説明

プロテアソーム阻害剤

本発明は、プロテアソーム阻害剤として有用な新規な化合物を提供する。また、本発明は、本発明の化合物を含む薬学的組成物および様々な病気の処置に当該組成物を用いる方法を提供する。例えば、本発明の化合物および薬学的組成物は、プロテアソーム活性により制御されるタンパク質(例えば、NFκB、p27Kip、p21WAF/CIP1、p53)を介して介在される疾患の処置に有用である。この疾患としては、炎症性の疾患(例えば、リウマチ様関節炎、炎症性の腸疾患、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、変形性関節症、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬))などが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテアソーム阻害剤として有用なボロン酸化合物およびボロン酸エステル(boronic ester)化合物に関する。本発明は、また、本発明の化合物を含む薬学的組成物および様々な病気の処置に当該組成物を用いる方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ボロン酸化合物およびボロン酸エステル化合物は、薬学的に有用な様々な生物学的活性を示す。Shenviら(特許文献1(1985))は、ペプチドボロン酸が、特定のタンパク質分解酵素の阻害剤であることを開示している。KettnerおよびShenvi(特許文献2(1993)、特許文献3(1993)および特許文献4(1993))は、トリプシン様プロテアーゼを阻害するペプチドボロン酸のクラスを記載している。Kleemanら(特許文献5(1992))は、レニンの働きを阻害するN末端修飾されたペプチドボロン酸を開示している。Kinderら(特許文献6(1992))は、特定のボロン酸化合物が、がん細胞の増殖を阻害することを開示している。Bachovchinら(国際公開第07/0005991号)は、線維芽細胞活性化タンパク質を阻害するペプチドボロン酸化合物を開示している。
【0003】
ボロン酸化合物およびボロン酸エステル化合物は、細胞内タンパク質代謝回転の大部分に関与する多触媒性タンパク質分解酵素であるプロテアソームに対する阻害剤として、特に見込みがある。Adamsら(特許文献7(1998))は、プロテアソーム阻害剤として有用なペプチドボロン酸エステル化合物およびペプチドボロン酸化合物を記載している。この参考文献は、また、筋タンパク質の分解速度を低下させるために、細胞内のNF−κBの活性度を低下させるために、細胞内のp53タンパク質の分解速度を低下させるために、細胞内のサイクリンの分解を阻害するために、がん細胞の増殖を阻害するためにおよびNF−κB依存性細胞接着を阻害するために、ボロン酸エステル化合物およびボロン酸化合物を使用することを記載している。Furetら(特許文献8)、Chatterjeeら(特許文献9)およびBernadiniら(特許文献10および国際公開第06/08660号)は、さらなるボロン酸エステル化合物およびボロン酸化合物を開示し、これらの化合物はプロテアソーム阻害活性を有すると報告されている。
【0004】
Ciechanover(Cell、79:13−21(1994))は、プロテアソームがユビキチン−プロテアソーム経路のタンパク質分解性成分であることを開示している。このユビキチン−プロテアソーム経路では、タンパク質が、多数のユビキチン分子と結合体化されることにより分解の標的とされる。また、Ciechanoverは、ユビキチン−プロテアソーム経路は、様々な重要な生理的プロセスで中心的な役割を果たすことを開示している。Rivettら(Biochem.J.291:1(1993))は、プロテアソームが、トリプシンペプチダーゼ活性、キモトリプシンペプチダーゼ活性およびペプチジルグルタミルペプチダーゼ活性を示すことを開示している。26Sプロテアソームの触媒コアを構成するものは、20Sプロテアソームである。McCormackら(Biochemistry 37:7792(1998))は、Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC、Z−Leu−Leu−Arg−AMCおよびZ−Leu−Leu−Glu−2NAを包含する(SucはN−スクシニルであり、AMCは7−アミノー4−メチルクマリンであり、そして、2NAは2−ナフチルアミンである)様々なペプチド基質が20Sプロテアソームにより切断されることを教示している。
【0005】
プロテアソーム阻害は、がんの処置における重要かつ新規な方法を象徴している。Kingら(Science 274:1652−1659(1996))は、細胞周期、腫瘍性の増殖および転移の制御における、ユビキチン−プロテアソーム経路についての極めて重要な役割を記載している。これらの著者は、サイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼp21およびp27KIP1を包含するいくつかの重要な調節タンパク質が、ユビキチン−プロテアソーム経路によって、細胞周期の間に、一時的に分解されることを教示している。これらのタンパク質の秩序づけられた分解は、細胞が細胞周期を進行させてそして有糸核分裂するのに必要とされる。
【0006】
さらに、ユビキチン−プロテアソーム経路は、転写調節に必要とされる。Palombellaら(Cell,78:773(1994))は、転写因子NF−κBの活性が、プロテアソームが介在する阻害剤タンパク質IκBの分解により調節されることを教示している。そして、NF−κBは、免疫応答および炎症応答に関係する遺伝子の調節に中心的な役割を果たす。Readら(Immunity 2:493−506(1995))は、ユビキチン−プロテアソーム経路は、E−セレクチン、ICAM−1、およびVCAM−1等の細胞接着分子の発現に必要とされることを教示している。Zetter(Seminars in Cancer Biology 4:219−229(1993))は、細胞接着分子が、インビボでのがんの転移および血管新生に関与し、これは、腫瘍細胞の血管系への付着および腫瘍細胞の血管系からの血管外遊出(extravastation)を、体内における遠位の組織部位に向けることによることを教示している。さらに、BegおよびBaltimore(Science 274:782(1996))は、NF−κBは抗アポトーシス性の調節因子であり、NF−κB活性の阻害が環境ストレスおよび細胞傷害性薬剤に対する細胞の感受性をより高めることを教示している。
【0007】
プロテアソーム阻害剤、VELCADE(登録商標)(ボルテゾミブ;N−2−ピラジンカルボニル−L−フェニルアラニン−L−ロイシンボロン酸)が、規制認可を獲得した最初のプロテアソーム阻害剤である。Mitsiadesら(Current Drug Targets,7:1341(2006))は、臨床研究を概説しており、これらの臨床研究により、少なくとも1回の事前治療を受けている多発性骨髄腫の患者の処置に対するボルテゾミブの承認に至った。Fisherら(J.Clin.Oncol.,30:4867)は、国際的多施設第II相試験を記載し、それは、再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫の患者におけるボルテゾミブの活性を裏付けている。Ishiiら(Anti−Cancer Agents in Medicinal Chemistry,7:359(2007))およびRoccaroら(Curr. Pharm. Biotech.,7:1341(2006))は、ボルテゾミブの抗腫瘍活性に寄与し得るいくつかの分子メカニズムを検討している。
【0008】
Vogesら(Annu. Rev. Biochem.,68:1015(1999))により報告された構造解析は、20Sプロテアソームは、28個のサブユニットを含み、触媒サブユニットであるβ1、β2およびβ5は、ペプチジルグルタミルペプチターゼ活性、トリプシンペプチターゼ活性およびキモトリプシンペプチターゼ活性にそれぞれ関与することを示している。Rivettら(Curr. Protein Pept. Sci.、5:153(2004))は、プロテアソームが、IFN−γおよびTNF−αを包含する特定のサイトカインに曝露された場合、β1サブユニット、β2サブユニットおよびβ5サブユニットが、代替的な触媒サブユニットであるβ1i、β2iおよびβ5iに置き換えられ、免疫プロテアソームとして知られるプロテアソームの異型を形成することを開示している。
【0009】
Orlowski(Hematology(Am.Soc.Hematol.Educ.Program)220(2005))は、免疫プロテアソームはまた造血性の前駆体に由来するいくつかの細胞にて構成的に発現されることを開示している。この著者は、免疫プロテアソームに特異的な阻害剤は、血液系起源から生じるがんに対する標的療法を可能し、それによって胃腸組織および神経組織等の正常組織に副作用が潜在的に及ばないようにできるかもしれないことを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,499,082号明細書
【特許文献2】米国特許第5,187,157号明細書
【特許文献3】米国特許第5,242,904号明細書
【特許文献4】米国特許第5,250,720号明細書
【特許文献5】米国特許第5,169,841号明細書
【特許文献6】米国特許第5,106,948号明細書
【特許文献7】米国特許第5,780,454号明細書
【特許文献8】国際公開第02/096933号
【特許文献9】国際公開第05/016859号
【特許文献10】国際公開第05/021558号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の参考文献により明示されているように、プロテアソームは、治療的介入のための重要な標的を表す。ゆえに、新規なおよび/または改善されたプロテアソーム阻害剤が引き続き必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(本発明の説明)
本発明は、プロテアソームの1つ以上のペプチターゼ活性に対する有効な阻害剤である化合物を提供する。これらの化合物は、インビトロおよびインビボでのプロテアソーム活性の阻害に有用であり、特に、様々な細胞増殖性の病気の処置に有用である。
【0013】
本発明の化合物は、以下の一般式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはそのボロン酸無水物である。
【0014】
【化1】

