説明

ペットフード

【課題】低水分で保存性が良好であり、かつ嵩密度が低いにも拘わらず脆くなく、低カロリーでありながら嗜好性に優れ、かつ鶏生肉を多く使用することで製品の仕上がりの色が薄く、保存中においても褐変反応を起こしにくいペットフードの提供。
【解決手段】粗タンパク質源として鶏正肉を含み鶏正肉の配合量が固形分として8質量%以上であり、L−システインを0.01〜1質量%含み、水分含量が20質量%以下であり、水不溶性無機質含量が1質量%以下であり、嵩密度が0.3〜0.7g/cm3の範囲であり、かつ、L***表色系におけるa*値が20未満であるペットフード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャーキー等に代表されるペットフードに関する。
【背景技術】
【0002】
ペットブームによりペットの飼育数は増大しており、それに伴いペットの栄養補強のための補助食品として、又は飼い主とペットとのコミュニケーションのツールとして、ジャーキーに代表されるおやつの形態のペットフードの需要が高まっている。一方で、ペットの高齢化、運動不足、栄養過多等によりペットの肥満、糖尿病、肝臓疾患等のヒトにおける成人病と同様の疾病が増大したり、避妊手術後のホルモンバランスの狂いによって肥満するペットも多くなっている。よって、ペットにとって美味しいものを無制限に与えることはペット及び飼い主にとっても好ましいものではなく、ペットの健康を考慮したうえで、嗜好性の高いものを与えたいという要望がある。
【0003】
ペットフードは、硬いものよりも軟らかいものの方が嗜好性が高く、これは水分量を多くする、膨化させる等により達成することができる。しかし、水分量を多くすると膨化させることが困難なため、これを解決した技術として、膨化させた後に更に含水させるというものがある(特許文献1)。また、気泡を多く含ませたドウとし、これをオーブンやマイクロ波加熱により膨化させるという技術もある(特許文献2)。更に、ペット用ではないが、炭酸ガス等を発生させることにより膨張させて肉の嗜好性を高めるという技術もある(特許文献3)。また、原材料を膨化することにより製造されるセミモイストタイプのペットフードの製品水分率を13〜23重量%、膨化の膨張率を200〜350%とすることで、歯の弱い高齢期の犬・猫や、噛む力の弱い幼齢期の犬・猫であっても食べやすくするという技術もある(特許文献4)。
一方、ペットフードは室内で保管されることが多く、とくに冷暗所に置く等の保管措置がなされるとは限らない。かかる環境においては、褐色変化が起きる等の外観の変化、味の変化が起きるためにペットの嗜好性が低下する等の影響が現れる場合があり、保存中の品質の維持が重要である。着色防止については以下の技術が知られている。特許文献5には、システイン、アセチルシステイン、グルタチオン及び次亜硫酸塩からなる群から選択される1種以上を米発酵エキスに添加することを特徴とする米発酵エキスの着色防止方法が開示されている。また、特許文献6には、コウジ酸と含硫アミノ酸を有効成分とする生鮮物の変色防止剤が開示されている。また、特許文献7には、含硫化合物およびエンジオール構造を有する化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の物質を配合してなることを特徴とする味噌または味噌加工食品の保存中の褐変の進行を調節する技術が開示されている。

【特許文献1】特開昭63−56257号公報
【特許文献2】特開平11−243869号公報
【特許文献3】特開2003−259840号公報
【特許文献4】特開2006−158265号公報
【特許文献5】特許3403438号公報
【特許文献6】特開平8−266245号公報
【特許文献7】特開2000−236834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、水分量を多くし、また膨化させることによりペットフードの嗜好性を高めることはできるが、水分量を多くすると保存性が低下し、水分量を低下させると膨化されるが食感が硬くなって脆い物性となり、ペットが食した後に飼育環境や家屋を汚すという問題点があることが判明した。また、膨化させすぎたペットフードは、表面の滑らかさが失われ外観が悪くなるという問題が生じてしまうだけでなく、気泡を形成する構造体部分が薄くなりすぎて脆く硬くなり、食い千切りにくくなるため改善の余地があった。
【0005】
