説明

ヘッドマウントディスプレイ

【課題】眼の疲れを防止しつつ、必要なコンテンツ情報については中断することなく見ることのできる両眼用ヘッドマウントディスプレイを提供する。
【解決手段】画像光を観察者の左眼に投射する左眼用表示部と、画像光を観察者の右眼に投射する右眼用表示部とを備え、前記観察者に、左右の眼それぞれに投射された画像光に応じた画像を視認させて画像表示する両眼用のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記画像表示を実行しているときに、前記観察者の左右の眼のそれぞれの疲労度を独立して検出可能な疲労検知部と、この疲労検知部による検出結果に基づいて、前記左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の表示部による画像表示を強制的に停止する制御部と、を備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両眼用のヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のコンテンツデータを再生可能とした情報処理装置の一例として、観察者が頭部に装着した状態で画像を視認することができるヘッドマウントディスプレイがある。かかるヘッドマウントディスプレイとしては、眼鏡のようにして頭部に装着可能な支持部材に左右の表示部を設け、両眼にそれぞれ画像光を投射する両眼用のヘッドマウントディスプレイがある(例えば、特許文献1を参照。)。なお、表示部が備える表示デバイスとしては、例えば、液晶表示装置からの画像光を投射したりするタイプ、あるいはレーザ光を二次元走査して投射したりするタイプがある。
【0003】
上述したようなヘッドマウントディスプレイでは、観察者は表示部により表示される画像を常に見ている状態となるため、長時間使用すると眼精疲労を引き起こす虞がある。そこで、上記特許文献1においては、表示時間の経過に対応して制御手段が画像を変化させるようにしている。
【0004】
すなわち、時間の経過とともに、たとえば、画像のコントラストを下げたり、ブライトネスを上げたりして観察者の眼が疲れても見易いようにすることで、ユーザの眼精疲労を低減することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−076353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2の技術は、観察者の眼が疲れても画像が見易くなるようにしたものであるため、観察者の眼精疲労は、低減されるのではなく、却って知らず知らずのうちに眼の疲労が蓄積されてしまうおそれがあった。
【0007】
他方、必要に迫られてコンテンツ情報に対応する画像を見ている観察者にとって、予め定められた制限時間に達するとあっさりと電源をオフするような制御では不満が残ってしまう。
【0008】
本発明では、上述したような課題に鑑み、眼の疲れを防止しつつ、必要なコンテンツ情報については中断することなく見ることのできる両眼用ヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、画像光を観察者の左眼に投射する左眼用表示部と、画像光を観察者の右眼に投射する右眼用表示部とを備え、前記観察者に、左右の眼それぞれに投射された画像光に応じた画像を視認させて画像表示する両眼用のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記画像表示を実行しているときに、前記観察者の左右の眼のそれぞれの疲労度を独立して検出可能な疲労検知部と、この疲労検知部による検出結果に基づいて、前記左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の表示部による画像表示を実質的に停止する制御部と、を備えることとした。
【0010】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御部は、前記左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の投射部による画像表示を停止した後、画像表示停止状態が所定時間継続すると、画像表示停止状態である当該一方の表示部による画像表示を再開するとともに、他方の表示部による画像表示を実質的に停止する表示停止制御を所定回数繰り返すことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御部は、前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記表示部による画像表示を強制的に停止することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項2記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御部は、前