説明

ヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シート

【課題】頭部支持状態と、頭部支持状態から傾倒して格納状態とすることが可能なヘッドレストにおいて、カバー構造を単純化することができ、パッド材をカバー部材及び表皮材と一体成形することが可能なヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートを提供する。
【解決手段】背凭シートS2の上部に装着されるピラー1と、ピラー1の脚部11を挿通する挿通部70aを備えピラー1を挟み込む前後カバー部材70と、袋状に形成され前後カバー部材70を覆う表皮材9と、挿通部70aを閉口して表皮材9の端末部91を挟持する表皮止めカバー部材74と、表皮材9及び前後カバー部材70と一体成形されるパッド材8とを備え、表皮止めカバー部材74に形成された複数の係合爪74aを挿通部70aの周縁に係合させることにより、表皮材9の端末部91が前後カバー部材70の底面と表皮止めカバー部材74の上面との間で挟み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートに係り、特に背凭シートに対して起立させた頭部支持状態と、該頭部支持状態から傾倒して格納状態とすることが可能なヘッドレスト及びヘッドレストを備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用シートの背凭シートの上部には、乗員の頭部を保護するためのヘッドレストが装着されている。そして、従来から、インナーカバーに前倒装置を内蔵し、インナーカバーの挿通部に係止鍔部付の支持筒を一体に設け、係止鍔部に係止する係止爪付の挟持片を備えたアウターカバーによってインナーカバーの挿通部を閉口し、挟持片で表皮の開口部の端末を挟持して、表皮内に注入されるパッド発泡成形用の発泡液の外部への漏出を防止するようにした技術が提案されている(特許文献1参照)。なお、このヘッドレストでは、インナーカバーの係合溝にアウターカバーの挟持片の上端部を係合させることにより表皮をシールするように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−38072号公報(段落0013〜0019、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のヘッドレストは、インナーカバーの挿通部に係止鍔部や係合溝が形成され、アウターカバーに挟持片や係止爪が形成されていることにより、各カバー部材が複雑な形状に形成されており、各カバー部材の形成において生産作業効率が低下するという問題点があった。
さらに、インナーカバーの挿通部に外方向へ突出した支持筒が形成されていることにより、ヘッドレストの下部が出っ張って形成されており、外観商品性において改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、カバー構造を単純化することができ、生産作業効率を向上させることが可能なヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートを提供することにある。また、本発明の他の目的は、パッド材をカバー部材及び表皮材と一体に発泡成形することができ、表皮材のカバー部材に対する取り付けが容易で、作業効率を向上させることが可能なヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートを提供することにある。さらにまた、本発明の他の目的は、良好な外観を得ることが可能なヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、請求項1に係るヘッドレストによれば、背凭シートに対して起立させた頭部支持状態と、該頭部支持状態から傾倒して格納状態とすることが可能なヘッドレストにおいて、前記背凭シートの上部に装着される少なくとも脚部を有する支持部材と、前記支持部材の脚部を挿通する挿通部を備え、前記支持部材を挟み込む前後カバー部材と、袋状に形成され、前記前後カバー部材を覆う表皮材と、前記前後カバー部材の挿通部を閉口して前記表皮材の開口側の端末部を挟持する表皮止めカバー部材と、前記表皮材と前記前後カバー部材との間に注入される発泡樹脂により前記表皮材及び前記前後カバー部材と一体成形されるパッド材と、を備え、前記表皮止めカバー部材には、複数の係合爪が形成され、該係合爪を前記挿通部の周縁に係合させることにより、前記表皮材の端末部が前記前後カバー部材の底面と前記表皮止めカバー部材の上面との間で挟み込まれていること、により解決される。
【0007】
このように、本発明のヘッドレストは、表皮止めカバー部材に複数の係合爪が形成され、係合爪を前後カバー部材の挿通部の周縁に係合させることにより、表皮材の端末部を前後カバー部材の底面と表皮止めカバー部材の上面との間で挟み込むことができ、カバー構造を単純化することができ、生産作業効率を向上させることが可能である。また、カバー部材と表皮材との間に発泡樹脂を注入して、パッド材をカバー部材及び表皮材と一体に発泡成形することができ、表皮材のカバー部材に対する取り付けが容易になり、作業効率が向上し、生産性を向上させることが可能である。
【0008】
上記構成において、請求項2のように、前記表皮止めカバー部材は、略板状の本体部と、前記支持部材の脚部を挿通する筒状部とからなり、前記表皮材の端末部は前記前後カバー部材の底面と前記表皮止めカバー部材の本体部との間で挟み込まれるように構成されると好適である。このように構成すると、表皮止めカバー部材が出っ張ることなく、良好な外観を得ることができる。
