説明

ペグ化持続型インスリン

ペグ化持続型インスリンは、ヒトインスリンと比較して、A1、B1、A21及び/又はB30位から伸長した一又は複数の伸長部を有するインスリンであり、該伸長部はアミノ酸残基からなり、PEG部分が、リンカーを介して、伸長部中の一又は複数のアミノ酸残基に結合している。PEGはポリエチレングリコールである。このようなペグ化持続型インスリンは、レギュラーインスリンよりも高い生物学的利用能と、より長時間の作用プロファイルを有し、特に肺投与に適しており、糖尿病の治療に簡便に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリン活性を有し、糖尿病の治療に使用できるペグ化持続型インスリンに関する。ペグ化持続型インスリンは、レギュラーインスリンよりも高い生物学的利用能と、長時間の作用プロファイルを有し、特に肺投与に適している。また、それらは、高い物理的安定性と低いフィブリル化傾向を有し、中性pHで可溶性である。またこの発明は、ペグ化持続型インスリンを含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン分子が遺伝物理的及び化学的に安定していることは、真性糖尿病のインスリン療法にとっての基本条件である。これらの基本的特性は、インスリンの製剤化及びインスリン投与方法、並びに薬学的製剤の有効期間及び保存条件にとっては基本的なことである。インスリンの投与において溶液を使用すると、分子を様々な組合せ要因、例えば高温、様々な気液固境界相、並びに剪断力にさらし、フィブリル化等の不可逆的な高次構造変化を生じるおそれがある。
残念なことに、多くの糖尿病患者は、グルコースレベルの密なコントロールを維持するために必要とされる多くの注射に伴う不快のために集中的な治療を受けるのを嫌がる。この種の治療は精神的痛み及び肉体的痛みの双方を伴いうる。経口投与では、インスリンは胃腸管で急速に分解され、血流中に吸収されない。よって、多くの研究者は、インスリン投与の代替経路、例えば経口、直腸、経皮、及び経鼻経路について研究している。しかしながら、今までのところ、これらの投与経路では、インスリンを効果的に吸収する結果には至っていない。
【0003】
タンパク質の効果的な肺送達は、深部肺胞上皮にタンパク質を送達する能力に依存する。上気道上皮に付着されるタンパク質は有意な度合いでは吸収されない。これは、約30〜40μm厚で、吸収に対する障壁として作用する、上部を覆っている粘液のためである。さらに、この上皮に付着したタンパク質は、粘液線毛輸送により気道までに除去され、ついで胃腸管を経由して排除される。また、このメカニズムは、ある種のタンパク質粒子が低吸収であることの実質的な一因となっている。タンパク質が吸収されないで、代わりにこれらの経路により排除される度合いは、その溶解度、そのサイズ、並びに他のあまり理解されていない特徴に依存する。
【0004】
しかしながら、ペプチドの性質を、それに有機鎖様分子をグラフトすることにより高めることができることはよく認識されている。かかるグラフト化により、薬学的特性、例えば血清中の半減期、タンパク質分解に対する安定性、及び免疫原性の低下を改善することができる。
性質を高めるためにしばしば使用される有機鎖様分子は、ポリエチレングリコールベース鎖、すなわち繰り返し単位-CHCHO-をベースにした鎖である。以下、「PEG」なる略語をポリエチレングリコールに使用する。
【0005】
古典的なPEG技術は、ポリペプチドに可溶性有機分子を付着させることにより、増加したサイズ(ストーク半径)のポリペプチドが提供されることを利用している(Kochendoerfer, Gら, Science (299) 884 以下参照, 2003)。この技術により、天然ペプチドと比較して、ホルモンポリペプチドのヒト及び動物におけるクリアランスの低減に至る。しかしながら、この技術は、この技術を施したホルモンポリペプチドの作用強度の低下によってしばしば妨げられる(Hinds, Kら, Bioconjugate Chem. (11), 195-201, 2000)。
ポリエチレングリコールを含む非天然の親水性ポリマーの一又は複数の分子に、共有的に結合させた二本鎖インスリンコンジュゲートを含有する肺投与用のインスリン組成物とその調製方法は、国際公開第02/094200号及び国際公開第03/022996号に開示されている。
【発明の目的】
【0006】
現在までに知られているインスリン誘導体よりもさらに長時間の作用プロファイルを有し、同時に生理学的pHで可溶性であり、ヒトインスリンに匹敵する作用強度を有するインスリンが必要とされている。さらに、肺投与に十分に適したインスリン製剤が必要とされている。
【0007】
この発明の態様は、糖尿病患者を治療するために、肺に簡便に投与することができる薬剤の提供を取り扱う。
この発明の他の態様は、糖尿病患者を治療し、糖尿病にしばしば伴う後期合併症のいくらかの又は全ての危険性を低減するために、肺に簡便に投与することができる薬剤の提供を取り扱う。
この発明の他の態様は、糖尿病患者を治療するために、肺に簡便に投与することができ、注射を使用する多くの患者が使用するのにさらに便利な薬剤の提供を取り扱う。
【0008】
この発明の他の態様は、糖尿病患者を治療するために、肺に簡便に投与することができ、十分な化学的安定性を有する薬剤の提供を取り扱う。
この発明の他の態様は、糖尿病患者を治療するために、肺に簡便に投与することができ、十分な物理的安定性を有する薬剤の提供を取り扱う。
この発明の他の態様は、十分に高いインスリンレセプター親和性を有する薬剤の提供を取り扱う。
この発明の目的は、従来技術の不具合の少なくとも一を克服又は改善するか、又は有用な代替法を提供することである。
【0009】
(定義)
インスリンは、膵臓のβ-細胞から分泌されるポリペプチドホルモンであり、2つの鎖間ジスルフィド架橋によって互いに結合されたA鎖及びB鎖と命名された二つのポリペプチド鎖からなる。該ホルモンは、次の立体配置:プレペプチドB-Arg-Arg-C-Lys-Arg-A(ここで、Cは31のアミノ酸の連結ペプチドであり、A及びBは、それぞれインスリンのA及びB鎖である)において、24のアミノ酸のプレペプチドに86のアミノ酸を含むプロインスリンが続いてなる単鎖前駆体プロインスリン(プレプロインスリン)として合成される。 Arg-Arg及びLys-Argは、A鎖及びB鎖間の連結ペプチドを切断するための切断部位であり、二本鎖インスリン分子が形成される。インスリンは正常な代謝調節の維持に必須である。
【0010】
ここで、インスリンなる用語は、天然に生じるインスリン、例えばヒトインスリン、並びにそのインスリンアナログを包含する。
ここで、アミノ酸残基なる用語は、水素原子がアミノ基から除去された、及び/又はヒドロキシ基がカルボキシ基から除去された、及び/又は水素原子がメルカプト基から除去されたアミノ酸を包含する。不正確であるが、アミノ酸残基はアミノ酸とも表示されうる。
ここで、インスリンアナログなる用語は、天然インスリン中に生じる一又は複数のアミノ酸残基を欠失及び/又は置換する(置き換える)ことにより、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基を付加することにより、例えばヒトインスリン等の天然に生じるインスリンの構造体から形式上誘導可能な分子構造体を有するポリペプチドを包含する。付加及び/又は置換されたアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基又は他の天然に生じるアミノ酸残基又は純粋に合成されたアミノ酸残基のいずれかとすることができる。
【0011】
ここで、持続型インスリンなる用語は、インスリンのA鎖又はB鎖に、C又はN末端のいずれかに、一又は複数のアミノ酸残基が付加された(ヒトインスリンと比較)インスリンアナログを包含する。例えば、A鎖はそのC末端が、例えば1、2、3又は4のアミノ酸残基(ヒトインスリンと比較)だけ伸長していてもよく、伸長部は、それぞれA22、A23、A24及びA25と示される。例えば、A23位にあるアミノ酸残基がペグ化されている場合、A22位にあるアミノ酸は、Cys及びLysを除く任意のアミノ酸等であってよい。例えば、A鎖は、そのN末端で、例えば1、2、3又は4のアミノ酸残基(ヒトインスリンと比較)だけ伸長していてもよく、伸長部は、それぞれA-1、A-2、A-3及びA-4と示される。例えば、A-2位にあるアミノ酸残基がペグ化されている場合、A-1位にあるアミノ酸は、Cys及びLysを除く任意のアミノ酸残基でありうる。持続型インスリンは4つの末端の一つに伸長部を有しているが、該持続型インスリンの他に位置に欠失があってもよい。ヒトインスリンの場合と同様に、持続型インスリンは2つの鎖、すなわちA鎖及びB鎖からなる。持続型インスリンには6つのシステイン残基が存在し、そのうちの2つ(ヒトインスリンのA6及びA11に対応)は鎖間ジスルフィド架橋を形成するA鎖に存在し、そのうちの4つ(ヒトインスリンのA7、A20、B7及びB19位に対応)は2つの鎖間ジスルフィド架橋を形成する。ここで、最後に述べた4つのシステイン残基は、鎖間システイン残基と命名される。各鎖(A及びB鎖)において、鎖間システイン残基の一方は、各鎖のN末端に最も近接しており、他方の鎖間システイン残基は各鎖のC末端に最も近接しており、ここでこのような鎖間システイン残基は、それぞれN末端鎖間システイン残基及びC末端鎖間システイン残基と命名される。インスリンアナログが持続型インスリンであるかどうかを決定する場合、N末端鎖間システイン残基のN末端側における各鎖に存在するアミノ酸残基の数を計数し、C末端鎖間システイン残基のC末端側における各鎖に存在するアミノ酸残基の数を計数しなければならない。これらの数(数字)の一つがヒトインスリンの対応する数よりも大きいならば、そのインスリンは持続型インスリンであると考えられる。ヒトインスリンでは、6個のアミノ酸残基がA鎖のN末端鎖間システイン残基のN末端側に存在し、一つのアミノ酸がA鎖のC末端鎖間システイン残基のC末端側に存在し、6つのアミノ酸残基がB鎖のN末端鎖間システイン残基のN末端側に存在し、11のアミノ酸残基がB鎖のC末端鎖間システイン残基のC末端側に存在している。
【0012】
ここで、親インスリンなる用語は、PEG部分が付加されていない持続型インスリンを意味する。
ここで、変異なる用語は、アミノ酸配列における任意の変化を包含する(コード可能アミノ酸の挿入及び置換、並びに欠失)。
ここで、ヒトインスリンのA鎖のアナログ及びB鎖のアナログなる用語は、それぞれ、ヒトインスリンのA及びB鎖に対して、A及びBアミノ酸の一又は複数の置換、欠失及び/又は伸長(付加)を有するヒトインスリンのA鎖及びB鎖を包含する。
【0013】
ここで、A1、A2、A3等の用語は、それぞれ(N末端から数えて)インスリンのA鎖の位置1、2及び3を示す。同様に、B1、B2、B3等の用語は、それぞれ(N末端から数えて)インスリンのB鎖の位置1、2及び3を示す。アミノ酸に対する1文字コードを使用すると、A21A、A21G及びA21Q等の用語は、A21位にあるアミノ酸が、それぞれA、G及びQであることを示す。アミノ酸に対する3文字コードを使用すると、対応する表現は、それぞれAlaA21、GlyA21及びGlnA21となる。
ここで、A-1、B-1等の用語は、A1及びB1位に対し、それぞれN末端の第1アミノ酸の位置を示す。
ここで、desB29及びdesB30等の用語は、それぞれB29又はB30アミノ酸残基を欠くインスリンアナログを示す。
【0014】
ここで、単鎖インスリンなる用語は、Aがヒトインスリン又はそのアナログのA鎖であり、Bがヒトインスリン又はそのアナログのB鎖であり、Cが結合又はいわゆる連結ペプチド、A鎖のN末端アミノ酸残基、例えばA1に、B鎖のC末端アミノ酸残基、例えばB30を連結する約1−35のアミノ酸残基のペプチド鎖である、一般構造B-C-Aのポリペプチド配列を包含する。B鎖がdesB30鎖である場合、連結ペプチド(C)はB29をA1と連結する。単鎖インスリンは、CysA7とCysB7の間及びCysA20とCysB19の間、及びCysA6とCysA11の間に、ヒトインスリンにおけるように正しく位置決めされた3つのジスルフィド架橋を含む。
【0015】
連結ペプチドなる用語は、インスリンにおいてA鎖のN末端アミノ酸残基にB鎖のC末端アミノ酸残基を連結させることができるペプチド鎖を包含する。ここで、表現B'Aは、連結ペプチドがアミノ酸からなるものではく単に結合である、すなわちB鎖C末端とA鎖N末端の間の結合である単鎖インスリンを意味する。
速効型インスリンとは、通常の又はレギュラーのヒトインスリンよりも作用発現が速いインスリンを意味する。
長時間作用するインスリンとは、通常の又はレギュラーのヒトインスリンよりも作用の持続期間が長いインスリンを意味する。
インスリンアナログ、持続型インスリン、及びA及びB鎖における位置の番号付けは、親化合物がそのために使用される番号を有するヒトインスリンであるようになされる。
ここで使用される基礎インスリン(ベイサルインスリン)なる用語は、8時間を超え、特に少なくとも9時間の作用時間を有するインスリンペプチドを意味する。好ましくは、基礎インスリンは少なくとも10時間の作用時間を有する。基礎インスリンはよって約8〜24時間の範囲、好ましくは約9〜約15時間の範囲の作用時間を有しうる。
【0016】
ここで、リンカーなる用語は、PEG部分の-O-基に持続型インスリンの-NH-基を連結した化学部分を包含する。該リンカーは、最終のペグ化持続型インスリンの所望される作用に何の影響も与えないものであり、特に何らの悪影響も持たないものである。
ここで使用される場合、「PEG」又はポリエチレングリコールとは、任意の水溶性ポリ(エチレングリコール)又はポリ(エチレンオキシド)を意味する。PEGなる表現は-(CHCHO)-なる構造を含み、ここでnは2から約1000の整数である。よく使用されるPEGは、PEG末端の一端が比較的不活性な基、例えばアルコキシで末端キャップされる一方、他端はリンカー部分でさらに修飾されていてもよいヒドロキシル基である末端キャップPEGである。しばしば使用されるキャップ基はメトキシであり、対応する末端キャップPEGはしばしばmPEGと標記される。よって、mPEGはCHO(CHCHO)-であり、ここで、nは、全PEG部分に対して示される平均分子量を付与するのに十分な2から約1000の整数であり、例えばmPEGがMw2000の場合、nは約44(バッチ間変動を受けた数)である。PEGなる標記はしばしばmPEGの代わりに使用される。「PEG」に続く数字(下付き文字ではない)は、その数字と等しいおおよその分子量を有するPEG部分を示す。よって、「PEG2000」とは、2000のおおよその分子量を有するPEG部分である。
【0017】
この発明の特定のPEGは、分枝状、直鎖状、フォーク状、ダンベル状PEG等であり、PEG基は、典型的には約1.05未満の低い多分散度を有する多分散系である。持続型インスリン中に存在するPEG部分は、与えられた分子量によって、典型的には、ある範囲のエチレングリコール(又はエチレンオキシド)モノマーからなる。例えば、分子量2000のPEG部分は、典型的には44±10のモノマーからなり、平均は約44のモノマーである。分子量(及びモノマー数)は、典型的にはバッチ間変動を受ける。
他の特定のPEG形態は、同じく分枝状、直鎖状、フォーク状、又はダンベル状の形状となりうる単分散系である。単分散系とは、PEGポリマーの長さ(又は分子量)が特定的に定まっており、様々な長さ(又は分子量)の混合物ではないことを意味する。ここで、mdPEGなる標記は、「discrete」の「d」を使用し、mPEG分子が単分散系であることを示すために使用される。mdPEGの後の下付き数字、例えばmdPEG12の「12」は、多分散ポリマー(オリゴマー)内のエチレングリコールモノマーの数を示す。
【0018】
ペグ化なる用語は、リンカーを介して一又は複数のPEG部分を付着させるインスリンの修飾を包含する。PEG部分は、例えばOSu-活性化エステルを用い、ガンマ位置のリジン残基に、又はN末端αアミノ基に求核置換(アシル化)によって付着させることができ、又はPEG部分は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤及びPEG-アルデヒド試薬を使用し、持続型インスリン分子中に存在するアミノ基に、還元的アルキル化によって付着させることができ、又は別法では、PEG部分は、例えばPEGマレイミド試薬を使用するマイケル付加反応で不対システイン残基の側鎖に付着させることができる。
インスリン活性を有するペグ化持続型インスリンは、ラット、ウサギ、又はブタモデルであってよい、適切な動物モデルにおいて測定して、例えば静脈内、皮下、又は肺投与によって適切に投与した後、哺乳動物の血中グルコースを低下させる能力、又はインスリンレセプター結合親和性を有する、ペグ化持続型インスリンを意味する。
【0019】
ここで、アルキルなる用語は、飽和した分枝状又は直鎖状の炭化水素基を包含する。
ここで、アルコキシなる用語は、基「アルキル-O-」を包含する。代表例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、1-プロポキシ及び2-プロポキシ)、ブトキシ(例えば、1-ブトキシ、2-ブトキシ、及び2-メチル-2-プロポキシ)、ペントキシ(1-ペントキシ及び2-ペントキシ)、ヘキソキシ(1-ヘキソキシ及び3-ヘキソキシ)等である。
ここで、アルキレンなる用語は、1〜12の炭素原子を有する飽和した分枝状又は直鎖状の二価炭化水素基を包含する。代表例には、限定されるものではないが、メチレン、1,2-エチレン、1,3-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、1,4-ペンチレン、1,5-ペンチレン、1,5-ヘキシレン、1,6-ヘキシレン等が含まれる。
【0020】
高い物理的安定性とは、フィブリル化傾向がヒトインスリンの50%未満であることを意味する。フィブリル化は、原繊維形成が与えられた条件で開始される前のラグタイムにより記述されうる。
インスリンレセプター及びIGF-1レセプター親和性を有するポリペプチドは、適切な結合アッセイにおいてインスリンレセプター及びIGF-1レセプターと相互作用し得るポリペプチドである。このようなレセプターアッセイは、当該分野ではよく知られており、実施例にさらに記載する。本ペグ化持続型インスリンは、IGF-1レセプターに結合しないか、又は該レセプターに対してかなり低い親和性しか有さない。より厳密には、この発明の持続型インスリンは、ヒトインスリンと実質的同程度の大きさ又はそれ以下の大きさのIGF-1レセプターに対する親和性を有する。
【0021】
ここで使用される治療及び治療するなる用語は、病気、疾患又は病状に抗する目的で、患者を管理及びケアすることを意味する。本用語は、病気、疾患又は病状の進行の遅延化、徴候及び合併症の緩和及び軽減、及び/又は病気、疾患又は病状の治癒又は除去を含むことを意図している。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
ここで使用される病気の治療なる用語は、病気、病状又は疾患を発症した患者の管理及びケアを意味する。治療の目的は、病気、病状又は疾患に抗することである。治療には、病気、病状又は疾患の除去又は管理、並びに病気、病状又は疾患に付随する徴候又は合併症を緩和するために、活性化合物を投与することを含む。
ここで使用される病気の予防なる用語は、病気の臨床的発症の前に、病気を発症する危険性を、個々に管理及びケアすることと定義される。予防の目的は、病気、病状又は疾患の発症に抗することであり、徴候又は合併症の発症を予防又は遅延化させるため、関連する病気、病状又は疾患の発症を予防又は遅延化させるために、活性化合物を投与することを含む。
【0022】
ここで使用される有効量なる用語は、患者の治療を、治療しない場合と比較して効果的とするのに十分な用量を意味する。
POTは、分裂酵母トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子であり、TPI1は出芽酵母トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子である。
リーダーとは、プレペプチド(シグナルペプチド)及びプロペプチドからなるアミノ酸配列を意味する。
【0023】
シグナルペプチドなる用語は、タンパク質の前駆型において、N末端配列として存在するプレペプチドを意味すると理解される。シグナルペプチドの機能は、異種タンパク質の小胞体への転位置を容易にできることである。シグナルペプチドは該プロセス中に通常は切断される。シグナルペプチドはタンパク質を生成する酵母生物体に対して異種性又は同族性でありうる。この発明のDNAコンストラクトを用いて使用され得る多くのシグナルペプチドには、酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド、又は任意の機能的アナログ(Egel-Mitaniら、(1990) YEAST 6:127-137及びUS5726038)、及びMFα1遺伝子のα因子シグナル(Thorner(1981)、The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces cerevisiae, Strathernら編, pp 143-180, Cold Spring Harbor Laboratory, NY、及びUS487000)が含まれる。
【0024】
プロペプチドなる用語は、その機能が、発現されたポリペプチドを小胞体からゴルジ体へ、さらには培養培地中への分泌のために分泌小胞へ向けること(すなわち、細胞壁又は少なくとも細胞膜を通しての酵母細胞のペリプラズム空間中へのポリペプチドの排出)を可能にすることであるポリペプチド配列を意味する。プロペプチドは酵母α-因子プロペプチドであってよい。米国特許第4,546,082号及び同4,870,008号を参照。またプロペプチドは、つまりは天然には見出されないプロペプチドである合成プロ-ペプチドであってもよい。適切な合成プロペプチドは米国特許第5,395,922号;同5,795,746号;同5,162,498号及び国際公開第98/32867号に開示されているものである。好ましくは、プロペプチドは、C末端にエンドペプチダーゼプロセシング部位、例えばLys-Arg配列又はその任意の機能的類似体を含む。
【0025】
本明細書において、アミノ酸の3文字又は1文字表示は、次に示すようなその一般的な意味で使用されている。明示的に示さない限り、ここに記載するアミノ酸はLアミノ酸である。さらに、他に特定しない限り、ペプチドのアミノ酸配列の左又は右末端は、それぞれN及びC末端である。
アミノ酸に対する略語
【表1】

【0026】
この発明のペグ化インスリン中に存在するアミノ酸は、好ましくは核酸によりコードされうるアミノ酸である。
次の略語が明細書及び実施例において使用される:Daはダルトン(分子量)であり、kDaはキロダルトン(=1000Da)であり、mPEG-SBAはmPEG-CHCHCH-CO-OSu(mPEG-ブタン酸のN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)であり、mPEG-SMBはmPEG-CHCHCH(CH)-CO-OSu( mPEG-α-メチルブタン酸のN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)であり、mPEG-SPAはmPEG-CHCH-CO-OSu(mPEG-プロピオン酸のN-ヒドロキシスクシンイミジルエステ)であり、Mwは分子量であり、OSuは1-スクシンイミジルオキシ=2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシであり、Rは室温であり、SAはシナピン酸であり、SUは1-スクシンイミジル=2,5-ジオキソピロリジン-1-イルである。
【発明の概要】
【0027】
一態様では、この発明は、ヒトインスリンと比較して、A1、B1、A21及び/又はB30位から伸長した一又は複数の伸長部を有するペグ化インスリンアナログに関し、該伸長部はアミノ酸残基からなり、PEG部分がリンカーを介して、伸長部の一又は複数のアミノ酸残基に結合している。
親インスリンのN末端アミノ基又は双方の場所に存在又は付着される場合、適切なリンカー基を介して、PEG基はリジン又はシステイン残基の側鎖に付着されうる。リンカーは、典型的にはカルボン酸官能基がアミド結合を介しての親インスリンへの結合に使用されるカルボン酸の誘導体である。リンカーは、リンカーモチーフ(連結モチーフ):-CHCO-を有する酢酸部分、リンカーモチーフ:-CHCHCO-又は-CHCHCO-を有するプロピオン酸部分、又はリンカーモチーフ:-CHCHCHCO-又は-CHCHCHCO-を有する酪酸でありうる。また、リンカーは-CO-基でありうる。