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記表示部の前記右眼用表示部及び前記左眼用表示部による両眼用の画像表示を再開することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の本発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御部は、前記表示停止制御を繰り返す回数を、前記表示部に表示される画像の内容に応じて変更することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記疲労検知部は、前記観察者の眼を撮像する撮像部と、この撮像部による撮像結果を解析する画像解析部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイにおいて、前記疲労検知部は、前記表示部の前記右眼用表示部による画像表示時間及び前記左眼用表示部による画像表示時間を個別に計測可能な計時手段と、この計時手段による計時結果に基づいて、前記観察者の左右の眼の疲労状態を推測する疲労推測手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、両眼用HMDにおいて、疲れたと判断される一方の眼への表示を強制的に停止するため、疲れた眼を休めながら、他方の眼で必要な画像を継続して見ることができる。したがって、観察者の眼の疲労や疲労に起因する他の悪影響を防止しつつ、必要な画像を必要十分な時間をかけて見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るHMDの使用状態を示す説明図である。
【図2】同HMDのブロック図である。
【図3】眼精疲労軽減処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】同眼精疲労軽減処理により制御されるHMD本体の作動状態を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」とする)を示す説明図、図2はHMDのブロック図である。
【0019】
[第1の実施形態]
図1に示すように、本実施形態に係るHMDは、両眼用HMDであり、観察者1が頭部に装着した状態で使用可能な左右のHMD本体2L,2Rと、両HMD本体2L,2Rに伝送ケーブル4を介して接続するコントローラ3とを備えている。なお、左右のHMD本体2L,2Rは、同一の構成を備えているため、以下において構成を説明する場合や両方を含めて表現する場合において、単にHMD本体2とする場合がある。
【0020】
HMD本体2L,2Rは、それぞれ、各種コンテンツ情報を画像として当該観察者1に視認可能に表示することができる。また、コントローラ3は、左右のHMD本体2L,2Rに対して画像信号を供給する処理を主に行う。なお、各種コンテンツ情報としては、例えば、動画ファイル、静止画ファイル、文章ファイル等があり、HMDの内部に記憶されていてもよいし、HMDの外部に記憶されているものであっても構わない。
【0021】
HMD本体2の内部には、液晶表示装置からなる投射部としての画像表示部21(図2参照)が配設されており、この画像表示部21にコントローラ3から電力や画像信号が供給されるようになっている。そして、画像信号に基づいて画像表示部21に表示される表示画像の光が図示しない光学系とハーフミラー22とを介して観察者1の眼に画像光として投射される。こうして、眼に入射した光が網膜上に結像されることにより、観察者1にコンテンツ情報に対応する画像(以下、単に「コンテンツ」という。)を視認させることができる構成となっている。
【0022】
すなわち、本実施形態に係るHMDは、外光を透過しつつ、コンテンツ情報に応じた画像光を観察者1の眼に反射させて投射するハーフミラー22を備えた構成のシースルー型となっている。したがって、HMDは、コンテンツを表示している最中であっても、観察者1の視野の中で、少なくともそのコンテンツを表示している領域以外の領域では、観察者1が外界(背景)を視認することができる。
【0023】
また、本実施形態に係るHMDは、HMD本体2L,2Rを備える両眼用HMDとしているため、所謂3D表示も容易に行うことができる。その場合、HMD本体2L,2Rがそれぞれ備える画像表示部21が画像を生成する際に、互いに視差を有する画像を生成して左目用画像及び右目用画像として観察者1に視認させるようにすればよい。
【0024】
このように、本実施形態に係るHMD本体2L,2Rは、それぞれ、画像光を観察者1の眼に投射して当該観察者1に画像光に応じた画像を視認させて画像表示を行う左眼用表示部、右眼用表示部として機能している。
【0025】
また、HMD本体2L,2Rは、図1に示すように、略眼鏡形状とした支持部材2aに取付けられており、それぞれの先端部には、観察者1の眼前に位置するようにハーフミラー22が取付けられている。こうして、前述したように、外光はハーフミラー22を透過して観察者1の眼に入射し、コンテンツ情報に応じた画像光はハーフミラー22で反射させて観察者1の眼に入射する。
