説明

ベルト取付治具と、このベルト取付治具を用いたベルト取付方法

【課題】軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備える二段プーリの、プーリ軸間距離を固定したままベルトを掛巻するのに用いるベルト取付治具を、簡素且つコンパクトな構造にし使い勝手の良いものへと改良する。
【解決手段】ベルト取付治具9は、手前側プーリ5の外周を覆うカバー部10と、カバー部10よりも第二の回転方向側Bに配設され、プーリ径方向外方へ隆起するブロック体の第一回転方向A側であって且つ奥側プーリ側の隅部に丸みを付すことで形成され、カバー部10上を交差して奥側プーリ6の外周に導入されるVリブドベルト4を屈曲して奥側プーリ6の外周に沿わせるための屈曲案内曲面11とを備える。屈曲案内曲面11は、プーリ径方向外方へ、少なくともVリブドベルト4のベルト幅よりも長く延在することにより、ベルト4が第二の回転方向Bに向かって乗り越えるのを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト取付治具と、このベルト取付治具を用いたベルト取付方法に関する。詳しくは、手前側プーリと奥側プーリを備えた所謂二段プーリへのベルトの掛巻の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備える二段プーリの前記奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に周長方向に伸縮可能なベルトを、前記奥側プーリと前記第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するのに用いるベルト取付治具として、例えば、特許文献1(特開2007−120678号公報)は、手前側プーリフランジのさらに手前側でベルトの内側を引っ掛ける導入部と、手前側プーリの外周側を覆い前記導入部から導いたベルトを奥側プーリのプーリ溝まで案内する差渡しガイドと、前記奥側プーリのプーリ溝の上方に位置して該奥側プーリのプーリ溝に挿通したベルトの浮き上がりを押さえる押え片とを備え、前記導入部、差渡しガイドおよび押え片を二段掛けプーリに取り付けるための取付部が設けられたベルト取付治具を開示する。
【0003】
同様に、特許文献2(特開2008−164053号公報)は、外側プーリ溝に嵌合すると共に外側プーリフランジ及び中央プーリフランジを被覆するプーリ装着部及びベルト案内部を備えたガイド部材をステーによってプーリに固定し、且つ、このステーによってVリブドベルトを内側プーリ溝に嵌合保持するようにして用いるベルト取付治具を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の構成では、手前側プーリフランジのさらに手前側に配置された導入部にベルトの内側が掛けられるので、ベルトの張力が高くなったとき、この張力は、ベルト取付治具を手前側プーリフランジのさらに手前側に倒そうとする働きをする。この倒れを防止するため、上記特許文献1の構成では、前記導入部、差渡しガイドおよび押え片を二段掛けプーリに取り付けるための取付部が必須となっており、従って、上記特許文献1のベルト取付治具は構造が複雑であると共に、これ以上コンパクトにできない。
【0005】
一方、上記特許文献2の構成は、ベルト取付治具をプーリに対して固定すると共にベルトを内側プーリ溝に嵌合保持するステーを必須としている。しかし、このステーの使い方は一般ユーザーにとっては決して容易ではないだろう。
【0006】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備える二段プーリの奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に周長方向に伸縮可能なベルトを、奥側プーリと第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するのに用いるベルト取付治具を、簡素な且つコンパクトな構造にし、且つ、使い勝手の良いものへと改良することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、本願発明者らは、鋭意研究の末、上記の取付部もステーもない以下のベルト取付治具を完成させた。
【0008】
本願発明の観点によれば、プーリ軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備えると共に第一の回転方向及び第二の回転方向を有する二段プーリの前記奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に、周長方向に伸縮可能なベルトを、前記奥側プーリと前記第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するのに用いるベルト取付治具は、以下のように構成される。即ち、このベルト取付治具は、前記手前側プーリの外周を覆うカバー部と、前記カバー部よりも前記第二の回転方向側に配設され、プーリ径方向外方へ隆起するブロック体と、前記ブロック体の、第一回転方向側であって且つ前記奥側プーリ側の隅部に丸みを付すことで形成され、前記カバー部よりも前記第二の回転方向側へ配され、前記カバー部上を交差して前記奥側プーリの外周に導入される前記ベルトを屈曲して前記奥側プーリの外周に沿わせるための屈曲案内部と、を備える。前記屈曲案内部は、プーリ径方向外方へ、少なくとも前記ベルトのベルト幅よりも長く延在することにより、前記ベルトが前記第二の回転方向へ向かって乗り越えるのを禁止する。
