説明

ヘッドクリーニング装置及び画像形成装置

【課題】記録ヘッドのノズル面に付着したキャップ痕等の増粘インクを払拭し、且つノズル孔近傍の撥水層を劣化させることなく払拭を行うことができるワイピング機構を有するヘッドクリーニング装置と、それを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明では、ノズル面24aの複数のノズル孔24bから記録液を吐出する記録ヘッド24を備え、記録ヘッドでシート状の記録材に画像形成を行う画像形成装置に具備され、ワイピング機構で記録ヘッド24をクリーニングするヘッドクリーニング装置において、ワイピング機構は、記録ヘッド24のノズル面のノズル孔近傍を払拭するノズル孔用ワイパ84Aと、ノズル孔用ワイパより高い圧力によりノズル面に残ったキャップ痕24cを払拭しノズル孔近傍は払拭しないキャップ痕用ワイパ84Bとを備え、キャップ痕用ワイパでキャップ痕を払拭した後にノズル孔用ワイパで払拭する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式の画像形成装置に関するものであり、特に、記録ヘッドの維持回復動作でのワイピングにてノズル孔近傍の撥水層劣化を防止でき、また、キャップ痕等の増粘インクを完全に払拭することができるヘッドクリーニング装置と、そのヘッドクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式の画像形成装置においては、待機時の記録ヘッドのノズル面を保湿及び吸引のためにキャピングするためのキャップ部材を備えているが、記録液(以下、インクと言う)が付着したキャップにてノズル面をキャッピングし長期間放置すると、キャップに付着したインクが増粘し、ノズル面にキャップ痕が残る。
このキャップ痕を除去するために、ヘッドクリーニング装置のワイパで、強い払拭圧にて払拭を行うと、ノズル面の撥水層が劣化し、不吐出、吐出曲がり等の不具合を生じさせる場合がある。
【0003】
そこで上記のような不具合を防止するために、記録ヘッドのノズル面に潤滑剤を塗布してからワイパで払拭を行う方法(特許文献1(特開2006−205715号公報)参照)や、ゴムワイパと吸収体ワイパを併用して払拭を行う方法(特許文献2(特開平10−138501号公報)参照)が既に知られている。
【0004】
ここで、特許文献1には、インク残渣を効率的かつ確実に吐出面より排除し充分な清浄化を行うことを目的として、図16に示すように、ヘッド吐出面111にヘッド用液体116を供給し、ヘッド用液体転写用ワイパ109Aによる第1のワイピング動作でヘッド用液体116の塗布及び撹拌混合を行い、掻き取り用ワイパ109Bによる第2のワイピング動作で、掻き取り用ワイパ109Bのエッジ部分でヘッド用液体116とインク残渣104との混合物を効率的に掻き取っていく手段が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、図17に示すように、ウレタンゴムからなるゴムワイパ202と、ルビセルクリーンからなる吸収体ワイパ(拭き部材)203を併用し、記録ヘッド201のノズル面201aに対してゴムワイパ202と吸収体ワイパ203を往復動作させて、ノズル面201aの払拭を行う手段が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−205715号公報
【特許文献2】特開平10−138501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図16に示すような、従来のヘッドクリーニング装置(記録ヘッド維持機構)の払拭手段である、ノズル面に潤滑剤等を塗布してワイパでワイピングする方法では、潤滑剤保持、供給方法が複雑になり、高コストになる等の問題があった。
また、図17に示すような、ゴムワイパ202と異素材(ルビセルクリーン等)の吸収体ワイパ(拭き部材)203を組み合わせてのワイピング方法では、ノズル面に付着した増粘インクを充分に払拭し切れないことや、また、払拭圧を上げることによりノズル面の撥水層を劣化させてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドのノズル面に付着したキャップ痕等の増粘インクを払拭し、且つ、ノズル孔近傍の撥水層を劣化させることなく払拭を行うことができるワイピング機構を有するヘッドクリーニング装置と、そのヘッドクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の解決手段は、ノズル面の複数のノズル孔から記録液を吐出する記録ヘッドを備え、該記録ヘッドでシート状の記録材に画像形成を行う画像形成装置に具備され、ワイピング機構で前記記録ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング装置において、前記ワイピング機構は、前記記録ヘッドのノズル面のノズル孔近傍を払拭するノズル孔用ワイパと、前記ノズル孔用ワイパより高い圧力により前記ノズル面に残ったキャップ痕を払拭し前記ノズル孔近傍は払拭しないキャップ痕用ワイパとを備え、前記キャップ痕用ワイパで前記キャップ痕を払拭した後に前記ノズル孔用ワイパで払拭することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパは、ノズル孔配列方向に沿って前記ノズル面を払拭し、前記ノズル孔用ワイパは、ノズル孔配列方向と直交方向に前記ノズル面を払拭することを特徴とする。