(式中、
Pは水素またはアミノ基ブロッキング部分(amino−group−blocking moiety)であり;
は0〜1個のRで置換されたC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であるか;または、RおよびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、置換または非置換の3〜6員の脂環式基を形成し;Rは置換または非置換の芳香族環または脂環式環であり;
はC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であるか;または、RおよびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、置換または非置換の3〜6員の脂環式基を形成し;
は0〜1個のRで置換されたC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であり;Rは置換または非置換の芳香族環または脂環式環であり;そして、
およびZは、それぞれ独立に、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアラルコキシであるか;またはZおよびZは、ボロン酸錯化剤から誘導された部分を、一緒になって形成する。)
【発明を実施するための形態】
【0015】
特に明記されない限り、用語「プロテアソーム」は、構成型プロテアソームおよび免疫プロテアソームの両方を意味することを意図される。
【0016】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書中で用いられる場合、置換または非置換の直鎖、分枝または環状のC1〜12炭化水素であり、完全に飽和しているかまたは1つ以上の不飽和単位を含むが、芳香族ではないものを意味する。例えば、好適な脂肪族基としては、置換または非置換の直鎖状、分枝もしくは環状の、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基およびこれらの混成体(hybrid)((シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニル等)が挙げられる。様々な実施形態では、脂肪族基は、1〜12個、1〜8個、1〜6個、1〜4個または1〜3個の炭素を有する。
【0017】
用語「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、単独またはより大きな部分の一部として用いられ、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族基を指す。本発明の目的上、用語「アルキル」は、脂肪族基を分子の残りの部分に結合させる炭素原子が飽和炭素原子である場合に、用いられる。しかしながら、アルキル基は、他の炭素原子に不飽和を含んでいてもよい。それゆえに、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、アリル、プロパルギル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
本発明の目的上、用語「アルケニル」は、脂肪族基を分子の残りの部分に結合させる炭素原子が炭素−炭素二重結合の一部を形成する場合に、用いられる。アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニルおよび1−ヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の目的上、用語「アルキニル」は、脂肪族基を分子の残りの部分に結合させる炭素原子が炭素−炭素三重結合の一部を形成する場合に、用いられる。アルキニル基としては、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニルおよび1−ヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
用語「脂環式」は、単独またはより大きな部分の一部として用いられ、3〜約14個の員を有する飽和または部分的に不飽和の環状脂肪族の環系を指し、当該脂肪族環系は任意に置換されている。いくつかの実施形態では、脂環式は、3〜8個または3〜6個の環炭素原子を有する単環式炭化水素である。非限定的な例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロへプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニルおよびシクロオクタジエニルが挙げられる。いくつかの実施形態では、脂環式は、6〜12個、6〜10個または6〜8個の環炭素原子を有する架橋または縮合された二環式炭化水素であり、当該二環式の環系内のどの個別の環も3〜8個の員を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、脂環式環上の2つの隣り合う置換基は、介在する環原子と一体となって、任意に置換され縮合された5〜6員の芳香族環または3〜8員の非芳香族環を形成し、当該環はO、NおよびSからなる群より選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する。それゆえに、用語「脂環式」は、1つ以上のアリール環、ヘテロアリール環またはヘテロシクリル環に縮合された脂肪族環を包含する。非限定的な例として、インダニル、5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリニル、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらには、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある)が挙げられる。
【0022】
用語「アリール」および「アラ−(ar−)」は、単独で用いられるかまたはより大きな部分の一部(例えば「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」)として用いられ、1〜3個の環を含み各環が任意に置換されているC〜C14の芳香族炭化水素を指す。好ましくは、アリール基は、C6〜10アリール基である。アリール基としては、フェニル、ナフチルおよびアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール環上の2つの隣り合う置換基は、介在する環原子と一体となって、任意に置換され縮合された5〜6員の芳香族環または4〜8員の非芳香族環を形成し、当該環はO、NおよびSからなる群より選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する。それゆえに、用語「アリール」は、本明細書中で用いられる場合、アリール環が1つ以上のヘテロアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環に縮合されている基(これらの基には、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある)を包含する。そのような縮合された環系の非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、フルオレニル、インダニル、フェナントリジニル、テトラヒドロナフチル、インドリニル、フェノキサジニル、ベンゾジオキサニルおよびベンゾジオキソリルが挙げられる。アリール基は、単環式、二環式、三環式または多環式、好ましくは単環式、二環式または三環式、より好ましくは単環式または二環式であり得る。用語「アリール」は、用語「アリール基」、「アリール部分」および「アリール環」と、互換的に用いられ得る。
【0023】
「アラルキル」基または「アリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合されたアリール基を包含し、いずれも独立して任意に置換されている。好ましくは、アラルキル基は、C6〜10アリール(C1〜6)アルキル、C6〜10アリール(C1〜4)アルキルまたはC6〜10アリール(C1〜3)アルキルであり、ベンジル、フェネチルおよびナフチルメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−(heteroar−)」は、単独で用いられるかまたはより大きな部分の一部(例えば「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」)として用いられ、5〜14個の環原子、好ましくは5個、6個、9個または10個の環原子を有し;環状配列において共有される6個、10個または14個のπ電子を有し;かつ炭素原子に加えて1個から4個のヘテロ原子を有する基を指す。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素または硫黄を指し、そして、窒素または硫黄のあらゆる酸化された形態および塩基性窒素のあらゆる四級化された形態を包含する。それゆえ、ヘテロアリールの環原子に関して用いられる場合、用語「窒素」は、酸化された窒素(ピリジンNオキシドにあるような)を包含する。5員のヘテロアリール基の特定の窒素原子は、また、以下にさらに定義されるように、置換可能である。ヘテロアリール基としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドリジン、ナフチリジン、プテリジン、ピロロピリジン、イミダゾピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、トリアゾロピリジン、ピロロピリミジン、プリンおよびトリアゾロピリミジンから誘導されたラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で用いられる場合、語句「から誘導されたラジカル」は、元の芳香族複素環系から水素ラジカルを取り除くことにより生成された一価のラジカルを意味する。ラジカル(すなわち、ヘテロアリールが分子の残りの部分に結合する点)は、元のヘテロアリール環系のどの環上の置換可能などの位置においても生成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール上の2つの隣り合う置換基は、介在する環原子と一体となって、任意に置換され縮合された5〜6員の芳香族環または4〜8員の非芳香族環を形成し、当該環はO、NおよびSからなる群より選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する。それゆえ、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」は、本明細書中で用いられる場合、芳香族複素環が1つ以上のアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環に縮合された基(当該基中、ラジカルまたは結合点が芳香族複素環上にある)も包含する。非限定的な例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式または多環式、好ましくは単環式、二環式または三環式、より好ましくは単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または「ヘテロアリール基」と、互換的に用いられ得て、いずれの用語も任意に置換された環を包含する。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールにより置換されたアルキル基(当該基中、アルキル部分およびヘテロアリール部分は独立して任意に置換されている)を指す。
【0026】
本明細書中で用いられる場合、用語「芳香族環」および「芳香族環系」は、0〜6個、好ましくは0〜4個の環ヘテロ原子を有し;かつ環状配列において共有される6個、10個または14個のπ電子を有する、任意に置換された単環基、二環基または三環基を指す。それゆえに、用語「芳香族環」および「芳香族環系」は、アリール基およびヘテロアリール基の両方を包含する。
【0027】
本明細書中で用いられる場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」および「複素環式環」は、互換的に用いられ、かつ、安定した3〜7員の単環式もしくは縮合された7〜10員のまたは架橋された6〜10員の二環式の複素環式部分を指し、いずれの複素環式部分も飽和または部分的に不飽和であり、かつ、炭素原子に加えて、上記に定義されたように、1個以上、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有すものである。複素環の環原子に関して用いられる場合、用語「窒素」は、置換された窒素を包含する。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル環では、窒素はN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるような)、NH(ピロリジニルにあるような)またはNR(N置換ピロリジニルにあるような)であり得る。複素環式環は、安定構造をもたらすいずれかのヘテロ原子または炭素原子にてそのペンダント基に結合され得て、そして、いずれの環原子も任意に置換され得る。そのような飽和または部分的に不飽和の複素環式ラジカルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
いくつかの実施形態では、複素環式環上の2つの隣り合う置換基は、介在する環原子と一体となって、任意に置換され縮合された5〜6員の芳香族環または3〜8員の非芳香族環を形成し、当該環はO、NおよびSからなる群より選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する。それゆえ、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環部分」および「複素環式ラジカル」は、本明細書中では互換的に用いられ、かつ、ヘテロシクリル環が1つ以上のアリール環、ヘテロアリール環または脂環式環に縮合されている基(当該基中、ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある)、例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルを包含する。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式または多環式、好ましくは単環式、二環式または三環式、より好ましくは単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルにより置換されたアルキル基(当該基中、アルキル部分およびヘテロシクリル部分は独立して任意に置換されている)を指す。
【0029】
本明細書中で用いられる場合、用語「部分的に不飽和」は、環原子間に少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。用語「部分的に不飽和」は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図されるが、本明細書中で定義されるように、アリール部分またはヘテロアリール部分を包含することを意図したものではない。
【0030】
用語「ハロ脂肪族」、「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルコキシ」は、脂肪族基、アルキル基、アルケニル基またはアルコキシ基を指し、場合によっては当該基は1つ以上のハロゲン原子で置換されている。本明細書中で用いられる場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。用語「フルオロ脂肪族」は、ハロゲンがフッ素であるハロ脂肪族(全フッ素置換された脂肪族基を包含する)を指す。フルオロ脂肪族基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2−トリフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロエチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
用語「リンカー基」または「リンカー」は、化合物の2つの部分を結合する有機部分を意味する。リンカーは、代表的には、酸素または硫黄等の原子、−NH−、−CH−、−C(O)−、−C(O)NH−等の単位、あるいはアルキレン鎖等の原子鎖を包含する。リンカーの分子量は、代表的には約14〜200の範囲、好ましくは14〜96の範囲であり、最大約6個の原子の長さを有する。いくつかの実施形態では、リンカーはC1〜6アルキレン鎖である。
【0032】
用語「アルキレン」は、二価のアルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、−(CH−(式中、nは正整数であり、好ましくは1〜6、1〜4、1〜3、1〜2または2〜3である)である。置換されたアルキレン鎖は、ポリメチレン基であり、1つ以上のメチレン水素原子が置換基で置き換えられたものである。好適な置換基としては、置換された脂肪族基について以下に記載されるものが挙げられる。アルキレン鎖は、また、1つ以上の位置で、脂肪族基または置換された脂肪族基で置換されていてもよい。
