説明

ヘアケア組成物

本発明は、多数の分岐点を有するオルガノシロキサンポリマーであり、ポリマー中の分岐点は、少なくとも100個のオルガノシロキシ単位の鎖長を有するオルガノシロキサンセグメントによって連結されている、オルガノシロキサンポリマーを含むヘアケア組成物を提供する。この分岐オルガノシロキサンポリマーは、シャンプーまたはコンディショナーなどのすすぎ落としヘアケア組成物中に配合されたときに、毛髪のコンディショニングを顕著に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘアケア組成物、特に分岐オルガノシロキサンポリマーが配合されたコンディショナーおよびシャンプーなどのすすぎ落としヘアケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
すすぎ落としヘアケア組成物は、毛髪に感覚上の利点を与えるために、通常1種以上のコンディショニング剤を含む。
【0003】
こうしたすすぎ落としヘアケア組成物に随伴する問題は、これらが多くの消費者に対して十分なレベルの、ウェットおよびドライでの櫛の通り、滑らかさ、柔軟性および光沢などの感覚上の利点を与えないことである。
【0004】
この問題に対する1つの対処法は、コンディショニング剤としてオルガノシロキサンポリマーを配合することであった。オルガノシロキサンポリマーは、毛髪のコンディショニングのためには、有機オイルを超える長所を有することができる。
【0005】
これらの長所にもかかわらず、オルガノシロキサンポリマーは、比較的低い濃度で製品に配合される傾向がある。製品中の高濃度のオルガノシロキサンポリマーは、高価であることに加えて、毛髪への望ましくない堆積を生じ、べとつくまたは不潔な感触をもたらすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヘアケア組成物中に比較的低い濃度で存在するときでさえ、現存の材料よりも高いレベルのコンディショニングをもたらし得るオルガノシロキサンポリマーに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ある種の分岐オルガノシロキサンポリマーが、シャンプーまたはコンディショナーなどのすすぎ落としヘアケア組成物に配合されたときに、毛髪のコンディショニングを大幅に改善することができることを見出した。
【0008】
分岐オルガノシロキサンポリマーは、例えばUS2003/0055194に記載されており、この文献は、紙、木材、コルクおよびポリマーフィルム用に、架橋可能なシリコーン被覆組成物を製造する間の、エアロゾル形成を低減するためのミスト防止添加物としての、これらの使用に言及している。
【0009】
本発明は、多数の分岐点を有するオルガノシロキサンポリマーであり、ポリマー中の分岐点が、少なくとも100個のオルガノシロキシ単位の鎖長を有するオルガノシロキサンセグメントによって連結されている、オルガノシロキサンポリマーを含むヘアケア組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
分岐オルガノシロキサンポリマー
本発明のヘアケア組成物中で使用するための分岐オルガノシロキサンポリマーは、一般にハイパー分岐などの樹枝状分子構造を有する。
【0011】
好ましくは分岐オルガノシロキサンポリマーの粘度は、25℃において少なくとも8,000mmsec−1、より好ましくは少なくとも10,000mmsec−1である。
【0012】
本発明のヘアケア組成物における使用のための適当な分岐オルガノシロキサンポリマーは、一般式(I)を特徴とすることができる。
Y[−C2n−(RSiO)−RSi−G] (I)
式中、
Yは、三価または四価の炭化水素基であり、
Rは、同一または異なってもよく、基1個当たり1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
Gは、式−C2f−2k−Zの一価の基または式−C2n−の二価の基であり、この第2の結合は他のY基に対するものであり、
Zは、末端の脂肪族炭素−炭素多重結合からは遊離しており、ヒドロシリル化反応におけるSiH基に対して不活性である一価の炭化水素基であり、
xは、3または4であり、
fは、2であり、
kは、0または1であり、
nは、2〜4の整数、好ましくは2であり、
mは、少なくとも100の整数であり、但し、分岐オルガノシロキサンポリマーは平均して少なくとも1つのZ基を含むという条件が付く。
【0013】
上記の種類の分岐オルガノシロキサンポリマーは、適当には、例えばUS2003/0055194に記載されている、ヒドロシリル化が関与する方法によって作成することができる。
【0014】
通常の方法は、第1のステップにおいては、式
Y(CR=CH
[式中、Yおよびxは、上記定義の通りであり、Rは、水素原子または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である。]の3つまたは4つの脂肪族二重結合を有する化合物(1)を、一般式
H(RSiO)−RSiH
[式中、Rおよびmは、上記定義の通りである。]のオルガノポリシロキサン(2)と、ヒドロシリル化触媒として知られている(Siに結合している水素の脂肪族多重結合への付加を促進する)触媒(3)の存在下で反応させること、および第2のステップにおいては、得られたSiに結合している水素原子を含有している分岐中間体(5)を、式
3−2k−Z
[式中、RおよびRは、Rおよびfの定義を有し、kおよびZは、上記定義の通りである。]の有機化合物(4)の
k=0の場合は: HC=CR−Z (4a)および
k=1の場合は: RC=C−Z (4b)
からなる群から選択されたものと、Siに結合している水素の脂肪族多重結合への付加を促進する触媒(3)の存在下で反応させることを含む。
【0015】
上記の一般式で記述される分岐オルガノシロキサンポリマーは、両端が構造要素Yおよび/またはZに(それぞれの場合においてC2fまたはC2f−2架橋を経由して)結合されている鎖様のシロキサンブロックを含む。シロキサンブロックが両端で要素Yに結合されている程度が大きいほど、ポリマー中の分岐度が大きい。一般に、分岐オルガノシロキサンポリマーの構造は、シロキサンブロックと有機ブロックが交互にあり、分岐構造と末端は有機ブロックで構成されている。
【0016】
R基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、メチル基が特に好ましい。
【0017】
