説明

ベッド装置

【課題】低床ベッドであっても足部のボトムが床面に当接せずにチェアポジションに位置変更できるベッド装置を提供する。
【解決手段】カバー部8が下方・上方に回転する際に、両支持アーム10、10によって引き上げられ・押出された板部9がカバー部8対して入り込む・進出するので、前記板部9がカバー部8とラップしている長さが短・長に変化するものであって、ベッドを平坦なベッドポジションから足を下方に向けられるチェアポジションに変形するときに、第1のアクチュエータ7aの作動力によって、座部のボトム5が、第1のリンク機構7によってフレーム1に対してほぼ斜め上向きに移動し、カバー部8が下向きに回転し、併せてカバー部8及び板部9のラップ長さが短くなり、足部のボトム6の長さが伸縮するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドポジションとチェアポジションとの形態に変化可能なチェアポジションベッドやボトム各部が起伏するベッド等のベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベッド装置には、ベッドポジションからチェアポジションに形態が変化可能なチェアポジションベッドがある。
【0003】
ベッドの足部を水平から垂直下向きに変化させるベッドの起伏機構が特開昭58−183115号公報(特許文献1)に開示されている。
【0004】
その種のベッドにおいては、図6(a)、(b)に示すように、各々屈曲自在に連結した背部ボトムa、腰部ボトムb、並びに足部のボトムcをベースフレーム(基枠)dに支持する構成のベッドの起伏機構を有している。ベースフレームdの足部のボトムc側に左右一対の第1の支持腕eを設け、それよりも背部ボトムa側に左右一対の第2の回動支持腕fを設けて、それぞれの支持腕e、fを腰部ボトムbに連結し、駆動手段のモータgから伸縮杆hを伸長して腰部ボトムbを斜め上に上昇させ、かつ、足部のボトムcをベースフレームdの下方に傾斜させると共に、背部ボトムaを背上げリンクiによってベースフレームdの上方に傾斜させて椅子状とし得るようにして、平面状態におけるボトムの高さを高くせずに足部のボトムの下端が病室等の床面に当接しないようにしたものである。
【0005】
また、ベッドの起伏機構に関して、特開昭58−183116号公報(特許文献2)及び実開昭58−171055号公報(特許文献3)において、特許文献1と同様に、足部のボトムの下端が病室等の床面に当接しないように足部のボトムが下方に向かうにしたがって腰部ボトムを上昇させている。なお、特許文献3では、ベッドの起伏機構に関して、操作つまみの操作によって容易に足部のボトムが取り外せるようにしている。
【0006】
しかしながら、これら従来のベッドでは、椅子状(チェアポジション)にするため、足部のボトムが垂直に下がり、フロアとの干渉を避けるためにベッドの高さ(床面からボトムまでの高さ)がある程度(例えば400mm前後)が必要であった。
【0007】
また、床からの高さの関係でボトム全長をなるべく短く作って、足部のボトムと床の干渉を避ける処置をしていた(背部、腰部、足部のボトムの寸法割合の制約がある)。それでも、椅子状のときの座面高さは600mmに抑えるのが構造的に限界であった。
【0008】
また、環境が変わり、現在は、転倒・転落事故に対し安心・安全の要求が高く、ベッドを一層低床化しボトム全長を長くすることが望まれたが、従来は提案されていない。
また、チェアポジションベッドではない、ボトム各部が起伏するベッド装置において、各部ボトムが起伏する際に使用者の位置がボトムやマットレスに対して変化し、その際に、フットボードが使用者の足に適切に位置合わせできる構造等が望まれたが、未提案であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭58−183115号公報
【特許文献2】特開昭58−183116号公報
【特許文献3】実開昭58−171055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、低床ベッドであっても足部のボトムが床面に当接せずにチェアポジションに位置変更できるベッド装置を提供するものである。
また、本発明は、ボトムが起伏してもフットボードが使用者の足に適切に位置合わせできる構造のベッド装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、フロア上に設置して、使用者用支持台が、平坦な状態のベッドポジションから、背部のボトムが上方向に、足部のボトムが下方向に向いたチェアポジションに変形可能なベッド装置において、
