更又はシトクロムP450酵素の活性化。一実施形態において、薬物耐性癌は、肉腫及び/又は白血病であり得る。
【0124】
尚更なる実施形態は、癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。本方法は、例えば、癌細胞を本明細書に記載する化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は医薬組成物と接触させることを含んでもよい。癌細胞の非限定的なリストは、乳癌細胞、肉腫細胞、白血病細胞、卵巣癌細胞、膀胱癌細胞、前立腺癌細胞、結腸癌細胞、直腸癌細胞、胃癌細胞、肺癌細胞、リンパ腫細胞、多発性骨髄腫細胞、膵臓癌細胞、腎臓癌細胞、内分泌癌細胞、黒色腫細胞、皮膚癌細胞、血管肉腫細胞、副鼻腔癌細胞、食道癌細胞、尿管癌(uretal cancer)細胞、肝癌細胞、血管腫細胞、
中枢神経系(CNS)癌細胞(脳癌細胞を含む)を含む。一実施形態において、癌細胞は、例えば、多発性骨髄腫細胞、結腸直腸癌細胞、前立腺癌細胞、乳腺癌細胞、非小細胞肺癌細胞、卵巣癌細胞、黒色腫細胞等であってもよい。
【0125】
別の実施形態は、プロテアソーム活性を阻害する方法に関し、該方法は、細胞を本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は本明細書に記載する化合物の一種以上を含有する医薬組成物と接触させるステップを含む。
【0126】
更なる実施形態は、NF−κB活性を阻害する方法に関する。本方法は、例えば、細胞を本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は本明細書に記載する化合物の一種以上を含有する医薬組成物と接触させるステップを含んでもよい。
【0127】
尚別の実施形態は、炎症状態を処置するための方法に関する。本方法は、例えば、有効量の、本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は本明細書に記載する化合物の一種以上を含有する医薬組成物を、炎症状態に苦しむ対象に投与することを含んでもよい。「炎症状態」は例えば、虚血、敗血性ショック、自己免疫疾病、関節リウマチ、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、喘息、変形性関節症、骨粗鬆症、線維症、乾癬とアトピー性皮膚炎と紫外線放射(UV)−誘発性皮膚損傷とを含む皮膚症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎(alkylosing spondylitis)、組織及び器官の拒絶反応、アルツハイマー病、卒中、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、糖尿病、糸球体腎炎、癌、ホジキン病、悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む感染症及び所定のウイルス感染に関連した炎症、成人呼吸窮迫症候群並びに毛細血管拡張性小脳失調症(Ataxia Telangiestasia)等の状態を含む。いくつかの実施形態において、炎症状態は、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、乾癬、卒中、心筋梗塞等から選択されてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態は、微生物疾患を処置するための方法に関し、該方法は、有効量の、本明細書に記載する一種以上の化合物(例えば、式(I)の化合物)、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ及び/若しくはプロドラッグエステル、又は本明細書に記載する化合物の一種以上を含有する医薬組成物を、微生物疾患に苦しむ対象に投与することを含んでもよい。微生物疾患は、例えば炭疽菌、マラリア原虫、リーシュマニア、トリパノソーマ、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・アフリカヌム及びマイコバクテリウム・ミクロティ(Mycobacterium microti)を原因とし得る。微生物疾患の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されるわけではない:菌血症、ボツリヌス中
毒、ブルセラ症、クロストリジウム・ディフィシル、カンピロバクター感染症、ねこひっかき病、軟性下疳、クラミジア、コレラ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、細菌性結膜炎、ジフテリア、大腸菌感染症、エーリキア症、精巣上体炎、ガードネレラ、ガス壊疽、淋病、ピロリ菌、ヘモフィルス、B型インフルエンザ、膿痂疹、間擦疹、ハンセン病、リステリア症、ライム病、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌、精巣炎、骨髄炎、中耳炎、百日咳、ペスト、肺炎、前立腺炎腎盂腎炎、Q熱、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ症、猩紅熱、敗血症、細菌性赤痢、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症、梅毒、破傷風、毒素ショック症候群、トラコーマ、旅行者下痢、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス、尿路感染症、細菌性腟症、百日咳、エルシニア感染症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、カンジダ症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、アスペルギルス症(aspergillisis)、及びムコール症。
【0129】
本明細書で使用されるように、「対象」は、処置、観察又は実験の目的物である動物を指す。「動物」には、魚、貝・甲殻類、爬虫類及び特に哺乳動物等の冷血及び温血脊椎動物、並びに無脊椎動物が含まれる。「哺乳動物」には、マウス、ラット、兎、モルモット、犬、猫、羊、山羊、雌牛、馬、猿、チンパンジー及び類人猿等の霊長類、特にヒトが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0130】
本明細書で使用されるように、用語「処置している」「処置」「治療的」又は「治療」は、必ずしも疾病又は状態の完全な治癒又は消滅を意味するわけではない。疾病又は状態の望ましくない任意の徴候又は症状の任意の程度の任意の緩和が、処置及び/又は治療と考えられ得る。更に、処置は、患者の幸福又は外観に関する全体的な感情を悪化し得る作用を含み得る。
【0131】
用語「治療的有効量」は、指示される生物学的又は医薬的応答を引き出す活性化合物、又は医薬品の量を示すように使用される。例えば、化合物の治療的有効量は、疾病の症状の予防、緩和若しくは回復、又は処置されている対象の生存期間の延長に必要な量であってもよい。この応答は、組織、系、動物又はヒト内で生じてもよく、処置されている疾病の症状の緩和を含む。治療的有効量の決定は、特に本明細書に提供する詳細な開示を考慮して、当業者の能力の十分な範囲内にある。用量として要求される、本明細書に開示する化合物の治療的有効量は、投与経路、ヒトを含む処置されている動物の種類、及び考慮下にある特定の動物の身体的特徴に依存するであろう。用量は、所望の効果を達成するように調整することができるが、体重、食事、併用投薬等の因子、及び医療当業者が認識するであろう他の因子に依存するであろう。
【0132】
当業者に容易に明らかとなるように、投与されるべき有用なインビボでの投与量及び特定の投与モードは、年齢、体重、苦痛の重症度、処置される哺乳動物の種、使用する特定の化合物、及びこれらの化合物が使用される特定の用途に応じて変動するであろう(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるFingl et al. 1975,「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、特にCh. 1、p. 1を参照されたい)。所望の結果を達成するために必要な投与量レベルである有効な投与量レベルの決定は、当業者により日常的な薬理学的方法を使用して達成され得る。一般に、製品のヒト臨床適用は、低い投与量レベルから開始され、投与量レベルは、所望の効果が達成されるまで増大される。代替的に、許容され得るインビトロでの試験を用いて、確立された薬理学的方法を使用することにより、本発明の方法により同定される組成物の有用な用量と投与経路とを確立してもよい。
【0133】
正確な投与量は薬物毎に決定されるが、殆どの場合、投与量に関してある程度の一般化を行うことができる。成人ヒト患者のための一日投与量の投与計画は、例えば、0.01mg〜3000mg、好ましくは1mg〜700mg、例えば5〜200mgの各活性成
分の経口用量であってもよい。投与量は、患者の必要に応じて、単回又は一日以上の間に付与される一連の二回以上であってもよい。いくつかの実施形態において、化合物は、連続治療の期間、例えば1週間以上又は1ヶ月以上の期間投与されるであろう。
【0134】
化合物に関するヒト投与量が少なくともいくつかの状態に関して確立されている場合、確立されたヒト投与量と同一の投与量、又は確立されたヒト投与量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%である投与量が使用されるであろう。例えば新たに発見された医薬組成物の場合のように、ヒト投与量が全く確立されていない場合、好適なヒト投与量はED50若しくはID50値、又は動物での毒性試験と有効性試験により認定されるような、インビトロ若しくはインビボでの試験から誘導される他の適切な値から推測してもよい。
【0135】
薬学的に許容され得る塩を投与する場合、投与量は遊離塩基として計算され得る。当業者が理解するように、所定の状況では、特に進行性疾病又は感染症を効果的かつ攻撃的に処置するために、上述した、好ましい投与量範囲を超過する量又は過剰に超過する量で本明細書に開示する化合物を投与する必要があり得る。
【0136】
投与量及び間隔は、調節作用、又は最小有効濃度(MEC)の維持に十分な活性部分の血漿レベルを提供するように個別に調整され得る。MECは各化合物に関して様々であるが、インビトロでのデータから見積もることができる。MECの達成に必要な投与量は、個人の特徴と投与経路とに依存するであろう。しかしながら、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを用いて血漿濃度を決定してもよい。
【0137】
MEC値を使用して投与間隔も決定し得る。組成物は、当該時間のうちの10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%の間でMECを上回る血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与される必要がある。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度と関係しない場合がある。
【0138】
主治医は、毒性又は器官不全により、いつ、どのように投与を終了、中断、又は調整するかを知っているであろうことに留意するべきである。逆に、主治医は、臨床反応が十分でない(毒性を除く)場合に、処置をより高いレベルに調整することも知っているであろう。関心対象の疾患の管理における投与される用量の大きさは、処置する状態の重篤さ、及び投与経路により変動するであろう。状態の重篤さは、例えば、一部は、標準的な予後評価方法により評価されてもよい。更に、用量及びおそらく投与頻度は、年齢、体重、及び個々の患者の応答に従っても変動するであろう。上述したものと類似した計画は、獣医学に使用されてもよい。
【0139】
非ヒト動物試験において、潜在的な製品の適用は、より高い投与量レベルから開始され、投与量は、所望の効果がもはや達成されず又は副作用がなくなるまで低下される。投与量は、所望の効果及び治療指標(therapeutic indication)に応じて、広い範囲に亘り得る。代替的に、投与量は、当業者が理解するように、患者の表面積を基準とし、また該表面積に関して計算され得る。
【0140】
本明細書に開示する化合物は、公知の方法を用いて有効性及び毒性について評価することができる。例えば、特定の化合物、又は、所定の化学的部分を共有する化合物のサブセットの毒性学は、哺乳動物、好ましくはヒトの細胞ライン等の細胞ラインに関するインビトロでの毒性を測定することにより確立されてもよい。そのような試験の結果は、多くの場合、哺乳動物等の動物、又はより詳細にはヒトでの毒性を予測する。代替的に、特定の化合物のマウス、ラット、兎又は猿等の動物モデルでの毒性は、公知の方法を用いて測定することができる。特定の化合物の有効性は、インビトロでの方法、動物モデル、又はヒ
ト臨床試験等の広く認められている数種の方法により確立することができる。広く認められているインビトロでのモデルは癌、心血管系疾病及び様々な免疫不全を含むがこれらに限定されない、ほぼ全部の状態のクラスに関して存在する。同様に、許容され得る動物モデルを使用して、それらの状態を処置する化学物質の有効性を確立することができる。有効性を測定するためにモデルを選択する際、当業者は最新技術により誘導されて適切なモデル、用量及び投与経路、並びに投与計画を選択することができる。勿論、ヒト臨床試験によりヒトでの化合物の有効性を測定することもできる。
【0141】
実施例
実施形態は、特許請求の範囲を如何様にも限定することを意図しない以下の実施例にて更に詳細に開示される。
【0142】
一般的な実験手順。
500 MHz Bruker Avance分光計を使用して、x、y、z−グラジェントを装備したインバースプローブを用いてNMRスペクトルを収集し、13C NMRスペクトルに関してはブロードバンド観察プローブ(broad-band observe probe)により獲得した。データは298Kで各々1H及び13C−NMRに関して、CDCl3中で7.24ppm及び77.00ppmを基準として、又はDMSO−d6中で2.49ppm及び39.00ppmを基準として獲得した。LC−MSデータは、Agilent PDA検出器(移動相はCH3CNとH2Oとの混合物であった)及びMSDシステムを装備したAgilent HP1100 HPLCから得た。半分取HPLCは、Gilson
215フラクションコレクター、Agilent PDA検出器及び/又はELSD(セデーレ(Sedere)社)検出器を装備したGilson HPLC上で行った。HPLC溶媒は、フィッシャー・サイエンティフィック社及びVWRから得た。重水素化溶媒はケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ社から得た。他の全部の化学的試薬はシグマアルドリッチから得た。
【実施例1】
【0143】
【化91】