【0009】
上記構成において、請求項3のように、前記前後カバー部材には、前記支持部材と回動可能に係合されたフレームが内装され、該フレームは前記前後カバー部材に形成されたボス部により固定されていると好適である。このように構成すると、フレームが前後カバー部材に形成されたボス部により固定され、フレームのガタ付きを防止することができる。
【0010】
上記構成において、請求項4のように、前記前後カバー部材は、内側上部に縦リブが形成されていると好適である。このように、前後カバー部材の内側上部に縦リブが形成されていることにより、上方荷重に対する強度を確保することができる。また、撓みの少ない構造とすることができる。さらに、縦リブスペースを変更することにより、同じ大きさのフレームを流用して、ヘッドレストのサイズを任意の大きさに変更することができ、汎用性に優れたものとすることができる。
【0011】
上記構成において、請求項5のように、前記前後カバー部材は、前カバー部材及び後カバー部材から構成され、対向する側の外周において、一方の側に形成された凹部に、他方の側に形成された突起部が嵌合するように構成されていると好適である。このように構成すると、パッド部をカバー部材と一体に発泡成形しても、発泡樹脂がカバー部材の内部に浸入するのを防止することができる。
【0012】
前記課題は、請求項6に係る車両用シートによれば、前記請求項1乃至5のいずれか記載のヘッドレストを備えたことにより解決される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のヘッドレスト及び該ヘッドレストを備えた車両用シートによれば、表皮止めカバー部材に複数の係合爪が形成され、係合爪を前後カバー部材の挿通部の周縁に係合させることにより、表皮材の端末部を前後カバー部材の底面と表皮止めカバー部材の上面との間で挟み込むことができ、カバー構造を単純化することができ、生産作業効率を向上させることが可能である。
また、カバー部材同士で表皮材を挟み込んでいることにより、パッド材をカバー部材及び表皮材と一体に発泡成形することができ、表皮材のカバー部材に対する取り付けが容易になり、作業効率が向上し、生産性を向上させることが可能である。
【0014】
請求項1の発明では、カバー部材に複雑な形状を形成することなく、カバー部材同士で容易に表皮材を挟み込むことができる。つまり、表皮止めカバー部材に形成された係合爪を前後カバー部材の挿通部の周縁に係合させることにより、表皮材の端末部を前後カバー部材の底面と表皮止めカバー部材の上面との間で挟持することができるため、カバー構造を単純化することができ、生産作業効率を向上させることができる。
請求項2の発明では、本体部が略板状に形成されているため、表皮止めカバー部材が出っ張ることなく、良好な外観を得ることができる。
請求項3の発明では、フレームが前後カバー部材に形成されたボス部により固定され、フレームのガタ付きを防止することができる。
請求項4の発明では、前後カバー部材の内側上部に形成された縦リブにより、上方荷重に対する強度を確保することができ、撓みの少ない構造とすることができる。さらに、縦リブスペースを変更することにより、同じ大きさのフレームを流用して、ヘッドレストのサイズを任意の大きさに変更することができ、汎用性に優れたものとすることができる。
請求項5の発明では、カバー部材の嵌合により、パッド部をカバー部材と一体に発泡成形しても、発泡樹脂がカバー部材の内部に浸入するのを防ぐことができ、可倒機構の支障とならないようにパッド部を成形することができる。
請求項6の発明では、本発明に係るヘッドレストを備えた車両用シートを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は背凭シート及びヘッドレストを備えた座席の斜視図、図2は図1のA―A線断面図、図3は図2の要部拡大図、図4はヘッドレストフレームとロック手段の分解斜視図、図5はピラーを組み付けたヘッドレストフレームとロック手段の頭部に接する側からみた斜視図、図6は図5の正面図、図7は図5の背面図、図8はロック手段の説明図、図9は図6のB―B線断面図、図10はピラーの斜視図、図11はラチェットレバーの斜視図、図12はラチェットの平面図、図13はラッチプレートの側面図、図14はカバーの一部分解斜視図、図15は前カバー部材の正面図、図16は後カバー部材の正面図、図17はヘッドレストの横断面を示す概略断面図、図18は別の例を示す図17と同様な断面図である。
【0016】
本実施形態の車両用シートSは、自動車用シートの後部座席の例であり、図1で示すように、座席シートS1と背凭シートS2を備えており、背凭シートS2の上部にはヘッドレストHRが設けられている。座席シートS1及び背凭シートS2は、フレームとパッドとこれらを被覆する表皮材とを備えた公知の構成からなるもので、その詳細は省略する。なお、本実施形態では自動車用シートの後部座席を例にしているが、ヘッドレストを装着することができるものであれば、車両の前席や中間座席等であってもよい。
【0017】
本実施形態のヘッドレストHRは、支持部材としてのピラー1により背凭シートS2に上下自在に装着することができるが、上下の高さ調節機構は公知のものを用いることができ、詳細は省略する。
【0018】
本実施形態のヘッドレストHRは、図1で示すように、背凭シートS2に対して起立させた頭部支持状態と、この頭部支持状態から傾倒して格納状態(図1の例では、図中左側が格納状態)とすることが可能になっている。