また、本発明の第3の解決手段は、第2の解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパは凹形状で、前記ノズル孔近傍を払拭しないことを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の解決手段は、第1〜第3のいずれか一つの解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパに吸収体を有することを特徴とする。
また、本発明の第5の解決手段は、第1〜第4のいずれか一つの解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパの先端に記録液(インク)を溶解する液体を供給する手段を有することを特徴とする。
さらに本発明の第6の解決手段は、第2〜第5のいずれか一つの解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記ノズル孔用ワイパの幅を前記キャップ痕の幅よりも広くすることを特徴とする。
【0012】
本発明の第7の解決手段は、第1の解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパと前記ノズル孔用ワイパは、払拭方向に対し平行に配列されており、払拭方向の上流からキャップ痕用ワイパ、ノズル孔用ワイパの順に並んでいることを特徴とする。
また、本発明の第8の解決手段は、第7の解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記記録ヘッドのノズル面の長手方向のノズル孔幅とキャップ痕幅、前記キャップ痕用ワイパのワイパ幅、ノズル孔用ワイパのワイパ幅の関係は、
ノズル孔幅(長手)<ノズル孔用ワイパ幅<キャップ痕幅<キャップ痕用ワイパ幅
であることを特徴とする。
さらに本発明の第9の解決手段は、第7または第8の解決手段のヘッドクリーニング装置において、前記キャップ痕用ワイパを上下に可動する手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第10の解決手段は、ノズル面の複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッドを備え、該記録ヘッドでシート状の記録材に画像形成を行う画像形成装置において、前記記録ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング手段として、第1〜第9のいずれか一つの解決手段のヘッドクリーニング装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のヘッドクリーニング装置では、ワイピング機構は、記録ヘッドのノズル面のノズル孔近傍を払拭するノズル孔用ワイパと、ノズル孔用ワイパより高い圧力によりノズル面に残ったキャップ痕を払拭しノズル孔近傍は払拭しないキャップ痕用ワイパとを備え、キャップ痕用ワイパでキャップ痕を払拭した後にノズル孔用ワイパで払拭することにより、記録ヘッドのノズル面に付着したキャップ痕等の増粘インクを払拭し、且つノズル孔近傍の撥水層を劣化させることなく払拭を行うことができる。
すなわち、本発明のヘッドクリーニング装置では、ノズル面に付着したキャップ痕等の増粘インクはキャップ痕用ワイパで従来と同等の払拭圧にて払拭を行い充分に払拭するこができ、また、キャップ痕用ワイパでキャップ痕を払拭する際にはノズル孔近傍の払拭は行わず、ノズル孔近傍の払拭は、ノズル孔用ワイパにより前記した払拭圧よりも低い圧で払拭することにより、ノズル孔近傍の撥水層の劣化を防止することができるので、ノズル孔近傍の撥水層劣化による不吐出、吐出曲がり等の不具合を減少させることができる。
【0015】
本発明の画像形成装置では、上記のヘッドクリーニング装置を備えることにより、記録ヘッドのノズル面の状態を良好に維持回復することができ、不吐出、吐出曲がり等の不具合を減少させて良好な画像形成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
まず、本発明に係るヘッドクリーニング装置を備える画像形成装置の一例について図1〜図3を参照して説明する。尚、図1は画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図2は同装置の画像形成部の平面説明図、図3は同装置の正面説明図であり、この画像形成装置は、複写機、プリンタ、スキャナ等の機能を兼ね備えたインクジェット方式のデジタル複合機の構成例を示している。