【0026】
また、HMDは、観察者1の左右の眼を撮像するための撮像部を備えている。本実施形態では、撮像部として、HMD本体2L,2Rに対応させた左右のカメラを備えており、各カメラで撮像した画像から眼の充血度合いを検知可能としている。本実施形態では、この左右のカメラが疲労検知デバイス23(図2参照)であり、観察者1の眼の疲労を検知する疲労検知部の一部として機能している。なお、左右のカメラは、左眼用カメラであればHMD本体2Lにおける左眼に対向する位置に、右眼用カメラであればHMD本体2Rにおける右眼に対向する位置に取付けておけばよい。
【0027】
また、コントローラ3は、矩形箱状のケーシング30内に、HMD本体2L,2Rの両方に対応可能としたCPU33や、ROM34,35、RAM36などのメモリなどを備えた制御回路が設けられており、かかる制御回路がHMDの制御部として機能している。また、コントローラ3には、図示しないが電池などの電源が備えられている。
【0028】
CPU33を備える制御回路は本実施形態の要部となるものであり、疲労検知デバイス23による検知結果に基づいて、左眼用表示部であるHMD本体2L、又は右眼用表示部であるHMD本体2Rのいずれか一方のHMD本体2による画像表示を実質的に停止する表示停止制御を行うようにしている。すなわち、制御回路は、撮像部である左右のカメラの撮像結果を解析する画像解析部としても機能し、左右のカメラ(疲労検知デバイス23)とともに、疲労検知部の機能を果たすものである。なお、HMD本体2による画像表示を実質的に停止する表示停止制御として、本実施形態では、強制的に表示をオフにする制御を行うようにしている。しかし、表示停止制御としては、表示画像の輝度を所定値以下に落とし、ほとんど視認できない程度に表示画像を暗くする場合も含む。かかる表示停止制御の具体的な処理である眼精疲労軽減処理については後に詳述する。
【0029】
また、コントローラ3のケーシング30の一面には、電源スイッチ31、電源ランプ32が設けられている。このコントローラ3とHMD本体2とは、複数の信号線からなる伝送ケーブル4により接続されているが、本実施形態では、左用信号線4Lと右用信号線4Rとに分離し、これらを束ねて伝送ケーブル4としている。そして、各伝送ケーブル4L,4Rの先端に左用プラグ4LP,右用プラグ4RPを設け、コントローラ3のケーシング30の上端面に設けた左右のジャックにそれぞれ独立して接続可能としている。
【0030】
ここで、図2を参照しながら、コントローラ3の電気的構成について説明する。図示するように、コントローラ3には、演算処理装置としてのCPU33と、このCPU33とバスを介してそれぞれ接続されたプログラムROM34、フラッシュROM35、RAM36、画像処理部37、タイマー38、ビデオRAM39、インターフェイス(I/F)40,41、さらにはオフモードスイッチ42などが設けられている。
【0031】
プログラムROM34には、HMDとしての機能を実現させるためのプログラムや観察者1の眼の疲労を検知したときに、眼精疲労軽減処理を行わせるプログラムなどの各種情報処理プログラムが記憶されている。
【0032】
そして、CPU33は、これらプログラムを実行することにより、HMDを構成する各種回路を動作させて、HMDが備える各種機能を実行させ、当該HMD全体の動作を統括制御する制御部として機能する。また、CPU33は、疲労検知デバイス23の駆動タイミングも制御しており、HMDが起動した後、疲労検知デバイス23であるカメラにより、観察者1の眼を所定のインターバルで撮像させるようにしている。
【0033】
また、フラッシュROM35には、コンテンツ情報を含む画像データや眼精疲労軽減処理に用いられるHMD停止時間テーブルなどを含む各種データが記憶されている。なお、RAM36は作業領域として用いられる。
【0034】
フラッシュROM35に記憶されているHMD停止時間テーブルには、詳しくは後述するが、利き目データ、HMD停止時間データ、停止回数データ、コンテンツ内容の種別データなどが互いに関連付けられている。本実施形態では、眼の疲労を検知すると、左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の投射部による画像表示を停止する表示停止処理を所定回数繰り返すとともに、疲労が検知された眼が利き目であるか否かでその眼によって、HMD本体2による画像表示の停止時間が変わるようにしている。
【0035】
また、フラッシュROM35には、疲労レベルの基準となる眼の充血度合いを示す基準画像解析データについても記憶されている。CPU33は、疲労検知デバイス23であるカメラからの撮像画像を解析するとともに、解析して得た解析データと、記憶されている前記基準画像解析データと比較することにより休憩が必要な疲労レベルを判定するようにしている。
【0036】
また、画像処理部37はビデオRAM39と協働してコンテンツを表示するための画像処理専用として機能する。
