説明

ペット用窓

【課題】サッシ障子を移動させてもガラス戸を摺動させないようにすることのできるペット用窓を提供する。
【解決手段】サッシ障子2の下部に取付けられる枠体内に室内外方向に揺動開閉自在な扉体21を納め、枠体20内には上下に渡る中骨33が設けられ、中骨33の一方側に扉体21が揺動開閉自在に設けられ、中骨33の他方側にガラス体22が嵌め殺し状に設けられ、枠体の扉体21及びガラス体22より室内側には扉体21を閉塞可能なガラス戸23が左右方向に摺動自在に納められ、中骨33にはガラス戸23の摺動を規制可能なストッパが設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ障子の下部に設けられペットが出入り可能な扉体を備えたペット用窓に関し、特に扉体より室内側に配置されるガラス戸の摺動を規制可能なペット用窓に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅のサッシについて、ペットが室内外に自由に出入りできるように揺動自在な扉体を設けるペット用窓が従来知られている。ペット用窓は、サッシ障子の下部に設けられ、上下枠及び左右の縦枠を枠組みしてなる枠体内に扉体を揺動自在に納めて構成される。また、枠体の左右中間部には上枠から下枠に渡って中骨が設けられ、この中骨の一方側に扉体が納められ、他方側にはガラス体が嵌め殺し状に納められる。さらに、扉体及びガラス体の室内側には、ガラス戸が左右に摺動自在となるように納められており、扉体の部分を閉塞することができるようにしている。このようなペット用窓としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】実登第2538138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のペット用窓では、サッシ障子を開閉するために移動させた際にガラス戸が摺動してしまうことがあった。したがって例えば、扉体を開放することができるようにガラス戸を嵌め殺し状のガラス体側に配置しておいても、ガラス戸が扉体側に若干移動してしまうことがある。この場合に室外側からペットが扉体を開いて室内側に入ろうとすると、扉体によってガラス戸を破損することが考えられる。このため、サッシ障子を移動させてもガラス戸が摺動しないようにする必要があった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであり、サッシ障子を移動させてもガラス戸を摺動させないようにすることのできるペット用窓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明にかかるペット用窓は、サッシ障子の下部に取付けられる枠体内に室内外方向に揺動開閉自在な扉体を納めたペット用窓において、
前記枠体内には上下に渡る中骨が設けられ、該中骨の一方側に前記扉体が揺動開閉自在に設けられ、前記中骨の他方側にガラス体が嵌め殺し状に設けられ、前記枠体の前記扉体及びガラス体より室内側には前記扉体を閉塞可能なガラス戸が左右方向に摺動自在に納められ、前記中骨には前記ガラス戸の摺動を規制可能なストッパが設けられることを特徴として構成されている。
【0006】
また、本発明にかかるペット用窓は、前記ストッパは前記中骨に固定される本体部と、該本体部に出没自在に納められる出没部とを有し、該出没部の側面部が前記本体部から突出することで前記ガラス戸の摺動を規制することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかるペット用窓によれば、枠体の扉体及びガラス体より室内側には扉体を閉塞可能なガラス戸が左右方向に摺動自在に納められ、中骨にはガラス戸の摺動を規制可能なストッパが設けられることにより、ペット用窓が取付けられるサッシ障子が移動しても、ガラス戸の移動をストッパにより規制することができるので、ガラス戸が不意に移動し、その状態で扉体が開閉されることによりガラス戸が破損することを防止することができる。
【0008】
また、本発明にかかるペット用窓によれば、ストッパは中骨に固定される本体部と、本体部に出没自在に納められる出没部とを有し、出没部の側面部が本体部から突出することでガラス戸の摺動を規制することにより、簡易な機構で確実にガラス戸の摺動を規制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態のペット用窓をサッシ障子に取付けた正面図を示している。ペット用窓3は、建物開口部に取付けられるサッシであって、サッシ障子2を走行自在に納めてなる引き違いサッシに設けられる。図1に示すのは、このような引き違いサッシに用いられるサッシ障子2であり、その下部にペット用窓3が設けられている。ペット用窓3がサッシ障子2に設けられていることにより、ペットが室内外に出入りすることができる。
