説明

プロピレン系エラストマーを用いて調製される繊維及び不織布

不織布及びこれを製造するための方法が記載され、ここで布は、1以上のプロピレン系熱可塑性ポリマーと組み合わせた2以上のプロピレン系エラストマーを含む。具体的には、第一のプロピレン系エラストマーは少なくとも7質量%のエチレン又は非プロピレンα−オレフィン単位を含み、第二のプロピレン系エラストマーは7質量%未満のエチレン又は非プロピレンα−オレフィン単位を含み、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、80J/g未満の融解熱を有し、並びにプロピレン系熱可塑性ポリマーが、80J/g以上の融解熱を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、プロピレン系エラストマーの特定の混合物を含む組成物から調製される繊維及び不織布に向けられている。
【背景技術】
【0002】
半非晶質プロピレンコポリマー又は結晶化可能プロピレン系コポリマーとも言及されるプロピレン系エラストマーは、繊維及び不織布の製造において採用されている。これらのコポリマーは、好ましい性質を求めてたびたび他の重合体と混合される。
例えば、米国特許出願公開公報2005/0107529は、プロピレン系エラストマーから調製される繊維について教示する。実施例1から4は、溶融物からの繊維の製造を教示し、上記溶融物は、プロピレンホモポリマーと共に、15質量%のエチレンを含む20MFRのプロピレン−エチレンコポリマーを含む。上記プロピレンホモポリマーは、36MFRホモポリマー又は400MFRホモポリマーのいずれかである。上記繊維は、部分配向糸モード(partially oriented yarn mode)の下で、慣用の繊維紡糸ラインを採用することで形成される。上記繊維及びそれらから得られる不織布は、耐久性のある布を提供するために熱処理されてもよい。
米国特許第6,218,010号は、経済的に許容される処理条件で柔軟さを有する繊維及びスパンボンド不織布を作成するのに適したエチレン−プロピレンコポリマーアロイ(ethylene-propylene copolymer alloy)を教示する。上記アロイは、アロイ中に、エチレンの含量が約1質量%から約5質量%であるランダムコポリマーを約40質量%から約90質量%の量で含み;及び、エチレン含量が約5質量%から約40質量%である第二のエチレン−プロピレンコポリマーをアロイ中に約10質量%から約60質量%の量で含む。上記コポリマーアロイは、単一の又は複数の反応器において、エチレン単量体及び/又はα−オレフィンを高分子中にランダムに組み込んでランダムコポリマーを形成することが可能な触媒系の存在下でエチレンとプロピレンの混合物を重合する第一の段階と、及び更に活性触媒を含むランダムコポリマーの存在下、単一の段階又は複数の段階で、エチレン及びプロピレンの混合物を重合して第二のエチレン−プロピレンコポリマーを形成する第二の段階を含む多段反応器プロセスにより調製されると記載されている。
【0003】
米国特許第6,342,565号は、結晶化可能なプロピレンコポリマーと、アイソタクチックポリプロピレンのような結晶化プロピレンコポリマーとを含む柔軟な弾性繊維組成物を教示する。上記繊維はまた、第二の結晶化可能なプロピレンコポリマーを含んでいてもよい。上記第一の結晶化可能なプロピレンコポリマーは、105℃未満の融点と、45J/g未満の融解熱により特徴付けられる。上記結晶化プロピレンコポリマーは、110℃を超える融点と、60J/gを超える融解熱により特徴付けられてもよい。第二の結晶化可能なプロピレンコポリマーが採用される場合、それは分子量及び/又は結晶化度において、第一の結晶化可能なプロピレンコポリマーとは異なっていてもよい。
米国特許第6,635,715号は、第一のアイソタクチックポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー成分と、第二のα−オレフィン及びプロピレンコポリマー成分の混合物を記載しており、ここで、第一のアイソタクチックポリプロピレン成分は、約110℃を超える融点を有し、第二のコポリマーは、約25℃から105℃の融点を有する。上記混合物は、2%から95%の第一の成分と、5%から98%の第二のコポリマー成分とを有していてもよい。実施例においては、使用されるポリプロピレンはEscorene(登録商標)4292、2.0g/10minの公称メルトフローレート(MFR)を有するアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーであり、第二のコポリマーは、248,900から318,900のM(重量平均分子量)と、12.1から38.4のムーニー粘度(ASTM D1646に従い、125℃でML(1+4))により説明される。上記混合物は、加工性(processing)、増加した引っ張り強さ、伸長、及び全体的な強靭性の機械的特性を改善することを対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開公報2005/0107529
【特許文献2】米国特許第6,218,010号
【特許文献3】米国特許第6,342,565号
【特許文献4】米国特許第6,635,715号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つ以上の実施態様において、本発明は、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含む第一のプロピレン系エラストマー、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含む第二のプロピレン系エラストマー、及びプロピレン系熱可塑性ポリマーを組み合わせることによって調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布を提供する。
他の実施態様においては、本発明は、65℃未満のピーク溶融温度(peak melt temperature)を有する低結晶化度プロピレン系エラストマー、120℃未満のピーク溶融温度(peak melt temperature)を有する高結晶化度プロピレン系エラストマー、及びプロピレン系熱可塑性ポリマーを組み合わせることにより調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布を提供する。
他の実施態様においては、本発明は不織布の形成方法であって、プロピレンに富んだ組成物を繊維に押出し、必要に応じて繊維を織って結合させる工程を含み、プロピレンに富んだ組成物は、第一のプロピレン系エラストマーを含む溶液と第二のプロピレン系エラストマーを含む溶液を組み合わせて第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合液を形成し;第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合物を、プロピレン系熱可塑性ポリマーと組み合わせてプロピレンに富んだ組成物を調製し;及び必要に応じて上記プロピレンに富んだ組成物を粘性破壊することにより調製され、第一のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含み、第二のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含み、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布の形成方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の1以上の実施態様によれば、繊維及び/又は不織布は(i)低結晶化度プロピレン系エラストマー、(ii)高結晶化度プロピレン系エラストマー、及び(iii)プロピレン系熱可塑性樹脂を含む組成物から調製される。特定の実施態様においては、上記繊維及び不織布は、スパンボンド技術を採用することにより調製される。上記繊維及び不織布は複合構造物に使用されてもよい。
【0007】
[低結晶化度プロピレン系エラストマー]
1以上の実施態様において、低結晶化度コポリマー又は単純にLCPEとも言及されてもよい、低結晶化度プロピレン系エラストマーは、プロピレンに由来する単位(即ち、モノマー単位)、エチレン又はC4からC20のα−オレフィンに由来する1以上のコモノマー単位に由来する単位を含み、必要に応じてジエンに由来する1以上のコモノマー単位を含んでいてもよい。1以上の実施態様において、上記α−オレフィンコモノマー単位は、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、及び/又は1−オクテンに由来してもよい。1以上の実施態様においては、上記ジエンコモノマー単位は、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジビニルベンゼン、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、又はそれらの組み合わせに由来してもよい。以下に記載される実施態様は、α−オレフィンコモノマーとしてエチレンを参照して議論されるが、この実施態様は、他のα−オレフィンコモノマーを有する他の低結晶化度コポリマーに同様に適用される。本明細書で使用される、コポリマーなる語は2以上のモノマーを含む如何なるポリマーをも含むように意図される。
1以上の実施態様において、LCPEは少なくとも7質量%、他の実施態様では少なくとも8質量%、他の実施態様では少なくとも9質量%、及び他の実施態様では少なくとも10質量%のエチレンに由来する単位を含んでいてもよく;これら又は他の実施態様においては、上記コポリマーは、25質量%以下、他の実施態様では22質量%以下、他の実施態様では20質量%以下、及び他の実施態様では18質量%以下のエチレンに由来する単位を含んでいてもよく、ここで、上記質量パーセントは、プロピレンに由来する単位及びα−オレフィンに由来する単位の総質量を基礎とする。これらの又は他の実施態様においては、LCPEは、少なくとも75質量%、又は他の実施態様では少なくとも78質量%のプロピレンに由来する単位を含んでいてもよく;及びこれらの又は他の実施態様では、コポリマーは80質量%以下、他の実施態様では82質量%以下、他の実施態様では93質量%以下、及び他の実施態様では90質量%以下のプロピレンに由来する単位を含んでいてもよく、ここで質量パーセントはプロピレンに由来する単位及びα−オレフィンに由来する単位の総質量を基礎とする。特定の実施態様においては、LCPEはジエンに由来する単位を含んでいてもよい。例えば、LCPEは、総ポリマー中、約0.5質量%から約5質量%までの量でジエンに由来するモノマー単位を有していてもよい。
エチレンの含量は、40質量%エチレン以下のエチレン含量を有するコポリマーについて以下に示すように測定されてもよい。薄い均質のフィルムは、ASTM D−3900のサブ・メソッドA(sub-method A)に従ってプレスされる。それは次いで、Perkin Elmer Spectrum 2000 赤外線分光光度計に取り付けられる。以下のパラメーターを使用して、フルスペクトルが記録される:解像度:4.0cm-1、スペクトル域:4500cm-1から450cm-1。エチレン含量は、732cm-1におけるエチレンバンドの面積に対する、1155cm-1におけるプロピレンバンドの面積の比(C3/C2=AR)を取り、それを以下の方程式に適用することにより決定される:
質量%エチレン=73.492−89.298X+15.637X2
ここでX=AR/(AR+1)であり、ARはピーク面積比(1155cm-1/722cm-1)である。
【0008】
1以上の実施態様におけるLCPEは、示唆走査熱量計(DSC)により決定される広い融解転移(melting transition)を有していてもよく、1以上の最高点を有していてもよい。ここで議論される融点又は溶融温度(Tm)は、試料が溶融する範囲内で最大の熱吸収が起こる最も高い温度を指す。
1以上の実施態様においては、LCPEのTm(DSCにより決められる)は65℃未満であり、他の実施態様では60℃未満である。1以上の実施態様において、LCPEは、65℃以上の融解転移ピーク又は最大点を示さない。
1以上の実施態様において、LCPEは、DSCにより決められる融解熱(Hf)により特徴付けられてもよい。1以上の実施態様においては、LCPEは、少なくとも0.5J/g、他の実施態様においては少なくとも1.0J/g、他の実施態様においては少なくとも1.5J/g、他の実施態様においては少なくとも3.0J/g、他の実施態様においては少なくとも4.0J/g、他の実施態様においては少なくとも6.0J/g、及び他の実施態様においては少なくとも7.0J/gのHfにより特徴付けられてもよい。これらの又は他の実施態様において、LCPEは50J/g未満、他の実施態様では48J/g未満、他の実施態様においては45J/g未満、他の実施態様においては50J/g未満、他の実施態様においては40J/g未満、他の実施態様においては35J/g未満、他の実施態様においては30J/g未満のHfにより特徴付けられてもよい。結晶化度は試料の融解熱を、100%結晶ポリマーの融解熱で除算することにより決めることができ、それはアイソタクチックポリプロピレンポリマーについては189J/gであると仮定される。
