説明

ペグ化されたGLA−ドメイン含有タンパク質を含む低粘度組成物

本発明は、ビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物の粘度を低下させる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペグ化されたGLA-ドメイン含有タンパク質を含む組成物に関する。特に本発明は、低粘度の液状組成物に関する。本発明は、第X因子ポリペプチド(FX/FXa)、第IX因子ポリペプチド(FIX/FIXa)、第VII因子ポリペプチド(FVII/FVIIa)、及び抗凝固プロテインC、特に第VII因子ポリペプチドから選択される凝固因子の組成物の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンK依存性タンパク質とも称されるGLA-ドメイン含有タンパク質は、分子のアミノ末端部分に共通する構造的特徴を共有することで、他のタンパク質とは区別される。Gla-ドメインとも称されるこれらのタンパク質のN末端は、酵素γ-グルタミルカルボキシラーゼにより触媒されるビタミンK依存性反応においてグルタメートから合成される普通でないアミノ酸γ-カルボキシグルタミン酸に富む。約2〜12のGla残基が存在するため、Gla-ドメインは二価のカチオン、例えばCa2+に結合可能であることによって特徴付けられる。金属イオンの結合の際、これらのタンパク質は、円二色性及び蛍光放射等の、いくつかの技術により測定可能な立体構造変化を受ける。
多くの場合、貯蔵及びデリバリーの双方に適したGLA-ドメイン含有タンパク質の高濃度組成物が所望されている。通常、薬剤製品は液体として保存され、投与される。また、薬剤製品は凍結乾燥、すなわちフリーズドライされ、患者に使用する前に、適切な希釈剤を添加することにより再構成される。
【0003】
しかしながら、このようなGLA-ドメイン含有タンパク質がPEG部分とコンジュゲートされると、このような組成物は、薬剤製品を濃縮した場合に、粘度が増加してしまう。従って、この発明の目的は、高濃度のペグ化されたGLA-ドメイン含有タンパク質を含有する低濃度の組成物を提供することにある。米国特許出願第20050175603号は、低減した粘度を有する濃縮タンパク質製剤に関する。
【発明の概要】
【0004】
本発明者は、少なくとも一の二価の金属カチオンと共に、ペグ化されたビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物が、二価のカチオンを含有しないこれらの組成物と比較して、低減した粘度を示すことを発見した。
よって、広い態様では、本発明は、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物に関し、ここで関心あるビタミンK依存性タンパク質は一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で含有する。
【0005】
本発明の第2の態様は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物に関し、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で含有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下である。
【0006】
本発明の第3の態様は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する液状の水性製薬用組成物に関し、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で含有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり;医薬として使用される。
【0007】
本発明の第4の態様は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する液状の水性製薬用組成物の使用に関し、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で含有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり;関心あるビタミンK依存性タンパク質は、第VII因子反応性症候群を治療する医薬を製造するための第VII因子ポリペプチドである。
【0008】
本発明の第5の態様は、第VII因子反応性症候群を治療する方法に関し、該方法は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する液状の水性製薬用組成物を有効量、それを必要とする被験者に投与することを含み、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は10mMより高い濃度で二価の金属カチオンを有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり、関心あるビタミンK依存性タンパク質は、第VII因子ポリペプチドである。
【0009】
本発明の第6の態様は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物の粘度を低下させる方法に関し、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり、該方法は、10mMより高い最終濃度になるまで、二価の金属カチオンを添加する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な記述)
上述したように、本発明は、少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する新規の組成物を開発することにあり、ここで、該関心あるビタミンK依存性タンパク質は、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度は30mパスカルx秒(mPa・s)以下である。
【0011】
ここで使用される場合、「関心あるビタミンK依存性」タンパク質なる用語は、GLA-ドメイン含有タンパク質を意味する。ビタミンK依存性タンパク質には、限定されるものではないが、次のタンパク質:GAS-6、プロテインS、第II因子(プロトロンビン)、トロンビン、第X/Xa因子、第IX/IXa因子、プロテインC、第VII/VIIa因子、プロテインZ、膜貫通ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質1、膜貫通ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質2、膜貫通ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質3、膜貫通ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質4、マトリックスGlaタンパク質、及びオステオカルチンが含まれる。
【0012】
一実施態様において、二価の金属カチオンは、Ca2+、Zn2+、Mg2+、Cu2+、Mn2+、Co2+、Fe2+、Sm2+、Ni2+、Cd2+、Hg2+、Sm2+からなる列挙から選択される。特定の一実施態様において、二価の金属カチオンはCa2+である。
【0013】
種々の実施態様において、PEG部分は少なくとも300Da、例えば少なくとも500Da、例えば少なくとも1000Da、例えば少なくとも5kDa、例えば少なくとも10kDaの分子量を有する。
種々の実施態様において、PEG部分は少なくとも40kDaの分子量を有する。
【0014】
種々の実施態様において、関心あるビタミンK依存性タンパク質は、第VII因子ポリペプチド、例えばヒト第VIIa因子である。
種々の実施態様において、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子配列変異体である。
【0015】
種々の実施態様において、第VII因子ポリペプチドの活性と天然ヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との間の比率は、ここに記載されるような「インビトロタンパク質分解アッセイ」でテストした場合に、少なくとも1.25である。
種々の実施態様において、第VII因子ポリペプチドは、少なくとも30mg/mL、例えば少なくとも35mg/mL、例えば少なくとも40mg/mL、例えば20-50mg/mLの範囲、例えば20-40mg/mLの範囲、例えば20-30mg/mLの範囲の濃度で存在している。
【0016】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、約4.0〜約8.0の範囲のpHを有する。
種々の実施態様において、二価の金属カチオンは、少なくとも20mM、例えば少なくとも30mM、例えば少なくとも40mM、例えば少なくとも50mM、例えば少なくとも60mM、例えば10-100mMの範囲の濃度で存在している。
【0017】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、MES、PIPES、ACES、BES、TES、HEPES、トリス、グリシンアミド、リン酸、酢酸、乳酸、及びコハク酸の酸及び塩からなる群から選択される緩衝剤をさらに含有する。一実施態様において、この緩衝剤の濃度は1-100mMである。
種々の実施態様において、本発明の組成物は、ポリソルバート類、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレン/ポリプロピレンブロックコ-ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンステアラート、及びポリオキシエチレンヒマシ油からなる群から選択される非イオン性界面活性剤をさらに含有する。
