ヘッドレスト
【課題】 構造が簡単であるとともに、使い勝手が良好であり、しかも、乗員の保護性能を十分に発揮することができるヘッドレストを提供する。
【解決手段】 ステー23の上端部にパッド部22を設ける。ステー23の両脚部23aの上端部間には荷重受け部23bを、パッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率となるように形成する。パッド部22における少なくとも荷重受け部23bの前方側部分を、低反発弾性材25により形成する。その前方側部分の低反発弾性材25の厚さを、20〜40mmの範囲内に設定する。
【解決手段】 ステー23の上端部にパッド部22を設ける。ステー23の両脚部23aの上端部間には荷重受け部23bを、パッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率となるように形成する。パッド部22における少なくとも荷重受け部23bの前方側部分を、低反発弾性材25により形成する。その前方側部分の低反発弾性材25の厚さを、20〜40mmの範囲内に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の座席等に取り付けられるヘッドレストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヘッドレストとしては、例えば図14に示すような構成のものが一般的に知られている。この従来構成においては、ステー41の上端部にパッド部42が設けられている。このパッド部42は、袋状をなす表皮43の内部にステー41を挿入するとともに、発泡ウレタン等の発泡原料を充填発泡させて発泡弾性材44を成形することにより、所定形状となるように形成されている。
【0003】
ところが、この従来構成のヘッドレストにおいては、パッド部42の内部全体が軟質の発泡弾性材44で形成されているため、このヘッドレストを装備した車両において、後方衝突(車両後部に対する後方からの衝突)が発生した場合、図14に鎖線で示すように、パッド部42の表面部が乗員の後頭部との接触により大きく沈み込む。また、その後に発泡弾性材44の弾性反発力により、沈み込んだパッド部42の表面部が復元して、乗員の頭部が前方側に大きく跳ね返る。このため、乗員の保護性能を十分に発揮することができないという問題があった。
【0004】
このような問題に対処するために、例えば特許文献1に開示されるようなヘッドレストも従来から提案されている。この従来構成においては、図15に示すように、ステー41と、そのステー41の上端部間に形成された硬質発泡ウレタン等の硬質材料からなる芯材45とにより、ヘッドレスト基材46が構成されている。そして、このヘッドレスト基材46を袋状の表皮43内に挿入した状態で、発泡原料を充填発泡させて発泡弾性材44を成形することにより、パッド部42が構成されている。これにより、後方衝突時におけるパッド部42の沈み込みが抑制され、その結果、乗員頭部の跳ね返りも抑制されるようになっている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載の従来構成においては、表皮43内への発泡原料の充填発泡による発泡弾性材44の成形のほかに、ステー41に対する芯材45の固定や、その芯材45の表皮43内への挿入等を行う必要がある。このため、製造が面倒でコストの高騰を招くばかりでなく、表皮43の形状等に制約が生じてデザイン性が低下したりするものであった。
【0006】
一方、例えば特許文献2及び特許文献3に開示されるようなヘッドレストも従来から提案されている。これらの従来構成においては、ステーが、同ステーの上部前端に位置する芯材部と、その芯材部の両端から平行に延びるように折り曲げ形成された取付脚部とから構成されている。芯材部の中央には荷重を受けるための屈曲部が、パッド部の前面にほぼ沿って延びるように形成されている。
【特許文献1】特開平9−85755号公報
【特許文献2】特開平9−48272号公報
【特許文献3】特開平9−51832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この特許文献2及び特許文献3に記載の従来構成においては、パッド部の前面が凸形湾曲状等の所定形状に形成されているのに対して、前記ステーの屈曲部が側面から見て直線状に延びていて、前記所定形状に沿った形状には形成されていない。このため、表皮の前面部分と屈曲部との間に介在される発泡弾性材の厚さが不均一になって、使用時の感触が悪いという問題があった。また、これらの特許文献においては、ステーの屈曲部が前述のように直線状に延びているため、その屈曲部の先端が他の部分より前方に突出している。このため、パッド部の前面部に衝撃が加わったとき、突出した先端に応力が集中することになり、言い換えれば、突出した先端が乗員頭部からの荷重を集中して受けることになり、乗員頭部にはその反力が作用する。従って、この点からも使用感や感触が損なわれるという問題もあった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、構造が簡単で安価に製作することができるとともに、使用感が良好であり、しかも、乗員の保護性能を十分に発揮することができるヘッドレストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステーの上端部にパッド部を設けたヘッドレストにおいて、前記ステーの両脚部の上端部間に設けた荷重受け部をパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成し、前記パッド部における少なくとも荷重受け部の前方側部分を低反発弾性材により形成するとともに、その前方側部分の低反発弾性材の厚さを20〜40mmの範囲内に設定したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記低反発弾性材の25%硬度を3.3〜4.3の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0013】