【0028】
ヒトインスリンB鎖のB29位に存在するリジン残基のペグ化は望まれないため、このアミノ酸残基は他のアミノ酸残基により置き換えられる。適切な置換アミノ酸残基は、Ala、Arg、Gln及びHisである。さらに、A鎖の1位から21位(A1-A21)のいずれかにLysが存在せず、B鎖の1位から30位(B1-B30)のいずれかにLysが存在しないことが望ましい。
親インスリン分子は、明細書の詳細な部分で説明されるように、他のアミノ酸残基で置換された天然に生じるアミノ酸残基を限定数有していてもよい。
【0029】
一実施態様では、この発明はペグ化持続型インスリンに関し、ここで親インスリンアナログは、次の欠失又は置換の一又は複数の点でヒトインスリンから逸脱している:A14位のE又はD、A18位のQ、A21位のA、G又はQ、B1位のG又はQ、又はB1位のアミノ酸残基なし、B3位のQ、S又はT、又はB3位のアミノ酸残基なし、B13位のQ、B25位のH、又はB25位のアミノ酸残基なし、B27位のアミノ酸残基なし、B28位のD、E又はR、B29位のP、Q又はR、又はB29位のアミノ酸残基なし、B30位のアミノ酸残基なし。
【0030】
PEG基は、当該分野でよく知られている大きさの範囲内でサイズが変わりうる。しかしながら、PEG基があまりに大きいと、ペグ化持続型インスリン分子の生物活性をマイナスの形で妨害するおそれがある。
【0031】
さらなる態様では、この発明は、この発明のペグ化持続型インスリンと、適切なアジュバント及び添加剤、例えば安定化、保存又は等張化に適した一又は複数の薬剤、特に亜鉛イオン、フェノール、クレゾール、パラベン、塩化ナトリウム、グリセロール又はマンニトールを含有する薬学的製剤に関する。本製剤の亜鉛含量は、インスリン六量体当たり0から約6個の亜鉛原子でありうる。薬学的製剤のpH値は約4から約8.5の間、約4から約5の間、又は約6.5から約7.5の間でありうる。
【0032】
さらなる態様では、この発明は、哺乳動物の血糖値を低減するため、特に糖尿病を治療するための医薬としてのペグ化持続型インスリンの使用に関する。
さらなる態様では、この発明は、哺乳動物の血糖値を低減する、特に糖尿病を治療する薬学的製剤の調製におけるペグ化持続型インスリンの使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、治療を必要とする患者に、この発明のペグ化持続型インスリンの治療的活性用量を投与することにより、哺乳動物の血糖値を低減する方法に関する。
この発明のさらなる態様では、ペグ化持続型インスリンは、任意の適切な比で一又は複数種のさらなる活性物質と併用されて投与される。かかるさらなる活性剤は、ヒトインスリン、速効型インスリンアナログ、抗糖尿病剤、抗脂質異常症剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、糖尿病から生じるか糖尿病に伴う合併症の治療剤から選択されうる。
一実施態様では、2つの活性成分は、混合薬学的製剤として投与される。他の実施態様では、2つの成分は、同時か逐次のいずれかで別個に投与される。
【0033】
一実施態様では、この発明のペグ化持続型インスリンは、速効型インスリン又はヒトインスリンアナログと共に投与されうる。かかる速効型インスリンアナログは、B28位のアミノ酸残基がAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaであり、B29位のアミノ酸残基がLys又はProであるようなもの、des(B28-B30)、des(B27)又はdes(B30)ヒトインスリン、及びB3位のアミノ酸残基がLysであり、B29位のアミノ酸残基がGlu又はAspであるアナログでありうる。この発明のペグ化持続型インスリンと速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログは、約90/10%;約70/30%又は約50/50%の比で混合されうる。
この発明のペグ化持続型インスリンは、また抗糖尿病剤と共に併用治療に使用されうる。
【0034】
抗糖尿病剤には、インスリン、国際公開第98/0887号、国際公開第99/4370号、米国特許第5424286号、及び国際公開第WO00/09666号に記載されたGLP-1(1-37)(グルカゴン様ペプチド-1)、GLP-2、エキセンディン-4(1-39)、そのインスリン分泌促進断片、そのインスリン分泌促進類似体及びそのインスリン分泌促進誘導体が含まれる。GLP-1(1-37)のインスリン分泌促進断片は、全配列がGLP-1(1-37)の配列に見出すことができ、少なくとも一つの末端アミノ酸が欠失されているインスリン分泌促進ペプチドである。
【0035】
この発明のペグ化持続型インスリンは、またチアゾリジンジオン、メトホルミンのような経口抗糖尿病剤及び経口治治療のための他の2型糖尿病薬学的製剤との併用治療に使用することもできる。
さらに、この発明のペグ化持続型インスリンは、一又は複数の抗肥満剤又は食欲調節剤と併用されて投与されうる。
一実施態様では、この発明は、この発明のペグ化持続型インスリン、及び適切なアジュバント及び添加剤、例えば安定化、防腐又は等張化に適した一又は複数の薬剤、特に亜鉛イオン、フェノール、クレゾール、パラベン、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレングリコール又はマンニトールを含有する肺用の薬学的製剤に関する。
食事制限及び/又は運動、上述の化合物の一又は複数及び場合によっては一又は複数の他の活性物質と、ペグ化持続型インスリンとの任意の適切な組合せがこの発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
インスリンの安定性及び溶解性は、現在のインスリン療法にとって根本にある重要な側面である。この発明は、安定したペグ化持続型インスリンアナログを提供することにより、これらの問題点に取り組むものであり、ここで伸長部におけるペグ化により、分子の可動性が低減し、同時にフィブリル化傾向が低下し、pH降下域が制限又は変更される。
この発明のペグ化持続型インスリンは、例えばヒトインスリンと比較して、相対的に高い生物学的利用能であるために、特に肺投与を意図している。さらに、ペグ化持続型インスリンは、遅延性インスリン活性を有しているであろう。
【0037】
実質的に全てのPEGポリマーが、多くの大分子の混合物であるために、分子量を記載するには平均に頼らなければならない。平均を記載する多くの可能な方法の中でも、3つのもの:数平均、重量平均、及びz-平均分子量が一般的に使用されている。重量平均は、ポリマーの全体的な挙動に対する異なった大きさの鎖の寄与を良好に説明し、関心ある物理特性の大抵のものと最も良く相関しているため、3つのうちでおそらくは最も有用である。
【数1】



上式中、Nは、ポリマー混合物中における分子量Mの分子のモル分率(又は数-分率)である。Mに対するMの比率は多分散度(PDI)として知られており、分布幅の目安を提供する。PDIは、非常に狭いMW分布の特定のポリマーでは1.0(下限)に近づく。
【0038】
低分子量PEG基は、生物学的利用能を増加させるには好ましいが、高分子量PEG鎖、例えば4000-6000ダルトン又はそれ以上の平均分子量を有するものは、一般的に、インスリン分子の生物活性を低下させることが見出されているが、例えば肺投与される製剤の場合では、半減期を増加させるために好ましい。
【0039】
この発明のPEG基は、典型的には多くの(-OCHCH-)サブユニットを含む。
本発明のPEG基は、与えられた分子量に対して、典型的には、ある範囲のエチレングリコール(又はエチレンオキシド)モノマーからなる。例えば、分子量2000ダルトンのPEG基は、典型的には43±のモノマーからなり、平均は約43−44モノマーである。
【0040】
この発明においてペグ化される親インスリン分子は、持続型インスリン分子である。すなわち、ヒトインスリンにおいて、親A及び/又はB鎖のN末端、例えばA1及び/又はB1に結合して、及び/又は親A及び/又はB鎖のC末端、例えばA21及び/又はB30に結合して一又は複数のアミノ酸残基を有するインスリン分子である。好ましくは、持続型インスリン分子、すなわち親インスリンは、少なくとも52のアミノ酸残基を含んでいる。
【0041】
この発明のペグ化持続型インスリンは、親インスリン分子のリジンアミノ酸残基、又はN末端アミノ酸残基に結合した一つだけのPEG基を有する一置換されたものでありうる。あるいは、この発明のペグ化持続型インスリンは、2、3又は4のPEG基を有していてもよい。持続型インスリンが一より多くのPEG基を有している場合、典型的には、各リジン残基、又はN末端アミノ酸残基に付着した同じPEG部分を有しているであろう。しかしながら、個々のPEG基は大きさ及び長さが互いに変わりうる。
【0042】
例えば、ヒトインスリンと比較して、逸脱:A22K、B29R、desB30を有し、例えばmPEG-SPAを使用し、2kDaの、mPEG-プロピオン酸でA22位のリジン残基がペグ化された持続型インスリンは、A22K(NεmPEG2000-プロピオニル)B29R desB30 ヒトインスリンと命名される。例えば酪酸リンカー等の他のリンカーを含んでいる対応する他のペグ化試薬(Mw2000Da)の任意のものが、特定の化合物の調製に使用された場合、特定の化合物の「正確な」名称は異なるが、小さな分子差は、生物学的特性に何の差異も生じさせないことは明らかである。この出願では、ペグ化持続型インスリンは、大部分は実際のリンカーと関係なく、リンカー部分がプロピオン酸リンカーであるように命名される。実際、タンパク質のペグ化の文献では、どのリンカー基が使用されるかは殆ど特定されない。生物学的特性に関して重要な変数は、サイズ(ダルトン)、及びPEG部分の形状、及びタンパク質内におけるPEG付着の位置である。
【0043】
親インスリンは、例えば米国特許第6500645号に開示されたようなよく知られた技術によって適当な宿主細胞中で当該持続型インスリンをコードするDNA配列を発現させることによって生成される。親インスリンは、直接又はB鎖にN末端伸長を有する前駆体分子として発現される。このN末端伸長は直接発現される産物の収率を増大させる機能を有している場合があり、15アミノ酸残基長まででありうる。N末端伸長は培養ブロスからの単離後にインビトロで切断されることになり、従ってB1の隣に切断部位を有している。この発明に適したタイプのN末端伸長は米国特許第5,395,922号及び欧州特許第765,395A号に開示されている。
【0044】
親インスリンをコードするポリヌクレオチド配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucage等 (1981) Tetrahedron Letters 22:1859-1869に記載されているホスホアミジテ(phosphoamidite)法、又はMatthes等 (1984) EMBO Journal 3:801-805に記載されている方法によって、合成的に調製することができる。ホスホアミジテ法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成器において合成され、精製され、二本鎖にされ、ライゲーションされて、合成DNAコンストラクトが形成される。DNAコンストラクトを調製する現在の好ましい方法はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による。
【0045】
ポリヌクレオチド配列は、また混合ゲノム、cDNA、及び合成由来であってもよい。例えば、リーダーペプチドをコードするゲノム又はcDNA配列を、A鎖及びB鎖をコードするゲノム又はcDNA配列に結合させた後、よく知られた手順に従って相同組換えのために所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入し、又は好ましくは適当なオリゴヌクレオチドを使用するPCRによって所望の配列を生産することによって、DNA配列を改変させることができる。
【0046】
組換え法は、典型的には、選択された微生物又は宿主細胞中で複製可能であり、親インスリンをコードするポリヌクレオチド配列を担持するベクターを使用してなされる。組換えベクターは、自己複製ベクター、すなわち染色体外実体として存在するベクター、染色体複製とは独立した複製、例えばプラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、又は人工染色体でありうる。ベクターは自己複製を確実にする任意の手段を含みうる。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と共に複製されるものでありうる。さらに、トランスポゾン、又は宿主細胞のゲノムに導入されるために、全DNAを含有する単一のベクター又はプラスミド、又は2つ又はそれ以上のベクター又はプラスミドが使用されてもよい。ベクターは直鎖又は閉環状プラスミドであってよく、宿主細胞のゲノムへの安定した組込、又はゲノムとは独立した細胞におけるベクターの自己複製を可能にするエレメント(類)を、好ましくは含有する。
組換え発現ベクターは酵母中で複製可能である。ベクターを酵母中で複製させることができる配列の例は酵母プラスミド2μm複製遺伝子REP1−3及び複製起点である。
【0047】
ベクターは、形質転換細胞の選択を容易にする一又は複数の選択可能マーカーを含みうる。選択可能マーカーは、その産物が殺生物剤又はウイルス耐性、重金属、原栄養体、独立栄養体等に対する耐性を提供する遺伝子である。細菌性選択可能マーカーの例は、Bacillus subtilis又は Bacillus licheniformis, 由来のdal遺伝子、あるいはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性等の抗生物質耐性を付与するマーカーである。糸状菌宿主細胞における使用に適切なマーカーには、amdS(アセタミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、pyrG(オロチジン-5'-ホスファートデカルボキシラーゼ)及びtrpC(アントラニル酸シンターゼ)が含まれる。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、及びURA3である。酵母によく適した選択可能マーカーは分裂酵母TPI遺伝子(Russell (1985) Gene 40:125-130)である。
【0048】
ベクター中において、ポリヌクレオチド配列は適切なプロモーター配列に作用可能に結合している。プロモーターは、変異、切断、及びハイブリッドプロモーターを含む選択宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞に相同か又は異種性である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
細菌宿主細胞において転写を行わしめるのに適切なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトマイセス・セリカラーアガラーゼ(agarase)遺伝子(dagA)、枯草菌レバンスクラーゼ(levansucrase)遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミスアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィルスマルトゲンアミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンスアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)から得られるプロモーターである。糸状菌宿主細胞において転写を行わしめるのに適切なプロモーターの例は、コウジカビTAKAアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、クロコウジカビ天然アルファ-アミラーゼ、及びクロコウジカビ酸安定性アルファ-アミラーゼから得られるプロモーターである。酵母宿主では、有用なプロモーターは、出芽酵Ma1、TPI、ADH又はPGKプロモーターである。
親インスリンをコードするポリヌクレオチド配列は、典型的には適切なターミネーターに作用可能に連結される。酵母において、適切なターミネーターはTPIターミネーター(Alber等 (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1:419-434)である。
【0049】
親インスリンをコードするポリヌクレオチド配列、プロモーター及びターミネーターをそれぞれライゲーションし、選択宿主での複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するのに使用される手順は、当業者によく知られている。ベクターは、まずこの発明の持続型インスリンをコードする全DNA配列を含有するDNAコンストラクトを調製し、続いて適切な発現ベクターにこの断片を挿入するか、又は個々のエレメント(例えば、シグナル、プロ-ペプチド、連結ペプチド、A及びB鎖)についての遺伝的情報を含むDNA断片を挿入し、続いてライゲーションすることにより構築されることが理解される。
【0050】
親インスリンをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターを、ベクターが染色体組み込み体として又は自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入する。「宿主細胞」なる用語は、複製中に生じる変異のために親細胞と同一ではない親細胞の任意の子孫を包含する。宿主細胞は、単細胞生物、例えば原核生物、又は非単細胞生物、例えば真核生物であってよい。有用な単核生物は細菌細胞、例えば限定されるものではないが、バチルス細胞、ストレプトマイセス細胞を含むグラム陰性菌、又はグラム陽性菌、例えば大腸菌及びシュードモナス属である。真核細胞は、哺乳動物、昆虫、植物、又は真菌細胞であってよい。一実施態様において、宿主細胞は酵母細胞である。酵母生物は、培養で多量の本発明の単鎖インスリンを多量に生産する任意の適切な酵母生物でありうる。適切な酵母生物の例は、酵母種出芽酵母、サッカロマイセス・クルイベリ(kluyveri)、分裂酵母、サッカロマイセス・ウバルム(uvarum)、クルイベロマイセス・ラクチス、ハンゼヌラ・ポリモルファ、ピキア・パストリス、ピキア・メタノリカ、ピキア・クルイベリ、ヤロウイア・リポリティカ(lipolytica)、カンジダ種、トルラ酵母、カンジダ・カカオイ(cacaoi)、ゲオトリクム種、及びゲオトリクム・フェルメンタンス(fermentans)から選択される株である。
【0051】
酵母細胞の形質転換は、例えば原形質形成と続く形質転換によりそれ自体知られている形でなされうる。細胞を培養するのに使用される培地は酵母生物を増殖させるのに適した任意の一般的な培地であり得る。分泌される持続型インスリンは、その有意な割合が正しくプロセシングされた形態で培地中に存在するが、遠心分離、濾過による培地からの酵母細胞の分離、又はイオン交換マトリックス又は逆相吸収マトリックスによるインスリン前駆体の捕捉、例えば硫酸アンモニウムのような塩による上清又は濾液のタンパク質性成分の沈殿と、続く例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等のような様々なクロマトグラフィー法による精製を含む、一般的な手順により培地から回収されうる。
【0052】
薬学的組成物
この発明のペグ化持続型インスリンは、皮下的、経口的、又は経肺的に投与されうる。
皮下投与用として、この発明のペグ化持続型インスリンは、公知のインスリンの処方物と同じように処方される。さらに、皮下投与用として、この発明のペグ化持続型インスリンは、公知のインスリンの投与と同じように投与され、医者はこの手順に通じている。
この発明のペグ化持続型インスリンは、循環インスリンレベルを増加させ、及び/又は循環グルコースレベルを低下させるのに効果的な用量で、吸入により投与されてよい。このような投与は、糖尿病又は高血糖等の疾患を治療するのに効果的である。インスリンの効果的な投与を達成するには、この発明のペグ化持続型インスリンを、約0.5μg/kg〜約50μg/kg以上の吸入量で投与することが必要である。治療的有効量は、インスリンレベル、血糖値、患者の身体コンディション、患者の肺の状態を含む種々の要因を考慮し、博識な実施者により決定することができる。
【0053】
この発明のペグ化持続型インスリンは、吸収の遅延化、及び/又はその全身クリアランスの低減を達成するために、吸入により送達されてもよい。同様の粒子径及び同様の肺沈着レベルで比較される場合、典型的には、種々の吸入装置により、同様の薬物動態が提供される。
この発明のペグ化持続型インスリンは、吸入による治療剤の投与において、当該技術で公知の任意の様々な吸入装置により送達され得る。これらの装置には、定量噴霧式吸入器、ネブライザー、乾燥パウダー発生器、、スプレー等が含まれる。好ましくは、このペグ化持続型インスリンは、乾燥パウダー吸入器又はスプレーにより送達される。この発明のペグ化持続型インスリンを投与するための吸入装置には、いくつかの所望される特徴がある。例えば、吸入装置による送達には、有利には信頼性、再現性及び正確性がある。良好な呼吸性のためには、吸入装置は、小粒子又はエアゾール、例えば約10μm、例えば約1-5μm未満のものを送達すべきである。この発明の実施に適した商業的に入手可能な吸入装置のいくつかの特定の例は、Cyclohaler、TurbohalerTM(Astra)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、Diskus(登録商標)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura)、吸入治療用に市販されている装置、AERxTM(Aradigm)、Ultravent(登録商標)ネブライザー(Mallinckrodt)、Acorn II(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)、Ventolin(登録商標)定量噴霧式吸入器(Glaxo)、Spinhaler(登録商標)パウダー吸入器(Fisons)等である。
【0054】
当業者は、この発明のペグ化持続型インスリンの処方、送達される処方物の量、単一用量の投与の持続時間は、使用される吸入装置の種類に依存することを認識しているであろう。ネブライザー等、いくつかのエアゾール送達システムにとって、投与頻度及びシステムが稼働している時間の長さは、主として、エアゾール中のペグ化持続型インスリンの濃度に依存するであろう。例えば、投与時間が短いと、ネブライザー溶液においては、より高い濃度のペグ化持続型インスリンを使用することができる。定量噴霧式吸入器等の装置は、高濃度のエアゾールを生成することができ、所望の量のペグ化持続型インスリンの送達を、より短い時間で作動させることができる。パウダー吸入器等の装置は、付与された充填量の薬剤が装置から排出されるまで、活性剤を送達させる。この種の吸入器において、付与されたパウダー量における、この発明のペグ化持続型インスリンのインスリン量は、一回の投与で送達される用量を決定する。
【0055】
吸入装置で送達される処方物における、この発明のペグ化持続型インスリンの粒子径は、肺、好ましくは気道下部及び肺胞内においてなされる、インスリンの能力に関して重要である。好ましくは、この発明のペグ化持続型インスリンは、送達される少なくとも約10%、好ましくは約10%〜20%、又はそれ以上のペグ化持続型インスリンが肺に沈着するように処方される。口呼吸するヒトにとって、肺沈着の最大効率は、約2μm〜約3μmの粒子径で得られる。粒子径が約5μm以上になると、肺沈着はかなり低減する。粒子径が約1μm以下であると、肺沈着の低下が引き起こされ、治療に有効な十分な量の粒子を送達することが困難になる。よって、吸入器により送達されるペグ化持続型インスリンの粒子は、好ましくは約10μm未満、より好ましくは約1μm〜5μmの範囲を有する。ペグ化持続型インスリンの処方は、選択された吸入装置において所望される粒子径が生じるように選択される。
【0056】
