説明

ペットフード製品およびその製造方法

マリネーテッドまたはグリルド外観を付与された本物の肉の外観を模倣している着色した外面を有するペットフード製品が製造される。製品はベジタリアン(肉無し)処方物または肉をドライタンパク性材料と合わせた処方物を使用して製造されてもよい。成分を加工してエマルジョン様混合物を生成し、それを閉じ込められたゾーンの中で迅速に加熱してタンパク質を凝固させる。そのゾーンにはインジェクター/シュレッダー・アセンブリが配置されていて、凝固した製品素材を破壊してそして細断し、かつ着色剤を注入する。着色剤は最終製品の外面の一部に付着して模造のグリルド外観またはローステッド外観を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肉様のそして限定されるものではないがローステッド(roasted)またはマリネーテッド(marinated)外観およびテクスチャーを有する表面にランダムな着色をもつペットフード製品の製造に関する。フード製品の外観を向上させるために本発明の製品の個々のピースの外面には着色剤が添加されている。
【背景技術】
【0002】
模造肉製品はペットフード産業においては周知である。ペット用模造天然肉チャンクを提供することに関する試みは米国特許第4,781,939号明細書の中に記載されている。この‘939号特許明細書では、肉エマルジョンはポンプ機能によってエマルジョンミルを通って送られ、そこでそれは剪断を受けてエマルジョンの細かさを増進させ且つ殆ど同時にエマルジョンは約104℃〜118℃に加熱される。この熱い肉エマルジョンは次いで遠心力によってポンプ機能で、当業者によって時には「ホールドチューブ(hold tube)」とも称されている閉じ込められた加工ゾーン(confined processing zone)の中に送られる。この細長ホールドチューブの中を通過する間に、エマルジョンのタンパク質凝固が急速な速度で進行する。流量をコントロールするためにホールドチューブの中には一つまたはそれ以上のピンチバルブ(pinch valves)を配置することができる。凝固した生成物を所期の大きさ、たとえば約1.2〜5cmまたはそれ以上、のピースに切断するために、細長ホールドチューブの排出端に切断手段が搭載される。‘939号特許明細書は、最終製品はテクスチャーと外観において天然肉片を模倣している明確な層状構造を有するばらばらのピースまたはチャンクの状態に形成されると記載している。
【0003】
国際公開WO01/35766号公報は肉様外観をもつ肉エマルジョン製品を製造するための別の試みを示している。この国際公開公報の図2はこの先行技術の開示物の教示に従って製造された肉エマルジョン製品の写真である。その写真でわかるように、その製品は一般に束状に直線配列されている繊維状の複数の長いストランドを有している。ある程度、その最終製品はむしった豚肉に似ている。その公報自体は、その外観を、骨から手でむしりとられそれ自身の肉汁の中に包まれた柔らかいゆっくり調理した鶏肉または七面鳥肉として記述している。この先行技術の開示物の中の製品は閉じ込められた加工ゾーンを規定するホールドチューブの中で製造される。ホールドチューブに入る前に、エマルジョンはポンプ機能によってエマルジョンミルを通って送られ、そこでエマルジョンは剪断を受けてエマルジョンの細かさを増進させ且つ殆ど同時にエマルジョンは約120℃〜約163℃に加熱される。
【0004】
その他の試みは特にペットトリート類(pet treats)およびペットフード類の分野におけるエマルジョン製品の外観を改善するためになされた。たとえば、アルポ(Alpo)(登録商標)プライムトリーツ(Prime Treats)は、戸外バーベキュー用グリルの熱い格子もしくは熱い横桟またはその他のいずれかのタイプのグリルの鉄架から与えられたもののようなグリルマークの外観を与える一連の平行な黒っぽいマークをトリートの上面にもつ小さいTボーンステーキ様に造形された軟質トリートである。この外観はトリートの表面に実際に複数の平行な黒っぽいマークを焼印する熱素子によってペットトリートに付与されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの及びその他の試みにもかかわらず、依然として、改善された外観をもつペットフード製品が要求されている。ペットフード製品に模造のグリルド(grilled)外観またはマリネーテッド外観を付与するためのより容易なそしてより経済的なやり方が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
固体の肉様チャンクの形態を有するペットフード製品が本発明の製造方法を使用して製造される。本発明の製品は下地の色(base colour)と、消費者が望むローステッドまたはグリルド外観を模造した一部外面のランダム着色とを有している。このローステッドまたはグリルド外観は、製品への加熱素子の直接適用によらないで、製造過程中に製品の一部外面に着色剤を現場で添加することによって達成される。
【0007】
従って、本発明の第一の局面によれば、ペットフード製品は、下地の色と、供与に先立って不規則な形をした個々のピースに切り刻まれた、天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色とを有している、フード製品素材(food product mass)の個々のピースを含む。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、前記ピースは肉源、ドライタンパク性源(dry proteinaceous source)およびベジタリアン食源(vegetarian food source)の少なくとも一つを含む固化エマルジョンからなる。
【0009】
本発明の更に好ましい態様においては、外側の色は水溶性着色剤および油溶性着色剤からなる群から選ばれた着色剤を含む。着色剤は好ましくは、結合剤の存在なしでエマルジョンに付着する。
【0010】
本発明の更に好ましい態様においては、着色剤は前記製品素材ピースに関して負に帯電されて前記ピースへの前記着色剤の付着を促進する。
【0011】
好ましくは、ピースは15重量%未満の脂肪を含む。
【0012】
好ましくは、ピースは約50重量%〜約65重量%の含水率を有する。
【0013】
本発明の第二の局面によれば、
タンパク源を混合してエマルジョンを生成し;
前記エマルジョンを水の沸点より上に加熱し;
前記エマルジョンを閉じ込められた加圧ゾーンの中で加圧し;
前記エマルジョンを前記閉じ込められた加圧ゾーンの中で着色し;そして
前記エマルジョンをペットフードのばらばらのピースまたはチャンクの状態で排出する
ことを含むペットフード製造方法が提供される。
【0014】
タンパク源は植物源、肉源、および肉副産物源の少なくとも一つを含んでもよい。
【0015】
植物源は豆源、トウモロコシ源、コメ源、ピーナッツ源、ヒマワリ源、アマニ源、ナタネ源およびコムギ源の少なくとも一つを含んでもよい。
【0016】
肉源は牛肉源、鶏肉源、魚肉源および豚肉源の少なくとも一つを含んでもよい。一態様においては、肉源は約15重量%〜約25重量%の脂肪を含有する。別の態様においては、肉源は15重量%未満の脂肪を含有する。
【0017】
一態様においては、この方法は不規則なチャンク状に切り刻まれた、マリネーテッドまたはグリルド牛肉の模造品を生じさせる。外面の一部は製品の基礎をなす下地の色よりも黒っぽく、模造したグリルドまたはマリネーテッド外観を与える。
【0018】
一態様においては、外側の着色は製造過程中に固体の形成時にインジェクター/シュレッダー・アッセンブリの手段によって加えられる。本発明はグリルド魚肉または鶏肉を模している一部外面の着色をもつ製品の製造にも使用できる。さらに、本発明は植物性タンパク源をもって多様な着色肉製品を模造するのに使用することができる。
【0019】
本発明によって製造された製品の一回分(serving)は、供与に先立って調理され切り刻まれた天然肉を厳密に模倣している様々な形状および大きさをもつ多数の個々のピースを有する。個々のチャンクの大きさの範囲は変動可能であるが、それらは代表的には、各1回分には、小、中および大のチャンクが含まれており、個々のピースのいくつかはこれら3つの一般的クラスの中間にある。
【0020】
さらには、個々のピースの大多数はチャンクの少なくとも一部分が不規則な表面輪郭(contour、外観)を有する傾向がある。個々のピースのいくつかは、平坦な切断面を生じさせる切断装置によって定寸化し直されることで、一つまたはそれ以上の平坦な表面輪郭を有するかも知れない。本発明によって製造された最終製品の全体の外観は互いに異なる形状の多様な個々のピースであり、そして個々のピースの大多数は不規則な外面輪郭も有していて供与に先立って切り刻まれグリルで焼かれたり又は油で揚げられたりした天然肉製品を厳密に模倣している。着色剤は個々のピースの多くをして外面の一部をあたかも、たとえば、戸外バーベキュー用グリルまたは表面を焼くことによってピースにスミア(smear)マークまたはダーク(dark)マークを付与する熱い鉄架をもついずれかのグリルの上で焦がしたかのように黒っぽくさせる。それにもかかわらず、この着色はグリルド外観を与えることに限定されず、代表的にはマリネード(marinade)によって与えられるような明確に異なる着色層をフード製品の表面に付加するために使用されてもよい。
【0021】