【0037】
タイマー38は、HMDが起動してから停止されるまでの作動時間や、HMD本体2の停止時間(停止から復帰まで)などを計時するが、HMD本体2L、HMD本体2Rそれぞれによる画像表示時間を個別に計測可能としている。
【0038】
なお、インターフェイス(I/F)40,41としては、HMD本体2との接続機能を果たすHMD接続I/F40と、前述した疲労検知デバイス(例えばカメラ)23、電源スイッチ31及び電源ランプ32との接続機能を果たす周辺I/F41とがある。なお、画像処理部37により表示されるコンテンツに対応する画像データは、前述したように、これもフラッシュROM35に予め記憶されているが、逐次外部から入力されてもよい。
【0039】
また、オフモードスイッチ42は、後述する眼精疲労軽減処理が行われた後は電源が自動的にオフになるスイッチである。すなわち、通常であれば、眼精疲労軽減処理が行われた後は、両眼表示に復帰して引き続きコンテンツを観察することが許されるが、このオフモードスイッチ42を操作すると、所定時間が経過すると自動的に電源がオフになるのである。
【0040】
ここで、本実施形態に係るHMDを使用している際に、疲労検知部が観察者1の眼の疲労を検知した場合に行う眼精疲労軽減処理について説明する。本実施形態による眼精疲労軽減処理では、疲労検知デバイス23である左右のカメラが、観察者1の左右の眼を所定のタイミングで撮像しており、その撮像画像をCPU33が解析している。すなわち、HMDを使用しているうちに、観察者1の眼が疲れによって充血してくる。定期的に撮像した画像の解析により、画像に表れた眼の充血状態を検出して左右いずれの方がより疲労しているかを判定し、疲労していると判定された方の眼に対応するHMD本体2による表示を強制的に停止して、その疲労していると判定された眼を休ませながら、反対側の眼でコンテンツを視認させるようにしている。
【0041】
したがって、映画などのように長時間表示が必要なコンテンツ情報であっても、途中で画像表示を中断することなく、最後まで観ることが可能であり、しかも眼の疲労を可及的に軽減することができる。
【0042】
また、本実施形態では、HMD本体2L又はHMD本体2Rのいずれか一方の画像表示部21による画像表示を停止した後、画像表示停止状態が所定時間継続すると、画像表示停止状態である当該一方のHMD本体2による画像表示を再開するとともに、他方のHMD本体2による画像表示を強制的に停止する表示停止制御を所定回数繰り返すようにしている。
【0043】
以下、眼精疲労軽減処理について、図3を用いて具体的に説明する。図3は眼精疲労軽減処理を示すフローチャートである。
【0044】
HMDに電源が投入されてコンテンツの表示が開始されると、図3に示すように、制御回路のCPU33は、疲労検知デバイス23を起動する(ステップS11)。こうして、CPU33は疲労検知デバイス23であるカメラとともに疲労検知部として機能し、一定時間毎にカメラによって撮像した画像の解析を実行する。
【0045】
観察者1の左右の眼の充血度合いがそれぞれ解析された解析データは、RAM36に記憶される。この処理が終了すると、CPU33はステップS12に処理を移す。なお、疲労検知デバイス23の起動処理に先だって、CPU33は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化等を実行するものとする。
【0046】
RAM36に記憶した、左右の眼に係る撮像画像の解析データと、フラッシュROM35に記憶された基準画像解析データとに基づいて、CPU33は、先ず、観察者1の右眼の疲労度を検出する(ステップS12)。そして、観察者1の右眼の疲労度が、所定の疲労レベルに達したと判断すると(ステップS12:YES)、CPU33は、処理をステップS14に移す。一方、右眼の疲労度合が未だ所定の疲労レベルに達していないと判断すると(ステップS12:NO)、次に、左眼の疲労度合が所定の疲労レベルに達したか否かを判定する(ステップS13)。そして、観察者の左眼の疲労度が所定の疲労レベルに達していないと判断すると(ステップS13:NO)、一定時間経過後の新たな解析情報に基づいて再度右眼の疲労度の検出を行う。ステップS13において、左眼の疲労度が所定の疲労レベルに達したと判断すると(ステップS13:YES)、CPU33は、処理をステップS14に移すことになる。
【0047】
ステップS14では、CPU33は、表示停止制御の繰り返し回数aを規定するフラグをRAM36にセットする。最初のフラグとしてn=0がセットされ、これにより、右眼あるいは左眼のいずれかが疲労しているという検知結果が記憶される。
【0048】
繰り返し回数aは、1〜10回程度の範囲内に規定されるもので、繰り返し回数の設定は任意に変更可能であるが、例えば、表示するコンテンツの内容に応じて変更することもできる。すなわち、コンテンツが動画である場合、眼は疲れやすいと考えられるため例えば6〜10回に設定し、その中でもコンテンツが映画などであれば10回に設定することができる。また、コンテンツが静止画である場合、眼は比較的疲れ難いと考えられるため例えば1〜5回に設定し、その中でもコンテンツがテキスト表示のみであれば1回に設定することができる。