一方、保存中の着色防止を検討するに、特許文献5における対象物は、整肌効果・美肌効果を期待する化粧品や入浴剤に添加される米発酵エキスであり、食品ではないため、嗜好性への影響は不明である。特許文献6における対象物は、甲殻類或いは青果物等の生鮮物であり、ペットが嗜好する食品ではない。特許文献7における対象物は、味噌または味噌加工食品であり、ペットが嗜好する食品ではない。また、味噌は味が濃いものであり、添加物が味へ及ぼす影響は小さいものである。このように、褐変を抑制する物質については多くの物質が知られているものの、嗜好への影響を考慮したものは見られず、ましてペットの嗜好性を検討した例は見出されない。すなわち、ペットフードにおいて保存安定性と嗜好性を両立させることができる保存料は知られていない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、低水分で保存性が良好であり、かつ嵩密度が低いにも拘わらず脆く硬くなく食い千切りやすいため、低カロリーでありながら嗜好性が高く外観が良好なペットフードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは、ペットフードの水分含量や特定成分含量や嵩密度について鋭意検討を行った。その結果、鶏肉等の素材を多く使用し、特定成分含量を調整することにより、低水分かつ低嵩密度であっても脆くなくその上表面が滑らかで外観も良好で食い千切りやすい低カロリーのペットフードが得られることができることを見出した。
更に、このペットフードに特定量のシステインを含有させることにより、鶏肉を多く使用する色の薄いペットフードにおいても保存中の着色を低減でき、同時に嗜好性の高いペットフードが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、粗タンパク質源として鶏正肉を含み鶏正肉の配合量が固形分として8質量%以上であり、L−システインを0.01〜1%含み、水分含量が20質量%以下であり、水不溶性無機質含量が1質量%以下であり、嵩密度が0.3〜0.7g/cm3の範囲であり、かつ、L***表色系におけるa*値が20未満であるペットフードを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のペットフードは、低水分で保存性が良好であり、かつ嵩密度が低いにも拘わらず脆くなく表面が滑らかであり食い千切りやすく、低カロリーでありながら嗜好性に優れたものであり、製品の仕上がりの色が薄く、保存中においても褐変反応を起こしにくいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のペットフードに用いる鶏正肉とは、鶏胸肉、鶏もも肉、鶏ささみ等の鶏の骨格筋をいい、内臓、骨、頭、足、羽、その他副産物を含まない方が好ましい。そうすることにより水不溶性無機質の含有量を抑えることが可能となる。鶏正肉は、生品及び/又は乾燥品をそのまま用いても良く、冷蔵又は冷凍保存したものを用いても良い。使用前には予めミンチにしておくことが、配合のし易さ、混合の均一化の点から好ましい。本発明のペットフードは、嗜好性の向上、嵩密度を低くしても脆くならないようにする点から、鶏正肉を固形分として8質量%(以下、単に「%」と記載する)以上配合する。本発明のペットフードへの鶏正肉の配合量は、固形分として更に8〜50%、また更に10〜40%、特に12〜30%、殊更15〜25%であることが、嗜好性の向上、発泡のし易さの点から好ましい。なお、ここでいう「固形分」とは、水分以外の部分をいい、油脂が含まれる場合にはこれも固形分として換算する。鶏正肉を135℃にて2時間乾燥させた後のものを固形分とする。
【0010】
本発明のペットフードは、保存性、発泡のし易さの点でその水分含量は20%以下とする。生の鶏正肉の水分含量は通常70〜80%であるため、鶏正肉を固形分で8%以上配合するためには、原料に生の鶏正肉を用いた場合には乾燥工程が必要であるが、鶏正肉の乾燥品と組み合わせたり、水分が一定の範囲の乾燥品のみを用いる等することが、製造工程の簡略化、低コスト化の点から好ましい。乾燥品は、予めオーブン等の加熱器具により水分を調整しておくことが好ましい。鶏正肉の乾燥品を用いる場合、その水分量は5〜30%であることが好ましく、更に8〜25%、特に10〜20%であることが発泡のし易さ、発泡後の強度の維持、成形のし易さ等の点から好ましい。なお、乾燥品を単独で用いる場合の鶏正肉の水分量、又は生肉と乾燥品とを組み合わせた後の鶏正肉の水分量は20〜70%であることが好ましく、更に30〜65%、特に40〜60%であることが発泡のし易さ、発泡後の強度の維持、成形のし易さ等の点から好ましい。
【0011】
特に、鶏正肉の10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上が乾燥品であると、ペットフードの外観から肉を判別することができる上、乾燥肉特有の香ばしい風味が引き立つので嗜好性が向上し好ましい。鶏正肉の10%以上が乾燥品であるとは、生品も乾燥品も固形分として換算し固形分の10%以上が乾燥品で90%未満が生品であることを意味する。また、乾燥肉は、肉の繊維に乾燥処理が施されたものであり、繊維が細かくなっている等物理的化学的変化が起きているため、本発明のペットフードにおいてこれが配合されると、エクストルーダー出口での過度の膨化が防止される。その結果、製品は脆く硬くならず、ペットフードの外観のなめらかさや千切りやすさが増強されるため望ましい。