【0033】
また、アルキレン鎖は、官能基により任意に分断され得る。アルキレン鎖は、官能基によって、内部のメチレン単位がこの官能基で置き換えられている場合、「分断」されている。好適な「分断する官能基」の例としては、−C(R)=C(R)−、−C≡C−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(=NR)−N(R)−、−N(R)−C(=NR)−、−N(R)CO−、−N(R)SO−、−N(R)SON(R)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−OC(O)N(R)−、−C(O)−、−CO−、−C(O)N(R)−、−C(O)−C(O)−、−C(=NR)−N(R)−、−C(NR)=N−、−C(=NR)−O−、−C(OR)=N−、−C(R)=N−O−または−N(R)−N(R)−が挙げられる。各Rは独立して、水素または任意に置換された脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基であり、または同一の窒素原子上の2つのRは、窒素原子と一体となって、5〜8員の芳香族環または非芳香族環を形成し、当該環は、窒素原子に加えて、N、OおよびSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する。各Rは独立して、水素または任意に置換された脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基である。
【0034】
−O−で「分断」されているC3−6アルキレン鎖の例としては、−CHOCH−、−CHO(CH−、−CHO(CH−、−CHO(CH−、−(CHOCH−、−(CHO(CH−、−(CHO(CH−、−(CHO(CH)−、−(CHO(CH−および−(CHO(CH)−が挙げられる。官能基で「分断」されているアルキレン鎖の他の例としては、−CHZCH−、−CHZ(CH−、−CHZ(CH−、−CHZ(CH−、−(CHZCH−、−(CHZ(CH−、−(CHZ(CH−、−(CHZ(CH)−、−(CHZ(CH−および−(CHZ(CH)−(式中、Zは上記に列挙された「分断する」官能基のうちの1つである)が挙げられる。
【0035】
当業者ならば、分断を有するアルキレン鎖が官能基に結合される場合、特定の組み合わせが製薬学的用途では十分に安定ではないことを認識するであろう。同様に、TおよびR2dの特定の組み合わせは、製薬学的用途では十分に安定ではないだろう。安定または化学的に実現可能な化合物のみが本発明の範囲内である。安定または化学的に実現可能な化合物は、患者への治療的投与または予防的投与に有用であるのに十分に長く完全性を維持するものである。好ましくは、この化学構造は、−70℃未満、−50℃未満、―20℃未満、0℃未満または20℃未満の温度で、水分または他の化学的反応条件がない状態にて、少なくとも1週間保存した場合、ほぼ変化されない。
【0036】
用語「置換され」は、本明細書中で用いられる場合、指定された部分の水素ラジカルが特定の置換基のラジカルに置き換えられていることを意味し、これは、当該置換が安定または化学的に実現可能な化合物をもたらすことを条件とする。用語「置換可能な」は、指定された原子に関して用いられる場合、当該原子に水素ラジカルが結合されていることを意味し、当該水素ラジカルは好適な置換基のラジカルに置き換えられ得る。
【0037】
語句「1つ以上の置換基」は、本明細書中で用いられる場合、1から利用可能な結合部位の数に基づいた可能な置換基の最大数までと同等な数の置換基を指し、これは、安定および化学的実現可能性の上記の条件を満たすことを条件とする。特に示されない限り、任意に置換される基は、この基の各置換可能な位置に置換基を有していてもよく、そして、当該置換基は同一または異なっていてもよい。
【0038】
本明細書中で用いられる場合、用語「独立して選択され」は、同一または異なる値が、単一の化合物において与えられた可変部の複数の例に対して選択されてもよいことを意味する。
【0039】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキル等の中のアリール部分を包含する)基またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアラルコキシ等の中のヘテロアリール部分を包含する)基は、1つ以上の置換基を含んでいてもよい。アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の好適な置換基の例としては、−ハロ、−NO、−CN、−R、−C(R)=C(R、−C≡C−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SO、−SO、−SON(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−N(R)C(=NR)−N(R、−N(R)C(=NR)−R、−NRCO、−NRSO、−NRSON(R、−O−C(O)R、−O−CO、−OC(O)N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)−C(O)R、−C(O)N(R、−C(O)N(R)−OR、−C(O)N(R)C(=NR)−N(R、−N(R)C(=NR)−N(R)−C(O)R、−C(=NR)−N(R、−C(=NR)−OR、−N(R)−N(R、−C(=NR)−N(R)−OR、−C(R)=N−OR、−P(O)(R、−P(O)(OR、−O−P(O)−ORおよび−P(O)(NR)−N(R(式中、Rは任意に置換された脂肪族基、アリール基またはヘテロアリール基でありかつRおよびRは上記で定義されたとおりであるか、または、2つの隣り合う置換基は、それらの介在する原子と一体となって、5〜6員の不飽和または部分的に不飽和の環を形成し、当該環はN、OおよびSからなる群より選択される0〜3個の環原子を有する)が挙げられる。
【0040】
脂肪族基または非芳香族複素環式環は、1つ以上の置換値で置換されていてもよい。脂肪族基または非芳香族複素環式環の飽和炭素上の好適な置換基の例としては、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素について上記で列挙されたものおよび以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:=O、=S、=C(R、=N−N(R、=N−OR、=N−NHC(O)R、=N−NHCO、=N−NHSOまたは=N−R(式中、各RおよびRは上記で定義されたとおりである)。
【0041】
ヘテロアリール環または非芳香族複素環式環の置換可能な窒素原子上の好適な置換基としては、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)−C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(Rおよび−NRSO(式中、各Rは上記で定義されたとおりである)が挙げられる。また、ヘテロアリール環または非芳香族複素環式環の環窒素原子は、酸化され、対応するN−ヒドロキシ化合物またはN−オキシド化合物を形成してもよい。酸化された環窒素原子を有するそのようなヘテロアリールの非限定的な一例は、N−オキシドピリジルである。
【0042】
用語「約(about)」は、本明細書中では、およそ(approximately)、範囲(in the range of)、ほぼ(roughly)またはあたり(around)を意味するように用いられる。用語「約」が数値範囲と共に用いられる場合、それは、記載される数値の上下の境界を広げることによってこの範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書中では、数値を、記載された値の上下に10%の変動で変更するように用いられる。
【0043】
本明細書中で用いられる場合、用語「含む(comprise)」は、「含む(include)が、限定されない」を意味する。
【0044】
当業者にとって、本発明の特定の化合物が互変異性の形態で存在し得ることが自明であり、化合物のそのような互変異性の形態の全てが本発明の範囲内にある。特に記載されない限り、本明細書中にて示される構造は、また、全ての幾何(または配座)異性体、すなわち、(Z)二重結合異性体および(E)二重結合異性体ならびに(Z)配座異性体および(E)配座異性体を包含し、さらに構造の立体化学の形態の全て、すなわち各不斉中心に対するR立体配置およびS立体配置を包含することを意図される。したがって、本化合物の、単体の立体化学異性体ならびにエナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物が、本発明の範囲内にある。混合物が1つの立体異性体を別の立体異性体に対して豊富に含んでいる場合、この混合物は、例えば、少なくとも50%、75%、90%、99%または99.5%の鏡像異性体過剰率を有してもよい。
【0045】
特に記載されない限り、本明細書中で示される構造は、また、1つ以上の同位体を豊富に含む原子の存在のみ異なる化合物を包含することを意図される。例えば、二重水素または三重水素により水素原子が置き換えられていることあるいは13C濃縮の炭素または14C濃縮の炭素により炭素原子が置き換えられていることを除いた本構造を有する化合物が、本発明の範囲内にある。
【0046】
式(I)の化合物では、Rは0〜1個のRで置換されたC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基でありかつRはC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であるか;またはRおよびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、置換または非置換の3〜6員の脂環式基を形成する。Rは、置換または非置換の芳香族環または脂環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換または非置換のアリールである。特定の実施形態では、Rは、置換または非置換のフェニル基である。ある(scertain)特定の実施形態では、Rは、ハロ、C1〜4脂肪族またはC1〜4フルオロ脂肪族からなる群より独立して選択される0〜3個の置換基で置換されたフェニルである。
【0047】
いくつかの実施形態では、Rは−(CH−R(式中、nは1または2であり、そして、Rは、ハロ、C1〜4脂肪族またはC1〜4フルオロ脂肪族からなる群より独立して選択される0〜3個の置換基で置換されたフェニルである)である。
【0048】
いくつかの他の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基である。特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ−CHである。
【0049】
いくつかの他の実施形態では、RおよびRは、これらが結合された炭素原子と一体となって、3〜6員の脂環式基を形成する。いくつかのそのような実施形態では、RおよびRは、これらが結合された炭素原子と一体となって、シクロプロピル環またはシクロブチル環を形成し、当該環のいずれも0〜2個の置換基−Rで置換されている。各Rは、独立して、C1〜4脂肪族、C1〜4フルオロ脂肪族、−R1bまたは−T−R1b(式中、TはC1〜4アルキレンであり、そして、R1bは置換または非置換の芳香族基または脂環式基である)である。
【0050】
いくつかの実施形態では、R1bは置換または非置換のフェニル基である。いくつかのそのような実施形態では、R1bは、ハロ、C1〜4脂肪族またはC1〜4フルオロ脂肪族からなる群より独立して選択される0〜3個の置換基で置換されたフェニルである。
【0051】
式(I)の化合物では、Rは0〜1個のRで置換されたC1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基(当該基中、Rは置換または非置換の芳香族環または脂環式環である)である。いくつかの実施形態では、Rは−(CH−Rの式(式中、mは1または2であり、そして、Rは置換または非置換のフェニルである)を有する。特定の実施形態では、Rは、ハロ、C1〜4脂肪族またはC1〜4フルオロ脂肪族からなる群より独立して選択される0〜3個の置換基で置換されたフェニルである。
【0052】
いくつかの他の実施形態では、RはC1〜4脂肪族である。特定の実施形態では、Rはイソブチルである。
【0053】
式(I)の化合物では、可変部Pは、アミノ基ブロッキング部分である。アミノ基ブロッキング部分の非限定的な例が、P.G.M.Wuts and T.W.Greene,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4th ed.)、John Wiley & Sons,NJ(2007)にて見出され得て、例えば、アシル基、スルホニル基、オキシアシル基およびアミノアシル基を包含する。
【0054】
いくつかの実施形態では、PはR−C(O)−、R−O−C(O)−、R−N(R4x)−C(O)−、R−S(O)−またはR−N(R4x)−S(O)−(式中、可変部RはC1〜6脂肪族、C1〜6フルオロ脂肪族、−R、−T−Rおよび−T−R2dからなる群より選択され、そして、可変部T、R、R2dおよびR4xは以下に記載の値を有する)である。
【0055】
可変部R4xは水素、C1〜4アルキル、C1〜4フロオロアルキルまたはC6〜10アラ(C1〜4)アルキルであり、このアリール部分は置換または非置換である。いくつかの実施形態では、R4xは水素またはC1〜4アルキルである。ある特定の実施形態では、R4xは水素である。
【0056】
可変部Tは、独立して選択される0〜2個のR3aまたはR3bで置換されたC1〜6アルキレン鎖であり、このアルキレン鎖は−C(R)=C(R)−、−C≡C−または−O−により任意に分断されている。各R3aは、−F、−OH、−O(C1〜4アルキル)、−CN、−N(R、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COH、−CO(C1〜4アルキル)、−C(O)NHおよび−C(O)NH(C1〜4アルキル)からなる群より独立して選択される。各R3bは、独立して、R3aまたはRで任意に置換されたC1〜3脂肪族である。各Rは置換または非置換の芳香族基である。いくつかの実施形態では、TはC1〜4アルキレン鎖である。
【0057】
可変部R2dはハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−SO、−SON(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−O−C(O)R、−OC(O)N(R、−C(O)R、−COまたは−C(O)N(R(式中、
各Rは、独立して、水素または任意に置換された脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基であるか;または同一の窒素原子上の2つのRは、当該窒素原子と一体となって、任意に置換された4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、当該環は、窒素原子に加えて、N、OおよびSより独立して選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有し;
各Rは、独立して、水素または任意に置換された脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基であり;そして、
各Rは、独立して、任意に置換された脂肪族基、アリール基またはヘテロアリール基である)
である。
【0058】
可変部Rは、置換または非置換の芳香族環、ヘテロシクリル環または脂環式環であり、いずれの環も置換または非置換の、芳香族環、ヘテロシクリル環または脂環式環に任意に縮合されている。いくつかの実施形態では、Rは、フラニル、チエニル、ピロリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびテトラヒドロキノキサリニルからなる群より選択される置換または非置換の単環式環系または二環式環系である。
【0059】
いくつかの実施形態では、PはR−C(O)−の式を有し、RはC1〜4アルキル、C1〜4フロオロアルキルまたはC6〜10アラ(C1〜4)アルキルであり、このアリール部分は置換または非置換である。いくつかの他の実施形態では、PはR−C(O)−の式(式中、Rは置換または非置換のフェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニルまたはキノキサリニルである)を有する。ある特定の実施形態では、PはR−C(O)の式(式中、Rは、ハロ、C1〜4脂肪族およびC1〜4フルオロ脂肪族からなる群より独立して選択される0〜3個の置換基で置換されたフェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニルまたはキノキサリニルである)を有する。
【0060】
およびZがそれぞれ−OHである式(I)の化合物の代表的な例が、表1に示されている。
【0061】
【表1−1】