【0009】
上記のベルト取付治具は、以下のようにして用いる。即ち、先ず、前記カバー部が前記屈曲案内部から見て前記第一の回転方向側となるように前記ベルト取付治具を前記手前側プーリの外周に当接した状態で、前記ベルトを前記第二プーリに掛巻すると共に、前記カバー部上を交差させ、前記屈曲案内部によって屈曲しつつ前記奥側プーリの外周に沿わせる。次に、前記二段プーリを前記第一の回転方向に回転させる。すると、前記ベルトには、伸張されることにより高い張力が発生する。上記張力は、前記ベルトが前記カバー部上を交差しているので前記カバー部を前記手前側プーリの外周に対して押圧する押圧作用として働くと共に、前記ベルト自身が前記屈曲案内部を前記第二の回転方向へ向かって乗り越えようとする乗り越え作用として働く。ここで、前記屈曲案内部がプーリ径方向外方へ少なくとも前記ベルトのベルト幅よりも長く延在しているので、前記ベルトには、前記屈曲案内部を前記第二の回転方向へ向かって乗り越える切っ掛けが与えられず、もって、前記ベルト自身が前記屈曲案内部を前記第二の回転方向へ向かって乗り越えるのは禁止される。継続して前記二段プーリを前記第一の回転方向に回転させると、前記カバー部から前記屈曲案内部と反対側に延びる前記ベルトが前記手前側プーリの外周に近接し、まもなく、前記カバー部上の前記ベルトが前記カバー部を離れて前記奥側プーリの外周へと移動する。この移動後、前記ベルト取付治具を前記手前側プーリの外周から回収する。
【0010】
ここで、本願発明に係るベルト取付治具(以下、本願治具とも称する。)を特許文献2に開示のベルト取付治具(以下、引例治具2とも称する。)と比較すると、本願治具は、引例治具2の備えるステーを必須な構成としていない。従って、本願治具は、引例治具2のステーが有する、(i)ベルトを内側プーリ溝に嵌合状態に保持する機能と、(ii)ガイド部材を第1プーリに固定する機能と、の(i)及び(ii)の機能を欠いているように見える。しかし、上述したように本願治具では、前記ベルト自身が前記屈曲案内部を前記第二の回転方向へ向かって乗り越えるのが禁止されるようになっており、この乗り越え禁止作用が上記(i)の機能の代替となっている。また、この乗り越え禁止作用により上述の押圧作用が問題なく発揮されるようになっており、従って、本願治具は上記(ii)の機能も十分に備えている。そして、このようにステーを削除できたことにより、本願治具は、構造上シンプルで、引例治具2と比較して一層使い勝手が良い。
【0011】
次に、上記の本願治具を特許文献1に開示のベルト取付治具(以下、引例治具1とも称する。)と比較すると、本願治具は、引例治具1の備える導入部・取付部を必須な構成としていない。従って、本願治具は、引例治具1の導入部が有する、(iii)ベルトを差渡しガイドにスムーズに導く、という機能を欠いている。しかし、この導入部の存否は、どうやら、差渡しガイドに対するベルトのスムーズな導入にはあまり寄与していないと考えられる。従って、本願治具は、確かに引例治具1の導入部を欠いているが、だからといって、上記(iii)の機能も欠いているとまでは言えない。そして、問題なく上記導入部を削除できることによって同時に、必須とされていた取付部をも省略でき、もって、本願治具は、引例治具1と比較して、簡素且つコンパクトである。
【0012】
なお、本願明細書において、上記の「(屈曲案内部が形成されるブロック体は)前記カバー部よりも前記第二の回転方向側へ配され」は、原則として、「(屈曲案内部が形成されるブロック体は)前記カバー部のすべてよりも前記第二の回転方向側へ配され」る場合を意味するが、例外として、「(屈曲案内部が形成されるブロック体は)前記カバー部の少なくとも一部よりも前記第二の回転方向側へ配され」る場合も意味するものとする。
【0013】
なお、前記屈曲案内部は、具体的には、以下のように構成される。前記カバー部よりも前記第二の回転方向側に、プーリ径方向外方へ隆起するブロック体が配設される。前記屈曲案内部は、このブロック体の、第一回転方向側であって且つ前記奥側プーリ側の隅部に丸みを付すことで形成される。以上の構成によれば、前記カバー部と前記屈曲案内部を備える前記ベルト取付治具をまとまりのよい構造とすることができる。
【0014】