従って、本発明の第三の局面によれば、製品全体の基礎をなす下地の色と、供与に先立ってチャンク状の不規則な形をした、個々のピースに切り刻まれた天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色とを有しているペットフード製品であって、
(1)外面が単一の下地の色を有している第一の個々のピースと
(2)外面の一部が対比的な色を帯びている第二の個々のピースであって、その少数は実質的にその外面全体が対比的な色を有している、前記第二の個々のピースと
の混合物を含む、前記ペットフード製品が提供される。
【0022】
一態様においては、本発明は、大きさが多様でありそして不規則な外面輪郭を有する、外観、テクスチャーおよびコンシステンシーが天然肉片によく似ている個々のピースの形態のエマルジョン製品を提供する。生成後、エマルジョン素材は閉じ込められた加工ゾーンの中で断片化されそして同時になおも現場で注文どおり着色される。このことは、大きさが多様であって不規則な外面の輪郭と着色を有する個々のピースの形成に寄与する。閉じ込められた加工ゾーンの中でのエマルジョン素材の破壊(disruption)はスチーム注入によっておよび/または機械的手段によって達成される。閉じ込められた加工ゾーンの中には、たとえば、組合せインジェクター/シュレッダー・アッセンブリが、エマルジョン素材を破壊させるために及び製品の外面の一部に接着する色素を注入するために、配置されてもよい。
【0023】
代わりの態様においては、外面着色用に別個のインジェクター・アッセンブリを、別個のフラグメンター装置(fragmenter device)またはシュレッダー・アッセンブリの上流または下流に配置することができる。シュレッダー・アッセンブリはエマルジョンが凝固したときのその構造の連続性を破壊するための手段を含む。一態様においては、シュレッダー・アッセンブリはホールディングチューブの中に一連のバッフルを含む。代替の態様においては、シュレッダー・アッセンブリは閉じ込められた加工ゾーン内の流動方向に対して一般に垂直に配向されたグリッド素子を含む。フラグメンター装置またはシュレッダー・アッセンブリは従って、このアッセンブリの中を又はまわりを通過する間に製品素材を断片化し、破壊させ、そして/または細断するための簡単な配列のブレード、ブレードワイヤおよび/またはバーであってもよい。インジェクター・アッセンブリは着色剤を注入するためのホールまたはノズルをもつ簡単なパイプであることができる。
【0024】
本発明の肉エマルジョンチャンクは動物用フードにおける高価な天然肉チャンクの部分的なまたは完全な代用物として使用するのに適しており、それらは高水分の缶詰食品の製造に必要とされるような工業的な缶詰・殺菌の手順を受けたときにそれらの保全性(integrity)および形状を維持する。本発明のエマルジョン製品はまた、いずれかの滅菌可能な包装または容器の中に入れてもよい。
【0025】
本発明のペットフード製品の外観は閉じ込められた加工ゾーンの中を製品が通過する間に製品に着色剤を添加することによって改善されている。この着色は、代表的には、個々のピースの外面全体にではなく、不規則な外面の一部に、マリネードの適用または戸外バーベキュー用グリルもしくは食物に黒っぽいスミアマークを付与する熱い鉄架をもついずれかのグリルの上での製品の焼き上げを模倣する黒ずんだ外観を与える。たとえば、本物の鶏胸肉片がグリルで調理されたとすると、外側の一部は内側よりも黒いであろう。調理後、プレート上で小さなピースにカットすると、この本物のチキンのカットピースのいくつかは多分、比較的黒っぽい一部外面を有しているであろう、そして他の内面は比較的明るいであろう。この本物のグリルド・チキンの別のカットピースはどの表面も黒くなっていないかもしれない。この、個ピースの典型的に表面全体ではなく一部分の不規則着色は先行技術よりもより厳密にグリルド天然肉製品を模倣している。本発明においては、エマルジョン製品の個々のピースのいくつかは全く外面が着色されていなくてもよく、他のピースは外面全体ではなく一部分が着色されていてもよく、そして少数のピースは実質的に外面全体が着色されていてもよい。完成製品の一部外面を黒くするこのランダムな色彩スキームは、外側の一部が焼かれ、汚され又はそうでなくても黒くされそして供与前に切り刻まれた天然肉片を厳密に模倣している。
【0026】
肉およびドライタンパク性材料を使用して本発明に従って製造されるペットフードは代表的にはエマルジョン製品を形成する。本発明に従って製造されるベジタリアン(肉無し)製品は製品の中の脂質の量に依存してエマルジョンを形成するかもしれないし又はしないかもしれない。従って、以後、エマルジョン製品と称するものは上記の状況のいずれをも指していると理解すべきである。本発明のペットフードは、肉材料のミックス、たとえば、肉(魚肉および家禽肉を含めて)および/または肉副産物、および/または植物性タンパク質を、エマルジョンまたは低脂肪植物性タンパク質ブレンドを生成する条件下で、微細化することを含む方法によって製造される。タンパク質含有率を増大させるためには、望むならば、特に、肉ミックスが低結束性のまたは詰物の肉を比較的大きな割合で含有する場合には、一つまたはそれ以上のドライタンパク性材料がエマルジョン/ブレンドの中に含有されてもよい。エマルジョンは、エマルジョンの細かさを増進させ同時にエマルジョンを水の沸点より上の温度にそして好ましくは約104℃〜約118℃の間の温度に急速に加熱する条件下で、微細化され、その温度ではエマルジョンの中のタンパク質の凝固および変性が非常に速い速度で進行する。このホットエマルジョンは直ちに微細化装置から遠心分離力によってポンプ機能で直接に細長ホールドチューブのような閉じ込められた加工ゾーンの中に送られ、この間、このエマルジョンミックスをミックスの蒸気圧より上の圧力に維持する。閉じ込められた加工ゾーン(「CPZ」)の中で、エマルジョンはかかる圧力下に、タンパク質が凝固してエマルジョンを固化させてファームエマルジョン(firm emulsion)製品にする程度にまでタンパク質が凝固するまで、すなわち、5分以内、そして一般的には数秒〜約3分の間の時間、保持される。このゾーンの中でシュレッダー・アッセンブリはエマルジョン製品を破壊させる。着色剤を含む液体はこのシュレッダー・アッセンブリのすぐ近くに注入される。
【0027】
閉じ込められた加工ゾーンの下流終端における圧力はエマルジョンの蒸気圧より低い圧力にまで低減され、それによってエマルジョンの中に現場で水蒸気を発生させる。水の蒸発によってこの閉じ込められたエマルジョン素材の中に発生した水蒸気の存在はエマルジョン素材を、チューブ状の加工ゾーンから排出される不規則な個々のチャンクまたはピースの状態にまで破壊させるのに役立つ。製品の意図される用途に依存して、ホールドチューブの下流で、選択された個々のピースに対して更なる定寸化およびチョッピングを行ってもよい。
【0028】
本発明のペットフードは天然のグリルドまたはローステッド肉チャンクを厳密に模倣している外観、テクスチャーおよび構造を有する。本方法によって製造されたフード製品は様々な動物用フードの中の天然肉チャンクの部分的なまたは完全な代用物として使用されてもよい。これら動物用フード製品を缶詰しレトルト殺菌する作業によって製造してもよいし、そして/またはそれらをいずれの滅菌可能な包装または容器の中に入れてもよい。
【0029】
図1は本発明によるフード製造プロセスの概略図である。
【0030】
図2は従来のペットフードの拡大写真である。図2のペットフードは‘939号特許明細書の教示のいくつかを使用して製造されており、そしてMO州セントルイスのネスレ・プリナ・ペットケア社(Nestle Purina PetCare Company)によってマイティ・ドッグ(Mighty Dog)(登録商標)ペットフードの銘柄で販売されている。
【0031】
図3は従来のペットフードの拡大写真である。図3のペットフードは‘939号特許明細書の教示のいくつかを使用して製造されており、そしてMO州セントルイスのネスレ・プリナ・ペットケア社によってフリスキーズ(Friskies)(登録商標)ペットフードの銘柄で販売されている。
【0032】
図4は本発明の実施例1のペットフードの拡大写真である。この製品はグリルで焼いてから切り刻んだ肉片を模倣することを意図している。すなわち、この製品はいくつかのチャンクの外面に黒っぽい表面である模造グリルマークを有している。
【0033】
図5は本発明の実施例2のペットフードの拡大写真である。この製品はグリルで焼いてから切り刻んだ天然魚肉片を模倣することを意図している。すなわち、この製品はいくつかのチャンクの外面に黒っぽい表面である模造グリルマークを有している。
【0034】
図6は従来のペットフードの拡大写真である。図6のペットフードはカリフォルニア州バーノン(Vernon)のカルカンフーズ社(Kal Kan Foods, Inc.)によってペディグリー(Pedigree)(登録商標)リトルチャンピオンズ(Little Champions)(登録商標)グリルド・カット・イン・ソース(商標)・ウィズ・チキン(Grilled Cuts in Sauce(商標) with chicken)の銘柄で販売されている。この製品の外面の一部には本物のグリルマークがなすりつけられていた。
【0035】
(詳細)