【0062】
【表1−2】

【0063】
【表1−3】

【0064】
【表1−4】

【0065】
【表1−5】

上記の表1の化合物は、以下の化学名によっても確認され得る。
【0066】
【表1−6】

【0067】
【表1−7】

本明細書中で用いられる場合、用語「ボロン酸」は、−B(OH)の部分を含む化学物質を指す。いくつかの実施形態では、ボロン酸化合物が、ボロン酸部分の脱水により、オリゴマー無水物を形成し得る。例えば、Snyderら(J.Am.Chem.Soc.80:3611(1958))は、オリゴマーアリールボロン酸を報告している。
【0068】
本明細書中で用いられる場合、用語「ボロン酸無水物」は、ボロン酸化合物の2つ以上の分子が合わさることにより1つ以上の水分子を失って形成された化学物質を指す。水と混合される場合、ボロン酸無水物化合物は水和されて遊離ボロン酸化合物を放出する。様々な実施形態では、ボロン酸無水物は、2個、3個、4個またはそれより多いボロン酸単位を含み得て、かつ、環状構造または直鎖状構造を有し得る。本発明のペプチドボロン酸化合物のオリゴマーボロン酸無水物の非限定的な例が、以下に図示される。
【0069】
【化2】

式(1)および式(2)では、可変部pは、0から約10までの整数であり、好ましくは0、1、2、3または4である。いくつかの実施形態では、ボロン酸無水物化合物は、式(2)の環状トリマー(「ボロキシン」)(式中、pは1である)を含む。可変部Wは、式(3)を有する:
【0070】
【化3】

(式中、可変部P、R、RおよびRは、式(1)について上記で記載された値を有する)。
【0071】
いくつかの実施形態では、ボロン酸無水物化合物に存在するボロン酸のうち少なくとも80%は、単一のオリゴマー無水物の形態で存在する。いくつかの実施形態では、ボロン酸無水物化合物に存在するボロン酸のうち少なくとも85%、90%、95%または99%は、単一のオリゴマー無水物の形態で存在する。特定の好ましい実施形態では、ボロン酸無水物化合物は、式(3)を有するボロキシンからなるまたは本質的には当該ボロキシンからなる。
【0072】
ボロン酸無水物化合物は、好ましくは、対応するボロン酸から、脱水条件にさらされることにより調製され得て、当該脱水条件は、再結晶、凍結乾燥、熱への暴露および/または乾燥剤への暴露が挙げられるが、これらに限定されない。好適な再結晶溶媒の非限定的な例としては、酢酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサン、エーテル、アセトニトリル、エタノールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ZおよびZは、ボロン酸錯化剤から誘導された部分を、一緒になって形成する。本発明の目的上、用語「ボロン酸錯化剤」は、少なくとも2個の官能基を有するあらゆる化合物を指し、当該各官能基はホウ素と共有結合を形成し得る。好適な官能基の非限定的な例としては、アミノおよびヒドロキシルが挙げられる。いくつかの実施形態では、官能基のうち少なくとも1つは、ヒドロキシル基である。用語「ボロン酸錯化剤から誘導された部分」は、ボロン酸錯化剤の2つの官能基から水素原子を取り除くことにより形成された部分を指す。
【0074】
本明細書中で用いられる場合、用語「ボロナートエステル」および「ボロン酸エステル」は、互換的に用いられ、かつ、−B(Z)(Z)の部分を含む化学物質を指す。当該部分中、ZまたはZのうち少なくとも1つは、アルコキシ、アラルコキシまたはアリールオキシであるか;またはZおよびZは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するボロン酸錯化剤から誘導された部分を、一緒になって形成する。
【0075】
いくつかの実施形態では、ZおよびZは、鎖または環内の少なくとも2個の結合原子によって隔てられた少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物から誘導された部分を、一緒になって形成し、当該鎖または環は、炭素原子を含み、かつ、N、SまたはOとなり得る1個のヘテロ原子または複数のヘテロ原子を任意に含み、それぞれの場合でホウ素に結合された原子は酸素原子である。
【0076】
本明細書中で使用される場合、用語「少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物」は、2個以上のヒドロキシル基を有するあらゆる化合物を指す。本発明の目的上、好ましくは、2個のヒドロキシル基は、少なくとも2個の結合原子、好ましくは約2個から約5個までの結合原子、より好ましくは2個または3個の結合原子により隔てられる。便宜上、用語「ジヒドロキシ化合物」は、上記で定義されたような、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物を指すように用いられてもよい。それゆえ、本明細書中で使用される場合、用語「ジヒドロキシ化合物」は、ヒドロキシル基を2個のみ有する化合物に限定されるとは意図されない。少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物から誘導された部分は、そのヒドロキシル基のうちいずれか2つのヒドロキシル基の酸素原子によりホウ素に結合されていてもよい。好ましくは、ホウ素原子、ホウ素に結合された酸素原子および2つの酸素原子を結合している原子は、5員または6員の環を、一緒になって形成する。
【0077】
本発明の目的上、ボロン酸錯化剤は、好ましくは、薬学的に受容可能、すなわち、ヒトに対する投与に好適である。いくつかの好ましい実施形態では、ボロン酸錯化剤は、糖である。用語「糖」は、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール類およびアミノ糖類を包含するあらゆるポリヒドロキシ炭水化物部分を包含する。いくつかの実施形態では、糖は、単糖、二糖、糖アルコールまたはアミノ糖である。好適な糖の非限定的な例としては、グルコース、スクロース、フルクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、グルコサミンおよびN−メチルグルコサミンが挙げられる。特定の実施形態では、糖は、マンニトールまたはソルビトールである。それゆえに、糖がマンニトールまたはソルビトールである実施形態では、ZおよびZは、C12の式の部分(当該部分中、2つの脱プロトン化されたヒドロキシル基の酸素原子がホウ素と共有結合を形成しボロナートエステル化合物を形成する)を、一緒になって形成する。ある特定の実施形態では、ZおよびZは、D−マンニトールから誘導された部分を、一緒になって形成する。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、凍結乾燥粉末として、Plamondonら(国際公開第02/059131号(その全体が参考として本明細書中で援用される))に記載されているように、製剤化される。いくつかの実施形態では、また、凍結乾燥粉末は遊離ジヒドロキシ化合物を含む。好ましくは、遊離ジヒドロキシ化合物および式(I)の化合物は、混合物中に存在し、そのモル比は、約0.5:1から約100:1まで、より好ましくは約5:1から約100:1までの範囲である。ジヒドロキシ化合物がマンニトールである様々な実施形態では、凍結乾燥粉末は、遊離マンニトールおよびマンニトールボロナートエステルを含み、そのモル比は、約10:1から約100:1まで、約20:1から約100:1までまたは約40:1から約100:1までの範囲である。
【0079】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥粉末は、マンニトールおよび式(I)の化合物を含み、他の成分を実質的に含んでいない。しかしながら、組成物は、1つ以上の他の薬学的に受容可能な賦形剤(excipient)、キャリア、賦形薬(diluent)、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤および当該技術分野において周知の他の物質をさらに含み得る。これらの物質を含む薬学的に受容可能な製剤の調製についは、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins、2000または最新版に、記載されている。
【0080】
式(I)の化合物を含む凍結乾燥粉末は、好ましくは、Plamondonら(国際公開第02/059131号)に記載の工程に従って調製される。それゆえに、いくつかの実施形態では、凍結乾燥粉末を調製するための方法は、(a)ペプチドボロン酸およびジヒドロキシ化合物を含む水性混合物を調製する工程および(b)当該混合物を凍結乾燥する工程を含む。
【0081】
(一般的な合成法)
式(I)の化合物は、当業者に周知の方法により調製され得る。例えば、Adamsら(米国特許第5,780,454号)およびPickersgillら(国際公開第2005/097809号)を参照のこと。代表的な合成経路が、以下のスキーム1に示されている。
【0082】
スキーム1:
【0083】
【化4】

化合物iのN−保護アミノ酸(ii)とのカップリングと、その後のN−末端脱保護は、化合物iiiをもたらす。好適な保護基(PG)の例としては、例えばホルミル、アセチル(Ac)、スクシニル(Suc)およびメトキシスクシニル等のアシル保護基ならびに例えばtert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)等のウレタン保護基が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドカップリング反応は、化合物iiのカルボン酸部分の、活性化エステルへの、例えば、O−(N−ヒドロキシスクシンイミド(hydroxysuccinnimide))エステルへの事前の変換と、その後の化合物iによる処理によって、行われ得る。代替的に、活性化エステルは、カルボン酸をペプチドカップリング試薬に接触させることによりインサイチューで生成され得る。好適なペプチドカップリング試薬の例としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)等のカルボジイミド試薬;例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)等のホスホニウム試薬;および例えばO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)等のウラン試薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
化合物iiiは、その後、アミノ基ブロッキング部分に、例えばR−C(O)−にカップリングされ、化合物ivをもたらす。化合物iおよび化合物iiのカップリングについて上記に記載されたペプチドカップリング条件は、また、化合物iiiをR−COHにカップリングさせるのに適する。ボロン酸部分の脱保護は、その後化合物vをもたらす。脱保護ステップは、好ましくは、ボロン酸エステル化合物iv、有機ボロン酸アクセプター、低級アルカノール、C5〜8炭化水素溶媒および水性鉱酸を含む二相性混合物中でのエステル交換反応により、行われる。
【0085】
スキーム2:
【0086】
【化5】