上記のベルト取付治具は、更に、以下のように構成される。即ち、前記カバー部には、前記カバー部上を交差する前記ベルトよりも前記第一の回転方向側に、プーリ径方向外方へ膨出する膨出部が形成される。以上の構成によれば、前記カバー部から前記屈曲案内部と反対側に延びる前記ベルトが前記手前側プーリの外周に近接し、まもなく、前記カバー部上の前記ベルトが前記カバー部を離れて前記奥側プーリの外周へと移動する際、前記膨出部の存在により、前記ベルトは若干ジャンプして前記奥側プーリの外周へと移動することとなる。従って、前記手前側プーリと前記奥側プーリとの間にフランジがある場合は、前記ベルトは該フランジを容易に飛び越えることができるし、そうでない場合であっても、前記奥側プーリの外周に対して前記ベルトが若干斜め上方から接近する動きが実現される。
【0015】
上記のベルト取付治具は、更に、以下のように構成される。即ち、前記二段プーリの側面に当接する当接部を備える。このように前記二段プーリの側面に当接する前記当接部を設けることにより、前記手前側プーリの外周上での前記ベルト取付治具の姿勢が一層安定し、もって、前記ベルトの張力によって前記ベルト取付治具が前記手前側プーリの外周から外れてしまうのを抑制できる。
【0016】
本願発明の他の観点によれば、プーリ軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備えると共に第一の回転方向及び第二の回転方向を有する二段プーリの前記奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に、周長方向に伸縮可能なベルトを、前記奥側プーリと前記第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するベルト取付は、以下のような方法で行われる。即ち、上記のベルト取付治具を以下のように用いる。(a)前記カバー部が前記屈曲案内部から見て前記第一の回転方向側となるように前記ベルト取付治具を前記手前側プーリの外周に当接する。(b)前記ベルトを前記第二プーリに掛巻すると共に、前記カバー部上を交差させ、前記屈曲案内部によって屈曲しつつ前記奥側プーリの外周に沿わせる。(c)前記二段プーリを前記第一の回転方向に回転させる。以上の方法によれば、特許文献2の構成で要求されるステーの取り付け作業のような難解な作業をすることなく、前記の奥側プーリと第二プーリの間に前記ベルトを掛巻できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係るベルト取付治具は、所謂二段プーリとされるクランクプーリとエアコンのコンプレッサプーリとの間にVリブドベルトを掛巻するのに用いている。
【0018】
図1は、エンジン本体の部分斜視図である。図2は、二段プーリの断面図である。以下、図1を参照しつつ、クランクプーリとコンプレッサプーリに対するVリブドベルトの掛巻を説明し、図2を参照しつつ、二段プーリであるクランクプーリの構造を説明する。
【0019】
図1に示されるように、エンジン本体1には、エンジンのクランク軸に連結されるクランクプーリ2(二段プーリ)と、エアコンのコンプレッサの入力軸に連結されるコンプレッサプーリ3(第二プーリ)と、が所定の軸間距離を隔てて回転自在に支持される。このクランクプーリ2とコンプレッサプーリ3との間には、実線と二点鎖線で略示のVリブドベルト4が掛巻され、もって、クランク軸の動力が、クランクプーリ2、Vリブドベルト4、コンプレッサプーリ3を順に介してコンプレッサの入力軸に伝動されるようになっている。本実施形態では、クランクプーリ2とコンプレッサプーリ3との間の軸間距離は変更不能とされ、また、図示するように、Vリブドベルト4に対して張力を付与するオートテンショナ(張力付与手段)は搭載しない。
【0020】
上記のクランクプーリ2は二段プーリであって、図1及び図2に示されるようにプーリ軸方向に並設される同径の手前側プーリ5と奥側プーリ6を備える。奥側プーリ6は、プーリ軸方向において、エンジン本体1と手前側プーリ5に挟まれる。クランクプーリ2とコンプレッサプーリ3との間に掛巻される上記のVリブドベルト4は、具体的には、図1に示されるように、クランクプーリ2の奥側プーリ6とコンプレッサプーリ3との間に掛巻される。
【0021】
図2に示されるように、手前側プーリ5と奥側プーリ6は一体的に形成され、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aと奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aとの間には中央フランジ7が環状に設けられ、手前側プーリ溝5aを挟んで中央フランジ7と反対側には手前側プーリフランジ5bが、奥側プーリ溝6aを挟んで中央フランジ7と反対側には奥側プーリフランジ6bが、夫々環状に設けられる。クランクプーリ2のボス部8には、エンジンの図示しないクランク軸が挿入される。符号2aは、クランクプーリ2の側面を示す。
【0022】
図1に示されるVリブドベルト4のベルト幅と、コンプレッサプーリ3のプーリ幅と、図2に示される手前側プーリ5のプーリ幅と、奥側プーリ6のプーリ幅と、は略同値とされる。具体的には、Vリブドベルト4は、図2において二点鎖線で略示するように奥側プーリフランジ6bと奥側プーリ溝6a、それと、中央フランジ7の一部に対して重複する。本実施形態に係るVリブドベルト4は、その周長方向において伸縮可能な低モジュラスベルトである。
【0023】