乾燥パウダーとしての投与に有利には、この発明のペグ化持続型インスリンは、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの粒子径を有する微粒子型に調製される。より好ましい粒子径は、患者の肺の肺胞に送達するのに効果的なものである。好ましくは、乾燥パウダーは、多くの粒子が所望する範囲のサイズを有するように生成された粒子から、ほとんどなる。有利には、乾燥パウダーの少なくとも50%が、約10μm未満の直径を有する粒子から作製される。このような処方は、この発明のペグ化持続型インスリン及び他の所望する成分を含有する溶液を、噴霧乾燥、製粉、微粒子化、又は臨界点濃縮することにより達成可能である。また、本発明に有用な粒子を作製するのに適切な他の方法も、当該技術で公知である。
【0057】
粒子は、通常、容器中で乾燥パウダー処方物から分離され、ついで運搬気流を介して患者の肺に移送される。典型的には。現在の乾燥パウダー吸入器において、固形物を破壊する力は、単に、患者の吸入により提供される。他の種類の吸入器においては、患者の吸入により生じる気流が、粒子を凝集させない推進モーターを駆動させる。
【0058】
乾燥パウダー吸入器から投与されるこの発明のペグ化持続型インスリンの処方物は、典型的には、誘導体を含有する微細に分割された乾燥パウダーを含むが、パウダーは、さらに増量剤、担体、賦形剤、他の添加剤等をさらに含むことができる。例えば特定のパウダー吸入器から送達させるのに必要なパウダーを希釈するため、処方のプロセシングを容易にするため、処方物に有利なパウダー性を付与するため、吸入装置からのパウダーの分散を容易にするため、処方物を安定させるため(例えば、酸化防止剤又はバッファー)、処方物に味を付与するため等に、添加剤をペグ化持続型インスリンの乾燥パウダー処方物に含有させることができる。有利には、添加剤は患者の気道に悪影響を与えないものである。ペグ化持続型インスリンは分子レベルで添加剤と混合することができ、又は固体状処方物は添加剤の粒子と混合、又はこれでコーティングされて、ペグ化持続型インスリンの粒子を含有することができる。典型的な添加剤には、単糖類、二糖類、及び多糖類;糖アルコール類及び他のポリオール類、例えばラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール、デンプン、又はそれらの組合せ;界面活性剤、例えばソルビトール類、ジホスファチジルコリン、又はレシチン等が含まれる。典型的には、添加剤、例えば増量剤は、上述した目的に対して有効な量、多くの場合は処方物の重量に対して約50%〜約90%の量で存在している。インスリンアナログタンパク質等の、タンパク質の処方物について、当該技術で公知の添加剤も、本処方物に含めることができる。
【0059】
この発明のペグ化持続型インスリンを含むスプレーは、ペグ化持続型インスリンの懸濁液又は溶液を、加圧下にて、強いてノズルを通過させることにより製造することができる。ノズルサイズ及び構造、適用圧力、及び液体供給速度は、所望する出量及び粒子径が達成されるように選択することができる。例えば、キャピラリー又はノズルフィード部に接続した電場により、電気スプレーを製造することができる。有利には、スプレーにより送達されるインスリンコンジュゲートの粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの範囲の粒子径を有する。
【0060】
スプレーを用いて使用するのに適したこの発明のペグ化持続型インスリンの処方物は、典型的には、溶液1ml当たり、約1mg〜約20mgのペグ化持続型インスリン濃度で、水溶液中にペグ化持続型インスリンを含有している。選択されるペグ化インスリン及び医者に公知の他の要因に応じて、溶液1ml当たりのペグ化インスリンの上限は、例えば450、400、350、300、250、200、150、120、100又は50mgの以下であってよい。処方物は、賦形剤、バッファー、等張剤、防腐剤、界面活性剤、好ましくは亜鉛等の薬剤を含有することができる。また処方物は、賦形剤、又はペグ化持続型インスリンを安定化させるための薬剤、例えばバッファー、還元剤、バルクタンパク質、又は炭水化物をさらに含有可能である。インスリンコンジュゲートの処方に有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミン等が含まれる。ペグ化持続型インスリンの処方に有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコース等が含まれる。またペグ化持続型インスリン製剤は、エアゾールの形成において、溶液の噴霧化により生じるインスリンコンジュゲートの表面誘起凝集を低減又は防止可能な界面活性剤を、さらに含有することができる。種々の従来からの界面活性剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール類、及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを使用することができる。量は、一般的には、処方物の重量に対して約0.001〜約4%の範囲である。
【0061】
この発明のペグ化持続型インスリンを含有する薬学的組成物は、このような治療が必要な患者に非経口的に投与されてよい。非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン状シリンジにより、皮下、筋肉内又は静脈内注射することにより実施されてよい。または、非経口投与は、輸液ポンプにより実施することもできる。
【0062】
この発明のペグ化持続型インスリンの注射用組成物は、所望する最終生成物が付与されるように、適切であるならば、成分を溶解及び混合することを含む、製薬工業の従来からの技術を使用して調製することができる。よって、一手順において、ペグ化持続型インスリンは、調製される組成物の最終容量よりも幾分少ない量の水に溶解される。必要に応じて、亜鉛、等張剤、防腐剤及び/又はバッファーが添加され、必要ならば、塩酸等の酸、又は水酸化ナトリウム水等の塩基を使用して、溶液のpH値が調節される。最後に、溶液の容量は、所望の濃度の成分が付与されるように、水を用いて調節される。
【0063】
この発明のさらなる実施態様において、バッファーは酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シタラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビシン(bicine)、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーのそれぞれ一つは、この発明の別の実施態様を構成する。
【0064】
この発明のさらなる実施態様において、処方物は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチオメロサル(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(chlorphenesine)(3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択され得る、製薬的に許容可能な防腐剤をさらに含有する。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の防腐剤各自は、本発明の別の態様を構成する。薬学的組成物に防腐剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が挙げられる。
【0065】
この発明のさらなる実施態様において、処方物は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、又はスレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、又は1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る等張剤をさらに含有する。任意の糖、例えば単糖類、二糖類又は多糖類、又は水溶性グルカン類、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロース-Naを使用してもよい。一実施態様において、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一の-OH基を有するC4-C8炭化水素と定義され、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール(galactitol)、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。一実施態様において、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上述した糖又は糖アルコールは、個々に又は組合せて使用されてよい。使用される量は、糖又は糖アルコールが液状調製物に溶解し、この発明の方法を使用して得られた安定化効果に悪影響を与えない限りは、限定されて固定されるものではない。一実施態様において、糖又は糖アルコールの濃度は、約1mg/ml〜約150mg/mlである。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約1mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している、この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約1mg/ml〜7mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約8mg/ml〜24mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の等張剤各自は、この発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物に等張剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が挙げられる。
【0066】
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン及びグリセロールであり、典型的な防腐剤は、フェノール、m-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びベンジルアルコールである。
適切なバッファーの例は、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及びリン酸ナトリウムである。
【0067】
この発明のペグ化持続型インスリンの鼻投与用の組成物は、例えば、欧州特許第272097号に記載されているようにして調製されてよい。
【0068】
この発明のペグ化持続型インスリンを含有する組成物は、インスリンに対して敏感な状態の治療に使用することができる。例えば、それらは、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症で、重症を負ったヒト及び大手術を受けたヒトに時折見られるようなものの治療に使用することができる。任意の患者に対する適量レベルは、使用される特定のインスリン誘導体の有効性、年齢、体重、身体活動、患者の食習慣、他の薬剤との組合せの可能性、及び治療される状態の重篤度を含む種々の要因に依存する。この発明のペグ化持続型インスリンの毎日の投与量は、公知のインスリン組成物と同様にして、当業者により、個々の患者に対して決定されることが推奨される。
【0069】
(発明の好ましい特徴)
要約すれば、この発明の特徴は以下の通りである:
1.ヒトインスリンに匹敵し、A1、B1、A21及び/又はB30位から伸長した、一又は複数のPEG含有伸長部を有するペグ化インスリンアナログであって、該伸長部(類)がアミノ酸残基(類)からなり、PEG部分が、リンカーを介して、伸長部(類)の一又は複数のアミノ酸残基に結合しているペグ化されたされたインスリンアナログ。
2.1の伸長部に1のみのアミノ酸残基がPEG部分を担持している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
3.2のみの伸長部がPEG部分を担持しており、好ましくは2のみのPEG部分が存在している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
【0070】
4.PEG部分を担持する伸長部が、A1位に対してN末端的位置に位置している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
5.PEG部分を担持する伸長部が、B1位に対してN末端的位置に位置している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
6.PEG部分を担持する伸長部が、A21位に対してC末端的位置に位置している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
7.PEG部分を担持する伸長部が、B30位に対してN末端的位置に位置している、第1項のペグ化インスリンアナログ。
【0071】
8.インスリン分子当たりの伸長部の数が4である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
9.インスリン分子当たりの伸長部の数が3である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
10.インスリン分子当たりの伸長部の数が2である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
11.インスリン分子当たりの伸長部の数が1である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0072】
12.親インスリンアナログが、次の伸長部の一又は複数において、ヒトインスリンから逸脱していおり:それは、ヒトインスリンと比較して、A-3位でG、A-2位でG、A-1位でK又はR、A22位でG又はK、A23位でG又はK、A24位でG又はK、A25位でK、B31位でKであり、場合によっては、アミノ酸残基の欠失、置換及び付加の中でも、12までのさらなる変異があり、好ましくは、インスリンアナログにさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0073】
13.伸長部が一又は複数の以下の式:
− x1が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでKはリジンである)AAx1K(C末端伸長部に対して)、
− x2が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでKはリジンである)K-AAx2-(N末端伸長部に対して)、
− x3が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでCはシステインである)AAx3C(C末端伸長部に対して)、
− x4が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでCはシステインである)C-AAx4-(N末端伸長部に対して)、
− x5が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、yが0又は1である(さらに、ここでRはアルギニンである)AAx5-R-(N末端伸長部に対して)、
[ここでAAは、Lys及びCysを除く任意のコード性アミノ酸残基であり、好ましくはAAはペプチド鎖であり、各コード性アミノ酸は同一又は異なっている]
のものからなり、ここでPEG部分は、存在する場合はリジン又はシステイン残基(類)の側鎖(類)又はN末端アミノ基(類)(又はその双方)に結合している、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0074】
14.AAが、グリシン、アラニン又はグルタミンの残基であり、好ましくはAAはペプチド鎖であり、各コード性アミノ酸残基が同一又は異なっている、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
15.AAがグリシン残基である、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
16.AAがアラニン残基である、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
17.AAがグルタミン残基である、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
【0075】
18.伸長部が一又は複数の以下の式:
− x1が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでG及びKは、それぞれグリシン及びリジンである)Gx1K(C末端伸長部に対して)、
− x2が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでG及びKは、それぞれグリシン及びリジンである)KGx2-(N末端伸長部に対して)、
− x3が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでG及びCは、それぞれグリシン及びシステインである)-Gx3C(C末端伸長部に対して)、
− x4が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(さらに、ここでG及びCは、それぞれグリシン及びcysteineである)C-Gx4−(N末端伸長部に対して)、
− x5が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、yが0又は1である(さらに、ここでG及びRは、それぞれグリシン及びアルギニンである)Gx5-R-(N末端伸長部に対して)、
のものからなり、ここでPEG部分は、存在する場合はリジン又はシステイン残基(類)の側鎖(類)又はN末端アミノ基(類)(又はその双方)に結合している、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0076】
19.親インスリンが、場合によっては次の変異:A14E/D、A18Q、A21G/A/Q、desB1、B1G/Q、B3Q/S/T、B13Q、desB25、B25H、desB27、B28D/E/R、desB29、B29P/Q/R又はdesB30の一又は複数を含んでいてもよい、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリン。
20.親インスリンアナログが、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
21.親インスリンアナログが、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
22.親インスリンアナログが、A22G、A23G、A24K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0077】
23.親インスリンアナログが、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
24.親インスリンアナログが、A22K、B3Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
25.親インスリンアナログが、A22K、B3S、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0078】
26.親インスリンアナログが、A22K、B3T、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
27.親インスリンアナログが、A22K、B1Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
28.親インスリンアナログが、A18Q、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0079】
29.親インスリンアナログが、A22K、B3Q、B29R、desB1及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
30.親インスリンアナログが、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
31.親インスリンアナログが、A21G、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0080】
32.親インスリンアナログが、A21A、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
33.親インスリンアナログが、A21Q、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
34.親インスリンアナログが、A-1K及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0081】
35.親インスリンアナログが、A-1K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
36.親インスリンアナログが、A-3G、A-2G、A-1R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
37.親インスリンアナログが、A22K、B28E、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0082】
38.親インスリンアナログが、A22K、B28D、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
39.親インスリンアナログが、A22K、B28E、B29R、desB27及びdesB30Aを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
40.親インスリンアナログが、B28E、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0083】
41.親インスリンアナログが、B28E、B29Q、B31K及びdesB27を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
42.親インスリンアナログが、A22K、B28R、desB29及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
43.親インスリンアナログが、B28R、B29P及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0084】
44.親インスリンアナログが、A22K、B3Q、B28E、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
45.親インスリンアナログが、A21G、B3Q、B28E、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
46.親インスリンアナログが、A22K、B13Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0085】
47.親インスリンアナログが、A22K、B29R、desB1及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
48.親インスリンアナログが、A14E、A22K、B25H及びdesBを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
49.親インスリンアナログが、A14E、B25H、B29Q及びB31Kを有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0086】
50.親インスリンアナログが、A13E、A22K、B25H及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
51.親インスリンアナログが、A21Q、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
52.親インスリンアナログが、A21Q、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0087】
53.親インスリンアナログが、A21Q、A22G、A23G、A24K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