【0010】
サッシ障子2は、上框10と下框11及び左右の縦框12、12が方形状に框組みされてなり、さらにその下部には左右の縦框12、12間に渡る中桟13が設けられている。上框10と縦框12及び中桟13に囲まれた領域には、障子ガラス体16が納められる。一方で下框11と縦框12及び中桟13に囲まれた領域にペット用窓3が納められる。
【0011】
ペット用窓3は、上下方向に渡る中骨33を有しており、中骨33の一方側には室内外方向に揺動自在な扉体21が配置され、他方側にはガラス体22が嵌め殺し状に配置される。また、扉体21及びガラス体22の室内側には、左右方向に摺動自在なガラス戸23が設けられる。
【0012】
図2には、ペット用窓3の斜視図を示している。この図に示すように、ペット用窓3は、上枠30と下枠31及び左右の縦枠32、32を方形状に枠組みしてなる枠体20内に、扉体21を室内外方向に揺動自在に納めると共に、ガラス体22を嵌め殺し状に納め、さらにガラス戸23を左右摺動自在に納めて構成されている。
【0013】
扉体21は、略方形状に形成され上枠30と下枠31、一方の縦枠32及び中骨33に囲まれた領域に納められる框部40内に、扉ガラス体41を納めて構成されており、框部40が一方の縦枠32及び中骨33に揺動自在に支持されている。また、框部40の下部には左右両側部にロック操作部43が設けられている。ロック操作部43はいずれも左右方向にスライド自在とされており、扉体21の左右方向中央部側から外側に向かってスライドさせることにより、扉体21の揺動をロックすることができる。
【0014】
中骨33は、枠体20の上枠30から下枠31に渡るように配置されており、その室内面の下部にはストッパ60が設けられている。ストッパ60は、操作により出没自在な出没部62を備えており、ガラス戸23がガラス体22側にある状態で出没部62を突出させることにより、ガラス戸23が扉体21側に摺動しないよう移動を規制する。
【0015】
ガラス戸23は、左右方向にはガラス体22と略同じ幅を有するように形成されており、上端縁と下端縁をそれぞれ上枠30と下枠31に摺動自在に保持されている。これによって、ガラス戸23は図4に示す状態から扉体21側に摺動させることができ、それによって扉体21を閉塞する。
【0016】
図3にはペット用窓3を設けたサッシの縦断面図を、図4にはペット用窓3を設けたサッシの横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、サッシは建物開口部に設けられる方形状のサッシ枠体1内に、2枚のサッシ障子2を引き違い状に納めて構成される。
【0017】
サッシ障子2は引き違い状に配置されるため、サッシ枠体1内において室内側と室外側にそれぞれ設けられる。このうち、室外側に配置されるサッシ障子2の下部にペット用窓3が設けられる。室外側に配置されるサッシ障子2は、前述のように上框10と下框11及び左右の縦框12が方形状に框組みされ、さらに左右の縦框12間には上框10及び下框11と平行な中桟13が設けられる。上框10と下框11及び縦框12は、いずれも内周面に凹状のガラス挿入溝14を備え、中桟13の上面及び下面にもそれぞれ凹状のガラス挿入溝14が形成されている。
【0018】
サッシ障子2の上部に納められる障子ガラス体16は、上框10と縦框12及び中桟13のガラス挿入溝14に縁部が四周に渡って納められ、断面略コ字状に形成されたグレチャン15を介してガラス挿入溝14の室内外側壁に挟持される。また、ペット用窓3は下框11と縦框12及び中桟13のガラス挿入溝14に縁部が四周に渡って納められ、グレチャン15を介してガラス挿入溝14の室内外側壁に挟持される。すなわち、ペット用窓3は、障子ガラス体16と同様の取付構造でサッシ障子2に取付けられる。
【0019】
ペット用窓3のサッシ障子2に対する取付構造について、より詳細に説明する。図5には図3の中桟13付近の拡大図を、図6には図4の一方の縦框12付近の拡大図を、それぞれ示している。図5に示すように、中桟13は室外側の金属中桟13aと、金属中桟13aの室内側面を覆うように設けられる樹脂中桟13bとからなっている。また、中桟13の上面と下面にそれぞれ形成されるガラス挿入溝14は、室外側の側壁が金属中桟13aにより、室内側の側壁が樹脂中桟13bにより、それぞれ形成されている。
【0020】