ヨウ化ナトリウム(325mg、2.2mmol)を1(78mg、0.22mmol)のアセトン溶液に加え、室温で48時間攪拌した。次いで、溶液を窒素流下で濃縮し、この濃縮溶液をシリカプラグ上で流して、過剰の塩を除去した。25%EtOAc/ヘキサン(25mL)、次いで50%EtOAc/ヘキサン(200mL)の組成物を使用して2(74.9mg、84%)を溶出した。
【実施例2】
【0144】
【化92】

20mLアンバーバイアル内の化合物2(40mg、0.099mmol)の乾燥THF(4mL)溶液にAgF(18.8mg、0.15mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した後、0.45μmの注射器フィルターで濾過し、濃縮した。反応混合物を、寸法22mm id×150mm長のACE 5μ C18 HPLCカラムを使用した逆相HPLC上で流速14.5mL/分で精製した。0.05%TFAを有する水からなる溶媒Aと、0.05%TFAを有するアセトニトリルからなる溶媒Bとを以下のように使用した:95%溶媒A/5%溶媒Bの初期勾配を18分間かけて60%溶媒A/40%溶媒Bに線形に増大;この組成物を8分間保った後、1分間の勾配で100%溶媒Bへ、初期条件に戻る前にこれを6分間保った。精製はダイオードアレイ検出(DAD)により監視し、3は16分後に溶出した。各注入後、化合物3を減圧下で濃縮して(浴温度<40℃)加水分解を最小限にした。化合物3(11mg、15%)を純粋な化合物として得、本明細書に記載するものを含む、別法により合成した材料と同一の分光学的データにより確認した。
【実施例3】
【0145】
【化93】

CaF2上に担持されたAgF(AgF−CaF2)の調製:水(5mL)に溶解した炭酸銀(3.75g)、48%水性HF(1.2g、1.2mL)及びフッ化カルシウム(15g)の混合物を、45mLプラスチックバイアル内で暗所内にて50℃で2時間、乾燥するまでゆっくり蒸発させることによってフッ化カルシウム上にフッ化銀を担持させた。試薬を凍結乾燥機上で更に15時間乾燥して、任意の水の痕跡を除去した。最終的な試薬は、高い吸湿性及び感光性を有する、自由流動の茶色顆粒状粉末であった。
【0146】
AgF−CaF2 1gを、マグネットスターラーバーを用いて丸底フラスコ内で真空下にて40℃で30分間加熱して活性化させ、これにサリノスポラミドA溶液(250mg、乾燥CH2Cl2 25mLに溶解した0.8mmol)を加え、同一の温度で18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をシリカフラッシュにより、50%EtOAc/ヘキサン、75%EtOAc/ヘキサン、100%EtOAc、20%メタ
ノール/EtOAc及び40%メタノール/EtOAcの溶媒勾配を用いて精製した。化合物3は純粋な化合物(83mg、収率35%)として20〜40%メタノール/EtOAc画分中に溶出された。ESIMS、m/z 296[M+H]+
【実施例4】
【0147】
【化94】