なお、図1の太線矢印はVリブドベルト4の走行方向を示し、この走行方向にVリブドベルト4が走行するときのクランクプーリ2の回転方向を第一回転方向A(第一の回転方向)と、この第一回転方向Aと反対の方向を第二回転方向B(第二の回転方向)と、定義する。
【0024】
次に、図3〜6を参照しつつ、本実施形態に係るベルト取付治具の構成を説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るベルト取付治具の斜視図である。図3(a)〜(d)は、夫々、上記ベルト取付治具9を異なる方向から見た斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係るベルト取付治具の六面図である。図4(a)はベルト取付治具9の正面図である。図4(b)はベルト取付治具9の平面図である。図4(c)はベルト取付治具9の底面図である。図4(d)はベルト取付治具9の左側面図である。図4(e)はベルト取付治具9の右側面図である。図4(f)はベルト取付治具9の背面図である。図5(a)は図3(a)の拡大図であり、図5(b)は図3(c)の拡大図である。図6(a)は図4(b)の拡大図であり、図6(b)は図4(a)の拡大図である。
【0025】
図3〜4には、コンパクトであってまとまりよく、一体的に形成された樹脂製のベルト取付治具9が様々な方向から描かれている。
【0026】
図5〜6に示されるように、ベルト取付治具9は、カバー部10と、屈曲案内曲面11(屈曲案内部)と、を主たる構成として備える。このベルト取付治具9は、更に、ブロック体13と、膨出部14と、当接部15と、を備える。このベルト取付治具9は、図1に示される手前側プーリ5のプーリ幅に略等しく、手前側プーリ5の外周に当接して使用するものであって、図5に示されるブロック体13が図1に示される手前側プーリ5の外周上で、カバー部10よりも第二回転方向B側となるように向きを定めて用いる。以下、説明の便宜上、図1で定義した第一回転方向Aと第二回転方向Bを適宜に用いて説明を行う。即ち、図5〜6における符号A、Bは、図1に示されるクランクプーリ2の第一回転方向A、第二回転方向Bに夫々、対応する。
【0027】
カバー部10は、図7のようにベルト取付治具9が手前側プーリ5の外周に当接された状態で、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5a(外周)を覆う(図2や図12も併せて参照)。本実施形態ではカバー部10は、手前側プーリ溝5aに加えて、手前側プーリフランジ5bと中央フランジ7の一部も覆う。このカバー部10は、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに沿うように円弧状に湾曲され、少なくともVリブドベルト4のベルト幅4w以上の長さで前記のブロック体13から第一回転方向Aへ向かって延在する。カバー部10の内周面には、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aと嵌合可能なリブ10aが形成される。図5(a)の符号10bは、カバー部10の、奥側プーリ6から遠い側の端部である。
【0028】
上記のブロック体13は、図5に示されるように、プーリ径方向外方に隆起する略直方体である。このブロック体13の内周面(プーリ径方向内方の端面)には、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aと嵌合可能なリブ13bが形成される。このリブ13bは、上記のリブ10aと接続される。図5(a)の符号13cはブロック体13の奥側プーリ6側の端面を示し、符号13dはブロック体13のカバー部10側の端面を示す。即ち、ブロック体13の端面13cと端面13dは、図6(a)に示すように直交する。
【0029】
屈曲案内曲面11は、上記カバー部10よりも第二回転方向B側へ配され、カバー部10上を交差して奥側プーリ6の奥側プーリ溝6a(外周)に導入されるVリブドベルト4を屈曲して奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに沿わせるための曲面である。この屈曲案内曲面11は、本実施形態では上記のブロック体13に形成される。具体的には、屈曲案内曲面11は、プーリ径方向に延在する、ブロック体13の、隅部13aのうち第一回転方向A側であって且つ奥側プーリ6側の隅部13aに丸みを付すことで形成される。この屈曲案内曲面11は、プーリ径方向外方へ、少なくともVリブドベルト4のベルト幅4w(図5(a)を参照。)よりも長く延在する。即ち、図6(b)に示されるベルト取付治具9の正面図においてプーリ径方向に着目したときの、カバー部10の外周面10cとブロック体13の端面13dとの合流位置に基づいて特定できる合流点Pと、屈曲案内曲面11の上端11tと、の間の距離11hは、11h>4wの関係を満たす。本実施形態では、11h=4w×1.2の関係が成立している。
【0030】