(作用)
この発明においては、ステーの両脚部の上端部間に荷重受け部が一体に形成されているので、ステーの上端部間に硬質材料からなる芯材を設けた従来構成に比較して、構造が簡単で製作及び組み付けを容易に行うことができ、製造コストを低減することができる。また、ステーの荷重受け部がパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、その荷重受け部の前方側に均一な厚さの弾性材が介在されて、使い勝手を良好にすることができる。さらに、荷重受け部の前方側部分に所定厚さの低反発弾性材が設けられているため、車両の後方衝突時におけるパッド部の前面部の沈み込み及び乗員頭部の跳ね返りを抑制することができて、乗員の保護性能を向上させることができる。
【0014】
前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くなるように形成すれば、車両の後方衝突時に荷重受け部にて乗員の頭部を確実に支持することができて、パッド部の沈み込みをより効果的に抑制することができる。
【0015】
前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内で設定すれば、車両の後方衝突時におけるパッド部の沈み込み及び跳ね返りを効果的に抑制することができる。
前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内で設定すれば、車両の後方衝突時におけるパッド部の沈み込み及び跳ね返りをさらに効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、この発明によれば、構造が簡単で安価に製作することができるとともに、使用感が良好であり、しかも、乗員の保護性能を十分に発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態のヘッドレスト21は、パッド部22と、そのパッド部22内に上端部である基端部を埋設してなるステー23とから構成されている。ステー23は、所定間隔をおいて平行に延びる一対の脚部23aと、それらの脚部23aの上端部間に形成された荷重受け部23bとにより、正面形ほぼ逆U字状となるように形成されている。パッド部22は、袋状をなす表皮24の前方側内面に低反発弾性材25を接合するとともに、表皮24内にステー23を挿入し、それらを図示しない成形型にセットした状態で、表皮24内に発泡ウレタン等の発泡原料を注入充填して発泡膨張させることにより、発泡弾性材26と低反発弾性材25とを表皮24と一体に成形した構成になっている。
【0018】
前記表皮24は、例えば所定形状に裁断した周面表皮材24aをその両端縁において筒状に縫着するとともに、その周面表皮材24aの両側に一対の側面表皮材24b,24cを縫着して、全体として袋状となるように形成されている。表皮24の底部中央には、発泡原料を注入充填するための開口部27が形成されている。開口部27の両側近傍に位置するように、表皮24の底部両側には、ステー23の両脚部23aを挿通するための一対の挿通孔28が形成されている。
【0019】
図1〜図3に示すように、前記ステー23の荷重受け部23bは、両脚部23aの上端部に前側上方へ向かって傾斜する連結部23cを介して一体に形成されている。また、この荷重受け部23bは、パッド部22の側方から見た場合、パッド部22の凸形湾曲状の前面形状にほぼ沿った曲率となるように、湾曲状に形成されている。そして、この荷重受け部23bと表皮24の周面表皮材24aの前面部分との間に、前記低反発弾性材25が介在されている。
【0020】
以上のように、この実施形態のヘッドレスト21においては、図2に示すように、前記ステー23の荷重受け部23bがパッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、パッド部22の前面と荷重受け部23bとの間の距離がほぼ一定となり、パッド部22の前面全体が均一な感触となって使用感が向上する。加えて、その荷重受け部23bと表皮24の前面部との間に均一な厚さの低反発弾性材25が介在されている。そのため、車両に対して後方衝突が発生した場合、図14に示す従来構成とは異なり、パッド部22の前面部が乗員の頭部との接触により大きく沈み込んだり、その後に乗員頭部が前方側へ大きく跳ね返ったりするのを抑制することができる。よって、乗員の保護性能を十分に発揮することができる。
【0021】
また、ステー23の両脚部23aの上端部間に荷重を受け止めるための荷重受け部23bが一体に形成されている。このため、図15に示すように、ステーの上端部間に硬質材料からなる芯材を設けて、ヘッドレスト基材を形成した従来構成に比較して、部品点数が少なく、構造が簡単であるとともに、製作及び組み付けを容易に行うことができるばかりでなく、表皮24のデザイン上の制約を抑制できる。よって、製造コストを低減することができるとともに、商品価値を高めることができる。