【0018】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、浸透圧調節剤をさらに含有する。一実施態様において、浸透圧調節剤は、中性塩、アミノ酸、2-5のアミノ酸残基のペプチド、多糖類、二糖類、多糖類、及び糖アルコールからなる群から選択される少なくとも一である。
一実施態様において、少なくとも一の浸透圧調節剤は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群から選択される中性塩である。
一実施態様において、浸透圧調節剤は、少なくとも1mMの濃度で存在している。
【0019】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、酸化防止剤をさらに含有する。一実施態様において、酸化防止剤は、L-メチオニン、D-メチオニン、メチオニン類似体、メチオニン含有ペプチド、メチオニンホモログ、アスコルビン酸、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスチン、及びシススタチオニン(cysstathionine)から選択される。一実施態様において、酸化防止剤は0.1-5.0mg/mLの濃度で存在している。
【0020】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、保存料をさらに含有する。一実施態様において、保存料は、フェノール、ベンジルアルコール、オルト-クレゾール、メタ-クレゾール、パラ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンザエトニウム(benzaethonium chloride)からなる群から選択される。
【0021】
種々の実施態様において、本発明の組成物は液状の水性製薬用組成物である。
種々の実施態様において、本発明の組成物は、第XII/XIIa因子、第XI/XIa因子、第X/Xa因子、第IX/IXa因子、第VII/VIIa因子、トロンビン、及びプロテインCからなる列挙から選択される、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する。
【0022】
種々の実施態様において、本発明の組成物は、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合、25mパスカルx秒(mPa・s)以下、例えば20mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば15mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば10mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば5mパスカルx秒(mPa×s)以下の粘度を有する。
特定の実施態様において、二価の金属カチオンはカルシウム(Ca2+)であり、前記薬剤の濃度は少なくとも10mMである。
【0023】
ここで使用される場合「第VII因子ポリペプチド」なる用語は、野生型第VII因子(すなわち、米国特許第4,784,950号に開示されているアミノ酸配列を有するポリペプチド)、並びに野生型第VII因子に対して、実質的に同等又は改善された生物活性を示す第VII因子の変異体が含まれる。「第VII因子」なる用語は、それらの未切断(チモーゲン)形態にある第VII因子ポリペプチド、並びに第VIIa因子と命名されてもよい、それぞれの生物活性形態が生じるようにタンパク質分解的にプロセシングされたものを含むことを意図している。典型的には、第VII因子は残基152と153の間が切断されて、第VIIa因子を生じる。また、「第VII因子ポリペプチド」なる用語は、第VIIa因子の生物活性が、野生型第VIIa因子に対して、実質的に同等又はある程度低減している変異体を含む、ポリペプチドを含む。これらのポリペプチドには、限定されるものではないが、特定のアミノ酸配列変化がポリペプチドの生物活性を修正又は破壊するように導入された第VII因子又は第VIIa因子が含まれる。血液凝固における第VIIa因子の生物活性は、(i)組織因子(TF)に結合し、(ii)第IX因子又は第X因子をタンパク質分解的に切断し、活性化した第IX因子又は第X因子(それぞれ、第IXa因子又は第Xa因子)を生成する能力に由来する。
【0024】
本発明の目的について、第VII因子ポリペプチドの生物活性(「第VII因子の生物活性」)は、例えば米国特許第5,997,864号又は国際公開第92/15686号に記載されているようにして、又は明細書のアッセイ4(以下参照)に記載されているようにして、第VII因子-欠損血漿及びトロンボプラスチンを使用し、血液凝固を促進させる調製物の能力を測定するアッセイにより定量化されてよい。また、第VIIa因子の生物活性は、(i)第X因子、及び脂質膜に包埋したTFを含む系において、活性化した第X因子(第Xa因子)を生成する、第VIIa因子又は第VII因子関連ポリペプチドの能力を測定し(Perssonら, J. Biol. Chem. 272:19919-19924, 1997);(ii)水系における第X因子の加水分解度を測定し(「インビトロタンパク質分解アッセイ」、以下のアッセイ2);(iii)表面プラズモン共鳴をベースにした装置を使用し、TFに対する第VIIa因子又は第VII関連ポリペプチドの物理的結合度を測定し(Persson, FEBS Letts. 413:359-363, 1997);(iv)第VIIa因子及び/又は第VII関連ポリペプチドによる合成基質の加水分解度を測定し(「インビトロ加水分解アッセイ」、以下のアッセイ1);又は(v)インビトロ系における、TF-非依存性での、トロンビン生成度を測定する(以下のアッセイ3)ことにより定量化されてよい。
【0025】
野生型第VIIa因子に対して実質的に同等又は改善された生物活性を有する第VII因子変異体には、一又は複数の上述した凝血アッセイ、タンパク質分解アッセイ、又はTF結合アッセイでテストされる場合、同じ細胞系で生成される第VIIa因子の特異的活性の少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%を示すものが含まれる。野生型第VIIa因子に対して実質的に低減した生物活性を有する第VII因子変異体には、一又は複数の上述した凝血アッセイ、タンパク質分解アッセイ、又はTF結合アッセイでテストされる場合、同じ細胞系で生成される野生型第VIIa因子の特異的活性の約25%未満、例えば約10%未満、又は約5%未満を示すものである。野生型第VII因子に対して実質的に変化した生物活性を有する第VII因子変異体には、限定されるものではないが、TF-非依存性第X因子タンパク質分解活性を示す第VII因子変異体、及びTFに結合するが、第X因子を切断しないものが含まれる。
【0026】
野生型第VII因子と実質的に同等又は良好な生物活性を示す、又は野生型第VII因子に対して実質的に変化又は低減した生物活性を示すに関わらず、 第VII因子変異体には、限定されるものではないが、一又は複数のアミノ酸の挿入、欠失、又は置換による、野生型第VII因子の配列とは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。
【0027】
野生型第VII因子と比較して実質的に同等な生物活性を有する第VII因子変異体の非限定的例には、S52A-FVIIa、S60A-FVIIa(Linoら, Arch. Biochem. Biophys. 352: 182-192, 1998);米国特許第5,580,560号に開示されたような、増加したタンパク質分解安定性を示すFVIIa変異体;残基290と291の間、又は残基315と316の間が、タンパク質分解的に切断された第VIIa因子(Mollerupら, Biotechnol. Bioeng. 48:501-505, 1995);第VIIa因子の酸化形態(Kornfeltら, Arch. Biochem. Biophys. 363:43-54, 1999);PCT/DK02/00189に開示されているFVII変異体;及び国際公開第02/38162号に開示されたような、増加したタンパク質分解安定性を示すFVII変異体(Scripps Research Institute);国際公開第99/20767号(ミネソタ大学)に開示されたような、高められた膜結合性を示し、修飾されたGla-ドメインを有するFVII変異体;及び国際公開第01/58935号(Maxygen ApS)に開示されたようなFVII変異体が含まれる。
【0028】
野生型FVIIaと比較して増加した生物活性を有する第VII因子変異体の非限定的例には、国際公開第01/83725号、国際公開第02/22776号、国際公開第02/077218号、国際公開第03/027147号、国際公開第03/37932号;国際公開第02/38162号(Scripps Research Institute)に開示されたようなFVII変異体;及び日本国特許第2001061479号(Chemo-Sero-Therapeutic Res Inst.)に開示されたような高められた活性を有するFVIIa変異体が含まれる。
野生型第VII因子に対して実質的に低減した又は変化した生物活性を有する第VII因子変異体の非限定的例には、R152E-FVIIa(Wildgooseら, Biochem 29:3413-3420、1990)が含まれる。
【0029】