更に詳細に図面に言及すると、図1には、本発明の好ましい態様に従って構成された、インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20を含むフード製造プロセスおよび装置18が図解されている。このフード製造装置18はペット用のフード製品を製造するように稼動可能である。インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20はフード製造装置18のホールドチューブ26の中に配置されており、そして改良フード製品を得るためにホールドチューブ26の内部でフード製品を破壊させ且つ液状着色剤を注入するように操作可能である。フード製造プロセスは肉および/または植物性タンパク源をもって開始できる。プロセスはまず肉を使用して説明されるであろう。
【0036】
本発明の方法によるペットフードチャンク製造においては、要求された品質と成分コストとおいしさを有する、植物性タンパク源および/または天然肉材料(哺乳類、魚または家禽からの肉および/または肉副産物の両方を含めて)の混合物が処方され、粉砕され、そして、脂肪を含有する肉タンパク質によるような十分な脂肪が存在する場合には乳化される。使用される植物性タンパク源および/または肉および/または肉副産物は、意図される製品用途、要望される製品のフレーバー、おいしさ、コスト、成分の入手容易性などのような多数の考慮すべき事柄に依存して処方物の中に使用された肉材料のタイプおよび量をもって、広範囲の構成要素から選択されてもよい。植物性タンパク源は大豆、トウモロコシ、コメ、脂肪種子ミール類(oil seed meals)(たとえば、ピーナッツ、ヒマワリ、アマニまたはナタネ)、およびコムギからであることができるが、それらに限定されるものではない。様々な哺乳動物、家禽および魚からの肉(すなわち、骨格組織と非骨格筋)および/または肉副産物(すなわち、屠殺された哺乳動物、家禽または魚に由来する非融出クリーン部分、肉以外のもの)の両方が肉材料として使用されてもよい。従って、ここで使用されるとき用語肉材料は冷凍物も含めて、脱水されたおよび脱水されてない肉および/または肉副産物を称すると理解されるべきである。肉ミックスは、全カーカスミート(whole carcass meat)、枝肉の一部分、または動物用飼料への使用を承認された肉副産物、たとえば、機械的に骨を除いた牛肉、鶏肉または魚肉、牛または豚の肝臓、肺臓、腎臓など、を含有してもよい。代表的には、肉材料は脂肪を最大で約25重量%、好ましくは約15重量%未満、含有するように処方される。
【0037】
通常の肉エマルジョン製品に添加される添加物が肉材料と混合されてもよく、そして基本肉エマルジョンの製造において、たとえば、塩、スパイス、シーズニング、砂糖などが、所望の味の特徴をもつ製品を提供するのに十分な量で、含有されてもよい。加えて、たとえば、ビタミン、ミネラル、フレーバーなどのような少量のその他のドライ成分が肉エマルジョンに添加されてもよい。エマルジョンの安定性および結合性を改良し、フレーバーを付与し、そして処方物コストを低減するために、基本肉エマルジョンに、たとえば、小麦グルテン、大豆粉、大豆タンパク濃縮物、大豆タンパク単離体、卵アルブミンおよび無脂ドライミルクのような一つまたはそれ以上のドライタンパク性材料も含有されてもよい。エマルジョンの中へのドライタンパク性材料の含有はペットフードとして使用することを意図した製品の製造には特に有益である、というのは、それはプロセッサーをして、そうでなければタンパク質対脂肪比率およびミオシン対全タンパク質比率が肉エマルジョン製品の製造に使用するには許容限界のものであろう肉材料を使用することを可能にするからである。ドライタンパク性材料が含有される場合には、肉成分は約60重量%〜約95重量%の範囲にあってもよく、そしてドライタンパク性成分の全体はエマルジョン全体の約40重量%〜約5重量%の範囲にあってもよい。一般に、使用される肉材料の脂肪含有率および含水率が増すと、エマルジョンの中のドライタンパク性材料のレベルはそれに応じて増やされる。エマルジョンには、酸化鉄のような適切な信頼性のある下地着色剤材料の含有によって所期の下地の色−赤色または黄色−を与えられてもよい。
【0038】
エマルジョンの処方は広く変動可能であるが、ドライタンパク性材料も含めてエマルジョンはエマルジョンの不安定性の徴候なしにタンパク質凝固でファーム(firm)エマルジョン製品を形成するのに十分なタンパク質対脂肪比率を有すべきであり、そしてエマルジョンのタンパク質含有率は、水の沸点より上の温度に加熱されると短時間で、すなわち、かかる温度に加熱された後に約5分以内に、好ましくは3分以内に、エマルジョンを凝固させてファームエマルジョン製品を形成することを可能にするようのものでなければならない。従って、ドライタンパク性材料(使用される場合には)も含めて、肉材料と添加物は肉材料が肉エマルジョンの約55重量%〜95重量%、好ましくは約65重量%〜85重量%の量で存在するような割合で互いに混合されるが、肉エマルジョンは少なくとも1.5:1のタンパク質対脂肪比率を有し、約2:1から約7:1までのタンパク質対脂肪比率が好ましい。脂肪に対するタンパク質の比率がもっと高いものも肉エマルジョンに使用してもよいが、それは一般に好ましくない、何故ならば、それは何ら有意な利益を与えることなく成分コストを増大させるからである。肉エマルジョンの中に肉材料として肉と肉副産物のブレンドを使用することが一般に好ましい。しかしながら、肉エマルジョンは、得られる肉エマルジョンがドライタンパク性材料(使用されるならば)を含めて少なくとも1.5:1のタンパク質対脂肪比率を有することを条件に、肉副産物だけを肉材料として使用して処方されてもよい。
【0039】
加えて、肉エマルジョンは約45重量%〜約80重量%の水分を有するように処方されるべきであり、好ましくは、含水率は肉エマルジョンすなわち肉材料と添加物の約50重量%〜75重量%にコントロールされる。勿論、エマルジョンの中の水の正確な濃度はエマルジョンの中のタンパク質と脂肪の量に依存するであろう。
【0040】
使用するために選択された肉ミックスは肉材料を実質的に均一な大きさのピースにするためにグラインダーに通される。一般に、1cm以下のグラインディング・プレート(grinding plate)を装着したグラインダーに肉を通すことが好ましい。満足な結果は肉を1cmより大きい粒径に挽くことによっても得られるかも知れないが、かかる大きな肉粒子の使用は一般的には好ましくない。使用されるべき肉材料が冷凍状態にある場合には、それらはグラインダーの中に入っていくピースの大きさを減じるためにはまず予め破壊するか又は切断してピース状にされなければならない。ピースの大きさはグラインダーの取入れ口の大きさに依存するであろうが、通常、冷凍肉材料は約10cm角のピースに切断される。
【0041】
挽いた後、肉粒子のミックスはホールディングタンクへ搬送され、そこで、肉ミックスは好ましくは、肉ミックスのポンプ輸送を容易にするために、たとえば熱水ジャケット、スチーム注入などによって、約−1℃〜7℃の温度に加熱される。
【0042】
次いで、挽肉粒子のミックスは、肉材料を乳化させそして肉混合物の中のタンパク質と水が脂肪小滴をカプセル化するマトリックスを形成している基本肉エマルジョンにする条件下で、微細化される。肉材料は肉乳化に通常使用されているいずれかの従来の手順および装置によって、たとえば、ミキサー、ブレンダー、グラインダー、サイレントカッターチョッパー、エマルジョンミル、および、同様の、破砕して脂肪を小滴としてタンパク質スラリの中に分散させてエマルジョンを形成することができるもの、を使用することによって、乳化されてもよい。一般に、肉エマルジョンの温度は乳化過程中に上昇させられる。肉エマルジョンのこの加熱は、プロセスのこの段階においてタンパク質の変性が望まない速度で起こり始める温度にまで温度が上昇しない限りは、好ましくないというわけでなない。乳化中の肉混合物の温度はプロセスのこの段階でのタンパク質の変性を最小にするためには約49℃未満に維持されるべきである。本発明の好ましい態様によれば、肉材料は、エマルジョンが約10℃〜49℃の、好ましくは約35℃〜46℃の温度に加熱されることを伴って肉材料を乳化するように、エマルジョンミルの中を通過させられる。
【0043】
肉エマルジョンの中に組み込まれるべき添加物は、ドライタンパク性材料(使用される場合には)を含めて、乳化に先立って肉ミックスに添加されてもよい。代わりに、肉の乳化後に肉ミックスの中に添加物、特に、ドライタンパク性材料を組み込むことはしばしば好ましい。ドライタンパク性材料の添加はエマルジョンの粘度を増加させるので、粘稠な肉エマルジョンの形成を生じさせるドライタンパク性材料を添加する前に肉ミックスが乳化されるときに、より良好な乳化が得られる。
【0044】
エマルジョンの中にドライタンパク性材料を包含させることによって得られた粘稠な肉エマルジョンは好ましくは次いで、生成物マトリックスを破壊させその結合能力を低下させることのある占拠空気を除去するために、いずれか通常の手法によって、たとえば、それをバキューム・スタッファー(vacuum stuffer)の中に通すことによって、脱気される。
【0045】