代替的に、カップリング反応の順番は、スキーム2に示されているように、入れ替えられ得る。それゆえに、O−保護アミノ酸(vi)が、まず、アミノ基ブロッキング部分に、例えば、R−C(O)−にカップリングされ、続いてエステル加水分解が起こり、化合物viiを形成する。化合物iとのカップリングとボロン酸の脱保護が、その後、スキーム1について上記に記載されたように行われ、化合物vをもたらす。
【0087】
(用途、製剤および投与)
本発明は、プロテアソームの1つ以上のペプチターゼ活性に対する強力な阻害剤である化合物を提供する。当該化合物は、インビトロまたはインビボで、プロテアソームが介在するペプチド加水分解またはタンパク質分解を阻害する能力について、アッセイされ得る。
【0088】
別の局面では、したがって、本発明は、プロテアソームの1つ以上のペプチターゼ活性を細胞内で阻害する方法を提供する。当該方法は、プロテアソーム阻害が所望される細胞を、本明細書中で記載される化合物に、その薬学的に受容可能な塩に、そのボロン酸エステルにまたはそのボロン酸無水物に接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、免疫プロテアソームの1つ以上のペプチターゼ活性が、構成型プロテアソームの1つ以上のペプチターゼ活性を阻害するのに必要な化合物の濃度より低い化合物の濃度で、阻害される。いくつかの実施形態では、免疫プロテアソームの少なくとも1つのペプチターゼ活性を阻害するのに必要な化合物の濃度は、構成型プロテアソームの少なくとも1つのペプチターゼ活性を阻害するのに必要な濃度の、少なくとも2分の1、少なくとも5分の1または少なくとも10分の1である。
【0089】
また、本発明は細胞増殖を阻害する方法を提供し、当該方法は、そのような阻害が所望される細胞を、本明細書中で記載される化合物に接触させる工程を含む。語句「細胞増殖を阻害する」は、細胞数または細胞増殖を阻害する本発明の化合物の能力を、その阻害剤と接触してない細胞と比較して当該阻害剤と接触した細胞において、示すのに使用される。細胞増殖の評価は、セルカウンタを用いて細胞を数えることによってまたは細胞生存率のアッセイ、例えばMTTアッセイもしくはWSTアッセイにより、行われ得る。細胞が充実性増殖の状態である場合(例えば、固形腫瘍または臓器)、細胞増殖のそのような評価は、例えばカリパスを用いて増殖を測定し、接触した細胞の増殖の大きさと、接触してない細胞の増殖の大きさとを比較することにより、行われ得る。
【0090】
好ましくは、阻害剤と接触した細胞の増殖は、接触してない細胞の増殖と比較して少なくとも約50%遅らされる。様々な実施形態では、接触した細胞の細胞増殖は、接触していない細胞と比較して、少なくとも約75%、少なくとも約90%または少なくとも約95%阻害される。いくつかの実施形態では、語句「細胞増殖を阻害する」は、接触していない細胞と比較して接触した細胞の数が低下することを包含する。それゆえに、接触した細胞で細胞増殖を阻害するプロテアソーム阻害剤は、接触した細胞に、増殖遅延、増殖停止、プログラム細胞死(すなわちアポトーシス)または壊死性の細胞死を引き起し得る。
【0091】
別の局面では、本発明は、薬学的組成物を提供し、当該薬学的組成物は、式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはそのボロン酸無水物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0092】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩がこれらの組成物に用いられる場合、その塩は、好ましくは、無機酸または有機酸あるいは無機塩基または有機塩基から誘導される。好適な塩の検討のために、例えば、Bergeら(J.Pharm.Sci.66:1−19(1977))およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000)を参照のこと。
【0093】
好適な酸付加塩の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマール酸塩、グルコヘプタン酸塩(lucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(tosylate)およびウンデカン酸塩。
【0094】
好適な塩基付加塩としては、アンモニウム塩;リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩およびマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩等の他の多価金属塩;ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミンおよびコリン等の有機塩基を含む塩;アルギニン、リジン等のアミノ酸を含む塩等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬学的に受容可能な塩は、式(I)のボロン酸化合物の塩基付加塩(式中、ZおよびZはいずれもヒドロキシである)である。
【0095】
用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、レシピエント被検体に、好ましくは哺乳動物に、より好ましくはヒトに適合性がありかつ、活性剤を標的部位に、当該薬剤の活性を停止させないように、輸送するのに適する物質を指すように本明細書中では用いられる。キャリアに関連した毒性または副作用は、たとえそれが存在するとしても、好ましくは、その活性剤の意図された用途にとって適切なリスク/ベネフィット比に相応したものである。
【0096】
用語「キャリア」、「補助剤」または「ビヒクル」は、互換的に本明細書中では用いられ、かつ、所望される特定の投与形態に適合するような、あるゆるおよび全ての溶剤、賦形薬、および他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、pH調整剤、等張剤(isotonic agent)、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固形結合剤(solid binder)、潤滑剤等を、包含する。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000は、薬学的に受容可能な組成物の製剤化およびその調製のための公知の手法で用いられる様々なキャリアを開示している。いずれかの従来のキャリア媒体が本発明の化合物と適合せず、それが、いずれかの望ましくない生物学的作用をもたらすことまたは薬学的に受容可能な組成物の他の成分のいずれか(複数可)と有害な様式で相互作用すること等による場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内にあると意図される。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩、炭酸塩、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、発熱物質を含まない水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウムおよび亜鉛塩等の塩または電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、ラクトース、グルコース、スクロースおよびマンニトール等の糖類、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン等のデンプン類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のセルロースおよびその誘導体、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオ脂および坐剤ワックス等の賦形剤、ラッカセイ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油等の油類、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール等のグリコール類、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル類、寒天、アルギン酸、等張生理食塩水、リンゲル液、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコールおよびグリセロール等のアルコール類、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、鉱油およびワセリン等の石油炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、着香剤および芳香剤(perfuming agent)、防腐剤ならびに酸化防止剤が、配合者の判断に従って、組成物内に存在し得る。
【0097】
本発明の薬学的組成物は、とりわけ従来の造粒プロセス、混合プロセス、溶解プロセス、カプセル化プロセス、凍結乾燥プロセスまたは乳化プロセスといった、当該技術分野で周知の方法によって製造され得る。組成物は、以下のような様々な形態で製造され得る:顆粒剤、沈殿物、微粒剤、粉末剤(凍結乾燥粉末、回転乾燥粉末またはスプレー乾燥粉末を包含する)、非晶質粉末剤、タブレット、カプセル、シロップ、坐剤、注射剤、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤または液剤。
【0098】
好ましい実施形態によると、本発明の組成物は、哺乳動物への、好ましくはヒトへの薬学的投与のために製剤化される。そのような本発明の薬学的組成物は、経口、非経口、吸入噴霧によって、局所的に、直腸内、経鼻、口腔内、経膣または埋込レザバーを介して投与され得る。用語「非経口」は、本明細書中で用いられる場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内(intra−synovial)、胸骨内、鞘内、肝臓内、病巣内および頭蓋内の注射または注入手法を包含する。好ましくは、組成物は、経口、静脈内または皮下投与される。本発明の製剤は、短時間作用性、速放性または長時間作用性に設計され得る。さらに、化合物は、全身的手段ではなく局所的手段で投与され得て、例えば、腫瘍部位に(例えば、注射によって)投与され得る。
【0099】
経口投与のための液体投与の形態としては、薬学的に受容可能な乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投与の形態は、例えば水または他の溶剤等の、当該技術分野で通常用いられる不活性な賦形薬、以下のような可溶化剤および乳化剤を含んでいてもよい:エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、シクロデキストリン、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにこれらの混合物。また、不活性な賦形薬に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤および芳香剤等の補助剤を含み得る。
【0100】
注射可能な製剤、例えば、無菌注射可能な水性懸濁剤または油性懸濁剤が、周知の技術に従って、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、製剤化され得る。また、無菌注射可能な製剤は、非毒性の非経口的に受容可能な賦形薬または溶剤内の無菌注射可能な液剤、懸濁剤または乳濁剤であり得て、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶剤には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌した固定油は、従来、溶媒または懸濁化媒体として用いられる。この目的のために、あらゆる無菌性の固定油が用いられ得て、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを包含する。さらに、オレイン酸等の脂肪酸が、注射剤の調製に用いられる。注射可能な製剤は無菌化され得て、例えば細菌保持フィルタに通す濾過により、あるいは滅菌した水または他の滅菌した注射可能な媒体に使用前に溶解または分散され得る無菌の固体組成物の形態のものに、滅菌剤を混入することにより、行われ得る。非経口投与のために製剤化された組成物は、ボーラス注入または時間が決められた押し込み(timed push)により注入され得て、または、連続注入によって投与され得る。
【0101】
経口投与のための固体投与の形態としては、カプセル、タブレット、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固体投与の形態では、活性化合物は、以下のものと混合される:クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム等の少なくとも1つの不活性かつ薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリアならびに/またはa)デンプン類、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等の充填剤もしくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤、d)アガー、グアー、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩または炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶解遅延剤(solution retarding agent)、f)第四アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール等の湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイ等の吸収剤およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物等の潤滑剤。また、カプセル、タブレットおよび丸剤の場合、投与の形態は、リン酸塩および炭酸塩等の緩衝剤を含んでいてもよい。
【0102】
また、同様なタイプの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖および高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を用いた軟充填ゼラチンカプセルおよび硬充填ゼラチンカプセル内で、充填剤として用いられ得る。タブレット、糖剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体投与の形態は、腸溶コーティングおよび薬学的調剤化の技術分野で周知の他のコーティング等のコーティングならびにシェルを用いて、調製され得る。これらは、乳白剤を任意に含んでいてもよく、また、これらが活性成分(複数可)を腸管の特定の部分にのみでまたは優先的に、任意に遅延された様式で、放出するような組成物よりなり得る。用いられ得る包埋組成物の例としては、高分子物質およびワックスが挙げられる。また、同様なタイプの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖および高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を用いた軟充填ゼラチンカプセルおよび硬充填ゼラチンカプセル内で、充填剤として用いられ得る。
【0103】
また、活性化合物は、上記で示されたように、1つ以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態であり得る。タブレット、糖剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体投与の形態は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび薬学的調剤化の技術分野で周知の他のコーティング等のコーティングならびにシェルを用いて調製され得る。そのような固体投与の形態では、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプン等の少なくとも1つの不活性賦形薬とともに混合され得る。また、そのような投与の形態は、通常の実施のように、不活性賦形薬以外の付加的な物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース等の錠剤化潤滑剤および他の錠剤化助剤を、含んでいてもよい。また、カプセル、タブレットおよび丸剤の場合、投与の形態は、緩衝剤を含んでいてもよい。これらは、乳白剤を任意に含んでいてもよく、また、これらが活性成分(複数可)を腸管の特定の部分にのみでまたは優先的に、任意に遅延された様式で、放出するような組成物よりなり得る。用いられ得る包埋組成物の例としては、高分子物質およびワックスが挙げられる。
【0104】
本発明の化合物の局所的な投与または経皮投与のための投与の形態としては、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、噴霧剤、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性成分は無菌条件下で、必要とされ得る場合、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要な防腐剤または緩衝剤とともに混合される。眼科用製剤、点耳薬および点眼薬が、また、本発明の範囲内であると意図される。付加的に、本発明は、経皮パッチの使用を意図し、これは体への化合物の制御された供給をもたらすという付加的な利点を有する。そのような投与の形態は、化合物を適する媒体に溶解または分散させることにより、生成され得る。また、吸収エンハンサーが、皮膚を通る化合物の流速を高めるために用いられ得る。この速度は、速度制御膜を提供することまたは化合物をポリマーマトリックスまたはゲル内に分散させることのいずれかによって、制御され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、静脈内投与される。そのような実施形態では、式(I)の化合物(式中、ZおよびZが、ボロン酸錯化剤から誘導された部分を、一緒になって形成する)は、上記に記載されたように、凍結乾燥粉末の形態で調製され得る。好ましくは、凍結乾燥粉末は、薬学的投与に適する水性溶剤を加えることにより、もとに戻される。もとに戻すのに適した溶媒の例としては、水、生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、凍結乾燥粉末は、通常(0.9%)の生理食塩水を用いて、もとに戻される。もとに戻される際、平衡状態が、ボロナートエステル化合物と対応する遊離ボロン酸化合物との間で、確立される。いくつかの実施形態では、平衡状態に素早く到達し、例えば、水性媒体の添加から10分〜15分以内に到達する。平衡状態で存在するボロナートエステルおよびボロン酸の相対濃度は、以下のようなパラメータに依存する:例えば、溶液のpH、温度、ボロン酸錯化剤の性質および凍結乾燥粉末に存在するボロン酸錯化剤のボロナートエステル化合物に対する比。
【0106】
好ましくは、本発明の薬学的組成物は、プロテアソームが介在する疾患にかかっている患者または当該疾患が再発する危険性もしくは当該疾患が再発している患者に対する投与のために、製剤化される。用語「患者」は、本明細書中で用いられる場合、動物を、好ましくは哺乳動物を、より好ましくはヒトを意味する。本発明の好ましい薬学的組成物は、経口投与、静脈内投与または皮下投与のために製剤化されたものである。しかしながら、本発明の化合物を治療的に有効な量で含む上記投与の形態のいずれも、十分に日常の実験の範囲内であり、したがって、十分に本発明の範囲内である。いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物は、さらに、別の治療薬を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような別の治療薬は、処置される病気または状態の患者に通常投与されるものである。
【0107】
「治療的に有効な量」は、プロテアソーム活性またはプロテアソームが介在する疾患の重症度を検出可能に低下させるのに十分な量を意味する。必要とされるプロテアソーム阻害剤の量は、与えられた細胞のタイプおよび疾患を処置するのに必要とされる期間に対する阻害剤の有効性に依存するだろう。また、あらゆる特定の患者のための特定の用量および処置療法が、以下のような様々な要因に依存することが理解されるべきである:用いられる特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食生活、投与の時間、排出の速度、薬剤の組み合わせ、処置する医師の判断ならびに処置される特定の疾患の重症度。本発明の組成物に存在する付加的な治療薬の量は、代表的には、唯一の活性剤として当該治療薬を含む組成物が通常投与されるであろう量以下である。好ましくは、付加的な治療薬の量は、唯一の活性剤として当該治療薬を含む組成物に存在する通常の量の約50%から約100%の範囲にわたるだろう。
【0108】
別の局面では、本発明は、プロテアソームが介在する疾患にかかっている患者または当該疾患が再発する危険性もしくは当該疾患が再発している患者を処置する方法を提供する。本明細書中で用いられる場合、用語「プロテアソームが介在する疾患」は、プロテアソームの発現または活性の増加により引き起こされるまたは特徴付けられるあらゆる疾患、病気または状態、あるいはプロテアソーム活性を必要とするあらゆる疾患、病気または状態を、包含する。また、用語「プロテアソームが介在する疾患」は、プロテアソーム活性の阻害が有益であるあらゆる疾患、病気または状態を包含する。
【0109】
例えば、本発明の化合物および薬学的組成物は、プロテアソーム活性により制御されるタンパク質(例えば、NFκB、p27Kip、p21WAF/CIP1、p53)を介して介在される疾患の処置に有用である。関連する疾患としては、炎症性の疾患(例えば、リウマチ様関節炎、炎症性の腸疾患、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、変形性関節症、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬))、血管増殖性疾患(例えば、アテローム硬化症、再狭窄)、増殖性眼疾患(例えば、糖尿病性網膜症)、良性増殖性疾患(例えば、血管腫)、自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、組織拒絶および臓器拒絶)、さらに、感染に関連する炎症(例えば、免疫応答)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、神経障害性疼痛、トリプレットリピート病、星状細胞腫およびアルコール性肝疾患が原因の神経変性)虚血傷害(例えば、脳卒中)ならびに悪液質(例えば、様々な生理学的状態および病理学的な状態(例えば、神経損傷、絶食、発熱、アシドーシス、HIV感染、がんの罹患および特定の内分泌障害)を伴う、促進された筋タンパク質の分解が挙げられる。
【0110】
本発明の化合物および薬学的組成物は、がんの処置に特に有用である。本明細書中で用いられる場合、用語「がん」は、制御されない細胞増殖もしくは調節不全の(disregulated)細胞増殖、細胞分化の減少、周辺組織を冒す不適当な能力および/または異所で新たな増殖を確立する能力により特徴付けられる細胞性疾患を指す。用語「がん」は、固形腫瘍および血液由来の腫瘍を包含するが、これらに限定されない。用語「がん」は、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液および管の病気を包含する。用語「がん」は、原発性癌および転移性癌をさらに包含する。
【0111】
開示されるプロテアソーム阻害剤で処置され得る固形腫瘍の非限定的な例としては、膵臓癌;膀胱癌;結腸直腸癌;転移性乳癌を包含する乳癌;アンドロゲン依存性前立腺癌およびアンドロゲン非依存性前立腺癌を包含する前立腺癌;例えば転移性腎細胞癌を包含する腎癌;肝細胞癌;例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、細気管支肺胞癌(BAC)および肺の腺癌を包含する肺癌;例えば進行性上皮癌または原発性腹膜癌を包含する卵巣癌;子宮頸癌;胃癌;食道癌;例えば頭頸部扁平上皮癌を包含する頭頸部癌;メラノーマ;転移性神経内分泌腫瘍を包含する神経内分泌癌;例えばグリオーム、退形成乏突起神経膠腫、成人多形神経膠芽腫および成人未分化星状細胞腫を包含する脳腫瘍;骨癌;ならびに軟部組織肉腫が挙げられる。
【0112】
開示されるプロテアソーム阻害剤で処置され得る血液悪性腫瘍の非限定的な例としては、急性骨髄性白血病(AML);慢性骨髄性白血病(CML)(移行期のCMLおよびCMLの急性転化期(CML−BP)を包含する);急性リンパ性白血病(ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);ホジキン病(HD);非ホジキンリンパ腫(NHL)(濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を包含する);B細胞リンパ腫;T細胞リンパ腫;多発性骨髄腫(MM);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;骨髄異形成症候群(MDS)(不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)および移行期の芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB−T)を包含する);ならびに骨髄増殖性症候群が挙げられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物または組成物は、多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫(NHL)からなる群より選択されるがんにかかっている患者または当該がんが再発する危険性もしくは当該がんが再発している患者を処置するのに有用である。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明のプロテアソーム阻害剤は、別の治療薬とともに投与される。また、その別の治療薬はプロテアソームを阻害してもよく、またはその別のメカニズムで作用してもよい。いくつかの実施形態では、その別の治療薬は、処置される病気または状態の患者に通常投与されるものである。本発明のプロテアソーム阻害剤は、その別の治療薬とともに、単回投与の形態または別個投与の形態として投与され得る。別個投与の形態として投与される場合、別の治療薬は、本発明のプロテアソーム阻害剤の投与前に、当該投与と同時にまたは当該投与後に、投与され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、式(I)のプロテアソーム阻害剤が、抗がん剤とともに投与される。本明細書中で用いられる場合、用語「抗がん剤」は、がんの患者に対して、当該がんを処置する目的で、投与されるあらゆる薬剤を指す。
【0116】
DNA損傷化学療法剤の非限定的な例としては、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシンおよびその類似物またはその代謝産物ならびにドキソルビシン);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシドおよびダウノルビシン);アルキル化薬(例えば、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシンCおよびシクロホスファミド);DNAインターカレーター(例えば、シスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン);ブレオマイシン等のDNAインターカレーターおよびフリーラジカル発生剤;ならびにヌクレオチド模倣剤(例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビン(capecitibine)、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンおよびヒドロキシ尿素)が挙げられる。
【0117】
細胞複製を乱す化学療法剤としては、パクリタキセル、ドセタキセルおよび関連する類似物;ビンクリスチン、ビンブラスチンおよび関連する類似物;サリドマイド、レナリドマイドおよび関連する類似物(例えば、CC−5013およびCC−4047);タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブおよびゲフィチニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ);IκBキナーゼの阻害剤を包含するNF−κB阻害剤;がんにおいて過剰発現されたタンパク質に結合しそしてそれにより細胞複製をダウンレギュレートする抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブおよびベバシズマブ);ならびにがんにおいてアップレギュレート、過剰発現または活性化されることが分かっているタンパク質または酵素に対する他の阻害剤(その阻害は細胞の複製をダウンレギュレートする)が挙げられる。
【0118】
本発明がより十分に理解されるために、以下の調製例および試験例が記載される。これらの例は、具体的な化合物の製造法または試験法を例示し、そして、いかなる様式でも本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0119】
(略語)
ACN アセトニトリル
AIB アミノイソ酪酸
BOC tert−ブトキシカルボニル
DCM 塩化メチレン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィ
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
LC/MS 液体クロマトグラフィ 質量スペクトル
MeOH メタノール
min 分
NMM 4−メチルモルホリン
ダイオードアレイスペクトルからの保持時間
TBTU o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
(分析的LC−MS法)
ボロン酸のLC−MS分析を、Hewlett−Packard社製HP1100およびWaters社製Symmetry C18 3.5μm 4.6×100mm IDカラムで、以下の勾配を用いて行った(ギ酸純度法(Formic acid Purity method))。
【0120】
【表2】