【0022】
ちなみに、図2に示すように、前記低反発弾性材25の厚さTは、20〜40mmの範囲内に設定されている。すなわち、この低反発弾性材25の厚さTを変更して、車両の後方衝突時における性能評価を行ったところ、表1に示すような結果が得られた。その評価結果からして、低反発弾性材25の厚さTを20〜40mmの範囲内に設定した場合に、性能評価及び官能評価を含む総合評価において、好ましい結果を得ることができた。さらに、低反発弾性材25の厚さTを25〜35mmの範囲内に設定した場合には、より好ましい結果を得ることができる。
【0023】
【表1】
さらに、前記低反発弾性材25の25%硬度は、3.3〜5.0kPaの範囲内のいずれかの値が好ましく、3.8〜4.4kPaの範囲内のいずれかの値がより好ましい。25%硬度が3.3未満では、後方衝突にともなって乗員頭部がパッド部22に衝突したときに、柔らかすぎて頭部がステーに当たってしまう可能性があり、25%硬度が5.0を越えると硬すぎて感触がよくない。低反発弾性材25の反発弾性率は20〜35%の範囲内のいずれかの値が好ましく、25〜30%の範囲内のいずれかの値がより好ましい。反発弾性率が20%未満では、後方衝突時に身体がシートの反発により車体前方に移動するが、頭部はパッド部22にめり込んだ位置とどまるため、身体と頭部との位置関係がアンバランスになってしまい、35%越えると頭部に対する反発力が大きくなって好ましくない。なお、表2に記載された数値は、JIS K6400による試験方法によって求められたものであり、25%硬度は、同K6400のA法、反発弾性率はB法による。
【0024】
【表2】
以上に述べた第1実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
【0025】
・ ステー23の荷重受け部23bがパッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、パッド部22の前面全体が均一な感触となって使用感が向上する。
・ 荷重受け部23bと表皮24の前面部との間に均一な厚さの低反発弾性材25が介在されているため、乗員頭部をうけるパッド部22の前面部が大きく沈み込んだり、前方側へ大きく跳ね返ったりするのを抑制することができ、十分な保護性能を得ることができる。
【0026】
・ ステー23の上端部間に芯材を設けた構成ではないため、構造が簡単であるとともに、製作及び組み付けを容易に行うことができる。
・ 芯材を設ける場合と異なり、パッド部22がデザイン面での制約を受けず、良好なデザインのパッド部22とすることができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態においては、第1実施形態と異なる構成,作用及び効果を中心に説明する。
【0028】
この第2実施形態においては、図4に示すように、ステー23の荷重受け部23bの幅W1が両脚部23a間の幅W2よりも狭くなるように形成されている。そのため、車両の後方衝突時等において、この荷重受け部23bにより乗員の頭部を確実に支持することができる。すなわち、荷重受け部23bの幅が狭いため、頭部が小さめの乗員であっても、その頭部を有効に支持することができる。なお、荷重受け部23bの間隔(ステー23の荷重受け部23bを構成する部分の中心間距離)は、70〜130mm程度がよい。
【0029】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態においては、図5に示すように、ステー23の荷重受け部23bの中央に正面形ほぼV字状の屈曲部23dが形成されている。そのため、この第3実施形態においても、前記第2実施形態と同様に、頭部が小さめの乗員であっても、車両の後方衝突時等において、この屈曲部23dにより乗員の頭部を確実に支持することができる。なお、屈曲部23dの側面形状もパッド部22の前面の曲率に沿った曲率を有するように構成される。
【0030】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を中心に説明する。
この第4実施形態においては、図6及び図7に示すように、ステー23の荷重受け部23bの前面側に金属あるいは合成樹脂よりなる網体31が張設固定されている。そのため、第2、第3実施形態と同様に、車両の後方衝突時等において、この網体31により乗員の頭部を確実に支持することができる。特に、この第4実施形態においては、網体31により、前方からの荷重衝撃を緩和しながら受けることができ、乗員保護に有効である。
【0031】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を説明する。
さて、この第5実施形態においては、図8及び図9に示すように、ステー23の荷重受け部23bの両側部間に支持バー32が架設されて、溶接により固定されている。そのため、車両の後方衝突時等においては、この支持バー32により乗員の頭部を確実に支持することができる。
【0032】
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を説明する。
