説明

ベーンポンプ

【課題】部品点数を増やすことなく、長期間の使用によっても経時劣化することのないベーンポンプを提供する。
【解決手段】回転可能に軸支されたロータ4の径方向に沿ってベーン収容部7を延設し、該ベーン収容部7内にスライド可能なベーン8を収容すると共に、該ベーン8の外周側にリング部材3を配設することにより、ロータ4の回転によってベーン8がベーン収容部7をスライドして前記リング部材3の内周面に摺接するベーンポンプ1であって、前記ベーン8における外周側の摺動部8aの比重を、内周側の本体部8bよりも小さく設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータにより駆動され、液体を吸入及び吐出するベーンポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体を給排するベーンポンプとして特許文献1に開示されたものが知られている。このベーンポンプは、ガイド(リング部材)の内部に回転自在なロータを配置し、該ロータにベーン収容部を形成し、該ベーン収容部に羽根板(ベーン)をスライド可能に収容したものである。
【特許文献1】特開昭62−291488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のベーンポンプにおいては、羽根板(ベーン)をバネによって径方向外側に押し出し、ガイドの内周面に押し付けている。従って、長期間の使用によってバネが経時劣化した場合には、羽根車を押し付ける押圧力が低下するおそれがあった。また、別途にバネを設ける必要があり、部品点数の増大を招いていた。
【0004】
そこで、本発明は、部品点数を増やすことなく、長期間の使用によっても経時劣化することのないベーンポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係るベーンポンプにおいては、回転可能に軸支されたロータをケーシング内に設け、前記ロータの径方向に沿ってベーン収容部を延設し、該ベーン収容部内にスライド可能なベーンを収容することにより、ロータの回転によってベーンがベーン収容部をスライドして前記ケーシングの内周面に摺接するベーンポンプであって、前記ベーンにおける内周側の本体部の比重を外周側の摺動部よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係るベーンポンプにおいては、前記摺動部を樹脂材料から形成し、前記本体部を金属材料から形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係るベーンポンプにおいては、前記金属材料を樹脂材料で覆うように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係るベーンポンプにおいては、 前記摺動部を形成する樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリエチレン、及びポリエーテルエーテルケトンのいずれかからなることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係るベーンポンプにおいては、前記本体部を形成する金属材料は、ステンレス又はチタンのいずれかからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載のベーンポンプによれば、ベーンの摺動性を低下させることなく、ベーン全体の比重を極力大きくすることができるため、ロータを回転させたときの遠心力によってベーンがケーシングの内周面に押し付けられる押圧力を高めることができる。
【0011】
即ち、ベーン全体を樹脂等の比重が小さい材料で形成した場合は、ケーシングの内周面に押し付けられるベーンの押圧力が小さくなる。一方、ベーン全体を金属等の比重が大きい材料で形成した場合は、ケーシングの内周面に押し付けられるベーンの押圧力は大きくなるが、金属等は硬度が高いため、ケーシングの内周面をベーンの摺動部よりも更に硬度を高めて摩耗を防止する必要があり、高コストになる。また、硬度の高いもの同士を摺動させると騒音が大きくなる。
【0012】
従って、ベーンの本体部を比重が大きい材料から構成することによって、全体として比重の極力大きいベーンを得ることができる。これによって、ベーンがケーシングの内周面に押し付けられる押圧力が増大し、ベーン、ロータ及びケーシング内周面で囲まれたポンプ室からの流体の漏れを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載のベーンポンプによれば、摺動部を樹脂材料から構成することにより、摺動部の摺動性を高く維持したまま、ベーン全体の比重を極力大きくすることができる。
【0014】
請求項3に記載のベーンポンプによれば、ベーンの製造が容易になり、摺動部と本体部との結合力が向上する。
【0015】
請求項4に記載のベーンポンプによれば、樹脂材料の中でも、より摺動性が高いものでベーンの摺動部を作成することができる。
【0016】
請求項5に記載のベーンポンプによれば、比重が大きい金属材料によってベーンの比重を効率的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態によるベーンポンプの回転軸と直交する横断面での断面図、図2は本発明の実施形態によるベーンポンプの回転軸を含む縦断面での断面図、図3は本発明の実施形態によるベーンポンプの分解斜視図である。