第VII因子ポリペプチドの非限定的例には、限定されるものではないが、野生型第VII因子、L305V-FVII、L305V/M306D/D309S-FVII、L305I-FVII、L305T-FVII、F374P-FVII、V158T/M298Q-FVII、V158D/E296V/M298Q-FVII、K337A-FVII、M298Q-FVII、V158D/M298Q-FVII、L305V/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII、V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII、K157A-FVII、E296V-FVII、E296V/M298Q-FVII、V158D/E296V-FVII、V158D/M298K-FVII、及びS336G-FVII、L305V/K337A-FVII、L305V/V158D-FVII、L305V/E296V-FVII、L305V/M298Q-FVII、L305V/V158T-FVII、L305V/K337A/V158T-FVII、L305V/K337A/M298Q-FVII、L305V/K337A/E296V-FVII、L305V/K337A/V158D-FVII、L305V/V158D/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V-FVII、L305V/V158T/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V-FVII、L305V/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/K316H-FVII、S314E/K316Q-FVII、S314E/L305V-FVII、S314E/K337A-FVII、S314E/V158D-FVII、S314E/E296V-FVII、S314E/M298Q-FVII、S314E/V158T-FVII、K316H/L305V-FVII、K316H/K337A-FVII、K316H/V158D-FVII、K316H/E296V-FVII、K316H/M298Q-FVII、K316H/V158T-FVII、K316Q/L305V-FVII、K316Q/K337A-FVII、K316Q/V158D-FVII、K316Q/E296V-FVII、K316Q/M298Q-FVII、K316Q/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D-FVII、S314E/L305V/E296V-FVII、S314E/L305V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/K337A/E296V-FVII、S314E/L305V/K337A/V158D-FVII、S314E/L305V/V158D/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V-FVII、S314E/L305V/V158T/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V-FVII、S314E/L305V/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D-FVII、K316H/L305V/E296V-FVII、K316H/L305V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/K337A/E296V-FVII、K316H/L305V/K337A/V158D-FVII、K316H/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V-FVII、K316H/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V-FVII、K316H/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D-FVII、K316Q/L305V/E296V-FVII、K316Q/L305V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/K337A/E296V-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158D-FVII、K316Q/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V-FVII、K316Q/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V-FVII、K316Q/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/K337A-FVII、F374Y/V158D-FVII、F374Y/E296V-FVII、F374Y/M298Q-FVII、F374Y/V158T-FVII、F374Y/S314E-FVII、F374Y/L305V-FVII、F374Y/L305V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D-FVII、F374Y/L305V/E296V-FVII、F374Y/L305V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T-FVII、F374Y/L305V/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E-FVII、F374Y/K337A/V158T-FVII、F374Y/K337A/M298Q-FVII、F374Y/K337A/E296V-FVII、F374Y/K337A/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q-FVII、F374Y/V158D/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q-FVII、F374Y/V158T/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E-FVII、F374Y/S314E/M298Q-FVII、F374Y/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158D-FVII、F374Y/L305V/K337A/E296V-FVII、F374Y/L305V/K337A/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/E296V/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/V158T-FVII、F374Y/L305V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158T-FVII、F374Y/K337A/S314E/M298Q-FVII、F374Y/K337A/S314E/E296V-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158D-FVII、F374Y/K337A/V158T/M298Q-FVII、F374Y/K337A/V158T/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/V158D-FVII、F374Y/K337A/E296V/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158D/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158D/M298Q/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158T/M298Q/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E/M298Q-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V1
58D/E296V/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、S52A-第VII因子、S60A-第VII因子;R152E-第VII因子、S344A-第VII因子、Glaドメインが欠失した第FVIIa因子;及びP11Q/K33E-FVII、T106N-FVII、K143N/N145T-FVII、V253N-FVII、R290N/A292T-FVII、G291N-FVII、R315N/V317T-FVII、K143N/N145T/R315N/V317T-FVII;及び233Thrから240Asnのアミノ酸配列に、置換、付加又は欠失を有するFVII、304Argから329Cysのアミノ酸配列に、置換、付加又は欠失を有するFVII、及びIle153-Arg223のアミノ酸配列に、置換、付加又は欠失を有するFVIIが含まれる。
【0030】
いくつかの実施態様において、第VII因子ポリペプチドはヒト第VIIa因子(hFVIIa)、好ましくは組換え的に作製されたヒト第VIIa因子(rhVIIa)である。
他の実施態様において、第VII因子ポリペプチドは第VII因子配列変異体である。
いくつかの実施態様において、第VII因子ポリペプチドは、野生型ヒト第VII因子とは異なるグリコシル化を有する。
【0031】
様々な実施態様、例えば第VII因子ポリペプチドが第VII因子関連ポリペプチド又は第VII因子配列変異体である実施態様において、本明細書に記載されたような「インビトロタンパク質分解アッセイ」(アッセイ2)でテストされる場合、第VII因子ポリペプチドの活性と天然ヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との比率は、少なくとも約1.25、好ましくは少なくとも約2.0又は4.0、最も好ましくは少なくとも約8.0である。
いくつかの実施態様において、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子-関連ポリペプチド、特に変異体であり、ここで、「インビトロ加水分解アッセイ」(以下の「アッセイ」を参照)でテストされる場合、前記第VII因子ポリペプチドの活性と天然ヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との比率は少なくとも約1.25であり;他の実施態様において、該比率は少なくとも約2.0であり;さらなる実施態様において、該比率は少なくとも約4.0である。
【0032】