ペット用窓3の枠体20を構成する上枠30には、内周面側に扉体21を保持する凹状の扉体保持部34と、ガラス戸23を保持する凹状のガラス戸保持部35とが形成されている。また、上枠30の室内側面36aと室外側面36bは、複層ガラスである障子ガラス体16の厚みと略同等の間隔を有して対向しており、これら室内側面36aと室外側面36bとで、ガラス挿入溝14にグレチャン15を介して挟持される被保持部36を構成している。室内側面36aと室外側面36bは、複層ガラスの厚みと略同等の間隔を有して対向しているので、それぞれ断面略コ字状に形成されるグレチャン15の室内側壁15aと室外側壁15bとに圧接される。これによって、上枠30の縁部を中桟13のガラス挿入溝14に対し障子ガラス体16と同様に挿入し、グレチャン15を介して固定することができる。また、被保持部36を構成する室内側面36aと室外側面36bは、グレチャン15の室内側壁15a及び室外側壁15bにそのほとんどを覆われる。このため、上枠30のほとんどがグレチャン15に覆われることとなり、外部に露出する部分を小さくしている。
【0021】
図6に示すように、ペット用窓3の縦枠32も上枠30と同様の構造でサッシ障子2に対して固定される。すなわち、縦枠32には複層ガラスの厚みと略同等の間隔を有して室内側面36aと室外側面36bとが形成され被保持部36を構成しており、この被保持部36をガラス挿入溝14内に挿入されグレチャン15を介して挟持固定されている。また、縦枠32においてもグレチャン15の室内側壁15a及び室外側壁15bが被保持部36の室内側面36a及び室外側面36bを略覆っているので、縦枠32のほとんどがグレチャン15に覆われ、外部に露出する部分を小さくしている。下枠31については拡大図を示していないが、上枠30及び縦枠32と同様の構造でサッシ障子2に固定され、そのほとんどがグレチャン15に覆われて、外部に露出する部分を小さくしている。
【0022】
このように、枠体20を構成する上枠30と下枠31及び縦枠32について、複層ガラスの厚みと略同等の幅を有する被保持部36を形成し、グレチャン15でそのほとんどを覆ってサッシ障子2のガラス挿入溝14に固定するようにしたので、複層ガラスをサッシ障子2に納めるのと同様の工程で、ペット用窓3をサッシ障子2に納めることができる。また、被保持部36はほとんどがグレチャン15に覆われるように形成されているので、枠体20の大部分が外部に露出しないようにすることができ、意匠性の向上を図ることができる。さらに、中桟13には複層ガラスを納めることのできるガラス挿入溝14があればよいので、サッシ障子2の下部に複層ガラスを納める場合と同じ中桟13を用いることができ、部品の共用化も図ることができる。
【0023】
図5及び図6に示すように上枠30や縦枠32の外周面には、2条の突出片が形成されており、これらが嵌合部37を構成している。嵌合部37を構成する突出片は、単板ガラスの厚みに相当する間隔を有して対向するように形成されている。図9には、嵌合部37を用いてサッシ障子2に対してペット用窓3を固定する場合における縦框12付近の横断面図を示している。嵌合部37を用いてサッシ障子2に対してペット用窓3を固定するのは、サッシ障子2が単板ガラスを納めるように形成されている場合であり、図9に示すように、縦框12のガラス挿入溝14は、図6に示すものよりも幅狭に形成されている。このガラス挿入溝14に対して嵌合部37を嵌合させることにより、ペット用窓3を縦框12に対して固定する。なお、下框11や中桟13についても、同様の構造で嵌合部37がガラス挿入溝14に嵌合し、固定される。
【0024】
図7には、中骨33付近の拡大横断面図を示している。中骨33は、室外側に配置される中骨本体50と、室内側に配置されて中骨本体50の室内面を覆う樹脂カバー体51の二部材を係合することで構成されている。中骨本体50は金属材によって形成され、樹脂カバー体51は樹脂材により形成されている。中骨33の一方の側面には、扉体21の縁部を挿入できる扉体挿入溝52が凹状に形成され、中骨33の他方の側面には、ガラス体22の縁部を挿入できるガラス体挿入溝53が凹状に形成されている。
【0025】
扉体挿入溝52は、扉体21を保持する室外側の面が中骨本体50で構成され、室内側の面が樹脂カバー体51で構成されている。すなわち、樹脂カバー体51は扉体21を室内側から保持する扉保持部51aを有している。また、ガラス体挿入溝53も、ガラス体22を保持する室外側の面が中骨本体50で構成され、室内側の面が樹脂カバー体51で構成されている。すなわち、樹脂カバー体51はガラス体22を室内側から保持するガラス保持部51bを有している。ガラス体22は、縁部がガラス体挿入溝53に挿入され、グレチャン56を介して挟持固定される。
【0026】