フロアに下部の設置部材を接しさせてフロアに平行に設置可能なフレームと、
当該フレームの上に設けた使用者用支持台における背部のボトム、座部のボトム及び足部のボトムがリンクで連結されたものであり、
座部のボトムとフレームが2対のアームを有する第1のリンク機構で連結され、
背部のボトムとフレームとの間に第2のリンク機構が設けられ、
フレームと第1のリンク機構との間に、該第1のリンク機構を駆動する第1のアクチュエータが設けられ、
第1のアクチュエータは、その駆動力によって第1のリンク機構が座部のボトムを足側のほぼ斜め上向き方向に移動させ、その座部のボトムの移動に伴って第2のリンク機構によって背部のボトムを上向きに回転させ、
足部のボトムの両側部に沿って両支持アームが延在し、該両支持アームの前端部に足部のボトムが回動自在に連結されかつフットボードが設けられると共に、該両支持アームの後端部が、前記座部のボトムの両側部から前方に延びる連結アームの前端に第1のヒンジで結合され、
前記足部のボトムの下面側にフレーム前端のローラが接して足部のボトムの移動を誘導する構成であり、
前記座部のボトム上方・下方の移動に伴って足部のボトムが下方・上方に回転する際に、両支持アームによって前記足部のボトムの長さが短・長に変化するように構成されたことを特徴とするベッド装置である。
【0012】
本発明において、前記第2のリンク機構は背部のボトムに連結するロッドを有しており、該ロッドの長さを変化させる第2のアクチュエータを設け、第2のアクチュエータの作動によって背部のボトムを足部のボトム方向に又はその反対方向に回転可能に構成されていることが好適である。
また、本発明において、前記足部のボトムは、カバー部と板部とを備えて、カバー部が板部を覆った状態でカバー部及び板部が互いにラップしており、
前記両支持アームの前端部に板部前端部が回動自在に連結され、
前記カバー部の後端が座部のボトムの前端に第2のヒンジで結合されていて、
前記座部のボトム上方・下方の移動に伴って足部のボトムが下方・上方に回転する際に、両支持アームによって前記板部がカバー部内に入り込み・引き出されて、前記板部がカバー部とラップしている長さが短・長に変化することによって前記足部のボトムの長さが短・長に変化するように構成されたことが好適である。
【0013】
本発明において、第1のヒンジの上端は、ボトム面よりも上方に位置しており、第1のヒンジの上端がベッド装置の左右に設けた柵部材の上端よりも下方に位置していることが好適である。
また、本発明において、フレームには、フレームの後部から伸縮可能な構成の伸縮フレームが設けられ、この伸縮フレームから背部のボトムに支持バーが伸びて該支持バーの先端が背部のボトムに連結されて背部のボトムを支え、伸縮フレームの頭側端部に、ヘッドボードが取り付けら、背部のボトムが起き上がると伸縮フレームが縮みヘッドボードも足側に移動するように構成されたことが好適である。
【0014】
本発明は、フロア上に設置して、使用者用支持台が、平坦な状態から、背部のボトムの頭側端が上方向に回転し、足部のボトムの足側端が下方向に回転可能なベッド装置において、
フロアに下部の設置部材を接しさせてフロアに平行に設置可能なフレームと、
当該フレームの上に設けた使用者用支持台における背部のボトム、座部のボトム及び足部のボトムがリンクで連結されたものであり、
前記足部のボトム両側部に延びる両支持アームには、該足部のボトムの前端の位置で使用者の足を載せるためのフットボードが支持固定され、かつ、足部のボトムとフットボードの間にボトム上に載せるマットレスが通過する空間が開き、その空間の先方にマットレスが当接するストッパー部が形成されていることを特徴とするベッド装置である。
【0015】
本発明おいて、前記フットボードは、両支持アームに対して位置調整可能に取り付けられていることが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のチェアポジションベッドによれば、第1のアクチュエータの駆動により、前記座部のボトム上方・下方の移動に伴って足部のボトムが下方・上方に回転する際に、両支持アームによって前記足部のボトムの長さが短・長に変化するので、低床ベッドであっても足部のボトムが床面に当接せずにチェアポジションに位置変更できる。また、その位置変更を第1のアクチュエータという一つの駆動源(例えば1モータ)で実現でき、コストを安く抑えることができる等の優れた効果を奏し得る。