化合物3(17mg、0.058mmol)の乾燥CH2Cl2(5mL)溶液にEt3N(36μL、0.26mmol)及び塩化ダンシル(78.5mg、0.29mmol)を加え、溶液を室温で24時間攪拌した。追加の塩化ダンシル(78.5mg、0.29mmol)及びEt3N(36μL、0.26mmol)を加え、反応物を室温で一夜攪拌した。42時間後、反応物を減圧下で濃縮し、ACN 5mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm×150mm)を使用した逆相HPLC上にて流速14.5mL/分で精製した。100%水を8分間かけて35%アセトニトリル/65%水とし、この溶媒組成を2分間保った後、5分間かけて線形勾配で100%アセトニトリルに増大した後、100%水に戻る前に、100%アセトニトリルで6分間保った溶媒勾配を使用して4を精製した。精製はダイオードアレイ検出(DAD)により観察し、4は15分後に純粋な化合物として溶出した(17mg、0.032mmol、55.3%)。HRESIMS m/z 529.1993[M+H]+(C273327Sの計算値、529.2008)、1H NMR(DMSO−d6);δ 1.18(br m、1H)、1.38(br m、1H)、1.46(s、3H)、1.74(br m、4H)、1.90(m、2H)、2.19(m、1H)、2.42(t、J=7.3Hz 1H、)、2.84(s、6H、ダンシル)、3.60(t、J=9.5Hz、1H)、4.29(m、2H)、5.47(d、J=7.9Hz、C−5(OH))、5.73(m、2H)、7.29(d、J=7.6Hz、1H、ダンシル)、7.67(m、2H、ダンシル)、8.11(d、J=8.8Hz、1H、ダンシル)、8.26(dd、J=1.3、7.3Hz、1H、ダンシル)、8.59(d、J=8.8Hz、1H、ダンシル)、8.99(s、NH)。
【実施例5】
【0148】
【化95】

化合物3(10mg、0.034mmol)の乾燥CH2Cl2(3.5mL)溶液にEt3N(48μL、0.34mmol)及びビフェニル−4−スルホニルクロリド(80mg、0.32mmol)を加え、溶液を室温で18時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、ACN 2mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm id×150mm長)を使用した逆相HPLCにより、以下の溶媒勾配を用いて流速14.5mL/分で精製した:10%ACN/水から18分間かけて90%ACN/水へ、次いで1分間かけて100%ACNへ増大し、この溶媒組成を5分間保つ。精製はダイオードアレイ検出(DAD)により監視した。13.5分後に溶出した生成物、化合物5を減圧下で濃縮して、生成物7mg(80%純粋)を得た。生成物を更に、僅かに変更した勾配、即ち10%ACN/水から11分間かけて80%ACN/水へ、この溶媒組成を3分間保った後、1分間かけて100%ACNへ増大し、この溶媒組成を5分間保った勾配を用いて精製した。化合物5は13.5分後に溶出し、該化合物を減圧下で濃縮して純粋な化合物5(4.5mg、26%)を得た。1H NMR(CDCl3、500MHZ);δ 1.51−1.60(ca、2H)、1.74(s、3H)、1.74−1.87(ca、2H)、1.98−2.15(ca、4H)、2.44(m、1H)、2.64(t、J=7.0Hz 1H、)、3.85(t、J=7.4Hz、1H)、4.31(m、1H)、4.46(m、1H)、5.66(br d、J=10.4Hz、1H)、5.98(m、1H)、6.84(s、1H、NH)、7.42(t、J=7.4Hz、1H、ビフェニル)、7.47(t、J=7.4Hz、2H、ビフェニル)、7.59(d、J=7.4Hz、2H、ビフェニル)、7.75(d、J=8.0Hz、2H、ビフェニル)、7.96(d、J=8.0Hz、2H、ビフェニル);13C NMR(CDCl3、 125MHZ);δ 176.5、167.1、147.0、139.0、134.3、133.3、129.1(2×CH)、128.8、128.4(2×CH)、128.0(2×CH)、127.4(2×CH)、124.1、85.5、78.5、70.3、67.7、44.0、38.0、26.8、24.9、24.6、20.7、19.5。);ESIMS m/z 512[M+H]+
【実施例6】
【0149】
【化96】

化合物3(12mg、0.041mmol)の乾燥CH2Cl2(3.5mL)溶液にEt3N(58μL、0.41mmol)及びビフェニル−4−スルホニルクロリド(110mg、0.30mmol)を加え、溶液を室温で18時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、ACN 2mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm×150mm)を使用した逆相HPLCにより、以下の溶媒勾配を用いて流速14.5mL/分で精製した:10%ACN/水から18分間かけて90%ACN/水へ、次いで1分間かけて100%ACNに増大し、この溶媒組成を5分間保つ。精製はダイオードアレイ検出(DAD)により監視した。13.0分後に溶出した生成物、化合物6を減圧下で濃縮して、88%純粋な化合物を得た。生成物を更に、僅かに変更した勾配、即ち10%ACN/水から11分間かけて80%ACN/水へ、この溶媒組成を3分間保った後、1分間かけて100%ACNへ増大し、この溶媒組成を5分間保った勾配を用いて精製した。13.25分後に溶出した化合物6を減圧下で濃縮して、純粋な化合物6(2.6mg、12%)を得た。1H NMR(CDCl3、500MHZ);δ 1.51−1.60(m、2H)、1.75(s、3H)、1.74−1.87(m、2H)、1.98−2.15(m、4H)、2.47(m、1H)、2.63(t、J=7.2Hz、1H、)、3.88(d、J=5.7Hz、1H)、4.27(m、1H)、4.40(m、1H)、5.65(br dd、J=2.5、10.0Hz、1H)、6.00(m、1H)、6.54(s、1H、NH)、7.03−7.09(m、4H、フェノキシフェニル)、7.22(t、J=8Hz、H、フェノキシフェニル)、7.41(br t、J=8Hz、2H、フェノキシフェニル)、7.83(br d、J=8.0Hz、4H、フェノキシフェニル);13C NMR(CDCl3、 125MHZ);δ 176.2、167.1、162.7、154.8、133.6、130.3(2×CH)、130.2(2×CH)、129.0、125.3、123.9、120.5(2×CH)、117.7(2×CH)、85.6、78.4、70.2、67.4、44.0、38.0、26.9、24.9、24.6、20.7、19.5;ESIMS m/z 528[M+H]+
【実施例7】
【0150】
【化97】