【0049】
ステップS15において、CPU33は、現在表示しているコンテンツが片眼で見るのにも支障がないかを判断する。例えば、一方は何らかのオブジェクトの画像を表示し、他方ではそのオブジェクトのテキストによる説明文の画像であったりするなど、左右のHMD本体2でそれぞれ異なる画像を表示している場合は片眼には不適と判断することになる。この処理において、表示するコンテンツが片眼には不適と判断した場合(ステップS15:NO)、CPU33は処理をステップS16に移し、片眼にも適すると判断した場合は(ステップS15:YES)、処理をステップS17に移す。
【0050】
次に、ステップS17において、CPU33は、疲労を検知した眼が利き目であるか否かを、フラッシュROM35に記憶されているHMD停止時間テーブルに基づいて判定する。利き目については、観察者1が予め登録できるもので、登録された利き目データがHMD停止時間テーブルに設定されるようになっている。
【0051】
そして、利き目ではないと判定されると(ステップS17:NO)、疲労を検出した眼へ画像表示を行っているHMD本体2の画像表示部21の駆動を10分間停止する(ステップS18)。すなわち、10分間の休憩時間を強制的に付与する。一方、利き目であると判定されると(ステップS17:YES)、疲労を検出した眼へ画像表示を行っているHMD本体2の画像表示部21の駆動を5分間停止する(ステップS19)。すなわち、5分間の休憩時間を強制的に付与する。このように、休憩時間に差をつけるのは、利き目の方が疲れ難く、利き目ではない方が疲れやすいと考えられるため、利き目でない場合の眼の休憩時間を多くしているのである。
【0052】
ところで、ステップS15において、表示するコンテンツが片眼には適さない判断した場合のステップS16では、CPU33は、コンテンツの切替えがあったか否かを判定する。
【0053】
そして、コンテンツの切替えがないと判定された場合(ステップS16:NO)、CPU33は処理をステップS23に移し、コンテンツの切替えがあると判定された場合(ステップS16:YES)、CPU33は処理をステップS14に戻す。
【0054】
ステップS18及びステップS19の処理の後、CPU33は、RAM36にn+1をセットし(ステップS20)、次いで、n=aであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0055】
そして、n=aではないと判定した場合(ステップS21:NO)、停止表示するHMD本体2を入れ替えて処理をステップS17に戻す(ステップS22)。つまり、ステップS22では、画像表示を停止するHMD本体2を、これまで画像表示中であったHMD本体2に入れ替える。一方、n=aであると判定した場合(ステップS21:YES)、CPU33は処理をステップS23に移す。すなわち、今度はこれまで画像表示を行っていたHMD本体2の画像表示部21の駆動が停止されることになる。こうして、HMD本体2LとHMD本体2Rとの間で、表示停止制御が予め設定された所定回数まで繰り返される。
【0056】
ステップS23において、CPU33は、オフモードが選択されているか否かを判定する。ここで、オフモードとは、表示停止制御が終了した後は、所定時間経過後に自動的に電源がオフになるモードであり、コントローラ3に設けられたオフモードスイッチ42の操作により移行する。このオフモードに移行することを選択しなかった場合、表示停止制御終了後は両眼に対して画像表示を行う通常表示に戻り、継続してコンテンツを観察することが可能となる。また、コンテンツが片眼に不適の場合も両眼に対して画像表示を行う通常表示が継続する。
【0057】
すなわち、オフモードが選択された場合(ステップS23:YES)、CPU33は電源オフタイマをRAM36にセットし(ステップS25)、その後、この眼精疲労軽減処理を終了する。これにより、所定時間経過後には電源が自動的にオフされることになる。
【0058】
一方、オフモードが選択されていない場合(ステップS23:NO)、CPU33は継続モードに移行してHMD本体2L,2Rの各画像表示部21を駆動させて両眼表示させ(ステップS24)、その後、この眼精疲労軽減処理を終了する。
【0059】
このように、本実施形態によれば、所謂3D表示も可能な両眼用のHMDにおいて、どうしても中断したくないようなコンテンツ情報については、両眼のうち、一方の眼を休めながら片眼で観察することができる。そして、改めて両眼での観察を再開するか、あるいは本格的に両眼を休めるかを、観察者1が自ら判断することができるため、観察者1にとって使い勝手の良いHMDと言える。
【0060】