【0017】
なお、本発明において、前記第2のリンク機構に背部のボトムに連結するロッドを有したものとし、該ロッドの長さを変化させる第2のアクチュエータを設けて、第2のアクチュエータの作動によって背部ボトム前方を足部方向に又はその反対方向に回転可能に構成すれば、背部ボトムの角度を所望に設定できる。
【0018】
本発明において、フレームには、フレームの後部から伸縮可能な構成の伸縮フレームが設けられ、この伸縮フレームから背部のボトムに支持バーが伸びて該支持バーの先端が背部のボトムに連結されて背部のボトムを支え、伸縮フレームの頭側端部に、ヘッドボードが取り付けられ、背部のボトムが起き上がると伸縮フレームが縮みかつヘッドボードも足側に移動するようにしたことにより、背部のボトムの背上げでベッド装置がコンパクト化する。コンパクト化によってスペースをとらなくなり、利便性が高い。
【0019】
本発明において、第1のヒンジの上端は、ボトム面よりも上方に位置しており、第1のヒンジの上端がベッド装置の左右に設けた柵部材の上端よりも下方に位置しているものにして、第1のヒンジの上端でボトム面より突出する部分は柵部材の上端よりも下方に位置させて、ベッド装置の使用者の邪魔にならないようにしている。
【0020】
本発明によれば、フットボードが支持固定され、足部のボトムとフットボードの間にボトム上に載せるマットレスが通過する空間が開き、その空間の先方にマットレスが当接するストッパー部が形成されているので、マットレスがフットボードに当たることがなく、通常のマットレスがフットボードに当たるものに比較して、フットボードの取り付け位置とマットレスの寸法に自由度が高くなる。
例えば、前記フットボードが、両支持アームに対して位置調整可能に取り付けられていれば、使用者の身長に応じて自由にフットボードの位置を設定できる。また、使用者の足裏に当接して尖足にならないような機能を発揮できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るチェアポジションベッドを斜めから見た説明図であって、(a)がフラットなベッドポジション、(b)が変形途中の中間状態、(c)がチェアポジションの各説明図である。
【図2】図1のチェアポジションベッドの側面図であって、(a)がフラットなベッドポジション、(b)が変形途中の中間状態の各説明図である。
【図3】同チェアポジションベッドのチェアポジションの説明図である。
【図4】他の実施形態に係るチェアポジションベッドの足部の拡大説明図である。
【図5】同チェアポジションベッドの使用状態説明図である。
【図6】従来のチェアポジションベッドの説明図であって、(a)がベッドポジション、(b)がチェアポジションの各説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を添付図面によって参照して説明する。
図1〜図5は実施形態に係るチェアポジションベッドである。図1(a)〜(c)は同ベッドの斜視説明図、図2(a)、(b)〜図3は同ベッドのベッドポジション、中間状態、チェアポジション状態の各説明図である。また、図4は足部の拡大説明図、図5が使用状態説明図である。
【0023】
実施形態に係るチェアポジションベッドは、患者(使用者の例)支持用に病院等で用いるベッド装置に係るもので、図1〜図3ではマットレスの図示は省略している。
図1に示すように、チェアポジションベッドは、フロア2上に設置して、患者支持台3が、平坦な状態のベッドポジションから、背部のボトム4が上方向に、足部のボトム6が下方向に向いたチェアポジションに変形可能なものである。
【0024】
また、チェアポジションベッドは、図1(c)に示すチェアポジションのとき、患者は、足を直接フロア2に着けることはできず、足部のボトム6に対して直角の角度で支持固定されているフットボード11を踏んで、ベッドから出ることが可能なものであって、フロア2に下部のキャスターを接しさせ、該フロア2に平行にフレーム1を設置可能なものである。
【0025】
また、フレーム1の上側に取り付けられた患者支持台3は、図視しないマットレスを載せて患者の背から頭を載せるための背部のボトム4、患者が腰を載せるための座部のボトム5及び患者が脚から足を載せための足部のボトム6がヒンジで連結され、フレーム1にリンクで連結された構造のものである。
【0026】