【0019】
まず、図1を参照して、ベーンポンプ1の作動流体の吸入および吐出に関わる構成について説明する。
【0020】
本実施形態にかかるベーンポンプ1では、図1に示すように、ケーシング2内で、円環状のリング部材3の略円筒状の内周面3aと回転軸Axを中心に回転するロータ4の略円柱状の基体部5の外周面5aとの間に、作動流体(液体)を収容する環状室6が形成されている。環状室6の幅wは、回転軸Axの周方向に沿って変化している。本実施形態では、内周面3aの中心Cと回転軸Axとを平行にずらして、リング部材3の内周面3aとロータ4の基体部5とを偏心させてある。このため、環状室6の幅wは、図1の右端の位置で最小となり、右端の位置から時計回り方向に徐々に拡がって左端の位置で最大となり、左端の位置から右端の位置に向けて時計回り方向に徐々に狭まって最小となっている。
【0021】
基体部5には、ロータ4の回転軸Axに対して外周方向に放射状に伸びて径外方向に開口する4つのベーン収容部7が形成されており、各ベーン収容部7には略角棒状または略帯板状のベーン8がスライド可能に収容されている。ベーン8は、ロータ4の回転に伴って生じる遠心力とベーン収容部7内の回転軸Ax側に導入される作動流体の与圧によって、ベーン収容部7内で径外方向に付勢されている。このため、ベーン8は、リング部材3の内周面3aと摺接しながらロータ4とともに回転する。
【0022】
環状室6は、周方向に一定のピッチで配置された複数のベーン8によって、同数(本実施形態では4つ)のポンプ室9に区画されている。ロータ4およびベーン8の回転に伴い、ポンプ室9の容積は、環状室6の幅wの変化に従って変化することになる。すなわち、各ポンプ室9の容積は、図1の右端の位置で最小となっている。そして、ロータ4の回転方向RD(図1の時計回り方向)への回転に伴って漸増し、左端の位置で最大となる。その位置からさらにロータ4が時計回り方向に回転すると、ポンプ室9の容積は漸減し、右端の位置で最小となる。つまり、本実施形態では、ロータ4の1周回のうち図1の下半分の区間でポンプ室9の容積が拡大し、上半分の区間でポンプ室9の容積が縮小する。このため、リング部材3の内周面3aおよびケーシング2(第1のケーシング10)に、ポンプ室9の容積が拡大する区間に臨ませて吸入開口11を設けるとともに、ポンプ室9の容積が縮小する区間に臨ませて吐出開口12を設けてある。吸入開口11は、第1のケーシング10の側面上に突設された吸入パイプ13内の吸入通路14と連通し、吐出開口12は、吸入パイプ13と平行に突設された吐出パイプ15内の吐出通路16と連通している。
【0023】
したがって、図1において、ロータ4が回転方向RDに回転すると、隣接する2枚のベーン8によって区画されるポンプ室9は、右端の位置から容積を拡大させながら左端の位置まで移動する。このため、吸入通路14から吸入開口11を介してポンプ室9内に作動流体が流入する。そして、ポンプ室9は、左端の位置から容積を縮小しながら右端の位置まで移動する。このため、ポンプ室9から吐出開口12を介して吐出通路16に作動流体が流出する。複数のポンプ室9についてこのような作動流体の流入および流出が順次行われ、以て、ベーンポンプ1による連続的な作動流体の吸入および吐出が実現されている。
【0024】
次に、図2および図3を参照して、本実施形態にかかるベーンポンプ1の各部の構成を詳細に説明する。
【0025】
ロータ4の基体部5に形成されたベーン収容部7は、軸方向他方側となる下側において底壁部17によって塞がれており、ベーン8は、ベーン収容部7内を往復動する。なお、底壁部17には、ベーン収容部7の径内側に連通する連通孔17aが形成されており、この連通孔17aを介してベーン収容部7内に、底壁部17の裏側(軸方向他方側)から作動流体の与圧が導入されるようになっている。
【0026】
底壁部17は、回転軸Axを中心とし当該回転軸Axと直交する円板状に形成されており、基体部5の外周面5aより外側までフランジ状に張り出している。そして、この底壁部17の外周縁に、略円筒状のスカート部18が突設されている。スカート部18は、回転軸Axと同心となっており、基体部5から離間する側(軸方向他方側)に向けて略一定の厚みで突出している。
【0027】
このスカート部18は、ロータ4を駆動するモータ19の回転子として機能するものであり、コイルの巻回されたステータコア20のティース20aに対応して周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された着磁部18aを含んでいる。スカート部18のうち少なくとも着磁部18aとして機能する部分は、磁性材料によって構成される。この場合、スカート部18のうちティース20aに対向する部分のみを磁性材料(例えばフェライト磁石やサマリウムコバルト磁石等の硬磁性材料)によって構成してもよいし、スカート部18全体を磁性材料によって構成しても良いし、ロータ4全体を磁性材料によって構成してもよい。この場合、樹脂材料に磁性材料からなる粉状や粒状の磁性フィラーを混合して、ロータ4やスカート部18を成形することも可能である。
【0028】
