説明

ベルトユニット、補強部材貼付方法、ベルトユニット検証方法及び、画像形成装置

【課題】 無端ベルトの内周面にリブを設けずに、無端ベルトの寄り規制力を高めることができるベルトユニットを提供する。
【解決手段】 張架回転可能な中間転写ベルト10eと、中間転写ベルト10eを張架して回転可能な複数のローラ(10f〜10h)と、装置本体100Aで画像形成するときに中間転写ベルト10eに付与される付勢力T1よりも弱い付勢力T2がテンションローラ10hを介して中間転写ベルト10eに付与された状態で、中間転写ベルト10eの面のベルト幅方向Mの少なくとも一方の端部に沿って貼付されて中間転写ベルト10eを補強する補強部材46a、46bと、を備える中間転写ユニット10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられるベルトユニット、ベルトユニットが有する無端ベルトを補強する補強部材を貼付する補強部材貼付方法、ベルトユニット検証方法及び、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式、或いは静電記録方式を利用した画像形成装置の中には、像担持体上のトナー像を転写材に転写するための無端状のベルトを採用した画像形成装置がある。無端状のベルトとしては、像担持体から転写されるトナー像を担持する中間転写体(中間転写ベルト)や、像担持体からのトナー像を転写する転写材を担持して搬送する転写材搬送体(転写材搬送ベルト)がある。このような無端状のベルトを備える画像形成装置では、ベルト駆動時に発生するベルトの寄り(片寄り)を規制する必要がある。ここで言う、ベルトの寄りとは、ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向への移動のことである。
【0003】
このベルトの寄りを規制するために、特許文献1に記載の発明が開示されている。特許文献1に記載の発明は、無端ベルトの内周面のベルト幅方向の端部に設けられたリブと、このリブに当接する無端ベルトに当接可能な張架ローラと、を備える構成に関する。こうした構成によれば、無端ベルトが長手方向に寄ると、無端ベルト内周面に備えられたリブの内側面が、張架ローラの端面に突き当たることで、無端ベルトのベルト幅方向の寄りが規制される。
【0004】
また、リブの寄り規制力よりもベルトの寄り力が大きい場合でも、ベルトの寄りを規制するために、特許文献2に記載の発明が開示されている。特許文献2に記載の発明は、リブが備えられた無端ベルトの内周面と反対側の外周面であってリブと無端ベルトの接合面を全て覆う領域を補強部材で補強する構成に関する。こうした構成によれば、補強部材がリブと無端ベルトの接合面に対応する無端ベルトの表面の箇所を全て覆うので、その接合面やその近傍のベルト剛性を上げることができ、無端ベルトのベルト幅方向の寄りが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−20975号公報
【特許文献2】特開2005−156581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、リブだけで無端ベルトの寄りを規制しようとすると、無端ベルトにかかる繰り返し応力によって、無端ベルトが疲労破壊を起こし易い。
【0007】
詳しく言うと以下のようになる。リブが無端ベルトの張架ローラに突き当たった状態では、リブと無端ベルトの接合面において大きな応力が働く。無端ベルトが回転すると、リブと張架ローラの接する場所が変化する。この時、応力の変化が繰り返して起こる。このような応力の繰り返し変化によって、無端ベルトが疲労破壊を起こすのである。すなわち、リブと無端ベルトの接合面付近において、無端ベルトの破れが生じるのである。特に、転写ベルトのように組成が樹脂系材質であると、著しく疲労破壊を起こしやすい。こうなると、無端ベルトの寄りを規制できなくなる。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明のように、リブが設けられる箇所に対応して補強部材で補強するとしても、リブや無端ベルトの疲労破壊は低減されるが、リブに起因する前述の疲労破壊は生じ得る。こうなると、無端ベルトの寄りを規制できなくなる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑み、無端ベルトの内周面にリブを設けずに、無端ベルトの寄り規制力を高めることができるベルトユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のベルトユニットは、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトを張架して回転可能な複数のローラと、画像形成装置本体で画像形成するときに前記無端ベルトに付与される付勢力よりも弱い付勢力が前記複数のローラのうちの少なくとも1つのローラを介して前記無端ベルトに付与された条件下で、前記無端ベルトの面のベルト幅方向の少なくとも一方の端部に沿って貼付されて前記無端ベルトを補強する補強部材と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の補強部材貼付方法は、複数のローラに張架されて回転可能な無端ベルトの面のベルト幅方向の少なくとも一方の端部に対して、前記無端ベルトを補強する補強部材を貼付する補強部材貼付方法であって、前記無端ベルトが画像形成装置本体に装着されたときに前記無端ベルトに付与される付勢力よりも弱い付勢力が前記複数のローラのうちの少なくとも1つのローラを介して前記無端ベルトに付与された状態で、前記無端ベルトに前記補強部材を貼付することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無端ベルトの内周面にリブを設けずに、無端ベルトの寄り規制力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る中間転写ユニットを備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】中間転写ユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】テンションローラの近傍の構成を示す拡大斜視図である。