膨出部14は、カバー部10からプーリ径方向外方へ膨出して形成される。この膨出部14は、具体的には、図5(a)に示されるように、カバー部10上を交差するVリブドベルト4よりも第一回転方向A側に形成される。更に言えば、膨出部14は、カバー部10のうちブロック体13から最も遠い側であって、奥側プーリ6に対して最も近い側である隅部に隆起して形成される。この膨出部14には、カバー部10上を交差するVリブドベルト4に向かって下る、下りテーパ面14aが形成される。この下りテーパ面14aは、本実施形態においてカバー部10の外周面10cに対して接続される平面とされる。
【0031】
当接部15は、カバー部10のリブ10aを手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに嵌合したとき、図2に示されるクランクプーリ2の側面2aに対して当接ないし密着するよう、図5(b)に示すように、ブロック体13からプーリ軸に向かって延在する。
【0032】
次に、図7〜図12を参照しつつ、上記のベルト取付治具9の使用方法を説明する。図7は、ベルト取付治具の使用方法の第一説明図である。図8は、ベルト取付治具の使用方法の第二説明図である。図9は、ベルト取付治具の使用方法の第三説明図である。図10は、図9の10線矢視図であって、ベルト取付治具の使用方法の第四説明図である。図11は、ベルト取付治具の使用方法の第五説明図である。図12は、膨出部の機能説明図である。
【0033】
先ず、図7に示されるように、クランクプーリ2のボス部8にレンチ17の円筒形状である連結部17aを連結し、クランクプーリ2を手動で自由に回転できるようにする。
【0034】
<手順(a)>
次に、カバー部10が屈曲案内曲面11から見て第一回転方向A側となるようにベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに当接する(図5(a)も併せて参照)。このとき、クランクプーリ2のプーリ軸2xとコンプレッサプーリ3のプーリ軸3xとを結ぶ線と、クランクプーリ2のプーリ軸2xとベルト取付治具9とを結ぶ線と、が直角となるように手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対するベルト取付治具9の当接位置を定める。
【0035】
<手順(b)>
この状態で、Vリブドベルト4をコンプレッサプーリ3に掛巻すると共に、図5(a)に示すようにカバー部10上を交差させる。そして、このVリブドベルト4を屈曲案内曲面11によって屈曲しつつ奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに沿わせる。
【0036】
詳しくは、コンプレッサプーリ3に掛巻したVリブドベルト4は、Vリブドベルト4の走行方向と反対の方向に順に、即ち、レンチ17の連結部17a、ベルト取付治具9、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに対してこの順番で掛巻する。即ち、Vリブドベルト4を、先ず、レンチ17の連結部17aに巻き掛ける。コンプレッサプーリ3と連結部17aとの間におけるVリブドベルト4の捩じれは略ゼロ度である。次に、Vリブドベルト4を屈曲案内曲面11に引っ掛ける。このとき、ベルト取付治具9が手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aから離れないように注意する。この状態で、連結部17aとカバー部10の突起側端部10bとの間におけるVリブドベルト4の捩じれはS撚りの方向に略90度であり、カバー部10の突起側端部10bと屈曲案内曲面11との間におけるVリブドベルト4の捩じれはZ撚りの方向に略45度である。更に、屈曲案内曲面11と奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aとの間におけるVリブドベルト4の捩じれはS撚りの方向に略45度である。
【0037】
<手順(c)>
次に、図7〜図11に示すように、クランクプーリ2を第一回転方向Aに概ね120度、回転させる。
【0038】
詳しくは、先ず、図7の状態から図8の状態となるようにベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対して手で押さえながらクランクプーリ2を約30度、第一回転方向Aに回転させる。すると、Vリブドベルト4には、伸張されることにより高い張力が発生する。上記張力は、図5(a)に示されるようにVリブドベルト4がカバー部10上を交差しているのでカバー部10を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対して押圧する押圧作用として働くと共に、Vリブドベルト4自身が屈曲案内曲面11を第二回転方向Bへ向かって乗り越えようとする乗り越え作用として働く。上記押圧作用により、ベルト取付治具9は手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対して強力に固定され、もって、ベルト取付治具9は手前側プーリ5の手前側プーリ溝5a上を滑り難くなる。