ベータ−アミロイド生成および／または凝集に関連した疾病の防止、処置および診断
【課題】アルツハイマー病などの疾患を決定或いは予想する方法を提供する。
【解決手段】β−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する哺乳動物の感受性を決定する、あるいはアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する哺乳動物の危険性を決定する、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスのスクリーニングをする、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想する方法。
【解決手段】β−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する哺乳動物の感受性を決定する、あるいはアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する哺乳動物の危険性を決定する、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスのスクリーニングをする、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想する方法。
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【特許請求の範囲】
【請求項１】
アルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する哺乳動物の感受性を決定するためか、あるいはアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する哺乳動物の危険性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスのスクリーニングのためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）前記哺乳動物のサンプルにおける５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドまたはそのＮ−末端フラグメント（以下、β−アミロイド（５−Ｘ）という）の量、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体の量、あるいはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量を決定する工程；
（ｂ）工程（ａ）において決定される量と、コントロール哺乳動物のサンプルにおけるβ−アミロイド（５−Ｘ）の量、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体の量、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量とを比較する工程；
（ｃ）工程（ｂ）における比較から、哺乳動物がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患にかかり易いかどうか、哺乳動物がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する危険性にあるかどうか、哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着が浄化されているかどうか、あるいは前記哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷がどのレベルであるかを結論付ける工程、
を含んでなる、方法。
【請求項２】
哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するための請求項１に記載の方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）β−アミロイド（５−Ｘ）、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物を前記哺乳動物に対して投与する工程；
（ｂ）前記哺乳動物のサンプルにおいて、β−アミロイド（５−Ｘ）の量を決定する工程；
（ｃ）工程（ｂ）において決定される量と、コントロール哺乳動物から得られるサンプルにおけるβ−アミロイド（５−Ｘ）の量とを比較する工程；
（ｄ）工程（ｃ）における比較から、前記哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷がどのレベルであるかを結論付ける工程、
を含んでなる、方法。
【請求項３】
５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物のワクチン化もしくは治療適用により哺乳動物において誘導される免疫応答の測定のための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）前記適用後の哺乳動物のサンプルにおいて、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量を決定する工程；
（ｂ）工程（ａ）において決定される量と、前記適用前のβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体または反応性Ｔ細胞の量とを比較する工程；
（ｃ）工程（ｂ）における比較から、哺乳動物が前記適用に応答しているかどうかを結論付ける工程であって、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体または反応性Ｔ細胞の量の増加が、哺乳動物がワクチン化もしくは治療適用に応答していることを示すものである工程、
を含んでなる、方法。
【請求項４】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項１〜３のいずれか１項記載の方法。
【請求項５】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項４記載の方法。
【請求項６】
サンプルが脳抽出物である、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項７】
サンプルが脳脊髄液である、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
サンプルが血液サンプルである、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項９】
疾患の防止のための予防ワクチンの製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１０】
前記疾患がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連するものである、請求項９記載の使用。
【請求項１１】
疾患の処置のための治療薬の製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１２】
前記疾患がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連するものである、請求項１１記載の使用。
【請求項１３】
診断または療法診断キットの製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１４】
前記診断または療法診断キットが、哺乳動物におけるアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する感受性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する危険性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスをスクリーニングするためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するためのものである、請求項１３記載の使用。
【請求項１５】
前記診断または療法診断キットが、β−アミロイド（５−Ｘ）、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物によるワクチン化もしくは治療適用により哺乳動物において誘導される免疫応答の測定のためのものである、請求項１３記載の使用。
【請求項１６】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項９〜１５のいずれか１項記載の使用。
【請求項１７】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項１６記載の使用。
【請求項１８】
５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））を特異的に認識する抗体の調製のための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）ヒトとは異なる動物をβ−アミロイド（５−Ｘ）またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸で免疫する工程；
（ｂ）（ａ）の免疫化工程により作成される抗体を得る工程；
（ｃ）β−アミロイド（５−Ｘ）の特異的認識に関して、工程（ｂ）で得られる抗体をスクリーニングする工程、
を含んでなる、方法。
【請求項１９】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項１８記載の方法。
【請求項２０】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項１９記載の方法。
【請求項２１】
請求項１８〜２０のいずれか１項記載の方法により得ることができる抗体。
【請求項１】
アルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する哺乳動物の感受性を決定するためか、あるいはアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する哺乳動物の危険性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスのスクリーニングのためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）前記哺乳動物のサンプルにおける５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドまたはそのＮ−末端フラグメント（以下、β−アミロイド（５−Ｘ）という）の量、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体の量、あるいはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量を決定する工程；
（ｂ）工程（ａ）において決定される量と、コントロール哺乳動物のサンプルにおけるβ−アミロイド（５−Ｘ）の量、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体の量、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量とを比較する工程；
（ｃ）工程（ｂ）における比較から、哺乳動物がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患にかかり易いかどうか、哺乳動物がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する危険性にあるかどうか、哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着が浄化されているかどうか、あるいは前記哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷がどのレベルであるかを結論付ける工程、
を含んでなる、方法。
【請求項２】
哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するための請求項１に記載の方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）β−アミロイド（５−Ｘ）、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物を前記哺乳動物に対して投与する工程；
（ｂ）前記哺乳動物のサンプルにおいて、β−アミロイド（５−Ｘ）の量を決定する工程；
（ｃ）工程（ｂ）において決定される量と、コントロール哺乳動物から得られるサンプルにおけるβ−アミロイド（５−Ｘ）の量とを比較する工程；
（ｄ）工程（ｃ）における比較から、前記哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷がどのレベルであるかを結論付ける工程、
を含んでなる、方法。
【請求項３】
５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物のワクチン化もしくは治療適用により哺乳動物において誘導される免疫応答の測定のための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）前記適用後の哺乳動物のサンプルにおいて、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞の量を決定する工程；
（ｂ）工程（ａ）において決定される量と、前記適用前のβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体または反応性Ｔ細胞の量とを比較する工程；
（ｃ）工程（ｂ）における比較から、哺乳動物が前記適用に応答しているかどうかを結論付ける工程であって、β−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体または反応性Ｔ細胞の量の増加が、哺乳動物がワクチン化もしくは治療適用に応答していることを示すものである工程、
を含んでなる、方法。
【請求項４】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項１〜３のいずれか１項記載の方法。
【請求項５】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項４記載の方法。
【請求項６】
サンプルが脳抽出物である、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項７】
サンプルが脳脊髄液である、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
サンプルが血液サンプルである、請求項１〜５のいずれか１項記載の方法。
【請求項９】
疾患の防止のための予防ワクチンの製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１０】
前記疾患がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連するものである、請求項９記載の使用。
【請求項１１】
疾患の処置のための治療薬の製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１２】
前記疾患がアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連するものである、請求項１１記載の使用。
【請求項１３】
診断または療法診断キットの製造のための、５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸の使用。
【請求項１４】
前記診断または療法診断キットが、哺乳動物におけるアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患に対する感受性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病などのβ−アミロイド形成および／または凝集に関連する疾患を発展する危険性を決定するためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド沈着のクリアランスをスクリーニングするためか、あるいは哺乳動物におけるβ−アミロイド負荷のレベルを予想するためのものである、請求項１３記載の使用。
【請求項１５】
前記診断または療法診断キットが、β−アミロイド（５−Ｘ）、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な抗体、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）に特異的な反応性Ｔ細胞、またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸を含む組成物によるワクチン化もしくは治療適用により哺乳動物において誘導される免疫応答の測定のためのものである、請求項１３記載の使用。
【請求項１６】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項９〜１５のいずれか１項記載の使用。
【請求項１７】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項１６記載の使用。
【請求項１８】
５位で開始するＮ−末端短縮β−アミロイドもしくはそのＮ−末端フラグメント（β−アミロイド（５−Ｘ））を特異的に認識する抗体の調製のための方法であって、前記方法が、以下の工程：
（ａ）ヒトとは異なる動物をβ−アミロイド（５−Ｘ）またはβ−アミロイド（５−Ｘ）をコードする核酸で免疫する工程；
（ｂ）（ａ）の免疫化工程により作成される抗体を得る工程；
（ｃ）β−アミロイド（５−Ｘ）の特異的認識に関して、工程（ｂ）で得られる抗体をスクリーニングする工程、
を含んでなる、方法。
【請求項１９】
前記β−アミロイド（５−Ｘ）が翻訳後修飾を含むものである、請求項１８記載の方法。
【請求項２０】
翻訳後修飾がメチル化である、請求項１９記載の方法。
【請求項２１】
請求項１８〜２０のいずれか１項記載の方法により得ることができる抗体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１０−９１５７２（Ｐ２０１０−９１５７２Ａ）
【公開日】平成２２年４月２２日（２０１０．４．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２４７５５６（Ｐ２００９−２４７５５６）
【出願日】平成２１年１０月２８日（２００９．１０．２８）
【分割の表示】特願２００５−５０５６５４（Ｐ２００５−５０５６５４）の分割
【原出願日】平成１５年７月１８日（２００３．７．１８）
【出願人】（３９９０４４１６０）イノジェネティックス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (17)
【氏名又は名称原語表記】ＩＮＮＯＧＥＮＥＴＩＣＳ Ｎ．Ｖ．
【出願人】（５９２２３６２３４）アンスティテュー・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル・（イ・エヌ・エス・ウ・エール・エム） (12)
【氏名又は名称原語表記】ＩＮＳＴＩＴＵＴ ＮＡＴＩＯＮＡＬ ＤＥ ＬＡ ＳＡＮＴＥ ＥＴ ＤＥ ＬＡ ＲＥＣＨＥＲＣＨＥ ＭＥＤＩＣＡＬＥ （Ｉ．Ｎ．Ｓ．Ｅ．Ｒ．Ｍ．）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月２２日（２０１０．４．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１０月２８日（２００９．１０．２８）
【分割の表示】特願２００５−５０５６５４（Ｐ２００５−５０５６５４）の分割
【原出願日】平成１５年７月１８日（２００３．７．１８）
【出願人】（３９９０４４１６０）イノジェネティックス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (17)
【氏名又は名称原語表記】ＩＮＮＯＧＥＮＥＴＩＣＳ Ｎ．Ｖ．
【出願人】（５９２２３６２３４）アンスティテュー・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル・（イ・エヌ・エス・ウ・エール・エム） (12)
【氏名又は名称原語表記】ＩＮＳＴＩＴＵＴ ＮＡＴＩＯＮＡＬ ＤＥ ＬＡ ＳＡＮＴＥ ＥＴ ＤＥ ＬＡ ＲＥＣＨＥＲＣＨＥ ＭＥＤＩＣＡＬＥ （Ｉ．Ｎ．Ｓ．Ｅ．Ｒ．Ｍ．）
【Ｆターム（参考）】
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