肉エマルジョンはエマルジョンの細かさを増進させるために再び微細化され、そして水の沸点より上の温度に急速加熱され、その温度では、エマルジョンの中のタンパク質の凝固が急速に進行するので非常に短時間でエマルジョンが固化されファームエマルジョン製品が形成される。粘稠な肉エマルジョンを水の沸点より上の一般に104℃〜118℃の間の温度に急速加熱することはエマルジョンの中のタンパク質の凝固を生じさせてエマルジョンを加熱後約5分以内に代表的には数秒〜約3分以内に固化させファームエマルジョン製品を形成させるであろうということが判明した。加えて、約45重量%〜80重量%の含水率を有する肉エマルジョンをかかる温度に加熱することは、それが大気圧またはその近くになったときには、結果としてエマルジョンの水の蒸発を生じさせてエマルジョン素材の本体の中に水蒸気を生成する。好ましくは、エマルジョンは、エマルジョンが微細化されている間にそれがたとえば機械的加熱によってかかる高温に加熱されるような装置の中で、加工される。好ましい態様によれば、約30℃〜40℃の温度にある粘稠な肉エマルジョンがエマルジョンミルを通ってポンプ輸送され、そこで肉エマルジョンは剪断を受けてエマルジョンの細かさを増進させ且つ殆ど同時に急速な機械的加熱を介してエマルジョンを約104℃〜約118℃に加熱する。こうして、好ましくは、エマルジョンはかかる温度に約60秒未満の時間加熱される。
【0046】
エマルジョン温度を所期範囲内にコントロールすることは、エマルジョンミルの中への供給量、エマルジョンミルの回転速度、などのような因子を調節して行うことができ、そして当業者には容易に決定することができる。
【0047】
水の沸点より上の好ましくは約104℃〜118℃の範囲内の温度にあるホット肉エマルジョンはそれが微細化され且つ加熱されたところの装置から正圧下でポンプ機能によって、閉じ込められた加工ゾーン(それは好ましくは細長チューブの形態である)の中へ送られ、そしてこの閉じ込められた加工ゾーンの中には、凝固によってファーム製品が形成されるまで、エマルジョンの蒸気圧より上の圧力で保持される。不規則な外面の輪郭をもつ個々のピースの形成を得るために、このホールドチューブの中にインジェクター/シュレッダー・アッセンブリが配置されてエマルジョンの破壊と切断を促進する。代替の配置においては、シュレッダー・アッセンブリがインジェクター・アッセンブリから離されていてもよい。シュレッダー・アッセンブリは凝固エマルジョンの構造の連続性を破壊させるための破壊手段を含む。ホールドチューブの排出端へ向う移動を連続させるためには、破壊手段は、流動性の流れの中に置かれてその周りでエマルジョンが強制的に分割されるところの対象物を含んでいてもよい。従って、それはホールドチューブの中での材料の流れの方向に対して一般に横断して配置されたカッティング素子のグリッドであってもよい。代わりに、または加えて、それは一連のバッフルを含んでいてもよい。別の代替態様においては、破壊はホールドチューブの中へのスチームの注入をもって遂行されてもよい。
【0048】
インジェクター/シュレッダー・アッセンブリによって、閉じ込められた加工ゾーンの中で製品が破壊させられて不規則な外面輪郭をもつ個々のピースの形成を向上させ、かつ色が付加される。チューブの中の高温において、タンパク質凝固は非常に急速な速度で進行し、その間に、製品の一部外面に所期の色が付与される。ホットエマルジョンがファーム製品になるように十分に固化するのに必要な時間は多数の因子、たとえば、エマルジョンが加熱される温度、およびエマルジョンの中のタンパク質の量およびタイプ、に依存するであろう。細長チューブ(elongated tube)の中での数秒〜約3分の間の、通常約1〜1.5分の間の、滞留時間は一般にタンパク質が十分に凝固するのに十分である。細長チューブの中での滞留時間は細長チューブへのエマルジョンの流量を調節することによって及び/又は細長チューブの長さを調節することによって制御できる。ホールディングチューブ(holding tube)の寸法は臨界的でないが、エマルジョンが固化するのに十分な滞留時間をチューブの中のエマルジョンに与えるのに十分でなければならない。実際には、約3m〜約25mの間の長さおよび約4cm〜約60cmの間の内径を有するチューブはエマルジョン製品を形成するのに十分な滞留時間を与える。円形、正方形、八角形などのような、様々な断面形状のチューブが使用されてもよい。
【0049】
インジェクター/シュレッダー・アッセンブリは、ホールドチューブの中にある間のエマルジョンに着色剤(単数または複数)を含有する液体を注入するように配置される。着色剤は食品に色を天然に付与する成分である。本発明で有効な着色剤はカラメル色素を包含するがそれに限定されるものではない。黒色にまで及ぶその他の褐色の色彩が使用されてもよい。水溶性または油溶性の着色剤は本発明に使用するのに適するであろう。着色剤は食品との接触に先立って水溶液の中に混入される。水溶液は約30重量%〜約60重量%の着色剤と約70重量%〜約40重量%の水である。この水溶液にはその他のフレーバーおよび/または栄養成分も添加されてもよい。細長ホールドチューブを通過する食品に着色剤を固着させるためには、着色剤水溶液は食品とは反対の電荷を有すべきである。肉含有製品は自然に起こる正電荷を有するので、負電荷をもつ着色剤を使用することが有効であるが、電荷が反対であることで十分である。負に帯電した製品素材と正に帯電した着色剤を有することは本発明の範囲に入る。
【0050】
カラメル色素の場合には、これは製法に依存して4つの一般クラスに分類される。カラメル色素クラス1は僅かに負であり、クラス3のカラメル色素は正に帯電し、クラス2と4は負に帯電する。食品が全体に正電荷を有する場合には、クラス2および4のカラメル色素が、そしてより低い度合でクラス1のカラメル色素が適するが、食品が全体に負電荷を有する場合には、正帯電カラメル色素が有効であろう。
【0051】
カラメル色素BC145(IL州シカゴのセツネス・プロダクツ社(Sethness Products Co.)から商業的に入手可能である)は負に帯電するクラス4色素であり、本発明に使用するのに適する。カラメル色素111(KY州ルイビル(Louisville)のDDウィリアムソン(Williamson)から商業的に入手可能である)も、負に帯電するクラス4カラメル色素であり、本発明に使用するのに適する。その他の多数の帯電カラメル色素が商業的に入手可能であり、そして本発明に使用するのに適するであろう。本発明者らは、反対の電荷を使用することで結合剤の存在なしで食品に色素を固着させることは知られていなかったと信じている。対照的に、食品工業においては、着色したバッター(batter)のようなタンパク源を縁取りに使用して着色剤を製品に付与することが普通である。本発明に使用される着色剤は製品の個々のピースがホールドチューブから出た後でそれらピースに適用されるべきではない。
【0052】
ホットエマルジョンを遠心力によってチューブ状加工ゾーンの中へポンプ機能で送り込み、この閉じ込められたホットエマルジョンを、タンパク質が急速な速度で凝固しつつある間にインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20によって破壊させ、そして色素を注入することが、閉じ込められたゾーンを通ってエマルジョンをポンプ輸送することによってエマルジョンに加えられる圧力と、閉じ込められたホットエマルジョンの中での水蒸気の内部発生と一緒になって、組み合わされてもたらす効果は、肉エマルジョン素材を破壊して不規則な表面輪郭をもつ個々のピースの形成を促進するのに役立ち、それらピースは水蒸気圧の力によってチューブ状加工ゾーンから、既に着色された状態で、迅速に大気条件の中へ排出される。
【0053】
閉じ込められた加工ゾーンから排出された固化ピースは約98℃〜100℃の温度と約50%〜65%の含水率を有するばらばらのピースまたはチャンクの形態にあり、ピースは大きさ、形状および着色が多様である。加工ゾーンから排出されると、ピースは蒸発的冷却によって83℃〜93℃の範囲の温度に急速に冷却される。望むならば、チャンクを所期の大きさたとえば約0.2cm〜5cmまたはそれ以上のピースに切断するために、ロータリーカットオフナイフ、ウォータージェットナイフ、ナイフグリッドなどのような適切なカッティング手段が細長チューブの排出端に搭載されてもよい。こうして形成された肉エマルジョンチャンクは優れた保全性および強度を有しており、そして高い含水率を有する缶詰フーズの製造に要求されるもののような工業的な缶詰およびレトルト殺菌の手順を受けるときにその形状を維持するであろう。
【0054】
閉じ込められた加工ゾーンから排出された肉エマルジョンピースはそこから水分の大部分を除去するために乾燥機へ搬送されてもよく、そして乾燥された製品は収集されそして保存される。代わりに、肉エマルジョンピースは細長チューブから直接に缶詰作業へと搬送されてもよく、そこで、層状チャンクが他の成分たとえばソース、グレービーなどと一緒に缶または袋の中に充填され、そして缶はレトルト殺菌される。たとえば、缶詰ペットフード製品の製造においては、適するグレービーは水とデンプン(またはガム)と香辛料の混合物を加熱することによって調製されてもよい。肉エマルジョンチャンクとグレービーは所望の割合で滅菌可能な包装または容器の中に充填され、包装または容器は真空封止され、それから工業的滅菌を行うのに十分な時間−温度条件下でレトルト殺菌される。通常のレトルト殺菌法が使用されてもよい。代表的には、約118℃〜121℃のレトルト殺菌温度で約45〜90分間は工業的に滅菌製品を製造するのに満足である。
【0055】