上記の乗り越え作用について言えば、屈曲案内曲面11がプーリ径方向外方へ少なくともVリブドベルト4のベルト幅4wよりも長く延在しているので、Vリブドベルト4には、屈曲案内曲面11を第二回転方向Bへ向かって乗り越える切っ掛けが与えられず、もって、Vリブドベルト4自身が屈曲案内曲面11を第二回転方向Bへ向かって乗り越えるのは禁止される。上記の「切っ掛け」とは、Vリブドベルト4の少なくとも一部が屈曲案内曲面11の上端11tに至りそして越えることで、Vリブドベルト4の張力が上記の乗り越え作用に一層変換される状態を意味する。本実施形態では、屈曲案内曲面11がプーリ径方向外方へ少なくともVリブドベルト4のベルト幅4wよりも長く延在しているので、屈曲案内曲面11で屈曲されるVリブドベルト4の姿勢の如何に拘わらず、屈曲案内曲面11の上端11tとVリブドベルト4との間の離間関係を維持し易くなっている。なお、上記の状態に至ったら、上記の押圧作用の存在により、もはや、ベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対して手で押さえる必要はなくなる。
【0039】
継続して、図8の状態から図9、10の状態となるようにクランクプーリ2を約80度、第一回転方向Aに回転させる。すると、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに対するVリブドベルト4の嵌合の領域が徐々に広範になると共に、カバー部10から屈曲案内曲面11と反対側に延びるVリブドベルト4が連結部17aから離れて手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに近接する。この状態で、コンプレッサプーリ3とカバー部10の突起側端部10bとの間におけるVリブドベルト4の捩じれはS撚りの方向に略90度であり、クランクプーリ2の側面2aは、Vリブドベルト4のリブが形成された内周面に対して二箇所で接触する。なお、図9の状態と図10の状態は全く同一の状態である。
【0040】
更に、図10の状態から図11の状態となるようにクランクプーリ2を約10度、第一回転方向Aに回転させる。すると、まもなく、Vリブドベルト4に蓄えられた弾性エネルギーが最小となるように、カバー部10上のVリブドベルト4がカバー部10を離れて奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aへと移動する。この移動後、ベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aから回収する。
【0041】
詳しくは、図10の状態からクランクプーリ2を第一回転方向Aに回転させると、クランクプーリ2の側面2a上に引っ掛かっているVリブドベルト4は、連結部17aからプーリ径方向に離れる方向へ向かって側面2a上を滑ると共にブロック体13から膨出部14へ向かってカバー部10上を滑り、やがて、図11において二点鎖線と実線で示すように、Vリブドベルト4は太線矢印の方向へ勢い良く弾かれる。このときのVリブドベルト4の動きを図12に詳細に示した。図12中、Vリブドベルト4は、紙面左から右へ向かって弾かれる。この際、Vリブドベルト4は、膨出部14の下りテーパ面14aに衝突し、この衝突により、Vリブドベルト4は、プーリ径方向外方へ弾き出されるようにジャンプする。そして、Vリブドベルト4は、図中太線矢印で示すように、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6a上に若干斜め上方から接近し、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6a上に着地する。
【0042】
(まとめ)
(請求項1)
以上説明したように上記実施形態においてベルト取付治具9は、以下のように構成される。即ち、ベルト取付治具9は、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aを覆うカバー部10と、カバー部10よりも第二回転方向B側へ配され、カバー部10上を交差して奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに導入されるVリブドベルト4を屈曲して奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに沿わせるための屈曲案内曲面11と、を備える。屈曲案内曲面11は、プーリ径方向外方へ、少なくともVリブドベルト4のベルト幅4wよりも長く延在することにより、前記ベルトが前記第二の回転方向へ向かって乗り越えるのを禁止する。
【0043】
上記のベルト取付治具9は、引例治具2と比較して、ステーを削除できたことにより、構造上シンプルで一層使い勝手が良い。また、上記のベルト取付治具9は、引例治具1と比較して、問題なく上記導入部を削除できることによって同時に、必須とされていた取付部をも省略でき、もって、簡素且つコンパクトである。
【0044】