【0017】
この画像形成装置は、装置本体1の内部(筺体内)に、画像を形成するための画像形成部(プリンタ部)2、副走査搬送部3等を有し、装置本体1の底部に設けた給紙部4から被記録媒体(以下「用紙」というが、紙に限定するものではない。)5を1枚ずつ給紙して、副走査搬送部3によって用紙5を画像形成部2に対向する位置で搬送しながら、画像形成部2によって用紙5に記録液(インク)の液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、排紙搬送部6を通じて装置本体1の上面に形成した排紙トレイ7上に用紙5を排紙する。なお、装置本体1内には装置全体の制御を司る制御部等を含む電装品9が備えられる。
【0018】
この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットワークを介して受信することができ、受信した印刷データを処理して印刷することができるプリンタとしての機能を備えている。また、図示していないが、USBメモリ用のUSBコネクタや、各種カードメモリを装着するカードスロットルと、メモリ読取装置を備えており、これらメモリに記憶された画像データを含む印刷データ等を読み取って印刷することもできる。
【0019】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1の上部で排紙トレイ7の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)11を備えており、デジタル複写機としての機能を備えている。この画像読取部11は、照明光源13とミラー14とを含む走査光学系15と、ミラー16、17を含む走査光学系18とが移動して、コンタクトガラス12上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ19の後方に配置した画像読み取り素子20で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。なお、コンタクトガラス12上には原稿を押えるための圧板10を備えている。また、画像読取部11は、スキャナとして利用することができ、さらには電話回線や光回線を利用した通信機能を付加することにより、ファクシミリとして利用することもできる。
【0020】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、図2にも示すように、キャリッジガイド21で案内されて主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に移動可能なキャリッジ23上に、それぞれ異なる複数の色の記録液(インク)を吐出する記録ヘッド24を搭載し、キャリッジ23を主走査方向に移動させ、用紙5を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド24から記録液(インク)の液滴を吐出させて画像形成を行うシャトル型としている。
【0021】
記録ヘッド24は、それぞれブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出する4個の液滴吐出ヘッドで構成され、キャリッジ23に搭載したサブタンク25からそれぞれ各色のインクが供給される。
【0022】
サブタンク25には装置本体1内に着脱自在に装着されるメインタンクである各色のインクカートリッジ26(図1)から図示しないチューブを介してインクが補充供給される。なお、インク滴を吐出する記録ヘッド24以外に、インクと反応することでインクの定着性を高める定着用処理液(定着用インク)を吐出する記録ヘッドを備えることもできる。また、その他の色のインクを吐出する記録ヘッドを備えることもできる。
【0023】
記録ヘッド24を構成する液滴吐出ヘッドとしては、液流路内(圧力発生室)の記録を加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いて液流路の壁面を形成する振動板を変形させて液流路内容積を変化させてインクを吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いて液流路内で記録液を加熱して気泡を発生させることによる圧力でインクを吐出させるいわゆるサーマル型のもの、液流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、液流路内容積を変化させてインクを吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0024】