図1を参照すると、フード製造プロセス18はグラインダー28を利用する肉調製をもって始まる。様々な種類の冷凍肉が小さなピースに粉砕され、そして第一ミキサー30で下記実施例に記述されているような所望の比率で混合される。望むならばビタミンやミネラルのような他のドライ成分もこの混合工程で添加される。第一混合過程は連続であることもできるし又は回分式によることもできる。混合されたフード製品はそれから、フード製品を加熱し乳化するように操作可能な第一乳化機ミル32に通される。乳化されたフード製品はそれから、第二ミキサー34に通され、そしてフード製品は下記実施例に記述されている量で主要なドライタンパク性材料と混合される。第二ミキサー34は好ましくは連続ベースで操作するが、フード製品のバッチをもって作業することもできる。それから、フード製品は好ましくはポンプ36によって第二乳化機ミル40の入口管38へ送られる。入口管38の中では、フード製品は約2.1kg/cm〜約4.2kg/cmの範囲の圧力で約40℃にある。フード製品は、好ましくはシーファーミル(Siefer Mill)である第二乳化機ミル40によって乳化され、そしてフード製品は、約4.2kg/cm〜約8.4kg/cmの範囲の圧力および約104℃〜約118℃の範囲の好ましくは110℃の温度においてホールドチューブ26へ送られる。ホールドチューブ26の中で所期の温度および圧力の条件下で、フード製品は急速に凝固し始める。
【0056】
フード製品はホールドチューブを通過するときにインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20を通過する。ホールドチューブの全長は約3m〜約25mであることができ、そしてインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20に至るまでのホールドチューブの長さはホールドチューブの長さの約10〜70%である。インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20に至るまでのホールドチューブの好ましい長さはホールドチューブの長さの15〜20%である。それから、インジェクター/シュレッダー・アッセンブリはフード製品を破壊させ切断し、かつ液状着色剤を注入する。着色剤を含有する液体はフード製品に接触しそして付着する、それは製品の一部を黒ずませてグリルド外観を模造する。この色素溶液は電気的吸引力によってフード製品に固着される(affix)。フード製品と色素溶液は反対の電荷を有している。こうして、色素溶液は追加の結合剤なしでフード製品に結合する。液体17はインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ29に液体を送る計量型ポンプ(metering pump)42によって供給される。ポンプ42はホールドチューブ26の中の圧力より高い押出圧と、製品流量の約1重量%〜約20重量%の流量、好ましくは約3重量%の流量を有すべきである。そういうわけで、たとえば、1分当り100kgの製品がホールドチューブの中を通過する場合には、液体は約1kg/分〜約20kg/分でインジェクター/シュレッダー・アッセンブリを介して注入されるべきである。
【0057】
ポンプ42は容積型ポンプ(positive displacement pump)であることもできるし、又はホールドチューブ26の中の圧力を超えるように、かつ詰まりを回避するように、かつ図示されていない溜めからインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20への着色剤の十分な流量を与えるように、十分な押出圧を付与する他のいずれのタイプのポンプであることもできる。代替の態様においては、図示されてないインジェクター・アッセンブリは図示されてないフラグメンター/シュレッダー・アッセンブリとは別であってもよい。図示されてないこの代替態様においては、ポンプ42は、ホールドチューブ20の中を製品素材が通過するときにその中に着色剤を注入するこの別個のインジェクター・アッセンブリに、着色剤溶液を送達する。図示されてないこの代替態様においては、このインジェクター・アッセンブリは別個のフラグメンター/シュレッダー・アッセンブリの上流または下流にあってもよい。フラグメンター/シュレッダー・アッセンブリはホールドチューブの中のこのアッセンブリの中をおよび/または周りを製品素材が通過するときに製品素材を破壊し、断片化し、そして細断する。
【0058】
フード製品はホールドチューブ26から出るときに、それは大気圧に曝された後でチューブカッティング装置44の末端によってさらに個々のピースに切断される。所期の沸騰温度において大気圧に曝されると、フード製品は液体が急に気化する。詳しくは、フード製品は急速に膨張する。インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20によるエマルジョンの破壊と切断の組合せにおいては、ホールドチューブ26の排出端で急に大気圧に移すことと個々のピースへの最終切断は個々のピースの多くにランダムな不規則表面輪郭を与える。製品に添加された色素溶液によって、個々のピースの少数は外面全体に色素を有するであろうし、個々のピースのあるものは外面に色素を有さないであろうが、個々のピースの多数は色素によって黒ずんだ一つまたはそれ以上の外面を外面全体にではなく有しているであろう、それによって、かかるピースにグリルド外観を与える。色素をもつ完成品の好ましい態様においては、個々のピースの約10%〜約80%、好ましくは約40%〜約50%は色素によって黒ずんだ一つまたはそれ以上の外面を外面全体にではなく有するであろう、それによって、完成製品には、グリルで焼きそしてより小さいピースに切断された新鮮肉の外観が与えられる。
【0059】
カッティング装置44は代表的にはロータリーカッターであってもよい。所期の大きさの範囲のピースがタンブラーに送られ、そこでそれらはグレービー供給からのグレービーと混合されてもよい。肉とグレービーが混合された後で、この組合せを充填機に送り、充填機は製品を缶、袋またはその他容器の中に包装する。グレービーを添加しないでピースを透明容器に包装すると、有利なことに、製品ピースのグリルド外観またはフライド外観を明らかにできる。
【0060】
図2は先行技術のペットフードの拡大写真である。図2のペットフードは‘939号特許明細書の教示のいくつかを使用して製造されており、そしてMO州セントルイスのネスレ・プリナ・ペットケア社によってマイティ・ドッグ(登録商標)ペットフードの銘柄で販売されている。この写真のペットフードの下地の色は個々のチャンク全体にわたって概して均一である。個々のチャンクの形状も殆ど不規則外面が無く概して均一である。
【0061】
図3は先行技術のペットフードの拡大写真である。図3のペットフードは‘939号特許明細書の教示のいくつかを使用して製造されており、そしてMO州セントルイスのネスレ・プリナ・ペットケア社によってフリスキーズ(登録商標)ペットフードの銘柄で販売されている。この写真のペットフードの下地の色は個々のチャンク全体にわたって概して均一である。個々のチャンクの形状も殆ど不規則外面が無く概して均一である。
【0062】
図4は本発明の実施例1のペットフードの拡大写真である。この製品はグリルで焼いてから切り刻んだ肉片を模造することを意図している。この写真のペットフードの下地の色は個々のチャンク全体にわたって概して均一であるが、チャンクのいくつかにグリルマークを模倣する黒っぽい外面が存在する。
【0063】
図5は本発明の実施例2のペットフードの拡大写真である。この製品はグリルで焼いてから切り刻んだ天然魚肉片を模造することを意図している。この写真のペットフードの下地の色は個々のチャンク全体にわたって概して均一であるが、いくつかのチャンクにグリルマークを模倣する黒っぽい外面が存在する。
【0064】
図6は従来のペットフードの拡大写真である。図6のペットフードはカリフォルニア州バーノンのカルカンフーズ社によってペディグリー(登録商標)リトルチャンピオンズ(登録商標)グリルド・カット・イン・ソース(商標)・ウィズ・チキンの銘柄で販売されている。このペットフードの下地の色は個々のチャンク全体にわたって概して均一である;しかしながら、製品の外観を向上させるためにいくつかのチャンクの平坦な外面の一つには本物のグリルマークまたは黒っぽい線がこすりつけられている。個々のチャンクの多くは概して形状が矩形である。黒っぽい線をもつ表面上では、黒っぽい線が下地の色を覆っているところ以外は表面全体が下地の色を占めている。
【0065】
下記実施例は本発明を例証する。実施例においては、そして本明細書のどこにおいても、部およびパーセントは別に指定されていない限り重量によって表わされている。
【実施例1】
【0066】
水性グレービーの中のエマルジョンのチャンクを含む缶詰ペットフード製品は次の手順に従って製造された。グリルで焼いてから切り刻んだ肉片を模造するために個々のピースの外面に着色剤(単数または複数)をインジェクター/シュレッダー・アッセンブリを介して付加した。すなわち、製品は模造グリルマークを有しており、それはいくつかのチャンクの外面の黒っぽい表面であった。褐色の赤味がかった下地の色は模造グリルマークが外面に載っているところ以外は製品全体にわたって概して均一な色を与えた。外面上の模造グリルマークは製品の概して均一な下地の色よりも黒かった。赤色酸化鉄は下地の色であり、そしてエマルジョンの約0.2重量%の量で適用された。
【0067】
図1を参照すると、冷凍肉のブロックをまず約10cmの大きさのピースに切断または破壊し、そしてそれらピースを、1cmプレートを装着した通常のグラインダー28で挽いた。この製品には下記割合の肉材料が使用された:
肉のタイプ 重量部
牛肉、機械的に分離された 50%
肺臓 35%
肝臓 15%
全体 100%

注入溶液 重量部
水 70%
カラメル色素 30%
全体 100%
【0068】
挽いた肉をミキサー30の中に導入し、そこでそれをスチーム注入によって約0℃の温度に加熱した。混合後、この挽肉材料のブレンドをエマルジョンミル32の中に供給し、そこで肉を切断し剪断して肉エマルジョンを生成し、それは乳化中の機械的作業によって約15.6℃〜43℃の間の温度に加熱された。この温かい肉エマルジョンをエマルジョンミルからポンプ機能でミキサー34の中へ送り、そこでそれを、ビタミン、ミネラルおよびスパイスと一緒にドライタンパク性材料を含有する乾燥成分のブレンドと徹底的に混合して、約74%の肉材料と26%のドライタンパク性材料と残余のビタミン、ミネラルおよびスパイスを含有する増粘された粘稠な肉エマルジョンを生成した。こうして生成された粘稠な肉エマルジョンをポンプ機能によってミキサーからバキューム・スタッファーの中へ送り込んでエマルジョンを脱気した。
【0069】
脱気後、約30℃〜40℃の温度にあるこの粘稠エマルジョンをポンプ機能によってエマルジョンミル40の中へ送り、そこでそのエマルジョンを、エマルジョンの細かさを増進させそして殆ど同時にエマルジョンを約110℃の温度に加熱する条件下で、切断し剪断した。加熱後2分以内にファーム肉エマルジョン製品が形成された。このホットエマルジョンをポンプ機能によってエマルジョンミルから直接に、6.35cmの内径と6.1mの長さを有する細長チューブ26の中へ送り込んだ。このホールドチューブ26は約30:1の長さ対直径比を有し、その中に配備されたインジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20を有し、これは製品がこのアッセンブリを通過するときに製品を断片化し、破壊させ、細断する。これは不規則な表面輪郭をもつ個々のピースの形成を促進する。このインジェクター/シュレッダー・アッセンブリによって液体溶液が注入される。この液体溶液は約30重量%のカラメル色素と約70重量%の水であった。カラメル色素は負電荷を有し、そしてBC145(IL州シカゴのセツネス・プロダクツ社から商業的に入手可能である)であった。インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ20は細長ホールドチューブ20の中に置かれていて製品を断片化し、破壊させ、そして細断し、そして製品がチューブの中を移動する間に色素水溶液を注入した。色素溶液は製品流量の約8%のレベルで注入された。チューブを通るエマルジョンの流量はチューブの中での約2分の滞留時間をエマルジョンに与えるようにコントロールされた。
【0070】
細長ホールドチューブ26の排出端には追加のカッティングシステム44がロータリーカッターの形態で配備されていて製品を、長さが約1.2cmから約5cmまたはそれ以上まで変動する肉様ピースまたはチャンクの形態で不規則外面輪郭を有する個々のピースに切断した。それらはホットグリルからのグリッドマークに似ているランダムに位置した黒ずんだ−黒くなってさえいる−パッチを有していた。チューブから排出された個々のチャンクは約99℃の温度にあって、そして約56%の含水率を有していた。得られた肉エマルジョンピースを可撓性の袋の中に詰め、封止し、そして工業的滅菌製品を提供するのに十分な条件下でレトルト殺菌した。レトルト殺菌後、製品を室温に放冷し、そして1ヶ月保管した後に開封した。それらピースはその形状、保全性、およびグリルド肉様外観おとテクスチャーを保持していた。
【実施例2】
【0071】
この実施例はグリルで焼いてから切り刻んだ魚肉片を模造するためにインジェクター/シュレッダー・アッセンブリを介して付加された外側の色を有する魚肉様製品の製造を記載する。すなわち、この製品はいくつかのチャンクの外面上の黒っぽい表面である模造グリルマークを有していた。最終製品は水性グレービーの中で調製された。橙/赤みがかった下地の色は模造のマリネーテッドまたはグリルドマークが外面上に載っているところ以外は製品全体にわたって概して均一なサーモン様の色を与えた。赤色および黄色の酸化鉄が下地の色素であり、そしてエマルジョンの約0.2重量%の量で適用された。この下地の色素は製品全体にわたって概して均一な色を与えるために混合過程の最初に添加された。
【0072】
下記割合の肉材料を使用したこと以外は実施例1に記載の手順を繰り返した:
肉のタイプ 重量部
魚肉 45%
肝臓 15%
肺臓 25%
鶏肉 25%
全体 100%

注入溶液 重量部
カラメル色素 15%
水 85%
全体 100%
【実施例3】
【0073】
この実施例はインジェクター/シュレッダー・アッセンブリを介して添加された着色剤をもつ無肉製品の製造を記載する。この製品はグリルドまたはマリネーテッド魚肉のチョップドピースを模造することを意図している。すなわち、この製品は全体にわたって概して均一な色を有し外面に模造グリルマークが存在するべきである。下地の色素は製品全体に概して均一な色を生じるように初期配合に添加される。この実施例では、橙/赤みがかった下地の色素が模造サーモン製品に添加されてもよい。
【0074】
得られるピースはサーモンのフレーク構造に似ている層状の内部テクスチャーをもって不規則な形をとっている。それらは橙/赤みがかった着色された色相と、ホールディングチューブとは無関係のロータリーカッターによって表面が分割されたところ以外の外面に黒ずんだパッチを有している。
【0075】
植物性タンパク質 重量部
小麦グルテン 30%
植物油 7%
水 63%
全体 100%

液体注入溶液 重量部
カラメル色素 35%
水 65%
全体 100%
【0076】
成分をミキサーの中に導入する。成分をスチームインジェクターによって約27℃の温度に加熱する。こうして生成された粘稠なエマルジョン様混合物をミキサーから、脱気のためのバキューム・スタッファーの中へ、ポンプ輸送する。
【0077】
脱気後、約32℃の温度にある粘稠混合物をエマルジョンミルの中にポンプ輸送し、そこで、粘稠混合物を非常に迅速に約107℃の温度に加熱するように加工する。かかるエマルジョン温度においては、タンパク質凝固が非常に急速に進行して加熱後2分以内にファームエマルジョンが形成される。このホットエマルジョン様混合物をエマルジョンミルから直接に、6.35cmの内径と6.1mの長さを有する細長チューブの中へポンプ輸送する。製品がチューブの中を移動するときに製品を破壊させ、断片化し、細断し、かつ、色素を含有する液体を注入するために、このチューブに沿って約30%の距離のところにインジェクター・アッセンブリが配置され、そしてこの細長ホールディングチューブに沿って60%のところにフラグメンター(fragmenter)/シュレッダー・アッセンブリが配置されている。液体溶液は重量で約35%の色素と約65%の水である。チューブを通る流量はチューブの中での約2分間の滞留時間を与えるようにコントロールされる。
【0078】
この細長ホールドチューブからファーム製品は連続的に排出される。この細長ホールドチューブの排出端にはロータリーカッターブレードが配置されていて、製品を、大抵は長さが約1.5cmから約6cmまたはそれ以上まで変動する肉様のピースまたはチャンクの形態で不規則な外面輪郭を有する個々のピースに、切断する。チューブから排出された個々のチャンクは約99℃の温度にあり、そして約55%の含水率を有する。得られたチャンクまたはピースを、滅菌可能な輸送包装の中に充填し、封止し、そして工業的な滅菌製品を提供するのに十分な条件下でレトルト殺菌する。レトルト殺菌後、それらピースはその形状、保全性、および肉様の外観とテクスチャーを保持している。
【0079】
本発明は特定の実施例および好ましい態様を引用して記述されているが、特許請求の範囲に記載された本発明の原理および限界の範囲内で組成および手順の変更、変形および変動が可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に従うフード製造プロセスの概略図である。
【図2】市販ペットフード、マイティ・ドッグ(登録商標)、の拡大写真である。
【図3】市販ペットフード、フリスキーズ(登録商標)、の拡大写真である。
【図4】本発明の実施例1のペットフードの拡大写真である。
【図5】本発明の実施例2のペットフードの拡大写真である。
【図6】市販ペットフード、ペディグリー(登録商標)リトルチャンピオンズ(登録商標)グリルド・カット・イン・ソース(商標)・ウィズ・チキン、の拡大写真である。
【符号の説明】
【0081】
18 フード製造装置
20 インジェクター/シュレッダー・アッセンブリ
26 ホールドチューブ
28 グラインダー(肉調製)
30 第一ミキサー
32 第一乳化機
34 第二ミキサー
36 ポンプ
38 入口管
40 第二乳化機
42 色素
44 カッティングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク源を混合してエマルジョンを生成し;
前記エマルジョンを水の沸点より上に加熱し;
前記エマルジョンを、閉じ込められた加圧ゾーンの中で加圧し;
前記エマルジョンを、前記閉じ込められた加圧ゾーンの中で着色し;そして
前記エマルジョンをペットフードのばらばらのピースまたはチャンクの状態で排出する
