説明

プロテクタ共通化装置、プロテクタ共通化プログラム、プロテクタ共通化方法、ライセンス管理システム、及び、プロテクタ

【課題】1つのプロテクタを用いたソフトウェアのライセンス管理を実現する。
【解決手段】予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段13aと各種ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶手段13bとを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタ10を、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化するプロテクタ共通化装置であって、プロテクタ10の識別情報記憶手段13aが記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段21a1と、該取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段21a2と、正当性判定手段21a2が正当であると判定した前記プロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段21a3と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェアの供給をUSBメモリ、ICカード等のプロテクタを用いて管理するプロテクタ共通化装置、プロテクタ共通化プログラム、プロテクタ共通化方法、ライセンス管理システム、及び、プロテクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベンダ、メーカ等からユーザに供給されるソフトウェアは、ユーザのパーソナル・コンピュータ等の情報処理装置の記憶装置にインストールされる。そして、ソフトウェアの不正コピーやライセンス数を超えて複数の情報処理装置へのソフトウェアのインストールを防止するために、様々な方法が従来から用いられている。その1つの方法として、USB(Universal Serial Bus)メモリを用いてソフトウェアのライセンス管理を行う方法が知られている。
【0003】
このような方法としては、特許文献1等に記載されたものが知られている。このソフトウェアの供給方法は、ソフトウェアの認証情報を含むソフトウェアローダを前記情報処理装置が認識可能なUSBメモリ(メディア)に格納して供給し、ソフトウェア本体の使用時に、USBメモリ内のソフトウェアローダに認証処理を行わせた後、外部記憶装置内のソフトウェア本体を前記情報処理装置のメモリに格納する。
【特許文献1】特開2006−59175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したソフトウェアの供給方法では、ユーザが複数のベンダ等からソフトウェアを購入した場合、USBメモリ等の外部記憶装置であるプロテクタの数がインストールするソフトウェアの数となり、複数のプロテクタを保管する必要があった。例えば、3つのソフトウェアの供給を受けた場合は3つのプロテクタが必要であり、プロテクタの保管等が煩わしいと云う問題があった。そのため、プロテクタを用いたソフトウェアの供給方法を、ベンダ、メーカ等に導入させるのは困難であった。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、1つのプロテクタを用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができるプロテクタ共通化装置、プロテクタ共通化プログラム、プロテクタ共通化方法、ライセンス管理システム、及び、プロテクタを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載のプロテクタ共通化装置は、図1の基本構成図に示すように、予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段13aと各種ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶手段13bとを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタ10を、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化するプロテクタ共通化装置であって、前記プロテクタ10の識別情報記憶手段13aが記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段21a1と、前記識別情報取得手段21a1が取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段21a2と、前記正当性判定手段21a2が正当であると判定した前記プロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段21a3と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明のプロテクタ共通化装置によれば、第1ソフトウェアの供給に応じてユーザにプロテクタ10が供給された状態で第2ソフトウェアを供給する場合、識別情報取得手段21a1によってプロテクタ10の識別情報記憶手段13aから識別情報が取得され、該識別情報が正当性判定手段21a2によって正当であると判定されると、ライセンス情報追加手段21a3によって第2ソフトウェアのライセンス情報がプロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに記憶される。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載のプロテクタ共通化装置において、前記ライセンス情報記憶手段13bは、ソフトウェアを供給する供給元識別データとそのソフトウェアを識別するソフトウェア識別データを有するライセンス情報を記憶する手段であることを特徴とする。