そして、図2に示すように、本実施形態のヘッドレストHRは、支持部材としてのピラー1と、フレームとしてのヘッドレストフレーム2と、カバー材7(図2では前後カバー部材70)と、カバー材7の外周に配設されるパッド材8と、パッド材8を覆う表皮材9と、を主要構成要素としている。
【0019】
後述するように、前カバー部材71と後カバー部材72からなる前後カバー部材70には、ピラー1の脚部11を挿通する挿通部70aが形成されており、挿通部70aの周縁に表皮止めカバー部材74の係合爪74aを係合させることにより、表皮材9の端末部91を前後カバー部材70の底面と表皮止めカバー部材74の上面との間で挟持している。
【0020】
本実施形態の支持部材としてのピラー1は、図4及び図10で示すように、背凭シートS2の上部に装着される二本の脚部11,11と、この二本の脚部11,11の間を連結する横軸部12を有している。そして、ピラー1の横軸部12には、横軸部12の軸心に対して垂直方向にラッチプレート41,42が所定間隔で溶接等により固着されている。横軸部12のラッチプレート41,42の間の部分は、後述するフレームとしてのヘッドレストフレーム2(メインフレーム21及びサブフレーム22)の下部に形成された略半円状の凹部21a,22aによって回動可能に挟持される。
なお、本実施形態のラッチプレート41,42は、後述するロック手段4を構成している。
【0021】
本実施形態のフレームとしてのヘッドレストフレーム2は、前述のようにピラー1の横軸部12と回動可能に係合されるもので、図4及び図7で示すように、メインフレーム21の中にサブフレーム22が入り込むように組み合わせて構成されている。そしてメインフレーム21とサブフレーム22からなるヘッドレストフレーム2の間にラチェットレバー44とラチェット46を挟んで構成されている。メインフレーム21とサブフレーム22は、リベット101,102を間に挟んで、両外側からのカシメにより、一体に組み付けている。また、リベット101,102は、中央部101a,102aの径が大きく両側にカシメ部101b,102bが形成されたものである。なお、本実施形態のラチェットレバー44とラチェット46は、後述するロック手段4を構成している。
【0022】
本実施形態のメインフレーム21は、図4乃至図6、図9で示すように、矩形の板体からなるもので、下部に略半円状の凹部21aが形成され、この凹部21aに連続して、カシメ部21bが形成されており、メインフレーム21の上方側には張り出し部21gが形成されている。この張り出し部21gは、後述する樹脂製の前カバー部材71の張り出し部71aと当接すると共に、強度を確保している。
また、メインフレーム21の外周は、上記凹部21aの両側の所定範囲までを除いて、折り曲げ壁部21cが形成されている。
【0023】
メインフレーム21内側には、ラチェット46の回転軸となるリベット101を挿通する部分に内側に向けてボス部21eが突出して形成されている。また、このボス部21eの外周側にはラチェット46の回動面に向けて突出する略弓状の突出部21fが形成されている。
そして、上記折り曲げ壁部21cの一方の側面には、切り欠き部21dが形成されている。そして、この切り欠き部21dにラチェットレバー44が挿入される。またメインフレーム21には、切り欠き部21dの延長上で、ラチェットレバー44が挿入されたときの案内ガイドとなるように、内側に向けて折り曲げられた3つの舌片21h,21i,21jが形成されている。
【0024】
3つの舌片21h,21i,21jのうち2つの舌片21h,21jが上方から下方へ内側に向けて折り曲げられ、左右側に距離をおいて形成され、これら左右方向の舌片21h,21jの略中央部に下方から上方へ内側に向けて折り曲げられた舌片21iが1つ形成されている。そして、3つの舌片21h,21i,21jの各端部を案内ガイドとして、ラチェットレバー44が挿入される。本実施形態のラチェットレバー44は、後述するロック手段4を構成している。
【0025】
本実施形態のサブフレーム22は、図4、図7乃至図9で示すように、矩形の板体からなるもので、所定の位置、本例では、前記したラチェットレバー44の配設位置より上方が一方側(前記切り欠き部21dから遠い方向)に偏った形状で構成されている。サブフレーム22の下部には、略半円状の凹部22aが形成され、この凹部22aに連続して、カシメ部22bが形成されている。また、カシメ部22bと反対側には凹部22aに連続して、付勢受け部22kが形成されている。そして、略半円状の凹部22a側を除いて、すなわち上側と左右側には、内側への折り曲げ部22cが形成されている。
【0026】
サブフレーム22には、メインフレーム21のボス部21eと整合する位置、つまりラチェット46の回転軸となるリベット101を挿通する部分に内側に向けて突出したボス部22eが形成されている。
また、サブフレーム22の内側には、メインフレーム21に形成された略弓状の突出部21fに整合するように、ラチェット46の回動面に向けて突出する略弓状の突出部22fが形成されている。
【0027】
図4及び図7で示すように、ヘッドレストフレーム付勢手段3は、ヘッドレストフレーム2を一方側(即ち傾倒側)へ付勢するもので、シャフト31と、ダンパ32と、スプリング33と、ロック手段4を構成するラッチプレート41,42に形成されたシャフト挿通孔41d,42dと、前述した付勢受け部22kとから構成されている。
【0028】