化合物(1)を用いてオルガノシロキサンポリマーを調製することができるが、化合物(1)の例は、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン、3,5−ジメチル−4−ビニル−1,6−ヘプタジエン、1,2,3,4−テトラビニルシクロブタン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン、および1,1,2,2−テトラアリルオキシエタンである。好ましい化合物(1)は、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンである。
【0018】
Z基は、好ましくは6〜16個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、好ましくはヘキシルである。
【0019】
好ましくは、mは、100〜300、より好ましくは200〜300の範囲である。
【0020】
本発明のヘアケア組成物中での使用に適当な、好ましい分岐オルガノシロキサンポリマーの特定的な例は、式(II)で特徴づけられる。
[−C−(MeSiO)−MeSi−G] (II)
式中の、mは、200〜250、好ましくは約220〜240の範囲であり、Gは、−C−基と−C−C13基との混合物であり、「C」基は、三価の「1.2.4−シクロヘキサントリイル」−基に相当する。混合物G中の−C−基と−C−C13基のモル比は、通常約2:1である。
【0021】
処理の容易さのために、分岐オルガノシロキサンポリマーを希釈剤とブレンドすることができる。適当な希釈剤の例には、炭化水素溶媒およびシリコーン溶媒が含まれる。シリコーン溶媒が好ましい。適当なシリコーン溶媒の例は、環状シリコーンおよびジメチコン液である。好ましいのは、10〜20の範囲の重合度および25℃において5〜15mmsec−1(センチストーク)の粘度を有するジメチコン液である。市販されている環状シリコーンおよびジメチコン液の例は、Dow Corning社製のDC 244、245、344、345および200液であり、好ましい例はWacker−Chemie GmbH製のAK10ジメチコン液である。
【0022】
分岐オルガノシロキサンポリマーと希釈剤とのブレンドは、混合、機械的分散、または好ましくは最初に適当な乳化剤を使用してブレンドのエマルジョンを形成し、次いでこのエマルジョンを組成物の残りの成分と混合することによって、本発明のヘアケア組成物中に配合することができる。エマルジョンを形成するために使用する適当な乳化剤には、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0023】
本発明のヘアケア組成物中の分岐オルガノシロキサンポリマーの全量は、組成物の全重量に対する分岐オルガノシロキサンポリマーの全重量で、一般に0.1〜5%、好ましくは0.15〜3%、より好ましくは0.2〜2%の範囲である。
【0024】
製品形態
本発明の組成物は、通常は、毛髪に施用し、次いですすぎ去る「すすぎ落とし」組成物である。
【0025】
本発明による組成物の特に好ましい製品形態は、毛髪をトリートメントし(通常はシャンプーをした後に)、続いて洗い流すコンディショナーである。
【0026】
コンディショナー組成物
こうしたコンディショナー組成物は、通常、化粧品として許容され、毛髪への局所的な施用に適当な1種以上のコンディショニング用界面活性剤を含む。
【0027】
適当なコンディショニング用界面活性剤には、カチオン性界面活性剤から選択され、単独または混合物中で使用されるものが含まれる。好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式Nを有し、R、R、RおよびRは独立に(C〜C30)アルキルまたはベンジルである。好ましくは、R、R、RおよびRの1つ、2つまたは3つは独立に(C〜C30)アルキルであり、他のR、R、RおよびR基は(C〜C)アルキルまたはベンジルである。より好ましくは、R、R、RおよびRの1つまたは2つは独立に(C〜C30)アルキルであり、他のR、R、RおよびR基は(C〜C)アルキル基またはベンジル基である。アルキル基は、1個以上のエステル(−OCO−または−COO−)および/またはエーテル(−O−)連結を場合によりアルキル鎖内に含んでもよい。アルキル基は、1個以上のヒドロキシ基で場合により置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖または分岐および、3個以上の炭素原子を有するアルキル基の場合は、環状でもよい。アルキル基は、飽和であってもよく、または1つ以上の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい(例えば、オレイル)。アルキル基は、アルキル鎖が1個以上のエチレンオキシ基で場合によりエトキシ化されている。
【0028】
本発明によるコンディショナー組成物中で使用する適当なカチオン性界面活性剤には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロウジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobel社のArquad 2HT/75)、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2−オレアンモニウムクロリドおよび対応するこれらのヒドロキシドが含まれる。他の適当なカチオン性界面活性剤には、CTFA表示Quaternium−5、Quaternium−31およびQuaternium−18を有する材料が含まれる。前述の材料の任意の混合物も適切な場合がある。本発明によるコンディショナー中での使用に特に有用なカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリドであり、例えばGENAMIN CTACとしてHoechst Celanese社から市販されている。本発明によるコンディショナー中での使用に特に有用なもう1つのカチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドであり、例えばGENAMIN KDMPとしてClariant社から市販されている。
【0029】
単独または1つ以上の他のカチオン性界面活性剤と一緒のいずれかで、本発明における使用に適当なカチオン性界面活性剤の種類のもう1つの例は、下記の(i)および(ii)の組合せである。
(i)一般式(I)に相当するアミドアミン:
【0030】
【化1】

[式中、Rは、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、