前記座部のボトム5とフレーム1は、2対のアームからなる第1のリンク機構7で連結されている。第1のアクチュエータ7aの駆動力によって第1のリンク機構7が座部のボトム5をほぼ斜め上向きに移動させる。その座部のボトム5の移動に伴って背部のボトム4が上向きに回転し、座部のボトム5が下向きに回転する。
【0027】
背部のボトム4は、第2のリンク機構4aを介しその第2のアクチュエータ4bの作動力で前方又は後方向きに回転して、角度を調整可能な構造になっている。背部のボトム4には、第2のリンク機構4aに、第2のアクチュエータ4bのロッドの先端が連結され、この第2のアクチュエータ4bの基端部の軸がフレーム1に適宜のブラケットを介して取り付けられ、第2のアクチュエータ4bのロッドを伸長させなくても、第2のアクチュエータ4bのロッドが長さ固定ロッドの役割を果たすので、第2のリンク機構4aを介して、第1のアクチュエータ7aの駆動による第1のリンク機構7の軸回転に応じて背部のボトム4を上方向きに起こす機能を有する。
【0028】
また、第2のアクチュエータ4bのロッドを短縮・伸長することで、第1のアクチュエータ7aが駆動にかかわりなく背部のボトム4が座部のボトム5と独立に後ろ向き・前向きに回転するようになっている。
また、フレーム1には、フレーム1の後部から伸縮可能な構成の伸縮フレーム1aが設けられている。この伸縮フレーム1aから背部のボトム4の下面側に支持バー1bが伸びて、背部のボトム4の第2のリンク機構4aに支持バー1bの先端が連結されて、背部のボトム4を支えている。
図示しないが、伸縮フレーム1aの頭側端部に、ヘッドボードが取り付けられている。背部のボトム4が起き上がると伸縮フレーム1aが縮みヘッドボードも足側に移動するため、ベッドの全体的な長さが短くなり、コンパクト化が図れる。
【0029】
足部のボトム6は、カバー部8と板部9とを備えており、カバー部8は板部9を覆った状態で互いにラップしている。
【0030】
足部のボトム6の両側部に延びる両支持アーム10、10は、該足部のボトム6の前端の位置で上向きにL字形状に曲がった部材(取り付け部材)11aによってフットボード11(尖足板)が足部のボトム6に対して直角の角度で支持固定されている。これら両支持アーム10、10の後端は、前記座部のボトム5の両側部から前方に延びる連結アーム5a、5aの前端に第1のヒンジ12で結合されている。図1〜3の実施形態に係るチェアポジションベッドでは、フットボード11がL字状に曲がった取り付け部材11aによってねじ結合(ボルトナット等による締着)して位置調整可能に取り付けられている。
【0031】
前記第1のヒンジ12の上端は、座部のボトム5や足部のボトム6の上面よりも上方に位置しており、第1のヒンジ12の上端がベッド装置の左右に設けたサイドレール(柵部材)19の上端よりも下方に位置しているものにして(図5の足側のサイドレール19aを示している)、第1のヒンジ12の上端でボトム面より突出する部分はサイドレール19aの上端よりも下方に位置させて、ベッド装置の使用者の邪魔にならないようにしている。
前記カバー部8はその後端が座部のボトム5の前端の下部に第2のヒンジ13で結合されている。
板部9はその前端が前記両支持アーム10、10の前端に回動自在に連結されている。
【0032】
前記足部のボトム6の下面側にフレーム1前端のローラ14が接して足部のボトム6の移動を誘導するようになっている。
【0033】
他の実施形態に係るチェアポジションベッドを図4、図5によって説明する。図4に、足部ボトム周辺の斜視図を示、同(a)にはマットレス装着前を、同(b)にはマットレス装着後を示している。図5に、チェアポジションベッドの使用状態を示している。
【0034】
図4に示すように、前記足部のボトム6両側部に延びる両支持アーム10、10には、該足部のボトム6の前端の位置で使用者の足が載せるためのフットボード11が支持固定される。このフットボード11は支持アーム10、10に対して取り付け位置が調整可能な係合部15によって取り付けられる。係合部15によって、フットボード11が自在に位置調整可能になっている。
【0035】
また、足部のボトム6とフットボード11の間に足部のボトム6上に載せるマットレスが通過する空間16が開き、その空間の先方にマットレスが当接するストッパー部17が形成されている。
【0036】
詳しくは、図4(a)に示すように、係合部15は、両支持アーム10、10にスライド可能かつ位置調整可能に取り付けられ、該係合部15にフットボード11の取り付け部材11aが固定される。係合部15はそのレバー15aを上方に引けば両支持アーム10、10に対してスライドしてフットボード11が上下し、逆に、レバーを戻せば固定してフットボード11の位置決めができる。