シャフト31は丸棒であり、ダンパ32はゴムからなる中空円筒体で形成されている。またスプリング33は、一端33aをラッチプレート41に係止し、他端33b側はダンパ32と当接するように配設されると共に、他端33bを幅広の押圧部として、前述した付勢受け部22kに当接させている。付勢により、常時にはヘッドレストフレーム2は、傾倒方向への付勢力を受けていることになる。
【0029】
組付は2つのラッチプレート41,42の間にシャフト31を挿通させるが、一方のラッチプレート41(又は42)のシャフト挿通孔41d(又は42d)にシャフト31を挿通させ、次にダンパ32とスプリング33をシャフト31に挿通させ、その後でシャフト31を他方のラッチプレート42(又は41)のシャフト挿通孔42d(又は41d)に挿通させることにより行なう。
【0030】
なお、図8で示した符号4は、ロック手段であり、ピラー1とヘッドレストフレーム2との間に設けられるものである。
本実施形態のロック手段4は、ラッチプレート41,42と、ラチェットレバー44と、ラチェット46と、ラチェットレバー付勢手段としてのスプリング45と、を主要構成要素としている。
【0031】
本実施形態のラッチプレート41,42は、前述したようにピラー1の横軸部12に、所定間隔で、横軸部12の軸心に対して垂直方向に溶接等により固着されている。
ラッチプレート41,42の上側には、図10で示すように、横軸部12に沿って係合溝部41a,42aが形成されている。
【0032】
ラッチプレート41,42には円弧状の外周部41b,42bと、係合溝部41a,42aを越えた部分の壁から構成されるストッパ部41c,42cが形成されている。
本実施形態では、ラッチプレート41とラッチプレート42は、係合溝部41a,42aの形状が異なるように形成されている。図10中右側に設けられたラッチプレート42の係合溝部42aは上端側が巾狭くなるように形成されており、図10中左側に設けられたラッチプレート41の係合溝部41aは溝巾が上下方向に変わらない形状に形成されている。そして、ラッチプレート41,42のヘッドレストフレーム2が傾倒する側の端部側(図10で下側)には、ストッパ部41e,42eが形成されている。
【0033】
図13は、ラッチプレート42の側面図である。ラッチプレート42の係合溝部42aの上側は、ラチェット46の厚さより若干広い部分を残して内側へ傾斜している(図13の角度α)。このように、本実施形態では少なくとも一つのラッチプレート(本実施形態の場合ラッチプレート42)の係合溝部42aは、上端側が巾狭く形成されている。これにより、起立状態でのラッチプレート42とラチェット46の接点が、ラッチプレート42の係合溝部42aの上端部42fと、図12で示したラチェット46のロック係合点46cとなる。ここで、接点となるロック係合点46cは、ラッチプレート42の係合溝部42aの溝底42gに、ラチェット46が当接したときの側面位置となる。
なお、図12に示す符号46dは、ラチェット46を係合溝部42aから外れた非係合位置から、ラチェット46がラッチプレート42の係合溝部42aの溝底42gに当接する位置まで移動させた軌跡である。
【0034】
つまり、図8で示すように、ラッチプレート42の巾狭く形成された上端側でラチェット46と当接する部分が、ラチェット46の係合溝部42a内に位置する他の部分に比して、ピラー1の横軸部12からの距離Zが大きいように構成されている。このため、ピラー1の横軸部12の軸心(ヘッドレストフレーム2の回転中心)から接点が離れることになり、ラチェット46が、係合位置から非係合位置へ移動するとき(ロックを解除するとき)に、後方からのヘッドレストフレーム付勢手段3(スプリング33)の付勢力による解除荷重を下げることが可能となり、解除荷重の調整が可能となる。本実施形態の場合、ラチェットレバー44の操作つまみと係合する側に位置するラッチプレート42の係合溝部42aを巾狭く形成しているので、ラチェットレバー44からの力の伝達が確実に行なえる。
またラッチプレート41,42には、シャフト31を挿入するためのシャフト挿通孔41d,42dが設けられている。
【0035】
本実施形態のラチェットレバー44は、図11で示すように、細長の板体から形成されており、板体本体44aが横方向に摺動するものであり、板体本体44aには、ピラー1側に向けて係合凹部44b,44bが形成され、係合凹部44b,44bと反対側には、板体本体44aから概略直交する方向に移動係止部44cが形成され、この移動係止部44cには、ラチェットレバー付勢手段45の係止部44dが形成されている。
【0036】
上記係合凹部44b,44bは、板体本体44aからピラー1側へ張り出した張り出し部44f,44fの間に形成されており、ラチェット46の円形の一端側を挟み込むと共に、ラチェット46の回動を許容するように形成されている。
そして、ラチェットレバー44には、ラチェット46がラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aの方向に付勢されるように、ラチェットレバー付勢手段(スプリング)45の一端が連結されている。符号44eは操作つまみ47と係合する端部である。
【0037】
このとき、ラチェットレバー44の移動係止部44cには、スプリング45の一方側の係止部44dが形成されており、このスプリング45の係止部44dよりも下方側(図7)に位置するメインフレーム21の折り曲げ壁部21cには、スプリング45の他方側の係止部21uが形成されている(図5参照)。そして、図7の矢印で示すように、係止位置の相違により、スプリング45はラチェットレバー44の移動係止部44cを斜め下方に付勢する。
【0038】