【図4】中間転写ユニットの概略構成を示す断面図等である。
【図5】補強部材貼付装置が補強部材を貼付する途中の中間転写ベルトの状態を示す断面図等である。
【図6】補強部材貼付装置が補強部材を貼付する前の中間転写ベルトの状態を示す断面図等である。
【図7】補強部材が貼付された中間転写ベルトが、補強部材貼付装置に張架されているときのテンションローラの近傍の概略構成を示す一部拡大平面図等である。
【図8】補強部材が貼付された中間転写ベルトが、装置本体の内部で張架されている時のテンションローラの近傍の概略構成を示す一部拡大平面図等である。
【図9】中間転写ユニットの概略構成を示す断面図等である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る中間転写ユニット10を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した両面印刷機能を有するカラーレーザビームプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置100は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部51a〜51dが設けられる。
【0016】
画像形成部51a〜51dは、『像担持体』である感光体ドラム1a〜1d、『転写装置』である1次転写ローラ10a〜10d等を含む。少なくとも感光体ドラム1a〜1dについては、カートリッジ3a〜3dに含まれ、カートリッジ3a〜3dとして装置本体100Aに組み込まれる構成となっていても良い。なお、画像形成装置100は、装置本体100Aの下部に、オプション給送装置(以下、給送オプション部)90を増設した構成となっている。
【0017】
画像形成装置100は、装置本体100Aの内部に着脱自在な4つのプロセスカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)3a〜3dを備えている。カートリッジ3a〜3dは、同一構造であるが、各々には異なる色のトナーが収容されており、互いに異なる色の画像を形成する。即ち、カートリッジ3aはイエロー(Y)のトナー像を形成する。カートリッジ3bはマゼンダ(M)のトナー像を形成する。カートリッジ3cはシアン(c)のトナー像を形成する。カートリッジ3dはブラック(Bk)のトナー像を形成する。
【0018】
カートリッジ3a、3b、3c、3dは、各色のトナー像を現像するための現像ユニット4a、4b、4c、4d、及び、クリーナユニット5a、5b、5c、5dを有する。 現像ユニット4a、4b、4c、4dは、現像ローラ6a、6b、6c、6d、現像剤塗布ローラ7a、7b、7c、7d、及び、トナー容器を有している。 クリーナユニット5a、5b、5c、5dは、像担持体である感光体ドラム1a、1b、1c、1d、帯電ローラ2a、2b、2c、2d、ドラム用のクリーニングブレード8a、8b、8c、8d、及び、廃トナー容器を有している。
【0019】
カートリッジ3a〜3dの下方には、スキャナユニット9が配置される。このスキャナユニット9は、画像信号に基づく露光を感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対して行う。
【0020】
感光体ドラム1a、1b、1c、1dは、帯電ローラ2a、2b、2c、2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット9によってそれぞれ静電像(静電潜像)が形成される。この静電像は現像ユニット4a、4b、4c、4dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。
【0021】
カートリッジ3a〜3dの上方には、中間転写ベルトユニット(以下、「中間転写ユニット10」という)が配置される。中間転写ユニット10は、中間転写ベルト10eと、中間転写ベルト10eを張架する駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hと、を有する。中間転写ベルト10eには、テンションローラ10hによって図1中の矢印で示す付勢力Tがかけられている。また、感光体ドラム1a、1b、1c、1dの各々に対向する位置には、中間転写ベルト10eの内側に1次転写ローラ10a、10b、10c、10dが配設されている。1次転写ローラ10a〜10dには、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスが印加される。
【0022】