およびRは、独立に、炭素原子1〜10個のヒドロカルビル鎖から選択され、
mは、1〜約10の整数である。];および
(ii)1種の酸。
【0031】
本明細書において使用するヒドロカルビル鎖という用語は、アルキル鎖またはアルケニル鎖を意味する。
【0032】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)に相当するものであり、式(I)において
が、約11〜約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
およびRが、それぞれ独立にヒドロカルビル残基、好ましくは1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
mが、1〜約4の整数である。
【0033】
好ましくは、RおよびRは、メチル基またはエチル基である。
【0034】
好ましくは、mは、2または3であり、すなわちエチレン基またはプロピレン基である。
【0035】
本明細書において有用な好ましいアミドアミンには、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0036】
本明細書において有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびこれらの混合物である。
【0037】
本明細書において有用な市販のアミドアミンには、商標LEXAMINE S−13で、Inolex社(Philadelphia Pennsylvania,USA)から入手可能であり、商標AMIDOAMINE MSPで、Nikko社(東京、日本)から入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミン、商標AMIDOAMINE SでNikko社から入手可能なステアラミドエチルジエチルアミン、商標INCROMINE BBで、Croda社(North Humberside,England)から入手可能なベヘナミドプロピルジメチルアミンおよび商標SCHERCODINEシリーズでScher社(Clifton New Jersey,USA)から入手可能なさまざまなアミドアミンが含まれる。
【0038】
酸(ii)は、ヘアトリートメント組成物中でアミドアミンをプロトン化させる能力のある任意の有機酸または鉱酸でよい。本明細書において有用な適当な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、およびこれらの混合物が含まれる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0039】
酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中でアミドアミンをプロトン化させ、それによってヘアトリートメント組成物中のin situで第三級アミン塩(TAS)を形成することである。TASは、実質的には、非永続的第四級アンモニウムまたは擬似第四級アンモニウムのカチオン性界面活性剤である。
【0040】
適当には、酸は、存在するすべてのアミドアミンをプロトン化させるに足る量で、すなわち組成物中に存在するアミドアミンの量に対して少なくとも等モルとなるレベルで、含まれる。
【0041】
本発明のコンディショナーにおいては、カチオン性界面活性剤の濃度は、一般に組成物の0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜7.5重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0042】
本発明のコンディショナーは、通常、脂肪アルコールも配合する。コンディショニング組成物における脂肪アルコールおよびカチオン性界面活性剤の併用は、これが、カチオン性界面活性剤が中に分散されているラメラ層の形成に導くので、特に好都合であると考えられている。
【0043】
代表的な脂肪アルコールは、8〜22個、より好ましくは16〜22個の炭素原子を含む。脂肪アルコールは、通常直鎖アルキル基を含有している化合物である。適当な脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物が含まれる。これらの材料の使用は、これらが本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するということにおいても好都合である。
【0044】
本発明のコンディショナー中の脂肪アルコールの濃度は、一般に組成物の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは0.2〜7重量%、最も好ましくは0.3〜6重量%の範囲である。カチオン性界面活性剤と脂肪アルコールの重量比は、適当には1:1〜1:10、好ましくは1:1.5〜1:8、最適には1:2〜1:5である。カチオン性界面活性剤の脂肪アルコールに対する重量比が大きすぎる場合は、組成物の目に対する刺激につながる可能性がある。この比が小さすぎる場合は、一部の消費者に対しては毛髪がきしむ感触を生じ得る。
【0045】
もう1つの好ましい製品形態は、シャンプー組成物である。
【0046】
シャンプー組成物
本発明のシャンプー組成物は、一般に水性であり、すなわちこれらはその主要な構成要素として水または水性溶液またはリオトロピック液晶相を有する。適当には、この組成物は、組成物の全重量に対して50〜98重量%、好ましくは60〜90重量%の水を含む。
【0047】
アニオン性洗浄用界面活性剤
本発明によるシャンプー組成物は、一般に、化粧品として許容され、毛髪への局所的な施用に適当な、1種以上のアニオン性洗浄用界面活性剤を含む。
【0048】
適当なアニオン性洗浄用界面活性剤の例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリールスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N−アルキルサルコシン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびこれらの塩、特にこれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムならびにモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩である。アルキル基およびアシル基は、一般に8〜18個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含み、不飽和でもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸およびこれらの塩は、1分子当たり1〜20個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含んでいてもよい。