また、鶏正肉の乾燥品の5%以上、好ましくは5〜50%、より好ましくは7〜40%、更に好ましくは10〜30%が目開き3.0mmの篩を通過しかつ目開き0.85mmの篩を通過しない大きさの粒であると、外観から肉の粒子を容易に判別することができ更に好ましい。
【0012】
上述のとおり、本発明のペットフードの水分含量は20%以下であり、より好ましくは5〜20%、更に7〜18%、特に8〜17%とすることが、保存性、発泡のし易さに加えて、嗜好性を高める、食感を高める等の点から好ましい。また、水分活性は0.79以下であることが好ましく、更に0.4〜0.79、特に0.45〜0.75、殊更0.5〜0.7とすることが保存性の良さ、菌繁殖抑制の点から好ましい。ここで水分活性は、検体を測定用秤皿に2g量り採り、水分活性測定器により測定できる。
【0013】
本発明のペットフードは、0.01〜1%のL−システインを含有する。この量のL−システインの添加により嗜好性を低下させることなくペットフードの保存中の褐色変化を抑制することができる。ペットフード中のL−システインの含有量は、好ましくは0.02〜0.8%、より好ましくは0.03〜0.5%、特に好ましくは0.1〜0.5%である。
【0014】
ペットフードの色相は、色彩計で測定することができ、L***表色系(CIE 1976)におけるa*値を用いて褐色度を評価することができる。また、保存中の褐色変化は、保存前後のa*の差(Δa*)を用いて評価することができる。本発明のペットフードは、a*値が20未満であり、10未満が好ましく、8未満がより好ましい。
【0015】
嵩密度が大きすぎると、3mmを越える大きな気泡が不均一に発生し食感の不均一をもたらし脆さが生じやすいため、本発明のペットフードの嵩密度は0.3〜0.7g/cm3の範囲とするのが好ましく、更に0.35〜0.65g/cm3、特に0.4〜0.65g/cm3とすることが嗜好性を高める、食感を高める、低カロリーとする等の点から好ましい。
【0016】
嵩密度を上記範囲とするには、製造工程において気泡を含ませ、発泡させることにより達成される。製造工程で発泡させるには、オーブンでベーキングすることによっても達成されるが、エクストルーダー等の押出成形機を用いることにより発泡させることが、発泡のし易さ、製造工程の簡略化の点から好ましい。
【0017】
エクストルーダーとは、スクリュー加熱加圧押出成形機のことをいい、本発明のペットフードではこのうち2軸型エクストルーダーを用いるのが好ましい。
エクストルーダーを用いて発泡させる場合には、原料混合物中の水分量を30%以下とすることが、発泡し易さ、発泡後に再収縮しないだけの強度を付与する点から好ましい。原料混合物中の水分量は、更に10〜28%、特に15〜25%とすることが、同様の点から好ましい。
【0018】
製造工程で発泡させるには、更に、水溶性膨張剤を用いても良い。水溶性膨張剤とは、水に溶解すると二酸化炭素等の反応ガスが発生するものをいい、例えば、ベーキングパウダー、重曹、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。水溶性膨張剤の配合量は、ペットフード中、好ましくは0.1〜2.0%、更に好ましくは0.1〜1.0%、特に好ましくは0.1〜0.5%であると良い。中でもベーキングパウダーを配合するとpHを弱酸性に傾けることができペットフードの匂い立ちも良くなるので保存性の面やペットフードの嗜好性を高めるためにも好ましい。
【0019】
なお、製造工程で発泡させる別の方法として、小さな気泡を含んでいる多孔質の物質であって食品に適しているもの、例えば、卵殻カルシウム、リン酸カルシウムのような水不溶性無機質を発泡助剤として使用する方法もある。しかしながら、この方法を採用した場合、水不溶性無機質が発泡核としての役割を果たし急激な発泡が生じて気泡の状態が荒れ、気泡を構成している部分が薄くなり脆さが生じたり、はじけた気泡のカスが表面に多数付着し食感の低下や口角を刺激するような表面の荒れが顕著となり、滑らかな表面を有する製品が得られないこともある。このため、本発明のペットフードにおいて水不溶性無機質の含量は1%以下、好ましくは0.8%以下、更に好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下であると良い。なお、本発明における水不溶性無機質とは、灰化(600℃、2時間オーブン加熱)後灰化物を水に溶解し水不溶分を濾過し乾燥させた後秤量して測定されるものであり、例えばCa、Maの酸化物、炭酸塩、リン酸塩又はAl、Siの酸化物等が挙げられる。
【0020】