さて、この第6実施形態においては、図10及び図11に示すように、ステー23の荷重受け部23bが両脚部23aの上端部から前側下方に向かって、側面形ほぼ逆U字状をなすように、かつ前面形状にほぼ沿った曲率となるように、湾曲形成されている。そして、その荷重受け部23bの幅が下端部側に向かって次第に狭くなるように形成されている。そのため、この第6実施形態においては、前記第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、この第6実施形態においては、荷重受け部23bがその全体において適度の弾性を有するため、衝撃吸収機能に優れる。
【0033】
(第7実施形態)
次に、この発明の第7実施形態を説明する。
さて、この第7実施形態においては、図12に示すように、パッド部22が側面形逆U字状をなすように形成されている。また、ステー23の荷重受け部23bが両脚部23aの上端部から前側下方に向かって、側面形ほぼ逆U字状をなすように湾曲形成されている。さらに、パッド部22における荷重受け部23bの前方側部分を含めて、パッド部22の内部全体が低反発弾性材25にて形成されている。そのため、この第7実施形態においても、前記第6実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、この第7実施形態においては、パッド部22全体が低反発弾性材25により構成されているため、部品点数が少なくなり、製造が簡単になる。
【0034】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図13に示すように、前記第6及び第7実施形態において、ステー23の荷重受け部23bの中央部に屈曲部23dを形成すること。この場合も、屈曲部23dの側面形状は、パッド部22の前面の曲率に沿った曲率を有するように構成される。
【0035】
・ 前記第4実施形態において、ステー23の荷重受け部23bの前面側に、網体31に代えて、金属あるいは合成樹脂よりなる板材を張設配置すること。
・ 前記第1〜第6実施形態において、ステー23の上端部に発泡弾性材26を形成し、その発泡弾性材26の前面に所定厚さの低反発弾性材25を接着固定し、それら弾性材25,26の外周に表皮24を被覆装着して、パッド部22を形成すること。このような構成は、表皮24がレザー等で形成されている場合にように、発泡弾性材26と表皮24とが別体の場合に都合がよい。
【0036】
・ 前記第1〜第6実施形態において、パッド部22における荷重受け部23bの前方側部分を含めて、パッド部22の内部全体を低反発弾性材25にて形成すること。
・ 前記各実施形態において、パッド部22の前面が側方から見て直線状に延びる場合、ステー23の荷重受け部23bをパッド部22の前面形状に沿って直線状に延びるように形成すること。
【0037】
・ 前記各実施形態において、パッド部22の前面が上方から見て凹面湾曲状に形成されている場合、ステー23の荷重受け部23bをパッド部22の前面形状に沿って湾曲状に延びるように形成すること。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1実施形態のヘッドレストを示す一部破断斜視図。
【図2】図1のヘッドレストの断面図。
【図3】図1のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図4】第2実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図5】第3実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図6】第4実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図7】図6のステーの側面図。
【図8】第5実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図9】図8のステーの側面図。
【図10】第6実施形態のヘッドレストを示す断面図。
【図11】図10のヘッドレストにおけるステーを示す斜視図。
【図12】第7実施形態のヘッドレストを示す断面図。
【図13】図10または図12のヘッドレストにおけるステーの変更例を示す斜視図。
【図14】従来のヘッドレストを示す断面図。
【図15】従来のヘッドレストの別の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
21…ヘッドレスト、22…パッド部、23…ステー、23a…脚部、23b…荷重受け部、24…表皮、25…低反発弾性材、26…発泡弾性材、T…厚さ、W1…幅、W2…幅。
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の座席等に取り付けられるヘッドレストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヘッドレストとしては、例えば図14に示すような構成のものが一般的に知られている。この従来構成においては、ステー41の上端部にパッド部42が設けられている。このパッド部42は、袋状をなす表皮43の内部にステー41を挿入するとともに、発泡ウレタン等の発泡原料を充填発泡させて発泡弾性材44を成形することにより、所定形状となるように形成されている。
【0003】