ことを含むペットフード製造方法。
【請求項2】
前記タンパク源が、植物源、肉源および肉副産物源の少なくとも一つを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記植物源が、豆源、トウモロコシ源、コメ源、ピーナッツ源、ヒマワリ源、アマニ源、ナタネ源およびコムギ源の少なくとも一つを含む、請求項2の方法。
【請求項4】
前記肉源が牛肉源、鶏肉源、魚肉源および豚肉源の少なくとも一つを含む、請求項2または3の方法。
【請求項5】
前記肉源が約15重量%〜約25重量%の脂肪を含有する、請求項4の方法。
【請求項6】
前記肉源が約15重量%未満の脂肪を含有する、請求項4の方法。
【請求項7】
エマルジョンが少なくとも1.5:1のタンパク質対脂肪比率を有する、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項8】
前記エマルジョンが約104℃〜約118℃の温度に加熱される、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項9】
前記エマルジョンが約45重量%〜約80重量%の含水率を有する、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項10】
前記閉じ込められた加圧ゾーンが細長管状部材およびホールディングチューブの少なくとも一つである、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項11】
前記エマルジョンが予め規定された時間にわたって前記ホールディングチューブの中に保持される、請求項10の方法。
【請求項12】
エマルジョンが該エマルジョンの蒸気圧より上の圧力を有する前記ホールディングチューブの中に収容される、請求項10または11の方法。
【請求項13】
エマルジョンが、該エマルジョンの中のタンパク質が凝固してファームエマルジョンを形成するまでは、その蒸気圧より大きい圧力下で前記ホールディングチューブの中に保持される、請求項12の方法。
【請求項14】
さらに、不規則な外面輪郭を有するペットフードの個々のピースを形成するためにエマルジョンを破壊する工程を含む、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項15】
エマルジョンを機械的に破壊することを含む、請求項14の方法。
【請求項16】
エマルジョンを破壊する工程が、インジェクター/シュレッダー・アッセンブリを使用することを含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記インジェクター/シュレッダー・アッセンブリが少なくともインジェクター・アセンブリとシュレッダー・アッセンブリを含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記インジェクター・アッセンブリがエマルジョンを破壊するためのスチームを注入する手段を含む、請求項17の方法。
【請求項19】
前記インジェクター・アッセンブリを利用してエマルジョンの中に負帯電着色剤を注入する工程を含む、請求項16〜18のいずれか一項の方法。
【請求項20】
エマルジョンの着色が該エマルジョンに着色剤を付着させることを含む、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項21】
前記着色剤が油性着色剤および水溶性着色剤の少なくとも一つを含む、請求項20の方法。
【請求項22】
前記着色剤がさらにフレーバーおよび栄養素の少なくとも一つを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記着色剤はエマルジョンに関して負に帯電される、請求項20〜22のいずれか一項の方法。
【請求項24】
前記着色剤が、エマルジョンに関して負の電荷を有する水溶性カラメル色素を含む、請求項23の方法。
【請求項25】
前記着色剤が結合剤の存在なしでエマルジョンに付着することができる、請求項20〜24のいずれか一項の方法。
【請求項26】
前記排出が、前記閉じ込められた加圧ゾーンから前記エマルジョンを取り出しそして前記着色エマルジョンを様々な大きさ、形状および色のピースに切断することを含む、請求項1〜13のいずれか一項の方法。
【請求項27】
前記着色エマルジョンが約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項26の方法。
【請求項28】
層状の肉様外観を有し、そしてグリルマークを模倣する黒ずんだ外面をもつチャンク状の不規則な形をした個々のピースを有するペットフードを製造する方法であって、
製品素材を、閉じ込められた加工ゾーンの中を通過させ;そして
閉じ込められた加工ゾーンの中にある間に製品素材の一部分を着色剤と接触させる
ことを含む、前記方法。
【請求項29】
前記製品素材が、肉源およびドライタンパク性源の少なくとも一つを含むエマルジョンからなる、請求項28の方法。
【請求項30】
前記製品素材が15重量%未満の脂肪を含む、請求項28または29の方法。
【請求項31】
前記製品素材が約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項28〜30のいずれか一項の方法。
【請求項32】
前記着色剤が、結合剤の存在なしでエマルジョンに付着することができる、請求項28〜31のいずれか一項の方法。
【請求項33】
前記着色剤が、水溶性着色剤および油溶性着色剤からなる群から選ばれる、請求項28〜32のいずれか一項の方法。
【請求項34】
前記着色剤は前記製品素材に関して負に帯電されて前記製品素材への前記着色剤の付着を促進する、請求項28〜33のいずれか一項の方法。
【請求項35】
前記着色剤が、約30重量%〜約60重量%の着色剤と約70重量%〜約40重量%の水を含む着色溶液を含む、請求項28〜34のいずれか一項の方法。
【請求項36】
前記着色溶液が、前記閉じ込められたゾーンの内部の圧力より高い圧力で、かつ製品素材の流量の約1重量%〜約20重量%の流量で、前記閉じ込められた加工ゾーンの中へ注入される、請求項35の方法。
【請求項37】
前記閉じ込められた加工ゾーンはそれの蒸気圧より大きい圧力下のホールディングチューブを含み、そしてプロセスは、その圧力を、前記エマルジョンの中のタンパク質が凝固してファームエマルジョンを形成するまで維持することを含む、請求項28〜36のいずれか一項の方法。
【請求項38】
さらに、エマルジョンをホールディングチューブの中で破壊してそれを前記チャンク状の不規則な形をしたピースに分割する工程を含む、請求項37の方法。
【請求項39】
下地の色と、供与に先立って不規則な形をした個々のピースに切り刻まれた、天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色を有するフード製品素材の個々のピースを含むペットフード製品。
【請求項40】
前記ピースが、肉源、ドライタンパク性源およびベジタリアン食源の少なくとも一つを含む固化エマルジョンからなる、請求項39のペットフード製品。
【請求項41】
外側の色が水溶性着色剤および油溶性着色剤からなる群から選ばれた着色剤を含む、請求項40のペットフード製品。
【請求項42】
前記着色剤が、結合剤の存在なしでエマルジョンに付着する、請求項41のペットフード製品。
【請求項43】
前記着色剤は前記製品素材ピースに関して負に帯電して前記ピースへの前記着色剤の付着を促進する、請求項41または42のペットフード製品。
【請求項44】
前記ピースが15重量%未満の脂肪を含む、請求項39〜43のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項45】
前記ピースが約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項39〜44のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項46】
少数のピースは実質的にその外面全体に対比的な色を有する、請求項39〜45のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項47】
前記ピースと、実質的に外面全体が単一の下地の色を有する更なる個々のピースとの混合物を含む、請求項46のペットフード製品。
【請求項48】
製品全体にわたる基礎となる下地の色と、供与に先立ってチャンク状の不規則な形をした、個々のピースに切り刻まれた天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色を有するペットフード製品であって、
(1)外面が単一の下地の色を有している第一の個々のピースと
(2)外面の一部が対比的な色を帯びている第二の個々のピース
の混合物を含み、第二ピースの少数は実質的にその外面全体が対比的な色を有している、前記ペットフード製品。
【請求項49】
前記第二ピースが15重量%未満の脂肪を含む、請求項48の製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク源を混合してエマルジョンを生成し;
前記エマルジョンを水の沸点より上に加熱し;
前記エマルジョンを、閉じ込められた加圧ゾーンの中で加圧し;
前記エマルジョンを、前記閉じ込められた加圧ゾーンの中で、外部着色し;そして