化合物3(20mg、0.068mmol)の乾燥CH2Cl2(4mL)溶液に、Et3N(96μL、0.68mmol)及び4−t−ブチルフェニルスルホニルクロリド(158mg、0.68mmol)を加え、溶液を室温で4時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、ACN 3mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm×150mm)を使用した逆相HPLCにより、以下の溶媒勾配を用いて流速14.5mL/分で精製した:10%ACN/水から11分間かけて80%ACN/水へ、この溶媒組成を3分間保った後、1分間かけて100%ACNへ増大し、この溶媒組成を5分間保つ。精製はダイオードアレイ検出(DAD)により監視した。13.5分後に溶出した生成物、化合物7を減圧下で濃縮して90%純粋な化合物(7.3mg)を得、これを順相シリカプラグカラムと100%CH2Cl2(3mL)、30%EtOAc/ヘキサン(6mL)、50%EtOAc/ヘキサン(6mL)及び100%EtOAc(10mL)の勾配とを用いて更に精製した。純粋な化合物、化合物7は30%EtOAc/ヘキサン中に溶出し、これを減圧下で濃縮して、化合物7の無色固体(1.6mg、4.8%)を得た。1
NMR(CDCl3、500MHz);δ 1.33(s、9H、t−Bu)、1.51−1.62(m、4H)、1.73(s、3H)、1.75−1.87(m、2H)、1.98−2.06(m、2H)、2.09(m、1H)、2.46(m、1H)、2.66(t、J=7.2Hz、1H、)、3.88(d、J=5.7Hz、1H)、4.25(m、1H)、4.40(m、1H)、5.64(br dd、J=2.5、10.0Hz、1H)、6.01(m、1H)、6.44(s、1H、NH)、7.55(br d、J=8.5Hz、2H)、7.82(br d、J=8.5Hz、2H);13C NMR(CDCl3、 125MHZ);δ 176.1、167.1、158.0、133.8、132.6、127.8(2×CH)、126.4(2×CH)、123.7、85.6、78.2、70.1、67.4、43.9、37.9、35.3、31.0(t−Bu)、26.9、24.9、24.6、20.6、19.5;ESIMS m/z 492[M+H]+
【実施例8】
【0151】
【化98】

化合物3(20mg、0.068mmol)の乾燥CH2Cl2(3mL)溶液にピリジン(200μL、0.41mmol)を加え、5分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却した後、乾燥CH2Cl2(1mL)中のビフェニル−4−カルボニルクロリド(30mg、0.14mmol)を加えた。反応混合物を室温まで暖め、3時間攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、ACN 2mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm×150mm)を使用した逆相HPLCにより、以下の溶媒勾配を用いて流速14.5mL/分で精製した:10%ACN/水から11分間かけて80%ACN/水へ、この溶媒組成を3分間保った後、1分間かけて100%ACNへ増大し、この溶媒組成を5分間保つ。14.0分後に溶出した生成物、化合物8を減圧下で濃縮して、純粋な化合物8(3.4mg、10.5%)を得た。1H NMR(CDCl3、500MHZ);δ 1.50−1.63(m、2H)、1.81(s、3H)、1.76−1.91(m、2H)、2.02(br m、2H)、2.18(m、1H、12−Hb)、2.31(m、1H、12−Ha)2.51(m、1H、6−H)、2.69(t、J=7.2Hz、1H、2−H)、3.91(br d、J=4.4Hz、1H、5−H)、4.59(br t、J=6.4Hz、2H、13−H2)、5.68(br dd、J=2.2、10.0Hz、1H、7−H)、6.01(m、1H、8−H)、6.73(s、1H、NH)、7.38(br t、J=7.2Hz、1H)、7.45(t、J=7.2Hz、2H)、7.60(br t、J=7.2Hz、2H)、7.65(br d、J=8.2Hz、2H)及び8.08(br d、J=8.2Hz、2H);13C NMR(CDCl3、 125MHZ);δ 176.7、167.3、166.2、145.9、139.9、133.6、130.1(2×CH)、128.9(2×CH)、128.7、128.2、127.3(2×CH)、127.1(2×CH)、123.9、85.7、78.5、70.3、62.3、45.3、38.0、26.9、24.9、24.4、20.7、19.9;ESIMS m/z 476[M+H]+
【実施例9】
【0152】
【化99】

化合物3(50mg、0.17mmol)の乾燥CH2Cl2(4mL)溶液にEt3N(118μL、0.85mmol)及び4−(クロロスルホニル)安息香酸(182mg、0.85mmol)を加え、N2雰囲気下にて室温で16時間攪拌した。更なるEt3N(118μL、0.85mmol)を加え、更に4時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ACN及びDMSO(1:1;2mL)に再溶解し、Ace 5μ C18カラム(22mm×150mm)と、5%アセトニトリル、95%水から17分間かけて100%アセトニトリルへ、100%アセトニトリルを3分保った溶媒勾配とを用いて逆相HPLC上にて流速14.5mL/分で精製した。0.05%のTFAを水とアセトニトリルの両方の移動相に加えた。精製はダイオードアレイ検出器(DAD)により監視した。生成物、化合物9は純粋な化合物9(12mg、0.025mmol、15%)として溶出した。1H NMR(DMSO−d6、500MHZ);1.21(m、1H)、1.40(m、1H)、1.69(m、1H)、1.74(s、3H)、1.83(m、1H)、1.91(brs、2H)、2.05(m、3H)、2.28(m、1H)、2.70(t、J=7.0Hz、1H)、3.67(d、J=9.5Hz、1H)、4.49(m、2H)、5.71(br dd、J=2.5、10.5Hz、1H)、5.80(br
d、J=10.5Hz、1H)、7.71(d、J=8.0Hz、2H、フェニル)、7.94(d、J=8.0Hz、2H、フェニル)、9.09(brs、1H、NH);13C NMR(DMSO−d6、125MHZ);δ 175.5、168.6、165.3、129.4、128.9(2×CH)、128.5、127.7、125.8(2×CH)、125.8、85.6、78.9、69.0、62.6、45.0、37.7、25.3、24.6、23.7、21.0、19.3;ESIMS m/z 480[M+H]+
【実施例10】
【0153】
【化100】

化合物3(12mg、0.041mmol)の無水ピリジン(40μL、0.08mmol)溶液に無水酢酸(40μL)を加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。次いで、数個の小さい角氷を加えることにより反応をクエンチし、EtOAc(3×3mL)で抽出した。一緒にした有機層を窒素流で濃縮して、化合物10の粗生成物を得た。この粗生成物をACN 2mLに再溶解し、ACE 5μ C18カラム(22mm×150mm)を使用した逆相HPLCにより、以下の溶媒勾配を用いて流速14.5mL/分で精製した:10%ACN/水から14分間かけて90%ACN/水へ、次いで1分間かけて100%ACNに増大し、この溶媒組成を5分間保つ。精製はダイオードアレイ検出器(DAD)により監視した。約8.0分後に溶出した生成物、化合物10を減圧下で濃縮して約80%純粋な生成物を得、これを同一のHPLC方法を用いて更に精製した。純粋な画分を減圧により濃縮して、化合物10の無色固体(1.2mg、8.7%)を得た。1H NMR(CDCl3、500MHZ);δ 1.50−1.65(m、2H)、1.78(s、3H)、1.79−1.90(m、2H)、1.96−2.06(br m、3H)、2.05(s、3H)、2.14(m、1H)、2.50(m、1H、6−H)、2.58(t、J=7.0Hz、1H、2−H)、3.90(br d、J=5.7Hz、1H、5−H)、4.32(br t、J=6.4Hz、2H、13−H2)、5.66(br dd、J=2.2、10.0Hz、1H、7−H)、6.02(m、1H、8−H)、6.47(s、1H、NH);13C NMR(CDCl3、 125MHZ);δ
176.5、170.8、167.3、133.8、123.8、85.7、78.3、70.3、61.7、45.1、37.9、27.0、24.9、24.2、20.9、20.7、19.8;ESIMS m/z 338[M+H]+
【実施例11】
【0154】
インビトロでの精製されたウサギ筋肉20Sプロテアソーム活性のアッセイ。
20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を、基本的にMacherla et al J. Med. Chem.,2005, 48 (11),pp 3684-3687に記載されているように測定した。段階希釈した試験化合物を、20mM HEPES、pH7.3、0.5mM EDTA、0.05%Triton X−100及び0.035%SDSを含有するアッセイ緩衝液中の1μg/mlの精製ウサギ20Sプロテアソームに二重に加え、37℃で5分間プレインキュベートした。最終濃度20μMのSuc−LLVY−AMCペプチド基質を加えて反応を開始させた。切断されたペプチド基質の蛍光をFluoroskan Ascent 96ウェルマイクロプレートリーダー(サーモエレクトロン社、マサチューセッツ州ウォルサム)を使用して、λex=390nm及びλem=460nmで測定した。IC50値(最大相対蛍光の50%が阻害される薬物濃度)を、Prism(GraphPadソフトウエア)によりシグモイド型用量反応、傾き変化モデル(variable slope model)を使用して計算した。20Sプロテアソームのカスパーゼ様活性は、ペプチド基質としてZ−LLEAMC
を使用した以外は上述したように測定した。トリプシン様活性の評価に関しては、アッセイ緩衝液からSDSを除き、ペプチド基質としてBoc−LRR−AMCを使用した。
【0155】
【表2】