【0009】
本明細書において用いられる、Tm及びHfを決定するためのDSCの手順は以下のとおりである。ポリマーは、加熱されたプレス機で約200℃から約230℃の温度でプレスされ、得られたポリマーシートを環境条件下で空中につるし、冷却する。打ち抜き型で約6mgから10mgのポリマーシートを除去する。この6mgから10mgの試料を室温で80時間から100時間アニールする(is annealed)。この期間の最後に、試料は示唆走査熱量計(Perkin Elmer Pyris One Thermal Analysis System)にかけられ、約−50℃から約−70℃に冷却される。試料は10℃/minで加熱され、最終温度約200℃に達する。試料は200℃に5分間維持され、第二の冷却−加熱サイクルが行われる。両サイクルからの事象が記録される。熱出力は、典型的には約0℃と約200℃の間で起こる、試料の溶融ピーク下の面積として記録される。それはジュールで測定され、ポリマーの溶融熱(Hf)の測定値となる。本明細書で議論されるTmは、熱量計に割り当てられた基準値との関係で、試料が溶融する範囲の中で最大の熱吸収が起こる最も高い温度を指す。これは、典型的には、試料が溶融する範囲内において、最大の熱吸収の温度であるかもしれない。
LCPEは、13CNMRで測定して75%以上、80%以上、82%以上、85%以上、又は90%以上の3つのプロピレンユニットのトリアッドタクティシティ(triad tacticity)を有していてもよい。1以上の実施態様においては、約50%から約99%を含む範囲であり、他の実施態様では、約60%から約99%を含む範囲であり、他の実施態様では、約75%から約99%を含む範囲であり、他の実施態様では、約80%から約99%を含む範囲であり、他の実施態様では、約60%から約97%を含む範囲である。トリアッドタクティシティは、米国特許出願公開公報2004/0236042に記載された方法により決定される。
1以上の実施態様においては、LCPEは狭い成分分布(compositional distribution; CD)を有する。コポリマーの分子内成分分布は、以下のように、例えばヘキサン又はヘプタン等の溶媒中での熱的な分割により決定することができる。概ね、75質量%(より好ましくは85質量%)のポリマーが、1又は2の隣接する可溶性画分として単離され、残るコポリマーが、直前又は直後の画分に単離される。コポリマーが上で議論された狭い成分分布を有するために、単離された画分のそれぞれが一般的に、第二のポリマー成分の全体の平均質量%のエチレン含量から、20質量%(相対値)以下、他の実施態様では10質量%(相対値)以下の差を有する組成(エチレン含量の質量%)を有する。
【0010】
1以上の実施態様では、LCPEは、ASTM D−1238、230℃で2.16kgで測定して、少なくとも0.5dg/min、他の実施態様では少なくとも1.0dg/min、及び他の実施態様では少なくとも1.5dg/minのメルトフローレート(MFR)を有していてもよい。これらの又は他の実施態様においては、メルトフローレートは180dg/min未満であってもよく、他の実施態様では150dg/min未満であってもよい。1の実施態様においては、LCPEは8dg/minから70dg/min、他の実施態様ではは9dg/minから65dg/min、及び他の実施態様では10dg/minから60dg/minのMFRを有している。もう1つの実施態様においては、LCPEは70dg/minから200dg/min、他の実施態様では75dg/minから180dg/min、及び他の実施態様では80dg/minから150dg/minのMFRを有する。
1以上の実施態様では、LCPEは約5kg/moleから5000kg/moleの重量平均分子量(MW)、他の実施態様では約10kg/moleから1000kg/moleのMW、他の実施態様では約20kg/moleから約500kg/moleのMW、及び他の実施態様では約50kg/moleから約400kg/moleのMWを有していてもよい。
1以上の実施態様では、LCPEは約2.5kg/moleから約2500kg/moleの数平均分子量(Mn)、他の実施態様では約5kg/moleから約500kg/moleのMn、他の実施態様では約10kg/moleから約250kg/moleのMn、及び他の実施態様では約25kg/moleから約200kg/moleのMnを有していてもよい。
【0011】
1以上の実施態様では、LCPEの分子量分布指数(MWD=(MW/Mn))は、約1から約40であってもよく、他の実施態様では約1から約5であってもよく、他の実施態様では約1.8から約5であってもよく、及び他の実施態様では約1.8から約3であってもよい。
分子量(MW、Mn)及び分子量分布(MWD)を決定するための技術は、米国特許第4,540,753号(Cozewith, Ju and Verstrate)(米国実務の目的のため、参照により本明細書に組み込まれる)、及びそこで引用された引用文献、並びに米国実務の目的のため、参照により本明細書に組み込まれるMacromolecules, 1988, volume 21, p 3360(Verstrate et al.)、及びそこで引用された引用文献中に見出すことができる。例えば、分子量は、示唆屈折率検出器を備え、ポリスチレンの標準を用いて校正されたWaters 150ゲルろ過クロマトグラフを使用した、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定されてもよい。
LCPEはプロピレン系エラストマーを調製するための知られた技術により調製されてもよい。この点においては、米国特許第6,525,157号、第6,982,310号、第6,992,158号、及び第6,992,160号が参照できる。特定の実施態様では、後述される連続の又は並行して行われる合成技術を採用することにより、HCPE及びLCPEは共に調製されて混合物又は混合液に形成されてもよい。
【0012】
[高結晶化度プロピレン系エラストマー]
1以上の実施態様においては、高結晶化度コポリマー又は単純にHCPEとも言及されてもよい高結晶化度プロピレン系エラストマーは、プロピレンに由来する単位(即ち、モノマー単位)、エチレン又はC4からC20のα−オレフィンに由来する1以上のコモノマー単位を含み、必要に応じてジエンに由来する1以上のコモノマー単位を含んでいてもよい。1以上の実施態様においては、α−オレフィンコモノマー単位は、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、及び/又は1−オクテンに由来してもよい。1以上の実施態様においては、上記ジエンコモノマー単位は、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジビニルベンゼン、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、又はそれらの組み合わせに由来してもよい。以下に記載される実施態様は、エチレンをα−オレフィンコモノマーとして参照して議論されるが、当該実施態様は、他のα−オレフィンコモノマーを有する他の低結晶化度コモノマーに同様に適用される。
1以上の実施態様では、HCPEは少なくとも2質量%、他の実施態様では少なくとも3質量%、及び他の実施態様では少なくとも4質量%のエチレンに由来する単位を含んでいてもよく;これら又は他の実施態様においては、上記コポリマーは、7質量%未満、他の実施態様では6質量%未満、及び他の実施態様では5質量%未満のエチレンに由来する単位を含んでいてもよく、ここで上記質量パーセントは、プロピレンに由来する単位及びα−オレフィンに由来する単位の総質量を基礎とする。これらの又は他の実施態様においては、HCPEは、少なくとも94質量%、又は他の実施態様では少なくとも95質量%のプロピレンに由来する単位を含んでいてもよく;及びこれらの又は他の実施態様では、コポリマーは、98質量%以下、他の実施態様では97質量%以下、及び他の実施態様では96質量%以下のプロピレンに由来する単位を含んでいてもよく、ここで質量パーセントはプロピレンに由来する単位及びα−オレフィンに由来する単位の総質量を基礎とする。特定の実施態様においては、HCPEはジエンに由来する単位を含んでいてもよい。例えば、HCPEは、総ポリマー中、約0.5質量%から5質量%までの量のジエンに由来するモノマー単位を有していてもよい。
1以上の実施態様のHCPEは、示唆走査熱量計(DSC)で決められる広い溶融温度を有していてもよい。HCPEは主要なピークに加えて第二の溶融ピークを示す。本明細書で議論されるTmは、熱量計に割り当てられた基準値との関係で、試料が溶融する範囲内で最大の熱吸収が起こる、最も高い温度を指す。これは、典型的には、試料が溶融する範囲内において、最大の熱吸収の温度であるかもしれない。
1以上の実施態様においては、HCPEは、少なくとも1つの65℃以上の溶融転移ピーク又は最大点を含む。1以上の実施態様においては、HCPEのTm(DSCにより決められる)は、120℃未満であり、他の実施態様では110℃未満であり、他の実施態様では100℃未満であり、他の実施態様では95℃未満である。
【0013】
1以上の実施態様においては、HCPEは、DSCにより決められるHfにより特徴付けられてもよい。1以上の実施態様においては、HCPEは、少なくとも10J/g、他の実施態様においては少なくとも20J/g、他の実施態様においては少なくとも25J/g、他の実施態様においては少なくとも30J/g、他の実施態様において少なくとも50J/g、他の実施態様においては少なくとも55J/g、及び他の実施態様においては少なくとも60J/gの融解熱を有していてもよい。これらの又は他の実施態様においては、HCPEは80J/g未満、他の実施態様においては75J/g未満、他の実施態様においては70J/g未満の融解熱を有していてもよい。結晶化度は試料のHfを、100%結晶ポリマーの融解熱で除算することにより決めることができ、それはアイソタクチックポリプロピレンについて189J/gであると仮定される。
HCPEは、13C NMRで測定して75%以上、80%以上、82%以上、85%以上、又は90%以上の3つのプロピレンユニットのトリアッドタクティシティ(triad tacticity)を有していてもよい。1以上の実施態様においては、トリアッドタクティシティは、約50%から約99%の範囲を含み、他の実施態様では、約60%から約99%を含む範囲であり、他の実施態様では、約75%から約99%であり、他の実施態様では、約80%から約99%であり、他の実施態様では、約60%から約97%を含む範囲である。トリアッドタクティシティは、米国特許出願公開公報2004/0236042に記載された方法により決定される。
1以上の実施態様においては、HCPEは狭い成分分布(compositional distribution;CD)を有していてもよい。このコポリマーの分子内成分分布は、例えばヘキサンやヘプタン等の溶媒中での熱的な分割により決定される。この熱的な分割の手法は、一般的には以下のとおりである。典型的には、概ね、75質量%以上、好ましくは85質量%のポリマーが、1又は2の隣接する可溶性画分として単離され、残るポリマーが、直前又は直後の画分に単離される。コポリマーが上で議論された狭い成分分布を有するために、単離された画分のそれぞれが一般的に、第二のポリマー成分の全体の平均質量%のエチレン含量から、20質量%以下、他の実施態様では10質量%以下の差を有する組成(エチレン含量の質量%)を有する。
【0014】
1以上の実施態様においては、HCPEは、ASTM D−1238、230℃で2.16kgで測定して、少なくとも0.5dg/min、他の実施態様では少なくとも1.0dg/min、及び他の実施態様では少なくとも1.5dg/minのMFRを有していてもよい。これらの又は他の実施態様においては、メルトフローレートは180dg/min未満であってもよく、及び他の実施態様では150dg/min未満であってもよい。1つの実施態様においては、HCPEは8dg/minから70dg/min、他の実施態様では9dg/minから65dg/min、及び他の実施態様では10dg/minから60dg/minのMFRを有する。もう1つの実施態様では、HCPEは70dg/minから200dg/min、他の実施態様では75dg/minから180dg/min、及び他の実施態様では80dg/minから150dg/minのMFRを有する。