【0049】
本発明のシャンプー組成物中で使用する、通常のアニオン性洗浄用界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸およびN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムが含まれる。
【0050】
好ましいアニオン性洗浄用界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO、(このnは、1〜3)、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム(n)EO、(このnは、1〜3)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(n)EO、(このnは、1〜3)、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびラウリルエーテルカルボン酸(n)EO、(このnは、10〜20)である。
【0051】
前述のアニオン性洗浄用界面活性剤の任意の混合物も適切な場合がある。
【0052】
本発明のシャンプー組成物中のアニオン性洗浄用界面活性剤の全量は、組成物の全重量に対するアニオン性洗浄用界面活性剤の全重量で、一般に0.5〜45%、好ましくは1.5〜35%、より好ましくは5〜20%の範囲である。
【0053】
他の成分
本発明のシャンプー組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるために、以下に記載するような他の成分を場合により含んでいてもよい。
【0054】
共界面活性剤
組成物は、審美性、物理的性質または洗浄性を組成物に付与するために共界面活性剤を含むことができる。
【0055】
共界面活性剤の例は、非イオン性界面活性剤であり、組成物の全重量に対して0.5〜8重量%、好ましくは2〜5重量%の範囲の量で含まれることができる。
【0056】
例えば、本発明のシャンプー組成物中に含まれることができる代表的な非イオン性界面活性剤には、脂肪族(C〜C18)第一級または第二級の直鎖もしくは分岐鎖アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド(普通はエチレンオキシド)との(一般に6〜30個のエチレンオキシド基を有する)縮合生成物が含まれる。
【0057】
他の代表的な非イオン性界面活性剤には、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドが含まれる。例にはココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノイソプロパノールアミドが含まれる。
【0058】
本発明のシャンプー組成物に含まれることができる他の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。通常、APGは、1つ以上のグリコシル基のブロックに結合(場合により架橋基を経て)しているアルキル基を含むAPGである。好ましいAPGは、次式によって定義される。
【0059】
RO−(G)
式中の、Rは、分岐または直鎖のアルキル基であり、飽和でも不飽和でもよく、Gは、糖基である。
【0060】
Rは、約C〜約C20の平均アルキル鎖長を表すこともある。好ましくはRは、約C〜約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくはRの値は約9.5〜約10.5である。Gは、CまたはCの単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびこれらの誘導体からなる群から選択することができる。好ましくはGは、グルコースである。
【0061】
重合度、n、は、約1〜約10以上の値を持つことができる。好ましくはnの値は、約1.1〜約2の間にある。最も好ましくはnの値は、約1.3〜約1.5の間にある。
【0062】
本発明において使用する適当なアルキルポリグリコシドは、市販されており、例えばSeppic社のOramix NS10、Henkel社のPlantaren 1200およびPlantaren 2000として識別される材料などがある。
【0063】
本発明の組成物に含まれることができるその他の糖由来の非イオン性界面活性剤には、(例えばWO9206154およびUS5194639に記載されているC12〜C18N−メチルグルカミドなどの)C10〜C18N−アルキル(C〜C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミドおよび(C10〜C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなどの)N−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる。
【0064】
共界面活性剤の好ましい例は、両性または双性イオンの界面活性剤であり、これは組成物の全重量に対して0.5〜約8重量%、好ましくは1〜4重量%の範囲の量で含まれることができる。
【0065】
両性または双性イオンの界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが含まれ、ここでのアルキル基およびアシル基は、8〜19個の炭素原子を有する。本発明のシャンプー中で使用する、代表的な両性および双生イオンの界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびココアンホ酢酸ナトリウムが含まれる。
【0066】
特に好ましい両性または双性イオンの界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0067】
先に挙げた両性または双性イオンの界面活性剤の任意の混合物も適切な場合がある。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと他の上記したような両性または双性イオンの界面活性剤との混合物である。好ましい他の両性または双性イオンの界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0068】