感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像は、順次、中間転写ベルト10e上に1次転写される。このときに、各感光体ドラム1a〜1dは時計周りに回転する。また、中間転写ベルト10eは反時計周りに回転する。中間転写ベルト10eの表面には、回転方向の上流側の感光体ドラム1a〜1dから順に、トナー像が転写される。感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10eへのトナー像の転写は、1次転写ローラ10a〜10dに正極性のバイアスを印加することによりなされる。このように中間転写ベルト10e上に4色のトナー像が重なった状態で形成されたトナー像は、2次転写部13へ移動する。
【0023】
一方、トナー像が転写された後に、感光体ドラム1a〜1dの表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8a〜8dによって除去される。また、シートSへの2次転写後に中間転写ベルト10e上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0024】
画像形成装置100は、3つのシート給送装置(シート給送部)を有する。1つ目は、装置本体100Aの内部に配置される本体シート給送部20である。2つ目は、装置本体100Aの側面に配置されるマルチシート給送部30である。3つ目は、装置本体100Aの下方に増設されたオプション給送装置90である。
【0025】
1つ目の本体シート給送部20は、シートSを収納する給送カセット21の内部からシートSを給送する給送ローラ22と、分離手段である分離ローラ23と、を有する。給送カセット21に収納されたシートSは、給送ローラ22に圧接され、分離ローラ23によって1枚ずつ分離され搬送される。そして、分離されたシートSは、搬送路24を経てレジストローラ対14へ搬送される。
【0026】
2つ目のマルチシート給送部30は、シートSを積載する中板31と、中板31に積載されたシートSを給送するマルチ給送ローラ32と、分離手段である分離パット33と、を有する。中板31が持ち上がり、中板31上に積載されたシートSがマルチ給送ローラ32に圧接され、分離パット33によって1枚ずつ分離され搬送される。そして、分離されたシートSはマルチ給送搬送路34を経て、再給送ローラ対35に搬送される。
【0027】
再給送ローラ対35に搬送されたシートは、再給送搬送路36を通過してレジストローラ対14に搬送される。なお、再給送ローラ対35および再給送搬送路36は後述するように両面搬送時にも共用の搬送路となる。
【0028】
3つ目のオプション給送装置90は、ピックアップローラ91、フィードローラ92、リタードローラ93を備える。ピックアップローラ91、フィードローラ92、リタードローラ93の協働により、積載されたシート束から1枚ずつシートを給送、分離して搬送をする。搬送されたシートは中継搬送ローラ対94、オプション排出ローラ対95を経て、装置本体100Aの2次転写部13へシートSを搬送する。オプション給送装置90より搬送されたシートSは、オプション給送搬送路96を経て、レジストローラ対14へ搬送される。
【0029】
以上で説明したように、装置本体100Aのレジストローラ対14の上流側では、3つの搬送路が合流する構成である。
【0030】
2次転写部13は、中間転写ベルト10eに形成されたトナー像をシートSに転写する。2次転写部13は、正極性のバイアスが印加される2次転写ローラ13aを備える。正極性のバイアスを2次転写部13に印加することにより、レジストローラ対14によって搬送されたシートSに、中間転写ベルト10e上の4色のトナー像が2次転写される。
【0031】
2次転写部13の上方には、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとを有する定着装置15が設けられている。トナー像が転写されたシートSは、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとのニップに搬送され、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとによって加熱および加圧され、シートSの表面には、転写されていたトナー像が定着される。
【0032】
定着装置15の上方には、切換部材16、排出ローラ対17、スイッチバックローラ対19が設けられている。定着されたシートSは事前に選択された片面印字か両面印字かに応じて、切換部材16の位置により選択的に搬送経路が切り換えられる。
【0033】
片面印字が選択された場合には、定着されたシートSは切換部材16によって排出ローラ対17に向けて案内される。排出ローラ対17に案内されたシートは、装置本体100Aの上面であるトレイ18上へ排出される。
【0034】
両面印字が選択された場合には、切換部材16によってスイッチバックローラ対19に向けて案内される。ここで、スイッチバックローラ対19はシートSをトレイ18に向けて搬送したのち、シートSの後端が定着装置15を抜けるタイミングで逆回転することでシートSを両面反転搬送路37へ搬送する。なお、スイッチバックローラ対19が逆回転をすると同時に、切換部材16は、シートSを両面反転搬送路37へ案内するために移動する。
【0035】
両面搬送ローラ対38は、再給送ローラ対35までシートを搬送する。再給送ローラ対35により再給送されたシートSは、表裏が反転された状態で、再給送搬送路36に合流し、再びレジストローラ対14に搬送される。レジストローラ対14以降のシートの搬送およびトナー像の転写については、上述した片面印字時と同様である。
【0036】