【0156】
表2のデータで示されるように、R位に嵩高な基を有する化合物は、3つのタンパク分解サブユニット(CT−L、C−L及びT−L)全部の強力な阻害剤である。特に、嵩高いスルホン酸エステル基(例えば、ダンシルエステル又はビフェニルエステル)又はカルボン酸エステル基を有する化合物は、C−L活性の阻害に関して顕著により低いIC50値を示した。加えて、データはスルホン酸エステル及びカルボン酸エステルの立体容積(steric bulk)が、3つのリガンド結合部位内に収容されることを示す。データにより示されるように、カスパーゼ部位は、嵩高いR基を許容する。
【0157】
スルホン酸エステル、カルボン酸エステル及びエーテルを有する追加の化合物に関する3つのウサギ20Sタンパク分解活性の全部の測定は、上述したものと同様に測定する。ダンシル及びビフェニル類似体に関しては、嵩高いスルホン酸エステルを有する化合物は、3つのタンパク分解サブユニット全部の強力な阻害剤である。同様に、嵩高いカルボン酸エステル及びエーテル基を有する化合物も、タンパク分解サブユニットの強力な阻害剤である。加えて、C−L活性の阻害に関するIC50値は、比較的嵩高くない基を有するサリノスポラミドAの類似体と比較して低い。
【実施例12】
【0158】
透析試験
ウサギ20Sプロテアソームを、試験化合物でそれらの各IC50値において1時間、前処理した。室温での透析により化合物を除去する試みの前及び後に、CT−L活性を測定した。
【0159】
図1に示すように、R1基の大きさが増大するにつれてCT−L活性の回復は低くなる。これらの結果は、R1基が増大するにつれて、化合物が延長された20Sプロテアソーム阻害を示すことを示す。
【実施例13】
【0160】
インビトロでの生物学
白血病、黒色腫並びに肺、直腸、脳、卵巣、乳、前立腺及び腎臓の癌を提示する60個のヒト腫瘍細胞ラインからなる米国国立癌研究所(NCI)のスクリーニングパネルを用いて、試験化合物をスクリーニングした。スクリーニング手順の詳細な記載は、ハイパーテキスト転送プロトコル<http://www.dtp.nci.nih.gov/branches/btb/ivclsp.html>に見出すことができる。
【0161】
手短には、60個のヒト腫瘍細胞ラインの各々を、5%ウシ胎児血清及び2mM L−グルタミンで補充したRPMI 1640培地中で増殖させる。細胞を、それらの適切な密度にて96ウェルマイクロタイタープレート内に蒔き、37℃、5%CO2、95%空気及び100%相対湿度にてインキュベートする。24時間後、試験化合物の様々な10倍段階希釈物100μLを、細胞100μLを収容する適切なウェルに加え、10nM〜100μMの範囲の試験化合物の最終濃度を得る。細胞を更に48時間インキュベートし、スルホローダミンBタンパク質アッセイを用いて、細胞の生存率又は増殖を見積もる。
【0162】
以下のように3つの用量反応パラメータを計算する:
GI50は、増殖を50%阻害する濃度を示す。
TGIは、増殖を完全に阻害する濃度を示す。
LC50は、50%の細胞に致命的な濃度を示す。
【0163】
式(I)の試験化合物は、60個のヒト腫瘍細胞ラインパネルの細胞ラインに対して有効である。
【実施例14】
【0164】
腫瘍細胞ラインの増殖阻害
B16−F10(ATCC;CRL−6475)、DU 145(ATCC;HTB−81)、HEK293(ATCC;CRL−1573)、HT−29(ATCC;HTB−38)、LoVo(ATCC;CCL−229)、MDA−MB−231(ATCC;HTB−26)、MIA PaCa−2(ATCC;CRL−1420)、NCI−H292(ATCC;CRL−1848)、OVCAR−3(ATCC、HTB−161)、PANC−1(ATCC;CRL−1469)、PC−3(ATCC;CRL−1435)、RPMI 8226(ATCC;CCL−155)及びU266(ATCC;TIB−196)を、適切な培地中で維持する。細胞を、インキュベーター内で37℃にて5%CO2及び95%加湿空気内で培養する。
【0165】
細胞増殖阻害アッセイのために、B16−F10、DU 145、HEK293、HT−29、LoVo、MDA−MB−231、MIA PaCa−2、NCI−H292、OVCAR−3、PANC−1、PC−3、RPMI 8226及びU266細胞を各々、90μl完全培地中で1.25×103、5×103、1.5×104、5×103、5×103、1×104、2×103、4×103、1×104、7.5×103、5×103、2×104、2.5×104細胞/ウェルにて、Corning 3904黒色壁、透明底の組織培養プレート内に播種する。試験化合物の20mMストック溶液を100%DMSO中で調製し、等分し、−80℃で保管する。試験化合物を段階希釈し、試験ウェルに三重に加え、20μM〜0.2pMの範囲の最終濃度を得る。プレートをインキュベーター内に48時間戻す。DMSOの最終濃度は、全サンプル中、0.25%である。
【0166】
薬物暴露から48時間後、Mg2+、Ca2+フリーリン酸緩衝生理食塩水中の0.2mg/mlレサズリン(シグマアルドリッチケミカル社から獲得)10μlを各ウェルに加え、プレートをインキュベーターに3〜6時間戻す。生きている細胞はレサズリンを代謝するため、レサズリンの還元生成物の蛍光をFusionマイクロプレートフルオロメーター(パッカード・バイオサイエンス社)を使用して、λex=535nm及びλem=590nmフィルターにより測定する。細胞を含まない培地中のレサズリン染料を使用してバックグラウンドを測定し、全部の実験ウェルに関してデータから減算する。データを培地+0.25%DMSOで処理した細胞の平均蛍光(100%細胞増殖)に対して正規化し、EC50値(観察された最大増殖阻害の50%が確立される薬物濃度)を標準的なシグモイド型用量反応曲線フィッティングアルゴリズム(XLfit 3.0、IDビジネス・ソリューション社又はPrism 3.0、グラフパッド・ソフトウェア社により生成)を用いて決定する。
【0167】
式(I)の試験化合物は、B16−F10、DU 145、HEK293、HT−29、LoVo、MDA−MB−231、MIA PaCa−2、NCI−H292、OVCAR−3、PANC−1、PC−3、RPMI 8226及びU266細胞の増殖の阻害に有効である。
【実施例15】
【0168】
多剤耐性細胞ラインMES−SA/Dx5及びHL−60/MX2
ヒト子宮肉腫MES−SA細胞ライン及びその多剤耐性誘導体MES−SA/Dx5に対する試験化合物のEC50値を測定して、P−糖タンパク質流出ポンプを過剰発現している細胞ラインに対する試験化合物の活性の維持の有無について評価する。P−糖タンパク質ポンプに関する公知の基質であるパクリタキセルを、対照として含める。
【0169】
試験化合物を、低減されたトポイソメラーゼII活性を有することを特徴とし、かつ非定型の多剤耐性を有すると考えられる、ヒト白血病細胞ラインHL−60の薬物耐性誘導
体であるHL−60/MX2に対して評価する。HL−60及びHL−60/MX2に対する試験化合物に関して、増殖阻害におけるEC50値を測定する。DNA結合剤ミトキサントロンを、HL−60/MX2細胞がこの化学療法薬に耐性であることが報告されているため(Harker W.G. et al. 1989)、対照として含める。
【0170】
式(I)の化合物は、多剤耐性細胞ラインMES−SA/Dx5及びHL−60/MX2に対して有効である。
【実施例16】
【0171】
抗菌アッセイ
米国臨床検査標準委員会(NCCLS)感受性試験ガイドラインM7−A5(その全体が参照により本明細書に組み入れられるFerraro, M. 2001 Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically; Approved Standard(NCCLS)。米国臨床検査標準委員会(NCCLS)、Villanova)に従って、最小阻害濃度(MICs)を決定する。
【0172】
式(I)の化合物は、試験した微生物に対して有効である。
【実施例17】
【0173】
抗炎症実験−NF−κB仲介によるルシフェラーゼ活性の阻害;HEK293 NF−κB/ルシフェラーゼレポーター細胞ライン
HEK293 NF−κB/ルシフェラーゼレポーター細胞ラインは、ヒト胚腎臓細胞ライン(ATCC;CRL−1573)の誘導体であり、5X NF−κB結合部位の制御下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を保有する。レポーター細胞ラインを250μg/ml G418で補充した完全DMEM培地(DMEMプラス10%(v/v)ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、並びに各々100IU/ml及び100μg/mlのペニシリン/ストレプトマイシン)中に日常的に維持する。ルシフェラーゼアッセイを行う際、DMEM基本培地をフェノールレッドフリーDMEM基本培地で置き換え、G418を除く。細胞をインキュベーター内で37℃にて5%CO2及び95%加湿空気内で培養する。
【0174】
NF−κB仲介ルシフェラーゼアッセイのために、HEK293 NF−κB/ルシフェラーゼ細胞を90μlのフェノールレッドフリーDMEM完全培地中で1.5×104細胞/ウェルにてCorning 3917白色不透明底の組織培養プレート内に播種する。試験化合物に関して、100%DMSO中で400μMの開始希釈物を作製し、この希釈物を使用して8点半対数希釈系列を作成する。この希釈系列を適切な培地中で更に40倍希釈し、10μlアリコートを試験ウェルに三重に加え、1μM〜320pMの範囲の最終試験濃度を得る。プレートをインキュベーター内に1時間戻す。1時間の前処理後、フェノールレッドフリーDMEM培地中で調製した50ng/ml TNF−α溶液10μlを加え、プレートを更に6時間インキュベートする。DMSOの最終濃度は、全サンプル中、0.25%である。
【0175】
TNF−α刺激の終了時、Steady Lite HTSルシフェラーゼ試薬(パッカード・バイオサイエンス社)100μlを各ウェルに加え、ルシフェラーゼ活性を測定する前に、プレートを室温で10分間平静に置いておく。Fusionマイクロプレートフルオロメーター(パッカード・バイオサイエンス社)を使用して相対ルシフェラーゼ単位(RLU)を測定する。シグモイド型用量反応、傾き変化モデルを使用して、Prism(GraphPadソフトウエア)内でEC50値(最大相対ルシフェラーゼ単位阻害の50%が確立される薬物濃度)を計算する。
【0176】
式(I)の試験化合物は、この細胞ベースのアッセイにおいてNF−κB活性の阻害に有効である。
【0177】
NF−κB活性の阻害
NF−κBは、炎症、アポトーシス、腫瘍形成、及び自己免疫疾病に重要な多数の遺伝子の発現を制御する。その不活性形態では、サイトゾル中でIκBとのNF−κB複合体を形成し、刺激によりIκBがリン酸化され、ユビキチン化され、続いてプロテアソームにより分解される。IκBの分解は、NF−κBの活性化と、その核への移行とを招く。NF−κBの活性化に対する試験化合物の効果は、TNF−α刺激時のHEK293NF−κB/Luc細胞内のNF−κB仲介ルシフェラーゼ活性を評価することにより判断される。
【0178】
試験化合物によるNF−κB/Luc293細胞の前処理は、TNF−α刺激時のルシフェラーゼ活性の用量依存的な低下をもたらす。NF−κB仲介ルシフェラーゼ活性を阻害するための平均EC50値が測定され、それにより試験化合物は、この細胞ベースのアッセイにおいてNF−κB活性の阻害に有効であることが示される。
【0179】
式(I)の試験化合物は、NF−κB活性の阻害に有効である。
【0180】
当業者は、本開示の趣旨から逸脱することなく、多数の様々な修飾を行うことができることを理解するであろう。従って、本明細書に開示した形態は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを明白に理解するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ。
(式中:R1は、
【化2】