本発明のシャンプー組成物中の界面活性剤の(いかなる共界面活性剤および/またはいかなる乳化剤をも含めた)全量は、組成物の全重量に対する界面活性剤の全重量が一般に1〜50%、好ましくは2〜40%、より好ましくは10〜25%である。
【0069】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは、本発明のシャンプー組成物中では、コンディショニング性能を高めるために好ましい成分である。
【0070】
適当なカチオン性ポリマーは、カチオン性に置換されているホモポリマーでよく、あるいは2種類以上のモノマーから形成されていてもよい。これらのポリマーの重量平均(Mw)分子量は、一般に10万〜200万ダルトンの範囲である。これらのポリマーは、第四級アンモニウム基またはプロトン化したアミノ基またはこれらの混合物などのカチオン性窒素含有基を有する。ポリマーの分子量が低すぎる場合は、コンディショニング効果が乏しい。高すぎる場合は、高い伸張粘度が問題となり、組成物を注ぐときにこれの曳糸性の原因となる可能性がある。
【0071】
カチオン性窒素含有基は、一般にカチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部分に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーではない場合には、ポリマーはスペーサーとしての複数の非カチオン性モノマー単位を含有することができる。こうしたポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記載されている。カチオン性モノマー単位と非カチオン性モノマー単位の比は、所要の範囲のカチオン電荷密度(一般に、0.2〜3.0meq/gmである。)を有するポリマーを与えるように選択する。ポリマーのカチオン電荷密度は、米国薬局方の、窒素測定のための化学試験の項に記載されているケルダール(Kjeldahl)法によって適切に測定される。
【0072】
適当なカチオン性ポリマーには、例えば、カチオン性アミン官能性または第四級アンモニウム官能性を有するビニルモノマーと(メタクリルアミド、(アルキルおよびジアルキル)メタクリルアミド、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンなどの)水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが含まれる。アルキルおよびジアルキルで置換されたモノマーは、好ましくはC1〜C7アルキル基、より好ましくはC1〜3アルキル基を有する。他の適当なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコ−ルおよびエチレングリコールが含まれる。
【0073】
カチオン性アミンは、特定の種および組成物のpHに応じて、第一級、第二級または第三級のアミンでよい。一般に、第二級および第三級のアミン、特に第三級が好ましい。
【0074】
アミンで置換されたビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合し、次いで第四級化によってアンモニウムに転化させることができる。
【0075】
カチオン性ポリマーは、アミンおよび/または第四級アンモニウムで置換されたモノマーから誘導されたモノマー単位および/または相性のよいスペーサーモノマーの混合物を含むことができる。
【0076】
適当なカチオン性ポリマーには以下のものが含まれる。例えば、
カチオン性ジアリル第四級アンモニウムを含有しているポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(当業界(CTFA)においてそれぞれPolyquaternium 6およびPolyquaternium 7と呼ばれている)を含む。
3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4009256号に記載されているもの)。
カチオン性ポリアクリルアミド(WO95/22311に記載されているもの)。
【0077】
使用可能な他のカチオン性ポリマーには、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、およびカチオン性グアーガム誘導体などのカチオン性多糖ポリマーが含まれる。
【0078】
本発明の組成物中で使用するのに適当なカチオン性多糖ポリマーには、次式のモノマーが含まれ、
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
式中、Aは、デンプンまたはセルロースの無水グルコース残基などの無水グルコース残基である。Rは、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、またはヒドロキシアルキレン基、またはこれらの組合せである。R、RおよびRは、独立に、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基を表し、それぞれの基は約18個までの炭素原子を含有している。それぞれのカチオン部分の全炭素原子数(すなわちR、RおよびR中の炭素原子数の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xは、アニオンの対イオンである。
【0079】
カチオン性セルロースのもう1つの種類には、ラウリルジメチルアンモニウムで置換されたエポキシド(当業界(CTFA)においてPolyquaternium 24と呼ばれる)と反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩が含まれる。これらの材料は、例えば商標Polymer LM−200としてAmerchol Corporationから入手可能である。
【0080】
他の適当なカチオン性多糖ポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3962418号に記載されているもの)、およびエーテル化されたセルロースとデンプン(例えば米国特許第3958581号に記載されているもの)とのコポリマーが含まれる。
【0081】
使用できるカチオン性多糖ポリマーの特に適当な種類は、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(Rhodia社から商標JAGUARのシリーズで市販されている)などのカチオン性グアーガム誘導体である。こうした材料の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15、JAGUAR C17およびJAGUAR C16 Jaguar CHTおよびJAGUAR C162である。