中間体のLC−MS分析を、Waters社製Symmetry C18 3.5μm 4.6´100mm IDカラムを備えるHewlett−Packard社製HP1100で、以下の条件を用いて行った。
【0121】
ギ酸法:HO中に0.1%ギ酸を0〜100パーセント含むACNの、2.5ml/min、3分間の勾配
酢酸アンモニウム法:HO中に10mM酢酸アンモニウムを0〜100パーセント含むACNの、2.5ml/min、3分間の勾配。
【0122】
(一般的な工程)
(実施例1:[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(37))
ステップ1A:tert−ブチル(2−{[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)カルバマート。
【0123】
DIPEA(0.3mL、1.60mmol)を、DMF(2.5mL)中にBOC−AIB−OH(0.094g、0.46mmol)、(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エタンアミン(0.200g、0.46mmol)およびTBTU(0.164g、0.51mmol)を含む溶液に添加した。この反応を22℃で撹拌し、その後HOで希釈し、EtOAcを用いて抽出した。有機層をHO(2回)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.235、101%)を得た。LC/MS:R=2.55min、ES504(ギ酸法)。
【0124】
工程1B:2−アミノ−N−[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エチル]−2−メチルプロパンアミド・HCl。
【0125】
tert−ブチル(2−{[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)カルバマート(0.231g、0.46mmol)を、ジオキサン(2.0mL)中の4N HCl中で2時間撹拌し、その後濃縮して、表題化合物を黄色い固形物(0.228g、112%)として得た。LC/MS:R=1.29min、ES403(ギ酸法)。
【0126】
工程1C:N−(2−{[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)キノキサリン−2−カルボキサミド。
【0127】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、2−キノキサリンカルボン酸(0.080g、0.46mmol)を用いて調製した。桃色の固形物を、フラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン中の75%EtOAc)により精製、黄色の固形物(0.129g、50%)を得た。LC/MS:R=2.51min、ES560(ギ酸法)。H NMR(CDOD、400MHz,δ):9.49(s、1H);8.97(s,1H);8.92(s、1H);8.29−8.18(m、2H); 8.06−7.97(m,2H); 7.32−7.24(m,1H); 7.18−7.09(m,1H); 7.07−6.99(m,1H); 6.95−6.89(m,1H); 4.13(d,J= 8.5Hz,1H); 2.88−2.67(m,3H); 2.28−2.08(m,1H); 1.99(s,3H); 1.94−1.77(m,2H); 1.75−1.69(m,1H); 1.66−1.62(m,1H); 1.61(s,3H); 1.58(s,3H); 1.25(s,3H); 1.20(s,3H); 1.12−1.06(m,1H)。
【0128】
工程1D:[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸。
【0129】
N−(2−{[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)キノキサリン−2−カルボキサミド(0.129g、0.23mmol)を、MeOH(0.8mL)およびヘキサン(0.8mL)中で撹拌した。2−メチルプロピルボロン酸(0.053g、0.52mmol)を添加し、続いて1N HCl(0.4mL)を添加した。この反応を22℃で一晩撹拌した。この溶液をヘキサンで希釈し、水層をヘキサンで抽出した(2回)。この水層を濃縮して、表題化合物を黄色の固形物して得て、この化合物を逆相クロマトグラフィを用いて精製した(0.050g、51%)。LC/MS:R=1.34min、ES447(Na)(ギ酸法)。
【0130】
工程1E:[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸・20D−マンニトール(37)。
【0131】
i−ブチルアルコール(4mL)および水(15mL)中の[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(0.050g、0.11mmol)の溶液に、D−マンニトール(0.431g、0.23mmol)を添加した。この溶液を2時間撹拌し、その後凍結し、凍結乾燥により溶媒を取り除き、[(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸・20D−マンニトール(37)(0.430g、89%)を得た。
【0132】
続いて報告される全てのボロン酸を、20D−マンニトールエステルに、工程1Eの方法に従って変換した。
【0133】
(実施例2:[3−メチル−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(21))
工程2A:tert−ブチル(1,1−ジメチル−2−{[3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)カルバマート。
【0134】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブタン−1−アミン(0.250g、0.659mmol)を用いて調製した。この反応をHOで希釈し、濾過して、白色の固形物(0.266g、90%)を得た。
【0135】
工程2B:2−アミノ−2−メチル−N−[3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブチル]プロパンアミド・HCl。
【0136】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、tert−ブチル(1,1−ジメチル−2−{[3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)カルバマート(0.266g、0.591mmol)を用いて調製し、白色の固形物(0.207g、100%)を得た。LC/MS:R=1.53min、ES352(ギ酸法)。
【0137】
工程2C:N−(1,1−ジメチル−2−{[3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)キノキサリン−2−カルボキサミド。
【0138】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、2−キノキサリンカルボン酸(0.103g、0.590mmol)を用いて調製し、沈殿物(0.334g、112%)として回収した。H NMR (CDOD,400 MHz,δ): 9.45(s,1H); 8.99(s,1H); 8.79(s,1H); 8.25−8.17(m,2H); 8.05−7.98(m,2H); 4.13(d,J= 7.4Hz,1H); 2.67−2.59(m,1H); 2.28−2.16(m,0.5H); 2.10−1.97(m,0.5H); 1.86(t,J= 5.8Hz,1H); 1.83−1.75(m,1H); 1.74−1.65(m,2H); 1.62(s,3H); 1.61(s,3H); 1.38−1.28(m,4H); 1.27(s,3H); 1.22(s,3H); 0.84(s,3H); 0.82(s,3H); 0.81(s,3H)。LC/MS:R=2.22min、ES507(ギ酸法)。
【0139】
工程2D:[3−メチル−1−({2−メチル−2−[(キノキサリン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(21)。
【0140】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、N−(1,1−ジメチル−2−{[3−メチル−1−(3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)キノキサリン−2−カルボキサミド(0.299g,0.590mmol)を用いて調製し、茶色の固形物(0.184g、84%)を得た。LC/MS:R=1.27min、ES395(Na)(ギ酸法)。
【0141】
(実施例3:[(1R)−3,3−ジメチル−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸)
工程3F:メチル2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノアート。
【0142】
CHCl(25mL)中に2−ピラジンカルボン酸(1.22g、9.8mmol)、メチル2−アミノ−2−メチルプロパノアート・HCl(1.50g、9.8mmol)およびコリジン(3.9mL、29.4mmol)を含む懸濁液に、HATU(4.47g、11.8mmol)を一度に添加した。2時間後、DMF(5mL)およびCHCl(25mL)を、この反応を可溶化するために、添加した。添加物を3時間撹拌した後、この反応をEtOAcで希釈し、1N HCl、1N NaOH、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。この物質を、さらに精製することなく使用した。H NMR (300 MHz,CDCl)δ 9.16(d,J = 1.4 Hz,1H); 8.75(d,J = 2.4 Hz,1H); 8.53(dd,J = 1.5,2.5 Hz,1H); 8.33(s,1H); 3.79(s,3H); 1.70(s,6H).LC/MS:R=1.45min、ES224(ギ酸法)。
【0143】
工程3G:2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパン酸
水(19.6mL)中にメチル2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノアート(9.8mmol)および1M NaOHを含む溶液を、メタノール中で6時間撹拌した。この反応をブラインおよびEtOAcで希釈し、層を分離させた。水層を、水(28mL)中の1M HClで酸性化し、およそpH2以下にした。この水溶液をEtOAcで抽出した(3回)。これら3つの抽出物を合わせたものを乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、1.96g(2回の工程にわたって96%)の表題化合物を得た。H NMR (300 MHz,CDOD)δ 9.16(d,J = 1.3 Hz,1H); 8.75(d,J = 2.4 Hz,1H); 8.65(dd,J = 1.5,2.4 Hz,1H); 1.63(s,6H).LC/MS:R=1.27min、ES210(ギ酸法)。
【0144】
工程3A:N−[2−({(1R)−3,3−ジメチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0145】
DMF(2.5mL)中に2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパン酸(53mg、0.25mmol)、(1R)−3,3−ジメチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブタン−1−アミン・TFA(Pickersgillら(国際公開第2005/097809号))(100mg、0.25mmol)およびTBTU(88mg、0.28mmol)を含む溶液に、0℃にて、ジイソプロピルエチルアミン(131μL、0.75mmol)を20分かけて滴下して加えた。この混合物を2時間撹拌し、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、150mgの未精製物質を得た。H NMR (300 MHz,CDCl) δ 9.33(d,J = 1.6 Hz,1H); 8.73(d,J = 2.4 Hz,1H); 8.51(dd,J = 1.5,2.4 Hz,1H); 8.35(s,1H); 7.08(s,1H); 4.24(dd,J = 2.1,9.1 Hz,1H); 3.17−3.11(m,1H); 2.32−2.24(m,1H); 2.13−2.04(m,1H); 1.96−1.92(m,1H); 1.86−1.82(m,2H); 1.68(s,6H); 1.63(d,J = 3.7 Hz,1H); 1.43−1.32(m,4H); 1.28−1.23(m,4H); 0.90(s,9H); 0.80(s,3H).LC/MS:R=2.39min、ES472(ギ酸法)。
【0146】
工程3D:[(1R)−3,3−ジメチル−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(38)。
【0147】
ヘキサン/メタノール(1:1、1.7mL)中に未精製のN−[2−({(1R)−3,3−ジメチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(150mg、0.25mmol 粗純度に基づいた概算)およびイソブチルボロン酸(45mg、0.44mmol)を含む溶液に、560μLの1M HClを添加した。この混合物を24時間撹拌し、ヘキサンで2回洗浄し、濃縮して、残留物を得た。これを、HPLC精製により精製して、16mgの表題化合物を得た。H NMR (300 MHz,CDOD)δ 9.21(d,J = 1.6 Hz,1H); 8.81(d,J = 2.7 Hz,1H); 8.71(dd,J = 1.5,2.5 Hz,1H); 2.74(dd,J = 5.1,7.5 Hz,1H); 1.76−1.69(m,1H); 1.70(s,6 H); 1.28(dd,J = 5.1,13.8 Hz,1H); 0.90(s,9 H).LC/MS:R=1.47min、ES(M−HO)319(ギ酸法)。
【0148】
(実施例4:{(1R)−3−メチル−1−[({1−[(フェニルアセチル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(22)の合成)
工程4A:tert−ブチル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート。
【0149】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸(0.531g、2.64mmol)を、6mlのDMFに溶解した。(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブタン−1−アミン(1g、2.64mmol、トリフルオロアセタート塩)を添加し、続いてTBTU(0.931g、2.9mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、DIEA(1.4mL、7.1mmol)を、45分かけて0℃にて滴下して加えた。その後、0℃にて撹拌を30分間続けた。水(20mL)を添加し、生じた沈殿物を濾過により回収し、白色の固形物(1.44g、122%)を得た。LC/MS:R=2.18min、ES449(ギ酸法)。
【0150】
工程4B:1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0151】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.50min、ES351(ギ酸法)。
【0152】
工程4C:N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}−1−[(フェニルアセチル)アミノ]シクロプロパンカルボキサミド。
【0153】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.134g、77%)として得た。LC/MS:R=2.17min、ES467(ギ酸法)。
【0154】
工程4D:{(1R)−3−メチル−1−[({1−[(フェニルアセチル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(22)。
【0155】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.0195g、20%)として得た。LC/MS:R=5.13min、ES315(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0156】
(実施例5:[(1R)−3−メチル−1−({2−メチル−2−[(フェニルアセチル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(8)の合成)
工程5A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0157】
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロパン酸(0.536g、2.64mmol)を、6mLのDMFに溶解した。(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブタン−1−アミン(1g、2.64mmol、トリフルオロアセタート塩)を添加し、続いてTBTU(0.931g、2.9mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、DIEA(1.4mL、7.1mmol)を45分かけて0℃にて滴下して加えた。その後、0℃にて撹拌を30分間続けた。水(20mL)を添加し、生じた沈殿物を濾過により回収し、白色の固形物(1.1g、93%)を得た。LC/MS:R=2.23min、ES451(ギ酸法)。
【0158】
工程5B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0159】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.50min、ES351(ギ酸法)。
【0160】
工程5C:2−メチル−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}−2−[(フェニルアセチル)アミノ]プロパンアミド。
【0161】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.126g、73%)として得た。LC/MS:R=2.20min、ES469(ギ酸法)。
【0162】
工程5D:[(1R)−3−メチル−1−({2−メチル−2−[(フェニルアセチル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(8)
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.05g、56%)として得た。LC/MS:R=5.28min、ES317(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0163】
(実施例6:{(1R)−3−メチル−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]ブチル}ボロン酸(11))
工程6A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0164】
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロパン酸(0.536g、2.64mmol)を、6mLのDMFに溶解した。(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブタン−1−アミン(1g、2.64mmol、トリフルオロアセタート塩)を添加し、続いてTBTU(0.931g、2.9mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、DIEA(1.4mL、7.1mmol)を45分かけて0℃にて滴下して加えた。その後、0℃にて撹拌を30分間続けた。水(20mL)を添加し、生じた沈殿物を濾過により回収し、白色の固形物(1.1g、93%)を得た。LC/MS:R=2.23min、ES451(ギ酸法)。
【0165】
工程6B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0166】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.50min、ES351(ギ酸法)。
【0167】
工程6C:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0168】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を黄色の油状物(0.154g、79%)として得た。LC/MS:R=2.28min、ES523(ギ酸法)。
【0169】
工程6D:{(1R)−3−メチル−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]ブチル}ボロン酸(11)。
【0170】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.063g、55%)として得た。LC/MS:R=5.64min、ES371(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0171】
(実施例7:((1R)−3−メチル−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}ブチル)ボロン酸(30))
工程7A:tert−ブチル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート。
【0172】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸(0.531g、2.64mmol)を、6mLのDMFに溶解した。(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブタン−1−アミン(1g、2.64mmol、トリフルオロアセタート塩)を添加し、続いてTBTU(0.931g、2.9mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、DIEA(1.4mL、7.1mmol)を45分かけて0℃にて滴下して加えた。その後、0℃にて撹拌を30分間続けた。水(20mL)を添加し、生じた沈殿物を濾過により回収し、白色の固形物(1.44g、122%)を得た。LC/MS:R=2.18min、ES449(ギ酸法)。
【0173】
工程7B:1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0174】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.50min、ES351(ギ酸法)。
【0175】
工程7C:N−{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0176】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.167g、88%)として得た。LC/MS:R=2.28min、ES521(ギ酸法)。
【0177】
工程7D:((1R)−3−メチル−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}ブチル)ボロン酸(30)。
【0178】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.075g、60%)として得た。LC/MS:R=5.51min、ES369(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0179】
(実施例8:[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−2−メチル−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(33))
工程8A:tert−ブチル[(1S)−1−ベンジル−1−メチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0180】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.664g、96%)として得た。LC/MS:R=2.65min、ES527(ギ酸法)。
【0181】
工程8B:(2S)−2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}−3−フェニルプロパンアミド塩酸塩。
【0182】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.42min、ES427(ギ酸法)。
【0183】
工程8C:N−[(1S)−1−ベンジル−1−メチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0184】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.123g、99%)として得た。LC/MS:R=2.33min、ES533(ギ酸法)。
【0185】
工程8D:[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−2−メチル−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(33)
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.088g、96%)として得た。LC/MS:R=5.93min、ES381(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0186】
(実施例9:[(1R)−3−メチル−1−({(2R)−2−メチル−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(10))
工程9A:tert−ブチル[(1R)−1−ベンジル−1−メチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0187】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.55g、80%)として得た。LC/MS:R=2.51min、ES527(ギ酸法)。
【0188】
工程9B:(2R)−2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}−3−フェニルプロパンアミド塩酸塩。
【0189】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=1.41min、ES427(ギ酸法)。
【0190】
工程9C:N−[(1R)−1−ベンジル−1−メチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0191】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.115g、99%)として得た。LC/MS:R=2.31min、ES533(ギ酸法)。
【0192】
工程9D:[(1R)−3−メチル−1−({(2R)−2−メチル−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(10)。
【0193】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.023g、27%)として得た。LC/MS:R=5.97min、ES381(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0194】
(実施例10:{(1R)−3−メチル−1−[({(1S,2S)−2−フェニル−1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(3))
工程10A:tert−ブチル{(1S,2S)−1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]−2−フェニルシクロプロピル}カルバマート。
【0195】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.216g、99%)として得た。LC/MS:R=2.49min、ES525(ギ酸法)。
【0196】
工程10B:(1S,2S)−1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}−2−フェニルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0197】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を黄色の固形物として得た。LC/MS:R=2.41min、ES425(酢酸アンモニウム法)。
【0198】
工程10C:N−{(1S,2S)−1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]−2−フェニルシクロプロピル}ピラジン−2−カルボキサミド。
【0199】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.195g、99%)として得た。LC/MS:R=2.49min、ES531(酢酸アンモニウム法)。
【0200】
工程10D:{(1R)−3−メチル−1−[({(1S,2S)−2−フェニル−1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(3)。
【0201】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.010g、15%)として得た。LC/MS:R=5.37min、ES379(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.14−9.05(m,1H); 8.88−8.79(m,1H); 8.72−8.64(m,1H); 7.45−7.20(m,5H); 2.90−2.72(m,1H); 2.39−2.17(m,2H); 1.84−1.68(m,1H); 1.58−1.35(m,3H); 1.00(d,J= 6.5Hz,6H)。
【0202】
(実施例11:{(1R)−3−メチル−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(12))
工程11A:tert−ブチル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート。
【0203】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(1.22g、99%)として得た。LC/MS:R=2.26min、ES449(ギ酸法)。
【0204】
工程11B:1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0205】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.10g、95%)として得た。
【0206】
工程11C:N−{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ピラジン−2−カルボキサミド。
【0207】
表題化合物を、実施例1の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.60g、99%)として得た。
【0208】
工程11D:{(1R)−3−メチル−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]ブチル}ボロン酸(12)。
【0209】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.472g、99%)として得た。LC/MS:R=3.91min、ES303(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0210】
(実施例12:[(1R)−1−({[1−(アセチルアミノ)シクロプロピル]カルボニル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(23))
工程12A:tert−ブチル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート。
【0211】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(1.22g、99%)として得た。LC/MS:R=2.26min、ES449(ギ酸法)。
【0212】
工程12B:1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0213】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。
【0214】
工程12C:1−(アセチルアミノ)−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド。
【0215】
DMF(5.0mL)中の1−アミノ−N−{(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩(0.50g、1.30mmol)の溶液に、無水酢酸(0.15g、1.43mmol)を添加した。この反応混合物を0℃まで冷却し、DIEA(0.34g、2.6mmol)を1時間かけてゆっくりと添加した。この反応を0℃で撹拌した。1.5時間後、この反応混合物をHO(20mL)で希釈し、EtOAcで洗浄した(30mLで2回)。有機層を合わせ、HOで洗浄し(20mLで2回)、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.473g、93%)を得た。LC/MS:R=1.78min、ES391(ギ酸法)。
【0216】
工程12D:[(1R)−1−({[1−(アセチルアミノ)シクロプロピル]カルボニル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(23)。
【0217】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.336g、99%)として得た。LC/MS:R=3.26min、ES239(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 2.72−2.59(m,1H); 1.96(s,3H); 1.73−1.57(m,3H); 1.41−1.17(m,4H); 0.90(d,J= 6.6Hz,6H)。
【0218】
(実施例13:{(1R)−1−[(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(32))
工程13A:ベンジル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0219】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.84g、82%)として得た。LC/MS:R=2.31min、ES485(ギ酸法)。
【0220】
工程13D:{(1R)−1−[(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(32)。
【0221】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.675g、99%)として得た。LC/MS:R=3.33min、ES591(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0222】
(実施例14:{(1R)−1−[(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]−2−フェニルエチル}ボロン酸(17))
【0223】
【化6】