【0009】
上記請求項2に記載した本発明のプロテクタ共通化装置によれば、供給元識別データとソフトウェア識別データを有するライセンス情報をライセンス情報記憶手段13bに記憶するようにしたことから、同一の供給元の異なるソフトウェアを1つのプロテクタ10で認証を行うことができる。
【0010】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載のプロテクタ共通化プログラムは、図1の基本構成図に示すように、予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段13aと各種ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶手段13bとを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタ10を、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化する手段としてコンピュータを機能させるプロテクタ共通化プログラムであって、前記プロテクタ10の識別情報記憶手段13aが記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段21a1、前記識別情報取得手段21a1が取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段21a2、前記正当性判定手段21a2が正当であると判定した前記プロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段21a3、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0011】
上記請求項3に記載した本発明のプロテクタ共通化プログラムによれば、第1ソフトウェアの供給に応じてユーザにプロテクタ10が供給された状態で第2ソフトウェアを供給する場合、コンピュータはプロテクタ10の識別情報記憶手段13aから識別情報を取得し、該識別情報が正当であると判定すると、第2ソフトウェアのライセンス情報がプロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに記憶する。
【0012】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載のプロテクタ共通化方法は、ソフトウェアの認証に用いられ且つ前記ソフトウェアを処理する情報処理装置に装着されるプロテクタ10を、複数種類のソフトウェアで共通に用いるためのプロテクタ共通化方法であって、前記プロテクタ10に対して独自に割り振られた識別情報を前記プロテクタ10の識別情報記憶手段13aに記憶する識別情報記憶過程と、ユーザに供給する前記プロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに、前記ユーザに供給する第1ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶過程と、前記ユーザに第2ソフトウェアの供給に応じて、前記ユーザが保持しているプロテクタ10の識別情報記憶手段13aから識別情報を取得する識別情報取得過程と、前記取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定過程と、前記正当であると判定した前記プロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加記憶するライセンス情報追加過程と、を有することを特徴とする。
【0013】
上記請求項4に記載した本発明のプロテクタ共通化方法によれば、プロテクタ10の識別情報記憶手段13aにはプロテクタ10に対して独自に割り振られた識別情報が記憶され、第1ソフトウェアの供給に応じてそのライセンス情報がライセンス情報記憶手段13bに記憶され。そのプロテクタ10はユーザに供給される。そして、そのユーザに第2ソフトウェアを供給する場合、プロテクタ10の識別情報記憶手段13aから識別情報を取得し、該識別情報が正当であると判定すると、第2ソフトウェアのライセンス情報がプロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bに記憶する。