1以上の実施態様では、HCPEは約5kg/moleから約5000kg/mole、他の実施態様では約10kg/moleから約1000kg/mole、他の実施態様では約20kg/moleから約500kg/mole、及び他の実施態様では50kg/moleから約400kg/moleの重量平均分子量(MW)を有する。
1以上の実施態様では、HCPEは約2.5kg/moleから約2500kg/mole、他の実施態様では約5kg/moleから約500kg/mole、他の実施態様では約10kg/moleから約250kg/mole、及び他の実施態様では約25kg/moleから約200kg/moleの数平均分子量(Mn)を有していてもよい。
【0015】
1以上の実施態様では、HCPEの分子量分布指数(MWD=(MW/Mn))は約1から約40であってもよく、他の実施態様では約1から約5であってもよく、他の実施態様では約1.8から約5であってもよく、及び他の実施態様では約1.8から約3であってもよい。
HCPEは、LCPEについて上記に記載された技術を含め、プロピレン系エラストマーを調製するために知られた技術を使用し、エチレン含量に必要な調整を行って調製してもよいが、それあ十分当業者の能力の範囲内である。特定の実施態様では、連続する又は並行して行われる合成技術を採用することにより、HCPE及びLCPEは共に調製され、混合物又は混合液を形成してもよい。
【0016】
[プロピレン系熱可塑性物質]
プロピレン系熱可塑性ポリマーと言及されてもよい、プロピレン系熱可塑性樹脂は、主にプロピレンの重合により得られる単位を含むそれらポリマーを含む。特定の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーの少なくとも98%の単位は、プロピレンの重合に由来する。特定の実施態様では、これらのポリマーはプロピレンのホモポリマーを含有する。
特定の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、エチレン、及び/又は1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、及びそれらの混合物等のα−オレフィンの重合に由来する単位を含んでいてもよい。具体的に含まれるものは、反応器、インパクト(impact)、及びプロピレンとエチレン、上記で記載された高級α−オレフィン、又はC10−C20ジオレフィンとのランダムコポリマーである。
1以上の実施態様においては、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、120℃を越える、他の実施態様では155℃を超える、及び他の実施態様では160℃を超えるTmを有していてもよい。これらの又は他の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、180℃未満の、他の実施態様では170℃未満の、及び他の実施態様では165℃未満のTmを有していてもよい。
【0017】
1以上の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、DSCにより測定される80J/g以上の、他の実施態様では100J/gを超える、他の実施態様では125J/gを超える、及び他の実施態様では140J/gを超えるHfを有していてもよい。
1以上の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは結晶ポリマー及び準結晶ポリマーを含んでいてもよい。1以上の実施態様においては、これらのポリマーが、DSCにより決定される少なくとも40質量%、他の実施態様においては少なくとも55質量%、他の実施態様においては少なくとも65質量%、及び他の実施態様においては少なくとも70質量%の結晶により特徴付けられてもよい。結晶化度は試料の融解熱を、100%結晶ポリマーの融解熱で除算することにより決定することができ、それはアイソタクチックポリプロピレンについて189J/gであるとされる。
一般的に、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、広い分子量の範囲をもって合成されてもよく、及び/又は広い範囲のMFRにより特徴付けられてもよい。例えば、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、少なくとも2dg/min、他の実施態様では少なくとも4dg/min、他の実施態様では少なくとも6dg/min、及び他の実施態様では少なくとも10dg/minのMFRを有していてもよく、当該MFRはASTM D−1238、230℃で2.16kgに従って測定される。これらの又は他の実施態様においては、プロピレン系熱可塑性ポリマーは2000dg/min未満、他の実施態様では400dg/min未満、他の実施態様では250dg/min未満、他の実施態様では100dg/min未満、他の実施態様では50dg/min未満のMFRを有していてもよく、ここでMFRはASTM D−1238、230℃で2.16kgに従って測定される。
【0018】
1以上の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは約50kg/moleから約2000kg/moleの、他の実施態様では約100kg/moleから約600kg/moleのMwを有していてもよい。それらはまた、ポリスチレン標準を使用したGPCにより測定される、約25kg/moleから約1000kg/mole、他の実施態様では約50kg/moleから約300kg/moleのMnを有していてもよい。
1の実施態様では、プロピレン系熱可塑性ポリマーは高結晶化度アイソタクチックポリプロピレン又はシンジオタクチックポリプロピレンのホモポリマーを含む。このポリプロピレンは、約0.85g/ccから約0.91g/ccの密度を有していてもいいが、高度なアイソタクチックポリプロピレンは約0.90g/ccから約0.91g/ccの密度を有する。1以上の実施態様においては、プロピレン系熱可塑性ポリマーは、二峰性の分子量分布を有するアイソタクチックポリプロピレンを含む。
プロピレン系熱可塑性ポリマーは、例えば、慣用のZiegler-Natta触媒や、メタロセン触媒等の他の単一サイト有機金属触媒、又は非−メタロセン類等の触媒系を使用した、スラリー重合、気相重合、溶液重合等、本技術分野に知られる如何なる適切な重合技術により合成されてもよい。
【0019】
[他の添加剤]
本発明の混合物は、他の成分を含んでいてもよい。例えば、本発明の混合物は、混合組成物中の総ポリマーに基づいて、50ppmから4000ppmで存在してもよい核形成剤を含んでいてもよい。核形成剤は、例えば、安息香酸ナトリウム及びタルクを含む。また、Ziegler-Nattaオレフィン生成物、又は他の高度の結晶ポリマー等他の核形成剤をもまた採用してもよい。核形成剤は、Hyperform(例えば、HPN68)、及びMillad添加剤(例えば、Millad 3988)(Milliken Chemicals社製, Spartanburg, SC)、及びNA−11及びNA−21(Amfine Chemicals社製, Allendale, NJ)のような有機リン類を含む。
更に、様々な添加剤が、様々な目的の混合物、繊維、及び布を製造するために、上記の実施態様に組み込まれてもよい。他の添加剤は、例えば、安定化剤、抗酸化剤、充填剤、及びスリップ助剤(slip aids)を含む。一次抗酸化剤及び二次抗酸化剤は、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、及び亜リン酸塩を含む。Acrowax C等の分散剤等の他の添加剤も含まれてもよい。例えば、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、及び酸化カルシウム、並びに/又は本技術分野に知られる他の酸中和剤を含む、触媒不活性化剤もまた使用することができる。
1以上の実施態様においては、有用なスリップ助剤は、繊維(即ち、プロピレン系エラストマー、及び/又はプロピレン系熱可塑性樹脂、及び/又は感触調整剤(feel modifiers))のポリマーのマトリックスと不混和性であるそれらの化合物又は分子を含み、それゆえ繊維の表面へ移行する。1以上の実施態様においては、上記スリップ助剤は繊維の(又はその一部の)表面に単一層を形成する。これらの又は他の実施態様においては、有用なスリップ助剤は、表面への移行を容易にする比較的低い分子量により特徴付けられる。スリップ助剤の種類の中には、Handbook of Antiblocking, Release and Slip Additive, George Wypychの23ページに開示される脂肪酸アミドが含まれる。脂肪酸アミドの例としては、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、N−(2−hdri エチル)エルカ酸アミド(N-(2-hdriethyl) erucamide)、ラウリン酸アミド、N,N’−エチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、オレイルプラミットアミド(oleyl plamitamide)、ステアリルエルクアミド(stearyl erucamide)、獣脂アミド、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
他の添加剤は、例えば、難燃剤(fire/flame retardants)、可塑剤、加硫又は硬化剤、加硫又は硬化促進剤、硬化抑制剤、加工助剤等を含む。上記の添加剤は、充填剤及び/又は強化材料を含み、それらはそれぞれ独立に添加剤に添加され、又は添加剤に組み込まれる。例としては、カーボンブラック、クレイ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、ケイ酸塩、それらの組み合わせ等を含む。様々な性質を増強するために採用されてもよいその他の添加剤は、ブロッキング防止剤又は潤滑剤を含む。
更にその他の態様においては、イソパラフィン、ポリαオレフィン、ポリブテン、又はそれらの2つ以上の混合物もまた、本発明の組成物に添加されてもよい。ポリαオレフィンはWO2004/014998に記載されたもの、特に17頁19行から19頁25行に記載されたものを含んでいてもよい。これらのポリαオレフィンは、例えば、約0.5質量%から約40質量%の量で、他の実施態様では約1質量%から約20質量%の量で、及び他の実施態様では約2質量%から約10質量%の量で添加されてもよい。
【0020】
[量]
1以上の実施態様においては、本発明の組成物は、組成物の総質量に基づいて、少なくとも5質量%、他の実施態様では少なくとも10質量%、及び他の実施態様では少なくとも20質量%のプロピレン系エラストマー(即ち、低結晶化度エラストマー及び高結晶化度エラストマーの両方)を含んでいてもよい。これらの又は他の実施態様においては、組成物は、組成物の総質量に基づいて、95質量%未満、他の実施態様においては90質量%未満、及び他の実施態様においては80質量%未満のプロピレン系エラストマーを含んでいてもよい。
1以上の実施態様においては、本発明の組成物は、LCPEとHCPEの総質量に基づいて、少なくとも70質量%、他の実施態様においては少なくとも75質量%、及び他の実施態様においては少なくとも80質量%のLCPEを含んでいてもよい。これらの又は他の実施態様においては、上記組成物は、LCPEとHCPEの総質量に基づいて、98質量%未満、他の実施態様においては95質量%未満、他の実施態様においては90質量%未満のLCPEを含んでいてもよい。
1以上の実施態様においては、本発明の組成物は、LCPEとHCPEの総質量に基づいて、少なくとも2質量%、他の実施態様においては少なくとも5質量%、他の実施態様においては少なくとも10質量%のHCPEを含んでいてもよい。これらの又は他の実施態様においては、上記組成物は、LCPEとHCPEの総質量に基づいて、30質量%未満、他の実施態様においては25質量%未満、及び他の実施態様においては20質量%未満のHCPEを含んでいてもよい。
1以上の実施態様においては、本発明の組成物は、組成物の総質量に基づいて、少なくとも5質量%、他の実施態様においては少なくとも10質量%、及び他の実施態様においては少なくとも20質量%のプロピレン系熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。これらの又は他の実施態様では、上記組成物は、組成物の総質量に基づいて、95質量%未満、他の実施態様においては90質量%未満、及び他の実施態様においては80質量%未満のプロピレン系熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0021】
[組成物の調製]