樹脂カバー体51は、室内側面に気密材57を保持可能な凹状の気密材保持部54を有している。気密材57は、室内側に向かって伸びており、ガラス戸23が扉体21側に摺動された際にその室外面と当接して、ガラス戸23における気密性を確保するためのものである。気密材保持部54は、樹脂カバー体51の長手方向略全長に渡って形成されており、気密材57も樹脂カバー体51の長手方向略全長に渡るように設けられて、ガラス戸23の上下方向略全長に渡って気密ラインを形成する。
【0027】
また、樹脂カバー体51の室内側面には、ストッパ60を挿通可能な孔部55が形成されている。ストッパ60は、中骨33内に納められる本体部61と、本体部61から出没自在な出没部62とを有して構成されている。図8には、ストッパ60の側面図を示している。この図に示すように、ストッパ60の本体部61は、略直方体形状に形成されており、その上部には押圧操作自在な操作部63が設けられている。出没部62は操作部63と連係しており、操作部63の操作に伴って支点部62aを中心に回動し、本体部61から突出することができる。また、本体部61から突出した出没部62を押圧することで、本体部61内に再び納めることができる。そして、出没部62が本体部61から突出することにより、出没部62の側面部でガラス戸23の摺動を規制することができるようにしている。このように中骨33にストッパ60を設けることにより、ガラス戸23の摺動を規制することができるので、サッシ障子2を開閉した際に、ガラス戸23がそれに伴い摺動することを防止することができる。したがって、ガラス戸23が不意に移動し扉体21が開閉されることによりガラス戸23が破損することを防止することができる。
【0028】
樹脂カバー体51の孔部55は、本体部61の外形状に適合するように形成されている。また、中骨本体50の孔部55と対向する部分には段部50aが形成されており、この段部50aと樹脂カバー体51の扉体21側面によって本体部61を納めることのできる収納部58が形成されている。本体部61を収納部58に納めることで、本体部61の室内側面は孔部55より室内側に露出した状態となり、操作部63が操作自在とされると共に、出没部62が本体部61から突出自在とされる。このように、中骨33を中骨本体50と樹脂カバー体51とで構成し、樹脂カバー体51によって扉体21及びガラス体22の室内側面を保持すると共に、樹脂カバー体51に気密材保持部54や孔部55を設けたことにより、中骨33の室内側露出面を樹脂材で構成することができ、複合サッシにペット用窓3を取付けても、意匠性を損なうことがないようにすることができる。
【0029】
ここで、本実施形態ではガラス戸23がガラス体22と略同じ幅を有するように形成されているため、枠体20内においてガラス戸23がガラス体22側に配置された状態で、ストッパ60の出没部62を突出させてガラス戸23の摺動を規制するようにしているが、ガラス戸23を扉体21と略同じ幅を有するように形成し、ガラス戸23が扉体21を閉塞している状態でストッパ60の出没部62を突出させ、ガラス戸23の摺動を規制するようにしてもよい。
【0030】
本実施形態のペット用窓3には、別の形態の中骨33を用いることもできる。図10には、第2の形態の中骨33を有するペット用窓3の中骨付近の拡大横断面図である。この場合、中骨33以外の構成はこれまで説明したものと同じである。図10に示すように、中骨33は、図7に示したものと同様に、金属製の中骨本体50と、中骨本体50の室内側面を覆うように取付けられる樹脂カバー体51とからなっている。図10に示す中骨33は、樹脂カバー体51に扉保持部51a及びガラス保持部51bが形成され、また気密材57を保持する気密材保持部54及びストッパ60の本体部61を挿通させる孔部55を有している。図7に示したものと異なるのは、中骨本体50に段部50aが形成されておらず、樹脂カバー体51の孔部55と略同じ大きさの挿通孔50bを室内側面に有している。このため、ストッパ60の本体部61は、中骨33に取付けられた状態で中骨本体50の内部に納められる。
【0031】
また、図11には第3の形態の中骨33を有するペット用窓3の中骨付近の拡大横断面図を示している。この場合においても、中骨33以外の構成はこれまで説明したものと同じである。図11に示すように、中骨33は金属製の中骨本体50と、中骨本体50の室内側面を覆うように取付けられる樹脂カバー体51とからなっている。図11に示す中骨33は、樹脂カバー体51に気密材保持部54及び孔部55が形成されて、気密材57を保持すると共にストッパ60を挿通させることができる。その一方、中骨本体50に扉保持部50d及びガラス保持部50eが形成されていて、樹脂カバー体51はこれらの室内側面を覆う構成となっている。また、中骨本体50の室内側面には樹脂カバー体51の気密材保持部54と略同じ形状を有した凹部50cが形成されており、この凹部50cに樹脂カバー体51が嵌合されている。なお、第2の形態の中骨33の場合と同様に中骨本体50には挿通孔50bが形成されており、樹脂カバー体51の孔部55に挿通されるストッパ60の本体部61は、挿通孔50bにも挿通されて中骨本体50内に納められる。