なお、上記実施形態において屈曲案内曲面11はカバー部10のすべてよりも第二回転方向B側へ配されているが、カバー部10が屈曲案内曲面11よりも第二回転方向B側へ更に延在していても特段の支障はない。ただし、屈曲案内曲面11よりも第二回転方向B側に位置するカバー部10の部分は、Vリブドベルト4の張力を、ベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに対して押圧する押圧作用として働かせる機能を持たない。
【0045】
また、上記実施形態においてクランクプーリ2とコンプレッサプーリ3の軸間距離は変更不能に構成されるとしたが、クランクプーリ2とコンプレッサプーリ3の軸間距離は可変であってもよい。この軸間距離が可変である場合であっても、軸間距離を固定したままVリブドベルト4をクランクプーリ2とコンプレッサプーリ3との間に掛巻しようとする場合は、特別な構造をした上記のベルト取付治具9の意義は十分に認められる。
【0046】
また、上記実施形態の屈曲案内曲面11に代えて、ブロック体13の断面直角の隅部13aをそのまま屈曲案内部として利用することもできる。
【0047】
(請求項1の追加)
上記のベルト取付治具9は、更に、以下のように構成される。即ち、カバー部10よりも第二回転方向B側にはプーリ径方向外方へ隆起するブロック体13が設けられる。前記ブロック体13の、第一回転方向側であって且つ前記奥側プーリ側の隅部に丸みを付すことで屈曲案内曲面11が形成されると共に、カバー部10は上記ブロック体13から第一回転方向Aへ向かって延在して形成される。以上の構成によれば、カバー部10と屈曲案内曲面11を備えるベルト取付治具9をまとまりのよい構造とすることができる。
【0048】
(請求項2)
上記のベルト取付治具9は、更に、以下のように構成される。即ち、カバー部10には、カバー部10上を交差するVリブドベルト4よりも第一回転方向A側に、プーリ径方向外方へ膨出する膨出部14が形成される。以上の構成によれば、カバー部10から屈曲案内曲面11と反対側に延びるVリブドベルト4が手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに近接し、まもなく、カバー部10上のVリブドベルト4がカバー部10を離れて奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aへと移動する際、膨出部14の存在により、Vリブドベルト4は若干ジャンプして奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aへと移動することとなる。従って、図12に示されるように、手前側プーリ5と奥側プーリ6との間の中央フランジ7をVリブドベルト4は容易に飛び越えることができるし、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに対してVリブドベルト4が若干斜め上方から接近する動きが実現される。なお、この二つの効果は、奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに対するVリブドベルト4の衝突等に起因するVリブドベルト4の損傷の緩和として結実する。
【0049】
なお、上記の膨出部14は、下りテーパ面14aに代えて、カバー部10の外周面10cに対して滑らかに接続される曲面を有するように形成されてもよい。また、膨出部14の膨出高さは、Vリブドベルト4のベルト幅4wに応じて適宜に増減するとよい。前述のジャンプから着地に至るまでのプーリ軸方向の飛翔距離が増減するからである。
【0050】
(請求項3)
上記のベルト取付治具9は、更に、以下のように構成される。即ち、ベルト取付治具9は、クランクプーリ2の側面2aに当接する当接部15を備える。このようにクランクプーリ2の側面2aに当接する当接部15を設けることにより、手前側プーリ5の手前側プーリ溝5a上でのベルト取付治具9の姿勢が一層安定し、もって、Vリブドベルト4の張力によってベルト取付治具9が手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aから外れてしまうのを抑制できる。また、上記の当接部15は、クランクプーリ2に対するベルト取付治具9の適切な位置決めを簡易化する効果も奏する。
【0051】
(請求項4)
また、上記のベルト取付治具9は、以下のようにして用いる。(a)カバー部10が屈曲案内曲面11から見て第一回転方向A側となるようにベルト取付治具9を手前側プーリ5の手前側プーリ溝5aに当接する。(b)Vリブドベルト4をコンプレッサプーリ3に掛巻すると共に、カバー部10上を交差させ、屈曲案内曲面11によって屈曲しつつ奥側プーリ6の奥側プーリ溝6aに沿わせる。(c)クランクプーリ2を第一回転方向Aに回転させる。以上の方法によれば、特許文献2の構成で要求されるステーの取り付け作業のような難解な作業をすることなく、前記の奥側プーリ6とコンプレッサプーリ3の間にVリブドベルト4を掛巻できる。
【0052】
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
【0053】