本発明の1以上の実施態様の繊維及び/又は布を製造するために採用される組成物は、様々な技術を採用することにより調製されてもよい。HCPE、LCPE、及びプロピレン系熱可塑性樹脂は、成分を完全に混合させる(intimate admixture)如何なる手法で導入され、混合されてもよい。例えば、それらはタンブラー、スタティックミキサー、バッチミキサー、押出機、又はそれらの組み合わせを使用して混合してもよい。これらの又は他の実施態様では、混合は、繊維を加工するために使用される処理方法の一部として行われてもよい。他の実施態様では、溶融ブレンドのために内部ミキサーが採用されてもよい;例えば、成分はBrabender Plastograph中で、1分から20分間、180℃から240℃で混合することができる。更に他の実施態様では、ポリマーは、ポリマーのフラックス温度を超える温度(例えば、約180℃)で、約5分間、バンバリー内部ミキサー中で混合できる。更に他の実施態様においては、例えば、2軸混合押出機、低粘度の溶融ポリマー流れを混合するためのスタティックミキサー、衝突ミキサー等、当該技術分野に周知のものを含め、連続ミキサーが採用されてもよい。もう1つの実施態様においては、プロピレン系エラストマー及びプロピレン系熱可塑性樹脂は、溶融状態で過酸化物で処理され、ポリマーの粘度を高いメルトフローレートに調整してもよい。当該技術分野で知られているように、このMFRの減少を「粘性破壊(vis-breaking)」と言及してもよい。
混合物への追加の成分の添加又は導入は、初期の混合物を形成するために採用された方法と類似の方法を使用して実施することができる。特定の実施態様では、追加の成分は、繊維形成工程の一部として添加される。
1以上の実施態様において、HCPE及びLCPEがまず導入されてもよく、次いでプロピレン系熱可塑性樹脂が続いてHCPEとLCPEの混合物へ導入されてもよい。1以上の実施態様では、HCPEとLCPEの混合物は、別々の連続した、又は並行した重合段階において調製された、LCPEとHCPEの溶液を混合することによって形成されてもよい。上記混合された溶液は、次いで溶媒が除去され、混合されたポリマーが、次いで熱可塑性ポリマーと固体段階で混合されてもよい(例えば、溶融混合)。
1以上の実施態様においては、LCPEは第一の反応器で製造されてもよい。LCPEの溶液を含む第一の反応器からの流出物は、LCPEの存在下でHCPEの溶液が製造されるように、HCPEを製造するために必要な触媒とモノマー類が接触する第二の反応器に移しかえられてもよい。これは、連続反応器工程と言及される。
【0022】
他の実施態様においては、LCPEとHCPEの両者が溶液重合反応器の中で製造されてもよい。これらの工程がもたらすポリマー成分の溶液を組み合わせることにより、HCPEの重合の最中に、LCPEとHCPEが完全に混合される。混合したポリマーは次いで第二の反応器から取り出され、慣用の処理設備と技術を用いて、ポリマー粒子に加工されてもよい。
或いは、HCPEは第二の反応器と直列の第一の反応器で製造されてもよい。HCPEの溶液を含有する第一の反応器からの流出物は、次いで、LCPEがHCPEの存在下で製造される第二の反応器に移しかえられ、次いで結果として生じる混合ポリマーをポリマーペレットに加工する。
並行する重合工程においては、LCPE及びHCPEが、それぞれのポリマーの溶液を含む各反応器からの流出物と共に並行する反応器で製造され、流出物を混合するための装置に向けられて、混合されたポリマー成分の溶液を製造する。混合されたポリマーは、次いで溶液から回収され、慣用の処理設備と技術に従ってポリマー粒子に加工される。
HCPEが第一の重合段階で製造される実施態様においては、HCPEにおいて低いコモノマー含量であることが好ましいため、第二の重合段階において所望のLCPEを製造するために、第二の重合段階に追加のコモノマーを添加してもよい。
【0023】
並行する反応器の配置を含む実施態様においては、HCPEはいずれの反応器で製造されてもよい。二つの反応器は、生成する混合物の性質が独立に調整できるように、独立の温度、圧力、及び供給制御を有していてもよい。
他の実施態様では、HCPE及びLCPEのペレットはそれぞれの溶液に溶解されてもよく、溶液は続いて互いに混合されてもよい。
【0024】
[繊維及び布の形成]
前述の組成物からの不織布の形成は、押出による繊維の製造と、それに続く織り又は結合を含む。押出工程は、機械的又は空気力学的な繊維の延伸が伴うものであってもよい。本発明の繊維及び布は、当該技術分野に知られた如何なる技術及び/又は設備により製造されてもよく、それらの多くは周知である。例えば、スパンボンド不織布は、ドイツ、TroisdorfのReifenhauser GmbH & Co.により製造されたスパンボンド不織布製造ラインにより製造することができる。Reinfenhauserのシステムは、米国特許第4,820,142号に記載されたスロットドローイング技術を使用している。
[慣用の細デニール繊維]
1以上の実施態様においては、繊維は連続フィラメント、嵩高連続フィラメント、又はステープル・ファイバー形成技術により製造されてもよい。例えば、溶融したポリマーはダイ(紡糸口金)中の穴を通じて押出されてもよく、それは例えば、直径0.3mmから0.8mmであってもよい。ポリマーの低い溶融粘度は、使用されるポリマーの高い溶融温度(例えば、230℃から280℃)と高いメルトフローレート(例えば、15g/10minから40g/10min)を使用することにより達成される。比較的大きな押出機には、大量の溶融したポリマーを約8から約20の紡糸口金の列に分配するマニホールドが備わっていてもよい。それぞれの紡糸ヘッドは、ヘッド内に紡糸ヘッドを通過する生成物の量を制御するための別々のギアポンプ;「ブレーカープレート(breaker plate)」に支持されたフィルターパック(filter pack);及び口金プレート(spinneret plate)が備えられていてもよい。口金プレート中の穴の数は糸中の繊維の数を決定し、異なる糸の構造の場合は顕著に変化するものの、典型的には約50から約250の範囲内である。冷却エアの流れの良好な分配を補助するため、複数の穴は円形、環状、長方形のパターンにグループ化できる。
【0025】
[連続フィラメント]
連続フィラメントの糸は、約40デニールから約2000デニールの範囲に亘ってもよい(デニール=グラム数/9000メーター)。より大きな範囲のものが予期されるが、繊維は一般的にフィラメントあたり1から20デニール(dpf)となる。紡糸速度は、800m/minから1500m/min(2500ft/minから5000ft/min)を含んでいてもよい。例示的な方法は以下のように進行する。繊維は3:1以上の延伸倍率(draw ratio)で延伸され(1段階又は2段階延伸)、包装上に巻かれる。2段階延伸は高い延伸倍率を達成することを可能にする。巻きの速度は一般的には2000m/minから3500m/min(6600ft/minから11500ft/min)である。例えば、最小MFRが5であり、多分散性指数が(PI)2.8を下回る樹脂のような微細な繊維について最善の紡糸性を得るために、900m/min(3000ft/min)を超える紡糸の速度には狭い分子量分布が必要とされることがある。より遅い紡糸工程の場合、又はより重いデニールの繊維の場合、16−MFR反応器級(16-MFR reactor grade)の生成物がより適切かもしれない。
[部分配向糸(POY)]
部分配向糸(POY)は、(上記の連続フィラメントで見られるような)固相延伸なしの繊維紡糸から直接製造される繊維である。繊維中での分子の配向は、溶融ポリマーが紡糸口金を脱した直後の溶融状態でのみ行うことができる。一度繊維が固化すると、繊維の延伸は起こらず、繊維は包装中に巻かれる。POY糸は(固相配向を経て、高い引っ張り強さと低い伸長を有する完全配向糸、即ちFOYとは対照的に)高い伸長と低い引っ張り強さを有する傾向にある。
【0026】
[嵩高連続フィラメント]
嵩高連続フィラメントの製造工程は、2つの基本的なタイプ−1ステップと2ステップ−に分類される。例えば、2ステップ工程では、未延伸の糸が1000m/min(3300ft/min)未満、通常は750m/min未満で紡糸され、包装上に置かれる。糸は(通常、2段階で)延伸され、テクスチャライザー(texturizer)と呼ばれる機械上で嵩高になる。巻き取り及び延伸の速度は、嵩高化装置又は撚り装置(texturizing device)により、典型的には2500m/min(8200ft/min)以下に制限される。2ステップのCF工程におけるように、第二の結晶化は迅速な仮撚(draw texturizing)を必要とする。共通する工程には、1ステップの紡糸/延伸/撚り(SDT)プロセスを含む。このプロセスは、2ステップ工程よりもよりよい経済性、効率性、及び性質を提供できる。それらは嵩高化装置が組み込まれている点を除いて、1ステップCF工程に類似している。嵩高と撚りは繊維を分離させ、緩やかな屈曲や折りを与えて、糸の外観を太く(より嵩高く)して、糸の外観を変化させるかもしれない。
[ステープル・ファイバー]
繊維の製作工程は二つの工程を含む:伝統的な紡糸とコンパクトな紡糸。伝統的な工程は、典型的には二つのステップを含む:i)製造し、上塗りをして、巻き取り、次いで、ii)延伸し、第二の上塗りをして、クリンピングし(crimping)、ステープルに切断すること。用途によっては、繊維は例えば、1.5dpf以上で70dpfを超える範囲になり得る。ステープルの強度は、用途に適合させるため、7mmと同じくらい短いか、200mmと同じくらい長いかである(0.25in.から8in.)。多くの用途について、繊維はクリンプ(crimped)される。クリンピングは、トウ(tow)を、一対のニップロール(nip roll)を備える、蒸気で加熱されたスタッファーボックス(stuffer box)に過剰に供給することで達成される。過剰供給によりトウ(tow)がボックスの中で折りたたまれ、繊維に屈曲又は縮れを形成する。これらの屈曲はボックスに導入された蒸気により熱処理されてもよい。樹脂のMW、MWD、及びアイソタクチック含量は、縮れの安定性、大きさ、及びクリンピングの容易性に影響する。
【0027】
[メルトブロー布]
メルトブロー布は20ミクロンから1.0ミクロンの範囲の繊維の直径を有する微細な繊維の布として言及されてもよい。メルトブロー繊維の繊維の直径は、一部の実施態様では、1ミクロンから10ミクロンの範囲であってもよく、別の実施態様では、1ミクロンから約5ミクロンであってもよい。これらの微細な繊維の直径により形成された不織布は非常に小さな孔の大きさを有し、それゆえ、非常に優れたバリア特性を有していてもよい。例えば、メルトブロー工程では押出機がポリマーを融解させ、定量メルトポンプ(metering melt pump)にそれを送る。メルトポンプは溶融したポリマーを一定の産出率で特別のメルトブローダイに送る。溶融したポリマーがダイを出ると、それは高温で、高速の空気(処理エア又は一次エアと呼ばれる)に触れる。このエアは迅速に繊維を延伸し、冷却エアと組み合わせることで繊維を冷却する。全繊維形成工程は、典型的にはダイから数インチ以内で起こる。ダイの設計は、質の高い製品を効率的に製造するために重要であり得る。繊維は、繊維を典型的には紡糸口金から200mmから400mm(8in.から15in.)の多孔形成ベルト(porous forming belt)上に直接吹き付けることにより形成される。より重い基本重量とより高いロフト(loft)の製品に対しては、より大きな形成距離が使用されるかもしれない。他の実施態様では、20g/10min程度の低さの樹脂のMFRがより高い処理温度で使用できるが、可能な限り最も微細な繊維を得るため、メルトブローは200g/minを超える樹脂のような、非常に高いメルトフローレートの樹脂を必要とするかもしれない。
【0028】
[スパンボンド布]
スパンボンド繊維は、例えば、数千の孔を有する大きな紡糸口金からの、又は例えばわずか40の孔を有するより小さい紡糸口金の列を使用した、溶融ポリマーの押出により製造される繊維を含む。紡糸口金を出た後は、溶融した繊維は、直交流の空気冷却システムにより冷却され、高速の空気によって紡糸口金から引き離され、細くされる(延伸される)(attenuated (drawn))。一般的には空気による細化の2つの方法があり、その両者ともベンチュリー効果を使用している。第一の方法は、アスピレータスロット(aspirator slot)を使用して繊維を延伸するもので(スロットドロー(slot draw))、それは紡糸口金又は装置の全幅に亘って(run the width of)いてもよい。第二の方法は、ノズル又はアスピレータガン(aspirator gun)を通じて繊維を延伸するものである。この方法により形成される繊維は、スクリーン(「ワイヤ」)上又は多孔形成ベルト上に収集され、布が形成されてもよい。次いで、布は圧縮ロールを通過し、次いで加熱されたカレンダーロールの間を通過し、ここで1つのロール上の隆起した部分が、例えば、布の領域の10%から40%を覆う複数の点で布を接合し、不織布を形成する。もう1つの実施態様では、繊維の溶着が、対流するまたは放射される熱を使用して達成され得る。さらにもう1つの実施態様では、繊維の溶着がハイドロエンタングリング(hydro entangling)又はニードルパンチ法(needle punch method)を使用した摩擦により達成され得る。