本発明のペットフードは、例えば以下に説明する製造方法によって得る事ができる。原材料を縦型混合機等で均一に予備混合して調製された混合物を、エクストルーダーの原料フィーダーからシリンダーバレル内に供給する。シリンダーバレル内に供給された混合物は、シリンダーバレル内で加熱・加圧されながら、2軸スクリューによって混練され、押し出される。シリンダーバレル温度は余熱バレルで20℃〜100℃、中間バレルで80〜180℃、先端バレルで100〜300℃、ダイプレートで100〜200℃であることが好ましい。また、スクリュー回転速度は、スクリュー径50mm、スクリュー長さ/スクリュー径比が16程度であれば、50〜300r/minであることが好ましい。なお、本発明のペットフードの水分含量、発泡度を好ましいレベルに調整するために、シリンダーバレル内に任意の量の水を加える事も可能である。エクストルーダーから押し出されたものは、曲がらないようにベルトコンベアーで受けて冷却後に切断することが好ましい。押し出された直後に原材料を切断すると、曲がるなど一定の形状を保ちにくいからである。かくして、水分の蒸発と気泡の膨張により混合物を発泡成形させる事により、本発明のペットフードを得る事ができる。
【0021】
本発明のペットフードは、粗タンパク質含量を20%以上とすることが、嗜好性、発泡性、発泡後の強度維持等の点から好ましい。粗タンパク質含量は、更に22〜50%、特に25〜35%とすることが、同様の点から好ましい。なお、ペットフード中の粗タンパク質含量は、改良デュマ法を用いて測定したものである。粗タンパク質源としては、動物性タンパク質含有物、植物性タンパク質含有物、乳タンパク質含有物等が挙げられ、動物性タンパク質としては、牛、豚、羊、うさぎ、カンガルー等の畜肉及び獣肉ならびにその副生成物及び加工品;前記の鶏正肉、七面鳥、うずらなどの鳥肉ならびにその副生物及び加工品;魚、白身魚などの魚肉ならびにその副生物及び加工品等が挙げられる。植物性タンパク質含有物としては、大豆タンパク質、小麦タンパク質、小麦グルテン、コーングルテン等が挙げられる。乳タンパク質含有物としては、チーズ、バター、ならびにその加工品等が挙げられる。本発明のペットフードにおいては、以上のタンパク質源から選択される1種又は2種以上の組み合わせを用いることが好ましい。
【0022】
これらの中でも小麦グルテンが成形のし易さ、発泡後に再収縮しないだけの強度付与、食感を高める等の点から好ましい。小麦グルテンを用いる場合は、ペットフード中に5〜50%、更に7〜40%、特に8〜30%とすることが、成形のし易さ、発泡後に再収縮しないだけの強度付与、食感を高める等の点から好ましい。
【0023】
また、中でもチーズは嗜好性向上において非常に有効であり、チーズフードの形態で配合するのが嗜好性の向上、コストの面で望ましい。その配合量はペットフード中に0.05〜10%、好ましくは0.1〜5%、更に好ましくは0.1〜3%であると良い。ここでいうチーズフードとは製品中にチーズが51%以上含まれ粉乳、乳糖など「乳」由来のもの、あるいは「乳」に由来しないタンパク質、脂肪、炭水化物など(重量の10%以内)や香辛料、調味料など(水分以外の成分の1/6以内)を加えてつくられた食品のことをさし、その中でも特に風味が増強されているものが望ましい。
【0024】
本発明のペットフードは、炭水化物源を20〜70%、更に30〜60%、特に40〜50%配合することが、発泡性、成形性、食感を高める等の点から好ましい。炭水化物源としては、穀物類、糖類、食物繊維、デンプン類等が挙げられる。
【0025】
穀物類としては、小麦、大麦、ライ麦、コーン、ソルガム、米、ひえ、あわ、アマランサス、キヌア等が挙げられる。
大麦は二条大麦又は六条大麦のどちらでも良く、飼料用として使用されているこれらの混合物をも含む。大麦は炭水化物源中に5%以上、更に5〜80%、特に10〜70%含有するのが、経済性、食後の血糖値上昇抑制、食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果、摂取性及び便の状態の点から好ましい。
【0026】
コーンとは通常のトウモロコシをいうが、これを粉にしたトウモロコシ粉のみならず、コーンスターチも含む。コーンは、炭水化物源中に3%以上、更に3〜60%、特に5〜50%含有するのが、経済性、肥満防止効果、摂取性及び便の状態の点から好ましい。
【0027】
ソルガムとはイネ科の植物であり別名コウリャンと称されるものの他、別名ホウキモロコシと称されるブルームコーン、別名サトウモロコシと称されるスウィートソルガム、別名マイロと称されるグレインソルガム等がある。ソルガムは、炭水化物源中に3%以上、更に3〜60%、特に5〜50%含有するのが、経済性、食後の血糖値上昇抑制、食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果、摂取性及び便の状態の点から好ましい。
【0028】