即ち、上記実施形態では、二段プーリと第二プーリの組み合わせとして、クランクプーリ2とコンプレッサプーリ3の組み合わせを例示した。しかし、これに代えて、クランクプーリ2とウォーターポンププーリの組み合わせ、クランクプーリ2とオルタネータプーリの組み合わせ、といった組み合わせにVリブドベルト4を掛巻する場合にも、上記のベルト取付治具9を用いるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】エンジン本体の部分斜視図である。
【図2】二段プーリの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るベルト取付治具の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るベルト取付治具の六面図である。
【図5】図5(a)は図3(a)の拡大図であり、図5(b)は図3(c)の拡大図である。
【図6】図6(a)は図4(b)の拡大図であり、図6(b)は図4(a)の拡大図である。
【図7】ベルト取付治具の使用方法の第一説明図である。
【図8】ベルト取付治具の使用方法の第二説明図である。
【図9】ベルト取付治具の使用方法の第三説明図である。
【図10】図9の10線矢視図であって、ベルト取付治具の使用方法の第四説明図である。
【図11】ベルト取付治具の使用方法の第五説明図である。
【図12】膨出部の機能説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1 エンジン本体
2 クランクプーリ
3 コンプレッサプーリ
4 Vリブドベルト
5 クランクプーリの手前側プーリ
6 クランクプーリの奥側プーリ
9 ベルト取付治具
10 カバー部
11 屈曲案内曲面(屈曲案内部)
13 ブロック体
13a 隅部
A 第一回転方向
B 第二回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリ軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備えると共に第一の回転方向及び第二の回転方向を有する二段プーリの前記奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に、周長方向に伸縮可能なベルトを、前記奥側プーリと前記第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するのに用いるベルト取付治具であって、
前記手前側プーリの外周を覆うカバー部と、
前記カバー部よりも前記第二の回転方向側に配設され、プーリ径方向外方へ隆起するブロック体と、
前記ブロック体の、第一回転方向側であって且つ前記奥側プーリ側の隅部に丸みを付すことで形成され、前記カバー部上を交差して前記奥側プーリの外周に導入される前記ベルトを屈曲して前記奥側プーリの外周に沿わせるための屈曲案内部と、
を備え、
前記屈曲案内部は、プーリ径方向外方へ、少なくとも前記ベルトのベルト幅よりも長く延在することにより、前記ベルトが前記第二の回転方向へ向かって乗り越えるのを禁止する、
ことを特徴とするベルト取付治具。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト取付治具であって、
前記カバー部には、前記カバー部上を交差する前記ベルトよりも前記第一の回転方向側に、プーリ径方向外方へ膨出する膨出部が形成される、
ことを特徴とする、ベルト取付治具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のベルト取付治具であって、
前記二段プーリの側面に当接する当接部を備える、
ことを特徴とする、ベルト取付治具。
【請求項4】
プーリ軸方向に並設される手前側プーリと奥側プーリを備えると共に第一の回転方向及び第二の回転方向を有する二段プーリの前記奥側プーリと、他のプーリとしての第二プーリと、の間に、周長方向に伸縮可能なベルトを、前記奥側プーリと前記第二プーリの軸間距離を固定したまま掛巻するベルト取付方法であって、
請求項1〜3の何れかに記載のベルト取付治具を以下のように用いる、
ことを特徴とする、ベルト取付方法。
(a)前記カバー部が前記屈曲案内部から見て前記第一の回転方向側となるように前記ベルト取付治具を前記手前側プーリの外周に当接する。
(b)前記ベルトを前記第二プーリに掛巻すると共に、前記カバー部上を交差させ、前記屈曲案内部によって屈曲しつつ前記奥側プーリの外周に沿わせる。
(c)前記二段プーリを前記第一の回転方向に回転させる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−229813(P2012−229813A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156035(P2012−156035)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2008−295448(P2008−295448)の分割
【原出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】