図2は、中間転写ユニット10の構成を示す斜視図である。図2に示されるように、『ベルトユニット』である中間転写ユニット10は、互いに平行に配置された複数のローラである駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hを有する。また、中間転写ユニット10は、複数のローラ(10f〜10h)に張架されて複数のローラ(10f〜10h)の回転によってベルト回転方向bに回転自在な『無端ベルト』である中間転写ベルト10eを有する。
【0037】
中間転写ベルト10eの基層は、ポリイミド(PI)やポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、引張強度が高い樹脂系素材で作られる。成形や強度、変形のしやすさなどの要件から、基層は厚さ50μmから100μmの間で作られることが多い。また、トナーを転写する効率を高めるため、基層の外周面全体にわたって、ゴム層などの異なる層を張り合わせた多層構造の中間転写ベルト10eも存在する。中間転写ベルト10eは、これらいずれの組成でも構わない。
【0038】
また、中間転写ベルト10eは外周面(面)の両端の全周に渡って、補強部材46a、46bを備える。詳しくは、補強部材46a、46bは、中間転写ベルト10eにおけるベルト回転方向bと直交するベルト幅方向Mの少なくとも一方の端部に沿って貼付されて中間転写ベルト10eを補強する。尚、このとき、装置本体100Aで画像形成時に中間転写ベルト10eに付与される付勢力T1よりも弱い付勢力T2が『複数のローラのうちの少なくとも1つのローラ』であるテンションローラ10hを介して中間転写ベルト10eに付与された状態である(後述)。なお、この補強部材貼付方法に関しては、後述する。
【0039】
補強部材46a、46bは幅が2〜3mm以上あればよく、スペースが許す限り何ミリでも構わない。また、厚みも10μm以上あれば、いくらで構わない。さらに、補強部材の46aと補強部材46bで幅や厚みが異なっても良く、別の材質で形成されていても良い。
【0040】
補強部材46a、46bには、ポリエステルやポリイミドなどの樹脂系材料のフィルム粘着テープを用いる。または、補強部材46a、46bには、中間転写ベルト10eの基層と同じように、ポリイミド(PI)やポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのフィルム粘着テープを用いる。基本的には、十分な引張強度があれば材質は何であっても構わない。また、中間転写ベルト10eと一体での成型が可能であれば、それでも構わない。
【0041】
補強部材46a、46bの引張強度が高いほど、本発明によるベルト寄り規制の効果は高まる。ただし、相対的に中間転写ベルト10eの方が硬いと、本発明の効果は低くなる。そのため、補強部材46a、46bの引張強度が低い場合や、中間転写ベルト10eの材質が非常に硬い場合には、なるべく引張強度が高い材質で、ある程度の幅と高さで補強部材46a、46bを備えなければならない。実際には、中間転写ベルト10eと同等程度のヤング率を持つ材質で、厚さが20〜50μmで、幅が数mm程度とするのが現実的である。
【0042】
中間転写ベルト10e(中央部を部分断面してある)は、これを張架する為の複数の張架部材である、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hに張架されている。
【0043】
駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hは、それぞれ長手方向両端部を軸受け40、41、42によって回転可能に支持されている。そして、中間転写ベルト10eのメインフレーム43(43a、43b)が軸受け40、41を、テンションローラ10hの支持側板44が軸受け42を支持している。なお、中間転写ベルトメインフレーム(以下、「メインフレーム43」という)の側板43aには、バネ固定部52が設けられている。バネ固定部52にはテンションローラバネ45の一端が固定されており、このテンションローラバネ45が支持側板44を付勢方向(バネが伸びる方向)へと付勢するようになっている。
【0044】
駆動ローラ10fは、軸受け40を介してメインフレーム43に支持されている固定ローラである。駆動ローラ10fには、装置本体100Aの不図示の駆動手段から駆動力が伝達をされている。駆動力が伝達された駆動ローラ10fは回転し、中間転写ベルト10eを駆動搬送させる。駆動ローラ10fの表面は、中間転写ベルト10eを滑り無く搬送する為に、摩擦係数の高いゴム層で形成されている。
【0045】
対向ローラ10gは、軸受け41を介してメインフレーム43に支持されている固定ローラである。対向ローラ10gは、2次転写ローラ13aとニップを形成し、シートSを挟持搬送しながらトナー像をシートSに転写する。対向ローラ10gは、中間転写ベルト10eの駆動搬送によって従動回転する。
【0046】
テンションローラ10hは、軸受け42を介して支持側板44と共にスライド可能にメインフレーム43に支持されている。
【0047】
図3は、テンションローラ10hの近傍の構成を示す拡大斜視図である。この図3を参照しつつ、「テンションローラ10hのスライド動作」と、「中間転写ベルト10eを張架する構成」について以下に説明する。図3に示されるように、支持側板44には開口部44cが形成されている。メインフレーム43に形成されたボス部43c、43dが開口部44cに挿入されている。それによって、支持側板44はメインフレーム43に支持されている。
【0048】
開口部44cの開口幅44dは、ボス部43c、43dが形成する外径幅43eよりも幅広く構成されている。開口幅44dと外径幅43eのガタ分だけ、支持側板44はスライド動作可能になる。すなわち、テンションローラ10hがスライド動作可能になる。