一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されている関心あるビタミンK依存性タンパク質であって、ここでは第VII因子ポリペプチドである、関心あるビタミンK依存性タンパク質には、限定されるものではないが、国際公開第03/31464号及び米国特許出願第US 20040043446号、US 20040063911号、US 20040142856号、US 20040137557号、US 20040132640号、国際公開第2007022512号、及びUS 20070105755号(Neose Technologies, Inc.)に開示されたようなグリコペグ化されたFVII誘導体;国際公開第01/04287号、米国特許出願第20030165996号、国際公開第01/58935号、国際公開第03/93465号(Maxygen ApS)及び国際公開第02/02764号、米国特許出願第20030211094号(ミネソタ大学)に開示されたようなペグ化されたFVIIコンジュゲートが含まれる。
【0033】
第VIIa因子の濃度は、便宜的にmg/mL又はIU/mLとして表され、通常、1mgは43000−56000IU又はそれ以上を表す。
【0034】
液状にするために、哺乳動物、例えばヒトへの直接的非経口投与に有用な液状の水性製薬用組成物は、通常、組成物のpH値が所定の限界内、例えば約4.0〜約9.0で保持されることが必要である。付与された条件下で、適切なpH値を確実にするために、製薬用組成物は、約4.0〜約9.0の範囲のpHを維持するのに適切な緩衝剤(ii)をさらに含有する。
「緩衝剤」なる用語は、約4.0〜約9.0の許容範囲に溶液pHを維持する薬剤又は薬剤の組合せを含む。本用語は、安定化する二価金属イオンに結合する能力が適切に制限された(すなわち、本発明による酸化状態+IIの第1遷移系列金属との金属錯体の形成の制限)薬剤又は薬剤の組合せをさらに包含する。一実施態様において、組成物における緩衝剤又は薬剤と二価の金属イオンとの組合せは、第VII因子ポリペプチドに対する二価の金属イオンの結合親和性と比較して、約1%又はそれ以下の結合親和性を示す。
【0035】
一実施態様において、緩衝剤(ii)は、MES、PIPES、ACES、BES、TES、HEPES、トリス、グリシンアミド、ヒスチジン(例えばL-ヒスチジン)、イミダゾール、グリシン、グリシルグリシン、グルタル酸、クエン酸(例えば、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム)、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、リン酸(例えば、リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム)、酢酸(例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム又は酢酸カルシウム)、乳酸、及びコハク酸等の酸及びその塩からなる群から選択される、少なくとも一の成分である。緩衝剤は、2又はそれ以上の成分の混合物を含んでいてもよく、ここで該混合物は、特定の範囲のpH値を提供可能なものであると理解されるべきである。例として、酢酸及び酢酸ナトリウム、酢酸及びヒスチジン等を挙げることができる。
緩衝剤の濃度は、溶液が好ましいpHを維持できるように選択される。種々の実施態様において、緩衝剤の濃度は、1−100mM;1−50mM;1−25mM;又は2−20mMである。
【0036】
一実施態様において、組成物のpHは、約4.0〜約9.0;例えば約5.0〜約9.0、約4.0〜約8.0、約4.0〜約7.5、約4.0〜約7.0;約4.5〜約7.5;約4.5〜約7.0;約5.0〜約7.5;約5.0〜約7.0;約5.0〜約6.5;約5.0〜約6.0;約5.5〜約7.5;約5.5〜約7.0;約5.5〜約6.5;約6.0〜約7.5;約6.5〜約7.5;又は約6.0〜約7.0;約6.4〜約6.6、又は約6.5、約5.2〜約5.7、又は約5.5で維持されている。
【0037】
製薬用組成物は、非イオン性界面活性剤をさらに含有していてもよい。「界面活性剤」(洗浄剤としても公知)には、空気/溶液界面誘発性のストレス、及び溶液/表面誘発性のストレス(例えば、タンパク質凝集に至る)からタンパク質を保護する薬剤が含まれる。
典型的な種類の非イオン性界面活性剤は、ポリソルバート(polysorbates)、ポロキサマー(poloxamers)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンステアラート、及びポリオキシエチレンヒマシ油である。非イオン性界面活性剤の例証例は、トゥイーン(Tween)(登録商標)、ポリソルバート20、ポリソルベート80、ビリジ(Brij)-35(ポリオキシエチレンドデシルエーテル)、ポロキサマー188、ポロキサマー407、PEG8000、プルロニック(Pluronic)(登録商標)ポリオール類、ポリオキシ-23-ラウリルエーテル、ピリジ35、ミリジ(Myrj)49、及びクレモフォア(Cremophor)Aである。
一実施態様において、非イオン性界面活性剤は、0.005−2.0重量%の量で存在している。
【0038】
4つの必須の成分に加えて、液状の水性製薬用組成物は、組成物の調製、処方、安定化、又は投与に有益なさらなる成分を含有していてもよい。
組成物は浸透圧調節剤(v)をさらに含有していてもよい。
ここで使用される場合、「浸透圧調節剤」なる用語には、溶液の浸透圧に寄与する薬剤が含まれる。浸透圧調節剤(v)には、中性塩、アミノ酸、2〜5のアミノ酸残基のペプチド、単糖類、二糖類、多糖類、及び糖アルコールからなる群から選択される、少なくとも一が含まれる。いくつかの実施態様において、組成物は、2又はそれ以上のこのような薬剤の組合せを含有する。
「中性塩」とは、水溶液に溶解したときに、酸でも塩基でもない塩を意味する。
【0039】
一実施態様において、少なくとも一の浸透圧調節剤(v)は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、カルシウムラエブラート(laevulate)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、及びマグネシウムラエブラートからなる群から選択される中性塩である。
さらなる実施態様において、浸透圧調節剤(v)には、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、及び酢酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも一と組合せて、塩化ナトリウムが含まれる。
さらなる実施態様において、浸透圧調節剤(v)は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、スクロース、グルコース、及びマンニトールからなる群から選択される少なくとも一である。
【0040】
種々の実施態様において、浸透圧調節剤(v)は、少なくとも1mM、少なくとも5mM、少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも50mM、少なくとも100mM、少なくとも200mM、少なくとも400mM、少なくとも800mM、少なくとも1000mM、少なくとも1200mM、少なくとも1500mM、少なくとも1800mM、少なくとも2000mM、又は少なくとも2200mMの濃度で存在している。
一連の実施態様において、浸透圧調節剤(v)は、5−2200mM、例えば25−2200mM、50−2200mM、100−2200mM、200−2200mM、400−2200mM、600−2200mM、800−2200mM、1000−2200mM、1200−2200mM、1400−2200mM、1600−2200mM、1800−2200mM、又は2000−2200mM;5−1800mM、25−1800mM、50−1800mM、100−1800mM、200−1800mM、400−1800mM、600−1800mM、800−1800mM、1000−1800mM、1200−1800mM、1400−1800mM、1600−1800mM;5−1500mM、25−1400mM、50−1500mM、100−1500mM、200−1500mM、400−1500mM、600−1500mM、800−1500mM、1000−1500mM、1200−1500mM;5−1200mM、25−1200mM、50−1200mM、100−1200mM、200−1200mM、400−1200mM、600−1200mM、又は800−1200mMの濃度で存在している。
【0041】
本発明の一実施態様において、少なくとも一の浸透圧調節剤(v)は、イオン強度調節剤(v/a)である。
ここで使用される場合、「イオン強度調節剤」なる用語には、溶液のイオン強度に寄与する薬剤が含まれる。前記薬剤には、限定されるものではないが、中性塩、アミノ酸、2〜5のアミノ酸残基のペプチドが含まれる。いくつかの実施態様において、組成物は、2又はそれ以上のこのような薬剤の組合せを含有する。
イオン強度調節剤(v/a)の非限定的例には、中性塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムである。一実施態様において、前記薬剤(v/a)は塩化ナトリウムである。
【0042】
「イオン強度」なる用語は、等式:μ=1/2 Σ([i](Z))で定められる、溶液のイオン強度(μ)であり、ここでμはイオン強度であり、[i]はイオンのミリモル濃度であり、Zはそのイオンの電荷(+又は−)である(例えば、Solomon, Journal of Chemical Education, 78(12):1691-92, 2001;James Fritz and George Schenk: Quantitative Analytical Chemistry, 1979を参照)。
【0043】