【0014】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項5記載のソフトウェア認証システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載のプロテクタ共通化装置20Aと、前記プロテクタ共通化装置20Aによって共通化されたプロテクタ10と、前記プロテクタ10が装着される情報処理装置20Bと、を有するライセンス管理システム1において、前記情報処理装置20Bは、インストール又は起動するソフトウェアに対応する前記ライセンス情報を前記装着されたプロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bが記憶しているライセンス情報の中から抽出するライセンス情報抽出手段20b1と、前記ライセンス情報抽出手段20b1が抽出したライセンス情報に基づいて前記インストール又は起動するソフトウェアの認証を行う認証手段20b2と、を有することを特徴とする。
【0015】
上記請求項5に記載した本発明のソフトウェア認証システムによれば、情報処理装置はインストール又は起動するソフトウェアに対応するライセンス情報を、装着されたプロテクタ10のライセンス情報記憶手段13bが記憶しているライセンス情報の中からライセンス情報抽出手段20b1によって抽出すると、認証手段20b2によって該ライセンス情報に基づいたソフトウェアの認証が行われる。
【0016】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項6記載のプロテクタは、図1の基本構成図に示すように、複数種類のソフトウェアを使用する情報処理装置に装着され且つ前記複数種類のソフトウェアのライセンス管理に用いられるプロテクタであって、予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段13aと、前記識別情報記憶手段13aが記憶している識別情報に対して発行された複数種類のソフトウェア毎のライセンス情報を複数記憶するライセンス情報記憶手段13bと、を有し、前記ライセンス情報記憶手段13bは、前記ライセンス情報が発行される毎に追加されて記憶されることを特徴とする。
【0017】
上記請求項6に記載した本発明のプロテクタによれば、例えば、プロテクタ、ユーザに対して予め独自に割り振られた識別情報は識別情報記憶手段13aに記憶される。そして、その識別情報に対して発行された複数種類のソフトウェア毎のライセンス情報はライセンス情報記憶手段13bに記憶され、その後新たなソフトウェアの増加に伴ってライセンス情報が発行される毎に、その新たなライセンス情報はライセンス情報記憶手段13bに追加されて記憶される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように請求項1,3,4に記載した本発明によれば、第1ソフトウェアの供給に応じてユーザにプロテクタが供給された状態で第2ソフトウェアを供給する場合に、プロテクタの識別情報記憶手段から識別情報を取得し、該識別情報が正当であるときに第2ソフトウェアのライセンス情報をプロテクタのライセンス情報記憶手段に記憶するようにしたことから、プロテクタの識別情報に対してソフトウェアのライセンスを許可することができる。従って、複数種類のソフトウェアが同じユーザに供給されていても、ユーザは1つのプロテクタを用いるだけで良くなり、1つのプロテクタを用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができる。また、プロテクタを身分証として用いることもできるため、身分証に対してソフトウェアのライセンスを許可することができ、ライセンス管理の煩雑さを解消することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、供給元識別データとソフトウェア識別データを有するライセンス情報をライセンス情報記憶手段に記憶するようにしたことから、同一の供給元の異なるソフトウェアを1つのプロテクタで認証を行うことができるため、より一層多くのソフトウェアのライセンス管理を行うことができる。
【0020】
以上説明したように請求項5に記載した本発明によれば、情報処理装置はインストール又は起動するソフトウェアに対応するライセンス情報を、装着されたプロテクタのライセンス情報記憶手段が記憶しているライセンス情報の中から抽出すると、該ライセンス情報に基づいてソフトウェアの認証を行うようにしたことから、1つのプロテクタを用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができるため、ライセンス管理の煩雑さを解消することができる。
【0021】
以上説明したように請求項6に記載した本発明によれば、プロテクタに識別情報と複数のライセンス情報を記憶可能な構成とし、新たなライセンス情報が発行される毎に追加して記憶するようにしたことから、プロテクタの識別情報に対してソフトウェアのライセンスを許可することができる。従って、複数種類のソフトウェアが同じユーザに供給されていても、ユーザは1つのプロテクタを用いるだけで良くなり、1つのプロテクタを用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができる。また、プロテクタを身分証として用いることもできるため、身分証に対してソフトウェアのライセンスを許可することができ、ライセンス管理の煩雑さを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るプロテクタ共通化装置、プロテクタを有するライセンス管理システムの一実施の形態を、図2〜図7の図面を参照して説明する。
【0023】
図2において、ライセンス管理システム1は、ソフトウェアの供給元から供給されたプロテクタ10と、ユーザが所有し且つ請求項中のプロテクタ共通化装置及び情報処理装置としてのパーソナル・コンピュータ(以下、PCとも云う)20と、を有している。なお、ソフトウェアとは、アプリケーションプログラム、ソフトウェアプログラムを意味している。