ところが、この従来構成のヘッドレストにおいては、パッド部42の内部全体が軟質の発泡弾性材44で形成されているため、このヘッドレストを装備した車両において、後方衝突(車両後部に対する後方からの衝突)が発生した場合、図14に鎖線で示すように、パッド部42の表面部が乗員の後頭部との接触により大きく沈み込む。また、その後に発泡弾性材44の弾性反発力により、沈み込んだパッド部42の表面部が復元して、乗員の頭部が前方側に大きく跳ね返る。このため、乗員の保護性能を十分に発揮することができないという問題があった。
【0004】
このような問題に対処するために、例えば特許文献1に開示されるようなヘッドレストも従来から提案されている。この従来構成においては、図15に示すように、ステー41と、そのステー41の上端部間に形成された硬質発泡ウレタン等の硬質材料からなる芯材45とにより、ヘッドレスト基材46が構成されている。そして、このヘッドレスト基材46を袋状の表皮43内に挿入した状態で、発泡原料を充填発泡させて発泡弾性材44を成形することにより、パッド部42が構成されている。これにより、後方衝突時におけるパッド部42の沈み込みが抑制され、その結果、乗員頭部の跳ね返りも抑制されるようになっている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載の従来構成においては、表皮43内への発泡原料の充填発泡による発泡弾性材44の成形のほかに、ステー41に対する芯材45の固定や、その芯材45の表皮43内への挿入等を行う必要がある。このため、製造が面倒でコストの高騰を招くばかりでなく、表皮43の形状等に制約が生じてデザイン性が低下したりするものであった。
【0006】
一方、例えば特許文献2及び特許文献3に開示されるようなヘッドレストも従来から提案されている。これらの従来構成においては、ステーが、同ステーの上部前端に位置する芯材部と、その芯材部の両端から平行に延びるように折り曲げ形成された取付脚部とから構成されている。芯材部の中央には荷重を受けるための屈曲部が、パッド部の前面にほぼ沿って延びるように形成されている。
【特許文献1】特開平9−85755号公報
【特許文献2】特開平9−48272号公報
【特許文献3】特開平9−51832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この特許文献2及び特許文献3に記載の従来構成においては、パッド部の前面が凸形湾曲状等の所定形状に形成されているのに対して、前記ステーの屈曲部が側面から見て直線状に延びていて、前記所定形状に沿った形状には形成されていない。このため、表皮の前面部分と屈曲部との間に介在される発泡弾性材の厚さが不均一になって、使用時の感触が悪いという問題があった。また、これらの特許文献においては、ステーの屈曲部が前述のように直線状に延びているため、その屈曲部の先端が他の部分より前方に突出している。このため、パッド部の前面部に衝撃が加わったとき、突出した先端に応力が集中することになり、言い換えれば、突出した先端が乗員頭部からの荷重を集中して受けることになり、乗員頭部にはその反力が作用する。従って、この点からも使用感や感触が損なわれるという問題もあった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、構造が簡単で安価に製作することができるとともに、使用感が良好であり、しかも、乗員の保護性能を十分に発揮することができるヘッドレストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステーの上端部にパッド部を設けたヘッドレストにおいて、前記ステーの両脚部の上端部間に設けた荷重受け部をパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成し、前記パッド部における少なくとも荷重受け部の前方側部分を低反発弾性材により形成するとともに、その前方側部分の低反発弾性材の厚さを20〜40mmの範囲内に設定したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記低反発弾性材の25%硬度を3.3〜4.3の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内としたことを特徴とするものである。
【0013】
(作用)
この発明においては、ステーの両脚部の上端部間に荷重受け部が一体に形成されているので、ステーの上端部間に硬質材料からなる芯材を設けた従来構成に比較して、構造が簡単で製作及び組み付けを容易に行うことができ、製造コストを低減することができる。また、ステーの荷重受け部がパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、その荷重受け部の前方側に均一な厚さの弾性材が介在されて、使い勝手を良好にすることができる。さらに、荷重受け部の前方側部分に所定厚さの低反発弾性材が設けられているため、車両の後方衝突時におけるパッド部の前面部の沈み込み及び乗員頭部の跳ね返りを抑制することができて、乗員の保護性能を向上させることができる。
【0014】
前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くなるように形成すれば、車両の後方衝突時に荷重受け部にて乗員の頭部を確実に支持することができて、パッド部の沈み込みをより効果的に抑制することができる。
【0015】
前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内で設定すれば、車両の後方衝突時におけるパッド部の沈み込み及び跳ね返りを効果的に抑制することができる。