本発明の種々の実施態様において、組成物のイオン強度は、少なくとも50mM、例えば少なくとも75mM、少なくとも100mM、少なくとも150mM、少なくとも200mM、少なくとも250mM、少なくとも400mM、少なくとも500mM、少なくとも650mM、少なくとも800mM、少なくとも1000mM、少なくとも1200mM、少なくとも1600mM、少なくとも2000mM、少なくとも2400mM、少なくとも2800mM、又は少なくとも3200mMである。
いくつかの特定の実施態様において、浸透圧調節剤(v)とイオン強度調節剤(v/a)の全濃度は、1-1000mM、例えば1-500mM、1-300mM、10-200mM、又は20-150mM;又は例えば100-1000mM、200-800mM、又は500-800mMの範囲であり、浸透圧及びイオン強度を有し得る、任意の他の成分の影響にも依存する。
【0044】
一実施態様において、組成物は等張であり;また他では高張である。
「等張」なる用語は「血清と等張」、すなわち約300±50ミリオスモル/kgであることを意味する。浸透圧は、投与前の溶液の浸透圧を測定することを意味する。「高張」なる用語は、血漿の生理的レベル以上の浸透圧レベル、例えば300±50ミリオスモル/kg以上のレベルを称することを意味する。
【0045】
さらなる実施態様において、組成物は酸化防止剤(vi)をさらに含有する。種々の実施態様において、酸化防止剤は、L-メチオニン、D-メチオニン、メチオニン類似体、メチオニン含有ペプチド、メチオニンホモログ、アスコルビン酸、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスチン、及びシススタチオニンからなる群から選択される。
好ましい実施態様において、酸化防止剤はL-メチオニンである。
酸化防止剤の濃度は、典型的には0.1−5.0mg/mL、例えば0.1−4.0mg/mL、0.1−3.0mg/mL、0.1−2.0mg/ml、又は0.5−2.0mg/mLである。
【0046】
上述した酸化防止剤の例は本発明に適用されるものではあるが、多くの特定の化合物、例えばメチオニンは、金属を含有する薬剤(類)(iii)の金属イオンと錯体を形成する可能性があると考えられる。これにより、金属を含有する薬剤(類)(iii)の効果的な濃度はわずか低くなる可能性がある。
この理由のため、特定の実施態様において、組成物は酸化防止剤を含有しないが、その代わり、酸化に対する第VII因子ポリペプチドの感受性を、大気を除去することによりコントロールする。もちろん、酸化防止剤の使用を、大気のコントロールされた除去と組合せてもよい。
【0047】
よって、本発明は、ここで定められる、液状の水性製薬用組成物と、場合によっては不活性ガスを収容する気密容器(例えばバイアル又はカートリッジ(例えば、シリンジアセンブリ又はペン状アプリケータ用のカートリッジ))を提供する。不活性ガスは、窒素、アルゴンからなる群から選択されてよい。容器(例えばバイアル又はカートリッジ)は、典型的にはガラス又はプラスチック、特にガラスで作製され、場合によってはゴム隔膜、又は製薬用組成物の完全性を保ちながら貫通を可能にする他の閉塞手段により閉塞されていてもよい。特定の実施態様において、組成物は酸化防止剤(vi)を含有しない。さらなる実施態様において、容器は、シールされたバッグ、例えばシールされたプラスチックバッグ、特にラミネートされたもの(例えば、金属(特にアルミニウム)でラミネートされたプラスチックバッグ)に封入されるバイアル又はカートリッジである。
【0048】
必須の成分に加えて、製薬用組成物は、保存料(vii)をさらに含有していてよい。
保存料は、微生物の成長を遅らせるために組成物に含有せしめられ、よってFVIIポリペプチドの「複数回使用」包装を可能にする。保存料の例には、フェノール、ベンジルアルコール、オルト-クレゾール、メタ-クレゾール、パラ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウムが含まれる。保存料は、通常は、pHの範囲及び保存料の種類に応じて、約0.1〜約20mg/mLの濃度で含有される。
【0049】
さらに、組成物は、脱アミド化及び異性体化を阻害可能な、一又は複数の薬剤を含有していてもよい。
【0050】
ここで使用される場合、「約」として特定されるpH値は、±0.1であると理解され、例えば約pH8.0はpH8.0±0.1を含む。
パーセンテージは、溶液に溶解した固体、及び溶液に混合された液体を言及する場合、双方とも(重量/重量)である。例えば、トゥイーンについては、100%ストックの重量/溶液の重量である。
【0051】
本発明の第VII因子ポリペプチドの製薬用組成物は、安定した、好ましい使用準備が整った組成物として有用である。さらに、ここで付与される原則、指針及び特定の実施態様は、変更すべきところは変更して、第VII因子ポリペプチドの大量保存に、等しく適用されると考えられる。組成物は、2℃〜8℃の範囲の温度で保存される場合、典型的には少なくとも6ヶ月、好ましくは36ヶ月まで安定している。また組成物は、2℃〜8℃で、少なくとも6ヶ月保存された場合、化学的及び/又は物理的に安定、特に化学的に安定している。
「安定」なる用語は、(i)2℃〜8℃で6ヶ月保存した後、組成物が、本質的に本明細書のアッセイ4に記載したような、一工程の凝血アッセイで測定した場合に、最初の生物活性の少なくとも50%を保持している;又は(ii)2℃〜8℃で6ヶ月保存した後、重鎖分解生成物の含有量の増加度が、第VII因子ポリペプチドの最初の含有量の、最大40%(w/w)であることを意味することを意図している。
「最初の含有量」なる用語は、組成物の調製時、組成物に添加される第VII因子ポリペプチドの量に関する。
【0052】
種々の実施態様において、安定化組成物は、2〜8℃で6ヶ月保存した後、最初の生物活性の少なくとも70%、例えば少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を保持している。
種々の実施態様において、安定化組成物における重鎖分解生成物の含有量の増加度は、第VII因子ポリペプチドの最初の含有量の、約30%(w/w)以下、約25%(w/w)以下、約20%(w/w)以下、約15%(w/w)以下、約10%(w/w)以下、約5%(w/w)以下、又は約3%(w/w)以下である。
【0053】
重鎖分解生成物の含有量を測定する目的で、粒子径5μm及び孔サイズ300Åを有する、所有する4.5x250mmのブチル結合シリカカラムにおいて、逆相HPLCを実施した。カラム温度:70℃。Aバッファー:0.1%v/vのトリフルオロ酢酸。Bバッファー:0.09%v/vのトリフルオロ酢酸、80%v/vのアセトニトリル。30分、Xから(X+13)%Bの直線状勾配を用い、カラムを溶出させた。約26分の保持時間で、FVIIaが溶出されるように、Xを調節した。流速:1.0mL/分。検出:214nm。充填:25μgのFVIIa。
【0054】
第VII因子ポリペプチドの「物理的安定性」なる用語は、第VII因子ポリペプチドのダイマー、オリゴマー及びポリマー形態での、不溶性及び/又は溶解性の凝集体の形成、並びに分子の任意の構造的変形及び変性に関する。物理的に安定した組成物には、視覚的に透明性を保持している組成物が含まれる。多くの場合、組成物の物理的安定性は、組成物を種々の時間、異なる温度で保存した後の濁度及び視覚検査で評価される。組成物の視覚検査は、暗色背景で、鋭く集光されたライトにおいて実施される。組成物は、視覚的濁りを示す場合に、物理的に不安定であると分類される。
【0055】
「化学的安定性」なる用語は、本質的に、本明細書のアッセイ4に記載されているような、一工程の凝血アッセイで測定した場合に、2〜8℃で6ヶ月保存した後、その最初の生物活性の少なくとも50%を保持している組成物を含むことを意図している。
「化学的安定性」なる用語は、促進条件下で、溶液での保存時、第VII因子ポリペプチドにおける任意の化学的変化の形成に関連していることを意図している。具体例は、第VII因子ポリペプチドのフラグメント形成に至る、加水分解、脱アミド化、及び酸化、並びに酵素的分解である。特に、硫黄含有アミノ酸は、対応するスルホキシドの形成を伴い酸化する傾向にある。
【0056】
本発明の組成物は、製薬用処方に適しているばかりでなく、関心あるビタミンK依存性タンパク質の製造プロセス中、例えば製造プロセスの精製工程中に得られる組成物であってもよい。
【0057】
(使用方法)
理解されるように、ここで定められた液状の水性製薬用組成物は、医薬の分野で使用することができる。よって、特に本発明は、薬剤、特に第VII因子反応性症候群を治療する薬剤として使用される、ここで定められた液状の水性製薬用組成物を提供する。
従って、本発明は、第VII因子反応性症候群を治療する薬剤を調製するための、ここで定められた液状の水性製薬用組成物の使用、並びに第VII因子-反応性症候群を治療するための方法を提供するものであって、該方法は、ここで定められた液状の水性製薬用組成物を有効量、それを必要とする被験者に投与することを含む。
本発明の調製物は、任意の第VII因子反応性症候群、例えば凝固因子欠乏症(例えば、血友病A、血友病B、第XI凝固因子欠乏症、第VII凝固因子欠乏症);血小板減少症又はフォン・ヴィルブランド病、又は凝固因子インヒビターに起因するものを含む出血性疾患、及び脳内出血、又は任意の原因による過度の出血の処置に使用されてよい。また調製物は、手術又は他の外傷のある患者、又は抗凝固治療を受けている患者に投与されてよい。
【0058】
「有効量」なる用語は、所望する応答を達成するための用量を設定する有資格者により決定される有効な用量である。用量を考慮するための要因には、作用強度、生物学的利用能、所望する薬物動態/薬力学的プロフィール、処置状況、患者関連の要因(例えば、体重、健康状態、年齢等)、同時投与される薬物(例えば、抗凝固剤)の存在、投与時間、又は医療実施者に公知の他の要因が含まれる。
「処置」なる用語は、病気、病状又は疾患に抗することを目的として、被験者、例えば哺乳動物、特にヒトを管理及び世話することとして定義され、徴候又は合併症の発症を予防し、又は徴候又は合併症を軽減し、又は病気、病状又は疾患を排除するために、第VII因子ポリペプチドを投与することを含む。第VII因子ポリペプチドを含有する本発明の製薬用組成物は、このような処置を必要とする被験者に、非経口的に投与されてよい。非経口的投与は、シリンジ、場合によってはペン様シリンジ等の手段により、皮下、筋肉内、又は静脈内注射にて実施するされてよい。また、非経口投与は注入ポンプ等の手段により実施することもできる。