【化3】

及び
【化4】

からなる群より選択される構造を有し、
4は、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され、ここでR4は、場合により
【化5】

で置換されてもよく、
Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択され;
2は、水素、ハロゲン、シアノ、以下の残基:C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C3〜C12シクロアルキニル、C3〜C12ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキル、アシル、アシルアルキル、アルキルオキシカルボニルオキシ、カルボニルアシル、アミノカルボニル、アジド、アジドアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
3は、水素、ハロゲン、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
nは、1、2又は3であり;
1、E3、E4及びE5は、各々独立して置換又は非置換のヘテロ原子であり;
2は、置換又は非置換のヘテロ原子又は−CH2−基であり;
但しR1
【化6】

の場合、R4は92g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有し;
1
【化7】

又は
【化8】

の場合、R4は77g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有することを特徴とする。)
【請求項2】
1
【化9】

の場合、R4は107g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有し、又はR1
【化10】

又は
【化11】

の場合、R4は92g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1
【化12】

の場合、R4は122g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有し、又はR1
【化13】

又は
【化14】

の場合、R4は107g/molと等しいか又はそれ以上の分子量を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、以下からなる群より選択される構造:
【化15】

を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(式中:
5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R9a、R9b、R9c、R9d、R9e、R13a、R13b、R13c、R13d及びR13eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミ
ノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
6a、R6b、R6c、R10a、R10b、R10c、R14a、R14b及びR14cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
7a、R7b、R7c、R11a、R11b、R11c、R15a、R15b及びR15cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
8a、R8b、R8c、R8d、R12a、R12b、R12c、R12d、R16a、R16b、R16c及びR16dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの
塩、及びグアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
B、D及びFは、各々独立して以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
C、E及びGは、各々独立して以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択される。)
【請求項5】
1が構造:
【化16】