54.親インスリンアナログが、A21Q、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
55.親インスリンアナログが、A21A、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0088】
56.親インスリンアナログが、A21A、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
57.親インスリンアナログが、A21A、A22G、A23G、A24K、B29R及びdesB30A22K、B3S、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
58.親インスリンアナログが、A21A、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0089】
59.親インスリンアナログが、A21G、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
60.親インスリンアナログが、A21G、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
61.親インスリンアナログが、A21G、A22G、A23G、A24K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0090】
62.親インスリンアナログが、A21G、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
63.親インスリンアナログが、A21Q、A22K、B3Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
64.親インスリンアナログが、A21G、A22K、B3Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0091】
65.親インスリンアナログが、A21A、A22K、B3Q、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
66.親インスリンアナログが、A14E、A22K、B25H、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにおいてさらなる変異がない、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0092】
67.前記PEG含有基が、伸長部(類)に存在するシステイン残基及び/又はリジン残基の-NH-基、及び/又は伸長部(類)に対してN末端的に結合している、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
68.nが、2〜約1000、好ましくは2〜約500、好ましくは2〜約250、好ましくは2〜約125、好ましくは2〜約50、及び好ましくは2〜約25の範囲の整数である、部分-(OCHCH)-を含有する、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0093】
69.ポリエチレングリコール部分が、約200〜約40000、好ましくは約200〜約30000、好ましくは約200〜約20000、好ましくは約200〜約10000、好ましくは約200〜約5000、好ましくは約200〜約2000、好ましくは約200〜約1000、及び好ましくは約200〜約750の範囲の名目上の分子量を有する、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
70.ポリエチレングリコール部分が単分散である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
71.ポリエチレングリコールが一般式-(CHCHO)-を有するものであり、ここでnは、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約10、及び約110を越えず、好ましくは約75を越えない整数であり、さらに好ましくは、nは約6〜約30の範囲、好ましくは約10〜約48の範囲にある、上述した可能な項のペグ化インスリンアナログ。
72.ポリエチレングリコール部分が多分散である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0094】
73.ポリエチレングリコール部分が、直鎖状、分枝状、フォーク状又はダンベル状である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
74.一般式-Q-(OCHCH)-Rの基を有し、Qが、伸長部において、アミノ酸のα-又はγ-NH-基に、好ましくはアミド又はカルバメート結合を介して、ポリエチレングリコール部分を連結させるリンカーであり、nは2〜約1000の範囲の整数であり、Rはアルコキシ又はヒドロキシル、好ましくはメトキシである、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
75.nが、2〜約500、好ましくは2〜約500、好ましくは2〜約250、好ましくは2〜約125、好ましくは2〜約50、及び好ましくは2〜約25の範囲の整数である、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
【0095】
76.Qが-アルキレン-CO-であり、カルボニル基を介して持続型インスリンの-NH-残基に連結している、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
77.Qがエチレンカルボニル(-(CH)-CO-)であり、カルボニル基を介して-NH-残基に連結している、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
78.Qが-アルキレン-NHCO-アルキレン-CO-であり、カルボニル基を介して持続型インスリンの-NH-残基に連結している、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
79.Qが-CO-アルキレン-CO-である、最後の3つを除く、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
80.Qが-CO-(4-ニトロフェノキシ)である、最後の4つを除く、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0096】
81.Qが(-アルキレン-NHCO-アルキレン-O-アルキレン-)CH-NHCO-アルキレン-(OCHCH)-NHCO-アルキレン-CO-であり、pが1、2又は3であり、qが0、1又は2であり、p+qが3であり、rが1〜約12の範囲の整数であり、カルボニル基を介して持続型インスリンの-NH-残基に連結している、最後の5つを除く、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
82.Qが、-CHCO-、-CHCHCO-、-CHCHCHCO-、-CHCH(CH)CO-、-CHCHCHCHCO-、-CHCHCH(CH)CO-、-CHCHCHCHCHCO-、-CHCHNH-COCHCHCO-、-CHCHNH-COCHCHCHCO-、-CHCHCHNH-COCHCHCO-、-CHCHCHNH-COCHCHCHCO-、-COCHCHCO-、-COCHCHCHCO-、-CO-(4-ニトロフェノキシ)、(-CHCHNHCOCHCHOCH)CNHCOCHCH(OCHCH)NHCOCHCHCO-又は(-CHCHNHCOCHCHOCH)CNHCOCHCH(OCHCH)NHCOCHCHCHCO-である、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
【0097】
83.Rがアルコキシである、上述した可能な項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログ。
84.Rがメトキシである、上述した項のペグ化インスリンアナログ。
【0098】
85.上述の明細書、例えば特定の実施例に特に記載されている化合物の任意の一つ、特に上述した実施例1の任意の一つである、上述した生産項のいずれか一つの化合物。
86.糖尿病を治療する薬学的組成物の調製のための、上述した生産項のいずれか一つの化合物の使用。
87.糖尿病を治療するために肺投与可能な薬学的組成物の調製のための、上述した生産項のいずれか一つの化合物の使用。
88.糖尿病を治療するために肺投与可能で、長時間の作用降下を付与する薬学的組成物の調製のための、上述した生産項のいずれか一つの化合物の使用。
89.糖尿病を治療するために肺投与可能なパウダー状薬学的組成物の調製のための、上述した生産項のいずれか一つの化合物の使用。
90.糖尿病を治療するために肺投与可能な液状薬学的組成物の調製のための、上述した生産項のいずれか一つの化合物の使用。
91.上述した生産項のいずれか一つの化合物を治療的有効量、それを必要とする患者に投与することを含む、糖尿病の治療方法。
【0099】
92.ヒトインスリン、並びに上述した項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログを含有する組成物。
93.インスリンアスパルト(insulin aspart)、並びに上述した項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログを含有する組成物。
94.インスリンリスプロ(Lispro)、並びに上述した項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログを含有する組成物。
95.インスリングルリシン(Glulisine)、並びに上述した項のいずれか一つのペグ化インスリンアナログを含有する組成物。
96.任意の新規の特徴、又はここに記載した特徴の組合せ。
【0100】
(概評)
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、決してこの発明を限定するものと解してはならない。
ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単にこの発明をより明らかに例証することを意図しており、特に請求項に記載がない限り、この発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素がこの発明の実施に必須であることを示しているものと解してはならない。
ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。
【0101】
ここで、「含有する」なる単語は、広義には「含む」、「有する」又は「包含する」を意味すると解釈される(EPOガイドラインC4.13)。
場合によっては、一又は複数の以下の請求項と、ここに記載の一又は複数の実施態様とを組合せることで、さらなる実施態様が得られ、この発明は該実施態様及び請求項の全ての可能な組合せに関する。
完全性の目的のために、この発明は、親インスリンアナログがいわゆる単鎖インスリンである、ペグ化インスリンアナログに関しない(Danish appl. No.: 2005/00400 and WO appl. No.: 欧州特許第2006/060816号; our ref.: 7148)。よって、この発明において、我々は、出典明記により援用されるその内容を、これにより請求放棄する。
【0102】
以下の実施例は例証のためのものであって、制限するものではない。
以下の列挙において、選択されたペグ化試薬は、活性化されたN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(OSu)として列挙される。また明らかに、他の活性エステル、例えば4-ニトロフェノキシ、及び当業者に公知の多くの他の活性剤を使用してよい。PEG(又はmPEG)部分、CHO-(CHCHO)-は、Mw40000Daまでの任意のサイズ、例えば750Da、2000Da、5000Da、20000Da、及び40000Daのものとすることができる。mPEG部分は多分散であるが、m:メチル/メトキシの末端キャップ、d:分離、及びxは例えば12〜24等、エチレングルコール残基の数である、mdPEGと示される、例えば12〜24の繰り返しエチレングリコール単位の良く定められた鎖長さ(例えば分子量)を有するmPEGからなる単分散であってもよい。PEG部分は直鎖状又は分枝状のいずれかであってよい。持続型インスリンのPEG残基の構造/配列は、形式的には、「NHインスリン」で、種々のペグ化試薬から離脱基(例えば「-OSu」)を繰り返すことにより得ることができ、ここでインスリンは、A又はB鎖(又は双方)のアルファ-アミノ位置、又はリジン残基のイプシロン位置のいずれかでペグ化されている:
mPEG-COCHCHCO-OSu、
mPEG-COCHCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCO-OSu、
mPEG-CHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHCHCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCH(CH)CO-OSu、
mPEG-CHCHCH(CH)CO-OSu、
mPEG-CHCHNH-COCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHCHNH-COCHCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHCHNH-COCHCHCO-OSu、
mPEG-CHCHNH-COCHCHCHCO-OSu、
mPEG-CO-(4-ニトロフェノキシ)、
(mdPEG12-CHCHNHCOCHCHOCH)CNHCOCHCH(OCHCH)NHCOCHCHCO-OSu(又は、短くは:(mdPEG12)-dPEG4-OSu)、
(mdPEG12-CHCHNHCOCHCHOCH)CNHCOCHCH(OCHCH)NHCOCHCHCHCO-OSu(又は、短くは:(mdPEG12)-dPEG4-OSu)、
mdPEG-COCHCHCO-OSu、
mdPEG-COCHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCH(CH)CO-OSu、
mdPEG-CHCHCH(CH)CO-OSu、
mdPEG-CHCHNH-COCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCHNH-COCHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHCHNH-COCHCHCO-OSu、
mdPEG-CHCHNH-COCHCHCHCO-OSu、
mdPEG-CO-(4-ニトロフェノキシ)、
上式中、xは約6〜約48の範囲の整数、例えば12又は24である。
【0103】
さらに、より大きなペグ化試薬は、2又はそれ以上のより小さなPEG試薬を会合させることにより調製することができる。例えば、上述した任意のものの一つ、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル等の末端キャップされたPEG試薬は、場合によっては保護されていてもよい、一端がアミノ基、他端がカルボン酸(エステル)により官能化されたPEG部分にカップリングさせることができる。(必要ならば)カルボン酸の脱保護後、カルボン酸を活性化させることで、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドエステル等、より長いペグ化試薬が提供される。所望するならば、得られたPEG試薬は、一又は複数回のサイクルを繰り返すことにより、さらに伸長させることができる。この原則及び方法論は、実施例に例証されている。
この方法論により、さらに大きな単分散(及び多分散)の仕立てサイズのペグ化試薬の構築が可能となる。
【0104】
本発明のPEG残基の例には、以下のものが含まれる:
mPEG750(ここで、「750」は、Daでの平均分子量を示す)、
mPEG2000、
mPEG5000、
mPEG10000、
mPEG20000、
mPEG30000、
mPEG40000、
mdPEG12(ここで、下付き文字「12」は、ここで定義されるように、PEG分子の数を示し、例えばQuanta BioDesign Ltd)、
mdPEG24
mdPEG3x12 (ここで、下付き文字「3x12」は、ここで定義されるように、PEGが分枝状で、それぞれ12のPEGモノマーからなる3つのアームからなることを示し、例えばQuanta BioDesign Ltd)、
mdPEG12-dPEG12
mdPEG12-dPEG24
mdPEG24-dPEG12
mdPEG24-dPEG24
mdPEG24-dPEG24-dPEG24
mdPEG3x12-dPEG12
mdPEG3x12-dPEG24-dPEG24
【0105】
以下、選択されたペグ化試薬は、マレイミド誘導体として列挙される。また明らかに、マレイミド基の代替として、他のマイケルアセプター、例えばビニルスルホン類、及び当業者に公知の多くの他のマイケルアセプターを使用してもよい。PEG(又はmPEG)部分、CHO-(CHCHO)-は、Mw約40000Daまでの任意のサイズとすることができる。持続型インスリンにおけるPEG残基の構造/配列は、形式的には、「3-チオ-スクシンイミジル-AlA-インスリン」で、種々のペグ化試薬から、マレイミド「MAL」を置き換えることにより得ることができ、ここでインスリンは以下の概略式に従い、遊離のシステイン残基でペグ化される。
【化1】

この概略式は、末端Cysにおけるペグ化を例証している。Cysは、ペグ化可能とするために、末端に配される必要はない。
PEG-MALの例:mPEG-MAL。
【0106】
この発明のペグ化持続型インスリンは、全てのケースにおいて、インスリンにPEG部分を連結させるリンカーが、(3-)プロピオニルリンカー(-CH-CH-CO-)であるように命名されている。多くの種類のリンカーが商業的に入手可能であることは上述より明らかであり、それは、標準的なインスリンの配列外の残基に、PEG部分が配されることの有益な効果に影響を付与するリンカーの正確な構造/組成ではないため、全ての種類のリンカー(例えば上述したもの)は、この発明の範囲内に入ると理解される。
【0107】
本発明の親持続型インスリンは、以下のものを含む:
A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A22K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、A22K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、A22K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、A22G、A23K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、A22G、A23K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、A22G、A23G、A24K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、A22G、A23G、A24K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21Q、A22G、A23G、A24G、A25K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A21G、A22G、A23G、A24G、A25K、B25H、B29R、desB30ヒトインスリン;
B29Q、B31Kヒトインスリン;
A22K、B3Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、B3S、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、B3T、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、B1Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A18Q、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、desB1、B3Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A21A、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A21Q、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A-1K、desB30ヒトインスリン;
A-1K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A-3G、A-2G、A-1R desB30ヒトインスリン;(N末端A-3-ペグ化)
A22K、B28E、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、B28D、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、desB27、B28E、B29R、desB30ヒトインスリン;
B28E、B29Q、B31Kヒトインスリン;
desB27、B28E、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A22K、B28R、desB29、desB30ヒトインスリン;
B28R、B29P、B31Kヒトインスリン;
A22K、B3Q、B28E、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、B3Q、B28E、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A22K、B13Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A22K、desB1、B29R、desB30ヒトインスリン;
A14E、A22K、B25H、desB30ヒトインスリン;
A14E、B25H、B29Q、B31Kヒトインスリン;
A13E、A22K、B25H、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21A、A22K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21A、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21A、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21A、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21Q、A22K、B3Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21A、A22K、B3Q、B29R、desB30ヒトインスリン;
A21G、A22K、B3Q、B29R、desB30 ヒトインスリン。
【実施例】
【0108】
一般的手順:
発現ベクターの構築、酵母細胞の形質転換、及び本発明のインスリン前駆体の発現
全ての発現プラスミドは、出芽酵母におけるプラスミドの選択及び安定化を目的とし、分裂酵母トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子(POT)を含有することで特徴付けられる、欧州特許第171142号に記載のものに類似した、C-POT型のものである。またプラスミドは、出芽酵母トリオースリン酸イソメラーゼプロモータ及びターミネーターをさらに含有する。これらの配列は、インスリン生成物及びリーダーの融合タンパク質をコードするEcoRI-XbaIフラグメントの配列を除く全ての配列であるとして、プラスミドpKFN1003における対応配列に類似している(国際公開第90/10075号に記載)。種々の融合タンパク質を発現させるために、pKFN1003のEcoRI-XbaIフラグメントは、関心あるリーダー-インスリン融合体をコードするEcoRI-XbaIフラグメントで簡単に置き換えられる。このようなEcoRI-XbaIフラグメントは、標準的な手順に従い、合成オリゴヌクレオチド及びPCRを使用して合成されてよい。