【0024】
プロテクタ10は、USBメモリであり、図3に示すように、USBコネクタ11と、制御部12と、メモリ13と、を有している。プロテクタ10は、ベンダからユーザへのソフトウェアの販売時等に提供される。なお、ベンダとは、ソフトウェアベンダを意味し、ソフトウェアの販売会社(メーカ、販売代理店等)となっている。
【0025】
USBコネクタ11は、後述するPC20のUSBインタフェースに接続され、各種データの送受信を行う。制御部12は、マイクロプロセッサ等が用いられ、メモリ部13に対する書き込み/読み込みを制御する。
【0026】
メモリ13は、フラッシュメモリ等が用いられ、プロテクタID(PIDとも云う)、ソフトウェアID(SIDとも云う)等の各種情報を記憶する。メモリ13は、複数のソフトウェアIDの記憶が可能な記憶容量となっている。プロテクタIDは、請求項中の識別情報に相当し、プロテクタ10に対して予め独自に割り振られた世界に1つの識別情報となっている。
【0027】
ソフトウェアIDは、請求項中のライセンス情報に相当し、ソフトウェアを供給する供給元識別データ(カンパニーID:CID)とそのソフトウェアを識別するソフトウェア識別データとを有している。CIDは、予め登録されたベンダに対してユニークに割り振られたデータとなっている。ソフトウェア識別データは、ソフトウェアに対してユニークに割り振られている。
【0028】
PC20は、図4に示すように、予め定めたプログラムに従って装置全体の動作の制御などを行う中央演算処理装置(CPU)21を有している。このCPU21には、バスBを介してCPU21のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM22、CPU21の処理作業に必要な各種データを格納する作業エリア等を有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM23が接続されている。
【0029】
CPU21には、記憶装置24がバスBを介して接続されており、記憶装置24にはハードディスク装置、大容量のメモリなどが用いられる。記憶装置24は、図2に示すソフトA,B−1,B−2等のソフトウェアの各種プログラムと、プロテクタ共通化プログラムと、ソフトウェア認証プログラムと、これらのプログラム(ソフトウェア)の実行を制御するOS(operating system)と、を記憶している。
【0030】
プロテクタ共通化プログラムは、予め独自に割り振られたプロテクタID(識別情報)を記憶する識別情報記憶手段と各種ソフトウェアのソフトウェアID(ライセンス情報)を記憶するメモリ(ライセンス情報記憶手段)13とを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタ10を、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化する手段としてCPU(コンピュータ)21を機能させるプロテクタ共通化プログラムであって、前記プロテクタ5のメモリ13が記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段、前記識別情報取得手段が取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段、前記正当性判定手段が正当であると判定した前記プロテクタのライセンス情報記憶手段に、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段、としてCPU21を機能させる。
【0031】
ソフトウェア認証プログラムは、インストール又は起動するソフトウェアに対応するソフトウェアID(ライセンス情報)を前記装着されたプロテクタ10のメモリ13が記憶しているソフトウェアIDの中から抽出するライセンス情報抽出手段と、前記ライセンス情報抽出手段が抽出したソフトウェアIDに基づいて前記インストール又は起動するソフトウェアの認証を行う認証手段と、してCPU(コンピュータ)21を機能させる。
【0032】
CPU21には、入力装置25、USBインタフェース26、表示装置27等がバスBを介して接続されている。入力装置25は、キーボード、マウス等を有しており、利用者の操作に応じた入力データをCPU21に出力する。
【0033】
USBインタフェース26は、上述したプロテクタ10のUSBコネクタ11等が接続される接続端子(図示せず)を有し、USBの規格に沿った信号の入出力を行う。CPU21は、USBインタフェース26を介して、USBインタフェース26に装着されたプロテクタ10のメモリ13からデータを読み出し/書き込みを行う。表示装置27は、周知である液晶ディスプレイ、CRT等の各種表示器が用いられる。そして、表示装置27は、CPU21の制御によって各種情報を表示する。
【0034】
次に、上述したCPU21が上述したプロテクタ共通化プログラムを実行したプロテクタ共通化処理の一例を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0035】
ステップS11において、USBインタフェース26の状態に基づいてプロテクタ10が装着されているか否かが判定される。装着されていないと判定された場合(S11でN)、この判定処理を繰り返すことで、プロテクタ10の装着を待つ。一方、装着されていると判定された場合(S11でY)、ステップS12に進む。