前記エマルジョンをペットフードのばらばらのピースまたはチャンクの状態に排出する。
【請求項2】
前記タンパク源が、植物源、肉源および肉副産物源の少なくとも一つを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記植物源が、豆源、トウモロコシ源、コメ源、ピーナッツ源、ヒマワリ源、アマニ源、ナタネ源およびコムギ源の少なくとも一つを含む、請求項2の方法。
【請求項4】
前記肉源が牛肉源、鶏肉源、魚肉源および豚肉源の少なくとも一つを含む、請求項2または3の方法。
【請求項5】
前記肉源が約15重量%〜約25重量%の脂肪を含有する、請求項4の方法。
【請求項6】
前記肉源が約15重量%未満の脂肪を含有する、請求項4の方法。
【請求項7】
エマルジョンが少なくとも1.5:1のタンパク質対脂肪比率を有する、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項8】
前記エマルジョンが約104℃〜約118℃の温度に加熱される、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項9】
前記エマルジョンが約45重量%〜約80重量%の含水率を有する、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項10】
前記閉じ込められた加圧ゾーンが細長管状部材およびホールディングチューブの少なくとも一つである、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項11】
前記エマルジョンが予め規定された時間にわたって前記ホールディングチューブの中に保持される、請求項10の方法。
【請求項12】
エマルジョンが該エマルジョンの蒸気圧より上の圧力を有する前記ホールディングチューブの中に収容される、請求項10または11の方法。
【請求項13】
エマルジョンが、該エマルジョンの中のタンパク質が凝固してファームエマルジョンを形成するまでは、その蒸気圧より大きい圧力下で前記ホールディングチューブの中に保持される、請求項12の方法。
【請求項14】
さらに、不規則な外面輪郭を有するペットフードの個々のピースを形成するためにエマルジョンを破壊する工程を含む、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項15】
エマルジョンを機械的に破壊することを含む、請求項14の方法。
【請求項16】
エマルジョンを破壊する工程が、インジェクター/シュレッダー・アッセンブリを使用することを含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記インジェクター/シュレッダー・アッセンブリが少なくともインジェクター・アセンブリとシュレッダー・アッセンブリを含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記インジェクター・アッセンブリがエマルジョンを破壊するためのスチームを注入する手段を含む、請求項17の方法。
【請求項19】
前記インジェクター・アッセンブリを利用してエマルジョンの中に負帯電着色剤を注入する工程を含む、請求項16〜18のいずれか一項の方法。
【請求項20】
エマルジョンの着色が該エマルジョンに着色剤を付着させることを含む、先行請求項のいずれか一項の方法。
【請求項21】
前記着色剤が油性着色剤および水溶性着色剤の少なくとも一つを含む、請求項20の方法。
【請求項22】
前記着色剤がさらにフレーバーおよび栄養素の少なくとも一つを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記着色剤はエマルジョンに関して負に帯電される、請求項20〜22のいずれか一項の方法。
【請求項24】
前記着色剤が、エマルジョンに関して負の電荷を有する水溶性カラメル色素を含む、請求項23の方法。
【請求項25】
前記着色剤が結合剤の存在なしでエマルジョンに付着することができる、請求項20〜24のいずれか一項の方法。
【請求項26】
前記排出が、前記閉じ込められた加圧ゾーンから前記エマルジョンを取り出しそして前記着色エマルジョンを様々な大きさ、形状および色のピースに切断することを含む、請求項1〜13のいずれか一項の方法。
【請求項27】
前記着色エマルジョンが約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項26の方法。
【請求項28】
層状の肉様外観を有し、そしてグリルマークを模倣する黒ずんだ外面をもつチャンク状の不規則な形をした個々のピースを有するペットフードを製造する方法であって、
製品素材を、閉じ込められた加工ゾーンの中を通過させ;そして
閉じ込められた加工ゾーンの中にある間に製品素材の一部分を着色剤と接触させる
ことを含む、前記方法。
【請求項29】
前記製品素材が、肉源およびドライタンパク性源の少なくとも一つを含むエマルジョンからなる、請求項28の方法。
【請求項30】
前記製品素材が15重量%未満の脂肪を含む、請求項28または29の方法。
【請求項31】
前記製品素材が約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項28〜30のいずれか一項の方法。
【請求項32】
前記着色剤が、結合剤の存在なしでエマルジョンに付着することができる、請求項28〜31のいずれか一項の方法。
【請求項33】
前記着色剤が、水溶性着色剤および油溶性着色剤からなる群から選ばれる、請求項28〜32のいずれか一項の方法。
【請求項34】
前記着色剤は前記製品素材に関して負に帯電されて前記製品素材への前記着色剤の付着を促進する、請求項28〜33のいずれか一項の方法。
【請求項35】
前記着色剤が、約30重量%〜約60重量%の着色剤と約70重量%〜約40重量%の水を含む着色溶液を含む、請求項28〜34のいずれか一項の方法。
【請求項36】
前記着色溶液が、前記閉じ込められたゾーンの内部の圧力より高い圧力で、かつ製品素材の流量の約1重量%〜約20重量%の流量で、前記閉じ込められた加工ゾーンの中へ注入される、請求項35の方法。
【請求項37】
前記閉じ込められた加工ゾーンはそれの蒸気圧より大きい圧力下のホールディングチューブを含み、そしてプロセスは、その圧力を、前記エマルジョンの中のタンパク質が凝固してファームエマルジョンを形成するまで維持することを含む、請求項28〜36のいずれか一項の方法。
【請求項38】
さらに、エマルジョンをホールディングチューブの中で破壊してそれを前記チャンク状の不規則な形をしたピースに分割する工程を含む、請求項37の方法。
【請求項39】
下地の色と、供与に先立って不規則な形をした個々のピースに切り刻まれた、天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色を有するフード製品素材の個々のピースを含むペットフード製品。
【請求項40】
前記ピースが、肉源、ドライタンパク性源およびベジタリアン食源の少なくとも一つを含む固化エマルジョンからなる、請求項39のペットフード製品。
【請求項41】
外側の色が水溶性着色剤および油溶性着色剤からなる群から選ばれた着色剤を含む、請求項40のペットフード製品。
【請求項42】
前記着色剤が、結合剤の存在なしでエマルジョンに付着する、請求項41のペットフード製品。
【請求項43】
前記着色剤は前記製品素材ピースに関して負に帯電して前記ピースへの前記着色剤の付着を促進する、請求項41または42のペットフード製品。
【請求項44】
前記ピースが15重量%未満の脂肪を含む、請求項39〜43のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項45】
前記ピースが約50重量%〜約65重量%の含水率を有する、請求項39〜44のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項46】
少数のピースは実質的にその外面全体に対比的な色を有する、請求項39〜45のいずれか一項のペットフード製品。
【請求項47】
前記ピースと、実質的に外面全体が単一の下地の色を有する更なる個々のピースとの混合物を含む、請求項46のペットフード製品。
【請求項48】
製品全体にわたる基礎となる下地の色と、供与に先立ってチャンク状の不規則な形をした、個々のピースに切り刻まれた天然肉の上のグリルマークを模倣している対比的な外側の色を有するペットフード製品であって、
(1)外面が単一の下地の色を有している第一の個々のピースと
(2)外面の一部が対比的な色を帯びている第二の個々のピース
の混合物を含み、第二ピースの少数は実質的にその外面全体が対比的な色を有している、前記ペットフード製品。
【請求項49】
前記第二ピースが15重量%未満の脂肪を含む、請求項48の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−511209(P2006−511209A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−535488(P2004−535488)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010089
【国際公開番号】WO2004/023887
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】