前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内で設定すれば、車両の後方衝突時におけるパッド部の沈み込み及び跳ね返りをさらに効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、この発明によれば、構造が簡単で安価に製作することができるとともに、使用感が良好であり、しかも、乗員の保護性能を十分に発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態のヘッドレスト21は、パッド部22と、そのパッド部22内に上端部である基端部を埋設してなるステー23とから構成されている。ステー23は、所定間隔をおいて平行に延びる一対の脚部23aと、それらの脚部23aの上端部間に形成された荷重受け部23bとにより、正面形ほぼ逆U字状となるように形成されている。パッド部22は、袋状をなす表皮24の前方側内面に低反発弾性材25を接合するとともに、表皮24内にステー23を挿入し、それらを図示しない成形型にセットした状態で、表皮24内に発泡ウレタン等の発泡原料を注入充填して発泡膨張させることにより、発泡弾性材26と低反発弾性材25とを表皮24と一体に成形した構成になっている。
【0018】
前記表皮24は、例えば所定形状に裁断した周面表皮材24aをその両端縁において筒状に縫着するとともに、その周面表皮材24aの両側に一対の側面表皮材24b,24cを縫着して、全体として袋状となるように形成されている。表皮24の底部中央には、発泡原料を注入充填するための開口部27が形成されている。開口部27の両側近傍に位置するように、表皮24の底部両側には、ステー23の両脚部23aを挿通するための一対の挿通孔28が形成されている。
【0019】
図1〜図3に示すように、前記ステー23の荷重受け部23bは、両脚部23aの上端部に前側上方へ向かって傾斜する連結部23cを介して一体に形成されている。また、この荷重受け部23bは、パッド部22の側方から見た場合、パッド部22の凸形湾曲状の前面形状にほぼ沿った曲率となるように、湾曲状に形成されている。そして、この荷重受け部23bと表皮24の周面表皮材24aの前面部分との間に、前記低反発弾性材25が介在されている。
【0020】
以上のように、この実施形態のヘッドレスト21においては、図2に示すように、前記ステー23の荷重受け部23bがパッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、パッド部22の前面と荷重受け部23bとの間の距離がほぼ一定となり、パッド部22の前面全体が均一な感触となって使用感が向上する。加えて、その荷重受け部23bと表皮24の前面部との間に均一な厚さの低反発弾性材25が介在されている。そのため、車両に対して後方衝突が発生した場合、図14に示す従来構成とは異なり、パッド部22の前面部が乗員の頭部との接触により大きく沈み込んだり、その後に乗員頭部が前方側へ大きく跳ね返ったりするのを抑制することができる。よって、乗員の保護性能を十分に発揮することができる。
【0021】
また、ステー23の両脚部23aの上端部間に荷重を受け止めるための荷重受け部23bが一体に形成されている。このため、図15に示すように、ステーの上端部間に硬質材料からなる芯材を設けて、ヘッドレスト基材を形成した従来構成に比較して、部品点数が少なく、構造が簡単であるとともに、製作及び組み付けを容易に行うことができるばかりでなく、表皮24のデザイン上の制約を抑制できる。よって、製造コストを低減することができるとともに、商品価値を高めることができる。
【0022】
ちなみに、図2に示すように、前記低反発弾性材25の厚さTは、20〜40mmの範囲内に設定されている。すなわち、この低反発弾性材25の厚さTを変更して、車両の後方衝突時における性能評価を行ったところ、表1に示すような結果が得られた。その評価結果からして、低反発弾性材25の厚さTを20〜40mmの範囲内に設定した場合に、性能評価及び官能評価を含む総合評価において、好ましい結果を得ることができた。さらに、低反発弾性材25の厚さTを25〜35mmの範囲内に設定した場合には、より好ましい結果を得ることができる。
【0023】
【表1】
さらに、前記低反発弾性材25の25%硬度は、3.3〜5.0kPaの範囲内のいずれかの値が好ましく、3.8〜4.4kPaの範囲内のいずれかの値がより好ましい。25%硬度が3.3未満では、後方衝突にともなって乗員頭部がパッド部22に衝突したときに、柔らかすぎて頭部がステーに当たってしまう可能性があり、25%硬度が5.0を越えると硬すぎて感触がよくない。低反発弾性材25の反発弾性率は20〜35%の範囲内のいずれかの値が好ましく、25〜30%の範囲内のいずれかの値がより好ましい。反発弾性率が20%未満では、後方衝突時に身体がシートの反発により車体前方に移動するが、頭部はパッド部22にめり込んだ位置とどまるため、身体と頭部との位置関係がアンバランスになってしまい、35%越えると頭部に対する反発力が大きくなって好ましくない。なお、表2に記載された数値は、JIS K6400による試験方法によって求められたものであり、25%硬度は、同K6400のA法、反発弾性率はB法による。
【0024】
【表2】
以上に述べた第1実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
【0025】