(式中:
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eが、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン
、アルコキシ、及びカルボキシの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eが、各々独立して:水素、ハロ、一置換、多置換又は非置換のC1-24アルキル、一置換、多置換又は非置換のアリール、ニトロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、一置換アミン、一置換、多置換又は非置換のアルコキシ、及びカルボキシからなる群より選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも一つが水素ではない、請求項5〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも二つが水素ではない、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも三つが水素ではない、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eの少なくとも四つが水素ではない、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
5cが水素ではない、請求項8〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
5b又はR5dの少なくとも一つが水素ではない、請求項8〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
5cが水素ではなく、かつR5b又はR5dの少なくとも一つが水素ではない、請求項9〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
5cが水素ではなく、かつR5a又はR5eの少なくとも一つが水素ではない、請求項9〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
1が:
【化17−1】

【化17−2】

からなる群より選択される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
1が構造:
【化18】

(式中:
6a、R6b及びR6cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Bは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Bが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Bが一置換フェニルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Bが非置換のフェニルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
6a、R6b及びR6cが各々水素である、請求項17〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
1が構造:
【化19】

を有する、請求項17に記載の化合物。
【請求項24】
1が構造:
【化20】

(式中:
7a、R7b及びR7cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Cは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
Cが一置換、多置換又は非置換のヘテロシクリル環である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
Cが多置換ヘテロシクリル環である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
7a、R7b及びR7cが各々C1-24アルキルである、請求項24〜26のいずれか一項に
記載の化合物。
【請求項28】
1が構造:
【化21】

を有する、請求項24に記載の化合物。
【請求項29】
Cが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項24に記載の化合物。
【請求項30】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
Cが非置換のフェニルである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
7a、R7b及びR7cが各々水素である、請求項29〜31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
1が構造:
【化22】

を有する、請求項24に記載の化合物。
【請求項34】
1が構造:
【化23】

(式中:
8a、R8b、R8c及びR8dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エ
ステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
Aが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Aが非置換のフェニルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
Aが一置換フェニルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項39】
Aが一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項40】
Aが非置換のヘテロアリール環である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
1がOである、請求項34〜40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
8a、R8b、R8c及びR8dが水素である、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
1が構造:
【化24】

を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項44】
1がN=Nである、請求項34〜40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
8a、R8b、R8c及びR8dが水素である、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
1が構造:
【化25】

を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項47】
1が構造:
【化26】

(式中:
9a、R9b、R9c、R9d及びR9eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eが、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、及びヒドロキシの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eが、各々独立して:水素、ハロ、シアノ、一置換、多置換又は非置換のC1-24アルキル、一置換、多置換又は非置換のアリール、アミノ、トリハロアルキル、一置換、多置換又は非置換のアルコキシ及びヒドロキシからなる群より選択される、請求項47に記載の化合物。
【請求項50】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも一つが水素ではない、請求項47〜49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも二つが水素ではない、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも三つが水素ではない、請求項50に記載の化合物。
【請求項53】
9a、R9b、R9c、R9d、及びR9eの少なくとも四つが水素ではない、請求項50に記載の化合物。
【請求項54】
9cが水素ではない、請求項50〜53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項55】
9b又はR9dの少なくとも一つが水素ではない、請求項50〜53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項56】
9cが水素ではなく、かつR9b又はR9dの少なくとも一つが水素ではない、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項57】
9cが水素ではなく、かつR9a又はR9eの少なくとも一つが水素ではない、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
1が:
【化27】

である、請求項47に記載の化合物。
【請求項59】
1が構造:
【化28】

(式中:
10a、R10b及びR10cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチ
オ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Dは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
Dが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
Dが一置換フェニルである、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
Dが非置換のフェニルである、請求項61に記載の化合物。
【請求項64】
10a、R10b及びR10cが各々水素である、請求項59〜63のいずれか一項に記載の
化合物。
【請求項65】
1が:
【化29】

である、請求項59に記載の化合物。
【請求項66】
1が、構造:
【化30】

(式中、
11a、R11b及びR11cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチ
オ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Eは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
Eが一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環である、請求項66に記載の化合物。
【請求項68】
Eが多置換ヘテロアリール環である、請求項67に記載の化合物。
【請求項69】
Eが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項66に記載の化合物。
【請求項70】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニル環である、請求項69に記載の化合物。
【請求項71】
Eが非置換のフェニル環である、請求項70に記載の化合物。
【請求項72】
11a、R11b及びR11cが各々水素である、請求項66〜71のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項73】
1が:
【化31】

【化32】


又は
【化33】

である、請求項66に記載の化合物。
【請求項74】
1が構造:
【化34】

(式中:
12a、R12b、R12c及びR12dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)から選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
Aが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項74に記載の化合物。
【請求項76】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
Aが非置換のフェニルである、請求項76に記載の化合物。
【請求項78】
Aが一置換フェニルである、請求項76に記載の化合物。
【請求項79】
Aが一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環である、請求項74に記載の化合物。
【請求項80】
Aが非置換のヘテロアリール環である、請求項79に記載の化合物。
【請求項81】
Aが多置換ヘテロアリール環である、請求項79に記載の化合物。
【請求項82】
1がOである、請求項74〜81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
12a、R12b、R12c及びR12dが水素である、請求項82に記載の化合物。
【請求項84】
1がO(CH21-6である、請求項74〜81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
12a、R12b、R12c及びR12dが各々水素である、請求項84に記載の化合物。
【請求項86】
1がN=Nである、請求項74〜81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
12a、R12b、R12c及びR12dが水素である、請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
1が構造:
【化35】

を有する、請求項74に記載の化合物。
【請求項89】
1が構造:
【化36】

(式中、R13a、R13b、R13c、R13d及びR13eは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキル
の塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項90】
13a、R13b、R13c、R13d及びR13eが、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、カルボキシ及びヒドロキシの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される、請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも一つが水素ではない、請求項89に記載の化合物。
【請求項92】
13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも二つが水素ではない、請求項89に記載の化合物。
【請求項93】
13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも三つが水素ではない、請求項89に記載の化合物。
【請求項94】
13a、R13b、R13c、R13d、及びR13eの少なくとも四つが水素ではない、請求項89に記載の化合物。
【請求項95】
13cが水素ではない、請求項89〜94のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項96】
13b又はR13dの少なくとも一つが水素ではない、請求項89〜94のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項97】
13cが水素ではなく、かつR13b又はR13dの少なくとも一つが水素ではない、請求項92〜94のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項98】
13cが水素ではなく、かつR13a又はR13eの少なくとも一つが水素ではない、請求項92〜94のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項99】
1が:
【化37】

からなる群より選択される、請求項89に記載の化合物。
【請求項100】
1が構造:
【化38】

(式中、
14a、R14b及びR14cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキ
シ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキルの塩、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルの塩、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、カルボキシ、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルコキシスルフィニルアルキル、チオシアノアルキル、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、グアニジノアルキル、グアニジノアルキルの塩、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルの塩の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Fは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項101】
Fが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項100に記載の化合物。
【請求項102】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項101に記載の化合物。
【請求項103】
Fが一置換フェニルである、請求項102に記載の化合物。
【請求項104】
Fが非置換のフェニルである、請求項102に記載の化合物。
【請求項105】
14a、R14b及びR14cが各々水素である、請求項100〜104のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項106】
1
【化39】

である、請求項100に記載の化合物。
【請求項107】
1が構造:
【化40】

(式中、
15a、R15b及びR15cは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロア
ルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Gは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びシクロアルケニルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項108】
Gが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項107に記載の化合物。
【請求項109】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項108に記載の化合物。
【請求項110】
Gが一置換フェニルである、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
Gが非置換のフェニルである、請求項109に記載の化合物。
【請求項112】
15a、R15b及びR15cが各々水素である、請求項107〜111のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項113】
1
【化41】