【0082】
上記のカチオン性ポリマーの任意の混合物を使用してもよい。
【0083】
カチオン性ポリマーは、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の全重量に対するカチオン性ポリマーの全重量で一般に0.01〜5%、好ましくは0.05〜1%、より好ましくは0.08〜0.5%の濃度で存在する。
【0084】
懸濁化剤
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物は、さらに懸濁化剤を含む。適当な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリルエステルのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16〜22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、これらが組成物に真珠光沢を与えるので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性剤で架橋されたアクリル酸ポリマーも使用することができて、これらはCarbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。適当なカルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルのコポリマーの例は、Carbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料は、Goodrich社から市販されている。
【0085】
適当なアクリル酸とアクリル酸エステルの架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。適当なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガムであり、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0086】
上記の懸濁化剤の任意の混合物を使用してもよい。好ましいものは、アクリル酸の架橋ポリマーと結晶性長鎖アシル誘導体との混合物である。
【0087】
懸濁化剤は、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の全重量に対する懸濁化剤の全重量で一般に0.1〜10%、好ましくは0.5〜6%、より好ましくは0.9〜4%の濃度で存在する。
【0088】
他のコンディショニング剤
本発明の組成物は、上記の分岐オルガノシロキサンポリマーに加えて、ウェットおよびドライでのコンディショニングの利点を最適化するために、他のコンディショニング剤を含んでいてもよい。
【0089】
特に好ましい他のコンディショニング剤は、ポリジオルガノシロキサンなどのシリコーンから形成されるものなどの追加のシリコーンエマルジョンである(特に、CTFA表示ジメチコンを有するポリジメチルシロキサン、CTFA表示ジメチコノールを有する、ヒドロキシ末端基を有するポリジメチルシロキサン、およびCTFA表示アモジメチコンを有し、アミノ官能性のポリジメチルシロキサンである。)。
【0090】
エマルジョンの液滴は、通常、本発明の組成物中のSauter平均液滴径(D3,2)が、0.01〜20マイクロメートル、より好ましくは0.2〜10マイクロメートルの範囲であることができる。
【0091】
Sauter 平均液滴径(D3,2)を測定する適当な方法は、Malvern Mastersizerなどの計測器を使用するレーザー光散乱法による。
【0092】
本発明の組成物中で使用する適当なシリコーンエマルジョンは、Dow Corning社およびGE Silicones社などのシリコーン供給者から入手可能である。こうした予備形成シリコーンエマルジョンの使用は、処理およびシリコーン粒径の制御のしやすさの故に好ましい。こうした予備形成シリコーンエマルジョンは、通常、他にアニオン性または非イオン性の乳化剤またはそれらの混合物などの適当な乳化剤を含んでおり、エマルジョン重合などの化学的乳化工程によってまたは高せん断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製することができる。予備形成シリコーンエマルジョンで、0.15マイクロメートル未満のSauter平均液滴径(D3,2)を有するものは、一般にマイクロエマルジョンと称される。
【0093】
適当な予備形成シリコーンエマルジョンの例には、エマルジョンのDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788およびマイクロエマルジョンのDC2−1865およびDC2−1870が含まれ、すべてDow Corning社から入手可能である。これらは、すべてジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。また、アモジメチコンのエマルジョン、DC2−8177およびDC939(Dow Corning社製)およびSME253(GE Silicones社製)も適当である。
【0094】
また、WO03/094874に記載されているような、高分子量のある種の界面活性ブロックコポリマーをシリコーンエマルジョン液滴とブレンドした、シリコーンエマルジョンも適当である。こうした材料中では、シリコーンエマルジョン液滴は、好ましくは上記したもののようなポリジオルガノシロキサンから形成される。界面活性ブロックコポリマーの1つの好ましい形態は、下記の式による。
【0095】
【化2】

式中の、xの平均値は、4以上であり、yの平均値は、25以上である。
【0096】
界面活性ブロックコポリマーのもう1つの好ましい形態は、下記の式による。
【0097】
【化3】

式中の、aの平均値は、2以上であり、bの平均値は、6以上である。
【0098】
上記のシリコーンエマルジョンの任意の混合物を使用してもよい。
【0099】
上記のシリコーンエマルジョンは、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対するシリコーンの全重量で一般に0.05〜10%、好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.5〜2%の濃度で存在する。
【0100】
他の任意選択成分