【0109】
酵母形質転換体を、宿主株出芽酵母株MT663(MATa/MATα pep4-3/pep4-3 HIS4/his4 tpi::LEU2/tpi::LEU2 Cir)の形質転換により調製した。酵母株MT663を、国際公開第92/11378号に関連して、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturenに寄託し、寄託番号DSM6278が付与された。
MT663を、600nmでの光学密度が0.6になるまで、YPGaL(1%のバクト酵母抽出物、2%のバクトペプトン、2%のガラクトース、1%のラクタート)において増殖させた。100mlの培養体を遠心分離により収集し、10mlの水で洗浄し、再度遠心分離し、1.2Mのソルビトール、25mMのNaEDTA、pH=8.0及び6.7mg/mlのジチオトレイトール(dithiotreitol)を含有する10mlの溶液に再懸濁させた。懸濁液を30℃で15分インキュベートし、遠心分離し、1.2Mのソルビトール、10mMのNaEDTA、0.1Mのクエン酸ナトリウム、pH5.8、及び2mgのNovozym(登録商標)234を含有する10mlの溶液に、細胞を再懸濁させた。懸濁液を30℃で30分インキュベートし、遠心分離により細胞を収集し、10mlの1.2Mソルビトール及び10mlのCAS(1.2Mのソルビトール、10mMのCaCl、10mMのTris HCl(pH=7.5))で洗浄し、2mlのCASに再懸濁させた。形質転換のために、1mlのCAS-懸濁細胞を、約0.1mgのプラスミドDNAと混合し、室温に15分間放置した。1mlの(20%のポリエチレングリコール4000、10mMのCaCl、10mMのTris HCl、pH=7.5)を添加し、混合物をさらに30分、室温で放置した。混合物を遠心分離し、ペレットを、0.1mlのSOS(1.2Mのソルビトール、33%v/vのYPD、6.7mMのCaCl)に再懸濁させ、30℃で2時間インキュベートした。ついで、懸濁液を遠心分離にかけ、ペレットを0.5mlの1.2Mソルビトールに再懸濁させた。ついで、6mlの上層寒天(1.2Mのソルビトールと2.5%の寒天を含有する、ShermanらのSC番地 (1982) Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Laboratory)を52℃で添加し、同様の寒天で凝固した、ソルビトール含有培地を収容するプレートの頂部に、懸濁液を注いだ。発現プラスミドで形質転換された出芽酵母株MT663を、30℃で72時間、YPDにおいて増殖させた。
【0110】
本発明のペグ化インスリン誘導体の生成、精製及び特徴付け
上述したようにして多くのインスリン前駆体を生成し、培地から単離して、精製した。インスリン前駆体をペグ化させ、以下の実施例に記載したようにしてプロセシングし、最終的なインスリン誘導体を生成した(一般的手順(A))。場合によっては、ペグ化の前に、トリプシンにより、前駆体をプロセシングすることもできる(一般的手順(B))。これらのインスリン誘導体を、以下に記載するようなヒトインスリンと比較し、ヒトインスリンレセプターに対する結合親和性により測定されるように、生物学的インスリン活性についてテストした。
【0111】
以下の実施例は、明細書及び実施例において同定される中間化合物及び最終生成物について言及する。この発明のインスリン誘導体の調製は、以下の実施例を使用して詳細に記載されるが、記載された化学反応及び精製スキームは、本発明のインスリン誘導体を調製するための一般的な適用性に関して開示するものである。時折、反応は、本発明の開示されている範囲内に含まれる各化合物に対して、記載されたように適用されない場合もある。ここで生じる化合物は、当業者に容易に認識されるであろう。これらのケースにおいて、反応は当業者に公知に従来からの修飾法により、すなわち干渉基を適切に保護することにより、他の従来からの試薬を変えることにより、又は反応条件を常套的に改変することにより成功裏に実施することができる。また、ここに開示されている他の反応、又は他の従来的なものが、本発明の対応する化合物の調製に適用されるであろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、又は公知の出発物質から容易に調製されてもよい。全ての温度は摂氏で説明されており、そうでない場合は示しており、全ての部及びパーセンテージは、収率に関しては重量であり、全ての部は、溶媒及び溶離液に関して容量である。
【0112】
この発明のインスリン誘導体は、当該技術で典型的な、一又は複数の以下の手順を使用することにより精製可能である。これらの手順は、必要であるならば、勾配、pH、塩、濃度、流量、カラム等に関して変えることができる。当該問題の種々のインスリンの不純物プロファイル、溶解度等の要因に応じて、これらの変更は容易に認識可能であり、また当業者によってなされるであろう。
【0113】
実施例1
一般的手順(A)
A22K(Nε-mPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化2】

工程1:インスリン前駆体LysA22 ArgB29 B29R desB30 B'Aの調製及び精製
インスリン前駆体A22K,B29R,desB30,B'A単鎖インスリンは、以下の精製工程AないしCに記載したようにして精製することができる。
【0114】
精製工程A:捕捉
工程Aにおいて、10.75リットルの清浄な培地を、4.5リットルの99%エタノールを添加することにより希釈し、30vol%のエタノールを含有する、全体容量15.25リットルとした(伝導率:2.7mS/cm、pH=3.4)。300mlのSPビッグ・ビーズセファロースカラム(100-300μm、Amersham Biosciences)を、朝まで、15.25リットルの調製された培養培地(流量近似(flow app.):10ml/分)を充填する前に、1リットルの0.1Mクエン酸、pH3.5(流量近似:20ml/分)で平衡にした。カラムに充填させた後、再度、1リットルの0.1Mクエン酸、pH3.5、続いて1リットルの40vol%エタノール(流量近似:20ml/分)で洗浄した。ついで、結合していたインスリン前駆体A22K,B29R,desB30,B'A単鎖インスリンを、1.5リットルの0.2M酢酸ナトリウム、35vol%のエタノール、pH 5.75で溶出させた(流量:1.5ml/分、溶出した前駆体容量:400ml、前駆体の量:220mg)。
【0115】
精製工程B:逆相HPLC
工程Bにおいて、溶出液を所定の乾燥度になるまで蒸発させ、ペレットを0.25Mの酢酸に再溶解させた。C18カラム(ODDMS C18、20x250mm、200Å、10μm、FeF Chemicals A/S)において逆相HPLCにより精製する直前に、pHをさらに1.5まで低下させた。カラムに適用する前に、前駆体溶液を滅菌濾過した(22μm、Low Protein Binding Durapore(登録商標)(PVDF)、Millipore)。15%B〜50%Bの勾配をカラムに流し、ここでバッファーA:0.2Mの(NH)SO、0.04Mのオルト-リン酸、10vol%のエタノール、pH2.5、及びバッファーB:70vol%のエタノールである。5ml/分の流量、40℃のカラム温度で、勾配を120分流した。インスリン前駆体A22K,B29R,desB30,B'A単鎖インスリンを溶出させ、プールした(全量量:75ml)。
【0116】
精製工程C:ゲル濾過による脱塩
工程Cにおいて、逆相HPLCからの溶出液におけるエタノール含有量を、ロータリーエバポレータを使用して、5vol%以下に低減させた(新規容量:〜50ml)。1000mlのG25セファデックスカラム(5x55cm、Amersham Biosciences)を、0.5Mの酢酸で洗浄し、ついでインスリン前駆体A22K,B29R,desB30,B'A単鎖インスリンをカラムに適用し、0.5Mの酢酸においてゲル濾過することにより脱塩した。ついで、インスリン前駆体を280nmでのUV検出にかけ、さらに、塩を伝導率測定にかけた。脱塩直後に、インスリン前駆体を凍結乾燥させた。
【0117】
工程2:A22K(Nε-mPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30 B'Aヒトインスリン前駆体
0.15mmolの凍結乾燥されたインスリン前駆体LysA22 ArgB29 desB30 B'Aを、炭酸ナトリウム水(3ml、100mM)に溶解させる。アセトニトリルにペグ化試薬mPEG2000-SPA-OSuが入った溶液(3mlに0.15mmol)を前駆体溶液に添加し、混合物をゆっくりと1時間攪拌する。混合物を凍結乾燥させ、HPLCにより精製し、凍結乾燥して、ペグ化された前駆体を提供する。
【0118】
工程3:A22K(Nε-mPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリンへの転換
ペグ化インスリン前駆体A22K(Nε-mPEG2000-プロピオニル),desB30 B'A単鎖ヒトインスリン前駆体(3.9mmol)を、4.2mlの50mMグリシン、20vol%のエタノール、pH10.0に溶解させる。また、3.6mgの凍結乾燥されたブタトリプシン(Novo Nordisk A/S)を、3.5mlの50mMグリシン、20vol%のエタノール、pH10.0に溶解させる。ついで、このトリプシン溶液の0.5mlをインスリン前駆体溶液に添加する(よって、インスリン前駆体は200倍超になる)。ついで、混合物を室温で15分インキュベートし、その後、トリプシン活性をpH<3(0.5Mの酢酸を用いてpH=2.08)に低下させることにより停止される。ついで、ペグ化インスリンアナログA22K(Nε-mPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリンを、逆相HPLCにより精製(トリプシン、及び任意のアシル化されていない、二重にアシル化された、又は決断されていないインスリン分子を除去)し、凍結乾燥することで、表題のインスリンが提供される。
【0119】
この発明のペグ化持続型インスリンを調製するための一般的手順(B)
この手順は、一般的手順(A)と非常に類似している。個々の工程の順番は、B'A前駆体が、ペグ化の前にトリプシンにより切断されるように変えられる。一般的手順(B)は第1の実施例において例証される。
【0120】
実施例2
一般的手順(B):
A22K(NεmPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化3】

A22K,B29R,desB30ヒトインスリン(125mg)を、0.1MのNaCO(2.8ml)に溶解させた。アセトニトリル(1.25ml)に溶解させたMPEG-SPA2000(50mg)を添加した。0.1NのNaOHを用いて、pHを10.2〜10.4に調節した。50分後、アセトニトリル(1.25ml)に溶解させたMPEG-SPA2000(25mg)を添加した。80分、ゆっくりと攪拌させた後、水(4.5ml)を添加し、1NのHClを用いて、pHを5に調節した。混合物を凍結乾燥させた。調製用のHPLC精製により、表題の化合物が得られた。カラム:C4.2cm、Aバッファー:MiliQ水に0.1%のTFAが入ったもの;Bバッファー:アセトリトリルに0.1%のTFAが入ったもの。勾配30-65%B、30分以上。収率43mg。
MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8114。
【0121】
実施例3
一般的手順(B):
A22K(NεmPEG750-プロピオニル,B29R,desB30ヒトインスリン
【化4】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:5862。
【0122】
実施例4
一般的手順(B):
A22K(NεmdPEG12-プロピオニル,B29R,desB30ヒトインスリン
【化5】

MALDI(マトリックス:シナピン酸);m/z:6432。
【0123】
実施例5
一般的手順(B):
A22K(NεmdPEG24-プロピオニル,B29R,desB30ヒトインスリン
【化6】

MALDI(マトリックス:シナピン酸);m/z:6962。
【0124】
実施例6
一般的手順(B):
A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化7】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8167。
【0125】
実施例7
一般的手順(B):
A22G,A23G,A24G,A25K(NεmPEG750-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化8】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:6807。
【0126】
実施例8
一般的手順(B):
A22G,A23K(NεmPEG2000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化9】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8170
【0127】
実施例9
一般的手順(B):
A22K(NεmdPEG-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化10】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:6258。
【0128】
実施例10
一般的手順(B):
A22K(NεmdPEG-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化11】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:6082。
【0129】
実施例11
一般的手順(B):
A22K(NεmPEG5000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化12】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:約11600。
【0130】
実施例12
一般的手順(B):
A22K(NεmPEG20000-プロピオニル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化13】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:約21500
【0131】
実施例13
A14E,A22K(NεmdPEG12-プロピオニル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化14】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:7520。
【0132】
実施例14
一般的手順(B):
A14E,A22K(NεmdPEG12-dPEG24-プロピオニル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化15】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:7520。
【0133】
ペグ化試薬を以下のようにして調製した:
オメガ-(メトキシ-PEG11-プロパノイルアミノ)-PEG24-プロパン酸(mdPEG12-dPEG24酸)の調製
【化16】

mdPEG12NHSエステル(0.457mmol、Quanta BioDesign Ltd. 製品番号10262)及びアミノ-dPEG24 tert-ブチルエステル(0.416mmol、Quanta BioDesign、製品番号10311)を、アセトニトリル(各10mL)に別々に溶解させ、ついで、2つの溶液を混合し、DIPEAを用いて、pHを8に調節した(pHの測定は湿った表示ストリップを使用して実施した)。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、続いて、所定の乾燥度になるまで蒸発させ、その後、室温で1時間、10mLのTFA/DCM(1/1)で処理した。ついで、混合物を所定の乾燥度になるまで蒸発させ、DCMで2回取り除いた。溶離液として、アセトニトリル(AcCN)/0.1%のTFA、及びwater/0.1%のTFAを使用し、勾配:10-80%のAcCN/TFA、5-20分のHPLC(2cm、C18カラム)により、残留物を精製した。所望の化合物を含有するフラクションを収集し、組合せ、所定の乾燥度になるまで蒸発させたところ、油として、オメガ-(メトキシ-PEG11-プロパノイルアミノ)PEG23-プロパン酸(249mg、35%)が得られた。
LCMS:m/z:1718(M+1)
【0134】
オメガ-(メトキシ-PEG11-プロパノイルアミノ)-PEG24-プロパン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(mdPEG12-dPEG24-NHS又はMdPEG12-dPEG24-プロパン酸OSuエステル)の調製
【化17】

オメガ-(メトキシ-PEG11-プロパノイルアミノ)PEG24-プロパン酸(249mg、0.145mmol)を、アセトニトリル(10mL)に溶解させ、DIPEAを添加することにより、pHを8に調節した(pHの測定は湿った表示ストリップを使用して実施した)。アセトニトリル(10mL)にTSTU(48mg、0.16mmol)が入ったものを添加し、混合物を室温で1.5時間攪拌し、所定の乾燥度になるまで蒸発させた。残留物をDCMに溶解させ、塩酸(0.01M)で洗浄し、有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を所定の乾燥度になるまで蒸発させた。得られたオメガ-(メトキシ-PEG11-プロパノイルアミノ)PEG24 プロパン酸-N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを、さらなる精製をすることなく、インスリンへのカップリングに使用した。
LCMS:m/z 1813.8(M+1)
【0135】
実施例15
一般的手順(B):
A14E,A22K(NεmdPEG24-dPEG12-プロピオニル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化18】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:7519。
【0136】
N-ヒドロキシスクシンイミド活性化PEG試薬を、mdPEG24 NHSエステル(Quanta BiodDesign Ltd. 製品番号10304)及びアミノ-dPEG12 tert-ブチルエステル(Quanta BioDesign Ltd. 製品番号10281)から、オメガ-(メトキシ-PEG23-プロパノイルアミノ)PEG12プロパン酸-tert-ブチルエステル、オメガ-(メトキシ-PEG23-プロパノイルアミノ)PEG12 プロパン酸、及びオメガ-(メトキシ-PEG23-プロパノイルアミノ)PEG12 プロパン酸NHSエステルを介して、上述したようにして調製した。
LCMS:m/z 1814(M+1)
【0137】
実施例16
一般的手順(B):
A14E,A22K(NεmPEG2000-プロピオニル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化19】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:約8200。
【0138】
実施例17
一般的手順(B):
A14E,A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化20】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8123。
このインスリンは、PEG試薬NHS-dPEG4-(m-dPEG12)エステル(Quanta BioDesign Ltd. 製品番号10401)を使用して調製した。
【0139】
実施例18
一般的手順(B):
A14E,A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG- イル-dPEG12-イル),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化21】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8724。
このインスリンは、PEG試薬NHS-dPEG4-(m-dPEG12)エステル(Quanta BioDesign Ltd. 製品番号10401)及びアミノ-dPEG12 tert-ブチルエステル(Quanta BioDesign 製品番号10281)を使用して調製した。
【0140】
実施例19
一般的手順(B):
A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG4-イル-dPEG12-イル),B29R,desB30ヒトインスリン
【化22】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:8768
このインスリンは、上述したようにして、PEG試薬NHS-dPEG4-(m-dPEG12)エステル(Quanta BioDesign Ltd. 製品番号10401)及びアミノ-dPEG12 tert-ブチルエステル(Quanta BioDesign 製品番号10281)を使用して調製した。
【0141】
実施例20
一般的手順(B):
A22K(Nε(mdPEG24-プロピオニル),A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化23】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:6918。
【0142】
実施例21
一般的手順(B):
A22K(Nε(mPEG5.000-プロピオニル)),A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
【化24】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:約11400。
【0143】
実施例22
一般的手順(B):
B29Q,B31K(Nε(mPEG2000-プロピオニル))ヒトインスリン
【化25】

MALDI-MS(マトリックス:シナピン酸);m/z:約8268。
【0144】
実施例23
この発明のインスリン誘導体のインスリンレセプター結合性
ヒトインスリンレセプターについての、この発明のインスリン誘導体の親和性は、SPAアッセイ(シンチレーション近接アッセイ)マイクロタイタープレート抗体捕捉アッセイにより測定される。SPA-PVT抗体-結合ビーズ、抗-マウス試薬(Amersham Biosciences、カタログ番号 PRNQ0017)を、25mlの結合バッファー(100mMのHEPES、pH7.8;100mMの塩化ナトリウム、10mMのMgSO、0.025%のトゥイーン(Tween)-20)と混合した。単一のPackard Optiplate(Packard No.6005190)用の試薬混合物は、2.4μlの1:15000に希釈された精製組換えヒトインスリンレセプター(エクソン11を有する又は有さない)、100μlの試薬混合物当たり500cpmに相当するA14Tyr[125I]-ヒトインスリンの所定量の保存溶液、12μlの1:1000に希釈されたF12抗体、3mlのSPA-ビーズ、全体を12mlにする結合バッファーからなる。ついで、全体で100μlの試薬混合物を、Packard Optiplateの各ウェルに添加し、インスリン誘導体の希釈シリーズを、適切なサンプルからOptiplateにおいて作製する。ついで、ゆっくりと振揺させつつ、サンプルを16時間インキュベートする。ついで、1分間遠心分離することにより相分離させ、プレートをトップカウンターで計測する。GraphPad Prism 2.01(GraphPad Software, San Diego、CA)における非線状回帰アルゴリズムを使用し、結合データを適合させた。
【0145】
この発明の選択された化合物のインスリンレセプター結合親和性
実施例番号 インスリンレセプター結合性
Aイソ型(エクソン11なし)