【0036】
ステップS12(識別情報取得手段)において、USBインタフェース26を介してプロテクタ10のメモリ13から識別情報であるプロテクタIDが取得されてRAM23に記憶され、ステップS13(正当性判定手段)において、取得したプロテクタIDが正当であるか否かが判定される。例えば、正当性の判定方法の一例としては、予めプログラム中にプロテクタIDの割り振り方法に基づいた正当性判定条件を記憶しておいたり、ネットワーク又はインターネットでアクセス可能な記憶装置に既に割り振られた全てのプロテクタIDを記憶しておくなど、種々異なる判定方法を用いることができる。
【0037】
ステップS13で識別情報は正当であると判定された場合(S13でY)、ステップS14(ライセンス情報追加手段)において、この度PC10の記憶装置24に新たにインストールするソフトウェアのソフトウェアIDを予め定められた格納場所から、又は、ユーザによる入力装置25を介した入力データから取得され、該ソフトウェアIDがUSBインタフェース26を介してプロテクタ10のメモリ13に追加記憶され、その後ステップS16に進む。なお、この処理でプロテクタ10のメモリ13に追加するソフトウェアIDが存在しないことを確認してから追加を行うこともできる。
【0038】
ステップS13で識別情報は正当ではないと判定された場合(S13でN)、ステップS15において、ソフトウェアIDが正当ではない旨を示す警報画面を表示装置27に表示させ、その後ステップS16に進む。
【0039】
ステップS16において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合(S16でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合(S16でY)、処理を終了する。
【0040】
次に、上述したCPU21が上述したソフトウェア認証プログラムを実行したソフトウェア認証処理の一例を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
ステップS31において、USBインタフェース26の状態に基づいてプロテクタ10が装着されているか否かが判定される。装着されていないと判定された場合(S31でN)、この判定処理を繰り返すことで、プロテクタ10の装着を待つ。一方、装着されていると判定された場合(S31でY)、ステップS32に進む。
【0042】
ステップS32において、起動/インストールするソフトウェアのソフトウェア識別データが取得され、ステップS33(ライセンス情報抽出手段)において、取得したソフトウェア識別データを有するソフトウェアIDが、USBインタフェース26を介してプロテクタ10のメモリ13に記憶している複数のソフトウェアウェアIDの中から抽出され、その後ステップS34に進む。この処理によって、起動/インストールするソフトウェアに対応するソフトウェアID(ライセンス情報)がプロテクタ10から抽出される。
【0043】
ステップS34において、ソフトウェアIDが抽出できたか否かに基づいて、ソフトウェアIDがあるか否かが判定される。ソフトウェアIDがあったと判定された場合(S34でY)、つまり、対象のライセンスが発光されていると判断され、ステップS35において、抽出したソフトウェアID(ライセンス情報)に基づいたソフトウェア認証処理が実行されることで、対象のソフトウェア(第2ソフトウェア)が起動/インストールされ、その後処理を終了する。
【0044】
また、ステップS34でソフトウェアIDがなかったと判定された場合(S34でN)、ステップS36において、対象ソフトウェアのソフトウェアIDが存在しない、つまり、ライセンスが発行されていない旨を示す警報画面を表示装置27に表示させ、処理を終了する。
【0045】
次に、上述したライセンス管理システム1の動作(作用)の一例を、図7の図面を参照して以下に説明する。
【0046】
プロテクタ10は、プロテクタメーカ2によってユニークに割り振られたプロテクタID(識別情報)がメモリ13に記憶される。そして、プロテクタメーカ2は、ベンダA,B,〜,Nの各ベンダ3に対してユニークなカンパニーIDが、例えばCID(A)、CID(B)、〜、CID(N)と云うように割り振り、それらの各ベンダ3にプロテクタ10を供給する。なお、このCIDは、プロテクタメーカ2によってユニーク(世界に1つしかない)であることが保証されている。
【0047】
ベンダA3は、プロテクタ10を所有していないユーザ4に対してソフトウェア(A)を供給する場合、ソフトウェア(A)と共に、プロテクタ10をユーザに供給する。このとき、プロテクタ10のメモリ13には、プロテクタIDとソフトウェア(A)IDが記憶されている。なお、ソフトウェアの供給については、CD−ROM、DVD−ROM等の各種記憶媒体で提供したり、インターネットを介してダウンロードするなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0048】
次に、そのユーザ4に対してベンダB3がソフトウェア(B)を供給する場合、ユーザ4の所持するPC20にプロテクタ10が装着されると共に、PC20で上述したプロテクタ共通化プログラムが実行される。そして、PC20は、プロテクタ10のメモリ13からプロテクタIDを取得し、該プロテクタIDが正当である判定すると、ソフトウェア(B)に対応するソフトウェア(B)IDがベンダB3、ユーザ4からの入力等から取得され、プロテクタ10のメモリ13に追加記憶させる。その結果、プロテクタ10のメモリ13には、プロテクタIDとソフトウェア(A)IDに加え、ソフトウェア(B)IDが追加して記憶されている。