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類が挙げられる。糖類は本発明のペットフードにおいて、例えば、水分活性調整、脆さ防止、嗜好性向上に有効である。以上より、本発明のペットフードへの糖類の配合量は0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、更に好ましくは0.3〜5%が良い。
【0029】
なお、オリゴ糖、多糖類としては、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖等の難消化性オリゴ糖、ポリデキストロース、難消化性デキストリンが挙げられ、これらは腸内細菌の活性化に効果がある点からも好ましい。
【0030】
食物繊維としては、動物の消化酵素では分解されない素材をいい、水不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含むが、前者の具体例としては、セルロース、ヘミセルロース等を含有したピーファイバー、チコリ根、アルファルファミール、小麦ふすま等が挙げられ、後者の具体例としては、グアガム酵素分解物、サイリウム種皮、グルコマンナン、寒天、水溶性大豆多糖類、水溶性コーンファイバー、イヌリン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸等が挙げられる。特に、本発明のペットフードでは、水不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両者を含んだビートパルプが好ましい。本発明のペットフードへの食物繊維の配合量は0.1〜10%、好ましくは0.3〜8%、更に好ましくは0.5〜5%が良い。
【0031】
また、デンプン類としては、上述の穀物類のいずれかを原料としたものの他、更に加工を加えた加工デンプンや高アミロースデンプン等を用いることもできる。これらの中でも、加工デンプン、高アミロースデンプンから選択される1種又は2種以上を用いることが、食感に影響を与える物性の経時的な変化、例えばデンプンの老化等を抑制する、成形のし易さ等の点から好ましい。
加工デンプンとは、通常のデンプン、例えば、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、糯米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘露デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン等に、化学的処理を施したもの、化学修飾したもの等をいう。加工デンプンの含有量は、炭水化物源中に3%以上、更に3〜30%、特に3〜20%含有するのが、経済性、食後の血糖値上昇抑制、食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果、摂取性及び便の状態の点から好ましい。
【0032】
高アミロースデンプンとは、アミロース含量が40〜99%であるデンプンであり、特にハイアミロースコーンスターチ、六条皮麦のGlacier AC38、su2トウモロコシ等が挙げられる。市販品としては、ハイアミロースコーンスターチアミロメイズV(アミロース含量が50〜60%)、アミロメイズVI(アミロース含量が60〜70%)、アミロメイズVII(アミロース含量が70〜80%)以上日本食品加工社製、ファイボーズ(同約70%)日澱化学社製、等のハイアミロースコーンスターチが挙げられる。
【0033】
高アミロースデンプンを用いる場合は、本発明のペットフード中に5〜50%、更に8〜40%、特に10〜30%配合するのが、経済性、食後の血糖値上昇抑制、食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果、摂取性及び便の状態の点から好ましい。
【0034】
本発明のペットフードは、油脂を含有することが、嗜好性を高める、多価不飽和脂肪酸の供給等の点から好ましい。油脂としては、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、亜麻仁油、ごま油、ラード、牛脂、魚油、乳脂等が挙げられるが、油脂として配合したものに限られず、他の植物原料、又は動物原料中に油脂が含有されている場合にはこれも含む。油脂は本発明のペットフード中に1〜30%、更に2〜25%、特に3〜20%含有するのが、嗜好性を高める、多価不飽和脂肪酸の供給、発泡のし易さ等の点で好ましい。更に乳の風味を増強する目的でバターオイルを加えると嗜好性が更に高まるため好ましい。その配合量は0.05%〜5%、好ましくは0.1〜2%、更に好ましくは0.1〜1%であると良い。
【0035】
特に、ジアシルグリセロールは全油脂中に15%以上含有することが好ましく、更に全油脂中に15〜85%、更に20〜75%含有することが、食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果の点から好ましい。すなわち、本発明ペットフード中に油脂としてジアシルグリセロールを0.5%以上、更に0.5〜30%、更に1〜20%、特に1〜10%含有するのが好ましい。