副走査搬送部3は、給紙部4から給紙された用紙5を上方に搬送する印写部搬送ローラ対34と、画像形成部2の用紙搬送方向上流側に配置した、下方から給紙された用紙5を略90度搬送方向を転換させて搬送する印写部搬送ローラ31と、この印写部搬送ローラ31からの用紙5の送り出し角を規定するローラを兼ねた押えローラ32とを備え、画像形成部2の用紙搬送方向下流側に配置した、用紙5を搬送する印写部搬送ローラ対33を備え、更に画像形成部2に対向して用紙5の下面をガイドする用紙ガイド板35を配置している。なお、ここでは搬送ローラで用紙5を搬送する構成としているが、例えば静電吸着で用紙5を吸着して搬送する搬送ベルトなどで搬送する構成とすることもできる。
【0025】
給紙部4は、装置本体1に抜き差し可能で、多数枚の用紙5を積載して収納する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙5を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ42及びフリクションパッド43とを備えている。
なお、この画像形成装置では手差し給紙及びストレート排紙を行うために、装置本体1の一側部側に開倒可能で用紙5を積載して収容可能な手差しトレイ46を備えている。
【0026】
排紙搬送部6は、画像形成が行われた用紙5を搬送する排紙搬送ローラ対61と、排紙ローラ62と、排紙ローラ62から送り出される用紙5を排紙トレイ8へ送り出すための排紙搬送ローラ対63及び排出ローラ64とを備えている。また、排紙搬送部6は画像形成が行われた用紙5をストレートに排紙搬送するためのストレート排紙路66を有し、排紙ローラ62からストレート排紙路66を通じて装置本体1の他側部側に開倒可能に設けたストレート排紙トレイ67に排紙することができる。この排紙経路の切替は図示しない切替板で行っている。
【0027】
そして、この画像形成装置においては、図2及び図3に示すように、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係るヘッドクリーニング装置84を含む維持回復機構(以下「サブシステム」という。)81を配置し、他方側の非印字領域には空吐出受け82を配置している。
【0028】
このサブシステム81は、記録ヘッド24のノズル面24aを保湿及び吸引のためにキャピングするための記録ヘッド毎のキャップ部材83と、ノズル面24aをワイピングするための2種類のワイパ(ノズル孔用ワイパ84A、キャップ痕用ワイパ84B)と、記録ヘッド24から空吐出されたインクや、ワイパ84A,84Bによって除去されたインクを受ける吐出受け部85などを備えている。
【0029】
また、このサブシステム81の下側にはキャップ部材83から吸引されて廃液チューブ86を介して排出されるインク、ワイパ84A,84Bから除去されたインク、空吐出されたインクなどの廃液88を受ける廃液受け部87を配置している。
【0030】
このサブシステム81による維持回復動作を行う場合には、キャップ部材83によって記録ヘッド24のノズル面24aのキャッピングを行って、図示しない吸引手段(ポンプ)によって記録ヘッド24のノズルから吸引を行い、その後、ノズル孔用ワイパ84A及びキャップ痕用ワイパ84Bによって記録ヘッド24のノズル面24aをワイピングして清掃し、再度、記録ヘッド24のノズル面24aをキャップ部材83によってノズル面をキャッピングする。あるいは、印字開始前に記録ヘッド24から増粘したインクを吐出受け部85に吐出した後、キャップ痕用ワイパ84B及びノズル孔用ワイパ84Aでノズル面24aをワイピングして清掃した後、印字に移行する。
【0031】
以上のような構成のインクジェット方式の画像形成装置においては、上記のように記録ヘッド24のノズル面をクリーニングするヘッドクリーニング装置(ワイピング機構)84を備えており、このヘッドクリーニング装置(ワイピング機構)84においては、ノズル孔近傍を払拭するノズル孔用ワイパ84Aと、ノズル孔用ワイパより高い圧によりノズル面に残ったキャップ痕を払拭し、ノズル孔近傍は払拭しないキャップ痕用ワイパ84Bを備えており、キャップ痕用ワイパ84Bでキャップ痕を払拭した後にノズル孔用ワイパ84Aで払拭することにより、ノズル孔近傍にキャップ痕の増粘インクを再付着させることなく、ノズル孔近傍の撥水層劣化を抑えた払拭を行うことができる。
以下、本発明に係るヘッドクリーニング装置84のワイピング機構の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0032】
[実施例1]
図4、図5は本発明の第1の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、図4(a)は記録ヘッド24のノズル面24aに対するワイパ84A,84Bの配置例を示した図、(b)はキャップ痕用ワイパ84Bの背面側から見た図である。また、図5は、図4のワイピング機構のノズル孔用ワイパ84Aの背面側から見た図である。
【0033】
このワイピング機構では、記録ヘッド24のノズル面24aを払拭するワイパを2枚有している。
1つはキャップ痕用ワイパ84Bで、ノズル面24aのキャップ痕24cを払拭する。このキャップ痕用ワイパ84Bは、記録ヘッド24のノズル面24aの複数のノズル孔24bの配列方向に沿った方向にワイピングを行うものであり、図4(a)の矢印(1)に示す方向への移動機構(図示せず)をベース84C内に備えている。