ヒトインスリンに対する
1,2 90%
3 123%
4 188%
6 120%
5 118%
7 44%
8 58%
9 128%
10 123%
15 20%
13 24%
14 16%
17 19%
18 16%
19 106%
20 24%
22 14%
16 15%
【0146】
実施例24
発明のインスリン誘導体のラットにおける静脈内ボーラス注射後の血中グルコース低下の影響
ハイプノルム-ドルミカム(Hypnorm-Dormicum)皮下注射(1.25mg/mlのドルミカム、2.5mg/mlのフルアニソン、0.079mg/mlのクエン酸フェンタニル)を、プライミング用量(試験物質の投与前〜30分の時点)として2ml/kg、及び付加的に20分毎に1ml/kgを使用し、オスのウィスターラット、200〜300g、18時間絶食に麻酔をかける。
動物に、1ml/kgの対照体及びテスト用化合物(通常の用量範囲:0.125-20nmol/kg)を、静脈注射(尾静脈)を用いて投与する。全血中グルコース濃度を決定するための血液サンプルを、−20分及び0分(投与前)、投与後10、20、30、40、60、80、120及び180分の時点で、尾端の毛細管の刺し傷より、ヘパリン処理された10μlのガラスチューブにて収集する。EBIO Plus自動分析器(Eppendorf, Germany)を使用する、固定化グルコースオキシダーゼ法により、分析バッファーにおいて希釈した後、血中グルコース濃度を測定する。平均血漿グルコース濃度コース(平均±SEM)を、各用量及び各化合物について作製する。
【0147】
実施例25
ヒトインスリンに対するこの発明のインスリン誘導体の作用強度
実験日に238-383gのオスのスプラーグドーリーラットを、クランプ実験に使用する。制御された周囲条件下、ラットは餌に自由に接近し、クランプ実験の前には一晩(3pmから)絶食させる。
【0148】
実験プロトコル:
外科手順の少なくとも1週間前に、ラットを動物施設に順化させる。クリンプ実験の約1週間前、ハロタン麻酔下で、頸静脈(注入のため)及び頸動脈(血液のサンプリングのため)にタイゴンカテーテルを挿入し、露出させ、頸部の後ろに固定する。外科手術後、ラットをStreptocilin vet.(Boehringer Ingelheim;0.15ml/ラット、筋肉内)に付与し、回復期間中、動物ケアユニット(25℃)におく。無痛覚とするために、麻酔中にアノルフィン(Anorphin)(0.06mg/ラット、皮下)を投与し、麻酔から十分に回復した後(2-3時間)、再度2日に1回、リマダイル(Rimadyl)(1.5mg/kg、皮下)を投与する。
【0149】
実験日の7amに一晩(前日の3pmから)絶食させたラットを計量し、サンプリング用シリンジ及び注入システム(Harvard 22 Basic pumps, Harvard, 及びPerfectum Hypodermic glass syringe, Aldrich)につなぎ、ついで個々のクランプ用ゲージに配し、実験開始前の約45分、そこで休ませる。全実験中、それらの通常の寝具上を、ラットは自由に動くことができ、水を飲むために、自由に接近することもできる。血漿グルコースレベルを10分間隔で測定する、30分の基本期間後、テストされるインスリン誘導体及びヒトインスリン(ラット当たり1回の投与レベル、投与レベル当たりn=6-7)を、300分、一定の速度で注入する(静脈内)。10分の間隔中、血漿グルコースレベルを測定し、正常血糖値を維持するために、20%水性グルコースの注入を調節する。再懸濁させた赤血球のサンプルを、各ラットからプールし、頸動脈カテーテルを介して、約1/2ml容量を戻す。
【0150】
各実験日において、テストされる個々のインスリン誘導体溶液及びヒトインスリン溶液のサンプルを、クリンプ実験の前及び終了時に取り出し、ペプチド濃度をHPLCにより確認する。ラットインスリン及びC-ペプチド、並びにテストされるインスリン誘導体及びヒトインスリンの血漿濃度を、研究の前及び終了の時点で測定する。ペントバルビタール過剰投与を使用し、実験の終了時にラットを殺す。
【0151】
実施例26:
ラットへのインスリン誘導体の肺送達
試験物質は、滴下注入法により肺投与されるであろう。簡単に述べると、雄ウィスターラット(約250g)に、6.6ml/kgの皮下プライミング用量で、続いて30分の間隔を開けて、3.3ml/kgの維持用量を3回投与する、約60mlのフェンタニル/デヒドロデンズペリドール/-ドルミカムで麻酔した。麻酔誘導の10分後、基礎試料を尾静脈(t=−20分)から得、続いて試験物質の投与直前(t=0)、基礎試料を得た。t=0において、試験物質を一方の肺に、気管内投与した。丸くなった端部を有する特別なカニューレを、200μlの空気と試験物質(1mg/kg)を含むシリンジに搭載する。開口を介して、カニューレを気管内に導入し、二分枝部を丁度通過するように、主気管支の一方に送る。挿入中、頸部を外側から触診し、気管内位置決めを担保する。シリンジの内容物を注射し、2秒中断する。その後、カニューレをゆっくりと引き抜く。試験中(4又は8時間までの血液試料)、ラットは麻酔をかけられたままであり、実験後、安楽死させる。
次の実施例のペグ化持続型インスリンは、上述と同様にして調製される:
【0152】
実施例27−419
実施例#:ペグ化持続型インスリン:
27 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
28 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
29 A22G A23K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
30 A22G A23K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
31 A22G A23K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
32 A22G A23K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
33 A22G A23K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
34 A22G A23K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
35 A22G A23K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
36 A22G A23K((mdPEG12)-dPEG4-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
37 A22G A23G A24K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
38 A22G A23G A24K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
39 A22G A23G A24K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
40 A22G A23G A24K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
41 A22G A23G A24K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
42 A22G A23G A24K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
43 A22G A23G A24K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
44 A22G A23G A24K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
45 A22G A23G A24K(Nε(mdPEG12)-dPEG4-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
46 A22G A23G A24G A25K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
47 A22G A23G A24G A25K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
48 A22G A23G A24G A25K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
49 A22G A23G A24G A25K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
50 A22G A23G A24G A25K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
51 A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
52 A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
53 A22G A23G A24G A25K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
54 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
55 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
56 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
57 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
58 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
59 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
60 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
61 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
62 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
63 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
64 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
65 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
66 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
67 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
68 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
69 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
70 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
71 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B3S B29R desB30ヒトインスリン;
72 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
73 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
74 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
75 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
76 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
77 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
78 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
79 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
80 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B3T B29R desB30ヒトインスリン;
81 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
82 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
83 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
84 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
85 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
86 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
87 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
88 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
89 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B1Q B29R desB30ヒトインスリン;
90 A18Q A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
91 A18Q A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
92 A18Q A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
93 A18Q A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
94 A18Q A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
95 A18Q A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
96 A18Q A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
97 A18Q A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
98 A18Q A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
99 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
100 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
101 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
102 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
103 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
104 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
105 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
106 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
107 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)desB1 B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
108 B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
109 B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
110 B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
111 B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
112 B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
113 B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
114 B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
115 B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
116 B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
117 A21G B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
118 A21G B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
119 A21G B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
120 A21G B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
121 A21G B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
122 A21G B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
123 A21G B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
124 A21G B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
125 A21G B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
126 A21A B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
127 A21A B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
128 A21A B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
129 A21A B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
130 A21A 29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
131 A21A B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
132 A21A B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
133 A21A B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
134 A21A B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
135 A21Q B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
136 A21Q B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
137 A21Q B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
138 A21Q B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
139 A21Q B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
140 A21Q B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
141 A21Q B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
142 A21Q B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
143 A21Q B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
144 A-1K(NεmPEG750-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
145 A-1K(NεmPEG2.000-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
146 A-1K(NεmPEG5.000-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
147 A-1K(NεmPEG10.000-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
148 A-1K(NεmPEG20.000-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
149 A-1K(NεmPEG40.000-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
150 A-1K(NεmdPEG12-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
151 A-1K(NεmdPEG24-プロピオニル)desB30ヒトインスリン;
152 A-1K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)desB30ヒトインスリン;
153 A-1K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
154 A-1K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
155 A-1K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
156 A-1K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
157 A-1K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
158 A-1K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
159 A-1K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
160 A-1K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
161 A-1K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
162 A-3G(NαmPEG750-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