重要な実施態様において、製薬用組成物は、当該技術で公知の方法に従い、皮下、筋肉内、又は静脈内注射に適している。
【0059】
ここで定められる製薬用組成物における可能な限り高濃度の塩分は、ある群の患者には不利益になり得る。よって本発明は、液状の水性製薬用組成物における塩分濃度を低下させる使用前方法を提供するもので、該方法は、イオン交換物質、脱塩に適した物質と、ここで定められる液状の水性製薬用組成物とを接触させる工程、及び/又は組成物を希釈する工程を含む。
ここで定められる製薬用組成物における可能な限り高濃度の金属イオンは、ある群の患者には不利益になり得る。よって本発明は、液状の水性製薬用組成物における金属イオン濃度を低下させる使用前方法を提供するもので、該方法は、カチオン交換物質と、ここで定められる液状の水性製薬用組成物とを接触させる工程を含む。
カチオン交換物質の例は、シェレックス(Chelex)-100(Fluka-Riedel/Sigma-Aldrich)である。カチオン交換物質、例えばシェッレクス-100は、好ましくは適切な容器、例えばガラス又はプラスチックカートリッジに収容されている。
液状の水性製薬用組成物は、例えば使用直前に、カチオン交換物質を収容したカートリッジを通すことにより、カチオン交換物質と接触させられると考えられる。特定の実施態様において、カートリッジはシリンジアセンブリの必要部分であると考えられる。
【0060】
(実施態様)
一般的方法
第VII因子ポリペプチドの生物活性を測定するのに適したアッセイ
本発明で有用な第VII因子ポリペプチドは、インビトロテストにおける簡単な予備試験として実施することが可能な、適切なアッセイにより選択され得る。よって、本明細書は第VII因子ポリペプチドの活性のための簡単なテスト(「インビトロ加水分解アッセイ」と題される)を開示する。
【0061】
インビトロ加水分解アッセイ(アッセイ1)
天然(野生型)第VIIa因子及び第VII因子ポリペプチド(双方とも、以後「第VIIa因子」と称する)は、活性についてアッセイされてよい。またそれらは平行にアッセイされて、それらの活性と直接比較されてもよい。アッセイはマクロタイタープレート(Max-iSorp, Nunc, Denmark)において実施される。発色基質D-Ile-Pro-Arg-p-ニトロアニリド(S-2288、Chromogenix, Sweden)、最終濃度1mMを、0.1MのNaCl、5mMのCaCl、及び1mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する、50mMのHEPES、pH7.4に第VIIa因子(最終濃度100nM)が入ったものに添加する。405nmでの吸光度を、スペクトラマックス(SpectraMax)TM340プレートリーダー(Molecular Devices, USA)にて、連続的に測定する。酵素を含有しないブランクウェルにおける吸光度を減算した後、20分のインキュベートの間に発生した吸光度を、第VII因子ポリペプチドと野生型第VIIa因子の活性の比率を算出するのに使用する:
比率=(A405nmでの第VII因子ポリペプチド)/(A405nmでの野生型第VIIa因子)
それに基づき、天然第VIIa因子より低い、同程度、又は高い活性を有する第VII因子ポリペプチドが、例えば第VII因子ポリペプチドと同定され、ここで第VII因子ポリペプチドの活性と天然第VII因子(野生型FVII)の活性との比率は、約1.0対1.0超である。
【0062】
また、第VII因子ポリペプチドの活性は、100-1000nMの濃度に適した、生理的基質、例えば第X因子(「インビトロタンパク質分解アッセイ」)を使用して測定されてもよく、ここで生成した第Xa因子は、適切な発色基質(例えば、S-2765)を添加した後に測定される。さらに、活性アッセイは生理的温度で実施される。
【0063】
インビトロタンパク質分解アッセイ(アッセイ2)
天然(野生型)第VIIa因子及び第VII因子ポリペプチド(双方とも、以後「第VIIa因子」と称する)を平行してアッセイし、それぞれの特異的活性を直接比較する。アッセイはマイクロタイタープレート(MaxiSorp, Nunc, Denmark)において実施される。0.1MのNaCl、5mMのCaCl、及び1mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する、100μM 50mMのHepes、pH7.4に、第VIIa因子(10nM)及び第X因子(0.8マイクロM)が入ったものを、15分インキュベートする。ついで、0.1MのNaCl、20mMのEDTA、及び1mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する、50μL 50mMのHepes、pH7.4を添加することにより、第X因子切断を停止させる。生成した第Xa因子の量を、発色基質Z-D-Arg-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(S-2765、 Chromogenix, Sweden)、最終濃度0.5mMを添加することにより測定する。405nmでの吸光度を、スペクトラマックスTM340プレートリーダー(Molecular Devices, USA)にて、連続的に測定する。FVIIaを含有しないブランクウェルの吸光度を減算した後、10分間で発生した吸光度を、第VII因子ポリペプチドと野生型第VIIa因子のタンパク質分解活性の比率を算出するのに使用する。
比率=(A405nmでの第VII因子ポリペプチド)/(A405nmでの野生型第VIIa因子)
それに基づき、天然第VIIa因子より低い、同程度、又は高い活性を有する第VII因子ポリペプチドが、例えば第VII因子ポリペプチドと同定され、ここで第VII因子ポリペプチドの活性と天然第VII因子(野生型FVII)の活性との比率は、約1.0対1.0超である。
【0064】
トロンビンを生成する第VIIa因子又は第VII因子ポリペプチドの能力は、生理学的濃度(血友病Aの病状を模倣する場合は第VIII因子を引く)で、インヒビターと全ての関連する凝固因子、及び活性化した血小板を含むアッセイ(アッセイ3)において測定可能である(参照としてここに導入される、Monroeら.(1997) Brit. J. Haematol. 99, 542-547のp. 543に記載)。
【0065】
また、一工程凝固アッセイ(アッセイ4)を使用することにより、第VII因子ポリペプチドの生物活性を測定してもよい。この目的のために、テストされるサンプルは、50mMのPIPES-バッファー(pH7.5)、0.1%のBSAで希釈され、40μlが、40μlの第VII因子欠損血漿、及び10mMのCa2+と合成リン脂質を含有する80μlのヒト組換え組織因子と共にインキュベートする。凝固時間を測定し、平行線アッセイにおいて参照標準体を使用し、標準体曲線と比較する。
【0066】
第VIIポリペプチドの調製及び精製
本発明での使用に適した精製されたヒト第VIIa因子は、好ましくは、例えばHagenら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 83: 2412-2416, 1986に記載されたような、又は欧州特許第0200421号(ZymoGenetics, Inc.)に記載されたような、DNA組換え技術により作製される。
また第VII因子は、Broze及びMajerus, J. Biol.Chem. 255 (4): 1242-1247, 1980、及びHedner及びKisiel, J. Clin.Invest. 71: 1836-1841, 1983により記載されているような方法により生成されてよい。これらの方法により、検出可能な量の他の血液凝固因子を用いることなく、第VII因子が生じる。さらに精製された第VII因子調製物でさえ、最終精製工程として、付加的なゲル濾過を含むことにより得られる。ついで、第VII因子は、公知の手段、例えばいくつかの異なる血漿タンパク質、特に第XIIa因子、第IX因子又は第Xa因子により、活性化した第VIIa因子に転換される。また、Bjoernら(Research Disclosure, 269 9月, 1986, pp. 564-565)により記載されているように、第VII因子は、イオン交換クロマトグラフィー用カラム、例えばモノQ(登録商標)(Pharmacia fine Chemicals)等に通すことにより、又は溶液における自己活性化により活性化されてもよい。
【0067】
第VII因子-関連ポリペプチドは、野生型第VII因子を修飾、又は組換え技術により生成されてもよい。野生型第VII因子と比較した場合、変化したアミノ酸配列を有する第VII因子-関連ポリペプチドは、公知の手段、例えば部位特異性突然変異生成により、天然の第VII因子をコードする核酸中のアミノ酸コドンのいくつかを除去することにより、又はアミノ酸コドンを変化させることにより、野生型第VII因子をコードする核酸配列を修飾することで生成され得る。
【0068】
置換が、第VIIa因子分子の機能にとって重要な領域外でなされ、さらに活性化ポリペプチドに至ることは、当業者には明らかであろう。第VII因子ポリペプチドの活性化に必須であり、よって好ましくは置換を受けないアミノ酸残基は、当該問題で公知の手順、例えば部位特異的突然変異生成又はアラニン-スキャンニング突然変異生成(例えば、Cunningham及びWells, 1989, Science 244:1081-1085)により同定されてよい。後者の技術において、突然変異は、分子の全ての正に帯電した残基に導入され、得られた突然変異分子は、血液凝固性、それぞれの架橋結合活性についてテストされ、分子の活性に対して重要なアミノ酸残基が同定される。また、基質-酵素相互作用の部位は、核磁気共鳴分析、結晶学、又は光親和性標識等の技術により決定される三次元構造を分析することで、決定することができる(Vosら,1992, Science 255:306-312; Smithら, 1992, Journal of Molecular Biology 224:899-904; Wlodaverら, 1992, FEBS Lett. 309:59-64を参照)。