このキャップ痕用ワイパ84Bは、増粘したキャップ痕24cを払拭できるように高い圧にて払拭できように厚さ、食込み量が設定されている。
また、このキャップ痕用ワイパ84Bにてノズル孔近傍を払拭し撥水層を劣化させないために、図4(b)に示すように、ワイパ先端部を凹形状にし、ノズル孔近傍を逃げている。尚、キャップ痕用ワイパ84Bのワイパ厚さ、食込み量を変更することで、払拭圧は可変できる。
【0034】
このキャップ痕用ワイパ84Bの凹部にて払拭されないキャップ痕(図4(a)の一点鎖線で囲んだ部分24d)はノズル面に残るが、この部分24dにインクが残っても、吐出には影響は無い。
尚、キャップ痕用ワイパ84Bの凹部幅、ノズル孔幅(短手)、キャップ痕幅の関係は以下の通りである。
ノズル孔幅(短手)<凹部幅<キャップ痕幅
上記の関係により、キャップ痕用ワイパ84Bはキャップ痕24cのみを払拭することができる。
【0035】
もう1つのワイパ84Aはノズル孔用ワイパであり、ノズル孔24bの近傍を払拭する。このノズル孔用ワイパ84Aはノズル孔配列方向と直交方向(図4(a)の矢印(2)に示す方向)にワイピングを行うものであり、前述のキャリッジ23により記録ヘッド24を主走査方向に移動させることによって、ノズル孔用ワイパ84Aを相対的に記録ヘッド24のノズル面24aに対して移動させることにより、ノズル面24aをワイピングしてノズル孔近傍に付着したインクを払拭する。
【0036】
このノズル孔用ワイパ84Aはノズル孔近傍に付着したフレッシュインク(低粘度)を払拭すれば良いので、払拭圧は前記したキャップ痕用ワイパ84Bの払拭圧と比較して低くて良い。低払拭圧でワイピングを行うことにより、ノズル孔近傍の撥水層劣化を抑えることができる。
また、ノズル孔用ワイパ84Aのワイパ厚さ、食込み量を変更することで、払拭圧は可変できる。
尚、ノズル孔用ワイパ幅、ノズル孔幅(長手)、キャップ痕幅の関係は以下の通りである。
ノズル孔幅(長手)<ノズル孔用ワイパ幅<キャップ痕幅
【0037】
上記の関係及び払拭の順番を、図4、図5の矢印(1)、(2)の順、すなわち(1)キャップ痕用ワイパ84B→(2)ノズル孔用ワイパ84Aとすることで、ノズル孔用ワイパ84Aはノズル孔近傍のみを払拭することができる。
より具体的には、まず、(1)キャップ痕用ワイパ84Bにて、ノズル孔配列方向に沿った方向にワイピングし、キャップ痕部のみ払拭する。
次に、(2)ノズル孔用ワイパ84Aにて、ノズル孔配列方向と直交する方向にワイピングし、ノズル孔近傍をキャップ痕用ワイパ84Bより低い払拭圧にて払拭する。
このようなワイピング機構の動作により、ノズル面に付着したキャップ痕等の増粘インクはキャップ痕用ワイパ84Bで従来と同等の払拭圧にて払拭を行い充分に払拭するこができ、また、キャップ痕用ワイパ84Bでキャップ痕を払拭する際にはノズル孔近傍の払拭は行わず、ノズル孔近傍の払拭は、ノズル孔用ワイパ84Aにより前記した払拭圧よりも低い圧で払拭することにより、ノズル孔近傍の撥水層の劣化を防止することができるので、ノズル孔近傍の撥水層劣化による不吐出、吐出曲がり等の不具合を減少させることができる。
【0038】
[実施例2]
図6〜図9は本発明の第2の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、図6(a)は記録ヘッド24のノズル面24aに対するワイパ84A,84Bの配置例を示した図、(b)はヘッドクリーニング装置のワイピング機構を払拭方向(主走査方向)と直交する方向から見た正面説明図である。また、図7〜9は、同ワイピング機構の動作の説明図である。
【0039】
このワイピング機構では、記録ヘッド24のノズル面24aを払拭するワイパを2枚有している。1つはキャップ痕用ワイパ84Bで、キャップ痕を払拭する。もう1つはノズル孔近傍を払拭するノズル痕用ワイパ84Aである。
実施例1との相違点は、2枚のワイパ84A,84Bは払拭方向に対し平行に配列されており、払拭方向の記録ヘッド24に近い側からキャップ痕用ワイパ84B、ノズル孔用ワイパ84Aの順に並んでいる。
図6(a)に示すように、記録ヘッド24のノズル面24aの長手方向のノズル孔幅(長手)とキャップ痕幅、キャップ痕用ワイパ幅、ノズル孔用ワイパ幅の関係は、
ノズル孔幅(長手)<ノズル孔用ワイパ幅<キャップ痕幅<キャップ痕用ワイパ幅
である。
【0040】
キャップ痕用ワイパ84Bとノズル孔用ワイパ84Aは、ノズル孔配列方向と直交方向にワイピングを行うものであり、前述のキャリッジ23により記録ヘッド24を主走査方向に移動させることによって、キャップ痕用ワイパ84Bとノズル孔用ワイパ84Aを相対的に記録ヘッド24のノズル面24aに対して払拭方向に移動させることにより、ノズル面24aをワイピングしてノズル面24aに付着したインクを払拭する。
【0041】