【0036】
ジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸(UFA)であることが好ましく、より好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのが食後の血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果の点で好ましい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
【0037】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%、更に25〜60%、特に30〜50%、殊更30〜45%であるのが肥満防止効果及び摂取性の点で好ましい。
【0038】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノール酸の含有量は15〜65%、更に20〜60%、特に30〜55%、殊更35〜50%であるのが肥満防止効果及び摂取性の点で好ましい。更に、酸化安定性、肥満防止効果の点から、ジアシルグリセロール中のリノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜2.0、更に0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが好ましい。
【0039】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノレン酸の含有量は15%未満、更に0〜13%、特に1〜10%、殊更2〜9%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
【0040】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸(SFA)の含有量は20%未満であることが好ましく、更に0〜10%、更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
【0041】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味、摂取性の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが殊更好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
【0042】
また、血中インシュリン濃度上昇抑制、肥満防止効果の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、より好ましくは52〜100%、更に54〜90%、特に56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
【0043】
ジアシルグリセロールは、上述した天然油脂中に含有されるものを含んでいても良いが、ジアシルグリセロールの含有量を調整するために、上述した油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応等により得たものを配合することが好ましい。なお、ジアシルグリセロールは、アルカリ触媒等を用いた化学反応によっても得ることができるが、1,3−位選択的リパーゼ等の酵素を経て温和な条件の反応によって得たものであることが、酸化安定性、嗜好性の点で好ましい。
【0044】
本発明のペットフードに油脂を配合する場合には、その他にトリアシルグリセロールが含まれ、また、若干のモノアシルグリセロール、遊離脂肪酸等が含まれていても良い。これらは、上述した天然油脂中に含有されるものの他、製造したジアシルグリセロール含有油脂、配合される植物原料、又は動物原料中に含まれる油脂に含有されるものも含む。
【0045】
本発明のペットフードは、更に植物ステロールをコレステロール低下効果の点で0.1%以上、更に0.5%以上含有するのが好ましい。また植物ステロール含量の上限は30%までであればよい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
【0046】
本発明のペットフードには、保存安定性や嗜好性を損ねない範囲で、更に、グリセリン、糖アルコール、ぬか類、粕類、野菜、ビタミン類、水溶性ミネラル類、L−システイン以外のアミノ酸類、L−カルニチン、アルファリポ酸、コエンザイムQ10等を配合することができる。
グリセリン、糖アルコールの本発明のペットフードへの配合量は、2%以上、更に3%以上、特に5%以上とすることが、柔軟性を生じさせ、且つ保存中の柔軟性の変化を抑える点から好ましい。