工程14A:ベンジル[1,1−ジメチル−2−オキソ−2−({(1R)−2−フェニル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)エチル]カルバマート。
【0224】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(1.15g、99%)として得た。LC/MS:R=2.31min、ES519(ギ酸法)。
【0225】
工程14D:{(1R)−1−[(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]−2−フェニルエチル}ボロン酸(17)。
【0226】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.97g、99%)として得た。LC/MS:R=6.21min、ES367(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0227】
(実施例15:{(1R)−1−[({1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}カルボニル)アミノ]−2−フェニルエチル}ボロン酸(15))
工程15A:tert−ブチル{1−[({(1R)−2−フェニル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマート。
【0228】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.59g、99%)として得た。LC/MS:R=2.39min、ES497(ギ酸法)。
【0229】
工程15D:{(1R)−1−[({1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}カルボニル)アミノ]−2−フェニルエチル}ボロン酸(15)
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.387g、93%)として得た。LC/MS:R=6.03min、ES345(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0230】
(実施例16:{(1R)−1−[({1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}カルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(6))
工程16A:tert−ブチル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマート。
【0231】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.53g、99%)として得た。LC/MS:R=2.39min、ES463(ギ酸法)。
【0232】
工程16D:{(1R)−1−[({1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}カルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(6)。
【0233】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.332g、99%)として得た。
【0234】
(実施例17:[(1R)−1−({[1−(アセチルアミノ)シクロプロピル]カルボニル}アミノ)−2−フェニルエチル]ボロン酸(9))
工程17A:tert−ブチル{1−[({(1R)−2−フェニル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート。
【0235】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.84g、70%)として得た。LC/MS:R=2.26min、ES483(ギ酸法)。
【0236】
工程17B:1−アミノ−N−{(1R)−2−フェニル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩。
【0237】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を茶色の固形物(0.68g、73%)として得た。
【0238】
工程17C:1−(アセチルアミノ)−N−{(1R)−2−フェニル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}シクロプロパンカルボキサミド。
【0239】
表題化合物を、実施例12の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を油状物(0.217g、32%)として得た。LC/MS:R=1.83min、ES425(ギ酸法)。
【0240】
工程17D:[(1R)−1−({[1−(アセチルアミノ)シクロプロピル]カルボニル}アミノ)−2−フェニルエチル]ボロン酸(9)。
【0241】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.173g、99%)として得た。LC/MS:R=3.64min、ES273(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.38−7.04(m,5H); 2.93−2.72(m,2H); 2.72−2.53(m,1H); 1.94(s,3H); 1.77−1.66(m,1H); 1.66−1.54(m,1H); 1.35−1.15(m,2H)。
【0242】
(実施例18:((1R)−1−{[(1−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}シクロブチル)カルボニル]アミノ}−3−メチルブチル)ボロン酸(26))
工程18A:ベンジル{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマート。
【0243】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.554g、99%)として得た。LC/MS:R=2.39min、ES497(ギ酸法)。
【0244】
工程18D:((1R)−1−{[(1−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}シクロブチル)カルボニル]アミノ}−3−メチルブチル)ボロン酸(26)
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.181g、45%)として得た。LC/MS:R=6.04min、ES345(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0245】
(実施例19:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(3−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(31))
工程19A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0246】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=2.34min、ES499(ギ酸法)。
【0247】
工程19B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0248】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。
【0249】
工程19C:4−クロロ−N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド。
【0250】
CHCl中の4−クロロ安息香酸(0.087g、0.553mmol)の溶液に、2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩(0.20g、0.503mmol)、HOBt(0.075g、0.553mmol)、4−メチルモルホリン(0.204g、2.42mmol)およびEDCI(0.106g、0.553mmol)を添加した。この反応混合物を22℃で撹拌した。12時間後、この反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液でクエンチし、生成物をDCM中に分配した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.210g、77%)を得た。LC/MS:R=2.29min、ES537(ギ酸法)。
【0251】
工程19D:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(3−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(31)。
【0252】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.080g、51%)として得た。LC/MS:R=6.77min、ES385(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0253】
(実施例20:{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(20)
工程20A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0254】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=2.34min、ES499(ギ酸法)。
【0255】
工程20B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0256】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。
【0257】
工程20C:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0258】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.160g、99%)を得た。LC/MS:R=2.25min、ES571(ギ酸法)。
【0259】
工程20D:{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(20)。
【0260】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.100g、82%)として得た。LC/MS:R=6.39min、ES419(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.97−7.87(m,1H); 7.87−7.74(m,2H); 7.71−7.58(m,1H); 7.34−7.14(m,4H); 3.09−2.92(m,2H); 2.86−2.71(m,1H); 2.44(s,3H); 1.74(s,3H); 1.69(s,3H)。
【0261】
(実施例21:[(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(34))
工程21A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0262】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=2.34min、ES499(ギ酸法)。
【0263】
工程21B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0264】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。
【0265】
工程21C:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0266】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.37g、99%)を得た。
【0267】
工程21D:[(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(34)。
【0268】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.300g、99%)として得た。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.41(s,1H); 8.94(s,1H); 8.82(s,1H); 7.20−7.06(m,3H); 7.06−6.95(m,1H); 3.04−2.87(m,2H); 2.82−2.65(m,1H); 2.28(s,3H); 1.82(s,3H); 1.77(s,3H)。
【0269】
(実施例22:[(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(1))
工程22A:tert−ブチル[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]カルバマート。
【0270】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.65g、81%)として得た。
【0271】
工程22B:2−アミノ−N−{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}−2−メチルプロパンアミド塩酸塩。
【0272】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.54g、99%)として得た。LC/MS:R=1.35min、ES419(ギ酸法)。
【0273】
工程22C:N−[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0274】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.47g、57%)を得た。LC/MS:R=2.07min、ES525(ギ酸法)。
【0275】
工程22D:[(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(1)。
【0276】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.35g、99%)として得た。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.39(s,1H); 9.01−8.91(m,1H); 8.85−8.79(m,1H); 7.38−7.18(m,4H); 3.03−2.89(m,2H); 2.84−2.70(m,1H); 1.82(s,3H); 1.78(m,3H)。
【0277】
(実施例23:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ボロン酸(7))
工程23A:tert−ブチル[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]カルバマート。
【0278】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.65g、81%)として得た。
【0279】
工程23B:2−アミノ−N−{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}−2−メチルプロパンアミド塩酸塩。
【0280】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.54g、99%)として得た。LC/MS:R=1.35min、ES419(ギ酸法)。
【0281】
工程23C:4−クロロ−N−[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]ベンズアミド。
【0282】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.18g、74%)を得た。LC/MS:R=2.58min、ES557(ギ酸法)。
【0283】
工程23D:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ボロン酸(7)。
【0284】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=6.50min、ES405(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.98(d,J= 8.9Hz,2H); 7.64(d,J= 8.9Hz,2H); 7.36−7.20(m,4H); 3.02−2.88(m,2H); 2.85−2.69(m,1H); 1.77(s,3H); 1.72(s,3H)。
【0285】
(実施例24:{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(4))
工程24A:tert−ブチル[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]カルバマート。
【0286】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.65g、81%)として得た。
【0287】
工程24B:2−アミノ−N−{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}−2−メチルプロパンアミド塩酸塩。
【0288】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.54g、99%)として得た。LC/MS:R=1.35min、ES419(ギ酸法)。
【0289】
工程24C:N−[2−({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0290】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.12g、85%)を得た。
【0291】
工程24D:{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(4)。
【0292】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物として得た。LC/MS:R=6.82min、ES439(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0293】
(実施例25:[(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(27))
工程25A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0294】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.41g、67%)として得た。
【0295】
工程25B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0296】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.34g、99%)として得た。
【0297】
工程25C:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0298】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.20g、51%)を得た。LC/MS:R=2.06min、ES505(ギ酸法)。
【0299】
工程25D:[(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)エチル]ボロン酸(27)。
【0300】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.15g、90%)として得た。LC/MS:R=5.03min、ES353(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.39(s,1H); 8.95(s,1H); 8.82(s,1H); 7.26−7.13(m,2H); 7.12−6.97(m,2H); 3.03−2.85(m,2H); 2.80−2.64(m,1H); 2.33(s,3H); 1.82(s,3H); 1.77(s,3H)。
【0301】
(実施例26:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(4−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(5))
工程26A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0302】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.41g、67%)として得た。
【0303】
工程26B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0304】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.34g、99%)として得た。
【0305】
工程26C:4−クロロ−N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド。
【0306】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.25g、93%)を得た。
【0307】
工程26D:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−2−(4−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(5)。
【0308】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.18g、96%)として得た。LC/MS:R=6.56min、ES385(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.98(d,J= 8.7Hz,2H); 7.62(d,J= 8.8Hz,2H); 7.22−6.99(m,4H); 3.01−2.86(m,2H); 2.81−2.64(m,1H); 2.27(s,3H); 1.77(s,3H); 1.71(s,3H)。
【0309】
(実施例27:{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(16))
工程27A:tert−ブチル[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート。
【0310】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.41g、67%)として得た。
【0311】
工程27B:2−アミノ−2−メチル−N−{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}プロパンアミド塩酸塩。
【0312】
表題化合物を、実施例1の工程Bに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.34g、99%)として得た。
【0313】
工程27C:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0314】
表題化合物を、実施例19の工程Cに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.15g、52%)を得た。
【0315】
工程27D:{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(2−メチル−2−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]エチル}ボロン酸(16)。
【0316】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.14g、99%)として得た。LC/MS:R=6.38min、ES419(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.93−7.88(m,1H); 7.87−7.73(m,2H); 7.69−7.62(m,1H); 7.35−7.09(m,4H); 3.12−2.91(m,2H); 2.84−2.71(m,1H); 2.41(s,3H); 1.74(s,3H); 1.69(s,3H)。
【0317】
(実施例28:[(1R)−3−メチル−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(28))
工程28F:メチル2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノアート。
【0318】
THF(6mL)中のピラジン−2−カルボン酸(0.202g、1.6mmol)の溶液に、0℃にて、メチル2−アミノ−2−メチルプロパノアートトリフルオロ酢酸塩(0.25g、1.6mmol)、HOBt(0.22g、1.6mmol)、DIEA(0.21g、1.6mmol)およびEDCI(0.343g、1.8mmol)を添加した。この反応混合物を22℃で撹拌した。12時間後、この反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液でクエンチし、生成物をDCM中に分配した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.36g、99%)を得た。LC/MS:R=1.24min、ES224(ギ酸法)。
【0319】
工程28G:2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパン酸
MeOH/HO(2:1)(6mL)中にメチル2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノアート(0.36、1.6mmol)の溶液を、LiOH(0.08g、3.2mmol)で処理し、22℃で撹拌した。12時間後、この反応をHOおよびEtOAcで希釈して、層を分離させた。水層を、水(28mL)中の1M HClで酸性化し、およそpH2以下にした。この水溶液をEtOAcで抽出した(3回)。これら3つの抽出物を合わせたものを乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.286g、88%)を得た。
【0320】
工程28A:N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド。
【0321】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.638g、99%)を得た。LC/MS:R=2.20min、ES457(FA標準)。
【0322】
工程28D:[(1R)−3−メチル−1−({2−メチル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸(28)。
【0323】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.066g、13%)として得た。LC/MS:R=4.29min、ES305(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.21(s,1H); 8.80(s,1H); 8.71(s,1H); 2.76−2.65(m,1H); 1.69(s,7H); 1.44−1.27(m,2H); 0.90(d,J= 6.6Hz,6H)。
【0324】
(実施例29:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(25))
工程29F:メチル2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノアート。
【0325】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.45g、99%)を得た。LC/MS:R=1.72min、ES256(ギ酸法)。
【0326】
工程29G:2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパン酸。
【0327】
表題化合物を、実施例28の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.39g、89%)を得た。
【0328】
工程29A:4−クロロ−N−[1,1−ジメチル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド。
【0329】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.78g、99%)を得た。LC/MS:R=2.35min、ES489(FA標準)。
【0330】
工程29D:[(1R)−1−({2−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]−2−メチルプロパノイル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(25)。
【0331】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.085g、15%)として得た。LC/MS:R=5.84min、ES337(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.82(d,J= 8.5Hz,2H); 7.47(d,J= 8.7Hz,2H); 2.74−2.64(m,1H); 1.62(s,7H); 1.43−1.22(m,2H); 0.90(d,J= 6.6Hz,6H)。
【0332】
(実施例30:{(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(14))
工程30F:エチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0333】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.36g、99%)を得た。LC/MS:R=1.24min、ES224(ギ酸法)。
【0334】
工程30G:1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0335】
表題化合物を、実施例28の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.279g、92%)を得た。
【0336】
工程30A:4−クロロ−N−{1−[({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]ブチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ベンズアミド。
【0337】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.583g、99%)を得た。LC/MS:R=2.31min、ES487(FA標準)。
【0338】
工程30D:{(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}ボロン酸(14)。