ここで、図6(b)に示すように、キャップ痕用ワイパ84Bは溝84Fの上部側が突出して、屈曲部を有するガイド84Dに支持されており、キャップ痕用ワイパ84Bとベース84Cとの間には引張スプリング84Eが設けられている。このガイド84Dは記録ヘッド24のキャリッジ23に支持されており、払拭動作時には記録ヘッド24と共に主走査方向に移動され、これにより図7〜9に示すようにキャップ痕用ワイパ84Bの溝84Fがガイド84Dに沿って相対的に移動し、記録ヘッド24のノズル孔の前後でキャップ痕用ワイパ84Bが上下に移動するようになっている。
一方、ノズル孔用ワイパ84Aはベース84Cに固定されており、且つ溝部84Fはガイド84Dの屈曲部が通り抜けられる大きさに形成されているので、払拭動作時のノズル孔用ワイパ84Aの食込み量aや払拭圧FAは一定である。
【0042】
次にワイピング機構の払拭動作について具体的に説明する。
上記のように、キャップ痕用ワイパ84Bはガイド84Dに支持されて引張スプリング84Eによりベース84Cに固定されており、払拭動作時にはガイド84Dに溝84Fの上部側がならい上下移動するようになっている。
すなわち、記録ヘッド24とガイド84Dがキャリッジ23により移動(払拭方向とは逆方向への移動)されると、キャップ痕用ワイパ84Bとノズル孔用ワイパ84Aは、図6(b)の位置から払拭方向に相対的に移動し、キャップ痕用ワイパ84Bが記録ヘッド24のノズル面24aに至ると、図7に示すように、記録ヘッド24のキャップ痕部24cでは、キャップ痕用ワイパ84Bは食込み量bで大きく食込み、高い払拭圧FBにてキャップ痕の払拭を行う。
次に図8に示すように、記録ヘッド24のノズル孔近傍では、キャップ痕用ワイパ84Bは溝84Fがガイド84Dの屈曲部にならい押し下げられ、記録ヘッド24のノズル面24aより離れる。すなわちノズル孔近傍ではキャップ痕用ワイパ84Bはノズル面24aに接触しない。
次に図9に示すように、キャップ痕用ワイパ84Bが記録ヘッド24のノズル孔より下流に来ると、キャップ痕用ワイパ84Bは溝84Fがガイド84Dにならい上昇し、キャップ痕用ワイパ84Bは食込み量bで大きく食込み、高い払拭圧FBにて下流側のキャップ痕の払拭を行う。
一方、ノズル孔用ワイパ84Aは、キャップ痕用ワイパ84Bに続いて記録ヘッド24のノズル面24aを一定の食込み量b、払拭圧FBで払拭し、キャップ痕用ワイパ84Bで払拭しなかったノズル孔近傍のインクを払拭する。
【0043】
上記のワイピング動作により、増粘したキャップ痕24cをキャップ痕用ワイパ84Bにて払拭を行い、ノズル孔近傍にて逃げることにより、ノズル孔近傍の撥水層劣化を抑えることができる。
また、キャップ痕用ワイパ84Bにてキャップ痕を払拭することにより、ノズル孔用ワイパ84Aはキャップ痕用ワイパ84Bの払拭圧FBより低い払拭圧FAにて払拭することができる。
尚、ノズル孔用ワイパ84Aの食込み量a、ワイパ厚さta、払拭圧FAと、キャップ痕用ワイパ84Bの食込み量b、ワイパ厚さtb、払拭圧FBの関係は、
a<b , ta<tb , FA<FB
に設定されている。
【0044】
以上の図6〜9に示した実施例では、キャップ痕用ワイパ84Bを上下に可動する手段として、キャップ痕用ワイパ84Bをガイド84Dに沿って上下に移動するようにした例を示したが、キャップ痕用ワイパ84B自体に可動手段を設けてもよい。
図10はキャップ痕用ワイパ84Bの可動手段の別の構成例を示すものであり、キャップ痕用ワイパ84Bの溝84F内に偏心カム84Iを設け、図示しないモータ等で偏心カム84Iを回転させることにより、溝84Fが偏心カム84Iにならって上下に可動し、キャップ痕用ワイパ84Bが上下に移動するようにしたものである。
【0045】
また、図11はキャップ痕用ワイパ84Bの可動手段のさらに別の構成例を示すものであり、キャップ痕用ワイパ84Bの側面にラックギヤ93を設け、そのラックギヤ93とモータ91とを複数のギヤ92a〜92cを介して連結し、モータ91の正・逆回転によりキャップ痕用ワイパ84Bを上下に移動するようにしたものである。
【0046】
[実施例3]
図12、図13は本発明の第3の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、図12(a)は記録ヘッド24のノズル面24aに対するワイパ84A,84Bの配置例を示した図、(b)はキャップ痕用ワイパ84Bの背面側から見た図である。また、図13は、図12のワイピング機構のノズル孔用ワイパ84Aの背面側から見た図である。
【0047】
この第3の実施例のヘッドクリーニング装置のワイピング機構の基本的な構成、動作は実施例1と同様であり前述した通りであるが、本実施例では、キャップ痕用ワイパ84Bに吸収体84Gを設けることにより、払拭した際にキャップ痕用ワイパ84Bに付着したインクを吸収体84Gに含浸させ、ワイパにて拭き取ったインクが記録ヘッド24のノズル面24aに再付着するのを防止するものである。
この吸収体84Gとキャップ痕用ワイパ84Bの高さ方向の関係は、
吸収体<キャップ痕用ワイパ
となることが望ましい。
これは、払拭の際に、吸収体84Gの方が高いとキャップ痕用ワイパ84Bによる払拭の妨げとなるためである。