連続フィラメントにおいて繊維を形成した後、又は繊維から不織材料を製造した後、アニーリング(annealing)が行われてもよい。アニーリングは引き伸ばされた繊維の内部応力を部分的に軽減することができ、繊維中の混合物の弾性回復特性を回復させことができる。アニーリングは、結晶構造の内部組成、アモルファス及び準結晶相の相対的順序に重大な変化をもたらすことが示された。これは弾性特性の回復をもたらすことができる。例えば、室温を超える、少なくとも40℃の(しかし、混合物の結晶の融点からは僅かに低い)温度での繊維のアニーリングは、繊維の弾性特性の回復に十分かもしれない。
繊維の熱的アニーリングは、繊維(又は繊維から作られた布)を、例えば室温から160℃まで、又はその代わりに最大130℃までの温度に、数秒間から1時間未満の期間、維持することにより行うことができる。典型的なアニーリング期間は約100℃では1分から5分である。アニーリング時間及び温度は、採用される組成物に基づいて調整することができる。他の実施態様では、アニーリング温度は60℃から130℃で変動する。もう1つの実施態様では、温度は約100℃である。
【0029】
特定の実施態様、例えば、慣用の連続繊維紡糸では、アニーリングは、慣用のアニーリング技術を適用することなしに、繊維を加熱したロール(まち(godet))を通過させることにより行うことができる。アニーリングは好ましくは、繊維の収縮を許容し繊維に弾性を付与するために、非常に低い繊維の張力の下で行われる。不織工程においては、布は通常カレンダーを通過して布を点接合する(強固にする(consolidate))。強固になっていない不織布を比較的高い温度で加熱されたカレンダーを通過させることが、繊維をアニーリングし、不織布の弾性を向上させる上で十分である。繊維のアニーリングと同様、不織布も機械方向(MD)と幅方向(CD)の両方で布の収縮を許容し、不織布の弾性を強化するため好ましくは低い張力の下で形成されてもよい。他の実施態様においては、接合するカレンダーロールの温度は100℃から130℃の範囲である。もう1つの実施態様においては、温度は約100℃である。アニーリング温度は如何なる特定の混合物についても調整することができる。
本明細書に記載される弾力性のある不織布は、更に、マルチビームスパンメルト(multi-beam spunmelt)工程におけるラミネート複合材構造の組み立てに使用されてもよい。工業的なスパンメルト工程には、スパンボンド(S)とメルトブロー(M)の組み合わせを有することが一般的である。ラミネート構造についての一部の一般的な配置は、SS、SSS、SSS、SMS、SMMS、SSMMS等である。スパンボンド及びメルトブロービームは、二つの異なるポリマーからの繊維を芯鞘型の配置又は並んだ配置のいずれかを有して形成することができるので、2成分の性能を有していてもよい。芯鞘型の配置では芯は弾性力のある繊維からなっていてもよく、一方で鞘は結晶ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)からなっていて、柔らかな触感を与えるものであってもよい。並んだ配置では、両方のポリマーからの繊維が表面にさらされている。
斯かる構造中の弾性のある不織布の使用の一例は、外側のS基質が、内部の弾性のある不織布と鞘層として低い摩擦係数を有するポリオレフィンとを用いた2成分の布であってもよい、SMMS工程においてである。M層は、例えば、特別なプロピレン系エラストマー、結晶性ポリオレフィン、及び/又はそれらの混合物であってもよい。プロピレン系エラストマーと結晶性ポリオレフィンの両者は、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂との個別の混合物であってもよい。もう1つの例は、SSMMS構造であり、ここで、外側のS基質は2成分の伸縮性のある積層体(例えば、PE鞘/PP芯)であってもよく、内側のSは弾性のある不織布であってもよく、メルトブロー(M)層は1以上の結晶性ポリオレフィン(PP、PE)、プロピレン系エラストマー、及びそれらの混合物を含んでいてもよく、及び外側のS層は、弾性のある不織布の芯とポリオレフィンの鞘を使用した2成分の布を含んでいてもよい。弾性のある不織布は、不透明性を改善するための二酸化チタン等、当業者に知られたいくらかの好適な添加剤によって更に修飾されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の繊維及び不織布は、複数の用途で採用されてもよい。1以上の実施態様では、それらはオムツ及び/又は類似の個人的な衛生物品、例えばオムツタブ(diaper tabs)、サイドパネル(side panel)、レッグカフ(leg cuffs)、トップシート(top sheet)、バックシート(back sheet)、テープ(tapes)、女性用衛生物品、水泳パンツ、幼児用引き上げパンツ、失禁用衣服の部材、及び包帯のような用途に有利に採用されてもよい。特に、それらは、これらの物品の動的な又は伸縮可能な部材、例えば、限定されないが、弾性のある締めバンド(fastening bands)として採用することができる。他の実施態様では、繊維及び不織布は、例えば、医療用ガウン若しくはエプロン、外科用ドレープ、滅菌ラップ、雑巾、寝具類、又は他の類似の使い捨ての衣類及びカバー等、他の保護用の衣類、又はカバーに加工されてもよい。これらの材料は、また、保護用カバー;例えば寝具、カーペット滑り止めパッド、壁紙、床仕上げ材、ブラインド、スクリム等のインテリア;及び、伝統的な布が以前に使われていた如何なる他の用途に用途を見出してもよい。
他の実施態様においては、本発明の繊維及び布は、ろ過媒体(気体及び液体)の製造に採用することができる。例えば、特定の用途は、不織布が静電的に荷電されてエレクトレットを形成できる、機能性樹脂における使用を含む。
更に、本発明の繊維及び布は、如何なる構造物及び他の最終使用の用途においても採用することができ、又は米国特許出願11/698,359;11/655,399;及び11/698,630に記載された如何なる添加剤及び他の組成物とも採用することができ、これらの文献は、許容される範囲で参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
本発明の特定の具体的な実施形態は、実施例に先だつ以下の段落に記載されるものを含む。
【0032】
エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含む第一のプロピレン系エラストマー、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含む第二のプロピレン系エラストマー、及びプロピレン系熱可塑性ポリマーを組み合わせることによって調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の溶融熱を有する不織布。
第一のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも8質量%含み、第二のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を6質量%以下含む先行する段落の実施態様。
第一のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも15質量%で20質量%未満含み、第二のプロピレン系エラストマー、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも3質量%で6質量%未満含む先行する段落のいずれかの実施態様。
第一のプロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約3dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
【0033】
第一のプロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約180dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約3dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約100dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
【0034】
上記組成物が粘性破壊され(vis-broken)、約60dg/minから約90dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
上記組成物が粘性破壊され、約150dg/minから約350dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
上記不織布がクロスマシーン方向(cross-machine direction)に80%以上伸長する先行する段落のいずれかの実施態様。
65℃未満のピーク溶融温度(a peak melt temperature)を有する低結晶化度プロピレン系エラストマー、120℃未満のピーク溶融温度を有する高結晶化度プロピレン系エラストマー、及びプロピレン系熱可塑性ポリマーを組み合わせることにより調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の溶融熱を有し、前記プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布。
【0035】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約3dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落の実施態様。
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約180dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約3dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
【0036】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが約100dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
上記組成物が粘性破壊され、約60dg/minから約90dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する先行する段落のいずれかの実施態様。
前記組成物が粘性破壊され、約150dg/minから約350dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12の不織布である、先行する段落のいずれかの実施態様。
前記不織布がクロスマシーン方向に80%以上伸長する先行する段落のいずれかの実施態様。
【0037】
不織布の形成方法であって、プロピレンに富んだ組成物を繊維に押し出し、必要に応じて繊維を織って結合させる工程を含み、前記プロピレンに富んだ組成物は、第一のプロピレン系エラストマーを含む溶液を第二のプロピレン系エラストマーを含む溶液と組み合わせて第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合物を形成し;第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合物を、プロピレン系熱可塑性熱可塑性ポリマーと組み合わせてプロピレンに富んだ組成物を調製し;及び必要に応じて上記プロピレンに富んだ組成物を粘性破壊することにより調製され、第一のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含み、第二のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含み、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布の形成方法。
【0038】
本発明の実施を説明するため、以下の実施例が調製され試験された。しかしながら、実施例は、本発明の範囲を限定するものとして見られるべきではない。特許請求の範囲が本発明を定義する役目を果たし、当業者に認識される特許請求の範囲の中での如何なる変更もまた、本発明の一部とみなされる。
【実施例】
【0039】
LCPE及びHCPEの混合物を、メタロセン触媒を使用した並行する溶液重合工程により重合されたLCPEとHCPEの溶液を混合することにより調製した。LCPE及びHCPEそれぞれのエチレン含量を、表Iに示す。
【0040】
表I