163 A-3G(NαmPEG2.000-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
164 A-3G(NαmPEG5.000-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
165 A-3G(NαmPEG10.000-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
166 A-3G(NαmPEG20.000-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
167 A-3G(NαmPEG40.000-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
168 A-3G(NαmdPEG12-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
169 A-3G(NαmdPEG24-プロピオニル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
170 A-3G(N(mdPEG12)-dPEG-イル)A-2G A-1R desB30ヒトインスリン;
171 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
172 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
173 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
174 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
175 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
176 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
177 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
178 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
179 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B28E B29R desB30ヒトインスリン;
180 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
181 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
182 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
183 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
184 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
185 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
186 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
187 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
188 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B28D B29R desB30ヒトインスリン;
189 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
190 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
191 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
192 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
193 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
194 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
195 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
196 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
197 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)desB27 B28E B29R desB30ヒトインスリン;
198 B28E B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
199 B28E B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
200 B28E B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
201 B28E B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
202 B28E B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
203 B28E B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
204 B28E B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
205 B28E B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
206 B28E B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
207 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
208 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
209 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
210 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
211 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
212 desB27 B28E B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
213 desB27 B28E B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
214 desB27 B28E B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
215 desB27 B28E B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG- イル)ヒトインスリン;
216 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
217 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
218 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
219 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
220 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
221 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
222 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
223 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
224 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B28R desB29 desB30ヒトインスリン;
225 B28R B29P B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
226 B28R B29P B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
227 B28R B29P B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
228 B28R B29P B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
229 B28R B29P B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
230 B28R B29P B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
231 B28R B29P B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
232 B28R B29P B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
233 B28R B29P B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
234 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
235 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
236 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
237 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
238 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
239 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
240 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
241 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
242 A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B3Q B28E B29R desB30ヒトインスリン;
243 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
244 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
245 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
246 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
247 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
248 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
249 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
250 A21G B3Q B28E B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
251 A21G B3Q B28E B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
252 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
253 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
254 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
255 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
256 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
257 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
258 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
259 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
260 A22K(Nε((mdPEG12)-dPEG-イル)B13Q B29R desB30ヒトインスリン;
261 A22K(NεmPEG750-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
262 A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
263 A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
264 A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
265 A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
266 A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
267 A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
268 A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
269 A22K(Nε((mdPEG12)-dPEG-イル)desB1 B29R desB30ヒトインスリン;
270 A14E A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
271 A14E A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
272 A14E A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
273 A14E A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
274 A14E A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
275 A14E A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
276 A14E A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
277 A14E A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
278 A14E A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B25H desB30ヒトインスリン;
279 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG750-プロピオニル)ヒトインスリン;
280 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG2.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
281 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG5.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
282 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG10.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
283 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG20.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
284 A14E B25H B29Q B31K(NεmPEG40.000-プロピオニル)ヒトインスリン;
285 A14E B25H B29Q B31K(NεmdPEG12-プロピオニル)ヒトインスリン;
286 A14E B25H B29Q B31K(NεmdPEG24-プロピオニル)ヒトインスリン;
287 A14E B25H B29Q B31K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)ヒトインスリン;
288 A13E A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
289 A13E A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
290 A13E A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
291 A13E A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
292 A13E A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
293 A13E A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
294 A13E A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
295 A13E A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B25H desB30ヒトインスリン;
296 A13E A22K(Nε(mdPEG12)-dPEG-イル)B25H desB30ヒトインスリン;
297 A21Q A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
298 A21Q A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
299 A21Q A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
300 A21Q A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
301 A21Q A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
302 A21Q A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
303 A21Q A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
304 A21Q A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
305 A21Q A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
306 A21Q A22G A23K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
307 A21Q A22G A23K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
308 A21Q A22G A23K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
309 A21Q A22G A23K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
310 A21Q A22G A23K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
311 A21Q A22G A23K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
312 A21Q A22G A23K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
313 A21Q A22G A23K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
314 A21Q A22G A23K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
315 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
316 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
317 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
318 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
319 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
320 A21Q A22G A23G A24K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
321 A21Q A22G A23G A24K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
322 A21Q A22G A23G A24K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
323 A21Q A22G A23G A24K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
324 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
325 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
326 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
327 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
328 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
329 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
330 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
331 A21Q A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