【0339】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.134g、32%)として得た。LC/MS:R=5.68min、ES335(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.85(d,J= 8.7Hz,2H); 7.48(d,J= 8.5Hz,2H); 2.72−2.61(m,1H); 1.81−1.54(m,3H); 1.47−1.19(m,4H); 0.88(d,J= 6.6Hz,6H)。
【0340】
(実施例31:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(4−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(35))
工程31F:エチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0341】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.36g、99%)を得た。LC/MS:R=1.24min、ES224(ギ酸法)。
【0342】
工程31G:1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0343】
表題化合物を、実施例28の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.279g、92%)を得た。
【0344】
工程31A:4−クロロ−N−{1−[({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ベンズアミド。
【0345】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.34g、99%)を得た。
【0346】
工程31D:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(4−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(35)。
【0347】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.19g、75%)として得た。LC/MS:R=6.65min、ES383(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0348】
(実施例32:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(3−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(2))
工程32F:エチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0349】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.36g、99%)を得た。LC/MS:R=1.24min、ES224(ギ酸法)。
【0350】
工程32G:1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0351】
表題化合物を、実施例28の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.279g、92%)を得た。
【0352】
工程32A:4−クロロ−N−{1−[({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ベンズアミド。
【0353】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.33g、99%)を得た。
【0354】
工程32D:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(3−メチルフェニル)エチル]ボロン酸(2)。
【0355】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.24g、97%)として得た。LC/MS:R=6.65min、ES383(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0356】
(実施例33:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(2−フルオロフェニル)エチル]ボロン酸(13))
工程33F:エチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0357】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.36g、99%)を得た。LC/MS:R=1.24min、ES224(ギ酸法)。
【0358】
工程33G:1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0359】
表題化合物を、実施例28の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.279g、92%)を得た。
【0360】
工程33A:4−クロロ−N−{1−[({(1R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ベンズアミド。
【0361】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.25g、99%)を得た。LC/MS:R=2.14min、ES539(ギ酸法)。
【0362】
工程33D:[(1R)−1−[({1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]−2−(2−フルオロフェニル)エチル]ボロン酸(13)。
【0363】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.18g、99%)として得た。LC/MS:R=6.02min、ES387(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.85(d,J= 8.7Hz,2H); 7.49(d,J= 8.8Hz,2H); 7.30−7.20(m,1H); 7.19−7.08(m,1H); 7.03−6.91(m,2H); 2.93−2.81(m,2H); 2.75−2.65(m,1H); 1.90−1.77(m,1H); 1.77−1.64(m,1H); 1.50−1.33(m,2H)。
【0364】
(実施例34:{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(18))
工程34F:エチル1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0365】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.26g、69%)を得た。LC/MS:R=1.08min、ES236(ギ酸法)。
【0366】
工程34G:1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0367】
表題化合物を、実施例3の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.24g、99%)を得た。
【0368】
工程34A:N−{1−[({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ピラジン−2−カルボキサミド。
【0369】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.41g、74%)を得た。LC/MS:R=1.95min、ES503(ギ酸法)。
【0370】
工程34D:{(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(18)。
【0371】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.31g、99%)として得た。LC/MS:R=4.62min、ES351(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.37(s,1H); 8.91(s,1H); 8.80(s,1H); 7.26−6.96(m,4H); 3.02−2.83(m,2H); 2.79−2.63(m,1H); 2.33(s,3H); 2.04−1.92(m,1H); 1.92−1.82(m,1H); 1.69−1.50(m,2H)。
【0372】
(実施例35:{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(24))
工程35F:エチル1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0373】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.26g、69%)を得た。LC/MS:R=1.08min、ES236(ギ酸法)。
【0374】
工程35G:1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0375】
表題化合物を、実施例3の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.24g、99%)を得た。
【0376】
工程35A:N−{1−[({(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ピラジン−2−カルボキサミド。
【0377】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.17g、67%)を得た。
【0378】
工程35D:{(1R)−2−(4−クロロフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(24)。
【0379】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.15g、99%)として得た。LC/MS:R=4.97min、ES371(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.38(s,1H); 8.92(s,1H); 8.81(s,1H); 7.43−7.23(m,4H); 3.04−2.86(m,2H); 2.84−2.67(m,1H); 2.02−1.81(m,2H); 1.67−1.51(m,2H)。
【0380】
(実施例36:{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(19))
工程36F:エチル1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボキシラート。
【0381】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.26g、69%)を得た。LC/MS:R=1.08min、ES236(ギ酸法)。
【0382】
工程36G:1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸。
【0383】
表題化合物を、実施例3の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.24g、99%)を得た。
【0384】
工程36A:N−{1−[({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}ピラジン−2−カルボキサミド。
【0385】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.41g、98%)を得た。LC/MS:R=1.94min、ES503(ギ酸法)。
【0386】
工程36D:{(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[({1−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]シクロプロピル}カルボニル)アミノ]エチル}ボロン酸(19)。
【0387】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.33g、99%)として得た。LC/MS:R=4.65min、ES351(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 9.20(s,1H); 8.79(s,1H); 8.70(s,1H); 2.76−2.65(m,1H); 1.68(s,6H); 1.44−1.25(m,2H); 1.92−1.80(m,1H); 1.68−1.50(m,2H)。
【0388】
(実施例37:((1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}エチル)ボロン酸(36))
工程37F:エチル1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロパンカルボキシラート。
【0389】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物を得た。
【0390】
工程37G:1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロパンカルボン酸。
【0391】
表題化合物を、実施例3の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物を得た。
【0392】
工程37A:N−{1−[({(1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0393】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.22g、83%)を得た。
【0394】
工程37D:((1R)−2−(4−メチルフェニル)−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}エチル)ボロン酸(36)。
【0395】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.16g、98%)として得た。LC/MS:R=6.12min、ES417(M−HO)(ギ酸純度法)。
【0396】
(実施例38:((1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}エチル)ボロン酸(29))
工程38F:エチル1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロパンカルボキシラート。
【0397】
表題化合物を、実施例28の工程Fに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物を得た。
【0398】
工程38G:1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロパンカルボン酸。
【0399】
表題化合物を、実施例3の工程Gに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物を得た。
【0400】
工程38A:N−{1−[({(1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール−2−イル]エチル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0401】
表題化合物を、実施例1の工程Aに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、表題化合物(0.12%、46%)を得た。
【0402】
工程38D:((1R)−2−(3−メチルフェニル)−1−{[(1−{[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}シクロプロピル)カルボニル]アミノ}エチル)ボロン酸(29)。
【0403】
表題化合物を、実施例1の工程Dに記載された方法に従って、適切な試薬を用いて調製し、生成物を白色の固形物(0.10g、99%)として得た。LC/MS:R=6.17min、ES417(M−HO)(ギ酸純度法)。H NMR (CDOD,300 MHz,δ): 7.94−7.86(m,1H); 7.86−7.75(m,2H); 7.71−7.62(m,1H); 7.34−7.25(m,1H); 7.25−7.11(m,3H); 3.12−2.91(m,2H); 2.80−2.68(m,1H); 2.39(s,3H); 2.01−1.90(m,1H); 1.85−1.72(m,1H); 1.57−1.43(m,2H)。
【0404】
(実施例39:20Sプロテアソームアッセイ)
ラット20S(PA28活性化)β1iプロテアソームアッセイ。
【0405】
384ウェルのブラックマイクロタイタープレート中のDMSOに溶解された1μLの試験化合物に、25μLのアッセイ緩衝液(ヒトPA28アクチベーター(Boston Biochem社製、最終12nM)およびAc−PAL−AMC(β1i選択的基質)(最終40μM)を含む)が37℃で添加される。続いて、25μLのアッセイ緩衝液(ラット脾臓20S免疫プロテアソーム(Boston Biochem社製、最終0.25nM)を含む)が37℃で添加される。アッセイ緩衝液は、20mM HEPES、0.5mM EDTAおよび0.01%BSAからなり、pHは7.4である。この反応が、BMG Galaxy社製プレートリーダ(37℃、励起380nm、発光460nm、ゲイン20)で観察される。阻害率が、0%阻害(DMSO)のコントロールおよび100%阻害(10μMボルテゾミブ)のコントロールに対して、計算される。
【0406】
ラット20S(PA28活性化)β5iプロテアソームアッセイ。
【0407】
384ウェルのブラックマイクロタイタープレート中のDMSOに溶解された1μLの試験化合物に、25μLのアッセイ緩衝液(ヒトPA28アクチベーター(Boston Biochem社製、最終12nM)およびAc−ANW−AMC β5i選択的基質(最終30μM)を含む)が37℃で添加される。続いて、25μLのアッセイ緩衝液(ラット脾臓20S免疫プロテアソーム(Boston Biochem社製、最終0.25nM)を含む)が37℃で添加される。アッセイ緩衝液は、20mM HEPES、0.5mM EDTAおよび0.01%BSAからなり、pHは7.4である。この反応が、BMG Galaxy社製プレートリーダ(37℃、励起380nm、発光460nm、ゲイン20)で観察される。阻害率が、0%阻害(DMSO)のコントロールおよび100%阻害(10μMボルテゾミブ)のコントロールに対して、計算される。
【0408】
ヒト20S(PA28活性化)β1プロテアソームアッセイ。
【0409】
384ウェルのブラックマイクロタイタープレート中のDMSOに溶解された1μLの試験化合物に、25μLのアッセイ緩衝液(ヒトPA28アクチベーター(Boston Biochem社製、最終12nM)およびAc−LLE−AMC(β1選択的基質)(最終15μM)を含む)が37℃で添加される。続いて、25μLのアッセイ緩衝液(ヒト20Sプロテアソーム(Boston Biochem社製、最終0.25nM)を含む)が37℃で添加される。アッセイ緩衝液は、20mM HEPES、0.5mM EDTAおよび0.01%BSAからなり、pHは7.4である。この反応が、BMG Galaxy社製プレートリーダ(37℃、励起380nm、発光460nm、ゲイン20)で観察される。阻害率が、0%阻害(DMSO)のコントロールおよび100%阻害(10μMボルテゾミブ)のコントロールに対して、計算される。
【0410】
ヒト20S(PA28活性化)β5プロテアソームアッセイ。
【0411】
384ウェルのブラックマイクロタイタープレート中のDMSOに溶解された1μLの試験化合物に、25μLのアッセイ緩衝液(ヒトPA28アクチベーター(Boston Biochem社製、最終12nM)およびAc−WLA−AMC(β5選択的基質)(最終15μM)を含む)が37℃で添加される。続いて、25μLのアッセイ緩衝液(ヒト20Sプロテアソーム(Boston Biochem社製、最終0.25nM)を含む)が37℃で添加される。アッセイ緩衝液は、20mM HEPES、0.5mM EDTAおよび0.01%BSAからなり、pHは7.4である。この反応が、BMG Galaxy社製プレートリーダ(37℃、励起380nm、発光460nm、ゲイン20)で観察される。阻害率が、0%阻害(DMSO)および100%阻害(10μMボルテゾミブ)コントロールに対して、計算される。
【0412】
化合物1〜8、10〜15、17〜25および27〜38は、50μM以下のIC50値を、上述のβ1iまたはβ5iアッセイのうちの一方または両方において、示した。化合物2、3、6〜8、10〜14、18、19、21〜23、25および27〜37は、10μM以下のIC50値を、上述のβ1iまたはβ5iアッセイのうちの一方または両方において、示した。化合物3、10〜14、18、21、22、25、28、30および32は、1μM以下のIC50値を、上述のβ1iまたはβ5iアッセイのうちの一方または両方において、示した。表1中のほとんどの化合物において、β1i活性またはβ5i活性を阻害するのに必要な化合物の濃度は、β1活性またはβ5活性を阻害するのに必要な化合物の濃度より低い。
【0413】
(実施例40:抗増殖アッセイ)
10%ウシ胎仔血清(Invitrogen社製)が追加されている適切な細胞培地(HCT−116に対してはMcCoy’s 5A、Invitrogen社製)100μL中のHCT−116(1000)または他の腫瘍細胞が、96ウェルの細胞培養プレートのウェルに播種され、そして、37℃にて一晩インキューべートされる。試験化合物がウェルに添加され、そして、プレートが96時間37℃にてインキュベートされる。MTT試薬またはWST試薬(10μL、Roche社製)が各ウェルに添加され、そして、上記製造業者によって記載されたように、4時間、37℃にてインキュベートされる。MTTでは、代謝された染料が製造業者の説明書(Roche)に従って一晩可溶化される。各ウェルの光学密度が、MTTでは595nm(主)および690nm(基準)にて、WSTでは450nmにて、分光光度計(Molecular Devices社製)を用いて読み取られる。MTTでは、基準光学密度値が、主波長の値から差し引かれる。阻害率が、100%に設定されたDMSOコントロールの値を用いて計算される。
【0414】
(実施例41:インビボ腫瘍有効性モデル)
PRMI−1640培地(Sigma−Aldrich社製)100μL中に解離直後のHCT−116(2〜5×10)または他の腫瘍細胞が、雌CD−1ヌードマウス(5〜8週齢、Charles River社製)の右背側腹部の皮下腔内に、1ml 26 3/8−ゲージ針(Becton Dickinson社製Ref#309625)を用いて無菌注射される。代替的に、いくつかの異種移植モデルは、腫瘍断片の連続継代を必要とする。これらの場合、腫瘍細胞(およそ1mm)の小断片が、麻酔下(3〜5%イソフルラン/酸素混合物)のC.B−17/SCIDマウス(5〜8週齢、Charles River社製)の右背側腹部に、13−ゲージトロカール(Popper & Sons社製7927)を介して皮下移植される。移植後、第7日目から、腫瘍が、週2回、副尺付きカリパスを用いて測定される。腫瘍体積が、標準的な手順を用いて計算される(0.5×(長さ×幅))。腫瘍が、およそ200mmの体積に達したら、マウスが無作為に処置グループに分けられ、そして、薬剤による処置を受け始める。投薬およびスケジュールが、各実験に対して、薬物動態学/薬力学的な研究および最大耐量の研究から得られた以前の結果に基づいて、決定される。コントロール群は、いかなる薬剤をも含まないビヒクルが投与される。代表的に、試験化合物(100〜200μL)が、静脈内経路(27−ゲージ針)、経口経路(20−ゲージガバージュ針(gavage needle))または皮下経路(27−ゲージ針)を介して、様々な用量およびスケジュールで投与される。腫瘍サイズおよび体重が週2回測定され、そして、コントロールの腫瘍がおよそ2000mmに達したとき本研究が終了される。
【0415】
前述の本発明は、明確性と理解の目的のために多少詳細に記載されているが、これらの特定の実施形態は例示的であって制限的なものでないとみなされるべきである。本開示を読むことで、当業者には、具体的な実施形態ではなく添付の特許請求の範囲により規定される本発明の真の範囲から逸脱することなく形態および詳細において種々の変更がなされ得ることが理解されるであろう。
【0416】
本明細書で言及した特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。特に規定のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で挙げられた発行特許、出願および参考文献は、それぞれが参考として援用されるように具体的に個別に示されるかのごとく同程度に、参考として本明細書中に援用される。矛盾する場合は、定義を含む本開示が支配するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化7】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはそのボロン酸無水物であって、式中、
Pは、水素またはアミノ基ブロッキング部分であり;
は、0〜1個のRで置換された、C1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であるか;または、RおよびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、置換または非置換の3〜6員の脂環式基を形成し;
は、置換または非置換の芳香族環または脂環式環であり;
は、C1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であるか;またはRおよびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、置換または非置換の3〜6員の脂環式基を形成し;
は、0〜1個のRで置換された、C1〜4脂肪族基またはC1〜4フルオロ脂肪族基であり;
は、置換または非置換の芳香族環または脂環式環であり;そして、
およびZは、それぞれ独立してヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアラルコキシであるか;または、ZおよびZは、ボロン酸錯化剤から誘導された部分を、一緒になって形成する、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはそのボロン酸無水物。
【請求項2】
Pは、R−C(O)−、R−O−C(O)−、R−N(R4X)−C(O)−、R−S(O)−またはR−N(R4X)−S(O)−であり;
は、C1〜6脂肪族、C1〜6フルオロ脂肪族、−R、−T−Rおよび−T−R2dからなる群より選択され;
は、独立して選択される0〜2個のR3aまたはR3bで置換されたC1〜6アルキレン鎖であり、該アルキレン鎖は−C(R)=C(R)−、−C≡C−または−O−で任意に分断されており;
は、置換または非置換の芳香族環、ヘテロシクリル環または脂環式環であり、いずれの環も、置換または非置換の芳香族環、ヘテロシクリル環または脂環式環に任意に縮合されており;
2dは、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−SO、−SON(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)−N(R、−NRCO、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−O−C(O)R、−OC(O)N(R、−C(O)R、−COまたは−C(O)N(Rであり;
各R3aは、独立して、−F、−OH、−O(C1〜4アルキル)、−CN、−N(R、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COH、−CO(C1〜4アルキル)、−C(O)NHおよび−C(O)NH(C1〜4アルキル)からなる群より選択され;
各R3bは、独立して、R3aまたはRで任意に置換されたC1〜3脂肪族であり;
各Rは、独立して、水素または任意に置換された脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基であるか;または同一の窒素原子上の2つのRは、該窒素原子と一体となって、該窒素原子に加えてN、OおよびSから独立して選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する任意に置換された4〜8員のヘテロシクリル環を形成し;
各Rは、独立して、水素または任意に置換された、脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基もしくはヘテロシクリル基であり;
各Rは、独立して、任意に置換された、脂肪族基、アリール基またはヘテロアリール基であり;
各Rは、置換または非置換の芳香族基であり;そして、
4Xは、水素、C1〜4アルキル、C1〜4フロオロアルキルまたはC6〜10アラ(C1〜4)アルキルであり、そのアリール部分は置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
PはR−C(O)−である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
は置換または非置換のフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRは、これらが結合される炭素原子と一体となって、シクロプロピル環またはシクロブチル環を形成し、これらの環のうち、どちらでも0〜2個の置換基−Rで置換されており;
各Rは、独立して、C1〜4脂肪族、C1〜4フルオロ脂肪族、−R1b、−T−R1bであり;
は、C1〜4アルキレンであり;そして、
1bは、置換または非置換の芳香族基または脂環式基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1bは置換または非置換のフェニルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
およびRはそれぞれ−CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
は式−(CH−Rを有し、mは1または2であり、そして、Rは置換または非置換のフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
はC1〜4脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
はイソブチルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、
請求項1に記載の化合物;および
薬学的に受容可能なキャリア
を含む、薬学的組成物。
【請求項12】
がんを処置するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする患者に、請求項11に記載の薬学的組成物を投与する工程、
を含む、方法。

【公表番号】特表2011−500676(P2011−500676A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529907(P2010−529907)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/022079
【国際公開番号】WO2009/051581
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(500287639)ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (98)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】