【0049】
圧縮バネであるテンションローラバネ45は、中間転写ユニット10の装置手前側と奥側に各々備えられている。テンションローラバネ45は、支持側板44、すなわちテンションローラ10hを矢印aの方向に付勢して中間転写ベルト10eに張力を付与している。そして、テンションローラバネ45の付勢力と、中間転写ベルト10eの張力とのバランスが取れたところで、テンションローラ10hは係止する。
【0050】
次に、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bを貼り付ける方法について、図4から図7を用いて詳細に説明をする。
【0051】
図4(a)は、中間転写ユニット10の概略構成を示す断面図である。図4(a)に示されるように、中間転写ベルト10eは、装置本体100Aに装着されているときに、テンションローラバネ45から付勢力T1を受けている。この付勢力T1は、装置本体100Aが画像形成するときに、中間転写ベルト10eに付与される張力である。これは、1次転写ローラ10a〜10dが感光体ドラム1a〜1d上のトナー像を中間転写ベルト10eに1次転写する時や、2次転写部13が中間転写ベルト10e上のトナー像をシートSに2次転写する時に、中間転写ベルト10eに付与されている付勢力である。
【0052】
図4(b)は、補強部材貼付装置101が補強部材46a、46bを貼付する前の中間転写ベルト10eの状態を示す断面図である。補強部材貼付装置101は、図4(b)に示される3本のローラ(101a、101b、101c)、付勢力付与手段であるバネ101dを有し、また、不図示の補強部材貼付手段、不図示の駆動手段等を有する。この補強部材貼付装置101は、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bを貼付する装置である。
【0053】
3本のローラ(101a、101b、101c)は、中間転写ユニット10に備えられている駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hと同じ材質、外径で構成されている。装置本体100Aの条件に極力近い装置にした方が、装置本体100Aと補強部材貼付装置101の相関関係が良くなるからである。
【0054】
例えば、補強部材貼付装置101の3本のローラの条件、及び、中間転写ユニットの3本のローラの条件が近似していれば、以下のことができる。すなわち、中間転写ベルト10eが装置本体100Aに組み込まれた場合にどのような搬送速度で駆動できるのか考慮しつつ、補強部材46a、46bを中間転写ベルト10eに貼付する等のことができる。
【0055】
駆動ローラ101aは、補強部材貼付装置101に張架された中間転写ベルト10eを駆動搬送する。その他では、中間転写ベルト10eは、張架ローラ101b、テンションローラ101cに張架されている。
【0056】
テンションローラ101cは、バネ101dから付勢力T2を付与されて、中間転写ベルト10eに付勢力T2を付与する。バネ101dが付与する付勢力T2は、先に記した付勢力T1よりも弱い付勢力に設定されている。
【0057】
具体的に言うと、例えば、付勢力T1は、5kgfのバネ2個で合計10kgfの付勢力に相当し、テンションローラ10hを介して中間転写ベルト10eに付与される。これに対して、例えば、付勢力T2は、3kgfのバネ2個で合計6kgfの付勢力に相当し、テンションローラ101cを介して中間転写ベルト10eに付与される。
【0058】
図5(a)は、補強部材貼付装置101が補強部材46a、46bを貼付する途中の中間転写ベルト10eの状態を示す断面図である。図5(b)は、補強部材貼付装置101が補強部材46a、46bを貼付し終えた中間転写ベルト10eの状態を示す断面図である。図5(a)に示されるように、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bを貼り付けるには、まず、中間転写ベルト10eが3本のローラ(101a、101b、101c)に架けられる。そして、バネ101dによって、付勢力T2がテンションローラ101cを介して中間転写ベルト10eに負荷された状態にする。
【0059】
次に、不図示の補強部材貼付手段によって、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Mの両端に補強部材46a、46bが貼り付けられる。そして、不図示の駆動手段によって、駆動ローラ101aは、ベルト回転方向bの方向に回転し、同方向に中間転写ベルト10eを駆動搬送する。駆動搬送されている中間転写ベルト10eは、不図示の補強部材貼付手段から補強部材46a、46bを巻き取って行く。中間転写ベルト10eが1周強、駆動搬送されたところで不図示の駆動手段は駆動を停止する。そして、中間転写ベルト10eに対する補強部材46a、46bの貼付が完了する(図5(b)参照)。
【0060】
図6(a)は、補強部材貼付装置101´が補強部材46a、46bを貼付する前の中間転写ベルト10eの状態を示す断面図である。補強部材貼付装置101´は、必ずしも実機と同様の構成にする必要はない。すなわち、実際に組み込まれる装置本体100Aに対するものと同じ条件で構成される必要はない。補強部材貼付装置101と異なる形の補強部材貼付装置101´について、図6(a)〜図6(c)を参照しつつ説明する。
【0061】