また、マットレス18の装着は、図4(b)に示すように、前記空間16にマットレスを挿入してストッパー部17に先端を当接させている。足部のボトム6が上方から下方に向けて回転する際に、マットレス18が移動するが、前記空間16によってある程度自由に移動でき、足部のボトム6上で撓みが生じにくい。
【0037】
図5に示すように、チェアポジションに変化する際に、使用者は背部のボトム4に設けたサイドレール(柵部材)19を握って、体位置の移動やズレを防止できるようにしている。
【0038】
実施形態のチェアポジションベッドにおいては、カバー部8が下方・上方に回転する際に、両支持アーム10、10によって引き上げられ・押出された板部9がカバー部8に対して入り込む・進出するので、前記板部9がカバー部8とラップしている長さが短・長に変化するものである。
【0039】
また、ベッドを平坦なベッドポジションから足を下方に向けられるチェアポジションに変形するときに、第1のアクチュエータ7aの作動力によって、前記患者支持台3が、第1のリンク機構7によってフレーム1に対してほぼ斜め上向きに移動すること、前記カバー部8が下向きに回転すること、前記カバー部8及び前記板部9のラップ長さが短くなるものである。
【0040】
上記のように、本実施形態のチェアポジションベッドによれば、第1のアクチュエータ7の駆動により、前記座部のボトム5の上方・下方の移動に伴ってカバー部8の足元側が下方・上方に回転する際に、両支持アーム10、10によって前記板部9がカバー部8内に入り込み・引き出されて、前記板部9がカバー部8とラップしている長さが短・長に変化するので、低床ベッドであっても足部のボトム6が床面に当接せずにチェアポジションに位置変更でき、また、その位置変更を第1のアクチュエータという一つの駆動源(例えば1モータ)で実現でき、コストを安く抑えることができるという優れた効果を奏し得る。
【0041】
なお、第2のアクチュエータ4bの作動によって背部のボトム4を足部のボトム6方向に又はその反対方向に回転可能に構成するので、背部のボトム4の角度を所望に設定できる。
【0042】
また、フットボード11が支持固定され、足部のボトム6とフットボード11の間に該ボトム6上に載せるマットレスが通過する空間16が開き、その空間16の先方にマットレスが当接するストッパー部17が形成されているので、マットレスがフットボード11に当たることがなく、通常のマットレスがフットボード11に当たるものに比較して、フットボード11の取り付け位置とマットレスの寸法に自由度が高くなる。
【0043】
例えば、前記フットボード11が、両支持アーム10、10に対して位置調整可能に取り付けられているので、使用者の身長に応じて自由にフットボード11の位置を自在に設定できる。
【0044】
前記実施形態では、チェアポジションベッドを一例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、その他、足部のボトムが起伏する通常のベッド装置にももちろん適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のベッドは、病院内用のみならず、自宅介護用等に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 フレーム
1a 伸縮フレーム
1b 支持バー
2 フロア
3 患者支持台
4 背部のボトム
4a 第2のリンク機構
4b 第2のアクチュエータ
5 座部のボトム
5a 連結アーム
6 足部のボトム
7 第1のリンク機構
7a 第1のアクチュエータ
8 カバー部
9 板部
10 支持アーム
11 フットボード
11a 取り付け部材
12 第1のヒンジ
13 第2のヒンジ
14 ローラ
15 係合部
15a レバー
16 空間
17 ストッパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア上に設置して、使用者用支持台が、平坦な状態のベッドポジションから、背部のボトムが上方向に、足部のボトムが下方向に向いたチェアポジションに変形可能なベッド装置において、
フロアに下部の設置部材を接しさせてフロアに平行に設置可能なフレームと、
当該フレームの上に設けた使用者用支持台における背部のボトム、座部のボトム及び足部のボトムがリンクで連結されたものであり、