一方、メインフレーム21には、舌片21h,21iが形成されており、ラチェットレバー44が図7の矢印のように付勢されると、ラチェットレバー44の他端側は、舌片21iを支点として舌片21h側に付勢されることになる。このため、ラチェットレバー44は、操作つまみ47側でガーニッシュ73との間で最も近接或いは接触し、他方側では、舌片21hと当接して、上下方向の移動が規制される。このようにすることで、車両走行など振動が生じる場面において、ラチェットレバー44の動きに基因する異音や雑音を予防することが可能となる。
【0039】
本実施形態のラチェット46は、図4、図8、図12に示されるように、回転軸となる回転孔46aと、係合部46bと、ロック係合点46cを備え、メインフレーム21とサブフレーム22の間に配設されたリベット101を回転軸として、ヘッドレストフレーム2に軸支されている。
そして、ラチェット46の一端側である係合部46bが、ラチェットレバー44の係合凹部44b,44bに係合し、他端側のロック係合点46cがラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに係合して、ヘッドレストHRの起立状態が保持される。
【0040】
ラチェット46の一端側の係合部46bは、ラチェットレバー44の係合凹部44b,44bに係合するが、係合凹部44b,44bに接する面は円形、好ましくは真円形状に形成されている。これにより、ラチェットレバー44の移動に安定して追従してラチェット46を回動させることが可能となる。なお、ラチェット46はラチェットレバー44よりも厚みを大きくしている。このため、ラチェットレバー44からラチェット46が外れることを防止できる。
【0041】
また、図12で示すように、ラチェット46の回転孔46aの中心と、ラチェットレバー44の係合凹部44bに係合する係合部46bの中心との距離X1が、ラチェット46の回転孔46aの中心と、ラッチプレート42の係合溝部42aに交差して係合するロック係合点46cの位置(図12の場合、軌跡46d)との距離Y1、よりも大きくなるように形成されている。これにより、ラチェット46とラッチプレート41,42の係合(ロック)を解除するときの解除荷重を下げることが可能となる。
【0042】
つまり、本実施形態では、起立状態において、ヘッドレストフレーム2に軸支されたラチェット46は、スプリング33によって傾倒方向へ付勢されており、ラッチプレート42の係合溝部42aと当接する部分において摩擦が生じている。このため、ラチェット46をラッチプレート42の係合溝部42aに位置する係合位置から、係合溝部42aから外れた非係合位置に回動するときには、摩擦抵抗がかかり、回動し難い状態となっている。
しかし、本実施形態のラチェット46は、回転孔46aの中心(支点)とラチェットレバー44により荷重が加えられる係合部46bの中心(力点)との距離X1が、回転孔46aの中心(支点)とラッチプレート42の係合溝部42aに交差して係合するロック係合点46cの位置(作用点)との距離Y1よりも大きくなるように形成されているため、少ない力でラチェット46を係合位置から非係合位置へ移動させることができる。つまり、いわゆるリンク比の設定が可能になり、これにより解除荷重の調整が可能となる。
【0043】
また、ラチェットレバー44は、ラチェット46の円形の一端側を挟み込むと共に、ラチェット46の回動を許容するように構成されていることにより、ラチェット46の一端側の係合部46bがラチェットレバー44の係合凹部44bに挟み込まれて常時係合し、ラチェット46が一つだけ回ってしまう状態を防止可能としている。つまり、ラチェット46はラチェットレバー44の動きに常に追従して円滑に回転し、誤作動を防止し、ロック手段4による切り換えを確実に行うことが可能となっている。
なお、本実施形態のラチェット46は回転孔(回転軸)46aを中心に20度〜40度の回転角度の範囲内で回動可能としている。
【0044】
ラチェット46を回転孔(回転軸)46aを中心に20度〜40度の回転角度の範囲内で回動するように構成すると、ラッチプレート41,42とラチェット46の係合位置から非係合位置への回転による係脱と、ラチェット46の回転のためのラチェットレバー44の横方向移動量を最適なものに調整することが可能となる。このようにロック手段4による、操作に関する移動量を調整することが可能となる。
【0045】
図14は樹脂製のカバー材7の組付状態を示すものであり、支持部材としてのピラー1、フレームとしてのヘッドレストフレーム2、ヘッドレストフレーム付勢手段3、ロック手段4等を組み付けた後で、カバー材7で覆うものである。カバー材7は、前後カバー部材70を構成する前カバー部材71及び後カバー部材72と、ガーニッシュ73と、表皮止めカバー部材74とからなる。
【0046】
前カバー部材71と後カバー部材72は、ピラー1の横軸部12にヘッドレストフレーム2、ヘッドレストフレーム付勢手段3、ロック手段4等を組み付けたものを前後方向から挟み込んでいる。なお、図2及び図3に示すように、前後カバー部材70の底面部には、ピラー1の脚部11を挿通する挿通部70aが形成されている。
【0047】
図14乃至16はカバー材7を示すものであり、図17はヘッドレストの横断面を示す概略断面図である。図14に示すように、前後カバー部材70のラチェットレバー44の配置位置には、ラチェットレバー44の端部を延出可能とした穴70bが形成されている。なお、前カバー部材71には突起部71eが形成されており、ヘッドレストフレーム2を前カバー部材71に配設したときに、突起部71eがメインフレーム21に形成された貫通孔21kに嵌合する。さらに、前カバー部材71に形成された係合爪71fがメインフレーム21の折り曲げ壁部21cの端部に係合し、ヘッドレストフレーム2が前カバー部材71に装着される。