【0048】
また、本実施例では、図13に示すように、キャップ痕用ワイパ84Bの払拭方向の上流に、インクを溶解する液体を供給する手段として、インク溶解液を含浸させた吸収体84Hを設け、キャップ痕用ワイパ84Bの先端にインク溶解液を付着させ、キャップ痕払拭の際の補助作用を狙っている。
すなわち、吸収体84Hによりキャップ痕用ワイパ84Bの先端にインク溶解液を付着させ、キャップ痕を溶解させ、更なる払拭性向上を狙う。
また、吸収体84Hに含浸させたインク溶解液が払拭の際の潤滑剤となり、ノズル面24aの撥水層の劣化防止となる。尚、インク溶解液としては、充填液、グリセリン、1−3ブタンジオール等が上げられる。
【0049】
[実施例4]
図14は本発明の第4の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、記録ヘッド24のノズル面24aに対するノズル孔用ワイパ84Aとキャップ痕用ワイパ84Bの配置例を示している。
この第4の実施例のヘッドクリーニング装置のワイピング機構の基本的な構成、動作は実施例3(または実施例1)と同様であり前述した通りであるが、本実施例では、ノズル孔用ワイパ84Aの幅を記録ヘッド24のノズル面24aの長手方向のキャップ痕24cの幅よりも広く(ノズル孔用ワイパ幅>キャップ痕幅)している。
このように、ノズル孔用ワイパ幅をキャップ痕幅より広くすることで、幅方向のキャップ痕も払拭可能となり、ノズル面24aのインクを全て払拭することができる。
【0050】
また、図15は、本実施例の変形例を示しており、ノズル孔用ワイパ84Aの両端に傾斜部を設けた例であり、このようにノズル孔用ワイパ84Aの両端に傾斜部を付けることにより、キャップ痕24cの長手方向の両端をノズル面領域外にワイピングすることができ、払拭性を更に向上することができる。
【0051】
以上、本発明に係るヘッドクリーニング装置84のワイピング機構の具体的な実施例について説明したが、前述した本発明の画像形成装置では、上記の実施例1〜4で説明したいずれかのワイピング機構を有するヘッドクリーニング装置84を備えることにより、記録ヘッド24のノズル面24aの状態を常に良好に維持回復することができ、不吐出、吐出曲がり等の不具合を減少させて良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態を示す図であって、画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の画像形成部の平面説明図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の正面説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、(a)は記録ヘッドのノズル面に対するノズル孔用ワイパとキャップ痕用ワイパの配置例を示した図、(b)はキャップ痕用ワイパの背面側から見た図である。
【図5】図4のワイピング機構のノズル孔用ワイパの背面側から見た図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、(a)は記録ヘッドのノズル面に対するノズル孔用ワイパとキャップ痕用ワイパの配置例を示した図、(b)はヘッドクリーニング装置のワイピング機構を払拭方向(主走査方向)と直交する方向から見た正面説明図である。
【図7】図6に示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の動作説明図である。
【図8】図6に示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の動作説明図である。
【図9】図6に示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の動作説明図である。
【図10】図6に示すヘッドクリーニング装置のキャップ痕用ワイパ可動手段の別の構成例を示す図である。
【図11】図6に示すヘッドクリーニング装置のキャップ痕用ワイパ可動手段のさらに別の構成例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、(a)は記録ヘッドのノズル面に対するノズル孔用ワイパとキャップ痕用ワイパの配置例を示した図、(b)はキャップ痕用ワイパの背面側から見た図である。
【図13】図12のワイピング機構のノズル孔用ワイパ84Aの背面側から見た図である。
【図14】本発明の第4の実施例を示すヘッドクリーニング装置のワイピング機構の構成、動作の説明図であり、記録ヘッドのノズル面に対するノズル孔用ワイパとキャップ痕用ワイパの配置例を示した図である。
【図15】本発明の第4の実施例の変形例を示した図であり、記録ヘッドのノズル面に対するノズル孔用ワイパとキャップ痕用ワイパの配置例を示した図である。
【図16】従来技術の一例を示す図であって、ワイピング動作の説明図である。