【0041】
4日間アニーリング(annealing)した後、上記に記載されたDSCの手順を使用して、PE1が、48℃から94℃に及ぶ溶融温度(Tm)の転移、及び12J/gの融解熱(Hf)を有することが決められた。PE1は20dg/minの典型的なMFRの値(ASTM 1238 230℃で2.16kg)と、2.3のMWD(LALLSにより補正されたGPCによる)、138000g/moleのMW、及び64000g/moleのMnを有していた。
以下の試料においては、それぞれの混合物のペレットを、様々な量のポリプロピレンホモポリマーペレットと混合した。或いは、ペレットにされたそれぞれの混合物を、ポリプロピレンホモポリマー、及びLuperox 101(Arkema Inc製)として商業的に利用可能な有機ジアルキルペルオキシド(2,5-dimethyl-2,5-di(t-butylperoxy)hexane)と混合し、混合物を粘性破壊して所望のMFRとした。
これらの試料で採用したポリプロピレンホモポリマーは以下のように特徴付けた。PP3155(ExxonMobil社製)として商業的に利用可能なPP1は、166℃のTm、98J/g(最初の熱サイクル)のHf、36dg/minのMFR、及び3.0未満のMWDを有した。PP2はPP3505(ExxonMobil社製)として商業的に入手し、約400のMFRを有していた。PP3はPP1から出発し、これを約800dg/minのMFRまで粘性破壊して調製した。PP4はPP3746G(ExxonMobil社製)として商業的に入手し、目標のMFRである1500dg/minとするため、過酸化物で覆った。
24/1のL:D率を有し、水中ペレタイザー(underwater pelletizer)を備える1軸スクリューのDavis Extruder中で混合を行った。ポリプロピレン混合物に典型的な温度プロフィール、すなわち、220℃から250℃が50lbs/hrの生成率(22.7kg/hr)で維持した。生成する混合物の組成を表IIに示す。
【0042】
表II