また、基体部5の外周面5aは一定のピッチで径内方向に凹設され、これにより羽根部5bが形成されている。この羽根部5bは、ロータ4の基体部5とともに回転し、吸入開口11と対峙するときにはポンプ室9への作動流体の吸入性能を高めるとともに、吐出開口12と対峙するときにはポンプ室9からの作動流体の排出性能を高めている。そして、ロータ4は、ケーシング2によって形成される内部空間内で回転軸Ax回りに回転するように構成されている。
【0029】
リング部材3は、図3に示すように、環状室6の外周面を形成する筒状部3bと、筒状部3bの軸方向他方側から回転軸Axの径外方向に張り出すフランジ部3cとを備え、さらに、吸入通路14および吐出通路16の側壁の一部を成すリブ3dを備えている。円板環状のフランジ部3cから回転軸Axの軸方向に筒状部3bとリブ3dとが略同じ高さで立設された形状となっている。
【0030】
このリング部材3は、第1のケーシング10に形成された凹部内に収容される。すなわち、この凹部は、リング部材3の筒状部3bとリブ3dを嵌合する形状に凹設されている。また、リング部材3のフランジ部3cの外周部3eは、凹部の反対側で第2のケーシング23の環状壁部23aと接触しており、この部分が第1のケーシング10と第2のケーシング23とによって挟持されることで、リング部材3が回転軸Axの軸方向に固定されている。
【0031】
第2のケーシング23には、略円環状の凹部23bと、ロータ4の軸受部のうち第2のケーシング23側(軸方向他方側)に突出する部分を収容する凹部23cとが形成されている。
【0032】
凹部23bの外周にある環状壁部23aより径外側の領域は、第1のケーシング10との当接面となる。この当接面には、Oリング部材34用の溝部23dを略円環状に形成し、この溝部23d内に装着したOリング部材34によって、第1のケーシング10と第2のケーシング23との境界部分でのシールを確保してある。なお、この境界部分以外の部材同士の境界部分(例えばリング部材3のフランジ部3cと第1のケーシング10との間の境界面等)にも適宜にシール部材(例えばガスケットやOリング等)を介在させ、各境界部分のシール性能を向上させるようにしてもよい。
【0033】
シャフト21は、ロータ4の中心に設けた軸受部22を貫通し、該軸受部22を回転自在に支持している。
【0034】
また、凹部23bと凹部23cとの間には、ロータ4の反対側(軸方向他方側、図2の下側)からロータ4側に向けて突設された環状の突起部23fが形成されており、この突起部23fの裏側となる環状の凹部内にモータ19を構成するステータコア20が収容されている。
【0035】
ステータコア20は、基板24の表面24aに取り付けられており、回転軸Axと同心で中央に位置する円筒部20bと、円筒部20bから放射状に伸びてコイルが巻回された複数のティース20aとを備えている。
【0036】
そして、基板24のステータコア20を設けた表面24aに対して反対側(軸方向他方側、図2の下側)となる裏面24bには、各種電子部品が実装され、モータの駆動回路やその他の回路が形成されている。本実施形態では、基板24に形成された駆動回路によって各ティース20aに巻回されたコイルの通電状態を適宜に切り替えてティース20aの外周部分における極性を切り替え、これにより、ティース20aに対して径外方向に対向する着磁部に周方向の推力を与え、以て、ロータ4を回転させるようになっている。よって、第2のケーシング23のうち、少なくとも、ステータコア20(ティース20a)の外周部とスカート部との間に介在する隔壁部23gは、透磁性を有するものとする必要がある。このため、隔壁部23gあるいは第2のケーシング23の全体が、透磁性を有する材料(例えば、ステンレススチールや、樹脂材料等)で形成される。
【0037】
基板24は、凹部23cをロータ4の反対側(軸方向他方側)から塞ぐようにして取り付けられており、さらに、基板24を、基板カバー25によって、ロータ4の反対側(軸方向他方側)から覆ってある。基板カバー25には、基板24との間に電子部品を配置する間隔を確保するため、突条25aを設けてある。
【0038】
第1のケーシング10および第2のケーシング23は、いずれも回転軸Axに沿う軸方向視で略正方形状の外形状を呈している。そして、これらケーシング10,23の四隅に、これらを締結するねじ26の貫通孔10a,23jを形成してある。これら貫通孔10a,23jにねじ26を挿通して、ナット27を螺結し、基板カバー25を貼り付けることで、ベーンポンプ1が組み立てられる。なお、符号30はワッシャである。
【0039】
図4は、図3のうちのロータを拡大した斜視図である。
【0040】
前述したように、ロータ4においては、円盤状の底壁部17の上に基体部5が設けられている。該基体部5は、4つのベーン収容部7が径方向に沿って延設されている。これらのベーン収容部7は、周方向に沿って約90°の等間隔で配置されている。ベーン8は略直方体状に形成され、ベーン収容部7は、ベーン8が収容可能な大きさに画成されている。なお、後述するように、ベーン8は、外周側に配置した摺動部8aと、内周側に配置した本体部8bとから一体に形成されている。
【0041】
図5は本発明の実施形態によるベーンを示す斜視図、図6は図5のA−A線による断面図、図7は本発明の実施形態によるロータの基体部とリング部材の内周面とを示す平面図である。
【0042】
ベーン8は、ロータ4の外周方向側(径方向外側)に配置された摺動部8aと、内周方向側(径方向内側)に配置された本体部8bとから一体に形成されている。また、外周側に形成された外周面8cは、断面形状が略円弧状に形成されており、摺動部8aの内周側には、凹部8eが凹設されている。