図6(a)に示される補強部材貼付装置101´は、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bを貼り付ける装置である。補強部材貼付装置101´は、2本のローラ(101a´、101c´)と、バネ101d´と、不図示の補強部材貼付手段と、不図示の駆動手段等と、を有する。
【0062】
駆動ローラ101a´は、補強部材貼付装置101´に張架された中間転写ベルト10eを駆動搬送する。テンションローラ101c´は、バネ101d´から付勢力T2を付与され、中間転写ベルト10eに付勢力を付与する。バネ101d´が付与する付勢力T2は、図4(a)を参照しつつ説明した付勢力T1よりも弱い付勢力に設定されている。
【0063】
具体的に言うと、例えば、付勢力T1は、5kgfのバネ2個で合計10kgfの付勢力に相当し、テンションローラ10hを介して中間転写ベルト10eに付与される。これに対して、例えば、付勢力T2は、3kgfのバネ2個で合計6kgfの付勢力に相当し、テンションローラ101c´を介して中間転写ベルト10eに付与される。
【0064】
図6(b)は、補強部材貼付装置101´が補強部材46a、46bを中間転写ベルトに貼付する途中の状態を示す断面図である。図6(c)は、補強部材貼付装置101´が補強部材46a、46bを中間転写ベルト10eに貼付し終えた状態を示す断面図である。図6(b)に示されるように、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bを貼り付けるには、以下のようにする。まず、中間転写ベルト10eを2本のローラ(101a´・101c´)に架けて、バネ101d´によって付勢力T2を付与して、中間転写ベルト10eを張架する。
【0065】
次に、不図示の補強部材貼付手段によって、中間転写ベルト10eの長手方向両端に補強部材46a、46bを貼り付ける。そして、不図示の駆動手段によって、駆動ローラ101a´はベルト回転方向cの方向に回転し、同方向に中間転写ベルト10eを駆動搬送する。駆動搬送されている中間転写ベルト10eは、不図示の補強部材貼付手段から補強部材46a、46bを巻き取って行く。中間転写ベルト10eが1周強、駆動搬送されたところで不図示の駆動手段は駆動を停止する。中間転写ベルト10eは、中間転写ベルト10eの1周強の補強部材46a、46bを巻き取って、中間転写ベルト10eには補強部材46a、46bが、貼り付けられる(図6(c)参照)。
【0066】
次に、図7(a)、図7(b)、図8(a)、図8(b)を参照しつつ、補強部材46a、46bを貼った箇所の剛性が上がるメカニズムについて以下に説明する。
【0067】
図7(a)は、補強部材46a、46bが貼付された中間転写ベルト10eが、補強部材貼付装置101に張架されているときのテンションローラ101cの近傍の概略構成を示す一部拡大平面図である。図7(b)は、補強部材46a、46bが貼付された中間転写ベルト10eが、補強部材貼付装置101に張架されているときに、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Mの各箇所における張力分布を表したグラフである。
【0068】
図7(a)と図7(b)において、位置A、位置B、位置C、位置D、位置Eは、中間転写ベルト10eの張力を測定する荷重センサまたは圧センサが設けられる位置である。具体的には、ベルト幅方向Mを基準として言うと、位置Aと位置Eは、中間転写ベルト10eの両端に備えられた補強部材46a、46bの真中付近にあり、位置Cは位置Aと位置Eの真中、位置Bは位置Aと位置Cの真中、位置Dは位置Cと位置Eの真中にある。
【0069】
図7(a)に示されるように、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが貼付されて、バネ101dによってテンションローラ101cを介して付勢力T2×2が付与されている中間転写ベルト10eの張力分布は、図7(b)のようになっている。
【0070】
中間転写ベルト10eの張力分布が図7(b)のようになる理由を以下に述べる。中間転写ベルト10eに付勢力T2×2が付与されて補強部材貼付装置101に張架された状態であるところに、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが張力をかけることなく貼り付けられている。そのために、補強部材46a、46bが貼り付けられた後でも、中間転写ベルト10eの張力は、位置A〜位置Eの各箇所において、略同じである。
【0071】
図8(a)は、補強部材46a、46bが貼付された中間転写ベルト10eが、装置本体100Aの内部で張架されている時のテンションローラ10hの近傍の概略構成を示す一部拡大平面図である。図8(b)は、補強部材46a、46bが貼付された中間転写ベルト10eが、装置本体100A内で張架されている時、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Mの各箇所においての張力分布を表したグラフである。
【0072】
ここで、補強部材貼付装置101が補強部材46a、46bを中間転写ベルト10eに貼り付け、この中間転写ベルト10eが装置本体100Aに装着され、中間転写ベルト10eにはバネ(45)でローラ(10h)を介して付勢力T1×2が付与される。付勢力T1と付勢力T2の力関係は、T1>T2の関係であるため、中間転写ベルト10eは、補強部材46a、46bを貼った時よりも付勢力を受ける。そうすると、補強部材46a、46bを貼って剛性が高くなった端部の中間転写ベルト10eの張力が強くなる。
【0073】