【0043】
[試料A1からA6]
スパンボンド布の試験を、Knoxville, TNのテネシー大学のTANDECスピンボンディング施設(spinbonding facilities)に設置されたReicofil(商標)line(Reifenhauser Company, ドイツ)上で実施した。1軸スクリュー押出機の大きさは70mmで、L/D(長さ:直径)比率は30:1であった。紡糸口金は4036のダイプレートの穴を有し、各穴の直径は0.6mmであった。連続繊維は、エンドレス・ベルト(endless belt)上に押し出し、次いで、一方が平坦で、他方が隆起した点のパターンを有する加熱したカレンダーロールを使用してお互いに接着した。実際に結合された領域は、布の全表面積の約14.5%であった。樹脂はダイに215℃の温度で流出し、冷却空気は12℃から13℃であった。カレンダーロールを、最小の挟み圧で82℃から91℃に維持した。以下の表に使用するように、GHMという略記は、1分あたり、1穴あたりのポリマーのグラム数を意味し、GSMという略記は、g/ft2(g/cm2)で与えられるように、平方フィート当たりのグラム数を意味する。布の「形成」(布中の繊維の分布の均一性)を観察し、混合物の実施例の布の全てについて満足のいくものであった。布の形成についての工程の条件は、表IIIに記載した。
【0044】
表III