【0049】
以上説明したPC10(プロテクタ共通化装置に相当)によれば、ソフトウェア(A)(第1ソフトウェア)の供給に応じてユーザ4にプロテクタ10が供給された状態でソフトウェア(B)(第2ソフトウェア)を供給する場合に、プロテクタ10のメモリ13からプロテクタID(識別情報)を取得し、該プロテクタIDが正当であるときにソフトウェア(B)のソフトウェア(B)ID(ライセンス情報)をプロテクタ10のメモリ13に記憶するようにしたことから、プロテクタ10のプロテクタIDに対して各種ソフトウェアのライセンスを許可することができる。従って、複数種類のソフトウェアが同じユーザ4に供給されていても、ユーザは1つのプロテクタ10を用いるだけで良くなり、1つのプロテクタ10を用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができる。
【0050】
また、供給元識別データとソフトウェア識別データを有するソフトウェアID(ライセンス情報)をプロテクタ10のメモリ13に記憶するようにしたことから、同一の供給元の異なるソフトウェアを1つのプロテクタ10で認証を行うことができるため、より一層多くのソフトウェアのライセンス管理を行うことができる。
【0051】
次に、PC20でソフトウェア(B)の起動/インストールに応じて上述したソフトウェア認証プログラムが実行されると、そのソフトウェア(B)のソフトウェア識別データに対応したソフトウェア(B)IDを、PC20に装着されたプロテクタ10のメモリ13に記憶されているソフトウェアIDの中から抽出する。そして、そのソフトウェア(B)IDに基づいたソフトウェア認証処理を実行することで、ソフトウェア(B)(第2ソフトウェア)が起動/インストールされる。
【0052】
以上説明したライセンス管理システム1によれば、情報処理装置としてのPC20は、インストール又は起動するソフトウェア(B)に対応するソフトウェアID(ライセンス情報)を、装着されたプロテクタ10のメモリ13が記憶しているソフトウェアIDの中から抽出すると、該ソフトウェアIDに基づいてソフトウェア(B)の認証を行うようにしたことから、1つのプロテクタ10を用いたソフトウェアのライセンス管理を実現することができるため、ライセンス管理の煩雑さを解消することができる。
【0053】
なお、上述した本最良の形態では、プロテクタ10をUSBメモリで実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、ICカード等の各種記憶媒体を用いることができる。そして、そのプロテクタを身分証とし、プロテクタIDを個人のIDとして識別情報を実現すれば、身分証に対してソフトウェアのライセンスを許可することができ、ライセンス管理の煩雑さを解消することができる。
【0054】
また、上述した本最良の形態では、ユーザ4のPC10でプロテクタ共通化プログラム
等を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、ベンダ3側のパーソナルコンピュータで実行する実施形態とすることもできる。
【0055】
さらに、上述した本最良の形態では、プロテクタ10のメモリ13にソフトウェア(A)に対応するソフトウェアID(ライセンス情報)を記憶しておき、その後ソフトウェアの追加に伴ってソフトウェアIDを追加する実施形態を説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、最初から複数のソフトウェア(第1ソフトウェア)を供給する場合はそれらのソフトウェアIDの全てを予め記憶しておくなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0056】
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のプロテクタ共通化装置及びライセンス管理システムの基本構成を示す構成図である。
【図2】本最良の形態に係るライセンス管理システムの一例を示す概略構成を示す図である。
【図3】図2中のプロテクタの概略構成の一例を示す図である。
【図4】図2中のパーソナルコンピュータの概略構成の一例を示す図である。
【図5】図4中のCPUが実行する本発明に係るプロテクタ共通化処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図4中のCPUが実行する本発明に係るソフトウェア認証処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明のライセンス管理システムにおける動作概要の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ライセンス管理システム
10 プロテクタ
13a 識別情報記憶手段(メモリ)
13b ライセンス情報記憶手段(メモリ)
20 パーソナルコンピュータ
20A プロテクタ共通化装置
20B 情報処理装置
21a1 識別情報取得手段(CPU)
21a2 正当性判定手段(CPU)
21a3 ライセンス情報追加手段(CPU)
21b1 ライセンス情報抽出手段(CPU)