【0043】
一方、本体部8bの外周側の端部には、外周方向に突出する断面矩形状の凸部8dが形成されており、該凸部8dは、摺動部8aの凹部8eに嵌合するように構成されている。
【0044】
ここで、本体部8bの比重は、摺動部8aよりも大きく設定している。具体的には、摺動部8aは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレン(PE)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成することが好ましい。一方、本体部8bは、ステンレスやチタンなどからなる金属から形成することが好ましい。
【0045】
ベーン8を作製するには、前記摺動部8aの内周面と本体部8bの外周面との少なくともいずれかの面に接着剤を塗布したのち、凸部8dを凹部8eに嵌合させれば良い。
【0046】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されずに、本発明の技術思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【0047】
例えば、前記実施形態では、図5,6に示したように、本体部8bの先端に摺動部8aを結合させたが、図8,9に示すように、金属からなる本体部38bの周囲を樹脂からなる摺動部38aで覆ったベーン38に形成しても良い。具体的には、直方体状の本体部38bの上下左右側及び外周側に樹脂を充填させて固化させる、インサート成形をすることによってベーン38が得られる。なお、摺動部38aの外周側の外周面38cは、図5の場合と同様に湾曲して形成されている。そして、本体部38bの内周側は、樹脂で覆う必要はないが、全周を覆っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態によるベーンポンプの回転軸と直交する横断面での断面図である。
【図2】本発明の実施形態によるベーンポンプの回転軸を含む縦断面での断面図である。
【図3】本発明の実施形態によるベーンポンプの分解斜視図である。
【図4】図3におけるロータを拡大した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるベーンを示す斜視図である。
【図6】図5のA−A線による断面図である。
【図7】本発明の実施形態によるロータの基体部とリング部材の内周面とを示す平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるベーンを示す斜視図である。
【図9】図8のB−B線による断面図である。
【符号の説明】
【0049】
Ax…回転軸
1…ベーンポンプ
2…ケーシング
3…リング部材(ケーシング)
3a…内周面
3b…筒状部
3c…フランジ部
3d…リブ
3e…外周部
4…ロータ
5…基体部
5a…外周面
5b…羽根部
6…環状室
7…ベーン収容部
8,38…ベーン
8a,38a…摺動部
8b,38b…本体部
8c,38c…外周面
8d…凸部
8e…凹部
9…ポンプ室
10…第1のケーシング(ケーシング)
10a,23j…貫通孔
11…吸入開口
12…吐出開口
13…吸入パイプ
14…吸入通路
15…吐出パイプ
16…吐出通路
17…底壁部
17a…連通孔
18…スカート部
18a…着磁部
19…モータ
20…ステータコア
20a…ティース
20b…円筒部
21…シャフト
22…軸受部
23…第2のケーシング(ケーシング)
23a…環状壁部
23b…凹部
23c…凹部
23d…溝部
23f…突起部
23g…隔壁部
24…基板
24a…表面
24b…裏面
25…基板カバー
25a…突条
25b…貫通孔
27…ナット
30…ワッシャ
34…Oリング部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に軸支されたロータをケーシング内に設け、前記ロータの径方向に沿ってベーン収容部を延設し、該ベーン収容部内にスライド可能なベーンを収容することにより、ロータの回転によってベーンがベーン収容部をスライドして前記ケーシングの内周面に摺接するベーンポンプであって、
前記ベーンにおける外周側の摺動部の比重を、内周側の本体部よりも小さく設定したことを特徴とするベーンポンプ。
【請求項2】
前記摺動部を樹脂材料から形成し、前記本体部を金属材料から形成したことを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
【請求項3】
前記金属材料を樹脂材料で覆うように構成したことを特徴とする請求項2に記載のベーンポンプ。
【請求項4】
前記摺動部を形成する樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリエチレン、及びポリエーテルエーテルケトンのいずれかからなることを特徴とする請求項2又は3に記載のベーンポンプ。
【請求項5】
前記本体部を形成する金属材料は、ステンレス又はチタンのいずれかからなることを特徴とする請求項2又は3に記載のベーンポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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