【0069】
一つのヌクレオチドを別のヌクレオチドに交換するために、核酸配列に変異を導入することは、当該技術で公知の任意の方法を使用する、部位特異的突然変異生成により達成される。特に有用なのは、関心ある挿入物、及び所望の突然変異を有する2つの合成プライマーと共に、スーパーコイル状(super coiled)の二本鎖DNAベクターを利用する手順である。それぞれベクターの他方のストランドを補完する、オリゴヌクレオチドプライマーは、Pfu DNAポリメラーゼの手段により、温度サイクルの間、伸長する。プライマーの導入において、ねじれ型ニックを有する突然変異プラスミドが生じる。温度サイクルに続き、メチル化、及びヘミメチル化されたDNAに特異的なDpnIを用いて、生成物を処理し、親DNAテンプレートを消化させ、突然変異含有の合成DNAについて選択する。変異体の生成、同定及び単離について、当該技術で公知の他の手順、例えば遺伝子シャッフリング又はファージディスプレイ技術を使用してもよい。
【0070】
起源となる細胞からのポリペプチドの分離は、限定されるものではないが、接着細胞培養からの、所望の生成物を含有する細胞培養培地の除去;非接着細胞を除去する遠心分離又は濾過等を含む、当該技術で公知の任意の方法により達成される。
【0071】
場合によっては、第VII因子ポリペプチドはさらに精製されてよい。精製は、限定されるものではないが、例えば、抗-第VII因子抗体カラムにおけるアフィニティークロマトグラフィー(例えば、Wakabayashiら, J. Biol. Chem. 261:11097, 1986; 及びThimら, Biochem. 27:7785, 1988を参照);疎水性相互作用クロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;電気泳動手順(例えば調製用の電点電気泳動(IEF)、微分溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈降)、又抽出等を含む、当該技術で公知の任意の方法を使用して達成され得る。一般的には、Scopes, Protein Purification, Springer-Verlag, New York, 1982; 及びProtein Purification, J.C. Janson及びLars Ryden,編, VCH Publishers, New York, 1989を参照。精製後、調製物は、好ましくは約10重量%未満、さらに好ましくは約5重量%未満、最も好ましくは約1重量%未満の、宿主細胞から誘導された非-第VII因子ポリペプチドを含有する。
第VII因子ポリペプチドは、第XIIa因子、又はトリプシン様特異性を有する他のプロテアーゼ、例えば第IXa因子、カリクレイン、第Xa因子、及びトロンビンを使用し、タンパク質分解的切断により活性化されてもよい。例えば、Osterudら, Biochem. 11:2853 (1972); Thomas, 米国特許第4,456,591号;及びHednerら, J. Clin. Invest. 71:1836 (1983)を参照。また、第VII因子ポリペプチドは、イオン交換クロマトグラフィーカラム、例えばモノQ(登録商標)(Pharmacia)等に通すことにより、又は溶液における自己活性化によって活性化されてもよい。ついで、得られた活性化した第VII因子ポリペプチドは、本出願に記載するように処方され、投与されてよい。
以下の実施例は、本発明の実施を例証するものである。これらの実施例は、例証目的のみを含み、何らの方法においても、請求された本発明の範囲を限定することを意図しているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、100mM又は10mMのCaClを含有するサンプルにおける、タンパク質濃度に対するペグ化された第VII因子(10mMのヒスチジン、10mMのCaCl、pH5.75のバッファーに、0、10、23及び38mg/mLのペグ化された第VII因子)の粘度を表す。
【図2】図2は、100mM又は10mMのCaClを含有するサンプルにおける、タンパク質濃度に対するペグ化された第VII因子(10mMのヒスチジン、10mMのCaCl、0.07mg/mLのポリソルバート80、0.5mg/mLのL-メチオニン、40mg/mLのマンニトール、10mg/mLのスクロース、pH5.75のバッファーに、0、6、21及び41mg/mLのペグ化された第VII因子)の粘度を表す。
【実施例】
【0073】
NN7128粘度特許
サンプルの調製
まず、ペグ化された第VII因子のサンプルを、NAP-25カラム(GE Healthcare Bio-Sciences AB, Uppsala, Sweden)を使用し、関連するバッファーに交換されたバッファーとした。第2に、アミコン・ウルトラ(Amicom Ultra)-15遠心分離濾過装置(Millipore Corporation, Billerica, MA, USA)を使用し、所望のタンパク質濃度まで、サンプルを濃縮した。
【0074】
レオメーター粘度アッセイ
タンパク質溶液の粘度をC501ストレステック(StressTech)レオメーター(Rheologica Instruments, Lund, Sweden)を使用して測定した。各測定を、ピペットを使用し、付与されたサンプルの550μL溶液を同心円筒系に移すことにより開始した。0-10Paのずり応力に相応するトルク範囲で、粘度の測定を実施した。全ての測定を20℃で実施した。100s−1のずり速度で測定された粘度を、サンプル比較に使用する。全ての粘度をミリパスカル・秒(mPa・s)で報告する。
【0075】
実施例1
タンパク質濃度に対するペグ化された第VII因子の粘度を、上述したようにして測定した。2セットのペグ化された第VII因子のサンプルを調製した。一方のセットは、次の:10mMのL-ヒスチジン、10mMのCaCl、pH5.75のバッファーに、0、10、23及び38mg/mLのペグ化された第VII因子を含有する。他のセットは、10mMのL-ヒスチジン、100mMのCaCl、pH5.75のバッファーに、0、11、26及び47mg/mLのペグ化された第VII因子を含有する。図1は、2つのセットのサンプルのタンパク質濃度に対する粘度を示す。驚くべきことに、ペグ化された第VII因子の濃度が〜23mg/mL以上であるならば、100mMのCaClを含有するサンプルの粘度は、10mMのCaClを含有するサンプルと比較して、かなり低いことが観察された。
【0076】
実施例2
タンパク質濃度に対するペグ化された第VII因子の粘度を、上述したようにして測定した。2セットのペグ化された第VII因子のサンプルを調製した。一方のセットは、次の:10mMのL-ヒスチジン、10mMのCaCl、0.07mg/mLのポリソルバート80、0.5mg/mLのL-メチオニン、40mg/mLのマンニトール、10mg/mLのスクロース、pH5.75のバッファーに、0、6、21及び41mg/mLのペグ化された第VII因子を含有する。他のセットは、10mMのヒスチジン、100mMのCaCl、0.07mg/mLのポリソルバート80、0.5mg/mLのL-メチオニン、40mg/mLのマンニトール、10mg/mLのスクロース、pH5.75のバッファーに、0、7、22及び42mg/mLのペグ化された第VII因子を含有する。図2は、2つのセットのサンプルのタンパク質濃度に対する粘度を示す。驚くべきことに、ペグ化された第VII因子の濃度が〜23mg/mL以上であるならば、100mMのCaClを含有するサンプルの粘度は、10mMのCaClを含有するサンプルと比較して、かなり低いことが観察された。
【0077】
本発明の好ましい特徴:
1.少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物であって、該関心あるビタミンK依存性タンパク質が、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、10mMより高い濃度で二価の金属カチオンを有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度が30mパスカルx秒(mPa・s)以下である組成物。
2.前記PEG部分が、少なくとも300Da、例えば少なくとも500Da、例えば少なくとも1000Da、例えば少なくとも5kDa、例えば少なくとも10kDaの分子量を有する、第1項の組成物。
3.前記二価の金属カチオンが、Ca2+、Zn2+、Mg2+、Cu2+、Mn2+、Co2+、Fe2+、Sm2+、Ni2+、Cd2+、Hg2+、Sm2+からなる列挙から選択される、第1項又は第2項のいずれかの組成物。
【0078】
4.前記関心あるビタミンK依存性タンパク質が、第VII因子ポリペプチド、例えばヒト第VIIa因子である、上述した項のいずれかの組成物。
5.第VII因子ポリペプチドが第VII因子配列変異体である、第4項の組成物。
【0079】
6.第VII因子ポリペプチドの活性と天然ヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との間の比率が、ここに記載されるような「インビトロタンパク質分解アッセイ」でテストした場合に、少なくとも1.25である、第5項の組成物。
7.第VII因子ポリペプチドが、少なくとも30mg/mL、例えば少なくとも35mg/mL、例えば少なくとも40mg/mL、例えば20-50mg/mLの範囲、例えば20-40mg/mLの範囲、例えば20-30mg/mLの範囲の濃度で存在している、上述した項のいずれかの組成物。
【0080】
8.約4.0〜約8.0の範囲のpHを有する、上述した項のいずれかの組成物。