すなわち、ベルト搬送方向Lと直交するベルト幅方向Mへの寄り力に対して、中間転写ベルト10eを踏み留まらせようとする力が発生し、中間転写ベルト10eの安定走行を実現することが可能となる。また、中間転写ベルト10eの端部を補強部材46a、46bによって補強できるので、その端部からの引き裂き亀裂に対しても効果がある。
【0074】
また、逆に言うと、本発明を用いて作成されているか否かは、先に記載した順序と逆の検証をする(ベルトユニット検証方法)ことで分かる。例えば、装置本体100Aに装着されて画像形成時に付与される付勢力T1を中間転写ベルト10eに付与する。そして、中間転写ベルト10eの張力を測定する。その結果、図8(a)に示した位置A〜位置Eの5箇所の張力が、図8(b)に示したように端部の方が中央部より張力が高くなっている。この状態を別の表現をすると、以下のようになる。中間転写ベルト10eに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力T1であると、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが貼付された領域の張力X1は、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが貼付されない領域の張力x1よりも強い。
【0075】
次に、中間転写ベルト10eに付与する付勢力を弱めていくと、所定の付勢力T2を付与した所で、図7(b)に示したように中間転写ベルト10eの張力が端部も中央部も略同じになる。この様な張力の変化をたどる構成のものは、本発明を用いている。なお、図7(b)の状況を別の表現にすると、以下のようになる。すなわち、中間転写ベルト10eに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力T1よりも弱くしていく(付勢力T2にしていく)。そうすると、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが貼付された領域の張力X2は、中間転写ベルト10eに補強部材46a、46bが貼付されていない領域の張力x2と略同じになっていく。
【0076】
また、本発明を用いているか否かを検証するもう一つの方法を図9(a)と図9(b)を用いて詳細に説明する。図9(a)は、中間転写ユニット10の概略構成を示す断面図である。図9(b)は、中間転写ユニット10から補強部材46a、46bを取り外した概略構成を示す断面図である。
【0077】
図9(a)、図9(b)において、図9(a)、及び図9(b)に図示した中間転写ユニット10に、画像形成時に付与する付勢力T2を付与すると、テンションローラ10hの位置に両者の間でずれ(Δ)が生じる。これは、図9(a)に図示している中間転写ユニット10に対して、図9(b)に図示した中間転写ユニット10は補強部材46a、46bが備えられていない分、剛性が弱い為である。
【0078】
もし、画像形成時に中間転写ベルト10eに付与される付勢力と、補強部材46a、46bを中間転写ベルト10eに貼り付けた時の付勢力が同じであれば、補強部材46a、46bが付いても剥がしても、テンションローラ10hの位置はほとんど変わらない。
【0079】
この様なローラ間ピッチの変化をたどる構成のものは、本発明を用いている。ピッチの変化に関して別の表現をすると、以下のようなベルトユニット検証方法で検証するということになる。例えば、画像形成時に付与される付勢力が付与されたときに、本発明の条件下で補強部材46a、46bが貼付されている中間転写ベルト10eを張架する1つのローラ(テンションローラ10h)が付勢力方向に移動する距離をZ1とする。この一方で、本発明の条件下で補強部材46a、46bが貼付されていない中間転写ベルト10eを張架する1つのローラ(テンションローラ101c)が付勢力方向に移動する距離をZ2とする。この場合には、Z1がZ2よりも短いという性質を利用して中間転写ベルト10eを検証する。
【0080】
以上実施例によれば、中間転写ベルト10eは、装置本体100Aでの画像形成のときに中間転写ベルト10eに付与される付勢力T1よりも弱い付勢力T2が中間転写ベルト10eに付与された状態で補強部材46a、46bが貼付されて剛性が強い部位を有する。また、中間転写ベルト10eは、補強部材46a、46bが貼付されない部位を有する。こうして、中間転写ベルト10eには、剛性差が設定される。その結果、中間転写ベルト10eの内周面にリブを設けずに、中間転写ベルト10eの寄り規制力を高めることができる。
【0081】
なお、従来技術では、無端ベルトの寄り力を低減するために、部品精度を高めたり、特別な機構を設けたり、特殊な工具を使用したりして、製品コスト、製造コストが上がっている。これらを低減する為には、適切な設定で無端ベルトに補強部材を貼り付ける安価で容易な貼り付け方法が必要であった。そして、無端ベルトをローラに張架した時に、平面状になった箇所の無端ベルトと補強部材の長さを同じにする手法が考えられた。
【0082】
この手法の場合、無端ベルトに補強部材を貼り付ける箇所が、無端ベルトを張架した時に平面状になった箇所に限られてしまう。その為、補強部材を貼り付ける箇所に製造上の制約ができてしまう。また、平面状の箇所において、無端ベルトと補強部材の長さが一緒の為、許容するベルトの寄り力に対して、無端ベルトの剛性を十分にあげることができない可能性があった。こういうことも考慮すると、中間転写ベルト10eの高寿命化を実現し、低コスト、小スペースで、複雑な製造工程を必要とせずに、中間転写ベルト10eの寄り規制力を高めることができるとも言える。
【0083】