【0047】
ぬか類としては、米ぬか、ふすま等が、粕類としては、大豆粕等が挙げられる。ぬか類、粕類の本発明のペットフードへの配合量は0.1%以上、更に0.3%以上、特に0.5%以上とすることが、栄養成分補給の点から好ましい。
【0048】
野菜類としては、トマト、ブロッコリー、南瓜、ホウレン草、赤ピーマン、ニンジン等が挙げられ、これら野菜類を生野菜、乾燥チップ、乾燥粉末、野菜エキス等の状態にて配合すると好ましい。なお、乾燥チップが直径1〜20mm、好ましくは1.0〜15mm、更に好ましくは1.0〜10mm程度の大きさであると、外観から野菜の粒子を判別することができ好ましい。野菜類の本発明のペットフードへの配合量は、固形分として0.5〜10%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜7%、更に好ましくは2〜5%配合するのが良い。
【0049】
ビタミン類としては、A、B1、B2、D、E、ナイアシン、パントテン酸、カロチン等が挙げられ、本発明のペットフードへの配合量は0.01〜10%とするのが好ましい。
水溶性ミネラル類としては、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、鉄等が挙げられ、これらは水溶性の塩として配合されると良く、本発明のペットフードへの配合量は0.01〜10%とするのが好ましい。
【0050】
アミノ酸類としては、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン等が挙げられ、本発明のペットフードへの配合量は0.1〜5%とするのが良い。
この他、一般的にペットフードに使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等も上記記載に反しない範囲で本発明のペットフードへ配合することができる。なお製造過程において、油脂の酸化を抑制する目的で窒素などの不活性ガスで置換したり脱気しながら製造することが、特に加熱工程で有効であるため好ましい。
【0051】
本発明のペットフードの物性は、製造後、又は製造品を密封しこれを開封後温度20℃、湿度45%の環境に24時間放置した厚さ6mmのサンプルを、20mm間隔スリット上に載せ、くさび形プランジャー(例えば幅20mm程度のもの)をサンプル中央部に垂直になるように50mm/分の速度で上から下降させ、サンプルが破断する際の歪みが4mm以上であることが、低水分でかつ嵩密度が低いにも拘わらず脆くない物性を有し、食感に影響する物性の変化を抑制する等の点から好ましく、更に5mm以上、特に6mm以上であることが同様の点から好ましい。また、歪み4mm時の応力が0.6N/mm2以下であることが、低水分でかつ嵩密度が低いにも拘わらず脆くない物性を有し、食感に影響する物性の変化を抑制する等の点から好ましい。また、歪み5mm時の応力が0.6N/mm2以下、更に0.01〜0.6N/mm2、特に0.02〜0.4N/mm2であることが好ましい。
【0052】
本発明のペットフードの形状は、断面積が5〜700mm2、かつ長さ15〜200mmの棒状であることが、給餌し易さ、取り扱い易さ、保存性等の点から好ましい。断面積は、更に8〜500mm2、特に10〜200mm2であることが好ましく、長さは、更に20〜170mm、特に30〜150mmであることが好ましい。また、断面の形状はいずれでも良いが、円又は四角とすることが成形のし易さ、発泡のし易さの点から好ましい。
【0053】
また、本発明のペットフードの膨張率、すなわち、原材料を押し出す押出機の出口ノズル直径に対するペットフードの胴直径の比率は、表面の滑らかさが失われ外観が悪くなるという問題を防止し、気泡を形成する構造体部分が薄くなりすぎて脆く硬くなるのを防止する点から、110〜190%、好ましくは120〜185%、更に好ましくは130〜180%であると良い。
【0054】
本発明のペットフードは、ペット用ジャーキー(おやつとして与えるもの)であるのが好ましい。一般的にジャーキーとは、獣肉の乾燥物のことをさすが、ペット用に関していえば、獣肉と炭水化物を混合したものもジャーキーと称しているのが現状である。本発明のペットフードはいわゆるペット用ジャーキーであることが、ペットフードの中でも嗜好性が高く、しつけや留守番の御褒美に最適である点から好ましい。特に犬用として好適に用いることができる。
【実施例】
【0055】
〔嵩密度の測定法〕
重量(g)を体積(断面積×長さ)(cm3)で除する事により測定した。
【0056】
〔水分量の測定法〕
サンプルの約2gをアルミニウム皿にて秤量し、135℃のオーブンで2時間乾燥させた。サンプルをデシケーター内で冷却後秤量し、乾燥前後の質量差を乾燥前のサンプル質量により除することにより水分量(質量%)を求めた。
【0057】