9.前記二価の金属カチオンが、少なくとも20mM、例えば少なくとも30mM、例えば少なくとも40mM、例えば少なくとも50mM、例えば少なくとも60mM、例えば10-100mMの範囲の濃度で存在している、上述した項のいずれかの組成物。
【0081】
10.前記組成物が、MES、PIPES、ACES、BES、TES、HEPES、トリス、グリシンアミド、リン酸、酢酸、乳酸、及びコハク酸の酸及び塩からなる群から選択される緩衝剤をさらに含有する、上述した項のいずれかの組成物。
11.緩衝剤の濃度が1-100mMである、第10項の組成物。
12.前記組成物が、ポリソルバート類、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレン/ポリプロピレンブロックコ-ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンステアラート、及びポリオキシエチレンヒマシ油からなる群から選択される非イオン性界面活性剤をさらに含有する、上述した項のいずれかの組成物。
【0082】
13.浸透圧調節剤をさらに含有する、上述した項のいずれかの組成物。
14.浸透圧調節剤が、中性塩、アミノ酸、2-5のアミノ酸残基のペプチド、多糖類、二糖類、多糖類、及び糖アルコールからなる群から選択される少なくとも一である、第13項の組成物。
15.少なくとも一の浸透圧調節剤が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群から選択される中性塩である、第13項の組成物。
16.浸透圧調節剤が少なくとも1mMの濃度で存在している、上述した項のいずれかの組成物。
【0083】
17.酸化防止剤をさらに含有する、上述した項のいずれかの組成物。
18.酸化防止剤が、L-メチオニン、D-メチオニン、メチオニン類似体、メチオニン含有ペプチド、メチオニンホモログ、アスコルビン酸、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスチン、及びシススタチオニンから選択される、第17項の組成物。
19.酸化防止剤が0.1-5.0mg/mLの濃度で存在している、第17項又は第18項のいずれかの組成物。
【0084】
20.保存料をさらに含有する、上述した項のいずれかの組成物。
21.保存料が、フェノール、ベンジルアルコール、オルト-クレゾール、メタ-クレゾール、パラ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンザエトニウムからなる群から選択される、第20項の組成物。
【0085】
22.液状の水性製薬用組成物である、上述した項のいずれかの組成物。
23.前記関心あるビタミンK依存性タンパク質が、第XII/XIIa因子、第XI/XIa因子、第X/Xa因子、第IX/IXa因子、第VII/VIIa因子、トロンビン、及びプロテインCからなる列挙から選択される、上述した項のいずれかの組成物。
【0086】
24.ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された粘度が、25mパスカルx秒(mPa・s)以下、例えば20mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば15mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば10mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば5mパスカルx秒(mPa×s)以下である、上述した項のいずれかの組成物。
25.医薬として使用される、第22項の液状の水性製薬用組成物。
【0087】
26.関心あるビタミンK依存性タンパク質が、第VII因子反応性症候群を治療する医薬を製造するための第VII因子ポリペプチドである、第22項の液状の水性製薬用組成物の使用。
【0088】
27.第VII因子反応性症候群を治療する方法であって、第22項の液状の水性製薬用組成物を有効量、それを必要とする被験者に投与することを含み、該関心あるビタミンK依存性タンパク質が第VII因子ポリペプチドである方法。
28.少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物の粘度を低下させる方法であって、該関心あるビタミンK依存性タンパク質が、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度が30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり、該方法が、10mMより高い最終濃度になるまで、二価の金属カチオンを添加する工程を含む方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心あるビタミンK依存性タンパク質を少なくとも25mg/mlの濃度で含有する組成物であって、該関心あるビタミンK依存性タンパク質が、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化され、該組成物は二価の金属カチオンを10mMより高い濃度で含有しており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度が30mパスカルx秒(mPa・s)以下である組成物。
【請求項2】
前記PEG部分が、少なくとも300Da、例えば少なくとも500Da、例えば少なくとも1000Da、例えば少なくとも5kDa、例えば少なくとも10kDaの分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記PEG部分が40KDaの分子量を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記二価の金属カチオンが、Ca2+、Zn2+、Mg2+、Cu2+、Mn2+、Co2+、Fe2+、Sm2+、Ni2+、Cd2+、Hg2+、Sm2+からなる列挙から選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記関心あるビタミンK依存性タンパク質が、第VII因子ポリペプチド、特にヒト第VIIa因子である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
第VII因子ポリペプチドが第VII因子配列変異体である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
第VII因子ポリペプチドが、少なくとも30mg/mL、例えば少なくとも35mg/mL、例えば少なくとも40mg/mL、例えば20−50mg/mLの範囲、例えば20−40mg/mLの範囲、例えば20−30mg/mLの範囲の濃度で存在している、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
約4.0〜約8.0の範囲のpHを有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記二価の金属カチオンが、少なくとも20mM、例えば少なくとも30mM、例えば少なくとも40mM、例えば少なくとも50mM、例えば少なくとも60mM、例えば10-100mMの範囲の濃度で存在している、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
浸透圧調節剤をさらに含有し、浸透圧調節剤が、中性塩、アミノ酸、2−5のアミノ酸残基のペプチド、多糖類、二糖類、多糖類、及び糖アルコールからなる群から選択される少なくとも一である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも一の浸透圧調節剤が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群から選択される中性塩である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記関心あるビタミンK依存性タンパク質が、第XII/XIIa因子、第XI/XIa因子、第X/Xa因子、第IX/IXa因子、第VII/VIIa因子、トロンビン、及びプロテインCからなる列挙から選択される、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された粘度が、25mパスカルx秒(mPa・s)以下、例えば20mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば15mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば10mパスカルx秒(mPa×s)以下、例えば5mパスカルx秒(mPa×s)以下である、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
医薬としての使用のための、請求項13に記載の液状の水性製薬用組成物。
【請求項15】
少なくとも25mg/mlの濃度で、関心あるビタミンK依存性タンパク質を含有する組成物の粘度を低下させる方法であって、該関心あるビタミンK依存性タンパク質が、一又は複数のポリエチレングリコール(PEG)部分で官能化されており、ここに記載の「レオメーター粘度アッセイ」で測定された場合の粘度が30mパスカルx秒(mPa・s)以下であり、該方法が、10mMより高い最終濃度になるまで、二価の金属カチオンを添加する工程を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−521000(P2011−521000A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510960(P2011−510960)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056239
【国際公開番号】WO2009/141433
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(507383862)ノボ ノルディスク ヘルス ケア アーゲー (42)
【Fターム(参考)】