座部のボトムとフレームが2対のアームを有する第1のリンク機構で連結され、
背部のボトムとフレームとの間に第2のリンク機構が設けられ、
フレームと第1のリンク機構との間に、該第1のリンク機構を駆動する第1のアクチュエータが設けられ、
第1のアクチュエータは、その駆動力によって第1のリンク機構が座部のボトムを足側のほぼ斜め上向き方向に移動させ、その座部のボトムの移動に伴って第2のリンク機構によって背部のボトムを上向きに回転させ、
足部のボトムの両側部に沿って両支持アームが延在し、該両支持アームの前端部に足部のボトムが回動自在に連結されかつフットボードが設けられると共に、該両支持アームの後端部が、前記座部のボトムの両側部から前方に延びる連結アームの前端に第1のヒンジで結合され、
前記足部のボトムの下面側にフレーム前端のローラが接して足部のボトムの移動を誘導する構成であり、
前記座部のボトム上方・下方の移動に伴って足部のボトムが下方・上方に回転する際に、両支持アームによって前記足部のボトムの長さが短・長に変化するように構成されたことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
前記第2のリンク機構は背部のボトムに連結するロッドを有しており、該ロッドの長さを変化させる第2のアクチュエータを設け、第2のアクチュエータの作動によって背部のボトムを足部のボトム方向に又はその反対方向に回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記足部のボトムは、カバー部と板部とを備えて、カバー部が板部を覆った状態でカバー部及び板部が互いにラップしており、
前記両支持アームの前端部に板部前端部が回動自在に連結され、
前記カバー部の後端が座部のボトムの前端に第2のヒンジで結合されていて、
前記座部のボトム上方・下方の移動に伴って足部のボトムが下方・上方に回転する際に、両支持アームによって前記板部がカバー部内に入り込み・引き出されて、前記板部がカバー部とラップしている長さが短・長に変化することによって前記足部のボトムの長さが短・長に変化するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のベッド装置。
【請求項4】
第1のヒンジの上端は、ボトム面よりも上方に位置しており、第1のヒンジの上端がベッド装置の左右に設けた柵部材の上端よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載のベッド装置。
【請求項5】
フレームには、フレームの後部から伸縮可能な構成の伸縮フレームが設けられ、この伸縮フレームから背部のボトムに支持バーが伸びて該支持バーの先端が背部のボトムに連結されて背部のボトムを支え、伸縮フレームの頭側端部に、ヘッドボードが取り付けら、背部のボトムが起き上がると伸縮フレームが縮みヘッドボードも足側に移動するように構成されたことを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載のベッド装置。
【請求項6】
フロア上に設置して、使用者用支持台が、平坦な状態から、背部のボトムの頭側端が上方向に回転し、足部のボトムの足側端が下方向に回転可能なベッド装置において、
フロアに下部の設置部材を接しさせてフロアに平行に設置可能なフレームと、
当該フレームの上に設けた使用者用支持台における背部のボトム、座部のボトム及び足部のボトムがリンクで連結されたものであり、
前記足部のボトム両側部に延びる両支持アームには、該足部のボトムの前端の位置で使用者の足を載せるためのフットボードが支持固定され、かつ、足部のボトムとフットボードの間にボトム上に載せるマットレスが通過する空間が開き、その空間の先方にマットレスが当接するストッパー部が形成されていることを特徴とするベッド装置。
【請求項7】
前記フットボードは、両支持アームに対して位置調整可能に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−78468(P2013−78468A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219926(P2011−219926)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(390039985)パラマウントベッド株式会社 (165)
【Fターム(参考)】