本発明の組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるために、他の成分を含有してもよい。こうした成分には、香料、色素および顔料、pH調節剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、保存料、および植物剤、果物抽出物、糖誘導体およびアミノ酸などの天然の毛髪栄養剤が含まれる。
【0101】
使用方法
本発明の組成物は、毛髪繊維の滑らかさ、柔らかさ、扱いやすさ、キューティクルの健全性、および光沢などの表面特性を向上させるための、主としてヒト対象の毛髪および/または頭皮に対する、すすぎ落とし組成物としての局所的な施用を意図するものである。
【0102】
本発明によって提供される組成物は、好ましくは毛髪をトリートメントし(通常はシャンプーをした後に)、続いて洗い流すコンディショナー組成物である。
【0103】
あるいは、本発明によって提供される組成物は、これらを毛髪の中に揉み込み、続いて、清浄な水ですすいでから乾燥させることによって使用する、水性のシャンプー組成物であってもよい。場合によっては、別のコンディショニング配合物をリンス後の乾燥前に使用してもよいが、これは(本発明の水性シャンプー組成物が、毛髪に対して洗浄およびコンディショニングの両方を提供することを意図されたものであるので)必要ではない。
【0104】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することで、さらに例示される。これらの実施例におけるすべてのパーセンテージは、別途に指定のない限り、全重量に対する重量による。本発明による実施例は、番号で表示する。比較例(本発明によらない)は文字で表示する。
【実施例】
【0105】
以下の表に示した成分を有するヘアコンディショナー配合物を調製した。
【0106】
【表1】

(1)式中のmが220〜240である上記式(II)の分岐オルガノシロキサンポリマー(Wacker−Chemie GmbH製)と10mmsec−1(センチストーク)とのジメチコン希釈剤(AK10 ジメチコン液、Wacker−Chemie GmbH製)の50:50重量/重量混合物のエマルジョン(有効成分50重量%とイソラウレス−6および水)
(2)式中のmが55である上記式(II)の分岐オルガノシロキサンポリマー(Wacker−Chemie GmbH製)のエマルジョン(有効成分50%とイソラウレス−6および水)
(3)式中のmが15である上記式(II)の分岐オルガノシロキサンポリマー(Wacker−Chemie GmbH製)のエマルジョン(有効成分50%とイソラウレス−6および水)
(4)ジメチコノールおよびTEA−ドデシルベンゼンスルホネートのエマルジョン(有効成分60%)。エマルジョンの平均粒子サイズは、0.5〜1.0ミクロンである。ジメチコノールの粘度は、25℃において少なくとも100万mmsec−1である。
【0107】
実施例コンディショナーによるトリートメントに続くドライ毛髪の摩擦のin vitro評価
上記のコンディショナーを、以下の手順による比較試験において評価した。
【0108】
ヨーロッパ人のダークブラウンの毛髪を、重さ2.5g、長さ6インチの束で使用した。
【0109】
それぞれのコンディショナーは、こうした毛髪5束について試験した。
【0110】
束のトリートメント
それぞれの束をまず、水道の流水で30秒間すすいだ。それぞれの束に基本洗浄用シャンプー(0.5ml)を施用し、毛髪を、手袋をはめた指で30秒間かき混ぜ、続いてさらに30秒間水道の流水ですすいだ。この過程はもう1度繰り返した。
【0111】
それぞれの毛髪束を、上記の手順の後、次いで個々の試験コンディショナーで以下のように処理した。
【0112】
それぞれの束をまず水道の流水で10秒間すすいだ後、試験コンディショナー(0.5ml)を施用し、1分間毛髪の中に揉み込んだ。次いで試験コンディショナーを水道の流水で1分間すすいだ。
【0113】
次いで束を50℃で30分間乾燥し、制御された温度および湿度条件下で一晩平衡させた。質感分析機を使用して摩擦を測定し、ドライでの摩擦値を得た。
【0114】
摩擦測定法
すべての摩擦測定は、20℃、相対湿度50%の制御された条件下で行った。
【0115】
摩擦は、TA.XT2i Texture Analyser(Stable Micro Systems社製,Surrey,UK)を使用して測定した。摩擦プローブは、ゴム材料で被覆されたステンレス鋼製の円筒であった。摩擦接触に対する荷重は約560gであった。使用中の摩擦プローブと毛髪の接触面積は、約1.0cmになるようにした。
【0116】
試験コンディショナーで処理を施した毛髪の、摩擦特性を評価するために使用した方法は次の通りであった。
【0117】
毛髪1束を、質感分析機にしっかり取り付け、毛髪繊維を櫛で揃えた後、平らな配置で固定した。摩擦プローブを毛髪の上に載せ、毛髪に沿って10mms−1の速度で動かしてプローブと毛髪の間の摩擦を測定した。
【0118】
下記の摩擦値は、g・mmの単位で表した摩擦履歴の値であり、キューティクルに沿っておよび逆らって、プローブが移動した全距離にわたって、測定された全摩擦力を積分することによって得た。1束当たり2回の測定を行い、1つの配合物当たり5束を試験した。記載した値は、1回のトリートメント当たりこれら10個の読み取った値から得た平均値である。
【0119】
結果
【0120】
【表2】

【0121】
これらの結果は、本発明による実施例1が、比較例A〜Cのどれよりも優れたドライ毛髪に対する潤滑を実現することを示している。
【0122】
以下の表に示した成分を有する他のヘアコンディショナー配合物を調製した。
【0123】
【表3】

(5)式中のmが220〜240である上記式(II)の分岐オルガノシロキサンポリマー(Wacker−Chemie GmbH製)と10mmsec−1(センチストーク)のジメチコン希釈剤(AK10 ジメチコン液、Wacker−Chemie GmbH製)との50:50重量/重量混合物。
【0124】
上記実施例2〜16の配合物においては、オルガノシロキサンポリマー(5)を、イソラウレス−6を用いて乳化させる。実施例12〜16の配合物においては、乳化の前にポリマー(5)をあらかじめジメチコンと混合し、イソラウレス−6を用いて乳化させる。
【0125】
コンディショナーは、上記の摩擦測定法を使用して評価した。結果は以下の通りであった。
【0126】
【表4】

【0127】