【0048】
後カバー部材72には係合突起72jが形成されており、係合突起72jが、前カバー部材71の嵌入孔(不図示)に嵌入することにより、前カバー部材71と後カバー部材72が組み付けられる。
【0049】
また、前カバー部材71及び後カバー部材72の対向する側の外周には、一方側に凹部が形成され、他方側に突起部が形成されて、凹部に突起部が嵌合するようにして構成されている。なお、本実施形態では、前カバー部材71に凹部71hが形成され、後カバー部材72に突起部72hが形成されており、前カバー部材71の凹部71hに後カバー部材72の突起部72hが嵌合するように構成されている。これにより、表皮材9とカバー材7との間の空間部に発泡樹脂を注入してパッド部8を一体成形するときに、発泡樹脂がカバー材7の内部に浸入するのを防ぐことができ、ロック手段4等の支障とならないようにパッド部8を成形することが可能である。
【0050】
なお、前後カバー部材70には、張り出し部71aが形成されており、メインフレーム21に形成された張り出し部21gと当接している。また、前後カバー部材70には、その内側下部に突出部71dが形成され、ヘッドレストフレーム2のメインフレーム21と当接している。
【0051】
また、前カバー部材71及び後カバー部材72には、ボス部71b,72bが形成されている。そして、ヘッドレストフレーム2が、その前後面に配置されたボス部71b,72bによって固定されることにより、ヘッドレストフレーム2のガタ付きを防止することができる。
【0052】
さらに、前カバー部材71及び後カバー部材72には、その内側上部に縦リブ71c,72cが形成されており、上方荷重に対する強度を確保することが可能となっている。また、縦リブ71c,72cのスペースを変更することにより、同じ大きさのヘッドレストフレームを流用して、ヘッドレストHRのサイズを任意の大きさに変更することができ、汎用性に優れたものとすることができる。
【0053】
このように、本実施形態では、前カバー部材71及び後カバー部材72に、ボス部71b,72bや縦リブ71c,72cが形成されていることにより、荷重入力に対する強度を確保し、ヘッドレストHRを撓みの少ないものとすることができる。
【0054】
本実施形態の表皮材9は、前後カバー部材70を覆うものであり、一端側が開口した袋状に形成されている。そして、ヘッドレストフレーム2等の各種部材を挟んで嵌合した前後カバー部材70が表皮材9の開口部から挿入され、前後カバー部材70の挿通部70aは表皮止めカバー部材74によって閉口される。これにより、表皮材9の開口側の端末部91が表皮止めカバー部材74によって覆われ、端末部91が前後カバー部材70と表皮止めカバー部材74との間で挟持される。
【0055】
表皮止めカバー部材74は、略板状の本体部74bと、ピラー1の脚部11を挿通する筒状部74cとから構成されている。また、表皮止めカバー部材には、複数の係合爪74aが形成されており、図2及び図3に示すように、係合爪74aを前後カバー部材70の挿通部70aの周縁に係合させることにより、表皮材9の端末部91が前後カバー部材70の底面と表皮止めカバー部材74の上面との間で挟持されている。
【0056】
つまり、表皮材9の端末部91は前後カバー部材70の底面と表皮止めカバー部材74の本体部74bの上面との間で挟み込まれることになり、カバー材7に複雑な形状を形成することなく、カバー材同士で容易に表皮材9を挟み込むことができる。これにより、カバー構造を単純化することができ、生産作業効率を向上させることが可能である。また、表皮止めカバー部材74が外側へ出っ張ることがなく、良好な外観を得ることができる。
【0057】
なお、前後カバー部材70には、ラチェットレバー44の端部を囲むような中空の筒状フランジ部70cが形成されている。この筒状フランジ部70cには、ガーニッシュ73が配設されるが、この筒状フランジ部70cとガーニッシュ73との間に表皮材9の端部を挟み込んで端部処理を行なっている。そして、筒状フランジ部70cとガーニッシュ73で形成される空間からラチェットレバー44の端部44eが延出し、この端部44eには操作つまみ47が取着される。そして、前記したように、スプリング45によってラチェットレバー44の移動係止部44cは斜め下方に付勢されているので、操作つまみ47は、ガーニッシュ73との間で最も近接或いは接触して、規制されることになる。なお、前カバー部材71及び後カバー部材72のガーニッシュ73が配設される箇所には、係合突起71g,72gが形成されており、係合突起71g,72gがガーニッシュ73に形成された係合孔73aと係合してガーニッシュ73が嵌合される。
【0058】
そして、カバー材7と表皮材9を組付けたものを金型のキャビティに配置して、カバー材7と表皮材9との間の空間部に発泡樹脂を注入して発泡させることにより、パッド材8が表皮材9及びカバー材7と一体に発泡成形される。このように、カバー材同士で表皮材を挟み込んでいることにより、カバー材7と表皮材9との間に発泡樹脂を注入して、パッド材8を表皮材9及びカバー材7と一体成形することができる。これにより、表皮材のカバー材に対する取り付けが容易になり、作業効率が向上し、生産性を向上させることが可能である。なお、前述したように、本実施形態では前カバー部材71と後カバー部材72が、凹部71hと突起部72hによって嵌合しているため、発泡樹脂がカバー材7の内部に浸入するのを防止している。