次に、上述した眼精疲労軽減処理について、図4のタイミングチャートを参照して説明する。ここでは、図3におけるステップS14で説明した表示停止制御の繰り返し回数aを1(n=a=1)とした場合としている。つまり、眼精疲労軽減処理による表示停止制御がHMD本体2LとHMD本体2Rとの間で交互に繰り返されるのではなく、疲労が検出された方の眼に対応するHMD本体2の表示停止制御のみがその都度行われる。
【0061】
HMDに電源が投入されると、図4に示すように、左右のHMD本体2L,2Rが共に起動して両眼に対するンテンツの表示が開始される。同時に、カメラによって左右の眼が撮像され、撮像した画像の解析が実行される(図3のステップS11〜ステップS13を参照)。
【0062】
そして、(A)の時点において、例えば右眼の疲労を検知すると(図3のステップS12を参照)、このときのコンテンツの内容も片目での表示にも適する(片眼表示可能)となっているため、右眼用であるHMD2Rの画像表示部21の駆動を停止する(右眼表示オフ)。このときの停止時間は、右眼が利き目であれば5分間、利き目でなければ10分間である(図3のステップS15〜ステップS19を参照)。
【0063】
その後、(B)の時点において、両眼表示に復帰する(図3のステップS24参照)。このとき、右眼の疲労はある程度回復したものと推定される。
【0064】
一定時間が経過すると、再度カメラによって左右の眼が撮像され、撮像した画像の解析が実行され、今度は、(C)の時点において、左眼の疲労を検知したとする(図3のステップS13を参照)。このときのコンテンツの内容も片目での表示にも適する(片眼表示可能)となっているため、左眼用であるHMD2Lの画像表示部21の駆動を停止する(左眼表示オフ)。このときの停止時間についても、この左眼が利き目であれば5分間、利き目でなければ10分間となる(図3のステップS15〜ステップS19を参照)。
【0065】
その後、(D)の時点において、両眼表示に復帰する。このとき、左眼の疲労はある程度回復したものと推定される。
【0066】
コンテンツの両眼表示が続いている途中で、コンテンツの内容が片目表示には不適な内容に変化したとする。そのような状態で、(E)の時点において、右眼の疲労を検知したとする(図3のステップS12を参照)。このときのコンテンツの内容は、片目での表示には不適となっているため、制御回路では、片目表示の切り替わりがあるまで待機することになる。図3のフローチャートで説明すれば、ステップS24の両眼表示が維持されることになる。
【0067】
そして、コンテンツの内容が片目での表示に適する(片眼表示可能)となった(F)の時点で、右眼用であるHMD2Rの画像表示部21の駆動を停止する(右眼表示オフ)。このときも利き目か利き目でないかに応じた時間の休憩が付与されることになる。
【0068】
ところで、例えば、左眼が利き目であった場合、HMD2Rの画像表示部21の駆動は、(F)の時点から10分間停止される(右眼は10分間休憩)。他方、疲労検知部の一部として機能するカメラ(疲労検知デバイス23)が、例えば5分間毎に作動して眼の撮像を行っている場合、(G)の時点で左眼の疲労を検知する場合も考えられる。すなわち、RAM36に記憶された撮像画像の解析データとフラッシュROM35に記憶された基準画像解析データとに基づいて左眼が疲労しているという検知結果がHMD2Rの停止中にRAM36に記憶される場合がある。
【0069】
しかし、(G)の時点では、HMD2Rが未だ停止中である。すなわち、一連の眼精疲労軽減処理が終了していないため、CPU33は、HMD2Lの画像表示部21の駆動を即座に停止することはしない。
【0070】
そして、眼精疲労軽減処理が進行し、図3に示したフローチャートにおけるステップS24の両眼表示に移行(眼精疲労軽減処理が終了)し、(H)の時点で新たな眼精疲労軽減処理におけるステップS13に至って初めて、HMD2Lの画像表示部21の駆動を停止する(左眼表示オフ)。
【0071】
[他の実施形態]
ところで、上述した実施形態では、左眼又は右眼の疲労を判定するために、疲労検知デバイス23であるカメラによって観察者1の眼を撮像し、眼の充血度合いから眼の疲労を検知していた。しかし、カメラを用いることなく、タイマー38による計測時間によって眼の疲労を検知するようにしてもよい。
【0072】
すなわち、タイマー38を、HMD本体2Rによる画像表示時間及びHMD本体2Lによる画像表示時間を個別に計測可能な構成とするとともに、このタイマー38による計時結果に基づいて、観察者1の左右の眼の疲労状態を推測する疲労推測手段としての機能をCPU33などを有する制御回路に持たせるのである。したがって、この場合の疲労検知部は、タイマー38と制御回路とを備えた構成となる。
【0073】
このように、タイマー38により計時した画像表示時間の長さに基づいて観察者1の眼の疲労を検知するようにすれば、タイマー38を疲労検知デバイス23と兼用できるともに、注意喚起表示テーブルなどの容量も小さくなり、CPU33による処理の負担も軽減される。したがって、開発負荷の軽減やコストダウン、HMDの処理スピードの向上などが期待できる。
【0074】