・ ステー23の荷重受け部23bがパッド部22の前面形状にほぼ沿う曲率に形成されているため、パッド部22の前面全体が均一な感触となって使用感が向上する。
・ 荷重受け部23bと表皮24の前面部との間に均一な厚さの低反発弾性材25が介在されているため、乗員頭部をうけるパッド部22の前面部が大きく沈み込んだり、前方側へ大きく跳ね返ったりするのを抑制することができ、十分な保護性能を得ることができる。
【0026】
・ ステー23の上端部間に芯材を設けた構成ではないため、構造が簡単であるとともに、製作及び組み付けを容易に行うことができる。
・ 芯材を設ける場合と異なり、パッド部22がデザイン面での制約を受けず、良好なデザインのパッド部22とすることができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態においては、第1実施形態と異なる構成,作用及び効果を中心に説明する。
【0028】
この第2実施形態においては、図4に示すように、ステー23の荷重受け部23bの幅W1が両脚部23a間の幅W2よりも狭くなるように形成されている。そのため、車両の後方衝突時等において、この荷重受け部23bにより乗員の頭部を確実に支持することができる。すなわち、荷重受け部23bの幅が狭いため、頭部が小さめの乗員であっても、その頭部を有効に支持することができる。なお、荷重受け部23bの間隔(ステー23の荷重受け部23bを構成する部分の中心間距離)は、70〜130mm程度がよい。
【0029】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態においては、図5に示すように、ステー23の荷重受け部23bの中央に正面形ほぼV字状の屈曲部23dが形成されている。そのため、この第3実施形態においても、前記第2実施形態と同様に、頭部が小さめの乗員であっても、車両の後方衝突時等において、この屈曲部23dにより乗員の頭部を確実に支持することができる。なお、屈曲部23dの側面形状もパッド部22の前面の曲率に沿った曲率を有するように構成される。
【0030】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を中心に説明する。
この第4実施形態においては、図6及び図7に示すように、ステー23の荷重受け部23bの前面側に金属あるいは合成樹脂よりなる網体31が張設固定されている。そのため、第2、第3実施形態と同様に、車両の後方衝突時等において、この網体31により乗員の頭部を確実に支持することができる。特に、この第4実施形態においては、網体31により、前方からの荷重衝撃を緩和しながら受けることができ、乗員保護に有効である。
【0031】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を説明する。
さて、この第5実施形態においては、図8及び図9に示すように、ステー23の荷重受け部23bの両側部間に支持バー32が架設されて、溶接により固定されている。そのため、車両の後方衝突時等においては、この支持バー32により乗員の頭部を確実に支持することができる。
【0032】
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を説明する。
さて、この第6実施形態においては、図10及び図11に示すように、ステー23の荷重受け部23bが両脚部23aの上端部から前側下方に向かって、側面形ほぼ逆U字状をなすように、かつ前面形状にほぼ沿った曲率となるように、湾曲形成されている。そして、その荷重受け部23bの幅が下端部側に向かって次第に狭くなるように形成されている。そのため、この第6実施形態においては、前記第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、この第6実施形態においては、荷重受け部23bがその全体において適度の弾性を有するため、衝撃吸収機能に優れる。
【0033】
(第7実施形態)
次に、この発明の第7実施形態を説明する。
さて、この第7実施形態においては、図12に示すように、パッド部22が側面形逆U字状をなすように形成されている。また、ステー23の荷重受け部23bが両脚部23aの上端部から前側下方に向かって、側面形ほぼ逆U字状をなすように湾曲形成されている。さらに、パッド部22における荷重受け部23bの前方側部分を含めて、パッド部22の内部全体が低反発弾性材25にて形成されている。そのため、この第7実施形態においても、前記第6実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、この第7実施形態においては、パッド部22全体が低反発弾性材25により構成されているため、部品点数が少なくなり、製造が簡単になる。
【0034】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図13に示すように、前記第6及び第7実施形態において、ステー23の荷重受け部23bの中央部に屈曲部23dを形成すること。この場合も、屈曲部23dの側面形状は、パッド部22の前面の曲率に沿った曲率を有するように構成される。
【0035】
・ 前記第4実施形態において、ステー23の荷重受け部23bの前面側に、網体31に代えて、金属あるいは合成樹脂よりなる板材を張設配置すること。