【0045】
試料A1からA6に由来する布の引っ張り特性を表IVに示した。測定は機械方向(MD)及び、横方向(TD)としても知られる、機械の横方向(CD)の両方について行った。本明細書で使用する繊維又は不織布試料(布を含む)の力のピーク(負荷のピーク)及び伸長のピークは、別段に示されない限り、50mm(2”)の幅、25mmの長さの標本上で、200mmのゲージ長、100mm/minのクロスヘッド速度で、ASTM D−5035−95(2003)に従って測定した。5個のMD及び8個のTDの測定の代わりに、6個のMD及び6個のTDの測定をそれぞれの標本について行った。
【0046】
表IV

【0047】
試料A1からA4に由来する布の弾性特性を表Vに示した。試料のヒステリシスは、5.08cmのグリップでInstron Instrument上で測定した。横61cm、縦213cmの大きさにした標本が、ゲージ長7.6cm、クロスヘッド速度50.8cm/minで使用した。3サイクル試験が、サイクルの間で布を再配置することなく100%の伸長になるまで行った。定義:1)50%負荷損失=100×(負荷の増加−負荷の減少)/負荷の増加;2)永久歪み=下降サイクル(down cycle)での負荷が0のときの伸長、%で表現される。
【0048】
表V

【0049】
[試料A7からA9]
試料A1からA6において提供されたものと類似の手順を使用し、試料A7からA9から追加の繊維を調製した。流出物6から12のそれぞれについて、30質量%のエルカ酸アミド及び70質量%のVistamaxx(商標)2125(ExxonMobil社製)を含む、2質量%のマスターバッチ(masterbatch)を添加することにより組成物を変えた。採用した工程の条件を表VIに記載した。
【0050】
表VI

【0051】
試料A1からA6について記載されたものと類似の手順を使用して得られた、試料A7からA9に由来する引っ張り特性を表VIIに示す。
【0052】
表VII

【0053】
試料A7からA9に由来する布の弾性特性を表VIIIに示し、これらは試料A1からA6について上記に記載されたものと類似の手順を使用して得られた。
【0054】
表VIII

【0055】
[試料A10からA11]
カレンダーロールを130℃から132℃に維持したことと、カレンダーの挟み圧を25GSMの布についてはリニア・インチあたり282ポンドから288ポンドとし、50GSMの布についてはリニア・インチあたり530ポンドから550ポンドとしたことを除き、試料A1からA6について提供されたものと類似の手順を使用し、試料A10からA11から追加の繊維を調製した。それぞれの流出物について採用した工程の条件を表IXに記載した。
【0056】
表IX

【0057】
試料A10からA11に由来する布の引っ張り特性を表Xに示した。力のピーク(負荷のピーク)及び伸長のピークはASTM試験 D−5035−95に4つの修正を加えた測定した:(1)口幅を3インチではなく5インチとしたこと、(2)試験速度を12in./minではなく、5in./minとしたこと、(3)平坦な金属の上側グリップと、平坦な金属の下側グリップの代わりに、金属のアーク型の上側グリップと平坦な下側のラバーグリップを使用したこと、(4)各試料について、5MD及び8TD測定の代わりの6MD及び6TDの測定を行ったこと。手触りはThwing-Albert Handle-O-Meter(10mmスロット幅)で測定した。
【0058】
表X

【0059】
[試料A12からA14]
試料A1からA6について提供したものと類似の手順を使用し、試料A12からA14から追加の繊維を調製した。繊維の形成は、溶融温度及び空気の温度が249℃に設定された点を除いては、類似の手法で一般的に達成された。吸引送風機(suction blower)は全ての流出物について、2000rpmに設定し、ダイについてのセットバック(setback)及びギャップ設定(gap setting)は1.2mmであった。同様に、試料A7からA9についての流出物6から12と類似の方法で、30質量%のエルカ酸アミド及び70質量%のVistamaxx(商標)2125(ExxonMobil社製)を含む2質量%のマスターバッチを添加して組成物を変えた。それぞれの流出物についての工程の条件を、表XIに記載した。DCDはダイから収集機までの距離を示す。
【0060】
表XI

【0061】
試料A12からA14に由来する布の引っ張り特性を表XIIに示した。
表XII 布の特性

【0062】
この発明の精神から逸脱しない様々な修正及び変更は、当業者に明らかであろう。この発明は、本明細書に記載された説明のための実施態様に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含む第一のプロピレン系エラストマー;
(b)エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含む第二のプロピレン系エラストマー;及び
(c)プロピレン系熱可塑性ポリマー
を組み合わせることによって調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布。
【請求項2】
第一のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも8質量%を含み、第二のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を6質量%以下含む請求項1の不織布。
【請求項3】
第一のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも15質量%で20質量%未満含み、第二のプロピレン系エラストマーが、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも3質量%で6質量%未満含む請求項1又は2の不織布。
【請求項4】
第一のプロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約3dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から3のいずれかの不織布。
【請求項5】
第一のプロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から4のいずれかの不織布。
【請求項6】
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約180dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約3dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から5のいずれかの不織布。
【請求項7】
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から6のいずれかの不織布。
【請求項8】
第一のプロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、第二のプロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約100dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から7のいずれかの不織布。
【請求項9】
前記組成物が粘性破壊され、約60dg/minから約90dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から8のいずれかの不織布。
【請求項10】
前記組成物が粘性破壊され、約150dg/minから約350dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項1から9のいずれかの不織布。
【請求項11】
前記不織布がクロスマシーン方向に80%以上伸長する請求項1から10のいずれかの不織布。
【請求項12】
65℃未満のピーク溶融温度を有する低結晶化度プロピレン系エラストマー、120℃未満のピーク溶融温度を有する高結晶化度プロピレン系エラストマー、及びプロピレン系熱可塑性ポリマーを組み合わせることにより調製される組成物から製造される不織布であって、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布。
【請求項13】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約3dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12の不織布。
【請求項14】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約10dg/minから60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが10dg/minから約60dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12又は13の不織布。
【請求項15】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約180dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約3dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12から14のいずれかの不織布。
【請求項16】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約20dg/minから約40dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12から15のいずれかの不織布。
【請求項17】
低結晶化度プロピレン系エラストマーが約80dg/minから150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、高結晶化度プロピレン系エラストマーが80dg/minから約150dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、約100dg/minから約1500dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12から16のいずれかの不織布。
【請求項18】
前記組成物が粘性破壊され、約60dg/minから約90dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12から17のいずれかの不織布。
【請求項19】
前記組成物が粘性破壊され、約150dg/minから約350dg/minのMFR(ASTM D−1238 230℃で2.16kg)を有する請求項12の不織布である、請求項12から18のいずれかの不織布。
【請求項20】
前記不織布がクロスマシーン方向に80%以上伸長する請求項12から19のいずれかの不織布。
【請求項21】
不織布の形成方法であって、プロピレンに富んだ組成物を繊維に押し出し、必要に応じて繊維を織って結合させる工程を含み、前記プロピレンに富んだ組成物は、第一のプロピレン系エラストマーを含む溶液を第二のプロピレン系エラストマーを含む溶液と組み合わせて第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合液を形成し;第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーの混合物を、プロピレン系熱可塑性ポリマーと組み合わせてプロピレンに富んだ組成物を調製し;及び必要に応じて前記プロピレンに富んだ組成物を粘性破壊することにより調製され、第一のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を少なくとも7質量%含み、第二のプロピレン系エラストマーは、エチレン又は非プロピレンα−オレフィンに由来するモノマー単位を7質量%未満含み、第一のプロピレン系エラストマー及び第二のプロピレン系エラストマーが、それぞれ、DSCにより決定された80J/g未満の融解熱を有し、プロピレン系熱可塑性ポリマーが、DSCにより決定された80J/g以上の融解熱を有する不織布の形成方法。

【公表番号】特表2011−504551(P2011−504551A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533144(P2010−533144)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/080280
【国際公開番号】WO2009/064583
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(509004675)エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】