なお、実施例では、前述したベルトユニットの構成として中間転写ユニット10を例示したが、この構成に限定されない。すなわち、ベルトユニットの構成は、2次転写ベルト、転写材担持体等にも適用することが可能であり、更には、転写材を搬送するその他の機構にも適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
10 中間転写ユニット(ベルトユニット)
10e 中間転写ベルト(無端ベルト)
10f 駆動ローラ(ローラ)
10g 対向ローラ(ローラ)
10h テンションローラ(ローラ)
46a、46b 補強部材
100A 装置本体(画像形成装置本体)
b ベルト回転方向
T1 付勢力
T2 付勢力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な無端ベルトと、
前記無端ベルトを張架して回転可能な複数のローラと、
張架 画像形成装置本体で画像形成するときに前記無端ベルトに付与される付勢力よりも弱い付勢力が前記複数のローラのうちの少なくとも1つのローラを介して前記無端ベルトに付与された条件下で、前記無端ベルトの面のベルト幅方向の少なくとも一方の端部に沿って貼付されて前記無端ベルトを補強する補強部材と、
を備えることを特徴とするベルトユニット。
【請求項2】
前記無端ベルトに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力であると、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付された領域の張力は、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付されていない領域の張力よりも強く、
前記無端ベルトに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力よりも弱くしていくと、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付された領域の張力は、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付されていない領域の張力と略同じになっていくことを特徴とする請求項1に記載のベルトユニット。
【請求項3】
画像形成時に付与される付勢力が付与されたときに、
前記条件下で前記補強部材が貼付されている前記無端ベルトを張架するローラの1つが付勢力方向に移動する距離は、
前記条件下で前記補強部材が貼付されていない前記無端ベルトを張架するローラの1つが付勢力方向に移動する距離よりも短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルトユニット。
【請求項4】
複数のローラに張架されて回転可能な無端ベルトの面のベルト幅方向の少なくとも一方の端部に対して、前記無端ベルトを補強する補強部材を貼付する補強部材貼付方法であって、
前記無端ベルトが画像形成装置本体に装着されたときに前記無端ベルトに付与される付勢力よりも弱い付勢力が前記複数のローラのうちの少なくとも1つのローラを介して前記無端ベルトに付与された状態で、前記無端ベルトに前記補強部材を貼付することを特徴とする補強部材貼付方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトユニット、又は、請求項4に記載の補強部材貼付方法によって作成されたベルトユニットのベルトユニット検証方法であって、
前記無端ベルトに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力であると、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付された領域の張力は、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付されていない領域の張力よりも強く、
前記無端ベルトに付与される付勢力が画像形成時に付与される付勢力よりも弱くしていくと、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付された領域の張力は、前記無端ベルトに前記補強部材が貼付されていない領域の張力と略同じになっていく性質を利用してベルトユニットの構成を検証するベルトユニット検証方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトユニット、又は、請求項4に記載の補強部材貼付方法によって作成されたベルトユニットのベルトユニット検証方法であって、
画像形成時に付与される付勢力が付与されたときに、
前記条件下で前記補強部材が貼付されている前記無端ベルトを張架するローラの1つが付勢力方向に移動する距離は、
前記条件下で前記補強部材が貼付されていない前記無端ベルトを張架するローラの1つが付勢力方向に移動する距離よりも短くなる性質を利用してベルトユニットの構成を検証するベルトユニット検証方法。
【請求項7】
画像を形成する画像形成部と、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトユニット、又は、請求項4に記載の補強部材貼付方法によって作成したベルトユニットと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−203098(P2012−203098A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66034(P2011−66034)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】