【図17】従来技術の別の例を示す図であって、ワイピング動作の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1:画像形成装置本体
2:画像形成部
3:副走査搬送部
4:給紙部
5:用紙(被記録媒体)
6:排紙搬送部
7:排紙トレイ
11:画像読取部
21:キャリッジガイド
23:キャリッジ
24:記録ヘッド
24a:ノズル面
24b:ノズル孔
24c:キャップ痕
25:サブタンク
26:インクカートリッジ
81:サブシステム(維持回復機構)
83:キャップ部材
84:ヘッドクリーニング装置(ワイピング機構)
84A:ノズル孔用ワイパ
84B:キャップ痕用ワイパ
84C:ベース
84D:ガイド
84E:引張スプリング
84F:溝
84G:吸収体
84H:インク溶解液を含浸させた吸収体
84I:偏心カム
85:吐出受け部
87:廃液受け部
91:モータ
92a,92b,92c:ギヤ
93:ラックギヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル面の複数のノズル孔から記録液を吐出する記録ヘッドを備え、該記録ヘッドでシート状の記録材に画像形成を行う画像形成装置に具備され、ワイピング機構で前記記録ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング装置において、
前記ワイピング機構は、前記記録ヘッドのノズル面のノズル孔近傍を払拭するノズル孔用ワイパと、前記ノズル孔用ワイパより高い圧力により前記ノズル面に残ったキャップ痕を払拭し前記ノズル孔近傍は払拭しないキャップ痕用ワイパとを備え、
前記キャップ痕用ワイパで前記キャップ痕を払拭した後に前記ノズル孔用ワイパで払拭することを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項2】
請求項1記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパは、ノズル孔配列方向に沿って前記ノズル面を払拭し、前記ノズル孔用ワイパは、ノズル孔配列方向と直交方向に前記ノズル面を払拭することを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項3】
請求項2記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパは凹形状で、前記ノズル孔近傍を払拭しないことを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパに吸収体を有することを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパの先端に記録液を溶解する液体を供給する手段を有することを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一つに記載のヘッドクリーニング装置において、
前記ノズル孔用ワイパの幅を前記キャップ痕の幅よりも広くすることを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項7】
請求項1記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパと前記ノズル孔用ワイパは、払拭方向に対し平行に配列されており、払拭方向の上流からキャップ痕用ワイパ、ノズル孔用ワイパの順に並んでいることを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項8】
請求項7記載のヘッドクリーニング装置において、
前記記録ヘッドのノズル面の長手方向のノズル孔幅とキャップ痕幅、前記キャップ痕用ワイパのワイパ幅、ノズル孔用ワイパのワイパ幅の関係は、
ノズル孔幅(長手)<ノズル孔用ワイパ幅<キャップ痕幅<キャップ痕用ワイパ幅
であることを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項9】
請求項7または8記載のヘッドクリーニング装置において、
前記キャップ痕用ワイパを上下に可動する手段を有することを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項10】
ノズル面の複数のノズルから記録液を吐出する記録ヘッドを備え、該記録ヘッドでシート状の記録材に画像形成を行う画像形成装置において、
前記記録ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング手段として、請求項1〜9のいずれか一つに記載のヘッドクリーニング装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−105341(P2010−105341A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281733(P2008−281733)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】