上述してきた実施形態より、以下のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が実現される。
【0075】
(1)画像光を観察者1の左眼に投射するHMD2L(左眼用表示部)と、画像光を観察者1の右眼に投射するHMD2R(右眼用表示部)とを備え、観察者1に、左右の眼それぞれに投射された画像光に応じた画像を視認させてコンテンツを表示する(画像表示する)両眼用のHMDにおいて、前記画像表示を実行しているときに、観察者1の左右の眼のそれぞれの疲労度を独立して検出可能な疲労検知部(例えば、制御回路のCPU33と疲労検知デバイス23(カメラ))と、この疲労検知部による検出結果に基づいて、HMD2L又はHMD2Rのいずれか一方による画像表示を実質的に停止する制御部(例えば、制御回路のCPU33)と、を備えるHMD。
【0076】
かかるHMDによれば、眼の疲れを防止しつつ、必要なコンテンツについては中断することなく見ることができる。したがって、中途で観察を中断したくないコンテンツなどを安心して観察可能であり、なおかつ眼の疲労も可及的に抑制することができる。例えば、映画などのように長時間表示が必要なコンテンツ情報であっても、途中で画像表示を中断することなく、最後まで観ることも可能となる。
【0077】
(2)上記(1)のHMDにおいて、前記制御部(例えば、制御回路のCPU33)は、前記HMD2L(左眼用表示部)又は前記HMD2R(右眼用表示部)のいずれか一方の画像表示部21(投射部)による画像表示を停止した後、画像表示停止状態が所定時間継続すると、画像表示停止状態である当該一方のHMD2(表示部)による画像表示を再開するとともに、他方のHMD2による画像表示を実質的に停止する表示停止制御を所定回数繰り返すHMD。
【0078】
かかるHMDによれば、片眼ずつではあるが十分に眼に休憩を取らせつつ、コンテンツン観察も継続可能となる。
【0079】
(3)上記(2)のHMDにおいて、前記制御部(例えば、制御回路のCPU33)は、前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記HMD2(表示部)による画像表示を強制的に停止するHMD。
【0080】
かかるHMDによれば、ある程度のコンテンツの観察を継続させつつ、眼の疲労を十分に回復させることができる。
【0081】
(4)上記(2)記載のHMDにおいて、前記制御部(例えば、制御回路のCPU33)は、前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記HMD2(表示部)の前記HMD2R(右眼用表示部)及び前記HMD2L(左眼用表示部)による両眼用の画像表示を再開するHMD。
【0082】
かかるHMDによれば、ある程度眼の疲労を回復させながら、コンテンツの長時間の観察を可能とすることができる。
【0083】
(5)上記(2)〜(4)のいずれかのHMDにおいて、前記制御部(例えば、制御回路のCPU33)は、前記表示停止制御を繰り返す回数aを、コンテンツの内容(HMD2(表示部)に表示される画像の内容)に応じて変更するHMD。
【0084】
かかるHMDによれば、観察するコンテンツの内容によって、適切な眼の休憩時間を付与できるため、休憩不足や過度の休憩付与のおそれを可及的に減じることができる。
【0085】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかのHMDにおいて、前記疲労検知部(例えば、制御回路のCPU33と疲労検知デバイス23)は、前記観察者1の眼を撮像するカメラ(撮像部)と、このカメラによる撮像結果を解析する制御回路(画像解析部)とを備えHMD。
【0086】
かかるHMDによれば、眼の充血の度合いから、より確実に眼の疲労を判定することが可能となる。
【0087】
(7)上記(1)〜(5)のいずれかのHMDにおいて、前記疲労検知部は、前記HMD2(表示部)の前記前記HMD2R(右眼用表示部)による画像表示時間及び前記HMD2L(左眼用表示部)による画像表示時間を個別に計測可能なタイマー38(計時手段)と、このタイマー38による計時結果に基づいて、前記観察者1の左右の眼の疲労状態を推測する疲労推測手段と、を備えるHMD。
【0088】
かかるHMDによれば、タイマー38を疲労検知デバイス23と兼用できるともに、注意喚起表示テーブルなどの容量も小さくなり、CPU33による処理の負担も軽減される。したがって、開発負荷の軽減やコストダウン、HMDの処理スピードの向上などが期待できる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の概要の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。例えば、本発明を適用したHMDは、例えば、シースルー型HMDとしたが、シースルー型でなくても構わない。また、コンテンツを表示する表示装置としては液晶表示装置を用いているが、例えば、画像に関する画像信号に応じて変調された光を走査させて出射させることで、ユーザの少なくとも一方の眼の網膜に画像を投影し、画像を表示する網膜走査型のHMDであってもよい。また、HMDとしては、音声や音楽を発生させるためのイヤホン型のスピーカなどが設けられたものであることが望ましい。