【0059】
前記本実施形態においては、前後カバー部材70の側面下端部が内側(ピラー1側)へ折り曲がるように形成されている例を示したが、図18に示されるように、前後カバー部材70の側面下端部は外側(ピラー1と反対側)へ折り曲がるように形成されていてもよい。
【0060】
次に上記構成からなるヘッドレストHRの動作について説明する。
ヘッドレストHRは、ヘッドレストフレーム2がピラー1の横軸部12に回動自在に取付けられると共に、ロック手段4により固定されているから、通常時のヘッドレストHRは、起立状態で衝撃を受けたとき着座者の頭部を保護することができる。
【0061】
つまり、背凭シートS2の上部に装着されるピラー1には横軸部12があり、このピラー1の横軸部12とヘッドレストフレーム2が回動可能に係合されている。そして、ヘッドレストフレーム2は常時にはヘッドレストフレーム付勢手段3により、傾倒するように付勢されているが、起立状態の場合には、ヘッドレストフレーム2とピラー1との間に設けられたロック手段4により、傾倒がロックされた状態となっている。この起立状態が図5乃至8で示される。このため図2で示すようにヘッドレストHRは起立状態となっている。
【0062】
ロック手段4は、ラチェットレバー44の摺動によりラチェット46の一端側の係合部46bが押されると、ラチェット46が回転軸を中心に回動し、ラチェット46の他端側のロック係合点46cがラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに対して交差する方向に移動する。
起立状態の場合には、ラチェット46が係合溝部41a,42a内に位置してラッチプレート41,42に当接し、ピラー1とヘッドレストフレーム2がロック状態となり、ヘッドレストHRの起立状態が保持される。
【0063】
そして、ラチェットレバー44をラチェットレバー付勢手段45に抗して操作することにより、ラチェット46の一端側の係合部46bが押され、ラチェット46が回転軸を中心に回動するために、ラチェット46が係合溝部41a,42aから退避し、ラチェット46が、ラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aから外れる。このとき、常時にはヘッドレストフレーム付勢手段3であるスプリング33が、ヘッドレストフレーム2を傾倒方向へ付勢しているので、ヘッドレストHRは横軸部12を中心に傾倒して格納状態となる。
【0064】
上述のように、背凭シートS2に対して起立させた頭部支持状態と、該頭部支持状態から傾倒して格納状態とするときに、本発明では、ロック手段4として、ラチェットレバー44と、ラッチプレート41,42と、ラチェット46とを用いており、一端側がラチェットレバー44の係合凹部44bに係合し、他端側がラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに交差して係合可能なラチェット46を介して、係合位置と非係合位置に切り替えているので、ロック手段4そのものが巾を取らずにコンパクトに構成することができる。しかも、ラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aの少なくとも一つは、上端側が巾狭く形成されているので、ラッチプレート42とラチェット46の接点がピラー1の横軸部12から接点が離れることになり、ロックを解除するときの後方からのヘッドレストフレーム付勢手段3(スプリング33)の付勢力による解除荷重を下げることが可能である。
【0065】
また、ラチェットレバー付勢手段45により、常時には、ラチェットレバー44がラチェット46をラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに係合する方向に付勢されており、ラチェットレバー44をラチェットレバー付勢手段45に抗して操作することにより、ラチェット46が係合溝部41a,42aから外れ、ヘッドレストフレーム付勢手段3により、ヘッドレストフレーム2が格納状態へ傾倒するのでヘッドレストHRが傾倒する。このため一つの操作(ワンアクション)でロック解除の操作することが可能である。
【0066】
さらに、ラチェットレバー44の係合凹部44bに接触するラチェット46の一端側を円形にすることにより、ラチェットレバー44の移動に対して、ラチェット46がラチェットレバー44の係合凹部44b内で円滑に回転して、ラチェット46がラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aと係脱することが可能となり、正確なロックの解除操作ができる。
【0067】
なお、格納状態のヘッドレストHRを起立状態にする場合には、常時にはラチェットレバー44がラチェットレバー付勢手段(スプリング)45により付勢されて、ラチェット46がラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに係合する方向に付勢されているので、ヘッドレストHRを手動によって起立させると、ラチェット46が回動してロック係合点46cがラッチプレート41,42の係合溝部41a,42aに係合してロック状態となる。
【0068】
前記実施形態においては、ピラー1、ロック手段4のラッチプレート41,42、ラチェット46をそれぞれ2つにしているが、一つでもよく或いは3つ以上あってもよい。またこれに応じて、ラチェットレバー44の係合凹部44bも一つ或いは複数形成することができるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】背凭シート及びヘッドレストを備えた座席の斜視図である。