21b2 認証手段(CPU)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段と各種ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶手段とを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタを、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化するプロテクタ共通化装置であって、
前記プロテクタの識別情報記憶手段が記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段と、
前記正当性判定手段が正当であると判定した前記プロテクタのライセンス情報記憶手段に、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段と、
を有することを特徴とするプロテクタ共通化装置。
【請求項2】
前記ライセンス情報記憶手段は、ソフトウェアを供給する供給元識別データとそのソフトウェアを識別するソフトウェア識別データを有するライセンス情報を記憶する手段であることを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ共通化装置。
【請求項3】
予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段と各種ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶手段とを有し且つ第1ソフトウェアの供給に応じてユーザが保持しているプロテクタを、前記第1ソフトウェアとは異なる新たな第2ソフトウェアの前記ユーザへの供給に応じて共通化する手段としてコンピュータを機能させるプロテクタ共通化プログラムであって、
前記プロテクタの識別情報記憶手段が記憶している識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記識別情報取得手段が取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定手段、
前記正当性判定手段が正当であると判定した前記プロテクタのライセンス情報記憶手段に、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加するライセンス情報追加手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプロテクタ共通化プログラム。
【請求項4】
ソフトウェアの認証に用いられ且つ前記ソフトウェアを処理する情報処理装置に装着されるプロテクタを、複数種類のソフトウェアで共通に用いるためのプロテクタ共通化方法であって、
前記プロテクタに対して独自に割り振られた識別情報を前記プロテクタの識別情報記憶手段に記憶する識別情報記憶過程と、
ユーザに供給する前記プロテクタのライセンス情報記憶手段に、前記ユーザに供給する第1ソフトウェアのライセンス情報を記憶するライセンス情報記憶過程と、
前記ユーザに第2ソフトウェアの供給に応じて、前記ユーザが保持しているプロテクタの識別情報記憶手段から識別情報を取得する識別情報取得過程と、
前記取得した識別情報の正当性を判定する正当性判定過程と、
前記正当であると判定した前記プロテクタのライセンス情報記憶手段に、前記第2ソフトウェアのライセンス情報を追加記憶するライセンス情報追加過程と、
を有することを特徴とするプロテクタ共通化方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のプロテクタ共通化装置と、前記プロテクタ共通化装置によって共通化されたプロテクタと、前記プロテクタが装着される情報処理装置と、を有するライセンス管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、インストール又は起動するソフトウェアに対応する前記ライセンス情報を前記装着されたプロテクタのライセンス情報記憶手段が記憶しているライセンス情報の中から抽出するライセンス情報抽出手段と、前記ライセンス情報抽出手段が抽出したライセンス情報に基づいて前記インストール又は起動するソフトウェアの認証を行う認証手段と、を有することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項6】
複数種類のソフトウェアを使用する情報処理装置に装着され且つ前記複数種類のソフトウェアのライセンス管理に用いられるプロテクタであって、
予め独自に割り振られた識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記識別情報記憶手段が記憶している識別情報に対して発行された複数種類のソフトウェア毎のライセンス情報を複数記憶するライセンス情報記憶手段と、
を有し、
前記ライセンス情報記憶手段は、前記ライセンス情報が発行される毎に追加されて記憶されることを特徴とするプロテクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−140175(P2008−140175A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326112(P2006−326112)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(599133026)株式会社的 (1)
【Fターム(参考)】