である、請求項107に記載の化合物。
【請求項114】
1が構造:
【化42】

(式中、
16a、R16b、R16c及びR16dは、各々独立して:水素、ハロ、ニトロ、シアノ、以下の残基:C1-24アルキル、C2-24アルケニル、C2-24アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロア
ルコキシ、アミノ、一置換アミン、二置換アミン、アルコキシ、アシル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、グアニジノアルキル及び−S(=O)2-の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択される)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項115】
Aが一置換、多置換又は非置換のアリール環である、請求項114に記載の化合物。
【請求項116】
一置換、多置換又は非置換のアリール環が一置換、多置換又は非置換のフェニルである、請求項115に記載の化合物。
【請求項117】
Aが一置換、多置換又は非置換のヘテロアリール環である、請求項114に記載の化合物。
【請求項118】
1がOである、請求項114〜117のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項119】
16a、R16b、R16c及びR16dが水素である、請求項118に記載の化合物。
【請求項120】
1がN=Nである、請求項114〜117のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項121】
16a、R16b、R16c及びR16dが水素である、請求項120に記載の化合物。
【請求項122】
1が:
【化43】

である、請求項114に記載の化合物。
【請求項123】
1及びE3がO及びSからなる群より選択される置換又は非置換のヘテロ原子であり;E2が置換又は非置換のN又は−CH2−であり;E4がO、S、及びNからなる群より選択される置換又は非置換のヘテロ原子であり;E5がNH2、OH又はSHである、請求項
1〜122のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項124】
3が、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択される、請求項1〜123のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項125】
2が、一置換、多置換又は非置換のC1〜C12アルキル、一置換、多置換又は非置換のC3〜C12シクロアルカニル、一置換、多置換又は非置換のC3〜C12シクロアルケニル、及び一置換、多置換又は非置換のアリールからなる群より選択され;R3が、一置換、多
置換又は非置換のC1-6アルキルである、請求項1〜124のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項126】
2が非置換のイソプロピル又はシクロアルケニルであり;R3がメチルである、請求項1〜124のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項127】
nが2である、請求項1〜126のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項128】
AgF及びAgF−CaF2からなる群より選択される銀試薬を使用して、式(A)の化合物上のハロゲンをヒドロキシル基で置き換えて式(B)の化合物を形成することを含む、式(B)の化合物の合成方法。
【化44】

(式中:
Aは、水素、ハロゲン、シアノ、以下の残基:C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C3〜C12シクロアルキニル、C3〜C12ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキル、アシル、アシルアルキル、アルキルオキシカルボニルオキシ、カルボニルアシル、アミノカルボニル、アジド、アジドアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、アミノアルキル、アミノアルキルの塩、カルボキシアルキル、カルボキシアルキルの塩、アルキルアミノ、アルキルアミノの塩、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノの塩、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、アルコキシスルフィニル、チオシアノ、ボロン酸アルキル、ボロン酸エステルアルキル、スルホアルキル、スルホアルキルの塩、アルコキシスルホニルアルキル、スルホオキシアルキル、スルホオキシアルキルの塩、アルコキシスルホニルオキシアルキル、ホスホノオキシアルキル、ホスホノオキシアルキルの塩、(アルキルホスホオキシ)アルキル、ホスホリルアルキル、ホスホリルアルキルの塩、(アルキルホスホリル)アルキル、ピリジニルアルキル、ピリジニルアルキルの塩、ヘテロアリールアルキルグアニジノの塩、グアニジノの塩、及びグアニジノアルキルの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;
Bは、水素、ハロゲン、以下の残基:C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルケニル、アリール、及びアリールアルキルの一置換、多置換
又は非置換の変形からなる群より選択され;
mは、1、2又は3であり;
A、EC、ED及びEEは、各々独立して置換又は非置換のヘテロ原子であり;
Bは、置換又は非置換のヘテロ原子又は−CH2−基であり;
Aは、ハロゲンである。)
【請求項129】
1
【化45】

である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の合成方法であって、構造:
【化46】

(式中、RA、RB、EA、EB、EC、ED、EE及びmは、請求項128に定義したものと同一である)を有する式(B)の化合物を、
【化47】

〔式中、RCは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され、ここでRCは、場合により
【化48】

で置換されてもよく、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択され;XBは、脱離基又はヒドロキシである〕と反応させて、式(I)(式中、R1
【化49】

である)の化合物を形成することを含む、方法。
【請求項130】
1
【化50】

である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の合成方法であって、構造
【化51】

(式中、RA、RB、EA、EB、EC、ED、EE及びmは、請求項128に定義したものと同一である)を有する式(B)の化合物を、
【化52】

式中、RCは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され、ここでRCは、場合により
【化53】

で置換されてもよく、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOC)からなる群より選択され;XBは、脱離基又はヒドロキシである)と反応させて、式(I)(式中、R1
【化54】

である〕の化合物を形成することを含む、方法。
【請求項131】
1
【化55】

である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の合成方法であって、構造
【化56】

(式中、RA、RB、EA、EB、EC、ED、EE及びmは、請求項128に定義したものと同一であり、LG1は脱離基である)を有する式(C)の化合物を、構造HO−RC又はXB−RC(式中、RCは、以下の残基:アリール、アリール(C1-6アルキル)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1-6アルキル)、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリル(C1-6アルキル)の一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され、ここでRCは、場合により
【化57】

で置換されてもよく、Aは、以下の残基:ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールの一置換、多置換又は非置換の変形からなる群より選択され;Z1は、O、S、N=N、O(CH21-6、S(O)2N(R17)、S(O)2N(R17)(CH21-6、C(=O)N(R17)、N(R17)C(=O)、N(R17)C(=O)(CH21-6、N(R17)C(=O)O(CH21-6、S(O)2、C(=O)、(CH21-6C(=O)、O(CH21-6C(=O)、(CH21-6N(R17)C(=O)、CH=CH−C(=O)N(R17)、CH=CH−C(=O)、O(CH21-6O、O(CH21-6及びN(R17a)C(=O)N(R17b)からなる群より選択され、R17、R17a及びR17bは、独立してH、C1-4アルキル、置換又は非置換のベンジル、アリル、及びt−ブトキシカルボニル(t−BOCからなる群より選択され;XBは、ハロゲン又はトシレートである)を有する群と反応させて、式(I)(式中、R1
【化58】

である)の化合物を形成することを含む、方法。
【請求項132】
脱離基がハロゲン又はスルホン酸エステルである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
脱離基が塩基により除去される、請求項131〜132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
請求項1〜127のいずれか一項に記載の一種以上の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグと、希釈剤、賦形剤及び担体からなる群より選択される一つ以上とを含有する医薬組成物。
【請求項135】
対象に治療的有効量の請求項1〜127のいずれか一項に記載の一種以上の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は請求項134に記載の組成物を投与することを含む、新生物疾病を処置、緩和又は診断する方法。
【請求項136】
有効量の請求項1〜127のいずれか一項に記載の一種以上の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は請求項134に記載の組成物と癌細胞を接触させることを含む、癌細胞の増殖を阻害する方法。
【請求項137】
有効量の請求項1〜127のいずれか一項に記載の一種以上の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は請求項134に記載の組成物と細胞を接触させることを含む、プロテアソーム活性を阻害する方法。
【請求項138】
有効量の請求項1〜127のいずれか一項に記載の一種以上の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、エステル若しくはプロドラッグ、又は請求項134に記載の組成物と細胞を接触させることを含む、NF−κB活性を阻害する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−519975(P2011−519975A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509617(P2011−509617)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/043644
【国際公開番号】WO2009/140287
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(505041656)ネレアス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】