【図2】図1のA―A線断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】ヘッドレストフレームとロック手段の分解斜視図である。
【図5】ピラーを組み付けたヘッドレストフレームとロック手段の頭部に接する側からみた斜視図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図5の背面図である。
【図8】ロック手段の説明図である。
【図9】図6のB―B線断面図である。
【図10】ピラーの斜視図である。
【図11】ラチェットレバーの斜視図である。
【図12】ラチェットの平面図である。
【図13】ラッチプレートの側面図である。
【図14】カバーの一部分解斜視図である。
【図15】前カバー部材の正面図である。
【図16】後カバー部材の正面図である。
【図17】ヘッドレストの横断面を示す概略断面図である。
【図18】別の例を示す図17と同様な断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ピラー
2 ヘッドレストフレーム
3 ヘッドレストフレーム付勢手段
4 ロック手段
7 カバー材
8 パッド材
9 表皮材
11 脚部
12 横軸部
21 メインフレーム
21a 凹部
21b カシメ部
21c 折り曲げ壁部
21d 切り欠き部
21e ボス部
21f 突出部
21g 張り出し部
21h,21i,21j 舌片
21k 貫通孔
21u 係止部
22 サブフレーム
22a 凹部
22b カシメ部
22c 折り曲げ部
22e ボス部
22f 突出部
22k 付勢受け部
31 シャフト
32 ダンパ
33 スプリング
33a 一端
33b 他端
41,42 ラッチプレート
41a,42a 係合溝部
41b,42b 外周部
41c,42c ストッパ部
41d,42d シャフト挿通孔
41e,42e ストッパ部
42f 上端部
42g 溝底
44 ラチェットレバー
44a 板体本体
44b,44b 係合凹部
44c 移動係止部
44d 係止部
44e 端部
44f,44f 張り出し部
45 ラチェットレバー付勢手段(スプリング)
46 ラチェット
46a 回転孔
46b 係合部
46c ロック係合点
46d 軌跡
47 操作つまみ
70 前後カバー部材
70a 挿通部
70b 穴
70c 筒状フランジ部
71 前カバー部材
71a 張り出し部
71b ボス部
71c 縦リブ
71d 突出部
71e 突起部
71f 係合爪
71g 係合突起
71h 凹部
72 後カバー部材
72b ボス部
72c 縦リブ
72g,72j 係合突起
72h 突起部
73 ガーニッシュ
73a 係合孔
74 表皮止めカバー部材
74a 係合爪
74b 本体部
74c 筒状部
91 端末部
101,102 リベット
101a,102a 中央部
101b,102b カシメ部
S 車両用シート
S1 座席シート
S2 背凭シート
HR ヘッドレスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭シートに対して起立させた頭部支持状態と、該頭部支持状態から傾倒して格納状態とすることが可能なヘッドレストにおいて、
前記背凭シートの上部に装着される少なくとも脚部を有する支持部材と、
前記支持部材の脚部を挿通する挿通部を備え、前記支持部材を挟み込む前後カバー部材と、
袋状に形成され、前記前後カバー部材を覆う表皮材と、
前記前後カバー部材の挿通部を閉口して前記表皮材の開口側の端末部を挟持する表皮止めカバー部材と、
前記表皮材と前記前後カバー部材との間に注入される発泡樹脂により前記表皮材及び前記前後カバー部材と一体成形されるパッド材と、を備え、
前記表皮止めカバー部材には、複数の係合爪が形成され、該係合爪を前記挿通部の周縁に係合させることにより、前記表皮材の端末部が前記前後カバー部材の底面と前記表皮止めカバー部材の上面との間で挟み込まれていることを特徴とするヘッドレスト。
【請求項2】
前記表皮止めカバー部材は、略板状の本体部と、前記支持部材の脚部を挿通する筒状部とからなり、前記表皮材の端末部は前記前後カバー部材の底面と前記表皮止めカバー部材の本体部との間で挟み込まれていることを特徴とする請求項1記載のヘッドレスト。
【請求項3】
前記前後カバー部材には、前記支持部材と回動可能に係合されたフレームが内装され、該フレームは前記前後カバー部材に形成されたボス部により固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヘッドレスト。
【請求項4】
前記前後カバー部材は、内側上部に縦リブが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のヘッドレスト。
【請求項5】
前記前後カバー部材は、前カバー部材及び後カバー部材から構成され、対向する側の外周において、一方の側に形成された凹部に、他方の側に形成された突起部が嵌合してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のヘッドレスト。
【請求項6】
前記請求項1乃至5のいずれか記載のヘッドレストを備えた車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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