332 A21Q A22G A23G A24G A25K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
333 A21A A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
334 A21A A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
335 A21A A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
336 A21A A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
337 A21A A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
338 A21A A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
339 A21A A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
340 A21A A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
341 A21A A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
342 A21A A22G A23K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
343 A21A A22G A23K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
344 A21A A22G A23K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
345 A21A A22G A23K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
346 A21A A22G A23K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
347 A21A A22G A23K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
348 A21A A22G A23K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
349 A21A A22G A23K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
350 A21A A22G A23K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
351 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
352 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
353 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
354 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
355 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
356 A21A A22G A23G A24K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
357 A21A A22G A23G A24K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
358 A21A A22G A23G A24K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
359 A21A A22G A23G A24K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
360 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
361 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
362 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
363 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
364 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
365 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
366 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
367 A21A A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
368 A21A A22G A23G A24G A25K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
369 A21G A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
370 A21G A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
371 A21G A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
372 A21G A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
373 A21G A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
374 A21G A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
375 A21G A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
376 A21G A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
377 A21G A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
378 A21G A22G A23K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
379 A21G A22G A23K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
380 A21G A22G A23K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
381 A21G A22G A23K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
382 A21G A22G A23K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
383 A21G A22G A23K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
384 A21G A22G A23K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
385 A21G A22G A23K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
386 A21G A22G A23K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
387 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
388 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
389 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
390 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
391 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
392 A21G A22G A23G A24K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
393 A21G A22G A23G A24K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
394 A21G A22G A23G A24K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
395 A21G A22G A23G A24K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
396 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG750-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
397 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
398 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
399 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
400 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
401 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
402 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG12-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
403 A21G A22G A23G A24G A25K(NεmdPEG24-プロピオニル)B29R desB30ヒトインスリン;
404 A21G A22G A23G A24G A25K((mdPEG12)-dPEG-イル)B29R desB30ヒトインスリン;
405 A21Q A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
406 A21Q A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
407 A21Q A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
408 A21Q A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
409 A21Q A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
410 A21Q A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
411 A21Q A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
412 A21Q A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
413 A21Q A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
414 A21G A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
415 A21G A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
416 A21G A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
417 A21G A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
418 A21G A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
419 A21G A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
420 A21G A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
421 A21G A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
422 A21G A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
423 A21A A22K(NεmPEG750-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
424 A21A A22K(NεmPEG2.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
425 A21A A22K(NεmPEG5.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
426 A21A A22K(NεmPEG10.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
427 A21A A22K(NεmPEG20.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
428 A21A A22K(NεmPEG40.000-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
429 A21A A22K(NεmdPEG12-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
430 A21A A22K(NεmdPEG24-プロピオニル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン;
431 A21A A22K((mdPEG12)-dPEG-イル)B3Q B29R desB30ヒトインスリン
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】図1は、実施例1及び2のインスリンの、ラットの気管内滴下注入である。
【図2】図2は、実施例1及び2のインスリンの、ラットの気管内滴下注入である。
【図3】図3は、実施例6のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図4】図4は、実施例5のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図5】図5は、実施例16のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図6】図6は、実施例18のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図7】図7は、実施例17のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図8】図8は、実施例19のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図9】図9は、実施例22のインスリンのラットの気管内滴下注入である。
【図10】図10は、実施例1及び2のインスリンの噴霧乾燥パウダーをミニブタに肺投与した場合の血中グルコースプロファイルであり、ここでの平均送達量は0.037±0.009mg/kgであった。
【図11】図11は、実施例1及び2のインスリンの噴霧乾燥パウダーをミニブタに肺投与した場合の薬物動態プロファイルであり、ここでの平均送達量は0.037±0.009mg/kgであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトインスリンと比較して、A1、B1、A21及び/又はB30位から伸長した一又は複数のPEG含有伸長部を有するペグ化インスリンアナログであって、該伸長部がアミノ酸残基からなり、PEG部分がリンカーを介して伸長部のアミノ酸残基に結合しており、但し、好ましくは親インスリンアナログがリジン残基を一つだけ含んでいる、ペグ化インスリンアナログ。
【請求項2】
伸長部の一つだけがPEG部分を担持しており、好ましくは伸長部が一つだけ存在する、請求項1に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項3】
PEG部分を担持している伸長部が、A21位のC末端の位置に位置している、請求項1に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項4】
PEG部分を担持している伸長部が、B30位のC末端の位置に位置している、請求項1に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項5】
親インスリンアナログが、A-3位のG、A-2位のG、A-1位のK又はR、A22位のG又はK、A23位のG又はK、A24位のG又はK、A25位のK、B31位のKである伸長部の一又は複数においてヒトインスリンから逸脱していおり、ヒトインスリンと比較して、アミノ酸残基の欠失、置換及び付加の中から、場合によっては、12まで、好ましくは8まで、さらに好ましくは4までの、さらなる変異があり、好ましくは、前記インスリンアナログにさらなる変異がなく、但し好ましくは、親インスリンアナログが唯一のリジン残基を含んでいる、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項6】
伸長部が、次の式:
− x1が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(ここでKはリジンである)AAx1K(C末端伸長部に対して)、
− x2が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(ここでKはリジンである)K-AAx2-(N末端伸長部に対して)、
− x3が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(ここでCはシステインである)AAx3C(C末端伸長部に対して)、
− x4が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である(ここでCはシステインである)C-AAx4-(N末端伸長部に対して)、
− x5が、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、yが0又は1である(ここでRはアルギニンである)AAx5-R-(N末端伸長部に対して)
[ここで、AAは、各アミノ酸残基が同一又は異なっており、それぞれがLys及びCysを除く任意のコード可能アミノ酸であるペプチド鎖の残基である]
の一又は複数からなり、PEG部分が、存在する場合はリジン又はシステイン残基の側鎖に又はN末端アミノ基(又はその双方)に結合している、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項7】
AAが、グリシン、アラニン又はグルタミンのアミノ酸残基からなるペプチド残基である、先の請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項8】
AAがグリシン残基である、先の請求項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項9】
AAがアラニン残基である、先の請求項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項10】
AAがグルタミン残基である、先の請求項の一に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項11】
親インスリンが、場合によっては変異:A14E/D、A18Q、A21G/A/Q、desB1、B1G/Q、B3Q/S/T、B13Q、desB25、B25H、desB27、B28D/E/R、desB29、B29P/Q/R又はdesB30の一又は複数を含む、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリン。
【請求項12】
親インスリンアナログが、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がない、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項13】
親インスリンアナログが、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がない、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項14】
nが、2から約1000、好ましくは2から約500、好ましくは2から約250、好ましくは2から約125、好ましくは2から約50、及び好ましくは2から約25の範囲の整数である、部分-(OCHCH)-を含有する、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。
【請求項15】
次のペグ化インスリンアナログ:a)親インスリンアナログが、A22G、A23G、A24K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、b)親インスリンアナログが、A22G、A23G、A24G、A25K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、c)親インスリンアナログが、A21Q、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、d)親インスリンアナログが、A21Q、A22G、A23K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、e)親インスリンアナログが、A21A、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、f)親インスリンアナログが、A21G、A22K、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログ、g)一般式-Q-(OCHCH)-Rの基を有し、Qが、伸長部のアミノ酸のα-又はγ-NH-基に、好ましくはアミド又はカルバメート結合を介して、ポリエチレングリコール部分を連結するリンカーであり、nは2から約1000の範囲の整数であり、Rはアルコキシ又はヒドロキシル、好ましくはメトキシであるペグ化インスリンアナログ、h)親インスリンアナログが、A14E、A22K、B25H、B29R及びdesB30を有することでヒトインスリンから逸脱しており、好ましくは該インスリンアナログにさらなる変異がないペグ化インスリンアナログの一つである、先の可能な請求項のいずれか一項に記載のペグ化インスリンアナログ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−545550(P2009−545550A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522205(P2009−522205)
【出願日】平成19年7月16日(2007.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057321
【国際公開番号】WO2008/015099
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】