【0090】
また、上述の実施形態では、コントローラ3にオフモードスイッチ42を設け、このオフモードスイッチ42が操作されない場合は自動的に継続モードに移行して両眼表示がなされることとしたが、オフモードスイッチ42などを設けなくとも、表示停止制御が所定回数繰り返された後は強制的に停止制御するようにしてもよい。また、オフモードスイッチ42に代えて継続モードスイッチをコントローラ3に設けておき、継続モードスイッチが操作されない限り、自動的に電源がオフになるようにしてもよい。また、表示停止制御が所定回数繰り返された後、いきなり表示を停止するのではなく、例えば疲労レベルの基準を上げて(眼の充血度合いがより高い状態を基準とする)、再度、疲労検知デバイス23を起動して疲労を検出し、新たに疲労を検知した場合、強制的に電源をオフにする制御を行うこともできる。なお、表示を停止する前には停止する旨を報知する表示を行うようにするとなおよい。
【0091】
また、強制的に電源オフなどをするのではなく、観察者1が自ら表示を停止するように、表示停止制御が所定回数繰り返された後は、停止を促す表示を行うようにしてもよい。
【0092】
また、観察者1の眼の疲労を検知する際に、眼の充血度合いを解析したが、眼のまばたきの間隔に基づいて疲労を検知することもできる。また、疲労検知部23としては、カメラに代えて、あるいはカメラに加えて、観察者1の左右の眼それぞれの瞼やその周辺筋肉の状態を検知するセンサを設けて構成することもできる。
【符号の説明】
【0093】
1 観察者
2L 左のHMD本体(左眼用表示部)
2R 右のHMD本体(右眼用表示部)
3 コントローラ
21 画像表示部(投射部)
23 疲労検知デバイス
33 CPU
38 タイマー(計時手段)
42 オフモードスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を観察者の左眼に投射する左眼用表示部と、画像光を観察者の右眼に投射する右眼用表示部とを備え、前記観察者に、左右の眼それぞれに投射された画像光に応じた画像を視認させて画像表示する両眼用のヘッドマウントディスプレイにおいて、
前記画像表示を実行しているときに、前記観察者の左右の眼のそれぞれの疲労度を独立して検出可能な疲労検知部と、
この疲労検知部による検出結果に基づいて、前記左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の表示部による画像表示を実質的に停止する制御部と、
を備えることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記制御部は、
前記左眼用表示部又は前記右眼用表示部のいずれか一方の投射部による画像表示を停止した後、画像表示停止状態が所定時間継続すると、画像表示停止状態である当該一方の表示部による画像表示を再開するとともに、他方の表示部による画像表示を実質的に停止する表示停止制御を所定回数繰り返すことを特徴とする請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記表示部による画像表示を強制的に停止することを特徴とする請求項2記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記制御部は、
前記表示停止制御を所定回数繰り返した後、前記表示部の前記右眼用表示部及び前記左眼用表示部による両眼用の画像表示を再開することを特徴とする請求項2記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
前記制御部は、
前記表示停止制御を繰り返す回数を、前記表示部に表示される画像の内容に応じて変更することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
前記疲労検知部は、
前記観察者の眼を撮像する撮像部と、
この撮像部による撮像結果を解析する画像解析部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
前記疲労検知部は、
前記表示部の前記右眼用表示部による画像表示時間及び前記左眼用表示部による画像表示時間を個別に計測可能な計時手段と、
この計時手段による計時結果に基づいて、前記観察者の左右の眼の疲労状態を推測する疲労推測手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−211959(P2012−211959A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76763(P2011−76763)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】