【0032】
第3の形態の中骨33を用いる場合には、金属材からなる中骨本体50のみで中骨33を構成することもできる。図12には、中骨本体50のみで中骨33を構成した場合の拡大横断面図を示している。第3の形態の中骨33の場合、中骨本体50が扉保持部50d及びガラス保持部50eを有しているので、中骨本体50だけでも扉体21及びガラス体22を保持することができる。また、中骨本体50の室内面に凹部50cが形成されているので、この凹部50cに気密材57を保持させて、ガラス戸23に当接させるようにすることができる。したがって、図12のように中骨本体50のみで中骨33としての機能を果たすことができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、ペット用窓3を複合サッシに取付ける場合について主に説明したが、金属サッシであって複層ガラスを納めるサッシにも本実施形態のペット用窓3を取付けることができるし、また、図9でも説明したように金属サッシであって単板ガラスを納めるサッシにも本実施形態のペット用窓3を取付けることができる。さらに、本実施形態では図7及び図10で示したように、中骨33を構成する樹脂カバー体51に扉保持部51a及びガラス保持部51bの両方を設けた場合と、図11に示したように、中骨本体50に扉保持部50d及びガラス保持部50eの両方を設けた場合とについて説明したが、樹脂カバー体51に扉保持部50aとガラス保持部51bのいずれか一方を設け、他方を中骨本体50に設ける構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態のペット用窓をサッシ障子に取付けた正面図である。
【図2】ペット用窓の斜視図である。
【図3】ペット用窓を設けたサッシの縦断面図である。
【図4】ペット用窓を設けたサッシの横断面図である。
【図5】図3の中桟付近の拡大図である。
【図6】図4の一方の縦框付近の拡大図である。
【図7】中骨付近の拡大横断面図である。
【図8】ストッパの側面図である。
【図9】嵌合部を用いてサッシ障子に対してペット用窓を固定する場合における縦框付近の横断面図である。
【図10】第2の形態の中骨を有するペット用窓の中骨付近の拡大横断面図である。
【図11】第3の形態の中骨を有するペット用窓の中骨付近の拡大横断面図である。
【図12】中骨本体のみで中骨を構成した場合の拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 サッシ枠体
2 サッシ障子
3 ペット用窓
10 上框
11 下框
12 縦框
13 中桟
14 ガラス挿入溝
15 グレチャン
16 障子ガラス体
20 枠体
21 扉体
22 ガラス体
23 ガラス戸
30 上枠
31 下枠
32 縦枠
33 中骨
34 扉体保持部
35 ガラス戸保持部
36 被保持部
36a 室内側面
36b 室外側面
37 嵌合部
50 中骨本体
51 樹脂カバー体
52 扉体挿入溝
53 ガラス体挿入溝
54 気密材保持部
55 孔部
56 グレチャン
57 気密材
58 収納部
60 ストッパ
61 本体部
62 出没部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシ障子の下部に取付けられる枠体内に室内外方向に揺動開閉自在な扉体を納めたペット用窓において、
前記枠体内には上下に渡る中骨が設けられ、該中骨の一方側に前記扉体が揺動開閉自在に設けられ、前記中骨の他方側にガラス体が嵌め殺し状に設けられ、前記枠体の前記扉体及びガラス体より室内側には前記扉体を閉塞可能なガラス戸が左右方向に摺動自在に納められ、前記中骨には前記ガラス戸の摺動を規制可能なストッパが設けられることを特徴とするペット用窓。
【請求項2】
前記ストッパは前記中骨に固定される本体部と、該本体部に出没自在に納められる出没部とを有し、該出没部の側面部が前記本体部から突出することで前記ガラス戸の摺動を規制することを特徴とする請求項1記載のペット用窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−68252(P2009−68252A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237595(P2007−237595)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】