・ 前記第1〜第6実施形態において、ステー23の上端部に発泡弾性材26を形成し、その発泡弾性材26の前面に所定厚さの低反発弾性材25を接着固定し、それら弾性材25,26の外周に表皮24を被覆装着して、パッド部22を形成すること。このような構成は、表皮24がレザー等で形成されている場合にように、発泡弾性材26と表皮24とが別体の場合に都合がよい。
【0036】
・ 前記第1〜第6実施形態において、パッド部22における荷重受け部23bの前方側部分を含めて、パッド部22の内部全体を低反発弾性材25にて形成すること。
・ 前記各実施形態において、パッド部22の前面が側方から見て直線状に延びる場合、ステー23の荷重受け部23bをパッド部22の前面形状に沿って直線状に延びるように形成すること。
【0037】
・ 前記各実施形態において、パッド部22の前面が上方から見て凹面湾曲状に形成されている場合、ステー23の荷重受け部23bをパッド部22の前面形状に沿って湾曲状に延びるように形成すること。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1実施形態のヘッドレストを示す一部破断斜視図。
【図2】図1のヘッドレストの断面図。
【図3】図1のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図4】第2実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図5】第3実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図6】第4実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図7】図6のステーの側面図。
【図8】第5実施形態のヘッドレストにおけるステーを示す正面図。
【図9】図8のステーの側面図。
【図10】第6実施形態のヘッドレストを示す断面図。
【図11】図10のヘッドレストにおけるステーを示す斜視図。
【図12】第7実施形態のヘッドレストを示す断面図。
【図13】図10または図12のヘッドレストにおけるステーの変更例を示す斜視図。
【図14】従来のヘッドレストを示す断面図。
【図15】従来のヘッドレストの別の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
21…ヘッドレスト、22…パッド部、23…ステー、23a…脚部、23b…荷重受け部、24…表皮、25…低反発弾性材、26…発泡弾性材、T…厚さ、W1…幅、W2…幅。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーの上端部にパッド部を設けたヘッドレストにおいて、
前記ステーの両脚部の上端部間に設けた荷重受け部をパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成し、前記パッド部における少なくとも荷重受け部の前方側部分を低反発弾性材により形成するとともに、その前方側部分の低反発弾性材の厚さを20〜40mmの範囲内に設定したことを特徴とするヘッドレスト。
【請求項2】
前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
【請求項3】
前記低反発弾性材の25%硬度を3.3〜5.0の範囲内としたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドレスト。
【請求項4】
前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のヘッドレスト。
【請求項5】
前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のヘッドレスト。
【請求項1】
ステーの上端部にパッド部を設けたヘッドレストにおいて、
前記ステーの両脚部の上端部間に設けた荷重受け部をパッド部の前面形状にほぼ沿う曲率に形成し、前記パッド部における少なくとも荷重受け部の前方側部分を低反発弾性材により形成するとともに、その前方側部分の低反発弾性材の厚さを20〜40mmの範囲内に設定したことを特徴とするヘッドレスト。
【請求項2】
前記荷重受け部をステーの両脚部間の幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
【請求項3】
前記低反発弾性材の25%硬度を3.3〜5.0の範囲内としたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドレスト。
【請求項4】
前記低反発弾性材の反発弾性率を20〜35%の範囲内としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のヘッドレスト。
【請求項5】
前記低反発弾性材の反発弾性率を25〜30%の範囲内としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のヘッドレスト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−69286(P2006−69286A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252741(P2004−252741)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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