これらの結果は、コンディショナー配合物中の同一の有効成分重量パーセンテージにおいて比較すると、シリコーン(5)が、比較例Eの対照シリコーン(シリコーンエマルジョン(4))よりも大きな潤滑を提供することを示している。また、シリコーン(5)は、対照シリコーンよりも低い重量パーセンテージの有効成分で(配合物中の総シリコーンを減少させて)使用することができ、それでもなお、in vitro測定で示されたように、少なくとも同程度のドライ毛髪に対する潤滑を提供する。シリコーン(5)とジメチコンの組合せ(実施例12〜16)は、同じ濃度のシリコーン(5)または対照シリコーンと比較して、ドライでの向上した潤滑をもたらす。
【0128】
以下の表に示した成分を有する他のヘアコンディショナー配合剤を調製した。
【0129】
【表5】

【0130】
これらの配合物は、美容室において美容師およびパネリストの両者によって行われた頭の半分の評価において評価した。パネリストの全数は36名であり、そのうち半数は傷んだ毛髪を有し、半数は正常な毛髪を有していた。
【0131】
4つの試験が行われた。
【0132】
初めの2つの試験においては、対照コンディショナー配合物(比較例E)が、それぞれ実施例17(試験1)および比較例F(試験2)と対比して試験された。
【0133】
これら2つの試験における対照と対比した2つの配合物の応答の比較は、シリコーンエマルジョン(1)によってもたらされる利点を実証している(試験2におけるこれの削除が、これら2つの配合物中の全体的なシリコーン有効成分の濃度が同じであるにもかかわらず、明かに性能を低下させたので)。
【0134】
試験3においては、実施例17および比較例Fの両配合物を直接比較した。実施例17は、美容師およびパネリストの両者によって評価されたときに、ウェットおよびドライでの感触特性に関して優れた性能を実証した。
【0135】
試験4においては、実施例18が、比較例Eと比較された。この試験では、美容師の評価が、ウェットでの感触に加えて整髪についての利点でも実施例18の明らかな優勢を実証した。
【0136】
試験1〜4の結果は、次の通りである。
【0137】
試験1
傷んだ毛髪のパネリストについて、美容師の評価は、実施例17の、比較例Eを10%レベル以上超える顕著な優位性を示した(ウェットおよびドライでの柔軟性、ウェットでの滑りおよびドライでの滑らかさ、ドライでの櫛通りやすさ、良好な揃い、扱いやすさおよび整髪の保持の特性に関して)。
【0138】
試験2
傷んだ毛髪のパネリストについて、比較例EとFの間に顕著な相違は見られなかった。
【0139】
試験3
すべての毛髪タイプについて、美容師の評価は、実施例17の、比較例Fを10%レベル以上超える顕著な優位性を示した(ウェットでの滑りおよびウェットでの柔軟性、ドライでの滑らかさおよびウェットおよびドライでの櫛通りの特性に関して)。パネリストの評価は、すべての毛髪タイプにわたって、実施例17の、10%レベル以上の顕著な優位性を示した(ウェットでの滑りおよびウェットでの柔軟性、ドライでの柔軟性、ドライでの櫛通りおよび扱いやすさの特性に関して)。
【0140】
試験4
すべての毛髪タイプについて、美容師の評価は、実施例18の、比較例Eを10%レベル以上超える顕著な優位性を示した(ウェットでの滑りおよびウェットでの柔軟性、ウェットでの櫛通りやすさ、扱いやすさおよび良好な揃いの特性に関して)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の分岐点を有するオルガノシロキサンポリマーを含むヘアシャンプーまたはヘアコンディショナー組成物であって、分岐点は、少なくとも100個のオルガノシロキシ単位の鎖長を有するオルガノシロキサンセグメントによって連結されており、分岐オルガノシロキサンポリマーは、一般式
Y[−C2n−(RSiO)−RSi−G]
[式中、
Yは、三価または四価の炭化水素基であり、
Rは、同一または異なってもよく、ならびに基1個当たり1ないし18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
Gは、式−C2f−2k−Zの一価の基または式−C2n−の二価の基(第二の結合は他のY基に対するものである。)であり、
Zは、末端の脂肪族炭素−炭素多重結合からは遊離しており、ヒドロシリル化反応においてSiH基に対して不活性である、一価の炭化水素基であり、
xは、3または4であり、
fは、2であり、
kは、0または1であり、
nは、2ないし4の整数、好ましくは2であり、
mは、少なくとも100の整数であり、および
分岐オルガノシロキサンポリマーは平均して少なくとも1つのZ基を含むことを条件とする。]
によって特徴づけられる、組成物。
【請求項2】
mが、100から300、より好ましくは200から300の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
分岐オルガノシロキサンポリマーが、一般式
[−C−(MeSiO)240−MeSi−G]
[式中、mは200から250、好ましくは約220から240の範囲であり、Gは、−C−基と−C−C13基との混合物であり、ならびに「C」基は三価の「1.2.4−シクロヘキサントリイル」基に相当し、ならびに混合物G中の−C−基と−C−C13基のモル比は約2:1である。]
によって特徴づけられる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンまたはこれらの混合物から形成された、1種以上の追加のシリコーンエマルジョンを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーンおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーから形成された追加のシリコーンエマルジョンを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、分岐オルガノシロキサンポリマーが、希釈剤とブレンドされ、ならびに該ブレンドが残りの組成物成分と混合される、方法。
【請求項7】
ブレンドが、残りの組成物成分と混合される前に乳化される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
希釈剤がジメチコン液である、請求項6または請求項7に記載の方法。

【公表番号】特表2008−517007(P2008−517007A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537156(P2007−537156)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010863
【国際公開番号】WO2006/045418
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】