〔水分活性の測定法〕
サンプルの約2gを測定用秤皿にて秤量し、水分活性測定器(デカゴン・デバイス製 Pawkit)にかけ測定した。
【0058】
〔粗タンパク質の測定法〕
サンプルの約2gを測定用秤皿にて秤量し、改良デュマ法(AOAC 990.03)に則り、タンパク質測定器Tru Spec N(LECO社製)を用いて測定した。なおタンパク質ファクター(窒素含量から粗タンパク質量に換算するときの係数)を6.25とした。
【0059】
〔色相の測定法〕
色彩計を用いてL***表色系(CIE 1976)により表し、褐色度をa*で評価した。色彩計はカラーリーダーCR−13(コニカミノルタセンシング(株)製)を用いた。
【0060】
〔嗜好性の評価方法〕
ペットフードの嗜好性の評価は、2品間の先食性の比較を、実施例1〜3及び比較例1〜25、更にコントロールとしてササミの乾燥品の合計29サンプル全ての組み合わせについて行った。まず、比較する2サンプルをそれぞれ1個ずつ別々の皿に入れ、表1に示す被験犬の前に並べて置いた。次に、試験開始前にそれぞれの匂いを被験犬に嗅がせ、十分ににおいを認識させた後に試験を開始し、どちらを先に食べたかにより先食性を判定した。また、同一の組み合わせについて、各サンプルの皿の置く位置を左右反対とした2回目の試験を、1回目と同様の方法で行った。1回目、2回目の結果が異なる場合は、それぞれの皿の置く位置を1回目と同じ位置に戻し3回目の試験を行った。全ての組み合わせについて試験した後、シェッフェの一対比較法を用いて、各サンプルの嗜好性を評価した。比較する際、基準として、ササミの乾燥品を0.07、比較例1の数値を0.35とした。
【0061】
【表1】

【0062】
実施例1〜3及び比較例1〜25
〔ペットフードの製造〕
表2及び表3に示した各原材料を縦型ミキサーへ投入し、十分攪拌混合して混合物を調製した。次いで得られた混合物を、ダイ径5mm(1穴)を有するエクストルーダー((株)スエヒロEPM製 EA−20)を用いて、スクリュー回転速度200rpm、シリンダーバレル温度(C1:40℃、C2:120℃、C3:180℃)ダイプレート温度:120℃、供給量20kg/時間の条件で発泡成形し、冷却する事によりペットフードを得た。
〔嗜好性の評価〕
前述の方法に従い、実施例及び比較例のペットフードの嗜好性を評価した。結果を表2及び表3に示した。
〔保存性の評価〕
40℃で3ヶ月間保存を行い、保存前後の色相より求めた色差を測定した。結果を表2及び表3に示した。
【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
実施例1〜3より、本発明のペットフードが、外観に優れる上、保存後も着色が少なく、かつ嗜好性が高いことが判明した。着色防止剤として一般的に知られているコウジ酸、アスコルビン酸、クエン酸を配合した場合、保存時の着色抑制効果は低く、また嗜好性も低下した。本発明のペットフードは、嗜好性に優れ、かつ製品の仕上がりの色が薄く、保存中においても褐変反応を起こしにくいことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗タンパク質源として鶏正肉を含み鶏正肉の配合量が固形分として8質量%以上であり、L−システインを0.01〜1質量%含み、水分含量が20質量%以下であり、水不溶性無機質含量が1質量%以下であり、嵩密度が0.3〜0.7g/cm3の範囲であり、かつ、L***表色系におけるa*値が20未満であるペットフード。
【請求項2】
鶏正肉として乾燥品及び/又は生品を配合したものである請求項1記載のペットフード。
【請求項3】
エクストルーダーを用いて成形したものである請求項1又は2記載のペットフード。
【請求項4】
油脂としてジアシルグリセロールを0.5質量%以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のペットフード。
【請求項5】
高アミロースデンプン配合量が5〜50質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のペットフード。
【請求項6】
サンプルが破断する際の歪みが4mm以上、かつ歪み4mm時の応力が0.6N/mm2以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のペットフード。
【請求項7】
犬用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペットフード。

【公開番号】特開2009−159856(P2009−159856A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340586(P2007−340586)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】